(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075850
(43)【公開日】2023-05-31
(54)【発明の名称】スピーカ装置
(51)【国際特許分類】
H04R 9/02 20060101AFI20230524BHJP
H04R 9/04 20060101ALI20230524BHJP
G10K 11/16 20060101ALN20230524BHJP
【FI】
H04R9/02 103
H04R9/02 102
H04R9/04 102
G10K11/16 160
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189016
(22)【出願日】2021-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】000112565
【氏名又は名称】フォスター電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100187322
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 直輝
(72)【発明者】
【氏名】町田 賢太郎
【テーマコード(参考)】
5D012
5D061
【Fターム(参考)】
5D012BB02
5D012DA03
5D061GG10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】製造時の組付け性がよく、かつ、低音再生の品質を維持しながら制振特性を向上することができるスピーカ装置を提供すること。
【解決手段】スピーカ装置1は、第1ボイスコイル11と、第1ボイスコイル11の径方向外側に配置される第2ボイスコイル21と、第1ボイスコイル11をフレーム3に支持する第1ダンパ部14と、第2ボイスコイル21をフレーム3に支持する第2ダンパ部22と、を備え、第1ダンパ部14は、第2ボイスコイル21の振動方向の延長線上に、第1ダンパ部14における他の部分よりも第2ボイスコイル21に対して離間する窪み部142を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ボイスコイルと、
前記第1ボイスコイルの径方向外側に配置される第2ボイスコイルと、
前記第1ボイスコイルをフレームに支持する第1ダンパと、
前記第2ボイスコイルを前記フレームに支持する第2ダンパと、
を備え、
前記第1ダンパは、前記第2ボイスコイルの振動方向の延長線上に、当該第1ダンパにおける他の部分よりも前記第2ボイスコイルに対して離間する窪み部を有する、
スピーカ装置。
【請求項2】
前記第2ボイスコイルは、前記第1ボイスコイルと逆方向に振動可能である、
請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項3】
前記第1ダンパと前記第2ボイスコイルとが最も接近した時に、前記第2ボイスコイルの一部は、前記窪み部内に位置する、
請求項1又は2に記載のスピーカ装置。
【請求項4】
前記第2ダンパは前記振動方向に複数並んで配置された支持部材で構成される、
請求項1から3のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項5】
第1磁石及び第2磁石を有する磁気回路をさらに備え、
前記第1磁石と前記第2磁石は、前記振動方向に並んで配置される、
請求項1から4のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項6】
第1ボイスコイルと、
前記第1ボイスコイルの径方向外側に配置される第2ボイスコイルと、
前記第1ボイスコイルをフレームに支持する第1ダンパと、
前記第2ボイスコイルを前記フレームに支持する第2ダンパと、
第1磁石及び第2磁石を有する磁気回路と、
を備え、
前記第1磁石と前記第2磁石は、前記第1ボイスコイルの振動方向に並んで配置される、
スピーカ装置。
【請求項7】
前記磁気回路は、前記第1磁石と接続され、当該第1磁石とは異なる面で前記第2磁石と接続される中間磁性部材を有する、
請求項6に記載のスピーカ装置。
【請求項8】
前記中間磁性部材は、前記第1ボイスコイルが配置される第1磁気ギャップと、前記第2ボイスコイルが配置される第2磁気ギャップと、を形成する、
請求項7に記載のスピーカ装置。
【請求項9】
前記磁気回路は、前記第1磁石と、前記中間磁性部材と異なる面で接続される第1磁性部材を有し、
前記中間磁性部材と前記第1磁性部材との間に前記第1磁気ギャップが形成される、
請求項8に記載のスピーカ装置。
【請求項10】
前記磁気回路は、前記第2磁石と、前記中間磁性部材と異なる面で接続される第2磁性部材を有し、
前記中間磁性部材と前記第2磁性部材との間に前記第2磁気ギャップが形成される、
請求項9に記載のスピーカ装置。
【請求項11】
前記第1磁石及び前記第2磁石は前記第2ボイスコイルの径方向内側に配置される、
請求項6から10のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項12】
前記第1磁石は前記第1ボイスコイルの径方向内側に配置され、
前記第2磁石は前記第2ボイスコイルの径方向外側に配置され、
前記中間磁性部材は、前記第1磁石と接続される中央部と、前記第2磁石と接続される外周部と、を有し、
前記第1磁石は前記中間磁性部材の前記中央部と接続され、
前記第2磁石は前記中間磁性部材の前記外周部と接続される、
請求項7から10のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項13】
前記第1ダンパは、前記第2ボイスコイルの振動方向の延長線上に、当該第1ダンパにおける他の部分よりも前記第2ボイスコイルに対して離間している窪み部を有する、
請求項6から12のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項14】
前記窪み部は、前記第1ダンパの他の部分より剛性が高い、
請求項1、2、3、4、5、13のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項15】
前記中間磁性部材は、径方向外側に突出し、前記第2磁気ギャップを形成する突起部が形成される、
請求項8に記載のスピーカ装置。
【請求項16】
前記第1ボイスコイル、前記第1ボイスコイルと接続されている振動板、及び前記第1ダンパを有する第1駆動部と、
前記第2ボイスコイル及び前記第2ダンパを有する第2駆動部と、を有し、
当該第2駆動部の振動に応じて前記スピーカ装置に発生する第2加振力は、当該第1駆動部の振動に応じて前記スピーカ装置に発生する第1加振力と同時期において逆向きである、
請求項1から15のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項17】
前記第1駆動部及び前記第2駆動部とを内部に収容する筐体を有し、
前記第2駆動部の最低共振周波数は、前記第1駆動部の最低共振周波数と同じである、
請求項16に記載のスピーカ装置。
【請求項18】
前記第2ボイスコイルを振動させる第2電気信号は、前記第1ボイスコイルを振動させる第1電気信号と異なる、
