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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076324
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】アーク処理システム
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/067 20060101AFI20230525BHJP
   B23K 10/00 20060101ALI20230525BHJP
   B23K 9/10 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
B23K9/067
B23K10/00 503
B23K9/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189678
(22)【出願日】2021-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(72)【発明者】
【氏名】高田 主税
【テーマコード(参考)】
4E082
【Fターム(参考)】
4E082AA08
4E082AA09
4E082EB04
4E082EF02
4E082EF21
4E082JA03
4E082JA04
(57)【要約】
【課題】被処理部材に繋がる機器への悪影響を抑制しつつ、アークを発生させることが可能なアーク処理システムを提供する。
【解決手段】アーク処理システムA1は、非消耗電極123が配置されるガス流通空間125a、および、ガス流通空間125aに通じるガス噴出開口125bが形成された外筒ノズル125と、外筒ノズル125に配置された電離用導電部14と、非消耗電極123と被処理部材W1とにアーク処理用電圧を印加する第1電源回路31と、非消耗電極123と電離用導電部14とに交流電圧を印加する第2電源回路32と、を備える。第2電源回路32によって交流電圧が印加されたとき、電離用導電部14と非消耗電極123との電位差に起因する電界によって、ガス流通空間125aにおけるガスを電離させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非消耗電極が配置されるガス流通空間、および、前記ガス流通空間に通じるガス噴出開口が形成された外筒ノズルと、
前記外筒ノズルに配置された電離用導電部と、
前記非消耗電極と被処理部材とにアーク処理用電圧を印加する第1電源回路と、
前記非消耗電極と前記電離用導電部とに交流電圧を印加する第2電源回路と、
を備え、
前記第2電源回路によって前記交流電圧が印加されたとき、前記電離用導電部と前記非消耗電極との電位差に起因する電界によって、前記ガス流通空間におけるガスを電離させる、アーク処理システム。
【請求項2】
前記電離用導電部と前記非消耗電極との間に絶縁部材が介在しており、
前記絶縁部材を挟んで前記電離用導電部と前記非消耗電極とに前記交流電圧が印加されることで、前記ガス流通空間におけるガスが誘電体バリア放電によって電離する、
請求項1に記載のアーク処理システム。
【請求項3】
前記外筒ノズルの内方に配置され、絶縁性材料により構成される内筒ノズルをさらに備え、
前記内筒ノズルは、前記非消耗電極が挿通され、少なくとも一部が前記ガス流通空間に配置される、請求項2に記載のアーク処理システム。
【請求項4】
前記電離用導電部は、前記外筒ノズルの外面に配置されており、
前記外筒ノズルは、前記絶縁部材として前記電離用導電部と前記非消耗電極との間に介在する、請求項2または請求項3のいずれかに記載のアーク処理システム。
【請求項5】
前記電離用導電部は、前記外筒ノズルの内面に配置されており、
前記内筒ノズルは、前記絶縁部材として前記電離用導電部と前記非消耗電極との間に介在する、請求項3に記載のアーク処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アーク処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アークを用いて被処理部材に処理を行う方法が知られている(たとえば特許文献1参照)。同文献に記載のアーク処理システムは、非消耗電極とノズルと電離用導電部と電源回路とを備える。ノズルには、非消耗電極が配置されるガス流通空間と、ガス流通空間に通じるガス噴出開口が形成される。電離用導電部は、ノズルに配置される。電離用導電部は、抵抗器を介して、被処理部材に電気的に接続される。電源回路は、アーク処理の開始時に、非消耗電極と被処理部材との間に開始電圧を印加する。開始電圧は、例えば10kV~20kVの高い値(例えば絶対値の時間平均値)であり、且つ、1MHz~2MHzの高周波である。電源回路によって非消耗電極と被処理部材との間に開始電圧が印加されると、電離用導電部と非消耗電極との間の領域に電界が生じ、この電界によって、ガス流通空間内のガスが電離する。