IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ TOWA株式会社の特許一覧

特開2023-76250検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置
<>
  • 特開-検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置 図1
  • 特開-検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置 図2
  • 特開-検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置 図3
  • 特開-検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置 図4
  • 特開-検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置 図5
  • 特開-検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置 図6
  • 特開-検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置 図7
  • 特開-検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置 図8
  • 特開-検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置 図9
  • 特開-検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置 図10
  • 特開-検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置 図11
  • 特開-検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置 図12
  • 特開-検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076250
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/88 20060101AFI20230525BHJP
   H01L 21/301 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
G01N21/88 Z
H01L21/78 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189566
(22)【出願日】2021-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 賢司
(74)【代理人】
【識別番号】100170748
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 竜太郎
【テーマコード(参考)】
2G051
5F063
【Fターム(参考)】
2G051AA61
2G051AA73
2G051AB02
2G051BA01
2G051BC01
2G051CA04
2G051CB01
2G051EA14
2G051EB01
2G051EC02
5F063AA28
5F063AA48
5F063BA17
5F063BA48
5F063DD02
5F063DD03
5F063DD06
5F063DE01
5F063DE11
5F063DE16
5F063DE19
5F063DE23
5F063DE33
5F063FF01
5F063FF22
5F063FF33
(57)【要約】
【課題】検査対象物の検査時に検査対象物へ向けて照射される光の照射状態を自動的に調整可能な検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置を提供する。
【解決手段】検査システムは、検査対象物の撮像画像に基づいて検査対象物の検査を行なう。検査システムは、照明部と、カメラと、制御部と、記憶部とを備える。照明部は、光の照射状態を変更可能であり、検査対象物に光を照射する。カメラは、検査対象物に光が照射された状態で撮像画像を生成する。制御部は、各々が異なる照射状態において生成された複数の撮像画像を生成するように照明部及びカメラの各々を制御する。記憶部は、基準ヒストグラムを記憶する。制御部は、複数の撮像画像の各々に基づいて生成された各ヒストグラムと基準ヒストグラムとの比較を行ない、比較の結果に基づいて検査において用いられる照射状態を決定する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物の撮像画像に基づいて前記検査対象物の検査を行なう検査システムであって、
光の照射状態を変更可能であり、前記検査対象物に光を照射する照明部と、
前記検査対象物に光が照射された状態で前記撮像画像を生成するカメラと、
各々が異なる前記照射状態において生成された複数の撮像画像を生成するように前記照明部及び前記カメラの各々を制御する制御部と、
基準ヒストグラムを記憶する記憶部とを備え、
前記制御部は、前記複数の撮像画像の各々に基づいて生成された各ヒストグラムと前記基準ヒストグラムとの比較を行ない、前記比較の結果に基づいて前記検査において用いられる前記照射状態を決定する、検査システム。
【請求項2】
前記照明部は、一又は複数の照明を含む複数のセグメントで構成されており、
前記複数のセグメントの各々は、個別に調光可能であり、
前記照射状態は、前記複数のセグメントの各々を調光することによって変更される、請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数の撮像画像の各々に基づいて生成された各ヒストグラムと前記基準ヒストグラムとのずれ量を算出し、前記ずれ量が最小となったヒストグラムに対応する前記撮像画像が生成されたときの前記照射状態を前記検査に用いられる前記照射状態に決定する、請求項1又は請求項2に記載の検査システム。
【請求項4】
前記ずれ量は、各階調におけるヒストグラムの値の差の絶対値の和である、請求項3に記載の検査システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記検査対象物の撮像画像に基づいてヒストグラムを生成する度に、生成されたヒストグラムと前記基準ヒストグラムとの前記ずれ量を算出し、算出された前記ずれ量が前記記憶部に記憶されている前記ずれ量よりも小さい場合に、算出された前記ずれ量と前記生成されたヒストグラムに対応する前記撮像画像が生成されたときの前記照射状態とを前記記憶部に記憶させる、請求項3又は請求項4に記載の検査システム。
【請求項6】
前記制御部は、
第1範囲において第1単位で前記照射状態を変更して前記複数の撮像画像を生成するように前記照明部及び前記カメラの各々を制御し、
前記第1単位で前記照射状態を変更して生成された前記複数の撮像画像の各々に基づいて生成された各ヒストグラムと前記基準ヒストグラムとの第1比較を行ない、前記第1比較の結果に基づいて前記第1範囲に含まれる第2範囲を決定し、
前記第2範囲において前記第1単位よりも小さい第2単位で前記照射状態を変更して前記複数の撮像画像を生成するように前記照明部及び前記カメラの各々を制御し、
前記第2単位で前記照射状態を変更して生成された前記複数の撮像画像の各々に基づいて生成された各ヒストグラムと前記基準ヒストグラムとの第2比較を行ない、前記第2比較の結果に基づいて前記検査において用いられる前記照射状態を決定する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項7】
前記照明部は、ドーム状の照明によって構成される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の検査システムを用いた、電子部品の製造方法であって、
前記検査において用いられる前記照射状態を決定するステップと、
