(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075872
(43)【公開日】2023-05-31
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲーム制御装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/58 20140101AFI20230524BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20230524BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20230524BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20230524BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/69
A63F13/533
A63F13/45
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189052
(22)【出願日】2021-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100140660
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 理恵
(74)【代理人】
【識別番号】100174148
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 和教
(72)【発明者】
【氏名】沖塩 豊武
(72)【発明者】
【氏名】三浦 陵介
(72)【発明者】
【氏名】北山 晃基
(72)【発明者】
【氏名】矢野 颯馬
(57)【要約】
【課題】ユーザの所望する種類のポイントを獲得し易くして、ゲームの興趣性を向上させる。
【解決手段】ポイント付与部は、ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイントの種類および量を決定する。ポイント貯蔵部は、ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイントの少なくとも一部を減少させて、減少分を前記ポイントの全種類に共通の貯蔵ポイントとして貯蔵する。ポイント放出部は、ユーザの操作に基づいて、前記貯蔵手段によって貯蔵されている前記貯蔵ポイントの少なくとも一部を放出してユーザに付与する。
【選択図】
図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの進行に応じて、複数の種類に区分されたポイントのうちの少なくとも1つの種類のポイントが付与されるゲームを提供するゲームシステムであって、
ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイントの種類および量を決定するポイント付与手段と、
ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイントの少なくとも一部を減少させて、減少分を前記ポイントの全種類に共通の貯蔵ポイントとして貯蔵する貯蔵処理を実行するポイント貯蔵手段と、
ユーザの操作に基づいて、前記貯蔵手段によって貯蔵されている前記ポイント貯蔵ポイントの少なくとも一部を放出してユーザに付与する放出処理を実行するポイント放出手段と、
を含むゲームシステム。
【請求項2】
前記ポイント放出手段は、ユーザの操作に基づいて、前記ポイント貯蔵手段が貯蔵している前記貯蔵ポイントの少なくとも一部を、当該操作に応じた種類の前記ポイントとしてユーザに付与する前記放出処理を実行する
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記ポイント放出手段は、所定の放出可能条件を満たした場合に、前記放出処理を実行可能とする
請求項1または2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記ゲームは、複数の選択肢の中からユーザが選択肢を選択する操作をすることで進行するゲームであり、
前記貯蔵処理または前記放出処理を可能とする第1ゲーム要素をオブジェクトに関連付ける関連付け手段をさらに含み、
前記第1ゲーム要素が関連付けられた前記オブジェクトが関連付けられている前記選択肢が選択された場合に、前記ポイント貯蔵手段による前記貯蔵処理または前記ポイント放出手段による前記放出処理が実行される
請求項1ないし3の何れか1項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記第1ゲーム要素には、少なくとも第1状態と第2状態とをとり得るものがあり、
前記ポイント貯蔵手段は、前記第1状態の前記第1ゲーム要素が関連付けられた前記オブジェクトが関連付けられている前記選択肢が選択された場合に、前記貯蔵処理を実行し、
前記ポイント放出手段は、前記第2状態の前記第1ゲーム要素が関連付けられた前記オブジェクトが関連付けられている前記選択肢が選択された場合に、前記放出処理を実行する
請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
ユーザの操作に基づいて、前記オブジェクトに関連付けられた前記第1ゲーム要素の状態を前記第1状態と前記第2状態との間で変更する変更手段をさらに含む
請求項5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記第1ゲーム要素には複数の種類があり、
前記オブジェクトに関連付けられる前記第1ゲーム要素の種類によって、前記貯蔵処理における貯蔵の対象となる前記ポイントの種類または貯蔵される前記貯蔵ポイントの量の少なくとも一方が異なる
請求項4ないし6の何れか1項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記第1ゲーム要素には複数の種類があり、
前記オブジェクトに関連付けられる前記第1ゲーム要素の種類によって、前記放出処理においてユーザに付与される前記ポイントの種類または付与される前記ポイント量の少なくとも一方が異なる
請求項4ないし7の何れか1項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記関連付け手段は、所定の解除条件を満たした場合に、前記第1ゲーム要素と前記オブジェクトとの関連付けの解除を行い、
前記関連付け手段による前記関連付けの解除に基づいて、第2ゲーム要素の達成度を向上させる達成度管理手段をさらに含む
請求項4ないし8の何れか1項に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記第2ゲーム要素の前記達成度が所定の基準に達した場合に、ゲーム上の効果を発生させる効果発生手段をさらに含む
請求項9に記載のゲームシステム。
【請求項11】
前記ポイント貯蔵手段は、所定の貯蔵時増加条件を満たしている場合には、前記減少分の前記ポイントを前記貯蔵ポイントとして貯蔵する際の当該貯蔵ポイントを、前記貯蔵時増加条件を満たしていない場合よりも増加させる
請求項1ないし10の何れか1項に記載のゲームシステム。
【請求項12】
前記ポイント放出手段は、所定の放出時増加条件を満たしている場合には、前記貯蔵ポイントの少なくとも一部を放出して前記ポイントとしてユーザに付与する際の当該ポイントを、前記放出時増加条件を満たしていない場合よりも増加させる
請求項1ないし11の何れか1項に記載のゲームシステム。
【請求項13】
前記ゲームはオブジェクトが用いられるゲームであり、
ゲーム上の効果を発生させ得るゲーム要素を前記オブジェクトに関連付ける関連付け手段をさらに含み、
前記ゲーム要素には発生させ得るゲーム上の効果が異なる複数の種類があり、
前記関連付け手段は、前記ゲームの開始から終了までの間に、同一の前記オブジェクトに関連付ける前記ゲーム要素の種類を変化させ得る
請求項1ないし3の何れか1項に記載のゲームシステム。
【請求項14】
ゲームの進行に応じて、複数の種類に区分されたポイントのうちの少なくとも1つの種類のポイントが付与されるゲームを提供するゲーム制御装置であって、
ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイントの種類および量を決定するポイント付与手段と、
ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイントの少なくとも一部を減少させて、減少分を前記ポイントの全種類に共通の貯蔵ポイントとして貯蔵する貯蔵処理を実行するポイント貯蔵手段と、
ユーザの操作に基づいて、前記ポイント貯蔵手段によって貯蔵されている前記貯蔵ポイントの少なくとも一部を放出してユーザに付与する放出処理を実行するポイント放出手段と、
を含むゲーム制御装置。
【請求項15】
コンピュータを請求項1ないし13の何れか1項に記載のゲームシステムまたは請求項14に記載のゲーム制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲームシステム、ゲーム制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の選択項目の中からユーザが選択項目を選択しながらゲームを進行させるゲームがある。そして、ゲームの進行に応じて、複数の種類に区分されたポイントのうちの少なくとも1つの種類のポイントをユーザが獲得できるゲームが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のゲームでは、ポイントをより多く獲得できる等の条件のよい選択項目と、ユーザが所望する種類のポイントを獲得できる選択項目とが必ずしも一致しない場合がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、例えば、獲得できるポイントの種類に依らず、条件のよいゲーム進行を選択し易くなるような興趣性の高いゲームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によるゲームシステムは、ゲームの進行に応じて、複数の種類に区分されたポイントのうちの少なくとも1つの種類のポイントが付与されるゲームを提供するゲームシステムであって、ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイントの種類および量を決定するポイント付与手段と、ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイントの少なくとも一部を減少させて、減少分を前記ポイントの全種類に共通の貯蔵ポイントとして貯蔵する貯蔵処理を実行するポイント貯蔵手段と、ユーザの操作に基づいて、前記貯蔵手段によって貯蔵されている前記貯蔵ポイントの少なくとも一部を放出してユーザに付与する放出処理を実行するポイント放出手段と、を含む。
【0007】
本発明の他の一態様によるゲーム制御装置は、ゲームの進行に応じて、複数の種類に区分されたポイントのうちの少なくとも1つの種類のポイントが付与されるゲームを提供するゲーム制御装置であって、ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイントの種類および量を決定するポイント付与手段と、ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイントの少なくとも一部を減少させて、減少分を前記ポイントの全種類に共通の貯蔵ポイントとして貯蔵する貯蔵処理を実行するポイント貯蔵手段と、ユーザの操作に基づいて、前記貯蔵手段によって貯蔵されている前記貯蔵ポイントの少なくとも一部を放出してユーザに付与する放出処理を実行するポイント放出手段と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るゲームシステムの構成例を示す概略のブロック図である。
【
図2】ゲーム端末のハード構成の一例を示す概略のブロック図である。
【
図3】サーバのハード構成の一例を示す概略のブロック図である。
【
図4】イベントデッキの表示画面の一例を示す図である。
【
図5】野手の主人公キャラクタの能力一覧画面の一例を示す図である。
【
図6】投手の主人公キャラクタの能力一覧画面の一例を示す図である。
【
図7】各シナリオで共通する要素を有する基本的な育成モードのメイン画面の一例を示す図である。
【
図8】各シナリオで共通する要素を有する基本的な練習画面の一例を示す図である。
【
図9】基本能力を上昇させるための設定画面の一例を示す図である。
【
図10】特殊能力を取得させるための設定画面の一例を示す図である。
【
図11】育成モードのメイン画面の一例を示す図である。
【
図13】秘宝発掘イベントが発生した練習画面の一例を示す図である。
【
図14】秘宝発掘アイコン抽選テーブルの一例を示す図である。
【
図19】ピラミッドの部屋テーブルの一例を示す図である。
【
図23】ゲームシステムの機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。
【
図24】ユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
【
図25】キャラクタ情報テーブルの一例を示す説明図である。
【
図26】ゲームシステムの機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。
【
図27】ゲームシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図28】ゲームシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図29】ゲームシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図30】ゲームシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図31】ゲームシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図32】ゲームシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図33】ゲームシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら説明する。
【0010】
[1.ゲームシステムの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るゲームシステム1の構成例を示す概略のブロック図である。このゲームシステム1は、複数のゲーム端末10-n(nは正の整数。10-1、10-2、・・・)と、サーバ30とを含んでいる。ゲームシステム1内のゲーム端末10-n及びサーバ30は、インターネットなどのネットワークNを介して、相互にデータ通信可能に接続されている。ここで、複数のゲーム端末10-nは同様の構成であるため、特に区別しない場合には、単に「ゲーム端末10」と記載して説明する。
【0011】
本実施の形態のネットワークNは、インターネットに限定されるものではなく、ゲームシステム1内のゲーム端末10-n及びサーバ30を通信可能に相互に接続できるものであれば、例えば、専用回線、公衆回線(電話回線、移動体通信回線等)、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等であってもよく、或いはインターネットとこれらを組み合わせたものであってもよい。
【0012】
ユーザが操作するゲーム端末10は、ユーザがゲームをプレイするために使用するコンピュータである。ゲーム端末10は、例えば、家庭用のゲーム機(据置型又は携帯型)、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)、遊戯施設等に設置される業務用(商業用)ゲーム機等である。
【0013】
サーバ30は、例えば、サーバコンピュータである。サーバ30は、各ユーザを一意に識別するためのユーザIDと関連付けて、ユーザのゲームに関する情報を、例えばデータベースDBに記憶して管理する。データベースDBはサーバ30内に構築されていてもよいし、サーバ30とは別のサーバコンピュータ内に構築されていてもよい。
【0014】
ゲームシステム1では、コンピュータ対戦(またはCPU対戦とも称される)や通信対戦が可能である。通信対戦では、例えば、ゲーム端末10-1を操作するユーザAと、ゲーム端末10-2を操作するユーザBとが、ネットワークNを介して対戦ゲームを行うことができる。この通信対戦の場合、例えば、サーバ30によってマッチングされたゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間で、P2P(Peer to Peer)接続等により直接通信して対戦する方法がある。あるいは、ゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間のデータのやり取りを、サーバ30を経由して通信対戦する方法もある。何れの方法で通信対戦が行われてもよい。
【0015】
ゲーム端末10-nとサーバ30との間の通信は、例えば、ベースのプロトコルとしてTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)上で動作するHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を使用し、本システムで規定するアプリケーションプロトコルを上位に実装することによって実現できる。
【0016】
一方、P2P等で接続されるゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間の通信は、例えば、OSI参照モデルのトランスポート層上の通信規約であって主にIPプロトコル上に実装されるUDP(User Datagram Protocol)によって実現できる。上記のUDPは、データの送達確認やエラー訂正を行わず、データを相手側の端末装置に送りっぱなしにする通信方式であるため、データの信頼度は低いがデータの転送速度が高いという利点がある。なお、ゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間の通信にUDP以外の他の既存プロトコルを用いたり、今後、新たに規定される新規プロトコルを用いたりすることも勿論可能である。
【0017】
また、例えば、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能を有するゲーム端末10-nでは、複数台のゲーム端末10-n間で、直接通信を行って対戦ゲーム等を実行することもできる。
【0018】
(ゲーム端末のハード構成)
図2は、ゲーム端末10のハード構成の一例を示す概略のブロック図である。ゲーム端末10は、主に、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、補助記憶装置14と、通信部15と、操作部16と、画像処理部17と、サウンド処理部18とを備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスライン19を介して相互に接続されている。なお、バスライン19と各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。また、ゲーム端末10は、表示部20及び音声出力部21を備えている。
【0019】
CPU11は、ゲームプログラムの命令を解釈して実行し、ゲーム端末10全体の制御を行う。ROM12は、ゲーム端末10の基本的な動作制御に必要なプログラムやデータ等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU11に対する作業領域を確保する。
【0020】
補助記憶装置14は、ゲームプログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置14としては、例えば、不揮発性の半導体メモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0021】
通信部15は、図示しない通信インタフェースを備え、ゲーム実行時にデータ通信するための通信制御機能を有している。ここで、データ通信用の通信制御機能には、例えば、インターネット接続機能、無線LAN(Local Area Network)接続機能、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能などが含まれる。通信部15は、CPU11からの命令に基づいてゲーム端末10をネットワークNに接続するための接続信号を発信するとともに、通信相手側から送信されてきた情報を受信してCPU11へ供給する。
【0022】
操作部16は、ユーザが種々の操作命令をゲーム端末10に入力するためのものである。操作部16の一例としては、タッチインターフェースを備えた位置入力部(タッチパネルの構成要素)、物理的なボタン、コントローラ、アナログスティック、キーボード、ポインティングデバイス等を挙げることができる。また、マイクロフォン等の音声入力部から入力された音声を識別することにより、音声入力可能な操作部16として構成してもよい。
【0023】
画像処理部17は、CPU11からの画像表示命令に基づいて表示部20を駆動し、ゲーム画面を表示させる。表示部20には、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の既知の種々の表示装置が適用できる。また、表示部20を、液晶ディスプレイ等の表示装置にタッチインターフェースを備えた位置入力部を組み合わせたタッチパネルとすることもできる。表示部20をタッチパネルとして構成した場合、画像処理部17は図示しないタッチ入力検出部を備える。このタッチ入力検出部は、指やペン等の指示体が画面に接触したとき、当該画面上の接触位置座標を検出して座標信号をCPU11へと供給する。これによって、表示部20の画面上の接触位置がCPU11に認識されるようになっている。表示部20は、ゲーム装置10と一体である必要はなく、例えば、ゲーム装置10に対して外部接続されるテレビジョンモニタ等であってもよい。
【0024】
サウンド処理部18は、CPU11からの発音指示に基づいてアナログ音声信号を生成して音声出力部21に出力する。
【0025】
(サーバのハード構成)
図3は、サーバ30のハード構成の一例を示す概略のブロック図である。サーバ30は、主に、CPU31と、ROM32と、RAM33と、補助記憶装置34と、通信部35とを備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスライン36を介して相互に接続されている。なお、バスライン36と各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。
【0026】
CPU31は、システムソフトウェアやアプリケーションソフトウェアの命令を解釈して実行し、サーバ30全体の制御を行う。ROM32は、サーバ30の基本的な動作制御に必要なプログラム等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU31に対する作業領域を確保する。補助記憶装置34は、プログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置34としては、例えばハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0027】
通信部35は、図示しない通信インタフェースを備え、ネットワークNを介した各ゲーム端末10-nとの間の通信を制御する。また、通信部35は、ネットワークNに接続されている図示しない他のサーバとの通信も制御するようになっている。例えば、サーバ30をソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に組み込んだシステム構成とした場合、サーバ30の通信部35は、SNSサーバとの間の通信を制御する。また、例えば、サーバ30は、ユーザがプレイしたゲーム動画を、観戦者に配信する動画配信サーバとの間の通信を制御する。なお、サーバ30に動画配信機能を持たせることもできる。
【0028】
サーバ30は、単独のコンピュータで構成することもできるが、サーバ30の有する各機能を複数のサーバに分散して持たせる機能分散型の構成とすることもできる。あるいは、ネットワークN上に複数のサーバ30を設けて冗長化(多重化)を図ることにより、負荷分散型の構成としてもよい。また、サーバ30は、クラウドコンピューティング技術を利用したクラウドサーバとして構成されてもよい。
【0029】
プログラムやデータは、ネットワークNを介して遠隔地からゲーム端末10又はサーバ30に供給されて、RAM13、補助記憶装置14、RAM33又は補助記憶装置34に記憶される。なお、情報記憶媒体(例えば光ディスク又はメモリカード等)に記憶されたプログラムやデータを読み取るための構成要素(例えば光ディスクドライブ又はメモリーカードスロット等)がゲーム端末10又はサーバ30に備えられてもよい。そして、プログラムやデータが、前記情報記憶媒体を介してゲーム端末10又はサーバ30に供給されてもよい。
【0030】
なお、以下では、ゲーム端末10がタッチパネルを備えたスマートフォン又はタブレット型コンピュータである場合を想定する。
【0031】
[2.ゲームの一例の概要]
ゲームの一例の概要を、以下に説明する。
ゲームシステム1では、各種ゲームを実行できる。例えば、スポーツゲーム(野球、サッカー、テニス、アメリカンフットボール等を題材としたゲーム)、レースゲーム、格闘ゲーム、戦闘ゲーム、デジタルカードゲーム等、ゲーム形式・ジャンルを問わず様々なゲームを実行できる。なお、ゲームは、ゲーム端末10がサーバ30又は他のゲーム端末10との間でデータ通信を行うことによって実行されてもよいし、ゲーム端末10単体で実行されてもよい。
【0032】
例えば、野球ゲームでは、一又は複数のオブジェクト(例えば、ゲームキャラクタ、ゲームカード、又はゲームアイテム等)に基づいて、育成や対戦をはじめとする種々のゲームモードが実行される。以下では、ゲームシステム1で実行されるゲームの一例として、野球を題材とした野球ゲームについて説明し、必要に応じてその他のゲームについても言及する。
【0033】
本実施形態の野球ゲームには、育成モード、チーム育成モード、対戦モード、入手モード、強化モード等の様々なゲームモードが搭載されている。育成モードは、ユーザがゲームキャラクタを育成して、自分だけのオリジナルのゲームキャラクタを作成するキャラクタ育成モードである。本実施形態では、育成モードにおいて、投手または野手(捕手も含む)のキャラクタを育成することができる。ユーザが育成モードで作成したオリジナルキャラクタは、チーム育成モードや対戦モード等の他のゲームモードで使用できる。チーム育成モードは、複数の選手キャラクタから構成されるチームの育成等を行うゲームモードである。対戦モードは、ユーザが育成モードで作成したオリジナルキャラクタを使用して編成されるチームを用いて対戦相手チームと対戦を行うゲームモードである。入手モードは、育成モードでオリジナルキャラクタを育成するときに利用できるキャラクタ(後述するイベントキャラクタ)を入手可能なゲームモードである。強化モードは、入手モードで入手したイベントキャラクタ同士を合成などすることでイベントキャラクタを強化できるパートである。
【0034】
以下、育成モードについて詳細に説明する。
育成モードでは、育成対象となるオリジナルキャラクタ(以下、主人公キャラクタと称する)が高校で野球の練習をし、様々なイベントを経て主人公キャラクタが投手または野手として育成される。なお、本実施形態の育成モードでは複数のシナリオが用意されており、シナリオによって進学する高校が異なっている。シナリオとは、ゲームの進行に合わせて展開されるゲームストーリーである。本実施形態のゲームでは、ユーザがその中の1つのシナリオを選択することにより、主人公キャラクタが進学する高校が決定される。
【0035】
