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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076102
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】繊維製品のウイルス除去方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 59/00 20060101AFI20230525BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20230525BHJP
   C11D 3/48 20060101ALI20230525BHJP
   C11D 1/83 20060101ALI20230525BHJP
   C11D 3/39 20060101ALI20230525BHJP
   C11D 3/395 20060101ALI20230525BHJP
   A01P 1/00 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 25/30 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 31/16 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 47/44 20060101ALI20230525BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20230525BHJP
   D06M 11/76 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
A01N59/00 C
C11D3/386
C11D3/48
C11D1/83
C11D3/39
C11D3/395
A01P1/00
A01N59/00 A
A01N25/30
A01N31/16
A01N47/44
A01P3/00
D06M11/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189302
(22)【出願日】2021-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】菊地 由希子
(72)【発明者】
【氏名】秦 雄亮
【テーマコード(参考)】
4H003
4H011
4L031
【Fターム(参考)】
4H003AB15
4H003AC08
4H003AE02
4H003BA12
4H003BA19
4H003CA20
4H003DA01
4H003DB01
4H003DC02
4H003EA16
4H003EB22
4H003EC01
4H003EC02
4H003ED02
4H003EE05
4H003FA26
4H003FA28
4H003FA34
4H003FA43
4H011AA02
4H011AA04
4H011BA01
4H011BA05
4H011BA06
4H011BB03
4H011BB11
4H011BB18
4H011BC07
4H011BC18
4H011BC19
4H011DA13
4H011DA14
4H011DF04
4H011DH03
4H011DH11
4L031AB21
4L031AB31
4L031BA14
4L031DA12
(57)【要約】
【課題】エンベロープ型、非エンベロープ型の双方のウイルス除去を、洗濯機を用いた通常の洗濯方法でも可能とするウイルス除去方法を提供する。
【解決手段】(A)成分:過酸化水素供給剤と、(B)成分:特定の式で表される漂白活性化剤と、(C)成分:無機アルカリ剤と、(D)成分:プロテアーゼ製剤と、(E)成分:アニオン界面活性剤(前記(B)成分を除く)と、(F)成分:ノニオン界面活性剤とを、(A)成分の濃度が50~180質量ppm、(B)成分の濃度が8~50質量ppm、(C)成分の濃度が50~250質量ppm、(D)成分の濃度が2.5~30質量ppm、(E)成分と(F)成分の合計濃度が100~500質量ppmとなるように水に溶解し、得られたた処理液を、繊維製品に接触させて、繊維製品に付着したウイルスを除去する、繊維製品のウイルス除去方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分:水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化水素供給剤と、
(B)成分:下記式(I)で表される化合物及び下記式(II)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上と、
(C)成分:無機アルカリ剤と、
(D)成分:プロテアーゼ製剤と、
(E)成分:アニオン界面活性剤(前記(B)成分を除く)と、
(F)成分:ノニオン界面活性剤と、
(G)成分:必要に応じて添加する任意成分
を水に溶解した処理液を、繊維製品に接触させて、前記繊維製品に付着したウイルスを除去する、繊維製品のウイルス除去方法であって、
前記処理液における前記(A)成分の濃度が50~180質量ppm、前記(B)成分の濃度が8~50質量ppm、前記(C)成分の濃度が50~250質量ppm、前記(D)成分の濃度が2.5~30質量ppm、前記(E)成分と前記(F)成分の合計濃度が100~500質量ppmである、繊維製品のウイルス除去方法。
【化1】
[式(I)中、R10は炭素数7~13のアルキル基又はアルケニル基であり、Mは水素原子又は塩形成カチオンである。式(II)中、R20は炭素数7~13のアルキル基又はアルケニル基であり、Mは水素原子又は塩形成カチオンである。]
【請求項2】
少なくとも、インフルエンザウイルス及びネコカリシウイルスの双方を除去又は不活性化可能である、請求項1に記載の繊維製品のウイルス除去方法。
【請求項3】
水に溶解または分散させることにより前記処理液が得られる処理剤と水とを洗濯機の洗濯槽に投入し、投入した前記処理剤を前記洗濯槽に導入した水に溶解または分散させることにより前記処理液を得て、前記洗濯槽に収容した前記繊維製品に前記処理液を接触させる、請求項1又は2に記載の繊維製品のウイルス除去方法。
【請求項4】
前記処理剤が、少なくとも前記(A)成分を含有する第一処理剤と、前記(A)成分を含有しない第二処理剤とからなる、請求項3に記載の繊維製品のウイルス除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は繊維製品のウイルス除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、一年を通してウイルスの感染が問題となっている。家庭においては、ウイルスの感染を防止するため、手洗いに加えて、繊維製品に付着したウイルス除去やウイルス不活化を図ることも有効である。
除去又は不活性化すべきウイルスには、インフルエンザウイルス等のエンベロープ型と、ネコカリシウイルス等の非エンベロープ型の2つのタイプがあり、これら両方のタイプに効果を奏するウイルスの除去方法が求められている。
【0003】
ウイルスの除去又は不活性化には、塩素系消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム等)やヨード剤(ポビドンヨード等)、アルデヒド剤(グルタラール等)、過酢酸製剤等が使用されている。しかし、塩素系消毒剤等では繊維の色柄等を漂白する作用があり、繊維製品や衣類への使用においては制限が生じるという問題がある。
