(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075962
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】口腔内撮影システム
(51)【国際特許分類】
A61B 1/24 20060101AFI20230525BHJP
A61C 19/04 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
A61B1/24
A61C19/04 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189064
(22)【出願日】2021-11-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】520195305
【氏名又は名称】Deltan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160831
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 元
(74)【代理人】
【識別番号】100226090
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 薫
(72)【発明者】
【氏名】井上 佳洋
【テーマコード(参考)】
4C052
4C161
【Fターム(参考)】
4C052NN04
4C052NN05
4C052NN15
4C161AA08
4C161CC06
4C161HH51
(57)【要約】
【課題】設置場所を限定することなく口腔内撮影装置を設置することができ、歯科医に行かなければならないという人間の心理的なハードルを低くするようにした口腔内撮影システムを提供する。
【解決手段】口腔内撮影システムは、人間が出入りする出入口が形成されているゲート部と、前記ゲート部とは分離されて設置され、システム内面の一部を構成する壁部と、前記ゲート部の裏面側と前記壁部の前面側とに囲まれた空間に設置される口腔内撮影装置と、前記壁部の一部に設置され、前記口腔内撮影装置で撮影された人間の口腔内を映すモニター部と、前記口腔内撮影装置が置かれる台部と、を備え、前記ゲート部及び前記壁部は、移動可能に構成され、前記ゲート部及び前記壁部が設置される空間にあらかじめ備え付けられている壁をシステム内面の一部として利用可能にしている、ものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間が出入りする出入口が形成されているゲート部と、
前記ゲート部とは分離されて設置され、システム内面の一部を構成する壁部と、
前記ゲート部の裏面側と前記壁部の前面側とに囲まれた空間に設置される口腔内撮影装置と、
前記壁部の一部に設置され、前記口腔内撮影装置で撮影された人間の口腔内を映すモニター部と、
前記口腔内撮影装置が置かれる台部と、を備え、
前記ゲート部及び前記壁部は、
移動可能に構成され、前記ゲート部及び前記壁部が設置される空間にあらかじめ備え付けられている壁をシステム内面の一部として利用可能にしている
口腔内撮影システム。
【請求項2】
前記口腔内撮影装置をコントロールする端末を備え、
前記端末は、
前記口腔内撮影装置で撮影された映像を3D化する機能を有している
請求項1に記載の口腔内撮影システム。
【請求項3】
前記ゲート部は、
両側に位置する2つの支持部と、
前記支持部に組み込む2つのウエイトと、
前記支持部の上端を連結するアーチ部と、を有し、
前記アーチ部には前記支持部の内部に引っ掛けることができる引掛け部が複数形成されている
請求項1又は2に記載の口腔内撮影システム。
【請求項4】
前記壁部は、
前面を構成する前面部と、
前記前面部の裏面に取り付けられる2本の柱部と、を有し、
前記台部を前面部に密着させて前記前面部を固定する
請求項1~3のいずれか一項に記載のソックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔内の撮影を行う口腔内撮影システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、歯の健康に関心を持つ人が増加している。歯列矯正やマウスピースなどが広く普及し、歯列やかみ合わせなどの関心の高さが容易に理解できる。
