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特開2023-76418プラスチック複合素材パネルおよびその成形方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076418
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】プラスチック複合素材パネルおよびその成形方法
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/06 20060101AFI20230525BHJP
   B62D 31/02 20060101ALI20230525BHJP
   B60R 13/02 20060101ALI20230525BHJP
   B29C 45/44 20060101ALI20230525BHJP
   B29C 51/08 20060101ALI20230525BHJP
   B29C 51/12 20060101ALI20230525BHJP
   B29C 51/14 20060101ALI20230525BHJP
   B62D 29/04 20060101ALI20230525BHJP
   B29C 51/34 20060101ALI20230525BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
B62D25/06 Z
B62D31/02 A
B60R13/02 A
B29C45/44
B29C51/08
B29C51/12
B29C51/14
B62D29/04 A
B29C51/34
B29C45/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186369
(22)【出願日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0161013
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0107762
(32)【優先日】2022-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 ミン 洙
(72)【発明者】
【氏名】申 重 賢
(72)【発明者】
【氏名】宋 元 基
(72)【発明者】
【氏名】尹 賢 哲
(72)【発明者】
【氏名】權 ヒョンイ
(72)【発明者】
【氏名】金 在 學
(72)【発明者】
【氏名】金 佑 鎭
【テーマコード(参考)】
3D023
3D203
4F202
4F206
4F208
【Fターム(参考)】
3D023BA01
3D023BB02
3D023BC01
3D023BC02
3D023BD01
3D023BE06
3D023BE31
3D203AA02
3D203AA12
3D203BB59
3D203CA07
3D203CA09
3D203CA79
4F202AA31
4F202AB11
4F202AB25
4F202AD05
4F202AD08
4F202AD20
4F202AD34
4F202AH18
4F202AH25
4F202CA11
4F202CA17
4F202CB01
4F202CB12
4F202CB22
4F202CK13
4F202CK32
4F202CK54
4F202CQ01
4F206AA31
4F206AB11
4F206AB25
4F206AD05
4F206AD08
4F206AD20
4F206AD34
4F206AH18
4F206AH25
4F206JA07
4F206JB12
4F206JL02
4F206JQ81
4F208AA31
4F208AB25
4F208AC03
4F208AD05
4F208AD08
4F208AD16
4F208AD20
4F208AH18
4F208AH25
4F208MA05
4F208MB01
4F208MB22
4F208MC03
4F208MG04
4F208MH06
4F208MJ05
4F208MK20
4F208MW02
4F208MW23
(57)【要約】
【課題】剛性および成形性が増大したプラスチック複合素材パネルを提供する。
【解決手段】本発明によるプラスチック複合素材パネルは、i)複数の樹脂層が積層された成形シートと、成形シートに形成された補強層を含み、車体フレームに接合されるルーフ板材部と、ii)補強層によってルーフ板材部の縁の終端に形成された材料充填(material filling)部を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の樹脂層が積層された成形シート、および前記成形シートに形成された補強層を含み、車体フレームに接合されるルーフ板材部と、
前記補強層によって前記ルーフ板材部の縁の終端に形成された材料充填(material filling)部と、
を含むことを特徴とするプラスチック複合素材パネル。
【請求項2】
前記材料充填部は、
前記成形シートの縁の終端のアンダーカット部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック複合素材パネル。
【請求項3】
前記ルーフ板材部は、
ルーフスキンセクションと、
前記ルーフスキンセクションの縁から延びて、前記材料充填部が形成されたルーフ延長セクションと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のプラスチック複合素材パネル。
【請求項4】
前記ルーフ板材部は、
前記ルーフスキンセクションの縁の下部で前記補強層に形成され、前記車体フレームに接着剤により接合される第1接合セクションと、