電離したガスは、非消耗電極と被処理部材との間に噴出される。その結果、非消耗電極と被処理部材との間におけるアークの発生が促進され、アークの発生確率(アークスタートの成功確率)が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-140882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の構成では、開始電圧として高周波電圧が被処理部材に印加される。被処理部材に印加された高周波電圧が、被処理部材を介して、被処理部材に繋がる機器(自機の制御回路または他機の制御回路など)に伝達されると、高周波ノイズによる電磁ノイズが、当該機器の誤作動および故障といった不具合の原因となることがある。なお、高周波電圧の周波数が高い程、電磁ノイズによる悪影響が多くなりうる。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みて考え出されたものであり、その目的は、被処理部材に繋がる機器への悪影響を抑制しつつ、アークを発生させることが可能なアーク処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のアーク処理システムは、非消耗電極が配置されるガス流通空間、および、前記ガス流通空間に通じるガス噴出開口が形成された外筒ノズルと、前記外筒ノズルに配置された電離用導電部と、前記非消耗電極と被処理部材とにアーク処理用電圧を印加する第1電源回路と、前記非消耗電極と前記電離用導電部とに交流電圧を印加する第2電源回路と、を備え、前記第2電源回路によって前記交流電圧が印加されたとき、前記電離用導電部と前記非消耗電極との電位差に起因する電界によって、前記ガス流通空間におけるガスを電離させる。
【0007】
前記アーク処理システムの好ましい実施の形態において、前記電離用導電部と前記非消耗電極との間に絶縁部材が介在しており、前記絶縁部材を挟んで前記電離用導電部と前記非消耗電極とに前記交流電圧が印加されることで、前記ガス流通空間におけるガスが誘電体バリア放電によって電離する。
【0008】
前記アーク処理システムの好ましい実施の形態において、前記外筒ノズルの内方に配置され、絶縁性材料により構成される内筒ノズルをさらに備え、前記内筒ノズルは、前記非消耗電極が挿通され、少なくとも一部が前記ガス流通空間に配置される。
【0009】
前記アーク処理システムの好ましい実施の形態において、前記電離用導電部は、前記外筒ノズルの外面に配置されており、前記外筒ノズルは、前記絶縁部材として前記電離用導電部と前記非消耗電極との間に介在する。
【0010】
前記アーク処理システムの好ましい実施の形態において、前記電離用導電部は、前記外筒ノズルの内面に配置されており、前記内筒ノズルは、前記絶縁部材として前記電離用導電部と前記非消耗電極との間に介在する。
【発明の効果】
【0011】
本開示のアーク処理システムでは、前記第2電源回路によって前記交流電圧が印加されたとき、前記電離用導電部と前記非消耗電極との電位差に起因する電界によって、前記ガス流通空間におけるガスを電離させる。この構成によれば、ガスを電離させる上で、被処理部材に交流電圧が印加されないので、被処理部材に繋がる機器への悪影響が抑制される。また、ガスを電離させることで、アークの発生が促進されるので、非消耗電極と被処理部材との間に高電圧(例えば10kV~20kV)を印加することなく、アークを発生させることができる。従って、本開示のアーク処理システムによれば、被処理部材に繋がる機器への悪影響を抑制しつつ、アークを発生させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係るアーク処理システムの全体構成を示す図である。
図2図1のアーク処理システムにおけるトーチの断面図である。
図3図2のIII-III線に沿う断面図である。
図4図2に示したトーチの正面図である。
図5】アーク処理システムを用いたアークの発生方法の一例を示すタイミングチャートである。
図6】第1変形例に係るアーク処理システムにおけるトーチの断面図であって、図2の断面に対応する。
図7】第2変形例に係るアーク処理システムにおけるトーチの断面図であって、図2の断面に対応する。
図8】第3変形例に係るアーク処理システムにおけるトーチの断面図であって、図3の断面に対応する。
図9】第4変形例に係るアーク処理システムにおけるトーチの断面図であって、図2の断面に対応する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示のアーク処理システムの好ましい実施の形態について、図面を参照して、以下に説明する。以下では、同一あるいは類似の構成要素に、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0014】
