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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076434
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】二組成ブロックコポリマー
(51)【国際特許分類】
   C08F 297/04 20060101AFI20230525BHJP
   C09J 153/02 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
C08F297/04
C09J153/02
【審査請求】有
【請求項の数】41
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023029610
(22)【出願日】2023-02-28
(62)【分割の表示】P 2021523842の分割
【原出願日】2019-12-10
(31)【優先権主張番号】62/782,668
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/595,913
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513240168
【氏名又は名称】ダイナソル エラストマーラ エス エー デ シー ブイ
【氏名又は名称原語表記】DYNASOL ELASTOMEROS, S.A. DE C.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(74)【代理人】
【識別番号】100214640
【弁理士】
【氏名又は名称】立山 千晶
(72)【発明者】
【氏名】エリザララス マヤ、ダニエル アブラーム
(72)【発明者】
【氏名】スニーガ カジェス、アベル
(72)【発明者】
【氏名】エルナンデス サモラ、ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア ビダレス、ホセ ルイス
(72)【発明者】
【氏名】イバラ ロドリゲス、ヘスス エドゥアルド
(57)【要約】
【課題】バッチ有機リチウム開始重合で共役ジエン及びモノビニル芳香族モノマーから作られた二組成ブロックコポリマー組成物が提供される。
【解決手段】二組成ブロックコポリマー組成物はC及びUを含み、Cは、共役ジエンモノマー由来の繰り返し単位、モノビニル芳香族モノマーブロックA、及びカップリング剤の残基を含むカップリングされたブロックコポリマーであり、ブロックAはカップリング剤に結合されており、Cは、共役ジエンモノマーの豊富な外側末端部分を有し、Uは、共役ジエンモノマー由来の繰り返し単位、及び、モノビニル芳香族モノマーのみから形成された末端ブロックAを含む非カップリングブロックコポリマーであり、ポリマーブロックAはポリマーブロックAよりも分子量が大きく、Uは、Cよりも低い分子量及び高いモノビニル芳香族繰り返し単位含有量を有し、Cは、分子量分布の約20~約80%を占める。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
C及びUを含む二組成ブロックコポリマー組成物であって、
Cは、共役ジエンモノマー由来の繰り返し単位、ブロックA、及びカップリング剤の残基を含むカップリングされたブロックコポリマーであり、前記ブロックAはモノビニル芳香族モノマーのみから形成されており、前記ブロックAは前記カップリング剤に結合されており、Cは、共役ジエンモノマーの豊富な外側末端部分を有し、
Uは、共役ジエンモノマー由来の繰り返し単位、及び、モノビニル芳香族モノマーのみから形成された末端ブロックAを含む非カップリングブロックコポリマーであり、前記ポリマーブロックAは前記ポリマーブロックAよりも分子量が大きく、
Uは、Cよりも低い分子量及び高いモノビニル芳香族繰り返し単位含有量を有し、
Cは、分子量分布の約20~約80%を占める、
ブロックコポリマー組成物。
【請求項2】
C及びUを含む二組成ブロックコポリマー組成物であって、
Cは、共役ジエンモノマー及びモノビニル芳香族モノマーに由来する繰り返し単位を含むカップリングされたブロックコポリマーであり、Cはモノビニル芳香族内側ブロックのみ及び共役ジエンの豊富な末端部分のみを有し、
Uは、共役ジエンモノマー及びモノビニル芳香族モノマーに由来する繰り返し単位を含む非カップリングブロックコポリマーであり、Uは単一のモノビニル芳香族末端ブロック及び単一の共役ジエンの豊富な末端部分のみを有し、
UはCよりも低い分子量を有し、
UはCよりも高いモノビニル芳香族繰り返し単位含有量を有し、
UはCよりも高いモノビニル芳香族ブロック含有量を有し、
U及びCは、共役ジエンの豊富な、分子量が等しい末端部分を有し、
Cは、分子量分布の約20~約80%を占める、
ブロックコポリマー組成物。
【請求項3】
C及びUを含む二組成ブロックコポリマー組成物であって、
Cは:
[D-(D/A)-A-X;
[B-(B/A)-A-X;
[(B/A)-A-X;又は
[B-A-X、又はそれらの混合物
を含み、
Uは:
D-(D/A)-A又はD-(D/A)-A及びD-(D/A)-A
B-(B/A)-A又はB-(B/A)-A及びB-(B/A)-A
(B/A)-A又は(B/A)-A及び(B/A)-A;又は
B-A又はB-A及びB-A、又はそれらの混合物
を含み、
Bは共役ジエンモノマーのみから形成されたポリマーブロックであり、
(B/A)は少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたランダムポリマーブロックであり、
Dは、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、共役ジエン繰り返し単位は、ポリマーブロックの長さ全体に沿ってモノビニル芳香族繰り返し単位よりもモル量が多く、
(D/A)は、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、A又はAの反対側のポリマーブロック末端は主として共役ジエン繰り返し単位から構成され、ポリマーブロックの組成は、A又はAに隣接する端部においてモノビニル芳香族繰り返し単位で実質的に構成されるようになるまで、ブロックの長さに沿って徐々に変化し、
及びAは、モノビニル芳香族モノマーのみから形成されたポリマーブロックであり、ポリマーブロックAはポリマーブロックAよりも分子量が大きく、
Cは、分子量分布の約20~約80%を占め、
Xはカップリング剤の残基であり、
nは2~30の値を有する整数である、
ブロックコポリマー組成物。
【請求項4】
前記二組成ブロックコポリマー組成物は、少なくとも2つのピークを示す分子量分布を有し、Cは、分子量分布において最も高い分子量にピークを有する画分を構成し、Uは、分子量分布の残りの部分を構成する、請求項1~3のいずれか一項に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項5】
Cは複数のモノビニル芳香族内部ブロックを有し、各モノビニル芳香族内部ブロックの一端がカップリング剤残基に結合され、他端が単一の共役ジエンの豊富な末端部分に結合されており、
Cは、1分子あたり単一のカップリング剤残基を有し、前記カップリング剤残基はモノビニル芳香族内部ブロックのみに結合されており、
Uは、単一のモノビニル芳香族末端ブロックと、単一の共役ジエンの豊富な末端部分とのみを有し、
前記共役ジエンの豊富な末端部分は、散在するモノビニル芳香族モノマーの繰り返し単位を有する共役ジエンモノマーの繰り返し単位、又は共役ジエンモノマーの繰り返し単位のみを含む、
請求項1又は2に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項6】
前記二組成ブロックコポリマー組成物の総モノビニル芳香族繰り返し単位含有量は、約20~約50重量%である、請求項5に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項7】
Uのモノビニル芳香族繰り返し単位含有量はCよりも少なくとも10重量%高い、請求項6に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項8】
前記二組成ブロックコポリマーのモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は、総モノビニル芳香族繰り返し単位ベースで少なくとも約76モル%である、請求項7に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項9】
Uのモノビニル芳香族繰り返し単位含有量はCよりも少なくとも20重量%高い、請求項8に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項10】
nは2~4の整数であり、前記二組成ブロックコポリマーの多分散度比M/Mは1.50未満であるか;又は
nは2~30の整数であり、前記二組成ブロックコポリマーの多分散度比M/Mは1.90未満である、
請求項3に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項11】
前記ブロックコポリマー組成物の動的振動剪断試験において、100℃及び13.95%のひずみで振動周波数を0.25~200rad/sまで変化させたとき、0.95未満のタンデルタ値のみを示し、
任意選択で、前記動的振動剪断試験において、140℃及び13.95%のひずみで振動周波数を0.25~200rad/sまで変化させたとき、0.95未満のタンデルタ値のみを示す、
請求項3に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項12】
前記ブロックコポリマー組成物のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は約25~約90であり、
前記ブロックコポリマー組成物の複合動的剪断粘度は、0.99rad/sの周波数、100℃の温度、及び13.95%のひずみで評価したとき、約50,000Pa・s~約360,000Pa・sであり、
前記ブロックコポリマー組成物の複合動的剪断粘度は、100rad/sの周波数、100℃の温度、及び13.95%のひずみで評価したとき、約3,000Pa・s~約12,000Pa・sである、
請求項3に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項13】
前記ブロックコポリマー組成物の分子量分布は少なくとも2つのピークを示し、
Cは、分子量分布において最も高い分子量にピークを有する画分を構成し、Uは、分子量分布の残りの部分を構成し、
前記ブロックコポリマー組成物の総モノビニル芳香族繰り返し単位含有量は、約20~約50重量%であり、
Uのモノビニル芳香族繰り返し単位含有量は、ブロックコポリマーCのモノビニル芳香族繰り返し単位含有量よりも少なくとも10重量%高く、
前記ブロックコポリマー組成物のモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は、総モノビニル芳香族繰り返し単位ベースで約76モル%以上であり、
前記ブロックコポリマー組成物のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は約25~約90であり、
前記二組成ブロックコポリマーの動的振動剪断試験において、100℃の温度及び13.95%のひずみで振動周波数を0.25~200rad/sまで網羅したとき、0.95未満のタンデルタ値を示す、
請求項1~3のいずれか一項に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項14】
Cは:
[D-(D/A)-A-Xを含み、
Uは:
D-(D/A)-A又はD-(D/A)-A及びD-(D/A)-Aを含み、
式D-(D/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、前記二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め、
式D-(D/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、前記二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約0~約20重量%を占め、
前記二組成ブロックコポリマーのモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は、総モノビニル芳香族繰り返し単位ベースで約76モル%以上であり、
任意選択で、前記二組成ブロックコポリマーは0~約12重量%のエクステンダーオイルをさらに含む、
請求項3に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項15】
Cは:
[B-(B/A)-A-Xを含み、
Uは:
B-(B/A)-A又はB-(B/A)-A及びB-(B/A)-Aを含み、
式B-(B/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、前記二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め、
式B-(B/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、前記二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約0~約20重量%を占め、
任意選択で、前記二組成ブロックコポリマーは0~約12重量%のエクステンダーオイルをさらに含む、
請求項3に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項16】
Cは:
[(B/A)-A-Xを含み、
Uは:
(B/A)-A又は(B/A)-A及び(B/A)-Aを含み、
式(B/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、前記二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め、
式(B/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、前記二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約0~約20重量%を占め、
任意選択で、前記二組成ブロックコポリマーは0~約12重量%のエクステンダーオイルをさらに含む、
請求項3に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項17】
Cは:
[B-A-Xを含み、
Uは:
B-A又はB-A及びB-Aを含み、
式B-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、前記二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め、
式B-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、前記二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約0~約20重量%を占め、
前記二組成ブロックコポリマーのモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は、総モノビニル芳香族繰り返し単位ベースで約90モル%以上であり、
任意選択で、前記二組成ブロックコポリマーは0~約12重量%のエクステンダーオイルをさらに含む、
請求項3に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項18】
C及びUを含む二組成ブロックコポリマー組成物であって、
Cは、一般式:
[D-(D/A)-A-Xを有し、
Uは、一般式:
D-(D/A)-A
又は
D-(D/A)-A及びD-(D/A)-Aを有し、
(a)Dは、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、共役ジエン繰り返し単位は、ポリマーブロックの長さ全体に沿ってモノビニル芳香族繰り返し単位よりもモル量が多く、
(b)(D/A)は、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、A又はAの反対側のポリマーブロック末端は主として共役ジエン繰り返し単位から構成され、その組成は、A又はAに隣接する端部においてモノビニル芳香族繰り返し単位で実質的に構成されるようになるまで、ブロックの長さに沿って徐々に変化し、
(c)A及びAは、モノビニル芳香族モノマーのみから形成されたポリマーブロックであり、
(d)ポリマーブロックAはポリマーブロックAよりも分子量が大きく、
(e)Xはカップリング剤の残基であり、nは2~30の値を有する整数であり、
(f)式[D-(D/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子が、前記二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め、
(g)式D-(D/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、前記二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め、
(h)式D-(D/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、前記二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約0~約20重量%を占める、
ブロックコポリマー組成物。
【請求項19】
二組成ブロックコポリマーを製造する方法であって、
共役ジエンモノマーとモノビニル芳香族モノマーとを、有機リチウム開始剤及び炭化水素溶媒の存在下で共重合させることで、ポリマーアニオンを形成する工程;
カップリング剤、プロトン供与体化合物、求電子性停止剤、又はそれらの混合物との反応によって、前記ポリマーアニオンの一部を不活性化させる工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを、残りのポリマーアニオンとブロックコポリマー化する工程;
プロトン供与体化合物、求電子性単官能性化合物、又はそれらの混合物との反応によって、前記ポリマーアニオンを不活性化させる工程;及び
二組成ブロックコポリマーを回収する工程
を含む方法。
【請求項20】
脂肪族炭化水素溶媒、共役ジエンモノマー及びモノビニル芳香族モノマーを反応器に投入する工程;
有機リチウム開始剤を前記反応器に投入する工程;
モノマーを完全に共重合させ、ポリマーアニオンを形成する工程;
限られた量のカップリング剤を前記反応器に投入して、前記ポリマーアニオンの一部のみをカップリングする工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを前記反応器に投入する工程;
モノビニル芳香族モノマーを完全にブロックコポリマー化させる工程;
前記反応器において残りのすべてのポリマーアニオンを不活性化させるため、プロトン供与体又は求電子性単官能性化合物を投入する工程;及び
二組成ブロックコポリマー組成物を回収する工程
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
二組成ブロックコポリマーを製造する方法であって、
共役ジエンモノマーを、有機リチウム開始剤、炭化水素溶媒、及びランダマイザーの存在下で重合させることで、ポリマーアニオンを形成する工程;
モノビニル芳香族モノマーを前記ポリマーアニオンとの反応によってブロックコポリマー化する工程;
カップリング剤、プロトン供与体化合物、求電子性停止剤、又はそれらの混合物との反応によって、前記ポリマーアニオンの一部を不活性化させる工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを、残りのポリマーアニオンとブロックコポリマー化する工程;
プロトン供与体化合物、求電子性単官能性化合物、又はそれらの混合物との反応によって、前記ポリマーアニオンを完全に不活性化させる工程;及び
二組成ブロックコポリマーを回収する工程
を含む方法。
【請求項22】
脂肪族炭化水素溶媒、ランダマイザー、及び共役ジエンモノマーを反応器に投入する工程;
有機リチウム開始剤を前記反応器に投入する工程;
前記反応器に供給された共役ジエンモノマーを、約80%~約95%の変換レベルまで重合させる工程;
モノビニル芳香族モノマーを前記反応器に投入する工程;
残っている共役ジエンモノマーと、前記反応器に供給されたモノビニル芳香族モノマーとを完全に共重合させ、ポリマーアニオンを形成する工程;
限られた量のカップリング剤を投入して、前記ポリマーアニオンを部分的にカップリングする工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを前記反応器に投入する工程;
モノビニル芳香族モノマーを完全にブロックコポリマー化させる工程;
残りのすべてのポリマーアニオンを不活性化させるため、プロトン供与体又は求電子性単官能性化合物を投入する工程;及び
二組成ブロックコポリマー組成物を回収する工程
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
二組成ブロックコポリマーを製造する方法であって、
共役ジエンモノマーとモノビニル芳香族モノマーとを、有機リチウム開始剤、ランダマイザー、及び炭化水素溶媒の存在下で共重合させることで、ポリマーアニオンを形成する工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを、前記ポリマーアニオンとブロックコポリマー化する工程;
カップリング剤、プロトン供与体化合物、求電子性停止剤、又はそれらの混合物との反応によって、前記ポリマーアニオンの一部を不活性化させる工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを、残りの活性ポリマーアニオンとブロックコポリマー化する工程;
プロトン供与体化合物、求電子性単官能性化合物、又はそれらの混合物との反応によって、前記ポリマーアニオンを不活性化させる工程;及び
二組成ブロックコポリマーを回収する工程
を含む方法。
【請求項24】
脂肪族炭化水素溶媒、ランダマイザー、共役ジエンモノマー及びモノビニル芳香族モノマーを反応器に投入する工程;
有機リチウム開始剤を前記反応器に投入する工程;
共役ジエンモノマー及びモノビニル芳香族モノマーを完全に共重合させる工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを前記反応器に投入する工程;
前記反応器に供給されたモノビニル芳香族モノマーを完全にブロックコポリマー化させてポリマーアニオンを形成する工程;
限られた量のカップリング剤を投入して、前記ポリマーアニオンの一部のみをカップリングする工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを前記反応器に投入する工程;
モノビニル芳香族モノマーを完全にブロックコポリマー化させる工程;
残っているポリマーアニオンを完全に不活性化させるため、プロトン供与体又は求電子性単官能性化合物を投入する工程;及び
二組成ブロックコポリマー組成物を回収する工程
をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
二組成ブロックコポリマーを製造する方法であって、
共役ジエンモノマーを、有機リチウム開始剤、炭化水素溶媒、及びランダマイザーの存在下で、モノマーが完全に変換されるまで重合させることで、ポリマーアニオンを形成する工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを、前記ポリマーアニオンとの反応によってブロックコポリマー化する工程;
カップリング剤、プロトン供与体化合物、求電子性停止剤、又はそれらの混合物との反応によって、前記ポリマーアニオンの一部を不活性化させる工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを、残りの活性ポリマーアニオンとブロックコポリマー化する工程;
プロトン供与体化合物、求電子性単官能性化合物、又はそれらの混合物との反応によって、前記ポリマーアニオンを不活性化させる工程;及び
二組成ブロックコポリマーを回収する工程
を含む方法。
【請求項26】
脂肪族炭化水素溶媒、ランダマイザー、及び共役ジエンモノマーを反応器に投入する工程;
有機リチウム開始剤を前記反応器に投入する工程;
共役ジエンモノマーを完全に重合させる工程;
モノビニル芳香族モノマーを前記反応器に投入する工程;
前記反応器に供給されたモノビニル芳香族モノマーを完全にブロックコポリマー化させてポリマーアニオンを形成する工程;
限られた量のカップリング剤を投入して、前記ポリマーアニオンを部分的にカップリングする工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを前記反応器に投入する工程;
モノビニル芳香族モノマーを完全にブロックコポリマー化させる工程;
前記反応器内に残っているポリマーアニオンを完全に不活性化させるため、プロトン供与体又は求電子性単官能性化合物を投入する工程;及び
二組成ブロックコポリマー組成物を回収する工程
をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
二組成ブロックコポリマー組成物を製造する方法であって、
脂肪族炭化水素溶媒、共役ジエンモノマー及びモノビニル芳香族モノマーを反応器に投入する工程;
有機リチウム開始剤を前記反応器に投入する工程;
モノマーを完全に共重合させ、ポリマーアニオンを形成する工程;
限られた量のカップリング剤を前記反応器に投入して、前記ポリマーアニオンの一部のみをカップリングする工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを前記反応器に投入する工程;
モノビニル芳香族モノマーを完全にブロックコポリマー化させる工程;
前記反応器において残りのすべてのポリマーアニオンを不活性化させるため、プロトン供与体又は求電子性単官能性化合物を投入する工程;及び
二組成ブロックコポリマー組成物を回収する工程
を含む方法。
【請求項28】
二組成ブロックコポリマー組成物を製造する方法であって、
脂肪族炭化水素溶媒、ランダマイザー、及び共役ジエンモノマーを反応器に投入する工程;
有機リチウム開始剤を前記反応器に投入する工程;
前記反応器に供給された共役ジエンモノマーを、約80%~約95%の変換レベルまで重合させる工程;
モノビニル芳香族モノマーを前記反応器に投入する工程;
残っている共役ジエンモノマーと、前記反応器に供給されたモノビニル芳香族モノマーとを完全に共重合させ、ポリマーアニオンを形成する工程;
限られた量のカップリング剤を投入して、前記ポリマーアニオンを部分的にカップリングする工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを前記反応器に投入する工程;
モノビニル芳香族モノマーを完全にブロックコポリマー化させる工程;
残りのすべてのポリマーアニオンを不活性化させるため、プロトン供与体又は求電子性単官能性化合物を投入する工程;及び
二組成ブロックコポリマー組成物を回収する工程
を含む方法。
【請求項29】
二組成ブロックコポリマー組成物を製造する方法であって、
脂肪族炭化水素溶媒、ランダマイザー、共役ジエンモノマー及びモノビニル芳香族モノマーを反応器に投入する工程;
有機リチウム開始剤を前記反応器に投入する工程;
共役ジエンモノマー及びモノビニル芳香族モノマーを完全に共重合させる工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを前記反応器に投入する工程;
前記反応器に供給されたモノビニル芳香族モノマーを完全にブロックコポリマー化させてポリマーアニオンを形成する工程;
限られた量のカップリング剤を投入して、前記ポリマーアニオンの一部のみをカップリングする工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを前記反応器に投入する工程;
モノビニル芳香族モノマーを完全にブロックコポリマー化させる工程;
残っているポリマーアニオンを完全に不活性化させるため、プロトン供与体又は求電子性単官能性化合物を投入する工程;及び
二組成ブロックコポリマー組成物を回収する工程
を含む方法。
【請求項30】
二組成ブロックコポリマー組成物を製造する方法であって、
脂肪族炭化水素溶媒、ランダマイザー、及び共役ジエンモノマーを反応器に投入する工程;
有機リチウム開始剤を前記反応器に投入する工程;
共役ジエンモノマーを完全に重合させる工程;
モノビニル芳香族モノマーを前記反応器に投入する工程;
前記反応器に供給されたモノビニル芳香族モノマーを完全にブロックコポリマー化させてポリマーアニオンを形成する工程;
限られた量のカップリング剤を投入して、前記ポリマーアニオンを部分的にカップリングする工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを前記反応器に投入する工程;
モノビニル芳香族モノマーを完全にブロックコポリマー化させる工程;
前記反応器内に残っているポリマーアニオンを完全に不活性化させるため、プロトン供与体又は求電子性単官能性化合物を投入する工程;及び
二組成ブロックコポリマー組成物を回収する工程
を含む方法。
【請求項31】
