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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075955
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】巻き取り式スライダー
(51)【国際特許分類】
   B65G 7/02 20060101AFI20230525BHJP
【FI】
B65G7/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189057
(22)【出願日】2021-11-20
(71)【出願人】
【識別番号】519354854
【氏名又は名称】ジャロックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145425
【弁理士】
【氏名又は名称】大平 和由
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 力丸
(57)【要約】
【課題】軽量で運搬容易であり、保管時の省スペース性を大幅に向上させるとともに多方向への移送を可能とする巻き取り式スライダーを提供する。
【解決手段】物品3の移送方向に等間隔に配列された複数のスライダー(ドームタイプ)1aを有する巻き取り式スライダー10であって、略長方形のシート2の表面2aに複数のスライダー1aの底部2dが接合されており、展開時の形状において、シート2の表面2aに、複数のスライダー1aが、シート2の辺2cの方向に全長に亘って等間隔Eで隣接して接合され、収納時の形状において、シート2は複数のスライダー1aが表面2aに接合された態様で、辺2bと平行な軸Sを中心として渦巻き状に巻き取られる形状となる。スライダー1aは一方の辺2bと垂直な断面形状Aにおいて、弦1iを有する略半楕円形状であり、物品3とスライダー1aとはすべり運動であって物品の回転やそれを伴う斜向移送が問題なく行える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の移送方向に等間隔に配列された複数のスライダーを有する巻き取り式スライダーであって、
略長方形のシートの表面に上記複数のスライダーの底部が接合されており、
展開時の形状において、
平面状の上記シートの表面に、上記移送方向と垂直なシートの一方の辺の長さと略等しい長さを有する上記複数のスライダーが、上記シートの他方の辺の方向に全長に亘って等間隔で隣接して接合されており、
収納時において、
上記シートは上記複数のスライダーが上記表面に接合された態様で、上記一方の辺と平行な軸を中心として渦巻き状に巻き取られる形状となる、
ことを特徴とする巻き取り式スライダー。
【請求項2】
上記スライダーは、上記一方の辺と垂直な断面形状において下向きの弦を有する略半楕円形状である、ことを特徴とする請求項1に記載の巻き取り式スライダー。
【請求項3】
上記スライダーは、上記一方の辺と垂直な断面形状において下向きの弦を有する略半楕円形状であって、上記スライダーの表面の全面又は一部に複数の突起を有している、ことを特徴とする請求項1に記載の巻き取り式スライダー。
【請求項4】
上記スライダーは、上記一方の辺と垂直な断面形状において、下向きの弦を有する略半楕円形状であって、上記スライダーの最上部には、上記一方の辺と平行に全長に亘る凹部と、該凹部の全長に亘り回転可能に嵌合されたコロとを有していることを特徴とする、請求項1に記載の巻き取り式スライダー。
【請求項5】
上記スライダーは、上記一方の辺と垂直な断面形状において、下向きの弦を有する略半楕円形状であって、上記スライダーの最上部には、上記一方の辺の中央部に配設された凹部と、該凹部に回転可能に嵌合された球体とを有していることを特徴とする、請求項1に記載の巻き取り式スライダー。
【請求項6】
上記スライダーは、該スライダーの底部と上記シートとの接合部において接着剤を用いて接合されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の巻き取り式スライダー。
【請求項7】
上記巻き取り式スライダーは上記シートを具備せず、上記スライダーは、各々隣接する該スライダーの底部において、両端にヒンジ部を有する連結部品によって連結され、収納時において、上記スライダー同士の連結体は上記一方の辺と平行な軸を中心として渦巻き状に巻き取られる形状となることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の巻き取り式スライダー。
【請求項8】
上記巻き取り式スライダーは上記シートを具備せず、上記スライダーは、各々隣接する該スライダーの底部において、各スライダーが有する先端にヒンジ部を有する連結用リブによって連結され、収納時において、上記スライダー同士の連結体は上記一方の辺と平行な軸を中心として渦巻き状に巻き取られる形状となることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の巻き取り式スライダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻き取り式スライダーに関する。
【背景技術】
【0002】
