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特開2023-76316制御装置、電力変換システム、電力供給装置、プログラム及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076316
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】制御装置、電力変換システム、電力供給装置、プログラム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20230525BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20230525BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
H02J3/38 130
H02J3/32
H02J7/35 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189665
(22)【出願日】2021-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】510078160
【氏名又は名称】NExT-e Solutions株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中尾 文昭
(72)【発明者】
【氏名】八木 毅
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066HA15
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA01
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA06
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA08
5G503DA06
5G503EA05
5G503GB06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電力系統に出力する電力を精度よく制御する制御装置、電力変換システム、電力供給装置、プログラム及び制御方法を提供する。
【解決手段】電力供給システム100において、発電システム110は、電力系統20に出力する電力である出力電力を制御する制御システム140が、出力電力の単位時間当たりの変動量の電力供給装置の定格出力に対する割合を示す変動率の絶対値が第1閾値以下又は第1閾値未満となるように、出力電力の大きさを増加させる第1モード、変動率の絶対値が第2閾値以下又は第2閾値未満となるように、出力電力の大きさを減少させる第2モード及び変動率の絶対値が第3閾値以下又は第3閾値未満となるように、出力電力の大きさを維持する第3モードの何れか1つのモードで、電力供給装置を動作させる出力制御部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給装置が電力系統に出力する電力である出力電力を制御する制御装置であって、
(i)前記出力電力の単位時間当たりの変動量の前記電力供給装置の定格出力に対する割合を示す変動率の絶対値が第1閾値以下又は前記第1閾値未満となるように、前記出力電力の大きさを増加させる第1モード、(ii)前記変動率の絶対値が第2閾値以下又は前記第2閾値未満となるように、前記出力電力の大きさを減少させる第2モード、及び、(iii)前記変動率の絶対値が第3閾値以下又は前記第3閾値未満となるように、前記出力電力の大きさを維持する第3モードの何れか1つのモードで、前記電力供給装置を動作させる出力制御部を備え、
前記第3閾値は、前記第1閾値及び前記第2閾値よりも小さい、
制御装置。
【請求項2】
前記電力供給装置の定格出力は、(i)前記電力供給装置が前記電力系統に電力を供給するための契約、又は、(ii)前記電力供給装置が前記電力系統に電力を供給する能力の最大値に基づいて定められる、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記出力制御部は、
前記第1モードにおいて、前記出力電力が第1変動率で増加するように前記出力電力を制御し、
前記第2モードにおいて、前記出力電力が第2変動率で減少するように前記出力電力を制御し、
前記第3モードにおいて、前記出力電力が実質的に変動しないように前記出力電力を制御し、
前記第1変動率の絶対値と、前記第2変動率の絶対値との差は、予め定められた値よりも小さい、
請求項1又は請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記電力供給装置は、
直流電力を出力可能に構成された発電装置と、
直流電力を入出力可能に構成された蓄電装置と、
前記発電装置及び前記蓄電装置の少なくとも一方が出力する直流電力を交流電力に変換する電力変換装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記電力変換装置を制御して前記出力電力の大きさを調整する、
請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記発電装置が出力する電力である発電電力の現在値を示す情報を取得する発電電力値取得部と、
前記出力電力の現在値を示す情報を取得する出力電力値取得部と、
をさらに備え、
前記出力制御部は、
前記発電電力の現在値及び前記出力電力の現在値に基づいて、前記電力供給装置の動作モードを決定する出力態様決定部、
を有する、
請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記出力態様決定部は、
(a)前記発電電力の現在値が前記出力電力の現在値よりも大きい場合、前記第1モードで前記電力供給装置を動作させることを決定する、及び/又は、
(b)前記発電電力の現在値が前記出力電力の現在値よりも小さい場合、前記第2モードで前記電力供給装置を動作させることを決定する、
請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記出力態様決定部は、
(i)前記発電電力の現在値及び前記出力電力の現在値の差が第4閾値よりも小さい場合、(ii)前記発電電力の現在値に対する前記出力電力の現在値の比が予め定められた数値範囲に含まれる場合、又は、(iii)前記電力変換装置の出力が予め定められた上限値に到達した場合、
前記第3モードで前記電力供給装置を動作させることを決定する、
請求項5又は請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記蓄電装置の残容量又はSOCを示す情報を取得する蓄電状態取得部をさらに備え、
前記出力態様決定部は、
(a)前記発電電力の現在値が前記出力電力の現在値よりも大きい場合、
(i)前記蓄電装置の残容量又はSOCが第5閾値よりも大きいときには、前記第1モードで前記電力供給装置を動作させることを決定し、
(ii)前記蓄電装置の残容量又はSOCが前記第5閾値よりも小さいときには、前記第3モードで前記電力供給装置を動作させることを決定する、及び/又は、
(b)前記発電電力の現在値が前記出力電力の現在値よりも小さい場合、
(i)前記蓄電装置の残容量又はSOCが第6閾値よりも小さいときには、前記第2モードで前記電力供給装置を動作させることを決定し、
(ii)前記蓄電装置の残容量又はSOCが前記第6閾値よりも大きいときには、前記第3モードで前記電力供給装置を動作させることを決定し、
前記第5閾値は、前記第6閾値よりも小さい、
請求項5から請求項7までの何れか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記蓄電装置の残容量又はSOCを示す情報を取得する蓄電状態取得部をさらに備え、
前記出力制御部は、
前記蓄電装置の残容量又はSOCに基づいて、前記電力供給装置の動作モードを決定する出力態様決定部、
を有する、
請求項4に記載の制御装置。
【請求項10】
特定の時刻における前記電力供給装置の前記出力電力の計画値を示す情報を取得する計画値取得部と、
前記出力電力の現在値を示す情報を取得する出力電力値取得部と、
をさらに備え、
前記出力制御部は、
前記出力電力の計画値及び前記出力電力の現在値に基づいて、前記電力供給装置の動作モードを決定する出力態様決定部、
を有する、
請求項4に記載の制御装置。
【請求項11】
前記出力態様決定部は、
(a)前記出力電力の計画値が前記出力電力の現在値よりも大きい場合、前記第1モードで前記電力供給装置を動作させることを決定する、及び/又は、
(b)前記出力電力の計画値が前記出力電力の現在値よりも小さい場合、前記第2モードで前記電力供給装置を動作させることを決定する、
請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記出力態様決定部は、
(i)前記出力電力の計画値及び前記出力電力の現在値の差が第4閾値よりも小さい場合、(ii)前記出力電力の計画値に対する前記出力電力の現在値の比が予め定められた数値範囲に含まれる場合、又は、(iii)前記電力変換装置の出力が予め定められた上限値に到達した場合、
前記第3モードで前記電力供給装置を動作させることを決定する、
請求項10又は請求項11に記載の制御装置。
【請求項13】
前記蓄電装置の残容量又はSOCを示す情報を取得する蓄電状態取得部をさらに備え、
前記出力態様決定部は、
(a)前記出力電力の計画値が前記出力電力の現在値よりも大きい場合、
(i)前記蓄電装置の残容量又はSOCが第5閾値よりも大きいときには、前記第1モードで前記電力供給装置を動作させることを決定し、
(ii)前記蓄電装置の残容量又はSOCが前記第5閾値よりも小さいときには、前記第3モードで前記電力供給装置を動作させることを決定する、及び/又は、
(b)前記出力電力の計画値が前記出力電力の現在値よりも小さい場合、
(i)前記蓄電装置の残容量又はSOCが第6閾値よりも小さいときには、前記第2モードで前記電力供給装置を動作させることを決定し、
(ii)前記蓄電装置の残容量又はSOCが前記第6閾値よりも大きいときには、前記第3モードで前記電力供給装置を動作させることを決定し、
前記第5閾値は、前記第6閾値よりも小さい、
請求項10から請求項12までの何れか一項に記載の制御装置。
【請求項14】
前記発電装置が設置されている地域の気象情報を取得する気象情報取得部と、
前記気象情報取得部が取得した前記気象情報に基づいて、第1期間に含まれる複数の時刻のそれぞれにおいて、前記発電装置が出力する電力である発電電力の予測値を導出する発電電力予測部と、
前記発電電力予測部が導出した前記発電電力の予測値に基づいて、第2期間に含まれる複数の時刻のそれぞれにおける前記電力供給装置の前記出力電力の計画値を決定する出力計画生成部と、
をさらに備え、
前記発電装置は、太陽光発電装置を備え、
前記出力態様決定部は、前記出力計画生成部が決定した前記出力電力の計画値と、前記出力電力値取得部が取得した前記出力電力の現在値とに基づいて、前記電力供給装置の動作モードを決定する、
請求項10から請求項13までの何れか一項に記載の制御装置。
【請求項15】
前記変動率の前記第1閾値は、5%/分以下である、
請求項1から請求項14までの何れか一項に記載の制御装置。
【請求項16】
請求項4から請求項14までの何れか一項に記載の制御装置と、
前記電力変換装置と、
を備える、電力変換システム。
【請求項17】
請求項4から請求項14までの何れか一項に記載の制御装置と、
前記発電装置と、
前記蓄電装置と、
前記電力変換装置と、
を備える、電力供給装置。
【請求項18】
