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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076084
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/15 20060101AFI20230525BHJP
   E06B 9/17 20060101ALI20230525BHJP
   E06B 5/00 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
E06B9/15 Z
E06B9/17 U
E06B5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189267
(22)【出願日】2021-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】岩田 保
(72)【発明者】
【氏名】小林 諒平
(72)【発明者】
【氏名】大橋 利幸
(72)【発明者】
【氏名】高井 邦治
(72)【発明者】
【氏名】岡田 秀正
【テーマコード(参考)】
2E239
【Fターム(参考)】
2E239AA03
(57)【要約】
【課題】室内の温熱環境改善を改善可能な開閉装置を提供する。
【解決手段】建物の出入り口や建物内部の通路に設けられた開口部を開閉する開閉体を備えた開閉装置であって、開閉体は、シート状に形成され、熱を蓄熱可能に構成された蓄熱部材を含んで構成され、開口部を閉鎖状態としたときに、蓄熱部材が、該開閉体により区画される前面側の空間と後面側の空間との間を遮蔽するように配置される構成とした。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を開閉する開閉体を備えた開閉装置であって、
前記開閉体は、シート状に形成され、熱を蓄熱可能に構成された蓄熱部材を含んで構成され、
前記開口部を閉鎖状態としたときに、前記蓄熱部材が、該開閉体により区画される前面側の空間と後面側の空間との間を遮蔽するように配置されることを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
前記蓄熱部材が、前記開閉体として形成されたことを特徴とする請求項1に記載の開閉装置。
【請求項3】
前記蓄熱部材は、前記開閉体の前面と後面の両方、又はそのいずれか一方を覆うように設けられたことを特徴とする請求項1に記載の開閉装置。
【請求項4】
前記蓄熱部材に重ねて設けられ、該蓄熱部材を保護する保護部材を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載の開閉装置。
【請求項5】
前記蓄熱部材は、断熱材を介して前記開閉体に設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載の開閉装置。
【請求項6】
前記開閉体は、開口部を形成する床面に接する座板を備え、
前記座板は、表面の一部、若しくは全部を覆う蓄熱部材を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれかに記載の開閉装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉装置に関し、特に、屋内等の温熱環境を改善可能な開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1等に示すように、ビル等の建物の出入り口等に設置される開閉装置の一つとして、スラットと呼ばれる長尺な金属板を複数連結したシャッターカーテンを有するスラット式のシャッター装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-36756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、シャッターカーテンを構成するスラットは、金属を素材とする部品が多いため、外部環境、例えば熱や冷気の影響を直接受けてしまう。その結果、室内の温熱環境は外部環境に近くなり快適性が損なわれている。また、室内の温熱環境の快適性を維持すべく空調機器を作動させると空調機器に負担がかかりやすくなるという問題がある。
そこで本発明は、上記課題を解決するため、室内の温熱環境改善を改善可能な開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための開閉装置の構成として、開口部を開閉する開閉体を備えた開閉装置であって、開閉体は、シート状に形成され、熱を蓄熱可能に構成された蓄熱部材を含んで構成され、開口部を閉鎖状態としたときに、蓄熱部材が、該開閉体により区画される前面側の空間と後面側の空間との間を遮蔽するように配置される構成とした。
本構成によれば、熱の出入りが大きい開口部において、屋外から屋内への熱の影響をより緩やかにし、室内の温熱環境を改善することができ、その結果として、空調機器の負荷削減につながり、温暖化防止等の環境改善に寄与することができる。
