(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076134
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】器具取付用板
(51)【国際特許分類】
G01D 11/30 20060101AFI20230525BHJP
G01R 11/04 20060101ALI20230525BHJP
G12B 9/10 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
G01D11/30 M
G01R11/04 E
G12B9/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189358
(22)【出願日】2021-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】390009999
【氏名又は名称】日動電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】今坂 友昭
(72)【発明者】
【氏名】中山 浩行
【テーマコード(参考)】
2F078
【Fターム(参考)】
2F078EA12
2F078EB12
2F078EB16
2F078EC06
2F078EC07
(57)【要約】
【課題】構成の簡素化及びコストの低減を図りながら、求められる大きさ(サイズ)の変更にも柔軟に対応すること。
【解決手段】樹脂製板状の単位本体部2が備えられ、その単位本体部2には、位置決め線部3を現出させるために、その位置決め線部3に沿う第1方向に延びる位置決め用溝部4が形成され、単位本体部2は、表面部2aと裏面部2bとの両面部が器具の取付対象面部として備えられ、位置決め用溝部4は、単位本体部2の表面部2aと裏面部2bとの両面部において、第1方向に直交する第2方向に所定の一定ピッチで形成され、器具の取付対象面部を表面部とする表面部取付用の単位本体部と、器具の取付対象面部を裏面部とする裏面部取付用の単位本体部とを、第2方向で隣接させる状態で連結自在な連結部5が備えられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製板状の単位本体部が備えられ、その単位本体部には、位置決め線部を現出させるために、その位置決め線部に沿う第1方向に延びる位置決め用溝部が形成され、
前記単位本体部は、表面部と裏面部との両面部が器具の取付対象面部として備えられ、
前記位置決め用溝部は、前記単位本体部の表面部と裏面部との両面部において、前記第1方向に直交する第2方向に所定の一定ピッチで形成され、
器具の取付対象面部を表面部とする表面部取付用の単位本体部と、器具の取付対象面部を裏面部とする裏面部取付用の単位本体部とを、前記第2方向で隣接させる状態で連結自在な連結部が備えられている器具取付用板。
【請求項2】
前記連結部は、前記単位本体部において前記第2方向の両端部位に配設され、前記位置決め用溝部は、前記単位本体部に形成された位置決め用溝部に連続する状態で、前記連結部においても第2方向に所定の一定ピッチで形成されている請求項1に記載の器具取付用板。
【請求項3】
前記連結部には、前記第2方向の端縁部に溝形成部が備えられ、前記表面部取付用の単位本体部と前記裏面部取付用の単位本体部とを前記第2方向で隣接させる状態で前記連結部にて連結させた場合に、その繋ぎ目部位に前記溝形成部により前記位置決め用溝部が形成されている請求項2に記載の器具取付用板。
【請求項4】
前記連結部は、前記表面部取付用の単位本体部と前記裏面部取付用の単位本体部とを係合させて連結させる係合式の連結部にて構成されている請求項1~3の何れか1項に記載の器具取付用板。
【請求項5】
前記単位本体部は、発泡樹脂材料を発泡させた発泡樹脂成形品にて構成されている請求項1~4の何れか1項に記載の器具取付用板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気器具等の器具を取り付けるために用いられる器具取付用板に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような器具取付用板は、電力量計等の電気器具を壁面等の取付対象箇所に取り付けるために用いられるものであり、合成樹脂製の矩形板状の本体部が備えられ、その本体部には、電気器具を取り付ける止めねじを固定するネジ螺入用凹孔が形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の器具取付用板では、ネジ螺入用凹孔が、本体部の上下方向及び左右方向に連続する状態で多数備えられており、止めネジの固定位置を多数のネジ螺入用凹孔のいずれかに位置合わせし易くしている。