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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076317
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】門柱
(51)【国際特許分類】
   E06B 11/02 20060101AFI20230525BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20230525BHJP
   E06B 3/964 20060101ALI20230525BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230525BHJP
【FI】
E06B11/02 Q
F21V33/00 200
E06B3/964 Z
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189666
(22)【出願日】2021-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591260166
【氏名又は名称】太陽パーツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 富夫
(72)【発明者】
【氏名】原 望
(72)【発明者】
【氏名】大槻 直史
【テーマコード(参考)】
2E035
2E038
3K014
【Fターム(参考)】
2E035AA01
2E035AA05
2E035CA03
2E035CB02
2E035CB06
2E035DA01
2E035DB02
2E038BA01
2E038BA04
2E038DH02
3K014PB07
(57)【要約】
【課題】複数の縦支柱が横支柱で連結された、少なくとも1つの機能部品を取り付け可能な門柱において、意匠性及び結合強度を高くできる構造を実現する。
【解決手段】門柱は、横方向に間隔をあけて立設された複数の縦支柱と、複数の縦支柱の間に、複数の縦支柱を横方向につなぐように連結される横支柱とを含む。各支柱の端部は長手方向に対し斜め方向に向く端面を有し、コーナー部材を介して縦支柱の端部と横支柱の端部が連結される。コーナー部材は、2つの傾斜面を有するコーナー部と、一方の傾斜面から突出し縦支柱に挿入される縦挿入部と、他方の傾斜面から突出し横支柱に挿入される横挿入部と、第1ネジによって縦支柱に固定される縦支柱連結穴形成部と、第2ネジによって横支柱に固定される横支柱連結穴形成部とを有する。各支柱がコーナー部材で連結された状態で、各ネジは外面に露出しないように構成される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの機能部品を取り付け可能な門柱であって、
横方向に間隔をあけて立設された複数の縦支柱と、
前記複数の縦支柱の間に、前記複数の縦支柱を横方向につなぐように連結される横支柱と、を備え、
前記縦支柱の端部と前記横支柱の端部はそれぞれ長手方向に対し斜め方向に向く端面を有し、コーナー部材を介して前記縦支柱の端部と前記横支柱の端部が連結され、
前記コーナー部材は、
上下方向に対し傾斜した方向の両側に2つの傾斜面を有するコーナー部と、一方の前記傾斜面から突出し前記縦支柱に挿入される縦挿入部と、他方の前記傾斜面から突出し前記横支柱に挿入される横挿入部と、第1ネジによって前記縦支柱に固定される縦支柱連結穴形成部と、第2ネジによって前記横支柱に固定される横支柱連結穴形成部と、を含み、
前記縦支柱と前記横支柱とが前記コーナー部材で連結された状態で、前記第1ネジ及び前記第2ネジは、外面に露出しないように構成される、門柱。
【請求項2】
請求項1に記載の門柱において、
前記コーナー部材において、前記横支柱連結穴形成部の開口周縁部には、前記第2ネジの回転を抑止する回り止め部を有する、
門柱。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の門柱において、
前記縦支柱と前記横支柱とが前記コーナー部材で連結された状態で、前記コーナー部において外側に露出した上端部の角には、断面円弧形の曲面部を有する、
門柱。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の門柱において、