また、開閉装置の他の構成として、蓄熱部材が、開閉体として形成されたり、開閉体の前面と後面の両方、又はそのいずれか一方を覆うように設けるようにしても、熱の出入りが大きい開口部において、室内の温熱環境を改善することができ、その結果として、空調機器の負荷削減につながり、温暖化防止等の環境改善に寄与することができる。
また、また、開閉装置の他の構成として、蓄熱部材に重ねて設けられ、該蓄熱部材を保護する保護部材を備える構成とすることにより、蓄熱部材の損傷を防ぐことができる。
また、開閉装置の他の構成として、蓄熱部材を断熱材を介して開閉体に設けることにより、屋外から屋内への熱の影響をより緩やかにし、屋内の温度変化を緩やかにすることができる。
また、開閉装置の他の構成として、開閉体は、開口部を形成する床面に接する座板を備え、座板は、表面の一部、若しくは全部を覆う蓄熱部材を備えることにより、座板の直射日光による過度の温度上昇を防ぐことができる。これにより、座板に設けられたセンサー等の電子部品を守ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明に係る開閉装置の平面図である。
図2】シャッターカーテン、巻取り機構の縦断面図及びスラットの縦断面図及び部分拡大図である。
図3】スラットにおける蓄熱部材の他の取り付け形態を示す図である。
図4】スラットにおける蓄熱部材の他の取り付け形態を示す図である。
図5】スラットの他の形態における蓄熱部材の取り付け形態を示す図である。
図6】オーバーヘッドスライディングドアのドア構成パネルの縦断面図である。
図7】オーバーヘッドスライディングドアのドア構成パネルの縦断面図である。
図8】オーバーヘッドスライディングドアのドア構成パネルの縦断面図である。
図9】ドア扉の縦方向断面図である。
図10】蓄熱部材の他の設置形態を示す図である。
図11】蓄熱部材の他の設置形態を示す図である。
図12】蓄熱部材の他の設置形態を示す図である。
図13】蓄熱部材の他の設置形態を示す図である。
図14】蓄熱部材の他の設置形態を示す概略図である。
図15】蓄熱部材の他の設置形態を示す概略図である。
図16】蓄熱部材の他の設置形態を示す概略図である。
図17】蓄熱部材の他の設置形態を示す概略図である。
図18】蓄熱部材の他の設置形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
【0008】
[実施形態1]
図1は、本実施形態に係る開閉装置の平面図、図2は、シャッターカーテン、巻取り機構の縦断面図及びスラット31の縦断面図及び部分拡大図である。
図1に示すように、開閉装置としてのスラット式シャッター装置(以下単にシャッター装置ともいう場合がある。)10は、構造物躯体11に形成された開口部12に設置される。構造物躯体11とは、例えば住宅やビル、倉庫、工場等の構造物の内外を仕切る外壁や、構造物の内部において内部空間を仕切る内壁等である。開口部12は、構造物躯体11に開設され、内外を連通する空間として形成される。
【0009】
シャッター装置10は、概略、開口部12の幅方向の両側に互いに離間して立設されるガイドレール20;20と、ガイドレール20;20の長手方向に沿って移動し、開口部12を開放又は閉鎖する開閉体としてのシャッターカーテン30と、開口部12及びガイドレール20;20の上方に設けられるシャッターケース14と、シャッターケース14の内部の収容空間に設置される巻取り機構50とを備える。
【0010】
なお、本明細書において幅方向とは、シャッターカーテン30の開閉(上下)方向と直交する方向(左右方向)を示し、「奥行方向」とは、シャッターカーテン30の厚み(前後)方向を意味する。また、「巻取り方向」とは、シャッターカーテン30がガイドレール20に沿って上昇し、開口部12が開放する方向を示し、「繰出し方向」とは、シャッターカーテン30がガイドレール20に沿って降下し、開口部12が閉鎖する方向を示すものとする。
【0011】
図1に示すように、ガイドレール20,20は、構造物躯体11に対して長手方向が垂直となるように、構造物躯体11に一部が埋設された状態で立設される。ガイドレール20;20は、横断面略コ字状の内部構造を有する中空状の部材である。ガイドレール20;20同士は、コ字状の開口が互いに向き合うように配設される。ガイドレール20;20には、後述するシャッターカーテン30の幅方向両端部が挿入される。これにより、シャッターカーテン30の幅方向端部は、ガイドレール20;20によって開閉方向(上下方向)に案内される。
【0012】
図2に示すように、シャッターカーテン30は、複数のスラット31により構成される。各スラット31は、例えば、スチール、ステンレス、アルミニウム等の金属からなり、開口部12の幅方向に沿って延在する板状の部材である。各スラット31における巻取り方向の端部(上端部)と繰出し方向の端部(下端部)には、それぞれ湾曲形状のカール部32;33が形成される。
【0013】
