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特開2023-75966医療施設用システム、管理コンピュータ及び携帯端末用プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075966
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】医療施設用システム、管理コンピュータ及び携帯端末用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20230525BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189068
(22)【出願日】2021-11-21
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000222624
【氏名又は名称】株式会社アルメックス
(74)【代理人】
【識別番号】100157118
【弁理士】
【氏名又は名称】南 義明
(72)【発明者】
【氏名】井上 晋
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】病院やクリニック等の医療施設において、患者のライフログデータを適切に取得することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る医療施設用システムは、ユーザが所持する携帯端末で実行可能なプログラムと、医療施設用の管理コンピュータを備える医療施設用システムであって、携帯端末で実行可能なプログラムは、ユーザのライフログデータを収集する収集処理と、ライフログデータを送信する医療施設を設定する設定処理と、設定された医療施設の管理コンピュータに、収集処理で収集したライフログデータを送信する送信処理と、を実行可能とし、管理コンピュータは、携帯端末から送信されたライフログデータを受信する受信処理を、実行可能とする。
【選択図】図26

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが所持する携帯端末で実行可能なプログラムと、
医療施設用の管理コンピュータを備える医療施設用システムであって、
携帯端末で実行可能なプログラムは、
ユーザのライフログデータを収集する収集処理と、
ライフログデータを送信する医療施設を設定する設定処理と、
設定された医療施設の管理コンピュータに、収集処理で収集したライフログデータを送信する送信処理と、を実行可能とし、
管理コンピュータは、
携帯端末から送信されたライフログデータを受信する受信処理を、実行可能とする
医療施設用システム。
【請求項2】
管理コンピュータは、
受信したライフログデータに基づいてメッセージを作成するメッセージ作成処理と、
メッセージ作成処理で作成されたメッセージを、メッセージ作成の基となったライフログデータを送信した携帯端末に送信するメッセージ送信処理と、を実行する
請求項1に記載の医療施設用システム。
【請求項3】
メッセージ作成処理は、ライフログデータを閾値と比較し、比較結果に基づいて作成される
請求項2に記載の医療施設用システム。
【請求項4】
管理コンピュータは、ライフログデータを閾値と比較し、ライフログデータが閾値を超える場合、通知を行う通知処理を実行可能とする
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の医療施設用システム。
【請求項5】
管理コンピュータは、ユーザ毎に閾値の設定を可能とする
請求項3または請求項4に記載の医療施設用システム。
【請求項6】
設定処理は、複数の医療施設を設定可能とし、送信処理におけるライフログデータの送信可否を医療施設毎に設定可能とする
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の医療施設用システム。
【請求項7】
ライフログデータは、複数種類の項目を有し、
設定処理は、送信処理におけるライフログデータの送信可否を、項目毎に設定可能とする
請求項6に記載の医療施設用システム。
【請求項8】
設定処理は、登録されている医療施設について、ライフログデータの送信可否を設定可能とする
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の医療施設用システム。
【請求項9】
管理コンピュータは、ライフログデータの設定要求を携帯端末に送信し、
携帯端末は、受信した設定要求に基づき、設定処理を実行する
請求項1から請求項8の何れか1項に記載の医療施設用システム。
【請求項10】
ユーザが所持する携帯端末と通信可能であって、医療施設用の管理コンピュータであって、
携帯端末で実行可能なプログラムは、
ユーザのライフログデータを収集する収集処理と、
ライフログデータを送信する医療施設を設定する設定処理と、
設定された医療施設の管理コンピュータに、収集処理で収集したライフログデータを送信する送信処理と、を実行可能とし
管理コンピュータは、
携帯端末から送信されたライフログデータを受信する受信処理を、実行可能とする
管理コンピュータ。
【請求項11】
ユーザが所持する携帯端末で実行可能な携帯端末用プログラムであって、
携帯端末で実行可能なプログラムは、
ユーザのライフログデータを収集する収集処理と、
ライフログデータを送信する医療施設を設定する設定処理と、
設定された医療施設の管理コンピュータに、収集処理で収集したライフログデータを送信する送信処理と、を実行可能とする
携帯端末用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療施設で使用される医療施設用システム、医療施設システムに含まれる管理コンピュータ、並びに、携帯端末で実行可能な携帯端末用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院、クリニックといった各種医療施設では、患者が医療施設を訪問し、医師が問診することで行われる。しかしながら、医療施設での診察時間は限られたものであって、限られた診察時間で適切に問診を行うことは困難である。医師が患者の状態を適切に把握することができれば、より適切な診療を行うことが可能となることが考えられる。
【0003】
特許文献1には、体重などを測定する体組成計を使用して管理を行う体組成測定システムが開示されている。この体組成測定システムによれば、集団の中での自己の体組成の位置づけについての情報を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-188899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示されるように、一般に、このような体組成測定システムでは、計測した体重等のライフログデータを、体組成計を製造した製造メーカが提供するサーバで管理することが一般的である。例えば、医療施設に計測した体重などを提供する場合、製造メーカのサーバを介する必要があり、医療施設側で重要な患者のデータ漏洩が問題になる。また、医療施設では、ライフログデータの送受信に伴い、患者との間でメッセージをやりとりする必要があるが、このようなメッセージについても外部に漏洩することは問題がある。
【0006】
本発明は、このような状況を鑑みたものであって、患者等の顧客のライフログデータを、安全また確実に医療施設に提供することを1つの目的とする。医療施設では、受信したライフログデータを患者の診療に使用することで、より適切な診察、治療等を行うことが可能となる。また、ライフログデータのみならず、ライフログデータの受信に伴うメッセージについても、そのセキュリティを確保することが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1-1の構成に係る医療施設用システムは、
ユーザが所持する携帯端末で実行可能なプログラムと、
医療施設用の管理コンピュータを備える医療施設用システムであって、
携帯端末で実行可能なプログラムは、
ユーザのライフログデータを収集する収集処理と、
ライフログデータを送信する医療施設を設定する設定処理と、
設定された医療施設の管理コンピュータに、収集処理で収集したライフログデータを送信する送信処理と、を実行可能とし、
管理コンピュータは、
携帯端末から送信されたライフログデータを受信する受信処理を、実行可能とする。
【0008】
さらに、第1-2の構成に係る医療施設用システムにおいて、
管理コンピュータは、
受信したライフログデータに基づいてメッセージを作成するメッセージ作成処理と、
メッセージ作成処理で作成されたメッセージを、メッセージ作成の基となったライフログデータを送信した携帯端末に送信するメッセージ送信処理と、を実行する。
【0009】
さらに、第1―3の構成に係る医療施設用システムにおいて、
メッセージ作成処理は、ライフログデータを閾値と比較し、比較結果に基づいて作成される。
【0010】
さらに、第1―4の構成に係る医療施設用システムにおいて、
管理コンピュータは、ライフログデータを閾値と比較し、ライフログデータが閾値を超える場合、通知を行う通知処理を実行可能とする。
【0011】
さらに、第1―5の構成に係る医療施設用システムにおいて、
管理コンピュータは、ユーザ毎に閾値の設定を可能とする。
【0012】
さらに、第1―6の構成に係る医療施設用システムにおいて、
設定処理は、複数の医療施設を設定可能とし、送信処理におけるライフログデータの送信可否を医療施設毎に設定可能とする。
【0013】
さらに、第1―7の構成に係る医療施設用システムにおいて、
ライフログデータは、複数種類の項目を有し、
設定処理は、送信処理におけるライフログデータの送信可否を、項目毎に設定可能とする。
【0014】
さらに、第1―8の構成に係る医療施設用システムにおいて、
設定処理は、登録されている医療施設について、ライフログデータの送信可否を設定可能とする。
【0015】
さらに、第1―9の構成に係る医療施設用システムにおいて、
管理コンピュータは、ライフログデータの設定要求を携帯端末に送信し、
携帯端末は、受信した設定要求に基づき、設定処理を実行する。
【0016】
また、第1―10の構成に係る管理コンピュータは、
ユーザが所持する携帯端末と通信可能であって、医療施設用の管理コンピュータであって、
携帯端末で実行可能なプログラムは、
ユーザのライフログデータを収集する収集処理と、
ライフログデータを送信する医療施設を設定する設定処理と、
設定された医療施設の管理コンピュータに、収集処理で収集したライフログデータを送信する送信処理と、を実行可能とし
管理コンピュータは、
携帯端末から送信されたライフログデータを受信する受信処理を、実行可能とする。
【0017】
また、第1―11の構成に係る携帯端末用プログラムは、
ユーザが所持する携帯端末で実行可能な携帯端末用プログラムであって、
携帯端末で実行可能なプログラムは、
ユーザのライフログデータを収集する収集処理と、
ライフログデータを送信する医療施設を設定する設定処理と、
設定された医療施設の管理コンピュータに、収集処理で収集したライフログデータを送信する送信処理と、を実行可能とする。
【0018】
第2-1の構成に係る医療施設用システムは、
ユーザが所持する携帯端末で実行可能なプログラムと、
医療施設用の管理コンピュータを備える医療施設用システムであって、
携帯端末で実行可能なプログラムは、
設定要求された医療施設をライフログデータの送信先として設定する設定処理と、
ユーザのライフログデータを収集する収集処理と、
設定された医療施設の管理コンピュータに、収集処理で収集したライフログデータを送信する送信処理と、を実行可能とし、
管理コンピュータは、
ライフログデータの設定要求を携帯端末に送信する要求処理と、
携帯端末から送信されたライフログデータを受信する受信処理を、実行可能とする。
【0019】
また、第2―2の構成に係る管理コンピュータは、
ユーザが所持する携帯端末と通信可能であって、医療施設用の管理コンピュータであって、
携帯端末で実行可能なプログラムは、
設定要求された医療施設をライフログデータの送信先として設定する設定処理と、
ユーザのライフログデータを収集する収集処理と、
設定された医療施設の管理コンピュータに、収集処理で収集したライフログデータを送信する送信処理と、を実行可能とし