請求項1から17のいずれかに記載のスピーカ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スピーカ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
振動板を振動させて音を再生するスピーカ装置は、車両、例えば、自動車の車室内において、音楽や音声等の音響再生を行うために、広く使用されている。特許文献1には、放音部材としての振動板を有する第1駆動手段に対して反対方向を向く第2駆動手段を配置して反力で第1駆動手段の振動を相殺することが記載されている。
【0003】
特許文献2では、放音側に音波を放射する主体的な機能を果たす本体部、及び駆動時に本体部の振動系が振動することに起因して磁気回路で発生する振動を抑制する振動抑制部を備えるスピーカ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭60-6157号公報
【特許文献2】特開2006-13587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のスピーカ装置は、第1駆動手段のみの通常のスピーカに比べて高さ(振動方向の長さ)が大きくなることや、駆動手段(スピーカユニット)を2つ作りそれらを締結させるため工程が大幅に増加し組付け性が悪い。また、特許文献2のスピーカ装置は、磁気回路において1つの中空円板型の磁石を共有しており、振動抑制部のダンパの長さが小さくなり、振動抑制部が本体部の振動を相殺するのに十分な振幅量を得られない。また振幅量を増やすと、本体部の振動板と振動抑制部のボイスコイルが干渉するおそれがある。また、特許文献2の第2実施例のスピーカ装置は、本体部のボイスコイルが外側に配置されるので本体部の振幅量が小さくなり、大出力で低音再生するためのウーファには不向きである。特に、低音域や重低音域を再生するウーファ等のスピーカ装置は駆動手段自体が比較的大型となるため、設置スペースの限られる車両に搭載するには工夫が必要であり、省スペース化や薄型化が求められている。
【0006】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、製造時の組付け性がよく、かつ、音声再生の品質を維持しながら制振特性を向上することができるスピーカ装置を提供することにある。また、制振特性の向上と薄型化を両立することができるスピーカ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様として実現することができる。
【0008】
本態様に係るスピーカ装置は、第1ボイスコイルと、前記第1ボイスコイルの径方向外側に配置される第2ボイスコイルと、前記第1ボイスコイルをフレームに支持する第1ダンパと、前記第2ボイスコイルを前記フレームに支持する第2ダンパと、を備え、前記第1ダンパは、前記第2ボイスコイルの振動方向の延長線上に、当該第1ダンパにおける他の部分よりも前記第2ボイスコイルに対して離間する窪み部を有する。
【0009】
上記スピーカ装置の前記第2ボイスコイルは、前記第1ボイスコイルと逆方向に振動可能であってもよい。
【0010】
上記スピーカ装置は、前記第1ダンパと前記第2ボイスコイルとが最も接近した時に、前記第2ボイスコイルの一部が前記窪み部内に位置してもよい。
【0011】
上記スピーカ装置の前記第2ダンパは、前記振動方向に複数並んで配置された支持部材で構成されてもよい。
【0012】
上記スピーカ装置は、第1磁石及び第2磁石を有する磁気回路をさらに備え、前記第1磁石と前記第2磁石が前記振動方向に並んで配置されてもよい。
【0013】
本態様に係るスピーカ装置は、第1ボイスコイルと、前記第1ボイスコイルの径方向外側に配置される第2ボイスコイルと、前記第1ボイスコイルをフレームに支持する第1ダンパと、前記第2ボイスコイルを前記フレームに支持する第2ダンパと、第1磁石及び第2磁石を有する磁気回路と、を備え、前記第1磁石と前記第2磁石は、前記第1ボイスコイルの振動方向に並んで配置される。
【0014】
上記スピーカ装置の前記磁気回路は、前記第1磁石と接続され、当該第1磁石とは異なる面で前記第2磁石と接続される中間磁性部材を有していてもよい。
【0015】
上記スピーカ装置の中間磁性部材は、前記第1ボイスコイルが配置される第1磁気ギャップと、前記第2ボイルコイルが配置される第2磁気ギャップと、を形成してもよい。
【0016】
上記スピーカ装置の前記磁気回路は、前記第1磁石と、前記中間磁性部材と異なる面で接続される第1磁性部材を有し、前記中間磁性部材と前記第1磁性部材との間に前記第1磁気ギャップが形成されてもよい。
【0017】
上記スピーカ装置の前記磁気回路は、前記第2磁石と、前記中間磁性部材と異なる面で接続される第2磁性部材を有し、前記中間磁性部材と前記第2磁性部材との間に前記第2磁気ギャップが形成されてもよい。
【0018】
上記スピーカ装置の前記第1磁石及び前記第2磁石は前記第2ボイスコイルの径方向内側に配置されてもよい。
【0019】
上記スピーカ装置において、前記第1磁石は前記第1ボイスコイルの径方向内側に配置され、前記第2磁石は前記第2ボイスコイルの径方向外側に配置され、前記中間磁性部材は、前記第1磁石と接続される中央部と、前記第2磁石と接続される外周部と、を有し、前記第1磁石は前記中間磁性部材の前記中央部と接続され、前記第2磁石は前記中間磁性部材の前記外周部と接続されてもよい。
【0020】
上記スピーカ装置の前記第1ダンパは、前記第2ボイスコイルの振動方向の延長線上に、当該第1ダンパにおける他の部分よりも前記第2ボイスコイルに対して離間している窪み部を有してもよい。
【0021】
上記スピーカ装置の前記窪み部は、前記第1ダンパの他の部分より剛性が高くてもよい。
【0022】
上記スピーカ装置の前記中間磁性部材は、径方向外側に突出し、前記第2磁気ギャップを形成する突起部が形成されてもよい。
【0023】
上記スピーカ装置は、前記第1ボイスコイル、前記第1ボイスコイルと接続されている振動板、及び前記第1ダンパを有する第1駆動部と、前記第2ボイスコイル及び前記第2ダンパを有する第2駆動部と、を有し、前記第2駆動部の振動に応じて前記スピーカ装置に発生する第2加振力は、前記第1駆動部の振動に応じて前記スピーカ装置に発生する第1加振力と同時期において逆向きであってもよい。
【0024】
上記スピーカ装置は、前記第1駆動部及び前記第2駆動部を内部に収容する筐体を有し、前記第2駆動部の最低共振周波数は、前記第1駆動部の最低共振周波数と同じであってもよい。
【0025】
上記スピーカ装置の前記第2ボイスコイルを振動させる第2電気信号は、前記第1ボイスコイルを振動させる第1電気信号と異なってもよい。
【発明の効果】
【0026】
上記手段を用いる本開示に係るスピーカ装置によれば、製造時の組付け性が良くなり、かつ、音声再生の品質を維持しながら制振特性を向上することができる。また、制振特性の向上と薄型化を両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本開示の第1実施形態に係るスピーカ装置の斜視図である。
【
図2】本開示の第1実施形態に係るスピーカ装置の側断面図である。
【
