(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076268
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】観察装置
(51)【国際特許分類】
G02B 21/06 20060101AFI20230525BHJP
G02B 21/36 20060101ALI20230525BHJP
G01N 21/01 20060101ALI20230525BHJP
G01N 21/17 20060101ALI20230525BHJP
H04N 23/56 20230101ALI20230525BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20230525BHJP
【FI】
G02B21/06
G02B21/36
G01N21/01 D
G01N21/17 A
H04N5/225 600
H04N5/232 290
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189593
(22)【出願日】2021-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】322004393
【氏名又は名称】株式会社エビデント
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100182936
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】細野 翔大
【テーマコード(参考)】
2G059
2H052
5C122
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059EE02
2G059FF01
2G059GG03
2G059KK04
2H052AC04
2H052AC06
2H052AC33
2H052AD05
2H052AD18
2H052AD20
2H052AF14
2H052AF25
5C122EA42
5C122FD02
5C122FH09
5C122FH18
5C122GE11
5C122GG01
5C122HA88
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】様々な試料を良好に観察可能な技術を提供する。
【解決手段】観察装置は、試料Sを撮像する撮像部と、試料Sの光学像を撮像部へ投影する観察光学系と、観察光学系の光軸に対して互いに異なる角度で試料Sへ照明光を照射する複数の照明部(照明部241、照明部242、照明部243)と、複数の照明部のうちの点灯状態にある照明部が異なる複数の照明状態へ順番に切り替えて撮像部で撮像した試料Sの複数の画像を取得する制御部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を撮像する撮像部と、
前記試料の光学像を前記撮像部へ投影する観察光学系と、
前記観察光学系の光軸に対して互いに異なる角度で前記試料へ照明光を照射する複数の照明部と、
複数の照明部のうちの点灯状態にある照明部が異なる複数の照明状態へ順番に切り替えて前記撮像部で撮像した前記試料の複数の画像を取得する制御部と、を備える
ことを特徴とする観察装置。
【請求項2】
請求項1に記載の観察装置において、
前記制御部は、前記複数の照明状態へ順番に切り替えて取得した前記複数の画像に基づいて、前記試料の新たな画像を生成する
ことを特徴とする観察装置。
【請求項3】
請求項1に記載の観察装置において、さらに、
前記試料と前記観察光学系の間の距離を変更する焦準部を備え、
前記制御部は、前記焦準部に前記距離を変更させる第1の処理と、前記第1の処理後に前記複数の照明状態へ順番に切り替えて前記複数の画像を取得する第2の処理とを、繰り返す
ことを特徴とする観察装置。
【請求項4】
請求項3に記載の観察装置において、
前記制御部は、前記第1の処理と前記第2の処理とを繰り返すことで取得した前記複数の画像に基づいて、全焦点画像又は三次元画像である前記試料の新たな画像を生成する
ことを特徴とする観察装置。
【請求項5】
請求項4に記載の観察装置において、
前記制御部は、前記試料の領域毎に、前記新たな画像の当該領域に対応する画素値を、前記第1の処理と前記第2の処理とを繰り返すことで取得した前記複数の画像の当該領域に対応する画素値に基づいて決定する
ことを特徴とする観察装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の観察装置において、
前記制御部は、前記試料の領域毎に、前記新たな画像の当該領域に対応する画素値を、前記第1の処理と前記第2の処理とを繰り返すことで取得した前記複数の画像の当該領域に対応する画素値の最大値に決定する
ことを特徴とする観察装置。
【請求項7】
請求項4又は請求項5に記載の観察装置において、
前記制御部は、前記試料の領域毎に、前記新たな画像の当該領域に対応する画素値を、前記第1の処理と前記第2の処理とを繰り返すことで取得した前記複数の画像の当該領域に対応する画素値のうちの閾値以下で最も高い値に決定する
ことを特徴とする観察装置。
【請求項8】
請求項4又は請求項5に記載の観察装置において、
前記制御部は、前記試料の領域毎に、前記新たな画像の当該領域に対応する画素値を、前記第1の処理と前記第2の処理とを繰り返すことで取得した前記複数の画像の当該領域に対応する画素値の中から、利用者の選択に従って決定する
ことを特徴とする観察装置。
【請求項9】
請求項4に記載の観察装置において、
前記制御部は、
前記試料の領域毎の高さを算出し、
前記試料の領域毎に、前記新たな画像の当該領域に対応する画素値を、算出した当該領域の高さに合焦しながら前記複数の照明状態で取得した前記複数の画像の当該領域に対応する画素値に基づいて、決定する
ことを特徴とする観察装置。
【請求項10】
請求項9に記載の観察装置において、
前記制御部は、前記試料の領域毎に、前記新たな画像の当該領域に対応する画素値を、算出した当該領域の高さに合焦しながら前記複数の照明状態で取得した前記複数の画像の当該領域に対応する画素値の最大値に決定する
ことを特徴とする観察装置。
【請求項11】
請求項9に記載の観察装置において、
前記制御部は、前記試料の領域毎に、前記新たな画像の当該領域に対応する画素値を、算出した当該領域の高さに合焦しながら前記複数の照明状態で取得した前記複数の画像の当該領域に対応する画素値のうちの閾値以下で最も高い値に決定する
ことを特徴とする観察装置。
【請求項12】
請求項9に記載の観察装置において、
前記制御部は、前記試料の領域毎に、前記新たな画像の当該領域に対応する画素値を、算出した当該領域の高さに合焦しながら前記複数の照明状態で取得した前記複数の画像の当該領域に対応する画素値の中から、利用者の選択に従って決定する
ことを特徴とする観察装置。
【請求項13】
請求項3に記載の観察装置において、
前記制御部は、前記第1の処理と前記第2の処理とを繰り返すことで取得した前記複数の画像を、表示部に一覧表示する
ことを特徴とする観察装置。
【請求項14】
請求項13に記載の観察装置において、
前記制御部は、前記表示部に一覧表示された前記複数の画像からの利用者による1枚の画像の選択に応じて、前記焦準部を制御して前記試料と前記観察光学系の間の前記距離を選択された前記1枚の画像に対応する距離に変更し、前記複数の照明部の少なくとも一部を制御して選択された前記1枚の画像に対応する照明状態へ切り替える