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを投入する工程の前に、前記反応器において前記ポリマーアニオンの一部のみを不活性化させるために、限られた量のプロトン供与体又は求電子性単官能性化合物を投入する工程;又は
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを投入する工程と同時に、前記反応器において前記ポリマーアニオンの一部のみを不活性化させるために、限られた量のプロトン供与体又は求電子性単官能性化合物を投入する工程
をさらに含む、請求項27~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
架橋マイクロセルラーゴム製品のための組成物であって、
請求項1~3及び14~18のいずれか一項に記載のブロックコポリマー組成物;及び発泡剤を含む、組成物。
【請求項33】
スチレン-ブタジエンランダムコポリマー、スチレン-イソプレン-ブタジエンランダムコポリマー、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレンゴム、エチレン/α-オレフィン/非共役ジエンターポリマー、エチレン-プロピレンコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、粉砕架橋マイクロセルラーゴムコンパウンド、フィラー、可塑剤、発泡剤活性化剤、架橋剤、架橋剤活性化剤、架橋促進剤、加硫遅延剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、UV安定剤、光安定剤、香料又は付臭剤、防蟻剤、殺生物剤、抗真菌剤、抗細菌剤、抗菌剤、金属不活性化剤、染料、顔料、離型剤など、又はそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
ホットメルト感圧接着剤のための組成物であって、
請求項1~3及び14~18のいずれか一項に記載のブロックコポリマー組成物;及び粘着性樹脂を含む、組成物。
【請求項35】
酸化防止剤、エクステンダーオイル、フィラー、ワックス、光開始剤、架橋剤、架橋助剤、架橋遅延剤、接着促進剤又はカップリング剤、UV安定剤、光安定剤、オゾン安定剤、エポキシ樹脂、アスファルト、強化樹脂、香料又は付臭剤、防蟻剤、殺生物剤、抗真菌剤、抗細菌剤、金属不活性化剤、染料、顔料、着色剤、難燃剤、発泡剤、発泡剤活性化剤、屈折率調整剤など、又はそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
0.5~50重量%の請求項1~3及び14~18のいずれか一項に記載の二組成ブロックコポリマー組成物を含む、接着剤組成物。
【請求項37】
0.5~50重量%の請求項1~3及び14~18のいずれか一項に記載の二組成ブロックコポリマー組成物を含む、シーラント組成物。
【請求項38】
道路舗装用、ロール状屋根材用、屋根板用、又は防水膜用の瀝青組成物であって、
0.5~25重量%の請求項1~3及び14~18のいずれか一項に記載の二組成ブロックコポリマー組成物;
アスファルト;及び
任意選択で、可塑剤、フィラー、架橋剤、フロー樹脂、粘着性樹脂、加工助剤、酸化防止剤、及びオゾン劣化防止剤からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤
を含む瀝青組成物。
【請求項39】
請求項1~3及び14~18のいずれか一項に記載の二組成ブロックコポリマー組成物を含む耐衝撃性ポリスチレン樹脂。
【請求項40】
請求項1~3及び14~18のいずれか一項に記載の二組成ブロックコポリマー組成物の存在下で、スチレン、アクリロニトリル、及び任意選択で他の共重合可能なビニルコモノマーのバルク共重合によって製造されるABS樹脂。
【請求項41】
請求項1に記載のブロックコポリマー組成物であって、
前記二組成ブロックコポリマーの分子量分布は少なくとも2つのピークを示し、
ブロックコポリマーCは、分子量分布において最も高い分子量にピークを有する画分を構成し、ブロックコポリマーUは、分子量分布の残りの部分を構成し、
ブロックコポリマーCは、分子量分布の約20~約80%を占め、
前記二組成ブロックコポリマーの総モノビニル芳香族繰り返し単位含有量は、約20~約50重量%であり、
ブロックコポリマーUのモノビニル芳香族繰り返し単位含有量は、ブロックコポリマーCのモノビニル芳香族繰り返し単位含有量よりも少なくとも10重量%高く、
前記二組成ブロックコポリマーのモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は、総モノビニル芳香族繰り返し単位ベースで約76モル%以上であり、
前記二組成ブロックコポリマーのムーニー粘度(ML1+4、100℃)は約25~約90であり、
前記二組成ブロックコポリマーの複合動的剪断粘度は、0.99rad/sの周波数、100℃の温度、及び13.95%のひずみで評価したとき、約50000Pa・sよりも大きく約360000Pa・s未満であり、
前記二組成ブロックコポリマーの複合動的剪断粘度は、100rad/sの周波数、100℃の温度、及び13.95%のひずみで評価したとき、約3000Pa・sよりも大きく約12000Pa・s未満であり、
前記二組成ブロックコポリマーの動的振動剪断試験において、100℃の温度及び13.95%のひずみで振動周波数を0.25~200rad/sまで網羅したとき、0.95未満のタンデルタ値を示す、ブロックコポリマー組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共役ジエン及びモノビニル芳香族モノマーの二組成ブロックコポリマー、より具体的には、二組成ブロックコポリマーを含むマイクロセルラー架橋ゴムコンパウンド及びホットメルト感圧接着剤に関する。本発明の新規な二組成ブロックコポリマーを使用して、均一なサイズの独立気泡を有し、気泡膨れ欠陥がなく、柔らかさが向上し、より高い弾力性を有するマイクロセルラー架橋ゴムコンパウンドを製造することができる。新規な二組成ブロックコポリマーに基づくホットメルト感圧接着剤は、向上した粘着性及び使用温度を示す。
【背景技術】
【0002】
マイクロセルラーゴムコンパウンドは、靴底、サンダル、クッションパッド、浮遊物、防音シート、振動減衰材料、衝撃吸収プロテクター、シーリング用途など、様々な製品の製造に広く使用されている。さらに、これらの材料は、軽量で費用効果の高い特性があるため、市場で非常に受け入れられている。
【0003】
これらのコンパウンドを発泡の際は、熱の影響下での化学的又は物理的発泡剤の膨張、又は加硫配合のための通常の温度及び圧力での熱と減圧の組合せによって、独立気泡が形成される。マイクロセルラーゴムコンパウンドの架橋により、改善された長持ちする機械的性能が追加される。発泡中のゴム弾性は、ほとんどのプロセスで発泡段階の前又は同時の部分的な架橋によって強化され、独立気泡構造を維持するために重要である。発泡が終了してから最適な架橋が得られるまでの経過時間で、発泡ゴムコンパウンドは収縮する傾向がある。共役ジエンとモノビニル芳香族モノマーのブロックコポリマーは、この収縮欠陥を回避するために、架橋マイクロセルラーゴム組成物において使用されてきた。
【0004】
特許文献1は、(B-S)、又は(B-S)B、又は(S-B)の形態のブロック構成を有する、ブロックコポリマーに基づく非架橋弾性発泡体を開示し、ここで、Bは、実質的に1-3,ブタジエンポリマーを表し、Sは実質的にスチレンポリマーを表し、nは2~10の範囲の整数であり、mは1~10の範囲の整数である。組成物はまた、ポリスチレンホモポリマーを含む。それにもかかわらず、この組成物は、発泡剤として環境に有害なクロロヒドロフルオロカーボンを含み、0.6~1.1mmの非常に大きなセルサイズを示すため、不利である。
【0005】
特許文献2は、一般式(A-E)A、(A-E)又は((A-E)Xを有するモノビニル芳香族及び共役ジエンモノマーのブロックコポリマーを含む架橋ゴム発泡体組成物を開示し、ここで、nは1~4の範囲であり、mは2~8の範囲であり、Aはモノビニル芳香族ポリマーブロックを表し、Eは共役ジエンポリマーブロック及び/又はその選択的に水素化された生成物を表し、Xはカップリング剤残基を表す。組成物はまた、天然ゴム、ジエン型合成ゴム及び非ジエン合成ゴムなどの他のゴムを含む。
【0006】
特許文献3は、ビニル芳香族モノマー単位及び共役ジエンモノマー単位を含むブロックコポリマー、及び/又はビニル芳香族モノマー単位、共役ジエンモノマー単位及びアルキレンモノマー単位を含むブロックコポリマーを含む架橋ゴム発泡体組成物を開示している。この組成物はまた、オレフィンベースのコポリマー(ポリエチレン、エチレン-1-ブテンコポリマー、エチレン-オクテンコポリマーなどのような)、及び任意選択で、EPDMのような、不飽和基を有するエチレンベースのコポリマーを含む。ブロックコポリマーについて開示された様々な配列構造の中で、好ましいブロック構成は、ビニル芳香族繰り返し単位が豊富な末端ブロック及びエラストマー繰り返し単位中間ブロックを有する。
【0007】
特許文献4は、ポリスチレン末端ブロック及びエラストマー中間ブロックからなる分子構成を有するブロックコポリマーを含むゴム加硫発泡体コンパウンドを開示している。エラストマー中間ブロックは、ブタジエン、イソプレン、エチレン、ブチレン、又はプロピレンベースである。このコンパウンドはさらに、高い及び/又は平均的な結合スチレン含有量のスチレン-ブタジエンランダムコポリマー、ならびにエチレン-プロピレンコポリマー(EPR)又はエチレン-プロピレン-ジエンターポリマー(EPDM)を組み込んでいる。
【0008】
特許文献2~4に開示されている組成物は、共役ジエン繰り返し単位(又はそれらの水素化生成物)に富む中間ブロックを取り囲むビニル芳香族繰り返し単位に富む末端ブロックを有するブロックコポリマーを含む。したがって、それらのすべてには、高い配合温度を必要とするという欠点がある。これは、それらに開示されているブロックコポリマーのビニル芳香族繰り返し単位の豊富な末端ブロックが、120℃超でのみ流動するように十分に軟化する分子間物理的ネットワークを形成するためである。この高い動作配合温度は、化学発泡剤の早期分解及び/又は早期架橋開始を引き起こす可能性がある。これは、バンバリーなどのバッチミキサーで配合を行う場合に特に制限される。
【0009】
特許文献5は、共役ジエンとビニル芳香族モノマーのテーパージブロックコポリマーを含む架橋マイクロセルラーゴム発泡体組成物を開示している。そこに開示されているテーパージブロックコポリマーは、バッチアニオン溶液重合プロセスで製造される。この組成物はまた、アニオン性溶液重合又はフリーラジカル乳化重合のいずれかによって得られる、共役ジエン及びビニル芳香族モノマーのランダムコポリマーを含む。
【0010】
特許文献6は、共役ジエンとモノビニル芳香族モノマーのテーパージブロックコポリマーを含む架橋マイクロセルラーゴム発泡体組成物を開示している。そこに開示されているテーパージブロックコポリマーは、バッチアニオン重合プロセスで製造される。組成物はまた、エチレン/酢酸ビニルコポリマーを含む。
【0011】
特許文献5及び6に開示されている組成物の主な利点は、バッチミキサー装置における十分な処理可能性及び発泡したコンパウンドの収縮の最小化である。それにもかかわらず、それらに開示される種類のブロックコポリマーを含む架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドは、不均一なセルサイズ、気泡膨れ欠陥、低い柔らかさ及び低い弾力性という欠点を有する。
【0012】
特許文献7は、スチレンとブタジエンのブロックコポリマーを主成分とする加硫ミクロポーラスゴムコンパウンドの配合物を開示している。配合物に硬度を加えるために、スチレン含有量が40~80%の少量の樹脂が含まれている。配合物は、ミクロポーラス又はマイクロセルラーサンダル底の成形に有利であると教示されている。この特許文献には、ブロックコポリマーの分子構成の説明とその組成範囲に関する情報が欠けている。
【0013】
特許文献8、特許文献9及び特許文献10は、使用されるポリマーが、適切な独立気泡発泡のために、溶融状態で1をわずかに下回る好ましいタンデルタ値(損失弾性率と貯蔵弾性率の比、誘電正接としても知られる)を有する様々なポリマー発泡組成物を示している。
【0014】
連続反応器プロセスでアニオン溶液重合によって生成されたブタジエンとスチレンのテーパーブロックコポリマーを含むマイクロセルラー架橋ゴムコンパウンドは、収縮と表面の美観とのバランスが良く、バッチ配合装置での十分な処理可能性があることが知られている。それにもかかわらず、それらは依然としてマイクロセルラー架橋ゴムコンパウンドに硬さ及び低い弾力性を与える。さらに、連続アニオン重合プロセスは、オフグレードとなる推移中の製造に費やすことなく、重合レシピを切り替えて異なるゴムグレードを取得するというバッチプロセスの柔軟性に欠けている。
【0015】
上記のように、早期の膨れ又は早期の架橋の問題なしに、さらなる成分と十分に配合でき、マイクロセルラー架橋ゴムコンパウンドを製造することのできる、結合ジエンとビニル芳香族繰り返し単位のブロックコポリマーの需要がある。製造中の収縮の問題のない架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを提供する、架橋ジエンとビニル芳香族繰り返し単位のブロックコポリマーに基づく組成物の需要もある。優れた表面外観、気泡膨れ欠陥のなさ、改善された柔らかさ及び高弾性を有する物品に成形することができる、共役ジエンとビニル芳香族繰り返し単位のブロックコポリマーを含む架橋ゴム発泡体コンパウンドのさらなる需要もある。優れた発泡特性を備えた共役ジエンとビニル芳香族繰り返し単位のブロックコポリマーを製造するためのバッチ重合プロセスもさらに需要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】英国特許第1,249,220号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0,323,653号明細書
【特許文献3】欧州特許第2,546,291号明細書
【特許文献4】国際公開第2008/083451号
【特許文献5】英国特許第1,111,250号明細書
【特許文献6】米国特許第4,003,860号明細書
【特許文献7】ブラジル国特許出願公開第0601080-6号明細書
【特許文献8】欧州特許第0674578号明細書
【特許文献9】米国特許第8,772,414号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2015/0259491号明細書
【発明の概要】
【0017】
本発明は、アルキルリチウム開始溶液重合によってモノビニル芳香族モノマー及び共役ジエンモノマーから作製された新規な二組成ブロックコポリマーを提供する。本発明の明細書及び特許請求の範囲で使用される「二組成ブロックコポリマーという用語は、分子量、ブロック配置構造、及びモノビニル芳香族繰り返し単位含有量が互いに異なる2種類のブロックコポリマー分子を含むポリマーブレンドを指す。
【0018】
二組成ブロックコポリマー中の各種類のブロックコポリマー分子は、二組成ブロックコポリマー全体の分子量分布のピークとして区別することができる。分子量分布の分子量が最も高いピークを有する画分は、カップリングされたブロックコポリマー分子に相当する。これらのカップリングされたブロックコポリマー分子では、カップリング剤残基は、2つ以上の内部モノビニル芳香族ホモポリマーブロックにのみ共有結合している。各カップリングされたブロックコポリマー分子の残りの部分は、共役ジエンと散在するモノビニル芳香族繰り返し単位でできたポリマーブロック、又は共役ジエン繰り返し単位のみを組み込んだポリマーブロックで構成されている。二組成ブロックコポリマーの分子量分布におけるカップリングされたブロックコポリマーピークに隣接して、より低い分子量範囲で、非カップリングブロックコポリマー分子をグループ化する追加のピーク又はいくつかのピークを区別することができる。これらの非カップリングブロックコポリマー分子は、分子ごとに単一のモノビニル芳香族ホモポリマー末端ブロックを有し、各非カップリングブロックコポリマー分子の残りの部分は、散在するモノビニル芳香族ジエン繰り返し単位を有する共役ジエン繰り返し単位を含むか、又は共役ジエン繰り返し単位のみを含むポリマーブロックによって構築される。カップリングされたブロックコポリマー分子の平均モノビニル芳香族繰り返し単位含有量は、非カップリングブロックコポリマー分子のそれよりも低い。さらに、カップリングされたブロックコポリマー分子中の個々のモノビニル芳香族ホモポリマー内部ブロックの平均分子量は、非カップリングブロックコポリマー分子に見られるモノビニル芳香族ホモポリマー末端ブロックの平均分子量よりも低い。また、カップリングされたブロックコポリマー中に共役ジエン繰り返し単位を含む外側ブロックの平均分子量は、非カップリングブロックコポリマーに見られる共役ジエン繰り返し単位を含むブロックの分子量とほぼ同じである。
【0019】
本発明はまた、バッチ重合反応器において新規な二組成ブロックコポリマーを得るためのプロセスを提供する。
本発明はまた、このクラスのコンパウンドの他の典型的な成分の中でも、新規な二組成ブロックコポリマーを含む架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための組成物を提供する。
【0020】
本発明の組成物は、バンバリーなどの内部バッチミキサーにおいて、低温で架橋マイクロセルラーゴム製造の配合段階を達成することを可能にし、これは、化学発泡剤の早期の膨張を回避し、早期の架橋の問題を回避するのに有益である。配合段階はまた、同じムーニー粘度の従来技術のブロックコポリマーよりも低いトルクで進行し、したがって、この種の配合物に二組成ブロックコポリマーを組み込むことは、配合プロセスでエネルギー節約が得られるので有益である。本発明の組成物はまた、架橋段階中のマイクロセルラーコンパウンドの収縮が無視できる程度であるという利点を提供する。本発明の組成物で製造された成形品は、優れた表面外観、気泡膨れのなさ、高い柔らかさ及び高い弾力性を示す。
【0021】
本発明はまた、このクラスの接着剤の他の典型的な成分の中でも、新規な二組成ブロックコポリマーを含むホットメルト感圧接着剤配合物を提供する。この新規な二組成ブロックコポリマーを含むホットメルト感圧接着剤は、粘着性及び使用温度範囲を改善することが予想外に見出された。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】約38重量%の式[D-(D/A)-A-X(左側)のカップリングされたブロックコポリマーC及び約62重量%の式D-(D/A)-A(右側)の非カップリングブロックコポリマーUからなる二組成ブロックコポリマーの概略図を示す。
図2】約34重量%の式[D-(D/A)-A-X(左側)のカップリングされたブロックコポリマーCならびに約66重量%の式D-(D/A)-A(右側上の4分子)及びD-(D/A)-A(右側下)の非カップリングブロックコポリマーUからなる二組成ブロックコポリマーの概略図を示す。
図3】約38重量%の式[B-(B/A)-A-X(左側)のカップリングされたブロックコポリマーC及び約62重量%の式B-(B/A)-A(右側)の非カップリングブロックコポリマーUからなる二組成ブロックコポリマーの概略図を示す。
図4】約34重量%の式[B-(B/A)-A-X(左側)のカップリングされたブロックコポリマーCならびに約66重量%の式B-(B/A)-A(右側上の4分子)及びB-(B/A)-A(右側下)の非カップリングブロックコポリマーUからなる二組成ブロックコポリマーの概略図を示す。Aは約39重量%である。
図5】約38重量%の式[(B/A)-A-X(左側)のカップリングされたブロックコポリマーC及び約62重量%の式(B/A)-A(右側)の非カップリングブロックコポリマーUからなる二組成ブロックコポリマーの概略図を示す。
図6】約34重量%の式[(B/A)-A-X(左側)のカップリングされたブロックコポリマーCならびに約66重量%の式(B/A)-A(右側上の4分子)及び(B/A)-A(右側下)の非カップリングブロックコポリマーUからなる二組成ブロックコポリマーの概略図を示す。
図7】約38重量%の式[B-A-X(左側)のカップリングされたブロックコポリマーC及び約62重量%の式B-A(右側)の非カップリングブロックコポリマーUからなる二組成ブロックコポリマーの概略図を示す。
図8】約34重量%の式[B-A-X(左側)のカップリングされたブロックコポリマーCならびに約66重量%の式B-A(右側上の4分子)及びB-A(右側下)の非カップリングブロックコポリマーUからなる二組成ブロックコポリマーの概略図を示す。
図9】比較例C-2及びBuna(登録商標)BL30-4548の最先端のブロックコポリマーと比較した、実施例4及び13の二組成ブロックコポリマーの分子量分布を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1から図8において、黒いバーはモノビニル芳香族繰り返し単位の配列を示し、灰色のバーは共役ジエン繰り返し単位の配列を示し、Xは四官能性カップリング剤の残基である。図1から図6において、共役ジエン繰り返し単位の配列中の黒い線は、モノビニル芳香族繰り返し単位が共役ジエン繰り返し単位と共重合された異なる配置を表す。これらの位置及び間隔は、個々のモノビニル芳香族繰り返し単位の特定の位置を示すのではなく、共役ジエン繰り返し単位も含むブロックに沿って散在するモノビニル芳香族繰り返し単位の濃度の傾向を示している。したがって、テーパー共重合の特徴である、わずかな勾配とそれに続く急勾配の濃度プロファイルが、図1及び図2に示されている。共役ジエン繰り返し単位の一部のみを伴うランダム化が図3及び図4に示されている。すべての共役ジエン繰り返し単位を伴う完全にランダム化された配置が図5及び図6に示されている。
【0024】
例示的な実施形態の詳細な説明
本発明は、2種類のブロックコポリマー分子C及びUを含む、モノビニル芳香族モノマー及び共役ジエンモノマーから作製された新規な二組成ブロックコポリマーを提供する。
【0025】
一実施形態では、本発明の二組成ブロックコポリマーは、少なくとも2つの区別可能な画分を有する分子量分布を有し、それぞれの画分は分子量分布にピークを有し、これは示差屈折率検出器を用いた3カラム式のゲル浸透クロマトグラフィー技術によって得られ、ポリスチレン標準を参照するユニバーサルキャリブレーション分子量曲線に依存している(GPC-RI)。隣接する画分は、分子量分布曲線の極小値で互いに区切られる。ブロックコポリマーCは、分子量分布において最も高い分子量のピークを有する画分によって構成され、ブロックコポリマーUは、分子量分布の残りの部分を構成する。
【0026】
一実施形態では、本発明の二組成ブロックコポリマーは、GPC-RIによって得られる二組成ブロックコポリマー分子量分布全体に対して最高分子量のピークを有する画分の積分によって定量化される量のブロックコポリマーCを有し、その量は、20%~80%、より好ましくは30%~60%、最も好ましくは35%~45%である。補足的に、本発明の二組成ブロックコポリマーは、二組成ブロックコポリマー分子量分布全体に対して、GPC-RIによって得られる分子量分布の残りの部分の積分によって定量化される量のブロックコポリマーUを有し、その量は、80%~20%、より好ましくは70%~40%、最も好ましくは65~55%である。一実施形態では、本発明の二組成ブロックコポリマーは、重量パーセントベースで20%~50%の総モノビニル芳香族繰り返し単位含有量、%Aを有し、これはプロトンNMR分析によって決定される。
【0027】
本発明の二組成ブロックコポリマーは、特徴的なモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度(blockiness degree)を有し、これはプロトンNMR分析によって決定される。モノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は、総モノビニル芳香族繰り返し単位に基づいて、ブロックコポリマー中の共役ジエン繰り返し単位に共有結合していないモノビニル芳香族繰り返し単位のモルパーセントとして定量化される。一実施形態では、本発明の二組成ブロックコポリマーは、総モノビニル芳香族繰り返し単位ベースで、約76モル%~約100モル%、より好ましくは約81モル%~約100モル%、最も好ましくは約85モル%~約100モル%のモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度を有する。
【0028】
本発明の二組成ブロックコポリマーの際立った特徴は、ブロックコポリマーUのモノビニル芳香族繰り返し単位含有量が、ブロックコポリマーCのモノビニル芳香族繰り返し単位含有量よりも高いことである。ブロックコポリマーUのモノビニル芳香族繰り返し単位重量パーセント含有量、%A、ブロックコポリマーCのモノビニル芳香族繰り返し単位重量パーセント含有量、%A、及びブロックコポリマー画分UとCの間のモノビニル芳香族繰り返し単位重量パーセント組成差、%CDは、以下のように計算される:
【0029】
【数1】
【0030】
ここで、%Cuvは最高分子量のピークを有する画分のパーセント量を表し、これは、3カラムセットを使用し、261nmの波長でのUV吸収検出器を使用し、ポリスチレン標準を参照するユニバーサルキャリブレーション分子量曲線に依存するGPC技術(GPC-UV)によって得られる本発明の二組成ブロックコポリマーの全分子量分布に対するブロックコポリマーCに対応し、
%Aは、プロトンNMR分析によって得られる、重量ベースでの本発明の二組成ブロックコポリマー全体の総モノビニル芳香族含有量であり、
%Criは最高分子量のピークを有する画分のパーセント量であり、これは、3カラムセットを使用し、示差屈折率検出器を採用し、ポリスチレン標準を参照するユニバーサルキャリブレーション分子量曲線に依存するゲル浸透クロマトグラフィー技術(GPC-RI)によって得られる本発明の二組成ブロックコポリマーの全分子量分布に対するブロックコポリマーCに対応する。
【0031】
一実施形態では、本発明の二組成ブロックコポリマーは、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも15重量%、最も好ましくは少なくとも20重量%の、ブロックコポリマー画分UとCとの間のモノビニル芳香族繰り返し単位重量パーセント組成差、%CDを示す。
【0032】
貯蔵弾性率に対する損失弾性率の比として定義されるタンデルタは、様々なポリマー材料の流動能力と溶融強度との間のバランス、ひいては発泡能力の非常に適切な指標として当技術分野でよく知られている。特定の理論に制限されるものではないが、タンデルタ値が1.0未満のポリマー材料は、発泡剤の膨張中に独立気泡構造を維持するのに十分な溶融強度を有し、これは、セルサイズ分布を狭くして発泡体表面の美観を向上させるのに役立つ。反対に、処理条件でタンデルタ値が1.0を超えるポリマー材料は、発泡中にセル膜の破裂とセルの合体が発生する傾向があり、発泡成形品で気泡膨れ表面の欠陥が発生し得るところまで、セルサイズ分布が広がる可能性がある。
【0033】
徹底的な研究の結果、モノビニル芳香族モノマー及び共役ジエンモノマーのバッチ式アルキルリチウム溶液共重合によって得られた従来技術のコポリマーは、適切なタンデルタプロファイルを得られないことが確認され、また、それらの粘弾性挙動は、不十分な発泡性能に関係していることが見出された。いくつかの従来のブロックコポリマー構造を試験し(テーパー線形ブロックコポリマー、部分的にカップリングされたテーパーブロックコポリマー、様々なレベルのモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度、様々なレベルのモノビニル芳香族含有量、様々な分子量、油展ブロックコポリマー、さらには異なるモノビニル芳香族繰り返し単位含有量のテーパー線形ブロックコポリマーの混合物)、それらのすべては、かなり広い振動剪断周波数範囲で1.0をわずかに超える値でタンデルタプロファイルに伝導された。これらの先行技術の代替物は、架橋マイクロセルラー発泡体組成物に配合された場合、気泡膨れ欠陥が明らかであったため、整った表面美観を欠く成形品を製造した。それにもかかわらず、驚くべきことに、本発明の二組成ブロックコポリマーは、架橋が行われる間に、広範囲の剪断速度及び処理温度にわたって1.00未満のタンデルタ値のみを示すため、発泡目的に有利になる特徴的な粘弾性挙動を有することが見出された。これに対応して、二組成ブロックコポリマーに基づく架橋マイクロセルラー組成物は、非常に均一なセルサイズを有し、それらの成形品は、気泡膨れ欠陥のない優れた表面美観を有することが見出された。
【0034】
一実施形態では、本発明の二組成ブロックコポリマーは、100℃及び13.95%のひずみで、振動周波数0.25rad/sから200rad/sまで網羅する動的振動剪断試験を実施した場合、0.74~0.95、より好ましくは0.74~0.88、最も好ましくは0.74~0.81の最大タンデルタ値を示す。通常、動的振動剪断試験の場合、本発明の二組成ブロックコポリマーは、100℃及び13.95%のひずみで、振動周波数を0.25~200rad/sまで変化させたとき、1.00未満のタンデルタ値を有する。より高い温度では、動的振動剪断試験の場合、本発明の二組成ブロックコポリマーは、140℃及び13.95%のひずみで振動周波数を0.25~200rad/sまで変化させたとき、1.00未満、0.95未満、0.90未満又は0.85未満のタンデルタ値を有することも見出された。
【0035】
一実施形態では、本発明の二組成ブロックコポリマーは、25~90、好ましくは30~60、より好ましくは35~55のムーニー粘度(ML1+4、100℃)を有する。