図1は、本開示の一実施形態に係るアーク処理システムの全体構成を示している。同図に示すアーク処理システムA1は、被処理部材W1に対してアーク処理を行うためのものである。アーク処理システムA1は、例えば、被処理部材W1に対して、溶接あるいは溶断を行う。被処理部材W1に対する溶接としては、例えばTIG溶接あるいはプラズマ溶接が挙げられる。本実施形態では、アーク処理システムA1は、TIG溶接を行う。図1に示すように、アーク処理システムA1は、ロボット1、導電線21,22、電源3、接続ケーブル41,42、および、ガス供給装置5を備える。
【0015】
ロボット1は、被処理部材W1に対してTIG溶接を自動で行うものである。被処理部材W1は板状である。被処理部材W1は、金属であり、このような金属としては、例えばアルミニウムまたはマグネシウム合金などが挙げられる。ロボット1は、マニピュレータ11、トーチ12および電離用導電部14を含む。
【0016】
マニピュレータ11は、例えば多関節ロボットである。マニピュレータ11が駆動することにより、トーチ12が上下前後左右に自在に移動できる。
【0017】
図2は、図1に示すアーク処理システムA1におけるトーチ12の断面図である。図3は、図2のIII-III線に沿う断面図である。図4は、図2に示すトーチ12の正面図である。なお、図2および図4は、アークa1が発生している状態を示している。
【0018】
図2に示すように、トーチ12は、トーチボディ121、非消耗電極123、外筒ノズル125、保持部126および内筒ノズル129を備える。
【0019】
トーチボディ121は、筒状を呈する。トーチボディ121には、例えば、作業者が手に握るハンドル(図示略)が取り付けられている。本実施形態では、トーチボディ121は、導電性材料により構成される。
【0020】
非消耗電極123は、棒状の導体である。本実施形態では、非消耗電極123は、例えばタングステンからなる。非消耗電極123は、例えば直径2.4~3.2mm程度の円柱状である。溶接作業時(アーク処理時)においては、非消耗電極123および被処理部材W1の間に、アークa1が発生している状態となる。
【0021】
外筒ノズル125は、トーチボディ121に固定されている。外筒ノズル125は、筒状である。外筒ノズル125の軸線Oxは、図2の上下方向に沿って延びている。外筒ノズル125は、軸線Oxの周方向T1(図3参照)において、非消耗電極123を囲んでいる。図2の左右方向における、外筒ノズル125の寸法は、例えば20mm~30mmである。外筒ノズル125は、絶縁性材料により構成される。外筒ノズル125を構成する絶縁性の材料としては、適度な誘電率を持ったどのような材料でもよいが、例えばアルミナ磁器が挙げられる。本実施形態とは異なり、外筒ノズル125は、導電性の部材に絶縁材料がコーティングされたものでもよい。外筒ノズル125には、ガス流通空間125aとガス噴出開口125bとが形成されている。ガス流通空間125aは、外筒ノズル125の内側に形成されている。ガス流通空間125aには、ガスG1が流れる。ガスG1は、不活性ガスである。このような不活性ガスとしては、例えばアルゴン(Ar)あるいはヘリウム(He)が挙げられる。ガス噴出開口125bは、ガス流通空間125aに通じる。ガス流通空間125aには非消耗電極123が配置されている。ガス噴出開口125bは、図2の下方に開放している。そして、ガス流通空間125a内のガスG1は、ガス噴出開口125bから図2の下方に噴出する。外筒ノズル125の軸線Oxに沿う方向のうち、ガス噴出開口125bが開放している方向を、第1方向X1とする。ガス噴出開口125bから第1方向X1側に、非消耗電極123の一部分が突出している。ガス噴出開口125bは、たとえば円形状である。ガス噴出開口125bの形状は円形状に限定されず、矩形等の他の形状でもよい。
【0022】
外筒ノズル125は、図2に示すように、ノズル先端125dを有する。ノズル先端125dは外筒ノズル125において最も第1方向X1側に位置している。ノズル先端125dに上述のガス噴出開口125bが形成されている。外筒ノズル125は、図2および図3に示すように、ノズル内面125fおよびノズル外面125gを有する。ノズル内面125fは、外筒ノズル125の軸線Oxの位置する側(図2および図3において外筒ノズル125の内側)を向く。ノズル内面125fは、ガス流通空間125aを規定している。ノズル外面125gは、外筒ノズル125の軸線Oxの位置する側の反対側(図2および図3において外筒ノズル125の外側)を向く。
【0023】