【0004】
これに対して、過炭酸ナトリウム等、水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化水素供給剤の漂白力は穏やかで扱いやすく、塩素系漂白剤とは異なり色柄衣類にも使えるという利点があり、酸素系漂白剤として用いられている。
酸素系漂白剤は、エンベロープ型、非エンベロープ型の双方のウイルスを除去又は不活性化する効果があることが知られている(特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-78479号公報
【特許文献2】特開2021-127294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来、酸素系漂白剤によりウイルスの除去又は不活性化をするためには、高濃度の過酸化水素供給剤を含む処理液に繊維製品を接触させる必要があるとされていた。例えば、特許文献1においては、600~2400質量ppmの過炭酸ナトリウムを含む処理液を調製したことが記載されている。また、特許文献2では、処理液中の過炭酸ナトリウム濃度を0.02質量%以上(2000質量ppm以上)とすることが記載されている。
【0007】
このように高濃度の過酸化水素供給剤を含む処理液に繊維製品を接触させるためには、洗濯機を用いた通常の洗濯方法ではなく、つけ置き洗いとすることが必要である。なぜなら、洗濯機の洗濯槽の中で過炭酸ナトリウムの濃度を例えば2000質量ppmにしようとするなら、極めて高濃度の過炭酸ナトリウムを含む液が、洗濯槽の処理液中で発生してしまうからである。
【0008】
近年の洗濯機は、投入した洗剤や漂白剤を速やかに水道水等の希釈水と混合し均一化するよう工夫がなされている。しかし、特に洗濯機の運転開始直後において、洗濯槽内の処理液に濃度分布が生じてしまうことは免れない。
したがって、漂白力が比較的穏やかな酸素系漂白剤といえども、処理液中の極めて高濃度の過炭酸ナトリウムを含む部分が、洗濯槽内の繊維製品に接触して、部分的な色落ち等を招く恐れがある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みて、エンベロープ型、非エンベロープ型の双方のウイルス除去を、洗濯機を用いた通常の洗濯方法でも可能とするウイルス除去方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1](A)成分:水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化水素供給剤と、
(B)成分:下記式(I)で表される化合物及び下記式(II)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上と、
(C)成分:無機アルカリ剤と、
(D)成分:プロテアーゼ製剤と、
(E)成分:アニオン界面活性剤(前記(B)成分を除く)と、
(F)成分:ノニオン界面活性剤と、
(G)成分:必要に応じて添加する任意成分
を水に溶解した処理液を、繊維製品に接触させて、前記繊維製品に付着したウイルスを除去する、繊維製品のウイルス除去方法であって、
前記処理液における前記(A)成分の濃度が50~180質量ppm、前記(B)成分の濃度が8~50質量ppm、前記(C)成分の濃度が50~250質量ppm、前記(D)成分の濃度が2.5~30質量ppm、前記(E)成分と前記(F)成分の合計濃度が100~500質量ppmである、繊維製品のウイルス除去方法。
【化1】
[式(I)中、R10は炭素数7~13のアルキル基又はアルケニル基であり、Mは水素原子又は塩形成カチオンである。式(II)中、R20は炭素数7~13のアルキル基又はアルケニル基であり、Mは水素原子又は塩形成カチオンである。]
[2]少なくとも、インフルエンザウイルス及びネコカリシウイルスの双方を除去又は不活性化可能である、[1]に記載の繊維製品のウイルス除去方法。
[3]水に溶解または分散させることにより前記処理液が得られる処理剤と水とを洗濯機の洗濯槽に投入し、投入した前記処理剤を前記洗濯槽に導入した水に溶解または分散させることにより前記処理液を得て、前記洗濯槽に収容した前記繊維製品に前記処理液を接触させる、[1]又は[2]に記載の繊維製品のウイルス除去方法。
[4]前記処理剤が、少なくとも前記(A)成分を含有する第一処理剤と、前記(A)成分を含有しない第二処理剤とからなる、[3]に記載の繊維製品のウイルス除去方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明のウイルス除去方法によれば、エンベロープ型、非エンベロープ型の双方のウイルス除去を、洗濯機を用いた通常の洗濯方法でも行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のウイルス除去方法は、後述する(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、(F)成分、及び必要に応じて(G)成分を水に溶解した処理液を、繊維製品に接触させて、繊維製品に付着したウイルスを除去する方法である。
なお、本明細書において、「ウイルス除去」とは、対象物に付着している感染可能なウイルスを除去又は不活性化して、感染価を低下させることをいう。
【0013】
以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は「~」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
【0014】
<(A)成分>
(A)成分は水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化水素供給剤である。本実施形態で用いる処理液は、(A)成分を含有することで、充分なウイルス除去の効果が得られる。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分としては、例えば、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム・3水和物等の過酸化物が挙げられる。(A)成分としては、水に対する溶解性の点から、過炭酸ナトリウムが好ましい。
【0015】
処理液における(A)成分の濃度は、50~180質量ppmであり、60~170質量ppmが好ましく、70~160質量ppmがより好ましく、80~150質量ppmがさらに好ましい。(A)成分の濃度が上記下限値以上であると、ウイルス除去の効果をより高められる。(A)成分の濃度が上記上限値以下であると、繊維製品をより傷めにくい。
なお、(A)成分の濃度は、水に溶解する前の(A)成分の質量を処理液の総質量で除した商である。ただし、水に溶解する前の(A)成分が水和水を有する場合、(A)成分の質量は水和水を除いた質量である。
【0016】
<(B)成分>
(B)成分は、下記式(I)で表される化合物及び下記式(II)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上である。(B)成分は、処理液中で過酸化水素と反応して酸化力の高い有機過酸に変わる漂白活性化剤として機能する。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0017】
【化2】
【0018】
式(I)中、R10は炭素数7~13のアルキル基又はアルケニル基であり、Mは水素原子又は塩形成カチオンである。式(II)中、R20は炭素数7~13のアルキル基又はアルケニル基であり、Mは水素原子又は塩形成カチオンである。