カール部32は、巻取り機構50を構成する円筒状のホイール52の径方向内側に向けて湾曲し、巻取り方向に隣接するスラット31に形成されたカール部33と係合する。カール部33は、ホイール52の径方向内側に湾曲し、繰出し方向に隣接するスラット31に形成されたカール部32と係合する。これにより、互いに隣接するスラット31同士は、それぞれカール部32;33同士が係合することにより回転自在に連結される。
【0014】
図2の部分拡大図に示すように、各スラット31は、平坦面として形成された本体部34の前面31A及び後面31Bに蓄熱部材40を備える。なお、以下の説明では、前面31A側を屋外側、後面31B側を屋内側等と言う場合がある。蓄熱部材40は、PCM(潜熱蓄熱材、特に蓄熱シート)材をシート状に形成することで利用することができる。蓄熱部材40は、例えば、幅寸法がスラット31と同程度に、上下寸法がスラット31のカール部32;33の間の本体部34の上下寸法よりも短い帯状に形成される。
【0015】
PCM(Phase Change Material,潜熱蓄熱材)とは、化合物がある一定温度(融点)において、固体から液体、液体から固体へと相変化するときに必要なエネルギーとして、熱を蓄熱(蓄冷)、放熱(放冷)可能な、所謂、潜熱を利用可能な素材である。
【0016】
蓄熱部材40は、例えば、接着剤等の固定手段によりスラット31に固定すれば良い。接着剤には、蓄熱部材40の作用温度の範囲内の熱や経年によりスラット31から脱落しない接着剤を用いると良い。
【0017】
以下、蓄熱部材40の作用について説明する。
[夏季の場合]
開口部12をシャッターカーテン30が閉鎖することにより、シャッターカーテン30の屋外側に設けられた蓄熱部材40が、屋外と屋内との間を遮蔽するように配置され、太陽光の直射による熱や高い外気温を吸収、さらに屋内側に設けられた蓄熱部材40がスラット31の熱を吸収し、蓄熱することにより、屋外から屋内への熱の影響を緩やかにし、屋内の温度変化、例えば室温の上昇を緩やかにすることができる。
また、屋外側及び屋内側の蓄熱部材40により蓄熱された熱は、夜間の気温の低下に伴い、直接的、或いはスラット31を介した間接的に屋外に徐々に放出され、屋内への温度環境に及ぼさない。
[冬季の場合]
開口部12をシャッターカーテン30が閉鎖することにより、シャッターカーテン30の屋外側に設けられた蓄熱部材40が、屋外と屋内との間を遮蔽するように配置される。これにより、シャッターカーテン30の屋外側に設けられた蓄熱部材40が太陽光の直射による熱を直接的に吸収し、さらに屋内側に設けられた蓄熱部材40が太陽光の直射により温められたスラット31の熱を吸収し、蓄熱することにより、屋外から屋内への熱の影響を緩やかにし、屋内の温度変化、例えば室温の低下を緩やかにすることができる。
また、屋外側及び屋内側の蓄熱部材40により蓄熱された熱は、夜間の気温の低下に伴い、直接的、或いはスラット31を介した間接的に屋外や屋内に徐々に放出され、夜間における外気温の変化に伴う屋内の温度の低下を緩やかにすることができる。
また、シャッターカーテン30がシャッターケース14内に収納されている場合であっても、シャッターケース14の直射による熱を収納されたシャッターカーテン30の蓄熱部材40が吸収することができる。例えば、日中は、サッシガラス等を通した日射の熱により屋内(室内)が温められるとともに、シャッターケース14内においてシャッターカーテン30の備える蓄熱部材40により日射の熱を吸収する。夜間は、シャッターカーテン30を閉鎖状態にすることにより、シャッターカーテン30に設けられた蓄熱部材40に蓄熱された熱によって開口部からの熱の影響を緩やかにすることができる。
このように、屋内への屋外の熱環境の影響を緩やかにすることにより、空調機器への負担を軽減することができる。
【0018】
以下、シャッター装置10の他の構成について説明する。図2に示すように、シャッターカーテン30の繰出し方向の端部には、座板35が係合される。座板35は、シャッターカーテン30の幅方向に沿って延在する断面視矩形状の板体であって、開口部12が全閉された状態において、床面や地面と接地する部分である。座板35は、例えば、スラット31の幅方向寸法よりも短く、ガイドレール20;20間の寸法よりも僅かに短く設定され、その両端部がガイドレール20;20の内に飲み込まれることのない寸法とされる。なお、座板35の寸法については、これに限定されるものではない。
【0019】
次に、シャッターカーテン30を巻取り方向又は繰り出し方向に動作させる巻取り機構50について概説する。図1図2に示すように、巻取り機構50は、シャッターケース14内に設置され、シャッターカーテン30を巻取り、又は繰出す機構である。巻取り機構50は、シャッターケース14の一部を構成する左右のブラケット15;15と、左右のブラケット15;15間に架設されるシャフト51と、シャフト51の回転と同期して巻取り方向及び繰出し方向に回転自在なホイール52;52と、シャフト51を巻取り方向又は繰出し方向に回転させる図外のモータとを備える。
【0020】