一実施形態では、本発明の二組成ブロックコポリマーは、13.95%のひずみ、0.99rad/sの振動周波数、及び100℃の温度で評価したとき、50000Pa・s~360000Pa・sの複合剪断動粘度を有する。一実施形態では、本発明の二組成ブロックコポリマーは、100rad/s及び100℃で評価したとき、3000Pa・s~12000Pa・sの複合動粘度を有する。
【0036】
極性修飾剤化合物又はランダマイザーの非存在下、バルクで又は非極性炭化水素溶媒溶液中のいずれかにおける、共役ジエンモノマーとモノビニル芳香族モノマーのアルキルリチウム開始バッチ共重合は、D-(D/A)-A型のテーパー状又は段階的ジブロックコポリマーとして知られているものを生成し、ここで、Dは、共役ジエン繰り返し単位が豊富なポリマーブロックであり、(D/A)は、Dブロックに隣接する末端に向かって共役ジエン繰り返し単位がより豊富になり、その反対側の末端に向かってモノビニル芳香族繰り返し単位の方が実質的に豊富になるまでその組成が徐々に変化するポリマーブロックであり、Aは、モノビニル芳香族繰り返し単位のみから形成されたポリマーブロックである。共役ジエンモノマー及びモノビニル芳香族モノマーのそのようなテーパー状又は段階的ジブロックコポリマーの製造及び応用は、当業者にはよく知られており、H.L.Hsie,R.P.Quirk、アニオン重合:原理及び実用的応用(Anionic Polymerization:Principles and Practical Applications)、Marcel Dekker,Inc.第239~251頁及び第448~454頁に定義及び記載されている。
【0037】
好ましい実施形態では、本発明の二組成ブロックコポリマーは、ブロックコポリマーC及びブロックコポリマーUを含み、ここで、
ブロックコポリマーCは以下の一般式を有し:
[D-(D/A)-A-X;
ブロックコポリマーUは以下の一般式を有し:
D-(D/A)-A;又は
D-(D/A)-A及びD-(D/A)-A、ここで
Dは、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、共役ジエン繰り返し単位は、ポリマーブロックの全長に沿ってモノビニル芳香族繰り返し単位よりもモル量が多く;
(D/A)は、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、A又はAの反対側のポリマーブロック末端は主として共役ジエン繰り返し単位で構成されており、A又はAに隣接する末端に向かって実質的にモノビニル芳香族繰り返し単位で構成されるまで、その長さに沿ってその組成が徐々に変化し;
及びAは、モノビニル芳香族モノマーのみから形成されたポリマーブロックであり;
ポリマーブロックAはポリマーブロックAよりも分子量が大きく;
Xはカップリング剤の残基であり;
nは2~30までの値の整数であり;
式[D-(D/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子は、GPC-RIで測定した場合、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め;
式D-(D/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子は、GPC-RIで測定した場合、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め;
式D-(D/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子は、GPC-RIで測定した場合、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約0~約20重量%を占める。
【0038】
別の実施形態では、本発明の二組成ブロックコポリマーは、ブロックコポリマーC及びブロックコポリマーUを含み、ここで、
ブロックコポリマーCは以下の一般式を有し:
[B-(B/A)-A-X;
ブロックコポリマーUは以下の一般式を有し:
B-(B/A)-A;又は
B-(B/A)-A及びB-(B/A)-A、ここで:
Bは、1種以上の共役ジエンモノマーのみから形成されたポリマーブロックであり;
(B/A)は、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、共役ジエン及びモノビニル芳香族繰り返し単位は、ポリマーブロックに沿ってランダムに配置されており;
及びAは、モノビニル芳香族モノマーのみから形成されたポリマーブロックであり、ポリマーブロックAはポリマーブロックAよりも分子量が大きく;
Xはカップリング剤の残基であり;
nは2~30の値の整数であり;
式[B-(B/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子は、GPC-RIで測定した場合、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め;
式B-(B/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子は、GPC-RIで測定した場合、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め;
式B-(B/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子は、GPC-RIで測定した場合、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約0~約20重量%を占める。
【0039】
別の実施形態では、本発明の二組成ブロックコポリマーは、ブロックコポリマーC及びブロックコポリマーUを含み、ここで、
ブロックコポリマーCは以下の一般式を有し
[B-A-X:及び
ブロックコポリマーUは以下の一般式を有し
B-A;又は
B-A及びB-A、ここで:
Bは、1種以上の共役ジエンモノマーのみから形成されたポリマーブロックであり;
及びAは、モノビニル芳香族モノマーのみから形成されたポリマーブロックであり;
ポリマーブロックAはポリマーブロックAよりも分子量が大きく;
Xはカップリング剤の残基であり;
nは2~30までの値の整数であり;
式[B-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子は、GPC-RIで測定した場合、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め;
式B-Aの非カップリングブロックコポリマー分子は、GPC-RIで測定した場合、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め;
式B-Aの非カップリングブロックコポリマー分子は、GPC-RIで測定した場合、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約0~約20重量%を占める。
【0040】
別の実施形態では、本発明の二組成ブロックコポリマーは、ブロックコポリマーC及びブロックコポリマーUを含み、ここで、
ブロックコポリマーCは以下の一般式を有し:
[(B/A)-A-X;
ブロックコポリマーUは以下の一般式を有し:
(B/A)-A;又は
(B/A)-A及び(B/A)-A、ここで:
(B/A)は、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、共役ジエン及びモノビニル芳香族繰り返し単位は、ポリマーブロックに沿ってランダムに配置されており;
及びAは、モノビニル芳香族モノマーのみから形成されたポリマーブロックであり、ポリマーブロックAはポリマーブロックAよりも分子量が大きく;
Xはカップリング剤の残基であり;
nは2~30までの値の整数であり;
式[(B/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子は、GPC-RIで測定した場合、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め;
式(B/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子は、GPC-RIで測定した場合、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め;
式(B/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子は、GPC-RIで測定した場合、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約0~約20重量%を占める。
【0041】
本発明の別の態様は、バッチ反応器において新規な二組成ブロックコポリマーを作製するための方法を提供し、これは、アニオン重合条件下で少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び1種のモノビニル芳香族モノマーを反応させること、及び2種類の2つのタイプのブロックコポリマー分子C及びUを含む二組成ブロックコポリマーを形成することを含む。
【0042】
本発明の好ましい実施形態は、バッチ反応器において新規な二組成ブロックコポリマーを製造するための方法であって、
炭化水素溶媒、少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマー及び少なくとも1種の共役ジエンモノマーを任意の順序で反応器に加えること;
単官能性有機リチウム開始剤化合物を反応器に添加し、モノマー混合物をアニオン重合させて完全に変換し、式D-(D/A)-A (-)のブロックコポリマーアニオンを形成すること;
限られた量のカップリング剤を反応器に添加して、コポリマーアニオンD-(D/A)-A (-)の一部のみをカップリングすることにより、非カップリングブロックコポリマーアニオンD-(D/A)-A (-)及び式[D-(D/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子の混合物を生成すること;
モノビニル芳香族モノマーを反応器に添加し、このモノマーをアニオン重合させることにより、残りのブロックコポリマーアニオンD-(D/A)-A (-)に追加して、式D-(D/A)-A (-)の鎖延長テーパーブロックコポリマーアニオン及び式[D-(D/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子の混合物を形成すること;及び
反応器にプロトン供与体化合物又は求電子性単官能性添加剤を、残りのすべてのブロックコポリマーアニオンD-(D/A)-A (-)を停止させるのに十分な量で添加することを含む。
【0043】
このようにして、2種類のブロックコポリマー分子C及びUを含む二組成ブロックコポリマーが、バッチ反応器においてその場で生成され、ここで、
Cは一般式[D-(D/A)-A-Xのブロックコポリマーであり;
Uは一般式D-(D/A)-Aのブロックコポリマーであり;
Dは、共役ジエンモノマー及びモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、共役ジエン繰り返し単位のモル量が最も多く;
(D/A)は、Dブロックに隣接する末端に向かって共役ジエン繰り返し単位がより豊富になり、その反対側の末端に向かってモノビニル芳香族繰り返し単位の方が実質的に豊富になるまでその組成が徐々に変化するポリマーブロックであり;
及びAは、モノビニル芳香族繰り返し単位のみを含むポリマーブロックであり;
ポリマーブロックAはポリマーブロックAよりも分子量が大きく;
Xはカップリング剤の残基である。
【0044】
nは、使用するカップリング剤に応じて2~約30に及ぶ整数であり;
ブロックコポリマーCは、ブロックコポリマーUよりも分子量が大きく、モノビニル芳香族繰り返し単位含有量が少ない。
【0045】
本発明の追加の実施形態は、バッチ反応器において新規な二組成ブロックコポリマーを製造するための方法であって:炭化水素溶媒、少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマー及び少なくとも1種の共役ジエンモノマーを任意の順序で反応器に加えること;単官能性有機リチウム開始剤化合物を反応器に添加し、モノマー混合物をアニオン重合させて完全に変換し、式D-(D/A)-A (-)のブロックコポリマーアニオンを形成すること;カップリング剤を反応器に加えて、ブロックコポリマーアニオンD-(D/A)-A (-)の一部のみをカップリングすることで、ブロックコポリマーアニオンD-(D/A)-A (-)及び式[D-(D/A)-A-Xのカップリングされたテーパーブロックコポリマー分子の混合物を生成すること;プロトン供与体化合物又は求電子性単官能性化合物を限られた量で反応器に添加して、ブロックコポリマーアニオンの一部のみを停止させることで、式D-(D/A)-A (-)のブロックコポリマーアニオン、式[D-(D/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子、及びブロックコポリマーD-(D/A)-Aの混合物を生成すること;モノビニル芳香族モノマーを反応器に添加し、このモノマーをアニオン重合させることにより、残りのブロックコポリマーアニオンD-(D/A)-A (-)に追加して、式D-(D/A)-A (-)の鎖延長ブロックコポリマーアニオン、式[D-(D/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子、及び式D-(D/A)-Aのブロックコポリマー分子の混合物を形成すること;反応器にプロトン供与体化合物又は求電子性単官能性化合物、あるいはそれらの混合物を、残りのすべてのブロックコポリマーアニオンD-(D/A)-A (-)を停止させるのに十分な量で添加することを含む。
【0046】
このようにして、2種類のブロックコポリマー分子C及びUを含む二組成ブロックコポリマーが、バッチ反応器内においてその場で生成される。ここで、Cは一般式[D-(D/A)-A-Xのブロックコポリマーであり、Uは一般式D-(D/A)-A及びD-(D/A)-Aのブロックコポリマーであり、Dは、共役ジエンモノマー及びモノビニル芳香族モノマーから形成され、共役ジエン繰り返し単位のモル量が最も多いポリマーブロックであり、(D/A)は、Dブロックに隣接する末端に向かって共役ジエン繰り返し単位がより豊富になり、その反対側の末端に向かってモノビニル芳香族繰り返し単位の方が実質的に豊富になるまでその組成が徐々に変化するポリマーブロックであり、A及びAは、モノビニル芳香族繰り返し単位のみを含むポリマーブロックであり、ポリマーブロックAは、ポリマーブロックAよりも分子量が大きく、Xはカップリング剤の残基であり、nは、使用するカップリング剤に応じて2~約30に及ぶ整数であり、ブロックコポリマーCは、ブロックコポリマーUよりも分子量が大きく、モノビニル芳香族繰り返し単位含有量が少ない。
【0047】
本発明の別の実施形態は、新規な二組成ブロックコポリマーを製造するための方法であって、炭化水素溶媒、ランダマイザー又は極性修飾剤、及び少なくとも1種の共役ジエンモノマーを任意の順序で反応器に加えること;単官能性有機リチウム開始剤化合物を反応器に添加し、共役ジエンモノマーをアニオン重合させて約80%~約95%の変換レベルに到達させ、式B(-)のポリマーアニオンを形成すること;モノビニル芳香族モノマーを反応器に添加し、これは最初は残っている共役ブタジエンモノマーとランダムに共重合して、共役ジエンが完全に変換されるまでブロックコポリマーアニオンB-(B/A)(-)を生成し、その後、モノビニル芳香族モノマーのみを、モノビニル芳香族モノマーが完全に変換されるまでブロックコポリマーアニオンに組み込ませて式B-(B/A)-A (-)のポリマーアニオンを形成すること;限られた量のカップリング剤を反応器に添加して、コポリマーアニオンB-(B/A)-A (-)の一部のみをカップリングすることで、ブロックコポリマーアニオンB-(B/A)-A (-)及び式[B-(B/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子の混合物を生成すること;モノビニル芳香族モノマーを反応器に添加し、このモノマーをアニオン重合させることにより、ブロックコポリマーアニオンB-(B/A)-A (-)に追加して、式B-(B/A)-A (-)のモノビニル芳香族鎖延長ブロックコポリマーアニオン及び式[B-(B/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子の混合物を形成すること;反応器にプロトン供与体化合物又は求電子性単官能性添加剤を、残りのすべてのブロックコポリマーアニオンB-(B/A)-A (-)を停止させるのに十分な量で添加することを含む。
【0048】
このようにして、2種類のブロックコポリマー分子C及びUを含む二組成ブロックコポリマーが、バッチ反応器においてその場で生成される。ここで、Cは一般式[B-(B/A)-A-Xのブロックコポリマーであり、Uは一般式B-(B/A)-Aのブロックコポリマーであり、Bは、共役ジエン繰り返し単位のみを含むポリマーブロックであり、(B/A)は、ポリマーブロックに沿ってランダムに配置されたモノビニル芳香族及び共役ジエン繰り返し単位を含むポリマーブロックであり、A及びAは、モノビニル芳香族繰り返し単位のみを含むポリマーブロックであり、ポリマーブロックAは、ポリマーブロックAよりも分子量が大きく、Xはカップリング剤の残基であり、nは、使用するカップリング剤に応じて2~約30に及ぶ整数であり、ブロックコポリマーCは、ブロックコポリマーUよりも分子量が大きく、モノビニル芳香族繰り返し単位含有量が少ない。
【0049】
本発明の別の実施形態は、新規な二組成ブロックコポリマーを製造するための方法であって、炭化水素溶媒、ランダマイザー又は極性修飾剤、及び少なくとも1種の共役ジエンモノマーを任意の順序で反応器に加えること;単官能性有機リチウム開始剤化合物を反応器に添加し、共役ジエンモノマーをアニオン重合させて約80%~約95%の変換レベルに到達させ、式B(-)のポリマーアニオンを形成すること;モノビニル芳香族モノマーを反応器に添加し、これは最初は残っている共役ブタジエンモノマーとランダムに共重合して、共役ジエンが完全に変換されるまでブロックコポリマーアニオンB-(B/A)(-)を生成し、その後、モノビニル芳香族モノマーのみを、モノビニル芳香族モノマーが完全に変換されるまでブロックコポリマーアニオンに添加して式B-(B/A)-A (-)のポリマーアニオンを形成すること;限られた量のカップリング剤を反応器に添加して、コポリマーアニオンB-(B/A)-A (-)の一部のみをカップリングすることで、ブロックコポリマーアニオンB-(B/A)-A (-)及び式[B-(B/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子の混合物を生成すること;プロトン供与体化合物又は求電子性単官能性化合物を限られた量で反応器に添加して、ブロックコポリマーアニオンの一部のみを停止させることで、式B-(B/A)-A (-)のブロックコポリマーアニオン、式[B-(B/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子、及び式B-(B/A)-Aのブロックコポリマーの混合物を生成すること;モノビニル芳香族モノマーを反応器に添加し、このモノマーをアニオン重合させることにより、ブロックコポリマーアニオンB-(B/A)-A (-)に追加して、式B-(B/A)-A (-)の鎖延長ブロックコポリマーアニオン、式[B-(B/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子、及び式B-(B/A)-Aのブロックコポリマー分子の混合物を形成すること;反応器にプロトン供与体化合物又は求電子性単官能性化合物を、残りのすべてのブロックコポリマーアニオンB-(B/A)-A (-)を停止させるのに十分な量で添加することを含む。
【0050】
このようにして、2種類のブロックコポリマー分子C及びUを含む二組成ブロックコポリマーが、バッチ反応器内においてその場で生成される。ここで、Cは一般式[B-(B/A)-A-Xのブロックコポリマーであり、Uは一般式:B-(B/A)-A及びB-(B/A)-Aのブロックコポリマーであり、Bは、共役ジエン繰り返し単位のみを含むポリマーブロックであり、(B/A)は、ポリマーブロックに沿ってランダムに配置されたモノビニル芳香族及び共役ジエン繰り返し単位を含むポリマーブロックであり、A及びAは、モノビニル芳香族繰り返し単位のみを含むポリマーブロックであり、ポリマーブロックAは、ポリマーブロックAよりも分子量が大きく、Xはカップリング剤の残基であり、nは、使用するカップリング剤に応じて2~約30に及ぶ整数であり、ブロックコポリマーCは、ブロックコポリマーUよりも分子量が大きく、モノビニル芳香族繰り返し単位含有量が少ない。
【0051】
本発明の別の実施形態は、新規な二組成ブロックコポリマーを製造するための方法であって、炭化水素溶媒、ランダマイザー又は極性修飾剤、少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマー及び少なくとも1種の共役ジエンモノマーを任意の順序で反応器に加えること;単官能性有機リチウム開始剤化合物を反応器に添加し、モノビニル芳香族モノマー及び共役ジエンモノマーをアニオン共重合させて完全に変換し、式(B/A)(-)のランダムコポリマーアニオンを形成すること;モノビニル芳香族モノマーを反応器に添加し、このモノマーをアニオン重合させることにより、ランダムコポリマーアニオン(B/A)(-)に追加して、式(B/A)-A (-)のブロックコポリマーアニオンを形成すること;限られた量のカップリング剤を反応器に添加して、ブロックコポリマーアニオン(B/A)-A (-)の一部のみをカップリングすることで、ブロックコポリマーアニオン(B/A)-A (-)及び式[(B/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子の混合物を生成すること;モノビニル芳香族モノマーを反応器に添加し、このモノマーをアニオン重合させることにより、ブロックコポリマーアニオン(B/A)-A (-)に追加して、式(B/A)-A (-)の鎖延長ブロックコポリマーアニオン及び式[(B/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子の混合物を形成すること;反応器にプロトン供与体化合物又は求電子性単官能性添加剤を、残りのすべてのブロックコポリマーアニオン(B/A)-A (-)を停止させるのに十分な量で添加することを含む。
【0052】
このようにして、2種類のブロックコポリマー分子C及びUを含む二組成ブロックコポリマーが、バッチ反応器内においてその場で生成される。ここで、Cは一般式[(B/A)-A-Xのブロックコポリマーであり、Uは一般式:(B/A)-Aのブロックコポリマーであり、(B/A)は、ランダム化されたモノビニル芳香族及び共役ジエン繰り返し単位を含むポリマーブロックであり、A及びAは、モノビニル芳香族繰り返し単位のみを含むポリマーブロックであり、ポリマーブロックAは、ポリマーブロックAよりも分子量が大きく、Xはカップリング剤の残基であり、nは、使用するカップリング剤に応じて2~約30に及ぶ整数であり、ブロックコポリマーCは、ブロックコポリマーUよりも分子量が大きく、モノビニル芳香族繰り返し単位含有量が少ない。
【0053】
本発明の別の実施形態は、新規な二組成ブロックコポリマーを製造するための方法であって、炭化水素溶媒、ランダマイザー又は極性修飾剤、少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマー、及び少なくとも1種の共役ジエンモノマーを任意の順序で反応器に加えること;単官能性有機リチウム開始剤化合物を反応器に添加し、モノビニル芳香族モノマー及び共役ジエンモノマーをアニオン共重合させて完全に変換し、式(B/A)(-)のランダムコポリマーアニオンを形成すること;モノビニル芳香族モノマーを反応器に添加し、このモノマーをアニオン重合させることにより、ランダムコポリマーアニオン(B/A)(-)に追加して、式(B/A)-A (-)のブロックコポリマーアニオンを形成すること;限られた量のカップリング剤を反応器に添加して、ブロックコポリマーアニオン(B/A)-A (-)の一部のみをカップリングすることで、ブロックコポリマーアニオン(B/A)-A (-)及び式[(B/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子の混合物を生成すること;プロトン供与体化合物又は求電子性単官能性化合物を限られた量で反応器に添加して、ブロックコポリマーアニオンの一部のみを停止させることで、式(B/A)-A (-)のブロックコポリマーアニオン、式[(B/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子、及び式(B/A)-Aのブロックコポリマーの混合物を生成すること;モノビニル芳香族モノマーを反応器に添加し、このモノマーをアニオン重合させることにより、残っているブロックコポリマーアニオン(B/A)-A (-)に追加して、式(B/A)-A (-)の鎖延長ブロックコポリマーアニオン、式[(B/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子、及び式(B/A)-Aのブロックコポリマー分子の混合物を形成すること;反応器にプロトン供与体化合物又は求電子性単官能性添加剤、あるいはそれらの混合物を、残りのすべてのブロックコポリマーアニオン(B/A)-A (-)を停止させるのに十分な量で添加することを含む。
【0054】
このようにして、2種類のブロックコポリマー分子C及びUを含む二組成ブロックコポリマーが、バッチ反応器内においてその場で生成される。ここで、Cは一般式[(B/A)-A-Xのブロックコポリマーであり、Uは一般式:(B/A)-A及び(B/A)-Aのブロックコポリマーであり、(B/A)は、モノビニル芳香族及び共役ジエン繰り返し単位を含むランダムコポリマーブロックであり、A及びAは、モノビニル芳香族繰り返し単位のみを含むポリマーブロックであり、ポリマーブロックAは、ポリマーブロックAよりも分子量が大きく、Xはカップリング剤の残基であり、nは、使用するカップリング剤に応じて2~約30に及ぶ整数であり、ブロックコポリマーCは、ブロックコポリマーUよりも分子量が大きく、モノビニル芳香族繰り返し単位含有量が少ない。
【0055】
本発明の別の実施形態は、新規な二組成ブロックコポリマーを製造するための方法であって、炭化水素溶媒、ランダマイザー又は極性修飾剤、及び少なくとも1種の共役ジエンモノマーを任意の順序で反応器に加えること;単官能性有機リチウム開始剤化合物を反応器に添加し、共役ジエンモノマーを完全に変換するまでアニオン重合させて、式B(-)のポリマーアニオンを形成すること;モノビニル芳香族モノマーを反応器に添加し、このモノマーをアニオン重合させることにより、ポリマーアニオンB(-)に追加して、式B-A (-)のブロックコポリマーアニオンを形成すること;限られた量のカップリング剤を反応器に添加して、コポリマーアニオンB-A (-)の一部のみをカップリングすることで、ブロックコポリマーアニオンB-A (-)及び式[B-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子の混合物を生成すること;モノビニル芳香族モノマーを反応器に添加し、このモノマーをアニオン重合させることにより、ブロックコポリマーアニオンB-A (-)に追加して、式B-A (-)の鎖延長ブロックコポリマーアニオン及び式[B-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子の混合物を生成すること;反応器にプロトン供与体化合物又は求電子性単官能性化合物を、残りのすべてのブロックコポリマーアニオンB-A (-)を停止させるのに十分な量で添加することを含む。
【0056】
このようにして、2種類のブロックコポリマー分子C及びUを含む二組成ブロックコポリマーが、バッチ反応器においてその場で生成される。ここで、Cは一般式[B-A-Xのブロックコポリマーであり、Uは一般式B-Aのブロックコポリマーであり、Bは、共役ジエン繰り返し単位のみを含むポリマーブロックであり、A及びAは、モノビニル芳香族繰り返し単位が豊富なポリマーブロックであり、ポリマーブロックAは、ポリマーブロックAよりも分子量が大きく、Xはカップリング剤の残基であり、nは、使用するカップリング剤に応じて2~約30に及ぶ整数であり、ブロックコポリマーCは、ブロックコポリマーUよりも分子量が大きく、モノビニル芳香族繰り返し単位含有量が少ない。
【0057】
本発明の別の実施形態は、新規な二組成ブロックコポリマーを製造するための方法であって、炭化水素溶媒、ランダマイザー又は極性修飾剤、及び少なくとも1種の共役ジエンモノマーを任意の順序で反応器に加えること;単官能性有機リチウム開始剤化合物を反応器に添加し、共役ジエンモノマーを完全に変換するまでアニオン重合させて、式B(-)のポリマーアニオンを形成すること;モノビニル芳香族モノマーを反応器に添加し、このモノマーをアニオン重合させることにより、ポリマーアニオンB(-)に追加して、式B-A (-)のブロックコポリマーアニオンを形成すること;限られた量のカップリング剤を反応器に添加して、コポリマーアニオンB-A (-)の一部のみをカップリングすることで、ブロックコポリマーアニオンB-A (-)及び式[B-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子の混合物を生成すること;プロトン供与体化合物又は求電子性単官能性化合物を限られた量で反応器に添加して、ブロックコポリマーアニオンの一部のみを停止させることで、式B-A (-)のブロックコポリマーアニオン、式[B-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子、及び式B-Aのブロックコポリマーの混合物を生成すること;モノビニル芳香族モノマーを反応器に添加し、このモノマーをアニオン重合させることにより、残っているブロックコポリマーアニオンB-A (-)に追加して、式B-A (-)の鎖延長ブロックコポリマーアニオン、式[B-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子、及び式B-Aのブロックコポリマー分子の混合物を形成すること;反応器にプロトン供与体化合物又は求電子性単官能性添加剤、あるいはそれらの混合物を、残りのすべてのブロックコポリマーアニオンB-A (-)を停止させるのに十分な量で添加することを含む。