シナリオが選択されると、まず、ユーザは主人公キャラクタの基本情報を決定する。基本情報としては、名前、ポジション、利き腕、打撃フォーム、投手の場合は投球フォームを決定する。ポジションについては、投手、捕手、一塁手、二塁手、三塁手、遊撃手、外野手から選択する。以下、投手以外のポジションについては野手として説明する。主人公キャラクタの利き腕では、右投げか左投げかを選択するとともに、右打ち、左打ち、両打ち(スイッチヒッター)のいずれかを選択する。主人公キャラクタの打撃フォームでは、スタンダード、オープンスタンス等複数種類の中からユーザは選択する。また、投球フォームでは、オーバースロー、スリークウォーター、サイドスロー、アンダースロー等複数種類の中からユーザは選択する。また、主人公キャラクタの基本情報を決定する際に、予め設定された基本情報を最初に画面に表示するようにし、ユーザがその基本情報を変更するようにしてもよい。
【0036】
主人公キャラクタの基本情報が決定されると、次にイベントデッキの設定が行われる。ここでイベントデッキとは、主人公キャラクタが進学する高校において一緒に練習等を行うチームメイトとなるイベントキャラクタを設定するためのデッキである。なお、イベントキャラクタとは、主人公キャラクタの育成過程においてイベントが発生することにより主人公キャラクタの育成に影響を及ぼす(ユーザにとって有利な効果を及ぼす)キャラクタであり、ユーザは所持するイベントキャラクタの中からイベントデッキに設定するイベントキャラクタを選択する。なお、イベントキャラクタは対戦モードでの勝利報酬で獲得したり、前述の入手モードにおいて抽選によって獲得したりすることができる。
【0037】
ユーザがゲーム内で獲得したイベントキャラクタは、ユーザの所持キャラクタとしてユーザIDに関連付けられて記憶装置(データベースDB、補助記憶装置14、補助記憶装置34等)に記憶されて、ゲームシステム1において管理される。なお、各ユーザが所持できるイベントキャラクタの数には上限が設けられている。基本の上限は「50」であるが、所定条件を満たすことにより、上限の数を拡張することができる。例えば、所定数量のゲーム内通貨を消費することにより、上限の数を「5」ずつ拡張できる。但し、最大まで拡張できる上限は決まっており、ユーザが所持できるイベントキャラクタには限界がある。ユーザは、所持しているイベントキャラクタを売却することができる。イベントキャラクタを売却すれば、ゲーム内で使用できるポイントやゲーム内通貨に変換される。
【0038】
また、前述の強化モードにおいて、ユーザは、所持しているイベントキャラクタの中から1つのベースキャラクタと、1つ以上の強化素材キャラクタとを選択し、ベースキャラクタに強化素材キャラクタを合成してベースキャラクタを強化することができる。この強化処理により、ベースキャラクタとして選択したイベントキャラクタのレベルを向上させることができる。一方、強化素材キャラクタとして使用されたイベントキャラクタは、ユーザの所持キャラクタではなくなる。
【0039】
上記のイベントキャラクタの売却または強化により、ユーザはイベントキャラクタの所持数を上限以内に調整できる。ゲームシステム1は、ユーザが現在所持しているイベントキャラクタおよびユーザが過去に所持していたイベントキャラクタの一覧を、図鑑情報として管理する。そして、ユーザは、所定の操作をすることにより、いつでも図鑑情報を画面で確認できる。
【0040】
育成モードでのシナリオを開始する前に、ユーザは上記強化処理によりイベントキャラクタのレベルを予め上げておくことが望ましい。なぜならば、イベントキャラクタのレベルが高いほど、練習による主人公キャラクタの能力の上昇値や主人公キャラクタに対する初期評価などが高くなるため、主人公キャラクタの育成を有利に進めることができるからである。
【0041】
図4には、イベントデッキの表示画面G100の例を示す。イベントデッキを設定する際には、
図4に示す表示画面G100が表示される。表示領域A110にはデッキ名が表示される。ユーザはイベントデッキ内でのイベントキャラクタの組み合わせを、育成モードでのシナリオを開始する前に予め登録することができる。変更ボタンB1101は、デッキ名を変更するためのボタンである。
【0042】
表示領域A112には、選択されたイベントキャラクタが表示される。イベントデッキには、例えば、最大で6人のイベントキャラクタを設定することができる。なお、イベントキャラクタはユーザが所持するイベントキャラクタから選択されるが、その一部を他のユーザ(例えば、ユーザに関連付けられた他のユーザ)が所持するイベントキャラクタから選択できる。例えばシナリオの種類によってはそのシナリオを有利に進めるのに必要なイベントキャラクタを所持していない場合がある。そのような場合であっても他のユーザが所持するイベントキャラクタを選択できると、ユーザはそのシナリオにおいても有利に進めることができ、ユーザはそのシナリオでもゲームを楽しむことができる。
【0043】
表示領域A111には、それぞれのイベントキャラクタのレアリティが表示される。レアリティとは、入手し難さを表すものであり、レアリティの種類としては、「ノーマル(N)」、「パワフルノーマル(PN)」、「レア(R)」、「パワフルレア(PR)」、「スーパーレア(SR)」、「パワフルスーパーレア(PSR)」の6種類がある。N、PN、R、PR、SR、PSRの順にレアリティが高くなり、レアリティが高いほどイベントが発生した場合など主人公キャラクタを育成する際の恩恵が大きくなる。また、表示領域A113には、そのイベントキャラクタのレベルが表示される。
【0044】
また、イベントキャラクタには、それぞれ得意練習が関連付けられている場合があり、そのイベントキャラクタの得意練習で主人公キャラクタとともに練習を行うと、主人公キャラクタは、特別な練習を行うイベントが発生したり、通常よりも多くの経験点を得ることができたりする。
【0045】
表示領域A114には、イベントキャラクタの得意練習の一覧が表示される。練習の種類には、「打撃」、「筋力」、「走塁」、「肩力」、「球速」、「コントロール」、「スタミナ」、「変化球」、「守備」、「メンタル」がある。イベントデッキにイベントキャラクタが設定されると、表示領域A115に得意練習となるイベントキャラクタの倍数が表示される。
図4に示す例では、打撃を得意練習とするイベントキャラが1人、筋力を得意練習とするイベントキャラが2人、走塁を得意練習とするイベントキャラが1人、肩力を得意練習とするイベントキャラが1人、メンタルを得意練習とするイベントキャラが1人設定されていることを示している。なお、1つのイベントキャラクタの得意練習が2種類以上ある場合もある。2種類以上の得意練習があるイベントキャラクタがイベントデッキに設定された場合には、表示領域A115に表示される合計数がその分大きくなる。
【0046】
以上のようにイベントデッキへのイベントキャラクタの設定が完了すると、次に、育成モードで使用可能なアイテムの選択が行われる。アイテムは対戦モードでの勝利報酬で獲得したり、抽選によって獲得したりすることができ、例えば、ユーザは所定数(例えば、最大2つ)のアイテムを育成モードで使用することができる。アイテムの種類としては、イベント発生率を上昇させるためのアイテム、体力を回復させるためのアイテム、ケガの発生率を下げるアイテム、後述する経験点の自動割り振り処理を実行可能にするためのアイテムなどがある。
【0047】
以上のようにゲームアイテムの選択まで終了すると、シナリオが開始される。ここで、シナリオの内容を説明する前に、主人公キャラクタの能力値について説明する。
図5には、主人公キャラクタを野手として育成した場合の能力一覧画面G200の一例を示す。表示領域A210には、主人公キャラクタの画像が表示される。
【0048】
表示領域A211には、主人公キャラクタの名前が表示される。主人公キャラクタの名前は、主人公キャラクタの基本情報を決定する際に決定されるが、主人公キャラクタの育成後に変更することができる。表示領域A212には、主人公キャラクタのポジションの番号が表示される。ポジションが捕手の場合は2、一塁手の場合は3、二塁手の場合は4、三塁手の場合は5、遊撃手の場合は6、レフトの場合は7、センターの場合は8、ライトの場合は9が表示される。
【0049】
表示領域A213には、主人公キャラクタの打撃フォームおよび利き腕が表示される。表示領域A214には、主人公キャラクタのポジションが表示される。なお、主人公キャラクタを複数のポジションで守備できるように育成することも可能であり、その場合には複数のポジションを表示できる。
【0050】
表示領域A215~A221には、野手としての基本能力が表示される。なお、表示領域A216~A221に表示させる基本能力は、S、A、B、C、D、E、F、Gの8段階の評価ランクで表示され、能力値が90以上の場合はS、80~89の場合はA、70~79の場合はB、60~69の場合はC、50~59の場合はD、40~49の場合はE、20~39の場合はF、19以下の場合はGとなる。
【0051】
表示領域A215には、基本能力「弾道」の情報が表示され、評価ランクは1~4の数値で表される。数値が高いほど打撃での打球の軌道が高くなり、本塁打が出やすくなる。表示領域A216には、基本能力「ミート」の情報が表示され、「ミート」の能力が高いほどバットをボールに当てやすく、ヒットが出やすくなる。表示領域A217には、基本能力「パワー」の情報が表示され、「パワー」の能力が高いほど打撃で長打が出やすくなる。表示領域A218には、基本能力「走力」の情報が表示され、「走力」の能力が高いほど走塁が速くなり、内野安打が出やすくなる。表示領域A219には、基本能力「肩力」の情報が表示され、「肩力」の能力が高いほど守備でボールを速く送球することができる。表示領域A220には、基本能力「守備力」の情報が表示され、「守備力」の能力が高いほど守備範囲が広くなる。表示領域A221には、基本能力「捕球」の情報が表示され、「捕球」の能力が高いほど守備で上手に捕球しやすく、エラーが発生しにくくなる。
【0052】
表示領域A222には、主人公キャラクタが保持する野手に関する特殊能力の一覧が表示される。
図5に示す例では、主人公キャラクタは、「内野安打」、「代打」、「インコース」、「送球」、「調子安定」の5種類の特殊能力を保持している。つまり、主人公キャラクタは、内野安打が出やすく、代打で登場する場合は能力値がアップし、打撃では「インコース」が得意で、守備時には正確な送球ができ、調子が安定していることを示している。
【0053】
図6には、主人公キャラクタを投手として育成した場合の能力一覧画面G300の一例を示す。表示領域A310には、主人公キャラクタの画像が表示される。表示領域A311には、主人公キャラクタの名前が表示される。表示領域A312には、主人公キャラクタのポジションの番号が表示される。ポジションが投手の場合は1が表示される。表示領域A313には、主人公キャラクタの投球フォームおよび利き腕が表示される。表示領域A314には、主人公キャラクタのポジションが表示される。
【0054】
表示領域A315には、「球速」に関する基本能力が表示され、直球を投げた場合の最高球速が表示される。また、表示領域A316、A317に表示される基本能力は、能力の高い順にS、A、B、C、D、E、F、Gの8段階の評価ランクで表示され、能力値が90以上の場合はS、80~89の場合はA、70~79の場合はB、60~69の場合はC、50~59の場合はD、40~49の場合はE、20~39の場合はF、19以下の場合はGとなる。
【0055】
表示領域A316には、「コントロール」に関する基本能力が表示され、「コントロール」の能力が高いほど失投が発生しにくく、狙ったコースへ投球しやすくなる。表示領域A317には、「スタミナ」に関する基本能力が表示され、「スタミナ」の能力が高いほど疲れにくくなり、試合後半で能力が下がりにくくなる。
【0056】
表示領域A317には、ストレート(直球)以外に、主人公キャラクタが会得した変化球の種類および変化量を示している。表示領域A318に表示されている5本の矢印は、打者側から投手に向かって見た右腕投手の変化球の軌道変化の方向を示している。変化球は、ボールの軌道が変化する方向によって、45度ずつ角度が異なる、右方向(水平方向右向き)、右下方向、下方向(鉛直方向)、左下方向、左方向(水平方向左向き)の5つに分類される。
【0057】
図6に示す例では、主人公キャラクタは、ストレート(直球)以外に、「スライダー」、「カーブ」、「フォーク」、および「シュート」の変化球を会得していることを示している。つまり、主人公キャラクタを他のゲームで使用する場合、持ち球である「ストレート」、「スライダー」、「カーブ」、「フォーク」、および「シュート」の中からユーザが選択した球種を投球できる。
【0058】
表示領域A317に表示されている5本の矢印は、各変化球の変化量を示すゲージとしての機能も有する。ここで、変化球の変化量とは、主人公キャラクタの能力パラメータの一つであり、変化球の曲がりの大きさを示すものである。換言すれば、主人公キャラクタが変化球を投げた場合のボールの軌道の変化の大きさを示すものである。変化量は、「1」~「7」の7段階で示され、「1」が最も変化量が小さく、「7」が最も変化量が大きい。
【0059】
図6に示す例では、主人公キャラクタは、「スライダー」の変化量が「5」、「カーブ」の変化量が「3」、「フォーク」の変化量が「4」、「シュート」の変化量が「2」の能力を有することを示している。
【0060】
表示領域A319には、主人公キャラクタが保持する投手に関する特殊能力の一覧が表示される。
図6に示す例では、主人公キャラクタは、「重い球」、「奪三振」、「根性」、「打たれ強さ」の4種類の特殊能力を保持している。つまり、主人公キャラクタは、球質の重いボールを投げ、バッターから三振を奪いやすく、疲れた場合も根性で投げ抜くことができ、ヒットを打たれても動揺しにくいことを示している。
【0061】
次に、シナリオの内容の詳細について説明する。前述したように育成モードでは、複数のシナリオが用意されており、まず、これらのシナリオで共通する内容について説明する。例えば、いずれのシナリオも4つのセクションで構成され、第1セクションから第3セクションは、それぞれ12ターンで構成され、第4セクションのみ15ターンで構成されている。ユーザは、1ターンごとに、複数のコマンドの中から任意のコマンドを選択してゲームを進行させる。各ターンでは、主人公キャラクタが練習する練習項目(または練習場所)を選択したり、主人公キャラクタを休ませたりすることができる。なお、第4セクションの途中から高校野球の予選および甲子園での高校野球の試合が含まれるため、途中で試合に負けて敗退となった場合には、強制的に第4セクションは終了するようにしてもよい。
【0062】
各セクションの各ターンでは、主人公キャラクタの他に複数のチームメイトが登場し、主人公キャラクタの育成効果に大きな影響を及ぼす。チームメイトには、イベントデッキに設定されたイベントキャラクタと、そのシナリオ固有で予め定められたイベントキャラクタと、その他のデフォルトキャラクタ(非イベントキャラクタ)とが含まれる。なお、そのシナリオ固有で予め定められたイベントキャラクタと同じキャラクタをイベントデッキに設定することもできる。
【0063】
また、各ターンにおいて発生し得るイベントには、ユーザによるコマンド選択の操作を挟んで、コマンド選択の前に発生する前イベントと、練習や休む等のコマンドが選択されてそれが実行された後に発生する後イベントとを含む。発生するイベントには、シナリオ固有のシナリオイベントと、イベントデッキに設定されたイベントキャラクタによるイベントと、シナリオ固有で予め定められたイベントキャラクタによるイベントとがある。シナリオ固有のシナリオイベントでは、主にそのシナリオ固有で予め定められたイベントキャラクタが登場する。イベントがコマンド選択の前に発生するか後に発生するかは、シナリオイベントの内容およびイベントキャラクタによって予め決定されており、各イベントの発生条件はイベント発生抽選で当選した場合に発生する。これらのイベントが発生すると、発生したイベントに応じた育成効果が主人公キャラクタに与えられる。例えば、イベントが発生すると、主人公キャラクタの能力値を上げたり特殊能力を取得したりするために必要な経験点を獲得できる。
【0064】
図7には、各シナリオで共通する要素を有する基本的な育成モードのメイン画面G400の一例を示す。なお、
図11に例示するように、シナリオに応じて追加的に表示される情報はあるが、先ずは各シナリオで共通する内容について、
図7等を用いて説明する。
【0065】
表示領域A401には、現在のセクションおよび現在のターン(現在のセクションの残りターン数)が表示される。表示領域A402には、現在の主人公キャラクタの学年、月及び週が表示される。表示領域A403には、主人公キャラクタの現在の体力のゲージが表示されており、そのターンで練習を選択すると体力のゲージは下がり、休んだりデートしたりすると体力のゲージは上がる。表示領域A414には、主人公キャラクタのやる気パラメータを示すアイコンが表示される。アイコンの種類は主人公キャラクタのやる気パラメータに応じて複数の段階で切り替わり、イベントが発生することによって変動する。また、メニューボタンP404が選択されると、メニュー画面が表示され、ユーザは設定を確認したりシナリオを中断したりすることができる。
【0066】
表示領域A405には、主人公キャラクタの名前および現在の基本能力の評価ランクが表示される。
図7に示す例では、主人公キャラクタは野手として育成されるため、前述した「弾道」、「ミート」、「パワー」、「走力」、「肩力」、「守備力」の現在の評価ランクが表示されている。なお、主人公キャラクタを投手として育成する場合は、「球速」、「コントロール」、「スタミナ」、「変化球の種類及び変化量」が表示される。また、表示領域A405付近には主人公キャラクタの画像P406が表示される。
【0067】
ユーザは各ターンにおいて、複数のコマンドの選択肢P407、P408、P411~P413の中からそのターンで何を行うかを選択することができる。なお、「能力アップ」の選択肢P410が選択された場合はそれによりターンは消化されない。また、選択肢P409は、シナリオの種類によって内容が異なり、ターンを消化するものと消化しないものとがある。次に、各選択肢の内容について説明する。
【0068】
「休む」の選択肢P407が選択された場合には、そのターンで練習を行わず、休養して体力を回復させる。体力の回復量は抽選によって決定される。「練習」の選択肢P408が選択された場合には、さらに後述する
図8の練習画面G500に遷移し、さらにユーザは数種類の練習項目(または練習場所)から1つを選択する。練習項目の詳細については後述する。選択肢P409はシナリオ固有の選択肢であり、選択したシナリオによって内容が異なる。
【0069】
「能力アップ」の選択肢P410が選択されると、ユーザは練習やイベントによって獲得した経験点を消化して主人公キャラクタの能力を上げることができる。つまり、主人公キャラクタの基本能力を上げたり特殊能力を取得したりする場合には、この選択肢P410を選択して主人公キャラクタの能力を上げる。「通院」の選択肢P411が選択されると、主人公キャラクタの病気等を所定の確率で治す。「遊ぶ」の選択肢P412が選択されると、主人公キャラクタの体力を回復させ、さらに主人公キャラクタのやる気パラメータを高確率で1段階上昇させる。「デート」の選択肢P413が選択されると、主人公キャラクタの体力を回復させるとともに、デートコマンドの実行内容に応じて経験点を主人公キャラクタに付与する。
【0070】
次に、「練習」の選択肢P408が選択された場合について説明する。
図8には、練習画面G400の一例を示す。なお、
図8に示す例では、矢印P510によって「筋力」を鍛える練習が仮選択されている状態の画面を示している。表示領域A501には、主人公キャラクタが獲得した未消化の経験点が表示される。ここで経験点とは、前述の主人公キャラクタの能力を上げるのに必要なポイントであり、表示領域A501には、主人公キャラクタの基本能力を上げたり特殊能力を取得したりすることによって消化された経験点は含まれない。経験点の種類としては、「筋力」、「敏捷」、「技術」、「変化球」、「精神」の5種類からなり、練習項目によって得られる経験点の種類及び値が異なる。
図8に示すように、「筋力」の練習を選択した場合は、「筋力」の経験点と「精神」の経験点が得られる。また、表示領域A502には、その練習を選択した場合の経験点の増加量が表示され、ユーザは経験点の増加量を参照しながら練習項目を選択することができる。
【0071】
表示領域A505には、その練習に一緒に参加するチームメイトが表示される。換言すれば、表示領域A505には、その練習項目の選択肢に関連付けられたチームメイトのキャラクタが表示される。一緒に参加するチームメイトには、前述したシナリオ固有で予め定められたイベントキャラクタ、イベントデッキに設定されたイベントキャラクタ、その他のデフォルトキャラクタ、スカウト及び監督からランダムに選択され、一緒に参加するチームメイトが多いほど多くの経験点が得られる。表示領域A506には、そのチームメイトの名前および主人公キャラクタに対する評価値(又は関係度)がゲージで表示される。主人公キャラクタに対する評価値は、そのチームメイトを含んだイベントが発生したり、そのチームメイトと一緒に練習したりすることによって上昇させることができる。主人公キャラクタに対する評価値が高いほど、特殊能力のコツを取得することができるコツイベントが発生し易くなったり、経験点の上昇幅が大きくなったりする。なお、特殊能力のコツを取得すると、その特殊能力を取得するために必要な経験点が少なくなる。
【0072】
ここで、コツイベントについて説明する。表示領域A505において、コツイベントの対象となるチームメイトには、コツイベントアイコンP509が関連付けられて重畳表示される。また、コツイベントが発生する練習項目にも、コツイベントの発生を報知するコツイベントアイコンP509が重畳表示される。また、コツイベントアイコンP509が関連付けられているチームメイトと主人公キャラクタが一緒に練習する(換言すれば、「コツイベントアイコンP509が関連付けられているチームメイト」が関連付けられている「練習項目の選択肢」を選択する)ことにより、コツイベントが発生し、主人公キャラクタが特殊能力のコツを取得することができる。
【0073】
なお、「主人公キャラクタがチームメイトと一緒に練習する」ことを、単に「チームメイトと一緒に練習する」と記載することがある。「チームメイトと一緒に練習する」とは、チームメイトが関連付けられている練習項目の選択肢を選択することである。
【0074】
コツイベントを発生させ得るチームメイトは、基本的にイベントキャラクタである。コツイベントを発生させ得る各イベントキャラクタを対象として、コツイベントを発生させるか否かが、毎ターン抽選される。取得できるコツは、コツイベントを発生させたイベントキャラクタが持っている対象の特殊能力の中からランダムに決定される。コツにはレベル(本実施の形態では、Lv.1~Lv.5)があり、レベルが高いほど、主人公キャラクタが特殊能力を取得するために必要な経験点が軽減される。なお、一部のイベントキャラクタからは、基本能力のコツを取得できる場合がある。基本能力のコツを取得した場合、主人公キャラクタのミートや球速などの基本能力を向上させる際に必要な経験点が軽減される。つまり、コツを取得することにより、主人公キャラクタの育成を有利に進めることができるようになる。なお、コツイベントの発生により、コツの取得に代えて経験点が取得できる場合もある。
【0075】
表示領域A507には、そのチームメイトと関連付けされている得意練習が表示される。最終的に選択した練習と得意練習とが一致する場合には、経験点をより多く獲得するなど、主人公キャラクタの育成に有利な恩恵が与えられる。なお、得意練習はイベントデッキに設定されたイベントキャラクタに表示され、シナリオ固有で予め定められたイベントキャラクタ(イベントデッキに設定されているものを除く)、およびその他のデフォルトキャラクタでは表示されない。また、最大で5人のチームメイトと一緒に練習を行うことが可能であり、各練習項目に関連付けられるチームメイトの組み合わせは毎ターン抽選される。
【0076】
さらに、一緒に練習を行うチームメイトの中に、選択した練習と得意練習が一致し、且つ主人公キャラクタに対する評価値が所定値以上のイベントキャラクタが存在する場合は、スペシャルタッグ練習という特別な練習が行われる。スペシャルタッグ練習が行われると、通常よりも多くの経験点を得ることができる。
【0077】
表示領域A508には、その練習を選択した場合のケガ率が表示される。ケガ率は現在の体力が小さいほど大きくなる。ユーザは、ケガ率を参照しながら必要に応じて戻るボタンP504を選択し、
図7のメイン画面G400に戻って「休む」などのコマンドを選択しなおすことができる。
ケガ率が高いほど練習を実行させたときに主人公キャラクタがケガをする確率が上昇する。ケガをした場合には練習を実行させたとしても経験点を得ることができない。
【0078】
選択肢P511~P516では、それぞれ異なる練習項目を選択することができ、例えばユーザが選択肢P511~P516の中の何れかを指などによって押下することによってその練習を実行させる。また、それぞれの選択肢P511~P516には、それぞれの練習のレベルが表示されている。同じ練習を複数回選択することによってレベルが上昇し、練習のレベルが高いほどより多くの経験点が得られる。
【0079】
「打撃」の選択肢P511が選択されると、主人公キャラクタの基本能力の1つである「ミート」を上昇させるために必要な経験点が得られる。具体的には、表示領域A501に表示されている「筋力」、「技術」及び「精神」の経験点が得られる。「筋力」の選択肢P512が選択されると、「筋力」及び「精神」の経験点が得られる。
【0080】
「走塁」の選択肢P513が選択されると、主人公キャラクタの基本能力の1つである「走力」を上昇させるために必要な経験点が得られる。具体的には、「筋力」及び「敏捷」の経験点が得られる。「肩力」の選択肢P514が選択されると、主人公キャラクタの基本能力の1つである「肩力」を上昇させるために必要な経験点が得られる。具体的には、「筋力」、「敏捷」及び「技術」の経験点が得られる。
【0081】
「守備」の選択肢P515が選択されると、主人公キャラクタの基本能力の1つである「守備力」を上昇させるために必要な経験点が得られる。具体的には、「敏捷」、「技術」及び「精神」の経験点が得られる。「メンタル」の選択肢P516が選択されると、主人公キャラクタの体力を回復させるとともに、「技術」及び「精神」の経験点が得られる。
【0082】
なお、
図8に示した例は主人公キャラクタを野手として育成する場合の例であり、主人公キャラクタを投手として育成する場合には、選択肢P511~P516の練習項目が異なり、それぞれ「球速」、「コントロール」、「スタミナ」、「変化球」、「守備」、「メンタル」の組み合わせになる。経験点の種類は、主人公キャラクタを野手として育成する場合と同じである。また、主人公キャラクタを投手として育成する場合も同様に、練習項目によって得られる経験点の種類及び値が異なる。例えば、「コントロール」の練習を選択した場合は「技術」の経験点と「精神」の経験点が得られる。
【0083】
「球速」の選択肢が選択されると、主人公キャラクタの基本能力の一つである「球速」を上昇させるために必要な経験点が得られる。具体的には、表示領域A501に表示されている「筋力」、「技術」及び「精神」の経験点が得られる。「コントロール」の選択肢が選択されると、主人公キャラクタの基本能力の一つである「コントロール」を上昇させるために必要な経験点が得られる。具体的には、表示領域A501に表示されている「技術」及び「精神」の経験点が得られる。
【0084】
「スタミナ」の選択肢が選択されると、主人公キャラクタの基本能力の一つである「スタミナ」を上昇させるために必要な経験点が得られる。具体的には、表示領域A501に表示されている「筋力」及び「精神」の経験点が得られる。「変化球」の選択肢が選択されると、主人公キャラクタの基本能力の一つである「変化球」の種類及び変化量を増加させるために必要な経験点が得られる。具体的には、表示領域A501に表示されている「技術」、「変化球」及び「精神」の経験点が得られる。
【0085】
「守備」の選択肢が選択されると、表示領域A501に表示されている「敏捷」、「技術」及び「精神」の経験点が得られる。「メンタル」の選択肢が選択されると、主人公キャラクタの体力を回復させるとともに、表示領域A501に表示されている「技術」及び「精神」の経験点が得られる。
【0086】
次に、練習等によって得られた経験点を基本能力および特殊能力に反映させる手順について説明する。
図7に示したメイン画面G400で「能力アップ」の選択肢P410が選択されると、以下の
図9に示す画面へ遷移する。
【0087】