図3】本開示の第1実施形態に係る磁石の着磁面の配置と磁気回路の磁界の向きを示す説明図である。
【
図4】本開示の第1実施形態に係るスピーカ装置の駆動部の振幅を示す説明図である。
【
図5】本開示の第2実施形態に係るスピーカ装置の斜視図である。
【
図6】本開示の第2実施形態に係るスピーカ装置の側断面図である。
【
図7】本開示の第2実施形態に係る磁石の着磁面の配置と磁気回路の磁界の向きを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本開示の実施形態を図面に基づき説明する。
【0029】
(第1実施形態)
図1は本開示の第1実施形態に係るスピーカ装置1の斜視図である。
図2はスピーカ装置1の中心軸線O1を通るXZ平面における側断面図である。以下これらの図に基づき第1実施形態のスピーカ装置1の構成について説明する。
【0030】
本実施形態のスピーカ装置1は、例えば車両のドアに搭載されるスピーカであり、主要部分は、
図2に示すように中心軸線O1に対して軸対称である。スピーカ装置1は、図示しない筐体(エンクロージャ)と、当該筐体に取り付けられるフレーム3と、フレーム3に取り付けられる第1駆動部10と、フレーム3に取り付けられる第2駆動部20と、磁性体及び磁石を有する磁気回路30を有している。以下の説明において、中心軸線O1に平行な方向を軸方向といい、軸方向のうち、第2駆動部20から第1駆動部10へ向かう方向を前方向、第1駆動部10から第2駆動部20へ向かう方向を後方向とする。また、中心軸線O1から垂直に外側に放射する方向を径方向という。スピーカ装置1は、第1駆動部10から前方に向かって音が放射される。また、スピーカ装置1は、例えばウーファ又はサブウーファであり、大入力での低音再生が可能である。
【0031】
第1駆動部10は、第1ボイスコイル11と、振動板12と、エッジ部13と、第1ダンパ部14と、センターキャップ15と、を備えている。
【0032】
第1ボイスコイル11は中心軸線O1と同軸の円筒形状をなす第1ボビン111と、第1ボビン111の外周面に巻回された第1コイル112とから構成され、スピーカ装置1の中央に配置されている。振動板12は、中央に中心軸線O1と同軸の円孔を有し、円孔の内周縁から径方向外側かつ前方向に延びるコーン形状をなし、第1ボイスコイル11の径方向外側に配置された放音部材である。また振動板12は、その内周縁が第1ボイスコイル11の外周面に接続されている。振動板12の外周縁とフレーム3の間には、エッジ部13が形成されている。エッジ部13は、振動板12の外周縁と重なる内周縁を有する断面逆U字型の窪みを形成する環状をなし、その外周縁はフレーム3に接続されている。
【0033】
第1ダンパ部14は、中央に中心軸線O1と同軸の円孔を有し、その円孔が形成された内周縁から径方向外側に径方向に延びる環状円板形状をなす弾性体であり、第1ボイスコイル11の径方向外側かつ振動板12の後方に配置されている。また、第1ダンパ部14は、詳しい形状については後述するが、全体として断面が波型形状である。さらに、第1ダンパ部14は、内周縁が第1ボイスコイル11の外周面に接続され、外周縁がフレーム3に接続されている。第1ダンパ部14は、第1ボイスコイル11とフレーム3との間を連結して、第1ボイスコイル11を中心軸線O1方向に振動可能に支持している。第1ボイスコイル11の振動方向は軸方向と同じである。
【0034】
フレーム3は、後方へ向けて段階的に径が縮小する断面凹形状をなしており、フレーム3の後方側端部は磁気回路30の後述する第2ヨーク35に接続されている。第1駆動部10の中央部には、第1ボイスコイル11と振動板12の中央付近の一部を覆うように、放音部材であるセンターキャップ15が配置されている。センターキャップ15の外周縁は、振動板12の頂面(前面)の一部と接続している。
【0035】
第2駆動部20は、第2ボイスコイル21と、第2ダンパ部22と、を備えている。
【0036】
第2ボイスコイル21は、中心軸線O1と同軸かつ第1ボビン111より大径の円筒形状をなす第2ボビン211と、第2ボビン211の外周面に巻回された第2コイル212とから構成され、スピーカ装置1の中央かつ第1ボイスコイル11より径方向外側に第1ボイスコイル11と同心に配置されている。
【0037】
第2ダンパ部22は、支持部材である2つのダンパ22a、22bと、2つのダンパ22a、22bの軸方向の距離を保持するためのスペーサ23から構成される。なお、以下の説明において区別して記載することが必要な場合は、2つのダンパ22a、22bのうち、振動板12に近い位置に配置される方をダンパ22a、他方をダンパ22bと呼ぶことにする。ダンパ22a及びダンパ22bは、中央に中心軸線O1と同軸の円孔を有し、円孔が形成された内周縁から径方向外側に径方向に延びる円板形状をなす弾性体である。ダンパ22a、22bは、第2ボイスコイル21の径方向外側に、スペーサ23を間に挟んで軸方向に並んで配置されている。具体的には、ダンパ22aの外周縁の後面がスペーサ23の前面と接続し、ダンパ22bの外周縁の前面がスペーサ23の後面と接続している。そして、ダンパ22a、22bは、それぞれの内周縁が第2ボイスコイル21の外周面に接続されている。さらに、ダンパ22bの外周縁の後面がフレーム3に接続されている。第2ダンパ部22は、内周側では第2ボイスコイル21に接続され、外周側ではフレーム3に接続されることで、第2ボイスコイル21とフレーム3との間を連結して、第2ボイスコイル21を中心軸線O1方向に振動可能に支持している。第2ボイスコイル21の振動方向は軸方向と同じである。ダンパ22a、22bは、断面が波型形状であり、取付状態において同一形状(軸方向に平行移動すると断面形状が重なる)である。これにより、ダンパ22aとダンパ22bとの間隔を小さく設定することも可能であり、組付け性も向上する。
【0038】
振動板12及び第1ダンパ部14は、それぞれの内周部が第1ボビン111の外周面に接着剤により接着固定される。また、振動板12及び第1ダンパ部14は、それぞれの外周部がフレーム3に接着剤により接着固定される。また、第2駆動部20の第2ダンパ部22のダンパ22a、22bは、それぞれの内周部が第2ボビン211の外周面に接着剤により接着固定される。また、ダンパ22a、22bは、それぞれの外周部がフレーム3に接着剤により接着固定される。第1駆動部10及び第2駆動部20のその他の接続部も、基本的に接着剤により接着固定される。
【0039】
磁気回路30は、トッププレート31(第1磁性部材)と、第1磁石32と、第1ヨーク33(中間磁性部材)と、第2磁石34と、第2ヨーク35(第2磁性部材)と、を備え、スピーカ装置1の中央かつ第1駆動部10の後方位置に配置される。これらは、最後方に配置される第2ヨーク35から、第2磁石34、第1ヨーク33、第1磁石32、トッププレート31の順に、第1ボイスコイル11及び第2ボイスコイル21の振動方向に、同軸上に前方に向かって積層されて配置される。トッププレート31、第1ヨーク33、及び第2ヨーク35は、磁性部材である。第1駆動部10と第2駆動部20の磁気回路を1つの磁気回路30で構成し、かつ、このように磁気回路30を後方から積み上げる構成とすることにより、製造工程における組付け性が向上する。また、第1磁石32及び第2磁石34はともに、第2ボイスコイル21よりも径方向内側に配置されている。この場合、第2磁石34の径方向の大きさは、第1磁石32の径方向の大きさより大きくしている。これにより、第1ボイスコイル11より大径で大型の重量が大きい第2ボイスコイル21においても、後述する第2磁気ギャップG2aの磁束密度を高くできる。なお、第1磁石32と第2磁石34の径方向の大きさは同じであってもよく、実施形態と異なる大小関係としてもよい。
