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  • 特開-装飾用の蝶結び 図1
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  • 特開-装飾用の蝶結び 図4
  • 特開-装飾用の蝶結び 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076086
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】装飾用の蝶結び
(51)【国際特許分類】
   D04D 7/10 20060101AFI20230525BHJP
【FI】
D04D7/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189271
(22)【出願日】2021-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000147590
【氏名又は名称】株式会社青山
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(72)【発明者】
【氏名】青山 泰三
【テーマコード(参考)】
4L049
【Fターム(参考)】
4L049BA05
4L049CA01
4L049EA00
4L049EA12
(57)【要約】
【課題】リボンの一面のみが表に現れる装飾用の蝶結びを提供すること。
【解決手段】蝶結び10は、リボン30の一端部26からなる第1の垂れ16と、第1の垂れから環状に伸びる環状の帯14と、環状の帯から伸び該環状の帯を緊縛する第1の結び目20と、第1の結び目からループ状に伸びる第1のループ24と、第1のループから環状の帯が規定する環状空間Sの外側から内側へ伸び、さらに外側へ伸び出る第2の結び目であって第1の結び目の周囲を取り巻く第2の結び目22と、第2の結び目からループ状に伸び第2の結び目に通された第2のループ25と、第2のループから伸びる第2の垂れ18とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部及び他端部を有するリボンで形成された装飾用の蝶結びであって、
前記リボンの一端部からなる第1の垂れと、
前記第1の垂れから環状に伸びる環状の帯と、
前記環状の帯から伸び前記環状の帯を緊縛する第1の結び目と、
前記第1の結び目からループ状に伸びる第1のループと、
前記第1のループから前記環状の帯が規定する環状空間の外側から内側へ伸び、さらに外側へ伸び出る第2の結び目であって前記第1の結び目の周囲を取り巻く第2の結び目と、
前記第2の結び目からループ状に伸び前記第2の結び目に通された第2のループと、
前記第2のループから伸びる第2の垂れとを備える、装飾用の蝶結び。
【請求項2】
前記第2のループ及び前記第2の垂れは、それぞれ、前記リボンの両面がそれぞれ反転するように捻りを加えられた前記リボンの一部及び該一部に連なる他端部からなる、請求項1に記載の装飾用の蝶結び。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品やその包装からなる物品の装飾に用いられる蝶結びに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リボンで形成された装飾用の蝶結びが提案されている。この蝶結びは、リボンの一端部からなる第1の垂れと、第1の垂れから環状に伸びる環状の帯と、環状の帯からループ状に伸びる第1のループと、第1のループから環状の帯が規定する環状空間の外側から内側へ伸び、さらに外側へ伸び出る結び目と、結び目からループ状に伸び、結び目に通された第2のループと、第2のループから伸びる第2の垂れとを備える。
【0003】
この蝶結びによれば、一方の手の指で結び目を摘まみ他方の手の指で第1の垂れを引くと、第1の垂れに連なる環状の帯がその一部において結び目を通過し、環状の帯の大きさ又は直径が次第に小さくなる。このことから、販売員が店頭において商品やその包装からなる物品に蝶結びを付するに当たり、物品にその周りを取り巻くように環状の帯を掛け、結び目を摘まみ、第1の垂れを引いて環状の帯で物品を締め付けることで、物品への蝶結びの取り付けを行うことができる。
【0004】