電気器具を取り付ける場合には、電気器具の取付孔等を貫通させた止めネジをネジ螺入用凹孔のいずれかに位置合わせし、そのネジ螺入用凹孔に止めネジを固定することで、所望の取付位置に電気器具を取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の器具取付用板では、本体部の表面や裏面に、止めネジを固定させるためのネジ螺入用凹孔を形成しているが、ネジ螺入用凹孔同士を近づけ過ぎると、ネジ螺入用凹孔の周囲の強度が弱くなる等の問題が生じることになる。それ故に、この問題を解決するための構成を新たに備えなければならず、構成の複雑化及びコストアップを招く可能性がある。
【0006】
また、このような器具取付用板は、取付対象の器具の大きさや個数、設置スペースの大きさ等の取付状況に応じて、必要な大きさ(サイズ)が異なっており、求められる大きさ(サイズ)の変更に対応することが求められている。この要望に応えるために、例えば、複数種の大きさの本体を製造しておくことが考えられるが、大きさの種類を増加させるだけ製造コストがかかることになり、コストアップに繋がることになる。
【0007】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、構成の簡素化及びコストの低減を図りながら、求められる大きさ(サイズ)の変更にも柔軟に対応することができる器具取付用板を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1特徴構成は、樹脂製板状の単位本体部が備えられ、その単位本体部には、位置決め線部を現出させるために、その位置決め線部に沿う第1方向に延びる位置決め用溝部が形成され、
前記単位本体部は、表面部と裏面部との両面部が器具の取付対象面部として備えられ、
前記位置決め用溝部は、前記単位本体部の表面部と裏面部との両面部において、前記第1方向に直交する第2方向に所定の一定ピッチで形成され、
器具の取付対象面部を表面部とする表面部取付用の単位本体部と、器具の取付対象面部を裏面部とする裏面部取付用の単位本体部とを、前記第2方向で隣接させる状態で連結自在な連結部が備えられている点にある。
【0009】
本構成によれば、位置決め用溝部は、位置決め線部を現出させるためのものであるので、例えば、その形状を凹ませただけの単純な形状としたり、溝の深さが浅い溝部とすることもできる。これにより、位置決め用溝部自体を複雑な形状としたり、強度が弱くなるような孔を設けなくてもよく、位置決め用溝部の周囲の強度が弱くなる等の問題が生じ難く、その問題を解決するための構成を新たに備えなくてもよい。
【0010】
しかも、表面部取付用の単位本体部と裏面部取付用の単位本体部とを連結自在な連結部が備えられているので、器具取付用板として求められる大きさに応じて、連結させる単位本体部の個数を変更して、器具取付用板の大きさを変更させることができる。勿論、1つの単位本体部にて器具取付用板を構成することもできることから、求められる大きさ(サイズ)の変更にも柔軟に対応することができる。
【0011】
表面部取付用の単位本体部と裏面部取付用の単位本体部とを連結部にて連結した場合には、その連結した2つの単位本体部の表面側と裏面側との両側において、位置決め用溝部が、表面部取付用の単位本体部と裏面部取付用の単位本体部とに亘って第2方向に所定の一定ピッチで存在することになる。これにより、1つの単位本体部にて器具取付用板を構成した場合だけでなく、表面部取付用の単位本体部と裏面部取付用の単位本体部とを連結部にて連結して器具取付用板を構成した場合でも、同様に、位置決め用溝部が第2方向に所定の一定ピッチで存在することになる。よって、位置決め用溝部によって現出される位置決め線部を用いて、取付対象の器具や止めネジ等の固定具の位置決めを簡易に且つ適切に行うことができるので、器具取付用板を用いた器具の取付作業を簡易に且つ適切に行うことができる。
【0012】
本発明の第2特徴構成は、前記連結部は、前記単位本体部において前記第2方向の両端部位に配設され、前記位置決め用溝部は、前記単位本体部に形成された位置決め用溝部に連続する状態で、前記連結部においても第2方向に所定の一定ピッチで形成されている点にある。
【0013】
本構成によれば、連結部は、第2方向で単位本体部の両端部位に配設されているが、その連結部には、単位本体部に形成された位置決め用溝部に連続する状態で、位置決め用溝部が形成されている。これにより、単位本体部同士を連結する連結箇所となる連結部であっても、位置決め線部を現出させることができ、その位置決め線部を用いて、取付対象の器具や止めネジ等の固定具の位置決めを簡易に且つ適切に行うことができる。