コンピュータを、請求項1から請求項15までの何れか一項に記載の制御装置として機能させるためのプログラム。
【請求項19】
電力供給装置が電力系統に出力する電力である出力電力を制御する制御方法であって、
(i)前記出力電力の単位時間当たりの変動量の前記電力供給装置の定格出力に対する割合を示す変動率の絶対値が第1閾値以下又は前記第1閾値未満となるように、前記出力電力の大きさを増加させる第1モード、(ii)前記変動率の絶対値が第2閾値以下又は前記第2閾値未満となるように、前記出力電力の大きさを減少させる第2モード、及び、(iii)前記変動率の絶対値が第3閾値以下又は前記第3閾値未満となるように、前記出力電力の大きさを維持する第3モードの何れか1つのモードで、前記電力供給装置を動作させる出力制御段階を有し、
前記第3閾値は、前記第1閾値及び前記第2閾値よりも小さい、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、電力変換システム、電力供給装置、プログラム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、蓄電池制御システムによってミリ秒単位の高速演算で蓄電池の充放電を制御することにより、太陽光発電における短周期の出力変動を緩和させる技術が開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[非特許文献1]
一般財団法人新エネルギー財団、「令和元年度新エネ大賞 新エネルギー財団会長賞 導入活動部門 短周期出力変動緩和対策を講じた大型蓄電池システムの導入」、[online]、[2021年11月16日検索]、インターネット
<URL:https://www.nef.or.jp/award/kako/r01/b_04.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術によれば、蓄電地設備が、太陽発電モジュールに接続された第1のパワーコンディショナの出力側に、第2のパワーコンディショナを介して接続される。第1のパワーコンディショナの出力変動に応じて、第2のパワーコンディショナの出力を調整するために、複雑な演算を高速で処理できる高価な制御システムが要求される。また、演算及び出力調整に伴う遅延により、出力変動を精度よく制御することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、制御装置が提供される。上記の制御装置は、例えば、電力供給装置が電力系統に出力する電力である出力電力を制御する。上記の制御装置は、例えば、(i)出力電力の単位時間当たりの変動量の電力供給装置の定格出力に対する割合を示す変動率の絶対値が第1閾値以下又は第1閾値未満となるように、出力電力の大きさを増加させる第1モード、(ii)変動率の絶対値が第2閾値以下又は第2閾値未満となるように、出力電力の大きさを減少させる第2モード、及び、(iii)変動率の絶対値が第3閾値以下又は第3閾値未満となるように、出力電力の大きさを維持する第3モードの何れか1つのモードで、電力供給装置を動作させる出力制御部を備える。上記の制御装置において、第3閾値は、例えば、第1閾値及び第2閾値よりも小さい。
【0005】
上記の制御装置において、電力供給装置の定格出力は、電力供給装置が電力系統に電力を供給するための契約に基づいて定められてよい。電力供給装置の定格出力は、電力供給装置が電力系統に電力を供給する能力の最大値に基づいて定められてよい。
【0006】
上記の制御装置の第1モードにおいて、出力制御部は、出力電力が第1変動率で増加するように出力電力を制御してよい。上記の制御装置の第2モードにおいて、出力制御部は、出力電力が第2変動率で減少するように出力電力を制御してよい。上記の制御装置の第3モードにおいて、出力制御部は、出力電力が実質的に変動しないように出力電力を制御してよい。第1変動率の絶対値と、第2変動率の絶対値との差は、予め定められた値よりも小さくてよい。
【0007】
上記の制御装置において、電力供給装置は、直流電力を出力可能に構成された発電装置を備えてよい。電力供給装置は、直流電力を入出力可能に構成された蓄電装置を備えてよい。電力供給装置は、発電装置及び蓄電装置の少なくとも一方が出力する直流電力を交流電力に変換する電力変換装置を備えてよい。上記の制御装置において、制御装置は、電力変換装置を制御して出力電力の大きさを調整してよい。
【0008】
上記の制御装置は、発電装置が出力する電力である発電電力の現在値を示す情報を取得する発電電力値取得部を備えてよい。上記の制御装置は、出力電力の現在値を示す情報を取得する出力電力値取得部を備えてよい。上記の制御装置において、出力制御部は、発電電力の現在値及び出力電力の現在値に基づいて、電力供給装置の動作モードを決定する出力態様決定部を有してよい。
【0009】
上記の制御装置において、(a)発電電力の現在値が出力電力の現在値よりも大きい場合、出力態様決定部は、第1モードで電力供給装置を動作させることを決定してよい。上記の制御装置において、(b)発電電力の現在値が出力電力の現在値よりも小さい場合、出力態様決定部は、第2モードで電力供給装置を動作させることを決定してよい。上記の制御装置において、(i)発電電力の現在値及び出力電力の現在値の差が第4閾値よりも小さい場合、(ii)発電電力の現在値に対する出力電力の現在値の比が予め定められた数値範囲に含まれる場合、又は、(iii)電力変換装置の出力が予め定められた上限値に到達した場合、出力態様決定部は、第3モードで電力供給装置を動作させることを決定してよい。
【0010】
上記の制御装置は、蓄電装置の残容量又はSOCを示す情報を取得する蓄電状態取得部を備えてよい。上記の制御装置において、(a)発電電力の現在値が出力電力の現在値よりも大きい場合、出力態様決定部は、(i)蓄電装置の残容量又はSOCが第5閾値よりも大きいときには、第1モードで電力供給装置を動作させることを決定し、(ii)蓄電装置の残容量又はSOCが第5閾値よりも小さいときには、第3モードで電力供給装置を動作させることを決定してよい。上記の制御装置において、(b)発電電力の現在値が出力電力の現在値よりも小さい場合、出力態様決定部は、(i)蓄電装置の残容量又はSOCが第6閾値よりも小さいときには、第2モードで電力供給装置を動作させることを決定し、(ii)蓄電装置の残容量又はSOCが第6閾値よりも大きいときには、第3モードで電力供給装置を動作させることを決定してよい。第5閾値は、第6閾値よりも小さくてよい。
【0011】
上記の制御装置は、蓄電装置の残容量又はSOCを示す情報を取得する蓄電状態取得部を備えてよい。上記の制御装置において、出力制御部は、蓄電装置の残容量又はSOCに基づいて、電力供給装置の動作モードを決定する出力態様決定部を有してよい。
【0012】
上記の制御装置は、特定の時刻における電力供給装置の出力電力の計画値を示す情報を取得する計画値取得部を備えてよい。上記の制御装置は、出力電力の現在値を示す情報を取得する出力電力値取得部を備えてよい。上記の制御装置において、出力制御部は、出力電力の計画値及び出力電力の現在値に基づいて、電力供給装置の動作モードを決定する出力態様決定部を有してよい。
【0013】
上記の制御装置において、(a)出力電力の計画値が出力電力の現在値よりも大きい場合、出力態様決定部は、第1モードで電力供給装置を動作させることを決定してよい。上記の制御装置において、(b)出力電力の計画値が出力電力の現在値よりも小さい場合、出力態様決定部は、第2モードで電力供給装置を動作させることを決定してよい。上記の制御装置において、(i)出力電力の計画値及び出力電力の現在値の差が第4閾値よりも小さい場合、(ii)出力電力の計画値に対する出力電力の現在値の比が予め定められた数値範囲に含まれる場合、又は、(iii)電力変換装置の出力が予め定められた上限値に到達した場合、出力態様決定部は、第3モードで電力供給装置を動作させることを決定してよい。
【0014】
上記の制御装置は、蓄電装置の残容量又はSOCを示す情報を取得する蓄電状態取得部を備えてよい。上記の制御装置において、(a)出力電力の計画値が出力電力の現在値よりも大きい場合、出力態様決定部は、(i)蓄電装置の残容量又はSOCが第5閾値よりも大きいときには、第1モードで電力供給装置を動作させることを決定し、(ii)蓄電装置の残容量又はSOCが第5閾値よりも小さいときには、第3モードで電力供給装置を動作させることを決定してよい。上記の制御装置において、(b)出力電力の計画値が出力電力の現在値よりも小さい場合、出力態様決定部は、(i)蓄電装置の残容量又はSOCが第6閾値よりも小さいときには、第2モードで電力供給装置を動作させることを決定し、(ii)蓄電装置の残容量又はSOCが第6閾値よりも大きいときには、第3モードで電力供給装置を動作させることを決定してよい。第5閾値は、第6閾値よりも小さくてよい。
【0015】
上記の制御装置は、発電装置が設置されている地域の気象情報を取得する気象情報取得部を備えてよい。上記の制御装置は、気象情報取得部が取得した気象情報に基づいて、第1期間に含まれる複数の時刻のそれぞれにおける発電電力の予測値を導出する発電電力予測部を備えてよい。上記の制御装置は、発電電力予測部が導出した発電電力の予測値に基づいて、第2期間に含まれる複数の時刻のそれぞれにおける電力供給装置の出力電力の計画値を決定する出力計画生成部を備えてよい。上記の制御装置において、発電装置は、太陽光発電装置を備えてよい。上記の制御装置において、出力態様決定部は、出力計画生成部が決定した出力電力の計画値と、出力電力値取得部が取得した出力電力の現在値とに基づいて、電力供給装置の動作モードを決定してよい。
【0016】
上記の制御装置において、変動率の第1閾値は、5%/分以下であってよい。上記の制御装置において、変動率の第2閾値は、5%/分以下であってよい。
【0017】
本発明の第2の態様においては、電力変換システムが提供される。上記の電力変換システムは、例えば、第1の態様に係る制御装置を備える。上記の電力変換システムは、例えば、電力変換装置を備える。
【0018】
本発明の第3の態様においては、電力供給装置が提供される。上記の電力供給装置は、例えば、第1の態様に係る制御装置を備える。上記の電力供給装置は、例えば、発電装置を備える。上記の電力供給装置は、例えば、蓄電装置を備える。上記の電力供給装置は、例えば、電力変換装置を備える。
【0019】
本発明の第4の態様においては、制御方法が提供される。上記の制御方法は、例えば、電力供給装置が電力系統に出力する電力である出力電力を制御するための方法である。上記の制御方法は、例えば、(i)出力電力の単位時間当たりの変動量の電力供給装置の定格出力に対する割合を示す変動率の絶対値が第1閾値以下又は第1閾値未満となるように、出力電力の大きさを増加させる第1モード、(ii)変動率の絶対値が第2閾値以下又は第2閾値未満となるように、出力電力の大きさを減少させる第2モード、及び、(iii)変動率の絶対値が第3閾値以下又は第3閾値未満となるように、出力電力の大きさを維持する第3モードの何れか1つのモードで、電力供給装置を動作させる出力制御段階を有する。上記の制御方法において、第3閾値は、例えば、第1閾値及び第2閾値よりも小さい。
【0020】
上記の制御方法は、コンピュータを用いて、電力供給装置が電力系統に出力する電力である出力電力を制御するための方法であってよい。上記の制御方法に含まれる各段階の動作の主体は、コンピュータであってよい。
【0021】
