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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007596
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】包装箱およびブランク
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/54 20060101AFI20230112BHJP
   B65D 5/44 20060101ALI20230112BHJP
   B65D 5/462 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
B65D5/54 301D
B65D5/44 N
B65D5/462 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021110542
(22)【出願日】2021-07-02
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】岸 宏幸
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BB03
3E060BC02
3E060CA01
3E060CA13
3E060CA22
3E060CE04
3E060CE15
3E060CE22
3E060CF05
3E060CG03
3E060DA12
3E060DA17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】物品を円滑に取り出すことができると共に圧縮強度の不均衡を抑制することができる包装箱を提供する。
【解決手段】包装箱1は、左右一対の第1側壁10と前後一対の第2側壁11とを含み、筒状に形成される周壁Wと、周壁Wの下面開口を閉塞する下外フラップ13等と、一対の第1側壁10の上端に連設される一対の上内フラップ14と、一対の第2側壁11の上端に連設される一対の上外フラップ15と、一対の上内フラップ14と一対の第1側壁10とを縦断して周壁Wの正面下側の両角部に至るように形成される一対の分断線21と、を備え、一対の上内フラップ14が先端から基端まで一対の分断線21に沿って分断された後、一対の第1側壁10が上端から周壁Wの正面下側の両角部まで分断線21に沿って分断され、分断された状態において、周壁Wの正面となる第2側壁11は下外フラップ13との境界を支点に前方に傾倒する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向に対向して配置される一対の第1側壁(10)と、前後方向に対向して配置される一対の第2側壁(11)とを含み、上下方向の両端を開口させた筒状に形成される周壁(W)と、
前記周壁の下面開口を閉塞する底壁(12,13)と、
一対の前記第1側壁の上端に連設され、内向きに折り曲げられることで前記周壁の上面開口の少なくとも一部を塞ぐ一対の上内フラップ(14)と、
一対の前記第2側壁の上端に連設され、内向きに折り曲げられることで前記上面開口の少なくとも一部を塞いだ一対の前記上内フラップに積層される一対の上外フラップ(15)と、
一対の前記上内フラップと一対の前記第1側壁とを縦断して前記周壁の正面下側の両角部に至るように形成され、一対の前記上内フラップと一対の前記第1側壁との前方部分を後方部分から分断する一対の分断線(21)と、を備え、
一対の前記上外フラップが開かれた状態において、一対の前記上内フラップが先端から基端まで一対の前記分断線に沿って分断された後、一対の前記第1側壁が上端から前記周壁の正面下側の両角部まで前記分断線に沿って分断され、
一対の前記上内フラップと一対の前記第1側壁とが分断された状態において、前記周壁の正面となる前記第2側壁は前記底壁との境界を支点に前方に傾倒することを特徴とする包装箱。
【請求項2】
一対の前記第1側壁において前記周壁の正面上側の両角部付近から前記分断線に向かって斜め下方に延設された一対の補助折線(25)を更に備え、
各々の前記分断線は、
前記上内フラップの先端から基端に向かって延設された上流分断線(22)と、
前記上流分断線の基端となる前記第1側壁の上端から前記第1側壁の下端に向かって前方に傾斜しながら延設された中流分断線(23)と、
前記中流分断線の下端から前記周壁の前下方の角部まで前記第1側壁と前記底壁との境界に沿って延設された下流分断線(24)と、を有し、
一対の前記上外フラップが開かれた状態において、一対の前記上内フラップが先端から基端まで一対の前記上流分断線に沿って分断された後、一対の前記第1側壁が、一対の前記補助折線で左右外側に折れ曲がりながら上端から前記補助折線での折目付近まで前記中流分断線に沿って分断され、更に斜め前下方に引っ張られながら下端まで前記中流分断線に沿って分断され、また更に前方に引っ張られながら前記周壁の正面下側の両角部まで前記下流分断線に沿って分断されることを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