樹脂封止済基板を切断機構によって切断することにより複数の電子部品を製造するステップとを含み、
前記複数の電子部品の各々は、前記検査対象物であり、
前記電子部品の製造方法は、
決定された前記照射状態で前記検査対象物に光が照射された状態で前記撮像画像を生成し、前記検査を行なうステップをさらに含む、電子部品の製造方法。
【請求項9】
樹脂封止済基板を切断する切断機構と、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の検査システムとを備える、切断装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2021-115668号公報(特許文献1)は、カメラユニットを備える加工装置を開示する。カメラユニットは、被加工物へ光を照射する照明器を含む。この加工装置においては、光が被加工物へ照射された状態で被加工物の撮像が行なわれる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-115668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されているような加工装置において、例えば、照明器の調整が手動で行なわれる場合がある。このような場合には、被加工物へ照射される光の明るさ等(以下、「光の照射状態」とも称する。)が操作者の判断に従って決定される。しかしながら、この判断は必ずしも容易ではない。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、検査対象物の検査時に検査対象物へ向けて照射される光の照射状態を自動的に調整可能な検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある局面に従う検査システムは、検査対象物の撮像画像に基づいて検査対象物の検査を行なう。検査システムは、照明部と、カメラと、制御部と、記憶部とを備える。照明部は、光の照射状態を変更可能であり、検査対象物に光を照射する。カメラは、検査対象物に光が照射された状態で撮像画像を生成する。制御部は、各々が異なる照射状態において生成された複数の撮像画像を生成するように照明部及びカメラの各々を制御する。記憶部は、基準ヒストグラムを記憶する。制御部は、複数の撮像画像の各々に基づいて生成された各ヒストグラムと基準ヒストグラムとの比較を行ない、比較の結果に基づいて検査において用いられる照射状態を決定する。
【0007】
また、本発明の他の局面に従う制御方法は、上記検査システムの制御方法である。制御方法は、各々が異なる照射状態において生成された複数の撮像画像を生成するように照明部及びカメラの各々を制御するステップと、複数の撮像画像の各々に基づいて生成された各ヒストグラムと基準ヒストグラムとの比較を行ない、比較の結果に基づいて検査において用いられる照射状態を決定するステップとを含む。
【0008】
また、本発明の他の局面に従う電子部品の製造方法は、上記検査システムを用いた、電子部品の製造方法である。電子部品の製造方法は、上記検査において用いられる照射状態を決定するステップと、樹脂封止済基板を切断機構によって切断することにより複数の電子部品を製造するステップとを含む。複数の電子部品の各々は、検査対象物である。電子部品の製造方法は、決定された照射状態で検査対象物に光が照射された状態で撮像画像を生成し、上記検査を行なうステップをさらに含む。
【0009】
また、本発明の他の局面に従う切断装置は、切断機構と、上記検査システムとを備える。切断機構は、樹脂封止済基板を切断する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、検査対象物の検査時に検査対象物へ向けて照射される光の照射状態を自動的に調整可能な検査システム、制御方法、電子部品の製造方法及び切断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】切断装置を模式的に示す平面図である。
図2】スピンドル部を模式的に示す側面図である。
図3】模式的に示された照明部の断面を含む図である。
図4】コンピュータのハードウェア構成を模式的に示す図である。
図5】好ましい撮像画像の一例を示す図である。
図6図5に示される撮像画像のヒストグラムを示す図である。
図7】好ましくない撮像画像の一例を示す図である。
図8図7に示される撮像画像のヒストグラムを示す図である。
図9】基準ヒストグラムを生成する手順を示すフローチャートである。
図10】照明部における光の照射状態の自動調整手順を示すフローチャートである。
図11図10のステップS200において実行される処理を示すフローチャートである。
図12図10のステップS210において実行される処理を示すフローチャートである。
図13】変形例における電子部品の撮像画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施の形態」とも称する。)について、図面を用いて詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図面は、理解の容易のために、適宜対象を省略又は誇張して模式的に描かれている。
【0013】
[1.構成]
<1-1.切断装置の全体構成>
図1は、本実施の形態に従う切断装置1を模式的に示す平面図である。切断装置1は、パッケージ基板(切断対象物)を切断することによって、該パッケージ基板を複数の電子部品(パッケージ部品)に個片化するように構成されている。パッケージ基板においては、半導体チップが装着された基板又はリードフレームが樹脂封止されている。
【0014】
パッケージ基板の一例としては、BGA(Ball Grid Array)パッケージ基板、LGA(Land Grid Array)パッケージ基板、CSP(Chip Size Package)パッケージ基板、LED(Light Emitting Diode)パッケージ基板、QFN(Quad Flat No-leaded)パッケージ基板が挙げられる。
【0015】
また、切断装置1は、個片化された複数の電子部品の各々を検査するように構成されている。切断装置1においては、各電子部品の画像が撮像され、該画像に基づいて各電子部品の検査が行なわれる。該検査を通じて検査データが生成され、各電子部品は「良品」又は「不良品」に分類される。
【0016】
この例においては、切断対象物としてパッケージ基板P1が用いられ、切断装置1によってパッケージ基板P1が複数の電子部品S1に個片化される。以下では、パッケージ基板P1の両面のうち、樹脂封止された面をモールド面と称し、モールド面と反対の面をボール/リード面と称する。
【0017】
図1に示されるように、切断装置1は、構成要素として、切断モジュールA1と、検査・収納モジュールB1とを含んでいる。切断モジュールA1は、パッケージ基板P1を切断することによって複数の電子部品S1を製造するように構成されている。検査・収納モジュールB1は、製造された複数の電子部品S1の各々を検査し、その後、電子部品S1をトレイに収納するように構成されている。切断装置1において、各構成要素は、他の構成要素に対して着脱可能かつ交換可能である。
【0018】
切断モジュールA1は、主として、基板供給部3と、位置決め部4と、切断テーブル5と、スピンドル部6と、搬送部7とを含んでいる。
【0019】
基板供給部3は、複数のパッケージ基板P1を収容するマガジンM1からパッケージ基板P1を1つずつ押し出すことによって、パッケージ基板P1を1つずつ位置決め部4へ供給する。このとき、パッケージ基板P1は、ボール/リード面を上に向けて配置されている。
【0020】
位置決め部4は、基板供給部3から押し出されたパッケージ基板P1をレール部4a上に配置することによって、パッケージ基板P1の位置決めを行う。その後、位置決め部4は、位置決めされたパッケージ基板P1を切断テーブル5へ搬送する。
【0021】