【0014】
本発明の第3特徴構成は、前記連結部には、前記第2方向の端縁部に溝形成部が備えられ、前記表面部取付用の単位本体部と前記裏面部取付用の単位本体部とを前記第2方向で隣接させる状態で前記連結部にて連結させた場合に、その繋ぎ目部位に前記溝形成部により前記位置決め用溝部が形成されている点にある。
【0015】
本構成によれば、表面部取付用の単位本体部と裏面部取付用の単位本体部とを第2方向で隣接させる状態で連結部にて連結させた場合に、その繋ぎ目部位にも溝形成部により位置決め用溝部が形成されるので、単位本体部同士の繋ぎ目部位においても、位置決め用溝部が途切れることがなく、連結した複数の単位本体部において、その全体に亘って第2方向に所定の一定ピッチで位置決め用溝部を存在させることができる。よって、繋ぎ目部位以外の部位は勿論、繋ぎ目部位であっても、止めネジ等の固定具の位置決めを適切に行うことができることから、固定具の位置決めをどの位置にて行うかを自由に選択することができ、固定具の位置決め作業の効率化を図ることができる。
【0016】
本発明の第4特徴構成は、前記連結部は、前記表面部取付用の単位本体部と前記裏面部取付用の単位本体部とを係合させて連結させる係合式の連結部にて構成されている点にある。
【0017】
本構成によれば、連結部は、単位本体部同士を係合させて連結させる係合式であるので、単位本体同士を係合させるだけで連結させることができ、その連結作業の簡素化を図ることができながら、単位本体部同士の連結を的確に行うことができる。
【0018】
本発明の第5特徴構成は、前記単位本体部は、発泡樹脂材料を発泡させた発泡樹脂成形品にて構成されている点にある。
【0019】
本発明によれば、単位本体部を発泡樹脂成型品にて構成することで、単位本体部の軽量化を図りながら、強度としても十分なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】(A)単位本体部の正面図、(B)単位本体部の背面図、(C)単位本体部の左側面図、(D)単位本体部の平面図
【
図2】(A)単位本体部の前面部側から見た斜視図、(B)単位本体部の裏面部側から見た斜視図
【
図3】2つの単位本体部を連結した状態を示す斜視図
【
図5】連結部による連結箇所の位置決め用溝部を示す斜視図
【
図6】器具取付用板に電気器具を取り付ける状態を示す分解斜視図
【
図7】器具取付用板に電気器具を取り付けた状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る器具取付用板の実施形態について図面に基づいて説明する。
この器具取付用板1は、
図7に示すように、電力量計等の電気器具11を壁や柱等の取付箇所12に取り付けるために用いられるものである。このように、電気器具11を取付箇所12に取り付ける場合には、電気器具11を取付箇所12に直接取り付けるのではなく、器具取付用板1を介して、電気器具11を取付箇所12に取り付けている。
【0022】
器具取付用板1は、
図1に示すように、樹脂製板状の単位本体部2が備えられている。単位本体部2は、矩形状に形成されており、発泡樹脂材料を押出成形して発泡させた発泡樹脂成形品にて構成されている。単位本体部2には、位置決め線部3を現出させるために、その位置決め線部3に沿う第1方向(
図1(A)及び(B)において上下方向)に延びる位置決め用溝部4が形成されている。
【0023】
図6に示すように、電気器具11を器具取付用板1に取り付ける際に、止めネジ6を用いて電気器具11を器具取付用板1に取り付けることになる。位置決め線部3は、その止めネジ6の固定位置を位置決めするために用いられている。位置決め線部3は、止めネジ6の位置決めだけでなく、例えば、電気器具11を位置決め線部3に沿うように設置させる等、電気器具11の位置決めにも位置決め線部3を用いることもできる。
【0024】
単位本体部2は、
図1及び
図2に示すように、表面部2aと裏面部2bとの両面部が同一の面状に形成されている。単位本体部2の表面部2aに電気器具11(
図7参照)を取り付けることも、単位本体部2の裏面部2bに電気器具11(
図7参照)を取り付けることもできることから、単位本体部2の表面部2aと裏面部2bとの両面部が電気器具11の取付対象面部として備えられている。
【0025】
位置決め用溝部4は、
図1(A)、(B)及び
図2に示すように、単位本体部2の表面部2aだけでなく、表面部2aと裏面部2bとの両面部において、第1方向に直交する第2方向(
図1(A)及び(B)において左右方向)に所定の一定ピッチ(例えば、5mm)で形成されている。位置決め用溝部4は、
