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特開2023-76023カーテン保持装置及びカーテンレール装置
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  • 特開-カーテン保持装置及びカーテンレール装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076023
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】カーテン保持装置及びカーテンレール装置
(51)【国際特許分類】
   A47H 1/04 20060101AFI20230525BHJP
   A47H 15/02 20060101ALI20230525BHJP
   A47H 23/01 20060101ALN20230525BHJP
【FI】
A47H1/04 Z
A47H15/02
A47H23/01 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189163
(22)【出願日】2021-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】岡村 正
【テーマコード(参考)】
2E182
【Fターム(参考)】
2E182AB01
2E182AC01
2E182BB21
2E182DE07
2E182DE42
2E182DG01
2E182DH06
2E182DH08
2E182EE01
2E182GG05
(57)【要約】
【課題】意匠性に優れたカーテン保持装置を提供する。
【解決手段】本発明によれば、カーテンレールに複数のランナーを介して吊り下げられた開状態のカーテンの閉方向への移動を規制するカーテン保持装置であって、係合部と、当該係合部に係合して前記閉方向の移動を規制する被係合部とを備え、前記係合部は、前記複数のランナーのうちの1つであって前記閉方向の位置に配置される先頭側ランナーに設けられ、前記被係合部は、前記カーテンレールの内部空間に設けられる、カーテン保持装置が提供される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンレールに複数のランナーを介して吊り下げられた開状態のカーテンの閉方向への移動を規制するカーテン保持装置であって、
係合部と、当該係合部に係合して前記閉方向の移動を規制する被係合部とを備え、
前記係合部は、前記複数のランナーのうちの1つであって前記閉方向の位置に配置される先頭側ランナーに設けられ、
前記被係合部は、前記カーテンレールの内部空間に設けられる、カーテン保持装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカーテン保持装置であって、
前記係合部は、前記先頭側ランナーの上部において上方に向かって突出するよう構成され、
前記被係合部は、前記カーテンレールの内部空間において当該カーテンレールの上面側から下方に向かって突出するよう構成される、カーテン保持装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のカーテン保持装置であって、
前記カーテンレールの内部空間に配置されるランナーストッパを備え、
前記被係合部は、前記ランナーストッパに形成される、カーテン保持装置。
【請求項4】
請求項3に記載のカーテン保持装置であって、
前記ランナーストッパは、前記カーテンレールの長手方向に沿って摺動可能に構成され、弾性力により前記カーテンレールの内部空間に固定される、カーテン保持装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載のカーテン保持装置であって、
前記ランナーストッパは、前記カーテンレールの内周面に沿うよう上壁及び側壁を備え、
前記被係合部は、前記上壁を切り曲げ加工することで形成される、カーテン保持装置。
【請求項6】
請求項5に記載のカーテン保持装置であって、
前記被係合部は、前記カーテンレールの長手方向に細長く延びるよう形成され、前記上壁と接続する接続部と、当該接続部から斜め下方に向かって延びる基端部と、当該基端部と接続されるとともに下に凸となるよう湾曲する湾曲部と、当該湾曲部と接続されるとともに斜め上方に向かって延びる先端部とを備える、カーテン保持装置。
