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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076305
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】門柱
(51)【国際特許分類】
   E06B 11/02 20060101AFI20230525BHJP
   E06B 7/28 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
E06B11/02 Q
E06B7/28 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189653
(22)【出願日】2021-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 富夫
(72)【発明者】
【氏名】原 望
【テーマコード(参考)】
2E038
【Fターム(参考)】
2E038BA01
2E038BA04
2E038DH04
2E038DK07
(57)【要約】
【課題】複数の縦支柱が横支柱で連結された、少なくとも1つの機能部品を取り付け可能な門柱において、配線接続の作業性を向上する。
【解決手段】門柱10は、横方向に間隔をあけて立設された複数の縦支柱12,13と、複数の縦支柱12,13の間に、複数の縦支柱12,13を横方向につなぐように連結される横支柱60とを含む。門柱10は、機能部品である電気機器に電源線を接続するための配線接続部55aが取り付けられたベースプレート56を有する配線プレート55と、配線プレート55を格納する配線ボックス51と、を含む。配線プレート55は、所定方向の両側に突出する少なくとも2つの突出部56dを有し、少なくとも2つの突出部56dが、配線ボックス51が有する少なくとも2つの挿入孔52fに着脱可能に嵌め込まれる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの機能部品を取り付け可能な門柱であって、
横方向に間隔をあけて立設された複数の縦支柱と、
前記複数の縦支柱の間に、前記複数の縦支柱を横方向につなぐように連結される横支柱と、
前記機能部品である電気機器に電源線を接続するための配線接続部が取り付けられたベースプレートを有する配線プレートと、前記配線プレートを格納する配線ボックスと、を有し、
前記配線プレートは、所定方向の両側に突出する少なくとも2つの突出部を有し、
前記少なくとも2つの突出部が、前記配線ボックスが有する少なくとも2つの挿入孔に着脱可能に嵌め込まれる、
門柱。
【請求項2】
請求項1に記載の門柱において、
前記配線ボックスは、前記配線ボックスの開口端を覆う配線ボックスカバーを有し、
前記配線ボックスカバーの上端は、前記配線ボックスの上端を形成する上板の上面より上方に突出している、
門柱。
【請求項3】
請求項2に記載の門柱において、
前記配線ボックスカバーの上端は、前記配線ボックスカバーの上端と対向する部材の底面に形成され横方向に延びる溝内に差し込まれている、
門柱。
【請求項4】
少なくとも1つの機能部品を取り付け可能な門柱であって、
横方向に間隔をあけて立設された複数の縦支柱と、
前記複数の縦支柱の間に、前記複数の縦支柱を横方向につなぐように連結される横支柱と、を備え、
前記複数の縦支柱及び前記横支柱のそれぞれにおいて、前記複数の縦支柱の配列方向に対し直交する方向である配列直交方向の少なくとも一方側端縁部には、前記機能部品の配置空間に向かって前記配列直交方向の内側に傾斜したテーパ面が形成される、