本発明の第5の態様においては、プログラムが提供される。上記のプログラムは、コンピュータを、上記の第1の態様に係る制御装置として機能させるためのプログラムであってよい。上記のプログラムは、コンピュータに、上記の第4の態様に係る制御方法を実行させるためのプログラムであってもよい。上記のプログラムを格納するコンピュータ可読媒体が提供されてもよい。コンピュータ可読媒体は、非一時的なコンピュータ可読媒体であってもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記録媒体であってもよい。
【0022】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】電力供給システム100のシステム構成の一例を概略的に示す。
図2】パワーコンディショナ120の内部構成の一例を概略的に示す。
図3】インバータ制御部264の内部構成の一例を概略的に示す。
図4】制御目標決定部320における情報処理の一例を概略的に示す。
図5】制御目標決定部320の内部構成の一例を概略的に示す。
図6】電力供給システム100の出力態様の一例を概略的に示す。
図7】発電電力と、出力電力との関係の一例を概略的に示す。
図8】発電電力と、出力電力との関係の一例を概略的に示す。
図9】発電電力と、出力電力との関係の一例を概略的に示す。
図10】発電電力と、出力電力との関係の一例を概略的に示す。
図11】発電予測と、出力計画との関係の一例を概略的に示す。
図12】コンピュータ3000のシステム構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
【0025】
(電力供給システム100の概要)
図1は、電力供給システム100のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、電力供給システム100は、例えば、発電システム110と、パワーコンディショナ120と、蓄電システム130と、制御システム140とを備える。電力供給システム100は、電力量計122と、電力量計132とを備えてよい。本実施形態において、発電システム110は、例えば、1又は複数(1以上と称される場合がある)の太陽光発電パネル112と、1以上の接続ユニット114と、集電盤116と、電力量計118とを有する。
【0026】
本実施形態においては、電力供給システム100のパワーコンディショナ120が、電力系統20及び分電盤30と電気的に接続される場合を例として、電力供給システム100の詳細が説明される。これにより、パワーコンディショナ120を介して、電力供給システム100から電力系統20に交流電力が供給され得る。また、パワーコンディショナ120及び分電盤30を介して、電力供給システム100から1以上の負荷32に交流電力が供給され得る。
【0027】
なお、「電気的に接続される」とは、特定の要素と他の要素とが直接接続される場合に限定されない。特定の要素と他の要素との間に、第三の要素が介在してもよい。また、特定の要素と他の要素とが物理的に接続されている場合に限定されない。例えば、変圧器の入力巻線と出力巻線とは物理的には接続されていないが、電気的には接続されている。
【0028】
また、本実施形態においては、電力供給システム100の制御システム140が、通信ネットワーク10を介して、系統管理サーバ42及び情報提供サーバ44との間で互いに情報を送受する場合を例として、電力供給システム100の詳細が説明される。これにより、電力供給システム100は、電力系統20の管理に関する情報、気象情報などの各種の情報を取得することができる。
【0029】
本実施形態において、電力供給システム100は、発電システム110において直流電力を発生させ、パワーコンディショナ120において直流電力を交流電力に変換する。また、電力供給システム100は、電力系統20に電力を出力する(売電と称される場合がある)。本実施形態において、電力供給システム100は、パワーコンディショナ120及び蓄電システム130を利用して、電力供給システム100が電力系統20に出力する電力(出力電力と称される場合がある。)の変動を抑制する。
【0030】
具体的には、パワーコンディショナ120は、後述される出力電力の変動率が予め定められた値以下又は当該予め定められた値よりも小さくなるように、当該出力電力を制御する。出力電力の変動率は、出力電力[kW]の単位時間当たりの変動量(例えば、1分当たりの変動量[kW/分]である。)の電力供給システム100の定格出力[kW]に対する割合を示す。出力電力の変動率は、1分当たりの変動率[%/分]であってよい。
【0031】
電力供給システム100の定格出力は、例えば、電力供給システム100が電力系統20に電力を供給するための契約(売電契約と称される場合がある。)に基づいて決定される。一実施形態において、電力供給システム100の定格出力は、売電契約に定められた電力系統が受給する最大電力[kW]に基づいて決定される。他の実施形態において、電力供給システム100の定格出力は、売電契約に基づいて電力供給システム100側に通知された予定供給量に基づいて決定される。電力供給システム100の定格出力は、電力供給システム100が出力できる最大出力[kW]に基づいて定められてもよい。
【0032】
また、本実施形態においては、蓄電システム130がパワーコンディショナ120の入力側に配される。これにより、電力供給システム100は、従来技術のように複雑な高速演算により蓄電池の充放電を制御することなく、出力電力の変動を抑制することができる。また、電力供給システム100は、比較的簡単な構成により、出力電力の変動を精度よく抑制することができる。例えば、電力供給システム100は、電力供給システム100の出力電力の変動率を5%/分以下又は1%/分以下に制御することができる。
【0033】
(電力供給システム100に関連する各部の概要)
本実施形態において、通信ネットワーク10は、情報の伝達に用いられる。通信ネットワーク10は、有線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。通信ネットワーク10は、無線パケット通信網、インターネット、P2Pネットワーク、専用回線、VPN、電力線通信回線などを含んでもよい。通信ネットワーク10は、(i)携帯電話回線網などの移動体通信網を含んでもよく、(ii)無線MAN(例えば、WiMAX(登録商標)である。)、無線LAN(例えば、WiFi(登録商標)である。)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などの無線通信網を含んでもよい。
【0034】
本実施形態において、電力系統20は需要家(図示されていない。)に電力を供給する。本実施形態において、分電盤30は、電力系統20又はパワーコンディショナ120から電力を受け取り、分電盤30と電気的に接続された1以上の負荷32に当該電力を分配する。本実施形態において、負荷32は、電力を利用する。負荷32としては、各種の電気製品が例示される。
【0035】
本実施形態において、系統管理サーバ42は、電力系統20を管理する。系統管理サーバ42は、例えば、電力系統20を管理するための各種の通知を電力供給システム100に送信する。本実施形態において、情報提供サーバ44は、各種の情報を提供する。例えば、情報提供サーバ44は、気象情報を提供する。
【0036】
本実施形態において、発電システム110は、直流電力を出力可能に構成される。発電システム110は、例えば、パワーコンディショナ120及び蓄電システム130と電気的に接続される。本実施形態によれば、発電システム110が出力した直流電力は、パワーコンディショナ120に入力され、パワーコンディショナ120を介して電力系統20に出力される。また、発電システム110が出力した直流電力のうち、パワーコンディショナ120が受け入れることができなかった直流電力は、蓄電システム130に入力され、蓄電システム130に蓄積される。蓄電システム130に蓄積された電力は、適切なタイミングで、パワーコンディショナ120を介して電力系統20に出力され得る。
【0037】
太陽光発電パネル112は、光起電力効果を利用して、光エネルギーを電力に変換する。太陽光発電パネル112は、例えば、複数の太陽電池モジュールと、当該太陽電池モジュールを支持する枠及び/又は架台とを備える。太陽光発電パネル112は、複数の太陽電池ストリングが並列に接続された太陽電池アレイを備えてよい。複数の太陽電池ストリングのそれぞれは、直列に接続された複数の太陽電池モジュールを有してよい。
【0038】
本実施形態において、接続ユニット114は、例えば、太陽光発電パネル112が規定の電流及び電圧を出力するように、太陽光発電パネル112に含まれる複数の太陽電池モジュールを電気的に接続するための端子台を備える。接続ユニット114は、接続箱とも称される。接続ユニット114は、上記の端子台機能に加えて、逆流防止機能、サージアブソーバ機能、及び、コンバータ機能の少なくとも1つの機能を有してよい。
【0039】
例えば、接続ユニット114は、コンバータ(図示されていない。)と、当該コンバータを制御するコンバータ制御部(図示されていない。)とを備える。コンバータは、DC/DCコンバータであってよい。コンバータは、昇圧コンバータであってよい。
【0040】
コンバータは、例えば、接続ユニット114に入力された直流電力の電圧を変換する。コンバータは、コンバータ制御部からの命令に従って、入力された直流電力の電圧を変換してよい。具体的には、コンバータは、太陽光発電パネル112から接続ユニット114に入力された直流電圧を直流高電圧に変換する。これにより、電圧が調整された電力が、接続ユニット114から集電盤116に出力される。
【0041】
コンバータ制御部は、例えば、コンバータの動作を制御する。発電システム110が太陽光発電パネル112を備える場合、コンバータは、MPPT(Maximum Power Point Tracking)制御、自動起動停止制御などの制御を実施して、太陽光発電パネル112の発電効率を調整してよい。
【0042】
本実施形態において、集電盤116は、例えば、複数の太陽光発電パネル112が発電した直流電力を一つにまとめて、パワーコンディショナ120に供給する。本実施形態において、集電盤116は、パワーコンディショナ120及び蓄電システム130と電気的に接続される。これにより、集電盤116から出力された電力のうち、パワーコンディショナ120が受け入れることができなかった電力は、蓄電システム130に入力される。
【0043】
本実施形態において、電力量計118は、例えば、発電システム110が出力する電力(発電電力と称される場合がある。)の電力量(発電電力量と称される場合がある。)を計測する。電力量計118は、発電電力を計測してもよい。電力量計118は、例えば、計測結果を示す情報を制御システム140に出力する。計測結果としては、発電電力[kW]の現在値、特定の時点を基準とした発電電力量[kWh]の現在値などが例示される。電力量計118は、1以上の時刻を示す情報と、各時刻における計測結果を示す情報とが対応付けられた情報(発電履歴と称される場合がある。)を、制御システム140に出力してもよい。
【0044】
本実施形態において、パワーコンディショナ120は、例えば、発電システム110及び蓄電システム130の少なくとも一方が出力する直流電力を受け取り、当該直流電力(パワーコンディショナ120の入力電力と称される場合がある。)を交流電力に変換する。また、パワーコンディショナ120は、上記の交流電力を電力系統20に供給する。
【0045】
パワーコンディショナ120は、電力供給システム100の出力電力[kW]を制御してよい。例えば、パワーコンディショナ120は、出力電力の大きさ、及び/又は、出力電力の変動の程度を制御する。出力電力の変動の程度としては、出力電力の増加速度、出力電力の減少速度、出力電力の変動率などが例示される。
【0046】