シャフト51は、ガイドレール20;20の幅方向に延在する支柱であって、両端部がブラケット15;15に設けられた図外の保持手段によって、回転自在に支持される。また、シャフト51の一端部の軸周りには、無端状のチェーンやベルト等の連結体55と連結される従動輪53が設けられる。従動輪53は、連結体55を介して図外のモータの出力軸に設けられた駆動輪と連結されており、モータの回転力は、駆動輪、連結体55及び従動輪53を介してシャフト51に伝達される。
【0021】
ホイール52;52は、シャフト51に対して所定の間隔をもって設けられる円筒状の金属部材である。ホイール52;52は、中心部に開設された図外の嵌挿孔を介してシャフト51と嵌め合され、シャフト51を回転中心として自在に回転する。また、ホイール52;52同士は、複数の巻取り部材54により接続される。巻取り部材54は、シャフト51と平行に延在する支柱であって、両端部がホイール52;52の嵌挿孔を中心として円周方向に等間隔に開設された図外の接続孔に嵌め込まれる。
【0022】
また、図2に示すように、シャッターカーテン30は、ホイール52の円周面上に締結された吊元部材58によりホイール52と連結される。吊元部材58は、金属製の板体であって、ホイール52の円周面の曲率と対応する湾曲形状である。吊元部材58は、ホイール52の円周面に開設された締結孔を介して、ボルトナット等の締結手段によりホイール52と一体に締結される。また、吊元部材58の繰り出し方向の端部には、カール状の連結部58Aが形成される。連結部58Aは、シャッターカーテン30を構成する複数のスラット31のうち、最も巻取り方向側に位置するスラット31のカール部32と係合する。
【0023】
以下、上記構成からなるシャッターカーテン30の開閉動作について説明する。図2(a)に示すように、シャッターカーテン30が開口部12を開放した状態(全開状態)から、図外の操作盤を操作によりモータが駆動制御され、シャフト51が繰出し方向に回転すると、シャフト51の回転に対応してホイール52が回転し、ホイール52の外周面に積層されたシャッターカーテン30が順次繰出されることとなる。そして、図2(b)に示すように、ホイール52の繰出し方向への回転が継続し、開口部12の全域がシャッターカーテン30により閉鎖(全閉状態)される。
【0024】
一方、図2(b)に示すシャッターカーテン30が開口部12を閉鎖した状態(全閉状態)から、モータが逆方向に駆動制御され、シャフト51が巻取り方向に回転すると、シャフト51の回転に対応してホイール52が回転し、シャッターカーテン30は、徐々にホイール52の外周面に沿って巻き取られながら開口部12を開放する。そして、図2(a)に示すように、ホイール52による巻取り方向への回転が継続し、ホイール52の周長分以上のシャッターカーテン30が巻き取られると、2周目以降に巻き取られるシャッターカーテン30は、1周目の回転において巻き取られたシャッターカーテン30上に積層されながら巻き取られ、開口部12の全域が開放(全開状態)される。
なお、上記実施形態に係る巻取り機構50は、モータを有する電動式の巻取り機構50を例示したが、例えばシャフト51の軸周りに介挿されるコイルばね等の付勢手段を用いた手動式の巻取り機構を採用してもよい。
【0025】
[実施形態2]
図3図4は、スラット31における蓄熱部材40の他の設置形態を示す図である。上記実施形態では、蓄熱部材40をスラット31の本体部34の前面31A及び後面31Bに設けるものとしたがこれに限定されない。例えば、図3(a)に示すように、スラット31の前面31Aにのみ蓄熱部材40を設けるようにしても良く、また、図3(b)に示すように、スラット31の後面31Bにのみ蓄熱部材40を設けるようにしても良い。
【0026】
[実施形態3]
また、蓄熱部材40は、スラット31との間で中空部Sを有するように設けても良い。例えば、図4(a)に示すように後面31B側において本体部34から各カール部32;33へと延長する延長部同士をつなぐようにコの字状に形成して設けたり、また、図4(b)に示すように、カール部32;33間を架橋するように直線的に設けたりしても良い。
このように、スラット31と蓄熱部材40との間に中空部Sを設けることにより、屋外側と蓄熱部材40との間に空気層を設けることで、室温の変化をさらに緩やかにすることができる。
【0027】
[実施形態4]
図5は、スラットの他の形態における蓄熱部材40の設置例を示す図である。
図5に示すスラット31は、例えば、1枚の板材を成形することにより中空部Sを構造的にを有するように形成されたものである。このように中空構造を有する場合、例えば、図5(a)に示すように、中空部S内の前面31A側及び後面31B側の本体部34のそれぞれに蓄熱部材40を接着等の固定手段により設けても良く、図5(b)に示すように、中空部内の前面31A側の本体部34にのみ、或いは、図5(c)に示すように中空部内の後面31B側の本体部34にのみ蓄熱部材40を設けるようにしても良い。
なお、中空部S内における蓄熱部材40とスラット31との間には、断熱材が充填されていてもよい。
このように中空部Sを介在させることにより、室温の変化をさらに緩やかにすることができる。
【0028】
上記実施形態においては、開閉装置の開閉体の一例として、複数のスラット31により構成されるシャッターカーテン30として説明したが、オーバーヘッドスライディングドアや、シャッターカーテン30の構成として複数の平板状のパネルを組み合わせたオーバーヘッドスライディングドアやパネルカーテン等であっても良い。
