(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076276
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】除湿装置
(51)【国際特許分類】
B01D 53/26 20060101AFI20230525BHJP
F24F 3/153 20060101ALI20230525BHJP
F24F 1/0083 20190101ALI20230525BHJP
【FI】
B01D53/26 220
F24F3/153
F24F1/0083
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189608
(22)【出願日】2021-11-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】390020215
【氏名又は名称】株式会社西部技研
(72)【発明者】
【氏名】河口 和彦
(72)【発明者】
【氏名】松尾 慎
(72)【発明者】
【氏名】藤元 幸司
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 宏樹
【テーマコード(参考)】
4D052
【Fターム(参考)】
4D052AA08
4D052BA04
4D052BB09
4D052CB00
4D052DA02
4D052DA08
4D052DB01
4D052FA08
4D052GA01
4D052GB03
4D052HA01
4D052HA03
(57)【要約】
【課題】単一の除湿ロータを用いて低露点空気を供給することができ、イニシャルコストが抑制された除湿装置を提供する。
【解決手段】本発明の除湿装置は、少なくとも再生ゾーンと処理ゾーンの2つのゾーンに分割された除湿ロータを有し、外気を第一のクーラで冷却除湿して処理ゾーンに通過させ、処理ゾーンを通過した空気を供給先に供給し、供給先からの還気を第二のクーラで冷却して第一のクーラを通過した空気と混合し、再生用空気を第一のヒータで加熱して、再生ゾーンに通すようにしたことを特徴とし、第一のヒータには第一の冷媒フローに設けた凝縮器を用い、第二のクーラには第二の冷媒フローに設けた蒸発器を用い、第一の冷媒フローには第一の圧縮機と凝縮器が接続され、第二の冷媒フローには第二の圧縮機と蒸発器が接続され、第一の冷媒フローの冷媒と第二の冷媒フローの冷媒とを熱交換させるカスケードコンデンサを設けるようにした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも再生ゾーンと処理ゾーンの2つのゾーンに分割された除湿ロータを有し、処理用空気を第一のクーラで冷却除湿して前記処理ゾーンに通過させ、前記処理ゾーンを通過した空気を供給先に供給し、再生用空気を第一のヒータで加熱して、前記再生ゾーンに通すようにしたことを特徴とする除湿装置であって、前記第一のヒータには第一の冷媒フローに設けた凝縮器を用い、前記第一のクーラには第二の冷媒フローに設けた蒸発器を用い、前記第一の冷媒フローには第一の圧縮機と前記凝縮器が接続され、前記第二の冷媒フローには第二の圧縮機と前記蒸発器が接続され、前記第一の冷媒フローの冷媒と前記第二の冷媒フローの冷媒とを熱交換させるカスケードコンデンサを設けたことを特徴とする除湿装置。
【請求項2】
前記供給先からの還気を第二のクーラで冷却して前記第一のクーラを通過した空気と混合したことを特徴とする請求項1に記載の除湿装置。
【請求項3】
前記第二のクーラには前記第二の冷媒フローに設けた前記蒸発器を用いるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の除湿装置。
【請求項4】