パワーコンディショナ120は、直流電力から交流電力への変換動作、及び/又は、交流電力の電力系統20への供給動作の制御に必要な情報を、例えば、制御システム140から取得する。パワーコンディショナ120の詳細は後述される。
【0047】
本実施形態において、電力量計122は、パワーコンディショナ120が電力系統20に出力する電力(つまり、上述された出力電力である。)の電力量(出力電力量と称される場合がある。)を計測する。電力量計122は、出力電力を計測してもよい。電力量計122は、例えば、計測結果を示す情報を制御システム140に出力する。計測結果としては、出力電力[kW]の現在値、特定の時点を基準とした出力電力量[kWh]の現在値などが例示される。電力量計122は、1以上の時刻を示す情報と、各時刻における計測結果を示す情報とが対応付けられた情報(出力履歴と称される場合がある。)を、制御システム140に出力してもよい。
【0048】
本実施形態において、蓄電システム130は、直流電力を入出力可能に構成される。蓄電システム130は、発電システム110の出力側及びパワーコンディショナ120の入力側と電気的に接続される。
【0049】
これにより、発電システム110の発電電力がパワーコンディショナ120の出力電力よりも大きい場合、発電システム110から出力された直流電力のうち、パワーコンディショナ120が受け入れることができなかった直流電力は、蓄電システム130に供給される。一方、発電システム110の発電電力がパワーコンディショナ120の出力電力よりも小さい場合、蓄電システム130からパワーコンディショナ120に直流電力が供給される。
【0050】
本実施形態によれば、発電電力の過不足が、直流電力のままで調整される。これにより、従来技術のように複雑な演算を高速で処理しなくても、電力供給システム100から電力系統20に出力される出力電力の大きさが容易に調整され得る。その結果、出力電力の変動が比較的容易に抑制される。
【0051】
蓄電システム130は、例えば、電力を蓄積する蓄電池(図示されていない。)と、当該蓄電池の充放電を制御する充放電制御部(図示されていない。)とを備える。蓄電システム130は、蓄電池の状態を計測するための各種のセンサ(図示されていない。)を備えてよい。蓄電池の状態としては、残容量[Ah]、SOC[%]などが例示される。蓄電システム130は、蓄電池の状態を示す情報を制御システム140に出力してよい。
【0052】
電力量計132は、蓄電システム130が充放電する電力(充放電電力と称される場合がある。)の電力量(充放電電力量と称される場合がある。)を計測する。電力量計132は、充放電電力を計測してもよい。電力量計132は、例えば、計測結果を示す情報を制御システム140に出力する。計測結果としては、充放電電力[kW]の現在値、特定の時点を基準とした充放電電力量[kWh]の現在値などが例示される。電力量計132は、1以上の時刻を示す情報と、各時刻における計測結果を示す情報とが対応付けられた情報(充放電履歴と称される場合がある。)を、制御システム140に出力してもよい。
【0053】
制御システム140は、電力供給システム100を制御する。制御システム140は、例えば、電力供給システム100の各部から、電力供給システム100の各部の状態を示す情報を取得する。制御システム140は、例えば、系統管理サーバ42及び情報提供サーバ44の少なくとも一方から、電力供給システム100の制御に必要な情報を取得する。制御システム140は、これらの情報に基づいて、電力供給システム100の動作を制御する。
【0054】
一実施形態において、制御システム140は、発電システム110の制御に必要な情報を発電システム110に送信することで、発電システム110の動作を制御してよい。他の実施形態において、制御システム140は、パワーコンディショナ120の制御に必要な情報を発電システム110に送信することで、パワーコンディショナ120の動作を制御してよい。他の実施形態において、制御システム140は、蓄電システム130の制御に必要な情報を発電システム110に送信することで、蓄電システム130の動作を制御してよい。
【0055】
(電力供給システム100の各部の具体的な構成)
電力供給システム100の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエア及びソフトウエアにより実現されてもよい。電力供給システム100の各部は、その少なくとも一部が、単一のサーバによって実現されてもよく、複数のサーバによって実現されてもよい。電力供給システム100の各部は、その少なくとも一部が、仮想マシン上又はクラウドシステム上で実現されてもよい。電力供給システム100の各部は、その少なくとも一部が、パーソナルコンピュータ又は携帯端末によって実現されてもよい。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどが例示され得る。電力供給システム100の各部は、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術又は分散型ネットワークを利用して、情報を格納してよい。
【0056】
電力供給システム100を構成する構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したソフトウエア又はプログラムを起動することにより実現されてよい。上記の一般的な構成の情報処理装置は、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インタフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、カメラ、音声入力装置、ジェスチャ入力装置、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、音声出力装置、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDD、SSDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備えてよい。
【0057】
上記の一般的な構成の情報処理装置において、上記のデータ処理装置又は記憶装置は、上記のソフトウエア又はプログラムを記憶してよい。上記のソフトウエア又はプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該ソフトウエア又はプログラムによって規定された動作を実行させる。上記のソフトウエア又はプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されていてもよい。
【0058】
上記のソフトウエア又はプログラムは、コンピュータを、電力供給システム100又はその一部として機能させるためのプログラムであってよい。上記のソフトウエア又はプログラムは、コンピュータに、電力供給システム100又はその一部における情報処理を実行させるためのプログラムであってよい。
【0059】
上記の情報処理としては、電力供給装置が電力系統に出力する電力である出力電力を制御する制御方法が例示される。上記の制御方法は、例えば、(i)出力電力の単位時間当たりの変動量の電力供給装置の定格出力に対する割合を示す変動率の絶対値が第1閾値以下又は第1閾値未満となるように、出力電力の大きさを増加させる第1モード、(ii)変動率の絶対値が第2閾値以下又は第2閾値未満となるように、出力電力の大きさを減少させる第2モード、及び、(iii)変動率の絶対値が第3閾値以下又は第3閾値未満となるように、出力電力の大きさを維持する第3モードの何れか1つのモードで、電力供給装置を動作させる出力制御段階を有する。
【0060】
上記の制御方法において、第3閾値は、第1閾値及び第2閾値よりも小さくてよい。第3閾値は、0又は実質的に0であってよい。例えば、第3閾値が第1閾値又は第2閾値と比較して十分に小さい場合、第3閾値が実質的に0と見做され得る。上記の制御方法において、第1閾値及び第2閾値は、同一であってもよく、異なってもよい。第1閾値及び第2閾値は、実質的に同一であってもよい。例えば、第1閾値及び第2閾値の差が予め定められた値よりも小さい場合、第1閾値及び第2閾値が実質的に同一と見做され得る。上記の予め定められた値は、0.1%/分以下であってもよく、0.1%/分未満であってもよい。
【0061】
上記の制御方法において、第1閾値は、5%/分以下であってもよく、4%/分以下であってもよく、1%/分以下であってもよく、0.8%/分以下であってもよい。第2閾値は、5%/分以下であってもよく、4%/分以下であってもよく、1%/分以下であってもよく、0.8%/分以下であってもよい。第3閾値は、0.2%/分以下であってもよく、0.1%/分以下であってもよく、0.1%/分未満であってもよい。
【0062】
第1モードにおいて、出力制御部は、出力電力が第1変動率で増加するように出力電力を制御してよい。第1変動率は実質的に固定値であってよい。第2モードにおいて、出力制御部は、出力電力が第2変動率で減少するように出力電力を制御してよい。第2変動率は実質的に固定値であってよい。第3モードにおいて、出力制御部は、出力電力が実質的に変動しないように出力電力を制御してよい。
【0063】
第1変動率の絶対値と、第2変動率の絶対値とは、実質的に同一であってもよい。例えば、第1変動率の絶対値と、第2変動率の絶対値との差が予め定められた値よりも小さい場合、1変動率の絶対値と、第2変動率の絶対値とが実質的に同一と見做され得る。上記の予め定められた値は、0.1%/分以下であってもよく、0.1%/分未満であってもよい。
【0064】
電力供給システム100は、電力供給装置の一例であってよい。電力供給システム100が出力できる最大出力は、電力供給装置が電力系統に電力を供給する能力の最大値の一例であってよい。発電システム110は、発電装置の一例であってよい。太陽光発電パネル112は、太陽光発電装置の一例であってよい。電力量計118は、発電電力値取得部の一例であってよい。パワーコンディショナ120は、制御装置、電力変換装置又は電力変換システムの一例であってよい。電力量計122は、出力電力値取得部の一例であってよい。蓄電システム130は、蓄電装置の一例であってよい。蓄電システム130に配されたセンサは、蓄電状態取得部の一例であってよい。電力量計132は、蓄電状態取得部の一例であってよい。制御システム140は、発電電力値取得部、出力電力値取得部又は蓄電状態取得部の一例であってよい。
【0065】
(別実施形態の一例)
本実施形態においては、電力量計118、電力量計122及び電力量計132が、計測結果を示す情報を制御システム140に出力する場合を例として、電力供給システム100の一例が説明された。しかしながら、電力供給システム100は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、電力量計118、電力量計122及び電力量計132は、計測結果を示す情報をパワーコンディショナ120に出力してよい。
【0066】
本実施形態においては、パワーコンディショナ120の内部に配されたコンピュータ又は制御回路が、パワーコンディショナ120の各種の動作を制御する場合を例として、電力供給システム100の一例が説明された。しかしながら、電力供給システム100は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、制御システム140が、パワーコンディショナ120の各種の動作を制御してもよい。この場合、制御システム140は、出力制御部又は制御装置の一例であってよい。
【0067】