【0019】
10及びR20におけるアルキル基、アルケニル基は、それぞれ、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
10及びR20は、それぞれ、炭素数7~13のアルキル基であることが好ましい。
10及びR20の炭素数は、それぞれ、7~11が好ましく、9~11がより好ましい。
【0020】
及びMは、塩形成カチオンの場合、-SO 及び-COOを電気的に中和する陽イオンである。塩形成カチオンとしては、例えば、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミン類(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等)のカチオン等が挙げられる。
【0021】
式(I)で表される化合物としては、例えば、オクタノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
【0022】
式(II)で表される化合物としては、例えば、オクタノイルオキシ安息香酸、ノナノイルオキシ安息香酸、デカノイルオキシ安息香酸、ウンデカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシ安息香酸等が挙げられる。これらの中でも、デカノイルオキシ安息香酸が好ましい。
【0023】
(B)成分としては、式(I)で表される化合物を用いることが好ましい。中でも、(B)成分としては、4-ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、4-ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、4-デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム及び4-デカノイルオキシ安息香酸からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、4-ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムが特に好ましい。
【0024】
処理液における(B)成分の濃度は、8~50質量ppmであり、8.5~30質量ppmが好ましく、9~15質量ppmがより好ましい。(B)成分の濃度が上記下限値以上であると、ウイルス除去の効果をより高められる。(B)成分の濃度が上記上限値以下であると、必要以上の(B)成分の添加を抑制でき、コスト面で優れる。
なお、(B)成分の濃度は、水に溶解する前の(B)成分の質量を処理液の総質量で除した商である。ただし、水に溶解する前の(B)成分のM又はMが塩形成カチオンの場合、M又はMが水素原子であるとして換算した質量である。
【0025】
(B)成分の濃度に対する(A)成分の濃度の比(以下、「(A)/(B)比」ともいう。)は、1/1~80/3が好ましく、5/3~14/1がより好ましく、8/3~10/1がさらに好ましい。(A)/(B)比が上記数値範囲内であると、ウイルス除去の効果がより向上する。
【0026】
<(C)成分>
(C)成分は、無機アルカリ剤である。無機アルカリ剤は、水に溶けてアルカリ性を示す無機化合物である。(C)成分を用いることで、処理液のpHを高められる。このため、酸性の吐瀉物で繊維製品が汚染した場合の、繊維に付着したウイルス除去の効果をより高められる。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】
(C)成分としては、公知のものを用いることができ、炭酸塩、重炭酸塩(炭酸水素塩)、ケイ酸塩等が挙げられる。
(C)成分の塩としては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン等が挙げられ、アルカリ金属イオンが好ましい。
【0028】
炭酸塩の具体例としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カリウムナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム等が挙げられる。
重炭酸塩の具体例としては、例えば、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。
ケイ酸塩の具体例としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、結晶性層状ケイ酸ナトリウム、非結晶性ケイ酸ナトリウム等が挙げられる。
【0029】
(C)成分としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、結晶性層状ケイ酸ナトリウム及び非結晶性ケイ酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種以上が好ましく、炭酸ナトリウムが特に好ましい。
(C)成分は、高分子化合物(アクリル酸-無水マレイン酸共重合体又はその塩等)や、脂肪酸(ラウリン酸等)等で被覆されたものを用いてもよい。
【0030】
処理液における(C)成分の濃度は、50~250質量ppmであり、60~200質量ppmが好ましく、70~150質量ppmがより好ましい。(C)成分の濃度が上記下限値以上であると、ウイルス除去の効果をより高められる。(C)成分の濃度が上記上限値以下であると、洗液のpHが高くなり過ぎることを抑制できる。
【0031】
なお、(C)成分の濃度は、水に溶解する前の(C)成分の質量(塩形成カチオンを含む)を処理液の総質量で除した商である。ただし、水に溶解する前の(C)成分が高分子化合物(アクリル酸-無水マレイン酸共重合体又はその塩等)や、脂肪酸(ラウリン酸等)等で被覆されている場合、(C)成分の質量に被覆層を構成する高分子化合物や脂肪酸の質量は含まない。
【0032】
(C)成分の濃度に対する(A)成分の濃度の比(以下、「(A)/(C)比」ともいう。)は、1/4~4/1が好ましく、3/7~14/5がより好ましく、2/3~2/1がさらに好ましい。(A)/(C)比が上記数値範囲内であると、ウイルス除去の効果がより向上する。
【0033】
<(D)成分>
(D)成分は、プロテアーゼ製剤である。(D)成分はプロテーゼ以外の酵素を含んでいてもよい。(D)成分を用いることで、ウイルス除去の効果をより高められる。
(D)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0034】
プロテアーゼとしては、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、コラーゲナーゼ、ケラチナーゼ、エラスターゼ、スプチリシン、パパイン、プロメリン、カルボキシペプチターゼA又はB、アミノペプチターゼ、アスパーギロペプチターゼA又はB等が挙げられる。
プロテアーゼ以外の酵素としては、エステラーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ等が好ましい。(D)成分以外の酵素を含む場合は、アミラーゼが好ましい。(D)成分とアミラーゼを併用することで、洗浄力がより向上する。
【0035】