門柱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、少なくとも1つの機能部品を取り付け可能な門柱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に記載されているように、門柱に、照明や、表札や、インターフォン等の機能部品が取り付けられた機能門柱が知られている。特許文献1に記載された機能門柱は、等間隔で並列した複数本の支柱からなる門柱本体の正面側に正面パネルが、複数本の支柱にまたがるように取り付けられる。複数本の支柱の上側部分は、各支柱に正面パネルを固定することによって接続される。正面パネルには、照明、表札、及びインターフォンが取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-303683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような機能部品を取り付け可能な門柱において、横方向に間隔をあけて立設された複数の縦支柱の間に、複数の縦支柱を横方向につなぐように横支柱を連結することが考えられる。この場合において、機能部品が電気機器を含む場合に、その電気機器の作動のために、電気機器に電源線を接続するための配線接続部を配線ボックス内に固定し、その配線ボックスを門柱に取り付けることが考えられる。一方、雨水と配線との接触を防いで漏電防止を図る面から配線ボックスは門柱の内側に固定することが好ましい。しかしながら、配線接続作業を行う場合に、門柱に囲まれ、かつ比較的狭い配線ボックス内で作業を行う必要があるので、配線接続の作業性の改善の余地がある。
【0005】
また、機能部品が縦支柱と横支柱で囲まれた部分の内側に配置される場合において、機能部品が扉やカバー等の開放動作を行う場合に、支柱の存在によって開放動作を行いにくくなる場合がある。これにより、機能部品の有効利用を図る面から改良の余地がある。また、複数の縦支柱を横方向につなぐように横支柱を連結した構造において、意匠性のさらなる向上が望まれる。
【0006】
本開示の目的は、少なくとも1つの機能部品を取り付け可能な門柱において、上記の課題の少なくとも1つを解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の門柱は、少なくとも1つの機能部品を取り付け可能な門柱であって、横方向に間隔をあけて立設された複数の縦支柱と、複数の縦支柱の間に、複数の縦支柱を横方向につなぐように連結される横支柱と、機能部品である電気機器に電源線を接続するための配線接続部が取り付けられたベースプレートを有する配線プレートと、配線プレートを格納する配線ボックスと、を有し、配線プレートは、所定方向の両側に突出する少なくとも2つの突出部を有し、少なくとも2つの突出部が、配線ボックスが有する少なくとも2つの挿入孔に着脱可能に嵌め込まれる、門柱である。
【0008】
また、本開示の第2の門柱は、少なくとも1つの機能部品を取り付け可能な門柱であって、横方向に間隔をあけて立設された複数の縦支柱と、複数の縦支柱の間に、複数の縦支柱を横方向につなぐように連結される横支柱と、を備え、複数の縦支柱及び横支柱のそれぞれにおいて、複数の縦支柱の配列方向に対し直交する方向である配列直交方向の少なくとも一方側端縁部には、機能部品の配置空間に向かって配列直交方向の内側に傾斜したテーパ面が形成される、門柱である。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る第1の門柱によれば、配線ボックスに対し配線プレートを、ネジ結合を用いることなく容易に着脱できる。さらに、配線ボックスから配線プレートを分離した状態で、広い作業スペースで配線プレートの配線接続作業を行うことができる。配線接続された配線プレートは、配線ボックスに容易に取り付けることができる。これにより、配線接続の作業性を向上できる。さらに、配線プレートは、照明ユニット等の電気器具に配線接続するまでは、電気器具と分離して作業できるので、万が一、手元から配線プレートを落下させた場合でも、配線切断の発生を抑制できる。
【0010】
本開示に係る第2の門柱によれば、機能部品が縦支柱と横支柱で囲まれた部分の内側に配置される場合でも、各支柱の配列直交方向の一方側端縁部にテーパ面が形成されるので、機能部品が開放動作を行う場合に、ユーザがその開放動作を行うために機能部品の端に手を入れやすくなる。これにより、支柱の存在にかかわらず開放動作を行いやすくなるので、機能部品の有効利用を図りやすくなる。また、門柱の内側の角部にテーパ面が設けられることにより、意匠性のさらなる向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態の門柱の使用状態を示す斜視図である。