【請求項7】
前記カーテンレールと、当該カーテンレールに移動自在に支持される複数のランナーとを備えたカーテンレール装置であって、
請求項1~請求項6の何れかに記載のカーテン保持装置をさらに備える、カーテンレール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンの移動を規制するカーテン保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開状態のカーテンが生地の反発力により閉じてしまう(広がってしまう)ことを防止するためのカーテン保持装置がある。例えば、特許文献1には、先頭ランナーに固定される移動側係止部材と、カーテンレールに固定される固定側係止部材を備え、それぞれが保持する磁石又は磁性体の磁力により先頭ランナーの移動を規制することでカーテンの閉方向の移動を規制可能なカーテン保持装置(カーテンストップ)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4701242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されるカーテン保持装置は固定側係止部材がカーテンレールの外側に固定される構成であるため、カーテンレールの意匠性を損なうものとなっていた。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、意匠性に優れたカーテン保持装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、カーテンレールに複数のランナーを介して吊り下げられた開状態のカーテンの閉方向への移動を規制するカーテン保持装置であって、係合部と、当該係合部に係合して前記閉方向の移動を規制する被係合部とを備え、前記係合部は、前記複数のランナーのうちの1つであって前記閉方向の位置に配置される先頭側ランナーに設けられ、前記被係合部は、前記カーテンレールの内部空間に設けられる、カーテン保持装置が提供される。
【0007】
本発明によれば、先頭側ランナーの係合部と係合する被係合部がカーテンレールの内部空間に設けられるため、被係合部がカーテンレールの外側に露出せず、カーテンレールの意匠性を維持することが可能となっている。
【0008】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
【0009】
好ましくは、前記係合部は、前記先頭側ランナーの上部において上方に向かって突出するよう構成され、前記被係合部は、前記カーテンレールの内部空間において当該カーテンレールの上面側から下方に向かって突出するよう構成される。
【0010】
好ましくは、前記カーテンレールの内部空間に配置されるランナーストッパを備え、前記被係合部は、前記ランナーストッパに形成される。
【0011】
好ましくは、前記ランナーストッパは、前記カーテンレールの長手方向に沿って摺動可能に構成され、弾性力により前記カーテンレールの内部空間に固定される。
【0012】
好ましくは、前記ランナーストッパは、前記カーテンレールの内周面に沿うよう上壁及び側壁を備え、前記被係合部は、前記上壁を切り曲げ加工することで形成される。
【0013】
好ましくは、前記被係合部は、前記カーテンレールの長手方向に細長く延びるよう形成され、前記上壁と接続する接続部と、当該接続部から斜め下方に向かって延びる基端部と、当該基端部と接続されるとともに下に凸となるよう湾曲する湾曲部と、当該湾曲部と接続されるとともに斜め上方に向かって延びる先端部とを備える。
【0014】
また、本発明によれば、前記カーテンレールと、当該カーテンレールに移動自在に支持される複数のランナーとを備えたカーテンレール装置であって、上記カーテン保持装置をさらに備える、カーテンレール装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るカーテンレール装置1の正面図である。
図2図1のカーテンレール装置1の横断面図である。