ことを特徴とする観察装置。
【請求項15】
請求項13に記載の観察装置において、
前記制御部は、前記表示部に一覧表示された前記複数の画像の中から利用者が前記試料と前記観察光学系の間の前記距離毎に選択した画像に基づいて、全焦点画像又は三次元画像である前記試料の新たな画像を生成する
ことを特徴とする観察装置。
【請求項16】
請求項3に記載の観察装置において、
前記制御部は、
前記焦準部が前記距離を一定の間隔で変更する第3の処理と、前記第3の処理後に前記複数の照明部の全てが点灯状態にある全灯照明状態で画像を取得する第4の処理とを、繰り返し、
前記第1の処理と前記第2の処理とを繰り返すことで取得した前記複数の画像に基づいて、前記試料の領域毎の高さを算出し、
前記第1の処理において、前記焦準部に前記距離を算出した高さに応じた距離に変更させる
ことを特徴とする観察装置。
【請求項17】
請求項3に記載の観察装置において、
前記制御部は、前記第1の処理において、前記焦準部に前記距離を一定の間隔で変更させる
ことを特徴とする観察装置。
【請求項18】
請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の観察装置において、
前記複数の照明部の各々は、前記光軸を中心に環状に配列された複数の発光素子、又は、前記光軸を中心としたリング形状を有する発光素子を含む
ことを特徴とする観察装置。
【請求項19】
請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の観察装置において、
前記複数の照明部の各々は、入射した光を導光する複数の導光体であって各々の出射端は前記光軸を中心に環状に配列される複数の導光体、又は、入射した光を導光する導光体であって前記光軸を中心とした環状の出射端を有する導光体を含む
ことを特徴とする観察装置。
【請求項20】
請求項1乃至請求項19のいずれか1項に記載の観察装置において、
前記複数の照明部は、前記光軸から異なる距離離れた位置に配置される
ことを特徴とする観察装置。
【請求項21】
請求項1乃至請求項20のいずれか1項に記載の観察装置において、
前記複数の照明部は、前記光軸を中心とした同心円状に配置される
ことを特徴とする観察装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の開示は、観察装置に関する。
【背景技術】
【0002】
顕微鏡で使用される観察法として、光軸に対して傾斜した方向から試料に照明光を照射する偏斜観察や暗視野観察が知られている。これらの観察法に関連する技術は、例えば、特許文献1、特許文献2に記載されている。
【0003】
特許文献1には、複数の発光素子を環状に配置したリング照明部により照明した試料を、光軸に対して偏心した位置に開口部を有する絞りを介して観察する観察装置が記載されている。特許文献1に記載の観察装置では、照明方向と観察方向を独立に調整することができる。
【0004】
特許文献2には、出射方向が互いに異なる光を観察対象物に照射する投光部を有する拡大観察装置が記載されている。特許文献2に記載の拡大観察装置では、複数の出射方向の光がそれぞれ観察対象物に照射されたときの観察対象物の画像を示す複数の画像データを生成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-175316号公報
【特許文献2】特開2018-013737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した偏斜観察や暗視野観察では、光軸に対して傾斜した方向から試料に照明光を照射することで、通常の照明条件下では良好なイメージングが難しい試料のコントラストを強調することができる。しかしながら、最適な照射角度は試料によってさまざまであり、また、同じ試料内でも場所によって異なり得る。
【0007】
例えば、深い溝のある試料の場合、照射角度が大きすぎると溝の底面に照明光が照射されず、底面を良好に可視化できない。一方で、照明角度が小さすぎると試料全体のコントラストが低下して立体感のある画像が得られない。
【0008】
以上のような実情を踏まえ、本発明の一側面に係る目的は、様々な試料を良好に観察可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る観察装置は、試料を撮像する撮像部と、前記試料の光学像を撮像部へ投影する観察光学系と、前記観察光学系の光軸に対して互いに異なる角度で前記試料へ照明光を照射する複数の照明部と、複数の照明部のうちの点灯状態にある照明部が異なる複数の照明状態へ順番に切り替えて前記撮像部で撮像した前記試料の複数の画像を取得する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
上記の態様によれば、様々な試料を良好に観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】照明光の照射角度の違いについて説明するための図である。
【
図5】観察装置10が行う処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】観察装置10が行う第1の実施形態に係る処理のフローチャートである。
【
図13】合成画像用の画像取得を説明するための図である。
【
図15】画像合成方法の別の例を説明する図である。
【
図16】ピッチ送りモードにおける画像取得を説明するための図である。
【
図17】観察装置10が行う第2の実施形態に係る処理のフローチャートである。
【
図19】観察装置10が行う第3の実施形態に係る処理のフローチャートである。
【
図20】観察装置10が行う第4の実施形態に係る処理のフローチャートである。
【
図21】アプリケーション画面のさらに別の例である。
【
図22】制御装置30を実現するためのコンピュータ100のハードウェア構成を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、観察装置10の構成を例示した図である。観察装置10は、顕微鏡20と、顕微鏡20を制御する制御装置30と、表示装置40と、入力装置50を備えている。
【0013】
顕微鏡20は、光学ヘッド21と、光源22と、観察光学系23と、照明装置24と、ステージ25と、フレーム26と、デジタルカメラ27を含む。光源22とデジタルカメラ27は、ハーフミラー、ダイクロイックミラー、偏光ビームスプリッタなどの光路分割素子(スプリッタ)とともに光学ヘッド21内に設けられる。スプリッタで分岐した光路の一方に光源22が配置され、他方にデジタルカメラ27が配置される。
【0014】
光学ヘッド21は、フレーム26に保持されている。光学ヘッド21は、試料Sと観察光学系23の間の距離を変更する焦準部の一例であり、フレーム26に保持された状態で対物レンズ231の光軸と平行なZ方向に移動可能である。光学ヘッド21のZ方向への移動は、制御装置30によって制御される。制御装置30は、例えば、フレーム26に固定されたリニアスケールの位置情報を光学ヘッド21に固定されたスケールヘッドで読み出すことで光学ヘッド21のZ方向の位置を検出しながら、光学ヘッド21の移動を制御する。
【0015】
光源22は、落射照明用の光源であり、例えば、白色LEDである。キセノンランプ、ハロゲンランプなどであってもよい。光源22から出射した照明光は、照明レンズでコリメートされる。コリメートされた照明光は、スプリッタで反射し、対物レンズ231を介してステージ25に配置された試料Sに照射される。
