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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075855
(43)【公開日】2023-05-31
(54)【発明の名称】ドアユニット
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/70 20060101AFI20230524BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20230524BHJP
   E06B 3/36 20060101ALI20230524BHJP
   E05B 1/00 20060101ALI20230524BHJP
【FI】
E06B3/70 Z
E04B2/74 561A
E06B3/36
E05B1/00 311Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189025
(22)【出願日】2021-11-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2021年11月4日付で株式会社大林組が(仮称)中之島4丁目未来医療国際拠点開発新築工事第1回総合定例会議において会議出席者に資料を提示し公開。
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】吉田 穂波
(72)【発明者】
【氏名】岡村 吉展
(72)【発明者】
【氏名】篠木 大輔
【テーマコード(参考)】
2E014
2E016
【Fターム(参考)】
2E014AA02
2E014DA00
2E014DB07
2E016JA11
2E016KA05
2E016LB02
2E016LB03
2E016PA00
2E016RA01
2E016RA03
(57)【要約】
【課題】ドア体の見た目の経年劣化を抑制することが可能なドアユニットを提供することである。
【解決手段】一方側に第1のヒンジ11を備えるとともに他方側にドアノブ12を備えた第1のドア体10と、第1のドア体10の、開くときに押す側の表面のドアノブ12の上方側に取り付けられた上側金属板30と、を有することを特徴とするドアユニット1。。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方側に第1のヒンジを備えるとともに他方側にドアノブを備えた第1のドア体と、
前記第1のドア体の、開くときに押す側の表面の前記ドアノブの上方側に取り付けられた上側金属板と、を有することを特徴とするドアユニット。
【請求項2】
一方側にドア枠に係脱自在のストッパーを備えるとともに他方側に第2のヒンジを備え、前記第1のドア体の他方側に設けられた第2のドア体と、
前記第2のドア体の、開くときに押す側の表面の前記ドアノブの下方側に取り付けられた下側金属板と、をさらに有する、請求項1に記載のドアユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばビルディング等の建築物の居室等の出入り口に設けられるドアユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィス、病院、会議場、これらの複合施設等の建築物の居室等の出入り口に設けられるドアユニットとして、一方側にドアノブを備えるとともに他方側にヒンジを備えたドア体を備えたものが知られている。また、このようなドアユニットとして、第1のドア体に加えて、一方側にヒンジを備えるとともに他方側にドア枠に係脱自在のストッパーを備え、第1のドア体の一方側に設けられた第2のドア体をさらに有し、通常の開閉時には第1のドア体のみを使用し、必要な際に、ストッパーを外すことで、第1のドア体に加えて第2のドア体を開くことができるようにした両開きのドアユニット(親子ドア)も知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-221694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のドアユニットでは、第1のドア体は、ドアノブが操作された後、ドアノブの上方の表面が手で押されたり、手で掴まれて引かれたりすることで開かれる場合が多い。