図9は、野手として育成される主人公キャラクタの基本能力を上昇させるための設定画面G600の例を示している。表示領域A601には、能力アップ前のそれぞれの基本能力の評価ランクおよび能力値が表示され、表示領域A602には、能力アップ後のそれぞれの基本能力の評価ランクおよび能力値が表示される。選択ボタンP605は、基本能力を設定する画面に遷移するためのボタンであり、
図9の例では、基本能力の設定画面が選択されていることを示している。なお、選択ボタンP606が選択されると、後述する特殊能力の設定画面に遷移する。
【0088】
表示領域A603には、現在獲得している種類毎の経験点(「筋力」、「敏捷」、「技術」、「変化球」及び「精神」)のうちの、主人公キャラクタの能力アップのための割り振りに使用されていない経験点が表示される。表示領域A603に表示されている経験点を、基本能力や特殊能力に割り振ることによって、主人公キャラクタの基本能力の能力値を上げたり、特殊能力を取得したりすることができる。経験点を割り振るとは、基本能力及び特殊能力を構成する能力に、当該能力をアップさせるのに必要な経験点を関連付けることを、一回又は複数回行うこという。割り振りにより使用された経験点は、表示領域A603に表示されている経験点から減算される。
【0089】
表示領域A604には、基本能力の一覧が表示され、それぞれの基本能力の能力値を1上げるのに必要な経験点が表示される。表示領域A604に表示しきれない基本能力の情報がある場合は、表示領域A612に表示されているスクロールバーを動かすことによって、すべての基本能力の情報を表示させることができる。このように基本能力毎に、基本能力の能力値を上げるのに必要な経験点の種類および量が定められることにより、経験点の割り振り方が多種多様になる。各基本能力に対応させてボタンP607が表示され、ボタンP607を操作することにより、経験点を使用して、対応する基本能力の能力値を上げることができる。
【0090】
例えば、「弾道」のボタンP607を一回操作すると、「弾道」の能力値を1上げるのに必要な経験点(「筋力」10、「技術」10、「精神」10)が使用されて「弾道」の能力値が1上がることになる。また、例えば「ミート」のボタンP607を一回操作すると、「ミート」の能力値を1上げるのに必要な経験点(「筋力」1、「技術」6、「精神」4)が使用されて「ミート」の能力値が1上がることになる。また、例えば「走力」のボタンP607を一回操作すると、「走力」の能力値を1上げるのに必要な経験点(「筋力」3、「敏捷」12)が使用されて「走力」の能力値が1上がることになる。このように、基本能力の種類毎に、能力向上に必要な経験点の種類(種類の組み合わせ)又は必要な経験点の量の少なくとも一方が異なっている。また、ボタンP607の操作回数によって、対応する基本能力の能力値を段階的に上げることができる。このように設定画面G600において、ユーザが任意に選択した基本能力に経験点を割り振ることで、手動の操作により、当該基本能力の能力値を向上させることが可能になる。
【0091】
また、おまかせボタンP610を操作することにより、自動割り振り処理が実行される。この自動割り振り処理では、ゲームシステム1が、所定の規則に従って選択した基本能力や特殊能力に経験点を割り振ることで、基本能力の能力値を上げたり、特殊能力を取得したりする。本実施形態では、シナリオ開始前に選択されたゲームアイテムに、自動割り振り処理を許可するための特定のアイテムが含まれているという一定の条件を満たすときに、自動割り振り処理が実行可能になっている。
【0092】
手動の操作、又は自動割り振り処理による経験点の割り振りは、確定ボタンP611が操作されるまでは確定されない。すなわち、確定ボタンP611が操作されるまでは、仮の割り振りであり、経験点の消費が確定されていない状態になる。例えば、リセットボタンP608を操作することにより、その時点での経験点の割り振りを一括してキャンセルして、
図9の設定画面G600に遷移した以降に使用した経験点を、未使用状態に戻すことができる。経験点の割り振りが行われた後に、確定ボタンP611が操作されることにより、経験点の割り振り(すなわち経験点の消費)が確定し、主人公キャラクタの能力変更の設定が確定する。また、戻るボタンP608が操作されることにより、1つ前に表示されていたメイン画面G400(
図7参照)に戻る。
【0093】
図10には、野手として育成される主人公キャラクタの特殊能力を取得するための設定画面G700の一例を示す。設定画面G700も、基本的には、基本能力の能力値を上げるための設定画面G700と同様の画面構成であり、設定画面G700と重複する構成については同一の部材番号を付して、その説明を省略する。
【0094】
表示領域A701には、特殊能力の一覧が表示され、それぞれの特殊能力を取得するのに必要な経験点が表示される。表示領域A701に表示しきれない特殊能力の情報がある場合は、表示領域A612に表示されているスクロールバーを動かすことによって、すべての特殊能力の情報を表示させることができる。このように特殊能力毎に、特殊能力を取得するのに必要な経験点の種類および量が定められることにより、経験点の割り振り方が多種多様になる。各特殊能力に対応させてボタンP607が表示され、ボタンP607を操作することにより、経験点を使用して、対応する特殊能力を取得することができる。
【0095】
図10に例示するように、特殊能力の種類毎に、特殊能力の取得に必要な経験点の種類(種類の組み合わせ)又は必要な経験点の量の少なくとも一方が異なっている。なお、ボタンP607を複数回操作しなければ取得できない特殊能力もある。
【0096】
なお、
図9及び
図10に示す例では、主人公キャラクタを野手として育成する場合を示しているが、投手として育成する場合には、基本能力は、「球速」、「コントロール」、「スタミナ」に置き換わる。また、変化球の種類および変化量を設定するための選択ボタンが追加され、その選択ボタンが選択されると、変化球の種類を選択することができる。この場合、その変化球の変化量を1上げるのに必要な経験点の種類および量も併せて表示され、現在獲得している経験点を消費して変化球の変化量を上げることができる。
【0097】
以上のように、練習の実行および育成モード中に発生したイベントの結果によって得られた経験点を、主人公キャラクタの基本能力の向上および特殊能力の取得に反映することにより、主人公キャラクタを育成することができる。基本的に、1つのシナリオの終了により主人公キャラクタの育成が完了する。育成が完了した主人公キャラクタは、基本能力や特殊能力等に基づいて査定され、選手総合力の値が算出されるとともに、選手総合力の値に基づいて選手ランクが決定される。
【0098】
そして、育成モードで育成が完了した主人公キャラクタは、対戦モード等の他のゲームモードにおいてユーザが使用可能なキャラクタとして、ユーザIDに関連付けられて登録される。そして、シナリオの終了後は、再度、最初からシナリオを開始して主人公キャラクタを育成することにより、別のオリジナルキャラクタを作成できる。すなわち、育成モードの育成を繰り返せば、複数のオリジナルキャラクタを作成できる。
【0099】
次に、本実施形態で説明するシナリオ固有の特徴的な内容について説明する。以下に説明する本実施形態に係るシナリオは、古代エジプトからやってきた人を助けるために、チームメイトと一緒に練習して秘宝の発掘及び修復を行いながらピラミッドを修復し、ピラミッドを再建することで見返りに野球をうまくしてもらうというシナリオとなっている。
【0100】
まず、本シナリオ固有のゲームの概要について説明する。
所定の条件を満たした場合に、イベントキャラクタ等のチームメイトに「秘宝発掘アイコン」が関連付けられる。この秘宝発掘アイコンが関連付けられたチームメイトと一緒に練習することにより、「秘宝発掘イベント」が発生する。この秘宝発掘イベントの発生により、ピラミッドから「秘宝オブジェクト」(以下、単に「秘宝」と称する。)が飛び出して、前記チームメイトに秘宝が関連付けられる。これにより、主人公キャラクタは、秘宝が関連付けられた(換言すれば、秘宝を持っている)チームメイトと一緒に練習することにより、秘宝の効果を享受できるようになる。秘宝には「普通の秘宝」、8つの「レア秘宝」、2つの「レジェンド秘宝」の11種類が存在し、秘宝の種類によってその効果は異なる。秘宝がチームメイトに関連づけられたことによる主な効果には、経験点の貯蔵と放出がある。秘宝の中には「吸収」と「放出」の2つの状態を取り得る秘宝がある。「吸収」状態の秘宝が関連付けられているチームメイトと一緒に練習することにより、その練習で獲得できるはずの経験点の少なくとも一部がピラミッドに吸収されて貯蔵される。ここで、ピラミッドに経験点が吸収される場合、どの種類の経験点も全て共通の「貯蔵点」としてまとめられて貯蔵される。秘宝の種類によって、経験点の吸収(貯蔵)の際に、貯蔵点が通常よりも増加する場合がある。また、所定の「魔術」を使用することによっても、経験点の吸収(貯蔵)の際に、貯蔵点が通常よりも増加する。
【0101】
秘宝は、基本的には「吸収」状態であるが、所定の「魔術」を使用することにより、所定ターン(例えば3ターン)の間、秘宝を「放出」状態にすることができる。「放出」状態の秘宝が関連付けられているチームメイトと一緒に練習することにより、ピラミッドに貯蔵されている「貯蔵点」の少なくとも一部が放出され、その練習で獲得できる種類の経験点として取り出することができる。つまり、「放出」状態の秘宝が関連付けられているチームメイトと一緒に練習することにより、その練習で獲得できる種類の経験点に、「貯蔵点」から放出された経験点を加算できる。秘宝の種類によって、貯蔵点の放出の際に、獲得できる経験点が通常よりも増加する場合がある。また、所定の「魔術」を使用することによっても、貯蔵点の放出の際に、獲得できる経験点が通常よりも増加する。
【0102】
また、秘宝が関連付けられたチームメイトと、所定ターン(例えば5ターン)一緒に練習することにより、その秘宝の修復が完了する。修復が完了した秘宝が関連付けられたチームメイトと一緒に練習すると、秘宝がピラミッドに返還される(換言すれば、チームメイトと秘宝との関連付けが解除される)。この秘宝の返還の主な効果には、魔力の回復、経験点の獲得、およびピラミッドの部屋の修復がある。ここで、魔力とは、「魔術」を使用するためのパラメータである。ピラミッドには複数の部屋があり、返還される秘宝の種類によって、ピラミッドの各部屋の修復度合いが異なる場合がある。
【0103】
前述の秘宝の発掘、修復およびピラミッドへの返還を繰り返すことにより、ピラミッドの各部屋の修復度が高まる。そして、ピラミッドの部屋の修復が完了すると、その部屋に対応した魔術が解放され、当該魔術を使用できるようになる。なお、魔術を使用するには魔力が必要である。魔術の種類によって必要な魔力が異なる。魔力は、前述の秘宝の返還および練習(練習項目を選択したコマンド実行)により回復する。様々な魔術を使用することによって、主人公キャラクタの育成を有利に進めることができる。
【0104】
以上のように、本シナリオでは、前述の各シナリオ共通の内容に加えて、秘宝の発掘、秘宝の修復、秘宝の返還、ピラミッドの部屋の修復、様々な魔術の使用等により、主人公キャラクタの育成を有利に進めることができる。以下、具体的な例について説明する。
【0105】
図11は、本シナリオで表示される育成モードのメイン画面G800の例を示している。なお、
図11において、各シナリオで共通する内容については
図7のメイン画面G400と同様であるため、
図7と重複する画面構成については同一の部材番号を付して、その説明を省略する。
【0106】
メイン画面G800は、表示領域A801および表示領域A802を含む。表示領域A801には、ピラミッドの画像P803およびピラミッドに貯蔵されている貯蔵点の情報が表示される。
ピラミッドの画像P803は、ピラミッドの修復(ピラミッドの各部屋の修復)が進むことにより表示状態が変化するようになっている。例えば、ピラミッドの画像P803は、シナリオの進行によりピラミッドが所定状態になるまでは(例えば、ピラミッドの頂上部の修復が完了するまでは)、頂上部が削れている画像が表示され、所定状態になった以降は頂上部が存在する画像が表示されるように制御される。また、ピラミッドの画像P803は、ピラミッドの修復の達成度に応じて、色、彩度、大きさ、輝き、点滅の有無、点滅の速度等の表示状態が変化するようにしてもよい。
【0107】
表示領域A801に表示される貯蔵点の情報としては、現在の貯蔵点および貯蔵点の上限値を含む。
図11では「貯蔵点 200/999」と表示されている例を示しているが、これは現在の貯蔵点が「200」であり、貯蔵点の上限値が「999」であることを示している。「貯蔵点の上限値」とは、貯蔵可能な貯蔵点の最大値であり、当該上限値を超えて貯蔵点を貯蔵することはできない。なお、貯蔵点の上限値をゲージの最大とするような貯蔵ゲージを表示領域A801に表示して、当該貯蔵ゲージに現在の貯蔵点の量を視認し易く表示してもよい。「貯蔵点の上限値」は、ゲーム開始時においてはデフォルトの値(例えば999)ではじまり、ピラミッドの外壁の修復が完了することにより所定値(例えば2000)まで向上する。
【0108】
表示領域A802には、現在の魔力を示す魔力ゲージが表示される。魔力にはパラメータ値の上限が設定されており、魔力ゲージの最大が当該パラメータ値の上限になっている。「魔力のパラメータ値の上限」とは、蓄積できる魔力のパラメータ値の最大値であり、これを超えて魔力を蓄積できない。「魔力のパラメータ値の上限」は、ゲーム開始時においてはデフォルトの値(例えば500)ではじまり、ピラミッドの頂上部の修復が完了することにより所定値(例えば700)まで向上する。魔術を使用するために必要な魔力の最小単位が「魔力1」であり、魔力ゲージには「魔力1」毎にラインが引かれている。例えば、魔力のパラメータ値100が「魔力1」に相当する。つまり、ピラミッドの頂上部の修復が完了するまでは「魔力5」が最大であり、頂上部の修復完了後は「魔力7」が最大となる。
【0109】
また、現在の魔力の量に応じて、表示領域A801のピラミッドの画像P803の表示状態が変化するようにしてもよい。例えば、魔力の量が多いほど、ピラミッドの画像P803の輝きが増すように制御する。あるいは、ピラミッドの画像P803は、魔力の量に応じて、色、彩度、大きさ、輝き、点滅の有無、点滅の速度等の表示状態が変化するようにしてもよい。
【0110】
また、メイン画面G800は、ピラミッドコマンドの選択肢P809を含んでいる。この選択肢P809は、ターンを消化しない。選択肢P809を選択する操作が行われた場合、
図18に例示するピラミッド画面に遷移する。ピラミッド画面では、魔力の確認、魔術の使用の他、ピラミッドの各部屋の修復状態およびピラミッドの各部屋の情報の確認が可能である。ピラミッド画面の詳細については後述する。
【0111】
図12は、
図11のメイン画面G800で「練習」の選択肢P408が選択された場合に遷移する練習画面G900の例を示している。なお、
図12において、各シナリオで共通する内容については
図8の練習画面G500と同様であるため、
図8と重複する画面構成については同一の部材番号を付して、その説明を省略する。
【0112】
図12の練習画面G900は、
図11と同様の表示領域A801および表示領域A802を含み、現在の貯蔵点および魔力が表示される。また、練習画面G900は、後述するピラミッド画面に遷移するためのピラミッドボタンP902を含む。
【0113】
(秘宝発掘アイコン及び秘宝発掘イベント)
表示領域A505に表示されるチームメイトには、所定の確率に基づく抽選により、秘宝発掘アイコンP901が関連付けられて重畳表示される場合がある。
図12では、得意練習が「打撃」のイベントキャラクタIAと、得意練習が「筋力」のイベントキャラクタIBとに、秘宝発掘アイコンP901が関連付けられている例を示している。秘宝発掘アイコンP901が関連付けられたチームメイトと一緒に練習する(換言すれば、秘宝発掘アイコンP901が関連付けられたチームメイトが関連付けられている練習項目の選択肢を選択する)ことにより、秘宝発掘イベントが発生する。
【0114】
図13に例示するように、秘宝発掘イベントが発生すると、ピラミッドの画像P803から秘宝P903が飛び出して、秘宝発掘アイコンP901が関連付けられているチームメイトに秘宝P903が関連付けられる。すなわち、表示領域A507において、秘宝発掘イベントが発生した対象のイベントキャラクタ(チームメイト)に関連付けられている得意練習のアイコンが、秘宝P903に入れ替わる。なお、得意練習のアイコンが秘宝P903に入れ替わったイベントキャラクタについては、得意練習でのスペシャルタッグ練習は発生しなくなる。
【0115】
チームメイトに秘宝が関連付けられることを、「チームメイトが秘宝を持つ」と表現することがある。秘宝発掘イベントの実行により、秘宝P903を持ったチームメイトから、秘宝発掘アイコンP901は削除される。
【0116】
なお、
図13において、ピラミッドの画像P803から秘宝P903が飛び出して、秘宝P903がチームメイトに関連付けられる秘宝発掘イベントの演出は、あくまでゲーム上の演出であり、当該演出を省略して、秘宝P903がチームメイトに関連付けられた結果だけを画面に表示してもよい。
【0117】
あるターンで発生した秘宝発掘イベントによってチームメイトに秘宝P903が関連付けられた場合、当該秘宝P903が関連付けられたことによる効果は、次ターン以降に生じる。つまり、秘宝発掘イベントが発生したターンでは、秘宝発掘イベントの対象となった秘宝P903の効果は生じない。
【0118】
次に、チームメイトへの秘宝発掘アイコンP901の関連付けの詳細について説明する。
秘宝発掘アイコンP901が関連付けられ得るチームメイトは、基本的に、毎ターン実行されるコツイベントの抽選に当選していないイベントキャラクタである。ここで、コツイベントの抽選に当選していないイベントキャラクタとは、コツイベントアイコンP509が関連付けられていないイベントキャラクタである。
図12の例では、イベントキャラクタICにはコツイベントアイコンP509が関連付けられているので、コツイベントの抽選に当選したキャラクタであり、秘宝発掘アイコンP901の抽選対象から除外されたキャラクタである。
【0119】
イベントキャラクタ以外のチームメイトを、ここでは「モブキャラクタ」と称する。モブキャラクタは、基本的に秘宝を持つことができないが、一定の条件を満たすことで、モブキャラクタでも秘宝を持つことが可能となり、秘宝発掘アイコンP901が関連付けられるようになる。ここで、一定の条件とは、後述する「魔術6」を使用することによって、所定ターン(例えば5ターン)の間、モブキャラクタが「マミーモブ」という特定の状態に変化することである。
【0120】
所定の確率に基づく秘宝発掘アイコンの抽選は、秘宝発掘アイコンが関連付けられ得るキャラクタを対象として、ターン毎に実行される。ここで、秘宝発掘アイコンが関連付けられ得るキャラクタとは、コツイベントの抽選に当選していないイベントキャラクタ及びマミーモブである。但し、すでに秘宝が関連付けられているイベントキャラクタ及びマミーモブも、秘宝発掘アイコンの抽選から除外される。
【0121】
秘宝発掘アイコンの抽選により、1人以上のチームメイトに秘宝発掘アイコンを関連付けることが決定された場合、次に、どの種類の秘宝発掘アイコンを関連付けるかが決定される。秘宝発掘アイコンには、「通常の秘宝発掘アイコン」、「レア秘宝発掘アイコン」、「レジェンド秘宝発掘アイコン」の3つの種類がある。このうち、「レジェンド秘宝発掘アイコン」は、後述するレジェンド秘宝毎の特定の獲得条件を満たすことにより、秘宝発掘アイコンを関連付けることが決定されたチームメイトに確定で関連付けられる。この特定の獲得条件を満たした場合、次に秘宝発掘アイコンが表示されるときは、必ず「レジェンド秘宝発掘アイコン」となる。その後も、「レジェンド秘宝発掘アイコン」が関連付けられたチームメイトと一緒に練習してレジェンド秘宝を発掘するまで、レジェンド秘宝発掘アイコンが表示され続ける。
【0122】
あるチームメイトに秘宝発掘アイコンを関連付けることが決定された場合であって、当該チームメイトに「レジェンド秘宝発掘アイコン」を関連付けない場合は、「通常の秘宝発掘アイコン」または「レア秘宝発掘アイコン」の何れかを関連付けることになるが、何れを関連付けるかは確率に基づいた抽選により決定される。
【0123】
図14には、「通常の秘宝発掘アイコン」と「レア秘宝発掘アイコン」との何れを関連付けるかを決定するための秘宝発掘アイコン抽選テーブルTBL101の一例を示す。
図14に示すように、秘宝発掘アイコンを関連付けることが決定された対象キャラクタ(イベントキャラクタ、マミーモブ)の属性(タイプ)に応じて、「通常の秘宝発掘アイコン」の発生確率、および「レア秘宝発掘アイコン」の発生確率がそれぞれ設定されている。
【0124】
ここで、イベントキャラクタには、「選手」、「彼女」、「相棒」、または「スタッフ」の何れかの属性が関連付けられている。なお、「選手兼彼女」という属性もあるが、例えば、「選手兼彼女」は「選手」として扱う(または「彼女」として扱ってもよい)。また、属性「選手」のイベントキャラクタについては、得意練習の数によって、「選手(得意練習が1種類)」と「選手(得意練習が2種類)」とに分けて、発生確率が設定されている。なお、野手の得意練習と投手の得意練習との両方を有する二刀流のイベントキャラクタは、「選手(得意練習が2種類)」として扱う。本実施形態では、得意練習が1種類のイベントキャラクタの方が、得意練習が2種類のイベントキャラクタよりも、レア秘宝発掘アイコンの出現確率が高くなっている。また、属性「彼女」のイベントキャラクタは、レア秘宝発掘アイコンの出現確率が最も高くなっている。
図14の秘宝発掘アイコン抽選テーブルTBL101は一例であり、任意の発生確率を設定可能である。
【0125】
ピラミッドの部屋の一つである「宝物庫」の修復完了後には、「宝物庫」の修復完了前よりも「レア秘宝発掘アイコン」の発生確率が向上する。
図14の秘宝発掘アイコン抽選テーブルTBL101は「宝物庫」の修復完了前のものであり、「宝物庫」の修復完了後には、例えば、テーブル内の「レア秘宝発掘アイコン」の発生確率が全て「+20%」になる一方、テーブル内の「通常の秘宝発掘アイコン」の発生確率が全て「-20%」になる。
【0126】
(秘宝)
次に、秘宝の詳細について説明する。
秘宝には「普通の秘宝」、8つの「レア秘宝」、2つの「レジェンド秘宝」の11種類が存在する。「通常の秘宝発掘アイコン」が関連付けられたチームメイトと一緒に練習することにより、当該チームメイトには「普通の秘宝」が関連付けられる。また、「レア秘宝発掘アイコン」が関連付けられたチームメイトと一緒に練習することにより、当該チームメイトには8つの「レア秘宝」のうちの何れか1つが関連付けられる。チームメイトに関連付けられる「レア秘宝」の種類は、後述するようにチームメイトであるイベントキャラクタのタイプ(得意練習または属性)に応じて決定される。また、「レジェンド秘宝発掘アイコン」が関連付けられたチームメイトと一緒に練習することにより、当該チームメイトには2つの「レジェンド秘宝」のうちの何れか1つが関連付けられる。チームメイトに関連付けられる「レジェンド秘宝」の種類は、2つの「レジェンド秘宝」のうちのどちらの獲得条件を満たしたかによって決まる。
【0127】
図15は、秘宝テーブルTBL102の一例を示す。秘宝テーブルTBL102は、「秘宝ID」、「レアリティ」、「秘宝名」、「キャラクタタイプ」、「修復ターン」、「秘宝の状態」、「経験点の種類」、「経験点」、「倍率」等のフィールドを含む。秘宝IDは、各秘宝を一意に識別するための識別情報である。「レアリティ」フィールドには、各秘宝のレアリティ(「普通の秘宝」、「レア秘宝」または「レジェンド秘宝」)の情報が記憶される。「秘宝名」フィールドには、各秘宝の名称の情報が記憶される。
【0128】
「キャラクタタイプ」フィールドには、各レア秘宝が関連付けられるキャラクタのタイプ(イベントキャラクタの得意練習または属性、マミーモブ)を指定する情報が記憶される。例えば、「秘宝R1」の場合、「キャラクタタイプ」フィールドには、「打撃」と「コントロール」が記憶されている。この場合、「秘宝R1」は、得意練習が「打撃」または「コントロール」のイベントキャラクタに限定して関連付けが行われることを示す。つまり、「打撃」または「コントロール」を得意練習として有するイベントキャラクタに「レア秘宝発掘アイコン」が関連付けられている場合、レア秘宝発掘イベントが発生すると、当該イベントキャラクタには必ず「秘宝R1」が関連付けられることになる。同様に、「秘宝R2」、「秘宝R3」、「秘宝R4」、「秘宝R5」、「秘宝R6」についても、それぞれ「キャラクタタイプ」フィールドに記憶されている得意練習「筋力または速球」、「走塁または変化球」、「肩力またはスタミナ」、「守備」、「メンタル」のイベントキャラクタに限定して関連付けが行われる。
【0129】
また、「秘宝R7」については、「キャラクタタイプ」フィールドに記憶されている属性「彼女」のイベントキャラクタに限定して関連付けが行われる。また、「秘宝R8」については、「キャラクタタイプ」フィールドに記憶されている属性「相棒またはスタッフ」のイベントキャラクタ、または「マミーモブ」に限定して関連付けが行われる。
【0130】
一方、普通の秘宝およびレジェンド秘宝については、関連付けられるキャラクタのタイプは限定されず、全てのイベントキャラクタおよびマミーモブを対象として、関連付けが行われ得る。
【0131】
「修復ターン」フィールドには、秘宝がチームメイトに関連付けられた後に、当該秘宝の修復が完了するまでのターン数の情報が記憶される。ここで、秘宝の修復が完了するまでのターン数とは、当該秘宝が関連付けられたチームメイトと主人公キャラクタとが一緒に練習するターン数(換言すれば、一緒に練習する回数)をいう。例えば、普通の秘宝である「秘宝N」の場合、修復ターン数は「3」であり、チームメイトに「秘宝N」が関連付けられた後、当該チームメイトと3回(3ターン分)一緒に練習すれば、「秘宝N」の修復が完了する。本実施の形態では、普通の秘宝の修復ターン数は「3」、レア秘宝およびレジェンド秘宝の修復ターン数は「5」となっている。
【0132】
「秘宝の状態」、「経験点の種類」、「経験点」、および「倍率」のフィールドは、各秘宝の「貯蔵または放出の効果」に関する情報を記憶するフィールドである。「経験点の種類」フィールドには、各秘宝の前記効果の対象となる経験点の種類の情報が記憶される。「秘宝の状態」フィールドには、各秘宝がとり得る状態(「吸収」または「放出」の状態)の情報が記憶される。「経験点」フィールドには、秘宝が「吸収」状態の場合に、貯蔵点に吸収する経験点の割合の情報(練習で獲得した経験点のうちの何パーセントを貯蔵点に吸収するかを示す情報)が記憶される。また、「経験点」フィールドには、秘宝が「放出」状態の場合に、貯蔵点から放出する点数の情報が記憶される。「倍率」フィールドには、秘宝が「吸収」状態の場合に、貯蔵点に吸収する経験点を増加させる倍率の情報が記憶される。また、「倍率」フィールドには、秘宝が「放出」状態の場合に、貯蔵点の放出により獲得できる経験点を増加させる倍率の情報が記憶される。
【0133】
秘宝による「吸収」または「放出」の効果の対象となるのは、実行した練習で獲得できる種類の経験点のみである。例えば、「打撃」練習を実行(「打撃」の選択肢P511を選択)した場合、「筋力」、「技術」及び「精神」の3種類の経験点が獲得できるので、当該3種類の経験点のみが「吸収」または「放出」の効果の対象となる。同様に、「筋力」練習を実行した場合、「筋力」及び「精神」の経験点のみが前記効果の対象となる。また、「走塁」練習を実行した場合、「筋力」及び「敏捷」の経験点のみが前記効果の対象となる。また、「肩力」練習を実行した場合、「筋力」、「敏捷」及び「技術」の経験点のみが前記効果の対象となる。また、「守備」練習を実行した場合、「敏捷」、「技術」及び「精神」の経験点のみが前記効果の対象となる。また、「メンタル」練習を実行した場合、「技術」及び「精神」の経験点のみが前記効果の対象となる。
また、秘宝の種類によっては、実行した練習で獲得できる全種類の経験点が対象となるのではなく、その中の一部の種類に限定されるものがある。以下には、秘宝の種類毎に、「吸収」および「放出」の効果を説明する。
【0134】
秘宝テーブルTBL102において、普通の秘宝「秘宝N」が「吸収」状態の場合、「経験点の種類」フィールドには「全経験点」、「経験点」フィールドには「5%」、「倍率」フィールドには「1」が設定されている。この場合、「練習で獲得できる全種類の経験点から5%ずつを貯蔵点に吸収する」という効果が生じる。