少なくとも再生ゾーンと処理ゾーンの2つのゾーンに分割された除湿ロータを有し、処理用空気を第一のクーラで冷却除湿して前記処理ゾーンに通過させ、前記処理ゾーンを通過した空気を供給先に供給し、前記供給先からの還気を第二のクーラで冷却して前記第一のクーラを通過した空気と混合し、再生用空気を第一のヒータで加熱して、前記再生ゾーンに通すようにしたことを特徴とする除湿装置であって、前記第一のヒータには第一の冷媒フローに設けた凝縮器を用い、前記第二のクーラには第二の冷媒フローに設けた蒸発器を用い、前記第一の冷媒フローには第一の圧縮機と前記凝縮器が接続され、前記第二の冷媒フローには第二の圧縮機と前記蒸発器が接続され、前記第一の冷媒フローの冷媒と前記第二の冷媒フローの冷媒とを熱交換させるカスケードコンデンサを設けたことを特徴とする除湿装置。
【請求項5】
前記第一のクーラには単独の冷凍機を用いるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の除湿装置。
【請求項6】
前記除湿ロータの前記再生ゾーンと前記処理ゾーンの間に、パージゾーンを有するようにしたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の除湿装置。
【請求項7】
前記処理ゾーンを通過する前あるいは通過した後の空気の一部を分岐して前記パージゾーンを通過させ、前記パージゾーンを通過した空気を再生用空気に混合して第一のヒータに通すようにしたことを特徴とする請求項6に記載の除湿装置。
【請求項8】
前記再生ゾーンを通過した空気を前記第一のクーラの前に戻すようにしたことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の除湿装置。
【請求項9】
前記処理ゾーンを通過した空気を第二のヒータによって温度調節し、前記供給先に送るようにしたことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の除湿装置。
【請求項10】
前記第二のヒータには前記第一の冷媒フローに設けた前記凝縮器を用いるようにしたことを特徴とする請求項9に記載の除湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除湿ロータ及びヒートポンプを用いるものであって、単一のロータで再生ヒータの消費電力を削減した低露点空気の供給が可能な除湿システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、リチウム電池の需要が増大し、それに伴いその生産も増大している。リチウム電池は、その原料であるリチウムが空気中の湿気と反応し、その反応によって生産されたリチウム電池の性能が悪くなる。このため、リチウム電池の生産ラインは、乾燥した状態に保つ必要がある。この乾燥した状態に保つ手段として、生産工場内を乾燥した窒素によってパージする手段と、シリカゲルなどの湿気吸着剤を有する除湿ロータを利用した除湿装置を用いる手段などがある。
【0003】
リチウム電池の用途が、電気自動車やハイブリッド自動車などの自動車用に広がるにつれて、生産工場の規模が大きくなり、除湿装置を用いる手段の方が数多く採用されている。
【0004】
除湿装置の場合、除湿ロータの再生に高温の空気を使うのであるが、その高温の空気を作るためのエネルギーをできるだけ少なくすることが図られている。
【0005】
例えば特許文献1に開示されたものは、再生温度が摂氏50℃(以下、温度は全て「摂氏」とする。)と低くても、二段の除湿ロータで超低露点の乾燥空気を供給する除湿装置であり、クーラにヒートポンプの蒸発器のみを利用し、ヒータにヒートポンプの凝縮器のみを利用することにより、除湿ロータの再生のために他の熱源を必要としないため、省エネルギーである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に開示されたものは、低温再生で超低露点の乾燥空気を供給する除湿装置であって、ヒートポンプの蒸発器と凝縮器のみを使って、空調機全体のエネルギー負荷を軽減できるようにしている。つまり、一台の蒸発器(第二のクーラ)に対し、四台の凝縮器(第一乃至第三のヒータ及び放熱用凝縮器)を配置して、単一の冷却器の凝縮熱として得られる低温再熱を利用して、省エネルギー効果を得ている。しかし、凝縮器が四台あり、除湿ロータも二つあるため、イニシャルコストが高く、装置が大きくなる。