【0029】
[実施形態5]
図6乃至図8は、オーバーヘッドスライディングドアのドア構成パネルの縦断面図である。オーバーヘッドスライディングドアは、例えば、パネルカーテンのように、幅方向に沿って一方長尺の矩形状に形成されたドア構成パネル71を複数連結して構成される。このようなドア構成パネル71は、例えば、図6,7に示すように、幅方向に延長する上下枠72;73の間に、一方の面が意匠面として略平面状に形成されたパネル板74の他方の面に幅方向に延長する中間枠76が設けられる。ドア構成パネル71は、上下枠72;73や中間枠76を露出させた状態で形成される。
【0030】
このように一方の面が意匠面として形成されている場合、意匠面が前面として屋外を向き、後面が屋内側とされる。この場合、蓄熱部材40は、後面に設ければ良い。そして、図7に示すように、後面の凹凸が単純な場合、蓄熱部材40は、例えば、上下枠72;73の間において後面の中間枠76にと取り付ければ良い。
【0031】
また、図7に示すように、蓄熱部材40は、上下枠72;73から互いに対向するように延長する折返片72A;73Aを有する場合には、折返片72A;73Aに架橋するように取り付けても良い。
【0032】
また、図8(a)に示すように、ドア構成パネル71が、縦断面において中空部Sを有するように、上下枠72;73の間にパネル板74A;74Bが設けられている場合には、パネル板74A;74Bの中空部S側を覆うように蓄熱部材40をそれぞれに設ければ良い。また、図8(b),(c)に示すように、蓄熱部材40は、パネル板74A;74Bのいずれか一方の中空部S側に設けるようにしても良い。このように中空部Sを介在させることにより、室温の変化をさらに緩やかにすることができる。
【0033】
[実施形態6]
図9は、ドア扉の断面図である。
また、開閉装置における開閉体は、シャッターカーテンやパネルカーテンに限定されず、引き戸や開き戸等であっても良い。開き戸や引き戸のうちドア扉の扉パネルが金属材料のみで構成されているものもシャッターカーテン等と同様に、外部環境、暖気や冷気の影響を直接受けてしまう。このような場合、図8,9に示すように、蓄熱部材40をドア扉に設けることによって、屋外の熱環境の影響を受けにくくすることができる。
【0034】
図9(a)に示すように、ドア扉の内部空間の扉パネルの屋外側及び屋内側の両方にシート状の蓄熱部材40を設けるようにしても良く、また、図9(b)に示すように、屋外側のみ、或いは図9(c)に示すように、屋内側にのみ設けるようにしても良い。
【0035】
扉パネルに蓄熱部材を貼付することにより、ドア扉の構造を変更することなく容易に熱環境に対する性能を向上させることができるとともに、既存のドア扉に対しても適用することができる。
【0036】
なお、ドア扉の内部にペーパーコアや断熱材等の充填材があっても良い。このような充填材を有することにより、より室温の変化をさらに緩やかにすることができる。
【0037】
蓄熱部材40が適用されるドア扉は、扉パネル等が必ずしも金属材料である必要はなく、木製扉であっても良い。
【0038】
[実施形態7]
図10,11は、蓄熱部材40の他の設置形態を示す図である。
上記実施形態1乃至4等では、シャッターのスラット31に蓄熱部材40を貼付するものとして説明したが、これに限定されない。例えば、図10,11に示すように、シャッターカーテンに蓄熱部材40を併設するようにしても良い。なお、シャッター装置の構成については説明を省略するが、図1,2に示したものと同一構成については図1,2に示したものと同一の符号を用いて説明する。
【0039】
図10に示すように、シャッター装置10は、概略、開口部12の幅方向の両側に互いに離間して立設されるガイドレール20;20と、ガイドレール20;20の長手方向に沿って移動し、開口部12を開放又は閉鎖する開閉体としてのシャッターカーテン30と、開口部12及びガイドレール20;20の上方に設けられるシャッターケース14と、シャッターケース14の内部の収容空間に設置される巻取り機構50と、シャッターカーテン30の前面側及び後面側に設けられる蓄熱部材40とを備える。
【0040】
蓄熱部材40は、シャッターカーテン30を平面視したときの形状に倣う矩形状に形成され、例えば、シャッターカーテン30の幅方向寸法に対応する一方の一辺側を最も巻取り方向側に位置するスラット31の本体部34の前面側及び後面側に接着剤等の固定手段により固定し、他方の一辺側をシャッターカーテン30の巻取り方向に沿わせることでシャッターカーテン30に取り付けられる。
【0041】
蓄熱部材40は、前述のようにシャッターカーテン30に取り付けられ、シャッターカーテン30が開口部12を閉鎖したときに、開口部12の前面側及び後面側の全域を覆うように幅方向及び巻取り方向の長さ寸法を設定すると良い。
【0042】
また、蓄熱部材40;40をシャッターカーテン30に対して取り付けたことにより、蓄熱部材40;40を巻き取り、繰り出しするための機構を不要とし、シャッターカーテン30の開閉に伴って蓄熱部材40;40を自動的に配置、収容することができる。