一例を挙げて説明すると、「吸収」状態の「秘宝N」が関連付けられたチームメイトがいる練習項目「筋力」が選択されたことによって、筋力100点と精神100点とが付与すべき経験点として算出され、現在の貯蔵点が200点である場合を想定する。ここで、付与すべき経験点とは、「吸収」または「放出」の効果分を含まない経験点である。この場合、「吸収」状態の「秘宝N」の効果に基づく貯蔵処理によって、筋力100点および精神100点の5%ずつの「筋力5点および精神5点の合計10点」が、全種類共通の貯蔵点にまとめて加算される。これにより、貯蔵点は210(=200+10)点となる。また、ユーザが獲得できる(主人公キャラクタに付与される)経験点は、貯蔵点として貯蔵(吸収)された分を除いた筋力95(=100-5)点と精神95(=100-5)点となる。
【0135】
また、「秘宝N」が「放出」状態の場合、「経験点の種類」フィールドには「全経験点」、「経験点」フィールドには「10点」、「倍率」フィールドには「1」が設定されている。この場合、「練習で獲得できる全種類の経験点に、最大10点ずつを貯蔵点から放出して追加する」という効果が生じる。ここで、「最大n点(ずつ)を貯蔵点から放出する」とは、n点(ずつ)放出できる量の貯蔵点がある場合はn点(ずつ)を放出するが、貯蔵点が不足している場合には、放出する点数がn点(ずつ)よりも少なくなることを意味する。
一例を挙げて説明すると、「放出」状態の「秘宝N」が関連付けられたチームメイトがいる練習項目「筋力」が選択されたことによって、筋力100点と精神100点とが付与すべき経験点として算出され、現在の貯蔵点が200点である場合を想定する。この場合、「放出」状態の「秘宝N」の効果に基づく放出処理によって、貯蔵点から10点ずつ(合計20点)が放出され、練習で獲得できる筋力点と精神点とにそれぞれ10点ずつが加算される。これにより、ユーザが獲得できる(主人公キャラクタに付与される)経験点は、筋力110(=100+10)点と精神110(=100+10)点となる。また、貯蔵点は、放出された分が減算されて180(=200-20)点となる。
【0136】
また、秘宝テーブルTBL102において、レア秘宝「秘宝R1」が「吸収」状態の場合、「経験点の種類」フィールドには「技術点」、「経験点」フィールドには「50%」、「倍率」フィールドには「1」が設定されている。この場合、「練習で獲得できる技術点から50%を貯蔵点に吸収する」という効果が生じる。この効果の対象は「技術点」のみであり、「技術点」以外の経験点は貯蔵(吸収)の対象にはならない。
一例を挙げて説明すると、「吸収」状態の「秘宝R1」が関連付けられたチームメイトがいる練習項目「メンタル」が選択されたことによって、技術100点と精神100点とが付与すべき経験点として算出され、現在の貯蔵点が200点である場合を想定する。この場合、「吸収」状態の「秘宝R1」の効果に基づく貯蔵処理によって、吸収の対象となる技術100点の50%にあたる「技術50点」が、全種類共通の貯蔵点に加算される。これにより、貯蔵点は250(=200+50)点となる。また、ユーザが獲得できる(主人公キャラクタに付与される)経験点は、貯蔵点として貯蔵された分を除いた技術50(=100-50)点と精神100点となる。
【0137】
また、レア秘宝「秘宝R1」が「放出」状態の場合、「経験点の種類」フィールドには「技術点」、「経験点」フィールドには「50点」、「倍率」フィールドには「1.4」が設定されている。この場合、「貯蔵点から最大50点を放出し、放出した点数を1.4倍にして、練習で獲得できる技術点に追加する」という効果が生じる。この効果の対象は「技術点」のみであり、「技術点」以外の経験点は放出の対象にはならない。
一例を挙げて説明すると、「放出」状態の「秘宝R1」が関連付けられたチームメイトがいる練習項目「メンタル」が選択されたことによって、技術100点と精神100点とが付与すべき経験点として算出され、現在の貯蔵点が200点である場合を想定する。この場合、「放出」状態の「秘宝R1」の効果に基づく放出処理によって、貯蔵点から50点が放出され、50点を1.4倍にした70点が練習で獲得できる技術点のみに加算される。これにより、ユーザが獲得できる(主人公キャラクタに付与される)経験点は、技術170(=100+70)点と精神100点となる。また、貯蔵点は、放出された分が減算されて150(=200-50)点となる。
【0138】
レア秘宝「秘宝R2」~「秘宝R4」については、「秘宝R1」とは、貯蔵(吸収)または放出の対象となる経験点の種類が異なるだけであり、上述の「秘宝R1」と同様の効果を奏する。
【0139】
また、秘宝テーブルTBL102において、レア秘宝「秘宝R5」が「吸収」状態の場合、「経験点の種類」フィールドには「技術点と筋力点」、「経験点」フィールドには「25%」、「倍率」フィールドには「1」が設定されている。この場合、「練習で獲得できる技術点と筋力点の25%ずつを貯蔵点に吸収する」という効果が生じる。この効果の対象は「技術点と筋力点」のみであり、それ以外の経験点は貯蔵(吸収)の対象にはならない。
一例を挙げて説明すると、「吸収」状態の「秘宝R5」が関連付けられたチームメイトがいる練習項目「肩力」が選択されたことによって、技術100点、筋力100点および敏捷100点が付与すべき経験点として算出され、現在の貯蔵点が200点である場合を想定する。この場合、吸収の対象となる技術100点および筋力100点のそれぞれ25%にあたる「技術25点」および「筋力25点」が、全種類共通の貯蔵点にまとめて加算される。これにより、貯蔵点は250(=200+25+25)点となる。また、ユーザが獲得できる(主人公キャラクタに付与される)経験点は、貯蔵点として貯蔵された分を除いた技術75(=100-25)点、筋力75(=100-25)点、および敏捷100点となる。
【0140】
また、レア秘宝「秘宝R5」が「放出」状態の場合、「経験点の種類」フィールドには「技術点と筋力点」、「経験点」フィールドには「25点」、「倍率」フィールドには「1.2」が設定されている。この場合、「貯蔵点から最大25点ずつを放出し、放出したそれぞれの点数を1.2倍にして、練習で獲得できる技術点と筋力点にそれぞれ追加する」という効果が生じる。この効果の対象は「技術点と筋力点」のみであり、それ以外の経験点は放出の対象にはならない。
一例を挙げて説明すると、「放出」状態の「秘宝R5」が関連付けられたチームメイトがいる練習項目「肩力」が選択されたことによって、技術100点、筋力100点および敏捷100点が付与すべき経験点として算出され、現在の貯蔵点が200点である場合を想定する。この場合、「放出」状態の「秘宝R6」の効果に基づく放出処理によって、貯蔵点から25点ずつ(合計50点)が放出され、25点を1.2倍にした30点が練習で獲得できる技術点と筋力点とに加算される。これにより、ユーザが獲得できる(主人公キャラクタに付与される)経験点は、技術130(=100+30)点、筋力130(=100+30)点、および敏捷100点となる。また、貯蔵点は、放出された分が減算されて150(=200-50)点となる。
【0141】
レア秘宝「秘宝R6」については、「秘宝R5」とは、貯蔵(吸収)または放出の対象となる経験点の種類が異なるだけであり、上述の「秘宝R5」と同様の効果を奏する。
【0142】
また、秘宝テーブルTBL102において、レア秘宝「秘宝R7」が「吸収」状態の場合、「経験点の種類」フィールドには「最大獲得経験点」、「経験点」フィールドには「50%」、「倍率」フィールドには「1.2」が設定されている。この場合、「その練習で最も多く獲得できる種類の経験点の50%を減少させ、減少分を1.2倍にして貯蔵点に吸収する」という効果が生じる。
一例を挙げて説明すると、「吸収」状態の「秘宝R7」が関連付けられたチームメイトがいる練習項目「肩力」が選択されたことによって、技術100点、筋力100点および敏捷200点が付与すべき経験点として算出され、現在の貯蔵点が200点である場合を想定する。この場合、その練習で最も多く獲得できる種類の経験点は「敏捷点」である。そこで、「吸収」状態の「秘宝R7」の効果に基づく貯蔵処理によって、敏捷200点の50%の(100点)を減少させ、減少分の100点を1.2倍にした120点が、全種類共通の貯蔵点に加算される。これにより、貯蔵点は300(=200+100)点となる。また、ユーザが獲得できる(主人公キャラクタに付与される)経験点は、技術100点、筋力100点、および敏捷100(=200-100)点となる。
【0143】
また、レア秘宝「秘宝R7」が「放出」状態の場合、「経験点の種類」フィールドには「最大獲得経験点」、「経験点」フィールドには「50点」、「倍率」フィールドには「1.5」が設定されている。この場合、「貯蔵点から最大50点を放出し、放出した点数を1.5倍にして、その練習で最も多く獲得できる種類の経験点に追加する」という効果が生じる。
一例を挙げて説明すると、「放出」状態の「秘宝R7」が関連付けられたチームメイトがいる練習項目「肩力」が選択されたことによって、技術100点、筋力100点および敏捷200点が付与すべき経験点として算出され、現在の貯蔵点が200点である場合を想定する。この場合、その練習で最も多く獲得できる種類の経験点は「敏捷点」である。そこで、「放出」状態の「秘宝R7」の効果に基づく放出処理によって、貯蔵点から50点が放出され、50点を1.5倍にした75点が練習で獲得できる敏捷点のみに加算される。これにより、ユーザが獲得できる(主人公キャラクタに付与される)経験点は、技術100点、筋力100点、および敏捷275(=200+75)点となる。また、貯蔵点は、放出された分が減算されて150(=200-50)点となる。
【0144】
なお、前記「秘宝R7」の効果に関し、その練習で最も多く獲得できる種類の経験点が複数存在する場合(例えば、前述の例において練習で得られる技術点、筋力点および敏捷点が何れも同じ点数である等の場合)、その中からランダムに選択された種類の経験点が、前記貯蔵処理または前記放出処理の対象となる。
【0145】
また、秘宝テーブルTBL102において、レア秘宝「秘宝R8」が「吸収」状態の場合、「経験点の種類」フィールドには「全経験点」、「経験点」フィールドには「25%」、「倍率」フィールドには「1」が設定されている。この場合、「練習で獲得できる全経験点から25%ずつを貯蔵点に吸収する」という効果が生じる。
一例を挙げて説明すると、「吸収」状態の「秘宝R8」が関連付けられたチームメイトがいる練習項目「筋力」が選択されたことによって、筋力100点と精神100点とが付与すべき経験点として算出され、現在の貯蔵点が200点である場合を想定する。この場合、「吸収」状態の「秘宝R8」の効果に基づく貯蔵処理によって、筋力100点および精神100点の25%ずつの「筋力25点および精神25点の合計50点」が、全種類共通の貯蔵点にまとめて加算される。これにより、貯蔵点は250(=200+50)点となる。また、ユーザが獲得できる(主人公キャラクタに付与される)経験点は、貯蔵点として貯蔵(吸収)された分を除いた筋力75(100-25)点と精神75(100-25)点となる。
【0146】
また、レア秘宝「秘宝R8」が「放出」状態の場合、「経験点の種類」フィールドには「全経験点」、「経験点」フィールドには「25点」、「倍率」フィールドには「1.2」が設定されている。この場合、「練習で獲得できる全種類の経験点に加算するために貯蔵点から最大25点ずつを放出し、放出したそれぞれの点数を1.2倍にして、練習で獲得できる全種類の経験点にそれぞれ追加する」という効果が生じる。
一例を挙げて説明すると、「放出」状態の「秘宝R8」が関連付けられたチームメイトがいる練習項目「筋力」が選択されたことによって、筋力100点と精神100点とが付与すべき経験点として算出され、現在の貯蔵点が200点である場合を想定する。この場合、「放出」状態の「秘宝R8」の効果に基づく放出処理によって、貯蔵点から25点ずつ(合計50点)が放出され、25点を1.2倍にした30点が練習で獲得できる筋力点と精神点とに加算される。これにより、ユーザが獲得できる(主人公キャラクタに付与される)経験点は、筋力130(=100+30)点、精神130(=100+30)点となる。また、貯蔵点は、放出された分が減算されて150(=200-50)点となる。
【0147】
同じ種類のレア秘宝が複数併存することはない。つまり、チームメイトの一人にレア秘宝が関連付けられた場合、当該レア秘宝が返還されるまで、同じ種類のレア秘宝が他のチームメイトに関連付けられることはない。例えば、イベントデッキに属性「彼女」のイベントキャラクタ(「彼女キャラクタ」と称する。)を2人設定した場合を想定すると、一方の彼女キャラクタに「秘宝R7」か関連付けられている状態では、他方の彼女キャラクタには普通の秘宝「秘宝N」しか関連付けられることはない。なお、種類の異なるレア秘宝の併存は許容される。例えば、チームメイトの一人に「秘宝R1」が関連付けられている状態で、他のチームメイトに「秘宝R1」以外のレア秘宝(「秘宝R2」~「秘宝R8」の何れか)が関連付けられることは許容される。
【0148】
また、秘宝テーブルTBL102において、レジェンド秘宝「秘宝L1」の「秘宝の状態」フィールドには「吸収」だけが設定されている。すなわち、「秘宝L1」は魔術で「吸収」状態から「放出」状態に変えることはできず、「吸収」状態だけをとり得る。
「秘宝L1」の「経験点の種類」フィールドには「全経験点」、「経験点」フィールドには「100%」、「倍率」フィールドには「2」が設定されている。この場合、「練習で獲得できる全経験点の100%を2倍にして貯蔵点に吸収する」という効果が生じる。
一例を挙げて説明すると、レジェンド秘宝「秘宝L1」が関連付けられたチームメイトがいる練習項目「筋力」が選択されたことによって、筋力100点と精神100点とが付与すべき経験点として算出され、現在の貯蔵点が200点である場合を想定する。この場合、「秘宝L1」の効果に基づく貯蔵処理によって、筋力100点の2倍および精神100点の2倍の合計400点が、全種類共通の貯蔵点にまとめて加算される。これにより、貯蔵点は600(=200+400)点となる。この場合、練習で獲得予定の全経験点の100%が貯蔵の対象となるので、当該練習でユーザが獲得できる(主人公キャラクタに付与される)経験点はない。
【0149】
また、レジェンド秘宝「秘宝L1」には、特定の獲得条件が設定されている。本実施の形態では、「秘宝L1」の獲得条件は、ピラミッドの部屋を3つ修復完了することである。後述するように、ピラミッドには6つの部屋があり、そのうちの3つの部屋の修復を完了した場合に、「秘宝L1」の獲得条件を満たす。また、その後、ピラミッドの6つの部屋全部の修復を完了すれば、再度、「秘宝L1」の獲得条件を満たすことになる。「秘宝L1」の獲得条件を満たした場合、その後に秘宝発掘アイコンを関連付けることが決定されたチームメイトには「レジェンド秘宝発掘アイコン」が確定で関連付けられる。そして、この「レジェンド秘宝発掘アイコン」が関連付けられたチームメイトと一緒に練習すれば、当該チームメイトにはレジェンド秘宝「秘宝L1」が関連付けられる。
【0150】
なお、各秘宝には、前述の吸収または放出の効果以外にも、効果を設定することができる。例えば、各秘宝に、練習コマンドが実行された際の体力低下量を少なくする(または体力回復量を多くする)という効果を設定してもよい。また、各秘宝に、秘宝がない場合よりもケガ率を低減するという効果を設定してもよい。吸収・放出以外の効果は、どのレアリティの秘宝も同じとしてもよいし、レアリティが高いほど効果を高くしてもよい。
【0151】
また、秘宝テーブルTBL102において、レジェンド秘宝「秘宝L2」の「秘宝の状態」フィールドには何も設定されておらず、「秘宝L2」自体には、前述のような「吸収」や「放出」の効果はない。一方、他の秘宝と異なり、「秘宝L2」には、『当該「秘宝L2」が関連付けられたチームメイトと一緒に練習した際、その練習場所にある他の秘宝の効果(吸収、放出、体力回復、ケガ率低減等)を2倍にする』という効果が設定されている。
ここで、「秘宝が練習場所にある」とは、練習(練習の選択肢)に関連付けられているチームメイトに秘宝が関連付けられている状態をいう。
【0152】
また、レジェンド秘宝「秘宝L2」には、特定の獲得条件が設定されている。本実施の形態では、「秘宝L2」の獲得条件は、秘宝を20個返還することである。秘宝を20個返還する毎に、「秘宝L2」の獲得条件を満たすので、当該獲得条件を複数回満たすことも可能である。「秘宝L2」の獲得条件を満たした場合、その後に秘宝発掘アイコンを関連付けることが決定されたチームメイトには「レジェンド秘宝発掘アイコン」が確定で関連付けられる。そして、この「レジェンド秘宝発掘アイコン」が関連付けられたチームメイトと一緒に練習すれば、当該チームメイトにはレジェンド秘宝「秘宝L2」が関連付けられる。
【0153】
チームメイトの一人にレジェンド秘宝が関連付けられた場合、当該レジェンド秘宝が返還されるまで、同じ種類のレジェンド秘宝が他のチームメイトに関連付けられることはない。例えば、あるチームメイトにレジェンド秘宝「秘宝L1」が関連付けられている状態では、再度「秘宝L1」の獲得条件を満たしても、「秘宝L1」が他のチームメイトに関連付けられることはなく、「秘宝L1」が返還されるまでは保留になる。あるチームメイトにレジェンド秘宝「秘宝L2」が関連付けられた場合も同様である。なお、「秘宝L1」と「秘宝L2」とは種類が異なるので、両者の併存は許容される。
【0154】
前述のとおり、秘宝の種類によっては、「吸収」または「放出」の効果対象となる経験点の種類が限定されている(例えば、「秘宝R1」は「技術点」、「秘宝R2」は「筋力点」等)。よって、練習場所にある秘宝の効果対象となる種類の経験点の獲得がない練習が実行された場合、「吸収」および「放出」の何れの効果も発生しない。つまり、秘宝の効果対象となる種類の経験点が獲得できる練習項目の選択肢を選ぶことが、秘宝の効果を発揮するためには重要である。ユーザは練習場所に秘宝があるか否かだけではなく、その練習場所の練習で秘宝の効果対象となる種類の経験点が獲得できるかを判断することも要求されるので、ゲームの興趣性が高まる。
【0155】
また、各秘宝には1~5の何れかのランクが設定されている。1~5の順にランクが高くなり、秘宝のランクが高いほど、秘宝を返還した際の魔力の回復量が大きくなる。また、秘宝のランクが高いほど、秘宝を返還した際に獲得できるボーナスの経験点の量が多くなる。
【0156】
秘宝のランクは、レジェンド秘宝L1は「4」で固定、レジェンド秘宝L2は「5」で固定である。これらのレジェンド秘宝以外の秘宝(すなわち、普通の秘宝およびレア秘宝)のランクは、当該秘宝が関連付けられるイベントキャラクタの属性(タイプ)に基づいて決定される。本実施の形態では、属性「彼女」のイベントキャラクタに関連付けられる秘宝のランクは「3」である。また、属性「相棒」又は「選手(得意練習が1種類)」のイベントキャラクタに関連付けられる秘宝のランクは「2」である。また、属性「選手(得意練習が2種類)」又は「スタッフ」のイベントキャラクタに関連付けられる秘宝のランクは「1」である。また、マミーモブに関連付けられる秘宝のランクは「1」である。
【0157】
シナリオ固有で予め定められたイベントキャラクタ(以下、「シナリオ所属イベントキャラクタ」と称する。)の場合、秘宝のランクの優遇がある。すなわち、シナリオ所属イベントキャラクタに関連付けられる秘宝のランクは、上記のランクに「1」が加算されたものとなる。例えば、属性「彼女」のシナリオ所属イベントキャラクタに関連付けられる秘宝のランクは「4(=3+1)」である。
【0158】
図16は、練習場所に「吸収」状態の秘宝P903が存在する(「吸収」状態の秘宝P903が関連付けられたチームメイトが、現在仮選択されている練習に関連付けられている)練習画面G900の一例を示す図である。
図16では、練習項目「筋力」の選択肢P510が仮選択されており、「筋力」の練習場所に4人のチームメイト「イベントキャラクタIA」、「イベントキャラクタIB」、「モブキャラクタMB」および「イベントキャラクタID」が存在する例を示している。ここで、イベントキャラクタIAには「秘宝N」、イベントキャラクタIBには「秘宝R2」、イベントキャラクタIDには「秘宝R7」がそれぞれ関連付けられている。
【0159】
チームメイトに関連付けられている秘宝P903は、現在の状態が「吸収」または「放出」の何れであるかが分かるように画面に表示される。
図16の例では、各秘宝P903に、「吸収」状態を示す矢印のパーツP904が関連付けられて表示されている。なお、秘宝P903の状態が「放出」の場合は、パーツP904とは矢印の向きが逆のパーツP908(
図17参照)が表示される。
なお、本実施の形態では矢印のパーツP904・P908を用いて、秘宝P903の状態が「吸収」か「放出」かを分かるようにしているが、これに限定されるものではなく、「吸収」状態と「放出」状態とで秘宝P903の表示状態が異なっていればよい。例えば、「吸収」状態と「放出」状態とで秘宝P903の色または形状を変えたり、「吸収」状態と「放出」状態とで秘宝P903に付加する文字や記号を異ならせたりしてもよい。
【0160】
また、チームメイトに関連付けられている秘宝P903には、パーツP905が関連付けられて表示される。このパーツP905は、秘宝P903の修復が完了するまでの残りターン数を示す。
図16の例では、「秘宝N」に表示されるパーツP905が「3」、「秘宝R2」に表示されるパーツP905が「5」であり、「秘宝N」の残り修復ターン数が3、「秘宝R2」の残り修復ターン数が5であることを表している。残り修復ターンの数は、基本的に、秘宝P903が関連付けられたチームメイトと一緒に練習する毎に、1つずつ減る。なお、後述する「トレジャータッグ」イベントが発生した場合は、当該イベントを発生させた秘宝P903の修復が1回の練習で2ターン進む。
【0161】
残り修復ターン数が0になった秘宝P903は、パーツP905の表示がなくなり、修復が完了したことを示す表示状態となる。本実施の形態では、修復が完了した秘宝P903が光るようなエフェクト表示がなされる。
図16の「秘宝R7」は、修復が完了した秘宝P903である。
なお、本実施の形態では、パーツP905の表示の有無およびエフェクト表示によって、秘宝P903の修復が完了しているか否かを示しているが、これに限定されるものではなく、修復の完了の有無によって秘宝P903の表示状態が異なっていればよい。
【0162】
表示領域A906には、その練習項目を選択した場合の貯蔵点の吸収量(増加量)または放出量の情報が表示される。すなわち、現在仮選択している練習場所にある少なくとも1つの秘宝P903による経験点の「吸収」または「放出」の効果によって、貯蔵点として吸収されるポイント、または貯蔵点から放出されるポイントの情報が表示される。
図16の例では、表示領域A906には「吸収 220」と表示されており、現在仮選択している練習場所(練習項目)の選択を確定することにより、合計220ポイントが貯蔵点に吸収(加算)されることを示している。ここで、220ポイントが吸収されるという効果は、その練習場所にある3つの秘宝P903のそれぞれの効果を合わせたものである。
【0163】
表示領域A502には、秘宝P903による経験点の「吸収」または「放出」の効果分を含まない、その練習を選択した場合に獲得できるはずの経験点の量が表示される。
図16の例では、練習項目「打撃」の選択肢P511を選択することにより、秘宝P903による「吸収」または「放出」の効果分を含まないで獲得できる経験点が、「筋力100点」、「技術200点」及び「精神100点」であることが、表示領域A502を見ることにより分かる。
【0164】
また、表示領域A502の右側の表示領域A907には、秘宝P903による経験点の「吸収」または「放出」の効果により、獲得できる経験点の減少または増加の量が表示される。つまり、表示領域A907には、貯蔵点とのやり取り(吸収または放出)に関係する経験点の減少または増加の量が表示される。前述のとおり、秘宝P903による経験点の「吸収」または「放出」の効果の対象となるのは、実行する練習で獲得できる種類の経験点のみである。また、表示領域A907に表示される経験点の減少または増加の量は、その練習場所に存在する全ての秘宝P903の「吸収」または「放出」の効果を反映させたものである。
図16の例では、「打撃」練習の選択肢P511を選択すれば、3つの秘宝P903による経験点の「吸収」の効果により、筋力点がマイナス55、技術点がマイナス110、精神点がマイナス5となることが、表示領域A907を見ることにより分かる。
【0165】
図16の例の場合、「打撃」練習の選択肢P511を選択すれば、筋力45(=100-55)点、技術90(=200-110)点、精神95(=100-5)点をそれぞれ獲得でき、220ポイントが全種類共通の貯蔵点に加算される。なお、表示領域A906に記載の貯蔵点の吸収量と、表示領域A907に記載の獲得できるマイナスの経験点の合計とが一致していないのは、「吸収」状態の「秘宝R7」の効果により、経験点の吸収時に貯蔵点が増加する倍率がかかっているからである。
【0166】
図17は、練習場所に「放出」状態の秘宝P903が存在する(「放出」状態の秘宝P903が関連付けられたチームメイトが存在する)練習画面G900の一例を示す図である。
図16の練習画面G900において、すべての秘宝を「放出」状態にする魔術が使用された場合、
図17の練習画面G900のようになる。
図17では、3つの秘宝P903のそれぞれに、「放出」状態を示す矢印のパーツP908が関連付けられて表示される。
【0167】
図17の表示領域A906には、「放出 130」と表示されており、現在仮選択している練習場所(練習項目)の選択を確定することにより、合計130ポイントが貯蔵点から放出されることを示している。ここで、130ポイントが放出されるという効果は、その練習場所にある「放出」状態の3つの秘宝P903のそれぞれの効果を合わせたものである。
【0168】
図17の場合、「打撃」練習の選択肢P511が仮選択されているので、「筋力」、「技術」および「精神」の3つの種類の経験点として貯蔵点を取り出し得る。表示領域A907には、3つの秘宝P903の「放出」の効果により、筋力70点、技術75点、精神10点が、その練習で獲得できる経験点(表示領域A502に記載の経験点)に追加して獲得できる旨が表示されている。なお、表示領域A906に記載の貯蔵点の放出量と、表示領域A907に記載の獲得できる経験点の合計とが一致していないのは、「放出」状態の「秘宝R7」の効果により、貯蔵点の放出時に経験点が増加する倍率がかかっているからである。
【0169】
ユーザは、表示領域A502に表示される、秘宝P903による「吸収」または「放出」の効果分を含まない、獲得できる経験点の種類および量と、表示領域A906に表示される、秘宝P903による「吸収」または「放出」の効果に基づく経験点の減少または増加の量と、を参考にして、現在仮選択している練習の選択肢を確定するか否かを検討する。また、ユーザは、表示領域A906に表示される、その練習項目を選択した場合の貯蔵点の吸収量(増加量)または放出量の情報も参考にして、現在仮選択している練習の選択肢を確定するか否かを検討する。仮選択する練習の選択肢P511~P516を切り換えることにより、練習場所に存在するチームメイトや秘宝P903が変化すると共に、その練習で獲得できる経験点の種類も変化する。よって、ユーザは仮選択する選択肢P511~P516を切り換えながら、確定する選択肢を検討する。
【0170】
練習を実行することにより、所定量の魔力が回復する。さらに、秘宝の返還が行われる練習では、返還される秘宝のランクに応じた量の魔力が回復する。
図16及び
図17に例示するように、表示領域A802に表示される魔力ゲージには、仮選択されている練習が実行された場合の魔力の増加予定分P909が点滅表示される。
【0171】
(トレジャータッグイベント)
秘宝が2つ以上ある練習場所でタッグ練習を行う(換言すれば、秘宝を持っているチームメイト2人以上と一緒に練習を行う)と、「トレジャータッグイベント」という特別な練習のイベントが発生する。トレジャータッグイベントが発生すると、当該イベントが発生しない場合よりも、練習場所にある対象の秘宝の修復が早く進むという効果を生じる。具体的には、秘宝が2つ以上ある練習場所でトレジャータッグイベントが発生すると、当該2つ以上の秘宝の修復が1回の練習で2ターン進む。
【0172】