前記ルーフ延長セクションの縁の下部で前記補強層に形成され、前記車体フレームに接着剤により接合される第2接合セクションと、
を含むことを特徴とする請求項3に記載のプラスチック複合素材パネル。
【請求項5】
前記ルーフ板材部は、
前記第1接合セクションおよび前記第2接合セクションよりも小さい厚さで前記補強層に形成され、前記ルーフ延長セクションで前記第1接合セクションと前記第2接合セクションとの間に形成された車体安着セクション
を含むことを特徴とする請求項4に記載のプラスチック複合素材パネル。
【請求項6】
前記車体安着セクションは、
前記車体フレームで上側に突出した突出部に安着することを特徴とする請求項5に記載のプラスチック複合素材パネル。
【請求項7】
前記材料充填部は、上側から下側に行くほど断面幅が徐々に小さくなる形状で備えられることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック複合素材パネル。
【請求項8】
前記補強層は、ポリウレタン化合物と繊維素材を含むことを特徴とする請求項1に記載のプラスチック複合素材パネル。
【請求項9】
請求項1ないし8のうちのいずれか一項に記載のプラスチック複合素材パネルを成形する方法であって、
(a)複数の樹脂層が積層された多層シートを固定ダイおよび少なくとも一つの第1スライドダイにより熱成形して成形シートを製作する段階と、
(b)補強ソースが塗布された前記成形シートをロウアーダイおよびアッパーダイによりプレス成形して前記成形シートに補強層と材料充填部が形成されたプラスチック複合素材パネルを製作する段階と、
を含むことを特徴とするプラスチック複合素材パネルの成形方法。
【請求項10】
前記(a)段階では、
前記固定ダイで前記少なくとも一つの第1スライドダイを斜線方向にスライド移動させて、アンダーカット部および前記アンダーカット部から延びた延長部が縁部分に形成されている前記成形シートを取り出すことを特徴とする請求項9に記載のプラスチック複合素材パネルの成形方法。
【請求項11】
前記(a)段階では、
前記延長部を後加工して除去することを特徴とする請求項10に記載のプラスチック複合素材パネルの成形方法。
【請求項12】
前記(b)段階では、
ルーフスキンセクションを成形するようになっている第1成形面と、ルーフ延長セクションを成形するようになっている第2成形面が形成された前記ロウアーダイに前記成形シートをロードして、前記成形シートに前記補強ソースを塗布することを特徴とする請求項11に記載のプラスチック複合素材パネルの成形方法。
【請求項13】
前記(b)段階では、
第1接合セクションを成形するようになっている第1成形溝、第2接合セクションを成形するようになっている第2成形溝、車体安着セクションを成形するようになっている成形突起、および前記材料充填部を成形するようになっている第3成形溝が上下方向に沿って形成されたアッパーダイを前記ロウアーダイに合型することを特徴とする請求項12に記載のプラスチック複合素材パネルの成形方法。
【請求項14】
前記(b)段階では、
前記アッパーダイを前記ロウアーダイから離型させて、前記プラスチック複合素材パネルを上側方向に取り出すことを特徴とする請求項13に記載のプラスチック複合素材パネルの成形方法。
【請求項15】
前記(b)段階では、
ルーフスキンセクションを成形するようになっている第1成形面と、ルーフ延長セクションを成形するようになっている第2成形面が形成され、少なくとも一つの第2スライドダイが設置された前記ロウアーダイに前記成形シートをロードして、前記成形シートに前記補強ソースを塗布することを特徴とする請求項10に記載のプラスチック複合素材パネルの成形方法。
【請求項16】
前記(b)段階では、
第1接合セクションを成形するようになっている第1成形溝、第2接合セクションを成形するようになっている第2成形溝、および車体安着セクションを成形するようになっている成形突起が形成されたアッパーダイを、前記材料充填部を成形するようになっている第3成形溝が形成された前記少なくとも一つの第2スライドダイおよび前記ロウアーダイと合型することを特徴とする請求項15に記載のプラスチック複合素材パネルの成形方法。
【請求項17】
前記(b)段階では、
前記アッパーダイを前記ロウアーダイから離型させて、前記少なくとも一つの第2スライドダイを水平方向にスライド移動させて、前記プラスチック複合素材パネルを上側方向に取り出して、
前記プラスチック複合素材パネルの前記延長部を後加工して除去することを特徴とする請求項16に記載のプラスチック複合素材パネルの成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック複合素材パネルに関し、より詳細にはPBV(Purpose Built Vehicle)車両の車体に接合されるプラスチック複合素材パネルおよびその成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、自動車業界では人間中心のダイナミックな未来都市を実現するための新概念の未来モビリティビジョンを紹介している。このような未来のモビリティソリューションの一つが目的基盤モビリティとしてのPBV(Purpose Built Vehicle)車両である。
【0003】
PBV車両は、地上で目的地まで移動する時間の間、搭乗客に必要なオーダーメード型サービスを提供する環境に優しい移動ソリューションであり、電気車基盤(EV:electric vehicle)、人工知能を活用して状況別の最適経路設定および群集走行をすることもできる。
【0004】
PBV車両の車体は、アンダーボディ(当業界ではローリングシャーシまたはスケートボードともいう)と、そのアンダーボディ上に装着されるアッパーボディを含む。
【0005】