【0016】
観察光学系23は、照明光が照射された試料Sの光学像をデジタルカメラ27へ投影する。観察光学系23は、例えば、対物レンズ231と結像レンズを含んでいる。対物レンズ231は、レボルバで切り替え可能である。複数の異なる倍率の対物レンズがレボルバに装着されてもよく、ユーザの選択に応じて複数の対物レンズの中から任意の対物レンズが光路上に配置されてもよい。
【0017】
デジタルカメラ27は、試料を撮像する撮像部の一例である。デジタルカメラ27は、撮像素子を含んでいる。撮像素子は、例えば、CMOSイメージセンサであるが、CCDイメージセンサであってもよい。デジタルカメラ27は、試料を撮像し、試料の画像を制御装置30へ出力する。以降では、後述する合成画像と区別するため、デジタルカメラ27で生成された画像を、必要に応じて撮像画像と記す。
【0018】
試料Sが配置されるステージ25は、XYステージ25aとZステージ25bを含む。XYステージ25aは、例えば、電動ステージであり、制御装置30によって対物レンズ231の光軸と直交するXY方向の位置が制御される。XYステージ25aは、Zステージ25b上に設けられる。
【0019】
Zステージ25bは、試料Sと観察光学系23の間の距離を変更する焦準部の一例である。Zステージ25bは、例えば、手動ステージであり、図示しないハンドルでZ方向の位置を調整可能である。なお、XYステージ25a、Zステージ25bは、この例に限らず、それぞれ電動ステージであっても手動ステージであってもよい。
【0020】
照明装置24は、対物レンズ231経由で行われる落射照明よりも大きな入射角で試料に照明光を照射するリング照明装置である。照明装置24は、例えば、対物レンズ231のレンズ鏡筒の外側を取り囲むように配置される。照明装置24の構成の詳細については後述する。
【0021】
制御装置30は、顕微鏡20を制御する装置であり、観察装置10の制御部の一例である。制御装置30は、複数の装置により構成されてもよい。制御装置30は、例えば、主に顕微鏡20の電動部の動作制御を担う顕微鏡コントローラと、主に顕微鏡20で取得した画像に対する画像処理を担う汎用コンピュータと、を含んでもよい。
【0022】
表示装置40は、観察装置10の表示部の一例である。例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイを含む、任意のディスプレイである。入力装置50は、キーボード、マウス、タッチパッド、ジョイスティックなどの任意の入力装置である。また、入力装置50は、ステージ25や光学ヘッド21を操作するためのハンドルやスイッチなどであってもよい。
【0023】
観察装置10では、顕微鏡20は、制御装置30の制御下で、光源22を用いた落射照明と照明装置24を用いたリング照明を実行可能である。制御装置30は、観察時に顕微鏡20に落射照明とリング照明の一方のみを実行させ、顕微鏡20を用いて取得した画像を表示装置40に表示してもよい。また、制御装置30は、観察時に顕微鏡20に落射照明とリング照明の両方を同時に実行させ、顕微鏡20を用いて取得した画像を表示装置40に表示してもよい。即ち、観察装置10は、落射照明による明視野観察を実行してもよく、リング照明による暗視野観察を行ってもよく、落射照明とリング照明による所謂MIX観察を実行してもよい。
【0024】
図2は、照明装置24の構成を例示した図である。
図3は、照明光の照射角度の違いについて説明するための図である。以下、
図2及び
図3を参照しながら、照明装置24の構成について説明する。
【0025】
照明装置24は、対物レンズ231(観察光学系23)の光軸に対して互いに異なる角度で試料Sへ照明光を照射する複数の照明部(照明部241、照明部242、照明部243)を含んでいる。
【0026】
複数の照明部は、
図2及び
図3に示すように、異なる角度で試料Sへ照明光を照射するため、光軸から異なる距離離れた位置に配置されている。より具体的には、複数の照明部は、同じ高さの位置に、対物レンズ231(観察光学系23)の光軸を中心とした同心円状に配置されている。複数の照明部は、光軸に近い方から、照明部243、照明部242、照明部241の順に並んでいて、それぞれ、入射角θ3、θ2、θ1(θ3<θ2<θ1)の照明光を試料Sに照射する。
【0027】
複数の照明部の各々は、円環形状を有していて、光軸を中心に円環状に配列された複数の発光素子240を含んでいる。より具体的には、複数の発光素子240の各々は、光軸を中心とする周方向に一定の間隔で配列されている。なお、発光素子は、例えば、白色LEDである。
【0028】
照明装置24は、例えば、対物レンズ231を取り囲むように対物レンズ231の外周部に固定されるが、必ずしも対物レンズ231に直接固定される必要はない。照明装置24は、例えば、レボルバやその他の構成に固定されてもよい。
【0029】
どの照明部が試料Sへ照明光を照射しているかによって定義される照明装置24の状態(以降、照明状態と記す)は、制御装置30によって制御される。制御装置30は、少なくとも照明部単位で発光素子240の発光を制御可能であり、複数の照明部を一つずつ点灯状態へ制御することで、複数の照明部のうちの点灯状態にある照明部が異なる複数の照明状態へ順番に切り替えてもよい。制御装置30は、例えば、照明部241、照明部242、照明部243の順に、複数の照明部を1つずつ順番に点灯状態へ制御することで、点灯状態にある照明部が異なる複数の照明状態へ順番に切り替えてもよい。なお、制御装置30は、複数の照明部の2つ以上を同時に点灯状態へ制御してもよく、全ての照明部を同時に点灯状態に制御してもよい。
【0030】
図4は、試料Sの形状を例示した図である。
図4を参照しながら、複数の照明状態を切り替えるメリットについて説明する。なお、ここでは、照明部241のみが点灯状態にある照明状態を第1の照明状態、照明部242のみが点灯状態にある照明状態を第2の照明状態、照明部243のみが点灯状態にある照明状態を第3の照明状態とする場合を例に説明する。
【0031】
第1の照明状態では、大きな入射角θ1を有する照明光L1が試料Sに照射されるため、試料S表面の微細な凹凸もコントラスト良く可視化することができる。一方、面R2や面R5のような溝の底面には、大きな入射角を有する照明光が届きにくい。このため、第1の照明状態で取得した画像だけで試料S全体を良好に観察することは困難である。従って、入射角θ1よりも小さな入射角を有する照明光(照明光L2、L3)を試料Sに照射し、大きな入射角では良好に観察することが難しい領域の観察を補うことが望ましい。
【0032】
溝の底面を微細な凹凸も含めて良好に可視化するためには、溝の底面に照明光が届く範囲でできる限り大きな入射角の照明光を照射することが望ましい。溝の底面に届く照明光の入射角は、溝が深いほど、また、溝が狭いほど、小さくなる。このため、比較的広く浅い溝の底面である面R5の観察には、中程度の入射角θ2(<入射角θ1)を有する照明光L2を試料Sへ照射する第2の照明状態が効果的である。これに対して、比較的狭く深い溝の底面である面R2の観察には、最も小さな入射角θ3(<入射角θ2)を有する照明光L3を試料Sへ照射する第3の照明状態が効果的である。
【0033】
このように、試料S内の領域によって最適な照明状態は異なる。このため、試料S内の各領域を最適な照明状態で撮像するために、複数の照明状態を実現可能な照明装置24を用いて、複数の照明状態へ順次切り替えて、試料Sを撮像することが望ましい。