【0058】
このようにして、2種類のブロックコポリマー分子C及びUを含む二組成ブロックコポリマーが、バッチ反応器においてその場で生成される。ここで、Cは一般式[B-A-Xのブロックコポリマーであり、Uは一般式B-A及びB-Aのブロックコポリマーであり、Bは、共役ジエン繰り返し単位のみを含むポリマーブロックであり、A及びAは、モノビニル芳香族繰り返し単位が豊富なポリマーブロックであり、ポリマーブロックAは、ポリマーブロックAよりも分子量が大きく、Xはカップリング剤の残基であり、nは、使用するカップリング剤に応じて2~約30に及ぶ整数であり、ブロックコポリマーCは、ブロックコポリマーUよりも分子量が大きく、モノビニル芳香族繰り返し単位含有量が少ない。
【0059】
本発明の二組成ブロックコポリマーを得るための方法のいくつかの実施形態において、プロトン供与体及び/又は単官能性求電子性停止剤は、最後に投入したモノビニル芳香族モノマーのブロックコポリマー化の前に、ブロックコポリマーアニオンを部分的に不活性化するために供給される。このような停止剤は、モノビニル芳香族モノマーを最後に投入する前に、又はモノビニル芳香族モノマーを最後に投入するのと同時に反応器に添加することができる。そのような停止剤の例は、水、tert-ブチルカテコールなどの重合阻害剤、フェノール系酸化防止剤、アルコール、有機酸、無機酸、クロロトリメチルシランなどである。
【0060】
ブロックコポリマー化は、通常は不活性雰囲気下、不活性炭化水素溶媒中で、重合反応の早期の停止を防ぐために高度に精製された試薬を使用して実施される。本発明を実施するのに適切な溶媒には、限定するものではないが、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘプタン、ベンゼン、ナフタレン、トルエン、エチルベンゼン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、n-プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n-ブチルベンゼン等又はそれらの混合物が挙げられる。シクロヘキサンは、本発明において好ましい溶媒である。
【0061】
いくつかの実施形態では、(B/A)ランダムポリマーブロックを形成するため、ならびに共役ジエニルリチウム単位で終端しているポリマーアニオンへのモノビニル芳香族モノマーの追加を加速するために、極性修飾剤としても知られるランダマイザーを使用して、モノビニル芳香族モノマー及び共役ジエンモノマーのランダム共重合を促進する。ランダマイザーはまた、アニオン重合された共役ジエンの1,2及び3,4-付加を引き起こす。それにもかかわらず、1,2-ビニル及び3,4-ビニル付加された共役ジエン繰り返し単位は、架橋/加硫反応に対してより反応性がある。したがって、本発明の二組成ブロックコポリマーを製造する方法における共重合速度と本発明のマイクロセルラーゴムコンパウンドの架橋速度とのバランスをとるために、最適量の極性修飾剤化合物を選択する必要がある。共役ジエン重合中のブロック重合速度の加速及び1,2-ビニル及び3,4-ビニル付加の富化は、選択された極性修飾剤に応じて変化し、この挙動は当業者によく知られている。本発明の二組成ブロックコポリマーを製造するために使用できる極性修飾剤には、エーテル、第三級アミン、アミノエーテル及び第IA族アルカリ金属アルコキシドなどのルイス塩基、ならびにそれらの組合せが挙げられる。これらの適切なエーテル極性修飾剤の特定の例には、限定するものではないが、単官能性、多官能性及びオリゴマーのアルキル及び環状エーテル、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジ-n-プロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、テトラメチレンオキシド(テトラヒドロフラン)、1,2-ジメトキシエタン、ビス-テトラヒドロフラン、ジテトラヒドロフリルプロパン(DTHFP)、エチルテトラヒドロフルフリルエーテルが挙げられる。適切な第三級アミン極性修飾剤の特定の例には、限定するものではないが、単官能性、多官能性又はオリゴマーのアルキル及び環状第三級アミン、例えば、ジメチルエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、1,3,5-トリメチルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、それらの組合せなどが挙げられる。これらの適切なアミノエーテル極性修飾剤の特定の例には、限定するものではないが、テトラヒドロフルフリル-N,N-ジメチルアミン、ビス(2-(ジメチルアミノ)エチル)エーテル、2,2-ジモルホリノエチルエーテルなど、及びそれらの混合物が挙げられる。これらの適切な第IA族アルカリ金属アルコキシド(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウム塩)の特定の例には、限定するものではないが、単官能性、多官能性及びオリゴマーのアルキル及び環状金属アルコキシド、例えば、ナトリウムtert-ブトキシド、ナトリウムtert-ブトキシドアミラート、ナトリウムメントラート(sodium mentholate)、カリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-アミラート、カリウムメントラート、カリウム3,7-ジメチル-3-オクタノラートなど、及びそれらの混合物が挙げられる。極性修飾剤は、反応器に直接投入することも、方法で使用するために事前に溶媒に溶解させることもできる。本発明の反応系における極性修飾剤濃度は、溶媒100万重量部あたり5~5000部、より好ましくは溶媒100万重量部あたり10~1000部、最も好ましくは溶媒100万重量部あたり20~100部である。
【0062】
本発明の二組成ブロックコポリマーの製造に使用するのに適切な共役ジエンモノマーには、限定するものではないが、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、メチルペンタジエン、フェニルブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,4-ヘキサジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-シクロヘキサジエン、3,4-ジメチル-1,3-ヘキサジエン、1,3-オクタジエン、4,5-ジエチル-1,3-オクタジエン、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0063】
本発明の二組成ブロックコポリマーの製造に使用するのに適切なモノビニル芳香族モノマーには、限定するものではないが、スチレン、3-メチルスチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α,4-ジメチルスチレン、t-ブチルスチレン、o-クロロスチレン、2-ブテニルナフタレン、4-t-ブトキシスチレン、3-イソプロペニルビフェニル、4-ビニルピリジン、2-ビニルピリジン、イソプロペニルナフタレン、4-n-プロピルスチレン、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0064】
本発明の二組成ブロックコポリマーは、アニオン重合可能なモノマーを、開始剤としての単官能性有機リチウム化合物と接触させることによるアニオン重合によって調製される。これらの化合物の好ましいクラスは、式RLiで表すことができ、Rは、1~20個の炭素原子を含む脂肪族、脂環式、及び芳香族のラジカルからなる群から選択される炭化水素ラジカルであるが、より高分子量の開始剤を使用することもできる。多くのアニオン重合開始剤がよく知られており、市販されている。ブチルリチウムなどの単官能性有機リチウム化合物は、一般的に使用される開始剤の例である。これらの開始剤の具体例には、メチルリチウム、エチルリチウム、tert-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、n-ブチルリチウム、n-デシルリチウム、イソプロピルリチウム、エイコシルリチウム、シクロヘキシルリチウムなどのシクロアルキルリチウム化合物、及びフェニルリチウム、ナフチルリチウム、p-トルイルリチウム、1,1-ジフェニルヘキシルリチウムなどのアリールリチウム化合物などが挙げられる。保護された極性官能基で置換された単官能性有機リチウム化合物も、アニオン重合の開始剤として使用することができる。
【0065】
本発明の二組成ブロックコポリマーを製造するための方法に関連する実施形態において、単官能性有機リチウム開始剤の量は、二組成ブロックコポリマーの所望の粘度ならびにその製造方法で使用される溶媒及びモノマーの純度レベルに応じて変化する。好ましくは、本発明の二組成ブロックコポリマーを製造する方法における単官能性有機リチウム開始剤の量は、反応器に投入される全共役ジエンモノマー+モノビニル芳香族モノマーの1キログラムあたり約2ミリモル~約30ミリモルであり、より好ましくは、反応器に投入される全共役ジエンモノマー+モノビニル芳香族モノマーの1キログラムあたり約12ミリモル~約26ミリモルであり、最も好ましくは、反応器に投入される全共役ジエンモノマー+モノビニル芳香族モノマーの1キログラムあたり約16ミリモル~約22ミリモルである。
【0066】
アニオン重合は通常、-100℃~150℃の範囲の温度、好ましくは25℃~120℃の温度で実施される。通常、反応溶媒の50~90重量%が、反応ゾーン内で粘度を制御するために使用され、好ましくは70~85%である。アニオン重合の典型的な滞留時間は、反応温度、モノマー濃度、及び開始剤レベルに応じて、0.1~5時間、好ましくは0.2~1時間の間で変化する。
【0067】
本発明によって提供される方法の実施形態において、アニオン重合されたブロックコポリマーアニオンは、部分的カップリングを受ける。部分的カップリングとは、すべてのリビングアニオン重合ポリマー鎖末端のうちの一部がカップリング剤とカップリングすることを意味する。リビングアニオン重合ブロックコポリマー鎖末端と、適切なカップリング剤との反応は、さらなる重合のためのアニオン活性中心を持たないカップリングされたブロックコポリマーをもたらす。カップリング剤は、望ましくは、2~30個のアニオン重合ポリマー鎖をカップリングするが、より多くの鎖をカップリングすることが可能なカップリング剤を使用することもできる。部分的カップリング工程で使用するのに適切なカップリング剤には、限定するものではないが、エポキシ化大豆油、ハロゲン化ケイ素、シラン化合物などの官能化ケイ素化合物、及び米国特許第7,517,934号明細書に記載されているものなどの官能化オリゴマー化合物が挙げられる。米国特許第7,517,934号明細書の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。四塩化ケイ素、三塩化ケイ素メチル(methyl silicon trichloride)及び二塩化ケイ素ジメチル(dimethyl silicon dichloride)は、適切なカップリング剤の具体例であり、四塩化ケイ素は、この用途に特に適している。部分的カップリングは、カップリング剤とリビングポリマーの化学量論比を制御することによって実現される。部分的カップリングは、所望の特性を備えたブロックコポリマーブレンドをもたらす。
【0068】
次に、重合反応の完了時に、ブロックコポリマーアニオンを停止させるために全反応混合物を処理し、本発明の二組成ブロックコポリマーを回収する。この停止は、反応器に水、アルコール、あるいは有機酸又は無機酸などのプロトン供与体化合物を供給することによって達成される。添加される停止剤の量は、少なくとも、反応器内に残っているブロックコポリマーアニオンの量に対応する化学量論量である必要がある。
【0069】
本発明の二組成ブロックコポリマーを製造する方法のすべての実施形態におけるさらなるステップは、二組成ブロックコポリマーがまだ炭化水素溶液中にある間に酸化防止剤系を追加することが望ましいことである。酸化防止剤系は、二組成ブロックコポリマーを後の処理ステップでの分解から保護して、溶媒から分離し、最終製品の貯蔵寿命を延ばす。多種多様な酸化防止剤系が当技術分野で周知であり、本発明の範囲を制限することなく任意の系を使用することができる。好ましい酸化防止剤系は、ヒンダードフェノール及び亜リン酸系の酸化防止剤の相乗的ブレンドからなる。適切なヒンダードフェノール系酸化防止剤の例には、限定するものではないが、オクタデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシルベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート、2,4-ビス(オクチルメルカプト)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノール、2,4-ビス(ドデシルチオメチル)-6-メチルフェノール、2-(1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)エチル)-4,6-ジ-tert-ペンチルフェニルアクリラート、α-トコフェロールなど、及びそれらの混合物が挙げられる。適切な亜リン酸系酸化防止剤の例には、限定するものではないが、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジtert-ブチルフェニル)ホスファイト、ブチリデンビス[2-tert-ブチル-5-メチル-p-フェニレン]-P,P,P’,P’-テトラトリデシルビス(ホスフィン)、3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、2,4-ビス(1,1-ジメチルプロピル)フェニル及び亜リン酸の4-(1,1-ジメチルプロピル)フェニルトリエステルの混合物、3,9-ビス(オクタデシルオキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス(イソデシルオキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、2-(1,1-ジメチルエチル)-6-メチル-4-[3-[[2,4,8,10-テトラキス(1,1-ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン-6-イル]オキシ]プロピル]フェノール等、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましい酸化防止剤系の使用量は、本発明の二組成ブロックコポリマー100重量部あたり0.1~1.5部である。
【0070】
本発明の二組成ブロックコポリマーを製造する方法のすべての実施形態における追加のステップは、ロールミリング、真空補助脱揮、沈殿及び乾燥、蒸気ストリッピングとそれに続く脱水及び乾燥などの当技術分野で周知の任意の仕上げ工程によって、溶媒から二組成ブロックコポリマーを単離することである。
【0071】
本発明の二組成ブロックコポリマーを製造する方法のすべての実施形態における任意のステップは、エクステンダーオイルを二組成ブロックコポリマーに包含させることである。油は、二組成ブロックコポリマーがまだ炭化水素溶媒溶液中にある間、又はその後の仕上げ工程の任意の段階で加えることができる。油展を行うのに適切な油には、限定するものではないが、鉱油、パラフィン油、ナフテン油、比較的ナフテンの多い油、比較的芳香族の多い油、芳香族油、高芳香族油、超高芳香族油など、又はそれらの混合物が挙げられる。好ましい油含有量は、二組成ブロックコポリマー100重量部あたり0~12部、より好ましくは二組成ブロックコポリマー100重量部あたり0~10部、最も好ましくは二組成ブロックコポリマー100重量部あたり0~8部である。
【0072】
本発明の別の態様は、架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための組成物を提供し、この組成物は以下を含む:
二組成ブロックコポリマー;
発泡剤、又は発泡剤の混合物;及び
架橋剤又は架橋剤の混合物。
【0073】
任意選択で、組成物は、スチレン-ブタジエンランダムコポリマー、スチレン-イソプレン-ブタジエンランダムコポリマー、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレンゴム、エチレン/α-オレフィン/非共役ジエンターポリマー、エチレン-プロピレンコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、粉砕架橋マイクロセルラーゴムコンパウンド、フィラー、可塑剤、発泡剤活性化剤、架橋剤活性化剤、架橋促進剤、加硫遅延剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、UV安定剤、光安定剤、香料又は付臭剤、防蟻剤、抗菌剤、金属不活性化剤、染料、顔料、離型剤など、又はそれらの混合物などの他の添加剤を含む。
【0074】
本発明の好ましい実施形態は、以下を含む架橋マイクロセルラーコンパウンドを製造するための組成物である:
(1)2種類のブロックコポリマー分子C及びUを含む二組成ブロックコポリマーであって、
Cは一般式[D-(D/A)-A-Xのブロックコポリマーであり、Uは一般式D-(D/A)-A又はD-(D/A)-AとD-(D/A)-Aのブロックコポリマーであり、
Dは、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、共役ジエン繰り返し単位は、ポリマーブロックの全長に沿ってモノビニル芳香族繰り返し単位よりもモル量が多く、
(D/A)は、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、A又はAの反対側のポリマーブロック末端は主として共役ジエン繰り返し単位で構成されており、A又はAに隣接する末端に向かって実質的にモノビニル芳香族繰り返し単位で構成されるまで、その長さに沿ってその組成が徐々に変化し、
及びAは、モノビニル芳香族モノマーのみから形成されたポリマーブロックであり、ポリマーブロックAはポリマーブロックAよりも分子量が大きく、
Xはカップリング剤の残基であり、
nは2~30までの値の整数であり、
二組成ブロックコポリマーの量は、架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり50~100部である、二組成ブロックコポリマー;
(2)架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり1~10部の量の発泡剤、又は化学発泡剤の混合物;及び
(3)架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり0.5~5部の量の架橋剤、又は架橋剤の混合物。
【0075】
組成物は、以下のような1つ以上の任意の添加剤を含み得る:
スチレン-ブタジエンランダムコポリマー、スチレン-イソプレン-ブタジエンランダムコポリマー、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレンゴム、エチレン/α-オレフィン/非共役ジエンターポリマー、エチレン-プロピレンコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、又はそれらの任意の混合物を含む他のポリマーであって、そのようなポリマーは、好ましくは、架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物中のポリマー原料100重量部あたり0~約50部を含む;
架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり好ましくは0~約200部の量の、フィラー又はフィラーの混合物又はゴム加硫コンパウンド粉末;
架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり0~40部の量の可塑剤又は可塑剤の混合物;
架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり好ましくは0~2部の量の酸化防止剤又は酸化防止剤の混合物;
架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり好ましくは0~約5部の量の発泡剤活性化剤又は化学発泡剤促進剤の混合物;
架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり好ましくは0~5部の量の架橋剤活性化剤又は架橋剤活性化剤の混合物;
架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり好ましくは0~5部の量の架橋促進剤又は架橋促進剤の混合物;及び
加硫遅延剤、オゾン劣化防止剤、UV安定剤、光安定剤、香料又は付臭剤、防蟻剤、抗菌剤、金属不活性化剤、染料、顔料、離型剤など及びそれらの混合物などの他の添加剤。
【0076】
本発明の別の実施形態は、以下を含む架橋マイクロセルラーコンパウンドを製造するための組成物である:
(1)2種類のブロックコポリマー分子C及びUを含む二組成ブロックコポリマーであって、ブロックコポリマーCは一般式[B-(B/A)-A-Xを有し、ブロックコポリマーUは一般式B-(B/A)-A又はB-(B/A)-AとB-(B/A)-Aを有し、Bは、1種以上の共役ジエンモノマーのみから形成されたポリマーブロックであり、(B/A)は、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、共役ジエン及びモノビニル芳香族繰り返し単位は、ポリマーブロックに沿ってランダムに配置されており、A及びAは、モノビニル芳香族モノマーのみから形成されたポリマーブロックであり、ポリマーブロックAはポリマーブロックAよりも分子量が大きく、Xはカップリング剤の残基であり、nは2~30の値の整数であり、二組成ブロックコポリマーの量は、架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり50~100部である、二組成ブロックコポリマー;
(2)架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり好ましくは1~10部の量の発泡剤、又は化学発泡剤の混合物;及び
(3)架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり好ましくは0.5~5部の量の架橋剤、又は架橋剤の混合物。
【0077】
組成物は、以下のような1つ以上の任意の添加剤を含み得る:
スチレン-ブタジエンランダムコポリマー、スチレン-イソプレン-ブタジエンランダムコポリマー、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレンゴム、エチレン/α-オレフィン/非共役ジエンターポリマー、エチレン-プロピレンコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、又はそれらの任意の混合物を含む他のポリマーであって、そのようなポリマーは、好ましくは、架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物中のポリマー原料100重量部あたり0~約50部を含む;
架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり好ましくは0~約200部の量の、フィラー又はフィラーの混合物又はゴム加硫コンパウンド粉末;
架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり0~40部の量の可塑剤又は可塑剤の混合物;
架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり好ましくは0~2部の量の酸化防止剤又は酸化防止剤の混合物;
架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり好ましくは0~約5部の量の発泡剤活性化剤又は化学発泡剤促進剤の混合物;
架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり好ましくは0~5部の量の架橋剤活性化剤又は架橋剤活性化剤の混合物;
架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり好ましくは0~5部の量の架橋促進剤又は架橋促進剤の混合物;及び
加硫遅延剤、オゾン劣化防止剤、UV安定剤、光安定剤、香料又は付臭剤、防蟻剤、抗菌剤、金属不活性化剤、染料、顔料、離型剤など及びそれらの混合物などの他の添加剤。
【0078】
本発明の別の実施形態は、以下を含む架橋マイクロセルラーコンパウンドを製造するための組成物である:
(1)2種類のブロックコポリマー分子C及びUを含む二組成ブロックコポリマーであって、ブロックコポリマーCは一般式[B-A-Xを有し、ブロックコポリマーUは一般式B-A又はB-AとB-Aを有し、Bは、1種以上の共役ジエンモノマーから形成されたポリマーブロックであり、A及びAは、モノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、ポリマーブロックAはポリマーブロックAよりも分子量が大きく、Xはカップリング剤の残基であり、nは2~30の値の整数であり、好ましくは、二組成ブロックコポリマーの量は、架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物中のポリマー原料100重量部あたり50~100部である、二組成ブロックコポリマー;
(2)前記配合物中のポリマー原料100重量部あたり好ましくは1~10部の量の発泡剤、又は化学発泡剤の混合物;及び
(3)前記配合物中のポリマー原料100重量部あたり好ましくは0.5~5部の量の架橋剤、又は架橋剤の混合物。
【0079】
配合物には以下のような他のポリマーを添加することができる:スチレン-ブタジエンランダムコポリマー、スチレン-イソプレン-ブタジエンランダムコポリマー、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレンゴム、エチレン/α-オレフィン/非共役ジエンターポリマー、エチレン-プロピレンコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、及びそれらの任意の混合物を含み、そのようなポリマーは、好ましくは、架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物中のポリマー原料100重量部あたり0~約50部を含む。
【0080】
架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物中のポリマー原料への任意の添加物には、以下が含まれる:
100重量部あたり好ましくは0~約200部の量の、フィラー又はフィラーの混合物又はゴム加硫コンパウンド粉末;
100重量部あたり好ましくは0~40部の量の可塑剤又は可塑剤の混合物;
100重量部あたり好ましくは0~2部の量の酸化防止剤又は酸化防止剤の混合物;
100重量部あたり好ましくは0~約5部の量の発泡剤活性化剤及び/又は化学発泡剤促進剤の混合物;
100重量部あたり好ましくは0~5部の量の架橋剤活性化剤又は架橋剤活性化剤の混合物;
100重量部あたり好ましくは0~5部の量の架橋促進剤又は架橋促進剤の混合物;及び
加硫遅延剤、オゾン劣化防止剤、UV安定剤、光安定剤、香料又は付臭剤、防蟻剤、抗菌剤、金属不活性化剤、染料、顔料、離型剤など及びそれらの混合物などの他の添加剤。
【0081】
本発明の別の実施形態は、二組成ブロックコポリマー、発泡剤、及び架橋剤を含む、架橋マイクロセルラーコンパウンドを生成するための組成物である。二組成ブロックコポリマーはブロックコポリマー分子C及びUを含み、ここで:
ブロックコポリマーCは一般式[(B/A)-A-Xを有し、ブロックコポリマーUは一般式(B/A)-A又は(B/A)-Aと(B/A)-Aを有し;
(B/A)は、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、好ましくは、共役ジエン及びモノビニル芳香族繰り返し単位は、ポリマーブロックに沿ってランダムに配置されており;
及びAは、モノビニル芳香族モノマーのみから形成されたポリマーブロックであり、ポリマーブロックAはポリマーブロックAよりも分子量が大きく;
Xはカップリング剤の残基であり;
nは2~30までの値の整数であり、好ましくは、二組成ブロックコポリマーの量は、架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物に含まれるポリマー原料100重量部あたり50~100部である。発泡剤が、好ましくは100重量部あたり1~10部の量で添加され、架橋剤が、好ましくは100重量部あたり0.5~5部の量で添加される。
【0082】
任意選択で、配合物中の成分には、架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドを製造するための配合物中のポリマー原料100部あたり、以下が含まれる:
好ましくは0~約50の量の、スチレン-ブタジエンランダムコポリマー、スチレン-イソプレン-ブタジエンランダムコポリマー、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレンゴム、エチレン/α-オレフィン/非共役ジエンターポリマー、エチレン-プロピレンコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、又はそれらの任意の混合物を含む他のポリマー;
好ましくは0~約200部の量の、フィラー、フィラーの混合物、又はゴム加硫コンパウンド粉末;
好ましくは0~40部の量の可塑剤又は可塑剤の混合物;
好ましくは0~2部の量の酸化防止剤又は酸化防止剤の混合物;
好ましくは0~約5部の量の発泡剤活性化剤又は化学発泡剤促進剤の混合物;
100重量部あたり好ましくは0~5部の量の架橋剤活性化剤又は架橋剤活性化剤の混合物;
好ましくは0~5部の量の架橋促進剤又は架橋促進剤の混合物;及び
加硫遅延剤、オゾン劣化防止剤、UV安定剤、光安定剤、香料又は付臭剤、防蟻剤、抗菌剤、金属不活性化剤、染料、顔料、離型剤など及びそれらの混合物などの他の添加剤。
【0083】
本発明の架橋マイクロセルラーゴム発泡体組成物で使用するのに適切なフィラーには、限定するものではないが、カーボンブラック、シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、チョーク、ドロマイト、カオリンクレー、か焼粘土、硬質粘土、活性化粘土、ハロイサイト、セリサイト、ウォラストナイト、ベントナイト、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、珪藻土、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、石膏、雲母、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、アルミナ三水和物、天然繊維、合成繊維、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0084】
本発明の架橋マイクロセルラーゴム発泡体組成物に使用するのに適切な可塑剤には、限定するものではないが、鉱油、例えばパラフィン油、ナフテン油、比較的ナフテンの多い油、比較的芳香族の多い油、芳香族油、高芳香族油、超高芳香族油;パラフィン、例えば非分岐パラフィン、イソパラフィン、セレシン、イソセレシン、パラフィンワックス、及びその他のミネラルワックス;石油蒸留残留物、例えばモンタンワックス、オゾケライト、アスファルテン、ビチューメン、ピッチ;脂肪酸、例えばステアリン酸又はパルミチン酸;脂肪酸金属塩、例えば不飽和脂肪酸の亜鉛石鹸、飽和脂肪酸の亜鉛石鹸、不飽和脂肪酸のカルシウム石鹸、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸カルシウム;有機酸モノエステル、例えばアルキル又はアルコキシアルキルオレアート及びステアラート;有機酸ジエステル、例えばジアルキル、ジアルコキシアルキル、及びフタル酸アルキルアリール、テレフタラート、セバカート、アジパート、及びグルタラート;クマロン及びインデン樹脂;トリアルキル、トリアルコキシアルキル、アルキルジアリール、及びトリアリールホスファート;脂肪酸の多価アルコールエステル、例えばペンタエリスリトールテトラステアラート;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ココナッツ油、パーム油、ダイズ油、エポキシ化ダイズ油、トール油、パインタール、ミツバチワックス、カルナウバワックス、ラノリン、ファクチス、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0085】
本発明の架橋マイクロセルラーゴム発泡体組成物で使用するのに適切な酸化防止剤には、限定するものではないが、ヒンダードフェノール、例えば2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)、2,4-ジメチル-6-t-ブチルフェノール、2,4-ジメチル-6-(α-メチル-シクロヘキシル)-フェノール、4-メトキシメチル-2,6-ジ-t-ブチル-フェノール、p-クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物、アルキル化フェノール、スチレン化及びアルキル化フェノール、スチレン化フェノール(SPH)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート)、2-(1,1-ジメチルエチル)-6-[[3-(1,1-ジメチルエチル)-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル]メチル]-4-メチルフェニルアクリラート;ビスフェノール、例えば2,2’-メチレン-ビス-(4-メチル-6-t-ブチル-フェノール)(BPH)、2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-シクロヘキシル-フェノール)(CPH)、2,2’-イソブチリデン-ビス-(4,6-ジメチル-フェノール)(IBPH)、2,2’-ジシクロペンチル-ビス(4-メチル-6-t-ブチル-フェノール)(DBPH)、2,2’-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチル-フェノール)、4,4’-チオ-ビス(3-メチル-6-t-ブチル-フェノール);ベンズイミダゾール誘導体、例えば2-メルカプト-ベンズイミダゾール(MBI)、4-メチル-2-メルカプトベンゾイミダゾール及び5-メチル-2-メルカプトベンゾイミダゾール(MMBI)、亜鉛-2-メルカプトベンズイミダゾール(ZMBI)、亜鉛-4-メチル-2-メルカプトベンゾイミダゾール及び亜鉛-5-メチル-2-メルカプトベンゾイミダゾール(ZMMBI)が挙げられる。
【0086】
本発明の架橋マイクロセルラーゴム発泡体組成物で使用するのに適切な発泡剤には、限定するものではないが、有機化学発泡剤、例えばアゾジカルボンアミド(ADC)、N,N’ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DNPT)、ベンゼンスルホヒドラジド(BSH)、ベンゼン-1,3-ジスルホヒドラジド、4,4’-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、p-トルエンスルホン酸ヒドラジド、トルエンスルホニルセミカルバジド、5-フェニルテトラゾール、トリヒドラジントリアジン;無機化学発泡剤、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム;物理的発泡剤、例えば高圧窒素又は超臨界二酸化炭素、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0087】
本発明の架橋マイクロセルラーゴム発泡体組成物で使用するのに適切な化学発泡剤活性化剤には、限定するものではないが、酸化亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、2-エチルヘキサノアート亜鉛、炭酸亜鉛、ジトリルスルホン酸亜鉛、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、尿素、ステアリン酸、アジピン酸、トリエタノールアミン、ジフェニルアミン誘導体、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0088】
本発明の架橋マイクロセルラーゴム発泡体組成物で使用するのに適切な架橋剤には、限定するものではないが、硫黄;硫黄供与体、例えばジチオジモルホリン(DTDM)、カプロラクタムジスルフィド、N,N’-ジチオビス-(ヘキサヒドロ-2H-アゼピノン)(CLD)、2-モルホリノ-ジチオ-ベンゾチアゾール(MBSS)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)、N-オキシジエチレンジチオカルバミル-N’-オキシジエチレンスルホンアミド(OTOS)、及びテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD);及び有機過酸化物、例えば過酸化ジクミル、過安息香酸t-ブチル、過酸化t-ブチルシミル、過酸化ジ-t-ブチル、過酸化ラウロイル、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、α,α’-ビス(t-ブチルペルオキシ)-1,3-ジイソプロピルベンゼン、α,α’-ビス(t-ブチルペルオキシ)-1,4-ジイソプロピルベンゼン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルペルオキシ)吉草酸、t-ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、1,4-ビス-(t-ブチルペルオキシイソプロピル)-ベンゼン、ジ-t-アミルペルオキシド、t-ブチルペルオキシベンゾアート、t-アミルペルオキシベンゾアート、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンなど、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0089】
本発明の架橋マイクロセルラーゴム発泡体組成物に使用するのに適切な架橋促進剤には、限定するものではないが、メルカプト促進剤、例えば2-メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、亜鉛-2-メルカプトベンゾチアゾール(ZMBT);スルホンアミド促進剤、例えばN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(TBBS)、及び2-ベンゾチアジル-N-スルフェンモルホリド(MBS);チウラム促進剤、例えばテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)及びテトラエチルチウラムジスルフィド(TETD);ジチオカルバマート促進剤、例えばジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZDMC)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZDEC)、及びジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZDBC);ジチオカルバミルスルフェンアミド促進剤、例えばN-オキシジエチレンジチオカルバミル、N’-オキシジエチレンスルホンアミド(OTOS);グアニジン促進剤、例えばジフェニルグアニジン(DPG)、ジ-o-トリルグアニジン(DOTG)及びo-トリルビグアニジン(OTBG)、トリアジン促進剤、キサントゲン酸促進剤、アルデヒド-アミン促進剤、アミン促進剤、チウレア(thiurea)促進剤、ジチオホスファート促進剤、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0090】
本発明の架橋マイクロセルラーゴム発泡体組成物で使用するのに適切な架橋剤活性化剤には、限定するものではないが、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、Ca(OH)、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ジブチルアミノオレアート、1,3-ジフェニルグアニジンフタラート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジブチルアミン、ジベンジルアミン、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0091】
本発明の別の態様は、以下を含む、ホットメルト感圧接着剤を製造するための組成物を提供する:
二組成ブロックコポリマー;
粘着付与樹脂;及び
エクステンダーオイル又は可塑剤;及び
酸化防止剤。
【0092】
任意選択で、ホットメルト感圧接着剤組成物は、他の添加剤、例えば、フィラー、ワックス、光開始剤、架橋剤、架橋助剤、架橋遅延剤、接着促進剤又はカップリング剤、UV安定剤、光安定剤、オゾン安定剤、エポキシ樹脂、アスファルト、強化樹脂、香料又は付臭剤、防蟻剤、殺生物剤、抗真菌剤、抗細菌剤、金属不活性化剤、染料、顔料、着色剤、難燃剤、発泡剤、発泡剤活性化剤、又は屈折率調整剤を含む。
【0093】
本発明の好ましい実施形態は、以下を含むホットメルト感圧接着剤組成物である:
(a)分子量分布が全体で又は部分的に分解されて少なくとも2つのピークを示し、C及びUを含む、約20重量%~約50重量%の二組成ブロックコポリマーであって、
Cは、二組成ブロックコポリマーの分子量分布において、より高分子量のピークに含まれ、以下の式のカップリングされたブロックコポリマー分子を含む:
[D-(D/A)-A-X;又は
[B-(B/A)-A-X;又は
[(B/A)-A-X;又は
[B-A-X、又はこれらの混合物、及び
Uは、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の残りの低分子量ピーク又は複数のピークに含まれ、以下の式の非カップリングブロックコポリマー分子を含む:
D-(D/A)-A又はD-(D/A)-A及びD-(D/A)-A;又は
B-(B/A)-A又はB-(B/A)-A及びB-(B/A)-A;又は
(B/A)-A又は(B/A)-A及び(B/A)-A;又は
B-A又はB-A及びB-A、又はこれらの混合物、ここで
Bは、共役ジエンモノマーのみから形成されたポリマーブロックであり、
(B/A)は、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたランダムポリマーブロックであり、
Dは、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、共役ジエン繰り返し単位は、ポリマーブロックの全長に沿ってモノビニル芳香族繰り返し単位よりもモル量が多く、
(D/A)は、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、A又はAの反対側のポリマーブロックの末端は主として共役ジエン繰り返し単位で構成されており、ポリマーブロックの組成は、A又はAに隣接する末端で実質的にモノビニル芳香族繰り返し単位で構成されるまで、ブロックの長さに沿って徐々に変化し、
及びAは、モノビニル芳香族モノマーのみから形成されたポリマーブロックであり、ポリマーブロックAはポリマーブロックAよりも分子量が大きく
Xは、カップリング剤の残基であり、
nは2~30までの値の整数であり;
(b)約30重量%~約70重量%の粘着付与樹脂;
(c)約10重量%~約30重量%のエクステンダーオイル又は可塑剤;
(d)約0.05重量%~約3.0重量の酸化防止剤;
(e)任意選択で、他の添加剤、例えば:フィラー、ワックス、光開始剤、架橋剤、架橋助剤、架橋遅延剤、接着促進剤又はカップリング剤、UV安定剤、光安定剤、オゾン安定剤、エポキシ樹脂、アスファルト、強化樹脂、香料又は付臭剤、防蟻剤、殺生物剤、抗真菌剤、抗細菌剤、金属不活性化剤、染料、顔料、着色剤、難燃剤、発泡剤、発泡剤活性化剤、又は屈折率調整剤。
【0094】
本発明のホットメルト感圧接着剤の配合に使用するのに適切な粘着付与樹脂には、限定するものではないが:ロジンエステル、例えばSylvalite(商標)RE100L、Sylvalite(商標)RE115、Sylvalite(商標)RE85L、Foral(登録商標)85、Foral(登録商標)105、ペンタリン(Pentalyn)(登録商標)H、及びPermalyn(商標)3100;スチレン化テルペン、例えばSylvares(登録商標)ZT5100、Sylvares(登録商標)ZT105LT、Sylvares(登録商標)ZT115LT;ポリテルペン樹脂、例えばSylvares(登録商標)TR1100、Sylvares(登録商標)TR7115;テルペンフェノール類、例えばSylvares(登録商標)TP2040、及びSylvares(登録商標)TP115;脂肪族炭化水素樹脂、例えばPiccotac(登録商標)1100、Piccotac(登録商標)115、及びWingtack(登録商標)95;水素化炭化水素樹脂、例えばRegalrez(商標)1094、Eastotac(登録商標)H100、及びEastotac(登録商標)H130。Sylvalite(商標)及びSylvares(登録商標);テルペン-フェノール樹脂;合成C5樹脂;アルキルアリール樹脂;フェノール-ホルムアルデヒド樹脂;等、及びそれらの混合物が挙げられる。粘着付与樹脂は、Kraton Corporationから市販されている。Foral(登録商標)、ペンタリン(登録商標)、Permalyn(商標)、Piccotac(登録商標)、Regalrez(商標)、及びEastotac(登録商標)粘着付与剤は、Eastman Chemical Companyから市販されている。Wingtack(登録商標)粘着付与剤は、Total Cray Valleyから市販されている。
【0095】
本発明のホットメルト感圧接着剤の配合に使用するのに適切なエクステンダーオイルには、限定するものではないが:鉱油;ナフテン油;パラフィン系油;芳香族油;植物油;動物油等、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0096】
本発明のホットメルト感圧接着剤の配合に使用するのに適切な可塑剤には、限定するものではないが:オレフィンオリゴマー;エポキシ化油;フタル酸エステル、例えばフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソウンデシル、ジイソノニルフタラート;脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステル;分子量3000未満のポリブテン又はポリイソブチレン等、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0097】
本発明のホットメルト感圧接着剤の配合に使用するのに適切な酸化防止剤には、限定するものではないが:フェノール系酸化防止剤、例えばIrganox(登録商標)1010、Irganox(登録商標)1076、Irganox(登録商標)565、Irganox(登録商標)1520、Irganox(登録商標)1098、Anox(商標)20、又はUltranox(登録商標)276;亜リン酸系酸化防止剤、例えば:Alkanox(商標)TNPP、Alkanox(商標)240、Ultranox(登録商標)626、又はWeston(登録商標)618F;チオエステル酸化防止剤、例えばNaugard(登録商標)DSTDP;及びそれらの混合物、例えばUltranox(登録商標)877Aが挙げられる。Irganox(登録商標)酸化防止剤はBASFから市販されている。Anox(商標)、Ultranox(登録商標)、Alkanox(商標)、Weston(登録商標)及びNaugard(登録商標)酸化防止剤は、Addivantから市販されている。
【0098】
実施例
以下の実施例は、本発明の特徴を示すことを目的としており、その範囲を限定することを意図するものではない。従来の技術を使用した比較例が参照として含まれている。以下の実施例及び比較例で合成された二組成ブロックコポリマー及び従来のコポリマーは、以下の技術によって特徴付けられる:300MHz Bruker、モデルフーリエ300分光計を使用するプロトン核磁気共鳴(H-NMR又はプロトンNMR)、総スチレン繰り返し単位含有量を定量化し、スチレン含有量をブロックする。ブロックコポリマーの総スチレン繰り返し単位含有量は、国際規格ISO21561-1に示されているように測定される。以下の例では、総スチレン繰り返し単位含有量は、ブロックコポリマーの総重量に基づいて、重量パーセントとして報告されている。ブロックスチレン含有量の測定は、ホモポリマーブロックとして組み込まれたスチレン繰り返し単位、すなわち、共役ジエンモノマーへの共有結合を持たない、所与のブロックコポリマーの一部を形成するスチレン繰り返し単位の量を考慮している。ブロックスチレン含有量は、米国特許第9,771,473号明細書で報告されているように、プロトンNMRによって測定される。以下の実施例では、ブロックスチレン含有量は、ブロックコポリマー全体に基づいて、重量パーセントとして報告されている。これらの例において、使用された唯一のモノビニル芳香族モノマーはスチレンであるため、総モノビニル芳香族繰り返し単位含有量(%A)は、実施例で測定された総スチレン含有量に量的に対応する。同様に、これらの例におけるモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は、総スチレン含有量に対するブロックスチレン含有量の商から計算され、モノビニル芳香族繰り返し単位ベースのモルパーセントとして報告される。
【0099】
WatersのAlliance e2695HPLCを採用し、1000~4000000g/molの分子量測定範囲をカバーする3カラムセットと組み合わせた、狭いMWDのポリスチレン標準を参照するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を、直列に接続した示差屈折率検出器及びダイオードアレイ検出器と共に操作した。GPC-RIモダリティでは、示差屈折率検出器の信号と、狭いMWDのポリスチレン標準から作成された分子量対溶出時間のユニバーサルキャリブレーション曲線を使用して、分析された異なるブロックコポリマーの分子量分布、重量平均分子量(M)、及び分子量分布の多分散指数(重量平均分子量と数平均分子量の比、M/M)を測定した。また、分子量分布に複数のピークが現れた場合は常に、GPC-RIを使用して、最高分子量のピークの積分によって、カップリングされたブロックコポリマーの量(%Cri)を定量化し、これは分析されたブロックコポリマーのGPC-RI分子量分布全体のパーセンテージとして報告された。GPC-UVモダリティでは、ブロックコポリマーのモノビニル芳香族繰り返し単位の量にのみ応答する波長261nmのダイオードアレイ検出器の信号を、狭いMWDのポリスチレン標準を参照するユニバーサルキャリブレーション分子量曲線と共に使用して、モノビニル芳香族繰り返し単位を加重したカップリングされたブロックコポリマー含有量(%Cuv)測定した。分子量分布に複数のピークが現れた場合は常に、%Cuvは、モノビニル芳香族繰り返し単位加重分子量分布の最高分子量ピークの積分によって得られ、GPC-UVモノビニル芳香族繰り返し単位加重分子量分布全体のパーセンテージとして報告される。
【0100】
次に、プロトンNMRから得られた%A(すなわち総スチレン繰り返し含有量)、GPC-RIから得られた%Cri、及びGPC-UVから得られた%Cuvを使用して、ブロックコポリマー非カップリング画分のモノビニル芳香族繰り返し単位重量パーセント含有量、%Aを計算し、同じくこれらを使用して、ブロックコポリマーカップリング画分のモノビニル芳香族繰り返し単位重量パーセント含有量、%Aを計算する。最後に、これらを使用して、ブロックコポリマーの非カップリング画分とカップリング画分との間のモノビニル芳香族繰り返し単位の組成差、%CDを次のように計算する:
【0101】
【数2】
【0102】
実施例で調製されたブロックコポリマーの粘弾性特性を、Alpha TechnologiesのRPA2000装置で評価する。振動剪断測定は、100℃又は140℃の温度で、最大ひずみ13.95%で行った。複合動的剪断粘度(η*)は、0.99及び100rad/sの振動周波数で報告されるが、タンデルタは、0.25~200rad/sの周波数範囲を網羅するいくつかの振動周波数で報告される。ムーニー粘度(ML1+4)は、ASTM D1646に従って、Monsanto Mooney MV2000装置を使用して100℃で測定した。
【0103】
発明例1:
二組成ブロックコポリマーの合成;カップリング剤として四塩化ケイ素を使用して調製されたプロトタイプ。0.896kgのシクロヘキサン、0.042kgのスチレン及び0.105kgのブタジエンを、2リットルの反応器に、窒素雰囲気下、撹拌しながら投入した。初回の反応器投入物を74.0℃の温度に加熱し、次に2.845ミリモルのn-ブチルリチウムを反応器に供給した。初回のモノマー投入物の重合は、110.8℃のピーク温度に達した。1分間待った後、0.188ミリモルの四塩化ケイ素カップリング剤を反応器に供給した。5分間待った後、0.028kgのスチレンを反応器に供給した。この投入中に、反応器の温度は一時的に91.6℃に低下した。2回目のスチレン投入物の重合熱の結果として、反応は94.7℃のピーク温度に達した。1分間待った後、1.782ミリモルの単官能性アルコールを反応器に供給してポリマーアニオンを停止させた。この二組成ブロックコポリマー合成例の具体的な配合及び重合プロセス条件を表1に示す。次に、ゴム溶液に、0.5phrのフェノール系酸化防止剤と0.6phrの亜リン酸系酸化防止剤を加えた。ブロックコポリマーをロールミリングにより回収した。合成された二組成ブロックコポリマーの重量平均分子量(M)は169.8kg/molであった。分子量分布は1.26の多分散指数を示した。ブロックコポリマーの分子量分布は2つのピークを示し、低分子量ピークは式D-(D/A)-Aの非カップリング線形テーパーブロックコポリマーに対応し、高分子量ピークはカップリングされたテーパースチレン-ブタジエンブロックコポリマー[D-(D/A)-An=2~4-Siに対応していた。カップリングされたテーパーブロックコポリマー含有量(%Cri)は、GPC-RIによって決定すると、総ブロックコポリマー分子量分布の27.4%であった。GPC-UVによるモノビニル芳香族繰り返し単位加重カップリングレベル(%Cuv)は22.0%であった。二組成ブロックコポリマーの総スチレン繰り返し単位含有量は40.0重量%であり、一方、ブロックスチレン含有量は31.8重量%であった。したがって、二組成ブロックコポリマーにおけるモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は、79.5モル%であった。GPC-RI及びGPC-UVにより測定されたカップリングレベル、ならびにプロトンNMRにより測定された総スチレン含有量を使用した計算から明らかなように、カップリングされたテーパーブロックコポリマー画分のモノビニル芳香族繰り返し単位含有量(%A)は32.2重量%であったのに対し、非カップリングテーパーブロックコポリマー画分では(%A)は42.9重量%であった。非カップリング及びカップリングされたテーパーブロックコポリマー画分間のモノビニル芳香族繰り返し単位の組成差(%CD)は10.7%であった。この二組成ブロックコポリマーの具体的なGPC及びNMR特性を表2に示す。0.99rad/sでの二組成ブロックコポリマーの複合動的剪断粘度は76198Pa・sであったが、100rad/sの振動周波数で評価すると4744Pa・sに低下した。二組成ブロックコポリマーのタンデルタは、0.25~200rad/sの全周波数網羅で主に弾性挙動(1.00未満のタンデルタ)を示し、2.51rad/sで最大値0.81(Tan deltamax)であった。この二組成ブロックコポリマーのレオロジー特性の詳細を表3に示す。
【0104】
発明の実施形態
本明細書で使用される二組成ブロックコポリマー(DCBC)という用語は、分子量、ブロック配列構造、及びモノビニル芳香族繰り返し単位含有量が互いに異なる2種類のブロックコポリマー分子を含むポリマーブレンドを指す。図9の比較例C-2に示されているような2つのピークを有する分子量分布は、これだけではDCBCとなるために必要な特性を満たさない。本発明によるDCBCには、他の様々な特性も必要である。DCBCについて考慮すべき側面には、次のものがある:非カップリング画分におけるモノビニル芳香族繰り返し単位含有量が多いこと;カップリング剤が内部のモノビニル芳香族ホモポリマーブロックを結合していること;特定のカップリング範囲;特定の総モノビニル芳香族繰り返し単位含有量範囲;定義された共役ジエンブロック構造;ムーニー粘度範囲;複合粘度範囲;及びタンデルタプロファイル。ただし、本発明によれば、これらの側面のすべてが二組成ブロックコポリマーを定義するために必要とされるわけではない。DCBCを作製するための方法のいくつかの実施形態を以下に提供する。本発明に関する特許のために提出された請求の範囲は、請求の範囲の明細書における明示の文言上のサポートを確保するために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0105】
1.二組成ブロックコポリマーを製造するための方法であって、
シクロヘキサンなどの溶媒、スチレンなどのモノビニル芳香族モノマー、及びブタジエンなどの共役ジエンモノマーをバッチ反応器に投入して初期内容物[代替実施形態では、ランダマイザー又は極性修飾剤を含む又は含まない]を提供する工程;
[代替実施形態では、モノビニル芳香族モノマーなしに共役ジエンのみを最初に投入し、完全に又は部分的に変換させる]
初期内容物を混合及び加熱する工程;
n-ブチルリチウム又は同様のリチウム開始剤を反応器に添加する工程;
初期内容物を重合し、ポリマーアニオンを形成する工程;
四塩化ケイ素又は三塩化ケイ素メチルなどのカップリング剤を反応器に添加してポリマーアニオンを部分的にカップリングし、好ましくは10分未満、より好ましくは約1分未満待つ工程;
[別の実施形態では、ポリマーアニオンはこの段階で部分的に停止する]
スチレンなどの追加のモノビニル芳香族モノマーを反応器に添加する工程;
[同じ又は異なるモノビニル芳香族モノマーを使用することができる]