プロテアーゼ製剤の市販品としては、サビナーゼ(登録商標)、アルカラーゼ(登録商標)、カンナーゼ(登録商標)、エバラーゼ、デオザイム(登録商標)、Medley(登録商標) Core200T(プロテアーゼとアミラーゼとの混合酵素)(以上、商品名;ノボザイムズ社製);API21(商品名;昭和電工株式会社製);マクサカル、マクサペム(以上、商品名;ジェネンコア社製);プロテアーゼK-14又はK-16(特開平5-25492号公報に記載のプロテアーゼ)等を挙げることができる。
【0036】
処理液における(D)成分の濃度は、2.5~30質量ppmであり、2.6~20質量ppmが好ましく、2.7~15質量ppmがより好ましい。(D)成分の濃度が上記下限値以上であると、ウイルス除去の効果をより高められる。(D)成分の濃度が上記上限値以下であると、必要以上の(D)成分の添加を抑制でき、コスト面で優れる。
なお、(D)成分の濃度は、水に溶解する前の(D)成分の質量を処理液の総質量で除した商である。(D)成分の質量は製剤としての質量であり、(D)成分に溶剤やプロテアーゼ以外の酵素が含まれる場合、溶剤やプロテアーゼ以外の酵素の質量も含む。
【0037】
<(E)成分>
(E)成分は、アニオン界面活性剤(前記(B)成分を除く)である。アニオン界面活性剤は、衣料用洗浄剤に用いられるものであればよい。
【0038】
アニオン界面活性剤としては、例えば、以下に示すものが挙げられる。
(1)α-スルホ脂肪酸のメチルエステル、エチルエステルもしくはプロピルエステル(α-SF又はMES)、又はその塩。α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩としては、その種類は特に制限されず、一般の衣料用洗浄剤に使用されるα-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩のいずれも好適に使用することができる。α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩として好適なものを以下に例示する。
【0039】
【化3】
【0040】
式(III)中、R01は、炭素数8~20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基である。R02は、炭素数1~6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基である。Mは、塩形成カチオンである。]
【0041】
式(III)中、R01は、炭素数8~20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は、炭素数8~20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基である。R01の炭素数は、8~20であり、10~18が好ましく、14~16がより好ましい。
式(III)中、R02は、炭素数1~6の直鎖状のアルキル基、又は、炭素数1~6の分岐鎖状のアルキル基である。R02の炭素数は、1~6であり、1~3が好ましい。
02としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられ、洗浄力がより向上することから、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
【0042】
式(III)中、Mは、塩形成カチオンであり、-SO を電気的に中和する陽イオンである。Mとしては、例えば、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)イオン、アンモニウムイオン、アミン類(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)のカチオン等が挙げられ、アルカリ金属イオンが好ましい。
【0043】
アニオン界面活性剤としては、上記(1)の他に、以下に示すものが挙げられる。
(2)脂肪酸の平均炭素数が10~20の高級脂肪酸、又はそのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩。
(3)炭素数8~18のアルキル基を有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキルベンゼンスルホン酸、又はその塩(LAS又はABS)塩。
(4)炭素数10~20のアルカンスルホン酸、又はその塩。
(5)炭素数10~20のα-オレフィンスルホン酸、又はその塩(AOS)。
(6)炭素数10~20のアルキル硫酸、若しくはその塩、又はアルケニル硫酸、若しくはその塩(AS)。
(7)炭素数2~4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)(モル比EO/PO=0.1/9.9~9.9/0.1)を、平均0.5~10モル付加した炭素数10~20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸、又はその塩(AES)。
(8)炭素数2~4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9~9.9/0.1)を、平均3~30モル付加した炭素数10~20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸、又はその塩。
(9)炭素数2~4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9~9.9/0.1)を、平均0.5~10モル付加した炭素数10~20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸、又はその塩。
(10)炭素数10~20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩等のアルキル多価アルコールエーテル硫酸、又はその塩。
(11)長鎖モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸、又はその塩。
(12)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸、又はその塩。
(13)内部オレフィンスルホン酸、又はその塩(IOS)。
(14)ヒドロキシアルカンスルホン酸、又はその塩(HAS)。
【0044】
上記の例示中、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(MES)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩)、AOS、AESのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩)、高級脂肪酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩)が好ましい。これらの中でも、炭素数14~16のアルキル基を有するMES、炭素数10~14のアルキル基を有するLAS塩、炭素数10~20の高級脂肪酸塩が特に好ましい。
これらのアニオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0045】
処理液における(E)成分の濃度は、50~250質量ppmが好ましく、60~200質量ppmがより好ましく、70~150質量ppmがさらに好ましい。(E)成分の濃度が上記下限値以上であると、ウイルス除去の効果をより高められる。(E)成分の濃度が上記上限値以下であると、洗濯時の泡立ちを抑制できる。
なお、(E)成分の濃度は、純分としての(E)成分の質量を処理液の総質量で除した商である。(E)成分が塩である場合の(E)成分の質量は、酸の形態に換算した質量である。