一対の前記第1側壁において前記周壁の正面上側の両角部付近から前記分断線に向かって斜め下方に延設された一対の補助折線(25)を更に備え、
各々の前記分断線は、
前記上内フラップの先端から基端に向かって延設された上流分断線(22)と、
前記上流分断線の基端となる前記第1側壁の上端から前記周壁の前下方の角部に向かって前方に傾斜しながら延設された中流分断線(33)と、を有し、
一対の前記上外フラップが開かれた状態において、一対の前記上内フラップが先端から基端まで一対の前記上流分断線に沿って分断された後、一対の前記第1側壁が、一対の前記補助折線で左右外側に折れ曲がりながら上端から前記補助折線での折目付近まで前記中流分断線に沿って分断され、更に斜め前下方に引っ張られながら前記周壁の正面下側の両角部まで前記中流分断線に沿って分断されることを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項4】
一対の前記上外フラップは、先端同士を突き合わされた状態で一対の前記上内フラップに積層され、
一対の前記上外フラップの突き合せ部から一対の前記第1側壁の前記中流分断線の上部を覆うように粘着テープ(T)が貼り付けられることを特徴とする請求項2または3に記載の包装箱。
【請求項5】
各々の前記上内フラップにおいて前記分断線よりも前方には、前記上内フラップを把持するための把手穴(26)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の包装箱。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の包装箱を形成することを特徴とするブランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱およびブランクに関する。
【背景技術】
【0002】
一対の端壁および一対の側壁の上端に内フラップおよび外フラップが連設された包装箱が知られている(特許文献1)。端壁の上部には指入部と摘み部が形成され、内フラップから端壁の下部にかけて切目線が入れられて切開可能な開口壁部が形成されている。開口壁部の上部には、摘み部の切取穴に連通する把手穴が設けられている。内フラップに外フラップを重ね、突き合わせた外フラップの先端部から摘み部にかけてテープを貼り付けることで包装箱が封緘される。包装箱を開封する場合、ユーザは、指入部を押し込み、摘み部を摘んで切り取り、テープを引き剥がした後、外フラップを開いて、把手穴に手を入れ、開口壁部を手前に引き、切目線の切断に伴い開口壁部を開放する。これにより、ユーザは開口部から手を差し入れて、物品を取り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-106493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した包装箱では、内フラップと端壁との左右方向の中央部分のみが切り取られて開口していた。端壁の中央部のみに形成された開口部では、内部の物品を取り出し難いことがあった。
【0005】
また、開口壁部を区画する切目線は一方の端壁のみに形成され、他方の端壁には形成されていない。切目線の入った一方の端壁の圧縮強度が大きく劣化するため、一対の端壁の間の圧縮強度に不均衡が生じ、包装箱が偏って潰れてしまう虞があった。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮し、物品を円滑に取り出すことができると共に圧縮強度の不均衡を抑制することができる包装箱およびブランクを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の包装箱は、左右方向に対向して配置される一対の第1側壁と、前後方向に対向して配置される一対の第2側壁とを含み、上下方向の両端を開口させた筒状に形成される周壁と、前記周壁の下面開口を閉塞する底壁と、一対の前記第1側壁の上端に連設され、内向きに折り曲げられることで前記周壁の上面開口の少なくとも一部を塞ぐ一対の上内フラップと、一対の前記第2側壁の上端に連設され、内向きに折り曲げられることで前記上面開口の少なくとも一部を塞いだ一対の前記上内フラップに積層される一対の上外フラップと、一対の前記上内フラップと一対の前記第1側壁とを縦断して前記周壁の正面下側の両角部に至るように形成され、一対の前記上内フラップと一対の前記第1側壁との前方部分を後方部分から分断する一対の分断線と、を備え、一対の前記上外フラップが開かれた状態において、一対の前記上内フラップが先端から基端まで一対の前記分断線に沿って分断された後、一対の前記第1側壁が上端から前記周壁の正面下側の両角部まで前記分断線に沿って分断され、一対の前記上内フラップと一対の前記第1側壁とが分断された状態において、前記周壁の正面となる前記第2側壁は前記底壁との境界を支点に前方に傾倒する。
【0008】