保持部126は、非消耗電極123を保持する。保持部126は、トーチボディ121に固定されている。外筒ノズル125がトーチボディ121に固定されていることから、保持部126は、外筒ノズル125に対しても相対的に固定されている。図2に示すように、保持部126には、挿通孔126bが形成されている。挿通孔126bには、非消耗電極123が挿通されている。図2に示すように、保持部126は、保持部先端126aを有する。保持部先端126aは、保持部126において第1方向X1側に位置する端部である。図2に示す例では、保持部先端126aは、内筒ノズル129に覆われているが、この構成と異なり、内筒ノズル129から露出し、ガス流通空間125aに臨んでいてもよい。保持部先端126aから、上述の挿通孔126bが第2方向X2に延出する。
【0024】
保持部126は、図2に示すように、コレット127およびコレットボディ128を有する。コレット127およびコレットボディ128はそれぞれ、導電性材料により構成される。コレット127は、筒状の部材である。コレット127には、図2に示すように、挿通孔127aが形成されている。挿通孔127aには、非消耗電極123が挿通されている。コレット127の先端127b近傍はテーパ状となっている。コレット127には、先端127bから挿通孔127aに沿って延びる複数(たとえば2本や4本)の縦すり割りが形成されている(図示略)。コレットボディ128は、筒状の部材である。コレットボディ128には、図2に示すように、挿通孔128aが形成されている。挿通孔128aには、非消耗電極123が挿通されている。図2に示すように、コレットボディ128とコレット127との間は、ガスG1の流路となっている。コレットボディ128には、図2に示すように、少なくとも1つのガス噴出孔128dが形成されている。ガス噴出孔128dは、図2に示すように、コレットボディ128のボディ先端128bの近傍に形成されている。ガス噴出孔128dからは、コレットボディ128とコレット127との間のガスG1の流路内のガスG1が噴出する。ガス噴出孔128dから噴出したガスG1は、ガス流通空間125aに流れる。
【0025】
コレットボディ128は、図2に示すように、トーチボディ121に接している。コレット127は、押さえつけ部材(図示略、図2における上方に配置されている)によって第1方向X1に押さえつけられる。これにより、コレット127の先端127bのテーパ状の部分が、コレットボディ128の内面に接触して、コレット127における上述の縦すり割りが締め付けられる。これにより、非消耗電極123が所望の位置に固定される。
【0026】
本実施形態においては、コレットボディ128が、上述の保持部先端126aと外側面126cとを構成している。また、挿通孔127aおよび挿通孔128aは、互いに繋がり、上述の挿通孔126bを構成している。
【0027】
内筒ノズル129は、外筒ノズル125の内方に配置され、ガス流通空間125aに収容されている。内筒ノズル129には、非消耗電極123が挿通される。内筒ノズル129は、絶縁性材料により構成される。内筒ノズル129を構成する絶縁性の材料としては、適当な誘電率を持ったどのような材料でもよいが、例えば外筒ノズル125と同じくアルミナ磁器が挙げられる。図2に示す例は、内筒ノズル129は、コレットボディ128のうちの、ボディ先端128bの一部を覆っている。内筒ノズル129の軸線は、外筒ノズル125の軸線Oxと共通する。内筒ノズル129は、軸線Oxの径方向において、電離用導電部14と非消耗電極123との間に挟まれた位置に配置される。なお、径方向とは、図3に示す断面(平面視)において、軸線Oxから放射状に延びる方向に対応する。
【0028】
図2に示すように、内筒ノズル129は、ノズル先端129aを有する。ノズル先端129aは、内筒ノズル129において最も第1方向X1側に位置する。ノズル先端129aは、外筒ノズル125から第1方向X1に突き出ている。ノズル先端129aにおいて、非消耗電極123の先端123aが露出する。図2および図3に示すように、内筒ノズル129は、ノズル内面129bおよびノズル外面129cを有する。ノズル内面129bは、軸線Oxの位置する側(図2および図3において内筒ノズル129の内側)を向く。ノズル外面129cは、軸線Oxの位置する側の反対側(図2および図3において内筒ノズル129の外側)を向く。図2および図3に示すように、ノズル内面129bは、非消耗電極123に接する。また、ノズル外面129cは、ガス流通空間125aに臨む軸線Oxの径方向において、内筒ノズル129のノズル外面129cと外筒ノズル125のノズル内面129bとに挟まれた領域は、ガス流通空間125aをなす。なお、図2および図3に示す例では、内筒ノズル129(のノズル内面129b)が非消耗電極123に接するが、この例とは異なり、例えば二重シールドTIG溶接のように、内筒ノズル129が非消耗電極123に接触していなくてもよい。
【0029】
電離用導電部14は、外筒ノズル125に配置されている。図2および図3に示す例では、電離用導電部14は、外筒ノズル125の外側に配置され、ノズル外面125gに取り付けられている。電離用導電部14は、図3に示すように、外筒ノズル125を囲むリング状である。電離用導電部14は、導電性材料により構成される。電離用導電部14は、非消耗電極123および被処理部材W1の間におけるアークa1の発生を促進させるために、設けられる。