【0046】
<(F)成分>
(F)成分は、ノニオン界面活性剤である。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、以下に示すものが挙げられる。
(1)下記式(IV)で表されるポリオキシエチレン(又はアルケニル)アルキルエーテル。
-X-[(EO)/(PO)]-(EO)-R ・・・(IV)
【0047】
式(IV)において、Rは、炭素数6~22の炭化水素基、-X-は、-O-、EOは、オキシエチレン基、POは、オキシプロピレン基、Rは、水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基を表す。sは、EOの平均繰り返し数を示す3~30の数、tは、POの平均繰り返し数を示す0~6の数、uは、EOの平均繰り返し数を示す0~20の数であり、s+uは3~30の数である。
EOとPOを有する場合の分布(配列順)に特に限定はなく、ブロック状に配列していてもよく、ランダム状に配列していてもよい。
【0048】
この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。s+uは、5~15の数が好ましく、6~12の数がより好ましく、6~10の数がさらに好ましい。
【0049】
ノニオン界面活性剤としては、上記(1)の他に、以下に示すものが挙げられる。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキシドが付加した、例えば、下記式(V)で表される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
03CO(OR05OR04 ・・・(V)
【0050】
式(V)中、R03COは、炭素数5~21、好ましくは7~17の脂肪酸残基を示す。OR05は、オキシエチレン基、オキシプロピレン基等の炭素数2~4、好ましくは2又は3のオキシアルキレン基を示す。nは、オキシアルキレン基の平均繰返し数を示し、3~30、好ましくは5~20の数である。R04は、炭素数1~3の置換基を有してもよいアルキル基を示す。
【0051】
また、ノニオン界面活性剤としては、以下に示すものが挙げられる。
(4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(8)グリセリン脂肪酸エステル。
【0052】
上記の例示中、(1)のノニオン界面活性剤が好ましい。中でも、炭素数12~16の脂肪族アルコールに、炭素数2~4のアルキレンオキシドを平均5~20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好ましい。融点が50℃以下で、HLBが9~16のポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキシドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキシドとプロピレンオキシドとが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等が特に好ましい。
これらのノニオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0053】
なお、ノニオン界面活性剤のHLBとは、Griffinの方法により求められた値である(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」、工業図書株式会社、1991年、第234頁参照)。融点とは、JIS K0064-1992「化学製品の融点及び溶融範囲測定方法」に記載の融点測定法によって測定された値を示す。
【0054】
処理液における(F)成分の濃度は、50~250質量ppmが好ましく、60~200質量ppmがより好ましく、70~150質量ppmがさらに好ましい。(F)成分の濃度が上記下限値以上であると、ウイルス除去の効果をより高められる。(F)成分の濃度が上記上限値以下であると、洗濯時の泡立ちを抑制できる。
なお、(F)成分の濃度は、純分としての(F)成分の質量を処理液の総質量で除した商である。
【0055】
処理液における(E)成分と(F)成分の合計濃度は、100~500質量ppmであり、120~400質量ppmが好ましく、140~300質量ppmがより好ましい。(E)成分と(F)成分の合計濃度が上記下限値以上であると、ウイルス除去の効果をより高められる。(E)成分と(F)成分の合計濃度が上記上限値以下であると、洗濯時の泡立ちを抑制できる。
【0056】
処理液は、(E)成分と(F)成分の何れか一方のみを含有していてもよい。
(E)成分の濃度に対する(F)成分の濃度の比(以下、「(E)/(F)比」ともいう。)は、1/20~20/1が好ましく、1/5~10/1がより好ましく、1/2~3/1がさらに好ましい。(E)/(F)比が上記数値範囲内であると、ウイルス除去効果と洗浄力が両立しやすい。
【0057】
<(G)成分>
(G)成分は、必要に応じて添加する任意成分である。処理液には、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分及び(F)成分に加えて、必要に応じてその他の成分である(G)成分(任意成分)を含有させてもよい。
(G)成分としては、従来公知の衣料用洗剤に使用可能な成分、例えば、抗菌剤、洗浄性ビルダー、蛍光増白剤、酵素安定剤、ポリマー類、ケーキング防止剤、消泡剤、還元剤、金属イオン捕捉剤、香料、色素、pH調整剤等が挙げられる。
【0058】
[抗菌剤]
抗菌剤としては、例えば、4,4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル(慣用名:ダイクロサン)、5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)フェノール(慣用名:トリクロサン)、ビス-(2-ピリジルチオ-1-オキシド)亜鉛、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩、8-オキシキノリン、ポリリジンが挙げられる。
処理液における抗菌剤の濃度は、0質量ppm超1.0質量ppmが好ましく、0.05~0.9質量ppmがより好ましく、0.1~0.8質量ppmがさらに好ましく、0.15~0.7ppm質量が特に好ましい。
【0059】
[洗浄性ビルダー]
洗浄性ビルダーとしては、無機ビルダー(ただし、(C)成分を除く)、有機ビルダーが挙げられる。
無機ビルダーとしては、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等のアルカリ金属硫酸塩;塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物;結晶性アルミノ珪酸塩、無定形アルミノ珪酸塩等が挙げられる。
これらの中で好ましいものとしては、[1]20℃における水分含量が10~30質量%、[2]SiO/Al=1~2、及び[3]1次粒子径が3.0μm以下の合成アルミノ珪酸塩であり、特に、平均一次粒子径0.5~3μmの合成ゼオライトが性能や製造性の面から好適である。
ゼオライトは、粉末、ゼオライトスラリー、スラリーを乾燥して得られるゼオライト凝集乾燥粒子として用いてもよい。具体的には、「シルトンB」(水澤化学工業株式会社製)、「トヨビルダー」(東ソー株式会社製)等が挙げられる。また、合成アルミノ珪酸塩のJIS K 5101法による吸油能の値は、40~50mL/100gであることが好ましい。