単官能性アルコールなどの停止剤を反応器に追加することにより、ポリマーアニオンを停止させる工程;
好ましくは、フェノール系酸化防止剤及び/又は亜リン酸系酸化防止剤などの酸化防止剤を反応器に添加する工程;及び
蒸気ストリッピング-脱水-乾燥、直接脱溶媒化、真空補助脱溶媒化などの当技術分野で周知の任意の方法によりブロックコポリマーを回収する工程
を含む方法。、
2.合成された二組成ブロックコポリマーの重量平均分子量(M)が、70~500、好ましくは120~230、より好ましくは150~180kg/molの範囲にあり、一例が169.8kg/molである、実施形態1の方法。
【0106】
3.二組成ブロックコポリマーが、2つのピーク、及び、1.00~1.90、好ましくは1.10~1.40、より好ましくは1.20~1.33の、特定の例では1.26の値の多分散指数を有する分子量分布を有する、実施例1又は2の方法。
【0107】
4.2つのピークのうちの一方が低分子量ピークと呼ばれ、他方のピークが高分子量ピークと呼ばれ、低分子量ピークはD-(D/A)-Aの式を有する非カップリング線形テーパーブロックコポリマーに対応し、高分子量ピークは[D-(D/A)-An=2~4-Siの式を有するカップリングされたテーパー、好ましくはスチレン-ブタジエンのブロックコポリマーに対応する、実施形態3の方法。
【0108】
5.GPC-RIによって決定される、総ブロックコポリマー分子量分布におけるカップリングされたテーパーブロックコポリマーの含有量(%Cri)が、20~80%、好ましくは25~50%、より好ましくは30~45%であり、典型的には35~42%であり、特定の例では38.6%である、実施形態4の方法。
【0109】
6.二組成ブロックコポリマーの非カップリング画分とカップリング画分との間のモノビニル芳香族繰り返し単位の組成差、%CDが、10~35%、好ましくは15~30%、より好ましくは17~28%であり、典型的には20~26%であり、特定の例では25.6%である、実施形態1又は5の方法。
【0110】
7.モノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度が76~88モル%、好ましくは78~86モル%、より好ましくは80~83モル%であり、特定の例では82.3モル%である、実施形態1、5又は6の方法。
【0111】
8.二組成ブロックコポリマーの総モノビニル芳香族繰り返し単位含有量、%Aが、20~50重量%、好ましくは30~50重量%、より好ましくは38~48重量%であり、特定の例では40.1重量%である、実施形態1、5、6又は7の方法。
【0112】
9.カップリングされたテーパーブロックコポリマー画分の総モノビニル芳香族繰り返し単位含有量(%A)が、5~35重量%、好ましくは15~30重量%、より好ましくは20~25重量%であり、特定の例では24.8重量%である、実施形態1、7又は8の方法。
【0113】
10.二組成ブロックコポリマーの0.99rad/sでの複合動的剪断粘度が、50,000~360,000Pa・s、好ましくは60,000~90,000Pa・s、より好ましくは70,000~82,000であり、特定の例では76,198Pa・sである、実施形態1、7、8又は9の方法。
【0114】
11.二組成ブロックコポリマーの100rad/sの振動周波数での複合動的剪断粘度が、3,000~12,000Pa・sの間、好ましくは4,200~5,200Pa・sの間、より好ましくは4,500~4,900Pa・sであり、特定の例では4,744Pa・sである、実施形態10の方法。
【0115】
12.カップリング剤が四塩化ケイ素である、実施形態1~11のいずれか1つの方法。
13.カップリング剤が三塩化ケイ素メチルである、実施形態1~11のいずれか1つの方法。
【0116】
14.二組成ブロックコポリマーが3つのピークを有する分子量分布を有する、実施形態1又は2の方法。
15.合成された二組成ブロックコポリマーの重量平均分子量(M)が、70~500、好ましくは140~190、より好ましくは150~180kg/molの範囲にあり、一例では159.6kg/molである、実施形態14の方法。
【0117】
16.二組成ブロックコポリマーが、1.00~1.90、好ましくは1.10~1.40、より好ましくは1.15~1.30の、特定の例では1.22の値の多分散指数を有する、実施形態15の方法。
【0118】
発明例2:
二組成ブロックコポリマーの合成;カップリング剤として三塩化ケイ素メチルを使用して調製されたプロトタイプ。実施例1と同じ手順を使用して二組成ブロックコポリマーを調製したが、カップリング剤として四塩化ケイ素の代わりに0.230ミリモルの三塩化ケイ素メチルを使用した。この二組成ブロックコポリマー合成例の具体的な配合及び重合プロセス条件を表1に示す。次に、ゴム溶液に、0.5phrのフェノール系酸化防止剤と0.6phrの亜リン酸系酸化防止剤を加えた。ブロックコポリマーをロールミリングにより回収した。合成された二組成ブロックコポリマーの重量平均分子量(M)は171.8kg/molであった。分子量分布は1.19の多分散指数を示した。ブロックコポリマーの分子量分布は2つのピークを示し、低分子量ピークは式D-(D/A)-Aの非カップリング線形テーパーブロックコポリマーに対応し、高分子量ピークはカップリングされたテーパースチレン-ブタジエンブロックコポリマー[D-(D/A)-An=2~3-Si-CHに対応していた。カップリングされたテーパーブロックコポリマー含有量(%Cri)は、GPC-RIによって決定すると、総ブロックコポリマー分子量分布の25.5%であった。二組成ブロックコポリマーの総スチレン繰り返し含有量は40.2重量%であり、一方、スチレンブロック含有量は32.1重量%であった。したがって、モノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は79.9モル%であった。この二組成ブロックコポリマーの具体的なGPC及びNMR特性を表2に示す。0.99rad/sでの二組成ブロックコポリマーの複合動的剪断粘度は72962Pa・sであり、100rad/sの振動周波数で評価すると4833Pa・sに低下した。二組成ブロックコポリマーのタンデルタは、0.25~200rad/sの全周波数網羅で主に弾性挙動(1.00未満のタンデルタ)を示し、0.99rad/sで最大値0.86であった。この二組成ブロックコポリマーのレオロジー特性の詳細を表3に示す。
【0119】
発明例3~12:
二組成ブロックコポリマーの合成;粘度、カップリング、及び組成の違いのレベルを網羅するプロトタイプ。71.50±0.14kgのシクロヘキサン、約1.58又は約2.56kgのスチレン、及び6.64±0.02kgのブタジエンを、189リットルの反応器に、窒素雰囲気下、撹拌しながら投入した。反応器の初期温度を約56.0~約66.0℃に設定し、次に約273.0~約321.0ミリモルのn-ブチルリチウムを反応器に供給した。初回のモノマー投入物の重合は、約99.7~約104.8℃のピーク温度に達した。1分間待った後、約13.88~約31.42ミリモルの四塩化ケイ素カップリング剤を反応器に供給した。5分間待った後、約2.78又は約1.82kgのスチレンを反応器に供給した。最後のモノマーの投入中、反応器温度は約98.1±2.4℃に低下した。2回目のスチレン投入物の重合反応の熱の結果として、反応温度は約102.0±1.5℃に上昇した。1分間待った後、143.3±23.3ミリモルの単官能性アルコールを反応器に供給してポリマーアニオンを停止させた。各二組成ブロックコポリマー合成例の具体的な配合及び重合プロセス条件を表1に示す。次に、ゴム溶液に、0.5phrのフェノール系酸化防止剤と0.6phrの亜リン酸系酸化防止剤を加えた。ブロックコポリマーを、蒸気ストリッピングとオーブン乾燥によって回収した。合成されたブロックコポリマーの重量平均分子量(M)は、147.4から225.5kg/molまで変化した。分子量分布は、1.24から1.40の多分散指数を示した。ブロックコポリマーの分子量分布は2つのピークを示し、低分子量ピークは式D-(D/A)-Aの非カップリング線形テーパーブロックコポリマーに対応し、高分子量ピークはカップリングされたテーパースチレン-ブタジエンブロックコポリマー[D-(D/A)-An=2~4-Siに対応していた。カップリングされたテーパーブロックコポリマー含有量(%Cri)は、GPC-RIによって決定すると、総ブロックコポリマー分子量分布の23.0から38.6%まで変化した。GPC-UVによるモノビニル芳香族加重カップリングレベル(%Cuv)は、約14.6~約24.6%の範囲であった。二組成ブロックコポリマーの総スチレン繰り返し単位含有量は39.9~40.8重量%であり、一方、スチレンブロック含有量は30.5重量%~35.6%であった。したがって、二組成ブロックコポリマーにおけるモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は、76.5モル%から87.5モル%まで変化した。GPC-RI及びGPC-UVにより測定されたカップリングレベル、ならびにプロトンNMRにより測定された総スチレン含有量を使用した計算から明らかなように、カップリングされたテーパーブロックコポリマー画分のビニル芳香族繰り返し含有量(%A)は約24.8~約32.6重量%であったのに対し、非カップリングテーパーブロックコポリマー画分では(%A)は約43.6~約50.5重量%であった。非カップリング及びカップリングされたテーパーブロックコポリマー画分間のモノビニル芳香族繰り返し単位の組成差(%CD)は、約11.1重量%~25.6重量%の範囲であった。発明例4の分子量分布を図9に示す。これらの二組成ブロックコポリマーの具体的なGPC及びNMR特性を表2に示す。0.99rad/sでのブロックコポリマーの複合動的剪断粘度は52210~142236Pa・sで変化し、100rad/sの振動周波数で評価すると3571~6241Pa・sの値に低下した。ブロックコポリマーのムーニー粘度(ML1+4、100℃)は28.6~66.0であった。二組成ブロックコポリマーのタンデルタは、0.25~200rad/sの全周波数網羅で主に弾性挙動(1.00未満のタンデルタ)を示し、様々な周波数で0.75~0.93の範囲の最大値を示した。これらの二組成ブロックコポリマーのレオロジー特性の詳細を表3に示す。
【0120】
発明例13:
二組成ブロックコポリマーの合成;モノビニル芳香族鎖延長の前にブロックコポリマーアニオンを部分的に不活性化させたプロトタイプ。例4で使用したレシピを、工業用反応器用に272.7倍にスケールアップした。それにもかかわらず、カップリング後に活性のままであるブロックコポリマーアニオンの一部は、2回目のスチレン投入物重合を実行する前に不活性化された。二組成ブロックコポリマーの重量平均分子量(M)は159.6kg/molであった。分子量分布は1.22の多分散指数を示した。ブロックコポリマーの分子量分布は3つのピークを示し、低分子量ピークは、2回目のスチレン投入物重合前のブロックコポリマーアニオンの部分的不活性化の生成物である式D-(D/A)-Aの非カップリング線形テーパーブロックコポリマーに対応し、高分子量ピークはカップリングされたテーパースチレン-ブタジエンブロックコポリマー[D-(D/A)-An=2~4-Siに対応し、中間分子量ピークは、2回目のスチレン投入物重合後に生成された式D-(D/A)-Aの非カップリング線形テーパーブロックコポリマーに対応していた。例13で製造された二組成ブロックコポリマーのGPC-RIによる分子量分布を図9に示す。カップリングされたテーパーブロックコポリマー含有量(%Cri)は、GPC-RIによって決定すると、総ブロックコポリマー分子量分布の37.4%であった。GPC-UVによるモノビニル芳香族加重カップリングレベル(%Cuv)は24.8%であった。非カップリング線形テーパーブロックコポリマーD-(D/A)-Aは、GPC-RIによって決定された総ブロックコポリマー分子量分布の15.6%を占めた。二組成ブロックコポリマーの総スチレン繰り返し単位含有量は39.8重量%であり、一方、ブロックスチレン含有量は34.2重量%であった。したがって、モノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は、86.0モル%であった。GPC-RI及びGPC-UVにより測定されたカップリングレベル、ならびにNMRにより測定された総スチレン含有量を使用した計算から明らかなように、カップリングされたテーパーブロックコポリマー画分のビニル芳香族繰り返し単位含有量(%A)は26.4重量%であったのに対し、2つのより低い分子量ピークに対応する非カップリングテーパーブロックコポリマー画分では、47.7重量%であった。非カップリング及びカップリングされたテーパーブロックコポリマー画分間のモノビニル芳香族繰り返し単位の組成差(%CD)は21.3%であった。これらの二組成ブロックコポリマーの具体的なGPC及びNMR特性を表2に示す。0.99rad/sでのブロックコポリマーの複合動的剪断粘度は71321Pa・sであったが、100rad/sの振動周波数で評価すると4709Pa・sに低下した。ブロックコポリマーのムーニー粘度(ML1+4、100℃)は39.0であった。二組成ブロックコポリマーのタンデルタは、0.25~200rad/sの全周波数網羅で主に弾性挙動(1.00未満のタンデルタ)を示し、2.51rad/sで最大値0.85を示した。この二組成ブロックコポリマーのレオロジー特性の詳細を表3に示す。
【0121】
比較例C-1:
線形テーパーブロックコポリマーの合成;低粘度レベルのプロトタイプ。71.56のシクロヘキサン4、4.32のスチレン、及び6.64kgのブタジエンを、189リットルの反応器に、窒素雰囲気下、撹拌しながら投入した。反応器の投入温度を50.5℃に調整し、次に286.6ミリモルのn-ブチルリチウムを反応器に供給した。初回のモノマー投入物の重合は、106.3℃のピーク温度に達した。1分間待った後、347.4ミリモルの単官能性アルコールを反応器に供給して、ポリマーアニオンを停止させた。この非カップリングテーパーブロックコポリマー合成例の具体的な配合及び重合プロセス条件を表1に示す。次に、ゴム溶液に、0.5phrのフェノール系酸化防止剤と0.6phrの亜リン酸系酸化防止剤を加えた。非カップリングテーパーブロックコポリマーを、蒸気ストリッピングとオーブン乾燥によって回収した。合成された非カップリングテーパーブロックコポリマーの重量平均分子量(M)は93.2kg/molであった。分子量分布は1.03の多分散指数を示し、式D-(D/A)-Aの非カップリング線形テーパーブロックコポリマーに対応する単一の狭いピークがあった。非カップリングテーパーブロックコポリマーの総スチレン繰り返し単位含有量は40.5重量%であり、一方、スチレンブロック含有量は30.0重量%であった。したがって、モノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は73.9モル%であった。この非カップリングテーパーブロックコポリマーの具体的なGPC及びNMR特性を表2に示す。0.99rad/sでの非カップリングテーパーブロックコポリマーの複合動的剪断粘度は49951Pa・sであり、100rad/sの振動周波数で評価すると4927Pa・sに低下した。非カップリングテーパーブロックコポリマーのムーニー粘度(ML1+4、100℃)は32.4であった。二組成ブロックコポリマーのタンデルタは、0.84~25rad/sの周波数範囲で主に粘性挙動(1.00より大きいタンデルタ)を示し、5.0rad/sで1.36の最大タンデルタを示した。この非カップリングテーパーブロックコポリマーのレオロジー特性の詳細を表3に示す。
【0122】
比較例C-2:
カップリングされたテーパーブロックコポリマーの合成;中程度の粘度レベルのプロトタイプ。71.41kgのシクロヘキサン、4.36kgのスチレン、及び6.63kgのブタジエンを、189リットルの反応器に、窒素雰囲気下、撹拌しながら投入した。初回の反応器投入物を51.5℃の温度に加熱し、次に285.5ミリモルのn-ブチルリチウムを反応器に供給した。重合は108.6℃のピーク温度に達した。1分間待った後、19.9ミリモルの四塩化ケイ素カップリング剤を反応器に供給した。5分間待った後、178.1ミリモルの単官能性アルコールを反応器に供給して、ブロックコポリマーアニオンを停止させた。この部分的にカップリングされたテーパーブロックコポリマー合成例の具体的な配合及び重合プロセス条件を表1に示す。次に、ゴム溶液に、0.5phrのフェノール系酸化防止剤と0.6phrの亜リン酸系酸化防止剤を加えた。ブロックコポリマーを、蒸気ストリッピングとオーブン乾燥によって回収した。ブロックコポリマーの重量平均分子量(M)は160.1kg/molであった。分子量分布は1.39の多分散指数を示した。ブロックコポリマーの分子量分布は2つのピークを示し、低分子量ピークは式D-(D/A)-Aの非カップリング線形テーパーブロックコポリマーに対応し、高分子量ピークは式[D-(D/A)-A]n=2~4-Siのカップリングされたテーパースチレン-ブタジエンブロックコポリマーに対応していた。カップリングされたテーパーブロックコポリマー含有量(%Cri)は、GPC-RIによって決定すると、部分的にカップリングされたテーパーブロックコポリマーの総分子量分布の34.5%を占めた。GPC-UVによって得られたモノビニル芳香族繰り返し単位加重カップリングレベル(%Cuv)は35.5%であり、非カップリング画分及びカップリング画分の同じモノビニル芳香族繰り返し単位含有量の結果として、GPC-RIによって得られたカップリングレベルと非常によく一致した。部分的にカップリングされたテーパーブロックコポリマーの総スチレン繰り返し単位含有量は42.2重量%であり、一方、そのブロックスチレン含有量は31.6重量%であった。したがって、モノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は74.7モル%であった。この部分的にカップリングされたテーパーブロックコポリマーの具体的なGPC及びNMR特性を表2に示す。0.99rad/sでの部分的にカップリングされたテーパーブロックコポリマーの複合動的剪断粘度は75924Pa・sであり、100rad/sの振動周波数で評価すると6128Pa・sに低下した。部分的にカップリングされたテーパーブロックコポリマーのムーニー粘度(ML1+4、100℃)は40.6であった。二組成ブロックコポリマーのタンデルタは、0.84~25rad/sの周波数範囲で主に粘性挙動(1.00より大きいタンデルタ)を示し、5.0rad/sで1.27の最大タンデルタを示した。この部分的にカップリングされたテーパーブロックコポリマーのレオロジー特性の詳細を表3に示す。比較例C-2の分子量分布を図9に示す。
【0123】
比較例C-3:
パイロットプラント反応器での高粘度レベルの線状テーパーブロックコポリマーの合成。比較例C-1と同じ手順を実施したが、分子量を増加させるために、n-ブチルリチウムの投与量を264.4ミリモルに減らした。各非カップリングテーパーブロックコポリマー合成例の具体的な配合及び重合プロセス条件を表1に示す。合成された非カップリングテーパーブロックコポリマーの重量平均分子量(M)は107.8kg/molであった。分子量分布は1.03の多分散指数を示し、式D-(D/A)-Aの非カップリング線形テーパーブロックコポリマーに対応する単一の狭いピークがあった。非カップリングテーパーブロックコポリマーの総スチレン繰り返し単位含有量は38.9重量%であり、一方、ブロックスチレン含有量は28.8%であった。したがって、モノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は74.0モル%であった。この非カップリングテーパーブロックコポリマーの具体的なGPC及びNMR特性を表2に示す。0.99rad/sでの非カップリングテーパーブロックコポリマーの複合動的剪断粘度は96249Pa・sであり、100rad/sの振動周波数で評価すると6269Pa・sに低下した。非カップリングテーパーブロックコポリマーのムーニー粘度(ML1+4、100℃)は53.1であった。二組成ブロックコポリマーのタンデルタは、0.25~5rad/sの周波数範囲で主に粘性挙動(1.00より大きいタンデルタ)を示し、0.99rad/sで1.17の最大タンデルタを示した。この非カップリングテーパーブロックコポリマーのレオロジー特性の詳細を表3に示す。
【0124】
【表1】
【0125】
【表2】
【0126】
【表3】
【0127】
発明例1~13で実施されるバッチ合成プロセスは、それぞれが分子量及びモノビニル芳香族繰り返し単位含有量の異なる少なくとも2つの区別可能な画分を有する二組成ブロックコポリマーを生成し、低分子量の画分は、高分子量を示す画分よりもモノビニル芳香族繰り返し単位含有量が多いことに留意されたい。
【0128】
また、発明例1~13で調製されたすべての二組成ブロックコポリマーは、線形かカップリングされているかにかかわらず、比較例1~3で調製された従来技術のテーパーブロックコポリマーよりも高いモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度を有することに留意されたい。これは、カップリング工程の後に残りのポリマーアニオンに対して実行されるモノビニル芳香族ブロック鎖延長の結果である。
【0129】
発明例1~13で調製されたすべての二組成ブロックコポリマーの多分散指数は、最も高い場合には1.40に達するが、有機リチウム開始バッチ重合プロセスとそれに続くカップリングで予想される典型的な低い値の範囲にある。これらの低レベルの多分散性は、架橋マイクロセルラーゴム状物品の製造を目的としたブロックコポリマーを製造するために通常使用される代替の先行技術の有機リチウム開始連続重合プロセスによって得ることは不可能である。バッチ反応器で調製された、発明例4及び13、ならびに比較例2で調製された二組成ブロックコポリマー、そして、連続重合反応器における従来技術のプロセスによって調製された典型的なブロックコポリマーであり、単峰性であるが非常に広い分子量分布を有する市販の参照Buna(登録商標)BL30-4548(ARLANXEO製)の分子量分布の比較を図9に示す。
【0130】
発明例1~13で調製されたすべての二組成ブロックコポリマーは、それらの複合動的剪断粘度及びムーニー粘度レベルとは無関係に、又は使用されるカップリング剤の種類とは無関係に、評価された全周波数範囲にわたって1.0未満のタンデルタ値のみを示す。発明例1及び11を見ると、二組成ブロックコポリマーの非カップリング画分とカップリング画分との間のモノビニル芳香族繰り返し単位の組成差(%CD)が11%という低さでも、このタンデルタ挙動を促進するのに依然として十分であることが分かる。対照的に、低粘度レベルの比較例1で調製された先行技術による線形テーパーブロックコポリマー、及び高粘度レベルの比較例3では、1.0を超えるタンデルタ値から明らかなように、評価した周波数スペクトルのかなり広い部分で主に粘性挙動を示す。同様に、先行技術に従って作製された、カップリング画分と非カップリング画分との間で均質なモノビニル芳香族繰り返し単位含有量及び中程度の粘度レベルを有する比較例2の部分的にカップリングされたテーパーブロックコポリマーも、評価した周波数スペクトルの広い部分で1.0を超えるタンデルタ値を示す。前に述べたように、主に弾性挙動を有する、すなわち、1.0未満のタンデルタ値を有するポリマー材料は、発泡剤の膨張中のそれらの溶融強度が高いために、発泡用途により適していることが当技術分野でよく知られている。これらのタンデルタプロファイルの比較により、本発明による二組成ブロックコポリマーは、従来技術の線状テーパーブロックコポリマー又は同質の組成の部分的にカップリングされたテーパーブロックコポリマーよりも発泡目的により適していると結論付けることができる。
【0131】
発明例13及び図9では、二組成ブロックコポリマーが三峰性の分子量分布を有し得ことが示されている。具体的には、発明例13において、非カップリングブロックコポリマー画分Uは、分子量分布の約15.6%を占める式D-(D/A)-Aのテーパー線形ブロックコポリマー分子、及び分子量分布の約47.0重量%を占める式D-(D/A)-Aのテーパー線形ブロックコポリマー分子から構成される。ここで、モノビニル芳香族ブロックAは、モノビニル芳香族ブロックAよりも分子量が大きい。この三峰性分子量分布にもかかわらず、発明例13で調製された二組成ブロックコポリマーは、評価した全周波数範囲にわたって1.0未満のタンデルタ値のみを示す。
【0132】
発明例14:
モノビニル芳香族繰り返し単位含有量の高い二組成ブロックコポリマーの合成。約65.98kgのシクロヘキサン、約1.88kgのスチレン、及び約5.75kgのブタジエンを、189リットルの反応器に、窒素雰囲気下、撹拌しながら投入した。反応器温度を55.7℃に設定し、次に322.9ミリモルのn-ブチルリチウムを反応器に供給した。初回のモノマー投入物の重合は、98.8℃のピーク温度に達した。次に、31.42ミリモルの四塩化ケイ素カップリング剤を反応器に供給した。3分間待った後、約3.08kgのスチレンを反応器に供給した。2回目のスチレン投入物の重合反応の熱の結果として、反応温度は約101.2℃に上昇した。1分間待った後、単官能性アルコールを投入することにより、すべてのポリマーアニオンを停止させた。配合及び重合プロセス条件を表4に示す。次に、ゴム溶液に、0.5phrのフェノール系酸化防止剤と0.6phrの亜リン酸系酸化防止剤を加えた。二組成ブロックコポリマーのサンプルを、125℃でのロールミリングによって回収し、特性評価した。二組成ブロックコポリマーの重量平均分子量(M)は181.0kg/molであり、多分散度M/Mは1.23であった。GPC-RIによる分子量分布は3つのピークを示した:式D-(D/A)-Aの非カップリング線形テーパーブロックコポリマーに対応する11.0%の低分子量ピーク;式D-(D/A)-Aの非カップリング線形テーパーブロックコポリマーの51.6%の中分子量ピーク;及びカップリングされたテーパースチレン-ブタジエンブロックコポリマー[D-(D/A)-An=2~4-Siを示す37.4%の高分子量ピーク(%Cri)。二組成ブロックコポリマーの総スチレン繰り返し単位含有量は47.8重量%であり、一方、スチレンブロック含有量は39.9%であった。したがって、二組成ブロックコポリマーのモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は83.4モル%であった。二組成ブロックコポリマーの具体的なGPC及びNMR特性を表5に示す。0.99rad/sでの二組成ブロックコポリマーの複合動的剪断粘度は105345Pa・sであり、100rad/sの振動周波数で評価すると5649Pa・sに低下した。ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は48であった。二組成ブロックコポリマーのタンデルタは、0.25~200rad/sの全周波数網羅で主に弾性挙動(1.00未満のタンデルタ)を示し、100℃及び13.95%のひずみで評価した場合、2.51rad/sの周波数で0.76の最大値を示した。140℃の温度での同じ振動剪断試験では、25.12rad/sの周波数で0.70の最大タンデルタ値を示した。この二組成ブロックコポリマーのレオロジー特性を表6に示す。
【0133】
発明例15。
高いモノビニル芳香族繰り返し単位含有量及び高分子量を有する二組成ブロックコポリマーの合成。約48.02kgのシクロヘキサン、約1.40kgのスチレン、及び約4.19kgのブタジエンを、189リットルの反応器に、窒素雰囲気下、撹拌しながら投入した。反応器温度を54.1℃に設定し、次に219.7ミリモルのn-ブチルリチウムを反応器に供給した。初回のモノマー投入物の重合は、96.8℃のピーク温度に達した。次に、18.33ミリモルの四塩化ケイ素カップリング剤を反応器に供給した。3分間待った後、約2.35kgのスチレンを反応器に供給した。2回目のスチレン投入物の重合反応の熱の結果として、反応温度は約99.0℃に上昇した。1分間待った後、単官能性アルコールを反応器に供給して、すべてのポリマーアニオンを停止させた。配合及び重合プロセス条件を表4に示す。次に、ゴム溶液に、0.5phrのフェノール系酸化防止剤と0.6phrの亜リン酸系酸化防止剤を加えた。二組成ブロックコポリマーのサンプルを、125℃でのロールミリングによって回収し、特性評価した。二組成ブロックコポリマーの重量平均分子量(M)は233.7kg/molであり、多分散度M/Mは1.17であった。GPC-RIによる分子量分布は3つのピークを示した:式D-(D/A)-Aの非カップリング線形テーパーブロックコポリマーに対応する4.0%の低分子量ピーク;式D-(D/A)-Aの非カップリング線形テーパーブロックコポリマーの54.3%の中分子量ピーク;及びカップリングされたテーパースチレン-ブタジエンブロックコポリマー[D-(D/A)-An=2~4-Siを示す41.7%の高分子量ピーク(%Cri)。二組成ブロックコポリマーの総スチレン繰り返し単位含有量は48.4重量%であり、一方、スチレンブロック含有量は39.7%であった。したがって、二組成ブロックコポリマーのモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は、82.0モル%であった。二組成ブロックコポリマーのGPC及びNMR特性を表5に示す。0.99rad/sでの二組成ブロックコポリマーの複合動的剪断粘度は155221Pa・sであり、100rad/sの振動周波数で評価すると6467Pa・sに低下した。ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は66であった。二組成ブロックコポリマーのタンデルタは、0.25~200rad/sの全周波数網羅で主に弾性挙動(1.00未満のタンデルタ)を示し、100℃及び13.95%ひずみで評価した場合、0.50rad/sの周波数で0.68の最大値を示した。140℃の温度での同じ振動剪断試験では、2.51rad/sで0.62の最大タンデルタ値を示した。この二組成ブロックコポリマーのレオロジー特性を表6に示す。