また、秘宝が2つ以上ある練習場所でトレジャータッグイベントが発生し、且つ、その練習で秘宝の返還が発生した場合、秘宝の返還による魔力の回復量が、トレジャータッグイベントが発生していない場合よりも増加するという効果を生じる。この場合の魔力の回復量については、トレジャータッグイベントを発生させた秘宝の数が多いほど魔力の回復量が多くなる。
【0173】
また、トレジャータッグイベントが発生すると、当該イベントが発生しない場合に獲得できる経験点に加えて、ボーナス経験点が獲得できる。このボーナス経験点に関し、トレジャータッグイベントを発生させた秘宝の数が多いほど、ボーナス経験点が増加する。また、トレジャータッグイベントを発生させた各秘宝のランクが大きいほど、ボーナス経験点が増加する。
【0174】
トレジャータッグイベントによるボーナス経験点は、
図16および
図17の表示領域A502に表示される、その練習で獲得できるはずの経験点に含まれる。つまりトレジャータッグイベントにより獲得できるボーナスの経験点も、秘宝による「吸収」または「放出」の処理対象の経験点に含まれる。
【0175】
練習場所に秘宝が2つ以上ある練習の選択肢は、その他の選択肢とは異なる表示状態になり、トレジャータッグイベントが発生する予定の報知が行われる。
図16および
図17の例では、「打撃」練習の選択肢P511および「メンタル」練習の選択肢P516のコマンドボタンが光る演出が発生し、トレジャータッグイベントの発生予告が行われている。
【0176】
(秘宝の返還)
修復が完了した秘宝P903が存在する練習場所で練習を行う(換言すれば、修復が完了した秘宝P903が関連付けられたチームメイトと一緒に練習を行う)と、修復が完了した秘宝P903がピラミッドに返還される。
図16の例の場合、「秘宝R7」は修復が完了しているので、選択肢P511の選択を確定すれば、「秘宝R7」が返還されるイベントが発生する。秘宝の返還により、前述の魔力の回復、ボーナスの経験点の獲得、およびピラミッドの部屋の修復の効果が発生する。
【0177】
魔力は、練習を実行することによっても所定量回復するが、秘宝の返還による魔力の回復量の方が多い。例えば、練習により魔力のパラメータ値が「5」だけ回復する。一方、秘宝返還の場合、例えば、秘宝のランク1で「10」、ランク2で「30」、ランク3で「50」、ランク4で「80」、ランク5で「100」パラメータ値が回復する。
【0178】
秘宝返還によるボーナス経験点の獲得に関しては、例えば、秘宝のランク1で「10」、ランク2で「30」、ランク3で「50」、ランク4で「80」、ランク5で「100」の経験点が、秘宝返還時の練習において獲得できる全ての種類の経験点に加算される。この秘宝返還によるボーナス経験点は、
図16および
図17の表示領域A502に表示される、その練習で獲得できるはずの経験点に含まれる。つまり、秘宝を返還した際に獲得できるボーナスの経験点も、秘宝による「吸収」または「放出」の処理対象の経験点に含まれる。
【0179】
ピラミッドには6つの部屋(頂上部、回廊、外壁、王の間、宝物庫および地下室)があり、ある秘宝が返還された場合、ピラミッドの全ての部屋の修復が進む。各部屋の修復度の進み方は、返還される秘宝のパラメータによって異なる。また、各部屋の修復度の進み方は、後述する「特に欲する秘宝」か否かでも異なる。
例えば、秘宝の返還による各部屋の修復度の進み方は、修復度の進行が遅い秘宝のレアリティ順に、「通常の秘宝」、「レア秘宝」、「レジェンド秘宝」である。
【0180】
ピラミッドの各部屋を修復させるパラメータが「修復値」として定義され、各秘宝に「修復値」が設定されている。修復値が大きいほど秘宝の返還時の部屋の修復度の進み方が早くなる。一例を挙げると、「通常の秘宝」の修復値は「5」、「レア秘宝」の修復値は「10」、「レジェンド秘宝」の修復値は「20」である。
また、返還された秘宝が関連付けられていたイベントキャラクタの属性によって、前記修復値を異ならせてもよい。例えば、「相棒属性のイベントキャラクタに関連付けられていた秘宝」の修復値を「20」に設定する。また、例えば、「彼女属性のイベントキャラクタに関連付けられていた秘宝」の修復値を「40」に設定する。この場合、秘宝のレアリティに依らず、相棒属性のイベントキャラクタに関連付けられていた秘宝の修復値は「20」、彼女属性のイベントキャラクタに関連付けられていた秘宝の修復値は「40」となる。
【0181】
また、後述するように、ピラミッドの部屋の一つである「回廊」の修復が完了した場合は、「回廊」以外の部屋の修復が進み易くなる。
【0182】
(ピラミッドの部屋)
以下に、ピラミッドの部屋の詳細について説明する。
図11のメイン画面G800のピラミッドコマンドの選択肢P809、または
図12等の練習画面G900のピラミッドボタンP902を選択する操作が行われた場合、
図18に例示するピラミッド画面G1000に遷移する。ピラミッド画面G1000では、ピラミッドの6つの部屋の情報をそれぞれ確認できる。ピラミッド画面G1000は、ピラミッドの各部屋を示すパーツP1001~P1006を含む。パーツP1001は頂上部、パーツP1002は回廊、パーツP1003は外壁、パーツP1004は王の間、パーツP1005は宝物庫、パーツP1006は地下室である。
【0183】
ここで、
図19に例示するピラミッドの部屋テーブルTBL103を用いて、各部屋を説明する。ピラミッドの部屋テーブルTBL103は、「部屋ID」、「部屋名」、「特に欲する秘宝」、「修復完了後の効果」、「使用可能になる魔術」、「修復値」等のフィールドを含む。部屋IDは、ピラミッドの各部屋を一意に識別するための識別情報である。「部屋名」フィールドには、ピラミッドの各部屋の名称の情報が記憶される。
【0184】
「特に欲する秘宝」フィールドには、対象の部屋の修復が進み易い種類の秘宝である「特に欲する秘宝」の情報が記憶される。ピラミッドの各部屋は、秘宝の返還により修復が進み、秘宝が返還される毎に修復度(修復完了までの達成度)が徐々に向上するが、各部屋の修復度の向上の仕方(修復の進み方)は、返還される秘宝の種類によって差が設けられている。各部屋には、「特に欲する秘宝」が関連付けられており(設定されており)、当該「特に欲する秘宝」が返還された場合、それ以外の秘宝が返還された場合よりも、対象の部屋の修復度が大きく進む。本実施の形態では、「秘宝R7」および「秘宝R8」が全ての部屋共通の「特に欲する秘宝」に設定されている。それ以外に、頂上部は「秘宝R6」、回廊は「秘宝R5」、外壁は「秘宝R2」、王の間は「秘宝R3」、宝物庫は「秘宝R1」地下室は「秘宝R4」がそれぞれ「特に欲する秘宝」として設定されている。
【0185】
前述のとおり、ある秘宝が返還された場合、ピラミッドの全ての部屋の修復が進むが、返還された秘宝が「特に欲する秘宝」として設定されている部屋は、その他の部屋に比べて修復が一気に進む。具体的に、レア秘宝「秘宝R6」が返還された場合を例に挙げて説明する。「秘宝R6」が「特に欲する秘宝」として設定されている部屋は「頂上部」のみである。よって、「秘宝R6」が返還された場合、「頂上部」以外の5つの部屋の修復は修復値「10」だけ進行する一方、「頂上部」の修復は修復値「40」で進行し、1つの秘宝の返還で他の部屋の4倍修復が進む。
【0186】
「修復完了後の効果」フィールドには、ピラミッドの各部屋の修復完了後に発生する効果の情報が記憶される。各部屋の修復が完了した後は、「修復完了後の効果」が継続的に発生する。
【0187】
本実施の形態では、「頂上部」の修復完了後、魔力の上限が向上するという効果が発生する。具体的には、「頂上部」の修復完了後から、ピラミッドに蓄積できる魔力の最大値が「魔力7」まで増加するという継続的な効果が発動する。また、「回廊」の修復完了後から、他の部屋の修復を促進するという継続的な効果が発動する。例えば、「回廊」の修復完了後から、秘宝の返還時に適用される修復値が「10」増加する。また、「外壁」の修復完了後から、貯蔵点から放出する際、対象の経験点を1.1倍に増幅して放出するという継続的な効果が発動する。また、「王の間」の修復完了後から、貯蔵点に吸収する際、対象の経験点を1.1倍に増幅して吸収するという継続的な効果が発動する。また、「宝物庫」の修復完了後から、レア秘宝の発生確率が向上するという継続的な効果が発動する。例えば、「宝物庫」の修復完了後から、レア秘宝の発生確率が「20%」増加する。また、「地下室」の修復完了後から、貯蔵点の上限値が向上するという継続的な効果が発動する。例えば、地下室」の修復完了後から、貯蔵点の上限値が「2000」まで増加する。
【0188】
「使用可能になる魔術」フィールドには、各部屋の修復が完了することによって使用可能になる(解放される)魔術の情報が記憶される。本実施の形態では、「頂上部」、「回廊」、「外壁」、「王の間」、「宝物庫」および「地下室」の修復の完了後に、それぞれ「魔術1」、「魔術2」、「魔術3」、「魔術4」、「魔術5」、「魔術6」が使用可能になる。各魔術の詳細については後述する。
【0189】
「修復値」フィールドには、各部屋の修復を完了するために必要な修復値の情報が記憶される。全ての部屋の修復値を同一にしてもよいし、部屋によって修復値が異なっていてもよい。
【0190】
図18に例示するピラミッド画面G1000は、「頂上部」、「回廊」、「外壁」、「王の間」、「宝物庫」、「地下室」の情報をそれぞれ表示する表示領域A1011~A1016を含む。表示領域A1011~A1016には、各部屋の「部屋名」、「特に欲する秘宝」、および修復ゲージP1007が表示される。修復ゲージP1007は、その部屋の修復度(修復の達成度)を示すゲージである。修復ゲージP1007が最大まで満たされると、その部屋の修復が完了し、前述のとおり、修復完了による効果が発動し、使用できる魔術も増える。
【0191】
ピラミッドの各部屋を示すパーツP1001~P1006、または各部屋の情報を表示する表示領域A1011~A1016を選択する(タップする)と、選択された部屋の「部屋情報ウィンドウ」が表示され、各部屋の詳細情報を確認できる。例えば、「部屋情報ウィンドウ」には、対象の部屋の「部屋名」、「特に欲する秘宝」、「修復完了後の効果」、「使用可能になる魔術」、「使用可能になる魔術の内容(魔術の効果)」および修復ゲージP1007が表示される。なお、修復ゲージP1007については、ピラミッド画面G1000には表示せずに、「部屋情報ウィンドウ」にだけ表示するようにしてもよい。
【0192】
また、ピラミッド画面G1000は、魔力ゲージを表示する表示領域A1008、魔力発動ボタンP1009、メイン画面へ戻るためのボタンP1017および練習画面へ戻るためのボタンP1018を含む。魔術発動ボタンP1009をタップすると、
図21に例示する魔術選択画面G1100へ遷移する。魔術選択画面G1100には、現在解放されている魔術の一覧が表示される。
【0193】
(魔術)
ここで、
図20に例示する魔術テーブルTBL104を用いて、各魔術を説明する。魔術テーブルTBL104は、「魔術ID」、「魔術名」、「必要魔力」、「継続ターン数」、「魔術の効果」、「解放条件」等のフィールドを含む。魔術IDは、各魔術を一意に識別するための識別情報である。「魔術名」フィールドには、各魔術の名称の情報が記憶される。本実施の形態では、魔術名を「魔術1」~「魔術7」としているが、例えば魔術の効果を想起できるような魔術名にしてもよい。「必要魔力」フィールドには、各魔力を発動するために必要な魔力の情報が記憶される。「継続ターン数」フィールドには、使用した魔力の効果が継続するターン数の情報が記憶される。
【0194】
「魔術の効果」フィールドには、各魔術の効果の情報が記憶される。本実施の形態では、「魔術1」の使用により、3ターンの間、すべての秘宝を「放出」状態にするという効果が発生する。ここで「魔術1」の効果の対象となるのは、「吸収」状態と「放出」状態とを有する秘宝(普通の秘宝および8種類のレア秘宝)である(
図15参照)。「放出」状態が存在しないレジェンド秘宝については、「魔術1」の効果の対象から除外される。「魔術1」が使用された場合、3ターンの間、どの練習場所にある秘宝(対象の普通の秘宝および8種類のレア秘宝)も、全て「放出」状態になる。
【0195】
また、「魔術2」の使用により、3ターンの間、練習実行時にその練習場所の秘宝1つにつき体力を10回復するという効果が発生する。また、「魔術3」の使用により、3ターンの間、練習実行時にその練習場所の秘宝1つにつきケガ率を10%低下するという効果が発生する。また、「魔術4」の使用により、3ターンの間、吸収した経験点を貯蔵点に加算する際に、1.5倍に増幅するという効果が発生する。また、「魔術5」の使用により、3ターンの間、貯蔵点から放出する経験点の量を2倍にするという効果が発生する。また、「魔術6」の使用により、5ターンの間、チームメイトの3名をマミー化するという効果が発生する。ここで、「マミー化」とは、チームメイトの中のモブキャラクタを「マミーモブ」という特定の状態に変化させることである。マミー化する3名のモブキャラクタは、例えばランダムに決定される。また、「魔術7」の使用により、3ターンの間、普通の秘宝「秘宝N」を「放出」状態にするという効果が発生する。
【0196】
「解放条件」フィールドには、各魔術が解放される(使用できるようになる)条件に関する情報が記憶される。ピラミッドの部屋テーブルTBL103でも説明したとおり、「魔術1」~「魔術6」については、対象となるピラミッドの部屋の修復が完了することが解放条件であり、部屋の修復が完了するまで魔術は使用できない。これに対して、「魔術7」は、解放条件はなく、いつでも使用できる。
【0197】
図21に例示する魔術選択画面G1100は、魔力ゲージを表示する表示領域A1101および現在解放されている各魔術の情報を表示する表示領域A1102を含む。各魔術の表示領域A1102には、「魔術名」P1103、「必要魔力」P1104および「魔術の効果」P1105が表示される。本実施の形態では、魔術選択画面G1100に表示されるのは現在解放されている魔術のみであり、シナリオの開始時には「魔術7」のみが表示される。そして、ピラミッドの各部屋の修復が完了する毎に、魔術選択画面G1100に表示される魔力が増える。
【0198】
魔力は、(1)対象の魔術が使用可能な状態になっている、(2)対象の魔術が現在発動中ではない、(3)対象の魔力を発動するために必要な魔力が足りている、という要件を全て満たす限り発動可能である。魔術の使用回数に制限はなく、解放されている魔術は前記要件を満たす限り、何度でも使用できる。前記(2)の条件に関し、発動中の魔術と同一の魔術を重ねて発動することはできない。例えば、「魔術1」の発動中に「魔術1」を発動することはできない。発動した「魔術1」の継続ターン数が終了した後であれば、必要魔力が足りていれば再度「魔術1」を発動することができる。
【0199】
魔術選択画面G1100において、必要魔力が不足している魔術の表示領域A1102は、例えばグレーアウト状態等になって、当該魔術が選択できないようになっている。この場合、必要魔力が不足している魔術の表示領域A1102内の報知領域P1106に、魔力不足である旨が表示される。
【0200】
魔術選択画面G1100において、現在発動中の魔術の表示領域A1102は、例えばグレーアウト状態等になって、当該魔術が選択できないようになっている。そして、現在発動中の魔術の表示領域A1102内の報知領域P1107に、その魔術が発動中である旨および魔術の効果が続く残りターン数の情報が表示される。
【0201】
なお、異なる種類の魔術であれば、複数の魔術を同時に発動することは可能である。例えば、「魔術1」の発動中に、必要魔力が足りていれば「魔術2」、「魔術3」、…等を発動することができる。同時に複数の魔術を発動させた場合、当該複数の魔術のそれぞれの効果が生じる。
【0202】
魔術の使用はターンを消費しない。魔術選択画面G1100において、ユーザは発動させたい魔術の表示領域A1102を選択する(タップする)ことにより、選択した魔術を発動させることができる。例えば、発動させたい魔術の表示領域A1102をタップすると、魔術発動の最終確認用のポップアップが表示され、当該ポップアップ内で発動するかキャンセルするかを選択できるようにしてもよい。また、魔術選択画面G1100の閉じるボタンP1109をタップすると、ピラミッド画面G1000に戻ることができる。
【0203】
「魔術7」は、3ターンの間、普通の秘宝「秘宝N」のみを対象として、「放出」状態にする魔術である。よって、「魔術7」を使用した場合、3ターンの間、どの練習場所にある「秘宝N」も「放出」状態になるが、「秘宝N」以外は「放出」状態にはならない。また、「魔術1」を使用した場合、3ターンの間、どの練習場所にある秘宝(レジェンド秘宝を除く)も「放出」状態になるが、「吸収」状態だけをとり得るレジェンド秘宝「秘宝L1」は「吸収」状態のままである。このように、練習画面において、「放出」状態の秘宝と「吸収」状態の秘宝とが混在することがある。
【0204】
図22は、「放出」状態の秘宝と「吸収」状態の秘宝とが混在する練習画面G900の一例を示す。
図22では、「打撃」の練習場所において、イベントキャラクタIAに「吸収」状態の「秘宝R1」が関連付けられ、イベントキャラクタIBおよびIDにそれぞれ「放出」状態の「秘宝N」が関連付けられている例を示している。この場合、「吸収」状態の「秘宝R1」の効果により、「打撃」練習で得られる技術点の一部が貯蔵点に吸収される。それに加えて、「放出」状態の「秘宝N」の効果により、貯蔵点からは「打撃」練習によって得られる「筋力」、「技術」および「精神」の3つの種類の経験点として放出される。これら「吸収」および「放出」の効果を合わせて算出した結果が、表示領域A906および表示領域A907に表示される。
図22の例では、表示領域A906には、貯蔵点として「吸収」される量と、貯蔵点から「放出」される量とが相殺された結果として、貯蔵点として「吸収」される量が「40」であることが表示されている。また、同様に、表示領域A907には、「吸収」により減少する獲得経験点の量と、「放出」により増加する獲得経験点の量とが相殺された結果として、その練習で獲得できる経験点(表示領域A502に記載の経験点)に追加(加算)して獲得できる経験点が表示される。
図22の例では、3つの秘宝の「放出」及び「吸収」の効果に基づき算出された、筋力+20点、技術-80点、精神+20点が表示領域A907に表示されている。
【0205】
本実施の形態では、育成ゲームの開始(シナリオの開始)から終了までの間に、同一のチームメイトに関連付けられる秘宝の種類が変化し得る。すなわち、チームメイトのキャラクタに秘宝が関連付けられても、その後の秘宝の返還によりその関連付けが解除されるので、同じキャラクタに別の種類の秘宝が関連付けられることがある。イベントデッキに設定されたイベントキャラクタは、チームメイトとして各練習場所に登場するが、どのイベントキャラクタも、普通の秘宝、レア秘宝およびレジェンド秘宝が関連付けられ得るし、育成の途中(ゲーム進行の途中)で、関連付けられる秘宝の種類が変化し得るのである。例えば、
図16に示すターンではイベントキャラクタIAに普通の秘宝「秘宝N」が関連付けられているが、その後、当該「秘宝N」が返還され、
図22に示すターンでは同じイベントキャラクタIAにレア秘宝「秘宝R1」が関連付けられている。同様に、イベントキャラクタIBおよびIDも、
図16に示すターンと
図22に示すターンとで、関連付けられている秘宝が異なっている。同じイベントキャラクタでも、ゲーム進行の途中で関連付けられる秘宝の種類が変化することにより、生じる効果も変化するので、ゲームの興趣性がより向上する。
【0206】
以上のように本実施形態に係るシナリオでは、チームメイトと一緒に練習を行いながら、秘宝の発掘及び修復、ピラミッドの部屋の修復、魔術の使用をしつつ、それに伴う効果により主人公キャラクタを育成するシナリオとなっている。
【0207】
特に、本シナリオのゲームでは、貯蔵時の練習により得られるはずの種類の経験点の少なくとも一部を全種類に共通の貯蔵点として貯蔵しておける。そして、任意のタイミングで(任意のタイミングで魔術を使用して秘宝を放出状態にすれば)、貯蔵点の少なくとも一部が放出され、ユーザが獲得したい種類の経験点として(放出時の練習に応じて獲得できる種類の経験点として)取り出すことができる。つまり、貯蔵時の練習で得られるはずの種類の経験点の少なくとも一部を貯蔵しておき、それをユーザの任意のタイミングで放出し、放出時に貯蔵時とは異なる種類の経験点として割り振り直すことが可能となる。よって、ユーザの経験点の割り振りの自由度を増すことができる。
【0208】
ユーザの意図した主人公キャラクタを育成するためには、どの種類の経験点をどれだけ獲得すればよいかというバランスを考えることが重要である。しかし、あるターンにおいて、ユーザが上昇させたい種類の経験点を上昇させることができる練習項目と、条件が良い練習項目(例えば、所望する種類以外の経験点ではあるが上昇量が多かったり、コツイベントの発生があったりする練習項目)とが必ずしも一致しない場合がある。本実施の形態のシナリオのゲームでは、そのような場合でも、特典条件が良い練習項目を選択して、その練習項目で獲得できる種類の経験点の少なくとも一部を全種類に共通の貯蔵点として貯蔵しておける。そして、ユーザは、任意のタイミングで貯蔵点から所望する種類の経験点として取り出すことができる。これにより、ユーザの意図した主人公キャラクタの育成が可能となり、ゲームの興趣性がより向上する。
【0209】
[3.ゲームシステムの機能的構成]
図23は、ゲームシステム1の機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。
図23に示すように、ゲームシステム1はデータ記憶部100を含む。例えば、データ記憶部100は、データベースDB、ROM12、RAM13、補助記憶装置14、ROM32、RAM33、及び補助記憶装置34の少なくとも一つによって実現される。データ記憶部100はゲームを提供するために必要なデータを記憶する。
【0210】
データ記憶部100に記憶されるデータの具体例として、上記で説明した野球ゲームを提供するために必要なデータについて説明する。データ記憶部100は、ユーザ情報テーブルTBL111、キャラクタ情報テーブルTBL112、秘宝関連テーブルTBL101~TBL104、イベントデッキデータDT105、主人公キャラクタデータDT106、関連付けデータDT107、ゲーム状況データDT108等を記憶する。なお、秘宝関連テーブル(秘宝発掘アイコン抽選テーブルTBL101、秘宝テーブルTBL102、ピラミッドの部屋テーブルTBL103、及び魔術テーブルTBL104)(
図14、
図15、
図19及び
図20参照)については既に説明済みであるため、ここではその説明を省略する。
【0211】
例えば、データ記憶部100に記憶されているゲームを実行するための各種データは、データベースDB又はサーバ30の補助記憶装置34等に記憶されており、ゲーム端末10がサーバ30にアクセスした場合に、必要なデータがゲーム端末10のRAM13又は補助記憶装置14にダウンロードされるようにすることができる。また、ゲーム端末10で実行されたゲームの結果やデータの変更についての情報は、リアルタイムで又は所定のタイミングでゲーム端末10からサーバ30へ送信され、データベースDB又はサーバ30の補助記憶装置34等に記憶されているデータが適宜更新されるようにすることができる。また、例えば、ゲームの少なくとも一部を、各ユーザのゲーム端末10において、サーバ30にログインせずにオフラインでもゲームが実行できるように、必要なデータをゲーム端末10の補助記憶装置14等に記憶しておくようにしてもよい。
【0212】
図24は、ユーザ情報テーブルTBL111の一例を示す。ゲームシステム1に登録されている全てのユーザを対象としたユーザ情報テーブルTBL111が、ゲームシステム1のデータ記憶部100(例えば、データベースDBや補助記憶装置34等)に記憶されている。
【0213】
ユーザ情報テーブルTBL111は、「ユーザID」、「ユーザ名」、「所持イベントキャラクタ」、「所持アイテム」、「育成完了キャラクタ」等のフィールドを含む。ユーザIDは、各ユーザを一意に識別するための識別情報である。「ユーザ名」フィールドには、ユーザの名前が記憶される。「所持イベントキャラクタ」フィールドには、ユーザが抽選等で獲得して所持しているイベントキャラクタに関する情報(キャラクタID、能力等のパラメータ)が記憶される。獲得後にイベントキャラクタが強化された場合は、強化により変更されたパラメータの情報が記憶される。「所持アイテム」フィールドには、ユーザが所持しているアイテムに関する情報が記憶される。「育成完了キャラクタ」フィールドには、育成モードで育成が完了したオリジナルキャラクタに関する情報(キャラクタID、能力等のパラメータ)が記憶される。
なお、
図24では省略されているが、その他のフィールドもユーザ情報テーブルTBL111に含まれる。例えば、ユーザが所有しているゲーム内の様々なポイント、ユーザのユーザIDに関連付けられる他のユーザ(仲間、フレンド等)のユーザID、対戦履歴等のフィールドが、ユーザ情報テーブルTBL111に含まれる。
【0214】
図25は、キャラクタ情報テーブルTBL112の一例を示す。キャラクタ情報テーブルTBL112は、ゲームシステム1が提供するゲーム内で扱う全てのキャラクタを管理するためのマスターデータである。キャラクタ情報テーブルTBL112には、イベントキャラクタの他に、シナリオ固有のイベントキャラクタおよびチームメイトとして登場する非イベントキャラクタ(モブキャラクタ)に関する情報も含まれている。このキャラクタ情報テーブルTBL112には、全てのイベントキャラクタの初期データが基準パラメータとして記憶されている。例えば、キャラクタ情報テーブルTBL112は、サーバ30及びゲーム端末10のそれぞれの記憶装置(例えば、RAM13、補助記憶装置14、RAM33、補助記憶装置34、データベースDB等)に記憶されて管理されている。サーバ30及びゲーム端末10に記憶されるキャラクタ情報テーブルTBL112は基本的に同じものであり、例えば、サーバ30においてゲーム運営側がキャラクタ情報テーブルTBL112を変更した場合、変更した情報がネットワークNを介してサーバ30からゲーム端末10へ配信される。
【0215】
キャラクタ情報テーブルTBL112は、「キャラクタID」、「名称」、「レアリティ」、「属性」、「得意練習」、「ポジション」、「能力」、「イベント」等のフィールドを含む。キャラクタIDは、各キャラクタを一意に識別するための識別情報である。「名称」フィールドには、キャラクタの名称が記憶される。「レアリティ」フィールドには、キャラクタのレアリティの情報が記憶される。なお、同一名称でレアリティが異なるイベントキャラクタが存在する。「属性」フィールドには、イベントキャラクタに関連付けられる属性(選手、彼女、相棒、スタッフ等)の情報が記憶される。「得意練習」フィールドには、イベントキャラクタに関連付けられる得意練習の情報が記憶される。「ポジション」フィールドには、イベントキャラクタのポジション(守備ポジション)に関する情報が記憶される。「能力」フィールドには、イベントキャラクタの能力(基本能力、特殊能力)に関する情報が記憶される。「イベント」フィールドには、イベントキャラクタに関連付けられている固有のイベント情報が記憶される。なお、
図25では省略されているが、その他のフィールドもキャラクタ情報テーブルTBL112に含まれる。例えば、イベントキャラクタの画像情報や初期評価等のフィールドが、キャラクタ情報テーブルTBL112に含まれる。
【0216】
図23に記載のイベントデッキデータDT105は、ユーザの操作に基づいて設定されるイベントデッキに関する各種情報からなる。例えば、イベントデッキデータDT105は、イベントデッキに設定されているイベントキャラクタのキャラクタID等を含む。
【0217】
主人公キャラクタデータDT106は、育成モードで育成される主人公キャラクタに関する各種情報からなる。具体的には、主人公キャラクタデータDT106は、主人公キャラクタの名前、ポジション、利き腕、打撃フォーム、投球フォームなどの基本情報と、育成モードのシナリオで得られた主人公キャラクタの現在保持している経験点と、主人公キャラクタに対するチームメイトの評価値の情報と、主人公キャラクタの現在の基本能力および特殊能力とが含まれる。なお、主人公キャラクタデータDT106は、育成パートのシナリオが進行する度に更新されるものである。
【0218】