本実施形態においては、接続ユニット114がコンバータを備え、接続ユニット114が、太陽光発電パネル112が出力した直流電力の電圧を調整したり、MPPT(Maximum Power Point Tracking)制御を実行したりする場合を例として、電力供給システム100の一例が説明された。しかしながら、電力供給システム100は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、パワーコンディショナ120がコンバータを備え、パワーコンディショナ120が、集電盤116が出力した直流電力の電圧を調整したり、MPPT(Maximum Power Point Tracking)制御を実行したりしてよい。
【0068】
図2は、パワーコンディショナ120の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、パワーコンディショナ120は、例えば、入力された電力を調整し、調整された電力を出力する電力調整回路202と、電力調整回路202を制御する制御部204とを備える。
【0069】
本実施形態において、電力調整回路202は、例えば、DC入力端子210と、インバータ230と、系統連系部240と、AC出力端子250とを備える。電力調整回路202は、電圧計232と、電流計234と、電圧計236と、電流計238とを備えてよい。本実施形態において、系統連系部240は、例えば、連系側開閉器242と、連系側遮断器244と、電流計246とを有する。本実施形態において、制御部204は、例えば、インバータ制御部264と、系統連系制御部266とを備える。
【0070】
本実施形態において、DC入力端子210は、例えば、発電システム110及び蓄電システム130と電気的に接続される。DC入力端子210は、発電システム110及び蓄電システム130の少なくとも一方が出力した電力を受け取る。DC入力端子210は、DC入力端子210に入力された直流電力をインバータ230に出力する。
【0071】
本実施形態において、インバータ230は、例えば、入力された直流電力を交流電力に変換する。インバータ230は、インバータ制御部264からの命令に従って、入力された直流電力を交流電力に変換してよい。インバータ230は、変換された交流電力を系統連系部240に出力する。
【0072】
本実施形態において、電圧計232は、インバータ230の入力電圧を計測する。電圧計232は、計測結果を示す情報を制御部204に出力してよい。本実施形態において、電流計234は、インバータ230の入力電流を計測する。電流計234は、計測結果を示す情報を制御部204に出力してよい。本実施形態において、電圧計236は、インバータ230の出力電圧を計測する。電圧計236は、計測結果を示す情報を制御部204に出力してよい。本実施形態において、電流計238は、インバータ230の出力電流を計測する。電流計238は、計測結果を示す情報を制御部204に出力してよい。
【0073】
本実施形態において、系統連系部240は、電力供給システム100と、電力系統20との連系に関連する各種の動作を実施する。系統連系部240の各部は、系統連系制御部266からの命令に従って作動してよい。
【0074】
本実施形態において、連系側開閉器242は、パワーコンディショナ120と、電力系統20とを電気的に接続したり、電気的に切り離したりする。本実施形態において、連系側遮断器244は、短絡及び地絡から、電力系統20及びパワーコンディショナ120を保護する。本実施形態において、電流計246は、AC出力端子250から出力される出力電力の電流値を計測する。電流計246は、計測結果を示す情報を制御部204に出力してよい。
【0075】
本実施形態において、AC出力端子250は、例えば、電力系統20及び分電盤30と電気的に接続される。AC出力端子250は、インバータ230が出力した交流電力を、電力系統20及び/又は分電盤30に出力する。
【0076】
本実施形態において、インバータ制御部264は、インバータ230の動作を制御する。これにより、インバータ制御部264は、電力供給システム100の出力電力を制御することができる。例えば、インバータ制御部264は、インバータ230を制御して、電力供給システム100が電力系統20に出力する出力電力の大きさを調整する。インバータ制御部264は、出力電力の短期的な変動が抑制されるように、出力電力の大きさを調整してよい。インバータ制御部264は、電圧計232、電流計234、電圧計236及び電流計238の少なくとも1つの計測結果を示す情報を取得してよい。インバータ制御部264の詳細は後述される。
【0077】
本実施形態において、系統連系制御部266は、系統連系部240の動作を制御する。例えば、系統連系制御部266は、連系側開閉器242の開閉を制御する。系統連系制御部266は、連系側遮断器244の開閉を制御してもよい。系統連系制御部266は、電流計246の計測結果を示す情報を取得してよい。
【0078】
電力調整回路202は、電力変換装置の一例であってよい。インバータ230は、電力変換装置の一例であってよい。インバータ制御部264は、出力制御部又は制御装置の一例であってよい。
【0079】
図3は、インバータ制御部264の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、インバータ制御部264は、例えば、格納部310と、制御目標決定部320と、出力電流制御部332と、出力電圧制御部334とを備える。本実施形態において、格納部310は、例えば、契約情報格納部312と、制御条件格納部314と、出力履歴格納部316とを有する。
【0080】
本実施形態において、格納部310は、各種の情報を格納する。本実施形態において、契約情報格納部312は、上述された売電契約に関する各種の情報を格納する。売電契約に関する情報としては、売電契約により定められた電力系統が受給する最大電力[kW]を示す情報、売電契約の一方の当事者である電力系統20の運営者が定めた規則に関する情報、売電契約に基づいて系統管理サーバ42から電力供給システム100に通知された各種の情報などが例示される。上記の規則は、電力供給システム100から電力系統20に供給される電力の変動率の許容範囲に関する規則を含んでよい。
【0081】
本実施形態において、制御条件格納部314は、電力供給システム100の出力電力の制御に関する各種の情報を格納する。出力電力の制御に関する情報としては、出力電力の大きさの最大値を示す情報、出力電力の変動に関する条件を示す情報などが例示される。出力電力の変動に関する条件としては、出力電力の変動速度の上限又は範囲、変動率の絶対値の上限又は範囲などが例示される。出力電力の変動に関する条件は、例えば、売電契約、及び/又は、電力系統20の運営者が定めた規則が遵守されるように決定される。本実施形態において、出力履歴格納部316は、電力供給システム100の出力履歴を格納する。
【0082】
本実施形態において、制御目標決定部320は、パワーコンディショナ120が電力供給システム100の出力電力を制御するための目標値を決定する。制御目標決定部320は、1以上の時刻のそれぞれにおける出力電力の大きさの目標値を決定してよい。制御目標決定部320は、1以上の時刻のそれぞれにおける出力電圧の大きさの目標値を決定してよい。制御目標決定部320は、1以上の時刻のそれぞれにおける出力電流の大きさの目標値を決定してよい。
【0083】
例えば、制御目標決定部320は、まず、パワーコンディショナ120の動作モードを決定する。次に、制御目標決定部320は、出力電流の大きさを決定する。制御目標決定部320は、出力電圧及び出力電流の大きさを決定してよい。これにより、制御目標決定部320は、電力供給システム100の出力電力を制御することができる。制御目標決定部320の詳細は後述される。
【0084】
パワーコンディショナ120の動作モードとしては、(i)出力電力の大きさを増加させる上昇モード、(ii)出力電力の大きさを減少させる下降モード、及び、(iii)出力電力の大きさを維持するホールドモードが例示される。各動作モードにおいて、パワーコンディショナ120は、出力電力の変動を抑制するように出力電力の大きさを制御してよい。例えば、パワーコンディショナ120は、出力電力の変動率の絶対値が予め定められた値以下又は当該値未満となるように、出力電力の大きさを制御する。
【0085】
本実施形態によれば、パワーコンディショナ120の動作モードによらず、発電システム110の発電電力がパワーコンディショナ120の出力電力の制御目標(例えば、特定の値又は数値範囲である。)よりも大きい場合、蓄電システム130が充電され得る。同様に、発電システム110の発電電力がパワーコンディショナ120の出力電力の制御目標(例えば、特定の値又は数値範囲である。)よりも小さい場合、蓄電システム130が放電され得る。
【0086】
本実施形態において、上昇モードは、出力電力の変動率の絶対値が第1閾値以下又は第1閾値未満となるように、出力電力の大きさを増加させる動作モードであってよい。上昇モードの一実施形態においては、出力電力の変動値が予め定められた目標値となるように、出力電力の大きさが制御される。上記の目標値の絶対値は、第1閾値以下又は第1閾値未満である。上昇モードの他の実施形態においては、出力電力の変動値が予め定められた数値範囲内で変化するように、出力電力の大きさが制御される。上記の数値範囲の上限値の絶対値は、第1閾値以下又は第1閾値未満であってよい。上記の数値範囲の下限値は、0以上であってよい。
【0087】
本実施形態において、下降モードは、出力電力の変動率の絶対値が第2閾値以下又は第2閾値未満となるように、出力電力の大きさを減少させる動作モードであってよい。下降モードの一実施形態においては、出力電力の変動値が予め定められた目標値となるように、出力電力の大きさが制御される。上記の目標値の絶対値は、第2閾値以下又は第2閾値未満である。下降モードの他の実施形態においては、出力電力の変動値が予め定められた数値範囲内で変化するように、出力電力の大きさが制御される。上記の数値範囲の下限値の絶対値は、第2閾値以下又は第2閾値未満であってよい。上記の数値範囲の上限値は、0以下であってよい。
【0088】
本実施形態において、ホールドモードは、出力電力の変動率の絶対値が第3閾値以下又は第3閾値未満となるように、出力電力の大きさを維持する動作モードであってよい。ホールドモードの一実施形態においては、出力電力の変動値が予め定められた目標値となるように、出力電力の大きさが制御される。上記の目標値の絶対値は、第3閾値以下又は第3閾値未満である。ホールドモードの他の実施形態においては、出力電力の変動値が予め定められた数値範囲内で変化するように、出力電力の大きさが制御される。上記の数値範囲の上限値の絶対値は、第3閾値以下又は第3閾値未満であってよい。上記の数値範囲の下限値の絶対値は、第3閾値以下又は第3閾値未満であってよい。ホールドモードにおいては、出力電力の大きさが実質的に維持されてよい。
【0089】
第1閾値及び第2閾値は同一であってもよく、異なってもよい。第1閾値及び第2閾値は、実質的に同一であってもよい。例えば、第1閾値及び第2閾値の差が予め定められた値よりも小さい場合、第1閾値及び第2閾値が実質的に同一と見做され得る。上記の予め定められた値は、0.1%/分以下であってもよく、0.1%/分未満であってもよい。
【0090】
第1閾値は、5%/分以下であってもよく、4%/分以下であってもよく、1%/分以下であってもよく、0.8%/分以下であってもよい。第2閾値は、5%/分以下であってもよく、4%/分以下であってもよく、1%/分以下であってもよく、0.8%/分以下であってもよい。変動率の第3閾値は、5%/分以下であってもよく、1%/分以下であってもよく、0.8%/分以下であってもよい。
【0091】
第3閾値は、第1閾値及び第2閾値よりも小さくてよい。第3閾値は、0又は実質的に0であってよい。例えば、第3閾値が第1閾値又は第2閾値と比較して十分に小さい場合、第3閾値が実質的に0と見做され得る。