【0008】
通常、単一の除湿ロータを用いて、低露点空気を供給するには、再生温度を100℃以上まで昇温させる必要があるため、再生熱源として電気ヒータや蒸気ヒータなどを使用し、再生温度を上げる必要がある。
【0009】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、単一の除湿ロータ及びカスケード式ヒートポンプを用いることによって、最大110℃まで再生温度を高めることができるので、単一の除湿ロータを用いて低露点空気を供給することができ、単一の除湿ロータで除湿ロータの再生に電気ヒータなどを用いる従来の除湿装置に比べて省エネルギーであり、特許文献1のような二段の除湿ロータでヒートポンプのみを用いる除湿装置に比べてイニシャルコストが抑制された除湿装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の除湿装置は、少なくとも再生ゾーンと処理ゾーンの2つのゾーンに分割された除湿ロータを有し、外気を第一のクーラで冷却除湿して処理ゾーンに通過させ、処理ゾーンを通過した空気を供給先に供給し、供給先からの還気を第二のクーラで冷却して第一のクーラを通過した空気と混合し、再生用空気を第一のヒータで加熱して、再生ゾーンに通すようにしたことを特徴とする除湿装置であって、第一のヒータには第一の冷媒フローに設けた凝縮器を用い、第二のクーラには第二の冷媒フローに設けた蒸発器を用い、第一の冷媒フローには第一の圧縮機と凝縮器が接続され、第二の冷媒フローには第二の圧縮機と蒸発器が接続され、第一の冷媒フローの冷媒と第二の冷媒フローの冷媒とを熱交換させるカスケードコンデンサを設けるようにしたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の除湿装置は、高温の凝縮熱を除湿装置の再生熱源として利用することで、単一の除湿ロータで低露点空気を供給可能にしたので、装置がよりコンパクトになり、イニシャルコストを低く抑えることができ、リチウム電池工場などの現場に設置が容易なものとなる。
【0012】
さらに、カスケード式ヒートポンプとすることで、凝縮器と蒸発器との間の高低差圧を十分確保でき、その結果、双方の能力を十分得ることができる。これにより、単一の除湿ロータで除湿ロータの再生に電気ヒータを用いる従来の除湿装置に比べて、約20%のエネルギーを削減することができるので、ランニングコストも抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】
図2は本発明の冷媒フローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の除湿装置は、少なくとも再生ゾーンと処理ゾーンの2つのゾーンに分割された除湿ロータを有し、外気を第一のクーラで冷却除湿して処理ゾーンに通過させ、処理ゾーンを通過した空気を供給先に供給し、供給先からの還気を第二のクーラで冷却して第一のクーラを通過した空気と混合し、再生用空気を第一のヒータで加熱して、再生ゾーンに通すようにしたことを特徴とする除湿装置であって、第一のヒータには第一の冷媒フローに設けた凝縮器を用い、第二のクーラには第二の冷媒フローに設けた蒸発器を用い、第一の冷媒フローには第一の圧縮機と凝縮器が接続され、第二の冷媒フローには第二の圧縮機と蒸発器が接続され、第一の冷媒フローの冷媒と第二の冷媒フローの冷媒とを熱交換させるカスケードコンデンサを設けるようにしたことにより、最大110℃の再生温度を得ることができ、省エネルギーでイニシャルコストが低減でき、単一の除湿ロータであっても-60℃DP以下の低露点空気を供給することができるようにした。
【0015】
図1に本発明の除湿装置を示す。1は除湿ロータであり、湿気用吸着剤としてシリカゲルやゼオライトなどが担持されている。除湿ロータ1は処理ゾーン2、再生ゾーン3、及びパージゾーン4に分割されている。