一方で、歯列矯正やマウスピースを製作する前に、口腔内を撮影して、歯列の状態、かみ合わせの状態を確認する作業が求められる。
一般的な人は、口腔内の撮影と言えば、歯科医を想像することが多いと考えられる。
しかし、歯科医に行くという心理的なハードルがあり、気軽に歯科医に行かない人が多いのが現状である。
【0003】
例えば、特許文献1には、患者を放射線撮影する際に、その患者が診療している椅子から降りずに放射線撮影室まで移動可能にしたフレキシブル歯科診療設備が記載されている。この技術によれば、移動キャビネットを移動させたり、回転扉を開いて、放射線防護室を拡張したりすることで、 放射線撮影室内の放射線撮影装置に近い位置に歯科診療ユニットを配置することができ、患者の移動を少なくすることを可能としたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のフレキシブル歯科診療設備は、あくまでも診療スペースの大きさを可変にさせたものであって、移動キャビネットを移動させる人の労力や手間を考慮していない。つまり、診療スペースの大きさを可変にできるかもしれないが、移動キャビネットの移動は煩わしいものとなり、時間の経過とともにあるスペースの大きさに固定されることが容易に想像できる。
また、特許文献1に記載のフレキシブル歯科診療設備は、歯科医に設置されることを前提としているため、歯科医に行くという心理的なハードルを低くするものではない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、設置場所を限定することなく口腔内撮影装置を設置することができ、歯科医に行かなければならないという人間の心理的なハードルを低くするようにした口腔内撮影システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る口腔内撮影システムは、
人間が出入りする出入口が形成されているゲート部と、
前記ゲート部とは分離されて設置され、システム内面の一部を構成する壁部と、
前記ゲート部の裏面側と前記壁部の前面側とに囲まれた空間に設置される口腔内撮影装置と、
前記壁部の一部に設置され、前記口腔内撮影装置で撮影された人間の口腔内を映すモニター部と、
前記口腔内撮影装置が置かれる台部と、を備え、
前記ゲート部及び前記壁部は、
移動可能に構成され、前記ゲート部及び前記壁部が設置される空間にあらかじめ備え付けられている壁をシステム内面の一部として利用可能にしている、ものである。
【0008】
このような構成によれば、ゲート部及び壁部が移動可能に構成され、ゲート部及び壁部が設置される空間にあらかじめ備え付けられている壁をシステム内面の一部として利用可能にしているので、設置場所を限定することなく口腔内撮影装置を設置することができ、歯科医に行かなければならないという人間の心理的なハードルを低くできる。
【0009】
本発明に係る口腔内撮影システムは、
前記口腔内撮影装置をコントロールする端末を備え、
前記端末は、
前記口腔内撮影装置で撮影された映像を3D化する機能を有している、構成にできる。
この構成にすれば、被撮影者に自身の歯列の3D化イメージ画像を見てもらうことができる。
【0010】
本発明に係る口腔内撮影システムは、
前記ゲート部は、
両側に位置する2つの支持部と、
前記支持部に組み込む2つのウエイトと、
前記支持部の上端を連結するアーチ部と、を有し、
前記アーチ部には前記支持部の内部に引っ掛けることができる引掛け部が複数形成されている、構成にできる。
この構成によれば、ゲート部を簡易に組み立てることができる。
【0011】
本発明に係る口腔内撮影システムは、
前記壁部は、
前面を構成する前面部と、
前記前面部の裏面に取り付けられる2本の柱部と、を有し、
前記台部を前面部に密着させて前記前面部を固定する、構成にできる。