関連付けデータDT107は、ゲーム上進める上で関連付けられた情報が含まれる。具体的には、各練習の選択肢(練習場所)にチームメイトが関連付けられた「練習/チームメイト関連情報」、チームメイトにコツイベントが関連付けられた「コツイベント/チームメイト関連情報」、チームメイトに秘宝発掘アイコンが関連付けられた「秘宝発掘アイコン/チームメイト関連情報」、チームメイトに秘宝が関連付けられた「秘宝/チームメイト関連情報」が関連付けデータDT107に含まれる。これらの関連情報は、ターン毎に更新される。
【0219】
ゲーム状況データDT108は、その他、ゲームを進める上で必要なシナリオでの状況に関する情報が含まれている。具体的には、現在のセクション数および現在のターン数の情報、現在の貯蔵点の情報、チームメイトが関連付けられた各秘宝の状態(吸収、放出)の情報、各秘宝の修復完了までの残りターン数の情報、ピラミッドの各部屋の現在の修復度に関する情報、現在の魔力の情報、現在解放されている魔術の情報、現在発動中の魔術の情報、現在発動中の魔術の効果終了までの残りターン数の情報などの情報が、ゲーム状況データDT108に含まれる。これらの情報は、ターンごとに更新される。
【0220】
本実施の形態のゲームシステム1、サーバ30又はゲーム端末10は、ゲームの進行に応じて、複数の種類に区分されたポイントのうちの少なくとも1つの種類のポイントが付与されるゲームを提供する。前述の野球ゲームの例では、ターン毎の練習に応じて、複数の種類(筋力、敏捷、技術、変化球、精神)に区分された経験点のうちの少なくとも1つの種類の経験点が付与されるゲームが提供される。
【0221】
ここで、「ポイント」とは、ゲームの進行に応じてユーザが獲得し、ゲーム内で使用できるものであり、ゲーム上の価値を値として示したものである。ポイントの用途は特に限定されない。例えば、育成ゲームにおいて、キャラクタの能力等のパラメータを変化させたり、新たなパラメータを設定するために使用されるポイントがその一例に相当する。また、例えば、建物等のオブジェクトを完成させるゲームにおいて、オブジェクトの完成状態を変化させるために使用されるポイントがその一例に相当する。前述の野球ゲームの例では、主人公キャラクタの基本能力のパラメータを変化させたり、特殊能力を取得するための経験点が、ポイントの一例に相当する。
【0222】
前記「ユーザ」とは、例えば、ゲームシステムで提供されるゲームをプレイする人である。例えば、ユーザ識別情報が各ユーザに対して設定され、各ユーザはユーザ識別情報によって識別(特定)される。「ユーザ識別情報」とは、各ユーザを一意に識別するための情報である。例えば、ユーザID、重複しないユーザ名、又はメールアドレス等が「ユーザ識別情報」の一例に相当する。
【0223】
また、「ポイントが付与される」とは、ポイントがユーザに付与されることであり、ポイントがユーザのユーザ識別情報に関連付けられて記憶装置に記憶されることをいう。ここで、関連付けるとは、一方の情報に、他方の情報を紐付けて記憶することをいう。付与される対象のポイントは、ユーザのユーザ識別情報に直接的に関連付けられてもよいし、他のゲーム要素(オブジェクト等)を介して、ユーザ識別情報に間接的に関連付けられてもよい。例えば、ポイントが「ユーザ識別情報に関連付けられたオブジェクト」に関連付けられることは、ポイントがユーザに付与されることの一例に相当する。前述の野球ゲームの例では、ユーザが主人公キャラクタを育成するゲームにおいて、主人公キャラクタがユーザ識別情報に関連付けられている。この育成ゲームの進行に応じて付与される経験点は、主人公キャラクタに関連付けられる(主人公キャラクタに付与される)が、当該経験点はユーザに付与されるポイントの一例である。
【0224】
また、「ゲームの進行」とは、ゲームを進行させるためのユーザの操作に基づいて、ゲームが実行されて、ゲームが進んでいくことをいう。例えば、ユーザの操作によりターンが進むターン制のゲームでは、ユーザ操作に応じてターン処理が実行されることが、「ゲームの進行」の一例に相当する。なお、ユーザによるゲーム進行操作毎に、少しずつゲームが進行するようなゲームに限らず、一回のユーザのゲーム進行操作により、所定のゲーム状況になるまで自動的にゲームがどんどん進んでいくようなゲームであってもよい。前述の野球ゲームの例では、ターン毎にユーザが練習等のコマンドの選択肢を選択することにより、選択された練習等の処理が実行されてゲームが進行する。
【0225】
図23に示すように、ゲームシステム1は制御部110を含む。制御部110は、記憶装置(ROM12、RAM13、補助記憶装置14、ROM32、RAM33又は補助記憶装置34等)に記憶されているゲームプログラムを、ゲーム端末10のCPU11又はサーバ30のCPU31が実行することにより実現される。制御部110の機能の一部をゲーム端末10によって実現し、残りの機能をサーバ30によって実現してもよい。または、制御部110の機能の全てをサーバ30によって実現してもよいし、制御部110の機能の全てをゲーム端末10によって実現してもよい。
【0226】
制御部110は、ポイント付与部111(ポイント付与手段の一例)、ポイント貯蔵部112(ポイント貯蔵手段の一例)、及びポイント放出部113(ポイント放出手段の一例)を含む。
【0227】
ポイント付与部111は、ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイントの種類および量を決定する機能を有する。前述の野球ゲームの例では、ポイント付与部111は、選択された練習(打撃、筋力、走塁、肩力、球速、コントロール、スタミナ、変化球、守備またはメンタルの練習)に応じて、付与すべき経験点の種類および量を決定する。
【0228】
ここで、「付与すべき前記ポイント」とは、後述の貯蔵処理や放出処理が行われなければユーザが獲得するはずのポイントのことをいう。例えば、
図16、
図17、
図22等の練習画面G900の表示領域A502に表示される経験点が、「付与すべき前記ポイント」の一例に相当する。貯蔵処理や放出処理が行われなければ、「付与すべき前記ポイント」がユーザに付与される。一方、貯蔵処理や放出処理が行われる場合は、「付与すべき前記ポイント」から貯蔵分が減少され、または「付与すべき前記ポイント」に放出分が加算されされて、ユーザに付与されることになる。
【0229】
前述の野球ゲームの例では、ポイント付与部111によって決定される「ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイント」には、選択された練習により通常得られる経験点の他に、選択された練習によって発生する「吸収・放出以外の効果」、例えば、スペシャルタッグ練習、トレジャータッグイベント、秘宝の返還等の効果による経験点の増加分が含まれている。
【0230】
ポイント貯蔵部112は、ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイントの少なくとも一部を減少させて、減少分を前記ポイントの全種類に共通の貯蔵ポイントとして貯蔵する貯蔵処理を実行する機能を有する。前述の野球ゲームの例では、ポイント貯蔵部112は、選択された練習に応じて付与すべき経験点の少なくとも一部を減少させて、減少分を全種類に共通の貯蔵点として貯蔵する貯蔵処理を実行する。
【0231】
ここで、「付与すべき前記ポイントの少なくとも一部を減少させる」とは、「付与すべき前記ポイント」の中から、貯蔵処理の対象となるポイントの分を減少させることをいう。減少させるポイントの量は、0(ゼロ)でなければ特に限定されるものではなく、「付与すべき前記ポイント」の全てであってもよい。
【0232】
また、「減少分を前記ポイントの全種類に共通の貯蔵ポイントとして貯蔵する」とは、付与すべき前記ポイントの少なくとも一部の減少分を貯蔵する場合に、前記ポイントの種類に依らない共通ポイントである「貯蔵ポイント」として(換言すれば、「貯蔵ポイント」に変換して)貯蔵することをいう。つまり、どの種類のポイントも、まとめて「貯蔵ポイント」として貯蔵される。前記ポイントの減少分をそのまま「貯蔵ポイント」として貯蔵してもよいし、後述のように前記ポイントの減少分を増加(または減少)させて「貯蔵ポイント」として貯蔵してもよい。また、一旦「貯蔵ポイント」として貯蔵されたポイントを使用するために、ユーザがいつでも(任意のタイミングで)自由に取り出せる(放出できる)ようにしてもよいし、所定の放出可能条件を満たした場合に取り出せるようにしてもよい。
【0233】
ポイント放出部113は、ユーザの操作に基づいて、前記ポイント貯蔵部112によって貯蔵されている前記貯蔵ポイントの少なくとも一部を放出してユーザに付与する放出処理を実行する機能を有する。前述の野球ゲームの例では、ポイント放出部113は、放出状態の秘宝が関連付けられたチームメイトと一緒に練習をする操作に基づいて、貯蔵点の少なくとも一部を放出して経験点としてユーザに付与する放出処理を実行する。
【0234】
ここで、「貯蔵ポイントの少なくとも一部を放出してユーザに付与する」とは、ポイント貯蔵部112によって貯蔵されている「貯蔵ポイント」の中から、放出処理の対象となる分(放出分)を減少させて、ユーザに付与することをいう。放出分の量は、0(ゼロ)でなければ特に限定されるものではなく、ポイント貯蔵部112によって貯蔵されている「貯蔵ポイント」の全てを放出処理の対象としてもよい。放出分をそのままユーザに付与してもよいし、後述のように放出分を増加(または減少)させてユーザに付与してもよい。
【0235】
貯蔵ポイントを放出するタイミング(ユーザの操作に基づいて貯蔵ポイントを取り出せるタイミン)は特に限定されない。前述の野球ゲームの例では、あるターンで貯蔵点として貯蔵された経験点を、次のターンですぐに取り出してもよい。
【0236】
なお、前述の野球ゲームの例では、放出状態の秘宝が関連付けられたチームメイトと一緒に練習することにより、貯蔵していた貯蔵点を放出し、その練習に応じて獲得できる種類の経験点に上乗せする形で経験点を獲得できるようになっている。つまり、前述の野球ゲームの例では、貯蔵点を放出するためには、魔力を使用して秘宝を放出状態にしたり、放出状態の秘宝が関連付けられたチームメイトが関連付けられている練習を選択したりすることが必要であるが、そのような放出のための条件をなくして、ユーザがいつでも(任意のタイミングで)所定の放出操作をすれば貯蔵点を取り出せる(放出できる)ようにしてもよい。また、貯蔵された際の種類の経験点とは異なる種類の経験点として取り出してもよい。また、貯蔵点の放出量をユーザが任意に指定できるようにしてもよい。また、一度に全部の貯蔵点を放出できるようにしてもよい。また、貯蔵点の放出の際に、ユーザが指定した種類の経験点として取り出せるようにしてもよい。また、放出のための操作は、練習の操作とは独立した操作とし、練習の実行を伴わずとも、放出処理が行えるようにしてもよい。
【0237】
また、ポイント放出部113は、ユーザの操作に基づいて、前記ポイント貯蔵部112が貯蔵している前記貯蔵ポイントの少なくとも一部を、当該操作に応じた種類の前記ポイントとしてユーザに付与する前記放出処理を実行する機能を有する。
【0238】
ここで、「操作に応じた種類の前記ポイントとしてユーザに付与する」とは、前記ポイントの種類に依らない貯蔵ポイントの少なくとも一部を、ユーザの操作に応じた種類の前記ポイントとして(換言すれば、ユーザの操作に応じた種類の前記ポイントに変換して)、ユーザに付与することをいう。すなわち、ユーザの操作に基づいて、前記ポイントの種類に依らないかたちで貯蔵されている貯蔵ポイントの少なくとも一部を、ユーザが所望の種類の前記ポイントとして取り出して、使用できるようになる。
【0239】
前述の野球ゲームの例では、ポイント放出部113は、ユーザによる練習を選択する操作に基づいて、貯蔵点の少なくとも一部を放出して、当該操作で選択された練習に関連付けられた種類の経験点(少なくとも一種類の経験点)としてユーザに付与する放出処理を実行する。この場合、ユーザは、所望の種類の経験点が関連付けられている練習を選択する操作をすれば、前記放出処理により、貯蔵点から当該所望の種類の経験点を獲得できる。
【0240】
なお、前述のように、放出の操作は、練習の操作とは独立した操作としてもよいし、放出の操作の際に、獲得したい経験点の種類をユーザが指定できるようにしてもよい。
【0241】
上記の構成により、ゲーム進行に応じて得られるはずの種類の経験点の少なくとも一部を全種類共通の貯蔵点として貯蔵しておき、別の種類の経験点として取り出すことができる。つまり、全種類共通の貯蔵点を介して、経験点の種類を割り振り直すことが可能となる。
【0242】
また、ポイント放出部113は、所定の放出可能条件を満たした場合に、前記放出処理を実行可能とする機能を有する。
【0243】
ここで、「所定の放出可能条件」とは、前記放出処理を実行可能とするための予め定められた条件である。放出可能条件については、特に限定されるものではなく、様々な条件を設定可能である。例えば、放出可能条件は、任意のタイミングでユーザが所定の操作を行うこととしてもよい。前述の野球ゲームの例では、任意のタイミングでユーザが秘宝の状態を「放出」にする魔術を使用する操作を行ったことが、「所定の放出可能条件を満たした場合」の一例に相当する。また、「放出状態の秘宝が関連付けられたチームメイトが関連付けられている練習を選択する」ことが、「所定の放出可能条件を満たした場合」の一例に相当する。
【0244】
また、例えば、放出可能条件は、所定のゲーム状況になることとしてもよい。一例を挙げると、ターン制のゲームでは所定のターンを消化することが、放出可能条件の一例に相当する。また、複数のステージを含むゲームの場合に、所定のステージをクリアすることが、放出可能条件の一例に相当する。また、対戦ゲームにおいて、相手に勝利することが、放出可能条件の一例に相当する。また、ゲーム内で所定の場所に到着したり、ゲーム内で所定のオブジェクトを入手することが、放出可能条件の一例に相当する。
【0245】
また、例えば、放出可能条件は、ゲームパラメータが所定の状態になることとしてもよい。一例を挙げると、対象のキャラクタの能力パラメータが所定値以上になることが、放出可能条件の一例に相当する。また、対象のキャラクタが所定の特殊能力を取得することが、放出可能条件の一例に相当する。
【0246】
「所定の放出可能条件」を満たした場合において、放出処理を実行可能とする期間については、特に限定されるものではない。例えば、「所定の放出可能条件」を満たした後は、放出処理を実行可能とする期間がゲーム終了まで続くようにしてもよい。また、例えば、「所定の放出可能条件」を満たした後は、所定の期間中のみ放出処理を実行可能としてもよい。ここで、前記所定の期間は、現実世界の時間に基づく期間(例えば、1時間、1日等)であってもよいし、ゲーム内の仮想的な時間に基づく期間であってもよいし、所定のゲーム状況になるまでの期間であってもよいし、ゲームパラメータが所定の状態になるまでの期間であってもよい。一例を挙げると、ターン制のゲームでは、「所定の放出可能条件」を満たしてから所定のターン数を消化するまでの期間を、放出処理を実行可能とする期間にしてもよい。前述の野球ゲームの例では、任意のタイミングでユーザが秘宝の状態を「放出」にする魔術を使用してから、当該秘宝が関連付けられているキャラクタと所定回数(または所定ターン数)一緒に練習する(例えば3ターン一緒に練習する)までの期間が、前記所定の期間の一例に相当する。
【0247】
また、前記ゲームは、複数の選択肢の中からユーザが選択肢を選択する操作をすることで進行するゲームとすることができる。
【0248】
ここで、「複数の選択肢」については、特に限定されるものではなく、様々な選択肢を採用できる。例えば、操作対象のキャラクタに行動を行わせることで進行するゲームにおいては、当該キャラクタに行わせる複数の行動を選択肢とすることができる。一例を挙げると、敵を攻撃する又は防御するゲームにおいては、複数の攻撃方法または防御方法を選択肢とすることができる。前述の野球ゲームの例では、育成対象の主人公キャラクタに行わせる複数の練習項目(又は練習場所)が、「複数の選択肢」の一例に相当する。また、例えば、操作対象のキャラクタの進む方向や場所を選択しながら進行するゲームの場合には、複数の進む方向や場所を、選択肢とすることができる。
【0249】
また、
図26に例示するように、ゲームシステム1の制御部110は、関連付け部114(関連付け手段の一例)を含む構成とすることができる。関連付け部114は、前記貯蔵処理または前記放出処理を可能とする第1ゲーム要素をオブジェクトに関連付ける機能を有する。前述の野球ゲームの例では、関連付け部114は、前記貯蔵処理または前記放出処理を可能とする秘宝をチームメイトのキャラクタに関連付ける。
【0250】
ここで、「第1ゲーム要素」は、例えば、アイテム、キャラクタ、建物等のゲームオブジェクトであってもよいし、オブジェクトに関連付けられる属性等のゲームパラメータであってもよい。前述の野球ゲームの例では、秘宝というゲームオブジェクトが「第1ゲーム要素」の一例に相当する。
【0251】
また、第1ゲーム要素は、「前記貯蔵処理または前記放出処理の少なくとも一方を可能とする効果」を生じさせ得るものである。すなわち、第1ゲーム要素は、前記貯蔵処理だけを可能とする効果を生じさせ得るものであってもよい。また、第1ゲーム要素は、前記放出処理だけを可能とする効果を生じさせ得るものであってもよい。また、第1ゲーム要素は、前記放出処理および前記放出処理の両方を可能とする効果を生じさせ得るものであってもよい。前述の野球ゲームでは、前記放出処理および前記放出処理の両方を可能とする秘宝(普通の秘宝およびレア秘宝)と、貯蔵処理だけを可能とする秘宝(レジェンド秘宝「秘宝L1」)とを用いた例を示したが、放出処理だけを可能とする秘宝(放出状態だけの秘宝)を用いてもよい。
【0252】
また、「オブジェクト」とは、ゲームにおいて使用され得るものである。例えば、ゲームキャラクタ、ゲームカード(デジタルカード)、又はゲームアイテム等が「オブジェクト」の一例に相当する。例えば、スポーツ選手等の人物、競走馬等の生物、モンスター等の架空の人物や生物、ロボット等の非生物を示すゲームキャラクタやゲームカードが「オブジェクト」の一例に相当する。例えば、「オブジェクト」は、実在する人物や生物に対応するゲームキャラクタやゲームカードであってもよいし、実在する人物等に対応するものでなくてもよい。前述の野球ゲームでは、チームメイトのキャラクタが「オブジェクト」の一例に相当する。
【0253】
そして、前記第1ゲーム要素が関連付けられた前記オブジェクトが関連付けられている前記選択肢が選択された場合に、前記ポイント貯蔵部112による前記貯蔵処理または前記ポイント放出部113による前記放出処理が実行されるようにしてもよい。前述の野球ゲームの例では、秘宝が関連付けられたチームメイトが関連付けられている練習の選択肢が選択された場合に、前記ポイント貯蔵部112による前記貯蔵処理または前記ポイント放出部113による前記放出処理が実行される。
【0254】
上記の構成によれば、練習等の選択肢を選択しながら進行するゲームにおいて、前記貯蔵処理または前記放出処理を実行するには、秘宝等の第1ゲーム要素が関連付けられたチームメイト等のオブジェクトが関連付けられている選択肢を選択することが要求され、これによりゲーム性を高めることができる。
【0255】
また、前記第1ゲーム要素には、少なくとも第1状態と第2状態とをとり得るものがある。前述の野球ゲームの例では、普通の秘宝「秘宝N」およびレア秘宝「秘宝R1」~「秘宝R8」が、第1状態の一例としての「吸収」状態と、第2状態の一例としての「放出」状態とをとり得る第1ゲーム要素の一例に相当する。
【0256】
ここで、「少なくとも第1状態と第2状態とをとり得る」に関し、「第1状態」は前記貯蔵処理を可能とする第1ゲーム要素の状態であり、「第2状態」は前記放出処理を可能とする第1ゲーム要素の状態であるが、第1ゲーム要素はそれ以外の状態をとり得るものであってもよい。例えば、第1ゲーム要素は、前記貯蔵処理および前記放出処理の何れも実行されないようにする「第3状態」をとり得るものであってもよい。
【0257】
そして、前記ポイント貯蔵部112は、前記第1状態の前記第1ゲーム要素が関連付けられた前記オブジェクトが関連付けられている前記選択肢が選択された場合に、前記貯蔵処理を実行するようにしてもよい。前述の野球ゲームの例では、前記ポイント貯蔵部112は、「吸収」状態の秘宝が関連付けられたチームメイトが関連付けられている練習の選択肢が選択された場合に、前記貯蔵処理を実行する。
【0258】
また、前記ポイント放出部113は、前記第2状態の前記第1ゲーム要素が関連付けられた前記オブジェクトが関連付けられている前記選択肢が選択された場合に、前記放出処理を実行するようにしてもよい。前述の野球ゲームの例では、前記ポイント放出部113は、「放出」状態の秘宝が関連付けられたチームメイトが関連付けられている練習の選択肢が選択された場合に、前記放出処理を実行する。
【0259】
上記のように、貯蔵処理または放出処理を実行するための条件を設けることにより、ゲーム性の向上を図ることができる。
【0260】
また、
図26に例示するように、ゲームシステム1の制御部110は、変更部115(変更手段の一例)を含む構成とすることができる。変更部115は、ユーザの操作に基づいて、前記オブジェクトに関連付けられた前記第1ゲーム要素の状態を前記第1状態と前記第2状態との間で変更する機能を有する。
【0261】
ここで、「第1ゲーム要素の状態を前記第1状態と前記第2状態との間で変更する」とは、第1ゲーム要素の状態を第1状態から第2状態へと変更すること、または第1ゲーム要素の状態を第2状態から第1状態へと変更することを含む。
前述の野球ゲームの例において、魔術(魔術1または魔術7)を使用するユーザの操作に基づいて、チームメイトに関連付けられた秘宝の状態を「吸収」状態から「放出」状態へと変更することが、「ユーザの操作に基づいて、前記オブジェクトに関連付けられた前記第1ゲーム要素の状態を前記第1状態と前記第2状態との間で変更する」の一例に相当する。
【0262】
なお、前述の野球ゲームでは、魔術の使用により秘宝の状態を「吸収」状態から「放出」状態へと変更できる例を示したが、これに限定されず、所定の魔術を使用することにより、秘宝の状態を「放出」状態から「吸収」状態へと変更できるようにしてもよい。また、魔術の使用とは別の操作により、任意のタイミングで、秘宝の状態を「吸収」状態から「放出」状態へと変更したり、「放出」状態から「吸収」状態へと変更したりできるようにしてもよい。
【0263】
上記の構成によれば、ユーザの操作に基づいて秘宝の状態を変更することで、前記貯蔵処理を実行するのか前記放出処理を実行するのかを任意に切り替えることができるようになり、ゲーム性の向上を図ることができる。
【0264】
また、前記第1ゲーム要素には複数の種類を設けてもよい。前述の野球ゲームの例では、秘宝には、1つの普通の秘宝、8つのレア秘宝、2つのレジェンド秘宝の合計11種類がある。
【0265】
そして、前記オブジェクトに関連付けられる前記第1ゲーム要素の種類によって、前記貯蔵処理における貯蔵の対象となる前記ポイントの種類または貯蔵される前記貯蔵ポイントの量の少なくとも一方が異なるようにしてもよい。前述の野球ゲームの例では、
図15に示すように、例えば普通の秘宝「秘宝N」の場合は、貯蔵の対象となるのは「全種類の経験点」であり、貯蔵される貯蔵点の量は「練習により得られるはずの経験点の5%」である。また、例えばレア秘宝「秘宝R1」の場合は、貯蔵の対象となるのは「技術点」のみであり、貯蔵される貯蔵点の量は「練習により得られるはずの技術点の50%」である。
図15に示すように、チームメイトに関連付けられる秘宝の種類によって、貯蔵できる経験点の種類または貯蔵量の少なくとも一方が異なっている。
【0266】
上記の構成により、チームメイトに関連付けられる秘宝の種類によって、貯蔵の際の効果(貯蔵の対象となるポイントの種類または貯蔵量)にバリエーションを持たせることができ、ゲーム性をより高めることができる。
【0267】
また、前記オブジェクトに関連付けられる前記第1ゲーム要素の種類によって、前記放出処理においてユーザに付与される前記ポイントの種類または付与される前記ポイント量の少なくとも一方が異なるようにしてもよい。前述の野球ゲームの例では、
図15に示すように、例えば普通の秘宝「秘宝N」の場合は、放出により付与されるのは「全種類の経験点」であり、付与される量は各種類「10点」である。また、例えばレア秘宝「秘宝R1」の場合は、放出により付与される経験点の種類は「技術点」のみであり、付与される経験点の量は「50点×1.4」である。
図15に示すように、チームメイトに関連付けられる秘宝の種類によって、放出により付与される経験点の種類または付与量(放出対象の経験点の種類または放出量)の少なくとも一方が異なっている。
【0268】
上記の構成により、チームメイトに関連付けられる秘宝の種類によって、放出の際の効果(付与される経験点の種類または付与量)にバリエーションを持たせることができ、ゲーム性をより高めることができる。
【0269】
また、前記関連付け部114は、所定の解除条件を満たした場合に、前記第1ゲーム要素と前記オブジェクトとの関連付けの解除を行うようにしてもよい。
【0270】
ここで、「所定の解除条件」とは、前記第1ゲーム要素と前記オブジェクトとの関連付けを解除するための予め定められた条件である。解除条件については、特に限定されるものではなく、様々な条件を設定可能である。例えば、解除条件は、任意のタイミングでユーザが所定の操作を行うこととしてもよい。
また、例えば、解除条件は、前述の「放出可能条件」でも例示したような、所定のゲーム状況になることとしてもよいし、ゲームパラメータが所定の状態になることとしてもよい。
【0271】
前述の野球ゲームの例では、秘宝が関連付けられているチームメイトと所定ターン数(または所定回数)一緒に練習する(例えば4ターン一緒に練習する)ことが、「所定の解除条件」の一例に相当する。前記関連付け部114は、所定の解除条件を満たした場合に、秘宝とチームメイトとの関連付けの解除を行う。例えば、「秘宝N」が関連付けられているチームメイトと3ターン一緒に練習すれば秘宝の修復が完了し、その後さらに1ターン一緒に練習すれば(合計4ターン一緒に練習すれば)秘宝の返還が発生し、関連付け部114は、秘宝とチームメイトとの関連付けを解除する。
【0272】
また、
図26に例示するように、ゲームシステム1の制御部110は、達成度管理部116(達成度管理手段の一例)を含む構成とすることができる。達成度管理部116は、前記関連付け部114による前記関連付けの解除に基づいて、第2ゲーム要素の達成度を向上させる機能を有する。
【0273】
ここで、「第2ゲーム要素」は、例えば、アイテム、キャラクタ、建物等のゲームオブジェクトであってもよいし、建築物の完成率や修復率、土地の開墾率、貯蓄率等のゲームパラメータであってもよい。前述の野球ゲームの例では、ピラミッドの部屋というゲームオブジェクト(またはピラミッドの部屋の修復率)が「第2ゲーム要素」の一例に相当する。
【0274】
また、「第2ゲーム要素の達成度」とは、第2ゲーム要素が建物等のゲームオブジェクトの場合、ゲームオブジェクトを作る完成度であってもよいし、ゲームオブジェクトを修復する修復度であってもよい。前述の野球ゲームの例では、ピラミッドの部屋の修復度が、「第2ゲーム要素の達成度」の一例に相当する。また、第2ゲーム要素が建築率や修復率等の上限値を有するゲームパラメータの場合、当該ゲームパラメータの上限値に対する達成度が、「第2ゲーム要素の達成度」の一例に相当する。
【0275】
前述の野球ゲームの例では、達成度管理部116は、前記関連付け部114による秘宝とチームメイトとの関連付けの解除に基づいて、ピラミッドの部屋の修復度を向上させる。この構成によれば、所定の解除条件を満たして秘宝とチームメイトとの関連付けを解除すれば(すなわち、秘宝の返還を発生させれば)、ピラミッドの部屋の修復度を向上させることができ、ゲーム性の向上を図ることができる。
【0276】
また、
図26に例示するように、ゲームシステム1の制御部110は、効果発生部117(効果発生手段の一例)を含む構成とすることができる。効果発生部117は、前記第2ゲーム要素の前記達成度が所定の基準に達した場合に、ゲーム上の効果を発生させる機能を有する。前述の野球ゲームの例では、効果発生部117は、ピラミッドの部屋の修復が完成した場合に、
図19の「修復完了後の効果」フィールドに記憶されている効果、および「使用可能になる魔術」フィールドに記憶されている魔術を解放する効果をゲーム上の効果として発生させる。この構成によれば、ピラミッドの部屋の修復度が所定の基準に達すれば、ゲーム上の効果が発生するので、ゲーム性の向上を図ることができる。
【0277】
ここで、「ゲーム上の効果を発生させる」とは、ユーザにとってゲームの進行または結果が有利となるようなゲームの状況にすることである。