【0040】
第2ヨーク35は、一方が開放された有底円筒形状で、中心軸線O1と同軸の円板状の第2底部35aと、第2底部35aの外周縁から立設する第2円筒部35bと、第2底部35aの中央部から前方に突出した円柱状の第2凸部35cとを有する。第2ヨーク35は、本実施形態では、
図2に示すように、軽量化及び加工時の中心出しのために第2底部35aの底面(後面)に窪みが設けられている。第2磁石34は、中心軸線O1と同軸かつ第2凸部35cとほぼ同径の円柱形状をなし、第2凸部35cの頂面(前面)に積層されている。また、第2円筒部35bの前方端外周には取付フランジが形成され、当該取付フランジがフレーム3の後方側端部と連結している。
【0041】
第1ヨーク33は、基本的に第2ヨーク35を小径化した形状であり、中心軸線O1と同軸の円板状の第1底部33aと、第1底部33aの周縁から立設する第1円筒部33bと、第1底部33aの中央部から前方に突出した円柱状の第1凸部33cと、を有する。第1ヨーク33は、第2磁石34の頂面(前面)に積層されている。第1磁石32は、中心軸線O1と同軸かつ第1凸部33cとほぼ同径の円柱形状をなし、第1凸部33cの頂面(前面)に積層されている。トッププレート31は、第1磁石32よりも僅かに大径な円柱形状をなし、第1磁石32の頂面(前面)に積層されている。
【0042】
第2円筒部35bは、第1底部33aの頂面(前面)付近まで前方に延出している。そして、第1底部33aは、第1円筒部33bの外周面よりも径方向外側、即ち第2円筒部35b側に突出する突起部33dを有する。
【0043】
第1円筒部33bは、トッププレート31の頂面(前面)まで延出している。そして、トッププレート31、第1磁石32、及び第1凸部33cの各外径は、第1円筒部33bの内径より小さい。
図2に示すように、第1円筒部33bの径方向内側には、第1円筒部33bの内周面と、トッププレート31、第1磁石32、及び第1凸部33cの外周面との間に、第1円筒部33bの前側先端から第1底部33aの頂面(前面)まで到達する環状の第1間隙G1が形成される。第1間隙G1のうち、トッププレート31の外周面と、第1円筒部33bの内周面との間に形成される第1磁気ギャップG1aには、周方向に略均一な磁界が発生する。
【0044】
同様に、第1底部33a、第2磁石34、第2凸部35cの各外径は、第2円筒部35bの内径より小さい。
図2に示すように、第2円筒部35bの径方向内側には、第2円筒部35bの内周面と、第1底部33a、第2磁石34、及び、第2凸部35cの外周面との間に、第2円筒部35bの先端から第2底部35aの頂面(前面)まで到達する環状の第2間隙G2が形成される。第2間隙G2のうち、第1底部33aの外周面(突起部33dの外周面)と、第2円筒部35bの内周面とで形成される第2磁気ギャップG2aには、周方向に略均一な磁界が発生する。本実施形態では、第1底部33aの突起部33dの突出量を調整することで、第2磁気ギャップG2aの間隔を狭めて、第2磁気ギャップG2aを通過する磁束を増加させることができ、漏れ磁束を減らすことができる。
【0045】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る磁石の着磁面の配置と磁気回路の磁界の向きを示す説明図である。具体的には、磁気回路30の積層構造内における第1磁石32と第2磁石34の着磁面の磁極性配置と、当該配置によって発生する磁気回路30の磁界の向きを示す説明図である。なお、
図3では、磁気回路30の断面を示すハッチングを除去し、説明の矢印や文字を見やすくしている。
【0046】
第1磁石32及び第2磁石34は、例えば永久磁石であり、軸方向に着磁されている。即ち、第1磁石32及び第2磁石34の一方側の円板面(着磁面)がS極であれば、他方側の円板面(着磁面)はN極である。磁気回路30は、
図3に示すように、積層された状態で、第1磁石32の一方側の着磁面(前側の着磁面であり、N極)がトッププレート31の底面(後面)と接続され、第1磁石32の他方側の着磁面(後側の着磁面、S極)は第1ヨーク33の第1凸部33cの頂面(前面)と接続されている。そして、第1ヨーク33の第1磁石32が接続される面と異なる面である第1ヨーク33の第1底部33aの底面(後面)において、第2磁石34の一方側の着磁面(前側の着磁面、S極)が接続され、第2磁石34の他方側の着磁面(後側の着磁面、N極)は、第2ヨーク35の第2凸部35cの頂面(前面)に接続されている。このように、磁気回路30は、第1磁石32と接続され、第1磁石32とは異なる面で第2磁石34と接続される第1ヨーク33を有する。そして、第1実施形態のスピーカ装置1において、磁気回路30は、第1磁石32と第2磁石34とが磁性部材である第1ヨーク33を介して同極(
図3ではS極)同士を磁気回路的に対向するように配置された反発磁気回路を形成している。なお、第1磁石32と第2磁石34の磁極性をそれぞれ逆にして、N極同士を対向させた配置でもよい。また、第1磁石32と第2磁石34は同極同士を対向させてもよいし、異極同士を対向させてもよく、その着磁方向は限定されない。例えば、第1磁石32と第2磁石34の着磁方向を逆にし、S極とN極を対向させる配置としてもよい。このことは、磁気回路について内磁型と外磁型のいずれを採用した場合においても例外ではない。
【0047】
スピーカ装置1の磁気回路30には、
図3の2つの矢印A、Bで示すように、トッププレート31から第1磁気ギャップG1aを通って第1ヨーク33の第1円筒部33b、第1凸部33cに向かう磁束の流れ(矢印A)と、第2ヨーク35の第2凸部35cから第2円筒部35b、第2磁気ギャップG2aを通って第1ヨーク33の第1底部33aに向かう磁束の流れ(矢印B)と、の2つの磁束の流れが発生する。この場合、2つの矢印A、Bが重なる部分である第1底部33aにおいては、磁界方向が合わせられるため、2つの磁石(第1磁石32及び第2磁石34)を用いることにより、第1磁気ギャップG1aと第2磁気ギャップG2aに発生させる磁界を強め合うことがある。また、2つの矢印A、Bが重なる部分である第1底部33aが第2磁気ギャップG2aを形成するためのプレートとして兼用できることにより、薄型化、軽量化と共に部品点数を減少することができる。
【0048】
第1ボビン111は後側の一部が第1間隙G1の中に配置されており、第1磁気ギャップG1aの位置に配置された後側の外周面に第1コイル112が巻回されている。第1ボビン111は第1ダンパ部14を介してフレーム3に支持されており、軸方向に振動可能である。図示しないが、第1コイル112は信号伝達回路と接続されている。そのため、第1コイル112には、当該信号伝達回路からの電気信号と第1磁気ギャップの磁界の作用によって軸方向に第1駆動力(第1電磁力)が発生する。そして、第1駆動力により、第1コイル112と共に第1ボビン111が振動し、第1駆動部10を振動させる。また、第1ボビン111と一緒に振動板12が振動することにより音が放射される。この際、スピーカ装置1には、第1駆動部の振動に応じて、第1加振力が発生する。この第1加振力は、スピーカ装置1と固定される筐体を振動させる原因となる。