この場合、一対の前記第1側壁において前記周壁の正面上側の両角部付近から前記分断線に向かって斜め下方に延設された一対の補助折線を更に備え、各々の前記分断線は、前記上内フラップの先端から基端に向かって延設された上流分断線と、前記上流分断線の基端となる前記第1側壁の上端から前記第1側壁の下端に向かって前方に傾斜しながら延設された中流分断線と、前記中流分断線の下端から前記周壁の前下方の角部まで前記第1側壁と前記底壁との境界に沿って延設された下流分断線と、を有し、一対の前記上外フラップが開かれた状態において、一対の前記上内フラップが先端から基端まで一対の前記上流分断線に沿って分断された後、一対の前記第1側壁が、一対の前記補助折線で左右外側に折れ曲がりながら上端から前記補助折線での折目付近まで前記中流分断線に沿って分断され、更に斜め前下方に引っ張られながら下端まで前記中流分断線に沿って分断され、また更に前方に引っ張られながら前記周壁の正面下側の両角部まで前記下流分断線に沿って分断されてもよい。
【0009】
他の場合、一対の前記第1側壁において前記周壁の正面上側の両角部付近から前記分断線に向かって斜め下方に延設された一対の補助折線を更に備え、各々の前記分断線は、前記上内フラップの先端から基端に向かって延設された上流分断線と、前記上流分断線の基端となる前記第1側壁の上端から前記周壁の前下方の角部に向かって前方に傾斜しながら延設された中流分断線と、を有し、一対の前記上外フラップが開かれた状態において、一対の前記上内フラップが先端から基端まで一対の前記上流分断線に沿って分断された後、一対の前記第1側壁が、一対の前記補助折線で左右外側に折れ曲がりながら上端から前記補助折線での折目付近まで前記中流分断線に沿って分断され、更に斜め前下方に引っ張られながら前記周壁の正面下側の両角部まで前記中流分断線に沿って分断されてもよい。
【0010】
この場合、一対の前記上外フラップは、先端同士を突き合わされた状態で一対の前記上内フラップに積層され、一対の前記上外フラップの突き合せ部から一対の前記第1側壁の前記中流分断線の上部を覆うように粘着テープが貼り付けられてもよい。
【0011】
この場合、各々の前記上内フラップにおいて前記分断線よりも前方には、前記上内フラップを把持するための把手穴が形成されてもよい。
【0012】
本発明のブランクは、上記したいずれか1つの包装箱を形成する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、包装箱において、物品を円滑に取り出すことができると共に圧縮強度の不均衡を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る包装箱であって、上外フラップを開いた状態を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る包装箱であって、上内フラップを分断した状態を示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る包装箱であって、第1側壁を分断し始めた状態を示す斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る包装箱であって、第1側壁を分断した状態を示す斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係る包装箱を開封した状態を示す斜視図である。
図8】本発明の一実施形態に係る包装箱を解体した状態を示す斜視図である。
図9A】本発明の一実施形態の変形例に係る包装箱を示す斜視図である。
図9B】本発明の一実施形態の変形例に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、図面に示すFr、Rr、L、R、U、Dは、前、後、左、右、上、下を示している。前後方向、左右方向および上下方向は互いに直交している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、方向や位置を示す用語は、包装箱を使用する状態における方向や位置を基準にしている。
【0016】
[包装箱の概要]
図1および図2を参照して、実施形態に係る包装箱1について説明する。図1は包装箱1を示す斜視図である。図2は包装箱1のブランク1Aを示す平面図である。
【0017】
図1に示すように、包装箱1は、略直方体状に形成され、周壁Wの上下両端面を閉塞することで封緘されるA式の箱である。周壁Wは、左右方向に対向して配置される一対の第1側壁10と、前後方向に対向して配置される一対の第2側壁11とを含み、上下方向の両端を開口させた角筒状に形成されている。周壁Wの下面開口は、底壁を構成する一対の下内フラップ12および一対の下外フラップ13によって閉塞される(後述する図6参照)。周壁Wの上面開口は、天壁を構成する一対の上内フラップ14と一対の上外フラップ15によって閉塞される(後述する図3参照)。包装箱1の内部には、包装箱1と略相似形状となる物品Mが周壁Wの内側面との間に略隙間の無い状態で詰められている(後述する図4および図5参照)。
【0018】
包装箱1は、図2に示すブランク1Aを組み立てることで形成されている。ブランク1Aは、1枚の紙製の段ボールシートを抜型等で打ち抜いて形成されている。段ボールシートは、例えば、波状の中しん9Aに表ライナ9Bと裏ライナ9C(図3も参照)とを貼り合せた両面段ボールシートである。なお、図2は、表ライナ9B側(包装箱1の外面)を示している。本明細書では、段ボールシートの中しん9Aと平行な方向を「段方向」と呼び、段方向に直交する方向を「流れ方向」と呼ぶこととする。図面に示す「X」は「段方向」を示し、「Y」は「流れ方向」を示している。
