IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NTTビジネスソリューションズ株式会社の特許一覧 ▶ 西日本電信電話株式会社の特許一覧

特開2023-76106外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム
<>
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図1
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図2
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図3
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図4
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図5
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図6
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図7
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図8
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図9
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図10
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図11
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図12
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図13
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図14
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図15
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図16
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図17
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図18
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図19
  • 特開-外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076106
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20230525BHJP
   G09B 5/02 20060101ALI20230525BHJP
   G09B 19/06 20060101ALI20230525BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230525BHJP
【FI】
G09B19/00 G
G09B5/02
G09B19/06
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189307
(22)【出願日】2021-11-22
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】514257022
【氏名又は名称】NTTビジネスソリューションズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】399041158
【氏名又は名称】西日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】洞井 晋一
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 智成
(72)【発明者】
【氏名】林 卓磨
(72)【発明者】
【氏名】古谷 尚史
(72)【発明者】
【氏名】望月 裕貴
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
【Fターム(参考)】
2C028AA03
2C028BB01
2C028BC02
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】学習者及び指導者が学習者の外国語の発話能力を多面的に把握することが可能である外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】外国語学習支援装置は、音声データをテキストに変換する変換部と、複数の評価指標についてテキストを分析する分析部と、テキスト及び分析結果を表す表示用データを評価指標ごとに生成するデータ生成部と、評価指標ごとに生成された表示用データを、表示用データに応じて画像を表示する端末に送信する通信部とを備える。データ生成部は、テキストにおいて、テキストの分析結果に関連する箇所が示された表示用データを、評価指標ごとに生成してもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声データをテキストに変換する変換部と、
複数の評価指標について前記テキストを分析する分析部と、
前記テキスト及び分析結果を表す表示用データを前記評価指標ごとに生成するデータ生成部と、
前記評価指標ごとに生成された前記表示用データを、前記表示用データに応じて画像を表示する端末に送信する通信部と
を備える外国語学習支援装置。
【請求項2】
前記データ生成部は、前記テキストにおいて、前記テキストの分析結果に関連する箇所が示された前記表示用データを、前記評価指標ごとに生成する、
請求項1に記載の外国語学習支援装置。
【請求項3】
前記通信部は、前記複数の評価指標の分析結果を表すレーダーチャートを含む前記表示用データを、前記端末に送信する、
請求項1又は請求項2に記載の外国語学習支援装置。
【請求項4】