【0034】
なお、全ての照明部を同時に点灯状態にする照明状態(以降、全灯照明状態と記す。)でも、試料S全体に照明光を照射することができる。ただし、全灯照明状態は、複数の照明部の一部のみを点灯状態にする照明状態(例えば、第1の照明状態、第2の照明状態、第3の照明状態)よりも必ずしも優れていない。むしろ、最適な入射角の照明光のみが照射される照明状態の方が望ましい場合が少なくない。
【0035】
例えば、試料Sが金属などの高い反射率を有する材料からなる場合には、全灯照明状態ではハレーションを生じやすく、観察できる試料が限られてしまう。また、光量を調整してハレーションを抑えた場合には、比較的暗い領域がさらに暗くなってしまうため、試料全体を良好に観察することが困難になる。また、領域に最適な入射角度の照明光に加えてその他の角度の照明光がその領域に同時に照射されることで、その領域の画像のコントラストが低下してしまう。
【0036】
従って、様々な試料Sの全体を良好に観察するためには、全灯照明状態で照明された試料を撮像するよりも、複数の照明状態を切り替えながら試料を撮像し、得られた複数の画像を合成することが望ましい。
【0037】
図5は、観察装置10が行う処理の一例を示すフローチャートである。
図6は、合成画像について説明するための図である。以下、
図5及び
図6を参照しながら、試料Sの全体を良好に観察可能な合成画像の生成方法について説明する。
【0038】
まず、観察装置10は、照明状態を切り替える(ステップS1)。ここでは、制御装置30が照明装置24の複数の照明部の一つ以上を点灯状態へ変更することで、顕微鏡20が特定の照明状態(例えば、第1の照明状態)で試料Sを照明する。
【0039】
次に、観察装置10は、試料Sを撮像する(ステップS2)。ここでは、制御装置30がデジタルカメラ27を制御して、デジタルカメラ27が試料Sを撮像する。これにより、特定の照明状態で撮像した試料の画像(撮像画像)が生成される。
【0040】
その後、観察装置10は、予定した全ての照明状態へ切替済か否かを判定し(ステップS3)、予定した全ての照明状態へ切替済ではないと判定すると(ステップS3NO)、予定した全ての照明状態へ切替済であると判定されるまで(ステップS3YES)、ステップS1からステップS3を繰り返す。
【0041】
これにより、予定された全ての照明状態(例えば、第1の照明状態、第2の照明状態、第3の照明状態)で試料Sが撮像され、
図6に示すように、複数の撮像画像(撮像画像81、撮像画像82、撮像画像83)が生成される。即ち、制御装置30は、複数の照明部のうちの点灯状態にある照明部が異なる複数の照明状態へ順番に切り替えてデジタルカメラ27で撮像した試料の複数の画像を取得する。
【0042】
なお、
図6には、第1の照明状態で撮像した試料Sの画像である撮像画像81、第2の照明状態で撮像した試料Sの画像である撮像画像82、第3の照明状態で撮像した試料Sの画像である撮像画像83が示されている。
【0043】
ステップS3で全ての照明状態へ切替済であると判定されると、観察装置10は、複数の撮像画像を合成する(ステップS4)。ここでは、制御装置30は、
図6に示すように、複数の撮像画像(撮像画像81、撮像画像82、撮像画像83)を合成して、試料の新たな画像である合成画像80を生成する。制御装置30は、さらに、表示装置40に合成画像80を表示してもよい。
【0044】
なお、画像の合成方法は特に限定しないが、例えば、試料Sの領域毎に、複数の撮像画像の中から当該領域が最も良好に可視化されている撮像画像を選択し、選択した画像中のその領域に対応する部分を抽出してもよい。抽出された各領域の画像を貼り合わせることで合成画像80を生成してもよい。
【0045】
以上の様に、観察装置10が
図5に示す処理を行うことで、領域毎に最適な照明状態で撮像された試料Sの画像を得ることができるため、試料S全体を良好に観察することができる。また、従来の方法に比べて、様々な試料を良好に観察することができる。
【0046】
図7は、照明装置28の構成を例示した図である。
図8は、照明装置29の構成を例示した図である。観察装置10は、照明装置24の代わりに、
図7に示す照明装置28を備えてもよく、
図8に示す照明装置29を備えてもよい。
【0047】
照明装置28は、光軸を中心とした同心円状に配置された複数の照明部(照明部281、照明部282、照明部283)を有している。また、照明装置29も、光軸を中心とした同心円状に配置された複数の照明部(照明部291、照明部292、照明部293)を有している。
【0048】
照明装置24では、複数の照明部(照明部241、照明部242、照明部243)の各々が、対物レンズ231の光軸を中心に円環状に配列された複数の発光素子240を含む例を示したが、複数の照明部の各々は必ずしも複数の発光素子を含まなくてもよい。
【0049】
照明装置28では、複数の照明部の各々が、光軸を中心としたリング形状を有する発光素子を含んでいる点が、照明装置24とは異なっている。照明装置28によっても、照明装置24と同様に、複数の照明部を用いて光軸に対して互いに異なる角度で試料Sへ照明光を照射する可能であり、また、光軸を中心としたさまざまな方向から試料Sを同時に照明することができる。
【0050】
照明装置29は、複数の照明部の各々が複数の発光素子を含む代わりに、光源90からの光を導光する複数の導光体290を含み、複数の導光体290の出射端が光軸を中心に円環状に配列されている点が、照明装置24とは異なっている。照明装置29によっても、照明装置24と同様に、複数の照明部を用いて光軸に対して互いに異なる角度で試料Sへ照明光を照射する可能であり、また、光軸を中心としたさまざまな方向から試料Sを同時に照明することができる。
【0051】
なお、
図8では、各照明部が複数の導光体を含む例を示したが、発光素子の代わりに導光体を含む場合には、各照明部は、光源90からの光を導光する1つ以上の導光体を含んでいればよい。各照明部は、例えば、光軸を中心とした円環状の出射端を有する1つの導光体を含んでもよい。
【0052】
以下、上述した観察装置10を用いて顕微鏡20の焦点深度以上の高さを有する立体的な試料Sを可視化する方法について具体的に説明する。
[第1の実施形態]
図9は、観察装置10が行う第1の実施形態に係る処理のフローチャートである。
図10は、アプリケーション画面の一例である。
図11は、プレスキャンを説明するための図である。
図12は、高さ算出を説明するための図である。
図13は、合成画像用の画像取得を説明するための図である。
図14は、画像合成方法の一例を説明する図である。
図15は、画像合成方法の別の例を説明する図である。
図16は、ピッチ送りモードにおける画像取得を説明するための図である。以下、全焦点画像を表示する場合を例にして説明する。
【0053】
観察装置10が所定のプログラムを実行すると、
図9に示す処理が開始される。まず、観察装置10は、画像取得モードの入力を取得する(ステップS11)。ここでは、プログラム実行により表示装置40に表示される
図10に示すアプリケーション画面60の設定領域62上で、ユーザがプレスキャンモードとピッチ送りモードのいずれかの画像取得モードを選択すると、観察装置10は、入力装置50からの入力信号に基づいて、ユーザが選択した画像取得モードを検出する。
【0054】