【0019】
[ブランク]
図2に示すように、ブランク1Aは、一対の第1側壁10と、一対の第2側壁11と、一対の下内フラップ12と、一対の下外フラップ13と、一対の上内フラップ14と、一対の上外フラップ15と、を備えている。なお、一対の第1側壁10は略同一形状であるため、以下、主に1つの第1側壁10に着目して説明する。これと同様に、一対の第2側壁11、一対の下内フラップ12、一対の下外フラップ13、一対の上内フラップ14および一対の上外フラップ15についても、以下、主に1つの部位に着目して説明する。
【0020】
<第1側壁、第2側壁>
一対の第1側壁10と一対の第2側壁11とは、流れ方向に交互に並設されている。第1側壁10と第2側壁11とは、略長方形状に形成されている。詳細には、第1側壁10は、第2側壁11よりも流れ方向に短い略長方形状に形成されている。流れ方向の一方(図2の下方)に位置する第2側壁11は周壁Wの背面(後方)を構成し、一対の第1側壁10の間に位置する第2側壁11は周壁Wの正面(前方)を構成する。背面となる第2側壁11の一端には、第1継代片16が連設されている。背面となる第2側壁11は、一対の解体線L4を介して第1継代片16と第1側壁10との間に架設されている。一対の第1側壁10と正面となる第2側壁11とは第1折曲線L1を介して連設されている。第1継代片16の上端には、第3折曲線L3を介して第2継代片17が連設されている。なお、第2継代片17は省略してもよい(図示せず)。また、第1継代片16は第1側壁10の流れ方向の他方の端部に連設されてもよい(図示せず)。また、一対の第1側壁10と一対の第2側壁11との並び順が入れ替わってもよい(図示せず)。
【0021】
<下内フラップ、下外フラップ>
下内フラップ12は、第2折曲線L2を介して第1側壁10の段方向の一端(下端)に連設されている。下内フラップ12は略長方形状に形成され、その段方向の寸法(延出寸法)は第1側壁10の流れ方向の寸法の略半分に設定されている。下外フラップ13は、第2折曲線L2を介して第2側壁11の段方向の一端(下端)に連設されている。下外フラップ13は略長方形状に形成され、その延出寸法は下内フラップ12の延出寸法と略同一である。
【0022】
<上内フラップ、上外フラップ>
上内フラップ14は、第3折曲線L3を介して第1側壁10の段方向の他端(上端)に連設されている。上内フラップ14は、下内フラップ12と略同一形状に形成されている。上外フラップ15は、第3折曲線L3を介して第2側壁11の段方向の他端(上端)に連設されている。上外フラップ15は、下外フラップ13と略同一形状に形成されている。
【0023】
なお、第1~第3折曲線L1~L3は、段ボールシートを裏ライナ9C側から厚み方向に潰した汎用罫線である。解体線L4は、汎用罫線上にミシン目(複数の切目)を入れたリード罫である。汎用罫線およびリード罫は、主に裏ライナ9Cを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げる(正折りする)機能を有している。第1~第3折曲線L1~L3および解体線L4は、汎用罫線やリード罫に限らず、段ボールシートを折り曲げるための構造であれば如何なるものでもよい。また、詳細は後述するが、解体線L4は、(後方の)第2側壁11を一対の第1側壁10から分断(分離)する機能を有している。
【0024】
<開封構造>
この包装箱1には、略隙間なく詰め込まれた物品Mを容易に取り出すための開封構造20が設けられている。開封構造20は、一対の第1側壁10および一対の上内フラップ14に形成されている。開封構造20は、一対の分断線21と、一対の補助折線25と、一対の把手穴26と、を備えている。なお、一対の分断線21、一対の補助折線25および一対の把手穴26は、それぞれ、一対の第1側壁10等の間の第2側壁11等を中心にして流れ方向に線対称に設けられているため、以下、主に1つの部位に着目して説明する。
【0025】
(分断線)
分断線21は、上内フラップ14の先端(自由端)から第1側壁10の段方向の一端(下端)に亘って形成されている。分断線21は、上内フラップ14と第1側壁10とを流れ方向に二分割にするように段方向に延設されている。分断線21は、上流分断線22と、中流分断線23と、下流分断線24と、を有している。
【0026】
(上流分断線)
上流分断線22は、上内フラップ14の流れ方向の中央にて、上内フラップ14の先端から基端に向かって延設されている。上流分断線22は、複数の切目を段方向(第3折曲線L3に略直交する方向)に間隔をあけて一列に並設したジッパーであって、各々の切目は略S字状に形成されている。上流分断線22は、上内フラップ14を先端から基端に向かって分断(切断)し、上内フラップ14を流れ方向に二等分に分割(分離)する。
【0027】
(中流分断線)