物品の近距離移送作業に使用される機器として代表的なものにコンベアがある。
コンベアには移送部の種類としてベルトコンベア、チェーンコンベア、ローラーコンベア等があり、駆動方式の種類としてフリーコンベア、電動コンベア、アキュームコンベア等がある。材質もスチール、アルミ、ステンレス、樹脂等様々のものがある。またコンベアによる搬送方式もパレット搬送、ケース搬送、バラ搬等いくつかの方式がある。
【0003】
多種多様のコンベアが用途に応じて使用されているが、近距離移送作業の効率化、安全確保に非常に貢献している装置である。コンベアがなければ人力による移送となり、重量物を抱えての往復運動を何度も行わざるを得なくなる。
このように多くの現場で活用されているコンベアであるが、構造的に大きな問題点がある。
一つはコンベア自体の運搬が困難だということである。コンベアは基本的に固定設備であり、駆動装置を必要としているため重量物であって、運搬さらには移送作業現場での設置作業も容易ではない。さらに、収納時に多くの保管スペースを占有するという問題もあり、上記のコンベアのベルトコンベア、チェーンコンベアでは折りたたむことなどはできない。ローラーコンベアの中でフリーコンベアだけは駆動装置がなく折りたたむことは可能だが大きな省スペースは望めない。
もう一つはコンベアによる移送機能の制約である。すなわち、A地点からB地点を直線で結ぶ一方向の移送しかできず、枝分かれした多くの方向に移送したり、曲がった経路を移送したりすることが困難な点である。
【0004】
上記コンベアの保管スペースの問題に対しては、省スペース化のための技術として収納式のコンベアが提案されており、特許文献1もその一例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭53-82086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の収納式のコンベアでは現場に持ち込む際の搬送作業時の負担は重量的にもスペース的にも依然として大きく、保管時の省スペースの問題も十分に解決しているとは言えない。また、他の従来技術として伸縮式コンベア(図6参照方)が知られているが、同様の問題点がある。
さらに、現場作業の様々の条件に合わせて適切なサイズ、駆動方式のコンベアを準備しておく、ということは困難である。結局のところコンベアには上記運搬性、省スペース性とともに、一方向にしか移送できないという機能を拡大して現場の種々の条件に合わせられる機動性が求められていた。
【0007】
本発明はコンベアにおける上記種々の問題を解決して、必要な時に必要な場所に設置することができ、保管時の省スペース性を大幅に向上させるとともに、移送作業現場の条件に機動的に対応して多方向に自由に搬送できる、軽量、コンパクトで機動的な巻き取り式スライダーを提供することを課題とする。
この課題の解決のためには、従来のコンベアが採用していた運動、すなわち装置自体の一部(ベルト、チェーン、ローラー)と物品の移動を同期させる運動に依存しているため、装置の駆動を省略できないという根本を考え直す必要があった。これらの装置においては物品と装置の間にすべり運動は発生しないのであるが、あえて装置上をすべらせる移送を行わせることで上記種々の問題を解決するというアプローチを試みたのが本発明の骨子である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、物品の移送方向に等間隔に配列された複数のスライダーを有する巻き取り式スライダーであって、略長方形のシートの表面に複数のスライダーの底部が接合されており、展開時の形状において、平面状のシートの表面に、移送方向と垂直なシートの一方の辺の長さと略等しい長さを有する複数のスライダーが、シートの他方の辺の方向に全長に亘って等間隔で隣接して接合されており、収納時において、シートは複数のスライダーが表面に接合された態様で、一方の辺と平行な軸を中心として渦巻き状に巻き取られる形状となることを特徴とする。
請求項2の発明は、さらに、スライダーは一方の辺と垂直な断面形状において下向きの弦を有する略半楕円形状であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、スライダーは一方の辺と垂直な断面形状において下向きの弦を有する略半楕円形状であって、スライダーの表面の全面又は一部に複数の突起を有していることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、スライダーは一方の辺と垂直な断面形状において、下向きの弦を有する略半楕円形状であって、スライダーの最上部には、一方の辺と平行に全長に亘る凹部と、凹部の全長に亘り回転可能に嵌合されたコロとを有していることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1の発明において、スライダーは、一方の辺と垂直な断面形状において、下向きの弦を有する略半楕円形状であって、スライダーの最上部には、一方の辺の中央部に配設された凹部と、凹部に回転可能に嵌合された球体とを有していることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1~5の発明において、スライダーはスライダーの底部とシートとの接合部