管理コンピュータは、
ライフログデータの設定要求を携帯端末に送信する要求処理と、
携帯端末から送信されたライフログデータを受信する受信処理を、実行可能とする。
【0020】
また、第2―3の構成に係る携帯端末用プログラムは、
ユーザが所持する携帯端末で実行可能な携帯端末用プログラムであって、
携帯端末で実行可能なプログラムは、
設定要求された医療施設をライフログデータの送信先として設定する設定処理と、
ユーザのライフログデータを収集する収集処理と、
設定された医療施設の管理コンピュータに、収集処理で収集したライフログデータを送信する送信処理と、を実行可能とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るに係る医療施設用システム、管理コンピュータ、携帯用プログラムによれば、予め登録した医療施設に対して、直接、自己のライフログデータを送信することが可能であって、安全にライフログデータを医療施設に提供することが可能となる。ライフログデータを受信した医療施設では、診療前に受信したライフログデータに基づき、適切な診断、診療、アドバイスを行うことが可能となる。また、診察時間の短縮化も図ることが可能となる。そして、受信したライフログデータに基づき、アラートの通知、自動メッセージの送信も可能となるため、患者の状態を的確に把握することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施形態に係る受付システムの構成を示す図
図2】本実施形態に係る受付装置の正面図
図3】本実施形態に係る受付装置の構成を示すブロック図
図4】本実施形態に係る携帯端末の構成を示すブロック図
図5】本実施形態に係る受付装置の初期画面を示す図
図6】本実施形態に係る受付装置の外来患者用画面を示す図
図7】本実施形態に係るチェックイン処理を示すフロー図
図8】本実施形態に係るチェックイン確認画面を示す図
図9】本実施形態に係る受付システムで使用する各種データ構成を示す図
図10】本実施形態に係る機能受付処理を示すフロー図
図11】本実施形態に係る携帯端末の各種画面を示す図
図12】本実施形態に係る携帯端末の各種画面を示す図
図13】本実施形態に係るメッセージシステムの構成を示すブロック図
図14】本実施形態に係る携帯端末の各種画面を示す図
図15】本実施形態に係る携帯端末の初回登録処理を示すフロー図
図16】本実施形態に係るハンドシェイク処理を示すフロー図
図17】本実施形態に係るメッセージシステムで使用する各種データ構成を示す図
図18】本実施形態に係る送信処理(携帯端末用プログラム起動時)を示すフロー図
図19】本実施形態に係る送信処理(携帯端末用プログラム非起動時)を示すフロー図
図20】本実施形態に係るメッセージクライアント画面を示す図
図21】本実施形態に係るメッセージクライアント画面を示す図
図22】本実施形態に係る携帯端末の各種画面を示す図
図23】本実施形態に係るライフログ設定処理を示すフロー図
図24】本実施形態に係るライフログ送信処理(第1実施形態)を示すフロー図
図25】本実施形態に係る携帯端末の各種画面を示す図
図26】本実施形態に係るメッセージクライアント画面を示す図
図27】本実施形態に係るライフログ設定処理(第2実施形態)を示すフロー図
図28】本実施形態に係るメッセージクライアント画面を示す図
図29】本実施形態に係るメッセージクライアント画面を示す図
図30】本実施形態に係る携帯端末の各種画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本実施形態に係る受付システムの構成を示す図である。本実施形態の受付システムは、医療施設の出入口72の近傍に位置するロビー内に設置されている。受付システムは、ロビー内に配置されユーザによって操作される受付装置1a、1b、病院受付71内等に配置され、従業員によって操作される管理コンピュータ3を有して構成されている。なお、複数のユーザに同時にサービスを提供できるように受付装置1a、1bは複数台(本実施形態は2台)配置されている。
【0024】
受付装置1a、1bと管理コンピュータ3は、LAN51を介して互いに通信可能に接続されている。管理コンピュータ3には、各種情報を表示するためのモニタ42、キーボード、マウス等、従業員による入力を受け付けるための入力装置41が接続されている。また、レシート形態の用紙に印字を行うレシートプリンタ44、診察券に記憶された情報を読み込む(書き込むことを可能としてもよい)ためのカードリーダ43も接続されている。
【0025】
図2は、本実施形態に係る受付装置1の正面図である。受付装置1は、それに対面して操作を行うユーザに対し、新患受付、再来受付(チェックインともいう)等、各種サービスを提供可能とする装置である。本実施形態の受付装置1は、タッチパネルモニタ12、カードリーダ14、スキャナ15a、2次元コードリーダ15b、レシートプリンタ16a、プリンタ16b、カメラ13a、赤外線カメラ13bを備えて構成されている。これら構成は、受付装置1に対して操作を行うユーザに対し、ユーザインターフェイスとして機能する。
【0026】
タッチパネルモニタ12は、対面して操作を行うユーザに対して、視覚的な情報を表示するとともに、ユーザのタッチ操作を受け付け可能としている。タッチパネルモニタ12の上方には、対面して操作を行うユーザの顔を含む範囲を撮像可能なカメラ13aと、赤外線カメラ13bが設けられている。カメラ13aは、使用するユーザの顔を撮影するためであり、赤外線カメラ13bは、ユーザの体温を検出する検温処理を行うために設けられている。
【0027】
カードリーダ14は、ユーザが所持する磁気カード、あるいは、ICカードで構成された診察券(「施設の利用券」に相当。)から、それに記憶されている患者ID等、各種情報を読み取る。また、カードリーダは、医療費支払いのために使用するクレジットカードの読み取り機能を備えることとしてもよい。スキャナ15aは、保険証の読み取り用に設けられたフラットベッド型であって、再来受付時、当月の初診の場合など、保険証の提示が必要とされる場合、このスキャナ15aを使用して、ユーザが所持する保険証を読み取る。
【0028】
2次元コードリーダ15bは、印刷物に印刷された2次元コード、あるいは、携帯端末2に表示されている2次元コード等、各種2次元コードを読み取ることが可能である。なお、読み取る対象としては、2次元コードに代え、1次元バーコード等、各種コード情報を読み取る形態であってもよく、その場合、2次元コードリーダ15bに代え、読み取り対象に適したコードリーダ(コード読取り装置)が使用される。また、スキャナ15a、2次元コードリーダ15bは、両者を設けることに代え、カメラを使用する等、共通の読み取り部とすることとしてもよい。
【0029】
本実施形態の受付装置1は、ユーザに紙媒体を提供するため、レシートプリンタ16aと、プリンタ16bが設けられている。レシートプリンタ16aは、レシートとして使用される感熱紙に印字する簡易なプリンタであって、再来受付時に発行される受付完了表、あるいは、予約受付時に発行される予約表等の印字に使用される。また、プリンタ16bは、レーザプリンタやインクジェットプリンタ等、通常紙にトナー、あるいは、インクを使用して印刷を行うものであって、医療費支払時に発行される診療明細、領収書等の印刷に使用される。
【0030】
図3は、本実施形態に係る受付装置1の構成を示すブロック図である。受付装置1は、通常のコンピュータと同様、制御部としてのCPU11a、ROM11b、RAM11c、画像処理部11d、音声処理部11eを備えて構成されている。また、ハードディスク18等、各種情報を記憶する記憶部を有している。また、インターフェイス19を介して、カードリーダ14、スキャナ15a、2次元コードリーダ15b、レシートプリンタ16a、プリンタ16b、カメラ13a、赤外線カメラ13b、LAN通信部17が接続されており、制御部による制御が可能となっている。
【0031】
画像処理部11dには、タッチパネルモニタ12が接続されている。タッチパネルモニタ12は、ユーザに対して各種情報を表示する表示部122と、ユーザによるタッチ操作を受け付けるタッチパネル121を備えて構成されている。タッチパネル121は、インターフェイス19に接続されており、ユーザによるタッチ操作を制御部に伝達することが可能となっている。音声処理部11eには、ユーザに対して聴覚的な情報を伝達するスピーカが接続されている。
【0032】
インターフェイス19には、図2で説明したカメラ13a、赤外線カメラ13b、カードリーダ14、レシートプリンタ16a、プリンタ16b、スキャナ15a、2次元コードリーダ15b、タッチパネル121が接続されており、制御部の制御に基づいて各種処理を実行する。この他、インターフェイス19には、各種通信を行う手段として、LAN通信部17が接続されている。LAN通信部17は、LAN51に接続され、図1で説明した管理コンピュータ3等、LAN上の各種情報処理装置、あるいは、ルータ52を介してインターネットと通信することが可能となっている。
【0033】
以上、図1図2を用いて説明した受付システムを使用して、ユーザに対する各種サービスを実行することが可能となっている。ここで、ユーザが所持する携帯端末2の構成について説明しておく。携帯端末2は、スマートフォン、あるいは、タブレット端末等であって、ユーザが所有、所持され、ユーザによって使用される端末である。
【0034】
図4は、本実施形態に係る携帯端末2の構成を示すブロック図である。携帯端末2は、制御部としてのCPU21a、ROM21b、RAM21c、画像処理部21d、音声処理部21eを備えて構成されている。また、フラッシュメモリ等、不揮発性の記憶部22を有している。また、インターフェイス23を介して、携帯回線通信部26a、無線LAN通信部26b、Bluetooth通信部26c(近距離無線通信部)等、各種通信手段の他、入力スイッチ27が接続されており、制御部による制御が可能となっている。
【0035】
画像処理部21dには、タッチパネルモニタ25、カメラ24が接続されている。タッチパネルモニタ25は、ユーザに対して各種情報を表示する表示部252と、ユーザによるタッチ操作を受け付けるタッチパネル251を備えて構成されている。カメラ24は、携帯端末2の背面等に配置され、静止画、動画の撮影を行うことが可能である。なお、カメラ24は、背面のみならず、前面に設ける等、複数配置されるものであってもよい。音声処理部21eには、ユーザに対して聴覚的な情報を伝達するスピーカ28a、音響情報を取得するマイクロホン28bが接続されている。なお、タッチパネルモニタ25、入力スイッチは、携帯端末2の操作を行うユーザに対し、携帯端末側ユーザインターフェイスとして機能する。
【0036】
図5は、本実施形態に係る受付装置1のタッチパネルモニタ12に表示される初期画面を示す図である。初期画面には、ユーザに対して、ユーザが外来患者、入院患者、面会者が何れであるのかを問うボタン121a~121c、スマートフォン(携帯端末2)への機能追加を行うためのボタン121d、日本語以外の他の言語に切り替えるためのボタン121eが表示されている。ユーザが、このボタン121a~121eを選択することで、それに応じた処理が実行される。なお、これら各種サービスは、時間帯によっては受付できないようにすることとしてもよい。例えば、医療施設の開院時間直後は、外来患者に対して各種受付を行うボタン121aのみ選択有効とすることが好ましい。受付装置1において、再来受付以外の処理が実行され、受付装置1に並ぶユーザの列が消化されないことを抑制することが可能となる。
【0037】
図5の初期画面中、外来患者のために使用される機能、すなわち、図5に表示されるボタン121aを選択した場合についての機能について説明する。初期画面において、外来患者であることを選択するボタン121aが操作されると、図6に示される外来患者用画面へと遷移する。この外来患者画面には、新患受付、再来受付、診療費支払い、予約依頼と表記されたボタン122a~122d、及び、初期画面に戻るためのボタン122eが表示される。
【0038】