切断テーブル5は、切断されるパッケージ基板Pを保持する。この例においては、2個の切断テーブル5を有するツインカットテーブル構成の切断装置1が例示されている。切断テーブル5は、保持部材5aと、回転機構5bと、移動機構5cとを含んでいる。保持部材5aは、位置決め部4によって搬送されたパッケージ基板P1を下方から吸着することによって、パッケージ基板P1を保持する。回転機構5bは、保持部材5aを図のθ1方向に回転させることが可能である。移動機構5cは、保持部材5aを図のY軸に沿って移動させることが可能である。
【0022】
スピンドル部6は、パッケージ基板P1を切断することによって、パッケージ基板P1を複数の電子部品S1に個片化する。この例においては、2個のスピンドル部6を有するツインスピンドル構成の切断装置1が例示されている。スピンドル部6は、図のX軸及びZ軸に沿って移動可能である。なお、切断装置1は、一個のスピンドル部6を有するシングルスピンドル構成としてもよい。
【0023】
図2は、スピンドル部6を模式的に示す側面図である。図2に示されるように、スピンドル部6は、ブレード6aと、回転軸6cと、第1フランジ6dと、第2フランジ6eと、締結部材6fとを含んでいる。
【0024】
ブレード6aは、高速回転することによって、パッケージ基板P1を切断し、パッケージ基板P1を複数の電子部品S1に個片化する。ブレード6aは、一方のフランジ(第1フランジ)6d及び他方のフランジ(第2フランジ)6eにより挟持された状態で、回転軸6cに装着される。第1フランジ6d及び第2フランジ6eは、ナット等の締結部材6fによって回転軸6cに固定される。第1フランジ6dは奥フランジとも称され、第2フランジ6eは外フランジとも称される。
【0025】
スピンドル部6には、切削水用ノズル、冷却水用ノズル及び洗浄水用ノズル(いずれも不図示)等が設けられる。切削水用ノズルは、高速回転するブレード6aに向かって切削水を噴射する。冷却水用ノズルは、冷却水を噴射する。洗浄水用ノズルは、切断屑等を洗浄する洗浄水を噴射する。
【0026】
再び図1を参照して、切断テーブル5がパッケージ基板P1を吸着した後、第1位置確認カメラ5dによってパッケージ基板P1が撮像され、パッケージ基板P1の位置が確認される。第1位置確認カメラ5dを用いた確認は、例えば、パッケージ基板P1上に設けられたマークの位置の確認である。該マークは、例えば、パッケージ基板P1の切断位置を示す。
【0027】
その後、切断テーブル5は、図のY軸に沿いスピンドル部6に向かって移動する。切断テーブル5がスピンドル部6の下方に移動した後、切断テーブル5とスピンドル部6とを相対的に移動させることによって、パッケージ基板P1が切断される。その後、必要に応じてスピンドル部6に備えられている第2位置確認カメラ6bによってパッケージ基板P1が撮像され、パッケージ基板P1の位置等が確認される。第2位置確認カメラ6bを用いた確認は、例えば、パッケージ基板P1の切断位置及び切断幅の確認である。
【0028】
切断テーブル5は、パッケージ基板P1の切断が完了した後、個片化された複数の電子部品S1を吸着した状態で、図のY軸に沿ってスピンドル部6から離れる方向に移動する。この移動過程において、第1クリーナ5eによって、電子部品S1の上面(ボール/リード面)の洗浄及び乾燥が行なわれる。
【0029】
搬送部7は、切断テーブル5に保持された電子部品S1を上方から吸着し、電子部品S1を検査・収納モジュールB1の検査テーブル11へ搬送する。この搬送過程において、第2クリーナ7aによって、電子部品S1の下面(モールド面)の洗浄及び乾燥が行なわれる。
【0030】
検査・収納モジュールB1は、主として、検査テーブル11と、第1光学検査カメラ12と、第2光学検査カメラ13と、照明部16,17と、配置部14と、抽出部15とを含んでいる。なお、第1光学検査カメラ12は、切断モジュールA1に設けられていてもよい。
【0031】
検査テーブル11は、電子部品S1の光学的な検査のために、電子部品S1を保持する。検査テーブル11は、図のX軸に沿って移動可能である。また、検査テーブル11は、上下反転することができる。検査テーブル11には、電子部品S1を吸着することによって電子部品S1を保持する保持部材が設けられている。また、検査テーブル11において、電子部品S1を保持する面は、例えば、黒色のラバーで構成されている。なお、ラバーの色は、黒色である必要はなく、例えば、白色等であってもよい。
【0032】
第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13は、電子部品S1の両面(ボール/リード面及びモールド面)を撮像する。第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13によって生成された撮像画像(画像データ)に基づいて、電子部品S1の各種検査が行なわれる。第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13の各々は、検査テーブル11の近傍において、上方を撮像するように配置されている。第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13の各々によって生成される撮像画像は、例えば、グレースケール(256階調)の画像である。
【0033】
第1光学検査カメラ12は、搬送部7によって検査テーブル11へ搬送される電子部品S1のモールド面を撮像する。その後、搬送部7は、検査テーブル11の保持部材上に電子部品S1を載置する。保持部材が電子部品S1を吸着した後、検査テーブル11は上下反転する。検査テーブル11は第2光学検査カメラ13の上方へ移動し、電子部品S1のボール/リード面が第2光学検査カメラ13によって撮像される。
【0034】
第1光学検査カメラ12の上方には照明部16が設けられ、第2光学検査カメラ13の上方には照明部17が設けられている。照明部16,17の各々は、例えば、いわゆる同軸照明で構成される。照明部16は、第1光学検査カメラ12による検査時に、検査テーブル11上の電子部品S1に光を照射するように構成されている。照明部17は、第2光学検査カメラ13による検査時に、検査テーブル11上の電子部品S1に光を照射するように構成されている。照明部16,17は、例えば、同一の構成を有するため、以下では代表的に照明部17の構成について説明する。
【0035】
図3は、模式的に示された照明部17の断面を含む図である。図3に示されるように、第2光学検査カメラ13による検査においては、照明部17によって発せられる光が電子部品S1に照射される。電子部品S1に光が照射された状態で、第2光学検査カメラ13によって電子部品S1の撮像画像が生成される。この撮像画像に基づいて、電子部品S1の検査が行なわれる。
【0036】
照明部17は、ドーム状の照明で構成されており、ドーム17aと、複数のLED17bとを含んでいる。なお、ドーム状の照明は、いわゆるドーム照明で構成されてもよいが、必ずしもドーム照明で構成される必要はなく、ドーム状(傘状)の部材と、該部材内に配置された複数の発光部材(例えば、LED)とを含んでいればよい。ドーム17aはドーム形状を有し、平面視におけるドーム17aの形状は円形状である。また、ドーム17aの内側の面には、複数のLED17bが配置されている。照明部17においては、ドーム17aの径方向の内側から外側に向かって複数のセグメント(Ch01~Ch08)が形成されている。複数のセグメントの各々においては、ドーム17aの周方向に所定間隔おきで複数のLED17bが配置されている。
【0037】
照明部17は、いわゆるマルチチャンネル照明である。照明部17においては、各セグメントの調光を個別に行なうことができる。すなわち、照明部17においては、照度(光の明るさ)をセグメント毎に調整することができる。例えば、各セグメントにおいては、0~100の範囲で照度レベルが調整可能である。この場合には、例えば、照度レベルが100に近づくほど照度が高くなり、照度レベルが0に近づくほど照度が低くなる。例えば、各セグメントにおける照度が調整されることによって、照明部17における光の照射状態(照明条件)が調整される。例えば、各セグメントにおける照度の調整は、操作者によって手動で行なわれてもよいし、自動的に行なわれてもよい。各セグメントにおける照度の自動調整については、後程詳しく説明する。
【0038】