前記通信部は、前記複数の評価指標の分析結果に応じて蛍光色で表示された前記テキストを含む前記表示用データを、前記端末に送信する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の外国語学習支援装置。
【請求項5】
外国語学習支援装置が実行する外国語学習支援方法であって、
音声データをテキストに変換する変換ステップと、
複数の評価指標について前記テキストを分析する分析ステップと、
前記テキスト及び分析結果を表す表示用データを前記評価指標ごとに生成するデータ生成ステップと、
前記評価指標ごとに生成された前記表示用データを、前記表示用データに応じて画像を表示する端末に送信する通信ステップと
を含む外国語学習支援方法。
【請求項6】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の外国語学習支援装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
文部科学省によって学習指導要領に英語四技能(聞く、話す、読む、書く)の評価が導入された。また、日本企業の海外進出が一層進んでいる。このような情勢に応じて、英語を話すことの需要がますます高まっている。このような需要に応えるべく、英会話サービス(外国語学習支援サービス)を提供する事業者が増えている。英会話サービスを提供する各事業者は、他の事業者との差別化のために、学習者と講師のマッチング、オンライン型の英会話サービス、及び、オンライン型の習熟度試験(非特許文献1参照)等の様々な試みを行っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“Versant Test”,[online],令和3年10月28日,ピアソン・ジャパン株式会社,[令和3年10月28日検索],インターネット <URL : https://www.pearson.com/jp/ja/assessment/versant-test.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オンライン型の語学スクールでは、学習者(生徒)の発話に応じて、大量の音声データが生成される。しかしながら、オンライン型の語学スクールでは、音声データに対する多面的な分析結果と定量的な分析結果とが、学習者に提供(フィードバック)されていない。
【0005】
また、英語力の向上には、学習者の発話内容を学習者が振り返ることが不可欠である。しかしながら、習熟度テストの評価結果を学習者に単に提供するサービスは存在しても、英語学習に資する詳細な振り返りを学習者に提供するサービスは存在しない。
【0006】
英語の発音分析サービスと、形態素解析及び語彙頻度による分類サービスと、人工知能による文法チェックサービスとの個別のサービスを提供する事業者は存在する。しかしながら、多面的な分析結果を学習者が事業者から得るためには、同じ文章を学習者が音読し、同じ文章の音声データをサービスごとに学習者が外国語学習支援装置に入力する必要がある。また、入力された音声データに対してテキスト分析(文章化)が行われるが、音声をテキストに変換する処理(Speech To Text)が必要とされるので、学習者にとっての利便性は高くない。このように、学習者にとっての利便性が良くないことから、同じ文章の音声データに対する多面的な分析は行われていない。
【0007】
スピーキングテスト等で用いる多面的な分析は、学習者の発話能力を測る目的で用いられている。しかしながら、学習者の実力を向上させることを目的とする弱点分析及び改善点の提示等は、これまで行われていない。このような多面的な分析を指導者(人間)が行う場合には、情緒的な理由から、指導者はネガティブなフィードバックを学習者に対して行い難い。また、指導者による分析結果が定性的であることから、分析結果を指導者から提供された学習者の納得感は高くない。このように、学習者及び指導者が学習者の外国語の発話能力を多面的に把握することができないという問題がある。
【0008】
上記事情に鑑み、本発明は、学習者及び指導者が学習者の外国語の発話能力を多面的に把握することが可能である外国語学習支援装置、外国語学習支援方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、音声データをテキストに変換する変換部と、複数の評価指標について前記テキストを分析する分析部と、前記テキスト及び分析結果を表す表示用データを前記評価指標ごとに生成するデータ生成部と、前記評価指標ごとに生成された前記表示用データを、前記表示用データに応じて画像を表示する端末に送信する通信部とを備える外国語学習支援装置である。
【0010】
本発明の一態様は、上記の外国語学習支援装置であって、前記データ生成部は、前記テキストにおいて、前記テキストの分析結果に関連する箇所が示された前記表示用データを、前記評価指標ごとに生成する。
【0011】
本発明の一態様は、上記の外国語学習支援装置であって、前記通信部は、前記複数の評価指標の分析結果を表すレーダーチャートを含む前記表示用データを、前記端末に送信する。
【0012】
本発明の一態様は、上記の外国語学習支援装置であって、前記通信部は、前記複数の評価指標の分析結果に応じて蛍光色で表示された前記テキストを含む前記表示用データを、前記端末に送信する。
【0013】
本発明の一態様は、上記の外国語学習支援装置が実行する外国語学習支援方法であって、音声データをテキストに変換する変換ステップと、複数の評価指標について前記テキストを分析する分析ステップと、前記テキスト及び分析結果を表す表示用データを前記評価指標ごとに生成するデータ生成ステップと、前記評価指標ごとに生成された前記表示用データを、前記表示用データに応じて画像を表示する端末に送信する通信ステップとを含む外国語学習支援方法である。
【0014】
本発明の一態様は、上記の外国語学習支援装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、学習者及び指導者が学習者の外国語の発話能力を多面的に把握することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態における、外国語学習支援システムの構成例を示す図である。
図2】実施形態における、外国語学習支援システムの構成例の概要を示す図である。
図3】実施形態における、外国語学習支援システムの機能例の概要を示す図である。
図4】実施形態における、データテーブルの例を示す図である。