【0016】
5は第一のクーラであり、この第一のクーラ5は外気OAなどの処理用空気を冷却除湿するものである。第一のクーラ5を通過した空気は、処理用送風機9によって除湿ロータ1の処理ゾーン2を通過した後、第二のヒータ8によって温度を調整されて、低露点空気の供給先であるドライルーム11に給気SAとして供給される。
【0017】
ドライルーム11からの還気RAは、第二のクーラ6を通過後、第一のクーラ5を通過した空気と混合され、処理用送風機9の吸い込み側に導かれる。つまり処理用送風機9の吸い込み側には第一のクーラ5を通過した空気と、ドライルーム11からの還気RAとが導かれる。
【0018】
処理用送風機9を通過した空気の一部は分岐され、パージゾーン4を通って、再生用空気として第一のヒータ7によって加熱され、除湿ロータ1の再生ゾーン3に導かれる。除湿ロータ1の再生ゾーン3を出た空気は再生用送風機10によって、処理用空気と混合され、再び第一のクーラ5に導かれる。なお、再生ゾーン3を出た空気を直接装置外へ排気するようにしてもよい。
【0019】
図2に本発明の冷媒フローを示す。本発明の冷媒フローは、第一のヒータ7(凝縮器12)及び第二のクーラ6(蒸発器13)それぞれを別々の二つの冷媒フロー(第一の冷媒フロー14及び第二の冷媒フロー18)として構成し、それぞれの冷媒フローに圧縮機を配置し、一方の圧縮機(第一の圧縮機15)の冷媒の蒸発、及びもう一方の圧縮機(第二の圧縮機19)の冷媒の凝縮は、双方の間に設けたカスケードコンデンサ17により行い、凝縮器12の高温の凝縮熱を除湿ロータ1の再生用空気の加熱の熱源として利用することを特徴とする(以下、「カスケード式ヒートポンプ」という。)。
【0020】
第一の冷媒フロー14には、第一の圧縮機15、再生用空気を加熱する第一のヒータ7としての凝縮器12、膨張手段としての膨張弁16、カスケードコンデンサ17が順に接続されている。第一の圧縮機15から出されるガス化した冷媒は、凝縮器12へ流入し、再生用空気を加熱して凝縮する。凝縮器12から吐出した液化された冷媒は膨張弁16で減圧膨張され、カスケードコンデンサ17に流入する。カスケードコンデンサ17では、第一の冷媒フロー14の冷媒と第二の冷媒フロー18の冷媒とが熱交換し、第一の冷媒フロー14の冷媒は蒸発するとともに、第二の冷媒フロー18の冷媒は凝縮する。これにより、第一の冷媒フロー14の冷媒は、カスケードコンデンサ17によって再生用空気を加熱するために必要な熱を吸収して蒸発し、第一の圧縮機15に戻って圧縮され、循環系を形成する。第一の冷媒フロー14に用いる冷媒には、高温でより多くの凝縮熱を得られる特性を持った冷媒を使用する。このため、第一のヒータ7(凝縮器12)では再生用空気を最大110℃まで加熱することができる。
【0021】
第二の冷媒フロー18には、第二の圧縮機19、カスケードコンデンサ17、凝縮圧力調整用の補助コンデンサなどの熱バランス調整装置、膨張手段としての膨張弁20、ドライルーム11からの還気RAを冷却する第二のクーラ6としての蒸発器13が順に接続されている。第二の圧縮機19から出されるガス化した冷媒は、カスケードコンデンサ17に流入する。カスケードコンデンサ17では、第二の冷媒フロー18の冷媒が第一の冷媒フロー14の冷媒へ放熱して凝縮する。カスケードコンデンサ17から吐出した液化された冷媒は膨張弁20で減圧膨張され、蒸発器13に流入し、ドライルーム11からの還気RAを冷却して、第二の圧縮機19に戻って圧縮される循環系を形成する。
【0022】
このように、第一のヒータ7としての凝縮器12が接続される第一の冷媒フロー14と、第二のクーラ6としての蒸発器13が接続される第二の冷媒フロー18とが、カスケードコンデンサ17を介して互いに接続され、カスケード式ヒートポンプが構成される。これにより、凝縮器12の凝縮圧力と、蒸発器13の蒸発圧力との差を十分に確保できる。この結果、凝縮器12での再生用空気の加熱能力が大きくなり、かつ蒸発器13の冷却能力も大きくなる。
【0023】