【0049】
第2ボビン211は、後側の一部が第2間隙G2の中に配置されており、第2磁気ギャップG2aの位置に配置された後側の外周面に第2コイル212が巻回されている。第2コイル212は、第1コイル112と同じ向きに巻回されている。ここで、同じ向きに巻回されている、とは、前側からスピーカ装置1を見たときに、第1コイル112を流れる電流の向き(時計まわり又は反時計回り)が第2コイル212を流れる電流の向きと同じであることをいう。第2ボビン211は第2ダンパ部22を介してフレーム3に支持されており、軸方向に振動可能である。第2コイル212は、第1コイル112と同じ信号伝達回路に接続されており、当該信号伝達回路からの電気信号と第2磁気ギャップの磁界の作用によって、軸方向に第2駆動力(第2電磁力)が発生する。そして、第2駆動力により、第2コイル212と共に第2ボビン211が振動し、第2駆動部20を振動させる。この際、スピーカ装置1には、第2駆動部の振動に応じて、第2加振力が発生する。ここで、第2磁気ギャップの径方向の磁束の向きが、第1磁気ギャップの径方向の磁束の向きと逆であるため、同時期において、第2駆動力は第1駆動力に対して軸方向に逆向きである。従って、第1加振力と第2加振力も、同時期において、軸方向に逆向きに発生する。また、同時期において第2加振力が第1加振力と同等となるよう、第2駆動部20におもりを追加したり、第2コイル212の巻回数を増減したり、第2ボイスコイル21やダンパ22a、22bの材料や大きさ等を設定したりすることにより重さを増減する等の調整がされる。ここで、第2加振力が第1加振力と同等であるとは、厳密に同一である必要はなく、相殺効果が得られる程度の幅を有していても良い。このようにして、第2加振力が、第1加振力に対して軸方向逆向きかつ同等に発生することで、第1加振力が相殺され、スピーカ装置1の振動が抑制される。
【0050】
第1駆動部10及び第2駆動部20における各部の素材は特に限定されるものではない。例えば振動板12、第1ダンパ部14、ダンパ22a、22b、及びセンターキャップ15は紙系、樹脂系、金属系、又はこれらを組み合わせた複合化系及びセラミックス系など種々の材料を用いることが可能である。そして、エッジ部13は、例えばゴムや樹脂などの比較的高弾性の高分子系の材料を用いることが可能である。また、この他にも第1駆動部10及び第2駆動部20における各部の素材として、繊維材料を用いてもよい。さらに第1駆動部10及び第2駆動部20における各部において基礎となる材料にゴムコート等のコーティングをしてもよい。フレーム3及びスペーサ23は樹脂系や紙系の材料や、金属系の材料を用いることが可能である。
【0051】
なお、各図に示した各部材の径や厚さは一例であり、この形状や寸法に限られるものではない。
【0052】
スピーカ装置1では、第1駆動部10と第2駆動部20とが筐体の内部に収容された状態で、第1駆動部10の最低共振周波数に対し、第2駆動部20の最低共振周波数が同じとなるよう、第2駆動部20の最低共振周波数が設定される。なお、筐体は、車両の一部で構成されてもよいし、形態は限定されない。第2駆動部20の最低共振周波数は、通常、スピーカ装置1が筐体に収容されたときの方が高くなるため、スピーカ装置1単体の状態では、第1駆動部10の最低共振周波数より低めに設定される。ここで、「第2駆動部20の最低共振周波数が第1駆動部10の最低共振周波数と同じ」であるとは、厳密に同一である必要はなく、第2駆動部20の最低共振周波数が、第1駆動部10の最低共振周波数の前後一定の範囲、例えば、±20%の範囲に入っていればよい。第1駆動部10の最低共振周波数と第2駆動部20の最低共振周波数が同じであることにより、筐体に発生する共振をより確実に防止することができる。
【0053】
図4は、本発明の第1の実施形態に係るスピーカ装置のダンパの振幅を示す説明図である。以下同図に基づき第1ダンパ部14の詳細、及び、第1ダンパ部14と第2ボイスコイル21が最接近したときの位置関係について説明する。
【0054】
第1ダンパ部14の形状等について説明する。第1ダンパ部14は、内周部141、窪み部142、中間部143、外周部144から構成されている。内周部141は第1ボビン111の外周面に接続され、外周部144はフレーム3に接続されている。窪み部142は、第2ボイスコイル21に対して軸方向に対向して配置され、第2ボイスコイル21側から軸方向前方を見たときに、大きく窪んだ形状となっている。中間部143は、断面波型のいわゆるコルゲート形状である。
【0055】
窪み部142は、第1駆動部10及び第2駆動部20が振幅の中間点にあるときに(又は、電気信号が印加されていない状態において)、第2ボイスコイル21の振動方向の延長線上に、第1ダンパ部14における他の部分である中間部143よりも第2ボイスコイル21に対して離間している。具体的には、
図4に示すように、第2ボイスコイル21の前側の先端を示す位置B1を含む軸方向に垂直な面を基準とした場合、窪み部142の前側の先端を含む軸方向に垂直な面までの距離h1は、中間部143の前側の先端を含む軸方向に垂直な面までの距離h2より大きい。
【0056】
また、窪み部142は、第1ダンパ部14の他の部分である中間部143より剛性が高い。例えば、窪み部142にのみ、同一形状の補強部材を重ねた2重構造にすることにより厚みを増加させ、剛性を高めることができる。なお、補強部材の素材は窪み部142と同一素材でもよいし、異なる素材でもよい。これにより窪み部142は中間部143等の他の部分よりも変形しにくくなっている。また、窪み部142にリブ等を追加することで剛性を高めても良いし、窪み部142を中間部143よりも剛性の高い材料で形成することで剛性を高めても良い。
【0057】
次に、第1ダンパ部14と第2ボイスコイル21が最も接近した時の位置関係について説明する。第1駆動部10及び第2駆動部20が振幅の中間点にあるときに、第1ダンパ部14と第1ボイスコイル11の接続箇所は、
図4に示す位置A1にあり、第2ボイスコイル21の前側先端は位置B1にある。そして、第1ボイスコイル11及び第2ボイスコイル21に電気信号が印加され、第1ダンパ部14と第2ボイスコイル21が最接近した時には、第1ダンパ部14と第1ボイスコイル11の接続箇所は位置A2にあり、第2ボイスコイル21の前側先端は位置B2にある。即ち、第2ボイスコイル21の一部である前側先端は、第1ダンパ部14と第2ボイスコイル21が最も接近した時に、窪み部142内に位置する。この時の第1ダンパ部14及び第2ダンパ部22は、
図4の破線で示す位置にあり、第2ボイスコイル21の前側先端は窪み部142に接触しておらず、第1駆動部10と第2駆動部20が相互に干渉しないことがわかる。なお、窪み部142は、振動板12とも干渉しないように設計されている。
【0058】