図5】実施形態における、外国語学習支援システムの動作例を示すシーケンス図である。
図6】実施形態における、端末の動作例を示すフローチャートである。
図7】実施形態における、外国語学習支援装置の動作例を示すフローチャートである。
図8】実施形態における、アップロード操作画面の例を示す図である。
図9】実施形態における、発話の録音操作画面の例を示す図である。
図10】実施形態における、音読テストの録音操作画面の例を示す図である。
図11】実施形態における、分析結果画面の例を示す図である。
図12】実施形態における、統語的複雑性に関する表示画面の例を示す図である。
図13】実施形態における、語彙的複雑性に関する表示画面の第1例を示す図である。
図14】実施形態における、語彙的複雑性に関する表示画面の第2例を示す図である。
図15】実施形態における、同義語又は類義語の提案に関する表示画面の例を示す図である。
図16】実施形態における、正確性に関する表示画面の第1例を示す図である。
図17】実施形態における、正確性に関する表示画面の第2例を示す図である。
図18】実施形態における、正確性に関する表示画面の第3例を示す図である。
図19】実施形態における、流暢性に関する表示画面の第1例を示す図である。
図20】実施形態における、流暢性に関する表示画面の第2例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(概要)
外国語学習支援システムは、インターネット等の通信回線を用いて、外国語のレッスン等における学習者の外国語の音声データを取得する。以下では、外国語は一例として英語である。外国語学習支援システムの外国語学習支援装置(例えば、サーバ装置)は、学習者から発話(音声入力)された英語の文章の音声データを記憶する。
【0018】
外国語学習支援システムは、音声データに対してテキスト変換及び形態素解析等を用いて、発音と音素と発話内容との様々な評価指標(要素)を多面的に分析する。例えば、外国語学習支援システムは、学習者から発話された文章の内容(発話内容)を表すテキスト(文章)を生成する。例えば、外国語学習支援システムは、テキストを分析(例えば、文法診断)することによって、発話された文章の音素データを生成する。外国語学習支援システムは、機械学習の手法を用いて学習されたモデル(学習済モデル)を用いて、音声データに対して分析処理を実行してもよい。
【0019】
外国語学習支援装置は、多面的な分析結果を含む表示用データ(テキスト、グラフ等)を、学習者の端末に送信する。多面的な分析結果とは、例えば、音声入力された文章(発話内容)の統語的複雑性(Complexity)と、音声入力された文章の語彙的複雑性(Lexical Complexity)と、音声入力された文章の正確性(Accuracy)と、音声入力された文章の流暢性(Fluency)とである。
【0020】
統語的複雑性とは、例えば、文章あたりの単語数と、文章において使用されている文法表現の種類の数とのうちの少なくとも一つである。語彙的複雑性とは、例えば、音声入力された文章に含まれている語彙の難易度と、特定の単語の使用頻度とのうちの少なくとも一つである。文章の正確性とは、例えば、音声入力された文章における文法的な過ちのある箇所の個数と、英語圏の発話者(ネイティブスピーカ)の発音と学習者の発音との類似度とである。流暢性とは、所定時間(例えば、1分間)あたりの文章に含まれている単語の個数と、つなぎ言葉(言葉のヒゲ:Filler Words)の種類及び頻度(個数)とのうちの少なくとも一つである。
【0021】
外国語学習支援装置は、統語的複雑性、語彙的複雑性、正確性及び流暢性等の多面的な分析結果を、学習者の端末に送信する。これによって、多面的な分析結果が学習者にフィードバックされる。外国語学習支援装置は、多面的な分析結果の各スコアに基づいて、外国語学習に関する最終的な習熟度のスコアを学習者の端末に送信してもよい。外国語学習支援装置は、最終的な習熟度のスコアに基づいて、学習者に欠如しているスキルを学習者に提示してもよい。外国語学習支援装置は、レッスンの履歴情報の一覧と、時系列の評価指標(分析結果)の推移とを、学習者に提示してもよい。
【0022】
学習者の端末は、表示用データに基づいて、フィードバックの内容を自端末の表示部に表示する。分析結果を含む表示用データの画像では、UI/UX(ユーザーインタフェース/ユーザーエクスペリエンス)について工夫が凝らされているので、学習者は学習者自身が音声入力した文章に対する多面的な分析結果を容易に把握することができる。端末の表示部は、各評価指標のスコアを表すレーダーチャートを表示してもよい。端末の表示部は、最終的な習熟度のスコアを表示してもよい。端末の表示部は、レッスンの履歴情報の一覧と評価指標の推移とを表示してもよい。学習者及び指導者は、学習者の発話能力を多面的且つ定量的に把握することができる。具体的な改善手法と定量的な目安とを学習者及び指導者が把握することが容易となる。
【0023】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施形態における、外国語学習支援システム1の構成例を示す図である。外国語学習支援システム1は、外国語の学習を支援するシステムである。外国語学習支援システム1は、外国語学習支援システム1は、1台以上の端末2と、通信回線3と、外国語学習支援装置4とを備える。
【0024】
図2は、実施形態における、外国語学習支援システム1の構成例の概要を示す図である。外国語学習支援システム1は、所定のAPIを用いて実現される。所定のAPIは、予め定めれたアーキテクチャスタイルの制約に従うアプリケーション・プログラミング・インタフェースである。
【0025】
図3は、実施形態における、外国語学習支援システム1の機能例の概要を示す図である。外国語学習支援システム1は、例えば、パブリッククラウドにおけるクラウドシステムとして実現される。また、外国語学習支援装置4は、例えば、バーチャルマシンとして実現される。
【0026】
図1に戻り、端末2について説明する。
端末2は、スマートフォン端末、タブレット端末及びノートパソコン等の情報処理端末である。端末2は、通信部21と、記憶部22と、端末制御部23と、操作部24と、表示部25と、マイク26とを備える。通信回線3は、例えば、インターネットである。
【0027】
通信部21は、外国語学習支援装置4との通信を実行する。通信部21は、例えば、WebRTC(Web Real-Time Communication)の規格に基づいて、外国語学習支援装置4とのリアルタイム通信を実行する。