【0030】
電離用導電部14は、図2に示すように、保持部先端126aよりも第1方向X1側に位置する。すなわち、電離用導電部14は、保持部先端126aよりも図2における下側(被処理部材W1に近い側)に位置する。電離用導電部14は、ノズル先端125dよりも第1方向X1とは反対の第2方向X2側に位置する。すなわち、電離用導電部14は、ノズル先端125dよりも図2における上側(被処理部材W1に遠い側)に位置する。電離用導電部14の軸線Ox方向における寸法L1(図4参照)は、たとえば、0.2mm~2.0mmであり、より好ましくは、0.5mm~1.5mmである。寸法L1は、これらの数値例に限定されない。
【0031】
図2および図3に示すように、軸線Oxの径方向において、電離用導電部14と非消耗電極123との間には、外筒ノズル125および内筒ノズル129が介在する。
【0032】
電源3は、図1に示すように、第1電源回路31、第2電源回路32およびガス流量制御回路33を含む。なお、第2電源回路32は、電源3の構成要素として、第1電源回路31とともに存在してもよいし、第1電源回路31とは別に電源3の外に単体の回路あるいは装置として存在してもよい。あるいは、一体的に構成された統合電源回路が、第1電源回路31と第2電源回路32との機能を担う構成でもよい。
【0033】
第1電源回路31は、非消耗電極123および被処理部材W1の間にアーク処理用電圧を印加し、非消耗電極123および被処理部材W1の間にアーク処理用電流を流す。アーク処理用電圧は、交流であっても直流であってもよいが、例えば被処理部材W1の素材に応じて交流あるいは直流が使い分けられる。第1電源回路31は、例えば3相200V等の商用電源を入力として、インバータ制御およびサイリスタ位相制御等の出力制御を行う。第1電源回路31は、アーク処理の開始時において、アークa1を発生させるためのアーク処理用電圧を印加する。以下では、アークa1を発生させるためのアーク処理用電圧を「開始電圧」という。その後、アークa1の発生により、アーク処理用電圧は、通常のTIG溶接を継続しうる電圧値に低下し、非消耗電極123と被処理部材W1との間にアーク処理用電流が流れる。以下では、アークa1の発生後のアーク処理用電圧を「アーク電圧」という。アーク処理システムA1がアーク溶接を行う例では、アーク電圧は溶接電圧であり、アーク処理システムA1がアーク切断を行う例では、アーク電圧は切断電圧である。例えば、開始電圧は、120V~160V程度であり、アーク電圧は、10V~40V程度である。なお、これらの値は、例えばアーク処理用電圧が交流の場合は、絶対値の時間平均値または実効値である。各アーク処理用電圧(開始電圧およびアーク電圧)の値は、これらの数値例に限定されず、アーク処理システムA1の仕様に応じて適宜変更される。図1に示すように、第1電源回路31は、接続ケーブル41を介して被処理部材W1に電気的に接続され、接続ケーブル42を介してトーチ12(非消耗電極123)に電気的に接続される。
【0034】
第2電源回路32は、非消耗電極123および電離用導電部14の間に、交流電圧を印加する。以下では、第2電源回路32が印加する交流電圧を「電離電圧」ということがある。この交流電圧(電離電圧)は、高周波電圧であり、例えば、その電圧値(例えば絶対値の時間平均値または実効値)が10kV~20kV程度であり、周波数が1MHz~2MHzである。第2電源回路32が印加する交流電圧(電離電圧)の電圧値および周波数は、これらの数値例に限定されず、アーク処理システムA1の仕様に応じて適宜変更される。図1に示すように、第2電源回路32は、導電線21を介して電離用導電部14に電気的に接続され、導電線22および接続ケーブル42の一部を介してトーチ12(非消耗電極123)に電気的に接続される。
【0035】
ガス流量制御回路33は、ガスG1の流量を制御する。ガス流量制御回路33は、ガスG1の流量を指示するためのガス流量制御信号Sgを送る。
【0036】
ガス供給装置5は、ガスG1を外筒ノズル125の内側に供給する。ガス供給装置5は、ガス流量制御回路33からのガス流量制御信号Sgに基づき、ガスG1を供給する。
【0037】
接続ケーブル41は、第1電源回路31と被処理部材W1とを電気的に接続する。アーク処理システムA1の使用時において、被処理部材W1が接地される場合には、接続ケーブル41は、電位が0Vに維持される。接続ケーブル42は、第1電源回路31と非消耗電極123とを電気的に接続する。第1電源回路31からの電力は、接続ケーブル42、トーチボディ121、コレットボディ128、コレット127を、この順番に経由して、非消耗電極123に供給される。
【0038】