前述のカスケード式ヒートポンプとは別に、第一のクーラ5は、外気OAなどの処理用空気の変動があるため、単独の冷凍機を用いる。第二のヒータ8には給気SAの温度調節として、電気ヒータを用いる。第一のヒータ7には凝縮器12の凝縮熱を用いて再生用空気を最大110℃まで加熱するが、第一のヒータ7の後段に補助ヒータを設置し、第一のヒータ7で加熱が不足する場合にはこの補助ヒータで所望の再生温度まで加熱するようにしてもよい。
【0024】
上記実施例では、処理ゾーンと再生ゾーン、パージゾーンに3分割した除湿ロータを使用したが、吸着ゾーンと再生ゾーンの2分割した除湿ロータを使用し、再生用空気として処理ゾーンを通過した空気、外気、供給先からの還気のうち少なくとも一つから構成される空気を用いるようにしてもよい。また、除湿ロータの処理ゾーンを通過する前あるいは通過した後の空気をパージゾーンに通過させ、再生ゾーンを通過させる前の再生用空気に混合するようにしてもよい。また、3分割以上に分割した除湿ロータを用いたフローにしてもよい。
【0025】
また、上記実施例では、第一のクーラ5には単独の冷凍機を用いるようにしたが、第一のクーラ5は第二のクーラ6とともに第二の冷媒フロー18の蒸発器13を用いるようにしてもよい。すなわち、蒸発器13の蒸発熱を第一のクーラ5及び第二のクーラ6で利用できるように、蒸発器13からの配管をそれぞれのクーラにつながるように設置したり、第一のクーラ5及び第二のクーラ6にはそれぞれ別の蒸発器を用いて、第二の冷媒フロー18に蒸発器を二つ設け、これら二つの蒸発器を直列または並列となるように配置することが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0026】
さらに、第一のクーラ5のみに第二の冷媒フロー18の蒸発器13を用いて、第二のクーラ6には単独の冷凍機を用いるようにしてもよい。なお、本実施例では、第二のクーラ6の蒸発熱の方が第一のヒータ7の凝縮熱よりも出力が大きく、カスケードコンデンサ17での熱交換では賄えなくなる場合があるため、第二の冷媒フロー18に凝縮器として補助コンデンサを設けるようにしたが、これに限るものではなく、第二の冷媒フロー18には補助コンデンサなどの熱バランス調整装置などを設けずともよい。
【0027】
上記実施例のように第二のヒータ8には電気ヒータではなく、第一のヒータ7とともに第一の冷媒フロー14の凝縮器12を用いるようにしてもよい。すなわち、凝縮器12の凝縮熱を第一のヒータ7及び第二のヒータ8で利用できるように、凝縮器12からの配管をそれぞれのヒータにつながるように設置したり、第一のヒータ7及び第二のヒータ8にはそれぞれ別の凝縮器を用いて、第一の冷媒フロー14に凝縮器を二つ設け、これら二つの凝縮器を直列または並列となるように配置することが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0028】
以上の構成により、カスケード式ヒートポンプにおける凝縮器を再生用空気の加熱の熱源として用いることで、-60℃DP以下の低露点空気を供給するとともに、110℃まで昇温する際の熱エネルギーが削減される。
【0029】
本発明の除湿装置によれば、例えば、2名用ドライルームを-40℃DP以下に維持するための機器として比較した場合、単一の除湿ロータで除湿ロータの再生に電気ヒータのみを用いる従来の除湿装置に比べて、約20%のエネルギーを削減することができる。
【0030】
以上のように、単一の除湿ロータを用いて、カスケード式ヒートポンプを採用し凝縮器の凝縮熱を再生用空気の加熱に用いることで、省エネルギーでイニシャルコストが抑制された超低露点除湿装置とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
低露点の空気を供給することができ、リチウム電池の工場や、製薬の工程にも適用できる。
【符号の説明】
【0032】
1 除湿ロータ
2 処理ゾーン
3 再生ゾーン
4 パージゾーン
5 第一のクーラ
6 第二のクーラ
7 第一のヒータ