ここで、各ボタン122a~122dに表示されている各種サービスについて説明しておく。ボタン122a(新患受付)をタッチ選択することで開始されると新患患者、すなわち、この医療施設に初めてかかる患者に対する新患受付処理が開始される。新患受付処理では、受付装置1のスキャナ15aを使用して、マイナンバーカード、運転免許証等の身分証明書、及び、保険証の読み取りが行われる。タッチパネルモニタ12には、ユーザに対し、登録が完了するまで待機するよう通知する表示が行われ、受付装置1側での新患受付処理は完了する。読み取られた情報は、管理コンピュータ3に送信され、事務員等の作業を経て、医療施設のデータベースに患者基本情報として登録される。
【0039】
ボタン122c(再来受付)をタッチ選択することで開始される処理は、医療施設において、2回目以降の受診を行う際、診療の受付を行う処理(チェックイン処理)である。本実施形態の再来受付処理は、前回受診時等、事前に診療予約しているユーザを対象としているが、予約していないユーザを受付可能としてもよい。そのため、再来受付処理をチェックイン処理と呼ぶこととする。
【0040】
ボタン122b(診療費支払い)をタッチ選択することで開始される処理は、診療が終了したユーザに対して、診療費の支払いを行うための処理である。本実施形態の受付装置1は、カードリーダ14を使用してクレジットカードによる支払いを行うことを可能としているが、現金取扱機能を設け、現金による支払いを可能としてもよい。ボタン122d(予約依頼)を選択することで開始される処理は、次回の診療日時を予約するための処理である。
【0041】
図5で説明した初期画面中、ボタン121d(スマートフォンへの機能追加)を選択することで開始される処理は、ユーザが所持する携帯端末2で実行される携帯用プログラム(「アプリ」ともいう)に対して、機能を追加する処理である。ユーザは、医療機関で使用する携帯用プログラムを、インターネット回線を介して、携帯端末2にダウンロードして使用する。この携帯用プログラムは、基本機能として、各種医療機関の所在地等の基本情報の取得、あるいは、待合番号を使用し、各医療機関における現在の診療の進捗状況を通知すること等が可能となっている。
【0042】
また、携帯端末2で実行可能とする追加機能として、図5で説明した、受付装置1で実行される再来受付(チェックイン処理)、診療費支払い、予約依頼等、各種機能を追加することが可能となっている。このような追加機能は、携帯端末2を使用するユーザ(患者等)を特定する必要があり、患者ID等、重要な情報を携帯端末2側で取り扱う必要がある。したがって、このような追加機能をプログラムの基本機能として組み込むことは、セキュリティを確保する上で好ましいことではない。あるいは、携帯端末2のみで機能追加することもセキュリティ上、好ましいとはいえない。セキュリティ上の不具合を突いて、不正利用される可能性も考えられる。そのため、本実施形態では、携帯端末2で実行される携帯用プログラムに対し、機能を追加する場合には、受付装置1を使用することとしている。
【0043】
図7は、本実施形態に係るチェックイン処理を示すフロー図である。チェックイン処理は、受付装置1で実行される処理であって、ユーザが受付装置1に対面して、タッチパネルモニタ12等を操作することで行われる処理である。チェックイン処理は、図6の外来患者用画面において、ボタン122c(再来受付)を操作することで開始される。なお、受付装置1における通常チェックイン処理は、医療施設で設定された受付開始時刻が到来すること、あるいは、医療施設従業員等によって行われる操作指示によって開始される。
【0044】
チェックイン処理が開始されると、タッチパネルモニタ12には、ユーザに対して、診察券の挿入を促す、もしくは、携帯端末2の診察券機能で表示された2次元コードを2次元コードリーダ15bにかざす旨の案内画面が表示される(S100)。なお、携帯端末2の診察券機能については、後で、その機能追加について詳しく説明する。ユーザが診察券をカードリーダ14に挿入した場合(S101:Yes)、カードリーダ14は、診察券に記憶されている患者IDを読み取る(S102)、また、携帯端末2に表示されている2次元コードが2次元コードリーダ15bで読み取られた場合(S101:Yes)、受付装置1は、2次元コードから患者IDを読み取る。受付装置1は、管理コンピュータ3に読み取った患者IDを含むチェックイン要求を送信する(S103)。
【0045】
図9には、本実施形態に係る受付システムで使用する各種データ構成が記載されている。管理コンピュータ3には、初診時等のタイミングで、事前に登録された患者基本情報が記録されている。図9(A)に示されるように、患者基本情報は、患者ID、施設ID、氏名、住所、性別、生年月日、個人識別情報、保険証情報等、ユーザとしての患者に関する情報が登録されている。
【0046】
ここで、本実施形態では、患者IDと医療施設IDを組み合わせてシステムIDとして使用している。本実施形態の受付システムは、複数の医療施設で使用可能とすることを前提としている。したがって、患者IDと医療施設IDを組み合わせたシステムIDを参照することで、医療施設、及び、患者を特定することが可能となる。
【0047】
個人識別情報は、初診受付時等、患者から提示された運転免許証、マイナンバーカード等に記載された番号、あるいは、それらのコピー画像等、個人を識別可能とする各種情報である。保険証情報には、保険証種別、保険証番号、有効期限等が含まれている。なお、マイナンバーカードを保険証として使用可能な場合には、個人識別情報と保険証情報はマイナンバーカードに関する情報で統合することも可能である。
【0048】
管理コンピュータ3には、診療予約に関する予約情報も登録されている。図9(B)に示されるように、予約情報は、患者ID、予約日、予約時間帯、診療科ID、医師IDを含んで構成されている。本実施形態では、予約日と予約時間帯が指定される予約形態としているが、予約形態は、このような形態に限られるものでは無く、予約日のみとする、あるいは、予約日と予約時間とする等、各種形態を採用することが可能であって、医療施設の予約形態に応じて、予約情報内の情報は適宜変更されることになる。
【0049】
チェックイン要求を受信した管理コンピュータ3は、チェックイン要求に含まれる患者IDを参照し、それに該当する予約情報の検索を行う。患者IDに対応する予約情報が無い、あるいは、患者IDに対応する予約情報の予約日が当日のもので無い場合、受付装置1に対してエラー情報を送信する。エラー情報を受信した場合(S104:Yes)、受付装置1は、タッチパネルモニタ12に、予約が無く、受付できなかったことを通知するチェックインエラー画面を表示する(S114)。
【0050】
一方、管理コンピュータ3において、患者IDに対応し、予約日が当日である予約情報が存在した場合、管理コンピュータ3は、受付装置1に予約確認情報を送信する。予約確認情報には、予約情報に基づく各種情報、すなわち、患者名、予約日、予約時間帯、診療科名、医師名等が含まれている。受付装置1は、予約確認情報を受信する(S105:Yes)と、受信した予約確認情報に基づきチェックイン確認画面を表示する(S108)。なお、本実施形態では、チェックイン確認画面を表示する前に、赤外線カメラ13bを使用して、ユーザの検温を行うこととしている。
【0051】
図2で説明したように、受付装置1には、ユーザを含む範囲を撮像可能な赤外線カメラ13bが設けられている。検温はこの赤外線カメラ13bを使用して行われる(S106)。本実施形態では、検温を正確に行うことが可能な人間のこめかみ近傍の体温を使用することとしている。さらに、検温結果の精度を高めるため、広い範囲の顔の体温分布に基づいて、こめかみ近傍の体温を補正し、検温結果として使用している。また、こめかみ位置を正確に検出するため、カメラ13aを合わせて使用することとしてもよい。検温結果が正常で無い場合(S107:No)、すなわち、インフルエンザ等、各種感染による高熱等と考えられる場合は、タッチパネルモニタ12に発熱注意画面を表示する(S112)と共に、発熱注意情報を管理コンピュータ3に送信する(S113)。
【0052】
発熱注意画面には、発熱により、ユーザに対し、隔離スペースなどへの移動を求める旨が表示される。また、発熱注意情報を受信した管理コンピュータ3は、従業者に対して、発熱異常の患者が発生したことを、受付装置1の識別情報を含めて通知する。このように再来受付時、インフルエンザを発症しているユーザを隔離する等、チェックイン時に対策を取ることで、院内感染等を抑制することが可能となる。なお、受付装置1では、発熱注意画面のみならず、受付装置1の周囲に通知する通知手段を設けることとしてもよい。例えば、受付装置1の上部に通知灯を設けておき、それを点灯させることで、受付装置1の周囲で待機する従業員に通知する、音声で通知する等の通知手段を設けることが考えられる。また、赤外線カメラ13bによる検温は、本実施形態のタイミングで行うことに限られるものでは無く、通常チェックイン処理内の適宜タイミングで行うこととしてもよい。
【0053】
また、検温結果が正常で無い場合(S107:No)、受付装置1の利用を一時的に中止することとしてもよい。受付装置1の中止は、医療施設の管理者による消毒が完了するまで継続して行われる。タッチパネルモニタ12には、「清掃が完了するまでお待ちください。」等のメッセージが表示され、次の順番のユーザの使用を抑制する。医療施設の管理者は、管理コンピュータ3への通知、あるいは、通知灯の点灯状態に基づき、受付装置1に対する清掃が必要な場合、受付装置1のタッチパネルモニタ12等を十分に清掃し、受付装置1の中止を解除する。受付装置1の解除は、受付装置1に対する所定操作を行う、あるいは、管理コンピュータ3から遠隔操作で解除することが考えられる。このように、感染の疑いがあるユーザの使用があった場合でも、利用を一時的に中断することで、感染の拡大を抑制することが可能となっている。
【0054】
一方、検温結果が正常である場合(S107:Yes)、受付装置1は、受信した予約確認情報に基づき、タッチパネルモニタ12にチェックイン確認画面を表示する(S108)。図8は、本実施形態に係るチェックイン確認画面を示す図である。チェックイン確認画面には、診療科、医師名、予約時間帯を含む受診内容表示欄123a、取消ボタン123b、確認ボタン123cが表示される。図8に表示されるチェックイン確認画面から分かるように、本実施形態では、1回の来院で複数の科を受診することも可能である。その場合、該当する複数の予約情報に基づいて、チェックイン確認画面が表示される(S108)。ユーザは、受診内容に問題無ければ、確認ボタン123cを操作し、当日の受診内容を確定させる(S109:Yes)。一方、受診内容を取り消したい場合、取り消したい項目(受診科等)を選択して、取消ボタン123bを操作することで、項目に該当する予約を取り消すことが可能である。
【0055】
確認ボタン123cがタッチ操作された場合(S109:Yes)、受付装置1は、管理コンピュータ3に確認指示情報を送信する(S110)。管理コンピュータ3は、確認指示情報の受信に基づいて、対応する予約情報を受診情報として診療待ち行列に加える。診療待ち行列は、対応する診療科の医師毎に設けられており、基本、この診療待ち行列の順に基づいて診療が行われることになる。また、受付装置1では、ユーザに対して、レシートプリンタ15を使用して受付完了票をプリントアウトする(S111)。
【0056】
受付完了票には、予約情報に含まれる受診科、医師名、予約時間帯、そして、受付順に相当する待合番号、2次元コードが印刷されている。なお、本実施形態のように、複数の受診科で受診する場合には、受診科毎に待合番号を発行することとしてもよい。ここで、受付完了票に印刷される2次元コードは、受診時に、診療科に配置された情報処理装置(図示せず)で確認を行うための情報である。診療科に配置された情報処理装置は、LAN51で管理コンピュータ3と通信接続されており、情報処理装置で読み取った2次元コードで、本人確認を行うことが可能となっている。
【0057】
以上、受付装置1で実行されるチェックイン処理について説明したが、次に、受付装置1を使用した機能追加処理について説明する。機能追加処理は、ユーザが所持する携帯端末2に対して、診察券機能、メッセージ機能等、各種機能を追加するための処理である。本実施形態では、このような追加機能を、携帯端末2のみの操作で行うものではなく、医療施設内に設置された受付装置1と連携して行うことで、各種情報のセキュリティ向上を図ることとしている。
【0058】