そのため、第1ドア体のドアノブの上方の表面に、例えば塗装の剥がれ、汚れの付着などの見た目でわかる経年劣化が生じてしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ドア体の見た目の経年劣化を抑制することが可能なドアユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のドアユニットは、一方側に第1のヒンジを備えるとともに他方側にドアノブを備えた第1のドア体と、前記第1のドア体の、開くときに押す側の表面の前記ドアノブの上方側に取り付けられた上側金属板と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明のドアユニットは、上記構成において、一方側にドア枠に係脱自在のストッパーを備えるとともに他方側に第2のヒンジを備え、前記第1のドア体の他方側に設けられた第2のドア体と、前記第2のドア体の、開くときに押す側の表面の前記ドアノブの下方側に取り付けられた下側金属板と、をさらに有するのが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ドア体の見た目の経年劣化を抑制することが可能なドアユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るドアユニットの正面図である。
図2図1に示すドアユニットの開閉パターンを示す説明図である。
図3図1におけるA-A線に沿う断面図である。
図4図1におけるB-B線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るドアユニットについて詳細に例示説明する。
【0011】
図1図3に示す本実施形態に係るドアユニット1は、例えば、オフィス、病院、会議場、商業施設、これらの複合施設等の建築物2に設けられた居室等の内部空間Sの出入り口に設けられるものである。
【0012】
建築物2の壁3には、内部空間Sへの出入り口を区画するドア枠4が設けられている。ドア枠4は、床5に沿って延びる下枠部4a、それぞれ下枠部4aの長手方向端部から上方に向けて垂直に延びる一対の側枠部4b、4c及び一対の側枠部4b、cの上端に連なるとともに下枠部4aと平行な上枠部4dを有し、矩形の出入り口を区画している。
【0013】
ドアユニット1は、ドア枠4の内側に、第1のドア体10と第2のドア体20とを備えた両開きとなっている。本実施形態では、第1のドア体10が第2のドア体20よりも大きくなっており、ドアユニット1は、第1のドア体10が親ドア、第2のドア体20が子ドアとなる親子ドアとなっている。
【0014】
本実施形態では、第1のドア体10及び第2のドア体20は、それぞれ表面が塗装ないしメッキされたスチール製ドアであるが、例えばアルミ合金製など、他の材料で形成されたものであってもよい。
【0015】
第1のドア体10は、正面視で矩形形状であり、図2に示すように、一方側の側縁に第1のヒンジ11を備え、ドア枠4の一方の側枠部4bに第1のヒンジ11により支持されている。第1のドア体10は、第1のヒンジ11を軸として、図2(a)に示す閉じた状態から、図2(b)、図2(c)に示すように内部空間Sに向けて開くことができる。
【0016】
第1のドア体10は、開閉方向を向く両表面の他方側に、それぞれドアノブ12を備えている。本実施形態では、ドアノブ12は、第1のドア体10の上下方向の中央位置よりも下方側にずれた位置に設けられている。それぞれのドアノブ12は、第1のドア体10に固定された矩形板状の台座13により揺動自在に支持されている。台座13は、横長の矩形の板状となっており、他方側の側端を第1のドア体10の他方側(第2のドア体20の側)の縁部に合わせて配置されている。ドアノブ12が操作されると、図示しないラッチが引き込まれ、第1のドア体10はラッチによる第2のドア体20との係合が解除されて開くことができる。なお、図1においては、第1のドア体10の、開くときに押す側の表面(閉方向を向く表面)に設けられたドアノブ12及び台座13のみが示されるが、図3から解るように、第1のドア体10の開くときに押す側の表面とは反対側の表面(開方向を向く表面)にも、図1に示すのと同様の構成ないし形状のドアノブ12及び台座13が設けられている。
【0017】
第2のドア体20は、正面視で第1のドア体10よりも幅の狭い矩形形状であり、図2に示すように、他方側の側縁に第2のヒンジ21を備え、ドア枠4の他方の側枠部4cに第2のヒンジ21により支持されている。
【0018】
図1に示すように、第2のドア体20は、一方側にドア枠4に係脱自在のストッパー22を備えている。本実施形態では、第2のドア体20は、ドア枠4の下枠部4aに係脱自在の下側のストッパー22と、ドア枠4の上枠部4dに係脱自在の上側のストッパー22とを備えている。ストッパー22としては、例えばフランス落としを用いることができる。
【0019】