その後、ユーザがボタン63を押下して全焦点画像表示を指示すると、観察装置10は、画像取得モードを判定する(ステップS12)。設定領域62で“プレスキャン”が選択されている場合には、観察装置10は、画像取得モードがプレスキャンモードであると判定し、試料Sをプレスキャンする(ステップS13)。
【0055】
プレスキャンでは、制御装置30は、
図11に示すように、光学ヘッド21を制御して試料Sと観察光学系23の距離を一定の間隔(ピッチ)で変更しながら、照明装置24とデジタルカメラ27を制御して全灯照明状態で画像を取得する。即ち、制御装置30は、焦準部が距離を一定の間隔(ピッチ)で変更する処理と、その処理後に複数の照明部の全てが点灯状態にある全灯照明状態で画像を取得する処理とを、繰り返す。なお、照明装置24に加えて光源22を用いて試料Sを照明してもよい。
【0056】
次に、観察装置10は、試料Sの高さを算出する(ステップS14)。ここでは、制御装置30は、ステップS13のプレスキャンで取得した複数の画像に基づいて、試料Sの領域毎の高さを算出する。なお、以降では、画素毎に高さを算出する例で説明するが、高さの算出単位である領域はステップS13で取得した画像の1画素分に限らない。複数画素をまとめて1領域として領域毎に高さを算出してもよい。
【0057】
高さの算出方法は特に限定しないが、制御装置30は、例えば、
図12に示すように、画素(領域)毎にI-Zカーブを作成し、I-Zカーブのピーク位置から試料の各領域の高さを算出してもよい。
【0058】
試料の各領域の高さが算出されると、観察装置10は、焦準部を動かす(ステップS15)。ここでは、制御装置30は、ステップS14で算出した高さに基づいて、焦準部である光学ヘッド21を動かす。より具体的には、制御装置30は、ステップS14で算出した複数の高さのいずれかに合焦するように、光学ヘッド21に試料Sと観察光学系23の距離を変更させる。換言すると、制御装置30は、光学ヘッド21に、試料Sと観察光学系23の距離を、ステップS14で算出した複数の高さに応じた距離に変更させる。
【0059】
焦準部の移動が終了すると、観察装置10は、照明状態を順次切り替えて試料Sを撮像する(ステップS16)。ここでは、制御装置30は、上述した複数の照明状態へ順番に切り替えて複数の画像を取得する。より具体的には、制御装置30は、照明装置24を制御して第1の照明状態で試料Sを照明しながら、デジタルカメラ27を制御して第1の照明状態で照明されている試料Sを撮像することで、撮像画像を取得する。その後、制御装置30は、照明装置24を制御して第2の照明状態へ切り替えて第2の照明状態で試料Sを照明しながら、デジタルカメラ27を制御して第2の照明状態で照明されている試料Sを撮像することで、撮像画像を取得する。さらに、制御装置30は、照明装置24を制御して第3の照明状態へ切り替えて第3の照明状態で試料Sを照明しながら、デジタルカメラ27を制御して第3の照明状態で照明されている試料Sを撮像することで、撮像画像を取得する。これにより、制御装置30は、同じ高さに合焦した状態で、複数の照明状態に対応する複数の撮像画像が取得する。
【0060】
その後、観察装置10は、画像取得を終了するかどうか判定する(ステップS17)。ここでは、制御装置30は、ステップS14で算出した複数の高さの全てで画像を取得したか否かに基づいて画像取得を終了するか否かを判定する。
【0061】
複数の高さの全てで画像を取得していない場合には、制御装置30は、画像取得を終了しないと判定し、複数の高さの全てで画像を取得するまで、ステップS15からステップS17の処理を繰り返す。
【0062】
即ち、制御装置30は、焦準部に距離を変更させる処理(ステップS15)と、ステップS15の処理後に行う複数の照明状態へ順番に切り替えて複数の画像を取得する処理(ステップS16)とを、繰り返す。これにより、制御装置30は、
図13に示すように、ステップS14で算出した試料Sの各領域の高さ毎に、複数の照明状態に対応する複数の撮像画像を取得する。
【0063】
画像取得が終了すると、観察装置10は、複数の撮像画像を合成して、合成画像である全焦点画像を生成する(ステップS18)。ここでは、制御装置30は、ステップS15の処理とステップS16の処理とを繰り返すことで取得した複数の撮像画像に基づいて、試料Sの全焦点画像を生成する。
【0064】
全焦点画像を生成する画像合成方法は、特に限定しないが、ステップS14で算出した試料の各領域の高さを利用すればよい。制御装置30は、全焦点画像の各領域に対応する画素値を、その領域の高さに合焦しながら複数の照明状態で取得した複数の画像の当該領域に対応する画素値に基づいて決定すればよい。つまり、制御装置30は、ある高さの領域に対応する全焦点画像の画素値は、その領域の高さに合焦しながら第1の照明状態で取得した撮像画像、第2の照明状態で取得した撮像画像、及び、第3の照明状態で取得した撮像画像、のその領域の画素値に基づいて決定すればよい。具体的には、制御装置30は、全焦点画像の各領域に対応する画素値を、その領域の高さに合焦しながら複数の照明状態で取得した複数の画像の当該領域に対応する画素値の最大値に決定してもよい。
【0065】
従って、制御装置30は、
図14に示すように、ある高さに合焦した状態で取得した複数の画像の中からその高さの領域毎に利用する画像を独立して選択してもよく、全焦点画像の生成に同じ高さで取得した1つ以上の画像が利用されてもよい。これにより領域毎に異なる最適な照明状態に合わせて最適な画像の画素値を全焦点画像の画素値として利用することができる。
【0066】
また、制御装置30は、
図15に示すように、ある高さに合焦した状態で取得した複数の画像の中から1枚の画像を選択してもよく、全焦点画像の生成に高さ毎に1枚ずつ選択された複数の画像が利用されてもよい。これにより高さ毎に最適な照明状態で取得した画像の画素値を全焦点画像の画素値として利用することができる。
【0067】
なお、高さ毎に最適な照明状態で取得した画像の選択はコントラストに基づいて決定してもよく、例えば、その高さに合焦した状態で取得した複数の画像の内の最もコントラストの高い画像を、その高さに最適な照明状態で取得した画像として決定してもよい。
【0068】
一方で、設定領域62で“ピッチ送り”が選択されている場合には、観察装置10は、ステップS12において、画像取得モードがピッチ送りモードであると判定し、
図16に示すように、焦準部を移動する処理(ステップS19)と、ステップS19後に照明状態を順次切り替えて試料Sを撮像する処理(ステップS20)を繰り返す。
【0069】
ここで、ステップS19の処理は、所定ピッチで焦準部を移動する点がステップS15の処理とは異なるが、ステップS20の処理は、ステップS16の処理と同様である。即ち、制御装置30は、ステップS19では、焦準部に試料Sと観察光学系23の間の距離を一定の間隔(例えば、500μm)で変更させて、ステップS20では、上述した複数の照明状態へ順番に切り替えて複数の画像を取得する。
【0070】
なお、ステップS21の画像取得を終了するかどうかの判定は、例えば、焦準部が指定された高さ範囲外まで移動したか否か、指定された回数の移動が終了したか否か等によって判定すればよい。
【0071】
画像取得が終了すると、観察装置10は、複数の撮像画像を合成して、合成画像である全焦点画像を生成する(ステップS22)。ここでは、制御装置30は、ステップS19の処理とステップS20の処理とを繰り返すことで取得した複数の画像に基づいて、試料Sの全焦点画像を生成する。
【0072】