8 第二のヒータ
9 処理用送風機
10 再生用送風機
11 ドライルーム
12 凝縮器
13 蒸発器
14 第一の冷媒フロー
15 第一の圧縮機
16、20 膨張手段
17 カスケードコンデンサ
18 第二の冷媒フロー
19 第二の圧縮機
【手続補正書】
【提出日】2022-04-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
少なくとも再生ゾーンと処理ゾーンの2つのゾーンに分割された除湿ロータを有し、処理用空気を第一のクーラで冷却除湿して前記処理ゾーンに通過させ、前記処理ゾーンを通過した空気を供給先に供給し、再生用空気を第一のヒータで加熱して、前記再生ゾーンに通すようにしたことを特徴とする除湿装置であって、前記第一のヒータには第一の冷媒フローに設けた凝縮器を用い、前記第一のクーラには第二の冷媒フローに設けた蒸発器を用い、前記第一の冷媒フローには第一の圧縮機と前記凝縮器が接続され、前記第二の冷媒フローには第二の圧縮機と熱バランス調整装置と前記蒸発器が接続され、前記第一の冷媒フローの冷媒と前記第二の冷媒フローの冷媒とを熱交換させるカスケードコンデンサを設けたことを特徴とする除湿装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項4】
少なくとも再生ゾーンと処理ゾーンの2つのゾーンに分割された除湿ロータを有し、処理用空気を第一のクーラで冷却除湿して前記処理ゾーンに通過させ、前記処理ゾーンを通過した空気を供給先に供給し、前記供給先からの還気を第二のクーラで冷却して前記第一のクーラを通過した空気と混合し、再生用空気を第一のヒータで加熱して、前記再生ゾーンに通すようにしたことを特徴とする除湿装置であって、前記第一のヒータには第一の冷媒フローに設けた凝縮器を用い、前記第二のクーラには第二の冷媒フローに設けた蒸発器を用い、前記第一の冷媒フローには第一の圧縮機と前記凝縮器が接続され、前記第二の冷媒フローには第二の圧縮機と熱バランス調整装置と前記蒸発器が接続され、前記第一の冷媒フローの冷媒と前記第二の冷媒フローの冷媒とを熱交換させるカスケードコンデンサを設けたことを特徴とする除湿装置。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
少なくとも再生ゾーンと処理ゾーンの2つのゾーンに分割された除湿ロータを有し、処理用空気を第一のクーラで冷却除湿して前記処理ゾーンに通過させ、前記処理ゾーンを通過した空気を供給先に供給し、再生用空気を第一のヒータで加熱して、前記再生ゾーンに通すようにしたことを特徴とする除湿装置であって、前記第一のヒータには第一の冷媒フローに設けた凝縮器を用い、前記第一のクーラには第二の冷媒フローに設けた蒸発器を用い、前記第一の冷媒フローには第一の圧縮機と前記凝縮器が接続され、前記第二の冷媒フローには第二の圧縮機と補助コンデンサと前記蒸発器が接続され、前記第一の冷媒フローの冷媒と前記第二の冷媒フローの冷媒とを熱交換させるカスケードコンデンサを設けたことを特徴とする除湿装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項4】
少なくとも再生ゾーンと処理ゾーンの2つのゾーンに分割された除湿ロータを有し、処理用空気を第一のクーラで冷却除湿して前記処理ゾーンに通過させ、前記処理ゾーンを通過した空気を供給先に供給し、前記供給先からの還気を第二のクーラで冷却して前記第一のクーラを通過した空気と混合し、再生用空気を第一のヒータで加熱して、前記再生ゾーンに通すようにしたことを特徴とする除湿装置であって、前記第一のヒータには第一の冷媒フローに設けた凝縮器を用い、前記第二のクーラには第二の冷媒フローに設けた蒸発器を用い、前記第一の冷媒フローには第一の圧縮機と前記凝縮器が接続され、前記第二の冷媒フローには第二の圧縮機と補助コンデンサと前記蒸発器が接続され、前記第一の冷媒フローの冷媒と前記第二の冷媒フローの冷媒とを熱交換させるカスケードコンデンサを設けたことを特徴とする除湿装置。