【0028】
記憶部22は、通信部21によって外国語学習支援装置4から受信されたデータを記憶する。受信されたデータは、例えば、分析結果を表す表示用データを含む。分析結果は、テキスト及びグラフ等を用いて表現される。テキスト及びグラフ等は、例えば、HTML(Hypertext Markup Language)形式の表示用データに組み込まれていてもよい。
【0029】
端末制御部23は、端末2の各機能部を制御する。端末制御部23は、表示用データに基づいて、分析結果を表す画像を生成する。操作部24は、マウス、キーボード及びタッチパネル等の操作デバイスである。操作部24は、押下操作等の操作を受け付ける。操作部24は、例えば、外国語のレッスンを受ける学習者(端末2のユーザ)によって操作される。なお、操作部24は、例えば、外国語のレッスンを学習者に対して行う指導者によって操作されてもよい。
【0030】
表示部25は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。表示部25は、端末制御部23から出力された画像データに基づいて、画像を表示する。表示部25は、例えば、学習者によって音声入力された文章に関する分析結果を表す画像を表示する。マイク26は、端末2の周囲の音を収集する。収集された音には、例えば、学習者の音声が含まれている。
【0031】
次に、外国語学習支援装置4について説明する。
外国語学習支援装置4は、情報処理装置である。外国語学習支援装置4は、サーバ装置41と、インタフェース42と、分析部43とを備える。サーバ装置41は、例えば、クラウドサーバである。サーバ装置41は、通信部411と、記憶部412と、認証処理部413と、変換部414と、データ生成部415とを備える。分析部43は、形態素解析部431と、第1複雑性分析部432と、第2複雑性分析部433と、正確性分析部434と、流暢性分析部435とを、各種プラグインとして備える。
【0032】
外国語学習支援装置4の各機能部のうちの一部又は全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)を有する記憶部に記憶されたプログラム(コンピュータプログラム)を実行することにより、ソフトウェアとして実現される。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置などの非一時的な記録媒体である。プログラムは、通信回線を経由して取得されてもよい。
【0033】
外国語学習支援装置4の各機能部のうちの一部又は全部は、例えば、LSI(Large Scale Integrated circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いた電子回路(electronic circuit 又は circuitry)を含むハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0034】
通信部411は、端末2との通信を実行する。通信部21は、例えば、WebRTCの規格に基づいて、端末2とのリアルタイム通信を実行する。
【0035】
記憶部412は、サーバ装置41によって実行されるコンピュータプログラムを予め記憶する。記憶部412は、通信部411から送信されるデータを、そのデータの送信前において一時記憶する。記憶部412は、通信部411によって端末2から受信されたデータを記憶する。端末2から受信されたデータは、例えば、学習者によって端末2に音声入力された音声データである。
【0036】
図4は、実施形態における、データテーブルの例を示す図である。記憶部412は、例えば、Json(JavaScript Object Notation)形式のデータベースを記憶する。記憶部412は、学習者に関するデータテーブルとして、ユーザデータテーブル51を記憶する。記憶部412は、レッスンに関するデータテーブルとして、レッスンデータテーブル52を記憶する。レッスンデータテーブル52には、例えば、学習者によって音声入力された音声データから変換されたテキスト(英文)が登録される。
【0037】
認証処理部413は、通信部411を介して、端末2に対する通信の認証処理を実行する。認証処理部413は、通信部411を介して、認証された端末2に対する課金処理を実行してもよい。
【0038】
変換部414は、端末2から受信された音声データを、公知のテキスト変換のAPI(Application Programming Interface)を用いてテキストに変換する。
【0039】
変換部414は、音声データに対してテキスト変換のAPIを用いて、学習者によって端末2に音声入力された文章(テキスト)を生成する。この音声入力された文章は、複数の評価指標について共通に使用される文章である。これによって、学習者は、例えば1回の録音で音声入力された文章について、複数の評価指標についての分析結果(多面的な分析結果)を簡便に得ることができる。
【0040】
なお、変換部414は、音声データに対して発音診断を実行してもよい。変換部414は、英語圏の発話者の発音データを、記憶部412から取得してもよい。変換部414は、英語圏の発話者(ネイティブスピーカ)の発音と学習者の発音との類似度に基づいて、発音診断を実行してもよい。すなわち、変換部414は、音声データを発音記号に変換してもよい。
【0041】
インタフェース42は、分析対象のテキストを分析部43に出力する。インタフェース42は、分析対象のテキストの分析結果を、分析部43から取得する。インタフェース42は、分析対象のテキストの分析結果を、サーバ装置41に出力する。
【0042】
形態素解析部431は、テキストに対して形態素解析処理を実行する。形態素解析部431は、形態素解析を用いて、テキスト(音声入力された文章)を品詞に分解する。
【0043】
第1複雑性分析部432は、複数の評価指標のうちの統語的複雑性について、学習者によって端末2に音声入力された文章を分析する。第1複雑性分析部432は、文章の統語的複雑性の分析として、例えば、文章あたりの単語数を分析(カウント)する。第1複雑性分析部432は、単語数をカウントした後に、ピリオドの数をカウントする。その際、第1複雑性分析部432は、過度に短い文章(例えば、Yeah.)におけるピリオド「.」を省いてカウントする。第1複雑性分析部432は、所定の長さ以下の文章(例えば、3語以下の文章)を省いてカウントしてもよい。