この構成によれば、壁部を簡易に組み立てることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、設置場所を限定することなく口腔内撮影装置を設置することができ、歯科医に行かないと口腔内撮影ができないという人間の心理的なハードルを低くするようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態に係る口腔内撮影システムの組み立てた状態の一例を正面斜め上側から見た斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る口腔内撮影システムの組み立てた状態の一例を正面から見た正面図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る口腔内撮影システムの組み立てた状態の一例を背面斜め上側から見た斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る口腔内撮影システムの組み立てた状態の一例を上側から見た上面図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る口腔内撮影システムの組み立てた状態の一例を左側から見た左側面図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る口腔内撮影システムの組み立てた状態の一例を下側から見た底面図である。
【
図7】本発明の実施の形態に係る口腔内撮影システムの組み立てた状態の一例を背面から見た背面図である。
【
図8】本発明の実施の形態に係る口腔内撮影システムの組み立てた状態の一例を背面斜め上側から見た斜視図である。
【
図9】本発明の実施の形態に係る口腔内撮影システムの組み立てた状態の一例を背面斜め下側から見た斜視図である。
【
図10】本発明の実施の形態に係る口腔内撮影システムを構成する壁部の組み立て方を説明する説明図である。
【
図11】本発明の実施の形態に係る口腔内撮影システムを構成するゲート部の組み立てた方を説明する説明図である。
【
図12】本発明の実施の形態に係る口腔内撮影システムの組立完成状態の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る口腔内撮影システム(以下、単にシステム100と称する)の組み立てた状態の一例を正面斜め上側から見た斜視図である。
図2は、システム100の組み立てた状態の一例を正面から見た正面図である。
図3は、システム100の組み立てた状態の一例を背面斜め上側から見た斜視図である。
図4は、システム100の組み立てた状態の一例を上側から見た上面図である。
図5は、システム100の組み立てた状態の一例を左側から見た左側面図である。
図6は、システム100の組み立てた状態の一例を下側から見た底面図である。
図7は、システム100の組み立てた状態の一例を背面から見た背面図である。
図8は、システム100の組み立てた状態の一例を背面斜め上側から見た斜視図である。
図9は、システム100の組み立てた状態の一例を背面斜め下側から見た斜視図である。
【0015】
システム100は、口腔内撮影装置を有しており、この口腔内撮影装置の設置場所を限定するがことなく、口腔内撮影をするには歯科医に行かなければならないという人間の心理的なハードルを低くしたものである。歯医者に対してネガティブなイメージを持っている人間が多く、口腔内撮影は歯科医でしかできないと思い込んでいることが多い。そこで、システム100では、歯医者とは別の空間、例えばスーパーやドラッグストア、コンビニエンスストア、役所などの空きスペースに口腔内撮影装置を簡易に設置可能にし、買い物などの他の用事とともに口腔内撮影ができるようにしたものである。口腔内撮影装置を気軽に利用してもらうことで、噛み合わせや口腔内の衛生環境をよくする歯列矯正を多くの人間に知ってもらうことができ、口腔内の健康に興味を持つ人間を増やせる。
【0016】
システム100は、ゲート部10、壁部20、口腔内撮影装置50、モニター部30、及び、台部40を有している。なお、
図1~
図9には、空間Sに口腔内を撮影される人間が座る椅子が設置されているが、図示は省略している。また、口腔内撮影装置50及び端末51については、
図1にのみ図示している。
【0017】
ゲート部10は、人間が出入りする出入口11が形成されており、システム100の外郭の一部を構成し、システム100の内面の一部も構成するものである。ゲート部10は壁部20と別個独立した状態で移動可能に構成されている。出入口11は、人間が出入りできる程度の大きさと形状を有している。
壁部20は、ゲート部10とは分離されているものである。つまり、壁部20は、ゲート部10とは離隔された設置されるようになっている。壁部20は、システム100の外郭の一部を構成し、システム100の内面の一部も構成するものである。壁部20はゲート部10と別個独立した状態で移動可能に構成されている。また、壁部20には、モニター部30が設置されるための開口部(