図2図1の門柱の上部の上方から見た拡大斜視図である。
図3図1の門柱の上部の前側から見た拡大斜視図である。
図4図1の門柱の上部の後側から見た拡大斜視図である。
図5図2のA-A断面図である。
図6図1の門柱を構成する縦支柱、横支柱、及びコーナー部材の連結部の分解斜視図である。
図7図1の門柱に設置されている照明ユニットを示す斜視図である。
図8図3から配線ボックス装置を取り出して斜め前側から見た斜視図である。
図9図8の配線ボックス装置の分解斜視図である。
図10図4の状態から配線ボックスカバーを省略した状態を示す斜視図である。
図11図10の配線ボックスから配線プレートを分離して示す斜視図である。
図12図4のB-B断面図である。
図13図12のC部拡大図である。
図14図1のD-D断面図である。
図15図1のE-E断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて本開示の実施形態を説明する。以下で説明する形状、材料、個数及び数値は、説明のための例示であって、門柱の仕様に応じて適宜変更することができる。以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。また、本文中の説明においては、必要に応じてそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0013】
図1は、実施形態の門柱10の使用状態を示す斜視図である。図2図4は、それぞれ門柱10の上部の上方から見た拡大斜視図、門柱10の上部の前側から見た拡大斜視図、門柱10の上部の後側から見た拡大斜視図である。図5は、図2のA-A断面図である。門柱10は、使用状態で、複数の機能部品としてのポスト30、表札32、宅配ボックス40、及び電気機器である照明ユニット42(図5)が取り付けられる。門柱10は、機能部品が取り付けられた状態で、機能門柱と呼ばれる。また、門柱10の上部において、横方向一方側(図1図3の右側)の角部の内側には、配線ボックス装置50が固定されている。門柱10は、複数の機能部品が取り付けられる構成に限定せず、少なくとも1つの機能部品が取り付け可能な構成であればよい。
【0014】
門柱10の下端部は、使用時に、例えば、ブロック状のコンクリートに埋設されたり、屋外の地面に設置される中空直方体状のプレート体上に固定される。プレート体は、例えば金属、または樹脂により形成され、上面、側面に内部と通じる穴を有する。そして、複数のプレート体を地面に敷き詰めて互いに結合することにより門柱の固定構造を形成すると共に、複数のプレート体の内側を通過するように電源線を配置することができる。電源線の一端は、住宅等の建物内の商用電源に接続され、電源線の他端は、配線ボックス装置50から後述の縦支柱12の内側を通って下端から導出される門柱用電源線に接続することができる。
【0015】
門柱10は、建物と、道路との間に立てられた状態で設置される。以下の説明では、門柱10の道路側であって、門柱10に表札32が設けられる場合に、表札32の表側を「前側」と記載し、門柱10の建物側を「後側」と記載する場合がある。また、門柱10を前側から見た場合の左右方向を「横方向」と記載する場合がある。
【0016】
門柱10は、横方向に間隔をあけて立設された複数、より具体的には2本の縦支柱12,13と、2本の縦支柱12,13の上端部の間に、2本の縦支柱12,13を横方向につなぐように連結される横支柱60とを含んでいる。各縦支柱12,13及び横支柱60は、例えば樹脂または金属により形成される。また、2本の縦支柱12,13の上下方向中間部の少なくとも1つの位置には、2本の縦支柱12,13を横方向につなぐように補強プレート100がネジ等により連結される。門柱10の横方向は、2本の縦支柱12,13の配列方向と一致する。このため、門柱10の前後方向は、配列方向に対し直交する方向である配列直交方向に相当する。
【0017】
図6は、門柱10を構成する縦支柱12、13、横支柱60、及びコーナー部材70の連結部の分解斜視図である。図6に示すように、各縦支柱12,13の上端部と、横支柱60の長手方向両端部は、それぞれ長手方向に対し斜め方向に切断される等により、長手方向に対し斜め方向に向く端面を有する。具体的には、各縦支柱12,13の上端面は、長手方向に対し45度で傾斜するようにカットされた形状である。横支柱60の長手方向両端面も、長手方向に対し45度で傾斜するようにカットされた形状である。横支柱60の長手方向両端面は、互いに横方向反対側の斜め下側に向いている。さらに、各縦支柱12,13の上端部と横支柱60の端部は、コーナー部材70を介して連結される。