通常、アッパーボディはスチール素材の車体フレームと、車体フレームに組み立てられるスチール素材の複数のアウターパネルを備えている。最近では車体の軽量化を図るために、スチール素材の複数のアウターパネルを複数のプラスチック複合素材パネルに代えている。
【0006】
複数のプラスチック複合素材パネルは、プラスチック複合素材の生地を金型により設定された形状に成形する方式で製造される。複数のプラスチック複合素材パネルは、車体フレームにボルトおよびナット、または接着剤で接合される。
【0007】
しかし、このような複数のプラスチック複合素材パネルを車体フレームに適用するためには、原価節減および組み立て工程の単純化を図るように複数のプラスチック複合素材パネルの適用部位を最小化する必要がある。
【0008】
さらに、従来技術によれば、複数のプラスチック複合素材パネルの折り曲げ形状部位(アンダーカット部位)が金型の成形部に引っかかり複数のプラスチック複合素材パネルを金型から円滑に取り出せない問題が発生した。
【0009】
延いては、複数のプラスチック複合素材パネルは、スチール素材のパネルと比較すると、剛性が不足し、熱変形に脆弱であるという短所がある。
【0010】
この背景技術の部分に記載された事項は、発明の背景に対する理解増進のために記載されたものであって、この技術が属する分野で通常の知識を有する者に既に知られている従来技術ではない内容を含み得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2016-210398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、車体フレームに組み立てられるプラスチック複合素材の複数のアウターパネルの適用部位を最小化することができ、剛性が増大したプラスチック複合素材パネルを提供することにある。
【0013】
また、本発明の目的は、プラスチック複合素材パネルの成形性を増大させるようにしたプラスチック複合素材パネルの成形方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるプラスチック複合素材パネルは、i)複数の樹脂層が積層された成形シート、および前記成形シートに形成された補強層を含み、車体フレームに接合されるルーフ板材部と、ii)前記補強層によって前記ルーフ板材部の縁の終端に形成された材料充填(material filling)部と、を含むことを特徴とする。
【0015】
前記材料充填部は、前記成形シートの縁の終端のアンダーカット部に形成され得る。
【0016】
前記ルーフ板材部は、ルーフスキンセクションと、前記ルーフスキンセクションの縁から延びて、前記材料充填部が形成されたルーフ延長セクションと、を含み得る。
【0017】
前記ルーフ板材部は、前記ルーフスキンセクションの縁の下部で前記補強層に形成され、前記車体フレームに接着剤により接合される第1接合セクションと、前記ルーフ延長セクションの縁の下部で前記補強層に形成され、前記車体フレームに接着剤により接合される第2接合セクションと、を含み得る。
【0018】
前記ルーフ板材部は、前記第1接合セクションおよび前記第2接合セクションよりも小さい厚さで前記補強層に形成され、前記ルーフ延長セクションで前記第1接合セクションと前記第2接合セクションとの間に形成された車体安着セクションを含み得る。
【0019】
前記車体安着セクションは、前記車体フレームで上側に突出した突出部に安着し得る。
【0020】
前記材料充填部は、上側から下側に行くほど断面幅が徐々に小さくなる形状で備えられ得る。
【0021】
前記補強層は、ポリウレタン化合物と繊維素材を含み得る。
【0022】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるプラスチック複合素材パネルの成形方法は、(a)複数の樹脂層が積層された多層シートを固定ダイおよび少なくとも一つの第1スライドダイにより熱成形して成形シートを製作する段階と、(b)補強ソースが塗布された前記成形シートをロウアーダイおよびアッパーダイによりプレス成形して前記成形シートに補強層と材料充填部が形成されたプラスチック複合素材パネルを製作する段階と、を含むことを特徴とする。
【0023】
前記(a)段階では、前記固定ダイで前記少なくとも一つの第1スライドダイを斜線方向にスライド移動させて、アンダーカット部および前記アンダーカット部から延びた延長部が縁部分に形成されている前記成形シートを取り出し得る。
【0024】
前記(a)段階では、前記延長部を後加工して除去し得る。
【0025】
前記(b)段階では、ルーフスキンセクションを成形するようになっている第1成形面と、ルーフ延長セクションを成形するようになっている第2成形面が形成された前記ロウアーダイに前記成形シートをロードして、前記成形シートに前記補強ソースを塗布し得る。
【0026】
前記(b)段階では、第1接合セクションを成形するようになっている第1成形溝、第2接合セクションを成形するようになっている第2成形溝、車体安着セクションを成形するようになっている成形突起、および前記材料充填部を成形するようになっている第3成形溝が上下方向に沿って形成されたアッパーダイを前記ロウアーダイに合型し得る。
【0027】
前記(b)段階では、前記アッパーダイを前記ロウアーダイから離型させて、前記プラスチック複合素材パネルを上側方向に取り出し得る。
【0028】
前記(b)段階では、ルーフスキンセクションを成形するようになっている第1成形面と、ルーフ延長セクションを成形するようになっている第2成形面が形成され、少なくとも一つの第2スライドダイが設置された前記ロウアーダイに前記成形シートをロードして、前記成形シートに前記補強ソースを塗布し得る。
【0029】