図10は、本実施形態に係る機能追加処理を示すフロー図である。この処理は、受付装置1において、図5中、スマートフォンへの機能追加と表記されたボタン121dを選択することで開始される。処理が開始されると、タッチパネルモニタ12には、診察券の挿入を促す画面が表示される。ユーザが診察券をカードリーダ14に挿入すると(S201:Yes)、カードリーダ14は、診察券に記憶されている患者IDを読み取る(S202)。また、受付装置1は、カメラ13aを使用して撮影を開始する(S203)。なお、カメラ13aによる撮影(動画もしくは複数回にわたる静止画)は、継続して行われ、後で、撮影した中で本人を確認する上で好適なベストショットである撮影情報が選定される。
【0059】
受付装置1は、読み出した患者IDを管理コンピュータ3に送信し、管理コンピュータ3から患者IDに対応する患者基本情報を取得する(S204)。なお、取得する患者基本情報は、それに含まれる全ての情報ではなく、必要な一部情報であってもよい。その後、タッチパネルモニタ12には、携帯端末2に読み取らせるための2次元コードを含む機能追加確認画面が表示される(S205)。この2次元コードには、患者を特定するための情報(「施設利用者関連情報」に相当)が含まれている。なお、2次元コード中、患者IDは暗号化されていることが好ましい。
【0060】
ユーザは、タッチパネルモニタ12に表示された2次元コードを、起動した携帯用プログラム(アプリ)を使用し、携帯端末2のカメラ24で読み取らせる(携帯端末2側の機能追加処理に相当)。図9(C1)は、2次元コードに含まれるデータ構成の一形態であって、患者ID、医療施設ID(システムID)、氏名、生年月日、使用している受付装置1を識別するための装置IDが含まれている。カメラ24で読み取られた2次元コードは、携帯端末2で暗号化が解除されて情報に変換される。読み取られた情報中、患者ID、医療施設ID、氏名、生年月日といった、携帯端末2を診察券として使用するために必要な情報は、診察券情報として、携帯端末2に記憶(登録)される。
【0061】
図11図12は、本実施形態に係る携帯端末2の各種画面を示す図である。図11(A)は、携帯端末2において、タッチパネルモニタ25に表示される初期画面である。初期画面には、現在選択している医療施設名251aの他、各種ボタン251b~251jが表示されている。ボタン251bは、携帯端末2を診察券として使用する(診察券機能)ためのボタンであって、図10で説明した機能追加処理を完了することで、携帯端末2を、受付装置1で受け付け可能な診察券として使用することが可能となる。携帯端末2では、そのタッチパネルモニタ25に診察券としての2次元コードを表示してチェックインすることが可能である。
【0062】
ボタン251cは、医療費を支払うためのボタンであり、ユーザは診療後、このボタン251cを操作することで、クレジットカードによる支払い、コンビニでの支払い等を選択することが可能である。したがって、この機能を使用して、受付装置1や受付に立ち寄る必要なく、医療費の支払いを行うことが可能となる。
【0063】
ボタン251dは、入院しているユーザが、親族、友人、知人等に対して、面会証を発行するための情報をメール送信するためのボタンである。この機能を使用し、入院しているユーザは、親族、友人、知人等、面会を許可する者に対してメール送信を行うことが可能である。メールには、2次元コード、あるいは、2次元コードを取得するためのWEBアドレス、面会許可番号といった、面会証を発行するための情報が付されている。面会者は、受付装置1で、この情報を読み取らせる、あるいは、入力を行うことで、面会を許可する面会証を受け取ることが可能である。
【0064】
ボタン251eは、対象とする医療施設を切り替えるためのボタンである。本実施形態のプログラムは、複数の医療施設で使用することが可能となっている。ボタン251eを操作することで、利用可能な医療施設が表示され、対象とする医療施設を選択することが可能となっている。選択後、医療施設名251aが選択されたものに変更される。
【0065】
ボタン251fは、機能追加処理が行われた後に実行可能な機能であって、医療施設からのメッセージ受信、そして、医療施設へのメッセージ送信といったメッセージ機能である。このメッセージ機能は、医療施設との間で安全にメッセージの送受信を行うための機能であって、後で詳しく説明を行う。
【0066】
ボタン251gは、機能追加処理が行われた後に実行可能な機能であって、選択している医療施設について、次回の診療日時を予約することが可能である。なお、図11(A)の初期画面中、破線で示されたボタンは、選択している医療施設で使用されていない機能となっている。これは、医療施設毎で異なる仕様を考慮したものである。本実施形態では、ボタン251gによる予約依頼が使用できない状況となっている。
【0067】
ボタン251hは、携帯用プログラム(アプリ)の使い方を参照するためのボタンである。ボタン251jは、日本語以外の他言語に切り替えるためのボタンである。
【0068】
次に、機能追加処理のために使用するボタン251bの操作時の画面遷移について説明を行う。携帯端末2を診察券代わりに使用する場合、受付装置1との間で機能追加処理を実行し、携帯端末2に患者ID等の情報を登録する必要がある。ボタン251bの操作時、携帯端末2にまだ情報が登録されていない場合、まず、図11(B)の利用規約が表示される。図11(B)には、「利用規約」としか表示されていないが、実際には、利用規約の詳細がここに表示されることになる。また、同意すると表記されたボタン252a、同意しないと表記されたボタン252bが表示されている。表示される利用規約に同意したユーザはボタン252aを操作し、図11(C)の画面へと進む。
【0069】
図11(C)は、まだ診察券が登録されていない状態の画面である。ユーザは、診察券登録と表記されたボタン253を操作することで、図12(D)の画面へと進む。図12(D)は、受付装置1側での操作を促す画面である。また、この画面には、2次元コード読み取りと表記されたボタン254が表示されている。このボタン254を操作することで、図12(E)の読み取り画面へと遷移する。読み取り画面には、カメラ24で撮影中の映像を表示するモニタ欄256a、キャンセルボタン256が表示されている。ユーザはモニタ欄256aで映像を確認しつつ、受付装置1で実行される機能追加処理中、S205の処理で表示される機能追加確認画面を撮影する。
【0070】
受付装置1に表示された2次元コードを読み取った携帯端末2は、携帯回線通信部26aを使用して、インターネット上の管理サーバ(図示せず)に、登録要求情報を送信する。図9(D)は、登録要求情報のデータ構成を示した図である。登録要求情報には、患者ID、医療施設ID、携帯端末2に対応付けられている端末IDを送信する。端末IDは、携帯端末2に固有のID、あるいは、携帯用プログラム(アプリ)に固有のIDであればよい。管理サーバは、携帯端末2から、携帯回線網、インターネットを介して登録要求情報を受信し、装置IDを有する受付装置1を使用する受付システムの管理コンピュータ3に対して送信する。管理コンピュータは、登録要求情報に含まれる装置IDの受付装置1に対して、登録要求情報を受信した旨を通知する。
【0071】
受付装置1において、管理コンピュータ3が登録要求情報を受診した旨を確認した場合(S206:Yes)、受付装置1は、カメラ13aで継続的に撮影していた動画、あるいは、複数の静止画の中から、ユーザの顔が適切に撮影できたベストショットを選定し、撮影情報として記録(S207)し、管理コンピュータ3に送信(S208)し、機能追加処理を終了する。。
【0072】
撮影情報を受信した管理コンピュータ3は、先に受信した登録要求情報と、撮影情報に基づき、携帯端末登録情報の登録を行う。図9(E)には、携帯端末登録情報のデータ構成が示されている。携帯端末登録情報には、患者ID、医療施設ID、携帯端末2の端末ID、受付装置1の装置ID、登録した日時を示す登録日時、カメラ13aで撮影した撮影情報が含んで構成されている。携帯端末登録情報は、それに含まれる端末IDを使用して、携帯端末2が適正なものであるかを識別するために使用される。そして、機能追加後に、トラブル等が生じた場合には、この携帯端末登録情報を参照することで、いつ誰が機能を登録したか等の履歴として使用することが可能となる。
【0073】
一方、受付装置1において、携帯端末2の端末IDを受信できない場合(S206:No)には、一定期間のタイムアウト期間を経た後(S209:Yes)、機能追加処理を終了する。その場合、カメラ13aで撮影していた撮影情報は破棄される(S210)。
【0074】
以上、本実施形態では、携帯端末2に診察券機能等の機能を追加する場合、ユーザは、受付装置1と対面して操作を行う機能追加処理を行うことを必要としている。したがって、携帯端末2を使用する際におけるセキュリティ及び不正利用といった各種問題を抑制可能としている。特に、携帯端末2には、患者ID、システムIDといった正確性、秘匿性が必要となる情報を記憶させることになるが、本実施形態のように、受付システムから携帯端末2にこれら情報を供与することで、正確性、秘匿性を担保することが可能となる。
【0075】
図12(F)には、機能追加処理を完了した際の携帯端末2の画面が表示されている。この画面は、図11(A)に示すボタン251bを操作することで遷移する画面である。なお、本実施形態では、複数人の診察券を登録することが可能となっており、本人のみならず、ユーザの親族、あるいは、ユーザ(看護業者)の看護対象者等の診察券を登録することが可能となっている。図12(F)の例では、2つの診察券表示領域255a、255bが表示されており、2名分の診察券が登録された状態となっている。ユーザは、使用する診察券表示領域255a、255bをタッチ操作することで、診察券表示領域255a、あるいは診察券表示領域255bを最前面に移動させ、それを使用することが可能となる。図12(F)の例では、診察券表示領域255aが最前面に表示され、使用可能な状態となっている。
【0076】
診察券表示領域255aには、メッセージ設定と表記されたボタン255c、削除と表記されたボタン255d、ライフログ送信設定ボタン255e、2次元コード255fが表示されている。ボタン255cを操作することで、後で説明するメッセージ機能に関する設定が行われる。ボタン255dを操作した場合、選択している診察券(診察券表示領域255a、及び、それに対応する情報)を削除することが可能である。
【0077】
ライフログ送信設定ボタン255eは、携帯端末2で管理するライフログデータを、選択している診察券表示領域255aに該当する医療施設に送信設定するためのボタンである。ここで、ライフログデータとは、体重、血圧、脈拍数、睡眠時間、歩行数等、携帯端末2で収集された健康に関するデータである。携帯端末2では、ヘルスメータ(体重計)、あるいは、血圧計等の外部機器と通信することで、ライフログデータを収集することが可能である。あるいは、歩行数等、携帯端末2の機能を使用してライフログデータを収集することが可能である。もしくは、携帯端末2に装備された健康管理アプリに、ユーザ自らがライフログデータを入力することでライフログデータを収集可能である。ライフログ送信設定では、このように収集されたライフログデータを、診察券登録している医療施設毎に送信設定することが可能となっている。このライフログデータの送信に関しては、後で詳しく説明を行う。
【0078】
2次元コード255fは、携帯端末2に登録されている診察券情報を2次元コード化した情報である。本実施形態では、2次元コード255fを受付装置1で読み取らせることで、診察券として使用することも可能となっている。
【0079】
なお、本実施形態では、受付装置1で2次元コードを表示させ、携帯端末2で読み取ることで、各種情報を送受信することを説明したが、このような形態に代え、携帯端末2側で、端末IDを含む2次元コード表示し、受付装置1側の2次元コードリーダ15bで読み取ることとしてもよい。その場合、受付システム側から、端末IDで特定される携帯端末2に対し、携帯回線網を使用して、機能追加のために必要な各種情報(少なくともユーザを特定するのに必要とされる患者ID、医療施設ID等)が送信されることになる。
【0080】