前記コーナー部は、前記縦支柱側の面において、前記複数の縦支柱の配列方向に対し直交する方向である配列直交方向の両端縁、及び上端縁を結ぶ周縁部から突出し、前記縦支柱の端部を覆う縦被覆部と、前記横支柱側の面において、前記配列直交方向の両端縁、及び上端縁を結ぶ周縁部から突出し、前記横支柱の端部を覆う横被覆部とを有する、
門柱。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の門柱において、
前記コーナー部材は、前記横支柱の上面板部の下面に沿って設けられる横方向板部において、雨水を前記縦支柱の内部で流下させるための水抜き穴が形成される、
門柱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、少なくとも1つの機能部品を取り付け可能な門柱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に記載されているように、門柱に、照明や、表札や、インターフォン等の機能部品が取り付けられた機能門柱が知られている。特許文献1に記載された機能門柱は、等間隔で並列した複数本の支柱からなる門柱本体の正面側に正面パネルが、複数本の支柱にまたがるように取り付けられる。複数本の支柱の上側部分は、各支柱に正面パネルを固定することによって接続される。正面パネルには、照明、表札、及びインターフォンが取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-303683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような機能部品を取り付け可能な門柱において、横方向に間隔をあけて立設された複数の縦支柱の間に、複数の縦支柱を横方向につなぐように横支柱を連結することが考えられる。この場合に、縦支柱と横支柱の内部にジョイントを挿入して結合することが考えられるが、ジョイントが単純なL字形状では、ジョイントの外側に露出する部分が大きく、意匠性が低下する。また、縦支柱と横支柱の内部にジョイントの一部を単純に挿入するだけでは、結合強度を高くする面から改良の余地がある。
【0005】
本開示の目的は、複数の縦支柱が横支柱で連結された、少なくとも1つの機能部品を取り付け可能な門柱において、意匠性及び結合強度を高くできる構造を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の門柱は、少なくとも1つの機能部品を取り付け可能な門柱であって、横方向に間隔をあけて立設された複数の縦支柱と、複数の縦支柱の間に、複数の縦支柱を横方向につなぐように連結される横支柱と、を備え、縦支柱の端部と横支柱の端部はそれぞれ長手方向に対し斜め方向に向く端面を有し、コーナー部材を介して縦支柱の端部と横支柱の端部が連結され、コーナー部材は、上下方向に対し傾斜した方向の両側に2つの傾斜面を有するコーナー部と、一方の傾斜面から突出し縦支柱に挿入される縦挿入部と、他方の傾斜面から突出し横支柱に挿入される横挿入部と、第1ネジによって縦支柱に固定される縦支柱連結穴形成部と、第2ネジによって横支柱に固定される横支柱連結穴形成部と、を含み、縦支柱と横支柱とがコーナー部材で連結された状態で、第1ネジ及び第2ネジは、外面に露出しないように構成される、門柱である。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る門柱によれば、複数の縦支柱が横支柱で連結され、少なくとも1つの機能部品が、複数の縦支柱の間に取り付け可能である。また、縦支柱と横支柱とにコーナー部材の縦挿入部と横挿入部とがそれぞれ挿入された状態で、外部に露出されるコーナー部を小さくできるので、意匠性を高くできる。また、コーナー部材が、第1ネジによって縦支柱に固定される縦支柱連結穴形成部と、第2ネジによって横支柱に固定される横支柱連結穴形成部とを含み、縦支柱と横支柱とがコーナー部材で連結された状態で、第1ネジ及び第2ネジは、外面に露出しないように構成されるので、縦支柱及び横支柱の連結強度を高くでき、かつ意匠性をさらに高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の門柱の使用状態を示す斜視図である。
図2図1の上部の拡大斜視図である。
図3図2のA-A断面図である。
図4】一部を省略して示している図3のB-B断面図である。
図5図2において、横支柱を省略して示す斜視図である。
図6図1の門柱を構成する縦支柱、横支柱、及びコーナー部材の連結部の分解斜視図である。
図7図6から縦支柱及びコーナー部材を取り出して、縦支柱に対するコーナー部材の挿入部分を示す斜視図である。
図8図6からコーナー部材を取り出して、縦挿入部側の上方から見た斜視図である。