【0044】
第1複雑性分析部432は、文章の統語的複雑性の分析として、例えば、所定の多様な文法表現のうちでどの程度の種類の文法表現が使用されているかを分析してもよい。第1複雑性分析部432は、形態素解析の結果における特徴点を、音声入力(発話)された文章から、単語単位で抽出する。第1複雑性分析部432は、音声入力された文章を品詞の並びに変換する。第1複雑性分析部432は、各文法表現について特徴的な品詞の並びデータを、記憶部412から取得する。第1複雑性分析部432は、並びデータにおける品詞の並びと同じパターンの文法表現を、音声入力された文章から抽出する。第1複雑性分析部432は、抽出された文法表現をカウントする。
【0045】
第2複雑性分析部433は、複数の評価指標のうちの語彙的複雑性について、語彙的複雑性を分析する公知のAPIを用いて、学習者によって端末2に音声入力された文章を分析する。
【0046】
第2複雑性分析部433は、文章の語彙的複雑性の分析として、例えば、音声入力された文章に含まれている語彙の難易度を分析する。英語圏の様々な利用シーンにおける例えば10億語以上の複数のコーパスが事前に用意される。第2複雑性分析部433は、それらのコーパスを参照しながら、学習者によって音声入力された音声データに応じたテキストにおける全ての単語について、コーパスにおいてどの程度の頻度で用いられていたかを、所定のレンジごとに検出する。第2複雑性分析部433は、学習者(発話者)の発話に占める使用頻度を各レンジごとの割合にして、割合をデータテーブルに記載する。第2複雑性分析部433は、使用頻度に応じて、テキストに変換された英文における指摘箇所(例えば、使用頻度が閾値以上となっている単語の箇所)を、蛍光着色(ハイライト表示)する。これによって、指摘箇所の一覧性が高まる。
【0047】
第2複雑性分析部433は、文章の語彙的複雑性の分析として、例えば、テキストにおける特定の単語の使用頻度を分析する。第2複雑性分析部433は、形態素解析部431による形態素解析の結果を、内容語と内容語以外とに分類し、内容語のみを形態素解析の結果から抽出する。内容語とは、例えば、形容詞、副詞、動詞及び名詞(代名詞以外)である。
【0048】
正確性分析部434は、複数の評価指標のうちの正確性について、正確性を分析する公知のAPIを用いて、学習者によって端末2に音声入力された文章を分析する。
【0049】
正確性分析部434は、文章の正確性の分析として、例えば、文法的な過ちがテキスト(文章)にあるか否かを分析する。正確性分析部434は、テキストにおける様々な改善点に関する指摘箇所を、分析結果に関連する箇所の一例として検出する。正確性分析部434は、書き言葉に固有の改善点を、指摘箇所の候補から省く。例えば、正確性分析部434は、先頭文字の大文字とスペリングミス等とを、指摘箇所の候補から省く。正確性分析部434は、改善すべき文法表現及び使用されている語彙の偏り等に関する改善点の提案を、データ生成部415及び通信部411を用いて端末2に送信する。
【0050】
正確性分析部434は、データ生成部415及び通信部411を用いて、テキストにおける指摘箇所を端末2の表示部25に蛍光色で表示させる。正確性分析部434は、指摘箇所(指摘内容)の一覧を、端末2の表示部25に表示させてもよい。これによって、指摘箇所の一覧性を高めることができる。学習者はテキストにおける指摘箇所を容易に把握することができる。
【0051】
正確性分析部434は、音読された文章の発音が正しいか否かについて、発音診断を実行してもよい。正確性分析部434は、同じ文章について、英語圏の発話者(ネイティブスピーカ)の発音と学習者の発音との類似度を導出する。英語圏の発話者の発音データは、事前に収集される。
【0052】
流暢性分析部435は、複数の評価指標のうちの流暢性について、学習者によって端末2に音声入力された文章を分析する。流暢性分析部435は、文章の流暢性の分析として、所定時間あたりの単語数を導出する。なお、発話時間が短い場合(文章が短い場合)に高評価になり易くならないようにするため、例えば1分間に発話された文章の単語数を導出する。流暢性分析部435は、テキストにおけるつなぎ言葉の種類及び使用頻度を分析する。つなぎ言葉は事前に定義される。流暢性分析部435は、テキストにおけるつなぎ言葉の出現回数(使用回数)をカウントする。流暢性分析部435は、データ生成部415及び通信部411を用いて、つなぎ言葉の出現回数を端末2の表示部25に表示させる。
【0053】
データ生成部415(データ処理部)は、テキスト及び分析結果を表す表示用データを、評価指標ごとに生成する。表示用データは、例えば、HTML形式のデータである。データ生成部415は、表示用データに基づく画像を、通信部411を用いて端末2の表示部25に表示させる。
【0054】
次に、外国語学習支援システム1の動作例について説明する。
図5は、実施形態における、外国語学習支援システム1の動作例を示すシーケンス図である。端末2は、音声データを外国語学習支援装置4に送信する(ステップS101)。変換部414は、音声データをテキストに変換する。変換部414は、音声データの発音を診断してもよい。変換部414は、テキストを端末2に送信する(ステップS102)。
【0055】
端末2は、変換されたテキストと付随情報とを対応付けて、外国語学習支援装置4に送信する。この付随情報は、テキストに対応付けられた情報であり、例えば、レッスンにおいて行われたテストの識別番号である(ステップS103)。データ生成部415は、変換されたテキストと付随情報とを対応付けて、記憶部412に記憶されたデータベースに登録する。データ生成部415は、テキストの分析をインタフェース42に依頼する(ステップS104)。
【0056】
インタフェース42は、分析情報を検索する。すなわち、インタフェース42は、分析部43の各種プラグインを検索する。インタフェース42は、テキストの分析を分析部43に依頼する(ステップS105)。分析部43は、各種APIの外部データベースのソフトウェアと分析部43のプラグインとの間で、API連携を実行する。これによって、分析部43は、テキストを分析する(ステップS106)。
【0057】
各種APIの外部データベースは、テキストの分析結果を分析部43に返却する(ステップS107)。分析部43は、テキストの分析結果をインタフェース42に返却する(ステップS108)。インタフェース42は、テキストの分析結果をデータ生成部415に返却する(ステップS109)。