図1(D)において下方側に拡大した図に示すように、その断面形状が表面部2aや裏面部2bを反対側に凹ませた半円形状(例えば、半径0.5mmの半円形状)に形成され、第1方向(
図1(A)及び(B)において上下方向)に沿って延びる直線状に形成されている。
【0026】
このように、位置決め用溝部4を表面部2aと裏面部2bとの両面部に形成することで、電気器具11(
図7参照)の取付対象面部を表面部2aとする表面部取付用の単位本体部21(
図3において左側の単位本体部2)として使用する場合も、電気器具11(
図7参照)の取付対象面部を裏面部2bとする裏面部取付用の単位本体部22(
図3において右側の単位本体部2)として使用する場合も、第2方向に所定の一定ピッチで位置決め用溝部4が存在することになる。よって、表面部取付用の単位本体部21(
図3において左側の単位本体部2)として使用する場合も、裏面部取付用の単位本体部22(
図3において右側の単位本体部2)として使用する場合も、両方の場合において、位置決め用溝部4にて現出される位置決め線部3を用いて、止めネジ6の固定位置の位置決めを行うことができる。
【0027】
単位本体部2には、
図3に示すように、単位本体部2同士を第2方向(
図3において左右方向)で隣接させる状態で連結自在な連結部5が備えられている。単位本体部2同士を連結させる場合には、表面部取付用の単位本体部21(
図3において左側の単位本体部2)と裏面部取付用の単位本体部22(
図3において右側の単位本体部2)とを、連結部5にて連結している。
【0028】
連結部5は、
図1に示すように、単位本体部2の第2方向(
図1(A)、(B)及び(D)において左右方向)の両端部位において、第1方向(
図1(A)及び(B)の上下方向)の全長に亘る状態で配設されている。連結部5は、
図1(D)及び
図4に示すように、凹部51と凸部52とが単位本体部2の厚み方向(表裏方向)に隣接して並ぶ状態で備えられ、凹部51が単位本体部2の表面部2a側に配設され、凸部52が単位本体部2の裏面部2b側に配設されている。凹部51と凸部52とを繋ぐ繋ぎ部53は、第2方向に対して傾斜する傾斜状に形成されている。ちなみに、
図4は、
図3において連結部5を拡大して示したものである。
【0029】
図3及び
図4に示すように、表面部取付用の単位本体部21と裏面部取付用の単位本体部22とを連結する場合には、表面部取付用の単位本体部21に対して、裏面部取付用の単位本体部22が表裏反対となるので、連結部5における凹部51と凸部52との配設位置が、裏面部取付用の単位本体部22と裏面部取付用の単位本体部22との間で表裏反対側となる。これにより、表面部取付用の単位本体部21側の連結部5の凹部51と裏面部取付用の単位本体部22側の連結部5の凸部52とを係合させるとともに、表面部取付用の単位本体部21側の連結部5の凸部52と裏面部取付用の単位本体部22側の連結部5の凹部51とを係合させて、表面部取付用の単位本体部21と裏面部取付用の単位本体部22とを連結している。このように、連結部5は、係合式の連結部5にて構成されている。
【0030】
ちなみに、連結部5にて表面部取付用の単位本体部21と裏面部取付用の単位本体部22とを連結する場合に、連結箇所を釘打ちしたり、連結箇所をねじ止めしたり、連結箇所に接着剤を予め塗布しておく等により、表面部取付用の単位本体部21と裏面部取付用の単位本体部22とを連結部5にて連結した状態に固定することができる。
【0031】
図3では、2つの単位本体部2を連結する場合を示しているが、連結部5は、単位本体部2の第2方向の両端部位に配設されていることから、例えば、1つの表面部取付用の単位本体部21の両側に裏面部取付用の単位本体部22を連結して、3つの単位本体部2を連結することもできる。このように、器具取付用板1として求められる大きさに応じて、連結部5にて連結させる単位本体部2の個数を変更することで、器具取付用板1の大きさを変更させることができ、求められる大きさ(サイズ)の変更にも柔軟に対応することができる。
【0032】
位置決め用溝部4は、
図3及び
図5に示すように、単位本体部2に形成された位置決め用溝部4に連続する状態で、連結部5においても第2方向に所定の一定ピッチで形成されている。
図5は、
図3において連結部5による連結箇所を拡大して示したものである。連結部5の凸部52には、第2方向に所定の一定ピッチで位置決め用溝部4が形成されている。これにより、電気器具11(
図6参照)を器具取付用板1に取り付けるときの止めネジ6の固定位置が連結部5に相当する位置となっても、連結部5に形成された位置決め用溝部4を用いて、その止めネジ6の固定位置の位置決めを行うことができる。
【0033】
連結部5には、
図4の一部を拡大して平面図に示すように、第2方向(