図9図8のコーナー部材の横挿入部側の上方から見た斜視図である。
図10図8のコーナー部材の縦挿入部の外面の外側から見た斜視図である。
図11図8のコーナー部材の縦挿入部の外面の外側から見た斜視図において、コーナー部材に第2ネジを結合した状態を示す図である。
図12図6から横支柱を取り出して長手方向一方側の下側から見た斜視図である。
図13図12の横支柱を下側から見た斜視図である。
図14図6の縦支柱、横支柱及びコーナー部材を連結した状態を斜め下側から見た斜視図である。
図15図14のC部拡大図である。
図16図14の状態から照明ユニットを取り付けた状態を示す斜視図である。
図17図2のD部の拡大斜視図である。
図18】コーナー部材において、図3のE部に相当する前後方向の所定厚み部分を取り出して示す拡大斜視図である。
図19】横支柱の先端の角度ばらつきと横支柱の長手方向半分の長さ寸法との関係の1例を示す図である。
図20】実施形態の別例の門柱を形成するコーナー部材の斜視図である。
図21】実施形態の別例の門柱において、コーナー部材の水抜き穴を通じて雨水が縦支柱の下方に排出される状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本開示の実施形態を説明する。以下で説明する形状、材料、個数及び数値は、説明のための例示であって、門柱の仕様に応じて適宜変更することができる。以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。また、本文中の説明においては、必要に応じてそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0010】
図1は、実施形態の門柱10の使用状態を示す斜視図である。図2は、図1の上部の拡大斜視図である。図3は、図2のA-A断面図である。図4は、一部を省略して示している図3のB-B断面図である。門柱10は、使用状態で、複数の機能部品としてのポスト30、表札32、及び宅配ボックス40が取り付けられる。門柱10は、機能部品が取り付けられた状態で、機能門柱と呼ばれる。また、門柱10の上部には、照明ユニット42と、電源ボックス50とが固定されている。門柱10は、複数の機能部品が取り付けられる構成に限定せず、少なくとも1つの機能部品が取り付け可能な構成であればよい。
【0011】
門柱10の下端部は、使用時に、例えば、ブロック状のコンクリートに埋設されたり、屋外の地面に設置される中空直方体状のプレート体上に固定される。プレート体は、例えば金属、または樹脂により形成され、上面、側面に内部と通じる穴を有する。そして、複数のプレート体を地面に敷き詰めて互いに結合することにより門柱の固定構造を形成すると共に、複数のプレート体の内側を通過するように電源線を配置することができる。電源線の一端は、住宅等の建物内の商用電源に接続され、電源線の他端は、電源ボックス50から後述の縦支柱12の内側を通って下端から導出される門柱用電源線に接続することができる。
【0012】
門柱10は、建物と、道路との間に立てられた状態で設置される。以下の説明では、門柱10の道路側であって、門柱10に表札32が設けられる場合に、表札32の表側を「前側」と記載し、門柱10の建物側を「後側」と記載する場合がある。また、門柱10を前側から見た場合の左右方向を「横方向」と記載する場合がある。
【0013】
門柱10は、横方向に間隔をあけて立設された複数、より具体的には2本の縦支柱12,13と、2本の縦支柱12,13の上端部の間に、2本の縦支柱12,13を横方向につなぐように連結される横支柱60とを含んでいる。各縦支柱12,13及び横支柱60は、例えば樹脂または金属により形成される。また、2本の縦支柱12,13の上下方向中間部の少なくとも1つの位置には、2本の縦支柱12,13を横方向につなぐように補強プレート100がネジ等により連結される。
【0014】
図3及び後述の図6に示すように、各縦支柱12,13の上端部と、横支柱60の両端部は、それぞれ長手方向に対し斜め方向に切断される等により、長手方向に対し斜め方向に向く端面を有する。具体的には、各縦支柱12,13の上端面は、長手方向に対し45度で傾斜するようにカットされた形状である。横支柱60の長手方向両端面も、長手方向に対し45度で傾斜するようにカットされた形状である。横支柱60の長手方向両端面は、互いに横方向反対側の斜め下側に向いている。さらに、図3図4に示すように、各縦支柱12,13の上端部と横支柱60の端部は、コーナー部材70を介して連結される。コーナー部材70は、後述するように第1ネジ90(図5参照)によって縦支柱12,13に連結され、第2ネジ94によって横支柱60に連結される。