【0060】
有機ビルダーとしては、例えば、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β-アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノ又はジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;ポリアクリル酸塩、アクリル酸-アリルアルコール共重合体の塩、アクリル酸-マレイン酸共重合体の塩、ポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸の塩;ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類-アクリル酸共重合体等のアクリル酸重合体又は共重合体の塩;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン1,2-ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体又は共重合体の塩;デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物等の多糖類誘導体等が挙げられる。
有機ビルダーとしては、上記の中でも、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸-マレイン酸共重合体の塩、ポリアセタールカルボン酸の塩が好ましい。特に、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、重量平均分子量が1000~80000のアクリル酸-マレイン酸共重合体の塩、ポリアクリル酸塩、重量平均分子量が800~1000000(好ましくは5000~200000)のポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸塩(例えば、特開昭54-52196号公報に記載のもの)が好適である。
洗浄性ビルダーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
洗浄力、洗濯液中での汚れ分散性を改善する目的から、ポリアクリル酸塩、アクリル酸-マレイン酸共重合体塩等の有機ビルダーと、ゼオライト等の無機ビルダーと、を併用することが好ましい。
【0061】
[蛍光増白剤]
蛍光増白剤としては、例えば、4,4’-ビス-(2-スルホスチリル)-ビフェニル塩、4,4’-ビス-(4-クロロ-3-スルホスチリル)-ビフェニル塩、2-(スチリルフェニル)ナフトチアゾール誘導体、4,4’-ビス(トリアゾール-2-イル)スチルベン誘導体、ビス-(トリアジニルアミノスチルベン)ジスルホン酸誘導体等が挙げられる。
市販の蛍光増白剤としては、例えば、ホワイテックスSA、ホワイテックスSKC(以上、商品名;住友化学株式会社製)、チノパールAMS-GX、チノパールDBS-X、チノパールCBS-X(以上、商品名;チバスペシャルティ・ケミカルズ社製)、Lemonite CBUS-3B(商品名;Khyati Chemicals社製)等が挙げられる。これらの中ではチノパールCBS-X、チノパールAMS-GXが好ましい。 蛍光増白剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0062】
[酵素安定剤]
酵素安定剤としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、ポリオール、蟻酸、ホウ素化合物等が挙げられる。中でも、四ホウ酸ナトリウム、塩化カルシウム等が好ましい。
酵素安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0063】
[ポリマー類]
ポリマー類としては、平均分子量が200~200000のポリエチレングリコール、アクリル酸及びマレイン酸の重合体又は共重合体(重量平均分子量1000~100000)、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。これらのポリマー類は、界面活性剤含有粒子を高密度化する場合におけるバインダーや粉末物性剤として、さらには疎水性微粒子に対する再汚染防止効果を付与する成分として、処理液に配合することができる。
また、汚れ放出剤として、テレフタル酸とエチレングリコール及びプロピレングリコール単位から選ばれる1種以上とのコポリマー又はターポリマー等を配合することができる。
また、色移り防止効果を付与するため、ポリビニルピロリドン等を配合することができる。
上記の中では、平均分子量1500~7000のポリエチレングリコールが好ましい。
これらのポリマー類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0064】
[ケーキング防止剤]
ケーキング防止剤としては、例えば、パラトルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、酢酸塩、スルホコハク酸塩、タルク、微粉末シリカ、粘土、酸化マグネシウム等が挙げられる。
ケーキング防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0065】
[消泡剤]
消泡剤としては、従来から知られている、例えば、シリコーン系又はシリカ系のものが挙げられる。
消泡剤は、特開平3-186307号公報の第4頁左下欄に記載の方法を用いて製造した消泡剤造粒物としてもよい。具体的には、まず、日澱化学株式会社製マルトデキストリン(酵素変性デキストリン)100gに、消泡成分としてダウコーニング社製のシリコーン(コンパウンド型、PSアンチフォーム)20gを添加して混合し、均質混合物を得る。次に、得られた均質混合物50質量%、ポリエチレングリコール(PEG-6000,融点58℃)25質量%及び中性無水芒硝25質量%を70~80℃で混合した後、不二パウダル株式会社製の押出し造粒機(型式EXKS-1)により造粒し、造粒物を得る。
消泡剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0066】
[還元剤]
還元剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等が挙げられる。
【0067】
[金属イオン捕捉剤]
金属イオン捕捉剤は、水道水中の微量金属イオン等を捕捉し、繊維製品への金属イオンの吸着を抑制する効果を有する。
金属イオン捕捉剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、グリコールエチレンジアミン6酢酸等のアミノポリ酢酸類;1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)、エタン-1,1-ジホスホン酸、エタン-1,1,2-トリホスホン酸、ヒドロキシエタン-1,1,2-トリホスホン酸、エタン-1,2-ジカルボキシ-1,2-ジホスホン酸、ヒドロキシメタンホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリ(メチレンホスホン酸)、2-ヒドロキシエチルイミノジ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)等の有機ホスホン酸誘導体又はその塩;ジグリコール酸、酒石酸、シュウ酸、グルコン酸等の有機酸類、又はこれらの塩等が挙げられる。