ところで、蝶結びを物品に取り付けるに際し、蝶結びの結び目を摘まむ力が十分でない状態あるいは結び目の摘まみ方が適切でない状態下で第1の垂れを引くと、結び目がこれを通る環状の帯に引きずられて解け、蝶結びの形態が崩壊することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3232988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、物品への取り付けの際に形態の崩れにくい新たな装飾用の蝶結びを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、 一端部及び他端部を有するリボンで形成された装飾用の蝶結びに係る。前記蝶結びは、前記リボンの一端部からなる第1の垂れと、前記第1の垂れから環状に伸びる環状の帯と、前記環状の帯から伸び前記環状の帯を緊縛する第1の結び目と、前記第1の結び目からループ状に伸びる第1のループと、前記第1のループから前記環状の帯が規定する環状空間の外側から内側へ伸び、さらに外側へ伸び出る第2の結び目であって前記第1の結び目の周囲を取り巻く第2の結び目と、前記第2の結び目からループ状に伸び前記第2の結び目に通された第2のループ及び該第2のループから伸びる第2の垂れとを備える。
【0008】
本発明によれば、一方の手の指で第2の結び目を摘まみ他方の手の指で第1の垂れを引くと、第1の結び目及び第2の結び目を通る環状の帯がこれらの一部において両結び目を移動し、環状の帯の大きさ又は直径が次第に小さくなる。このことから、販売員が店頭において商品やその包装からなる物品に蝶結びを付するに当たり、物品にその周りを取り巻くように環状の帯を掛け、前記第2の結び目を摘まんで前記第1の垂れを引いて前記環状の帯で物品を締め付けることで、物品への蝶結びの取り付けを容易に行うことができる。
【0009】
本発明にあっては、前記第2の結び目が前記環状の帯を緊縛する前記第1の結び目の周囲を取り巻いている。このことから、前記物品への蝶結びの取り付けの際、前記第2の結び目を摘まむとき、前記第2の結び目の上から前記第1の結び目を摘まむことができ、前記第1の結び目を摘まむことで前記第2の結び目を前記第1の結び目上に保持することができる。これにより、前記第1の垂れを引くとき、第1及び第2の両結び目を通る環状の帯による前記第2の結び目の引きずりと、これによる前記第2の結び目の解け及びこれに伴う前記蝶結びの形態崩壊とを防止することができる。また、前記環状の帯は前記第1の結び目により緊縛された状態にあることから、前記物品への取り付け後、両環状の帯が緩みにくく、前記物品に対する蝶結びの取付状態が強固に維持される。
【0010】
前記蝶結びの第2のループ及び第2の垂れが、前記リボンの両面がそれぞれ反転するように捻りを加えられた前記リボンの一部及び該一部に連なる他端部からなるものとすることができる。これによれば、物品に取り付けられる前記蝶結びを前記リボンの一面のみが表側に現われるものとすることができる。ここにおいて、前記第1の結び目は前記第2の結び目に取り巻かれており、表側には現れない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】物品とその装飾のためにこれに取り付けられた蝶結びとを概略的に示す斜視図である。
図2】蝶結びの第1の結び目の形成直前におけるリボンの斜視図である。
図3】蝶結びの第1の結び目の形成直後におけるリボンの斜視図である。
図4】蝶結びの第1の結び目の形成後、蝶結びの形成途上にあるリボンの斜視図である。
図5】蝶結びの形成過程の最後におけるリボンの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、本発明に係る装飾用の蝶結びが全体に符号10で示されている。蝶結び10は、その装飾対象である任意の商品又はその包装からなる物品Aに取り付けられている。図示の物品Aは商品が納められた包装箱からなる。
【0013】
蝶結び10は、主たる装飾機能を発揮する本体12と、本体12を物品Aに取り付ける機能を担う環状の帯14とからなる。蝶結び10の本体12は、第1及び第2の2つの垂れ16、18と、第1の結び目20(図3図4参照)及び第1の結び目20の周囲を取り巻く第2の結び目22と、第1及び第2の2つのループ24、25とからなる。第1及び第2の2つの垂れ16、18は、図上、左右に位置する第1及び第2の2つのループ24、25下に位置し、また、両ループ24、25間に位置する第2の結び目22から垂れ下がる外観を呈している。
【0014】
蝶結び10は、一端部26及び他端部28を有する一片のリボン30(図2図5参照)で形成されている。リボン30は、合成繊維製、化学繊維製、天然繊維製等の織物又は不織布、あるいは合成樹脂製のテープからなる。リボン30は互いに相対する一面(〇印で示す表面)及び他面(△印で示す裏面)を有する。例えば、リボン30は、模様が施された一面と、無模様の他面とを有する。