【0015】
図5は、図2において、横支柱60を省略して示す斜視図である。図6は、門柱を構成する縦支柱12,13、横支柱60、及びコーナー部材70の連結部の分解斜視図である。図7は、図6から縦支柱12,13及びコーナー部材70を取り出して、縦支柱12,13に対するコーナー部材70の挿入部分を示す斜視図である。
【0016】
図5図7に示すように、縦支柱12,13は、上下方向に長い中空の筒状であり、長手方向に対し直交する断面は、前後方向に長い扁平な台形の頂部の前後方向中間部から矩形部が突出する形状である。縦支柱12,13は、互いに同一の基本構造を有する。縦支柱12,13の内部には複数の仕切り板が設けられることにより、内部空間が上下方向に延びる4つの上下方向室14a、14b、14c、14dに仕切られている。コーナー部材70の下端部に設けた後述の4つの縦挿入部71a,71b,71c,71dは、4つの上下方向室14a、14b、14c、14dに挿入され、がたつきなく嵌合される。
【0017】
図7に示すように、中央の2つの上下方向室14c、14dにおいて、前後方向外側端の壁部内面には、縦支柱12,13の上下方向に延びる筒状壁15が形成される。筒状壁15は、周方向一部が開口する断面C字形である。そして、筒状壁15の内面にタッピングが施されて雌ネジを有するタッピングホール16が形成される。タッピングホール16の雌ネジには、縦支柱12,13に後述のコーナー部材70を結合するための第1ネジ90(図5)が結合される。これにより、第1ネジ90によって縦支柱12,13にコーナー部材70を結合する際に、作業者が工具を用いて第1ネジ90のネジ部にナットを結合する必要がなくなると共に、縦支柱12,13の横方向外側の外面にその工具を差し込むための大きな穴を形成する必要がない。このため、門柱10の意匠性の向上を図れる。また、第1ネジ90の締め付けトルクを管理する等によって、強固な締結が可能となる。断面C字形の筒状壁、または円筒孔に金属製のコイルを固定したヘリサートを設けることにより、コイルの内周部を第1ネジ90の結合用の雌ネジとしてもよい。
【0018】
図6に示すコーナー部材70は、下端部に縦支柱12,13が連結され、その後、コーナー部材70の横方向に延びる複数の横挿入部73a,73b,73c,73dに、横支柱60の横方向端部が連結される。
【0019】
なお、図2と、図2の門柱10の上部から横支柱60を省略した図5とから分かるように、2本の縦支柱12,13の上部の間で、横支柱60の下側には、横方向に延びるように、照明ユニット42が固定される。図4に示すように、照明ユニット42は、横方向に延びる支持板43と、支持板43の前後方向一方側で上方に膨出するように形成され略矩形筒状で横方向に延びるケース部44と、ケース部44の内部に固定された導光棒45と、導光棒45に光を入射する光源(図示せず)とを有する。導光棒45の下面から出射された光は、透明板状のカバー46を介して下側を照明する。これにより、照明ユニット42の下側で、2つの縦支柱12,13の間に固定された表札32を照明することができる。表札32は、アクリル板等の透明板状としてもよい。照明ユニットは、導光棒を備える構成に限定せず、例えば、横方向複数位置に発光ダイオード(LED)が並んで配置された発光部がケース部44の内部に配置され、カバー46を介して下側を照明する構成としてもよい。
【0020】
図8図11を用いて、コーナー部材70をより詳しく説明する。図8は、図6からコーナー部材70を取り出して、縦挿入部71a,71b,71c,71d側の上方から見た斜視図である。図9は、コーナー部材70の横挿入部73a,73b,73c,73d側の上方から見た斜視図である。図10は、コーナー部材70の縦挿入部71a,71b,71c,71dの外面の外側から見た斜視図である。図11は、コーナー部材70の縦挿入部71a,71b,71c,71dの外面の外側から見た斜視図において、コーナー部材70に第2ネジ94を結合した状態を示している。
【0021】
図3と、図8図11とを参照して、コーナー部材70は、上下方向に対し45度傾斜した方向の両側に2つの傾斜面75a、75bを有する略平板状のコーナー部74と、複数の縦挿入部71a,71b,71c,71dと、複数の横挿入部73a,73b,73c,73dとが一体に設けられる。コーナー部材70は、例えば樹脂により形成される。複数の縦挿入部71a,71b,71c,71dは、斜め下側に向いた一方の傾斜面75aから鉛直方向下側に突出する筒状であり、それぞれ縦支柱12,13の複数の上下方向室14a,14b,14c,14dに、がたつきなく嵌合可能な形状である。複数の縦挿入部71a,71b,71c,71dは、複数の上下方向室14a,14b,14c,14dにがたつきなく嵌合される。