図3図3A及び図3Bは、図1のカーテンレール装置1のカーテン保持装置Hが先頭ランナー4Lの移動を規制する様子を示す説明図である。
図4図1のカーテンレール装置1のカーテンレール3及びカーテン保持装置Hの分解斜視図である。
図5図4のカーテン保持装置Hをカーテンレール3に組み付けた様子を示す横断面図である。
図6図5のA-A線断面図であり、カーテンCが開状態であるときの先頭ランナー4L及びランナーストッパ6の位置を示す図である。
図7図6のX部を拡大して示す要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
【0017】
1.カーテンレール装置1の構成
本発明の一実施形態に係るカーテンレール装置1は、図1に示すように、一方向(通常、窓枠における幅方向)に亘って延在し、図2に示すように、複数のブラケット2を介して窓枠又は窓枠周辺の壁面Wに固定される。なお、図2では、カーテン生地用及びレースカーテン生地用の2つのカーテンレール装置1が壁面Wに取り付けられた例を示しているが、カーテンレール装置1の数や取り付け方法はこれに限定されない。以下では、カーテン生地及びレースカーテン生地をまとめてカーテンCと呼び、1つのカーテンレール装置1の構成について説明する。また、以下の説明では、カーテンレール装置1の長手方向(窓枠の幅方向)を左右方向とし、左右方向及び上下方向に垂直な方向を前後方向とする。加えて、左右方向は、カーテンCの開く方向及び閉じる方向に応じて開方向、閉方向とも呼ぶ。
【0018】
本実施形態のカーテンレール装置1は、図1に示すように、カーテンレール3と、複数のランナー4L,4Sと、キャップ5と、カーテン保持装置H(図4参照)を備える。
【0019】
カーテンレール3は、図2に示すように、その長手方向(左右方向)に直交する横断面視において、下方向に開口30を有する略コの字状をなし、開口30の前後には長手方向に延びる一対のレール片31を備える。そして、カーテンレール3は、一対のレール片31により、複数のランナー4L,4Sを長手方向に移動自在に支持する。
【0020】
複数のランナー4L,4Sは、図1に示すように、先頭側ランナーとしての先頭ランナー4Lと、先頭以外の従属ランナー4Sからなる。
【0021】
先頭ランナー4Lは、図3A及び図3Bにも示すように、1つのカーテンCを吊下支持する複数のランナー4L,4Sのうち最も閉方向(カーテンCを閉じる方向)の位置に配置されるランナーである。先頭ランナー4Lは、図4に示すように、本体部40と、2組の車輪41と、マグネット保持部42とを備える。なお、図1では、左右一対のカーテンCを吊下支持するため、先頭ランナー4Lを左右一対配置した形態を示している。しかしながら、1つのカーテンレール3で1つのカーテンCのみを吊下支持する場合は、先頭ランナー4LはカーテンCの最も閉方向の位置に1つだけあれば良い。
【0022】
本体部40は、図4及び図6に示すように、正面視において略矩形の部材であり、その上端部に2組の車輪41の各車軸41aを回転可能に支持する一対の軸受部40aを備え、その中央部に、マグネット保持部42を配置するための凹部40bを備える。さらに、本体部40は、その下端部に、カーテンC(図3A及び図3B参照)を吊り下げ支持する吊下孔40cを備える。本実施形態では、吊下孔40cは左右方向に3つ並ぶように設けられているが、吊下孔40cの数はこれに限定されない。
【0023】
車輪41は、図5に示すように、カーテンレール3の内部空間Sに収容され、一対のレール片31に左右方向長手方向に走行可能となるよう支持される。
【0024】
マグネット保持部42は、図4及び図6に示すように、本体部40の凹部40bに配置され、閉方向に開口する。マグネット保持部42には、マグネット(図示せず)が挿入される。対向する先頭ランナー4Lの各マグネット保持部42に保持されたマグネット同士が引っ付くことで、カーテンCを閉止状態に維持するようになっている。なお、本体部40とマグネット保持部42とは、一体成型してもよく、別部材を組み合わせて構成しても良い。
【0025】