【0018】
図5図6に示すように、コーナー部材70は、前後方向一方側から見た形状が略L字形であり、上下方向に対し45度で傾斜した方向の両側面を有する略板状のコーナー部74の両側面に下方向に延びる複数の縦挿入部71a,71b,71c,71dと、横方向に延びる横挿入部73a,73b,73c,73dとが一体に設けられた形状を有する。コーナー部材70は、例えば樹脂により形成される。
【0019】
各縦支柱12,13は、互いに同一の基本構造を有する。各縦支柱12,13は、前後方向に分かれた複数の上下方向に延びる上下方向室14a,14b,14c,14dを有する。各縦支柱12,13の前後方向に離れた2つの位置には、周方向一端が開口した筒状壁が上下方向に延びるように形成される。各筒状壁は、内周にタッピングが施されることにより、雌ネジを有するタッピングホールを形成する。
【0020】
コーナー部材70には、前後方向に離れた2つの位置に、上下方向に貫通する貫通穴(図示せず)が形成され、2つの貫通穴に2つの第1ネジ(図示せず)が上側から貫通する。そして、コーナー部材70の複数の縦挿入部71a,71b,71c,71dが、縦支柱12,13の複数の上下方向室14a,14b,14c,14dに挿入された状態で、2つの第1ネジのネジ部が対応するタッピングホールの雌ネジに結合されることにより、コーナー部材70に縦支柱12,13が連結される。この状態で、コーナー部74の斜め下に向く傾斜面75a(図5)には、縦支柱12,13の上下方向に対し傾斜した上端の傾斜面が突き当てられる。
【0021】
横支柱60は、前後方向両端に横方向に延びる横方向室を有する2つの嵌合用筒部61a,61bと、2つの嵌合用筒部61a,61bの上端を連結する板部63とを有する。横支柱60の前後方向中間部で、長手方向両端部には、板部63から下方に延びる支持板部を介して垂れ下がり支持され横方向に延びる筒部65が形成される。筒部65は、下端が開口する断面C字形である。
【0022】
また、コーナー部材70には、前後方向中間部で2つの筒状の横挿入部73c,73dの間に、横支柱60の支持板と筒部65とが嵌合可能な嵌合部が形成されるともに、嵌合部に対向するようにコーナー部74と、コーナー部74に対し嵌合部と反対側の横方向外側に突出する筒部(図示せず)とに、横方向に延びる横孔が形成される。
【0023】
そして、コーナー部材70の嵌合部に横支柱60の支持板と筒部65とが嵌合した状態で、コーナー部材70の横方向外側に突出した筒部に外側から第2ネジ94が貫通し、その第2ネジ94のネジ部がコーナー部74を介して、横支柱60の筒部65に貫通し、筒部65から貫通した部分にナット95が結合される。これにより、コーナー部材70に横支柱60が連結される。この際、コーナー部材70の横方向外側の筒部の開口周縁部には第2ネジ94の六角の頭部と係合可能な回り止め部が形成されている。これにより、門柱10の組み立て作業を行う作業者が第2ネジ94の頭部を工具で押さえることなく、ナット95の締め付けによって横支柱60とコーナー部材70との結合作業を容易に行える。この状態で、コーナー部74の斜め上に向く傾斜面75b(図5)には、横支柱60の長手方向に対し傾斜した先端の傾斜面が突き当てられる。
【0024】
図7は、門柱10に設置されている照明ユニット42を示す斜視図である。照明ユニット42は、横方向に延びる支持板43と、支持板43の前後方向一方側で上方に膨出するように形成され略矩形筒状で横方向に延びるケース部44と、ケース部44の内部に固定された導光棒(図示せず)と、導光棒に光を入射する光源(図示せず)とを有する。照明ユニット42は、横支柱60の下側にネジ等により固定される。
【0025】