【0134】
発明例16。
パラフィン系油を含む二組成ブロックコポリマー。発明例15で調製されたゴム溶液に、ExxonMobilからの4prのパラフィン系油PRIMOL(商標)352を配合した。油展された二組成ブロックコポリマーのサンプルを、125℃でのロールミリングによって回収し、特性評価した。0.99rad/sでの二組成ブロックコポリマーの複合動的剪断粘度は101760Pa・sであり、100rad/sの振動周波数で測定すると4968Pa・sに低下した。ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は50であった。二組成ブロックコポリマーのタンデルタは、0.25~200rad/sの全周波数網羅で主に弾性挙動(1.00未満のタンデルタ)を示し、100℃及び13.95%ひずみで評価した場合、0.99rad/sの周波数で0.72の最大値を示した。140℃の温度での同じ振動剪断試験では、5.00rad/sで0.65の最大タンデルタ値を示した。この二組成ブロックコポリマーのレオロジー特性を表6に示す。
【0135】
発明例17。
高ビニル芳香族繰り返し単位含有量及び低カップリング度を有する二組成ブロックコポリマーの合成。モノマーの負荷、反応順序及び反応温度は、発明例15のように実施したが、174.5ミリモルのn-ブチルリチウム及び6.55ミリモルの四塩化ケイ素を投入した。詳細なレシピと反応温度を表4に示す。ゴム溶液のサンプルをバッチから採取し、125℃でロールミリングすることにより、二組成ブロックコポリマーを溶媒から分離した。二組成ブロックコポリマーの重量平均分子量(M)は190.5kg/molであり、多分散度M/Mは1.18であった。GPC-RIによる分子量分布は2つのピークを示した:式D-(D/A)-Aの非カップリング線形テーパーブロックコポリマーに対応する80.0%の低分子量ピーク、及びカップリングされたテーパースチレン-ブタジエンブロックコポリマー[D-(D/A)-An=2~4-Siを示す20.0%の高分子量ピーク(%Cri)。二組成ブロックコポリマーの総スチレン繰り返し単位含有量は48.7重量%であり、一方、スチレンブロック含有量は39.6%であった。したがって、二組成ブロックコポリマーのモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は81.3モル%であった。二組成ブロックコポリマーのGPC及びNMR特性評価の結果を表5に示す。0.99rad/sでの二組成ブロックコポリマーの複合動的剪断粘度は248560Pa・sであり、100rad/sの振動周波数で評価すると8761Pa・sに低下した。ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は83であった。二組成ブロックコポリマーのタンデルタは、0.25~200rad/sの全周波数網羅で主に弾性挙動(1.00未満のタンデルタ)を示し、100℃及び13.95%ひずみで評価した場合、0.25rad/sの周波数で0.69の最大値を示した。140℃の温度での同じ振動剪断試験では、0.25rad/sで0.70の最大タンデルタ値を示した。この二組成ブロックコポリマーのレオロジー特性を表6に示す。
【0136】
発明例18。
ナフテン系油を含む二組成ブロックコポリマー。発明例15で調製されたゴム溶液に、NYNASからの9prのナフテン系油NYFLEX(登録商標)223を配合した。油展された二組成ブロックコポリマーのサンプルを、125℃でのロールミリングによって回収し、特性評価した。0.99rad/sでの二組成ブロックコポリマーの複合動的剪断粘度は124840Pa・sであり、100rad/sの振動周波数で測定すると6594Pa・sに低下した。ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は49であった。二組成ブロックコポリマーのタンデルタは、0.25~200rad/sの全周波数網羅で主に弾性挙動(1.00未満のタンデルタ)を示し、100℃及び13.95%ひずみで評価した場合、0.99rad/sの周波数で0.87の最大値を示した。140℃の温度での同じ振動剪断試験では、0.84rad/sで0.80の最大タンデルタ値を示した。この二組成ブロックコポリマーのレオロジー特性を表6に示す。
【0137】
【表4】
【0138】
【表5】
【0139】
【表6】
【0140】
発明例14~18において、発明例14のような油を含まない二組成ブロックコポリマーのレオロジー特性は、発明例16及び18のような油展二組成ブロックコポリマーと、油含有量に応じて適切な量の分子量が増加しただけで一致し得ることが示されている。油の種類やカップリングレベルに関係なく、試験した完全な振動剪断周波数スペクトル全体でタンデルタ値が1.0未満であることから明らかなように、油展二組成ブロックコポリマーは主に弾性を維持する。これらの発明例はまた、二組成ブロックコポリマーの優勢な弾性挙動が、140℃という高い温度でさえも優勢であることを実証している。
【0141】
仮説例
本発明の二組成ブロックコポリマーの構造を図1~8に示す。
図1は、約38重量%の式[D-(D/A)-A-X(左側)のカップリングされたブロックコポリマーC及び約62重量%の式D-(D/A)-A(右側)の非カップリングブロックコポリマーUからなる二組成ブロックコポリマーの概略図を示す。総モノビニル芳香族繰り返し単位含有量Aは約41重量%である。モノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は約87.5モル%である。ブロックコポリマーCのモノビニル芳香族繰り返し単位重量パーセント含有量%Aは、約21重量%である。ブロックコポリマーUのモノビニル芳香族繰り返し単位重量パーセント含有量%Aは、約52重量%である。したがって、ブロックコポリマー画分UとCとの間のモノビニル芳香族繰り返し単位重量パーセントの組成差、%CDは、約31重量%である。
【0142】
図2は、約34重量%の式[D-(D/A)-A-X(左側)のカップリングされたブロックコポリマーCならびに約66重量%の式D-(D/A)-A(右側上に4分子、約57重量%に相当)及びD-(D/A)-A(右側下、約9重量%に相当)の非カップリングブロックコポリマーUからなる二組成ブロックコポリマーの概略図を示す。Aは約39重量%である。モノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は約86.5モル%である。Aは約21重量%、Aは約48重量%である。したがって、%CDは約27重量%である。
【0143】
図3は、約38重量%の式[B-(B/A)-A-X(左側)のカップリングされたブロックコポリマーC及び約62重量%の式B-(B/A)-A(右側)の非カップリングブロックコポリマーUからなる二組成ブロックコポリマーの概略図を示す。Aは約41重量%である。モノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は約87.5モル%である。Aは約21重量%、Aは約52重量%である。したがって、%CDは約31重量%である。
【0144】
図4は、約34重量%の式[B-(B/A)-A-X(左側)のカップリングされたブロックコポリマーCならびに約66重量%の式B-(B/A)-A(右側上に4分子、約57重量%に相当)及びB-(B/A)-A(右側下、約9重量%に相当)の非カップリングブロックコポリマーUからなる二組成ブロックコポリマーの概略図を示す。Aは約39重量%である。モノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は約86.5モル%である。Aは約21重量%、Aは約48重量%である。したがって、%CDは約27重量%である。
【0145】
図5は、約38重量%の式[(B/A)-A-X(左側)のカップリングされたブロックコポリマーC及び約62重量%の式(B/A)-A(右側)の非カップリングブロックコポリマーUからなる二組成ブロックコポリマーの概略図を示す。Aは約41重量%である。モノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は約87.5モル%である。Aは約21重量%、Aは約52重量%である。したがって、%CDは約31重量%である。
【0146】
図6は、約34重量%の式[(B/A)-A-X(左側)のカップリングされたブロックコポリマーCならびに約66重量%の式(B/A)-A(右側上に4分子、約57重量%に相当)及び(B/A)-A(右側下、約9重量%に相当)の非カップリングブロックコポリマーUからなる二組成ブロックコポリマーの概略図を示す。Aは約39重量%である。モノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は約86.5モル%である。Aは約21重量%、Aは約48重量%である。したがって、%CDは約27重量%である。
【0147】
図7は、約38重量%の式[B-A-X(左側)のカップリングされたブロックコポリマーC及び約62重量%の式B-A(右側)の非カップリングブロックコポリマーUからなる二組成ブロックコポリマーの概略図を示す。Aは約41重量%である。モノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は約100モル%である。Aは約21重量%、Aは約52重量%である。したがって、%CDは約31重量%である。
【0148】
図8は、約34重量%の式[B-A-X(左側)のカップリングされたブロックコポリマーCならびに約66重量%の式B-A(右側上に4分子、約57重量%に相当)及びB-A(右側下、約9重量%に相当)の非カップリングブロックコポリマーUからなる二組成ブロックコポリマーの概略図を示す。Aは約39重量%である。モノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は約100モル%である。Aは約21重量%、Aは約48重量%である。したがって、%CDは約27重量%である。
【0149】
図1図8において、黒いバーはモノビニル芳香族繰り返し単位の配列を示し、灰色のバーは共役ジエン繰り返し単位の配列を示し、Xは四官能性カップリング剤の残基である。図1図6において、共役ジエン繰り返し単位の配列中の黒い線は、モノビニル芳香族繰り返し単位が共役ジエン繰り返し単位と共重合される異なる配置を表す。それらの位置と間隔は、個々のモノビニル芳香族繰り返し単位の特定の位置ではなく、共役ジエン繰り返し単位も含むブロックに沿って散在するモノビニル芳香族繰り返し単位の濃度の傾向を示している。したがって、テーパー共重合の特徴である、わずかな勾配とそれに続く急勾配の濃度プロファイルが、図1及び図2に示されている。共役ジエン繰り返し単位の一部のみを伴うランダム化が図3及び図4に示されている。すべての共役ジエン繰り返し単位を伴う完全にランダム化された配置が図5及び図6に示されている。
【0150】
最終用途の例
以下の発明例では、二組成ブロックコポリマー、化学発泡剤及び架橋剤を含むゴムコンパウンドの配合が示されている。このコンパウンドは、密封され加熱された圧縮金型内で予備架橋され、その後、突然の減圧と金型の開放が行われ、マイクロセルラーゴムが膨張する。その後、マイクロセルラーゴムプローブの架橋段階が強制対流オーブン内で完了する。比較例では、架橋マイクロセルラーゴムプローブを得るための同じ配合及び方法が使用されるが、比較例1~3で調製された従来技術のブロックコポリマー、ならびに単峰性で非常に広い分子量分布を示す市販のブロックコポリマー参照(Buna(登録商標)BL30-4548)を用いている。
【0151】
架橋マイクロセルラーゴムプローブを、表面の外観を確認するために目視検査し、また、体積収縮を確認するために、架橋段階の前後に測定した。これに加えて、プローブを以下の観点で分析した:
密度を、MUVERブランドの電子密度計、モデル5085-2を使用して、ISO2781標準法で測定した。数平均セルサイズ及びセルサイズ標準偏差を、Carl Zeiss AXIOTECH 100HD顕微鏡及びデジタル画像分析を使用した落射蛍光顕微鏡法によって測定した。硬度を、MUVER 5019ホルダに取り付けた、DIN53505及びISO868規格に準拠したBareissブランドのショアAデュロメータを使用して測定した。弾性率(resilience)を、Zwick 5109リバウンドレジリエンステスターを使用して測定した。
【0152】
発明例19:
ゴムコンパウンドを、発明例3で調製した100phrの二組成ブロックコポリマー、発泡剤として6prのアゾジカルボンアミド(Celogen(商標)AZ-130、CelChem,LLC製)及び架橋剤として1.1phrの過酸化ジクミルをロールミルで配合することにより調製した。ゴムコンパウンドを圧縮成形し、金型の密閉を確実にするために3%過剰に充填した。金型を150℃の加熱プレートで、92.8kgf/cmのクランプ圧力で3分間クランプした。その後、金型を加圧したまま120℃まで冷却した。次に、金型のクランプ圧力を解放し、圧縮プレスプレートを開いた。すぐに泡が膨張し、これは上部の型プラークが持ち上がることで確認できた。予備架橋された発泡体プローブを、23℃の水中で急冷した。架橋は、予備架橋された発泡体プローブを100℃の強制対流オーブンに6時間置くことで完了した。次に、ゴム発泡体プローブを23℃で24時間コンディショニングした。このようにして調製された架橋マイクロセルラー発泡ゴムプローブは、気泡膨れ欠陥のない滑らかな表面を有していた。予備架橋されたプローブの体積と完全に架橋されたプローブの体積を比較することによる体積収縮は3.9%であった。架橋マイクロセルラーゴムプローブは、0.446g/cmの密度、6.74μmの数平均セルサイズ、セルサイズの標準偏差2.09μm、28.0のショアA硬度、及び37.9%弾性率を有していた。表7において、架橋マイクロセルラーゴムプローブの配合及び評価結果を、残りの発明例及び比較例と比較する。
【0153】
発明例20:
発明例4で調製された二組成ブロックコポリマーを含むゴムコンパウンド及び架橋マイクロセルラーゴムプローブを、発明例19のように調製した。このようにして調製された架橋マイクロセルラーゴムプローブは、気泡膨れ欠陥のない滑らかな表面を有していた。予備架橋されたプローブの体積と完全に架橋されたプローブの体積を比較することによる体積収縮は3.9%であった。架橋マイクロセルラープローブは、0.464g/cmの密度、8.08μmの数平均セルサイズ、セルサイズの標準偏差2.40μm、38のショアA硬度、及び37.9%弾性率を有していた。表7において、架橋マイクロセルラーゴムプローブの配合及び評価結果を、残りの発明例及び比較例と比較する。
【0154】
発明例21:
発明例5で調製された二組成ブロックコポリマーを含むゴムコンパウンド及び架橋マイクロセルラーゴムプローブを、実施例19のように調製した。このようにして調製された架橋マイクロセルラーゴムプローブは、気泡膨れ欠陥のない滑らかな表面を有していた。予備架橋されたプローブの体積と完全に架橋されたプローブの体積を比較することによる体積収縮は4.0%であった。架橋マイクロセルラープローブの密度は0.662g/cm、ショアA硬度は38.0、弾力性は37.0%である。表7において、架橋マイクロセルラーゴムプローブの配合及び評価結果を、残りの発明例及び比較例と比較する。
【0155】
比較例C-4:
比較例C-1で調製された従来技術の非カップリングテーパーブロックコポリマーを含むゴムコンパウンド及び架橋マイクロセルラーゴムプローブを、発明例19のように調製した。このようにして調製された架橋マイクロセルラー発泡ゴムプローブは、気泡膨れ欠陥を伴う不規則な表面を有していた。予備架橋されたプローブの体積と完全に架橋されたプローブの体積を比較することによる体積収縮は3.9%であった。架橋マイクロセルラーゴムプローブは、0.526g/cmの密度、13.1μmの数平均セルサイズ、セルサイズの標準偏差8.79μm、55.0のショアA硬度、及び28.2%弾性率を有していた。表7において、架橋マイクロセルラーゴムプローブの配合及び評価結果を、残りの発明例及び比較例と比較する。
【0156】
比較例C-5:
比較例C-2で調製された従来技術のカップリングされたテーパーブロックコポリマーを含むゴムコンパウンド及び架橋マイクロセルラーゴムプローブを、発明例19のように調製した。このようにして調製された架橋マイクロセルラーゴムプローブは、気泡膨れ欠陥を伴う不規則な表面を有していた。予備架橋されたプローブの体積と完全に架橋されたプローブの体積を比較することによる体積収縮は4.0%であった。架橋マイクロセルラーゴムプローブは、0.790g/cmの密度、9.50μmの数平均セルサイズ、セルサイズの標準偏差3.38μm、76.0のショアA硬度、及び31.0%弾性率を有していた。表7において、架橋マイクロセルラーゴムプローブの配合及び評価結果を、残りの発明例及び比較例と比較する。
【0157】
比較例C-6:
比較例C-3で調製された従来技術の非カップリングテーパーブロックコポリマーを含むゴムコンパウンド及び架橋マイクロセルラーゴムプローブを、発明例19のように調製した。このようにして調製された架橋マイクロセルラーゴムプローブは、気泡膨れ欠陥を伴う不規則な表面を有していた。予備架橋されたプローブの体積と完全に架橋されたプローブの体積を比較することによる体積収縮は3.9%であった。架橋マイクロセルラーゴムプローブは、0.694g/cmの密度、6.40μmの数平均セルサイズ、セルサイズの標準偏差2.00μm、53のショアA硬度、及び32.8%弾性率を有していた。表7において、架橋マイクロセルラーゴムプローブの配合及び評価結果を、残りの発明例及び比較例と比較する。
【0158】
比較例C-7:
二組成ブロックコポリマーの代わりに、従来のブロックコポリマーBuna(登録商標)BL30-4548(図9に示す単峰性で非常に広い分子量分布を有するブロックコポリマーであり、マイクロセルラーゴム用途の市販の参照物である)を含むゴムコンパウンド及び架橋マイクロセルラーゴムプローブを例19のように調製することを試みた。圧縮成形、金型冷却、減圧及び型開条件は、発明例19とまったく同じように実施できたが、高温金型上の負荷圧力を解放し、プレスプレートを開くと、ゴムコンパウンドの膨張はごく限られた範囲で生じ、型上部のプラークの持ち上がりは認識できなかった。このようにして調製された架橋ゴムプローブは、気泡膨れ欠陥のない滑らかな表面を有していた。予備架橋されたプローブの体積と完全に架橋されたプローブの体積を比較することによる体積収縮は0%であった。架橋ゴムプローブは非常に高い1.042g/cmの密度を有し、このゴムコンパウンドの発泡性能が低いことを裏づけた。光学顕微鏡分析により、セル数が非常に少なく、平均セルサイズが14.25μm、セルサイズの標準偏差が5.04μmであることが明らかになった。架橋ゴムプローブのショアA硬度は43、弾性率は37.5%であった。表7において、架橋ゴムプローブの配合及び評価結果を、残りの発明例及び比較例と比較する。
【0159】
発明例19及び比較例C-4では、配合に使用されたブロックコポリマーは、表3から明らかなように、非常に類似したムーニー粘度値、それぞれ32.0及び32.4を有し、100℃で非常に類似した複合剪断粘度を示した(発明例3及び比較例C-1を参照)。発明例19のゴムコンパウンド配合物における本発明の二組成ブロックコポリマーの使用は、比較例C-4において従来技術の非カップリングテーパーブロックコポリマーを使用して配合を行う場合よりも、より滑らかな表面、より低い密度、より小さくより均一なサイズのセル、より低い硬度及びより高い弾性率を有する架橋マイクロセルラーゴムプローブを製造するために行われたことに留意されたい。発明例19及び比較例C-4の両方について、低い体積収縮が得られた。
【0160】
発明例20及び比較例C-5では、配合に使用されたブロックコポリマーは、表3から明らかなように、非常に類似したムーニー粘度値、それぞれ39.2及び40.6を有し、100℃で非常に類似した複合剪断粘度を示した(発明例4及び比較例C-2を参照)。発明例20のゴムコンパウンド配合物における本発明の二組成ブロックコポリマーの使用は、比較例C-5において従来技術のカップリングされたテーパーブロックコポリマーを使用して配合を行う場合よりも、より滑らかな表面、より低い密度、より小さくより均一なサイズのセル、はるかに低い硬度及びより高い弾性率を有する架橋マイクロセルラーゴムプローブを製造するために行われたことに留意されたい。発明例20及び比較例C-5の両方について、低い体積収縮が得られた。
【0161】
発明例21及び比較例C-6において、配合に使用されたブロックコポリマーは、表3から明らかなように、100℃で非常に類似した複合剪断粘度プロファイルを有していた(発明例3及び比較例C-1を参照)。発明例21のゴムコンパウンド配合物における本発明の二組成ブロックコポリマーの使用は、比較例C-6において従来技術の非カップリングテーパーブロックコポリマーを使用して配合を行う場合よりも、より滑らかな表面、より低い密度、より低い硬度及びより高い弾性率を有する架橋マイクロセルラーゴムプローブを製造するために実施されたことに留意されたい。発明例21及び比較例C-6の両方について、低い体積収縮が得られた。
【0162】
【表7】
【0163】
発明例22:
発泡性ゴムコンパウンドを、100phrの実施例13の二組成ブロックコポリマー、6prのアゾジカルボンアミド及び1.1prの過酸化ジクミルをロールミルで配合することにより調製した。発泡性ゴムコンパウンドを圧縮成形し、金型の密閉を確実にするために3%のゴムコンパウンドを過剰に充填した。金型を170℃の加熱プレートで、92.8kgf/cmのクランプ圧力で3分間クランプした。次に、金型にかかる圧力負荷を解放し、圧縮プレスプレートを開いた。すぐに泡が膨張し、これは上部の型プラークが持ち上がることで確認できた。次に、型及び架橋されたマイクロセルラーゴムプローブを23℃の水中で急冷した。架橋したマイクロセルラーゴムプローブを型から取り出し、吸収紙で乾燥させた。次に、架橋されたマイクロセルラーゴムプローブを、23℃、相対湿度50%の制御された雰囲気の部屋で7日間コンディショニングした。このようにして調製された架橋マイクロセルラーゴムプローブは、気泡膨れ欠陥のない滑らかな表面を有していた。密度は0.624g/cmで、制御された雰囲気の部屋で7日間コンディショニングした後、0%の収縮を示した。架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドの配合及び特性を表8にまとめる。
【0164】
比較例7:
二組成ブロックコポリマーの代わりにBuna(登録商標)BL30-4548を含む発泡性ゴムコンパウンド及び架橋マイクロセルラーゴムプローブを、発明例22のように調製した。圧縮成形条件は発明例22とまったく同じように実施できたが、高温金型上の負荷圧力を解放し、圧縮プレスプレートを開くと、ゴムコンパウンド発泡体の膨張はごく限られた範囲で生じ、型上部のプラークの持ち上がりは認識できなかった。このようにして調製された架橋マイクロセルラー発泡ゴムプローブは、気泡膨れ欠陥のない滑らかな表面を有していた。0.986g/cmの密度は、このコンパウンドの低い発泡性能を示した。架橋マイクロセルラーゴムコンパウンドの配合及び特性を表8にまとめる。
【0165】
【表8】
【0166】
全体として、本発明の二組成ブロックコポリマーが架橋マイクロセルラーゴムプローブを製造するために使用されたすべての場合において、滑らかな表面美観が得られたが、従来技術のテーパーブロックコポリマーを使用した場合、非カップリング又はカップリングされたもので、生成されたマイクロセルラーゴムプローブは表面に気泡膨れ欠陥があった。本発明の二組成ブロックコポリマーを使用する場合、従来技術の代替物を使用する場合よりも低いプローブ密度、及びより均一なサイズのセルから明らかなように、向上した発泡性能も証明された。さらに、本発明の二組成ブロックコポリマーを含む場合、架橋ゴムコンパウンドにおいて、より高い柔らかさ(より低いショアA硬度)及びより高い弾性率が得られた。同じ予備架橋/成形、減圧及び架橋条件下で、二組成ブロックコポリマーを含む配合物は、架橋マイクロセルラーゴムプローブの製造を可能にしたが、市販の参照Buna(登録商標)BL30-4548マイクロセルラー発泡体を使用した場合は可能ではなかった。
【0167】
以下の例では、実験室の内部ミキサーで配合評価を行った。配合物は、本発明の二組成ブロックコポリマー又は従来技術のテーパーブロックコポリマーのいずれかを含んでいた。配合性能を評価するために、トルク及び温度の読み取り値を収集した。配合評価は、BrabenderブランドのCAMブレードと420mlの正味チャンバー容積を備えたPrep-Mixer測定ヘッドを備えたIntelli-Torque Plasti-Corderで行った。使用された標準的な配合物はまた、エマルジョンSBR、フィラー、可塑剤、酸化防止剤、化学発泡剤、発泡剤活性化剤、架橋剤、架橋促進剤、架橋剤活性化剤を含んでいた。
【0168】
発明例23:
実験室の内部ミキサーで配合評価を行った。初回投入は、実施例3で調製された80phrの二組成ブロックコポリマー及び20phrのEmulprene1502(23.5%スチレン繰り返し単位含有量を有するコールドエマルジョンスチレン-ブタジエンランダムコポリマー、Dynasol Group製)を含み、混合を45℃で安定化されたチャンバー温度で開始した。1分の混合時間で、2.5phrのナフテン系油及び1.7phrのパラフィンワックスを加えた。4分の混合時間で、70phrの硬質粘土、35phrのケイ酸アルミニウム、4.5phrのアゾジカルボンアミド(Celogen(商標)AZ-130)、及び1.0phrのWingstay(登録商標)L(OMNOVA Solutions Inc.製)酸化防止剤を添加した。8分の混合時間で、3.0phrの硫黄、3.5phrのステアリン酸及び3.5phrの酸化亜鉛を加えた。10分の混合時間で、1phrのジフェニルグアニジン(DPG)及び2.3phrの2-ベンゾチアジル-N-スルフェンモルホリド(MBS)を加えた。合計混合時間12分で、トルクの読み取り値は106.2N・mであり、混合チャンバーの内部温度は87℃であった。配合評価結果を表9に示す。
【0169】
発明例24:
発明例4の二組成ブロックコポリマーを使用して、発明例23と同様に配合評価を行った。合計混合時間12分で、トルクの読み取り値は110.2N・mであり、混合チャンバーの内部温度は87℃であった。配合評価結果を表9に示す。
【0170】
発明例25:
発明例13の二組成ブロックコポリマーを使用して、発明例23と同様に配合評価を行った。合計混合時間12分で、トルクの読み取り値は110.0N・mであり、混合チャンバーの内部温度は87℃であった。配合評価結果を表9に示す。
【0171】
発明例26:
発明例5の二組成ブロックコポリマーを使用して、発明例23と同様に配合評価を行った。合計混合時間12分で、トルクの読み取り値は115.6N・mであり、混合チャンバーの内部温度は88℃であった。配合評価結果を表9に示す。
【0172】
比較例C-9:
比較例1のテーパー線形ブロックコポリマーを使用して、発明例23と同様に配合評価を行った。合計混合時間12分で、トルクの読み取り値は109.9N・mであり、混合チャンバーの内部温度は88℃であった。配合評価結果を表9に示す。
【0173】
比較例C-10:
比較例2のテーパーカップリングされたブロックコポリマーを使用して、発明例23と同様に配合評価を行った。合計混合時間12分で、トルクの読み取り値は112.2N・mであり、混合チャンバーの内部温度は87℃であった。配合評価結果を表9に示す。
【0174】
比較例C-l1:
比較例3のテーパーブロックコポリマーを使用して、発明例23と同様に配合評価を行った。合計混合時間12分で、トルクの読み取り値は119.6N・mであり、混合チャンバーの内部温度は90℃であった。配合評価結果を表9に示す。
【0175】
比較例C-12:
Buna(登録商標)BL30-4548を使用して、発明例23と同様に配合評価を行った。合計混合時間12分で、トルクの読み取り値は114.3N・mであり、混合チャンバーの内部温度は90℃であった。配合評価結果を表9に示す。
【0176】
発明例23及び比較例9において、配合に使用されたブロックコポリマーは、表3に見られるように、非常に類似したムーニー粘度値、それぞれ32.0及び32.4と、100℃で非常に類似した複合剪断粘度プロファイルを有していた(発明例3及び比較例1参照)。配合物が二組成ブロックコポリマーを含む場合、従来技術の非カップリングテーパーブロックコポリマーを含む場合よりも、配合サイクルの終わりにわずかに低いトルク及び低いチャンバー温度が得られたことに留意されたい。
【0177】
発明例24及び25、ならびに比較例10において、配合に使用されたブロックコポリマーは、表3に見られるように、非常に類似したムーニー粘度値、それぞれ39.2、39.0及び40.6と、100℃で非常に類似した複合剪断粘度プロファイルを有していた(発明例4、発明例13及び比較例2参照)。ここでも、配合物が二組成ブロックコポリマーを含む場合、従来技術の非カップリングテーパーブロックコポリマーを含む場合よりも、配合サイクルの終わりにわずかに低いトルク及び低いチャンバー温度が得られたことに留意されたい。
【0178】
発明例26及び比較例11において、配合に使用されたブロックコポリマーは、表3に見られるように、100℃で非常に類似した、前の実施例よりも高い複合剪断粘度プロファイルを有していた(発明例3及び比較例1参照)。ここでも、配合物が二組成ブロックコポリマーを含む場合、従来技術の非カップリングテーパーブロックコポリマーを含む場合よりも、配合サイクルの終わりにわずかに低いトルク及び低いチャンバー温度が得られたことに留意されたい。
