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特開2023-76443フィルムエレメントを備えるワンピースの安全チューブクロージャー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076443
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】フィルムエレメントを備えるワンピースの安全チューブクロージャー
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/00 20060101AFI20230525BHJP
   A61J 1/05 20060101ALI20230525BHJP
   A61B 5/154 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
B65D51/00 100
A61J1/05 315D
A61J1/05 315B
A61B5/154 100
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031791
(22)【出願日】2023-03-02
(62)【分割の表示】P 2021008100の分割
【原出願日】2015-08-06
(31)【優先権主張番号】14/454,232
(32)【優先日】2014-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-ピエール アール.カラム
(72)【発明者】
【氏名】ジュディス エー.ライケンバック
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ オーウェン ラス
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー エム.ウィルキンソン
(57)【要約】
【課題】強化された酸素バリア能力を有するクロージャー及びクロージャーを備える容器アッセンブリを提供する。
【解決手段】クロージャーは、第1の材料から形成されているキャップ本体部(20)であって、キャップ本体部(20)は、キャップ本体部を通るキャビティー(24)を画定し、キャビティーの中へ延在する内向きリム(60)を含みキャップ本体部(20)と、第2の材料から形成され、かつ、キャビティーの中に配設されているストッパー(30)であって、第2の材料は、第1の材料とは異なり、ストッパーの最上面は、前記内向きリムに固定される、ストッパー(30)と、第3の材料から形成されているバリア層(40)であって、第3の材料は、少なくとも第2の材料とは異なり、バリア層(40)は、キャップ本体部(20)およびストッパー(30)のうちの少なくとも1つに関連付けられている、バリア層(40)とを備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の材料から形成されているキャップ本体部であって、前記キャップ本体部は、前記キャップ本体部を通るキャビティーを画定し、前記キャビティーの中へ延在する内向きリムを含みキャップ本体部と、
第2の材料から形成され、かつ、前記キャビティーの中に配設されているストッパーであって、前記第2の材料は、前記第1の材料とは異なり、前記ストッパーの最上面は、前記内向きリムに固定される、ストッパーと、
第3の材料から形成されているバリア層であって、前記第3の材料は、少なくとも前記第2の材料とは異なり、前記バリア層は、前記キャップ本体部および前記ストッパーのうちの少なくとも1つに関連付けられている、バリア層と
を備えることを特徴とするクロージャー。
【請求項2】
前記第3の材料は、前記第2の材料及び前記第1の材料とは異なることを特徴とする請求項1に記載のクロージャー。
【請求項3】
前記バリア層は、前記キャビティーの少なくとも一部分を横切って配設されることを特徴とする請求項1に記載のクロージャー。
【請求項4】
前記バリア層は、前記キャップ本体部の一部分を前記ストッパーの一部分から隔離していることを特徴とする請求項1に記載のクロージャー。
【請求項5】
前記バリア層は、前記ストッパーの第1の部分を前記ストッパーの第2の部分から隔離していることを特徴とする請求項1に記載のクロージャー。
【請求項6】
前記キャップ本体部、前記ストッパー、及び前記バリア層は、マルチショット成形プロセスで形成されることを特徴とする請求項1に記載のクロージャー。
【請求項7】
前記キャップ本体部及び前記ストッパーは、2ショット成形プロセスで形成され、前記バリア層は、成形後プロセスで適用されることを特徴とする請求項1に記載のクロージャー。