照明ユニット42の導光棒の下面から出射された光は、透明板状のカバー(図示せず)を介して下側を照明する。これにより、照明ユニット42の下側で、2つの縦支柱12,13の間に固定された表札32を照明することができる。表札32は、アクリル板等の透明板状としてもよい。照明ユニットは、導光棒を備える構成に限定せず、例えば、横方向複数位置に発光ダイオード(LED)が並んで配置された発光部がケース部44の内部に配置され、透明板状のカバーを介して下側を照明する構成としてもよい。
【0026】
照明ユニット42には、電力供給用の配線45が接続されており、その配線45は、横方向一方側の縦支柱12の内部を通って、後述の配線ボックス51内に配線ボックス51の穴を通じて引き込まれている。
【0027】
さらに、図1図4に示すように、2本の縦支柱12,13及び横支柱60のそれぞれにおいて、前後方向の両端縁部には、機能部品であるポスト30、宅配ボックス40、表札32等の配置空間に向かって前後方向の内側に傾斜したテーパ面34,35,36が形成される。テーパ面34,35,36は、2本の縦支柱12,13及び横支柱60のそれぞれにおいて、前後方向の一端縁部、例えば前端縁部のみ設けられてもよい。これにより、後述のように、機能部品としてのポスト30、宅配ボックス40が扉やカバー等の開放動作を行う場合に、開放動作を行いやすくなるので、機能部品の有効利用を図りやすくなる。また、また、門柱10の内側の角部にテーパ面34,35,36が設けられることにより、意匠性のさらなる向上を図れる。
【0028】
図8は、図3から配線ボックス装置50を取り出して斜め前側から見た斜視図である。図9は、図8の配線ボックス装置50の分解斜視図である。図10は、図4の状態から配線ボックスカバー57を省略した状態を示す斜視図である。図11は、図10の配線ボックス51から配線プレート55を分離して示す斜視図である。
【0029】
配線ボックス装置50は、配線ボックス51と、配線ボックス51の後側の開口端を覆う配線ボックスカバー57と、配線ボックス51に格納された配線プレート55(図9図11)とを含んで構成される。配線ボックス装置50は、商用電源に接続された電源線101から得られた100V等の電力を、端子台等の配線接続部55aを介して、門柱に取り付けた照明ユニット42等の電気機器に供給する機能を有する。このため、配線ボックス装置50内には配線接続部55aが取り付けられる。配線ボックス装置50内には、建物内と門柱10に取り付けた電気機器との間で通信を行うための通信線103(図11)が接続される別の配線接続部も取り付けられる。配線ボックス51は、門柱10の上部の内側の角部に、表札32の横方向一方側に並んで固定される。
【0030】
図9に示すように、配線ボックス51は、金属板製のボックス本体52と、ボックス本体52の上端及び下端にそれぞれ結合された金属板製の上板53及び下板54とを有する。ボックス本体52は、2つの側板52a、52b、2つの側板52a、52bの前端を連結する前板52c、及び2つの側板52a、52bの後端に、横方向について互いに向き合う方向に連結された2つの支持板52dを有する。上板53及び下板54は、例えばネジや溶接等により、ボックス本体52に固定される。各支持板52dには、上下方向中間部の先端に前側に延びる板部52eが形成され、支持板52dの先端の上下に離れた2つの位置に、挿入孔52fが形成される。
【0031】
ボックス本体52の一方の側板52aには1つ以上の穴が形成されており、その穴を通じて電源線や通信線が配線ボックス51内に引き込まれる。
【0032】
配線プレート55は、配線ボックス51より全体的に小型の形状であり、金属板により形成されるベースプレート56と、端子台等の配線接続部55aを有する。ベースプレート56は、2つの側板56a、2つの側板56aの前端を連結する前板56b、及び2つの側板56aの後端に、横方向について互いに離れる方向に延びるように連結された外板56cを有する。外板56cの先端の上下に離れた2つの位置には、突出部56dが所定方向である横方向に突出し、突出部56dの先端部下端に係止部56eが突出形成される。ベースプレートは、横方向両側のそれぞれに1つずつ突出する、2つの突出部を有する構成としてもよい。これにより、配線プレート55は、横方向の両側に突出する少なくとも2つの突出部を有する。電源線接続用の配線接続部55aと、通信線接続用の配線接続部とは、ベースプレート56の内側に取り付けられる。ベースプレート56に、配線接続部55aのみが取り付けられてもよい。