例えば、ゲームパラメータを向上させたり、制限時間のあるゲームで制限時間を延長したりすることが、「ゲーム上の効果を発生させる」の一例に相当する。
また、例えば、第2ゲーム要素の前記達成度が所定の基準に達するまでは使用できなかった操作または処理を可能とすることが、「ゲーム上の効果を発生させる」の一例に相当する。本実施の形態では、ピラミッドの部屋の修復が完了することにより、魔術を使用可能にする(魔術を使用する操作を可能にする)例を示したが、これが「ゲーム上の効果を発生させる」の一例に相当する。
また、例えば、第2ゲーム要素の前記達成度が所定の基準に達した後から、継続的にゲームパラメータの向上率を高めることが、「ゲーム上の効果を発生させる」の一例に相当する。本実施の形態では、ピラミッドの部屋の修復が完了することにより、修復後から魔力の最大値を増加したり、貯蔵点を放出する際にユーザに付与する経験点を増加させたりする例を示したが、これが「ゲーム上の効果を発生させる」の一例に相当する。
【0278】
なお、前述の野球ゲームでは、ピラミッドの部屋の修復が完了することにより(すなわち、修復の達成度が100%になることにより)、ゲーム上の効果が生じる例を示したが、これに限定されない。例えば、ピラミッドの部屋の修復の達成度が100%未満であっても、所定の基準(例えば、修復の達成度が80%)に達することによりゲーム上の効果が生じるようにしてもよい。
【0279】
また、前記ポイント貯蔵部112は、所定の貯蔵時増加条件を満たしている場合には、前記減少分の前記ポイントを前記貯蔵ポイントとして貯蔵する際の当該貯蔵ポイントを、前記貯蔵時増加条件を満たしていない場合よりも増加させるようにしてもよい。ここで、「所定の貯蔵時増加条件」とは、ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイントの少なくとも一部を減少させて、減少分を全種類共通の貯蔵ポイントとして貯蔵する際の当該貯蔵ポイントを、通常よりも増加させるための予め定められた条件である。ここで、通常よりも増加させるとは、貯蔵時増加条件を満たしていない場合よりも増加させることである。
【0280】
また、前記ポイント放出部113は、所定の放出時増加条件を満たしている場合には、前記貯蔵ポイントの少なくとも一部を放出して前記ポイントとしてユーザに付与する際の当該ポイントを、前記放出時増加条件を満たしていない場合よりも増加させるようにしてもよい。ここで、「所定の放出時増加条件」とは、ユーザの操作に基づいて、前記貯蔵手段によって貯蔵されている前記貯蔵ポイントの少なくとも一部を放出して前記ポイントとしてユーザに付与する際の当該ポイントを、通常よりも増加させるための予め定められた条件である。ここで、通常よりも増加させるとは、放出時増加条件を満たしていない場合よりも増加させることである。
【0281】
貯蔵時増加条件または放出時増加条件については、特に限定されるものではなく、様々な条件を設定可能である。例えば、貯蔵時増加条件または放出時増加条件は、任意のタイミングでユーザが所定の操作を行うこととしてもよい。
また、例えば、貯蔵時増加条件または放出時増加条件は、前述の「放出可能条件」でも例示したような、所定のゲーム状況になることとしてもよいし、ゲームパラメータが所定の状態になることとしてもよい。
【0282】
前述の野球ゲームの例では、所定のピラミッドの部屋(王の間)の修復が完了することが、「所定の貯蔵時増加条件」の一例に相当する(
図19参照)。また、所定の魔術(魔術4)が使用されている(魔術の効果が発動されている)ことが、「所定の貯蔵時増加条件」の一例に相当する(
図20参照)。また、吸収状態の所定の秘宝(「秘宝R7」、「秘宝L1」)又は「秘宝L2」が関連付けられたキャラクタが関連付けられている練習を選択することが、「所定の貯蔵時増加条件」の一例に相当する。
【0283】
また、前述の野球ゲームの例では、所定のピラミッドの部屋(外壁)の修復が完了することが、「所定の放出時増加条件」の一例に相当する(
図19参照)。また、所定の魔術(魔術5)が使用されている(魔術の効果が発動されている)ことが、「所定の放出時増加条件」の一例に相当する(
図20参照)。また、放出状態の所定の秘宝(秘宝「秘宝R1」~「秘宝R8」)又は「秘宝L2」が関連付けられたキャラクタが関連付けられている練習を選択することが、「所定の放出時増加条件」の一例に相当する。
【0284】
上記の構成によれば、貯蔵時増加条件を満たしていれば、獲得できる経験点の少なくとも一部を貯蔵する際に貯蔵点が増加するので、貯蔵のメリットがより高まる。また、放出時増加条件を満たしていれば、貯蔵点の少なくとも一部を放出する際に獲得できる経験点が増加するので、貯蔵および放出のメリットがより高まる。
【0285】
また、前記ゲームはオブジェクトが用いられるゲームであり、関連付け部114は、ゲーム上の効果を発生させ得るゲーム要素を前記オブジェクトに関連付ける機能を有する。そして、前記ゲーム要素には発生させ得るゲーム上の効果が異なる複数の種類があり、前記関連付け部114は、前記ゲームの開始から終了までの間に、同一の前記オブジェクトに関連付ける前記ゲーム要素の種類を変化させ得る機能を有する。
ここで、「ゲーム要素」は、例えば、アイテム、キャラクタ、建物等のゲームオブジェクトであってもよいし、オブジェクトに関連付けられる属性等のゲームパラメータであってもよいし、発生させ得るゲーム上の効果の情報であってもよい。前述の野球ゲームの例では、ゲーム上の効果が異なる複数種類の秘宝が、「ゲーム要素」の一例に相当する。
【0286】
前述の野球ゲームの例では、関連付け部114は、育成モードのゲーム開始から終了までの間に、同一のチームメイトに関連付ける秘宝の種類を変化させ得る機能を有する。すなわち、育成開始(シナリオの開始)から終了までの間に、同一のチームメイトが秘宝の発掘および秘宝の返還を繰り返し行うことができる。よって、関連付け部114が同一のチームメイトに関連付ける秘宝の種類が変化し得る。
【0287】
例えば、「ゲーム要素」をオブジェクトに関連付けられる属性とした場合、関連付け部114は、前記ゲームの開始から終了までの間に、同一のオブジェクトに関連付ける属性の種類を変化させ得る。また、例えば、「ゲーム要素」をゲーム上の効果の情報とした場合、関連付け部114は、前記ゲームの開始から終了までの間に、同一のオブジェクトに関連付ける「ゲーム上の効果の情報」の種類を変化させ得る。
【0288】
一般的に、オブジェクトに関連付けられる属性等のゲーム要素は、ゲームの進行途中で変わることはないが、本実施の形態では、ゲームの開始から終了までの間に、同一のオブジェクトに関連付けられる秘宝や属性等が変化することで、ゲームの進行途中でゲーム上の効果に変化を生じさせることができる。これにより、ゲームの興趣性の向上を図ることができる。
[4.処理]
次に、本実施の形態のゲームシステム1で実行される処理の一例を以下に説明する。ここでは、前述の野球ゲームを実行する場合のゲームシステム1の処理の一例を説明する。
【0289】
図27ないし
図33は、ゲームシステム1の処理の一例を示すフローチャートであり、育成モードの開始から終了までの基本的な処理手順を例示する。以下に説明する処理は、記憶装置(ROM12、RAM13、補助記憶装置14、ROM32、RAM33又は補助記憶装置34等)に記憶されているゲームプログラムを、制御部110(ゲーム端末10のCPU11又はサーバ30のCPU31)が実行することにより実現される。
【0290】
まず、ユーザにより育成モードが選択されることによって処理が開始される。以下、チームメイトと一緒に練習して秘宝の発掘等を行う前述のシナリオが選択された場合の処理について説明する。
【0291】
図27のS100において、制御部110は育成パートの開始処理を行う。制御部110は、育成パートの開始処理として、ユーザの操作を介して、主人公キャラクタの基本情報の入力、イベントデッキに設定するイベントキャラクタの設定、およびゲームアイテムの選択を受け付ける。
具体的に、制御部110は、主人公キャラクタの基本情報を入力するための設定画面を表示部20に表示する。ユーザが操作部16を操作することにより、主人公キャラクタの名前、ポジション、利き腕、打撃フォーム(および投球フォーム)の情報が入力される。そして、制御部110は、
図4に示したイベントデッキの設定画面を表示部20に表示する。ユーザが操作部16を操作することにより、イベントキャラクタが設定される。続いて、制御部110は、シナリオで使用するゲームアイテムを選択するための画面を表示部20に表示する。ユーザが操作部16を操作することにより、シナリオで使用するゲームアイテムが選択される。これらの処理が終了すると、主人公キャラクタを育成するための育成パートが開始される。これらの処理により、制御部110は、イベントデッキデータDT105および主人公キャラクタデータDT106等を更新する。
【0292】
S102では、制御部110はセクション開始処理を行う。具体的には、制御部110は、ゲーム状況データDT108に記憶されたセクション数に1加算する。セクション数が1である場合に第1セクションが開始されることを示し、セクション数が2である場合には第2セクションが開始されることを示す。本実施形態では、上述したように4つのセクション(第1セクション~第4セクション)から構成される。
【0293】
S104では、制御部110はターン開始処理を行う。具体的には、制御部110は、ゲーム状況データDT108に記憶されたターン数に1加算する。ターン数が1である場合に第1ターンが開始されることを示し、ターン数が2である場合には第2ターンが開始されることを示す。本実施形態では、上述したように、第1セクションから第3セクションは、それぞれ12ターン(第1ターン~第12ターン)で構成され、第4セクションのみ15ターン(第1ターン~第15ターン)で構成される。
【0294】
S106では、制御部110は、6種類の各練習に一緒に練習をするチームメイトを関連付ける。具体的に、制御部110は、練習ごとにチームメイトを抽選し、抽選されたチームメイトを練習に関連付けた練習/チームメイト関連情報を生成して、関連付けデータDT107に記憶する。なお、関連付けデータDT107に既に練習/チームメイト関連情報が記憶されている場合には、練習/チームメイト関連情報を更新する。本実施形態では1つの練習に関連付けられるチームメイトの数は、最小が0であり最大が6である。チームメイトには、イベントデッキに設定されたイベントキャラクタの他に、シナリオ固有のイベントキャラクタや非イベントキャラクタ(モブキャラクタ)が含まれる。なお、S106の処理は、ターン開始処理の後に行われることで、ターンごとで各練習に関連付けられるチームメイトが変動する。
【0295】
S108では、制御部110は、S106で各練習に関連付けられたチームメイトのイベントキャラクタを対象として、コツイベントを発生させるチームメイトを抽選する。制御部110は、抽選に当選したチームメイトにコツイベントを関連付けたコツイベント/チームメイト関連情報を生成して、関連付けデータDT107に記憶する。なお、S108の処理は、ターン開始処理の後に行われることで、ターンごとでコツイベントが関連付けられるチームメイトが変動する。
【0296】
S110では、制御部110は、S106で各練習に関連付けられたチームメイトのうちの、コツイベントが関連付けられていないイベントキャラクタを対象として、秘宝発掘アイコンを関連付けるチームメイトを抽選する。なお、前述のマミーモブが存在する場合はマミーモブも抽選の対象となる。また、既に秘宝が関連付けられているチームメイトは抽選から除外される。制御部110は、抽選に当選した各チームメイトを対象として、前述したとおり「通常の秘宝発掘アイコン」、「レア秘宝発掘アイコン」、「レジェンド秘宝発掘アイコン」の何れを関連づけるかを決定する。そして、制御部110は、対象のチームメイトに秘宝発掘アイコンを関連付けた秘宝発掘アイコン/チームメイト関連情報を生成して、関連付けデータDT107に記憶する。なお、S110の処理は、ターン開始処理の後に行われることで、ターンごとで秘宝発掘アイコンが関連付けられるチームメイトが変動する。
【0297】
S112では、制御部110は、キャラクタ情報テーブルTBL112に含まれる、イベントデッキに設定されているイベントキャラクタのイベントに関する情報、及びそのシナリオ固有で予め定められたシナリオイベントの情報に基づいて、前イベントを発生させるか否かを判定する。この処理では、制御部110がイベント発生抽選を行い、当選した場合に前イベントを発生させる。この判定の結果、前イベントを発生させる場合にはS114に進み(S112でYES)、前イベントを発生させない場合は
図28のS116に進む(S112でNO)。
【0298】
なお、前イベントは複数種類存在し、これらのイベントにはそれぞれ発生条件(主人公キャラクタに対する評価値、関連イベントの発生有無、ターン数、など)が設定されている。本育成モードに関連する全てのイベントキャラクタイベントとシナリオイベントについて、ゲーム状況に基づいて発生条件を充足すると判定されたイベントの中から、抽選により決定された1つのイベントを発生させる。発生条件を充足するイベントが1つもない場合にはイベントは発生しない。また、シナリオイベントのように、抽選の結果によらず他のイベントよりも優先的に発生させるものもある。このようなシナリオイベントでは優先的に発生条件が設定されている。
【0299】
S114では、制御部110は抽選で当選したイベントを発生させる。具体的には制御部110は、そのイベントのストーリーに応じた画面を生成して表示部20に表示する。このとき、主人公キャラクタに対して経験点を付与したり、体力を回復させたり、そのイベントで登場するイベントキャラクタの主人公に対する評価値を上げたり、主人公キャラクタの「やる気」を変化させたりするよう、制御部110は主人公キャラクタデータDT106の更新を行う。
【0300】
図28のS116では、制御部110は、例えば
図11に示したようなメイン画面G800を表示部20に表示する。このとき、制御部110は、ゲーム状況データDT108を参照して、表示領域A801に現在の貯蔵点の情報、表示領域A802に現在の魔力の情報をそれぞれ表示する。
【0301】
S118~S122では、制御部110は、ユーザの操作により、メイン画面G800から選択肢P407~P413の中の何れが選択されたかを判定する。「能力アップ」の選択肢P410が選択された場合(S118でYES)はS124に進む。「ピラミッドコマンド」の選択肢P809が選択された場合(S118でNO、S120でYES)は
図30のS300に進む。「練習」の選択肢P408が選択された場合(S118及びS120でNO、S122でYES)はS128に進む。これら以外の選択肢が選択された場合(S118、S120及びS122でNO)はS126に進む。
【0302】
S124では、制御部110は、
図9に示したような主人公キャラクタの基本能力を上昇させるための設定画面G600を表示部20に表示し、ユーザの操作に応じて、主人公キャラクタの基本能力の上昇および特殊能力の取得などのための処理を行う。この処理では、制御部110は、ユーザの操作に応じて
図9に示す画面と
図10に示す画面とを切り替える。これらの画面で戻るボタンP608が選択されると、S116に戻る。なお、ユーザの操作によって経験点を消化して主人公キャラクタの基本能力を上昇させたり特殊能力を取得したりした場合は、制御部110は、主人公キャラクタデータDT106を更新する。
【0303】
S126では、制御部110は、選択された選択肢に応じた処理を行う。ユーザの操作により「休む」の選択肢P407が選択された場合は、制御部110は、主人公キャラクタの体力を回復させるために、主人公キャラクタデータDT106の更新を行う。ユーザの操作により「通院」の選択肢P411が選択された場合は、制御部110は、主人公キャラクタの病気等を治す抽選を行い、抽選に当選した場合にはその病気等に関しても主人公キャラクタデータDT106の更新を行う。ユーザの操作により「遊ぶ」の選択肢P412が選択された場合は、制御部110は、主人公キャラクタの体力および「やる気」を回復させるために、主人公キャラクタデータDT106の更新を行う。ユーザの操作により「デート」の選択肢P413が選択された場合は、主人公キャラクタの体力を回復させるとともに、そのデートの内容に応じて経験点を主人公キャラクタに付与する。これに伴い、制御部110は主人公キャラクタデータDT106の更新を行う。なお、必要に応じて、制御部110は、体力の増加量などの情報を表示部20に表示する。
【0304】
S128では、制御部110は、仮選択する練習を決定する。初めて「練習」の選択肢が選択された場合は、例えば、仮選択する練習をデフォルトの「打撃」に決定する。2回目以降は、前回選択された練習を、仮選択する練習に決定する。
【0305】
S130では、制御部110は、仮選択した練習を対象として、経験点・貯蔵点の算出処理を実行する。この処理は、
図16等の練習画面G900の表示領域A906および表示領域A907に表示する、吸収または放出の効果を示す経験点および貯蔵点を算出するための処理である。経験点・貯蔵点の算出処理を、
図29に例示するフローチャートを参照して説明する。
【0306】
S200では、制御部110のポイント付与部111は、仮選択した練習に応じて、付与すべき経験点の種類および量を決定する。前述のとおり、付与すべき経験点の種類は、練習に関連付けられて予め決まっている。経験点の量は、例えば、予め定められている各練習の基礎点、練習レベル、練習に関連付けられているチームメイトの能力等のパラメータ、練習に関連付けられているチームメイトの数、主人公キャラクタのやる気パラメータ、スペシャルタッグ練習、トレジャータッグイベント、秘宝の返還などに基づいて算出される。S200で算出される付与すべき経験点は、吸収および放出の効果以外の全ての効果を反映させて算出される。ポイント付与部111は、算出した経験点を関連付けデータDT107に記憶する。
【0307】
S202では、制御部110は、仮選択した練習場所に、吸収状態の秘宝が存在するか否かを判断する。S202でYESの場合はS204に進み、NOの場合はS210に進む。
S204では、制御部110は、仮選択した練習で獲得できる経験点の種類が、仮選択した練習場所にある「吸収状態の秘宝」の吸収の対象か否かを判断する。この判断の際には、
図15に例示する秘宝テーブルTBL102の「経験点の種類」フィールドの情報が参照される。S204でYESの場合はS206に進み、NOの場合はS210に進む。
S206では、制御部110のポイント貯蔵部112は、対象の「吸収状態の秘宝」の吸収の効果によって、付与すべき経験点から減少させる量を算出する。この場合、ポイント貯蔵部112は、その練習で付与すべき経験点の種類毎に、減少分を算出する。また、ポイント貯蔵部112は、対象の「吸収状態の秘宝」が複数存在する場合は、それぞれについて、付与すべき経験点からの減少分を算出する。この算出の際には、
図15に例示する秘宝テーブルTBL102の「経験点」フィールドの情報が参照される。
【0308】
S208では、ポイント貯蔵部112は、S206で算出した減少分に基づいて、加算される(吸収される)貯蔵点を算出する。この算出の際には、
図15に例示する秘宝テーブルTBL102の「倍率」フィールドの情報が参照される。倍率が1よりも大きい場合は、S206で算出した減少分を増幅して貯蔵点を算出する。また、ポイント貯蔵部112は、ピラミッドの部屋の「王の間」の修復が完了している場合は1.1の倍率、「魔術4」の効果が発生しているターンの場合は1.5の倍率を適用して、S206で算出した減少分を増幅して貯蔵点を算出する。また、ポイント貯蔵部112は、仮選択した練習場所にレジェンド秘宝「L2」が存在する場合は、吸収の効果を2倍にすべく、S208で算出した経験点を2倍にする。ポイント貯蔵部112は、算出結果の情報をゲーム状況データDT108に記憶する。
【0309】
S210では、制御部110は、仮選択した練習場所に、放出状態の秘宝が存在するか否かを判断する。S210でYESの場合はS212に進み、NOの場合は
図28のS132に進む。
S212では、制御部110は、仮選択した練習で獲得できる経験点の種類が、仮選択した練習場所にある「放出状態の秘宝」の放出の対象か否かを判断する。この判断の際には、
図15に例示する秘宝テーブルTBL102の「経験点の種類」フィールドの情報が参照される。S212でYESの場合はS214に進み、NOの場合は
図28のS132に進む。
S214では、制御部110のポイント放出部113は、対象の「放出状態の秘宝」の効果によって、放出する貯蔵点の量を算出する。この場合、ポイント放出部113は、その練習で付与すべき経験点の種類毎に、放出する貯蔵点を算出する。また、ポイント放出部113は、対象の「放出状態の秘宝」が複数存在する場合は、それぞれについて、放出する貯蔵点を算出する。この算出の際には、
図15に例示する秘宝テーブルTBL102の「経験点」フィールドの情報が参照される。
【0310】
S216では、ポイント放出部113は、S214で算出した放出する貯蔵点に基づいて、ユーザに付与すべき経験点に加算する経験点を算出する。この算出の際には、
図15に例示する秘宝テーブルTBL102の「倍率」フィールドの情報が参照される。倍率が1よりも大きい場合は、S214で算出した放出する貯蔵点を増幅して加算する経験点を算出する。また、ポイント放出部113は、ピラミッドの部屋の「外壁」の修復が完了している場合は1.1の倍率、「魔術5」の効果が発生しているターンの場合は2.0の倍率を適用して、S214で算出した放出する貯蔵点を増幅して加算する経験点を算出する。また、ポイント放出部113は、仮選択した練習場所にレジェンド秘宝「L2」が存在する場合は、放出の効果を2倍にすべく、S216で算出した経験点を2倍にする。ポイント放出部113は、算出結果の情報をゲーム状況データDT108に記憶する。
【0311】
図28に戻って説明を続ける。S132では、制御部110は、
図16等の練習画面G900を表示部20に表示する。この場合、制御部110は、仮選択した練習場所の練習画面G900を表示する。具体的に、制御部110は、仮選択した選択肢に近接した位置に矢印P510を表示する。また、制御部110は、仮選択した選択肢の練習に関連付けられたチームメイトを表示する。具体的には、制御部110は、関連付けデータDT107に記憶された練習/チームメイト関連情報に基づいてチームメイトを表示すると共に、主人公キャラクタデータDT10に基づいてチームメイトの評価値を表示する。なお、選択肢の練習に関連付けられたチームメイトに得意練習がある場合には、チームメイトに近接した位置に得意練習を表示する。また、制御部110は、仮選択された選択肢の練習をユーザが確定させた場合に付与すべき経験点を表示領域A502に表示する。この表示領域A502には、S200で算出された付与すべき経験点が表示される。また、制御部110は、表示領域A906および表示領域A907に、S130の経験点・貯蔵点の算出処理の結果を反映させた、吸収および/または放出の効果を表示する。
【0312】
練習画面G900において、ユーザによって仮選択する練習を変更する操作(すなわち、仮選択している練習とは異なる練習を選択する操作)が行われた場合(S134でYES)、S128に戻って、S128~S132が再度実行される。また、ピラミッドボタンP902が選択された場合(S136でYES)、
図30のS300に進む。また、仮選択中の練習を再度選択することにより練習を確定する操作が行われた場合(S138でYES)、
図31のS142に進む。また、戻るボタンP504が選択された場合(S140でYES)、
図28のS116に戻る。
【0313】
ここで、メイン画面でピラミッドコマンドの選択肢P809が選択された場合、または練習画面でピラミッドボタンP902が選択された場合について、
図30に例示するフローチャートを参照して以下に説明する。
S300では、制御部110は、
図18に例示するピラミッド画面G1000を表示部20に表示する。ピラミッドの各部屋を示すパーツP1001~P1006、または各部屋の情報を表示する表示領域A1011~A1016が選択されると(S302でYES)、制御部110は、選択された部屋の詳細情報を「部屋情報ウィンドウ」に表示する(S304)。
メイン画面へ戻るためのボタンP1017が選択されると(S320でYES)、
図28のS116へ戻る。練習画面へ戻るためのボタンP1018が選択されると(S322でYES)、S132へ戻る。
【0314】
また、魔術発動ボタンP1009が選択されると(S306でYES)、制御部110は、
図21に例示する魔術選択画面G1100を表示部20に表示する(S308)。この魔術選択画面G1100において、使用可能な魔術を選択する操作が行われると(S310でYES)、制御部110は、選択された魔術を発動する(S312)。発動した魔術の効果については、
図20に例示する魔術テーブルTBL104が参照される。そして、制御部110は、発動した魔術の情報をゲーム状況データDT108に記憶する。
S314では、制御部110は、使用された魔術に応じて魔力を消費し、ゲーム状況データDT108に記憶されている魔力の情報を更新する。
S316では、制御部110は、使用された魔術の効果が有効な残りターン数を設定し、ゲーム状況データDT108に記憶する。
【0315】
次に、練習画面G900において練習を確定する操作が行われた場合(
図28のS138でYES)について、
図31に例示するフローチャートを参照して以下に説明する。
S142では、制御部110は、確定された練習場所に、秘宝が存在するか否かを判断する。S142でYESの場合はS144に進み、NOの場合はS162に進む。
S144では、制御部110は、確定された練習場所に、秘宝が2つ以上存在するか否かを判断する。S144でYESの場合はS146に進み、NOの場合はS148に進む。S146では、制御部110は、練習場所に秘宝が2つ以上存在する場合の効果として、トレジャータッグイベントを発生させる。
【0316】
S148では、制御部110は、確定された練習場所に、吸収状態の秘宝が存在するか否かを判断する。S148でYESの場合はS150に進み、NOの場合はS152に進む。S150では、制御部110のポイント貯蔵部112は、吸収状態の秘宝に応じた貯蔵処理を実行する。この貯蔵処理については、練習が仮選択されているときに実行されたS206(付与すべき経験点から減少させる量の算出処理)およびS208(加算する貯蔵点の算出処理)において必要な算出処理は済んでいる。よって、ポイント貯蔵部112は、仮選択時に算出済みの情報を用いて貯蔵処理を実行し、確定された練習で付与すべき経験点の少なくとも一部を減少させて、減少分を全種類共通の貯蔵点として貯蔵する。そして、ポイント貯蔵部112は、ゲーム状況データDT108に記憶されている貯蔵点を更新する。
【0317】
S152では、制御部110は、確定された練習場所に、放出状態の秘宝が存在するか否かを判断する。S152でYESの場合はS154に進み、NOの場合はS156に進む。S154では、制御部110のポイント放出部113は、放出状態の秘宝に応じた放出処理を実行する。この放出処理については、練習が仮選択されているときに実行されたS214(放出する貯蔵点の算出処理)およびS216(放出による経験点の加算分の算出処理)において必要な算出処理は済んでいる。よって、ポイント放出部113は、仮選択時に算出済みの情報を用いて放出処理を実行し、貯蔵点の少なくとも一部を放出して、確定された練習で得られる種類の経験点に加算して付与する。そして、ポイント貯蔵部112は、ゲーム状況データDT108に記憶されている貯蔵点を更新する。
【0318】
S156では、制御部110は、確定された練習場所に、修復が完了した秘宝が存在するか否かを判断する。S156でYESの場合はS158に進み、NOの場合はS162に進む。確定された練習場所に、修復が完了した秘宝が存在するということは、修復が完了した秘宝が関連付けられたチームメイトと一緒に練習するということであり、S158の秘宝の返還処理が実行される。この秘宝の返還処理を、
図32に例示するフローチャートを参照して説明する。
S400では、制御部110は、修復が完了した秘宝とチームメイトとの関連付けを解除する。そして、制御部110は、関連付けデータDT107に記憶されている秘宝/チームメイト関連情報を更新する。