【0043】
蓄熱部材40;40を接着剤を用いてスラット31に固定する場合、接着剤には、蓄熱部材40の作用温度に達する前の熱や経年による脱落を防止するために、耐久性を有する接着剤を用いると良い。
【0044】
以下、上記構成からなるシャッター装置の動作について説明する。図11(a)に示すように、シャッターカーテン30が開口部12を開放した状態(全開状態)から、図外の操作盤を操作によりモータが駆動制御され、シャフト51が繰出し方向に回転すると、シャフト51の回転に対応してホイール52が回転し、ホイール52の外周面に、積層されたシャッターカーテン30が蓄熱部材40;40とともに順次繰出されることとなる。そして、図11(b)に示すように、ホイール52の繰出し方向への回転が継続し、開口部12の全域がシャッターカーテン30により閉鎖(全閉状態)されるとともに、蓄熱部材40;40がシャッターカーテン30の前面側及び後面側に配置される。
【0045】
また、図11(b)に示すシャッターカーテン30が開口部12を閉鎖した状態(全閉状態)から、モータが逆方向に駆動制御され、シャフト51が巻取り方向に回転すると、シャフト51の回転に対応してホイール52が回転し、シャッターカーテン30は、蓄熱部材40;40とともに徐々にホイール52の外周面に沿って巻き取られながら開口部12を開放する。そして、図11(a)に示すように、ホイール52による巻取り方向への回転が継続し、ホイール52の周長分以上のシャッターカーテン30が巻き取られると、2周目以降に巻き取られるシャッターカーテン30は、1周目の回転において蓄熱部材40;40とともに巻き取られたシャッターカーテン30上に蓄熱部材40;40とともに積層されながら巻き取られ、開口部12の全域が開放(全開状態)される。
【0046】
このように蓄熱部材40をシャッター装置に設けても前述の各実施形態で説明した効果を得ることができる。なお、シャッターカーテン30に併設する蓄熱部材40は、前面側及び後面側の両方に限定されず、前面側や後面側の一方であっても良い。
【0047】
[実施形態8]
図12は、蓄熱部材40の他の設置形態を示す図である。実施形態7では、シャッターカーテン30に蓄熱部材40を直接的に接するように設けるものとして説明したが、図12に示すように、シャッターカーテン30と蓄熱部材40との間に保護シート42を介在させるようにしても良い。
【0048】
保護シート42は、シャッターカーテン30の後面側に重ねて設けられ、シャッターカーテン30を巻き取ったときに、前面側及び後面側の蓄熱部材40にスラット31が直接的に接触することを防ぐための部材である。保護シート42は、例えば、通気性の高い網目状のメッシュやフィルム等のシート状の部材で構成すると良い。保護シート42は、例えば、蓄熱部材40の全面を覆うべく、蓄熱部材40と同程度の大きさの矩形状に形成され、蓄熱部材40が固定されたスラット31の本体部34に、蓄熱部材40に重ねて接着剤等の固定手段により取り付けられる。
【0049】
なお、通気性の高い網目状とは、蓄熱部材40への熱の出入りを妨げない網目の大きさをいう。また、保護シート42は、シャッターカーテン30を巻き取ったときに、スラット31の蓄熱部材40への接触を防ぐ強さと、巻き取り時の変形に追従可能な柔軟性を有することは言うまでもない。
【0050】
また、一枚の保護シート42により後面側の蓄熱部材40の全面を覆うものとしたがこれに限定されない。例えば、保護シート42を所定幅の帯状とし、この帯状の保護シート42をシャッターカーテン30の幅方向に所定の間隔で、シャッターカーテン30の開閉方向の一端から他端に達するように設けても良い。
【0051】
このように、保護シート42を後面側の蓄熱部材40に重ねて設けることにより、図12(a)に示すように、シャッターカーテン30とともに、巻き取られた前面側及び後面側の蓄熱部材40の間に介在させることができ、蓄熱部材40の事前損傷を防止できる。
【0052】
[実施形態9]
図13は、蓄熱部材40の他の設置形態を示す図である。実施形態8では、蓄熱部材40をシャッターカーテン30の前面側及び後面側の両側に設けるものとして説明したが、図13に示すように、前面側の蓄熱部材40に代えて断熱材44を設けても良い。
【0053】
断熱材44は、例えば、一方の面側から他方の面側への熱の伝達を抑制するためのシート状の部材である。
断熱材44は、シャッターカーテン30の巻き取りや繰り出しに変形が追従可能な柔軟性を有するように素材や厚みが設定されることが好ましい。
【0054】
断熱材44は、例えば、シャッターカーテン30の全域を覆うべく矩形状に形成され、蓄熱部材40が固定されるスラット31の本体部34に接着剤等の固定手段により取り付けられる。
【0055】
このように、屋外側と蓄熱部材40の間に断熱材44を介在させることにより、室温の変化をより緩やかにし、夏季の気温上昇や冬季の気温の低下を抑制することができる。
【0056】