前記(b)段階では、第1接合セクションを成形するようになっている第1成形溝、第2接合セクションを成形するようになっている第2成形溝、および車体安着セクションを成形するようになっている成形突起が形成されたアッパーダイを、前記材料充填部を成形するようになっている第3成形溝が形成された前記少なくとも一つの第2スライドダイおよび前記ロウアーダイと合型し得る。
【0030】
前記(b)段階では、前記アッパーダイを前記ロウアーダイから離型させて、前記少なくとも一つの第2スライドダイを水平方向にスライド移動させて、前記プラスチック複合素材パネルを上側方向に取り出し得る。
【0031】
また、前記(b)段階では、前記プラスチック複合素材パネルの前記延長部を後加工して除去し得る。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、プラスチック複合素材パネルの剛性および成形性を増大させることができ、原価節減および組み立て工程の単純化を図ることができる。
【0033】
その他に本発明により得ることができるか、予測される効果については本発明に係る詳細な説明で直接的または暗示的に開示する。すなわち、本発明により予測される多様な効果については後述する詳細な説明内で開示される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の一実施形態に適用される車体の一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネルの組み立て構造を示す断面図である。
図3】本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネルを示す断面図である。
図4】本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネルの成形方法を説明するための図である。
図5】本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネルの成形方法を説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネルの成形方法を説明するための図である。
図7】本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネルの成形方法を説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネルの成形方法を説明するための図である。
図9】本発明の他の実施形態によるプラスチック複合素材パネルの成形方法を説明するための図である。
図10】本発明の他の実施形態によるプラスチック複合素材パネルの成形方法を説明するための図である。
図11】本発明の他の実施形態によるプラスチック複合素材パネルの成形方法を説明するための図である。
図12】本発明の他の実施形態によるプラスチック複合素材パネルの成形方法を説明するための図である。
図13】本発明の他の実施形態によるプラスチック複合素材パネルの成形方法を説明するための図である。
図14】本発明の他の実施形態によるプラスチック複合素材パネルの成形方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0036】
本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付ける。
【0037】
図面に示す各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜上任意に示したもので、本発明は必ずしも図面に示されたものに限定されず、様々な部分および領域を明確に表現するために厚さを誇張して示した。
【0038】
そして、以下の詳細な説明で構成の名称を第1、第2などに区分したのはその構成が同じであるため、これを区分するためのものであり、以下の説明で必ずしもその順序に限定されるものではない。
【0039】
明細書全体で、ある部分がある構成要素を含むという時、これは特に反対の意味を示す記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0040】
また、明細書に記載された…部、…手段などの用語は少なくとも一つの機能や動作をする包括的な構成の単位を意味する。
【0041】
図1は、本発明の一実施形態に適用される車体の一例を示す図である。
【0042】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネル100は、例えば、電気車基盤の目的モビリティ(Purpose Built Vehicle:PBV)の車体に適用することができる。
【0043】
ここで、PBVは、地上で目的地まで移動する時間の間、搭乗客に必要なオーダーメード型サービスを提供する環境に優しい移動車両である。PBVは、状況別の最適経路を設定して、群集走行が可能であり、さらには広い室内空間を有するボックス型デザインの車両であり得る。
【0044】
このようなPBVの車体は、スケートボードタイプのアンダーボディ1と、アンダーボディ1に装着されるアッパーボディ3を含む。
【0045】
アンダーボディ1は、当業界でローリングシャーシともいい、バッテリアセンブリ(図示せず)が搭載されるシャーシフレーム5を含む。
【0046】
そして、アッパーボディ3は、アンダーボディ1上に結合されるボディであって、キャビンを構成する車体フレーム7を含む。
【0047】
当業界では車幅方向(全幅方向)をL方向、車体長手方向(車体前後方向または全長方向)をT方向、そして車体の高さ方向をH方向という。しかし、本発明の実施形態では基準方向として上述したようなLTH方向に設定する代わりに、車幅方向、車体前後方向、および上下方向に設定して下記の構成要素を説明する。