導電線21は、第2電源回路32と電離用導電部14とを電気的に接続する。導電線22は、第2電源回路32とトーチ12(非消耗電極123)とを電気的に接続する。図1に示す例では、導電線22は、接続ケーブル42に接続されており、第2電源回路32から非消耗電極123までの導通路には、接続ケーブル42の一部が介在する。この例とは異なり、導電線22は、トーチ12(非消耗電極123)に直接接続されていてもよい。
【0039】
次に、アーク処理システムA1を用いたアークa1の発生方法について、図5のタイミングチャートを参照して、説明する。図5の横軸は、時間軸である。図5の縦軸は、ガス流量制御信号Sg、第2電源回路32の出力電圧、および、第1電源回路31の出力電圧の状態をそれぞれ概念的に示している。なお、第2電源回路32の出力電圧は、電離用導電部14と非消耗電極123とに印加される交流電圧の値(例えば絶対値の時間平均値または実効値)である。第1電源回路31の出力電圧は、非消耗電極123と被処理部材W1とに印加される電圧の値(交流電圧の場合、例えば絶対値の時間平均値または実効値)である。
【0040】
まず、電源3にアーク処理スタート信号(図示略)が送られると、ガス流量制御回路33がガスG1の噴出を開始するためのガス流量制御信号Sgをガス供給装置5に送る(時刻t1)。これにより、ガス供給装置5からトーチ12(ガス流通空間125a)へのガスG1の供給が開始する。
【0041】
次に、第2電源回路32によって、非消耗電極123と電離用導電部14との間に、電離電圧が印加される(時刻t2)。電離電圧は、高周波の交流電圧であり、例えば、その電圧値(例えば絶対値の時間平均値または実効値)が非常に大きく10kV~20kVであり、周波数が1MHz~2MHzである。
【0042】
第2電源回路32によって、非消耗電極123と電離用導電部14との間に電離電圧(高周波の交流電圧)が印加されると、非消耗電極123と電離用導電部14との間の領域に、非消耗電極123と電離用導電部14との電位差に起因する電界が生じる。つまり、ガス流通空間125aに、非消耗電極123と電離用導電部14との電位差に起因する電界が生じる。この電界によって、ガス流通空間125aで放電が生じ、ガス流通空間125a内のガスG1が電離する(プラズマ化する)。アーク処理システムA1では、非消耗電極123と電離用導電部14との間に、絶縁性材料により構成された外筒ノズル125および内筒ノズル129がそれぞれ介在している。このため、ガス流通空間125aで生じる放電は、誘電体バリア放電である。誘電体バリア放電は、火花放電のような過大な放電音が発生しないので、無声放電とも呼ばれる。従って、アーク処理システムA1では、第2電源回路32によって非消耗電極123と電離用導電部14との間に電離電圧を印加して、ガス流通空間125aに誘電体バリア放電を発生させ、当該誘電体バリア放電によってガス流通空間125a内のガスG1を電離させる。
【0043】
ガス流通空間125aにて電離したガスG1は、ガス噴出開口125bから、被処理部材W1が位置する側(第1方向X1側)に放出される。これにより、非消耗電極123の先端123a付近に電離したガスG1(プラズマ化したガスG1)が放出され、非消耗電極123の先端123a近傍が、放電の発生しやすい状態となる。つまり、非消耗電極123と被処理部材W1との間におけるアークa1の発生が促進される。
【0044】
次に、第1電源回路31によって、非消耗電極123と被処理部材W1との間にアーク処理用電圧(開始電圧)が印加される(時刻t3)。これにより、非消耗電極123と被処理部材W1との間で放電し、アークa1が発生する。第1電源回路31が出力する開始電圧は、例えば120V~160V程度であり、電離電圧よりも十分に低い。なお、非消耗電極123の先端123aと被処理部材W1との距離d1(図2参照)は、例えば3mm~8mm程度である。本願発明者の実験では、例えば、160Vの開始電圧を印加して、5.5mmの距離d1で、アークa1の発生に成功した。なお、第1電源回路31が開始電圧の印加を開始するタイミングは、第2電源回路32が電離電圧(交流電圧)を印加してから、ガス流通空間125a内のガスG1が十分に電離されうる時間(例えば時刻t2から時刻t3までの時間)を経た後であることが好ましいが、第2電源回路32が電離電圧の印加を開始するタイミングと同じでもよい。
【0045】
非消耗電極123と被処理部材W1との間にアークa1が発生すると、アーク処理用電圧は、通常のTIG溶接を継続しうる電圧値(アーク電圧の値)に低下する(時刻t4)。そして、アーク処理システムA1によって所望のアーク処理(溶接または切断)を行う。アーク処理時(アークa1の発生後)においては、第1電源回路31が出力するアーク処理用電圧(アーク電圧)は、開始電圧よりも低く、例えば10V~40V程度である。
【0046】
アーク処理システムA1の作用および効果は、次の通りである。
【0047】