【0022】
図7に示すように、複数の縦挿入部71a,71b,71c,71dの前後方向中央側の2つの縦挿入部71c,71dの外側端には、縦支柱12,13の筒状壁15の外周に嵌合する筒部76が、縦挿入部71c,71dの内側に窪むように形成される。
【0023】
複数の横挿入部73a,73b,73c,73dは、前後方向中央側の2つの略矩形筒状の横挿入部73c,73dと、前後方向両端に設けられた2つの皿状の横挿入部73a,73bとを有する。皿状の横挿入部73a,73bは、階段状の底板部と、底板部の前後方向内端に連結され上下方向に沿った壁と、前後方向外端に連結され上下方向に対し傾斜した壁とを有し、上端及び横方向の中央側が開口している。
【0024】
さらに、コーナー部材70において、各皿状の横挿入部73a,73b内の内側の傾斜面75bには鉛直方向上側に筒部77が突出し、筒部77とその筒部77の下側のコーナー部74とに、上下方向に貫通する円孔を有する円孔形成部78が形成される。円孔形成部78は、縦支柱連結穴形成部に相当する。
【0025】
図5に示すように第1ネジ90が円孔形成部78の円孔に貫通し、その第1ネジ90の下側のネジ部が、図7のタッピングホール16の雌ネジに結合される。図5では、1つの円孔形成部78の円孔に向かう1つの第1ネジ90のみを示しているが、他の円孔形成部78の円孔にも同様の第1ネジが貫通する。これにより、第1ネジ90によってコーナー部材70に縦支柱12,13が連結固定される。この状態で、図3に示すように、縦支柱12,13の上下方向に対し傾斜した上端面は、コーナー部材70の一方の傾斜面75aに突き当てられる。
【0026】
さらに、図10に示すように、コーナー部材70の外側の傾斜面75aにおいて、中央2つの縦挿入部71c、71dの間から横方向外側には筒部79が突出し、筒部79と、その筒部79の横方向内側のコーナー部74と、コーナー部74の内側の傾斜面75bから横方向内側に突出する筒部80(図4図7図9)とに、横方向に貫通する円孔を有する円孔形成部81が形成される。円孔形成部81は、横支柱連結穴形成部に相当する。円孔形成部81は、後述の横支柱60に第2ネジ94によって固定され、コーナー部材70に横支柱60を連結するために使用される。円孔形成部81のうち、コーナー部74の内側の傾斜面75bから突出する筒部80の上部は、前後方向中央側の2つの横挿入部73c、73dを形成する壁部の角部も兼ねている。
【0027】
さらに、図10図11に示すように、コーナー部材70において外側の傾斜面75aの上部には、外側の傾斜面75aから突出する筒部79における円孔の開口周縁部に張り出した回り止め部82が形成される。回り止め部82は、図11に示すように、筒部79の円孔に第2ネジ94を貫通させた状態で、第2ネジ94の六角形の頭部と係合可能な断面V字形の谷部を有する。これにより、筒部79の円孔に第2ネジ94を貫通させた状態で、第2ネジ94の頭部は回り止め部82の谷部に係合して、第2ネジ94の回転が抑止される。このため、第2ネジ94のネジ部に後述のナット95(図3)を結合する際に、作業者が工具を用いて第2ネジ94の頭部の回転を防止する必要がなくなると共に、縦支柱12,13の横方向外側の外面にその工具を差し込むための大きな穴を形成する必要がない。このため、門柱10の意匠性のさらなる向上を図れる。
【0028】
また、後述の図18に示すように、コーナー部材70のコーナー部74の上端部の角には、断面円弧形の曲面部83が形成される。さらに、このコーナー部74の上端部から縦支柱12,13側に突出する縦被覆部84と、コーナー部74の上端部から横支柱60側に突出する横被覆部85とが形成される。これについては、後で図17図19を用いて説明する。
【0029】
図12は、図6から横支柱60を取り出して長手方向一方側の下側から見た斜視図である。図13は、横支柱60を下側から見た斜視図である。横支柱60は、横方向に長い長尺状であり、前後方向両端に断面L字形で横方向に延びる横方向室62a,62bを有する2つの嵌合用筒部61a,61bと、2つの嵌合用筒部61a,61bの上端を前後方向に連結する板部63と、板部63の下面の前後方向中間部から下方に延びる支持板64、及び支持板64の下端に形成された断面C字形で横方向に延び下端が開口する3つの筒部65,66とを有する。コーナー部材70に設けた4つの横挿入部73a,73b,73c,73dのうち、前後方向中央側の2つの横挿入部73c,73dは、2つの嵌合用筒部61a,61bと支持板64及び筒部65,66との間に嵌合される。コーナー部材70の前後方向両端の2つの横挿入部73a,73bは、2つの嵌合用筒部61a,61bの横方向室62a、62bに挿入され、がたつきなく嵌合される。