再び図1を参照して、配置部14には、検査済みの電子部品S1が配置される。配置部14は、図のY軸に沿って移動可能である。検査テーブル11は、検査済みの電子部品S1を配置部14に配置する。
【0039】
抽出部15は、配置部14に配置された電子部品S1をトレイに移送する。電子部品S1は、第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13を用いた検査の結果に基づいて、「良品」又は「不良品」に分別される。抽出部15は、分別の結果に基づいて、各電子部品S1を良品用トレイ15a又は不良品用トレイ15bに移送する。すなわち、良品は良品用トレイ15aに収納され、不良品は不良品用トレイ15bに収納される。良品用トレイ15a及び不良品用トレイ15bの各々は、電子部品S1で満たされると、新たなトレイに取り換えられる。
【0040】
切断装置1は、さらにコンピュータ50とモニタ20とを含んでいる。モニタ20は、画像を表示するように構成されている。モニタ20は、例えば、液晶モニタ又は有機EL(Electro Luminescence)モニタ等の表示デバイスで構成される。
【0041】
コンピュータ50は、例えば、切断モジュールA1及び検査・収納モジュールB1の各部の動作を制御する。コンピュータ50によって、例えば、基板供給部3、位置決め部4、切断テーブル5、スピンドル部6、搬送部7、検査テーブル11、第1光学検査カメラ12、第2光学検査カメラ13、照明部16,17、配置部14、抽出部15及びモニタ20の動作が制御される。
【0042】
また、コンピュータ50は、例えば、第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13によって生成された画像データに基づいて、電子部品S1の各種検査を行なう。次に、コンピュータ50について詳細に説明する。
【0043】
<1-2.コンピュータのハードウェア構成>
図4は、コンピュータ50のハードウェア構成を模式的に示す図である。図4に示されるように、コンピュータ50は、制御部70と、入出力I/F(interface)90と、受付部95と、記憶部80とを含み、各構成は、バスを介して電気的に接続されている。
【0044】
制御部70は、CPU(Central Processing Unit)72、RAM(Random Access Memory)74及びROM(Read Only Memory)76等を含んでいる。制御部70は、情報処理に応じて、コンピュータ50内の各構成要素及び切断装置1内の各構成要素を制御するように構成されている。
【0045】
入出力I/F90は、信号線を介して、切断装置1に含まれる各構成要素と通信するように構成されている。入出力I/F90は、コンピュータ50から切断装置1内の各構成要素へのデータの送信、切断装置1内の各構成要素からコンピュータ50へ送信されるデータの受信に用いられる。受付部95は、ユーザからの指示を受け付けるように構成されている。受付部95は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス及びマイクの一部又は全部で構成される。
【0046】
記憶部80は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部80は、例えば、制御プログラム81を記憶するように構成されている。制御プログラム81が制御部70によって実行されることにより、切断装置1における各種動作が実現される。制御部70が制御プログラム81を実行する場合に、制御プログラム81は、RAM74に展開される。そして、制御部70は、RAM74に展開された制御プログラム81をCPU72によって解釈及び実行することにより各構成要素を制御する。
【0047】
[2.光の照射状態の自動調整]
上述のように、電子部品S1の検査は、例えば、第1光学検査カメラ12によって生成された撮像画像、及び、第2光学検査カメラ13によって生成された撮像画像に基づいて行なわれる。したがって、電子部品S1の検査の品質は、各撮像画像の品質の影響を受ける。各撮像画像の品質は、電子部品S1の撮像時に照明部16,17から電子部品S1へ向けて発せられる光の照射状態の影響を受ける。照明部16,17については同様のことが言えるため、以下では照明部17に着目して説明する。
【0048】
一例として、電子部品S1がBGAである場合を考える。例えば、電子部品S1のボール/リード面の検査は、第2光学検査カメラ13によって電子部品S1のボール/リード面を撮像することにより行なわれる。この場合には、パッケージ基板P1を切断することによって個片化された複数の電子部品S1が第2光学検査カメラ13によって撮像される。したがって、撮像画像には、複数の電子部品S1と、隣接する電子部品S1間の境界部分に位置するラバー(検査テーブル11)とが映る。
【0049】
図5は、好ましい撮像画像の一例を示す図である。図5に示されるように、撮像画像IM1は、複数の電子部品部100と、各電子部品部100上に位置する複数の半田ボール部120と、隣接する電子部品部100間に位置する黒溝部110とを含んでいる。黒溝部110は、検査テーブル11上のラバーである。
【0050】
撮像画像IM1は、(1)電子部品部100と黒溝部110とが明確なコントラストを示し、(2)画像全体が明るすぎないという特徴を有する。照明部17から電子部品S1へ向けて発せられる光の照射状態が適切である場合に、このような好ましい撮像画像が生成される。このような好ましい撮像画像に基づいて行なわれる検査の品質は高い。
【0051】
図6は、図5に示される撮像画像のヒストグラムを示す図である。図6を参照して、横軸は階調を示し、縦軸は画素数を示す。ヒストグラムHG1は、成分C1,C2,C3を含んでいる。成分C1は電子部品部100(図5)に対応しており、成分C2は黒溝部110に対応している。成分C3は、半田ボール部120に対応している。ヒストグラムHG1においては、成分C1と成分C2とが明確に分離されている。また、最も画素数が多い成分C1のピークが階調の中央付近に生じている。好ましい撮像画像に対応するヒストグラムは、このような特徴を有している。
【0052】
図7は、好ましくない撮像画像の一例を示す図である。図7に示されるように、撮像画像IM2は、複数の電子部品部200と、各電子部品部200上に位置する複数の半田ボール部220と、隣接する電子部品部200間に位置する黒溝部210とを含んでいる。撮像画像IM2においては、電子部品部200と黒溝部210とが明確なコントラストを示していない。照明部17から電子部品S1へ向けて発せられる光の照射状態が適切でない場合に、このような好ましくない撮像画像が生成される場合がある。このような好ましくない撮像画像に基づいて行なわれる検査の品質は低い。
【0053】
図8は、図7に示される撮像画像のヒストグラムを示す図である。図8を参照して、横軸は階調を示し、縦軸は画素数を示す。ヒストグラムHG2は、成分C4,C5,C6を含んでいる。成分C4は電子部品部200(図7)に対応しており、成分C5は黒溝部210に対応している。成分C6は、半田ボール部220に対応している。ヒストグラムHG2においては、成分C4と成分C5とが明確に分離されておらず、成分C4と成分C5とが混ざっている。好ましくない撮像画像の一例に対応するヒストグラムは、このような特徴を有している。
【0054】
このように、照明部17から電子部品S1へ向けて発せられる光の照射状態が適切か否かによって、第2光学検査カメラ13によって生成される撮像画像の品質に影響が生じ、結果的に、電子部品S1の検査の品質に影響が生じる。仮に照明部17の各セグメントの照度の調整が手動でしか行なえないとする。このような場合には、照明部17における光の照射状態は、操作者の判断に従って決定される。しかしながら、この判断は必ずしも容易ではない。そのため、照明部17における光の照射状態が不適切なものとなり低品質な検査が行なわれるといった問題、及び、照明部17の各セグメントの照度の調整に長時間を要するといった問題の少なくとも一部が生じ得る。
【0055】