中流分断線23は、上流分断線22の基端となる第1側壁10の段方向の他端から一端(上端から下端)に向かって正面となる第2側壁11側(前方)に傾斜しながら延設されている。換言すれば、一対の中流分断線23は、一対の上流分断線22に続いて、第1側壁10の上端から下端に向かって互いに接近するように傾斜している。中流分断線23の上端部は流れ方向(前後方向)の略中央に位置し、中流分断線23の下端部は流れ方向の中央よりも前方に位置している。中流分断線23は、複数の切目を段方向と流れ方向とに間隔をあけて斜めに並設したジッパーであって、各々の切目は略S字状に形成されている。中流分断線23は、第1側壁10を上端から下端に向かって分断(切断)し、第1側壁10を流れ方向に2つに分割(分離)する。
【0028】
(下流分断線)
下流分断線24は、中流分断線23の下端から正面となる第2側壁11(周壁Wの正面下側の角部)まで第1側壁10と下内フラップ12(底壁)との境界(第2折曲線L2)に沿って延設されている。換言すれば、下流分断線24は、中流分断線23の下端と第1折曲線L1の下端とを結ぶように形成されている。下流分断線24は、複数の切目を流れ方向に間隔をあけて一列に並設したジッパーである。各々の切目は第2折曲線L2に交差するように傾斜した直線状の切目であって、複数の切目は傾斜方向を交互に変えながら並設されている。下流分断線24は、第1側壁10を中流分断線23の下端から正面となる第2側壁11(周壁Wの正面下側の角部)に向かって分断(切断)し、第1側壁10の一部(前方部分)を下内フラップ12から分離する。
【0029】
<補助折線>
一対の補助折線25は、一対の第1側壁10において正面となる第2側壁11の両上角部付近(周壁Wの正面上側の両角部付近)から分断線21(中流分断線23)に向かって斜め下方に延設されている。補助折線25は主に汎用罫線であって、延在方向の中央付近に1つの切目が入れられている。なお、補助折線25は、第1折曲線L1とも中流分断線23とも交差していない。
【0030】
<把手穴>
各々の上内フラップ14において分断線21よりも正面となる第2側壁11側(前方)には、(ユーザが)上内フラップ14を把持するための把手穴26が形成されている。詳細に説明すると、各々の上内フラップ14には、上内フラップ14の先端側を開放した略U字状(または略C字状)に形成された切目線27と、切目線27のU字の両端を結ぶように折目線28(汎用罫線)とが形成されている。ユーザが切目線27と折目線28とで囲まれた範囲を押し込むことで、その範囲が切目線27に沿って切断されながら折目線28に沿って折り曲げられ、上内フラップ14に楕円形状の把手穴26が開口する。
【0031】
[包装箱の封緘手順]
次に、包装箱1の組立手順(封緘手順)について説明する。なお、包装箱1は、作業者によって手作業で封緘されてもよいし、自動製函機(図示せず)によって自動または半自動で封緘されてもよい。ここでは、一例として、作業者が手作業で包装箱1を封緘する場合について説明する。また、包装箱1の組み立て前の初期状態として、ブランク1Aの流れ方向の両外側に位置する第1側壁10と第2側壁11とが第1折曲線L1と解体線L4とで折り返され、第1継代片16が反対側の第1側壁10の内面に接着され、第2継代片17が反対側の上内フラップ14の内面に接着され、包装箱1は二重に折り畳まれていることとする(図示せず)。なお、第1継代片16は第1側壁10の内面に接着されて第1側壁10の一部となり、第2継代片17は上内フラップ14の内面に接着されて上内フラップ14の一部となる。
【0032】
作業者は、一対の第1側壁10と一対の第2側壁11とを第1折曲線L1と解体線L4に沿って略直角に折り曲げ、略角筒状の周壁Wを形成する。
【0033】
続いて、作業者は、一対の下内フラップ12を第2折曲線L2に沿って内向きに折り曲げた後、一対の下外フラップ13を第2折曲線L2に沿って内向きに折り曲げる。一対の下内フラップ12は、その先端部を離間させており、周壁Wの下面開口の一部を塞ぐ。一対の下外フラップ13は、その先端同士を前後方向の略中央で突き合わせた状態で、下面開口の一部を塞いだ一対の下内フラップ12に積層される。作業者は、一対の下外フラップ13の突き合せ部から一対の第1側壁10の下部にかけて粘着テープTを貼り付ける(図1参照)。各第1側壁10に形成された中流分断線23の下端部は、粘着テープTから前方にずれているため、粘着テープTに覆われず、露出している(図1参照)。
【0034】
以上によって、一対の下内フラップ12と一対の下外フラップ13とが底壁を構成し、周壁Wの下面開口が閉塞される。作業者は、周壁Wの上面開口から内部に物品Mを収容する。
【0035】
次に、作業者は、一対の上内フラップ14を第3折曲線L3に沿って内向きに折り曲げた後、一対の上外フラップ15を第3折曲線L3に沿って内向きに折り曲げる。一対の上内フラップ14は、その先端部を離間させており、周壁Wの上面開口の一部を塞ぐ。一対の上外フラップ15は、その先端同士を前後方向の略中央で突き合わせた状態で、上面開口の一部を塞いだ一対の上内フラップ14に積層される。各上内フラップ14の前後方向の中央に形成された上流分断線22は、一対の上外フラップ15の突き合せ部に一致している。作業者は、一対の上外フラップ15の突き合せ部から一対の第1側壁10の中流分断線23の上部を覆うように粘着テープTを貼り付ける(図1参照)。つまり、各中流分断線23の上端付近は、粘着テープTに隠されている(図1参照)。なお、上流分断線22が一対の上外フラップ15の突き合せ部に一致するとは、厳密に一致することを要求する意味ではなく、概ね一致しているとの意味である。