【請求項8】
前記ストッパーは、2ショット成形プロセスで形成され、前記バリア層は、前記ストッパーの本体部の中に適用されることを特徴とする請求項1に記載のクロージャー。
【請求項9】
前記ストッパーは、第1の部分及び第2の部分から形成され、前記バリア層は、前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの1つに対してコイニングされ、組み立てられたときに、前記バリア層が、前記ストッパーの前記本体部の中に位置付けされるようになっていることを特徴とする請求項8に記載のクロージャー。
【請求項10】
前記バリア層は、前記2ショット成形プロセスの第1のショットの間に供給されることを特徴とする請求項9に記載のクロージャー。
【請求項11】
閉じた底部、開口した上部部分、及び、それらの間に延在する側壁部を有する収集容器であって、前記収集容器は、検体サンプルをその中に受け入れるように適合された内部を画定している、収集容器と、
前記収集容器の前記開口した上部部分を閉じるためのクロージャーと
を含み、前記クロージャーは、
第1の材料から形成されているキャップ本体部であって、前記キャップ本体部は、前記キャップ本体部を通るキャビティーを画定し、前記キャビティーの中へ延在する内向きリムを含みキャップ本体部と、
第2の材料から形成され、かつ、前記キャビティーの中に配設されているストッパーであって、前記第2の材料は、前記第1の材料とは異なり、前記ストッパーの最上面は、前記内向きリムに固定される、ストッパーと、
第3の材料から形成されているバリア層であって、前記第3の材料は、少なくとも前記第2の材料とは異なり、前記バリア層は、前記キャップ本体部および前記ストッパーのうちの少なくとも1つに関連付けられている、バリア層と
を含むことを特徴とする容器アッセンブリ。
【請求項12】
前記第3の材料は、前記第2の材料及び前記第1の材料とは異なることを特徴とする請求項11に記載の容器アッセンブリ。
【請求項13】
前記バリア層は、前記キャビティーの少なくとも一部分を横切って配設されることを特徴とする請求項11に記載の容器アッセンブリ。
【請求項14】
前記バリア層は、前記キャップ本体部の一部分を前記ストッパーの一部分から隔離していることを特徴とする請求項11に記載の容器アッセンブリ。
【請求項15】
前記バリア層は、前記ストッパーの第1の部分を前記ストッパーの第2の部分から隔離していることを特徴とする請求項11に記載の容器アッセンブリ。
【請求項16】
前記キャップ本体部、前記ストッパー、及び前記バリア層は、マルチショット成形プロセスで形成されることを特徴とする請求項11に記載の容器アッセンブリ。
【請求項17】
前記キャップ本体部及び前記ストッパーは、2ショット成形プロセスで形成され、前記バリア層は、成形後プロセスで適用されることを特徴とする請求項11に記載の容器アッセンブリ。
【請求項18】
前記ストッパーは、2ショット成形プロセスで形成され、前記バリア層は、前記ストッパーの本体部の中に適用されることを特徴とする請求項11に記載の容器アッセンブリ。
【請求項19】
前記ストッパーは、第1の部分及び第2の部分から形成され、前記バリア層は、前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの1つに対してコイニングされ、組み立てられたときに、前記バリア層が、前記ストッパーの前記本体部の中に位置付けされるようになっていることを特徴とする請求項18に記載の容器アッセンブリ。
【請求項20】
前記バリア層は、前記2ショット成形プロセスの第1のショットの間に供給されることを特徴とする請求項19に記載の容器アッセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2014年8月7日に出願された「One-Piece Safety Tube Closure with Film Element」という標題の米国特許出願第14/454,232号明細書の優先権を主張し、その開示全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、真空容器の中に真空を保持するように設計されているクロージャーに関し、より具体的には、単一の成形プロセスで形成された複数のコンポーネントを含有するワンピースのクロージャーに関する。また、本発明は、真空容器の酸素バリア特性を強化するフォイルまたはフィルムを含むクロージャーに関する。
【背景技術】
【0003】