あるいは、2次元コードには、図9(C1)に記載されるような情報を含めることなく、図9(C2)に記載されるような受付装置1の装置ID等を、認証用情報として含めてもよい。2次元コードを受信した携帯端末2は、携帯回線網、インターネットを通じて、携帯端末認証用情報を受付システムに送信し、受付システムから、機能追加のために必要な情報(少なくともユーザを特定するのに必要とされる患者ID、医療施設ID等)を受信することとなる。このような形態によれば、秘匿性を必要とする情報を2次元コードで表示する必要が無く、2次元コードを撮影、コピーされることによる情報流出を抑制することが可能となる。
【0081】
次に、本実施形態のメッセージ機能について説明する。図13は、本実施形態に係るメッセージシステムの構成を示すブロック図である。本実施形態のメッセージシステムは、各医療施設内に設置された管理コンピュータ3a、3b(本発明の「メッセージ管理装置」に相当。)、メッセージサーバ62を備えて構成されている。この他、メッセージシステムの外部構成としては、携帯端末2a(第1OS)、携帯端末2b(第2OS)、第1通知サーバ61a(第1OS用)、第2通知サーバ61b(第2OS用)を有している。
【0082】
なお、携帯端末2a、2bは、各種外部機器と通信を行うこと等で、ライフログデータを収集することが可能となっている。図中、携帯端末2aは、血圧計53aと通信を行うことで血圧を収集し、ヘルスメータ53bと通信を行うことで体重、体脂肪率等を収集することが可能となっている。一方、携帯端末2bは、スマートウォッチ53cと通信を行うことで脈拍、歩行数等のライフログデータを収集することが可能となっている。
【0083】
管理コンピュータ3a、3bは、各医療施設内に設置され、メッセージの作成、送信、受信等、各種処理を実行する。なお、医療施設内には、この管理コンピュータ3a、3b以外にもメッセージに関する各種処理を実行可能な情報処理装置を設置することも可能である。これら情報処理装置は、医療施設内のネットワークに接続され、管理コンピュータ3a、3bと同様、携帯端末2a、2bから受信したメッセージを確認する、あるいは、携帯端末2a、2bに対してメッセージを送信することが可能である。
【0084】
管理コンピュータ3a、3bは、ルータ52a、52bを介してインターネットに接続されている。また、管理コンピュータ3a、3bは、VPN(Virtual Private Network)を使用して、メッセージサーバ62と通信接続されている。
【0085】
前述したように患者等のユーザは、携帯端末2a、2bを所持しており、携帯端末2a、2bの携帯用プログラムを使用した各種機能を利用することが可能である。本実施形態では、携帯端末2a、2bに2種類のOS(Operating System)が存在することを想定しており、各携帯端末2a、2bのOS毎に、OSに対応した第1通知サーバ61a(第1OS用)、第2通知サーバ61b(第2OS用)が設けられている。これら、第1通知サーバ61a(第1OS用)、第2通知サーバ61b(第2OS用)は、対応するOSの管理会社によって管理され、対応するOSがインストールされた携帯端末2a、2bについて各種状況の確認、あるいは、携帯端末2a、2bへの通知を行うことが可能である。
【0086】
メッセージサーバ62は、本実施形態に係るメッセージ機能を実現するため、インターネット上に設けられたサーバである。本実施形態では、管理コンピュータ3a、3bと携帯端末2a、2b間において安全なメッセージの送受信を実現する。本実施形態のメッセージサーバ62は、メッセージの送信元となる携帯端末2(あるいは、管理コンピュータ3)と、メッセージの送信先となる管理コンピュータ3(あるいは、携帯端末2)とを接続する機能を有するものであって、送信対象となるメッセージは、記憶、保存を行わない。いわば、携帯端末2と管理コンピュータ3間のトンネルとして機能するものである。
【0087】
ところで、従来、携帯端末2を使用したメール送信においては、相手先にアドレスを伝え、そのアドレスに対してメールを送信することで行われている。医療施設から、携帯端末2a、2bに対して、メールによるメッセージを送信したい場合、予め、患者等のユーザからメールアドレスを聴取しておき、聴取したメールアドレスにメール送信することが考えられる。
【0088】
ここで、従来のメール送信においては、以下の点について支障が生じることが考えられる。患者等のユーザからのメールアドレスの聴取は、紙に書いて貰うことで行われることになるが、記載したメールアドレスが間違えている、あるいは、記載されたメールアドレスを読み違えてしまう等、その正確な聴取を行うことができないことが考えられる。メールアドレスを聴取したにも関わらず、大事なメッセージを送信することができないといった問題がある。
【0089】
また、従来のメール送信においては、インターネット上に設置されたメールサーバを介して行われる。メールサーバでは、送信するメールを一旦保存してメール送信を行うとともに、複数のメールサーバを介してメール送信されることになる。したがって、医療施設で取り扱う情報が、インターネット上に晒されることになり、セキュリティ上の不安が残る。
【0090】
医療施設では、患者等に簡易にメッセージを伝えたいという要望はあるものの、以上のような事情から、メールによるメッセージ送信を行うことは難しかった。本実施形態では、このような事情を考慮したものであって、患者等の送信先を確実に把握し、セキュリティの高いメッセージ機能を実現することを目的としている。また、メッセージのみならず、患者のライフログデータについても、セキュリティを保った上で医療施設に直接伝えることを可能とすることを目的としている。
【0091】
本実施形態のメッセージ機能は、医療施設内の管理コンピュータ3a、3bと、ユーザが所持する携帯端末2の間でメッセージの送受信を行うことが可能である。このメッセージ機能は、前提として、ユーザが所持する携帯端末2と、受付装置1との間で、機能追加処理が行われ、携帯端末2に医療施設の診察券が登録されていることが必要である。
【0092】
図12(F)で説明したように、医療施設内に設置される受付装置1を使用して、機能追加処理を完了した携帯端末2には、診察券が登録される。診察券表示領域255aには、メッセージ設定と表記されたボタン255cが設けられており、このボタン255cを操作することで、当該診察券に対するメッセージの設定が行われる。
【0093】
図14(G)は、図12(F)において、診察券表示領域255aに表示されるボタン255cが操作された場合の画面であって、メッセージ設定欄256cが表示されている。このメッセージ設定欄256cには、選択した診察券の医療施設名(病院名)、患者氏名、患者IDが表示されている。ユーザは、このメッセージ設定欄256cを確認し、メッセージ機能を使用する場合、「受信する」と表記されたボタン256eを操作する。また、行わない場合には、ボタン256dを操作することで前画面に戻ることも可能である。
【0094】
ボタン256eが操作された場合、図14(H)の続柄設定欄257aが表示される。ここで、携帯端末2のユーザは、患者本人ではないことが考えられる。例えば、携帯端末2のユーザは、患者の親族、保護者、介助者等であることが考えられる。本実施形態では、前述したように診察券に対応する患者以外のユーザであっても患者に代え、あるいは、患者に加えて診察券の登録を行うことが可能となっている。
【0095】
そのため、メッセージ機能の設定にあたっては、患者に対する誰であるかを示す続柄を登録可能としている。登録された続柄は、メッセージを送受信する医療施設内の管理コンピュータ3a、3bで参照可能であって、誰に関するメッセージであるかを確認することが可能である。また、患者の保護者、介助者が複数存在することも考えられるため、ある患者について、複数の携帯端末2に対し、メッセージ機能を設定することも可能となっている。
【0096】
本実施形態の続柄設定欄257aには、本人、配偶者、親、子、親族、友人、業者(介護業者等)を設定することが可能であって、それぞれに対応する続柄選択ボタン257bが設けられている。なお、ボタン257cが操作された場合には、前画面に戻ることとしている。続柄選択ボタン257bで何れかの続柄が選択された場合、図14(I)に示される確認欄258aが表示される。この確認欄258aには、医療施設名(病院名)、患者氏名、患者IDの他、続柄選択ボタン257bで選択した続柄(図14(I)の場合「本人」)が表示されている。
【0097】
確認欄258aでメッセージ機能の設定内容を確認したユーザは、「決定」と表記されたボタン258cを操作して、メッセージ機能の設定を完了する。なお、ボタン258bが操作された場合には、前画面に戻ることになる。
【0098】
このように本実施形態では、機能追加処理で携帯端末2に登録した診察券毎に、メッセージ設定を行うことが可能となっている。携帯端末2におけるメッセージ機能の設定が行われる際、携帯端末2、メッセージサーバ62、管理コンピュータ3間において、メッセージ機能設定のための各種処理が実行される。図15図16は、これらメッセージ機能設定のための処理(「設定処理」に相当。)を示すフロー図であり、図17は、本実施形態に係るメッセージシステムで使用する各種データ構成を示す図である。ここでは、携帯端末2aと医療施設Aに設置された管理コンピュータ3a間での処理について説明する。
【0099】
図15は、本実施形態に係る携帯端末の初回登録処理を示すフロー図である。ここでは、第1OSを使用する携帯端末2aを例に取って説明する。携帯端末2aでは、対応する第1通知サーバ61aが使用される。なお、第2OSを使用する携帯端末2bの場合、対応する第2通知サーバ61bが使用されることになる。
【0100】
携帯端末2aにおいて、携帯用プログラム(アプリ)がインストールされ、初めて携帯用プログラムが起動された場合(S301)、携帯端末2aは、第1通知サーバ61aに対して、アプリの初回起動を通知する。第1通知サーバ61aは、携帯端末2aにアプリIDを割り当てるとともに、それを記憶し、携帯端末2aに通知する(S302)。携帯端末2aは、受信したアプリIDを携帯側設定情報に格納する。
【0101】
次に、携帯端末2aは、メッセージサーバ62に対して初回登録要求を送信する。その際、メッセージサーバ62に対して、第1通知サーバ61aが割り当てたアプリIDを送信する。メッセージサーバ62では、携帯端末2aの設定に必要な情報を生成する(S303)。設定に必要な情報としては、M_JID、Mパスワード、M公開鍵、M秘密鍵が含まれている。この内、M_JID、Mパスワード、M公開鍵、受信したアプリIDを、サーバ側携帯情報として登録する(S303)。M_JIDは、携帯端末2aの識別情報であって、宛先としても使用される。Mパスワードは、メッセージサーバ62にログインする際に必要なパスワードである。M公開鍵は、携帯端末2aで暗号化を行う際に使用される鍵情報である。
【0102】
メッセージサーバ62は、生成した設定に必要な情報の内、M_JID、Mパスワード、M公開鍵を初回登録要求のあった携帯端末2aに送信する。携帯端末2aは、受信した情報を携帯側設定情報に登録する(S305)。携帯側設定情報には、M_JID、Mパスワード、M秘密鍵、アプリIDが含まれている。
【0103】
次に、携帯端末2aは、M_JIDとMパスワードを使用して、メッセージサーバ62にログインする。メッセージサーバ62では、ログイン確認後、携帯端末2aのサーバ側携帯情報を正式に登録する(S306)。そして、携帯端末2aに対して、ログイン成功の旨を通知する。ログイン成功の通知を受信した携帯端末2aでは、携帯側設定情報を正式登録する(S307)。
【0104】
以上の初回登録処理を実行することで、携帯端末2aは、メッセージサーバ62を使用したメッセージ機能を使用することが可能となる。次に、個々の医療施設とのメッセージ機能の設定を行うハンドシェイク処理について説明する。
【0105】
図16は、携帯端末2aと、メッセージ機能の追加で選択された医療施設に設置されている管理コンピュータ3aとの間で行われるハンドシェイク処理を示すフロー図である。このハンドシェイク処理を実行することで、管理コンピュータ3aには、携帯端末2aに関する情報が登録され、両者の間で公開鍵が交換され、メッセージの送受信を行うことが可能となる。ここで、管理コンピュータ3aは、メッセージサーバ62との間で設定処理を実行し、施設側設定情報を記憶している。施設側設定情報には、医療施設ID、H_JID、Hパスワード、H秘密鍵が含まれている。H_JIDは、医療施設に設置されている管理コンピュータ3aの識別情報であって、宛先としても使用される情報である。H秘密鍵は、管理コンピュータ3aの秘密鍵であって、H公開鍵で暗号化した情報を復号化する。