【0030】
このとき、横支柱60の3つの筒部65,66のうち、横方向両端の2つの筒部66は、それぞれコーナー部材70の横支柱60側に設けた筒部80の内側にがたつきなく嵌合され、コーナー部材70の2つの横挿入部73c、73dの隙間に横支柱60の支持板64が挿入される。そして、コーナー部材70の円孔形成部81の円孔にコーナー部材70の外側から挿入した第2ネジ94の先端部が、横支柱60の端の筒部66を貫通し、筒部66から突出した第2ネジ94の先端部に、ナット95及び座金を結合することでコーナー部材70に横支柱60が連結される。また、横支柱60の3つの筒部65,66の間に隙間が設けられるので、その隙間にナット95を配置できる。
【0031】
このとき、筒部65,66間にナット95結合用の隙間を形成するために、3つの筒部65,66を含んで連続する横方向に長尺な断面C字形で下端が開口する筒部を形成しその筒部の上記の隙間に対応する部分を切断で除去して切り欠きを形成することで、上記の隙間を容易に形成できる。
【0032】
図7では、横支柱60をコーナー部材70に連結する前に、第2ネジ94の先端部にナット95が結合された状態を示している。一方、実際には、コーナー部材70の円孔形成部81の円孔には第2ネジ94のネジ部を、コーナー部材70の外側から挿入しながら、横支柱60にコーナー部材70の横挿入部73a,73b,73c,73dを挿入した状態で、第2ネジ94の先端部にナット95が結合される。これにより、横支柱60の一端部にコーナー部材70が連結される。横支柱60の他端部にも、一端部と同様にコーナー部材70が連結される。これにより、図14図15に示すように、横支柱60の両端に2本の縦支柱12,13が連結された構造が得られる。図14では、右側の第2ネジ94の先端部にナットが結合されていないが、実際には左側の第2ネジ94と同様にナット95が結合される。この状態では、図15に示すように門柱10を下から見上げた状態で、第2ネジ94及びナット95が露出した状態となっている。一方、このように、2本の縦支柱12,13と横支柱60とがコーナー部材70で連結された状態では、第1ネジ90及び第2ネジ94は、門柱10の外面、すなわち、門柱10の外周側及び前後方向に向く面には露出しないように構成される。
【0033】
このように第2ネジ94によってコーナー部材70に横支柱60が結合固定される。この状態で、図3に示すように、横支柱60の長手方向に対し傾斜した端面は、コーナー部材70の他方の傾斜面75bに突き当てられる。
【0034】
図16は、図14の状態から照明ユニット42を取り付けた状態を示す斜視図である。図16のように、横支柱60の下端にネジ等により照明ユニット42を取り付けた状態では、第2ネジ94及びナット95が、照明ユニット42により下側から覆われる。すなわち、この状態では、門柱10の外面だけでなく、門柱10の内側である、ポスト30等の機能部品が配置された側にも露出しないように構成される。
【0035】
図17は、図2のD部の拡大斜視図である。図18は、コーナー部材70において、図3のE部に相当する前後方向の所定厚み部分を取り出して示す拡大斜視図である。図17に示すように、縦支柱12と横支柱60とがコーナー部材70で連結された状態では、コーナー部材70のうち、コーナー部74の上端縁部、前端縁部及び後端縁部のみが、門柱10の外面に露出し、コーナー部材70の他の部分は縦支柱12及び横支柱60に覆われている。そして、図18に示すように、コーナー部74において外側に露出した上端部の角には、断面円弧形の曲面部83が形成される。これにより、縦支柱12及び横支柱60とコーナー部材70との突き合わせ部に鋭いエッジが形成されることを防止できるので、安全性の向上を図れる。さらに、コーナー部74において外側に露出した前端部及び後端部の角にも、断面円弧形の曲面部が形成される。これにより、安全性のさらなる向上を図れる。
【0036】
さらに、図18に示すように、コーナー部74は、縦支柱12側の面である一方の傾斜面75aにおいて、前後方向の両端縁及び上端縁を結ぶ周縁部から全体で略U字形に突出する縦被覆部84を有する。ここで、「前後方向」は、2本の縦支柱12,13の配列方向に対し直交する方向である配列直交方向に相当する。縦被覆部84の内側には、縦支柱12の上端部が嵌合されることにより、縦被覆部84が縦支柱12の上端部を覆う。