【0058】
データ生成部415は、テキストと付随情報とが登録されたデータベースにテキストの分析結果を登録することによって、データベースを更新する。データ生成部415は、分析が実行された全ての評価指標の分析結果を統合する。データ生成部415は、テキストの分析結果(統合された分析結果)を、通信部411を用いて端末2に返却する(ステップS110)。
【0059】
図6は、実施形態における、端末2の動作例を示すフローチャートである。通信部21は、認証処理を実行する(ステップS201)。端末制御部23は、学習者によって選択された動作モードがテストモード(音読テストの録音モード)又は録音モード(発話の録音モード)のいずれであるかを、操作部24から取得された操作信号に基づいて判定する(ステップS202)。
【0060】
選択された動作モードがテストモードであると判定された場合(ステップS202:テスト)、端末制御部23は、テストの難易度を表す操作信号を、操作部24から取得する(ステップS203)。表示部25は、音読用の文章を表示する(ステップS204)。通信部21は、音読中の学習者によって音声入力された音声データを、外国語学習支援装置4に送信する(ステップS205)。そして、表示部25は、テストにおける質問の文章を表示する(ステップS206)。通信部21は、質問の答えとして音声入力された音声データを、外国語学習支援装置4に送信する(ステップS207)。なお、ステップS205の処理は、ステップS207の処理に含められてもよい。
【0061】
これによって、外国語学習支援装置4では、音声データに対する多面的な分析結果と定量的な分析結果とが、データベースに登録される。さらに、テキストと付随情報とが、データベースに登録されてもよい。
【0062】
選択された動作モードが録音モードであると判定された場合(ステップS202:録音)、通信部21は、学習者によって音声入力された音声データを、外国語学習支援装置4に送信する(ステップS208)。
【0063】
通信部21は、多面的な分析結果と定量的な分析結果とを表す表示用データを、学習の振り返りとして取得する(ステップS209)。表示部25は、表示用データに基づいて、多面的な分析結果と定量的な分析結果とを表す画像を表示する(ステップS210)。端末制御部23は、学習者によって選択された表示形態が要約形態又は詳細形態のいずれであるかを、操作部24から取得された操作信号に基づいて判定する(ステップS211)。
【0064】
選択された表示形態が要約形態であると判定された場合(ステップS211:要約)、端末制御部23は、履歴情報の要約と分析結果の要約とを表す表示用データに基づく画像を、表示部25に表示させる(ステップS212)。
【0065】
選択された表示形態が詳細形態であると判定された場合(ステップS211:詳細)、端末制御部23は、操作部24から取得された操作信号が表す評価指標に応じて、外国語学習支援装置4から取得されたテキストの表示形態を変更する。例えば、端末制御部23は、選択された評価指標が文章の正確性である場合、文法的な誤りのある箇所が蛍光色で表されたテキストを、表示部25に表示させる(ステップS213)。端末制御部23は、多面的な分析結果と定量的な分析結果とを、操作信号が表す評価指標に応じて表示部25に表示させる(ステップS214)。
【0066】
端末制御部23は、操作部24から取得された操作信号に基づいて、処理を終了させるか否かを判定する(ステップS215)。取得された操作信号が継続を表す場合(ステップS215:No)、端末制御部23は、処理をステップS211に戻す。取得された操作信号が終了を表す場合(ステップS215:Yes)、端末制御部23は、処理を終了する。
【0067】
図7は、実施形態における、外国語学習支援装置4の動作例を示すフローチャートである。認証処理部413は、認証情報を端末2から取得する(ステップS301)。認証処理部413は、認証が成功したか否かを認証情報に基づいて判定する(ステップS302)。認証が失敗したと判定された場合(ステップS302:No)、認証処理部413は、処理をステップS301に戻す。
【0068】
認証が成功したと判定された場合(ステップS302:Yes)、通信部411は、所定の初期画面を表す表示用データを、端末2に送信する(ステップS303)。通信部411は、記憶部412に記憶されている履歴情報(過去のレッスンの情報)を、端末2に送信する(ステップS304)。
【0069】
通信部411は、音声入力された音声データを、端末2から取得する(ステップS305)。変換部414は、音声データをテキストに変換する(ステップS306)。通信部411は、テキストを端末2に送信する(ステップS307)。データ生成部415は、ユーザデータテーブル51にテキストを登録する(ステップS308)。分析部43は、複数の評価指標について共通に使用されるテキストを分析する(ステップS309)。データ生成部415は、分析結果をデータベースに登録する(ステップS310)。通信部411は、複数の評価指標の分析結果を端末2に送信する(ステップS311)。
【0070】
次に、表示用データに基づく画像の例について説明する。
図8は、実施形態における、アップロード操作画面の例を示す図である。図6に例示されたステップS207において、表示部25は、表示用データに基づいて、アップロード操作画面を表示する。学習者は、操作部24を操作することによって、録音ボタン画像10を押下操作する。端末制御部23は、マイク26から収集された音声を音声データに変換する。端末制御部23は、音声データを音声ファイルに含める。学習者は、操作部24を操作することによって、アップロードボタン画像11を押下操作する。通信部21は、端末制御部23による制御に応じて、分析対象の音声データを含む音声ファイルを外国語学習支援装置4にアップロードする。
【0071】
図9は、実施形態における、発話の録音操作画面の例を示す図である。図6に例示されたステップS208において、図8に例示された録音ボタン画像10が押下操作された場合、表示部25は、端末制御部23による制御に応じて、発話の録音操作画面を表示する。録音処理中に、通信部21は音声データを外国語学習支援装置4にアップロードする。表示部25は、外国語学習支援装置4から取得されたテキストを、録音操作画面にリアルタイムで表示する。録音操作画面において完了ボタン画像12が押下操作された場合、端末制御部23は、録音処理を終了する。