【0179】
さらに、発明例23~26の配合物の配合を、比較例12において、先行技術の市販の参照Buna(登録商標)BL30-4548を含む配合物の配合と比較すると、本発明の二組成ブロックコポリマーでは配合サイクルの終わりに温度が低くなり、ほとんどの場合、最終トルクがわずかに低くなることに留意されたい。
【0180】
本発明の二組成ブロックコポリマーを含む配合物を配合する場合のわずかに低いトルクは、配合操作を実施するために必要な電力消費量を少なくするため、利点を表す。本発明の二組成ブロックコポリマーを含む配合物を配合する場合のわずかに低い最終内部チャンバー温度は、混合操作中の早期の架橋及び早期の膨れの問題がより良好に回避されるため、利点を表す。これは、低い活性化温度で架橋系及び/又は発泡剤系を使用する場合に特に有利である。
【0181】
【表9】
【0182】
以下の実施例では、本発明の二組成ブロックコポリマー又は従来技術のブロックコポリマーを含むホットメルト感圧接着剤の配合及び性能が示されている。採用された配合は、ラベル接着目的のためにカスタマイズされた。接着剤の特性を、次の試験方法で評価した。ASTM D1084/D2556による、150、160、及び177℃でのブルックフィールド粘度;リングアンドボール軟化点温度を、ASTM D36によって取得した;23℃でのループタックテストを、PSTC-16に従って実施した;ローリングボールタックを、PSTC-6で標準化されているように23℃で評価した;PSTC-1による180°の角度及び23℃での剥離強度;及びASTM D3654による23℃での剪断強度。
【0183】
発明例27:
ラベル用のホットメルト感圧接着剤を、以下の配合を使用して調製した:発明例13と同様の特性を有する100重量部の二組成ブロックコポリマー(M=174.0kg/mol、非カップリングブロックコポリマーD-(D/A)-A含有量=15.16%、非カップリングブロックコポリマーD-(D/A)-A含有量=46.01%、カップリングされたブロックコポリマー[D-(D/A)-An=2~4-Si含有量=38.83%、%A=40.08、ブロッキネス度=83.06%、100℃でのムーニー粘度ML1+4=40.7、100℃及び13.95%のひずみで振動周波数を0.25から200rad/sまで網羅したときのTan deltamax=0.81)、178重量部のEastman Chemical Company製水素化ガムロジン粘着付与剤Foral(登録商標)85、50重量部のNYNAS製ナフテン系油Nyflex(登録商標)223、及び4重量部のBASF製酸化防止剤Irganox(登録商標)1010。配合は、制御された加熱マントルと3枚羽根のプロペラによる調整可能な撹拌速度を備えた500mlの円筒形金属容器内で行った。粘着付与剤、ナフテン系油及び酸化防止剤を最初に窒素雰囲気下で135℃に加熱し、穏やかに撹拌して成分を溶融させた。溶融後、撹拌速度を300RPMに設定し、30分間かけて温度を155℃に上げた。次に、二組成ブロックコポリマーを徐々に加え、撹拌速度を750RPMに上げた。次に、温度を170±5℃で次の2時間制御し、その間750RPMで撹拌して、配合物が均質化するようにした。この接着剤は、150℃で66300mP・s(cP)、160℃で46380mP・s(cP)、177℃で19680mP・s(cP)のブルックフィールド粘度;90.9℃のリングアンドボール軟化点温度;23℃で1.000N・m(8.853lb-in)のループタック、23℃で7.1mm(0.28in)のローリングボールタック;180°の角度及び23℃で1.83kg(4.04lb)の剥離強度;及び23℃、1000g荷重で9.58分の剪断強度を示した。接着剤の配合及び性能を表10に示す。
【0184】
比較例C-13:
ラベル用のホットメルト感圧接着剤を発明例27のように調製したが、二組成ブロックコポリマーをDynasol Group製のSolprene(登録商標)1205に置き換えた。Solprene(登録商標)1205は、総スチレン含有量が25重量%、ブロックスチレン含有量が17.5重量%、ムーニー粘度ML1+4、100℃が47のテーパースチレン-ブタジエンブロックコポリマーであり、ホットメルト感圧接着剤の配合において確立された基準である。この接着剤は、150℃で14000mP・s(cP)、160℃で10750mP・s(cP)、177℃で7050mP・s(cP)のブルックフィールド粘度;69.95℃のリングアンドボール軟化点温度;23℃で0.690N・m(6.132lb-in)のループタック;23℃で11mm(0.44in)のローリングボールタック;180°の角度及び23℃で1.486kg(3.275lb)の剥離強度;及び23℃、1000g荷重で1.55分の剪断強度を果たした。この接着剤のレシピ及び特性を表10に示す。
【0185】
比較例C-14:
ラベル用のホットメルト感圧接着剤を発明例27のように調製したが、二組成ブロックコポリマーをDynasol Group製のCalprene(登録商標)540に置き換えた。Calprene(登録商標)540は、総スチレン含有量が40重量%、ブロックスチレン含有量が38重量%の線状スチレン-ブタジエン-スチレントリブロックコポリマーであり、ホットメルト感圧接着剤の配合用にも販売されている。この接着剤は、150℃で13260mP・s(cP)、160℃で9300mP・s(cP)、177℃で5470mP・s(cP)のブルックフィールド粘度;85.3℃のリングアンドボール軟化点温度;23℃で0.570N・m(5.05lb-in)のループタック;23℃で25mm(0.98in)のローリングボールタック;180°の角度及び23℃で1.86kg(4.09lb)の剥離強度;及び23℃、1000g荷重で1.55分の剪断強度を示した。この接着剤のレシピ及び特性を表10に示す。
【0186】
【表10】
【0187】
ラベル用のホットメルト感圧接着剤配合の性能評価は、二組成ブロックコポリマーが優れた粘着性を与えることを示している。これは、カップリング画分の末端共役ジエンリッチブロックのより高い濡れ性と接着能力に関連している可能性がある。他方、二組成ブロックコポリマーが配合された接着剤のより高い軟化点温度は、輸送中に高温にさらされる商品のラベルに有用であるため、接着剤の使用温度範囲を拡大するのに有利である可能性がある。本発明によるホットメルト接着剤のブルックフィールド粘度は、その処理の有用性の上限にあるが、それにもかかわらず、分子量、カップリングレベル、及び/又は使用されるカップリング剤の機能性などの分子パラメータの適切な調整によって容易に低下させることができる。
【0188】
最終用途の適用
要約すると、一実施形態では、本発明は、C及びUを含む二組成ブロックコポリマーを提供し、ここで、Cは:[D-(D/A)-A1]n-X;[B-(B/A)-A1]n-X;[(B/A)-A1]n-X;又は[B-A1]n-X、又はそれらの混合物を含み、Uは:D-(D/A)-A2又はD-(D/A)-A2及びD-(D/A)-A1;B-(B/A)-A2又はB-(B/A)-A2及びB-(B/A)-A1;(B/A)-A2又は(B/A)-A2及び(B/A)-A1;又はB-A2又はB-A2及びB-A1、又はそれらの混合物を含み、Bは共役ジエンモノマーのみから形成されたポリマーブロックであり、(B/A)は少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたランダムポリマーブロックであり、Dは、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、共役ジエン繰り返し単位は、ポリマーブロックの長さ全体に沿ってモノビニル芳香族繰り返し単位よりもモル量が多く、(D/A)は、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、A1又はA2の反対側のポリマーブロック末端は主として共役ジエン繰り返し単位から構成され、ポリマーブロックの組成は、A1又はA2に隣接する端部においてモノビニル芳香族繰り返し単位で実質的に構成されるようになるまで、ブロックの長さに沿って徐々に変化し、A1及びA2は、モノビニル芳香族モノマーのみから形成されたポリマーブロックであり、ポリマーブロックA2はポリマーブロックA1よりも分子量が大きく、Xはカップリング剤の残基であり、nは2~30の値を有する整数である。
【0189】
好ましくは、二組成ブロックコポリマーの分子量分布は、部分的又は完全に分けられる少なくとも2つのピークを示し;及び/又は、ブロックコポリマーCは、分子量分布において最も高い分子量にピークを有する画分を構成し、ブロックコポリマーUは、分子量分布の残りの部分を構成し;及び/又は、ブロックコポリマーCは、分子量分布の約20~約80%を占める。任意選択で、二組成ブロックコポリマーの総モノビニル芳香族繰り返し単位含有量は、約20~約50重量%であり;及び/又は、ブロックコポリマーUのモノビニル芳香族繰り返し単位含有量は、ブロックコポリマーCのモノビニル芳香族繰り返し単位含有量よりも少なくとも10重量%高い。
【0190】
本発明の二組成ブロックコポリマーの主に予想される最終用途は、本明細書に記載の架橋マイクロセルラーゴム製品を製造することである。しかしながら、本発明の二組成ブロックコポリマーはまた、アスファルト補強材、接着剤、シーラント、コーティング、絶縁材及びプラスチック組成物においても有用であり得る。ブロックコポリマーの最終用途は、2107年1月26日に米国特許出願第15/417,193号として出願され、2017年7月27日に公開された米国特許出願第2017/0210841号明細書に記載されており、これは参照により組み込まれる。1つの用途は、瀝青と;可塑剤;フィラー;架橋剤;フロー樹脂;粘着性樹脂;加工助剤;オゾン劣化防止剤;及び酸化防止剤からなる群から選択される1つ以上の添加剤と;本明細書に記載及び特許請求される二組成ブロックコポリマー組成物とを含むことができる瀝青組成物である。ここで、瀝青組成物は、道路舗装用途の場合は約0.5~約25重量パーセント、好ましくは約0.5~約8重量パーセント、及び屋根材、屋根板及び防水膜の用途の場合は3~約25重量パーセントを含む。
瀝青組成物はまた、乳化剤を用いて水中で乳化させることができる。
【0191】
1つの用途は、粘着性樹脂;可塑剤;溶媒;カップリング剤;架橋剤;光開始剤;及び酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤と、本明細書に記載及び特許請求される二組成ブロックコポリマー組成物とを含むことができる接着剤組成物である。接着剤組成物は、約0.5~約50重量パーセントの二組成ブロックコポリマー組成物を含む。別の用途は、粘着付与樹脂;可塑剤;フィラー;カップリング剤;加工助剤;及び酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤と、本明細書に記載及び特許請求される二組成ブロックコポリマー組成物とを含むことができるシーラント組成物である。シーラント組成物は、約0.5~約50重量パーセントの二組成物ブロックコポリマー組成物を含む。本発明の別の適切な用途は、衝撃強度の妥協を最小限に抑えつつ光沢を改善するという特定の目的のために、二組成ブロックコポリマーの存在下でのスチレンのバルク重合、又はスチレンとアクリロニトリルのバルク共重合によって得られるHIPS及びABSなどの耐衝撃性スチレン樹脂の製造である。これには、ポリマー組成物と本明細書に記載及び特許請求されるような二組成物ブロックコポリマー組成物との混合物を含めることができる。
【0192】
説明された上記の発明から、技術、手順、材料、及び装置の様々な修正が、当業者には明らかであろう。本発明の範囲及び趣旨内のそのようなすべてのバリエーションは、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。
【0193】
本開示は、以下の項目によっても定義される:
1. C及びUを含む二組成ブロックコポリマーであって、
Cは:
[D-(D/A)-A-X;
[B-(B/A)-A-X;
[(B/A)-A-X;又は
[B-A-X、又はそれらの混合物
を含み、
Uは:
D-(D/A)-A又はD-(D/A)-A及びD-(D/A)-A
B-(B/A)-A又はB-(B/A)-A及びB-(B/A)-A
(B/A)-A又は(B/A)-A及び(B/A)-A;又は
B-A又はB-A及びB-A、又はそれらの混合物
を含み、
Bは共役ジエンモノマーのみから形成されたポリマーブロックであり、
(B/A)は少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたランダムポリマーブロックであり、
Dは、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、共役ジエン繰り返し単位は、ポリマーブロックの長さ全体に沿ってモノビニル芳香族繰り返し単位よりもモル量が多く、
(D/A)は、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、A又はAの反対側のポリマーブロック末端は主として共役ジエン繰り返し単位から構成され、ポリマーブロックの組成は、A又はAに隣接する端部においてモノビニル芳香族繰り返し単位で実質的に構成されるようになるまで、ブロックの長さに沿って徐々に変化し、
及びAは、モノビニル芳香族モノマーのみから形成されたポリマーブロックであり、ポリマーブロックAはポリマーブロックAよりも分子量が大きく、
Xはカップリング剤の残基であり、
nは2~30の値を有する整数であり、
二組成ブロックコポリマーの分子量分布は、部分的又は完全に分けられる少なくとも2つのピークを示し;
ブロックコポリマーCは、分子量分布において最も高い分子量にピークを有する画分を構成し、ブロックコポリマーUは、分子量分布の残りの部分を構成し;
ブロックコポリマーCは、分子量分布の約20~約80%を占め;
二組成ブロックコポリマーの総モノビニル芳香族繰り返し単位含有量は、約20~約50重量%であり;
ブロックコポリマーUのモノビニル芳香族繰り返し単位含有量は、ブロックコポリマーCのモノビニル芳香族繰り返し単位含有量よりも少なくとも10重量%高く、
任意選択で、エクステンダーオイルをさらに含む、
二組成ブロックコポリマー。
2. Cは:
[D-(D/A)-A-Xを含み、
Uは:
D-(D/A)-A又はD-(D/A)-A及びD-(D/A)-Aを含み、
式D-(D/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め、
式D-(D/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約0~約20重量%を占め、
二組成ブロックコポリマーのモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は、総モノビニル芳香族繰り返し単位ベースで約76モル%以上であり、
任意選択で、二組成ブロックコポリマーは0~約12重量%のエクステンダーオイルをさらに含む、
項目1に記載の二組成ブロックコポリマー。
3. Cは:
[B-(B/A)-A-Xを含み、
Uは:
B-(B/A)-A又はB-(B/A)-A及びB-(B/A)-Aを含み、
式B-(B/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め、
式B-(B/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約0~約20重量%を占め、
任意選択で、二組成ブロックコポリマーは0~約12重量%のエクステンダーオイルをさらに含む、
項目1に記載の二組成ブロックコポリマー。
4. Cは:
[(B/A)-A-Xを含み、
Uは:
(B/A)-A又は(B/A)-A及び(B/A)-Aを含み、
式(B/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め、
式(B/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約0~約20重量%を占め、
任意選択で、二組成ブロックコポリマーは0~約12重量%のエクステンダーオイルをさらに含む、
項目1に記載の二組成ブロックコポリマー。
5. Cは:
[B-A-Xを含み、
Uは:
B-A又はB-A及びB-Aを含み、
式B-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め、
式B-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約0~約20重量%を占め、
二組成ブロックコポリマーのモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は、総モノビニル芳香族繰り返し単位ベースで約90モル%以上であり、
任意選択で、二組成ブロックコポリマーは0~約12重量%のエクステンダーオイルをさらに含む、
項目1に記載の二組成ブロックコポリマー。
6.二組成ブロックコポリマーのモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は、総モノビニル芳香族繰り返し単位ベースで少なくとも約80モル%である、項目2に記載の二組成ブロックコポリマー。
7.Uのモノビニル芳香族繰り返し単位含有量はCよりも少なくとも20重量%高い、項目1~5のいずれか一項に記載の二組成ブロックコポリマー。
8. nは2~4の整数であり、二組成ブロックコポリマーの多分散度比M/Mは1.50未満であるか;又は
nは2~30の整数であり、二組成ブロックコポリマーの多分散度比M/Mは1.90未満である、
項目1~5のいずれか一項に記載の二組成ブロックコポリマー。
9. 動的振動剪断試験において、100℃及び13.95%のひずみで振動周波数を0.25~200rad/sまで変化させたとき、0.95未満のタンデルタ値のみを示し、
任意選択で、動的振動剪断試験において、140℃及び13.95%のひずみで振動周波数を0.25~200rad/sまで変化させたとき、0.95未満のタンデルタ値のみを示す、
項目1~5のいずれか一項に記載の二組成ブロックコポリマー。
10. 動的振動剪断試験において、100℃及び13.95%のひずみで振動周波数を0.25~200rad/sまで変化させたとき、0.90未満のタンデルタ値のみを示し、
任意選択で、動的振動剪断試験において、140℃及び13.95%のひずみで振動周波数を0.25~200rad/sまで変化させたとき、0.90未満のタンデルタ値のみを示す、
項目1~5のいずれか一項に記載の二組成ブロックコポリマー。
11. 動的振動剪断試験において、100℃及び13.95%のひずみで振動周波数を0.25~200rad/sまで変化させたとき、0.85未満のタンデルタ値のみを示し、
任意選択で、動的振動剪断試験において、140℃及び13.95%のひずみで振動周波数を0.25~200rad/sまで変化させたとき、0.85未満のタンデルタ値のみを示す、
項目1~5のいずれか一項に記載の二組成ブロックコポリマー。
12. 二組成ブロックコポリマーのムーニー粘度(ML1+4、100℃)は約25~約90であり、
二組成ブロックコポリマーの複合動的剪断粘度は、0.99rad/sの周波数、100℃の温度、及び13.95%のひずみで評価したとき、約50,000Pa・s~約360,000Pa・sであり、
二組成ブロックコポリマーの複合動的剪断粘度は、100rad/sの周波数、100℃の温度、及び13.95%のひずみで評価したとき、約3,000Pa・s~約12,000Pa・sである、
項目1~5のいずれか一項に記載の二組成ブロックコポリマー。
13.共役ジエンモノマー及びモノビニル芳香族モノマーから形成され、ブロックコポリマーC及びブロックコポリマーUを含む二組成ブロックコポリマーであって、
(a)二組成ブロックコポリマーの分子量分布は、部分的又は完全に分けられる少なくとも2つのピークを示し、
(b)ブロックコポリマーCは、分子量分布において最も高い分子量にピークを有する画分を構成し、ブロックコポリマーUは、分子量分布の残りの部分を構成し、
(c)ブロックコポリマーCは、分子量分布の約20~約80%を占め、
(d)二組成ブロックコポリマーの総モノビニル芳香族繰り返し単位含有量は、約20~約50重量%であり、
(e)ブロックコポリマーUのモノビニル芳香族繰り返し単位含有量は、ブロックコポリマーCのモノビニル芳香族繰り返し単位含有量よりも少なくとも10重量%高く、
(f)二組成ブロックコポリマーのモノビニル芳香族繰り返し単位ブロッキネス度は、総モノビニル芳香族繰り返し単位ベースで約77モル%以上であり、
(g)二組成ブロックコポリマーのムーニー粘度(ML1+4、100℃)は約25~約70であり、
(h)二組成ブロックコポリマーの複合動的剪断粘度は、0.99rad/sの周波数、100℃の温度、及び13.95%のひずみで評価したとき、約50000Pa・sよりも大きく約150000Pa・s未満であり、
(i)二組成ブロックコポリマーの複合動的剪断粘度は、100rad/sの周波数、100℃の温度、及び13.95%のひずみで評価したとき、約3000Pa・sよりも大きく約7000Pa・s未満であり、
(j)二組成ブロックコポリマーの動的振動剪断試験において、100℃の温度及び13.95%のひずみで振動周波数を0.25~200rad/sまで網羅したとき、0.95未満のタンデルタ値を示す、
二組成ブロックコポリマー。
14. ブロックコポリマーCは、一般式:
[D-(D/A)-A-Xを有し、
ブロックコポリマーUは、一般式:
D-(D/A)-A
又は
D-(D/A)-A及びD-(D/A)-Aを有し、
(a)Dは、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、共役ジエン繰り返し単位は、ポリマーブロックの長さ全体に沿ってモノビニル芳香族繰り返し単位よりもモル量が多く、
(b)(D/A)は、少なくとも1種の共役ジエンモノマー及び少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーから形成されたポリマーブロックであり、A又はAの反対側のポリマーブロック末端は主として共役ジエン繰り返し単位から構成され、その組成は、A又はAに隣接する端部においてモノビニル芳香族繰り返し単位で実質的に構成されるようになるまで、ブロックの長さに沿って徐々に変化し、
(c)A及びAは、モノビニル芳香族モノマーのみから形成されたポリマーブロックであり、
(d)ポリマーブロックAはポリマーブロックAよりも分子量が大きく、
(e)Xはカップリング剤の残基であり、nは2~30の値を有する整数であり、
(f)式[D-(D/A)-A-Xのカップリングされたブロックコポリマー分子が、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め、
(g)式D-(D/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約20~約80重量%を占め、
(h)式D-(D/A)-Aの非カップリングブロックコポリマー分子が、二組成ブロックコポリマーの分子量分布の約0~約20重量%を占める、
項目13に記載の二組成ブロックコポリマー。
15.項目2に記載の二組成ブロックコポリマーを製造する方法であって、
脂肪族炭化水素溶媒、共役ジエンモノマー及びモノビニル芳香族モノマーをバッチ反応器に投入する工程;
有機リチウム開始剤をバッチ反応器に投入する工程;
モノマーを完全に共重合させ、ポリマーアニオンを形成する工程;
限られた量のカップリング剤をバッチ反応器に投入して、ポリマーアニオンの一部のみをカップリングする工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーをバッチ反応器に投入する工程;
モノビニル芳香族モノマーを完全にブロックコポリマー化させる工程;
バッチ反応器において残りのすべてのポリマーアニオンを不活性化させるため、プロトン供与体又は求電子性単官能性化合物を投入する工程;及び
二組成ブロックコポリマーを回収する工程
を含む方法。
16.項目3に記載の二組成ブロックコポリマーを製造する方法であって、
脂肪族炭化水素溶媒、ランダマイザー、及び共役ジエンモノマーをバッチ反応器に投入する工程;
有機リチウム開始剤をバッチ反応器に投入する工程;
バッチ反応器に供給された共役ジエンモノマーを、約80%~約95%の変換レベルまで重合させる工程;
モノビニル芳香族モノマーをバッチ反応器に投入する工程;
残っている共役ジエンモノマーと、反応器に供給されたモノビニル芳香族モノマーとを完全に共重合させ、ポリマーアニオンを形成する工程;
限られた量のカップリング剤を投入して、ポリマーアニオンを部分的にカップリングする工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーをバッチ反応器に投入する工程;
モノビニル芳香族モノマーを完全にブロックコポリマー化させる工程;
残りのすべてのポリマーアニオンを不活性化させるため、プロトン供与体又は求電子性単官能性化合物を投入する工程;及び
二組成ブロックコポリマーを回収する工程
を含む方法。
17.項目4に記載の二組成ブロックコポリマーを製造する方法であって、
脂肪族炭化水素溶媒、ランダマイザー、共役ジエンモノマー及びモノビニル芳香族モノマーをバッチ反応器に投入する工程;
有機リチウム開始剤をバッチ反応器に投入する工程;
共役ジエンモノマー及びモノビニル芳香族モノマーを完全に共重合させる工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーをバッチ反応器に投入する工程;
バッチ反応器に供給されたモノビニル芳香族モノマーを完全にブロックコポリマー化させてポリマーアニオンを形成する工程;
限られた量のカップリング剤を投入して、ポリマーアニオンの一部のみをカップリングする工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーをバッチ反応器に投入する工程;
モノビニル芳香族モノマーを完全にブロックコポリマー化させる工程;
残っているポリマーアニオンを完全に不活性化させるため、プロトン供与体又は求電子性単官能性化合物を投入する工程;及び
二組成ブロックコポリマーを回収する工程
を含む方法。
18.項目5に記載の二組成ブロックコポリマーを製造する方法であって、
脂肪族炭化水素溶媒、ランダマイザー、及び共役ジエンモノマーをバッチ反応器に投入する工程;
有機リチウム開始剤をバッチ反応器に投入する工程;
共役ジエンモノマーを完全に重合させる工程;
モノビニル芳香族モノマーをバッチ反応器に投入する工程;
バッチ反応器に供給されたモノビニル芳香族モノマーを完全にブロックコポリマー化させてポリマーアニオンを形成する工程;
限られた量のカップリング剤を投入して、ポリマーアニオンを部分的にカップリングする工程;
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーをバッチ反応器に投入する工程;
モノビニル芳香族モノマーを完全にブロックコポリマー化させる工程;
バッチ反応器内に残っているポリマーアニオンを完全に不活性化させるため、プロトン供与体又は求電子性単官能性化合物を投入する工程;及び
二組成ブロックコポリマーを回収する工程
を含む方法。
19. 更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを投入する工程の前に、バッチ反応器においてポリマーアニオンの一部のみを不活性化させるために、限られた量のプロトン供与体又は求電子性単官能性化合物を投入する工程;又は
更なる及び/又は異なるモノビニル芳香族モノマーを投入する工程と同時に、バッチ反応器においてポリマーアニオンの一部のみを不活性化させるために、限られた量のプロトン供与体又は求電子性単官能性化合物を投入する工程
をさらに含む、項目15~18のいずれか一項に記載の方法。
20.架橋マイクロセルラーゴム製品のための組成物であって、
項目1~5のいずれか一項に記載の二組成ブロックコポリマー;
発泡剤;及び架橋剤
を含む、組成物。
21.スチレン-ブタジエンランダムコポリマー、スチレン-イソプレン-ブタジエンランダムコポリマー、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレンゴム、エチレン/α-オレフィン/非共役ジエンターポリマー、エチレン-プロピレンコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、粉砕架橋マイクロセルラーゴムコンパウンド、フィラー、可塑剤、発泡剤活性化剤、架橋剤活性化剤、架橋促進剤、加硫遅延剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、UV安定剤、光安定剤、香料又は付臭剤、防蟻剤、殺生物剤、抗真菌剤、抗細菌剤、抗菌剤、金属不活性化剤、染料、顔料、離型剤など、又はそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、項目20に記載の組成物。
22.ホットメルト感圧接着剤のための組成物であって、
項目1~5のいずれか一項に記載の二組成ブロックコポリマー;
粘着付与樹脂;エクステンダーオイル;及び酸化防止剤
を含む、組成物。
23.フィラー、ワックス、光開始剤、架橋剤、架橋助剤、架橋遅延剤、接着促進剤又はカップリング剤、UV安定剤、光安定剤、オゾン安定剤、エポキシ樹脂、アスファルト、強化樹脂、香料又は付臭剤、防蟻剤、殺生物剤、抗真菌剤、抗細菌剤、金属不活性化剤、染料、顔料、着色剤、難燃剤、発泡剤、発泡剤活性化剤、屈折率調整剤など、又はそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、項目22に記載の組成物。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】