本実施の形態に従う切断装置1において、コンピュータ50は、照明部17における光の照射状態を自動的に適切な状態に調整することができる。すなわち、コンピュータ50は、照明部17における各セグメントの照度レベルを自動的に適切な値に調整することができる。これにより、上記問題が発生する可能性を低減することができる。すなわち、本実施の形態に従う切断装置1によれば、照明部17における各セグメントの照度を操作者の熟練度等に左右されずに適切な値に調整することができ、高品質な検査を実現することができる。
【0056】
このような機能を実現するために、コンピュータ50の記憶部80には、理想的な撮像画像のヒストグラム(以下、「基準ヒストグラム」とも称する。)を示す情報が予め記憶されている。基準ヒストグラムは、基準となる撮像画像に基づいて生成されたヒストグラムである。基準ヒストグラムは、例えば、理想的な撮像画像に基づいて生成される。理想的な撮像画像の一例は、検査対象物である電子部品S1を含む画像であり、図5に示されるような(1)電子部品部100と黒溝部110とが明確なコントラストを示し、(2)画像全体が明るすぎないという特徴を有する撮像画像である。
【0057】
図9は、基準ヒストグラムを生成する手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される各工程は、例えば、切断装置1の製造途中(記憶部80に基準ヒストグラムが記憶されていない状態)において、作業者によって行なわれる。このフローチャートに示される工程においては、照明部17の各セグメントの照度レベルの組合せパターンを変更しながら複数の撮像画像が生成され、最も理想的な撮像画像に基づいて基準ヒストグラムが生成される。生成された基準ヒストグラムが記憶部80に記憶される。以下、詳細に説明する。
【0058】
図9を参照して、作業者は、照明部17の各セグメントの照度レベルを調整する(ステップS100)。照明部17から電子部品S1へ光が照射された状態で第2光学検査カメラ13によって電子部品S1が撮像されるように作業者は切断装置1を操作する(ステップS110)。作業者は、第2光学検査カメラ13によって生成された撮像画像が理想的な撮像画像か否かを過去の経験に基づいて判断する(ステップS120)。
【0059】
第2光学検査カメラ13によって生成された撮像画像が理想的な撮像画像ではないと判断されると(ステップS120においてNO)、作業者は、照明部17の各セグメントの照度レベルの組合せパターンを異なるパターンに変更する(ステップS100)。一方、第2光学検査カメラ13によって生成された撮像画像が理想的な撮像画像であると判断されると(ステップS120においてYES)、その理想的な撮像画像に基づいて基準ヒストグラムが生成されるように作業者は切断装置1を操作する(ステップS130)。
【0060】
なお、撮像画像に基づいてヒストグラムを生成する方法としては、公知の種々の方法を用いることができる。基準ヒストグラムは、例えば、理想的な撮像画像のヒストグラムを修正することによって生成されてもよい。例えば、理想的な撮像画像のヒストグラムを抽象化することによって、理想的な撮像画像のヒストグラムの修正が行なわれてもよい。
【0061】
また、検査対象物のピークでの階調の値が、過去の検査結果から予め分かっている場合には、別途撮像を行うことなく、作業者の経験に基づいて理想的なヒストグラムを作成してもよい。
【0062】
そして、生成された基準ヒストグラムが記憶部80に記憶されるように作業者は切断装置1を操作する(ステップS140)。切断装置1においては、理想的な撮像画像に基づいて生成された基準ヒストグラムを用いることによって、照明部17における光の照射状態の自動調整が行なわれる。以下、照明部17における光の照射状態の自動調整の手順について詳細に説明する。
【0063】
[3.動作]
上述のように、照明部17の各セグメントにおいては、例えば、0~100の範囲で照度レベルが調整可能である。例えば、パッケージ基板P1(封止済基板)を切断することにより個片化された電子部品S1の状態の検査においては、電子部品S1の表面(検査面)に垂直に近い方向から光を照射することが好ましく、本実施の形態では、照明部17の複数のセグメント(Ch01~Ch08)のうちCh01~Ch03のみが用いられる。すなわち、Ch04~Ch08の照度レベルは0に設定される。本実施の形態に従う切断装置1においては、Ch01~Ch03の各々の照度レベルの組合せとして最適な組合せの探索が自動的に行なわれる。
【0064】
図10は、照明部17における光の照射状態の自動調整手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、切断装置1による本格的な電子部品S1の製造開始前の段階で、コンピュータ50の制御部70によって実行される。例えば、このフローチャートの開始時に、Ch01~Ch03の各々の照度レベルは0に設定されている。
【0065】
図10を参照して、制御部70は、Ch01~Ch03の各々に関し、0~100の照度レベルの範囲(照度レベルの幅が100である範囲)のうち精査する範囲(例えば、照度レベルの幅が10である範囲)を決定するための処理を実行する(ステップS200)。
【0066】
図11は、図10のステップS200において実行される処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、コンピュータ50の制御部70によって実行される。
【0067】
図11を参照して、制御部70は、照明部17のCh01に関し、照度レベルを第1単位(例えば、5)変更する(ステップS300)。制御部70は、照明部17から電子部品S1に向けて光が照射された状態で電子部品S1を撮像するように第2光学検査カメラ13を制御する(ステップS305)。制御部70は、第2光学検査カメラ13によって生成された撮像画像に基づいてヒストグラムを生成する(ステップS310)。
【0068】
制御部70は、生成されたヒストグラムと記憶部80に記憶されている基準ヒストグラムとのずれ量を算出する(ステップS315)。具体的には、制御部70は、生成されたヒストグラムと基準ヒストグラムとの間において、各階調における画素数の差分を算出し、算出された各差分の絶対値の和を算出する。この絶対値の和が「ずれ量」の一例である。
【0069】
制御部70は、算出されたずれ量が記憶部80に記憶されているずれ量よりも小さいか否かを判定する(ステップS320)。なお、記憶部80にずれ量が記憶されていない場合には、ステップS320においてYESと判定される。算出されたずれ量が記憶部80に記憶されているずれ量よりも小さいと判定されると(ステップS320においてYES)、制御部70は、現在のCh01、Ch02、Ch03の各々の照度レベル、及び、ステップS315において算出されたずれ量を記憶するように記憶部80を制御する(ステップS325)。すなわち、記憶部80に記憶されているCh01、Ch02、Ch03の各々の照度レベル及びずれ量は更新される。
【0070】
算出されたずれ量が記憶部80に記憶されているずれ量以上であると判定された場合(ステップS320においてNO)、又は、ステップS325の処理が終了した場合に、制御部70は、現在のCh02、Ch03の照度レベルの組合せにおいて、Ch01の照度レベルの全パターンが終了したか否かを判定する(ステップS330)。なお、第1単位が5である場合には、Ch01の照度レベルの全パターンは、0,5,10,15,20・・・90,95,100となる。
【0071】
現在のCh02、Ch03の照度レベルの組合せにおいて、Ch01の照度レベルの全パターンが終了していないと判定されると(ステップS330においてNO)、ステップS300~ステップS330の処理が再び行なわれる。一方、現在のCh02、Ch03の照度レベルの組合せにおいて、Ch01の照度レベルの全パターンが終了したと判定されると(ステップS330においてYES)、制御部70は、現在のCh03の照度レベルにおいて、Ch02の照度レベルの全パターンが終了したか否かを判定する(ステップS335)。
【0072】