【0048】
さらに、下記の端 (片方/一側端または他の片方/一側端)は、いずれか一方の端と定義され、その端を含む一定部分(片方/一側端部または他の片方/一側端部)と定義されることもできる。
【0049】
一方、アッパーボディ3の車体フレーム7は、アンダーボディ1のシャーシフレーム5に組み立てられるサイド組立体と、サイド組立体に組み立てられるルーフ組立体を含む。ここで、車体フレーム7のサイド組立体にはスチール素材のアウターパネルおよびプラスチック複合素材の複数のアウターパネルが組み立てられる。
【0050】
このような車体フレーム7には、本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネル100が接合される。
【0051】
さらに、本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネル100は、車体フレーム7のルーフ組立体に接着剤により接合されるルーフパネル8で構成される。
【0052】
このような本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネル100は、車体フレーム7のサイド組立体に組み立てられるプラスチック複合素材の複数のアウターパネルの適用部位を最小化することができ、成形性が良好で、剛性が増大した構造からなる。
【0053】
図2は、本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネルの組み立て構造を示す断面図であり、図3は、本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネルを示す断面図である。
【0054】
図2および図3を参照すると、本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネル100は、ルーフ板材部20、および材料充填(material filling)部50を含む。
【0055】
本発明の一実施形態で、ルーフ板材部20は、車体フレーム7のルーフ組立体に組み立てられる板材で備えられ、その車体フレーム7に接着剤21によって接合される。
【0056】
一つの例で、ルーフ板材部20は、車体フレーム7に備えられたスチール素材のサイドアウターパネル11に接着剤21により接合される。
【0057】
ここで、スチール素材のサイドアウターパネル11は、車体フレーム7においてルーフサイド13に接合される。このようなスチール素材のサイドアウターパネル11は、ルーフサイド13に接合される接合フランジ15と、車幅方向に突出した第1突出部17を含んでいる。
【0058】
他の一つの例で、ルーフ板材部20は、複数の樹脂層(23,25,27)が積層された成形シート29と、成形シート29に形成された補強層31を含んでいる。
【0059】
複数の樹脂層(23,25,27)は、当業者に良く知られている共押出装置によって積層される。このような複数の樹脂層(23,25,27)は、ルーフ板材部20の上部から下部方向に積層された順序を基準とするとき、第1樹脂層23、第2樹脂層25、および第3樹脂層27を含み得る。
【0060】
例えば、第1樹脂層23は、アクリル系樹脂を含む。第1樹脂層23は、ハードコート層(当業者は通常「クリヤー層」ともいう)で形成される。
【0061】
第2樹脂層25は、ポリメチルメタクリレート(PMMA:Polymethyl metacrylate)樹脂を含む。
【0062】
そして、第3樹脂層27は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS:Acrylonitrile Butadiene Styrene)、ポリカーボネート(PC:Polycarbonate)、およびアクリレートスチレンアクリロニトリル(ASA:Acrylate Styrene Acrylonitrile)樹脂のうちの一つ以上の樹脂を含む。
【0063】
ここで、第2樹脂層25および第3樹脂層27は設定された色相を有しており、第1樹脂層23は透明なハードコート層である。
【0064】
補強層31は、成形シート29の下部に形成される。補強層31は、成形シート29の剛性を増大させ、成形シート29が熱変形することを防止する。
【0065】
一つの例で、補強層31は、ポリウレタン化合物33と繊維素材35を含む。ポリウレタン化合物33は、ポリオール(polyol)とイソシアネート(isocyanate)を含み得る。繊維素材35は、炭素繊維(carbon fiber)、ガラス繊維(glass fiber)、およびアラミド繊維(aramid fiber)のうちの一つ以上の繊維を含み得る。
【0066】
このようなルーフ板材部20は、ルーフスキンセクション41、ルーフ延長セクション43、第1接合セクション45、第2接合セクション47、および車体安着セクション49を含んでいる。
【0067】
ルーフスキンセクション41は、上面が平面であるセクションで備えられる。ルーフスキンセクション41は、車体フレーム7に備えられたスチール素材のサイドアウターパネル11に接着剤21により接合される。
【0068】
ルーフ延長セクション43は、ルーフスキンセクション41の縁 から外側に延びる。一つの例で、ルーフ延長セクション43は、ラウンド形状で屈曲したパーティング部として備えられる。
【0069】
ルーフ延長セクション43は、車体フレーム7に備えられたスチール素材のサイドアウターパネル11に接着剤21により接合される。
【0070】
第1接合セクション45は、ルーフスキンセクション41をスチール素材のサイドアウターパネル11に接着剤21により接合するようになっている。第1接合セクション45は、ルーフスキンセクション41の縁の下部で補強層31に形成される。