第2のドア体20は、上下のストッパー22がドア枠4に係合している状態においては、図2(a)に示されるように、第1のドア体10が閉じているときには第1のドア体10とともに閉じた状態に保持され、図2(b)に示されるように、第1のドア体10が開かれても閉じた状態に保持される。一方、第2のドア体20は、上下のストッパー22が解除操作されてドア枠4に対して離脱した状態となると、図2(c)に示すように、第1のドア体10が開かれた後、第2のヒンジ21を軸として内部空間Sに向けて開くことができる。
【0020】
図1図3に示すように、第1のドア体10の、開くときに押す側の表面のドアノブ12よりも上方側には、上側金属板30が取り付けられている。本実施形態では、上側金属板30は、ドアノブ12の台座13から第1のドア体10の上端にまで第2のドア体20の側の縁部に沿って延びる帯状となっている。上側金属板30は、開くときに押す側の表面に取り付けられていればよいが、図3から解るように、第1のドア体10の、開くときに押す側の表面とは反対側の表面にも、図1に示すのと同様の構成ないし形状の上側金属板30が取り付けられた構成としてもよい。
【0021】
本実施形態では、上側金属板30は、水平方向の幅がドアノブ12の台座13の水平方向の幅と同一であり、且つ上下方向の長さが水平方向の幅よりも十分に長い縦長の帯状となっており、その下端は台座13の上端に突き合わされ、その上端は第1のドア体10の上端位置に合わせられている。また、上側金属板30は、未塗装のステンレス鋼製となっており、その表面は、塗装の剥がれを生じることなく、汚れ、傷なども付着し難いものとなっている。
【0022】
このように、本実施形態のドアユニット1では、第1のドア体10は、その開くときに押す側の表面のドアノブ12の上方側に上側金属板30が取り付けられた構成となっているので、第1のドア体10のドアノブ12の上方側の表面は、上側金属板30により覆われて上側金属板30により保護されている。したがって、第1のドア体10を開く際に、ドアノブ12が操作された後、第1のドア体10のドアノブ12の上方側の部分が手で押されたり、手で掴まれて引かれたりしても、当該部分の表面を上側金属板30により保護して、第1のドア体10の当該部分の表面に、塗装の剥がれが生じたり、汚れ、傷などが付着したりすることを抑制することができる。よって、第1のドア体10の表面に、塗装の剥がれが生じたり、汚れ、傷などが付着したりするなどの、見た目の経年劣化が生じることを抑制することができる。
【0023】
また、本実施形態では、上側金属板30は、ドアノブ12の台座13から第1のドア体10の上端にまで第2のドア体20の側の縁部に沿って延びて設けられているので、第1のドア体10を開く際に、第1のドア体10のドアノブ12よりも上方側の部分が、何れの高さにおいて手で押されたり掴まれたりしても、当該部分の表面に、塗装の剥がれが生じたり、汚れ、傷などが付着することを抑制することができる。特に、本実施形態のように、ドアノブ12を第1のドア体10の上下方向の中央位置よりも下方側にずれた位置に設けた構成とした場合であっても、第1のドア体10のドアノブ12よりも上方側部分の表面が手で押されたり、手で掴まれたりすることで、塗装の剥がれが生じたり、汚れ、傷などが付着することを確実に抑制することができる。
【0024】
さらに、本実施形態では、第1のドア体10の、開くときに押す側の表面とは反対側の表面にも、ドアノブ12の上方側に上側金属板30が取り付けられる構成としたので、第1のドア体10の、開くときに押す側の表面とは反対側の表面に、塗装の剥がれが生じたり、汚れ、傷などが付着したりすることも抑制することができる。
【0025】
図1図4に示すように、ドアユニット1は、第2のドア体20の、開くときに押す側の表面のドアノブ12の下方側に、下側金属板40が取り付けられた構成とすることもできる。なお、下側金属板40は、第2のドア体20の、開くときに押す側の表面に設けられていればよいが、図4から解るように、第2のドア体20の、開くときに押す側の表面とは反対側の表面にも、図1に示すのと同様の構成ないし形状の下側金属板40が取り付けられた構成としてもよい。
【0026】
本実施形態では、下側金属板40は、上側金属板30よりも幅が狭い縦長の帯状となっており、その上端は上側金属板30の下端と同一高さに合わせられ、その下端は第2のドア体20の下端位置に合わせられている。また、下側金属板40は、上側金属板30と同様に、未塗装のステンレス鋼製となっており、その表面は、塗装の剥がれを生じることなく、汚れ、傷なども付着し難いものとなっている。
【0027】