全焦点画像を生成する画像合成方法は、特に限定しない。制御装置30は、全焦点画像の各領域に対応する画素値を、ステップS19の処理とステップS20の処理とを繰り返すことで取得した複数の画像の当該領域に対応する画素値に基づいて決定すればよい。具体的には、制御装置30は、全焦点画像の各領域に対応する画素値を、繰り返し取得した複数の画像の当該領域に対応する画素値の最大値に決定してもよい。
【0073】
なお、ピッチ送りモードでは、ステップS22で特定される領域毎の最大値を有する画像に基づいて、その領域の高さを算出してもよい。
【0074】
ステップS18又はステップS22で全焦点画像が生成されると、観察装置10は生成した全焦点画像を出力する(ステップS23)。ここでは、制御装置30は、全焦点画像を表示装置40に表示する。具体的には、制御装置30は、例えば、アプリケーション画面60の画像表示領域61に全焦点画像を表示する。これにより、ユーザは、全焦点画像を観察することで、試料S全体を良好に観察することができる。
【0075】
以上の様に、観察装置10によれば、
図9に示す処理を実行することで、立体的な試料Sを良好に可視化することができる。従って、様々な試料を良好に観察する。また、観察装置10では、プレスキャンモードを選択することで、正確に特定された各領域の高さで複数の照明状態に対応する複数の画像が取得されるため、精度良く試料Sの立体形状を特定し、各領域に精度良く合焦した状態で取得した画像を用いて全焦点画像を生成することができる。さらに、ピッチ送りモードを選択することで、事前に高さを算出せずに一定間隔ずつ高さを変更しながら複数の照明状態に対応する複数の画像を取得し、それらの画像から全焦点画像を生成することができる。これにより、プレスキャンモードが選択された場合よりも、短い時間で全焦点画像を生成することができる。このように、観察装置10では、画像取得モードにより精度と速度のどちらを優先して全焦点画像を作成するか選択することが可能であり、ユーザが置かれている様々な状況に対処することができる。
【0076】
なお、以上では、全焦点画像を表示する例を示したが、ユーザがボタン64を押下して三次元画像表示を指示することで、全焦点画像の代わりに三次元画像が合成画像として生成されてもよい。即ち、制御装置30は、ユーザの操作に応じて、繰り返し取得した複数の画像に基づいて、全焦点画像又は三次元画像である試料の新たな画像を生成すればよい。
【0077】
[第2の実施形態]
図17は、観察装置10が行う第2の実施形態に係る処理のフローチャートである。
図18は、アプリケーション画面の別の例である。以下、第1の実施形態と同様に、全焦点画像を表示する場合を例にして説明する。
【0078】
本実施形態は、画像取得モードに加えて画像合成モードをユーザが選択可能な点、選択された画像合成モードに応じて全焦点画像が生成される点が、第1の実施形態とは異なっている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
【0079】
観察装置10が所定のプログラムを実行して
図17に示す処理が開始されると、まず、観察装置10は、画像取得モードと画像合成モードの入力を取得する(ステップS31)。ここでは、プログラム実行により表示装置40に表示される
図18に示すアプリケーション画面60aの設定領域62上で、ユーザがプレスキャンモードとピッチ送りモードのいずれかの画像取得モードを選択すると、観察装置10は、入力装置50からの入力信号に基づいて、ユーザが選択した画像取得モードを検出する。また、アプリケーション画面60aの設定領域66上でユーザが高輝度モードと低反射率モードのいずれかの画像合成モードを選択すると、観察装置10は、入力装置50からの入力信号に基づいて、ユーザが選択した画像合成モードを検出する。
【0080】
その後、ユーザがボタン63を押下して全焦点画像表示を指示すると、観察装置10は、画像取得モードを判定する(ステップS32)。設定領域62で“プレスキャン”が選択されている場合には、観察装置10は、画像取得モードがプレスキャンモードであると判定し、試料Sをプレスキャンし(ステップ33)、さらに、試料Sの高さを算出する(ステップS34)。
【0081】
試料の各領域の高さが算出されると、観察装置10は、算出された高さに対応する位置へ焦準部を移動する処理(ステップS35)と、照明状態を順次切り替えて試料Sを撮像する処理(ステップS36)を、算出された全ての高さに対応する位置へ移動するまで(ステップS37YES)、繰り返す。なお、ステップS33からステップS37までの処理は、
図9のステップS13からステップS17までの処理と同様である。
【0082】
画像取得が終了すると、観察装置10は、複数の撮像画像を合成して、合成画像である全焦点画像を生成する(ステップS38)。ここでは、制御装置30は、ステップS35の処理とステップS36の処理とを繰り返すことで取得した複数の撮像画像に基づいて、試料Sの全焦点画像を生成する。
【0083】
より具体的には、
図18に示すように設定領域66で“高輝度”が選択されている場合には、制御装置30は、全焦点画像の各領域に対応する画素値を、その領域の高さに合焦しながら複数の照明状態で取得した複数の画像の当該領域に対応する画素値の最大値に決定する。さらに、設定領域66で予め画素値(輝度)の閾値が設定されている場合には、制御装置30は、その閾値以内で画素値を決定してもよい。つまり、全焦点画像の各領域に対応する画素値を、その領域の高さに合焦しながら複数の照明状態で取得した複数の画像の当該領域に対応する画素値のうち閾値以下で最も高い画素値に決定してもよい。一方で、設定領域66で“低反射率”が設定されている場合には、制御装置30は、全焦点画像の各領域に対応する画素値を、その領域の高さに合焦しながら複数の照明状態で取得した複数の画像の当該領域に対応する画素値の最小値に決定する。さらに、設定領域66で予め画素値(輝度)の閾値が設定されている場合には、制御装置30は、その閾値以上で画素値を決定してもよい。つまり、全焦点画像の各領域に対応する画素値を、その領域の高さに合焦しながら複数の照明状態で取得した複数の画像の当該領域に対応する画素値のうち閾値以上で最も低い画素値に決定してもよい。
【0084】
一方で、設定領域62で“ピッチ送り”が選択されている場合には、観察装置10は、ステップS32において、画像取得モードがピッチ送りモードであると判定し、焦準部を一定のピッチで移動する処理(ステップS39)と、ステップS39後に照明状態を順次切り替えて試料Sを撮像する処理(ステップS40)を、例えば焦準部が指定された高さ範囲外まで移動するまで(ステップS41YES)、繰り返す。なお、ステップS39からステップS41までの処理は、
図9のステップS19からステップS22までの処理と同様である。
【0085】
画像取得が終了すると、観察装置10は、複数の撮像画像を合成して、合成画像である全焦点画像を生成する(ステップS42)。ここでは、制御装置30は、ステップS39の処理とステップS40の処理とを繰り返すことで取得した複数の画像に基づいて、試料Sの全焦点画像を生成する。
【0086】
より具体的には、設定領域66で予め画素値(輝度)の閾値が設定されている場合には、制御装置30は、その閾値以内で画素値を決定してもよい。つまり、全焦点画像の各領域に対応する画素値を、繰り返し取得した複数の画像の当該領域に対応する画素値のうち閾値以下で最も高い画素値に決定してもよい。
【0087】
ステップS38又はステップS42で全焦点画像が生成されると、観察装置10は生成した全焦点画像を出力する(ステップS43)。この処理は、