血液などのような生物学的な検体を収集するために一般的に使用される方法は、真空容器と併用してニードルアッセンブリを用いることである。真空容器は、ニードルアッセンブリを通って容器の中へ検体の流れ、収集されるのを促進させるために必要な圧力差を提供する。検体収集のために使用される真空容器の例は、Becton,Dickinson and Companyから市販されているVACUTAINER(登録商標)ブランドのチューブである。真空チューブは、さまざまな添加剤とともに供給され、特定のテストのための検体を準備することが可能である。また、チューブは、大気圧力よりも低い選択された圧力まで真空にされ、事前選択された体積の引き出された検体を提供することが可能である。真空チューブは、典型的に、穿刺して検体を受け入れた後に再シールすることができる穿孔可能なクロージャーによってシールされる。
【0004】
真空容器とともに使用され得る1つのタイプのニードルアッセンブリは、その遠位端部に標準的な両頭の中空のニードルを保持するチューブ状の本体部を含むことが可能であり、それは、チューブの中へ延在するニードルの一方の端部または非患者端部と、チューブから外へ延在するニードルの他方の端部または患者端部とを備える。ニードルの患者端部は、患者の静脈などのような検体供給源に接続するように構成されている。チューブ状の本体部は、真空容器を受け入れるように構成されており、穿孔可能なクロージャーが、ニードルの非患者端部によって穿孔され、生物学的なサンプルが、容器の中の真空によって、患者から容器の中へ引き出されるようになっている。
【0005】
1つのタイプの穿孔可能なクロージャーは、複数のパーツを含むことが可能であり、複数のパーツは、別々の成形ステップで形成され、次いで、一緒に組み立てられる。複数のパーツは、外側のキャップ本体部分と、容器の内部部分をシールするように設計されている内側のエラストマーの穿孔可能な部分とを含むことが可能である。エラストマー材料は、穿孔した後に、および、検体収集が完了したときのニードルの除去の後に、再シールすることができるタイプのものである。時間の経過とともに、酸素が、クロージャーを通って漏れ、容器の中に保持されている真空の有効性を低減させる可能性があるので、真空容器は、限られた保存期間を有することが多い。
【0006】
有効期限は、公知の環境条件下で実施される保存期間検査を通して決定される。真空チューブの保存期間は、添加剤の安定性および真空保持によって規定される。真空チューブが保管される環境条件が、製造業者によって推奨されるものと一致していない場合には、チューブのドロー体積(draw volume)が影響を及ぼされる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
単一の成形プロセスで形成され得、したがって、生産コストを低減させる複数のコンポーネントのワンピースのクロージャーに対する必要性が当技術分野において存在しており、それは、より少ない成形材料を使用し、したがって、原材料コストを低減させる。また、真空容器の保存期間を増加させる強化された酸素バリア特性を有するクロージャーに対する必要性が当技術分野において存在している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態によれば、検体収集容器とともに使用するためのクロージャーは、第1の材料から形成されているキャップ本体部を含み、キャップ本体部は、それを通るキャビティーを画定している。クロージャーは、ストッパーをさらに含み、ストッパーは、第1の材料とは異なる第2の材料から形成されており、ストッパーは、キャビティーの中に配設されている。また、クロージャーアッセンブリは、第3の材料から形成されているバリア層を含み、第3の材料は、少なくとも第1の材料とは異なっており、バリア層は、キャップ本体部および/またはストッパーのうちの少なくとも1つに関連付けられている。バリア層は、キャビティーの少なくとも一部分を横切って配設され得る。1つの実施形態によれば、バリア層は、キャップ本体部の一部分をストッパーの一部分から隔離することが可能である。別の実施形態によれば、バリア層は、ストッパーの第1の部分をストッパーの第2の部分から隔離することが可能である。
【0009】
1つの設計によれば、キャップ本体部、ストッパー、およびバリア層は、マルチショット成形プロセスで形成され得る。このマルチショット成形プロセスは中断され、ストッパーの一部分の中にバリア層を適用し、ストッパーの第1の部分をストッパーの第2の部分から隔離することが可能である。
【0010】
別の設計によれば、キャップ本体部およびストッパーは、2ショット成形プロセスで形成され得、バリア層は、成形後プロセスで適用され得る。バリア層は、キャップの上部部分および/またはストッパーの上部部分によって画定されている開口部の少なくとも一部分をカバーするように適用されている。
【0011】