このように、本実施形態のドアユニット1では、第2のドア体20は、その開くときに押す側の表面のドアノブ12の下方側に、下側金属板40が取り付けられた構成となっているので、第2のドア体20のドアノブ12の下方側の表面は、下側金属板40により覆われて下側金属板40により保護されている。したがって、図2(b)に示すように、ストッパー22をドア枠4に係合させて第2のドア体20を閉じた状態に保持したまま、第1のドア体10のみを開いて使用する際に、第2のドア体20のドアノブ12の下方側の部分における表面に、使用者の足が当たったり、台車がぶつかるなどしても、当該部分の表面を下側金属板40により保護して、第2のドア体20の当該部分の表面に、塗装の剥がれが生じたり、汚れ、傷などが付着したりすることを抑制することができる。よって、第2のドア体20の表面に、塗装の剥がれが生じたり、汚れ、傷などが付着したりするなどの、見た目の経年劣化が生じることを抑制することができる。
【0028】
また、本実施形態では、下側金属板40は、上側金属板30の下端に隣接する位置から第2のドア体20の下端にまで第1のドア体10の側の縁部に沿って延びる帯状となっているので、第2のドア体20の、ドアノブ12よりも下方側の部分の何れの高さの部分に足が当たったり、台車がぶつかったりしても、当該部分の表面に、塗装の剥がれが生じたり、汚れ、傷などが付着することを抑制することができる。
【0029】
図1に示すように、ドアユニット1は、第1のドア体10に窓50を有するとともに第2のドア体20に窓60を有する構成とすることもできる。
【0030】
本実施形態では、第1のドア体10に設けられる窓50は横長の矩形形状となっており、第1のドア体10の第1のヒンジ11の側の縁部に沿って台座13と同一高さで第1のドア体10の表面に取り付けられた第1の化粧板51と台座13との間に配置されている。ドアノブ12の台座13、窓50及び第1の化粧板51は、高さ方向の幅が同一となっている。
【0031】
一方、第2のドア体20に設けられる窓60は横長の矩形形状となっており、第2のドア体20の第2のヒンジ21の側の縁部に沿って台座13と同一高さで第2のドア体20の表面に取り付けられた第2の化粧板61と下側金属板40との間に配置されている。窓60及び第2の化粧板61の高さ方向の幅は、台座13、窓50及び第1の化粧板51の高さ方向の幅と同一となっている。
【0032】
ドアユニット1を、上記の窓50、60を備えた構成とすることで、窓50、60を通して第1のドア体10ないし第2のドア体20の内外を見通すことができるようにして、第1のドア体10ないし第2のドア体20の開閉を安全に行い得るようにすることができる。
【0033】
また、ドアユニット1を、第1の化粧板51、窓50、台座13、下側金属板40の上端部、窓60及び第2の化粧板61からなる水平方向に延びる真っすぐな水平ラインと、当該水平ラインから上方に延びる上側金属板30により上向きラインと、当該水平ラインから下方に延びる下側金属板40により下向きラインとからなる略十字形のデザインを有する、美観の高いものとすることができる。
【0034】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0035】
例えば、前記実施形態では、ドアユニット1を、第1のドア体10と第2のドア体20とを有する構成としたが、第1のドア体10のみを有する構成としてもよい。
【0036】
また、前記実施形態では、上側金属板30を、ドアノブ12の台座13から第1のドア体10の上端にまで第2のドア体20の側の縁部に沿って延びる帯状の構成としているが、これに限らず、第1のドア体10の、開くときに押す側の表面のドアノブ12の上方側に取り付けられるものであれば、その形状、大きさ等は種々変更可能である、
【0037】
さらに、前記実施形態では、下側金属板40を、上側金属板30の下端に隣接する位置から第2のドア体20の下端にまで第1のドア体10の側の縁部に沿って延びる帯状の構成としているが、これに限らず、第2のドア体20の、開くときに押す側の表面のドアノブ12の下方側に取り付けられるものであれば、その形状、大きさ等は種々変更可能である、
【0038】
さらに、前記実施形態では、上側金属板30及び下側金属板40を、それぞれ未塗装のステンレス鋼製としたが、これに限らず、塗装の剥がれを生じることなく、汚れ、傷なども付着し難い金属製であれば、他の金属製としてもよい。
【0039】
さらに、前記実施形態では、第1のドア体10が第2のドア体20よりも大きい構成とされているが、第1のドア体10と第2のドア体20とが同一の大きさであってもよく、第1のドア体10よりも第2のドア体20が大きくてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 ドアユニット
2 建築物
3 壁
4 ドア枠
4a 下枠部
4b 側枠部
4c 側枠部
4d 上枠部
5 床
10 第1のドア体
11 第1のヒンジ
12 ドアノブ
13 台座
20 第2のドア体
21 第2のヒンジ
22 ストッパー
30 上側金属板
40 下側金属板
50 窓
51 第1の化粧板
60 窓
61 第2の化粧板
S 内部空間
図1
図2
図3
図4