従属ランナー4Sは、図2に示すように、本体部40と、1組の車輪41と、吊下リング43とを備える。本体部40は、その上端部に車輪41の車軸41aを回転可能に支持する軸受部40aを備え、その下端部に、吊下リング43を保持する保持孔40dを備える。車輪41は、カーテンレール3の内部空間Sに収容され、一対のレール片31に左右方向長手方向に走行可能となるよう支持される。吊下リング43は、保持孔40dに保持されるとともに、カーテンC(図3A及び図3B参照)を吊り下げ支持する。
【0026】
キャップ5は、図1に示すように、カーテンレール3の左右方向の両端に取り付けられ、先頭ランナー4L及び従属ランナー4Sの脱落を防止する。キャップ5にも、従属ランナー4Sと同様の吊下リング43が取り付けられている。
【0027】
カーテン保持装置Hは、先頭ランナー4Lをカーテンレール3における所定の位置に停止させることで開状態のカーテンC(図3B参照)の閉方向への移動を規制するものである。以下、カーテン保持装置Hの構成について具体的に説明する。
【0028】
2.カーテン保持装置Hの構成
カーテン保持装置Hは、具体的には、図4及び図5に示すように、先頭ランナー4Lに設けられる係合部としての突出部44と、被係合部としての切り曲げ片60が形成されるランナーストッパ6とを備えて構成される。以下、各部材の具体的な構成について説明する。
【0029】
突出部44は、具体的には、図4及び図6に示すように、先頭ランナー4Lの一対の軸受部40aのうち閉方向側の軸受部40aの上方に設けられる。本実施形態において、突出部44は、円柱をその軸方向に切断したような形状をなし、当該軸方向が先頭ランナー4Lの車軸41aの軸方向と一致し且つ切断した円柱の側面が上方を向くよう配置される。これにより、突出部44は、先頭ランナー4Lの上部において上方に向かって突出する構成となっている。
【0030】
なお、突出部44は、先頭ランナー4Lの本体部40と一体的に成型されていてもよく、また、本体部40の軸受部40aに別部材を取り付けることで構成されていても良い。
【0031】
ランナーストッパ6は、図4及び図5に示すように、カーテンレール3の内部空間Sに配置される。ランナーストッパ6は、カーテンレール3の内周面に沿うよう上壁61及び一対の側壁62を備え、左右方向に直交する横断面視において下方向に開口する略コの字状をなす部材である。ランナーストッパ6は、図4及び図6に示すように、左右方向において先頭ランナー4Lよりも大きな幅を有する。ランナーストッパ6は、横断面視における少なくとも2点でカーテンレール3の内面と当接する寸法とされる。ランナーストッパ6は、カーテンレール3の内部空間Sに、キャップ5を取り付ける前のカーテンレール3の左右方向の端部から挿入される。そして、ランナーストッパ6は、その横断面視において外方向に広がる弾性力によりカーテンレール3の長手方向(左右方向)への移動が規制されるとともに、その一対の側壁62間の距離を狭めることでカーテンレール3の長手方向へ摺動可能とされている。このような構成により本実施形態のランナーストッパ6は、カーテンレール3の内部空間Sにおける左右方向の位置決めが可能な構成となっている。ただし、ランナーストッパ6をカーテンレール3に確実に固定するために、ねじ等の固定部材を別途設けることも好適である。
【0032】
切り曲げ片60は、このような構成のランナーストッパ6の上壁61の中央部を切り曲げることによって形成される。本実施形態において、切り曲げ片60は、平面視において左右方向に細長い矩形形状とされ、図7に示すように、閉方向の端部が上壁61と連続するよう切り曲げられている。切り曲げ片60は、より具体的には、上壁61と接続する接続部60aと、接続部60aから斜め下方に向かって延びる基端部60bと、基端部60bと接続されるとともに下に凸となるようなめらかに湾曲する湾曲部60cと、湾曲部60cと接続されるとともに斜め上方に向かって延びる先端部60dとを備える。また、本実施形態では、接続部60aが閉方向側、先端部60dが開方向側となるよう切り曲げられている。このような構成により、切り曲げ片60は、カーテンレール3の内部空間Sにおいて当該カーテンレール3の上面側から下方に向かって突出するようになっている。なお、ランナーストッパ6がカーテンレール3の内部空間Sに配置されていることにより、切り曲げ片60もカーテンレール3の内部空間Sに配置されることになる。
【0033】
3.カーテン保持装置Hの機能