キャップ本体部は、キャビティーの中へ延在する内向きリムを含むことが可能であり、バリア層は、内向きリムの一部分およびストッパーの一部分に接触していることが可能である。1つの実施形態によれば、バリア層は、内向きリム、ストッパー、またはその両方にヒートシールされ得る。バリア層は、他の周知の技法によって内向きリムおよび/またはストッパーに固定され得るということが認識され得る。
【0012】
さらなる別の実施形態によれば、シールリングは、キャップ本体部の上部部分によって画定されている開口部の中に、バリア層に隣接して位置決めされ得る。この実施形態では、内向きリムは、ストッパーの一部分を受け入れるための第1の部分と、バリア層に接触するための第2の部分とを有する段付きの部材であることが可能であり、バリア層は、シールリングと第2の部分との間に挟まれるようになっている。
【0013】
さらに別の実施形態によれば、バリア層は、内向きリムの上部部分に隣接して位置決めされている底部表面を含むことが可能であり、ストッパー材料の一部分は、バリア層の上部表面に隣接して位置決めされており、クロージャーの一部分の中にバリア層を機械的にロックしている。別の実施形態によれば、内向きリム部分は、それを通って延在するアパーチャーを含むことが可能であり、バリア層の上部表面は、内向きリムの底部表面に対してコイニングされ得る(coined)。コイニングプロセスにおいて使用されるバリア層は、第1のショットのストッパー材料とともに適用され、ストッパー材料の一部分の上にオーバーモールドされ、第2のショットのストッパー材料によって適用され得、または、ストッパーおよびバリア層の個々のコンポーネントは、別々に組み立てられ得、バリア層は、ストッパーコンポーネントの一方または両方にコイニングされ得る。さらに別の実施形態によれば、バリア層は、ストッパーの底部表面の上に設けられ得る。
【0014】
1つの実施形態によれば、第1の材料は、高密度ポリエチレン(HDPE)または低密度ポリエチレン(LDPE)であることが可能であり、第2の材料は、ニードルカニューレによって穿孔した後に再シールすることができる熱可塑性のエラストマーなどのような、熱可塑性のエラストマーであることが可能であり、第3の材料は、ポリマーベースのおよび金属ベースのフィルムまたはフォイル構造体のうちの少なくとも1つであることが可能である。第3の材料は、おおよそ0.005mmの厚さを有することが可能であり、実質的に酸素不浸透性の材料から形成され得る。1つの実施形態によれば、第3の材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはエチレンビニールアルコール(EVOH)であることが可能である。別の実施形態によれば、第3の材料は、少なくとも2つのポリエチレン層の間に挟まれている、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはエチレンビニールアルコール(EVOH)から形成された中央層を有する、多層積層体を含むことが可能である。第1の材料、第2の材料、および第3の材料は、それらの意図した機能を果たすために適当な物理的な性質を有する他の周知の材料から形成され得るということが認識され得る。
【0015】
バリア層は、弱いスポット、クロスカット、およびスリットのうちの1または複数を含み、検体サンプルの収集の間に、それを通ってニードルカニューレが進入することを促進させることが可能である。
【0016】
本発明の別の実施形態によれば、容器アッセンブリは、閉じた底部、開口した上部部分、および、それらの間に延在する側壁部を有する収集容器を含み、収集容器は、検体サンプルをその中に受け入れるように適合された内部を画定している。容器アッセンブリは、収集容器の開口した上部部分を閉じるためのクロージャーをさらに含む。クロージャーは、第1の材料から形成されているキャップ本体部であって、キャップ本体部は、それを通るキャビティーを画定している、キャップ本体部と、第2の材料から形成されているストッパーであって、第2の材料は、第1の材料とは異なっており、かつ、キャビティーの中に配設されている、ストッパーと、第3の材料から形成されているバリア層であって、第3の材料は、少なくとも第1の材料とは異なっており、バリア層は、キャップ本体部およびストッパーのうちの少なくとも1つに関連付けられている、バリア層とを含む。
【0017】
1つの設計によれば、バリア層は、キャビティーの少なくとも一部分を横切って配設され得る。別の設計によれば、バリア層は、キャップ本体部の一部分をストッパーの一部分から隔離することが可能である。さらなる別の設計によれば、バリア層は、ストッパーの第1の部分をストッパーの第2の部分から隔離することが可能である。さらに別の設計によれば、バリア層は、ストッパーの底部表面の上に設けられ得る。バリア層は、実質的に酸素不浸透性であることが可能である。