このように構成されたスピーカ装置1は、第2ボイスコイル21の直径を第1ボイスコイル11の直径により近づけることで、第1駆動部10と第2駆動部20とを振動させる磁界を発生する磁気回路30をフレーム3の枠内に収納しつつ軸方向(振動方向)の積層構造とでき、製造時の組付け性が向上する。また、第2ボイスコイル21の直径を第1ボイスコイル11の直径により近づけることで、第1ダンパ部14と第2ダンパ部22の径方向の長さが同等となり、第2ボイスコイル21も第1ボイスコイル11と同等の振幅量を確保することができる。即ち、第2駆動部20において、第1駆動部10からフレーム3を介してスピーカ装置1全体に伝達される振動(加振力)を相殺するのに十分な制振力を発生させることができる。これにより、音声、特に低音再生の品質を維持しながら制振特性が向上する。
【0059】
また、第1磁石32及び第2磁石34によって反発磁気回路を構成したことにより、第1磁石32のみの場合に比べて、第1磁気ギャップG1a及び第2磁気ギャップG2aの磁束密度が高くなり、第1駆動部10及び第2駆動部20の電気信号に対する応答性が向上する。さらに、これら2つの磁石の間に配置される第1ヨーク33の第1底部33aが、第1磁気ギャップG1aを通る磁束、及び第2磁気ギャップG2aを通る磁束、両方の通り道として兼用でき、磁気回路30の薄型化を図ることができる。
【0060】
また、第1駆動部10及び第2駆動部20は、それらの外周側はフレーム3に固定されているが、内周側は第1ボイスコイル11及び第2ボイスコイル21と一緒に振動するため、径方向内側に向かうにつれて前後の移動量が大きくなる。この場合、前後振動する第2ボイスコイル21がより外周側に位置するほど、第1ボイスコイル11及び第2ボイスコイル21の振幅が最大になったときに、第2ボイスコイル21が第1ダンパ部14や振動板12と干渉するおそれは小さくなる。一方、第2ボイスコイル21の直径が第1ボイスコイル11の直径により近づくほど、即ち、第2ボイスコイル21がより内周側に位置するほど、第1ボイスコイル11及び第2ボイスコイル21の振幅が最大になったときに、第2ボイスコイル21が第1ダンパ部14や振動板12と干渉するおそれが大きくなる。これに対し、第1ダンパ部14が、窪み部142を有することで、第2ボイスコイル21が第1ボイスコイル11に隣接して配置されても、第2ボイスコイル21が第1ダンパ部14や振動板12と干渉しない。従って、第2ボイスコイル21も第1ボイスコイル11と同等の振幅量を確保して音声品質を向上しながら薄型化できる。また、窪み部142は、剛性を高めて変形しにくくなっていることにより、第2ボイスコイル21との相対位置がぶれることなく、第2ボイスコイル21との接触を確実に避けることができる。さらに、第1ヨーク33の第1底部33aを第2磁気ギャップG2aを形成するためのプレートとして兼用できることにより、薄型化や部品点数減少による軽量化ができる。そして、第1磁石32及び第2磁石34が、第2ボイスコイル21よりも径方向内側において積層される構造により、第2磁石34を必要最小限の大きさとでき軽量化できる。
【0061】
このように第1実施形態のスピーカ装置1は、製造時の組付け性がよく、かつ、音声、特に低音再生の品質を維持しながら制振特性を向上することができる。また、制振特性の向上と薄型化を両立することができる。
【0062】
(第2実施形態)
上記第1実施形態のスピーカ装置1では、第1磁石32及び第2磁石34の両方が第2ボイスコイル21よりも径方向内側に配置されていたが、第2実施形態のスピーカ装置2では、第2磁石134を環状とすることで第2ボイスコイル21よりも径方向外側に配置している点が異なっている。
【0063】
図5は第2実施形態に係るスピーカ装置2の斜視図であり、
図6はスピーカ装置2の中心軸線O2を含むXZ平面における側断面図である。以下これらの図に基づき第2実施形態のスピーカ装置2について説明する。なお、第1実施形態に係るスピーカ装置1と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0064】
本実施形態のスピーカ装置2は、コーン型スピーカであり、主要部分は、
図6に示すように中心軸線O2に対して軸対称である。以下の説明において、中心軸線O2に平行な方向を軸方向として、第1実施形態と同様に前後方向、及び径方向を規定する。スピーカ装置2は、第1駆動部10から前方に向かって音が放射される。また、スピーカ装置2は、例えばウーファー又はサブウーファーであり、大入力での低音再生が可能である。
【0065】
フレーム103は後方へ向けて段階的に径が縮小する断面凹形状をなしており、フレーム103の後方側端部は磁気回路130の後述する第2トッププレート135に接続されている。磁気回路130は、第1トッププレート131(第1磁性部材)と、第1磁石132と、第1ヨーク133F及び第2ヨーク133R(中間磁性部材)と、第2磁石134と、第2トッププレート135(第2磁性部材)と、を備える。そして、第1磁石132は、第2ボイスコイル21よりも径方向内側に配置され、第2磁石134は、第2ボイスコイル21よりも径方向外側に配置されている。そのため、スピーカ装置2の径方向中央部においては、最後方に配置される第2ヨーク133Rから、第1ヨーク133F、第1磁石132、第1トッププレート131の順に、各部品が第1ボイスコイル11及び第2ボイスコイル21の振動方向に、同軸上に前方に向かって積層される。また、スピーカ装置2の径方向外側においては、最後方に配置される第2ヨーク133Rから、第2磁石134、第2トッププレート135の順に、各部品が第1ボイスコイル11及び第2ボイスコイル21の振動方向に、同軸上に前方に向かって積層される。このように磁気回路130を後方から積み上げる構成とすることにより、製造工程における組付け性が向上する。第1トッププレート131、第1ヨーク133F、第2ヨーク133R、及び第2トッププレート135は、磁性部材である。また、第1ヨーク133Fと第2ヨーク133Rは、例えば同一材料で形成され、相互接続されていることにより、一体の磁性部材(以下、中間磁性部材133という)として作用する。また、第2磁石134の内径及び外径の径方向の大きさは、第1磁石132の外径の径方向の大きさより大きい。これにより、第1ボイスコイル11より大径で大型の重量が大きい第2ボイスコイル21に作用する、第2磁気ギャップG12aの磁束密度を高くできる。なお、第1磁石132と第2磁石134は、実施形態と異なる大小関係としてもよい。特に、第2実施形態では、第1実施形態に比べて径方向にスペースがあり、第2磁石134を大きくしやすい。従って、第1実施形態よりも、大きさに対する磁力が小さい低コストの磁石を用いることも可能となる。
【0066】
第2ヨーク133Rは、中心軸線O2と同軸の円板状の第2底部133Raと、第2底部133Raの中央部から前方に突出した円柱状の第2凸部133Rcとを有する。第2ヨーク133Rは、本実施形態では、
図6に示すように、軽量化及び加工時の中心出しのために第2底部133Raの底面(後面)に窪みが設けられている。第2磁石134は、中心軸線O2と同軸で、第2凸部133Rcの外径より大きい内径と、第2底部133Raの外径より少し大きい外径とを有する環状円板形状をなし、第2底部133Raの外周側の頂面(前面)に積層されている。第2トッププレート135は、第1ヨーク133Fの外径より大きい内径と、第2磁石134の外径より少し小さい外径とを有する環状の円板形状をなし、第2磁石134の頂面(前面)に積層されている。