【0036】
以上によって、一対の上内フラップ14と一対の上外フラップ15とが天壁を構成し、周壁Wの上面開口が閉塞される。つまり、包装箱1の組み立てが完了し、包装箱1は封緘された状態になる(図1参照)。なお、上記した包装箱1の組立手順(封緘手順)では、上下の外フラップ13,15が粘着テープTで固定されていたが、これに限らず、接着剤で内フラップ12,14に固定されてもよい。
【0037】
[包装箱の開封手順]
次に、図3ないし8を参照して、包装箱1の開封手順について説明する。図3は上外フラップ15を開いた状態を示す斜視図である。図4は上内フラップ14を分断した状態を示す斜視図である。図5は第1側壁10を分断し始めた状態を示す斜視図である。図6は第1側壁10を分断した状態を示す斜視図である。図7は包装箱1を開封した状態を示す斜視図である。図8は包装箱1を解体した状態を示す斜視図である。
【0038】
既に述べたように、物品Mは包装箱1(周壁W)の内面との間に略隙間なく詰め込まれているため、ユーザが一対の上内フラップ14と一対の上外フラップ15とを開いて上面開口から手を入れて物品Mを引き上げることは非常に困難である。そこで、本実施形態に係る包装箱1では、ユーザが開封構造20を利用して包装箱1を開封することで、物品Mを容易に取り出せるようになっている。
【0039】
まず、図3に示すように、ユーザは、粘着テープTを剥がしたり裂いたりすることで一対の上外フラップ15を開く。一対の上外フラップ15が開かれた状態において、ユーザは一対の上内フラップ14の一部を切目線27に沿って切断しながら折目線28で折り曲げて一対の把手穴26を開口させる。
【0040】
続いて、ユーザは、一対の把手穴26に手を入れて一対の上内フラップ14の先端側を把持し、一対の上内フラップ14を左右方向の両外側に引っ張る。すると、図4に示すように、一対の上内フラップ14が先端から基端まで一対の上流分断線22に沿って分断される。
【0041】
一対の上内フラップ14を分断した後、ユーザが把持した一対の上内フラップ14を下方に引っ張ることで、一対の第1側壁10が上端から周壁Wの正面下側の両角部まで分断線21(中流分断線23および下流分断線24)に沿って分断される。
【0042】
ところで、第1側壁10は正面となる第2側壁11に連設されているため、第1側壁10の分断(切断)は、鉛直下方には進行し難く、正面となる第2側壁11の上側角部付近を中心として回動するように斜め前下方に向かって進行し易い。この点を考慮し、中流分断線23は第1側壁10の上端から下端に向かって前傾する軌道を有している。しかし、ユーザの力は下方に向いているため、ユーザの力の向きは中流分断線23の軌道(以下、「開封軌道」ともいう。)に対してずれることになる。このため、第1側壁10が中流分断線23に沿って分断されず、中流分断線23(開封軌道)から外れて分断が進行する脱線が発生することがある。この脱線が発生すると、第1側壁10の分断に無駄に大きな力が必要になったり、表ライナ9Bのみが剥離したりする等、適正に第1側壁10を分断することができなくなる虞がある。このような問題に対し、本実施形態に係る包装箱1では、第1側壁10の上部が補助折線25で逆折り(表ライナ9Bを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げること)される構成とされている。
【0043】
図5に示すように、ユーザが把持した一対の上内フラップ14を下方に引っ張ると、一対の第1側壁10は、一対の補助折線25で左右外側に折れ曲がりながら上端から補助折線25での折目付近まで中流分断線23に沿って分断される。これにより、ユーザが第1側壁10を鉛直下方に引っ張ったとしても、第1側壁10の上部が補助折線25を支点に斜め前下方に回動するため、ユーザが第1側壁10を引っ張る力を斜め前下方に向けることができる。つまり、ユーザは自然に第1側壁10を斜め前下方に引っ張ることになる。
【0044】
ユーザが補助折線25で逆折りされた第1側壁10の上部を更に引き下げると、第1側壁10は更に斜め前下方に引っ張られながら下端まで中流分断線23に沿って分断される。図6に示すように、ユーザが下端まで切断された第1側壁10を手前に引っ張ると、第1側壁10は前方に引っ張られながら周壁Wの正面下側の両角部まで下流分断線24に沿って分断される。
【0045】
以上のように、上内フラップ14と第1側壁10との前方部分が、分断線21に沿って上内フラップ14と第1側壁10との後方部分から分断される。
【0046】
一対の上内フラップ14と一対の第1側壁10とが分断された状態において、ユーザは周壁Wの正面となる第2側壁11を手前に引き倒す。図7に示すように、正面となる第2側壁11は下外フラップ13(底壁)との境界(第2折曲線L2)を支点に前方に傾倒し、包装箱1の略前側半分が開放され、物品Mの略前側半分が露出する。