図9のステップS23と同様である。
【0088】
以上の様に、観察装置10は、
図9に示す処理の代わりに
図17に示す処理を実行した場合であっても、立体的な試料Sを良好に可視化することができる可能であり、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、ユーザが画像合成モードを選択することができる。具体的には、高輝度モードを選択することで輝度を優先して全焦点画像を生成することが可能であり、低反射率モードを選択することでハレーション抑制を優先して全焦点画像を生成することができる。従って、ユーザは試料の材料などから最適な画像合成モードを選択することで、ハレーションを抑制しながら明るい画像を得ることができる。
【0089】
[第3の実施形態]
図19は、観察装置10が行う第3の実施形態に係る処理のフローチャートである。以下、第1の実施形態と同様に、全焦点画像を表示する場合を例にして説明する。
【0090】
本実施形態は、複数の照明状態で取得した複数の画像が一覧表示される点と、一覧表示された複数の画像から選択された画像が画像合成に利用される点が、第1の実施形態とは異なっている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
【0091】
観察装置10が所定のプログラムを実行して
図19に示す処理を開始すると、まず、画像取得モードの入力を取得する(ステップS51)。その後、ユーザがプレスキャンモードを選択した場合には、ステップS53からステップS56の処理が行われる。これらの処理は、
図9のステップS13からステップS16の処理と同様である。
【0092】
その後、観察装置10は、ステップS56で取得した複数の画像を一覧表示する(ステップS57)。ここでは、制御装置30は、ステップS55で移動した現在の高さにおいて複数の照明状態で取得した複数の画像(例えば、第1の照明状態の画像、第2の照明状態の画像、第3の照明状態の画像)を、アプリケーション画面の画像表示領域61に比較可能に並べて表示する。さらに、制御装置30は、利用者が一覧表示された画像から1つの画像を選択すると(ステップS58YES)、選択された画像を現在の高さの代表画像として記憶する。
【0093】
観察装置10は、ステップS55からステップS58の処理を、ステップS54で算出された全ての高さに対応する位置へ移動するまで(ステップS59YES)、繰り返す。画像取得が終了すると、観察装置10は、複数の撮像画像を合成して、合成画像である全焦点画像を生成する(ステップS60)。この処理では、各高さの代表画像からその高さの領域に対応する部分を抽出して貼り合わせることで、全焦点画像が生成される。
【0094】
一方で、ユーザがピッチ送りモードを選択した場合には、ステップS61とステップS62の処理が行われる。これらの処理は、
図9のステップS19とステップS20と同様である。
【0095】
その後、観察装置10は、ステップS62で取得した複数の画像を一覧表示する(ステップS63)。ここでは、制御装置30は、ステップS61で移動した現在の高さにおいて複数の照明状態で取得した複数の画像(例えば、第1の照明状態の画像、第2の照明状態の画像、第3の照明状態の画像)を、アプリケーション画面の画像表示領域61に比較可能に並べて表示する。さらに、制御装置30は、利用者が一覧表示された画像から1つの画像を選択すると(ステップS64YES)、選択された画像を現在の高さの代表画像として記憶する。
【0096】
観察装置10は、ステップS61からステップS64の処理を、例えば焦準部が指定された高さ範囲外まで移動するまで(ステップS65YES)、繰り返す。画像取得が終了すると、観察装置10は、複数の撮像画像を合成して、合成画像である全焦点画像を生成する(ステップS66)。この処理は、
図9のステップS22の処理と同様である。
【0097】
ステップS60又はステップS66で全焦点画像が生成されると、観察装置10は生成した全焦点画像を出力する(ステップS67)。この処理は、
図9のステップS23と同様である。
【0098】
以上の様に、観察装置10は、
図9に示す処理の代わりに
図19に示す処理を実行した場合であっても、立体的な試料Sを良好に可視化することができる可能であり、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、ユーザが高さ毎に最適な照明状態の画像を選択することができる。従って、ユーザの好みを反映した全焦点画像を得ることができる。
【0099】
[第4の実施形態]
図20は、観察装置10が行う第4の実施形態に係る処理のフローチャートである。
図21は、アプリケーション画面のさらに別の例である。以下、一覧表示の中から画像を選択することで、選択した画像が取得されたときの顕微鏡20の状態を再現する処理について説明する。
【0100】
観察装置10が所定のプログラムを実行して例えば
図9に示す処理により全焦点画像を生成した後に、ユーザがボタン65を押下して一覧表示を指示すると(ステップS71YES)、観察装置10は、撮像画像を一覧表示する(ステップS72)。ここでは、制御装置30は、全焦点画像を生成するために取得した複数の画像を一覧表示する。より具体的には、制御装置30は、焦準部に試料Sと観察光学系23との間の距離を変更させる処理と、距離を変更後に複数の照明状態へ順番に切り替えて複数の画像を取得する処理と、を繰り返すことで取得した複数の画像を、表示装置40に一覧表示する。
【0101】
一覧表示される複数の画像は、
図21に示すアプリケーション画面70で示されるように、例えば、高さ(z位置)毎に複数の照明状態で取得した複数の画像を並べて表示してもよい。ユーザは、一覧表示された画像を見ることで、高さや照明状態毎に試料Sの写り方がどのように変化するのかを確認することができる。
【0102】
その後、観察装置10は、利用者が一覧表示された画像から1つの画像を選択したことを検出すると(ステップS73YES)、その選択された画像(以降、選択画像と記す。)に応じた位置へ焦準部が移動し(ステップS74)、選択画像に応じた照明状態へ切り替える(ステップS75)。ステップS74及びステップS75では、制御装置30は、焦準部を制御して試料Sと観察光学系23の間の距離を選択画像に対応する距離に変更し、複数の照明部の少なくとも一部を制御して選択画像に対応する照明状態へ切り替える。これにより、ユーザが選択した画像を取得したときの顕微鏡20の状態が再現される。
【0103】
以上の様に、観察装置10は、
図20に示す処理を実行することで、一覧表示されている画像中の任意の画像を取得したときの顕微鏡20の状態を容易に再現することができる。
【0104】
なお、
図20では、一覧表示された画像の中から1つの画像を選択し、選択した画像を取得したときの顕微鏡20の状態を再現する例を示したが、一覧表示された画像から高さ毎に画像が選択されてもよい。制御装置30は、高さ毎、つまり、試料Sと観察光学系23の間の距離毎に利用者が選択した画像に基づいて、全焦点画像または三次元画像を生成してもよい。
【0105】
図22は、上述した実施形態に係る、制御装置30を実現するためのコンピュータ100のハードウェア構成を例示した図である。