【0067】
第1ヨーク133Fは、中心軸線O2と同軸の円板状の第1底部133Faと、第1底部133Faの周縁から立設する第1円筒部133Fbと、第1底部133Faの中央部から前方に突出した円柱状の第1凸部133Fcと、を有する。第1ヨーク133Fは、第2凸部133Rcの頂面(前面)に積層されている。第1磁石132は、中心軸線O2と同軸かつ第1凸部133Fcとほぼ同径の円柱形状をなし、第1凸部133Fcの頂面(前面)に積層されている。第1トッププレート131は、第1磁石132よりも僅かに大径な円柱形状をなし、第1磁石132の頂面(前面)に積層されている。
【0068】
また、第2トッププレート135は、軸方向の長さ(厚み)が、第1底部133Faの軸方向の長さ(厚み)と同程度であり、かつ、第1底部133Faの径方向外側に隣接して配置されている。そして、第1底部133Faは、第1円筒部133Fbの外周面よりも径方向外側、即ち第2トッププレート135側に突出する突起部133Fdを有する。また、第2トッププレート135の前方端外周には取付フランジが形成され、当該取付フランジがフレーム103の後方側端部と連結している。
【0069】
第1円筒部133Fbは、第1トッププレート131の頂面(前面)まで延出している。そして、第1トッププレート131、第1磁石132、及び第1凸部133Fcの各外径は、第1円筒部133Fbの内径より小さい。そのため、
図6に示すように、第1円筒部133Fbの径方向内側には、第1円筒部133Fbの内周面と、第1トッププレート131、第1磁石132、及び第1凸部133Fcの外周面との間に、第1円筒部133Fbの前側先端から第1底部133Faの頂面(前面)まで到達する環状の第1間隙G11が形成される。第1間隙G11のうち、第1トッププレート131の外周面と、第1円筒部133Fbの内周面とで形成される第1磁気ギャップG11aには、周方向に略均一な磁界が発生する。
【0070】
第1底部133Fa、第2凸部133Rcの各外径は、第2磁石134の内径及び第2トッププレート135の内径より小さい。そのため、
図6に示すように、第1底部133Fa、第2凸部133Rc、第2凸部133Rc、第2底部133Ra、第2磁石134、及び第2トッププレート135で囲まれた、第2トッププレート135の前側の先端から第2底部133Raの頂面(前面)まで到達する環状の第2間隙G12が形成される。第2間隙G12のうち、第1底部133Faの外周面と、第2トッププレート135の内周面とで形成される第2磁気ギャップG12aには、周方向に略均一な磁界が発生する。本実施形態では、第1底部133Faの突起部133Fdの突出量を調整することで、第2磁気ギャップG12aの間隔を狭めている。これにより、第2磁気ギャップG12aを通過する磁束を増加させることができ、漏れ磁束を減らすことができる。
【0071】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る磁石の着磁面の配置と磁気回路の磁界の向きを示す説明図である。具体的には、磁気回路130の積層構造内における第1磁石132と第2磁石134の着磁面の磁極性配置と、当該配置によって発生する磁気回路130の磁界の向きを示す説明図である。
【0072】
第1磁石132及び第2磁石134は、例えば永久磁石であり、軸方向に着磁されている。即ち、第1磁石132及び第2磁石134の一方側の円板面がS極であれば、他方側の円板面はN極である。磁気回路130は、
図7に示すように、積層された状態で、第1磁石132の一方側の着磁面(前側の着磁面であり、N極)が第1トッププレート131の底面(後面)と接続され、第1磁石132の他方側の着磁面(後側の着磁面、S極)は第1ヨーク133Fの第1凸部133Fc、即ち中間磁性部材の頂面(前面)と接続されている。そして、中間磁性部材の第1磁石132が接続する面と異なる面である、第2ヨーク133Rの第2底部133Raの外周側の頂面(前面)において、第2磁石134の一方側の着磁面(後側の着磁面、S極)が接続され、第2磁石134の他方側の着磁面(前側の着磁面、N極)は、第2トッププレート135の底面(後面)に接続されている。このように、第2実施形態のスピーカ装置2において、磁気回路130は、第1磁石132と第2磁石134とが3層の磁性部材(第1トッププレート131、第1ヨーク133F及び第2ヨーク133Rからなる中間磁性部材、第2トッププレート135)を介して同極(
図7ではS極)同士を磁気回路的に対向するように配置された反発磁気回路を形成している。なお、第1磁石132と第2磁石134の磁極性をそれぞれ逆にして、N極同士を対向させた配置でもよい。また、第1磁石132と第2磁石134は同極同士を対向させてもよいし、異極同士を対向させてもよく、その着磁方向は限定されない。例えば、第1磁石132と第2磁石134の着磁方向を逆にし、S極とN極を対向させる配置としてもよい。このことは、磁気回路について内磁型と外磁型のいずれを採用した場合においても例外ではない。
【0073】
スピーカ装置2の磁気回路130には、
図7の2つの矢印C、Dで示すように、第1トッププレート131から第1磁気ギャップG11aを通って第1ヨーク133Fの第1円筒部133Fb、第1底部133Faに向かう磁束の流れ(矢印C)と、第2トッププレート135から第2磁気ギャップG12aを通って第1底部133Fa、第2凸部133Rc、第2底部133Raに向かう磁束の流れ(矢印D)と、の2つの磁束の流れが発生する。特に、2つの矢印C、Dが重なる部分においては、磁界方向が合わせられるため、2つの磁石(第1磁石132及び第2磁石134)を用いることにより、第1磁気ギャップG11aと第2磁気ギャップG12aに発生させる磁界を強め合うことがある。この場合、第1磁気ギャップG11aの磁束の流れの向きと、第2磁気ギャップG12aの磁束の流れの向きは、第1実施形態と同様、径方向に対して逆向きである。
【0074】
このように構成されたスピーカ装置2は、第2ボイスコイル21の径を第1ボイスコイル11の径により近づけることで、第1駆動部10と第2駆動部20とを構成する磁気回路130をフレーム103の枠内に収納しつつ軸方向(振動方向)の積層構造とすることにより、製造時の組付け性が向上する。また、第2ボイスコイル21の径を第1ボイスコイル11の径により近づけることで、第1ダンパ部14と第2ダンパ部22の径方向の長さが同等となり、第2ボイスコイル21も第1ボイスコイル11と同等の振幅量を確保することができる。即ち、第2駆動部20において、第1駆動部10からフレーム103を介してスピーカ装置2全体に伝達される振動(加振力)を相殺するのに十分な制振力を発生させることができる。これにより、音声、特に低音再生の品質を維持しながら制振特性が向上する。
【0075】