図10で示す開口部25)が貫通形成されている。
【0018】
口腔内撮影装置50は、人間の口腔内を撮影するものである。口腔内撮影装置50は、ゲート部10の裏面側と壁部20の前面側とに囲まれた空間Sに設置されるようになっている。口腔内撮影装置50で撮影された人間の口腔内の映像は、端末51のディスプレイやモニター部30に映し出される。口腔内撮影装置50は、端末51と電気的に接続されている。口腔内撮影装置50は、口腔内カメラを有し、被撮影者の口腔内に入り、口腔内を撮影するようになっている。口腔内撮影装置50による撮影結果は、モニター部30及び端末51のディスプレイに3D画像で表示される。
【0019】
口腔内撮影装置50は、オペレーターが握るグリップ部、グリップ部の先端に取り付けられた口腔内カメラと、カメラの撮影視野を照らす照明部、口腔内カメラの解像度や角度、照明部の照度などを調整する操作部などを備えて構成されている。
【0020】
端末51は、一般的に普及されているPC(パーソナルコンピューター)などで構成されている。端末51には、口腔内撮影装置50で撮影された画像を3Dイメージに変換することができるソフトウェア(アプリケーションであってもよい)が搭載されている。口腔内撮影装置50で撮影された画像データは端末51に送られ、端末51によって端末51のディスプレイ、モニター部30に表示される。表示される画像は、端末51のソフトウェアによって、3D画像化される。
【0021】
モニター部30は、壁部20の一部(壁部20に形成されている開口部)に設置され、口腔内撮影装置50で撮影された人間の口腔内を表示するものである。
台部40は、口腔内撮影装置50及び端末51が置かれるものであり、空間Sに設置される。具体的には、台部40は、壁部20の前面に密着して設置される。台部40には、4つの足部41が底面に設けられ、台部40の全体を支持するようになっている。
【0022】
上述したように、ゲート部10及び壁部20は、それぞれ別個に移動可能に構成されている。そのため、設置スペースの制限が少なく、ゲート部10及び壁部20を設置することができる。以前は、箱状に形成されたキャビネットをキャビネットごと移動させなければならず、キャビネットの大きさ以上の設置スペースが必要で、限られた場所にしか設置することができなかった。それに対し、システム100では、ゲート部10及び壁部20がそれぞれ別個に移動可能に構成されているため、空間Sさえ確保できる場所、例えばスーパーやドラッグストア、コンビニエンスストア、役所などの空きスペースに簡便に設置することができ、空間Sに口腔内撮影装置50を簡易に設置することが可能になる。
【0023】
また、システム100では、ゲート部10及び壁部20が設置される場所にあらかじめ備え付けられている壁(店舗や家屋の内壁)をシステムの内面の一部として利用可能になっている。上述したキャビネットは、箱状に形成されているため、基本的に壁部で囲まれている。それに対し、システム100では、システム100の外郭を構成するパーツは、ゲート部10及び壁部20だけであり、この2つのパーツだけでは空間Sがシステム100の外部の空間に開放された状態になっている。そこで、あらかじめ備え付けられている壁を利用することで、システム100自身の壁を省略でき、空間Sを容易に確保できるようになっている。
【0024】
図10は、システム100を構成する壁部20の組み立て方を説明する説明図である。
図10に基づいて、壁部20の組み立て方の一例を説明する。
まず、壁部20の前面を構成する前面部20Aを用意する。前面部20Aには開口部25が形成されている。この開口部25に後側からモニター部30を挿入する。モニター部30は例えばボルトなどを使用して前面部20Aに固定する。
【0025】
次に、2本の柱部20Bを用意する。この2本の柱部20Bを前面部20Aの裏面両側 に取り付ける。これで壁部20が完成するが、台部40を壁部20の前面部20Aに密着させることで、前面部20Aを固定するようにしている。
【0026】
このようにして壁部20を組み立てるため、手間がかからず、非常に簡便に壁部20を形成することができる。また、柱部20Bと台部40によって前面部20Aを挟み込むようにしているので、簡易な構成で前面部20Aを固定することができる。
【0027】
図11は、システム100を構成するゲート部10の組み立てた方を説明する説明図である。
図11に基づいて、ゲート部10の組み立て方の一例を説明する。