【0047】
以上によって、包装箱1は開封され、ユーザは物品Mの前部を掴んで手前(または斜め前上方)に引き出す。なお、本実施形態では、物品Mが、周壁Wの内側面との間に略隙間の無い状態で詰められる形状(大きさ)であったが、これに限らず、周壁Wの内側面との間に隙間を有する状態で収容される形状(大きさ)であってもよい(図示せず)。例え、物品Mと周壁Wの内側面との間に隙間があったとしても、上記のように開封することで物品Mを容易に取り出すことができる点は変わりない。
【0048】
ユーザは、物品Mを包装箱1から取り出した後、空になった開封済みの包装箱1を解体する。具体的には、図8に示すように、ユーザは、周壁Wの背面となる第2側壁11(または上外フラップ15)の上部を把持して後方に引き倒す。すると、第2側壁11は、一対の解体線L4に沿って切断され、一対の第1側壁10(第1継代片16)から分離される。これにより、包装箱1は、平坦に解体される。なお、ユーザは、一対の第1側壁10の後方上部(上内フラップ14の後部)を把持して左右方向の外側に引き倒して第2側壁11から分離してもよい。また、ユーザは、解体線L4を使用した解体に代えて、底側の粘着テープTを剥がす等して一対の下外フラップ13および一対の下内フラップ12を開くことで解体してもよい(図示せず)。
【0049】
以上説明した本実施形態に係る包装箱1では、一対の分断線21は、一対の上内フラップ14と一対の第1側壁10とを縦断して周壁Wの正面下側の両角部に至るように形成され、一対の上内フラップ14と一対の第1側壁10との前方部分を後方部分から分断する構成とした。また、分断された第1側壁10等の前方部分が前方の第2側壁11と共に前方に傾倒する構成とした。この構成によれば、包装箱1の正面から側面にかけて大きく開口し、物品Mの前方部分を大きく露出させることができる。これにより、例えば、物品Mが包装箱1の内部に隙間無く詰められていたとしても、ユーザは物品Mを確り掴むことができ、物品Mを包装箱1から容易に取り出すことができる。また、一対の分断線21が一対の第1側壁10に形成されているため、一対の第1側壁10の圧縮強度を概ね均等にすることができる。これにより、一対の第1側壁10の間において圧縮強度の不均衡を抑制することができ、包装箱1が偏って潰れる等の不具合を予防することができる。
【0050】
本実施形態に係る包装箱1によれば、第1側壁10の上部が補助折線25で逆折りされることで、ユーザが第1側壁10を引っ張る力が中流分断線23の軌道に沿って作用するため、脱線を抑制することができる。これにより、第1側壁10の分断に必要な力が軽減されたり、表ライナ9Bの剥離が予防されたりする等、適正に第1側壁10を分断することができる。
【0051】
また、本実施形態に係る包装箱1によれば、粘着テープTが一対の上外フラップ15の突き合せ部に沿って貼付され、中流分断線23の上部(上流部)が当該突き合わせ部に略一致するように形成されているため、粘着テープTの両側によって中流分断線23の上部を覆うことができる。これにより、例えば、輸送中の衝撃等によって中流分断線23に沿って第1側壁10の分断(切断)が開始されることを予防することができる。
【0052】
また、本実施形態に係る包装箱1によれば、ユーザは把手穴26に入れた手で上内フラップ14を確りと掴むことができるため、包装箱1の開封作業(分断作業)を適正に行うことができる。
【0053】
[変形例]
以上説明した本実施形態に係る包装箱1(ブランク1A)では、分断線21が、上流分断線22、中流分断線23および下流分断線24で構成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図9Aおよび図9Bに示すように、変形例に係る包装箱2(ブランク2A)では、下流分断線24が省略され、分断線21が、上流分断線22および中流分断線33で構成されている。中流分断線33は、上流分断線22の基端となる第1側壁10の上端から周壁Wの前下方の角部に向かって前方に傾斜しながら延設されている。この包装箱2を開封する場合、一対の上外フラップ15が開かれた状態において、一対の上内フラップ14が先端から基端まで一対の上流分断線22に沿って分断された後、一対の第1側壁10が、一対の補助折線25で左右外側に折れ曲がりながら上端から補助折線25での折目付近まで中流分断線33に沿って分断され、更に斜め前下方に引っ張られながら周壁Wの正面下側の両角部まで中流分断線33に沿って分断される。
【0054】
[他の変形例]
なお、本実施形態(変形例を含む。以下同じ。)に係る包装箱1,2(ブランク1A,2A)では、上内フラップ14の前後方向の中央において上流分断線22が第3折曲線L3に対して直交する直線的に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、上流分断線22は、上内フラップ14の先端から基端に向かって前方または後方に(第3折曲線L3に対して)傾斜してもよい(図示せず)。また、例えば、上流分断線22は、折線形状に形成されてもよいし、前方または後方に膨出するような曲線的に形成されてもよいし、直線と曲線とを組み合わせた形状に形成されてもよい(図示せず)。さらに、例えば、上流分断線22は、上内フラップ14の前後方向の中央から前方または後方にずれた位置に形成されてもよい(図示せず)。この場合、上流分断線22に続く中流分断線23の上部も前後方向の中央から前方または後方にずれた位置に形成されることになる。