現在のCh03の照度レベルにおいて、Ch02の照度レベルの全パターンが終了していないと判定されると(ステップS335においてNO)、制御部70は、Ch02に関し、照度レベルを第1単位変更する(ステップS340)。その後、ステップS300~ステップS335の処理が再び行なわれる。一方、現在のCh03の照度レベルにおいて、Ch02の照度レベルの全パターンが終了したと判定されると(ステップS335においてYES)、制御部70は、Ch03の照度レベルの全パターンが終了したか否かを判定する(ステップS345)。
【0073】
Ch03の照度レベルの全パターンが終了していないと判定されると(ステップS345においてNO)、制御部70は、Ch03に関し、照度レベルを第1単位変更する(ステップS350)。その後、ステップS300~ステップS345の処理が再び行なわれる。一方、Ch03の照度レベルの全パターンが終了したと判定されると(ステップS345においてYES)、制御部70は、記憶部80に記憶されているCh01、Ch02、Ch03の各々の照度レベルに基づいて精査範囲を決定する(ステップS355)。
【0074】
Ch01に関する精査範囲は、例えば、記憶部80に記憶されているCh01の照度レベルの前後5の範囲である。Ch02に関する精査範囲は、例えば、記憶部80に記憶されているCh02の照度レベルの前後5の範囲である。Ch03に関する精査範囲は、例えば、記憶部80に記憶されているCh03の照度レベルの前後5の範囲である。例えば、記憶部80に記憶されているCh01、Ch02、Ch03がそれぞれ40、50、55であるとする。この場合には、Ch01、Ch02、Ch03の精査範囲は、例えば、それぞれ35~45、45~55、50~60である。
【0075】
再び図10を参照して、ステップS200において精査範囲が決定されると、制御部70は、検査用の照射状態を決定するための処理を実行する(ステップS210)。
【0076】
図12は、図10のステップS210において実行される処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、コンピュータ50の制御部70によって実行される。
【0077】
図12を参照して、制御部70は、照明部17のCh01に関し、精査範囲において照度レベルを第2単位(例えば、1)変更する(ステップS400)。第2単位は、上記第1単位よりも小さい単位である。ステップS405~ステップS425の処理は、それぞれ図11におけるステップS305~ステップS325の処理と同様であるため、説明を繰り返さない。
【0078】
ステップS420において算出されたずれ量が記憶部80に記憶されているずれ量以上であると判定された場合(ステップS420においてNO)、又は、ステップS425の処理が終了した場合に、制御部70は、現在のCh02、Ch03の照度レベルの組合せにおいて、精査範囲におけるCh01の照度レベルの全パターンが終了したか否かを判定する(ステップS430)。なお、第2単位が1であり、Ch01の精査範囲が例えば35~45である場合には、Ch01の照度レベルの全パターンは、35,36,37,38,39・・・43,44,45となる。
【0079】
現在のCh02、Ch03の照度レベルの組合せにおいて、精査範囲におけるCh01の照度レベルの全パターンが終了していないと判定されると(ステップS430においてNO)、ステップS400~ステップS430の処理が再び行なわれる。一方、現在のCh02、Ch03の照度レベルの組合せにおいて、精査範囲におけるCh01の照度レベルの全パターンが終了したと判定されると(ステップS430においてYES)、制御部70は、現在のCh03の照度レベルにおいて、精査範囲におけるCh02の照度レベルの全パターンが終了したか否かを判定する(ステップS435)。
【0080】
現在のCh03の照度レベルにおいて、精査範囲におけるCh02の照度レベルの全パターンが終了していないと判定されると(ステップS435においてNO)、制御部70は、Ch02に関し、精査範囲において照度レベルを第2単位変更する(ステップS440)。その後、ステップS400~ステップS435の処理が再び行なわれる。一方、現在のCh03の照度レベルにおいて、精査範囲におけるCh02の照度レベルの全パターンが終了したと判定されると(ステップS435においてYES)、制御部70は、精査範囲におけるCh03の照度レベルの全パターンが終了したか否かを判定する(ステップS445)。
【0081】
精査範囲におけるCh03の照度レベルの全パターンが終了していないと判定されると(ステップS445においてNO)、制御部70は、Ch03に関し、精査範囲において照度レベルを第2単位変更する(ステップS450)。その後、ステップS400~ステップS445の処理が再び行なわれる。一方、精査範囲におけるCh03の照度レベルの全パターンが終了したと判定されると(ステップS445においてYES)、制御部70は、記憶部80に記憶されているCh01、Ch02、Ch03の各々の照度レベルを検査用の照度レベルに決定する(ステップS455)。すなわち、制御部70は、記憶部80に記憶されている光の照射状態を検査用の光の照射状態に決定する。
【0082】
[4.特徴]
以上のように、本実施の形態に従う切断装置1においては、各々が異なる光の照射状態において生成された複数の撮像画像が第2光学検査カメラ13によって生成され、制御部70は、複数の撮像画像の各々に基づいて生成された各ヒストグラムと基準ヒストグラムとの比較を行ない、比較の結果に基づいて電子部品S1の検査において用いられる光の照射状態を決定する。切断装置1によれば、複数の撮像画像の各々に基づいて生成された各ヒストグラムと基準ヒストグラムとの比較結果に基づいて、照明部17における光の照射状態を自動的に決定することができる。その結果、本実施の形態に従う切断装置1によれば、照明部17における各セグメントの照度を操作者の熟練度等に左右されずに適切な値に調整することができ、高品質な検査を実現することができる。
【0083】
また、本実施の形態に従う切断装置1において、制御部70は、複数の撮像画像の各々に基づいて生成された各ヒストグラムと基準ヒストグラムとのずれ量を算出し、ずれ量が最小となったヒストグラムに対応する撮像画像が生成されたときの光の照射状態を検査に用いられる照射状態に決定する。切断装置1によれば、基準ヒストグラムに近いヒストグラムに対応する撮像画像が生成されたときの光の照射状態が検査用の照射状態に採用されるため、第2光学検査カメラ13による撮像画像の品質の劣化を抑制することができる。その結果、電子部品S1の検査品質の劣化を抑制することができる。
【0084】
また、本実施の形態に従う切断装置1において、制御部70は、照明部17の照射状態を決定するために、第1単位で照度レベルを変更して精査範囲を決定し、その後、精査範囲において第1単位より小さい第2単位で照度レベルを変更して最適な照射状態の探索を行なう。切断装置1によれば、照明部17の各セグメントに関し、照度レベルの設定可能範囲の全範囲を細かく探索しないため、最適な照射状態の探索を効率的に行なうことができる。
【0085】
なお、電子部品S1は、本発明における「検査対象物」の一例である。第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13の各々は、本発明における「カメラ」の一例である。照明部16,17の各々は、本発明における「照明部」の一例である。制御部70は、本発明における「制御部」の一例である。記憶部80は、本発明における「記憶部」の一例である。LED17bは、本発明における「照明」の一例である。照度レベルの設定可能範囲の全範囲は本発明における「第1範囲」の一例であり、精査範囲は本発明における「第2範囲」の一例である。
【0086】
[5.変形例]
上記実施の形態の思想は、以上で説明された実施の形態に限定されない。以下、上記実施の形態の思想を適用できる他の実施の形態の一例について説明する。
【0087】
<5-1>