なお、蓄熱部材40をシャッターカーテン30に取り付けるものとしたが、例えば、シャッターカーテン30とともに巻取り機構50を構成する吊元部材58に取り付けるようにしても良い。また、蓄熱部材40をシャッターカーテン30の巻取り機構50を利用し、シャッターカーテン30とともに蓄熱部材40及びこれに付随して設けられる保護シート42や断熱材44の巻き取りや繰り出しをするように構成したが、これに限定されるものではない。蓄熱部材40及びこれに付随して設けられる保護シート42や断熱材44をシャッターカーテン30とともに巻き取り、繰り出すことから分離し、他の巻取り機構によって巻き取り、繰り出すようにしても良い
【0057】
[実施形態10]
図14は、蓄熱部材40の他の設置形態を示す概略図である。図14に示すように、蓄熱部材40は、例えば、巻き取り装置を含む蓄熱ユニット80として構成することができる。なお、以下の説明では、前述の蓄熱部材40のみのもの、蓄熱部材40に保護シート42を組み合わせたもの、蓄熱部材40に保護シート42及び断熱材44を組み合わせたもの等、蓄熱部材40に付随して設けられるものを総称し、蓄熱体Aという。
蓄熱ユニット80は、蓄熱体Aと、蓄熱体Aを巻き取る巻取り軸82と、巻取り軸82を回転自在に支持する図外の軸受けと、巻取り軸82が蓄熱体Aを巻き取る方向に巻取り軸に付勢力を付与する図外の巻取りばねと、これらを収容するケース84とで構成することができる。
【0058】
蓄熱体Aは、蓄熱部材40のみ、又は、蓄熱部材40の片面又は両面の全域を覆うように保護シート42を重ねたもの等で構成される。蓄熱体Aは、例えば、シャッター装置10が設けられた開口部12の全域を被覆可能な矩形状に形成され、巻取りばねの付勢力により巻取り軸82に巻き取られた状態でケース84内に収容可能とされる。
【0059】
図14に示すように、蓄熱ユニット80は、例えば、シャッターケース14内において、シャッターカーテン30を挟んで前面側及び後面側に配置される。前面側及び後面側の各蓄熱ユニット80は、蓄熱体Aの巻取り軸82が、シャッターカーテン30の巻取り機構50のシャフト51の軸線と平行になるようにシャッターケース14内に固定される。巻取り軸82に巻き取られた状態の蓄熱体Aは、前面側及び後面側の各蓄熱ユニット80から引き出される。この引き出された一辺側(以下、引き出し端という)は、座板35の前面側及び後面側に図外の固定手段により固定することで、シャッター装置10の一部として組み込まれる。
【0060】
以下、蓄熱ユニット80として構成したときの動作について説明する。図4(b)に示すように、開口部が開放された状態から図14(a)に示すように、シャッターカーテン30によって開口部を閉鎖する場合、シャッターカーテン30を繰り出すことで、蓄熱体Aが巻取り軸82から引き出され、シャッターカーテン30の前面側及び後面側に蓄熱機能を有する蓄熱体Aを配置することができる。
また、図14(a)に示すように、シャッターカーテン30が開口部を閉鎖した状態から図14(b)に示すように開口部を開放する場合、シャッターカーテン30の巻き取ることで、座板35による蓄熱体Aへの牽引が開放され、蓄熱体Aは、巻取りばねの付勢力によってたるむことなく巻取り軸82に巻き取られる。
【0061】
[実施形態11]
図15は、蓄熱部材40の他の設置形態を示す概略図である。
なお、蓄熱ユニット80は、必ずしもシャッターケース14内に収容されることが必須ではなく、例えば、図15に示すように、シャッターケース14の下面等に取り付けるようにしても良い。
【0062】
[実施形態12]
図16は、蓄熱部材40の他の設置形態を示す概略図である。
シャッターカーテン30の前面側及び後面側に蓄熱体Aを設ける場合、2つの蓄熱ユニット80をシャッターカーテン30の前面側及び後面側に設けたが、例えば、図16に示すように、一つの蓄熱ユニット80により蓄熱体Aをシャッターカーテン30の前面側及び後面側に設けることもできる。
この場合、座板35の下側に、座板35の幅方向に沿って延長するローラー86を回転自在に座板35に設け、蓄熱ユニット80から引き出された蓄熱体Aをローラー86を経由して、蓄熱体Aの引き出し端部をシャッターケース14の下面に取り付ければ良い。
このように構成しても、シャッターカーテン30の巻き取り、繰り出しに連動して、蓄熱体Aをたるませることなく、巻き取り、引き出しをすることができる。
【0063】
[実施形態13]
図17は、蓄熱部材40の他の設置形態を示す概略図である。図17(a)に示すように、座板35を中空の箱状とし、内部に、蓄熱体Aと、蓄熱体Aを巻き取る巻取り軸82と、巻取り軸82を回転自在に支持する図外の軸受けと、巻取り軸82が蓄熱体Aを巻き取る方向に巻取り軸に付勢力を付与する図外の巻取りばねを設けることで蓄熱ユニット80が構成される。言い換えると、前述の一つの蓄熱ユニット80が板状の座板35に代えてスラット31の下端に取り付けられたものと言うこともできる。このとき、蓄熱体Aの引き出し端部は、シャッターケース14の下面等に図外の固定手段により固定されれば良い。なお、図17(a)では、シャッターカーテン30の後面側に蓄熱体Aを設けるものとして例示したが、前面側であっても良い。
【0064】