【0092】
本実施形態において、出力電流制御部332は、例えば、インバータ230の出力電流の値が制御目標決定部320が決定した目標値となるように、インバータ230の動作を制御する。本実施形態において、出力電圧制御部334は、例えば、インバータ230の出力電圧の値が制御目標決定部320が決定した目標値となるように、インバータ230の動作を制御する。
【0093】
制御目標決定部320は、出力制御部又は制御装置の一例であってよい。上昇モードは、第1モードの一例であってよい。下降モードは、第2モードの一例であってよい。ホールドモードは、第3モードの一例であってよい。
【0094】
図4は、制御目標決定部320における情報処理の一例を概略的に示す。本実施形態によれば、例えば、まず、ステップ422(ステップがSと省略される場合がある。)において、制御目標決定部320は、契約情報格納部312に格納された売買契約に関する情報に基づいて、出力電力の制御に関する条件(制御条件と称される場合がある。)を決定する。
【0095】
例えば、売買契約により、電力供給システム100の定格出力に対する、電力供給システム100出力電力の1分間当たりの変動量の割合(すなわち、変動率である。)が、1%/分以下と定められている場合、上昇モードの制御条件として、出力電力の変動率の絶対値が0.8%/分以下又は0.8%/分未満となるように、出力電力の大きさを増加させることを決定する。同様に、下降モードの制御条件として、出力電力の変動率の絶対値が0.8%/分以下又は0.8%/分未満となるように、出力電力の大きさを減少させることを決定する。
【0096】
次に、S424において、制御目標決定部320は、パワーコンディショナ120の動作モードを決定する。例えば、制御目標決定部320は、(i)各時刻における予め定められた比較対象の値と、出力電力の現在値との差、及び/又は(ii)蓄電池のSOCの現在値に基づいて、パワーコンディショナ120の動作モードを決定する。比較対象の詳細は後述される。
【0097】
次に、S426において、制御目標決定部320は、パワーコンディショナ120の動作モードと、各動作モードの制御条件とに基づいて、各時刻における出力電圧及び/又は出力電流の目標値を決定する。制御目標決定部320は、電力調整回路202の制御量を決定し、電力調整回路202に制御信号を出力する。例えば、制御目標決定部320は、インバータ230の制御量を決定し、インバータ230に制御信号を出力する。これにより、電力供給システム100の出力電力の変動が抑制される。
【0098】
図5は、制御目標決定部320の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、制御目標決定部320は、例えば、比較対象取得部510と、気象情報取得部522と、発電電力予測部524と、出力計画生成部526と、出力電力値取得部530と、比較部540と、蓄電状態取得部550と、出力態様決定部560と、目標値決定部570とを備える。本実施形態において、比較対象取得部510は、例えば、発電電力値取得部512と、計画値取得部514とを有する。
【0099】
本実施形態において、比較対象取得部510は、上述された比較対象の値を取得する。比較対象としては、発電システム110の発電電力の現在値、及び、1以上の時刻のそれぞれにおける出力電力の大きさに関する計画(出力計画と称される場合がある。)により示される値(計画値と称される場合がある。)が例示される。
【0100】
本実施形態において、発電電力値取得部512は、発電システム110の発電電力[kW]の現在値を示す情報を取得する。例えば、発電電力値取得部512は、電力量計118又は制御システム140から、発電システム110の発電電力[kW]の現在値を示す情報を取得する。
【0101】
計画値取得部514は、特定の時刻における電力供給システム100の出力電力[kW]の計画値を示す情報を取得する。計画値取得部514は、例えば、現時点又は制御目標決定部320が制御信号を出力することが予想される時点における、電力供給システム100の出力電力の計画値を示す情報を取得する。
【0102】
計画値取得部514は、電力供給システム100の出力計画を取得することで、上記の特定の時刻における計画値を示す情報を取得してもよい。出力計画は、1以上の時刻のそれぞれを示す情報と、各時刻における電力供給システム100の出力電力を示す情報とが対応付けられた情報であってよい。計画値取得部514は、出力計画生成部526が生成した出力計画を取得してよい。
【0103】
本実施形態において、気象情報取得部522は、発電システム110が設置されている地域の気象情報を取得する。気象情報取得部522は、例えば、情報提供サーバ44から、発電システム110が設置されている地域の気象情報を取得する。
【0104】
本実施形態において、発電電力予測部524は、気象情報取得部522が取得した気象情報に基づいて、少なくとも第1期間に含まれる複数の時刻のそれぞれにおける発電電力の予測値を導出する。第1期間は任意の期間であってよい。複数の時刻の間隔は任意の値であってよい。例えば、発電電力予測部524は、11月17日の午前8時0分から午後7時59分までの発電電力を、1分ごとに予測する。
【0105】
本実施形態において、出力計画生成部526は、発電電力予測部524が導出した発電電力の予測値に基づいて、第2期間に含まれる複数の時刻のそれぞれにおける電力供給システム100の出力電力の計画値を決定する。例えば、出力計画生成部526は、発電電力予測部524が導出した11月17日の午前8時0分から午後7時59分までの発電電力に基づいて、11月17日の午前0時0分から午後23時59分までの発電電力を、1分ごとに予測する。
【0106】
第1期間及び第2期間は、同一又は実質的に同一の期間であってもよく、異なる期間であってもよい。第1期間及び第2期間が異なる場合、第2期間の長さは、第1期間の長さより長くてもよく、第1期間の長さより短くてもよい。第1期間及び第2期間が異なる場合、第2期間の始期は、第1期間の始期よりも前の時期であってよい。また、第2期間の終期は、第1期間の始期よりも後の時期であってもよく、第1期間の終期よりも前の時期であってもよく、第1期間の終期よりも後の時期であってもよい。
【0107】
本実施形態において、出力電力値取得部530は、電力供給システム100の出力電力の現在値を示す情報を取得する。例えば、出力電力値取得部530は、制御システム140から、電力供給システム100出力電力の現在値を示す情報を取得する。
【0108】
本実施形態において、比較部540は、比較対象取得部510が取得した比較対象の値と、出力電力値取得部530が取得した出力電力の現在値とを比較する。比較部540は、比較結果(例えば、大小関係である。)を示す情報を出力態様決定部560に出力する。一実施形態において、比較部540は、例えば、発電電力値取得部512が取得した発電電力の現在値と、出力電力値取得部530が取得した出力電力の現在値とを比較する。他の実施形態において、比較部540は、例えば、計画値取得部514が取得した現時点における出力電力の計画値と、出力電力値取得部530が取得した出力電力の現在値とを比較する。
【0109】
本実施形態において、蓄電状態取得部550は、蓄電システム130の残容量又はSOCを示す情報を取得する。例えば、蓄電状態取得部550は、蓄電システム130又は制御システム140から、蓄電システム130の残容量又はSOCを示す情報を取得する。
【0110】
本実施形態において、出力態様決定部560は、パワーコンディショナ120の動作モードを決定する。例えば、出力態様決定部560は、発電電力の現在値及び出力電力の現在値に基づいて、パワーコンディショナ120の動作モードを決定する。例えば、出力態様決定部560は、出力電力の計画値及び出力電力の現在値に基づいて、パワーコンディショナ120の動作モードを決定する。例えば、出力態様決定部560は、蓄電システム130の残容量又はSOCに基づいて、パワーコンディショナ120の動作モードを決定する。出力態様決定部560は、上記の組み合わせに基づいて、パワーコンディショナ120の動作モードを決定してよい。
【0111】
(第1の実施形態)
本実施形態において、出力態様決定部560は、発電電力の現在値及び出力電力の現在値に基づいて、パワーコンディショナ120の動作モードを決定する。パワーコンディショナ120の動作モードは、インバータ230の動作モードであってよい。
【0112】
例えば、出力態様決定部560は、(a)発電電力の現在値が出力電力の現在値よりも大きい場合、上昇モードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定する、及び/又は、(b)発電電力の現在値が出力電力の現在値よりも小さい場合、下降モードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定する。出力態様決定部560は、発電電力の現在値及び出力電力の現在値の差が第4閾値よりも小さい場合、ホールドモードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定してよい。第4閾値は、発電電力の現在値及び出力電力の現在値が実質的に同一となるように決定されてよい。
【0113】
出力態様決定部560は、発電電力の現在値に対する出力電力の現在値の比が予め定められた数値範囲に含まれる場合、ホールドモードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定してもよい。上記の数値範囲は、発電電力の現在値及び出力電力の現在値が実質的に同一となるように決定されてよい。上記の数値範囲は、上限のみが設定されていてもよく、上限及び下限が設定されていてもよい。例えば、発電電力の現在値及び出力電力の現在値の差が、出力電力の現在値の0.5%以内である場合、発電電力の現在値及び出力電力の現在値が実質的に同一と見做され得る。
【0114】
出力態様決定部560は、パワーコンディショナ120又はインバータ230の出力が予め定められた上限値に到達した場合、ホールドモードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定してもよい。出力態様決定部560は、パワーコンディショナ120又はインバータ230の出力が最大出力に到達した場合、ホールドモードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定してもよい。
【0115】
(第2の実施形態)
本実施形態において、出力態様決定部560は、出力電力の計画値及び出力電力の現在値に基づいて、パワーコンディショナ120の動作モードを決定する。パワーコンディショナ120の動作モードは、インバータ230の動作モードであってよい。
【0116】
例えば、出力態様決定部560は、(a)出力電力の計画値が出力電力の現在値よりも大きい場合、上昇モードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定する、及び/又は、(b)出力電力の計画値が出力電力の現在値よりも小さい場合、下降モードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定する。出力態様決定部560は、出力電力の計画値及び出力電力の現在値の差が第4閾値よりも小さい場合、ホールドモードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定してよい。第4閾値は、出力電力の計画値及び出力電力の現在値が実質的に同一となるように決定されてよい。
【0117】