上記実施の形態において、制御部70は、第1単位で照度レベルを変更して精査範囲を決定し、その後、精査範囲において第2単位(第2単位<第1単位)で照度レベルを変更して最適な光の照射状態の探索を行なった。しかしながら、必ずしもこのように2段階で照射状態の探索が行なわれなくてもよい。例えば、制御部70は、精査範囲を決定することなく、照度レベルの設定可能範囲の全体において第2単位で照度レベルを変更して最適な照射状態の探索を行なってもよい。この場合には、より細かく探索が行なわれるため、最適な光の照射状態をより確実に特定することができる。
【0088】
また、光の照射状態の探索は、3段階以上の探索を経ることによって行なわれてもよい。例えば、制御部70は、第1単位で照度レベルを変更して第1精査範囲を決定し、その後、第1精査範囲において第2単位(第2単位<第1単位)で照度レベルを変更して第2精査範囲を決定し、第2精査範囲において第3単位(第3単位<第2単位)で照度レベルを変更して最適な光の照射状態の探索を行なってもよい(3段階の探索)。探索の段階数が増えると、より細かく探索が行なわれるため、照明部17における光の照射状態をより理想的な照射状態に近づけることができる。
【0089】
<5-2>
上記実施の形態において、照明部16,17の各々は複数のセグメントで構成されていた。しかしながら、照明部16,17の各々は必ずしも複数のセグメントで構成されていなくてもよい。例えば、照明部16,17の各々は、そのセグメントが調光可能である限り、1つのセグメントで構成されていてもよい。また、照明部16,17の各々のセグメントの数は、8つである必要はなく、8未満であってもよいし、9以上であってもよい。また、上記実施の形態においては、Ch04~Ch08の照度レベルが0とされたが、Ch04~Ch08の照度レベルは必ずしも0でなくてもよい。また、例えば、Ch01~Ch08の全てにおいて照度レベルが自動的に調整されてもよい。
【0090】
<5-3>
上記実施の形態においては、電子部品S1として、ボール/リード面の全体に半田ボールが形成されたBGAが例示された。しかしながら、電子部品S1はこれに限定されない。例えば、電子部品S1は、ボール/リード面の一部の領域に半田ボールが形成されていないBGAであってもよいし、前述のようにLGA、QFN等であってもよい。
【0091】
図13は、変形例における電子部品S1の撮像画像の一例を示す図である。図13に示されるように、撮像画像IM3には、複数の電子部品S1が映っている。各電子部品S1においては、半田ボールが形成されていない領域T1が設けられている。このような電子部品S1が検査対象物とされてもよい。
【0092】
なお、基準ヒストグラムに関し、ピークにおける階調の値の精度と比較して、ピークにおける画素数の値の精度は低くてもよい。すなわち、ピークにおける階調の値の精度がある程度高ければ、ピークにおける画素数の値に関してはそれほどの精度が必要でない。なぜなら、ずれ量の演算においては、各階調における各画素の値に関して差分を取るような演算を行なって、比較を行なうからである。図13の撮像画像のヒストグラムは、図5の撮像画像のヒストグラムのように(図6参照)、電子部品部100に対応する成分C1と、黒溝部110に対応する成分C2と、半田ボール部120に対応する成分C3とを含む(すなわち、ピークにおける階調が一致し、画素数が異なるものになる)。したがって、図13の撮像画像の基準ヒストグラムとして、図5の撮像画像の基準ヒストグラムを用いることができる。
【0093】
上記実施の形態においては、各階調における撮像画像のヒストグラムと基準ヒストグラムとの画素数(ヒストグラムの値)の差分の絶対値の和を「ずれ量」とした。しかしながら、「ずれ量」はこれに限定されない。撮像画像のヒストグラム及び基準ヒストグラムの各々の形状を関数で表し、「ずれ量」は、例えば、それらの関数の相関であってもよい。
【0094】
<5-4>
上記実施の形態において、基準ヒストグラムは、図9のフローチャートに示される手順で生成された。しかしながら、基準ヒストグラムは、必ずしもこのような手順で生成されなくてもよい。例えば、基準ヒストグラムは、電子部品S1の特徴に応じて自動的に生成されてもよい。また、例えば、複数種類の電子部品S1の各々に対応する基準ヒストグラムが準備され、記憶部80に複数の基準ヒストグラムが記憶されてもよい。この場合には、検査対象物がいずれの種類の電子部品S1であるかによって、使用される基準ヒストグラムが変更されてもよい。
【0095】
以上、本発明の実施の形態について例示的に説明した。すなわち、例示的な説明のために、詳細な説明及び添付の図面が開示された。よって、詳細な説明及び添付の図面に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須でない構成要素が含まれることがある。したがって、それらの必須でない構成要素が詳細な説明及び添付の図面に記載されているからといって、それらの必須でない構成要素が必須であると直ちに認定されるべきではない。
【0096】
また、上記実施の形態は、あらゆる点において本発明の例示にすぎない。上記実施の形態は、本発明の範囲内において、種々の改良や変更が可能である。すなわち、本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じて具体的構成を適宜採用することができる。
【符号の説明】
【0097】
1 切断装置、3 基板供給部、4 位置決め部、4a レール部、5 切断テーブル、5a 保持部材、5b 回転機構、5c 移動機構、5d 第1位置確認カメラ、5e 第1クリーナ、6 スピンドル部、6a ブレード、6b 第2位置確認カメラ、6c 回転軸、6d 第1フランジ、6e 第2フランジ、6f 締結部材、7 搬送部、7a 第2クリーナ、11 検査テーブル、12 第1光学検査カメラ、13 第2光学検査カメラ、14 配置部、15 抽出部、15a 良品用トレイ、15b 不良品用トレイ、16,17 照明部、17a ドーム、17b LED、20 モニタ、50 コンピュータ、70 制御部、72 CPU、74 RAM、76 ROM、80 記憶部、81 制御プログラム、90 入出力I/F、100,200 電子部品部、110,210 黒溝部、120,220 半田ボール部、A1 切断モジュール、B1 検査・収納モジュール、C1,C2,C3,C4,C5,C6 成分、HG1,HG2 ヒストグラム、IM1,IM2,IM3 撮像画像、M1 マガジン、P1 パッケージ基板、S1 電子部品、T1 領域。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2021-11-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0093】
上記実施の形態においては、各階調における撮像画像のヒストグラムと基準ヒストグラムとの画素数(ヒストグラムの値)の差分の絶対値の和を「ずれ量」とした。しかしながら、「ずれ量」はこれに限定されない。撮像画像のヒストグラム及び基準ヒストグラムの各々の形状を関数で表し、「ずれ量」は、例えば、それらの関数の相関であってもよい。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物の撮像画像に基づいて前記検査対象物の検査を行なう検査システムであって、
光の照射状態を変更可能であり、前記検査対象物に光を照射する照明部と、
前記検査対象物に光が照射された状態で前記撮像画像を生成するカメラと、
各々が異なる前記照射状態において生成された複数の撮像画像を生成するように前記照明部及び前記カメラの各々を制御する制御部と、
基準ヒストグラムを記憶する記憶部とを備え、
前記検査対象物は、電子部品であり、
前記撮像画像は、複数の前記電子部品と、互いに隣接する前記電子部品間に位置する溝とを含み、
前記基準ヒストグラムは、複数のピークを含み、
前記照明部は、各々が一又は複数の照明を含む複数のセグメントで構成されており、
前記複数のセグメントは、前記照明部の径方向の内側から外側に向かって並んでおり、
前記複数のセグメントの各々は、個別に照度レベルを変更することによって調光可能であり、
前記照射状態は、前記複数のセグメントの各々を調光することによって変更され、
前記照射状態のパターンには、前記複数のセグメントに含まれる発光中の2以上のセグメント間において前記照度レベルが互いに異なるパターンが含まれ、