【0033】
なお、図11では、配線ボックス51の上側の穴から配線ボックス51内に引き込まれた電源線101が切断されるように示しているが、実際には、その電源線101は、配線プレート55の下側から配線プレート55の内側に案内され、上側の配線接続部55aに接続される。これにより、雨水が電源線101を伝って配線接続部55aに達する可能性を十分に低くできる。
【0034】
配線プレート55のベースプレート56の少なくとも2つの突出部56dは、ボックス本体52の対応する少なくとも2つの挿入孔52fに差し込んだ後、下げることにより、係止部56eが挿入孔52fの下端近傍に係止される。これにより、図10に示すように、配線プレート55の少なくとも2つの突出部56dが、配線ボックス51が有する少なくとも2つの挿入孔52fに着脱可能に嵌め込まれる。各挿入孔52fの前後方向の長さは、各突出部56dの前後方向の厚みと略同じとしてもよい。各挿入孔52fの上下方向長さは、各突出部56dの係止部56e(図9)を含む先端部の上下方向長さ以上とする。
【0035】
さらに、配線プレート55が格納された配線ボックス51の後側の開口端の周縁部には、配線ボックスカバー57が取り付けられる。図9に示すように、配線ボックスカバー57は、上下方向に延びる矩形平板状の蓋板58と、蓋板58の下端に連結され前側に延びる底板59とを有する。底板59には、ネジ104が貫通する穴が形成され、配線ボックス51を構成する下板54にネジ結合される。このため、例えば下板54の上側に、ネジ104に結合可能なナットを固定したり、下板54にネジ104が結合可能な雌ネジを形成する。
【0036】
図8に示すように、配線ボックス51に配線ボックスカバー57が結合された状態で、配線ボックスカバー57の蓋板58の上端は、配線ボックス51の上端を形成する上板53の上面より上方に突出している。これにより、横支柱60の上に降った雨水が、横支柱60の後端縁から配線ボックスカバー57と配線ボックス51との上端の隙間を通じて配線ボックス51内に侵入することを抑制できる。さらに、蓋板58の上端は、横支柱60の下面の溝に差し込まれる。
【0037】
図12は、図4のB-B断面図である。図13は、図12のC部拡大図である。図12図13に示すように、横支柱60の底面において、配線ボックスカバー57の蓋板58の上端と対向する位置には、横方向に延びる溝66(図13)が形成される。そして、配線ボックスカバー57の上端は、横支柱60の溝66内に下側から嵌合するように差し込まれている。これにより、図13に矢印αで示すように、横支柱60の上に降った雨水が、図13の矢印βで示すように、横支柱60の後端縁から横支柱60の下面に沿って流れる場合に、配線ボックスカバー57の外面で遮られ、その外面に沿って流下する。これにより、雨水が配線ボックスカバー57と配線ボックス51との上端の隙間を通じて配線ボックス51内に侵入することを防止できる。本例では、横支柱60の溝66内に配線ボックスカバー57の上端が差し込まれているが、配線ボックスカバー57の上端に、門柱を構成する他の部材の底面が対向配置される場合に、その他の部材の底面に横方向に延びる溝が形成され、その溝内に配線ボックスカバー57の上端が差し込まれてもよい。
【0038】
上記の門柱によれば、配線プレート55の少なくとも2つの突出部56dが、配線ボックス51が有する少なくとも2つの挿入孔52fに着脱可能に嵌め込まれる。これにより、配線ボックス51に対し配線プレート55を、ネジ結合を用いることなく容易に着脱できる。さらに、配線ボックス51から配線プレート55を分離した状態で、広い作業スペースで配線プレート55の配線接続作業を行うことができる。配線接続された配線プレート55は、配線ボックス51に容易に取り付けることができる。これにより、配線接続の作業性を向上できる。例えば、本例の構造と異なり、配線接続部が配線ボックス内に、着脱が困難な状態で取り付けられている場合には、作業者は配線ボックス内の狭い空間内で配線接続作業を行う必要がある。例えば、100Vの電力線では、硬いVVFケーブルが用いられる場合があり、その場合には特に配線の取り回し作業が面倒になる。本例の構成によれば、このような硬い配線を用いる場合に、配線作業性の向上の顕著な効果を得られる。