【0055】
また、本実施形態に係る包装箱1,2では、中流分断線23が第1側壁10の上端から下端に向かって前方に傾斜し、直線的に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。上記したようにユーザの力の向きは斜め前下方に向かうので中流分断線23は前傾して形成されることが好ましいが、例えば、中流分断線23は、第1側壁10に垂直に(第2折曲線L2や第3折曲線L3に対して直交するように)形成されてもよい。また、例えば、中流分断線23は、折線形状に形成されてもよいし、前方または後方に膨出するような曲線的に形成されてもよいし、直線と曲線とを組み合わせた形状に形成されてもよい(図示せず)。
【0056】
また、本実施形態に係る包装箱1,2では、分断線21が、所謂ジッパーであったが、これに限らず、例えば、ミシン目線や裏ライナ9Cを切断したライナーカット等、段ボールシートを切断するための構造であれば如何なるものでもよい。
【0057】
また、本実施形態に係る包装箱1,2では、補助折線25が汎用罫線に1つの切目を入れた構成であったが、これに限らず、補助折線25は、例えば、ミシン目やリード罫等、第1側壁10を折り曲げるための構造であれば如何なるものでもよい。また、補助折線25は省略されてもよい(図示せず)。
【0058】
また、本実施形態に係る包装箱1,2では、把手穴26が切目線27等で囲まれる範囲を押し込むことで上内フラップ14に開口していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、把手穴26は初めから開口していてもよいし、上内フラップ14の先端から凹むように切り込まれて形成されてもよい(図示せず)。また、把手穴26は省略されてもよい(図示せず)。
【0059】
また、本実施形態に係る包装箱1,2では、周壁Wの背面となる第2側壁11が解体線L4を介して第1側壁10に連設されていたが、これに限らず、解体線L4を省略し、第2側壁11が第1折曲線L1を介して連設されてもよい(図示せず)。
【0060】
また、本実施形態に係る包装箱1,2では、一対の上内フラップ14が周壁Wの上面開口の一部を塞いでいたが、これに限らず、上面開口の全部を塞いでもよい(図示せず)。これと同様に、一対の下内フラップ12が周壁Wの下面開口の全部を塞いでもよい(図示せず)。
【0061】
また、本実施形態に係る包装箱1,2では、一対の上外フラップ15が、その先端同士を突き合せていたが、これに限らず、先端同士を離間させてもよいし、先端同士を重ね合わされてもよい(図示せず)。これと同様に、一対の下外フラップ13の先端同士が離間していてもよいし、先端同士が重なり合っていてもよい(図示せず)。
【0062】
また、本実施形態に係る包装箱1,2は所謂A式の箱であったが、包装箱1,2の形式はこれに限らず、少なくとも多角形断面を有する筒状の周壁Wの上端に上内フラップ14および上外フラップ15が連設された箱であればよい。例えば、第1側壁10と第2側壁11とが面取り壁を介して間接的に連設され、周壁Wが平面から見て略八角形状に形成されてもよい(図示せず)。この場合、周壁Wの正面下側の両角部とは、正面となる第2側壁11と面取り壁との境界線の下端とすることが好ましい。つまり、分断線21は面取り壁にも形成されることが好ましい。また、一対の下内フラップ12および一対の下外フラップ13が底壁を構成していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、底壁は、所謂ワンタッチ底や地獄底で構成されてもよい(図示せず)。また、一枚の底壁の周囲に第1側壁10および第2側壁11等が連設された所謂たとう式の箱であってもよい(図示せず)。
【0063】
また、本実施形態に係る包装箱1,2は、紙製の両面段ボールシートで形成されていたが、本発明はこれに限定されない。包装箱1,2は、片面段ボール、複両面段ボール、複々両面段ボール等で形成されてもよいし、厚紙や樹脂製の板(シート)等で形成されていてもよい。
【0064】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る包装箱およびブランクにおける一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
【符号の説明】
【0065】
1,2 包装箱
1A,2A ブランク
10 第1側壁
11 第2側壁
12 下内フラップ(底壁)
13 下外フラップ(底壁)
14 上内フラップ
15 上外フラップ
21 分断線
25 補助折線
22 上流分断線
23,33 中流分断線
24 下流分断線
26 把手穴
T 粘着テープ
W 周壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B