前記制御部は、前記複数の撮像画像の各々に基づいて生成された各ヒストグラムと前記基準ヒストグラムとの比較を行ない、前記比較の結果に基づいて前記検査において用いられる前記照射状態を決定する、検査システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数のセグメントに含まれる少なくとも1つのセグメントの前記照度レベルを変更せず、かつ、前記複数のセグメントに含まれる他のセグメントのうち1つのセグメントの前記照度レベルを変更することによって前記照射状態を変更する、請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数の撮像画像の各々に基づいて生成された各ヒストグラムと前記基準ヒストグラムとのずれ量を算出し、前記ずれ量が最小となったヒストグラムに対応する前記撮像画像が生成されたときの前記照射状態を前記検査に用いられる前記照射状態に決定する、請求項1又は請求項2に記載の検査システム。
【請求項4】
前記ずれ量は、各階調におけるヒストグラムの値の差の絶対値の和である、請求項3に記載の検査システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記検査対象物の撮像画像に基づいてヒストグラムを生成する度に、生成されたヒストグラムと前記基準ヒストグラムとの前記ずれ量を算出し、算出された前記ずれ量が前記記憶部に記憶されている前記ずれ量よりも小さい場合に、算出された前記ずれ量と前記生成されたヒストグラムに対応する前記撮像画像が生成されたときの前記照射状態とを前記記憶部に記憶させる、請求項3又は請求項4に記載の検査システム。
【請求項6】
前記制御部は、
第1範囲において第1単位で前記照射状態を変更して前記複数の撮像画像を生成するように前記照明部及び前記カメラの各々を制御し、
前記第1単位で前記照射状態を変更して生成された前記複数の撮像画像の各々に基づいて生成された各ヒストグラムと前記基準ヒストグラムとの第1比較を行ない、前記第1比較の結果に基づいて前記第1範囲に含まれる第2範囲を決定し、
前記第2範囲において前記第1単位よりも小さい第2単位で前記照射状態を変更して前記複数の撮像画像を生成するように前記照明部及び前記カメラの各々を制御し、
前記第2単位で前記照射状態を変更して生成された前記複数の撮像画像の各々に基づいて生成された各ヒストグラムと前記基準ヒストグラムとの第2比較を行ない、前記第2比較の結果に基づいて前記検査において用いられる前記照射状態を決定する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項7】
前記照明部は、ドーム状の照明によって構成される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の検査システムを用いた、電子部品の製造方法であって、
前記検査において用いられる前記照射状態を決定するステップと、
樹脂封止済基板を切断機構によって切断することにより複数の前記検査対象物を製造するステップと
定された前記照射状態で前記検査対象物に光が照射された状態で前記撮像画像を生成し、前記検査を行なうステップとを含む、電子部品の製造方法。
【請求項9】
樹脂封止済基板を切断する切断機構と、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の検査システムとを備える、切断装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物の撮像画像に基づいて前記検査対象物の検査を行なう検査システムであって、
光の照射状態を変更可能であり、前記検査対象物に光を照射する照明部と、
前記検査対象物に光が照射された状態で前記撮像画像を生成するカメラと、
各々が異なる前記照射状態において生成された複数の撮像画像を生成するように前記照明部及び前記カメラの各々を制御する制御部と、
基準ヒストグラムを記憶する記憶部とを備え、
前記検査対象物は、電子部品であり、
前記撮像画像は、縦方向及び横方向に並べられた複数の前記電子部品と、互いに隣接する前記電子部品間に位置する溝とを含み、
前記基準ヒストグラムは、複数のピークを含み、
前記照明部は、各々が周方向に配置された複数の照明を含む複数のセグメントで構成されており、
前記複数のセグメントは、前記照明部の径方向の内側から外側に向かって並んでおり、
前記複数のセグメントの各々は、個別に照度レベルを変更することによって調光可能であり、
前記照射状態は、前記複数のセグメントの各々を調光することによって変更され、
前記照射状態のパターンには、前記複数のセグメントに含まれる発光中の2以上のセグメント間において前記照度レベルが互いに異なるパターンが含まれ、
前記制御部は、前記複数の撮像画像の各々に基づいて生成された各ヒストグラムと前記基準ヒストグラムとの比較を行ない、前記比較の結果に基づいて前記検査において用いられる前記照射状態を決定する、検査システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数のセグメントに含まれる少なくとも1つのセグメントの前記照度レベルを変更せず、かつ、前記複数のセグメントに含まれる他のセグメントのうち1つのセグメントの前記照度レベルを変更することによって前記照射状態を変更する、請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数の撮像画像の各々に基づいて生成された各ヒストグラムと前記基準ヒストグラムとのずれ量を算出し、前記ずれ量が最小となったヒストグラムに対応する前記撮像画像が生成されたときの前記照射状態を前記検査に用いられる前記照射状態に決定する、請求項1又は請求項2に記載の検査システム。
【請求項4】
前記ずれ量は、各階調におけるヒストグラムの値の差の絶対値の和である、請求項3に記載の検査システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記検査対象物の撮像画像に基づいてヒストグラムを生成する度に、生成されたヒストグラムと前記基準ヒストグラムとの前記ずれ量を算出し、算出された前記ずれ量が前記記憶部に記憶されている前記ずれ量よりも小さい場合に、算出された前記ずれ量と前記生成されたヒストグラムに対応する前記撮像画像が生成されたときの前記照射状態とを前記記憶部に記憶させる、請求項3又は請求項4に記載の検査システム。
【請求項6】
前記制御部は、
第1範囲において第1単位で前記照射状態を変更して前記複数の撮像画像を生成するように前記照明部及び前記カメラの各々を制御し、
前記第1単位で前記照射状態を変更して生成された前記複数の撮像画像の各々に基づいて生成された各ヒストグラムと前記基準ヒストグラムとの第1比較を行ない、前記第1比較の結果に基づいて前記第1範囲に含まれる第2範囲を決定し、
前記第2範囲において前記第1単位よりも小さい第2単位で前記照射状態を変更して前記複数の撮像画像を生成するように前記照明部及び前記カメラの各々を制御し、
前記第2単位で前記照射状態を変更して生成された前記複数の撮像画像の各々に基づいて生成された各ヒストグラムと前記基準ヒストグラムとの第2比較を行ない、前記第2比較の結果に基づいて前記検査において用いられる前記照射状態を決定する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項7】
前記照明部は、ドーム状の照明によって構成される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の検査システムを用いた、電子部品の製造方法であって、
前記検査において用いられる前記照射状態を決定するステップと、
樹脂封止済基板を切断機構によって切断することにより複数の前記検査対象物を製造するステップと、
決定された前記照射状態で前記検査対象物に光が照射された状態で前記撮像画像を生成し、前記検査を行なうステップとを含む、電子部品の製造方法。
【請求項9】
樹脂封止済基板を切断する切断機構と、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の検査システムとを備える、切断装置。