【0039】
さらに、配線プレート55は、照明ユニット42等の電気器具に配線接続するまでは、電気器具と分離して作業できるので、万が一、手元から配線プレート55を落下させた場合でも、配線切断の発生を抑制できる。なお、配線ボックスに対する配線プレートの取付方向は、本例のような前後方向に限定せず、例えば横方向としてもよい。この場合には、配線プレートの突出部が、ベースプレートの所定方向としての前後方向の両側に突出する。横方向に一端が開口した配線ボックスの前後方向両側の挿入孔に配線プレートの各突出部が着脱可能に嵌め込まれる。
【0040】
さらに、2本の縦支柱12,13及び横支柱60のそれぞれにおいて、少なくとも前端縁部には、機能部品の配置空間に向かって前後方向の内側に傾斜したテーパ面34,35,36が形成される。これにより、機能部品が縦支柱12,13と横支柱60で囲まれた部分の内側に配置される場合でも、機能部品が扉、蓋等の開放動作を行う場合に、ユーザがその開放動作を行うために機能部品の端に手を入れやすくなる。これにより、支柱12,13の存在にかかわらず開放動作を行いやすくなるので、機能部品の有効利用を図りやすくなる。また、門柱10の内側の角部にテーパ面34,35,36が設けられることにより、意匠性のさらなる向上を図れる。テーパ面34,35,36は、好ましくは5~25mmのC面取り、より好ましくは、10~20mmのC面取りとすることができる。
【0041】
図14は、図1のD-D断面図である。図14に示すように、本例のポスト30は、郵便物取り出し用の扉30aが本体ケース30bの前端に配置され、横方向に沿った軸を中心に下側、または上側に回動するように開放動作を行う。この場合、ユーザは、扉30aの前端縁部で横方向両端を手でつかんで開放動作する場合がある。この場合でも、上記のように各支柱12,13の前端縁部にテーパ面34,35が形成されるので、ユーザが扉30aの開放動作を行うために扉30aの横方向両端に手を入れる場合の近くの空間を広くできる。これにより、ユーザが扉30aの開放動作を行いやすくなる。
【0042】
図15は、図1のE-E断面図である。図15に示すように、本例の宅配ボックス40は、荷物の取り出し用または受取用の扉40aが本体ケース40bの前端に配置され、横方向一端(図15の右端)に設けられたヒンジピンを中心に、図15の矢印γ方向に横開きするように開放動作を行う。この場合、ユーザは、扉40aの前端縁部で横方向他端(図15の左端)を手でつかんで開放動作する場合がある。この場合でも、上記のように各支柱12,13の前端縁部にテーパ面34,35が形成されるので、ユーザが扉40aの開放動作を行うために扉40aの横方向他端に手を入れる場合の近くの空間を広くできる。これにより、ユーザが扉40aの開放動作を行いやすくなる。さらに、横方向一端の縦支柱12の前端縁部が扉40aの横方向一端部に接近している場合に、その縦支柱12の前端縁部にテーパ面がないと、扉40aの開放角度が制限される可能性があるが、本例の構成によれば、扉40aの開放角度を大きくできる。
【0043】
なお、門柱10に取り付け可能な電気機器は、照明ユニット42に限定せず、カメラ付きのインターホン等、他の電気機器としてもよい。
【符号の説明】
【0044】
10 門柱、12,13 縦支柱、14a,14b,14c,14d 上下方向室、30 ポスト、30a 扉、30b 本体ケース、32 表札、34,35,36 テーパ面、40 宅配ボックス、40a 扉、40b 本体ケース、42 照明ユニット、43 支持板、44 ケース部、45 配線、50 配線ボックス装置、51 配線ボックス、55 配線プレート、55a 配線接続部、56 ベースプレート、56a 側板、56b 前板、56c 外板、56d 突出部、56e 係止部、57 配線ボックスカバー、60 横支柱、61a,61b 嵌合用筒部、63 板部、65 筒部、66 溝、70 コーナー部材、71a,71b,71c,71d 縦挿入部、73a,73b,73c,73d 横挿入部、74 コーナー部、75a,75b 傾斜面、94 第2ネジ、95 ナット、100 補強プレート、101 電源線、103 通信線、104 ネジ。
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