【0015】
次に、リボン30を用いて行う蝶結び10の形成過程を順を追って示す図2図5を参照して、蝶結び10の詳細について説明する。
【0016】
図2及び図3に示すように、蝶結び10の本体12を構成する第1の垂れ16はリボン30の一端部26からなる。環状の帯14は、リボン30の一端部26に連なるリボン30の一部32からなり、第1の垂れ16から環状に伸びている。第1の結び目20は、リボン30の一部32に連なるリボン30の他の一部34からなり、環状の帯14、より詳細には第1の垂れ16との境界又はその近傍を固結びに結んでなる。前記固結びは、リボン30の一端部26に対して他端部28を比較的強く引くことにより形成することができる。
【0017】
また、図4に示すように、第1のループ24は、リボン30の一部34に連なるリボン30の他の一部36を折り返してなり、第1の結び目20からループ状に伸びている。第2の結び目22は、リボン30の一部36に連なる他の一部38からなり、第1のループ24から、環状の帯14が規定する環状空間Sの外側から内側へ第1の結び目20を取り巻くように伸び(回り込み)、さらに外側へ伸び出ている。第2のループ25は、リボン30の一部38に連なる他の一部40を折り返してなり、第2の結び目22からループ状に伸び、第2の結び目22に通されている(図4に一点鎖線で示す矢印B及び図5参照)。また、第2の垂れ18は、リボン30の一部40に連なる他端部28からなり、第2のループ25から伸び、第2の結び目22の外部に露出している(図4、5参照)。第1のループ24に対して第2のループ25を引いて第2の結び目22の輪を窄めると、第2の結び目22によって環状の帯14、第1の結び目20、第1のループ24及び第2のループ25が締め付けられ、蝶結び10とされる。
【0018】
ところで、蝶結び10の前記形成過程において順次に形成される第1の垂れ16、環状の帯14、第1の結び目20、第1のループ24及び第2の結び目22には、第1の結び目20を除いて、これらの表側すなわち人の目に触れるところに、リボン30の一面(〇印)が現われる。第1の結び目20は、第2の結び目22に覆われ表側には表れない。
【0019】
他方、第2の結び目22から伸びる第2のループ25及び該第2のループから伸びる第2の垂れ18は、蝶結び10の前記形成過程において、リボン30の他面(△印)を表側に現す。このため、図4に示すように、第2の結び目22の形成後、リボン30の一部40において、リボン30の両面(〇印及び△印)がそれぞれ反転するように捻り42(図4)が加えられる。これにより、形成される第2のループ25及び第2の垂れ18の表側にそれぞれリボン30の一面(〇印)が現われる。但し、例えばリボン30の表面に模様が施されておらず表裏両面が無模様であるときは、リボン30の一部40に捻りを加えることなく、第2のループ25及び第2の垂れ18を形成することができる。
【0020】
蝶結び10においては、一方の手の指で第2の結び目22を摘まみ他方の手の指で第1の垂れ16を比較的強く引くと、第1の結び目20及び第2の結び目22を通る環状の帯14がこれらの一部において両結び目20、22を移動し、環状の帯14の大きさ又は直径が次第に小さくなる。このことから、販売員が店頭において物品Aに蝶結び10を付するに当たり、物品Aにその周りを取り巻くように環状の帯14を掛け、第2の結び目22を摘まんで第1の垂れ16を引いて環状の帯14で物品Aを締め付けることで、物品Aへの蝶結び10の取り付けを容易に行うことができる。
【0021】
また、蝶結び10の第2の結び目22が環状の帯14を緊縛する第1の結び目20の周囲を取り巻いていることから、物品Aへの蝶結び10の取り付けの際、第2の結び目22を摘まむとき、第2の結び目22の上から第1の結び目20を摘まむことができる。第1の結び目20を摘まむことで第2の結び目22を第1の結び目20上に保持することができる。これにより、第1の垂れ16を引くとき、第1及び第2の両結び目20、22を通る環状の帯14による第2の結び目22の引きずりと、これによる第2の結び目22の解け及びこれに伴う蝶結び10の形態崩壊とが防止される。また、環状の帯14は第1の結び目20により緊縛された状態にあることから、物品Aへの取り付け後、環状の帯14が緩みにくく、物品Aに対する蝶結び10の取付状態が強固に維持される。
【符号の説明】
【0022】
10 装飾用の蝶結び
12 本体
14 環状の帯
16 第1の垂れ
18 第2の垂れ
20 第1の結び目
22 第2の結び目
24 第1のループ
25 第2のループ
26 リボンの一端部
28 リボンの他端部
30 リボン
42 捻り
S 環状空間
図1
図2
図3
図4
図5