アーク処理システムA1では、第2電源回路32によって交流電圧(電離電圧)が印加されたとき、電離用導電部14と非消耗電極123との電位差に起因する電界によって、ガス流通空間125a内のガスG1を電離させる。この構成によれば、ガスG1を電離させる上で、被処理部材W1に交流電圧が印加されないので、被処理部材W1に繋がる機器への悪影響を抑制できる。また、ガスG1を電離させることで、アークa1の発生が促進されるので、非消耗電極123と被処理部材W1との間に高電圧(例えば10kV~20kV)を印加することなく、アークa1を発生させることができる。例えば、アーク処理システムA1では、アークa1を発生させるためのアーク処理用電圧(開始電圧)が120V~160V程度であり、従来の構成(10kV~20kV)と比較して、非常に低い電圧で、アークa1を発生させることができる。従って、アーク処理システムA1は、被処理部材W1に繋がる機器への悪影響を抑制しつつ、アークa1を発生させることが可能となる。
【0048】
アーク処理システムA1では、電離用導電部14と非消耗電極123との間に絶縁部材が介在する。図2に示す例では、この絶縁部材は、外筒ノズル125および内筒ノズル129である。この構成によれば、ガス流通空間125aにおけるガスG1が誘電体バリア放電によって電離する。従って、アーク処理システムA1は、非消耗電極123と電離用導電部14との間において、火花放電が生じることを抑制できる。なお、電離用導電部14の位置は、非消耗電極123と絶縁部材(本実施形態では、外筒ノズル125または内筒ノズル129)との間に、非消耗電極123と同電位となる部位がない場所ならどこでもよい。ただし、電離用導電部14と非消耗電極123との沿面距離が近すぎると、これらの間で絶縁破壊を起こして、(アークa1と異なる)アークが発生する虞がある。そのため、例えば、電離電圧が15kVであるなら、電離用導電部14と非消耗電極123との沿面距離を15mm以上離すとよい。絶縁破壊が抑制される電離用導電部14と非消耗電極123との沿面距離は、第2電源回路32が印加する電離電圧と、相関関係があるので、電離電圧が大きい程、当該沿面距離を大きくするとよい。例えば、沿面距離をD[mm]、電離電圧をV[V]としたとき、D≧k×V-2(k=0.0015~0.0017)となるように、沿面距離を設定するとよい。なお、沿面距離Dと電離電圧Vとの関係は、先述の式に限定されない。
【0049】
アーク処理システムA1では、電離用導電部14は、外筒ノズル125の外面(ノズル外面125g)に配置される。この構成によれば、外筒ノズル125および内筒ノズル129がそれぞれ、絶縁部材として電離用導電部14と非消耗電極123との間に介在する。つまり、電離用導電部14と非消耗電極123とは、ガス流通空間125aと、絶縁部材としての外筒ノズル125および内筒ノズル129とを挟んで配置される。従って、アーク処理システムA1は、外筒ノズル125および内筒ノズル129を誘電体とする誘電体バリア放電によって、ガス流通空間125a内のガスG1を電離させることができる。
【0050】
次に、本開示のアーク処理システムの他の構成例について、説明する。
【0051】
<第1変形例>
図6は、第1変形例に係るアーク処理システムA2を示している。図6に示すアーク処理システムA2は、アーク処理システムA1と比較して、電離用導電部14がトーチ12の外筒ノズル125に内蔵されている点で異なる。この点を除き、アーク処理システムA2における各構成は、アーク処理システムA1における各構成(図1参照)とそれぞれ同様である。
【0052】
アーク処理システムA2では、図6に示すように、電離用導電部14は、外筒ノズル125に埋め込まれており、軸線Oxの径方向においてノズル内面125fとノズル外面125gとの間に取り付けられている。電離用導電部14は、ノズル内面125fよりも軸線Oxの径方向の外側に位置し、ノズル外面125gよりも軸線Oxの径方向の内側に位置する。よって、電離用導電部14は、外筒ノズル125に覆われている。図6に示す例では、導電線21は、ノズル外面125gから電離用導電部14まで、外筒ノズル125を貫くように配線されている。
【0053】
アーク処理システムA2においても、アーク処理システムA1と同様に、被処理部材W1に繋がる機器への悪影響を抑制しつつ、アークa1を発生させることが可能となる。なお、アーク処理システムA2では、電離用導電部14と非消耗電極123との間に、外筒ノズル125の一部および内筒ノズル129が、絶縁部材として介在する。つまり、アーク処理システムA2では、外筒ノズル125の一部および内筒ノズル129が絶縁部材として配置され、ガス流通空間125aで、外筒ノズル125の一部および内筒ノズル129を誘電体とする誘電体バリア放電が生じる。
【0054】
<第2変形例>
図7は、第2変形例に係るアーク処理システムA3を示している。図7に示すアーク処理システムA3は、アーク処理システムA1と比較して、電離用導電部14が外筒ノズル125の内側に配置されている点で異なる。この点を除き、アーク処理システムA3における各構成は、アーク処理システムA1における各構成(図1参照)とそれぞれ同様である。