において接着剤を用いて接合されていることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1~5の発明において、巻き取り式スライダーはシートを具備せず、スライダーは、各々隣接するスライダーの底部において、両端にヒンジ部を有する連結部品によって連結され、収納時において、スライダー同士の連結体は一方の辺と平行な軸を中心として渦巻き状に巻き取られる形状となることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1~5の発明において、巻き取り式スライダーはシートを具備せず、スライダーは、各々隣接するスライダーの底部において、各スライダーが有する先端にヒンジ部を有する連結用リブによって連結され、収納時において、スライダー同士の連結体は一方の辺と平行な軸を中心として渦巻き状に巻き取られる形状となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、現場への運搬性、保管時の省スペース性を大幅に向上させるとともに、移送作業現場の条件に機動的に対応して多方向への移送を可能とし、作業現場の環境に合わせて対応可能な軽量、コンパクトで機動的な巻き取り式スライダーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態であり、展開して使用される状態を示す斜視図である。
図2】(a)は第1の実施形態の収納時の状態を示す斜視図である。(b)は第5の実施形態の収納時の状態を示す斜視図である。
図3】本発明の第1~第4の実施形態におけるスライダーの断面図であり、(a)はドームタイプの断面形状A、(b)は突起タイプの断面形状B、(c)はコロタイプの断面形状C、(d)は球体タイプの断面形状Dを示す。
図4】本発明の第5、第6の実施形態におけるスライダーの連結体の断面図であり、(a)はスライダーを連結部品で連結したもの、(b)はスライダーを連結用リブで連結したものを示す。
図5】本発明の第1の実施形態において、複数台の巻き取り式スライダーを設置した場合の物品の移送状況を示す概念図である。
図6】従来技術の伸縮式コンベアを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の巻き取り式スライダーの第1の実施形態について図を用いて説明する。まず、本実施形態の構成について説明する。
図1図3に示すように、物品3の移送方向に等間隔Eに配列された複数のスライダー(ドームタイプ)1aを有する巻き取り式スライダー10であって、略長方形のシート2の表面2aに複数のスライダー1aの底部2dが接合されており、展開時の形状において、平面状のシート2の表面2aに、移送方向と垂直なシート2の一方の辺2bの長さと略等しい長さを有する複数のスライダー1aが、シート2の他方の辺2cの方向に全長に亘って等間隔Eで隣接して接合されており、収納時において、シート2は複数のスライダー1aが表面2aに接合された態様で、図2(a)に示すように一方の辺2bと平行な軸Sを中心として渦巻き状に巻き取られる形状となる。
【0012】
図3(a)に示すように、スライダー1aは一方の辺2bと垂直な断面形状Aにおいて下向きの弦1iを有する略半楕円形状である。
スライダー1aは底部1rとシート2との接合部2dにおいて接着剤を用いて接合されている。
本実施形態ではスライダー1aの材質として軽量化を重視して樹脂を採用しているが、搬送する物品や作業環境等の搬送条件によっては金属、木材その他の材料を採用してもよい。この点は以下の他の実施形態でも同様である。
【0013】
次に、本発明の巻き取り式スライダーの第2の実施形態の構成について説明する。
本実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様であるが、図3(b)に示すように、スライダー(突起タイプ)1bは一方の辺2bと垂直な断面形状Bにおいて下向きの弦1iを有する略半楕円形状であって、スライダー1bの表面1jの全面に複数の突起1hを有している。複数の突起1hが表面1jの一部に施されている形態であってもよい。
スライダー1bは底部1rとシート2との接合部2dにおいて接着剤を用いて接合されている。
【0014】
次に、本発明の巻き取り式スライダーの第3の実施形態の構成について説明する。
本実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様であるが、図3(c)に示すように、スライダー(コロタイプ)1cは一方の辺2bと垂直な断面形状Cにおいて、下向きの弦1iを有する略半楕円形状であって、スライダー1cの最上部には、一方の辺2bと平行に全長に亘る凹部1eと、凹部1eの全長に亘り回転可能に嵌合されたコロ1gとを有している。
スライダー1cは底部1rとシート2との接合部2dにおいて接着剤を用いて接合されている。
【0015】
次に、本発明の巻き取り式スライダーの第4の実施形態の構成について説明する。
本実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様であるが、図3(d)に示すように、スライダー1d(球体タイプ)は一方の辺2bと垂直な断面形状Dにおいて、下向きの弦1iを有する略半楕円形状であって、スライダーの最上部には、一方の辺2bの中央部に配設された凹部1sと、凹部1sに回転可能に嵌合された球体1qとを有している。なお、この凹部1sと球体1qとはスライダーの最上部の一方の辺2bにおいて複数個所に配設されていてもよい。