【0106】
ハンドシェイク処理は、図14(I)で説明した確認欄258aでボタン258cが操作された場合に実行される。ハンドシェイク処理では、携帯端末2aは、メッセージサーバ62にログインし(S351)、選択されている診察券に基づき、携帯端末2aは、メッセージサーバ62に対して診察券の設定要求を送信する(S352)。設定要求には、選択されている診察券の医療施設を示す医療施設IDが含まれている。メッセージサーバ62では、医療施設のサーバ側設定情報を予め記憶している。
【0107】
サーバ側設定情報には、医療施設ID、H_JID、H公開鍵が含まれている。医療施設IDは、医療施設を特定可能な識別情報である。H_JIDは、医療施設に設置されている管理コンピュータ3aの識別情報であって、宛先としても使用される情報である。H公開鍵は、管理コンピュータ3aの公開鍵である。
【0108】
携帯端末2aから設定要求を受けたメッセージサーバ62は、携帯端末2aに対してH_JID、H公開鍵(S353)を送信する。携帯端末2aは、H_JID、H公開鍵を診察券関連情報として登録する。診察券関連情報には、医療施設ID、H_JID、H公開鍵、そして、購読者情報が含まれている。購読者情報は、診察券に関連する情報であって、患者ID、患者氏名、図14(H)で選択した続柄が含まれている。
【0109】
携帯端末2aは、管理コンピュータ3aに対して、設定要求を送信する。設定要求の送信は、メッセージサーバ62を経由して行われる。メッセージサーバ62は、送信元となる携帯端末2aのM_JIDと、宛先となる管理コンピュータ3aのH_JIDを接続し、両者間での直接通信を可能にする。設定要求には、携帯端末2aのM_JIDが含まれており、設定要求を受信した管理コンピュータ3aは、メッセージサーバ62にM公開鍵を要求する(S355)。メッセージサーバ352は、サーバ側携帯情報を参照し、M_JIDに対応するM公開鍵を管理コンピュータ3aに送信する(S356)。
【0110】
管理コンピュータ3aは、受信したM_JIDを施設側携帯情報に登録する(S357)。施設側携帯情報には、M_JID、M公開鍵が含まれている。管理コンピュータ3aは、携帯端末2aに購読通知を送信する。購読通知を受けた携帯端末2aは、管理コンピュータ3aに購読者情報を送信する。管理コンピュータ3aは、受信した購読者情報を施設側携帯情報に登録する(S358)ことで、宛先となる患者ID、患者名、続柄を参照してメッセージの作成、送信、あるいは、受信したメッセージの患者ID、患者名、続柄を参照することが可能となる。
【0111】
携帯端末2aと管理コンピュータ3a間でハンドシェイク処理が完了することで、両者の間でのメッセージ送信が可能となる。ハンドシェイク処理では、宛先となるM_JID、H_JIDを明示することなく取り交わされるため、従来のメールのように、メールアドレスの間違い等による不通、誤配信を防ぐことが可能となる。また、メールアドレスの筆記による取り交わしも必要無く、容易な設定となっている。
【0112】
また、メッセージサーバ62は、メッセージサーバ62は、携帯端末2と、管理コンピュータ3の公開鍵の管理を行っている。また、携帯端末2a、管理コンピュータ3aは、メッセージサーバ62から、相手の公開鍵(H公開鍵、M公開鍵)を受信する。いわば、メッセージサーバ62は、鍵バンクとして機能する。携帯端末2と管理コンピュータ3は、直接通信を行うことになるが、この直接通信では、全て暗号化された状態となり、十分なセキュリティが図られた状態となる。
【0113】
図18図19は、本実施形態に係る送信処理を示すフロー図である。本実施形態では、従来のメールのように、携帯端末2aと管理コンピュータ3aとの間でメッセージを送信することが可能である。その際、メッセージサーバ62は、送信元と送信先を単に接続するトンネルとして機能し、実質、携帯端末2aと管理コンピュータ3a間での直接通賃となるため、セキュリティの向上も図られている。なお、携帯端末2a、管理コンピュータ3aは、メッセージサーバ62にログインした状態である。
【0114】
ここで、管理コンピュータ3aから携帯端末2aにメッセージを送信する送信処理では、携帯端末2aでの携帯用プログラム(アプリ)の起動状態を確認してメッセージ送信を行うこととしている。図18は、本実施形態に係る送信処理(携帯端末用プログラム起動時)を示すフロー図であり、図19は、本実施形態に係る送信処理(携帯端末用プログラム非起動時)を示すフロー図である。
【0115】
まず、管理コンピュータ3aでは、メッセージの作成(S401)が実行される。図20は、本実施形態に係るメッセージクライアント画面を示す図である。メッセージクライアント(「管理用プログラム」に相当。)は、管理コンピュータ3aで実行されるプログラムであって、メッセージの送受信を行うためのプログラムである。
【0116】
メッセージクライアント画面には、検索欄421a、検索結果表示ボタン421b、送信タブ421c、受信タブ421dが設けられている。送信タブ421c、受信タブ421dを選択することで、メッセージの送受信を切り替えることが可能である。図20の状態は、送信タブ421cが選択された状態であって、送信に関する各種表示がされている。
【0117】
送信に関する各種表示としては、新規メッセージ作成ボタン421e、ライフログ要求ボタン421f、送信メッセージ選択ボタン421g、送信先一覧421h、テキストビュー欄421i、データビュー欄421jが表示されている。
【0118】
検索欄421aは、メッセージの送信対象となる患者ID、患者名を入力することが可能である。検索結果は、検索結果表示ボタン421bに表示される。管理コンピュータ3の取扱者は、検索結果の中から、送信対象となる患者を選択する。図20の例では、選択された患者ID、患者名の欄が斜線表示となっている(「特許 太郎」が選択中)。選択された患者について、新規メッセージ作成ボタン421eを操作することで作成することが可能である。また、ライフログ要求ボタン421fを操作することで、選択中の患者に対してライフログデータを要求することも可能となっている。
【0119】
新規メッセージ作成ボタン421eが操作されると、図21に示されるように新規メッセージ作成欄421kが表示される。新規メッセージ作成欄421kには、タイトル入力欄421m、患者ID、患者名、宛先続柄選択ボタン421n、テキスト入力欄421p、添付データ入力欄421q、送信ボタン421rが表示されている。
【0120】
宛先続柄選択ボタン421nは、選択されている患者に対し、ハンドシェイク処理で登録した携帯端末2の続柄が表示される。図21の例では、患者である「特許 太郎」について「本人」、「配偶者」、「子」の3台の携帯端末2が登録されている。ユーザは、この宛先続柄選択ボタン421nを使用して、1または複数の続柄を設定する。そして、タイトル入力欄421m、テキスト入力欄421pに必要なメッセージを入力すると共に、必要であれば、添付データ入力欄421qにファイルを登録し、送信ボタン421rを操作することで、送信を開始させる。
【0121】
このように、本実施形態では、患者ついて、「本人」、「配偶者」、「子」の3台の携帯端末2が登録されており、「本人」、「配偶者」、「子」の全てを宛先とする、あるいは、「本人」のみ、「配偶者」のみ、「配偶者」と「子」のみといったように、同じ患者についてのメッセージを、送信する内容によって、続柄で選択することが可能となり、医療施設におけるメッセージ送信の管理を容易に行うことが可能となっている。
【0122】
図20に示されるように、メッセージクライアント画面では、既に送信されたメッセージは、送信メッセージ選択ボタン421gとして表示される。この送信メッセージ選択ボタン421gには、メッセージの作成日時、とタイトルが表示されている。また、送信メッセージ選択ボタン421gを選択することで、当該メッセージの送信先一覧421h、当該メッセージの内容であるテキストビュー欄421iが表示される。図20の例では、タイトル「次回、検診のお知らせ」について、続柄「本人」と「配偶者」に対してメッセージが送信されたことを示している。このうち、「本人」のステータスは、配信済みとなっており、起動している携帯端末2に対して配信が行われたことを示している。また、「配偶者」のステータスは、未配信(5回トライ)となっており、携帯端末2は起動しておらず、図19で説明した通知が5回、行われたことを示している。
【0123】
また、送信済みのメッセージに対し、添付データが付されていた場合、データビュー欄421jに、そのファイル名、データ内容等が表示される。医療施設から送付する添付データとしては、紹介状、診断書、診療結果、健康診断の結果等が考えられるが、本実施形態のメッセージ機能では、セキュリティの向上が図られているため、このような秘密書類を送付することも可能である。
【0124】
メッセージの作成が完了(S401)し、送信ボタンが操作された場合、管理コンピュータ3aは、直ぐにメッセージを送信するのではなく、まず、メッセージサーバ62に対して確認要求を行う(S402)。確認要求とは、送信先となる携帯端末2aにおいて、携帯用プログラム(アプリ)が起動しているか否かを確認する要求である。なお、携帯端末2a(2bの場合も同様)における携帯用プログラム(アプリ)の起動とは、次の2形態が考えられる。形態は、使用するOSによって異なる。第1の形態は、携帯端末2aで当該携帯用プログラム(アプリ)の画面が表示されている場合のみならず、バックグラウンドで起動している状態を起動状態とするものである。第2の形態は、携帯端末2aで当該携帯用プログラム(アプリ)の画面が表示されていることのみを起動状態とするものである。これらの起動状態は、対応するOSの第1通知サーバ61a、第2通知サーバ61bで確認することが可能である。
【0125】
本実施形態では、携帯端末2において、2種類のOSが使用されることを前提としているため、メッセージサーバ62は、管理コンピュータ3aからの確認要求に基づき、送信対象となる携帯端末2a、2bのOSを判断する(S404)。この判断は、管理コンピュータ3aの携帯側設定情報中のアプリIDに基づき行うことが可能である。図18図19の例では、メッセージサーバ62は、送信対象となる携帯端末2aが第1OSであると判断されたため、第1OS用の第1通知サーバ61aに対して、確認要求を送信する(S404)。
【0126】
確認要求を受信した第1通知サーバ61aは、携帯端末2aに対して携帯用プログラム(アプリ)の起動チェックを行う(S405)。図18の例では、携帯用プログラム(アプリ)は起動状態である(S406)ため、第1通知サーバ61aは、携帯用プログラム(アプリ)の起動を確認(S407)し、メッセージサーバ62に対して起動状態を通知する(S408)。起動状態を受信したメッセージサーバ62は、確認要求を行った管理コンピュータ3a煮対して、起動状態を送信する(S409)。
【0127】
送信先となる携帯端末2aの起動状態を確認(S410)した管理コンピュータ3aは、携帯端末2aに対してメッセージを送信する(S411)。その際、携帯端末2aのM公開鍵を使用して暗号化することで、安全にメッセージを送信することが可能である。また、メッセージは、メッセージサーバ62を経由して送信されることになるが、メッセージサーバ62は、管理コンピュータ3aのH_JIDを送信元として、携帯端末2aのM_JIDを宛先として接続するだけであり、メッセージの記憶、保存は行わず、いわば、トンネルとして機能する。実質、管理コンピュータ3aと、携帯端末2aの間で直接、通信することが可能となる。
【0128】
メッセージを受信した携帯端末2aは、M秘密鍵を使用してメッセージを復号化し、メッセージを表示する(S413)。図22(J)は、携帯端末2aで受信したメッセージが表示されているメッセージ表示画面を示す図である。メッセージ表示画面には、メッセージ表示欄259bが表示されている。メッセージ表示欄259bには、メッセージの送信先である医療施設名(病院名)、患者氏名、患者ID、続柄、メッセージ本文、そして、返信ボタン259c、閉じるボタン259dが表示されている。
【0129】