【0072】
図10は、実施形態における、音読テストの録音操作画面の例を示す図である。図6に例示されたステップS204において、所定の録音ボタン画像が押下操作された場合、表示部25は、端末制御部23による制御に応じて、音読テストの録音操作画面を表示する。録音処理中に、通信部21は音声データを外国語学習支援装置4にアップロードする。表示部25は、外国語学習支援装置4から取得されたテキストを、録音操作画面にリアルタイムで表示する。音読テストの録音操作画面において完了ボタン画像13が押下操作された場合、端末制御部23は、録音処理を終了する。
【0073】
図11は、実施形態における、分析結果画面(サマリー画面)の例を示す図である。図6に例示されたステップS212において、分析結果画面(サマリー画面)が表示部25に表示される。図11に例示された分析結果画面は、レーダーチャート表示領域14と、結果簡易表示領域15と、第1切替ボタン画像16と、第2切替ボタン画像17と、第3切替ボタン画像18と、第4切替ボタン画像19とを含む。レーダーチャート表示領域14には、4種類(4項目)の評価指標(統語的複雑性、語彙的複雑性、正確性及び流暢性)のレーダーチャートが表示される。各評価指標は、それぞれ2種類(2項目)の評価指標に分けられてもよい。
【0074】
例えば、評価指標の一つである統語的複雑性は、文章あたりの単語数と、文章において使用されている文法表現の種類の数との各評価指標に分けられる。例えば、評価指標の一つである語彙的複雑性は、文章に含まれている語彙の難易度と、特定の単語の使用頻度との各評価指標に分けられる。例えば、評価指標の一つである正確性は、文章における文法的な過ちのある箇所の個数と、英語圏の発話者の発音と学習者の発音との類似度との各評価指標に分けられる。例えば、評価指標の一つである正確性は、所定時間あたりの文章に含まれている単語の個数と、つなぎ言葉(言葉のヒゲ)の種類及び頻度との各評価指標に分けられる。これらによって図11では、一例として計8種類(=4×2種類)の評価指標のレーダーチャートが、レーダーチャート表示領域14に表示される。
【0075】
結果簡易表示領域15には、分析結果の要約が評価指標ごとに表示される。第1切替ボタン画像16が操作された場合、統語的複雑性に関する表示画面が表示される。第2切替ボタン画像17が操作された場合、語彙的複雑性に関する表示画面が表示される。第3切替ボタン画像18が操作された場合、正確性に関する表示画面が表示される。第4切替ボタン画像19が操作された場合、流暢性に関する表示画面が表示される。
【0076】
図12は、実施形態における、統語的複雑性に関する表示画面の例を示す図である。図11に例示された分析結果画面は、文章表示領域100と、操作ボタン表示領域110と、分析結果表示領域120とを含む。文章表示領域100には、各分析結果画面において共通するテキストが表示される。ここで、分析結果画面ごと(評価指標ごと)に、テキストにおける蛍光色の箇所(指摘箇所)が異なってもよい。図12では、一例として単語「which」が、文章表示領域100において蛍光色で表示されている。
【0077】
操作ボタン表示領域110には、第1操作ボタン画像111と、第2操作ボタン画像112と、第3操作ボタン画像113と、第4操作ボタン画像114とが表示される。第1操作ボタン画像111「Complexity」が操作された場合、統語的複雑性に関する表示画面が表示される。第2操作ボタン画像112「Lecxial Complexity」が操作された場合、語彙的複雑性に関する表示画面が表示される。第3操作ボタン画像113「Accuracy」が操作された場合、正確性に関する表示画面が表示される。第4操作ボタン画像114「Fluency」が操作された場合、流暢性に関する表示画面が表示される。
【0078】
分析結果表示領域120には、文章あたりの単語数と、どの程度の種類の文法表現が使用されているかの分析結果とが表示される。
【0079】
図13は、実施形態における、語彙的複雑性に関する表示画面の第1例を示す図である。図13では、一例として「Teacher」及び「schedule」が、これらの語彙の難易度に応じて、文章表示領域100において他の蛍光色とは異なる蛍光色で表示されている。分析結果表示領域120には、文章に含まれている語彙の難易度と、タイプ・トークン率ボタン画像121が表示される。
【0080】
図14は、実施形態における、語彙的複雑性に関する表示画面の第2例を示す図である。タイプ・トークン率ボタン画像121「Type-Token ratio」が操作された場合、分析結果表示領域120には、タイプ・トークン率(特定の単語の使用頻度)が表示される。タイプ・トークン率は、数値だけでなくグラフを用いて表現されてもよい。分析結果表示領域120には、更に、同義語又は類義語の提案に関する表示画面が表示されてもよい。
【0081】
図15は、実施形態における、同義語又は類義語の提案に関する表示画面の例を示す図である。同義語又は類義語の提案に関する表示画面には、音声入力されたテキストにおける単語の同義語(synonyms)又は類義語(quasi-synonyms)が、言い換え用の同義語又は類義語の提案として表示される。また、同義語又は類義語の提案に関する表示画面には、提案される語の定義「definition」が表示されてもよい。これによって、学習者は発話における語彙的複雑性を向上させることができる。
【0082】
図16は、実施形態における、正確性に関する表示画面の第1例を示す図である。図16では、一例として「need」及び「worse」が、文法的な過ちのある箇所として、文章表示領域100において他の蛍光色とは異なる蛍光色で表示されている。分析結果表示領域120には、文法的な過ちの正誤表と、発音ボタン画像122とが表示される。
【0083】
図17は、実施形態における、正確性に関する表示画面の第2例を示す図である。発音ボタン画像122「Pronunciation」が操作された場合、分析結果表示領域120には、発音の正誤表が表示される。
【0084】
図18は、実施形態における、正確性に関する表示画面の第3例を示す図である。発音ボタン画像122「Pronunciation」が操作された場合、図18に例示された正確性に関する表示画面が、表示部25に表示されてもよい。また、操作部24に対する所定の操作に応じて、履歴情報(ユーザデータベース)に登録されているテキストと、そのテキストの発音記号とが、表示用データに基づいて表示部25に表示されてもよい。図18に例示された正確性に関する表示画面は、音声再生操作領域200と、発音記号表示領域201とを含む。音声再生操作領域200には、履歴情報に登録されているテキストの音声を再生するための操作画像が表示される。発音記号表示領域201には、互いの位置が対応するように、テキスト及び発音記号が表示される。