スライダー1dは底部1rとシート2との接合部2dにおいて接着剤を用いて接合されている。
【0016】
次に、本発明の巻き取り式スライダーの第5の実施形態の構成について説明する。
本実施形態では、上記第1~第4の実施形態と異なり、巻き取り式スライダー10はシート2を具備しない。
図4(a)に示すように、スライダー1が各々隣接するスライダー1の底部1rにおいて、両端にヒンジ部1pを有する連結部品1kによって連結され、収納時においては、図2(b)に示すようにスライダー同士の連結体1nは一方の辺と平行な軸Sを中心として渦巻き状に巻き取られる形状となる。連結部品1kの材質としては可撓性を有する樹脂の採用が望ましい。
スライダー1の形状については上記第1~第4の実施形態で説明した4種類の形状のいずれか1つが採用される。図4(a)はスライダー1dでの例を示している。
【0017】
次に、本発明の巻き取り式スライダーの第6の実施形態の構成について説明する。
本実施形態でも上記第1~第4の実施形態と異なり、巻き取り式スライダー10はシート2を具備しない。
図4(b)に示すように、スライダー1が各々隣接するスライダー1の底部1rにおいて、各スライダー1が有する先端にヒンジ部1pを有する連結用リブ1mによって連結され、収納時において、スライダー1同士の連結体1nは一方の辺2bと平行な軸Sを中心として渦巻き状に巻き取られる形状となる。ヒンジ部1pを有する連結用リブ1mの材質としては可撓性を有する樹脂の採用が望ましい。
スライダー1の形状については上記第1~第4の実施形態で説明した4種類の形状のいずれか1つが採用される。図4(b)はスライダー1dでの例を示している。
なお、上記第1~第6のいずれの実施形態においても、スライダー1の上記断面形状の上部の形状は、楕円からさらに平坦な直線形状を採用してもよい。
【0018】
次に、以上説明した第1~第6の実施形態の機能、効果について説明する。
いずれの実施形態においても、巻き取り式スライダーは、必要な時、使用時において平面状に展開して物品の搬送経路に容易に設置することができ、すべり摩擦や転がり摩擦により物品との間の摩擦を低減させたスライダー1a、1b、1c、1dによってスムーズな多方向への物品の搬送を可能にする。
【0019】
本発明の眼目としては、スライダー1a、1bの方である。スライダー1と物品3との接触部を、ドーム形状や突起形状によって極力少なく抑え、上述のように、物品の移送において従来の装置が用いて来なかったすべり運動を採用することを可能とし、人力による移送を容易にしたことで従来の移送装置に必須であった駆動装置を省略し、軽量化を実現した。しかも、装置自体を巻き取ることができるため、必要な時に必要な場所に運搬することが容易となり、収納時の省スぺース化も図れる。
スライダー1c、1dのコロや球体を用いる方式についても転がり運動を利用するとはいえ駆動装置を必要としないので、ほぼ上記と同様の装置軽量化を実現し、運搬性、収納時の省スペース性についても同様の効果を奏する。
【0020】
さらに、いずれの実施形態においても、従来の移送装置と比較して移送作業自体の機動性を向上させる効果を奏するのである。
具体的には、スライダーの各位置での物品の回転移動や、回転を伴う斜め方向の移送が容易に行える。これらは実際の移送作業では要求される機能であるが、従来のローラーコンベアではスムーズにこれを実現させるのは困難であった。各ローラーが全長に亘って同一の回転角度を保たざるを得ず、物品を回転させることによりローラーの回転が止まってしまうからである。
【0021】
本実施形態では物品とスライダーは基本的に点接触ですべり運動であって物品の回転やそれを伴う斜向移送が問題なく行える。さらに、図5に示すように巻き取り式スライダーを幅方向に複数設置することで、物品を全方向に制約なく移動させることも可能となる。これらの効果は、移送に関して摩擦抵抗を低減させる目的で広く採用されているローラーに代表される転がり運動を利用した技術に対し、本発明の巻き取り式スライダーが物品との接点を極力減らした構成ですべり運動を利用した技術を採用したことにより得られるものである。
【0022】
また、作業現場への巻き取り式スライダーの搬送時においては、軽量で、渦巻き状に巻き取られたコンパクトな形状であるため必要な時に必要な場所で運搬、設置が容易であり、作業性、安全性の向上が図れる。
さらに、巻き取り式スライダーの保管時においても、軽量で、コンパクトな収納形態となるため、省スペース性の向上、収納・搬出作業の容易化が図れる。
【0023】
また、本発明の巻き取り式スライダーはスライダーの長さや搬送方向の長さを自由に設計、製作できるため、搬送物品の寸法、搬送経路の状況等に応じて、適切なサイズのものを準備することができる。例えば曲線状の搬送経路に対しても搬送方向の長さの異なる巻き取り式スライダーを組み合わせることで容易に対応することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 スライダー
1a スライダー(ドームタイプ)
1b スライダー(突起タイプ)