以上のような構成のカーテン保持装置Hは、ランナーストッパ6の切り曲げ片60と先頭ランナー4Lの突出部44との係合により、先頭ランナー4Lをカーテンレール3の内部空間Sにおいてランナーストッパ6が配置された位置に停止させる。ここで、ランナーストッパ6は、図3Bに示すように、カーテンCを開状態にしたときの先頭ランナー4Lの位置に設けられる。ランナーストッパ6のこの位置は、より具体的には、切り曲げ片60の湾曲部60cがカーテンCを開状態にしたときの先頭ランナー4Lの突出部44の位置よりもわずかに閉方向の位置となる位置である。図6及び図7は、このカーテンCを開状態にしたときの先頭ランナー4L及びランナーストッパ6の位置関係を示している。
【0034】
ランナーストッパ6をこのように配置することで、先頭ランナー4Lの突出部44はランナーストッパ6の切り曲げ片60の先端部60dに当接し、先頭ランナー4Lはその閉方向への移動が規制される。そして、先頭ランナー4Lの閉方向への移動が規制されることで、開状態のカーテンCの生地の反発力による閉方向への移動が規制される。
【0035】
この状態からカーテンCを閉方向に移動させるには、ユーザがカーテンCを閉方向に引けば良い。ユーザがカーテンCを閉方向に引くことで、先頭ランナー4Lの突出部44によりランナーストッパ6の切り曲げ片60の先端部60dが押圧され、切り曲げ片60が接続部60aを中心として回動するようにして上方に持ち上がる(図7の矢印Y参照)。これにより、突出部44が切り曲げ片60の湾曲部60cを乗り越え、先頭ランナー4Lが閉方向に自由に移動可能となる。
【0036】
一方、閉状態のカーテンC(図3A参照)を開状態にするには、ユーザがカーテンCを開方向に引けば良い。ユーザがカーテンCを開方向に引くことで、先頭ランナー4Lの突出部44によりランナーストッパ6の切り曲げ片60の基端部60bが押圧され、切り曲げ片60が接続部60aを中心として回動するようにして上方に持ち上がる。これにより、突出部44が切り曲げ片60の湾曲部60cを乗り越え、先頭ランナー4Lの閉方向への移動が規制される。
【0037】
なお、ランナーストッパ6の切り曲げ片60による先頭ランナー4Lの移動を規制する力は開状態のカーテンCの生地の反発力よりもわずかに大きければ良い。そして、この規制する力は、ランナーストッパ6の剛性に応じて切り曲げ片60の前後方向の幅や接続部60a及び湾曲部60cの湾曲度合いを変更することで調整することが可能である。例えば、切り曲げ片60の前後方向の幅を小さくすれば、先頭ランナー4Lを規制する力は小さくなり、切り曲げ片60の前後方向の幅を大きくすれば、先頭ランナー4Lを規制する力は大きくなる。また、接続部60a及び湾曲部60cの湾曲角度を小さくすれば(あまり湾曲させずに直線に近づければ)、先頭ランナー4Lを規制する力は小さくなり、湾曲角度を大きくすれば、先頭ランナー4Lを規制する力は大きくなる。
【0038】
あるいは、先頭ランナー4Lの突出部44の切り曲げ片60と当接する部分の形状を変更することでも、上記規制する力を調整することは可能である。ただし、突出部44を円柱をその軸方向に切断したような形状とし、当該軸方向が先頭ランナー4Lの車軸41aの軸方向と一致し且つ切断した円柱の側面が上方を向くよう配置することで(図4参照)、下方向に湾曲する切り曲げ片60となめらかに接触することとなり、大きな力を加えることなくスムーズに切り曲げ片60を回動させることが可能となっている。
【0039】
4.作用効果
以上、説明した実施形態によれば、以下に示す作用効果を得ることができる。
(1)切り曲げ片60が形成されたランナーストッパ6をカーテンレール3の内部空間Sに設けたことで、カーテン保持装置Hが外部から視認されず、カーテンレール装置1としての意匠性を損なうことなく先頭ランナー4Lの移動を規制し、カーテンCの閉方向への移動を規制することが可能となっている。また、磁石を使うことなく先頭ランナー4Lの移動を規制することができるため、カーテン保持装置Hを安価に構成することが可能となっている。
【0040】
(2)先頭ランナー4Lの突出部44を先頭ランナー4Lの上部(より具体的には、先頭ランナー4Lの本体部40の軸受部40aの上方)に設け、切り曲げ片60をカーテンレール3の内部空間Sにおいてランナーストッパ6の上壁61から下方に向かって突出するよう構成したことで、切り曲げ片60を先頭ランナー4Lの突出部44以外の部分と干渉させないようにすることが可能である。これにより、先頭ランナー4L及び従属ランナー4Sの移動を妨げることなくカーテン保持装置Hを構成することが可能となっている。