【0055】
アーク処理システムA3では、電離用導電部14は、外筒ノズル125の内側であって、ノズル内面125fに取り付けられている。電離用導電部14は、ガス流通空間125aに臨む。図7に示す例では、導電線21は、ノズル外面125gからノズル内面125fに、外筒ノズル125を貫くように配線されているが、この構成と異なり、ガス噴出開口125bを通るように配線されてもよい。
【0056】
アーク処理システムA3においても、アーク処理システムA1と同様に、被処理部材W1に繋がる機器への悪影響を抑制しつつ、アークa1を発生させることが可能となる。なお、アーク処理システムA3では、電離用導電部14と非消耗電極123との間に、内筒ノズル129が、絶縁部材として介在する。つまり、アーク処理システムA3では、内筒ノズル129が絶縁部材として配置され、ガス流通空間125aで、内筒ノズル129を誘電体とする誘電体バリア放電が生じる。また、アーク処理システムA3では、電離用導電部14と非消耗電極123との間に絶縁部材としての内筒ノズル129が介在するので、電離用導電部14を外筒ノズル125の内側に配置することが可能となる。
【0057】
<第3変形例>
図8は、第3変形例に係るアーク処理システムA4を示している。図8に示すアーク処理システムA4は、アーク処理システムA1と比較して、電離用導電部14がリング状ではなく、互いに分離した複数の分離部141を含む点で異なる。この点を除き、アーク処理システムA4における各構成は、アーク処理システムA1における各構成(図1参照)とそれぞれ同様である。
【0058】
アーク処理システムA4では、電離用導電部14は、複数の分離部141を含む。図8に示す例では、分離部141の個数は、4つである。分離部141の個数は、4つではなく、2つまたは3つでもよいし、5つ以上でもよい。複数の分離部141は、外筒ノズル125の軸線Oxの周方向T1に沿って、互いに異なる位置に配置されている。ガス流通空間125a内のガスG1を均等に分離させる上で、複数の分離部141は、周方向T1に沿って等間隔に配置されていることが好ましい。例えば、アーク処理システムA4のように、電離用導電部14が4つの分離部141を含む構成では、これら4つの分離部141が、図8に示すように、軸線Oxを中心に、90度ずつずれて配置されている。
【0059】
アーク処理システムA4においても、アーク処理システムA1と同様に、被処理部材W1に繋がる機器への悪影響を抑制しつつ、アークa1を発生させることが可能となる。
【0060】
第3変形例では、アーク処理システムA1において、リング状の電離用導電部14の代わりに、複数の分離部141を含む電離用導電部14を備えた例を示した。第1変形例および第2変形例に係る各アーク処理システムA2,A3においても、同様に、リング状の電離用導電部14の代わりに、複数の分離部141を含む電離用導電部14を備えるようにしてもよい。
【0061】
<第4変形例>
図9は、第4変形例に係るアーク処理システムA5を示している。図9に示すアーク処理システムA5は、アーク処理システムA1と比較して、トーチ12が内筒ノズル129を備えていない点で異なる。この点を除き、アーク処理システムA5における各構成は、アーク処理システムA1における各構成(図1参照)とそれぞれ同様である。
【0062】
アーク処理システムA5では、トーチ12が内筒ノズル129を備えていないので、非消耗電極123は、ガス流通空間125aに臨む。
【0063】
アーク処理システムA5においても、アーク処理システムA1と同様に、被処理部材W1に繋がる機器への悪影響を抑制しつつ、アークa1を発生させることが可能となる。なお、アーク処理システムA5では、電離用導電部14と非消耗電極123との間に、外筒ノズル125が、絶縁部材として介在する。つまり、アーク処理システムA5では、外筒ノズル125が絶縁部材として配置され、ガス流通空間125aで、外筒ノズル125を誘電体とする誘電体バリア放電が生じる。
【0064】
第4変形例では、アーク処理システムA1において、トーチ12が内筒ノズル129を備えない例を示したが、第1変形例および第3変形例に係る各アーク処理システムA2,A4において、トーチ12が内筒ノズル129を備えないようにしてもよい。
【0065】
本開示にアーク処理システムは、上記した実施形態に限定されるものではない。本開示のアーク処理システムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0066】
A1~A5:アーク処理システム、G1:ガス、W1:被処理部材、123:非消耗電極、125:外筒ノズル、125a:ガス流通空間、125b:ガス噴出開口、125f:ノズル内面、125g:ノズル外面、129:内筒ノズル、14:電離用導電部、31:第1電源回路、32:第2電源回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9