また、図17(b)に示すように、中空箱状の座板35の中に2つの蓄熱ユニット80を収容することで、シャッターカーテン30の前面側と後面側に蓄熱体Aを設けることができる。
図17(a),(b)に示すように、蓄熱ユニット80を構成しても、シャッターカーテン30の巻き取り、繰り出しに連動して、蓄熱体Aをたるませることなく、巻き取り、引き出しをすることができる。
【0065】
図18は、蓄熱部材40の他の形態を示す図である。前述の実施形態では、蓄熱部材40は、一枚のシート状とし、巻取り軸82で巻き取り、繰り出し可能に構成したが、これに限定されず、例えば、図18に示すように蛇腹折りによって折り畳み可能に形成しても良い。
【0066】
図18に示すように、蓄熱部材40は、蛇腹折りによって形成することにより、折り重ねられた方向に伸縮が可能としても良い。この場合、例えば、座板35の形状を上方開口の箱型とし、この中に蛇腹折りによって折りたたまれた蓄熱部材40を収容可能とすれば良い。そして、一番下に位置する折り片を座板35に接着などにより固定し、一番上に位置する折り片をシャッターケース14の下面に接着などにより固定すれば良い。
【0067】
蛇腹折りでは、一番下の折り片と一番上の折り片とが離間することで、折り重ね方向に伸長し、一番下の折り片と一番上の折り片とが近接することで、折り重ね方向に収縮する。したがって、図18(b)に示すようにシャッターカーテン30を巻き取り、開口部12が開放された状態からシャッターカーテン30を繰り出すことで、座板35がシャッターケース14から徐々に離間する。この離間に連動して蓄熱部材40が展開されて伸長する。そして、図18(a)に示すように、シャッターカーテン30が開口部12を完全に閉鎖されると、シャッターカーテン30の前面側及び後面側には、蓄熱部材40がシャッターカーテン30の全域を覆うこととなる。
【0068】
また、図18(a)に示すようにシャッターカーテン30を繰り出し、開口部12が閉鎖された状態からシャッターカーテン30を巻き取ることで、座板35がシャッターケース14に徐々に近接する。この近接に連動して蓄熱部材40が折り畳まれて徐々に収縮する。そして、図18(b)に示すように、シャッターカーテン30が巻き取られ、開口部12が完全に開放されると、蓄熱部材40が最も折り畳まれた状態となって座板35に収容される。
【0069】
このように、蓄熱部材40を蛇腹折りによって折り畳み可能とすることにより、蓄熱部材40を巻き取る巻取り機構等を不要とすることができ、シャッター装置10に対して簡単に蓄熱部材40を設けることができる。なお、構造として伸縮機能が得られる蓄熱部材40の形態は、蛇腹折りに限定されず、例えば、パンタグラフやハニカムのように伸縮を可能とする構造を有するように蓄熱部材40を形成しても良い。
【0070】
上記実施形態では、シャッター装置10として、スラット式、パネル式等のものを例示して説明したが、不燃性樹脂等のシートから構成されるシートカーテン等でも良い。
シートカーテンは、生地が薄く開口部における断熱性が考慮されていないことが多く、外部環境(熱や冷気)の影響を直接受け易い。その結果、金属製などのシャッターカーテンと同様に、室内の温熱環境が外部環境に近くなり快適性を得ることができない。このようなシートカーテンであっても、例えば、実施形態 等のように、その表面を覆うように、蓄熱部材40や蓄熱体Aを設けることにより、夏季や冬季における室温の変化を緩やかにすることができる。
【0071】
また、実施形態10等で説明した蓄熱ユニット80の蓄熱体Aを(シート)シャッター装置における開閉体としてのシートカーテンとして用いたり、蓄熱ユニット80をロールカーテンとして構成しても良い。
【0072】
また、蓄熱部材40は、前述したスラット式、パネル式等のシャッター装置10や、シートカーテン等の開閉体において開口部12を全閉したときに、床面や地面に接地させるべく設けられた座板35の表面の一部や、全部に設けるようにしても良い。
例えば、シャッター装置10には、開閉体がモーターの駆動により開閉が制御されるものがある。このようなシャッター装置10では、開閉体が開口部12を閉鎖するときに、座板35が床面に接地したことを検出するセンサーや、座板35と床面等との間での挟み込みを検出するためのセンサー等の電子部品が座板35に設けられる。このようなセンサーは、熱に弱く、前述の検出にエラーを生じさせたり、故障の原因とされる。そこで、座板35にも蓄熱部材40をその表面の一部や全部を覆うように設け、日射による熱を蓄熱部材40に吸収させることにより、座板35の直射日光による過度の温度上昇を防ぐことができ、センサー等の電子部品を保護し、日射に起因するセンサーの故障を予防することができる。
【符号の説明】
【0073】
10 シャッター装置、12 開口部、14 シャッターケース、
20 ガイドレール、30 シャッターカーテン、31 スラット、40 蓄熱部材、
42 保護部材、44 断熱材、A 蓄熱体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図16
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図18