まず、ゲート部10の両側に位置する2つの支持部10Bを用意する。また、支持部10Bに組み込むウエイト15を2つ用意する。このウエイト15を支持部10Bの下側に組み混む。つまり、ウエイト15の上から支持部10Bを下ろし、支持部10Bの下端にウエイト15を仕込む。
【0028】
次に、アーチ部10Aを用意する。アーチ部10Aはゲート部10の上端を構成する。アーチ部10Aには、出入口11となる開口が形成されている。アーチ部10Aには、引掛け部13が形成されており、この引掛け部13を支持部10Bの中に差し込み支持部10Bの内部に引っ掛ける。こうすることで、アーチ部10Aが支持部10Bの上端に取り付けられることになる。つまり、アーチ部10Aによって、2つの支持部10Bの上端が連結ことになる。
【0029】
このようにしてゲート部10を組み立てるため、手間がかからず、非常に簡便にゲート部10を形成することができる(
図12に示すシステム100の組立完成状態の一例を参照)。また、アーチ部10Aの引掛け部13を介して支持部10Bに固定するようにしているので、組立が簡便になるだけでなく、分解も簡便に実行することができる。
【0030】
次に、システム100のシステム動作について説明する。口腔内撮影装置50を操作する人間をオペレーターと称する。オペレーターは、歯科医師である必要はなく、特に資格を持っていない人間であってもよい。
【0031】
まず、ゲート部10及び壁部20を組み立てる。そして、システム100を設置する場所に、ゲート部10及び壁部20を設置する。ゲート部10及び壁部20は移動可能なため設置自由度が高くなっている。空間Sを確保するようにゲート部10及び壁部20を設置する。なお、壁部20に台部40を取り付けてあるので、ゲート部10及び壁部20を設置すれば、空間Sが確保されることになる。
【0032】
台部40に口腔内撮影装置50及び端末51をセットし、口腔内撮影装置50及び端末51を起動する。また、モニター部30に電源を入れ、モニター部30も起動する。これでシステム100は待機状態になる。口腔内の状態を知りたい人間(以下、被撮影者と称する)は、出入口11を通り、空間Sにされている図示省略の椅子に座る。椅子に被撮影者が座ったら、オペレーターが口腔内撮影装置50を用いて、被撮影者の口腔内を撮影する。撮影された映像は、モニター部30及び端末51のディスプレイに映し出される。
【0033】
このとき、端末51に組み込まれているソフトウェアによって、撮影した映像から自動的に歯列矯正をした場合のイメージ画像が作成される。このイメージ画像も、モニター部30及び端末51のディスプレイに表示される。オペレーターは、映像を見て、口腔内の健康に関する一般的なケアに関する情報を被撮影者に説明する。例えば、歯列矯正治療目的で撮影する場合も、あくまで被撮影者に視覚的に自身の現在の歯列状態を見てもらうにとどめる。
【0034】
表示されるイメージ画像は、端末51のソフトウェアの機能で機械的に歯を綺麗に並べてたものであり、視覚的に被撮影者に届くことになる。そのイメージ画像を見た上で、被撮影者は、歯列矯正治療を受けるかどうか選択することが可能になる。システム100は、あくまでも現在の歯列の状態を視覚的に提示するだけである。
【0035】
ただし、オペレーターは、口腔内の健康に関する一般的なケアに関する情報を説明する。歯列矯正などの治療を目的とする場合は、提携している歯科医院をご紹介する。口腔内の撮影と説明は、医療行為ではないため、歯科医師ではない人間がオペレーターとなることも問題ない。なお、歯科医院にシステム100を設置して、歯科医師がオペレーションをしてもよい。
【0036】
以上のように、システム100は、人間が出入りする出入口11が形成されているゲート部10と、ゲート部10とは分離されて設置され、システム内面の一部を構成する壁部20と、ゲート部10の裏面側と壁部20の前面側とに囲まれた空間Sに設置される口腔内撮影装置50と、壁部20の一部に設置され、口腔内撮影装置50で撮影された人間の口腔内を映すモニター部30と、口腔内撮影装置50が置かれる台部40と、を備え、ゲート部10及び壁部20は、移動可能に構成され、ゲート部10及び壁部20が設置される空間Sにあらかじめ備え付けられている壁をシステム内面の一部として利用可能にしている、ものである。
【0037】