図4において左右方向)の端縁部に溝形成部7が備えられている。表面部取付用の単位本体部21と裏面部取付用の単位本体部22とを第2方向で隣接させる状態で連結部5にて連結させた場合に、その繋ぎ目部位8に溝形成部7により位置決め用溝部4が形成されている。溝形成部7は、単位本体部2における第2方向の端縁部を傾斜状に切り欠いた切欠部として備えられている。表面部取付用の単位本体部21と裏面部取付用の単位本体部22とを連結した場合には、表面部取付用の単位本体部21の溝形成部7と裏面部取付用の単位本体部22の溝形成部7とにより、V字状の位置決め用溝部4が形成されている。
【0034】
このようにして、位置決め用溝部4は、連結部5においても第2方向に所定の一定ピッチで形成され、単位本体部2同士の繋ぎ目部位8についても形成されているので、連結部5や、単位本体部同士の繋ぎ目部位8においても、位置決め用溝部4が途切れることがなく、連結した複数の単位本体部2において、その全体に亘って第2方向に所定の一定ピッチで位置決め用溝部4を存在させることができる。よって、止めネジ6の位置決めをどの位置にて行うかを自由に選択することができ、止めネジ6の位置決め作業の効率化を図ることができる。
【0035】
電気器具11を器具取付用板1に取り付ける場合には、
図6に示すように、止めネジ6を用いて、器具取付用板1の所望位置に電気器具11を取り付けている。
図6では、表面部取付用の単位本体部21と裏面部取付用の単位本体部22との2つの単位本体部2にて器具取付用板1が構成されている。また、電気器具11として電力量計を取り付ける場合を示しているが、あくまで一例であり、その他各種の電気器具11を取り付けることができる。
【0036】
図6に示すものでは、電気器具11としての電力量計は、例えば、取付板11aとその取付板11aの前方側を覆う収納カバー11bとが備えられ、収納カバー11bの内部に電力量計が備えられている。止めネジ6を取付板11aの取付用孔部11cを貫通させて、位置決め線部3を用いて器具取付用板1における固定位置の位置決めを行い、その位置決めした固定位置に止めネジ6を固定している。器具取付用板1に取り付けた取付板11aに対して、その内部に電力量計を収納させる状態で収納カバー11bを取り付けている。このようにして、電気器具11を、器具取付用板1を介して取付箇所12に取り付けている。
【0037】
取付箇所12に対する取り付け方については、例えば、先に、器具取付用板1を取付箇所12に取り付けたのち、その器具取付用板1に対して電気器具11を取り付けることができる。逆に、先に、器具取付用板1に対して電気器具11を取り付けたのち、その器具取付用板1を電気器具11と一緒に取付箇所12に取り付けることもできる。
【0038】
ここで、取付箇所12について、例えば、マンション等の集合住宅において取り付ける場合には、各種の配管を配設するパイプシャフト内を取付箇所12としたり、住居の天井井裏空間を取付箇所12としたり、各種の計器類を設置する計器室内を取付箇所12とすることができる。各種の工事で電気器具11の使用が求められることから、工事の仮設現場において、支柱や壁面部等の仮設材を取付箇所12とすることもできる。コインパーキング等の屋外においても、支柱や壁面部を取付箇所12とすることができる。このように、取付箇所12については、各種の箇所を適用することができる。
【0039】
電気器具11についても、
図6及び
図7に示す電力量計に限らず、高圧計器類やその他の計器類等、スイッチボックスやヒューズボックス等、各種の電気器具を適用することができる。このとき、取り付ける電気器具11の大きさや数等に応じて、器具取付用板1を構成する単位本体部2の個数を変更させることができる。
【0040】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、夫々単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0041】
(1)上記実施形態では、連結部5を係合式の連結部にて構成しているが、係合式に限るものではなく、端部部位同士を突き合わせて連結する形式や嵌合式等、各種の形式のものを採用することができる。
【0042】
(2)上記実施形態では、単位本体部2が、発泡樹脂材料を発泡させた発泡樹脂成形品にて構成されているが、他の製法等にて製造された樹脂製品とする等、発泡樹脂成型品に限るものではない。
【符号の説明】
【0043】
1 器具取付用板
2 単位本体部
2a 単位本体部の表面部
2b 単位本体部の裏面部
3 位置決め線部
4 位置決め用溝部
5 連結部
7 溝形成部
8 繋ぎ目部位
11 電気器具
21 表面部取付用の単位本体部
22 裏面部取付用の単位本体部