出力態様決定部560は、出力電力の計画値に対する出力電力の現在値の比が予め定められた数値範囲に含まれる場合、ホールドモードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定してもよい。上記の数値範囲は、出力電力の計画値及び出力電力の現在値が実質的に同一となるように決定されてよい。上記の数値範囲は、上限のみが設定されていてもよく、上限及び下限が設定されていてもよい。上記の数値範囲は、上限のみが設定されていてもよく、上限及び下限が設定されていてもよい。例えば、出力電力の計画値及び出力電力の現在値の差が、出力電力の現在値の0.5%以内である場合、発電電力の現在値及び出力電力の現在値が実質的に同一と見做され得る。
【0118】
出力態様決定部560は、パワーコンディショナ120又はインバータ230の出力が予め定められた上限値に到達した場合、ホールドモードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定してもよい。出力態様決定部560は、パワーコンディショナ120又はインバータ230の出力が最大出力に到達した場合、ホールドモードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定してもよい。
【0119】
(第3の実施形態)
本実施形態において、出力態様決定部560は、蓄電システム130の残容量又はSOCに基づいて、パワーコンディショナ120の動作モードを決定する。パワーコンディショナ120の動作モードは、インバータ230の動作モードであってよい。
【0120】
一実施形態において、発電電力の現在値が出力電力の現在値よりも大きい場合、出力態様決定部560は、例えば、(i)蓄電システム130の残容量又はSOCが第5閾値よりも大きいときには、上昇モードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定し、(ii)蓄電装置の残容量又はSOCが第5閾値よりも小さいときには、ホールドモードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定する。第5閾値は、30%であってもよく、20%であってもよく、10%であってもよい。
【0121】
これにより、蓄電システム130の残容量又はSOCが適切に維持される。本実施形態によれば、蓄電システム130が放電可能な電力量を十分に確保しているので、発電システム110の発電電力が急減した場合であっても、電力供給システム100の出力電力の変動が抑制され得る。
【0122】
発電電力の現在値が出力電力の現在値よりも小さい場合、出力態様決定部560は、例えば、(i)蓄電装置の残容量又はSOCが第6閾値よりも小さいときには、下降モードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定し、(ii)蓄電装置の残容量又はSOCが第6閾値よりも大きいときには、ホールドモードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定する。第6閾値は、40%であってもよく、50%であってもよく、60%であってもよい。なお、上記の第5閾値は、第6閾値よりも小さくてよい。
【0123】
これにより、蓄電システム130の残容量又はSOCが適切に維持される。本実施形態によれば、蓄電システム130が充電可能な状態で運用されているので、発電システム110の発電電力が急増した場合であっても、電力供給システム100の出力電力の変動が抑制され得る。
【0124】
他の実施形態において、出力電力の計画値が出力電力の現在値よりも大きい場合、出力態様決定部560は、例えば、(i)蓄電装置の残容量又はSOCが第5閾値よりも大きいときには、上昇モードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定し、(ii)蓄電装置の残容量又はSOCが第5閾値よりも小さいときには、ホールドモードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定する。第5閾値は、30%であってもよく、20%であってもよく、10%であってもよい。
【0125】
これにより、蓄電システム130の残容量又はSOCが適切に維持される。本実施形態によれば、蓄電システム130が放電可能な電力量を十分に確保しているので、発電システム110の発電電力が急減した場合であっても、電力供給システム100の出力電力の変動が抑制され得る。
【0126】
出力電力の計画値が出力電力の現在値よりも小さい場合、出力態様決定部560は、例えば、(i)蓄電システム130の残容量又はSOCが第6閾値よりも小さいときには、下降モードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定し、(ii)蓄電システム130の残容量又はSOCが第6閾値よりも大きいときには、ホールドモードでパワーコンディショナ120を動作させることを決定する。第6閾値は、40%であってもよく、50%であってもよく、60%であってもよい。なお、上記の第5閾値は、第6閾値よりも小さくてよい。
【0127】
これにより、蓄電システム130の残容量又はSOCが適切に維持される。本実施形態によれば、蓄電システム130が充電可能な状態で運用されているので、発電システム110の発電電力が急増した場合であっても、電力供給システム100の出力電力の変動が抑制され得る。
【0128】
目標値決定部570は、パワーコンディショナ120の動作モードと、各動作モードの制御条件とに基づいて、各時刻における出力電圧及び/又は出力電流の目標値を決定する。各動作モードの制御条件は、出力電力の変動率に関する条件であってよい。
【0129】
(別実施形態の一例)
本実施形態においては、制御目標決定部320が、発電電力値取得部512、計画値取得部514、出力電力値取得部530、比較部540及び蓄電状態取得部550を備える場合を例として、電力供給システム100の一例が説明された。しかしながら、電力供給システム100は、本実施形態に限定されない。
【0130】
他の実施形態において、比較対象取得部510は、発電電力値取得部512及び出力電力値取得部530の少なくとも一方を備えなくてもよい。さらに他の実施形態において、比較対象取得部510は、蓄電状態取得部550を備えなくてもよい。さらに他の実施形態において、比較対象取得部510は、計画値取得部514、気象情報取得部522、発電電力予測部524、出力計画生成部526及び出力電力値取得部530の少なくとも1つを備えなくてもよい。
【0131】
図6は、電力供給システム100の出力態様の一例を概略的に示す。図6は、電力供給システム100の出力履歴620と、パワーコンディショナ120が各動作モードで動作した場合の将来の出力電力の推移とを示す。
【0132】
点線642は、時刻tにおいて、制御目標決定部320がパワーコンディショナ120を上昇モードで動作させることを決定した場合の出力電力の推移を示す。この場合、予め定められた変動率で出力電力が増加する。その結果、時刻tから単位時間Tが経過した後の出力電力の大きさはULとなる。
【0133】
点線644は、時刻tにおいて、制御目標決定部320がパワーコンディショナ120を下降モードで動作させることを決定した場合の出力電力の推移を示す。この場合、予め定められた変動率で出力電力が減少する。その結果、時刻tから単位時間Tが経過した後の出力電力の大きさはLLとなる。
【0134】
点線646は、時刻tにおいて、制御目標決定部320がパワーコンディショナ120をホールドモードで動作させることを決定した場合の出力電力の推移を示す。この場合、時刻tにおける出力電力の大きさが維持される。その結果、時刻tから単位時間Tが経過した後の出力電力の大きさはCPとなる。
【0135】
図7図8図9及び図10を用いて、発電電力と、出力電力との関係の一例が説明される。図7図10においては、時刻tにおける出力電力CPと、時刻tにおける発電電力CGとの大小関係に基づいて電力供給システム100の出力態様が決定される実施形態を例として、発電電力と、出力電力との関係の一例が説明される。
【0136】
図7を用いて、説明対象となる期間において、発電電力が出力電力よりも常に大きく、且つ、発電電力及び出力電力の差が予め定められた閾値よりも常に大きい場合を例として、電力供給システム100の動作の一例が説明される。この場合、発電履歴720で示される発電電力と、出力履歴740で示される出力電力との差760に相当する電力が、蓄電システム130に蓄積される。
【0137】
図8を用いて、説明対象となる期間において、発電電力が出力電力よりも常に小さく、且つ、発電電力及び出力電力の差が予め定められた閾値よりも常に大きい場合を例として、発電システム110の動作の一例が説明される。この場合、発電履歴820で示される発電電力と、出力履歴840で示される出力電力との差860に相当する電力が、蓄電システム130から放出される。
【0138】
図9を用いて、説明対象となる期間において、発電電力と出力電力との差の絶対値が予め定められた値よりも常に小さい場合を例として、電力供給システム100の動作の一例が説明される。この場合、発電履歴920で示される発電電力と、出力履歴940で示される出力電力との差962に相当する電力が、蓄電システム130に蓄積される。一方、発電履歴920で示される発電電力と、出力履歴940で示される出力電力との差964に相当する電力が、蓄電システム130から放出される。
【0139】
図10を用いて、電力供給システム100の動作の一例が説明される。図10は、発電システム110の発電履歴1020の一例と、電力供給システム100の出力履歴1040の一例とを示す。
【0140】
本実施形態によれば、時刻tにおいて、発電電力CGが出力電力CPよりも小さい。そのため、パワーコンディショナ120は、時刻tから時刻t1まで下降モードで動作する。その後、時刻t1において、発電電力CGと出力電力CPとが略同一になるので、パワーコンディショナ120は、時刻t1から時刻t2までホールドモードで動作する。時刻t2において、発電電力CGが出力電力CPよりも大きくなるので、パワーコンディショナ120は、時刻t2から時刻t3まで上昇モードで動作する。
【0141】
時刻t3において、発電電力CGと出力電力CPとが略同一になるので、パワーコンディショナ120は、時刻t3から時刻t4までホールドモードで動作する。時刻t4において、発電電力CGが出力電力CPよりも大きくなるので、パワーコンディショナ120は、時刻t4から時刻t5まで上昇モードで動作する。時刻t5において、発電電力CGと出力電力CPとが略同一になるので、パワーコンディショナ120は、時刻t5以降、ホールドモードで動作する。
【0142】
本実施形態においては、蓄電システム130が、発電システム110の出力及びパワーコンディショナ120の入力の間に接続され、発電システム110から直流電力を受領し、パワーコンディショナ120に直流電力を供給する。これにより、蓄電システム130は、発電電力の短周期変動に追従して、高速に充放電され得る。その結果、蓄電システム130の残容量又はSOCが適切な数値範囲内で運用されている場合、発電電力の短周期変動が抑制され得る。
【0143】
図11は、発電予測と、出力計画との関係の一例を概略的に示す。本実施形態において、出力計画1140は、例えば、発電電力の予測結果1120の時間をシフトすることにより生成される。
【0144】
例えば、発電電力予測部524は、時刻tCSから時刻tCEまでの期間における気象予測に基づいて、時刻tCSから時刻tCEまでの期間に含まれる複数の時刻のそれぞれにおける発電電力を予測値を導出する。気象予測は、上記の複数の時刻のそれぞれにおける日照量の予測値又は当該日照量の予測式を含んでよい。発電電力予測部524は、上記の期間に含まれる複数の時刻のそれぞれを示す情報と、各時刻における発電電力の予測値を示す情報とを対応付けて予測結果1120を生成する。