【0037】
さらに、コーナー部74は、横支柱60側の面である他方の傾斜面75bにおいて、前後方向の両端縁及び上端縁を結ぶ周縁部から全体で略U字形に突出する横被覆部85を有する。横被覆部85の内側には、横支柱60の長手方向端部が嵌合されることにより、横被覆部85が横支柱60の長手方向端部を覆う。これにより、縦支柱12,13及び横支柱60の端面の長手方向に対する傾斜角度に切断誤差等のばらつきが生じた場合でも、そのばらつきに基づく長手方向長さのばらつきを縦被覆部84及び横被覆部85で吸収して、コーナー部材70と縦支柱12,13及び横支柱60との間の外側から視認可能な隙間の発生を防止できる。
【0038】
図19は、横支柱60の先端の角度ばらつきと横支柱60の長手方向半分の長さ寸法Xとの関係の1例を示している。図19に示すように、横支柱60の先端面の前後方向に対する傾斜角度と一致する、先端の角度θが適正角度の45度であれば、横支柱60の長手方向半分の長さ寸法Xは229.000mmである。一方、先端の角度θが適正角度より大きい46度であると、横支柱60の先端を横被覆部85と傾斜面75bとの交差部の奥まで差し込むことができなくなるので、2本の縦支柱12,13の間隔が一定の場合に、横支柱60の長さは、228.404mmと適正長さより短くなった。また、先端の角度θが適正角度より小さい44度であると、横支柱60の先端が横被覆部85と傾斜面75bとの交差部の奥まで差し込まれ過ぎる。これにより、2本の縦支柱12,13の間隔が一定の場合に、横支柱60の長さは、229.627mmと適正長さより長くなった。
【0039】
このように、先端の角度θが2度ずれた場合に、横支柱60の長手方向半分の長さ寸法が1.22mmの変化分、変化する可能性がある。これにより、横被覆部85において、コーナー部74の傾斜面75bからの横方向の突出長さLを、その変化分の長さより大きくすることで、横支柱60の長さのずれを横被覆部85で吸収できる。
【0040】
上記の門柱10によれば、2本の縦支柱12,13が横支柱60で連結され、少なくとも1つの機能部品が、複数の縦支柱12,13の間に取り付け可能である。また、縦支柱12,13と横支柱60とに、コーナー部材70の縦挿入部71a,71b,71c,71dと横挿入部73a,73b,73c,73dがそれぞれ挿入された状態で、外部に露出されるコーナー部74を小さくできるので、門柱10の意匠性を高くできる。また、コーナー部材70が、第1ネジ90によって縦支柱12,13に固定される円孔形成部78と、第2ネジ94によって横支柱60に固定される円孔形成部81とを含む。これにより、コーナー部74で縦支柱12,13及び横支柱60との間に隙間が生じないか、または隙間がほとんどないように、縦支柱12,13及び横支柱60の連結強度を高くできる。さらに、縦支柱12,13と横支柱60とがコーナー部材70で連結された状態で、第1ネジ90及び第2ネジ94は、外面に露出しないように構成されるので、門柱10の意匠性をさらに高くできる。
【0041】
図20は、実施形態の別例の門柱を形成するコーナー部材101の斜視図である。図21は、実施形態の別例の門柱10aにおいて、コーナー部材101の水抜き穴109を通じて、雨水が縦支柱12の下方に排出される状態を示す模式図である。本例の構成では、図1図18で示した構成において、コーナー部材101には、4つの断面略矩形の筒状の横挿入部102a,102b,102c,102dが形成される。そして、中央側の2つの横挿入部102c,102dの間に、第1ネジが挿入される円孔を有する円孔形成部103が形成される。これに対応して、縦支柱12の内面で円孔形成部103と整合する位置に、タッピングホール等の雌ネジが形成される。そして、コーナー部材101の円孔形成部103の円孔に第1ネジが貫通し、その第1ネジが縦支柱12の雌ネジに結合することで、コーナー部材101に縦支柱12が連結される。
【0042】
さらに、4つの横挿入部102a,102b,102c,102dのうち、前後方向両側の2つずつの横挿入部の間に第2ネジと、第2ネジが挿入される断面C字形の筒部とが挿入される凹部104が形成される。これに対応して、横支柱60には、前後方向両側で横方向に延びる2つの嵌合用筒部と、各嵌合用筒部の内面の上端から下側に突出する支持板と、支持板の下端に連結された断面C字形の筒状部とが形成される。そして、コーナー部材101の前後方向両側の2つの位置に形成された円孔形成部に第2ネジが貫通し、その第2ネジが横支柱60の筒部に貫通し、筒部から突出した部分にナットが結合されることで、コーナー部材70に横支柱60が連結される。