【0071】
第1接合セクション45は、ルーフスキンセクション41の縁の内側部分よりも厚く形成される。このような第1接合セクション45は、スチール素材のサイドアウターパネル11の接合フランジ15に接着剤21により接合される。
【0072】
第2接合セクション47は、ルーフ延長セクション43をスチール素材のサイドアウターパネル11に接着剤21により接合するようになっている。第2接合セクション47は、ルーフ延長セクション43の縁の下部で補強層31に形成される。
【0073】
第2接合セクション47は、ルーフ延長セクション43の縁の内側部分よりも厚く形成される。このような第2接合セクション47は、スチール素材のサイドアウターパネル11の第1突出部17に接着剤21により接合される。
【0074】
そして、車体安着セクション49は、ルーフ延長セクション43で、第1接合セクション45と第2接合セクション47との間に形成される。車体安着セクション49は、第1接合セクション45および第2接合セクション47よりも小さい厚さで補強層31に形成される。車体安着セクション49は、第1接合セクション45と第2接合セクション47との間に溝形態で形成される。
【0075】
ここで、第1接合セクション45および第2接合セクション47の厚さは、車体安着セクション49の厚さよりも大きく、上記で言及したスチール素材のサイドアウターパネル11の接合フランジ15および第1突出部17の高低に応じて異なってもよい。
【0076】
このような車体安着セクション49は、スチール素材のサイドアウターパネル11で上側に突出した第2突出部19に上下方向に沿って安着する。
【0077】
上記のように車体安着セクション49が第2突出部19に安着することにより、本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネル100は、車体フレーム7の設定された位置に配置することができる。
【0078】
すなわち、プラスチック複合素材パネル100が車体フレーム7にロードされる時、車体安着セクション49は第2突出部19に安着し、第2突出部19は車体安着セクション49によりプラスチック複合素材パネル100を保持するストッパの役割をする。
【0079】
本発明の一実施形態で、材料充填部50は、金型によるプラスチック複合素材パネル100の成形性を向上させるようになっている。材料充填部50は、補強層31によってルーフ板材部20の縁の終端に形成される。延いては、材料充填部50は、ルーフ延長セクション43の縁の終端に形成される。
【0080】
ここで、材料充填部50は、補強層31によって成形シート29の縁の終端のアンダーカット部51に形成される。材料充填部50は、アンダーカット部51にラウンド形状で備えられる。延いては、材料充填部50は上側から下側に行くほど断面幅が徐々に小さくなる形状で備えられる。
【0081】
以下、上記のように構成される本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネル100の成形方法を、図4図8を参照して詳細に説明する。
【0082】
図4図8は、本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネルの成形方法を説明するための図である。
【0083】
図4を参照すると、複数の樹脂層(23,25,27)が積層された多層シート71が提供される。
【0084】
多層シート71は、当業者に良く知られている共押出装置によって製作される。共押出装置は同時に押出される複数の樹脂層(23,25,27)を溶融状態で積層する。
【0085】
次に、固定ダイ73と少なくとも一つの第1スライドダイ75を含む熱成形金型77が提供される。ここで、少なくとも一つの第1スライドダイ75は固定ダイ73で斜線方向(例、上下傾斜方向)に沿ってスライド移動可能に備えられる。
【0086】
ここで、多層シート71は当業者に良く知られているヒーティングチャンバ(図示せず)で別に予熱される。このような多層シート71は固定ダイ73と少なくとも一つの第1スライドダイ75の上面にロードされる。
【0087】
すると、多層シート71は、熱成形金型77で印加される吸い込み(例、サクション)圧力によって固定ダイ73と少なくとも一つの第1スライドダイ75の成形面に密着して、図5に示すような成形シート29に成形される。このような予熱されたシートを設定された形状に熱成形する熱成形金型77は当業者に良く知られているので、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0088】
上記のように成形された成形シート29は、少なくとも一つの第1スライドダイ75の成形面によってアンダーカット部51、およびアンダーカット部51から延びた延長部61(図面に二点鎖線で示す)が縁部分に形成されている。
【0089】
ここで、延長部61はアンダーカット部51から延びて固定ダイ73および少なくとも一つの第1スライドダイ75に密着する部分であり、成形シート29の縁に位置するダミー部位として形成される。
【0090】
この状態で、少なくとも一つの第1スライドダイ75は、図6に示すように、固定ダイ73から斜線方向に沿って上側にスライド移動する。すると、成形シート29は固定ダイ73および少なくとも一つの第1スライドダイ75の成形面から分離され、上側方向に円滑に取り出される。
【0091】
それから、成形シート29の延長部61(図面に二点鎖線で示す)が後加工(例、ミーリング加工または超音波加工など)により除去されると、縁の終端にアンダーカット部51が形成された成形シート29の成形が完了する。
【0092】