ユーザは、メッセージ表示欄259bに基づき、医療施設からのメッセージを確認することが可能である。また、返信ボタン259cを操作することで、送信元の医療施設に設置された管理コンピュータ3aに対して、返信を行うことも可能である。本実施形態では、管理コンピュータ3aから携帯端末2aにメッセージ送信する場合、携帯端末2aでのアプリ起動状況を確認する必要があったが、管理コンピュータ3aでのメッセージクライアントは、基本、常時起動状態であるため、起動状況の確認は行われない。
【0130】
以上が携帯端末2aにおいて、携帯用プログラム(アプリ)が起動状態にある場合の送信処理である。次に、携帯端末2aにおいて、携帯用プログラム(アプリ)が非起動状態である場合について説明する。図19には、携帯端末2aにおいて、携帯用プログラム(アプリ)が非起動状態(S451)である場合が示されている。第1通知サーバ61aでのアプリ起動チェック(S405)までは、図18と同様である。
【0131】
図19の場合、携帯用プログラム(アプリ)は非起動状態(S451)となっているため、第1通知サーバ61aは、携帯用プログラム(アプリ)が非起動であることを確認(S452)し、メッセージサーバ62に非起動状態を通知する(S453)。非起動状態を受信したメッセージサーバ62は、管理コンピュータ3aに対して非起動状態を送信する(S454)。管理コンピュータ3aは、送信先となる携帯端末2aにおいて、携帯用プログラム(アプリ)の非起動状態を確認した場合(S455)、メッセージ送信は行わず、所定時間の経過を待って(S456:Yes)、再度、確認要求を実行する(S403)。
【0132】
一方、メッセージサーバ62は、携帯端末2aに対して、通知送信(S457)を実行する。この通知送信(S457)は、携帯端末2aのOSレベルで行われる処理であって、第1通知サーバ61aを介して実行される。本実施形態では、メッセージの受信に基づき、携帯用プログラム(アプリ)の起動を促す通知を行うこととしている。携帯端末2aでは、受信したメッセージを表示する(S457)。本実施形態では、メッセージサーバ62は、ログインしているH_JIDを参照することで、管理コンピュータ3a(施設)を判別することができるため、どの施設からであるかを通知することが可能である。
【0133】
図22(K)は、携帯端末2aのホーム画面であって、通知が行われている状況を示した図である。ホーム画面には、各種アプリのアイコンが表示されている。本実施形態で使用する携帯用プログラム(アプリ)についても、診察券アプリ259aとして表示されている。このようなホーム画面(あるいは、他のアプリ画面)において、その上方に通知表示欄259eが表示される。通知表示欄259eには、「アルメックス病院から新規メッセージを受信しました。「診察券アプリ」を起動して下さい。」と表記された通知文が表示される。ユーザは、この通知文を参照し、診察券アプリ259aを起動する。
【0134】
携帯端末2aにおいて、診察券アプリ259aが起動された場合、図18で説明した送信処理にしたがい、図22(J)に示されるように、医療施設からのメッセージを受信、表示することが可能となる。
【0135】
<ライフログデータの送信>
次に、このメッセージ送信機能を使用したライフログデータの送信について説明する。ライフログデータとは、体重、血圧、脈拍数、睡眠時間、歩行数等、携帯端末2で収集された健康に関するデータである。ライフログデータは、携帯端末2が計測、あるいは、外部機器から自動取得したものだけではなく、例えば、今日の調子、お通じの状態(お通じの有無、下痢の有無等)のように、ユーザが判断し、携帯端末2に入力したものであってもよい。
【0136】
従来、携帯端末2で収集した各種ライフログデータは、ヘルスメータ等の機器を提供する機器メーカが運用するサーバ等で管理することが一般的であった。また、メッセージと同様、医療施設に対して直接、ライフログデータを送信することは、セキュリティ等の面から困難であった。本実施形態では、前述したメッセージ送信機能を使用して、患者の携帯端末2から、直接、医療施設に対してライフログデータを送信することとしている。
【0137】
ここで、ライフログデータの送信については、2つの実施形態を説明する。1番目(第1実施形態)としては、患者自身が携帯端末2を操作して、対象となる医療施設、及び、対象となるライフログデータの項目を選択し、医療施設にライフログデータを送信する形態である。第1実施形態は、例えば、診療の際、患者が医者から、「この項目のライフログデータを送信して下さい」との要求を受け、患者自身が携帯端末2を操作して、ライフログデータを送信することになる。一方、2番目(第2実施形態)としては、医者等の要求に基づき、医療施設側から患者の携帯端末2に対して、必要なライフログデータを要求する形態である。この場合、患者は携帯端末2を操作し、要求に応答することで、ライフログデータの送信(あるいは拒否)を設定することが可能となる。
【0138】
<第1実施形態>
まず、第1実施形態のライフログデータの送信について説明する。第1実施形態では、患者自らが携帯端末2を操作して、医療施設、ライフログデータの項目、送信期間を設定する形態である。例えば、医療施設を受信後、担当医からの指示に基づき、患者自らの操作によりライフログデータを送信することが考えられる。
【0139】
図23は、本実施形態に係るライフログ送信処理(第1実施形態)を示すフロー図である。ライフログデータの送信設定は、図12(F)で説明した医療施設毎の診察券選択画面を使用して行うことになる。ユーザは、送信対象となる医療施設に対応する診察券表示領域255a、255bを選択し、対象とする診察券のライフログ送信設定ボタン255eを操作する。
【0140】
図25(L)は、ライフログ送信設定ボタン255eを操作することで表示される送信項目選択画面である(S501)。この送信項目選択画面には、送信対象となる医療施設名(病院名)、患者氏名、患者ID、項目選択ボタン261b、キャンセルボタン261c、送信ボタン261dを含んだ設定欄261aが表示されている。
【0141】
ユーザは、項目選択ボタン261bを選択する(S502:Yes)、その送信期間を選択することが可能である。本実施形態では、ライフログデータの項目として、体重、体脂肪率、血圧、心拍数、消費カロリー、1日の歩数、睡眠時間、摂取カロリー、1日の運動時間が設けられている。
【0142】
図25(M)は、図25(L)において、「体重」の項目の項目選択ボタン261bを選択した場合に表示される期間設定欄262aである(S503)。この期間設定欄262aには、期間選択ボタン262b、キャンセルボタン262c、設定ボタン262dが表示されている。ユーザは、期間選択ボタン262bを操作することで、選択している項目(この場合「体重」)について、その送信期間を選択することが可能である。本実施形態では、過去6ヶ月分、過去3ヶ月分、最新のみ、これから3ヶ月分、これから6ヶ月分の中から選択することが可能となっている。なお、これら期間は適宜設けることとしてもよい。
【0143】
期間選択ボタン262bを選択し、設定ボタン262dを操作する(S504:Yes)ことで、選択した項目、及び、期間が設定される。期間の設定後は、送信項目選択画面に戻る。図25(N)は、「体重」の項目について設定後の送信項目選択画面である(S505)。設定を終えた項目選択ボタン261bは、他と異なる形態(本例では、斜線が引かれた形態)で表示されている。ユーザは、送信項目、そして、その送信期間を選択することが可能である。設定を終えたユーザは、送信ボタン261dを操作する(S506:Yes)ことで設定を完了する。設定先となる医療施設、設定項目、設定期間等は、設定情報として携帯端末2に記憶される(S507)。設定後は、設定情報に基づき、設定した項目について、ライフログ送信処理が開始される(S508)。
【0144】
図24は、本実施形態に係るライフログ送信処理(第1実施形態)を示すフロー図である。このライフログ送信処理は、図23で説明したライフログ設定処理を終えることで開始される処理であって、ユーザが所持する携帯端末2から医療施設の管理コンピュータ3aに対して、ライフログデータを送信する処理である。
【0145】
ライフログ設定処理を終えた携帯端末2では、携帯端末2に記憶させた設定情報に基づき、送信対象となる医療施設にライフログデータの送信が行われる。携帯端末2は、設定した項目のライフログデータを、設定した期間について、ライフログデータの取得時、あるいは、定期的(1日毎)に管理コンピュータ3aに対して送信する。その際、送信の際には、携帯端末2において送信確認表示(S601)を行う。送信確認表示では、ユーザは、送信可否を選択することが可能である。ユーザにより送信OKが選択された場合(S602:Yes)、送信対象とするライフログデータが抽出される(S603)。そして、暗号化(S604)された後、管理コンピュータ3aに送信される(S605)。
【0146】
ライフログデータの送信は、前述したメッセージ送信機能で送信されることになり、送信経路途中でサーバ等に一旦保存されることがなく、セキュリティを確保することが可能となっている。
【0147】
管理コンピュータ3aでは、受信対象となるライフログデータの各項目について、閾値が設定される(S611)。この閾値は、患者の担当医師等が決定し、設定される。本実施形態では、この閾値を超えた場合、管理コンピュータ3aにおいて、アラート表示を行うとともに、携帯端末2に対してメッセージが自動送信される。
【0148】
携帯端末2からライフログデータを受信(S612)すると、管理コンピュータ3aでは、メッセージクライアントを使用して、受信したライフログデータを表示する(S613)。図26は、本実施形態に係るメッセージクライアント画面を示す図である。図26では、受信タブ421dが選択された状態となっており、検索結果表示ボタン421bで選択された患者(「特許 太郎」が選択中)について、ライフログデータ、そして、患者からのメッセージを表示することが可能となっている。
【0149】
受信タブ421dを選択している場合、画面右側には、項目選択ボタン422b、422c、データ表示欄422d、グラフ表示欄422eが表示されている。これらの表示は、選択中の受信項目選択ボタン422aについての表示である。なお、患者からのメッセージを受信した場合、メッセージに関する受信項目選択ボタン422aが表示される。
【0150】
本実施形態では、患者のライフログデータについて、1つの受信項目選択ボタン422aで集約的に管理している。ライフログデータに関する受信項目選択ボタン422aを操作することで、項目選択ボタン422b、422c、データ表示欄422d、グラフ表示欄422eが表示され、患者に関するライフログデータを閲覧することが可能となっている。
【0151】
図26の状態は、患者「特許 太郎」についてのライフログデータ受信の状態である。患者「特許 太郎」は、「体重」と「血圧」の2項目について、ライフログデータを送信している。図26は、ライフログデータとして「体重」の項目選択ボタン422bが選択された状態である。この場合、患者の体重について、データ表示欄422d、グラフ表示欄422eが表示される。データ表示欄422dには、これまで受信したライフログデータ(体重)について、その日時と体重の値が表示される。なお、データ表示欄422dには、設定された閾値も表示されている。なお、「変更」と表記されたボタンを操作することで、閾値を変更することも可能である。
【0152】
グラフ表示欄422eには、受信したライフログデータの推移がグラフ表示されている。なお、グラフ中には、閾値を超える領域が斜線表示されており、閾値未満であるか否かを容易に見分けることが可能となっている。
【0153】
本実施形態では、受信したライフログデータが、設定した閾値を超えた場合(S614)、医師等の管理者、また、患者に対しても迅速に通知を行うこととしている。本実施形態では、管理者に対する通知として、管理コンピュータ3aにおいて、アラート表示(S615)を行うこととしている。アラート表示(S616)は、メッセージクライアント画面において、ポップアップ表示を行う等、各種通知形態を採用することが可能である。アラートを確認した管理者は、ライフログデータの状況を確認し、患者に電話等で連絡を取ることが可能となる。
【0154】