金属イオン捕捉剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0068】
[香料]
香料とは、香料成分、溶剤、香料安定化剤等を含む混合物(香料組成物)である。
香料としては、例えば、「香料の化学(日本化学会編、赤星亮一著、昭和58年9月16日発行)」、「合成香料 化学と商品知識 化学工業日報社 1996年発行」等に記載されているものが挙げられる。香料として具体的には、特開2002-146399号公報に記載のもの、特開2003-89800号公報に記載のもの、特開2007-321270号公報における表5に記載の香料A~C、特開2009-155739号公報における表13に記載の香料組成物A、B等を用いることができる。また、カプセル香料を配合してもよい。
【0069】
[色素]
色素としては、染料、顔料のいずれも使用できる。保存安定性の点から、顔料が好ましく、酸化物等、耐酸化性を有する化合物が特に好ましい。かかる化合物としては、酸化チタン、酸化鉄、銅フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、群青、紺青、シアニンブルー、シアニングリーン等が挙げられる。
色素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0070】
[pH調整剤]
処理液のpHは無機アルカリ剤((C)成分)によって調整できる。しかし、本実施形態の粉末漂白剤組成物は、(C)成分の他、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等をpH調整剤として用いることができる。
また、処理液のpHが高くなりすぎることを防止するため、酸を用いることもできる。かかる酸としては、前記金属イオン捕捉剤、リン酸2水素カリウム等のアルカリ金属リン酸2水素塩、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、グルコン酸、又はそれらのポリカルボン酸;炭酸水素ナトリウム、硫酸、塩酸等が挙げられる。
pH調整剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0071】
<pH>
処理液のpH(25℃)は、7~12が好ましく、8~11がより好ましい。
処理液のpHが上記下限値以上であると、ウイルス除去の効果をより高められる。
処理液のpHが上記上限値以下であると、繊維製品をより傷めにくい。
本明細書において、処理液のpH(25℃)は、JIS Z 8802:1984「pH測定方法」に準拠した方法により測定される値を示す。
【0072】
<処理液の調製方法>
処理液の調製方法は特に限定されないが、例えば以下の方法が挙げられる。
(1)水に、全成分を含有する処理剤を溶解又は分散させる方法。この場合の処理剤は、(A)成分を安定に保持しやすいことから、固体状であることが好ましい。固体状の処理剤は、粉末状、タブレット状、シート状等、適宜の形態とすることができる。
【0073】
(2)水に、少なくとも(A)成分を含有する第一処理剤と、(A)成分を含有しない第二処理剤を溶解または分散させる方法。
第一処理剤には、(A)成分の他、その他の成分の一部又は全部を含有させてもよい。中でも、(B)成分及び(C)成分は、(A)成分の効果を発揮させる成分として、一体的に第一処理剤に含有させることが好ましい。
【0074】
第一処理剤には、(A)成分の他、(B)成分及び(C)成分に加えて、(D)成分の一部又は全部を含有させてもよい。また、(E)成分及び(F)成分の一部又は全部を含有させてもよい。
第一処理剤は、(C)成分を含有する場合、(A)成分を安定に保持しやすいことから、固体状であることが好ましい。固体状の処理剤は、粉末状、タブレット状、シート状等、適宜の形態とすることができる。
【0075】
第一処理剤を液体状とする場合、第一処理剤は(C)成分を含有せず、弱酸性又は酸性であることが好ましい。弱酸性又は酸性とすることにより、(A)成分を安定に保持できる。第一処理剤を液体状とする場合のpHは、pHは2以上6未満が好ましく、3~5がより好ましい。
【0076】
第二処理剤は、(A)成分を含有しない。第二処理剤は、第一処理剤と合わせることにより本発明に用いる処理液が得られる成分を含有する。
第二処理剤は、(E)成分及び(F)成分の一部又は全部を含むことが好ましい。
第二処理剤は、液体状でも固体状でもよい。
【0077】
具体的な第一処理剤と第二処理剤との組み合わせに特に限定はないが、例えば、以下の例が挙げられる。
(a)第一処理剤が(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含み、第二処理剤が(E)成分及び(F)成分を含む。
(b)第一処理剤が(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び(F)成分の一部を含み、第二処理剤が(E)成分及び(F)成分の一部を含む。
(c)第一処理剤が(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含み、第二処理剤が(D)成分、(E)成分及び(F)成分を含む。
【0078】
<繊維製品への処理液の接触方法>
処理液を繊維製品に接触させる方法は、使用場面等によって適宜選択でき、例えば、処理液を用いた洗濯機による洗濯、手洗い、漬け置き洗いする方法などが挙げられる。特に洗濯機による洗濯であれば、複数の衣類などをまとめて処理することができる。
【0079】
洗濯機による洗濯の場合、処理剤と水とを洗濯機の洗濯槽に投入し、投入した処理剤を洗濯槽に導入した水に溶解または分散させることにより処理液を得て、洗濯槽に収容した繊維製品に処理液を接触させる。この時、洗濯機の撹拌機能を利用することにより、処理液の均一化が促進されると共に、衣服等の繊維製品に速やかに浸透させることが可能となる。
【0080】
手洗い又は漬け置き洗いによる洗濯の場合、処理剤と水とを洗い桶に投入し、充分にかき混ぜて均一化した処理液に繊維製品を浸漬する。浸漬後は、押し洗い、もみ洗いなどを行って、衣服等の繊維製品に処理液を充分に浸透させることが好ましい。漬け置き洗いとする場合は、浸漬後所定の時間放置する。
【0081】
繊維製品に処理液を接触させている時間は、1分間以上12時間以下が好ましく、1分間以上2時間以下がより好ましく、1分間以上30分以下がさらに好ましい。繊維製品に接触させる際の処理液の温度は、10~50℃が好ましく、20~40℃がより好ましい。
繊維製品に処理液を接触させた後は、濯ぎを行うことが好ましい。また、濯ぎを効率的に行うため、濯ぎに先立ち脱水を行うことが好ましい。濯ぎ後は、通常の洗濯と同様に、脱水、乾燥させることができる。
【0082】
<除去対象ウイルス>
本実施形態のウイルス除去方法によれば、(A)成分の濃度が低いにも関わらず、エンベロープ型、非エンベロープ型の双方のウイルスを除去又は不活性化する。
エンベロープ型のウイルスとしては、インフルエンザウイルス、新型コロナウイルス(COVID-19)、風疹ウイルス等が挙げられる。
ノンエンベロープ型のウイルスとしては、ノロウイルス、ネコカリシウイルス、ポリオウイルス等が挙げられる。
少なくとも、インフルエンザウイルス及びネコカリシウイルスの双方を除去又は不活性化することを確認できれば、エンベロープ型、非エンベロープ型の双方のウイルスを除去又は不活性化できると言える。
【実施例0083】