このような構成により、システム100は、ゲート部10及び壁部20が移動可能に構成され、ゲート部10及び壁部20が設置される空間Sにあらかじめ備え付けられている壁をシステム内面の一部として利用可能にしているので、設置場所を限定することなく口腔内撮影装置50を設置することができ、歯科医に行かなければならないという人間の心理的なハードルを低くできる。
【0038】
システム100は、口腔内撮影装置50をコントロールする端末51を備えており、端末51は、口腔内撮影装置50で撮影された映像を3D化する機能を有している、構成にできる。
このような構成により、システム100は、被撮影者に自身の歯列の3D化イメージ画像を見てもらうことができる。
【0039】
システム100は、ゲート部10が、両側に位置する2つの支持部10Bと、支持部10Bに組み込む2つのウエイト15と、支持部10Bの上端を連結するアーチ部10Aと、を有し、アーチ部10Aには支持部10Bの内部に引っ掛けることができる引掛け部13が複数形成されている、構成にできる。
このような構成により、システム100は、ゲート部10を簡易に組み立てることができる。
【0040】
システム100は、壁部20が、前面を構成する前面部20Aと、前面部20Aの裏面に取り付けられる2本の柱部20Bと、を有し、台部40を前面部20Aに密着させて前面部10Aを固定する、構成にできる。
このような構成により、システム100は、壁部20を簡易に組み立てることができる。
【0041】
本発明は、前述した実施の形態、各種実施例、その変形例及び応用例に限定されるものではない。本発明の趣旨に基づいて種々変形することが可能であり、これらを本発明の範囲から除外するものではない。例えば、本発明は、車の中や移動式の箱の中にも設置することが可能になっている。また例えば、ゲート部10及び壁部20の素材、形状、大きさなども任意に調整するとよい。ただし、ゲート部10及び壁部20は移動可能な構成のため、比較的軽量で丈夫な素材が望ましい。また、出入口11の形状も図示したものに限定するものではない。ゲート部10の組立方、壁部20の組立方も、図示した組立方に限定するものではない。
【0042】
モニター部30の大きさ、形状、種類なども特に限定するものではなく、口腔内撮影装置50で撮影した口腔内を表示できるものであればよい。台部40の大きさ、形状、種類、材質なども特に限定するものではなく、口腔内撮影装置50及び端末51が載置できるものであればよい。また、ゲート部10の表面、裏面にロゴ、屋号、商号などを装飾したり記載したりしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 :ゲート部
10A:アーチ部
10B:支持部
11 :出入口
13 :引掛け部
15 :ウエイト
20 :壁部
20A:前面部
20B:柱部
25 :開口部
30 :モニター部
40 :台部
41 :足部
50 :口腔内撮影装置
51 :端末
100:口腔内撮影システム
S :空間
【手続補正書】
【提出日】2023-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間が出入りする出入口が形成されているゲート部と、
前記ゲート部とは分離されて設置され、システム内面の一部を構成する壁部と、
前記ゲート部の裏面側と前記壁部の前面側とに囲まれた空間に設置される口腔内撮影装置と、
前記壁部の一部に設置され、前記口腔内撮影装置で撮影された人間の口腔内を映すモニター部と、
前記口腔内撮影装置が置かれる台部と、を備え、
前記ゲート部及び前記壁部は、
移動可能に構成され、前記ゲート部及び前記壁部が設置される空間にあらかじめ備え付けられている壁をシステム内面の一部として利用可能にしている
口腔内撮影システム。
【請求項2】
前記口腔内撮影装置をコントロールする端末を備え、
前記端末は、
前記口腔内撮影装置で撮影された映像を3D化する機能を有している
請求項1に記載の口腔内撮影システム。
【請求項3】
前記ゲート部は、
両側に位置する2つの支持部と、
前記支持部に組み込む2つのウエイトと、
前記支持部の上端を連結するアーチ部と、を有し、
前記アーチ部には前記支持部の内部に引っ掛けることができる引掛け部が複数形成されている
請求項1又は2に記載の口腔内撮影システム。
【請求項4】
前記壁部は、
前面を構成する前面部と、
前記前面部の裏面に取り付けられる2本の柱部と、を有し、
前記台部を前面部に密着させて前記前面部を固定する
請求項1~3のいずれか一項に記載の口腔内撮影システム。