【0085】
図19は、実施形態における、流暢性に関する表示画面の第1例を示す図である。分析結果表示領域120には、1分間に発話された文章の単語数「WPM(Words Per Minute)」と、つなぎ言葉ボタン画像123とが表示される。単語数は時系列で表示されてもよい。単語数は、数値だけでなくグラフを用いて表現されてもよい。
【0086】
図20は、実施形態における、流暢性に関する表示画面の第2例を示す図である。つなぎ言葉ボタン画像123「Filler Word」が操作された場合、分析結果表示領域120には、つなぎ言葉の個数が、つなぎ言葉ごとに表示される。つなぎ言葉の個数は、数値だけでなくグラフを用いて、つなぎ言葉ごとに表現されてもよい。
【0087】
以上のように、変換部414は、音声データをテキストに変換する。分析部43は、複数の評価指標について共通に使用されるテキストを分析する。データ生成部415は、テキスト及び分析結果を表す表示用データを評価指標ごとに生成する。通信部411は、評価指標ごとに生成された表示用データを、表示用データに応じて画像を表示する端末2に送信する。
【0088】
これによって、複数の評価指標について共通に使用される文章が音声入力された場合、学習者及び指導者が学習者の外国語の発話能力を多面的に把握することが可能である。また、学習者及び指導者が学習者の外国語の発話能力を定量的に把握することが可能である。
【0089】
データ生成部415は、テキストにおいて、テキストの分析結果に関連する箇所が示された表示用データを、評価指標ごとに生成してもよい。分析結果に関連する箇所は、例えば、他の色とは区別可能な色を用いて示される。通信部411は、複数の評価指標の分析結果を表すレーダーチャートを含む表示用データを、端末に送信してもよい。通信部411は、複数の評価指標の分析結果に応じて蛍光色で表示されたテキストを含む表示用データを、端末に送信してもよい。
【0090】
さらに、外国語の学習効率を向上させることが可能である。外国語の発話能力の分析結果を学習者がリアルタイムに得ることが可能である。
【0091】
外国語学習支援システム1において用いられる複数の評価指標は、例えば、文章の統語的複雑性と、文章の語彙的複雑性と、文章の正確性と、文章の流暢性とのうちの少なくとも二つである。統語的複雑性は、例えば、文章あたりの単語数と、文章において使用されている文法表現の種類の数とである。語彙的複雑性は、例えば、文章に含まれている語彙の難易度と、文章における特定の単語の使用頻度とである。
【0092】
UI/UX(ユーザーインタフェース/ユーザーエクスペリエンス)についても工夫が凝らされているので、学習者にとって関心のある指標を学習者が適切に閲覧することが可能である。多面的且つ定量的な分析結果を利便性高く学習者に提供することが可能である。
【0093】
学習者にとって、少なくとも下記(1A)から(3A)までのメリットが有る。
(1A)学習者自身の英語の発話を、振り返りの素材として蓄積及び分析することができるので、英語の学習効率を向上させるだけでなく、英語の学習意欲を向上させることができる。
(2A)発話能力には、発音、文法、語彙力及び流暢性等の総合的なレベルが本来求められている。発音、文法、語彙力及び流暢性等は、外国語学習支援システムによって、総合的(一元的)に評価される。利便性及び一覧性の高いユーザインタフェースを用いて分析結果が提示及び蓄積されるので、学習者自身の英語の発話能力の総合的なレベルを学習者が精緻に把握することができる。
(3A)外国語学習支援システムによって、総合的評価について、評価基準及びゴールが一定程度に統一される。総合的評価について、定量的なフィードバックを学習者が得ることができる。学習者は、具体的な学習計画及び学習内容を決定することができる。学習者は、学習効率を向上させることができる。
【0094】
指導者(講師)にとって、少なくとも下記(1B)から(4B)までのメリットが有る。
(1B)講師の指導負荷も軽減されることで、学習指導の効果を高めることが可能である。
(2B)外国語学習支援システムが学習者の英会話のミスを記録及びまとめるので、指導者は英会話の会話相手としての役割に集中することができる。
(3B)指導者自身がミスを学習者に指摘しなくてもよいので、学習者の気分を害することを避けることができる。
(4B)外国語学習支援システムが定量的な振り返りを学習者に提供するので、指導者はより高度な指導を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、外国語の学習を支援するシステムに適用可能である。
【0096】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0097】
1…外国語学習支援システム、2…端末、3…通信回線、4…外国語学習支援装置、10…録音ボタン画像、11…アップロードボタン画像、12…完了ボタン画像、13…完了ボタン画像、14…レーダーチャート表示領域、15…結果簡易表示領域、16…第1切替ボタン画像、17…第2切替ボタン画像、18…第3切替ボタン画像、19…第4切替ボタン画像、21…通信部、22…記憶部、23…端末制御部、24…操作部、25…表示部、26…マイク、41…サーバ装置、42…インタフェース、43…分析部、51…ユーザデータテーブル、52…レッスンデータテーブル、100…文章表示領域、110…操作ボタン表示領域、111…第1操作ボタン画像、112…第2操作ボタン画像、113…第3操作ボタン画像、114…第4操作ボタン画像、120…分析結果表示領域、121…タイプ・トークン率ボタン画像、122…発音ボタン画像、123…つなぎ言葉ボタン画像、200…音声再生操作領域、201…発音記号表示領域、411…通信部、412…記憶部、413…認証処理部、414…変換部、415…データ生成部、431…形態素解析部、432…第1複雑性分析部、433…第2複雑性分析部、434…正確性分析部、435…流暢性分析部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20