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
本実施例において使用した原料は、下記の<使用原料>に示す通りである。
【0084】
<使用原料>
[(A)成分]
a-1:過炭酸ナトリウム(商品名「Sodium percarbonate」、JINKE株式会社製)。
【0085】
[(B)成分]
b-1:4-ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(OBS12、前記式(I)において、R10=炭素数11のアルキル基、M=ナトリウムの化合物、下記合成方法により得られた造粒物)。
【0086】
(b-1(OBS12)造粒物の合成方法)
予め脱水処理した4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(関東化学株式会社製、試薬)3000g(15.3mol)をN,N-ジメチルホルムアミド(関東化学株式会社製、試薬)9000g中に分散し、スターラーで攪拌しながら、ラウリン酸クロライド(東京化成工業株式会社製、試薬)3347g(15.3mol)を、50℃で30分かけて滴下した。滴下終了から3時間後、N,N-ジメチルホルムアミドを減圧下(0.5~1mmHg(66.7~133.3Pa))、100℃で留去した。アセトン(関東化学株式会社製、試薬)で洗浄した後、水/アセトン(=1/1mol)溶媒中にて再結晶を行って精製し、4-ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの結晶を得た。収率は90%であった。
【0087】
得られた4-ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム70質量部、PEG(ポリエチレングリコール#6000M(商品名)、ライオン株式会社製)20質量部、炭素数14のα-オレフィンスルホン酸ナトリウム粉末品(リポランPJ-400(商品名)、ライオン株式会社製)5質量部の割合で合計5000gを、エクストルード・オーミックスEM-6型(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)に投入し、混練押出して、径が0.8mmφのヌードル状の押出品を得た。この押出品(60℃)と、A型ゼオライト粉末5質量部と、をフィッツミルDKA-3型(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)に供給し粉砕して、平均粒子径が700μmの漂白活性化剤OBS12の造粒物を得た。
【0088】
[(C)成分]
c-1:炭酸ナトリウム(商品名「ソーダ灰デンス」、株式会社トクヤマ製)。
【0089】
[(D)成分等]
d-1:プロテアーゼ(Savinase12T、ノボザイムズ社製)。
d-2:プロテアーゼ・アミラーゼ複合酵素(MedleyCore200T、ノボザイムズ社製)。
dx-1:アミラーゼ(Stainzyme PlusEvity 12T、ノボザイムズ社製)。
【0090】
[(E)成分]
e-1:α-オレフィンスルホン酸ナトリウム(商品名「リポランLB-840」、ライオン株式会社製)。
【0091】
[(F)成分]
f-1:ポリオキシエチレン(EO9)アルキルエーテル(前記式(IV)において、Rが炭素数12のアルキル基(C12)及び炭素数14のアルキル基(C14)(質量比でC12:C14=70:30)、Rが水素原子、-X-が-O-、Xが結合するRの炭素原子が第一級炭素原子、sが9、tが0、uが0である化合物。商品名「ブラウノンEL-1509」、青木油脂工業株式会社製)。
【0092】
[(G)成分]
g-1:香料、特開2002-146399号公報の表11から表18に記載の香料組成物A。
g-2:抗菌剤、ダイクロサン(4,4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル)(BASF社製、商品名「TINOSANHP100」)。
g-3:抗菌剤、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩(商品名「ProxelIB」、ロンザジャパン株式会社製)。
【0093】
<実施例1~9、比較例1~7>
表1、2の組成(単位:質量ppm)となるように、水に、各成分を溶解又は分散することにより、各例の処理液をそれぞれ調製した。各表において、空欄とされている成分は配合されていない(濃度:0質量ppm)。
【0094】
具体的には、第1処理剤として、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び(F)成分の一部を含む粉末漂白剤を水に溶解して第一液とした。また、第2処理剤として(E)成分と(F)成分の残部を含む液体洗浄剤組成物を第二液とした。
これら第一液と第二液とを合わせ、さらに水で希釈することにより各例の処理液とした。
【0095】
なお、表に記載のpHは、25℃にて、ガラス電極式pHメーター(HM-30G、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて測定した。測定方法は、JIS Z 8802:1984「pH測定方法」に準拠して行った。
各例で得られた処理液のウイルス除去効果を以下の抗ウイルス性試験により評価した。結果を表1、2に示す。
【0096】
<評価方法>
JIS L1922:2016「繊維製品の抗ウイルス性試験方法」に記載の方法に準拠して、抗ウイルス性試験を行った。
ウイルスは、下記の2種を用いた。
・インフルエンザウイルス:Influenza A virus(A/PR/8/34(H1N1))、ATCC株VR-1469。
・ネコカリシウイルス:Feline calisivirus F9株、ATCC株VR-782。
【0097】
2.5cm×3.75cm角の綿布3枚に、インフルエンザウイルスとネコカリシウイルスの各試験ウイルス液(>10PFU/mL)を0.02mLずつ接種した。
各例の処理液100mLを入れたビーカーに、試験ウイルス液を接種した綿布を入れ、60rpm、25℃で10分間攪拌した。攪拌後、綿布を取り出し、50mL遠沈管に入れたSCDLP培地30mLでよく攪拌し綿布上に残存するウイルスを抽出した。JIS L1922:2016附属書C従って、TCID50測定法によるウイルス感染価測定を行なった。ブランク(0.05(w/v)%ポリソルベート80水溶液で処理した綿布)のウイルスの感染価と、各処理液を用いた場合のウイルスの感染価とを求めた。ブランクのウイルスの感染価と、各処理液を用いた場合のウイルスの感染価との差を、ウイルスの感染価の減少値として算出した。
【0098】
ウイルスの感染価の減少値から、下記評価基準に基づいて、ウイルス除去効果を評価した。結果を表1、2に示す。ウイルスの感染価の減少値が2.0(評価「○」)以上を合格とした。
【0099】
《評価基準》
◎:ウイルスの感染価の減少値が2.5以上。
○:ウイルスの感染価の減少値が2.0以上2.5未満。
△:ウイルスの感染価の減少値が1.0以上2.0未満。
×:ウイルスの感染価の減少値が1.0未満。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
表1に示すように、実施例の処理液は、(A)成分の濃度が約100質量ppmと低いにも関わらず、何れもインフルエンザウイルスとネコカリシウイルスの双方に対して、充分なウイルス除去効果を示した。
これに対して、表2に示すように、比較例の処理液のウイルス除去効果は低く、特にネコカリシウイルスの除去効果が劣っていた。