【0145】
出力計画生成部526は、発電電力の予測結果1120に基づいて、時刻tPSから時刻tCEまでの期間に含まれる複数の時刻のそれぞれにおける出力電力の計画値を決定する。出力計画生成部526は、発電電力の予測結果1120に基づいて、時刻tPSから時刻tPEまでの期間に含まれる複数の時刻のそれぞれにおける出力電力の計画値を決定してもよい。出力計画生成部526は、上記の期間に含まれる複数の時刻のそれぞれを示す情報と、各時刻における出力電力の計画値を示す情報とを対応付けて出力計画1140を生成する。
【0146】
本実施形態において、出力計画生成部526は、発電電力の予測結果1120の時間をシフトさせて、出力計画1140を生成する。上記のシフト量Tsは、例えば、各時刻における電力の需給予測に基づいて決定される。出力計画生成部526は、系統管理サーバ42又は情報提供サーバ44から、各時刻における電力の需給予測を示す情報を取得してよい。出力計画生成部526は、過去の気象パターンと、各時刻における需給ギャップの実績値を示す情報に基づいて、上記のシフト量を決定してもよい。気象パターンとしては、晴れ、曇り、雨などが例示される。
【0147】
予測結果1120は、発電電力の予測値の一例であってよい。出力計画1140は、出力電力の計画値の一例であってよい。時刻tCSから時刻tCEまでの期間は、第1期間の一例であってよい。時刻tPSから時刻tCEまでの期間は、第2期間の一例であってよい。時刻tPSから時刻tPEまでの期間は、第2期間の一例であってよい。
【0148】
(別実施形態の一例)
本実施形態においては、出力計画1140が、発電電力の予測結果1120の時間をシフトすることにより生成される場合を例として、電力供給システム100の一例が説明された。しかしながら、電力供給システム100は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、出力計画1140は、例えば、各時刻における電力の需給予測に基づいて、需要が供給を超える時期に出力電力の計画値が発電電力の予測値よりも大きくなり、需要が供給を下回る時期に出力電力の計画値が発電電力の予測値よりも小さくなるように決定される。
【0149】
図12は、本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されてよいコンピュータ3000の一例を示す。電力供給システム100の少なくとも一部は、コンピュータ3000により実現されてよい。例えば、パワーコンディショナ120の一部が、コンピュータ3000により実現される。例えば、蓄電システム130の一部が、コンピュータ3000により実現される。例えば、制御システム140の少なくとも一部が、コンピュータ3000により実現される。また、系統管理サーバ42の少なくとも一部が、コンピュータ3000により実現されてよい。情報提供サーバ44の少なくとも一部が、コンピュータ3000により実現されてよい。
【0150】
コンピュータ3000にインストールされたプログラムは、コンピュータ3000に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該装置の1又は複数の「部」として機能させ、又は当該オペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ3000に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ3000に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU3012によって実行されてよい。
【0151】
本実施形態によるコンピュータ3000は、CPU3012、RAM3014、GPU3016、及びディスプレイデバイス3018を含み、それらはホストコントローラ3010によって相互に接続されている。コンピュータ3000はまた、通信インタフェース3022、ハードディスクドライブ3024、DVD-ROMドライブ3026、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ3020を介してホストコントローラ3010に接続されている。コンピュータはまた、ROM3030及びキーボード3042のようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ3040を介して入出力コントローラ3020に接続されている。
【0152】
CPU3012は、ROM3030及びRAM3014内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。GPU3016は、RAM3014内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU3012によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス3018上に表示されるようにする。
【0153】
通信インタフェース3022は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ3024は、コンピュータ3000内のCPU3012によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVD-ROMドライブ3026は、プログラム又はデータをDVD-ROM3001から読み取り、ハードディスクドライブ3024にRAM3014を介してプログラム又はデータを提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0154】
ROM3030はその中に、アクティブ化時にコンピュータ3000によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ3000のハードウエアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ3040はまた、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ3020に接続してよい。
【0155】
プログラムが、DVD-ROM3001又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもあるハードディスクドライブ3024、RAM3014、又はROM3030にインストールされ、CPU3012によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ3000に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウエアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ3000の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0156】
例えば、通信がコンピュータ3000及び外部デバイス間で実行される場合、CPU3012は、RAM3014にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース3022に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース3022は、CPU3012の制御の下、RAM3014、ハードディスクドライブ3024、DVD-ROM3001、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0157】
また、CPU3012は、ハードディスクドライブ3024、DVD-ROMドライブ3026(DVD-ROM3001)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM3014に読み取られるようにし、RAM3014上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU3012は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0158】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU3012は、RAM3014から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM3014に対しライトバックする。また、CPU3012は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU3012は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0159】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ3000上又はコンピュータ3000近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それにより、上記のプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ3000に提供する。
【0160】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0161】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0162】
10 通信ネットワーク、20 電力系統、30 分電盤、32 負荷、42 系統管理サーバ、44 情報提供サーバ、100 電力供給システム、110 発電システム、112 太陽光発電パネル、114 接続ユニット、116 集電盤、118 電力量計、120 パワーコンディショナ、122 電力量計、130 蓄電システム、132 電力量計、140 制御システム、202 電力調整回路、204 制御部、210 DC入力端子、230 インバータ、232 電圧計、234 電流計、236 電圧計、238 電流計、240 系統連系部、242 連系側開閉器、244 連系側遮断器、246 電流計、250 AC出力端子、264 インバータ制御部、266 系統連系制御部、310 格納部、312 契約情報格納部、314 制御条件格納部、316 出力履歴格納部、320 制御目標決定部、332 出力電流制御部、334 出力電圧制御部、510 比較対象取得部、512 発電電力値取得部、514 計画値取得部、522 気象情報取得部、524 発電電力予測部、526 出力計画生成部、530 出力電力値取得部、540 比較部、550 蓄電状態取得部、560 出力態様決定部、570 目標値決定部、620 出力履歴、642 点線、644 点線、646 点線、720 発電履歴、740 出力履歴、760 差、820 発電履歴、840 出力履歴、860 差、920 発電履歴、940 出力履歴、962 差、964 差、1020 発電履歴、1040 出力履歴、1120 予測結果、1140 出力計画、3000 コンピュータ、3001 DVD-ROM、3010 ホストコントローラ、3012 CPU、3014 RAM、3016 GPU、3018 ディスプレイデバイス、3020 入出力コントローラ、3022 通信インタフェース、3024 ハードディスクドライブ、3026 DVD-ROMドライブ、3030 ROM、3040 入出力チップ、3042 キーボード
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