また、第1磁石132及び第2磁石134によって反発磁気回路を構成したことにより、第1磁石132のみの場合に比べて、第1磁気ギャップG11a及び第2磁気ギャップG12aの磁束密度が高くなり、第1駆動部10及び第2駆動部20の電気信号に対する応答性が向上する。さらに、これら2つの磁石の間に配置される第1底部133Faが、第1磁気ギャップG11aを通る磁束、及び第2磁気ギャップG12aを通る磁束、両方の通り道として兼用できることにより、第1ボイスコイル11をより中央に配置して振幅量を充分に取りながら、第2ボイスコイル21の径を、第1ボイスコイル11の径に近づけることができる。また、同時に磁気回路130の部品点数の削減と薄型化ができる。
【0076】
また、第1駆動部10及び第2駆動部20は、それらの外周側はフレーム103に固定されているが、内周側は第1ボイスコイル11及び第2ボイスコイル21と一緒に振動するため、内側に向かうにつれて前後の移動量が大きくなる。この場合、前後振動する第2ボイスコイル21がより外周側に位置するほど、第1ボイスコイル11及び第2ボイスコイル21の振幅が最大になったときに、第2ボイスコイル21が第1ダンパ部14や振動板12と干渉するおそれは小さくなる。一方、第2ボイスコイル21の径が第1ボイスコイル11の径により近づくほど、即ち、第2ボイスコイル21がより内周側に位置するほど、第1ボイスコイル11及び第2ボイスコイル21の振幅が最大になったときに、第2ボイスコイル21が第1ダンパ部14や振動板12と干渉するおそれが大きくなる。これに対し、第1ダンパ部14が、窪み部142を有することで、第2ボイスコイル21が第1ボイスコイル11に隣接して配置されても、第2ボイスコイル21が第1ダンパ部14や振動板12と干渉しない。従って、第2ボイスコイル21も第1ボイスコイル11と同等の振幅量を確保して音声品質を向上しながら薄型化できる。また、窪み部142は、剛性を高めて変形しにくくなっていることにより、第2ボイスコイル21との相対位置がぶれることなく、第2ボイスコイル21との確実に接触を避けることができる。さらに、第1底部133Faが第2磁気ギャップG12aを形成するためのプレートとして兼用できることにより、薄型化や部品点数減少による軽量化ができる。
【0077】
さらに、
図7に示すように、第1磁石132と第2磁石134が配置された状態で、軸方向における着磁方向が同じである。このため、製造工程において磁気回路130を組み立てた後に、第1磁石132と第2磁石134の着磁処理を同時に行うことができる。
【0078】
このように第2実施形態のスピーカ装置2は、製造時の組付け性がよく、かつ、音声再生の品質を維持しながら制振特性を向上することができる。また、制振特性の向上と薄型化を両立することができる。
【0079】
以上で本発明の第1及び第2の実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。
【0080】
例えば、スピーカ装置の搭載場所は、車両に限られない。
【0081】
上記実施形態において、第1ダンパ部14及び第2ダンパ部22の形状は断面波型のいわゆるコルゲーション型であったが、その他の形状であってもよい。例えば、板バネ等であっても良いし、波型に限らず1つの円弧形状を有するもの等であってもよい。また、上記実施形態において、第2ダンパ部22のダンパ22a、22bは、取付状態において同一であったが、取付状態において軸方向に反転した形状でも良い。これにより、第2ボイスコイル21の前後振幅時の移動対称性や直進性(リニアリティ)が良くなるため、各ダンパ22a、22bへのストレスのかかり方が同等になり、また、第2ボイスコイル21の支持強度を向上できる。また、第2ボイスコイル21の直進性が向上することにより、第2磁気ギャップG12aの間隔をより狭くして磁界を強めることができる。
【0082】
また、上記実施形態において、第2ダンパ部22は、2つのダンパ22a、22bから構成されていたが、1つのダンパで構成されていても構わない。また、3つ以上の複数のダンパで構成されていても構わない。複数のダンパで構成することにより、各ダンパへのストレスのかかり方が同等になるため、第2ボイスコイル21の前後振幅時の移動対称性や直進性(リニアリティ)が良くなり、また、第2ボイスコイル21の支持強度を向上できる。また、第2ボイスコイル21の直進性が向上することにより、第2磁気ギャップG12aの間隔をより狭くして磁界を強めることができる。さらに、複数のダンパで構成した場合に、上記実施形態ではダンパの軸方向の間隔を取りつつ、フレーム3、103に間接的に固定するためにスペーサ23を用いていたが、複数のダンパの外周側を直接フレーム3、103に接着剤等で接続固定しても構わない。
【0083】
また、上記実施形態において、第1コイル112及び第2コイル212は、同じ信号回路に接続されて同じ電気信号が入力されていたが、第2コイル212は、別の信号回路に接続されて第1コイル112とは異なる電気信号が入力されるようにしても良い。例えば、第1コイル112には、第1ボイスコイル11を振動させる第1駆動力を発生する第1電気信号が入力されるようにし、第2コイル212には、第2ボイスコイル21を振動させる第2駆動力を発生する第2電気信号が入力されるようにして、第2電気信号を、第1加振力を相殺する第2加振力に相当する第2駆動力を発生させる電気信号としても良い。これにより、相殺の程度を細かく調整できる。なお、上記実施形態において、第1コイル112の巻き線の巻回の向きと、第2コイル212の巻き線の巻回の向きは同じであったが、第1コイル112を横切る磁束と第1コイル112を流れる電流によって第1コイル112に発生する力の向きが、第2コイル212を横切る磁束と第2コイル212を流れる電流によって第2コイル212に発生する力の向きが逆方向であるように巻回されていればよく、即ち、第1加振力を第2加振力で抑制できるように巻回されていればよい。さらに、第2コイル212を第1コイル112と別の信号回路に接続する場合において、当該別の信号回路は、スピーカ装置1、2の外部で発生する振動を抑制する第3加振力に相当する第3駆動力を発生する第3電気信号を第2電気信号に重畳させた電気信号を出力してもよい。これにより、スピーカ装置1、2の外部で発生する振動も相殺することができる。
【0084】
なお、上記第1実施形態では中間磁性部材は1つの部品(第1ヨーク33)から、第2実施形態では中間磁性部材は2つの部品(第1ヨーク133F及び第2ヨーク133R)から構成されていたが、その他の磁性部材部品を含む複数の部品から構成されていても構わない。同様に、第1磁性部材及び第2磁性部材も複数の磁性部材部品から構成されていても構わない。
【0085】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では第1ボイスコイル11及び第2ボイスコイル21の形状はそれぞれ円筒で断面が円であったが、例えば断面が多角形や楕円であっても構わない。
【符号の説明】
【0086】
1、2 :スピーカ装置
3、103 :フレーム
10 :第1駆動部
11 :第1ボイスコイル
12 :振動板
14 :第1ダンパ部
20 :第2駆動部
21 :第2ボイスコイル
22 :第2ダンパ部
30、130 :磁気回路
31、131 :トッププレート
32、132 :第1磁石
33、133F :第1ヨーク
33d、133Fd :突起部
34、134 :第2磁石
35、133R :第2ヨーク
135 :第2トッププレート
142 :窪み部
G1a、G11a :第1磁気ギャップ
G2a、G12a :第2磁気ギャップ