1c スライダー(コロタイプ)
1d スライダー(球体タイプ)
1e 凹部
1g コロ
1h 突起
1i 弦
1j 表面
1k 連結部品
1m 連結用リブ
1n 連結体
1p ヒンジ部
1q 球体
1r 底部
1s 凹部
2 シート
2a 表面
2b 一方の辺
2c 他方の辺
2d 接合部
3 物品
10 巻き取り式スライダー
A、B、C、D 断面形状
E 間隔
S 軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の移送方向に等間隔に配列された複数のスライダーを有する巻き取り式スライダー
であって、
略長方形のシートの表面に上記複数のスライダーの底部が接合されており、
展開時の形状において、
平面状の上記シートの表面に、上記移送方向と垂直なシートの一方の辺の長さと略等し
い長さを有する上記複数のスライダーが、上記シートの他方の辺の方向に全長に亘って等
間隔で隣接して接合されており、
収納時において、
上記シートは上記複数のスライダーが上記表面に接合された態様で、上記一方の辺と平
行な軸を中心として渦巻き状に巻き取られる形状となり、
上記スライダーは、上記一方の辺と垂直な断面形状において、下向きの弦を有する略半
楕円形状であって、上記スライダーの最上部には、上記一方の辺と平行に全長に亘る凹部
と、該凹部の全長に亘り回転可能に嵌合されたコロとを有している、
ことを特徴とする巻き取り式スライダー。
【請求項2】
物品の移送方向に等間隔に配列された複数のスライダーを有する巻き取り式スライダー
であって、
略長方形のシートの表面に上記複数のスライダーの底部が接合されており、
展開時の形状において、
平面状の上記シートの表面に、上記移送方向と垂直なシートの一方の辺の長さと略等し
い長さを有する上記複数のスライダーが、上記シートの他方の辺の方向に全長に亘って等
間隔で隣接して接合されており、
収納時において、
上記シートは上記複数のスライダーが上記表面に接合された態様で、上記一方の辺と平
行な軸を中心として渦巻き状に巻き取られる形状となり、
上記スライダーは、上記一方の辺と垂直な断面形状において、下向きの弦を有する略半
楕円形状であって、上記スライダーの最上部には、上記一方の辺の中央部に配設された凹
部と、該凹部に回転可能に嵌合された球体とを有していることを特徴とする、請求項1に
記載の巻き取り式スライダー。
【請求項3】
上記巻き取り式スライダーは上記シートを具備せず、上記スライダーは、各々隣接する
該スライダーの底部において、両端にヒンジ部を有する連結部品によって連結され、収納
時において、上記スライダー同士の連結体は上記一方の辺と平行な軸を中心として渦巻き
状に巻き取られる形状となることを特徴とする、請求項1または2に記載の巻き取り式スライダー。
【請求項4】
上記巻き取り式スライダーは上記シートを具備せず、上記スライダーは、各々隣接する該スライダーの底部において、各スライダーが有する先端にヒンジ部を有する連結用リブによって連結され、収納時において、上記スライダー同士の連結体は上記一方の辺と平行な軸を中心として渦巻き状に巻き取られる形状となることを特徴とする、請求項1または2に記載の巻き取り式スライダー。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、物品の移送方向に等間隔に配列された
複数のスライダーを有する巻き取り式スライダーであって、略長方形のシートの表面に複
数のスライダーの底部が接合されており、展開時の形状において、平面状のシートの表面
に、移送方向と垂直なシートの一方の辺の長さと略等しい長さを有する複数のスライダー
が、シートの他方の辺の方向に全長に亘って等間隔で隣接して接合されており、収納時に
おいて、シートは複数のスライダーが表面に接合された態様で、一方の辺と平行な軸を中
心として渦巻き状に巻き取られる形状となり、スライダーは一方の辺と垂直な断面形状に
おいて、下向きの弦を有する略半楕円形状であって、スライダーの最上部には、一方の辺
と平行に全長に亘る凹部と、凹部の全長に亘り回転可能に嵌合されたコロとを有している
ことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、スライダーは、一方の辺と垂直な断面形状において、下向きの弦を有する略半楕円形状であって、スライダーの最上部には、一方の辺の中央部に配設された凹部と、凹部に回転可能に嵌合された球体とを有していることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、巻き取り式スライダーはシートを具備せず、スライダーは、各々隣接するスライダーの底部において、両端にヒンジ部を有する連結部品によって連結され、収納時において、スライダー同士の連結体は一方の辺と平行な軸を中心として渦巻き状に巻き取られる形状となることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1または2の発明において、巻き取り式スライダーはシートを具備せず、スライダーは、各々隣接するスライダーの底部において、各スライダーが有する先端にヒンジ部を有する連結用リブによって連結され、収納時において、スライダー同士の連結体は一方の辺と平行な軸を中心として渦巻き状に巻き取られる形状となることを特徴とする。