【0041】
(3)被係合部としての切り曲げ片60をカーテンレール3の内部空間Sに配置されるランナーストッパ6に設けたことで、切り曲げ片60の位置を調整・変更することが可能となっている。また、ランナーストッパ6をカーテンレール3の長手方向に沿って摺動可能に構成し、弾性力によりカーテンレール3の内部空間Sに固定される構成としたことで、切り曲げ片60の位置を容易に調整・変更することが可能となっている。カーテンCを取り替えた際には、カーテンCが開状態のときの先頭ランナー4Lの位置も変わることになるが、そのような場合であっても、被係合部としての切り曲げ片60の位置を容易に変更することが可能となっている。
【0042】
(5)被係合部としての切り曲げ片60を、ランナーストッパ6の上壁61を切り曲げ加工することで形成したことで、被係合部として別部材を固定するよりも部品点数を削減し、被係合部を安価に構成することが可能となっている。
(6)切り曲げ片60を、ランナーストッパ6の上壁61と接続する接続部60aと、接続部60aから斜め下方に向かって延びる基端部60bと、基端部60bと接続されるとともに下に凸となるようなめらかに湾曲する湾曲部60cと、湾曲部60cと接続されるとともに斜め上方に向かって延びる先端部60dとを備えて構成したことで、先頭ランナー4Lの突出部44との係合及び係合の解除をスムーズに行うことが可能となっている。
【0043】
5.変形例
なお、本発明は、以下の態様でも実施可能である。
【0044】
上記実施形態では、カーテン保持装置Hの係合部としての突出部44は一対の軸受部40aのうち閉方向側の軸受部40aに設けられていた。しかしながら、突出部44は、開方向側の軸受部40aに設けられていても良い。また、先頭ランナー4Lは、車輪41を1組のみ備えていてもよいが、その場合は、当該車輪41を支持する軸受部40aにカーテン保持装置Hの突出部44を設けることが好ましい。さらに、カーテン保持装置Hの係合部としての突出部44は、先頭ランナー4Lではなく、先頭側ランナーとして先頭ランナー4Lに隣接する2番目のランナーや2番目のランナーに設けられていても良い。
【0045】
上記実施形態では、カーテン保持装置Hの被係合部をランナーストッパ6の上壁61を切り曲げて形成する切り曲げ片60によって構成していた。しかしながら、ランナーストッパ6の上壁61から下方に向かって突出する構成であれば、別部材を上壁61に取り付けて被係合部を構成することも可能である。また、上壁61から下方に向かって突出する部位を初めから有するよう、ランナーストッパ6を成形することも可能である。
【0046】
上記実施形態では、被係合部としての切り曲げ片60をランナーストッパ6に形成していた。しかしながら、切り曲げ片60をカーテンレール3の上壁に直接形成することも可能である。
【0047】
上記実施形態では、被係合部としての切り曲げ片60を、ランナーストッパ6の上壁61に設けていた。しかしながら、先頭ランナー4Lの任意の部分と係合及び係合の解除が可能な構成であれば、切り曲げ片60をランナーストッパ6の側壁62に設けることも可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 :カーテンレール装置
2 :ブラケット
3 :カーテンレール
4L :先頭ランナー(先頭側ランナー)
4S :従属ランナー
5 :キャップ
6 :ランナーストッパ
30 :開口
31 :レール片
40 :本体部
40a :軸受部
40b :凹部
40c :吊下孔
40d :保持孔
41 :車輪
41a :車軸
42 :マグネット保持部
43 :吊下リング
44 :突出部(係合部)
60 :切り曲げ片(被係合部)
60a :接続部
60b :基端部
60c :湾曲部
60d :先端部
61 :上壁
62 :側壁
C :カーテン
H :カーテン保持装置
S :内部空間
W :壁面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7