図20に示すように、コンピュータ100は、ハードウェア構成として、プロセッサ101、メモリ102、記憶装置103、読取装置104、通信インタフェース106、及び入出力インタフェース107を備えている。なお、プロセッサ101、メモリ102、記憶装置103、読取装置104、通信インタフェース106、及び入出力インタフェース107は、例えば、バス108を介して互いに接続されている。
【0106】
プロセッサ101は、例えば、シングルプロセッサであっても、マルチプロセッサやマルチコアプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、記憶装置103に格納されているプログラムを読み出して実行することで、観察装置10の制御部として動作する。
【0107】
メモリ102は、例えば、半導体メモリであり、RAM領域およびROM領域を含んでいてよい。記憶装置103は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、または外部記憶装置である。
【0108】
読取装置104は、例えば、プロセッサ101の指示に従って着脱可能記憶媒体105にアクセスする。着脱可能記憶媒体105は、例えば、半導体デバイス、磁気的作用により情報が入出力される媒体、光学的作用により情報が入出力される媒体などにより実現される。なお、半導体デバイスは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリである。また、磁気的作用により情報が入出力される媒体は、例えば、磁気ディスクである。光学的作用により情報が入出力される媒体は、例えば、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu-ray Disc等(Blu-rayは登録商標)である。
【0109】
通信インタフェース106は、例えば、プロセッサ101の指示に従って、他の装置と通信する。入出力インタフェース107は、例えば、入力装置および出力装置との間のインタフェースである。入力装置は、例えば、ユーザからの指示を受け付けるキーボード、マウス、タッチパネルなどのデバイスである。出力装置は、例えばディスプレイなどの表示装置、およびスピーカなどの音声装置である。
【0110】
プロセッサ101が実行するプログラムは、例えば、下記の形態でコンピュータ100に提供される。
(1)記憶装置103に予めインストールされている。
(2)着脱可能記憶媒体105により提供される。
(3)プログラムサーバなどのサーバから提供される。
【0111】
なお、
図22を参照して述べた制御装置30を実現するためのコンピュータ100のハードウェア構成は例示であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、上述の構成の一部が、削除されてもよく、また、新たな構成が追加されてもよい。また、別の実施形態では、例えば、上述の算出部42の一部または全部の機能がFPGA(Field Programmable Gate Array)、SoC(System-on-a-Chip)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、およびPLD(Programmable Logic Device)などによるハードウェアとして実装されてもよい。即ち、制御装置30に含まれる任意の電気回路が上述した内部予測処理を行ってもよい。
【0112】
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態を変形した変形形態および上述した実施形態に代替する代替形態が包含され得る。つまり、各実施形態は、その趣旨および範囲を逸脱しない範囲で構成要素を変形することが可能である。また、1つ以上の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより、新たな実施形態を実施することができる。また、各実施形態に示される構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよく、または実施形態に示される構成要素にいくつかの構成要素を追加してもよい。さらに、各実施形態に示す処理手順は、矛盾しない限り順序を入れ替えて行われてもよい。即ち、本発明の観察装置は、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
【0113】
上述した実施形態では、制御装置30が照明部単位で発光素子の発光を制御する例を示したが、制御装置30は発光素子単位で発光素子の発光を制御してもよい。また、制御装置30は、照明部の一部の発光素子のみ発光させて、残りの発光素子を発光させなくてもよい。このような発光制御は光量調整の目的で行われてもよい。また、制御装置30は、照明部内で発光素子を複数のグループに分けて、グループ毎に発光させてもよい。例えば、周方向に並んだ複数の発光素子を周方向に4つに分割し、4つのグループにグループ分けしてもよく、4つのグループに属する発光素子をグループ毎に順番に発光させてもよい。このような発光制御は照明に指向性を待たせる目的で行われてもよい。
【0114】
上述した実施形態では、照明装置が3つ照明部を有する例を示したが、照明部の数は3つに限らない。照明装置は、2つ以上の照明部を有していればよい。
【0115】
上述した実施形態では、全ての画像が一覧表示される例を示したが、高さ毎に制御装置30が最も明るい又は暗い画像を選択して、高さ毎に1枚ずつ選択された画像を一覧表示してもよい。
【0116】
上述した実施形態では、複数の照明部が同じ高さに固定されている例を示したが、複数の照明部が異なる角度で試料を照明できればよく、必ずしも同じ高さに固定されている必要はない。ただし、同じ高さに複数の照明部を固定することで、点灯状態にある照明部を切り替えた場合に生じる光量差を小さくすることができる。
【0117】
上述した実施形態では、ピッチ送りモードで固定幅のピッチを用いる例を示したが、ピッチ送りモードは必ずしも固定幅で焦準部を移動させる必要はない。上述したピッチ送りモードでは試料Sの高さが不明なため固定幅のピッチを用いたが、以前に同種の試料について全焦点画像又は三次元画像を生成している場合には、そのときに取得した高さ情報を用いて試料の高さを推定して、推定した高さに応じた位置に焦準部を移動させてもよい。
【0118】
上述した実施形態では、複数の照明部の各々が円環形状を有し、円環状に配列された複数の発光素子を含む例を示したが、照明部の形状は円環形状に限らず、複数の発光素子の配列も円環状に限らない。照明部の形状は環形状であればよく、複数の発光素子の配列も環状であればよい。従って、例えば、照明部の形状は矩形環形状であってもよく、複数の発光素子は矩形環状に配列してもよい。
【符号の説明】
【0119】
10 観察装置
20 顕微鏡
21 光学ヘッド
22、90 光源
23 観察光学系
231 対物レンズ
24、28、29 照明装置
240 発光素子
241~243、281~283、291~293 照明部
25 ステージ
25a XYステージ
25b Zステージ
26 フレーム
27 デジタルカメラ
271 イメージセンサ
290 導光体
30 制御装置
40 表示装置
50 入力装置
60、60a、70 アプリケーション画面
61 画像表示領域
62、66 設定領域
63~65 ボタン
80 合成画像
81~83 撮像画像
100 コンピュータ
101 プロセッサ
102 メモリ
103 記憶装置
104 読取装置
105 記憶媒体
106 通信インタフェース
107 入出力インタフェース
108 バス
L1~L3 照明光
R1~R5 面
S 試料