S402では、制御部110は、秘宝返還の効果として、返還された秘宝のランクに応じて魔力を回復させる。そして、制御部110は、ゲーム状況データDT108に記憶されている魔力の情報を更新する。
S404では、制御部110は、秘宝返還の効果としてボーナスの経験点を付与する。
S406では、制御部110は、秘宝返還の効果として、ピラミッドの各部屋の修復処理を実行する。ここで、返還された秘宝が「特に欲する秘宝」として関連付けられている部屋は、他の部屋よりも修復度が大きく進む。そして、制御部110は、ゲーム状況データDT108に記憶されているピラミッドの各部屋の修復度を更新する。
【0319】
S408では、制御部110は、修復が完了したピラミッドの部屋が存在するか否かを判断する。S408でYESの場合はS410に進み、NOの場合は
図31のS160に進む。修復が完了したピラミッドの部屋が存在する場合(S408でYES)、制御部110は、修復が完了した部屋に関連付けられた魔術を解放する(S410)。そして、制御部110は、ゲーム状況データDT108に記憶されている解放された魔術の情報を更新する。また、制御部110は、修復が完了した部屋に関連付けられている修復完了後の効果を発動する(S412)。そして、制御部110は、ゲーム状況データDT108に記憶されている修復が完了した部屋の情報および発動した効果の情報を更新する。その後、
図31のS160に進む。
【0320】
S160では、制御部110は、確定された練習場所にある秘宝の修復を実行する。具体的には、確定された練習場所にある秘宝の残り修復ターン数を「1」削減する。なお、トレジャータッグイベントが発生している場合は、制御部110は、各秘宝の残り修復ターン数を「2」削減する。そして、制御部110は、ゲーム状況データDT108に記憶されている各秘宝の修復完了までの残りターン数の情報を更新する。
【0321】
S162では、制御部110は、確定された練習場所に、秘宝発掘アイコンが関連付けられているチームメイトが存在するか否かを判断する。S162でYESの場合はS164に進み、NOの場合はS166に進む。S164では、制御部110は、秘宝発掘イベントを発生させる。すなわち、制御部110は、秘宝発掘アイコンが関連付けられているチームメイトに、秘宝発掘アイコンの種類に応じた秘宝を関連付ける。そして、制御部110は、対象のチームメイトに秘宝を関連付けた秘宝/チームメイト関連情報を生成して、関連付けデータDT107に記憶する。また、制御部110は、チームメイトに関連付けた秘宝の修復ターン数および秘宝のランクを設定し、設定した情報をゲーム状況データDT108に記憶する。
【0322】
S166では、制御部110は、確定された練習を実行する。これにより、制御部110は、練習画面G900の表示領域A502および表示領域A907に表示している経験点を主人公キャラクタに付与する。また、制御部110は、確定された練習に応じて体力を消費させたり、チームメイトの評価値を上げたり、コツイベントが発生していればコツを取得させたりする。そして、制御部110は、練習結果を主人公キャラクタデータDT106に反映させる。
【0323】
その後は
図33のS168へ移行する。S168では、制御部110は、前述のS112と同様に、後イベントを発生させるか否かを判定する。すなわち、制御部110がイベント発生抽選を行い、当選した場合に後イベントを発生させる。この判定の結果、後イベントを発生させない場合はS172に進み、後イベントを発生させる場合はS170に進む。なお、後イベントの発生条件については前イベントと同様である。
【0324】
S170では、制御部110は抽選で当選したイベントを発生させる。具体的には制御部110は、そのイベントのストーリーに応じた画面を生成して表示部20に表示する。このとき、前イベントと同様に、主人公キャラクタに対して経験点を付与したり、体力を回復させたり、そのイベントで登場するイベントキャラクタの主人公に対する評価値を上げたり、主人公キャラクタの「やる気」を変化させたりするよう、制御部110は主人公キャラクタデータDT106の更新を行う。なお、第4セクションの所定のターンでは、後イベントとして野球の試合(予選または甲子園の試合)が発生する。この場合には、制御部110は試合の勝敗に係る情報をゲーム状況データDT108として更新する。
【0325】
S172では、制御部110はターン終了処理を行う。具体的には、制御部110は、主人公キャラクタの体力を一定量回復させるよう、主人公キャラクタデータDT106を更新したり、次のターンへ移行するためにゲーム状況データDT108を更新したりする。また、制御部110は、使用中の魔術の効果が有効な残りターン数を「1」削減して、ゲーム状況データDT108を更新する。
S174では、制御部110は現在のターンが各セクションの最後のターンであるか否かを判定する。最後のターンの場合にはS176に進み(S174でYES)、最後のターンではない場合には
図27のS104に戻る(S174でNO)。なお、第4セクションの途中で試合に負けて敗退となった場合には、強制的に第4セクションは終了するため、現在のターンが最後のターンとなる。なお、試合に勝ち続けて第4セクションの第15ターンまで進行した場合も最後のターンとなる。
【0326】
S176では、制御部110はは現在のセクションが最後のセクションであるか否かを判定する。最後のセクションである場合にはS178に進む。一方、最後のセクションではない場合には、制御部110はそのセクションが終了した旨の画面を表示部20に表示し、次のセクションへ移行するためにゲーム状況データDT108を更新して
図27のS102に戻る。
【0327】
S178では、制御部110は、育成モードの終了処理を行う。具体的には、まず、制御部110は、
図9に示したような主人公キャラクタの基本能力を上昇させるための設定画面G600を表示部20に表示する。つまり、ユーザに対して、保持している残りの経験点をすべて基本能力の向上および特殊能力の取得のために消化させることを促す。そして、ユーザの操作により、残りの経験点が基本能力および特殊能力のために消化されると、制御部110は、最終的に決定される主人公キャラクタの能力として主人公キャラクタデータDT106の更新を行い、育成パートであるシナリオを終了させる。
【0328】
[5.まとめ]
以上に説明した実施形態に係るゲームシステム1では、練習に応じて得られるはずの種類の経験点の少なくとも一部を、全種類に共通の貯蔵点として貯蔵しておくことができる。また、ユーザの操作に基づいて、貯蔵している貯蔵点の少なくとも一部を放出することで経験点を取り出せる。よって、練習でユーザの所望する種類以外の経験点を獲得する場合でも、種類に依らない貯蔵点として貯蔵しておける。これにより、獲得できる経験点の種類に依らず、経験点をより多く獲得できる等の条件のよいゲーム進行を選択し易くなり、ゲームの興趣性の向上が図れる。
【0329】
また、本実施形態に係るゲームシステム1では、ユーザの任意のタイミングで、貯蔵点の少なくとも一部を放出し、ユーザの操作に応じた種類の経験点として取り出せる(獲得できる)。すなわち、貯蔵時の練習に応じて得られる種類の経験点の少なくとも一部を、種類に依らない共通の貯蔵点として貯蔵しておき、ユーザの任意のタイミングで貯蔵点の少なくとも一部を放出することにより、ユーザの所望する別の種類の経験点として獲得することが可能となる。換言すれば、練習の実行時に、その練習に対応付けられた種類の経験点が割り振られて付与されたが、その少なくとも一部を種類に関係のない貯蔵点として貯蔵すれば、放出時に貯蔵時とは異なる種類の経験点として割り振り直すことができるということである。これにより、ユーザの経験点の種類の割り振りの自由度を増すことができ、よりユーザの意図したキャラクタの育成が可能となる。
【0330】
[6.変形例]
本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。
【0331】
[6-1]以上では、貯蔵点を放出するためには、秘宝を放出状態にする魔術が必要であり、魔術を使用するためには魔力が足りている必要がある。バリエーションとしては、魔術の使用条件としての魔力をなくし、ユーザが任意のタイミングで秘宝を放出状態にする魔術を使用できるようにしてもよい。
[6-2]また、秘宝を放出状態にする魔術を使用せずとも、ユーザが任意のタイミングで貯蔵点を放出できるようにしてもよい。例えば、練習とは独立した放出操作を可能とし、放出操作が行われた場合には、ターンの消費なしに(又はターンの消費を伴って)、ユーザが指定した種類の経験点を、ユーザが指定した量だけ、貯蔵点からいつでも取り出せる(獲得できる)ようにしてもよい。
例えば、
図9または
図10に例示する、経験点を消費して育成対象のキャラクタの能力パラメータを変更するための設定画面において、放出操作を可能とし、ユーザが指定した種類の経験点を、ユーザが指定した量だけ、貯蔵点から取り出せるようにしてもよい。すなわち、
図9または
図10に例示する設定画面をユーザが見ながら、放出対象の経験点の種類および量を指定できる前記放出操作を可能としてもよい。この場合、
図9または
図10の表示領域A603には、現在獲得している種類毎の経験点が表示されているが、前記放出操作により貯蔵点から取り出された種類の経験点が加算されて、表示領域A603に表示される。
また、ユーザが所持している特定のアイテムを使用する等の所定の条件を満たした場合に限り(例えば、ゲーム開始時に特定のアイテムを使用する設定をした場合に限り)、上記の練習とは独立した放出操作を可能としてもよい。
[6-3]以上では、「魔術7」以外の魔術「魔術1」~「魔術6」は、対応するピラミッドの部屋の修復が完了するという条件を満たさなければ使用できないようになっているが、その全部または一部の魔術については当該条件をなくし、ユーザが任意のタイミングで任意の魔術を使用できるようにしてもよい。この場合、例えば、ゲーム開始時に特定のアイテムを使用する設定をした(ユーザが所持している特定のアイテムをゲーム開始時に持ち込んだ)等の所定の条件を満たした場合に限り、ゲーム開始から任意の魔術が使用できるようにしてもよい。
[6-4]以上では、イベントキャラクタだけではなく、マミーモブにもレア秘宝およびレジェンド秘宝の関連付けが可能となっているが、マミーモブに関連付けられる秘宝は普通の秘宝のみに限定してもよい。これによりイベントキャラクタの価値が高まる。
また、秘宝が関連付けられ得るチームメイトを、イベントデッキに設定されたイベントキャラクタのみに限定してもよい(マミーモブへの秘宝の関連付けをなくしてもよい)。
[6-5]以上では、あるターンで発生した秘宝発掘イベントによってチームメイトに秘宝が関連付けられた場合、当該秘宝が関連付けられたことによる効果は、次ターン以降に生じるようになっている。バリエーションとしては、秘宝発掘イベントが発生したターンでも、秘宝が関連付けられたことによる効果が生じるようにしてもよい。
[6-6]以上では、秘宝が関連付けられたチームメイトと一緒に練習する(換言すれば、秘宝が関連付けられたチームメイトが関連付けられている練習を選択する)ことにより、秘宝の修復が行われ、残り修復ターン数が1つ削減されるように構成されている。バリエーションとしては、秘宝が関連付けられたチームメイトと一緒に練習するか否かに関わらず、ターンを消費するだけで、秘宝の修復が行われ、残り修復ターン数が1つ削減されるようにしてもよい。この場合、秘宝毎に定められた修復ターン数のターンを消費すれば、秘宝の修復は完了する。
[6-7]以上では、秘宝が2つ以上ある練習場所でトレジャータッグイベントが発生すると、当該2つ以上の秘宝の修復が1回の練習で2ターン進むように構成されている。バリエーションとしては、トレジャータッグイベントが発生すると、当該イベントを発生させた対象の秘宝の数が多いほど、対象の秘宝の修復の進行ターン数が多くなるようにしてもよい。例えば、秘宝数2~3個で対象の秘宝の修復が2ターン進行し、秘宝数4~5で修復が対象の秘宝の3ターン進行し、秘宝数6(以上)で対象の秘宝の修復が4ターン進行するようにしてもよい。
【0332】
[6-8]以上では、野球ゲームの例について主に説明したが、本発明は他のゲームにも適用できる。例えば、他のスポーツゲーム(サッカー、テニス、アメリカンフットボール、バスケットボール、アイスホッケー、バレーボール、ラグビー等を題材としたゲーム)、格闘ゲーム、戦闘ゲーム、デジタルカードゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、アドベンチャーゲーム又は育成ゲームのように、ゲーム形式・ジャンルを問わず、「ゲームの進行に応じて、複数の種類に区分されたポイントのうちの少なくとも1つの種類のポイントが付与されるゲーム」なら様々なゲームに適用できる。
【0333】
[6-9]ゲーム端末10とサーバ30は、互いに通信して各種データの送受が可能であり、共にCPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信部等を備えた情報処理装置(コンピュータ)であって、基本的には同様のハード構成を有する。よって、以上に説明した各種機能の一部をゲーム端末10のCPU11によって実現し、残りをサーバ30のCPU31によって実現してもよい。又は、以上に説明した各種機能のすべてをゲーム端末10のCPU11によって実現してもよい。あるいは、以上に説明した各種機能のすべてをサーバ30のCPU31によって実現してもよい。
【0334】
[6-10]各種情報を記憶装置に記憶する記憶制御機能を有する構成に関し、記憶装置そのものについては当該構成に含まれないので、ゲームシステム1の内外を問わず、どこに設置されていてもよい。例えば、記憶装置は、ゲームシステム1内の記憶装置(例えば、RAM13、補助記憶装置14、RAM33、補助記憶装置34、データベースDB等)、あるいはこれらとは別構成のファイルサーバ(オンラインストレージ)等であってもよい。
【0335】
[6-11]本実施の形態に係るコンピュータ読み取り可能なプログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD-ROM、DVD-ROM等)、フレキシブルディスク、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてゲームシステム1又はゲーム制御装置を構成するコンピュータのCPUにより実行される。また、プログラムをコンピュータに提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、インターネット等の通信ネットワークを介して行うこともできる。
【0336】
[7.付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0337】
1)本発明の一態様に係るゲームシステム(1)は、ゲームの進行に応じて、複数の種類に区分されたポイント(例えば経験点)のうちの少なくとも1つの種類のポイントが付与されるゲームを提供するものであって、ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイントの種類および量を決定(S200)するポイント付与手段(111)と、ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイントの少なくとも一部を減少させて、減少分を前記ポイントの全種類に共通の貯蔵ポイントとして貯蔵する貯蔵処理(S206、S208、S150)を実行するポイント貯蔵手段(112)と、ユーザの操作に基づいて、前記ポイント貯蔵手段(112)によって貯蔵されている前記貯蔵ポイントの少なくとも一部を放出してユーザに付与する放出処理(S214、S216、S154)を実行するポイント放出手段(113)と、を含む。
【0338】
14)本発明の一態様に係るゲーム制御装置(10又は30)は、ゲームの進行に応じて、複数の種類に区分されたポイント(例えば経験点)のうちの少なくとも1つの種類のポイントが付与されるゲームを提供するものであって、ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイントの種類および量を決定(S200)するポイント付与手段(111)と、ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイントの少なくとも一部を減少させて、減少分を前記ポイントの全種類に共通の貯蔵ポイントとして貯蔵する貯蔵処理(S206、S208、S150)を実行するポイント貯蔵手段(112)と、ユーザの操作に基づいて、前記ポイント貯蔵手段(112)によって貯蔵されている前記貯蔵ポイントの少なくとも一部を放出してユーザに付与する放出処理(S214、S216、S154)を実行するポイント放出手段(113)と、を含む。
【0339】
15)本発明の一態様に係るプログラムは、1)~13)のいずれかに記載のゲームシステム(1)、又は、14)に記載のゲーム制御装置(10又は30)としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0340】
16)本発明の一態様に係る情報記憶媒体は、15)に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0341】
17)本発明の一態様に係るゲームシステム(1)又はゲーム制御装置(10又は30)の制御方法は、ゲームの進行に応じて、複数の種類に区分されたポイント(例えば経験点)のうちの少なくとも1つの種類のポイントが付与されるゲームを提供するゲームシステム(1)又はゲーム制御装置(10又は30)を制御する方法であって、ゲームの進行に応じて(例えば練習の実行により)付与すべき前記ポイントの種類および量を決定するポイント付与ステップ(S200)と、ゲームの進行に応じて付与すべき前記ポイントの少なくとも一部を減少させて、減少分を前記ポイントの全種類に共通の貯蔵ポイントとして貯蔵する貯蔵処理を実行するポイント貯蔵ステップ(S206、S208、S150)と、ユーザの操作に基づいて、前記ポイント貯蔵ステップによって貯蔵されている前記貯蔵ポイントの少なくとも一部を放出してユーザに付与する放出処理を実行するポイント放出ステップ(S214、S216、S154)と、を含む。
【0342】
上記1)、14)~17)に記載の態様によれば、ゲームの進行に応じて得られるはずの種類のポイントの少なくとも一部を、全種類に共通の貯蔵ポイントとして貯蔵しておくことができる。また、ユーザの操作に基づいて、貯蔵している貯蔵ポイントの少なくとも一部を放出することでポイントを取り出せる。よって、ゲームの進行に応じてユーザの所望する種類以外のポイントを獲得する場合でも、種類に依らない貯蔵ポイントとして貯蔵しておける。これにより、獲得できるポイントの種類に依らず、ポイントをより多く獲得できる等の条件のよいゲーム進行を選択し易くなり、ゲームの興趣性の向上が図れる。
【0343】
2)本発明の一態様では、上記1)または14)に記載の態様において、前記ポイント放出手段(113)は、ユーザの操作に基づいて、前記ポイント貯蔵手段(112)が貯蔵している前記貯蔵ポイントの少なくとも一部を、当該操作に応じた種類の前記ポイントとしてユーザに付与する前記放出処理を実行するようにしてもよい。
【0344】
上記2)に記載の態様によれば、ゲーム進行に応じて得られる種類のポイントの少なくとも一部を全種類共通の貯蔵ポイントとして貯蔵しておき、ユーザの操作に基づいて、放出時には貯蔵時とは別の種類のポイントとして取り出すことができる。つまり、全種類共通の貯蔵ポイントを介して、ポイントの種類を割り振り直すことが可能となる。これにより、ユーザのポイントの種類の割り振りの自由度が増す。
【0345】
3)本発明の一態様では、上記1)または2)に記載の態様において、前記ポイント放出手段(113)は、所定の放出可能条件を満たした場合(例えば魔術を使用して貯蔵ポイントを放出可能な状態にした場合)に、前記放出処理を実行可能とするようにしてもよい。
【0346】
上記3)に記載の態様によれば、貯蔵ポイントを放出して獲得するためには、所定の放出可能条件を満たすことが要求され、これによりゲーム性を高めることができる。
【0347】
4)本発明の一態様では、上記1)ないし3)の何れかに記載の態様において、前記ゲームは、複数の選択肢(例えば複数の練習)の中からユーザが選択肢を選択する操作をすることで進行するゲームであり、前記貯蔵処理または前記放出処理を可能とする第1ゲーム要素(例えば秘宝)をオブジェクト(例えばチームメイト)に関連付ける関連付け手段(114)をさらに含み、前記第1ゲーム要素が関連付けられた前記オブジェクトが関連付けられている前記選択肢が選択された場合に、前記ポイント貯蔵手段(112)による前記貯蔵処理または前記ポイント放出手段(113)による前記放出処理が実行されるようにしてもよい。
【0348】
上記4)に記載の態様によれば、選択肢を選択しながら進行するゲームにおいて、前記貯蔵処理または前記放出処理を実行するには、第1ゲーム要素が関連付けられたオブジェクトが関連付けられている選択肢を選択することが要求され、これによりゲーム性をさらに高めることができる。
【0349】
5)本発明の一態様では、上記4)に記載の態様において、前記第1ゲーム要素(例えば秘宝)には、少なくとも第1状態(例えば吸収状態)と第2状態(例えば放出状態)とをとり得るものがあり、前記ポイント貯蔵手段(112)は、前記第1状態の前記第1ゲーム要素が関連付けられた前記オブジェクト(例えばチームメイト)が関連付けられている前記選択肢が選択された場合に、前記貯蔵処理を実行し、前記ポイント放出手段(113)は、前記第2状態の前記第1ゲーム要素が関連付けられた前記オブジェクトが関連付けられている前記選択肢が選択された場合に、前記放出処理を実行するようにしてもよい。
【0350】
上記5)に記載の態様によれば、前記貯蔵処理を実行するには、第1状態の第1ゲーム要素が関連付けられたオブジェクトが関連付けられている選択肢を選択することが要求される。また、前記放出処理を実行するには、第2状態の第1ゲーム要素が関連付けられたオブジェクトが関連付けられている選択肢を選択することが要求される。これにより、ゲーム性をさらに高めることができる。
【0351】
6)本発明の一態様では、上記5)に記載の態様において、ユーザの操作(例えば魔術を使用する操作)に基づいて、前記オブジェクト(例えばチームメイト)に関連付けられた前記第1ゲーム要素(例えば秘宝)の状態を前記第1状態(例えば吸収状態)と前記第2状態(例えば放出状態)との間で変更する変更手段(115)をさらに含むようにしてもよい。
【0352】
上記6)に記載の態様によれば、ユーザの操作に基づいて第1ゲーム要素の状態を変更することで、前記貯蔵処理を実行するのか前記放出処理を実行するのかを任意に切り替えることができるようになる。これにより、ゲーム性をさらに高めることができる。
【0353】
7)本発明の一態様では、上記4)ないし6)の何れかに記載の態様において、前記第1ゲーム要素(例えば秘宝)には複数の種類があり、前記オブジェクト(例えばチームメイト)に関連付けられる前記第1ゲーム要素の種類によって、前記貯蔵処理における貯蔵の対象となる前記ポイントの種類または貯蔵される前記貯蔵ポイントの量の少なくとも一方が異なるようにしてもよい。
【0354】
上記7)に記載の態様によれば、オブジェクトに関連付けられる第1ゲーム要素の種類によって、貯蔵の際の効果(貯蔵の対象となるポイントの種類または貯蔵される貯蔵ポイントの量)にバリエーションを持たせることができ、ゲーム性をより高めることができる。
【0355】
8)本発明の一態様では、上記4)ないし7)の何れかに記載の態様において、前記第1ゲーム要素(例えば秘宝)には複数の種類があり、前記オブジェクト(例えばチームメイト)に関連付けられる前記第1ゲーム要素の種類によって、前記放出処理においてユーザに付与される前記ポイントの種類または付与される前記ポイント量の少なくとも一方が異なるようにしてもよい。
【0356】
上記8)に記載の態様によれば、オブジェクトに関連付けられる第1ゲーム要素の種類によって、放出の際の効果(放出により付与されるポイントの種類または付与されるポイント量)にバリエーションを持たせることができ、ゲーム性をより高めることができる。
【0357】
9)本発明の一態様では、上記4)ないし8)の何れかに記載の態様において、前記関連付け手段(114)は、所定の解除条件を満たした場合(例えば秘宝の修復を完了した場合)に、前記第1ゲーム要素(例えば秘宝)と前記オブジェクト(例えばチームメイト)との関連付けの解除を行い、前記関連付け手段(114)による前記関連付けの解除に基づいて、第2ゲーム要素(例えばピラミッドの部屋)の達成度(例えば修復度)を向上させる達成度管理手段(116)をさらに含むようにしてもよい。
【0358】
上記9)に記載の態様によれば、所定の解除条件を満たして第1ゲーム要素とオブジェクトとの関連付けを解除すれば、第2ゲーム要素の達成度を向上させることができ、ゲーム性をより高めることができる。
【0359】
10)本発明の一態様では、上記9)に記載の態様において、前記第2ゲーム要素(例えばピラミッドの部屋)の前記達成度(例えば修復度)が所定の基準に達した場合に、ゲーム上の効果(例えば魔術の解放)を発生させる効果発生手段(117)をさらに含むようにしてもよい。
【0360】
上記10)に記載の態様によれば、第2ゲーム要素の達成度が所定の基準に達すれば、ゲーム上の効果が発生するので、ゲーム性をより高めることができる。
【0361】
11)本発明の一態様では、上記1)ないし10)の何れかに記載の態様において、前記ポイント貯蔵手段(112)は、所定の貯蔵時増加条件を満たしている場合(例えば所定の魔術を使用している場合、所定の種類の秘宝がチームメイトに関連付けられている場合)には、前記減少分の前記ポイント(例えば経験点)を前記貯蔵ポイントとして貯蔵する際の当該貯蔵ポイントを、前記貯蔵時増加条件を満たしていない場合よりも増加させるようにしてもよい。
【0362】
上記11)に記載の態様によれば、貯蔵時増加条件を満たしていれば、獲得できるポイントの少なくとも一部を貯蔵する際に貯蔵ポイントが増加するので、貯蔵のメリットがより高まる。
【0363】
12)本発明の一態様では、上記1)ないし11)の何れかに記載の態様において、前記ポイント放出手段(113)は、所定の放出時増加条件を満たしている場合(例えば所定の魔術を使用している場合、所定の種類の秘宝がチームメイトに関連付けられている場合)には、前記貯蔵ポイントの少なくとも一部を放出して前記ポイント(例えば経験点)としてユーザに付与する際の当該ポイントを、前記放出時増加条件を満たしていない場合よりも増加させるようにしてもよい。
【0364】
上記12)に記載の態様によれば、放出時増加条件を満たしていれば、貯蔵ポイントの少なくとも一部を放出する際に獲得できるポイントが増加するので、貯蔵および放出のメリットがより高まる。
【0365】
13)本発明の一態様では、上記1)ないし3)の何れかに記載の態様において、前記ゲームはオブジェクト(例えばキャラクタ)が用いられるゲームであり、ゲーム上の効果を発生させ得るゲーム要素(例えば秘宝、属性、効果情報)を前記オブジェクトに関連付ける関連付け手段(114)をさらに含み、前記ゲーム要素には発生させ得るゲーム上の効果が異なる複数の種類があり、前記関連付け手段(114)は、前記ゲームの開始から終了までの間に、同一の前記オブジェクトに関連付ける前記ゲーム要素の種類を変化させ得るようにしてもよい。
【0366】
一般的に、オブジェクトに関連付けられる属性等のゲーム要素は、ゲームの進行途中で変わることはない。これに対して上記13)に記載の態様によれば、ゲームの開始から終了までの間に、同一の前記オブジェクトに関連付けられるゲーム要素が変化することで、ゲームの進行途中でゲーム上の効果に変化を生じさせることができる。これにより、ゲーム性をさらに高めることができる。
【符号の説明】
【0367】
1…ゲームシステム、N…ネットワーク、DB…データベース、10…ゲーム端末、11…CPU、13…RAM、14…補助記憶装置、20…表示部、30…サーバ、31…CPU、33…RAM、34…補助記憶装置、100…データ記憶部、110…制御部、111…ポイント付与部、112…ポイント貯蔵部、113…ポイント放出部、114…関連付け部、115…変更部、116…達成度管理部、117…効果発生部、TBL101…秘宝発掘アイコン抽選テーブル、TBL102…秘宝テーブル、TBL103…ピラミッドの部屋テーブル、TBL104…魔術テーブル、DT105…イベントデッキデータ、DT106…主人公キャラクタデータ、DT107…関連付けデータ、DT108…ゲーム状況データ