また、患者に対しては、メッセージを自動作成(S616)して、患者の携帯端末2に送信する。メッセージ内容としては、ライフログデータの状況、医療施設の予約の案内等が考えられる。作成されたメッセージは、図18等で説明した送信処理を使用して、安全に携帯端末2に届けられる。患者は、携帯端末2で受信したメッセージを確認し、医療施設の予約を行う、あるいは、医療施設に連絡を取ることが可能となる。
【0155】
このように、本実施形態では、患者が所持する携帯端末2から、医療施設の管理コンピュータ3aに対して、直接、ライフログデータを安全に送信することが可能となっている。また、携帯端末2側でライフログデータの送信可否、そして、送信項目、送信期間を選択することで、ユーザ主導によるライフログデータの管理を行うことが可能となっている。なお。本実施形態では、ライフログデータの送信設定のみを説明したが、一旦、設定した設定内容を、携帯端末2において変更、あるいは、削除可能としてもよい。
【0156】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態のライフログデータの送信について説明する。第2実施形態では、医師等、医療施設側の管理者が主導することで、ライフログデータを受信することになる。そのため、第2実施形態では、管理コンピュータ3aから、患者の携帯端末2に対して、ライフログデータの送信要求を行う。携帯端末2側では、要求の可否に応答するだけで、項目、期間の選択を行うことなく、ライフログデータを適切に医療施設に送信することが可能となる。
【0157】
図27は、本実施形態に係るライフログ設定処理(第2実施形態)を示すフロー図である。まず、管理コンピュータ3aでは、メッセージクライアントを使用して、ライフログデータの要求項目の設定を行う(S631)。
【0158】
図28は、本実施形態に係るメッセージクライアント画面である。図20で説明したように、送信タブ421cの選択時には、ライフログ要求ボタン421fが表示されている。図28の状態は、ライフログ要求ボタン421fが操作された状態であって、項目設定欄423aが表示された状態である。
【0159】
項目設定欄423aには、タイトル入力欄423b、担当医入力欄423c、項目選択ボタン423d、アクション入力欄423e、送信ボタン423fが設けられている。管理者は、ライフログ要求に必要な情報を入力し、送信ボタン423fを操作することで、患者に対してライフログデータの要求を行うことが可能である。
【0160】
項目選択ボタン423dは、必要な項目について、その取得期間、閾値を設定することが可能である。項目選択ボタン423dを選択することで、取得期間、閾値を設定する欄が表示され、管理者は設定を行うことが可能となる。設定された項目選択ボタン423dは、図25(N)で説明した携帯端末2の項目選択ボタン261bと同様、別形態(例えば、斜線表示)で表示される。
【0161】
本実施形態では、アクション入力欄423eが設けられており、ライフログデータ受信後に行うアクションについても設定することが可能である。アクションとは、アラート、自動メッセージ送信であって、変更ボタンを操作することで、いずれか一方、あるいは、その両方を選択することが可能である。
【0162】
項目設定欄423aの送信ボタン423fが操作されると、管理コンピュータ3aは、携帯端末2に対して、設定要求を送信する(S634)。設定要求の送信は、図18で説明した送信処理を使用することで、安全に送信されることになる。設定要求を受信した携帯端末2では、その内容を表示し、携帯端末2のユーザに対して、送信の確認を取る。
【0163】
図30(P)は、本実施形態に係る携帯端末2における、ライフログデータの設定要求画面を示す図である(S622)。設定要求を受信した携帯端末2には、メッセージ表示欄259bが表示される。メッセージ表示欄259bには、各種メッセージ、及び、設定ボタン259g、拒否ボタン259fが表示されている。
【0164】
メッセージ内容としては、担当医、及び、要求されたライフログデータの項目(この場合、「体重」)、そして、設定期間(この場合、「これから3ヶ月分」)が表示されている。この設定要求に同意したユーザは、設定ボタン259gが操作された場合(S623:Yes)、携帯端末2は、設定要求に基づき、送信先となる医療施設、項目、そして、送信期間を設定情報として記憶する(S624)。そして、携帯端末2は、管理コンピュータ3aに設定通知を送信する(S624)。設定通知を受信(S635)では、要求が受理されたことを確認可能となる。要求の可否については、後で説明するステータスとして管理される。以降、携帯端末2は、設定した設定情報に基づき、ライフログ送信処理を開始する(S625)。ライフログ送信処理は、第1実施形態で説明した図24のフロー図と同様である。
【0165】
また、同意できないユーザは、拒否ボタン259fを操作する(S623:No)ことで、ライフログデータの送信が開始されることはない。なお、本実施形態では、拒否ボタン259fが操作された場合、管理コンピュータ3aに対して拒否通知を行うこととしている。管理コンピュータ3aでは、要求が拒否されたことをステータスとして確認することが可能となる。
【0166】
図29は、本実施形態に係るメッセージクライアント画面であって、図28において設定要求送信後の画面である。設定要求は、送信メッセージ選択ボタン421gとして管理される。メッセージの場合と同様、送信先一覧が表示され、配信済みか否かを確認することが可能である。また、テキストビュー欄421iには、要求項目、要求期間、閾値等、設定した要求が表示される。また、ライフログデータの受信後のアクション(この場合、自動メッセージ)、結果(この場合、設定通知が未受信の状態である応答待ち)が併せて表示されている。
【0167】
以上、第2実施形態では、医療施設側から携帯端末2に対して、必要なライフログデータを要求することが可能となる。したがって、携帯端末側での項目間違い、設定忘れ等、各種設定ミスを抑制することが可能となり、適切に必要なライフログデータを収集することが可能となる。
【0168】
なお、療施設側から要求されたライフログデータは、携帯端末2において全ての項目ついて送信を認める形態のみならず、要求されたライフログデータの項目を部分的に認めるようにすることとしてもよい。図30の設定要求画面では、要求された項目を選択可能とし、図29に示される要求に対する結果には、携帯端末2で選択された結果が表示されることになる。送信期間についても同様に、携帯端末2側で選択可能としてもよい。
【0169】
また、要求されたライフログデータの項目が、携帯端末2で管理あるいは収集していない場合も考えられる。その場合、携帯端末2での設定後、図29に示される要求に対する結果には、携帯端末2から受信できないライフログデータの項目(一部、あるいは、全部)が表示されるようにしてもよい。
【0170】
次に、本発明に係る実施形態について、その変形例を説明する。
【0171】
<第1変形例>
前述した第1、第2実施形態では、ユーザ自身による設定、あるいは、医療施設からの要求により、送信先となる医療施設、ライフログデータの項目、各項目あるいは全項目についての送信期間を設定した設定情報を携帯端末2で記憶して、携帯端末2が自発的にライフログデータを送信する形態となっていた。
【0172】
このように設定情報は、携帯端末2のみで管理するのみならず、管理コンピュータ3で記憶管理してもよい。第1実施形態のライフログ設定処理では、設定された設定情報は、管理コンピュータ3に送信される。また、第2実施形態では、管理コンピュータ3は、設定要求に対して設定通知を受信した場合(S635)、設定要求した項目、送信期間を設定情報として記憶する。
【0173】
このように設定情報を管理コンピュータ3で記憶する場合、以下のような処理を行うことが可能である。
【0174】
1)プログラム(アプリ)の起動要求
携帯端末2で実行される携帯用プログラム(アプリ)は、起動状態でないとライフログ送信処理を実行できない場合がある。その場合、プログラムの非起動状態が続くと、ライフログデータが送信されない、あるいは、医療施設は、ライフログデータが必要なタイミングで取得できないことが考えられる。そのため、医療施設の管理コンピュータ3は、適宜タイミングで、ライフログデータを送信すべき携帯端末2に通知を行う。この通知は、図22(K)と同様であって、OSレベルで、携帯端末用プログラムを起動する通知である。この通知に基づき、ユーザが携帯用プログラムを起動し、起動により、ライフログデータの送信が実行されることになる。
【0175】
2)管理コンピュータ3による管理
また、ライフログデータの送信は,携帯端末2が自主的に行うものではなく、管理コンピュータ3が要求することとしてもよい。管理コンピュータ3は、記憶している設定情報に基づき、携帯端末2に対して、ライフログデータの要求を行う。携帯端末2では、ライフログ設定処理で、送信可能な状態となっており、要求されたライフログデータの送信を実行する。
【0176】
1)、2)の何れにおいても、第1、第2実施形態と同様、携帯端末2は、ライフログデータを送信する毎に、ユーザの送信確認(図24のS601)を取ることが好ましい。確認の上、ライフログデータが医療施設に送信されることになる。
【0177】
<第2変形例>
第1、第2実施形態では、メッセージの送受信、ライフログデータの受信を、管理コンピュータ3で実行されるメッセージクライアント(管理プログラム)で行うこととしていた。このような形態のみならず、ライフログデータに関する機能は、別プログラムで実行することとしてもよい。例えば、患者の担当医が診療時に使用するカルテプログラムに、ライフログデータに関する機能を組み込むこととしてもよい。このようにすることで、担当医は、患者の診療時、カルテプログラムを使用して、受信したライフログデータを参照すること、あるいは、患者にライフログデータの要求を行うことが可能となる。あるいは、ログラムは、カルテプログラムに対し、受信したライフログデータを送信可能としてもよい。
【0178】
<第3変形例>
第1、第2実施形態では、ライフログデータに関する設定は、ライフログデータの項目、そして、その送信期間を設定することとしていた。項目、送信期間については、必ずしも設定する必要は無く、例えば、予め定められた項目、送信期間であってもよい。ユーザ、あるいは、医療施設側では、設定時の手間を削減することが可能となる。このような設定は医療施設毎に定められたものであってもよい。また、複数の診療科を有する医療施設では、診療科毎に設定が異なることとしてもよい。診療科に適した項目、送信期間を設定することが可能となる。その際、担当医が所属する診療科によって、設定を変更することとしてもよい。
【0179】
<第4変形例>
第1、第2実施形態において、携帯端末2で実行される携帯端末用プログラムは、複数の医療施設に対応可能としている。このような形態に代え、携帯端末用プログラムを1つの医療施設に特化した専用プログラムとしてもよい。その際は、診察券を選択する必要は無く、予め定められた医療施設にライフログデータの送信が行われることになる。なお、その場合においても、携帯端末用プログラムにおける診察券の登録機能は設けることが、セキュリティを担保する上で好ましい。
【符号の説明】
【0180】
1(1a、1b):受付装置 22:記憶部
2(2a、2b):携帯端末 23:インターフェイス
3(3a、3b):管理コンピュータ 24:カメラ
11a:CPU 25:タッチパネルモニタ
11b:ROM 26a:携帯回線通信部
11c:RAM 26b:無線LAN通信部
11d:画像処理部 26c:通信部
11e:音声処理部 27:入力スイッチ
12:タッチパネルモニタ 28a:スピーカ
13a:カメラ 28b:マイクロホン
13b:赤外線カメラ 41:入力装置
14:カードリーダ 42:モニタ
15:レシートプリンタ 43:カードリーダ
15a:スキャナ 44:レシートプリンタ
15b:2次元コードリーダ 52(52a、52b):ルータ
16a:レシートプリンタ 53a:血圧計
16b:プリンタ 53b:ヘルスメータ
17:LAN通信部 53c:スマートウォッチ
18:ハードディスク 61a:第1通知サーバ
19:インターフェイス 61b:第2通知サーバ
21a:CPU 62:メッセージサーバ
21b:ROM 71:病院受付
21c:RAM 72:出入口
21d:画像処理部 121:タッチパネル
21e:音声処理部
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