【0043】
さらに、図21に示すように、コーナー部材70の各縦挿入部71dの内部には、横方向両側の2つの上下方向室105,106に分かれるように仕切り板107が形成される。そして、コーナー部材70は、横支柱60の上面を形成する上面板部の下面に沿って設けられる各横方向板部108a,108b,108c,108dの横方向外側に、水抜き穴109が形成される。水抜き穴109は、雨水を縦支柱12の横方向外側の上下方向室106の内部で流下させるために形成される。このために、各横方向板部108a,108b,108c,108dの横方向中間部には、雨水が入り込む空間を仕切るための仕切り板110が設けられると共に、コーナー部74の雨水が入り込む空間に対応する部分にも水抜き穴111が形成される。これにより、横支柱60及び縦支柱12,13がコーナー部材70を介して連結された状態で、図21に矢印αで示すように、コーナー部74の上端部付近から、横支柱60の上面板部と横挿入部102a,102b,102c,102dの上面との間に雨水が入り込んだ場合でも、その雨水を縦支柱12,13の内側に流下させることができる。縦支柱12,13の内側に流下した雨水は、縦支柱12,13の下端から排出される。これにより、門柱10aに、電源線が接続された電源ボックス50が配置される場合でも、縦支柱12,13の内部を雨水が流れるので、電源ボックス50に雨水がかかることを抑制できる。このため、漏電防止構造を得やすくなる。
【0044】
さらに、縦支柱12,13の内部において、仕切り板107で仕切られた横方向外側の上下方向室106に雨水が流れるので、雨水が電源ボックス50に近い側を流れることをさらに抑制できる。本例において、その他の構成及び作用は、図1図18の構成と同様である。なお、本例の構成で設けられた水抜き穴は、図1図18の構成で設けられてもよい。
【0045】
また、上記の各例では、第2ネジ94の頭部をコーナー部74の横方向外側、すなわち、縦支柱12,13の内側に配置される部分に位置させる場合を説明した。一方、第2ネジの頭部は、コーナー部74の横方向内側、すなわち、横支柱60の内側に配置される部分に位置させてもよい。例えば、コーナー部材70に形成する円孔形成部の円孔にタッピングを施すことにより雌ねじを形成し、その雌ネジに第2ネジのネジ部を結合してもよい。
【0046】
また、上記の各例では、縦支柱12,13の端部と横支柱60の端部はそれぞれ長手方向に対し45度で傾斜し、コーナー部材70のコーナー部74の2つの傾斜面は上下方向に対し45度傾斜した場合を説明した。一方、横支柱60の端面の傾斜角度と各縦支柱12,13の端面の傾斜角度の和が90度になる構成で、傾斜角度を45度以外としてもよい。例えば、横支柱60の端面の長手方向に対する傾斜角度を30度とし、縦支柱12の端面の長手方向に対する傾斜角度を60度とし、コーナー部材70の傾斜面の傾斜角度をこれに合わせてもよい。また、横支柱の端面の傾斜角度と各縦支柱の端面の傾斜角度の和は90度になる構成に限定せず、例えばこの和は、90度より大きく、例えば120度等となる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0047】
10,10a 門柱、12,13 縦支柱、14a,14b,14c,14d 上下方向室、15 筒状壁、16 タッピングホール、30 ポスト、32 表札、40 宅配ボックス、42 照明ユニット、43 支持板、44 ケース部、45 導光棒、46 カバー、50 電源ボックス、60 横支柱、61a,61b 嵌合用筒部、62a,62b 横方向室、63 板部、64 支持板、65,66 筒部、70 コーナー部材、71a,71b,71c,71d 縦挿入部、73a,73b,73c,73d 横挿入部、74 コーナー部、75a,75b 傾斜面、76、77 筒部、78 円孔形成部、79,80 筒部、81 円孔形成部、82 回り止め部、83 曲面部、84 縦被覆部、85 横被覆部、90 第1ネジ、94 第2ネジ、95 ナット、100 補強プレート、101 コーナー部材、102a,102b,102c,102d 横挿入部、103 円孔形成部、104 凹部、105,106 上下方向室、107 仕切り板、108a,108b,108c,108d 横方向板部、109 水抜き穴、110 仕切り板、111 水抜き穴。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21