上記のように熱成形金型77により成形シート29の成形が完了すると、図7に示すように、ロウアーダイ81とアッパーダイ83を含むプレス成形金型85が提供される。ここで、アッパーダイ83は、ロウアーダイ81に対応して上下方向に移動可能に備えられる。
【0093】
成形シート29はロウアーダイ81の上面にロードされる。この時、アッパーダイ83はロウアーダイ81に対応して上側方向に移動した状態にある。
【0094】
ここで、ロウアーダイ81は、ルーフ板材部20のルーフスキンセクション41を成形するようになっている第1成形面87と、ルーフ延長セクション43を成形するようになっている第2成形面89を含んでいる。
【0095】
ロウアーダイ81に成形シート29がロードされた状態で、ポリウレタン化合物33と繊維素材35を含んでいる補強ソース91が成形シート29の上面に塗布される。
【0096】
この時、補強ソース91は当業者に良く知られているハンドリングロボット(図示せず)のアームに装着された噴射ヘッドを介して成形シート29の上面に噴射される。
【0097】
次に、図8に示すように、アッパーダイ83はロウアーダイ81に対応して下側方向に移動する。そこで、アッパーダイ83はロウアーダイ81と合型することで、補強ソース91が塗布された成形シート29をプレスし、成形シート29に補強層31が形成されたルーフ板材部20を成形する。
【0098】
アッパーダイ83は、第1成形溝93、第2成形溝95、および第3成形溝97を含んでいる。第1成形溝93、第2成形溝95、および第3成形溝97のそれぞれは上下方向に沿って形成される。
【0099】
ここで、第1成形溝93は、補強ソース91が流入してルーフ板材部20の第1接合セクション45を成形するようになっている。第2成形溝95は、補強ソース91が流入して第2接合セクション47を成形するようになっている。そして、第3成形溝97は、補強ソース91が流入して成形シート29のアンダーカット部51に材料充填部50を成形するようになっている。延いては、アッパーダイ83で第1成形溝93と第2成形溝95との間には車体安着セクション49を成形するようになっている成形突起94が上下方向に沿って形成される。
【0100】
したがって、プレス成形金型85は、ルーフスキンセクション41、ルーフ延長セクション43、第1接合セクション45、第2接合セクション47、車体安着セクション49、および材料充填部50がルーフ板材部20に一体に形成されたプラスチック複合素材パネル100を成形することができる。
【0101】
上記のように本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネル100を成形した状態で、アッパーダイ83は上側方向に移動して、ロウアーダイ81から離型される。
【0102】
そのため、本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネル100は、ロウアーダイ81から上側方向に沿って取り出される。ここで、成形シート29のアンダーカット部51に形成された材料充填部50によってプラスチック複合素材パネル100は、ロウアーダイ81から円滑に取り出される。
【0103】
以上で説明したような本発明の一実施形態によるプラスチック複合素材パネル100は、ルーフスキンセクション41、ルーフ延長セクション43、および材料充填部50が形成されたルーフ板材部20を含んでいる。
【0104】
したがって、本発明の一実施形態によれば、車体フレーム7のサイド組立体に組み立てられるプラスチック複合素材の複数のアウターパネルの適用部位を最小化することができる。これにより、本発明の一実施形態によれば、原価節減および組み立て工程の単純化を図ることができる。
【0105】
さらに、本発明の一実施形態によれば、成形シート29に補強層31が形成されたルーフ板材部20を構成することにより、プラスチック複合素材パネル100の剛性の増大および熱変形の最小化を図ることができる。
【0106】
延いては、本発明の一実施形態によれば、熱成形金型77から成形シート29を円滑に取り出すことができ、プレス成形金型85からプラスチック複合素材パネル100を円滑に取り出すことができる。したがって、本発明の一実施形態によれば、プラスチック複合素材パネル100の成形性を増大させることができる。
【0107】
図9図14は、本発明の他の実施形態によるプラスチック複合素材パネルの成形方法を説明するための図である。
【0108】
図9および図10を参照すると、まず、本発明の他の実施形態によるプラスチック複合素材パネルの成形方法によれば、前の実施形態のように、固定ダイ173および少なくとも一つの第1スライドダイ175を含む熱成形金型177によって成形された成形シート129が提供される。
【0109】
成形シート129は、少なくとも一つの第1スライドダイ175の成形面によってアンダーカット部151、およびアンダーカット部151から延びた延長部161(図面に二点鎖線で示す)が縁部分に形成されている。
【0110】
上記のように成形シート129の成形が完了すると、図11に示すように、ロウアーダイ181およびアッパーダイ183を含むプレス成形金型185が提供される。
【0111】
ロウアーダイ181は、水平方向(例、図面を基準とする時、左右方向)に沿ってスライド移動可能に設置される少なくとも一つの第2スライドダイ182を含んでいる。
【0112】
ここで、少なくとも一つの第2スライドダイ182は、成形シート129のアンダーカット部151および延長部161を支持するようになっている。そして、アッパーダイ183は、ロウアーダイ181に対応する位置で上下方向に往復移動可能に備えられる。
【0113】
次に、アッパーダイ183がロウアーダイ181に対応する位置で上側方向に移動した状態で、成形シート129はロウアーダイ181および少なくとも一つの第2スライドダイ182にロードされる。この時、少なくとも一つの第2スライドダイ182は、水平方向に沿って前進移動して成形シート129のアンダーカット部151および延長部161を支持している。
【0114】
延いては、ロウアーダイ181は、ルーフ板材部120(図12および図13を参照)のルーフスキンセクション141(図12および図13を参照)を成形するようになっている第1成形面187と、ルーフ延長セクション143(図12および図13を参照)を成形するようになっている第2成形面189を含んでいる。
【0115】
上記のようにロウアーダイ181に成形シート129がロードされた状態で、補強ソース191が成形シート129の上面に塗布される。ここで、補強ソース191は成形シート129の上面でアンダーカット部151まで塗布される。
【0116】
それから、図12に示すように、アッパーダイ183は、ロウアーダイ181に対応する位置で下側方向に移動する。そこで、アッパーダイ183は、ロウアーダイ181および少なくとも一つの第2スライドダイ182と合型することで、補強ソース191(図11を参照)が塗布された成形シート129をプレスし、成形シート129に補強層131が形成されたルーフ板材部120を成形する。
【0117】
ここで、アッパーダイ183は、第1成形溝193および第2成形溝195を含んでいる。そして、少なくとも一つの第2スライドダイ182は第3成形溝197を含んでいる。
【0118】
第1成形溝193は、補強ソース191(図11を参照)が流入してルーフ板材部120の第1接合セクション145を成形するようになっている。第2成形溝195は、補強ソース191(図11を参照)が流入して第2接合セクション147を成形するようになっている。
【0119】
そして、第3成形溝197は、成形シート129のアンダーカット部151に補強ソース191(図11を参照)が流入した材料充填部150を成形するようになっている。ここで、第3成形溝197は、アンダーカット部151を支持するようになっている。
【0120】
さらに、アッパーダイ183で第1成形溝193と第2成形溝195との間には車体安着セクション149を成形するようになっている成形突起194が形成されている。
【0121】
したがって、プレス成形金型185は、ルーフスキンセクション141、ルーフ延長セクション143、第1接合セクション145、第2接合セクション147、車体安着セクション149、および材料充填部150がルーフ板材部120に一体に形成されたプラスチック複合素材パネル200を成形する。
【0122】
ここで、アッパーダイ183と少なくとも一つの第2スライドダイ182との間に補強ソース191が流入し、成形シート129の延長部161の一部に塗布される。
【0123】
次に、図13に示すように、アッパーダイ183は上側方向に移動し、ロウアーダイ181から離型される。
【0124】
このようにする過程で、少なくとも一つの第2スライドダイ182は水平方向に沿って後進移動する。すると、少なくとも一つの第2スライドダイ182は成形シート129のアンダーカット部151および延長部161から離隔する。
【0125】
そのため、プラスチック複合素材パネル200は、少なくとも一つの第2スライドダイ182に干渉されず、ロウアーダイ181から上側方向に円滑に取り出すことができる(例、エジェクティング)。
【0126】
それから、図14に示すように、プラスチック複合素材パネル200で補強ソース191が一部塗布されている成形シート129の延長部161が後加工(例、ミーリング加工または超音波加工など)により除去される。
【0127】
すなわち、図14の(a)に実線で示すように補強ソース191が一部塗布されている延長部161は、図14の(b)に二点鎖線で示すように後加工により除去される。
【0128】
上述したような本発明の他の実施形態によるプラスチック複合素材パネルの成形方法の残りの構成および作用効果は上記実施形態と同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0129】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の詳細な説明および図面に記載された範囲内で多様に変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0130】
1 アンダーボディ
3 アッパーボディ
5 シャーシフレーム
7 車体フレーム
8 ルーフパネル
11 スチール素材のサイドアウターパネル
13 ルーフサイド
15 接合フランジ
17 第1突出部
19 第2突出部
20,120 ルーフ板材部
21 接着剤
23 第1樹脂層
25 第2樹脂層
27 第3樹脂層
29,129 成形シート
31,131 補強層
33 ポリウレタン化合物
35 繊維素材
41,141 ルーフスキンセクション
43,143 ルーフ延長セクション
45,145 第1接合セクション
47,147 第2接合セクション
49,149 車体安着セクション
50,150 材料充填部
51,151 アンダーカット部
61,161 延長部
71 多層シート
73,173 固定ダイ
75,175 第1スライドダイ
77,177 熱成形金型
81,181 ロウアーダイ
83,183 アッパーダイ
85,185 プレス成形金型
87,187 第1成形面
89,189 第2成形面
91,191 補強ソース
93,193 第1成形溝
94,194 成形突起
95,195 第2成形溝
97,197 第3成形溝
100,200 プラスチック複合素材パネル
182 第2スライドダイ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14