【0018】
本発明の別の実施形態によれば、容器を閉じ、シールするためのクロージャーを形成する方法は、第1の材料から形成されているキャップ本体部を提供するステップであって、キャップ本体部は、それを通るキャビティーを画定している、ステップと、ストッパーを提供するステップであって、ストッパーは、第2の材料から形成されており、第2の材料は、第1の材料とは異なっており、かつ、ストッパーはキャビティーの中に配設されている、ステップと、第3の材料から形成されているバリア層を提供するステップであって、第3の材料は、少なくとも第1の材料とは異なっており、バリア層は、キャップ本体部およびストッパーのうちの少なくとも1つに関連付けられている、ステップと、キャップ本体部、ストッパー、およびバリア層を一緒に組み立て、クロージャーを形成するステップとを含む。
【0019】
1つの実施形態によれば、キャップ本体部、ストッパー、およびバリア層は、マルチショット成形プロセスで形成され得る。別の実施形態によれば、キャップ本体部およびストッパーは、2ショット成形プロセスで形成され得、バリア層は、成形後プロセスで適用され得る。
【0020】
1つの設計によれば、バリア層は、キャップの上部部分および/またはストッパーの上部部分によって画定されている開口部の少なくとも一部分をカバーするように適用され得る。キャップ本体部は、キャビティーの中へ延在する内向きリムを含むことが可能であり、バリア層は、内向きリムの一部分およびストッパーの一部分に接触していることが可能である。別の設計によれば、バリア層は、ストッパーの底部表面の上に設けられ得る。
【0021】
バリア層は、キャップ本体部およびストッパーのうちの少なくとも1つにヒートシールされる、シールリングによって固定される、機械的にシールされる、ならびに/または、コイニングされる、のうちの少なくとも1つであることが可能である。バリア層は、実質的に酸素不浸透性の材料から形成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態による、ワンピースのチューブクロージャーを含む検体収集容器の正面図である。
図2】本発明の実施形態による、図1の線2-2に沿って見た、検体収集容器およびクロージャーの断面図である。
図3】本発明の実施形態による、図2のチューブクロージャーの分解された側断面図である。
図4】本発明の実施形態による、図1の検体収集容器とともに使用するためのチューブクロージャーの側断面図である。
図5】本発明の実施形態による、図1の検体収集容器とともに使用するためのチューブクロージャーの側断面図である。
図6】本発明の実施形態による、図1の検体収集容器とともに使用するためのチューブクロージャーの側断面図である。
図7】本発明の実施形態による、図1の検体収集容器とともに使用するためのチューブクロージャーの側断面図である。
図8】本発明の実施形態による、図1の検体収集容器とともに使用するためのチューブクロージャーの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以降での説明の目的のために、「上側」、「下側」、「右」、「左」、「垂直方向」、「水平方向」、「上部」、「底部」、「横方向」、「長手方向」という用語、および、それらの派生語は、本発明が図面の中で配向されているときに本発明に関連するべきである。しかし、本発明は、それとは反対のことが明示的に特定されている場合を除いて、さまざまな代替的な変形例をとることが可能であるということが理解されるべきである。また、添付の図面に図示されており、以下の明細書に説明されている特定のデバイスは、単に、本発明の例示的実施形態であるということが理解されるべきである。したがって、本明細書で開示されている実施形態に関連する特定の寸法および他の物理的な性質は、限定するものとして考えられるべきではない。
【0024】
ここで、図1図2が参照され、図1図2は、容器10を閉じ、シールするためのクロージャーアッセンブリ12を含む、全体的に10として示されている検体収集容器を示している。容器10は、血液などのような生物学的な検体を患者から得るためのニードルアッセンブリとともに使用するように構成されている真空容器であることが可能である。容器は、閉じた底部14、開口した上部部分16、および、それらの間に延在する側壁部18を有することが可能であり、生物学的な検体をその中に受け入れるためのチャンバー19を画定している。クロージャーアッセンブリ12は、開口した上部部分16と協働し、所定のレベルで容器10の中の真空をシールし、事前選択された体積の採血を提供する。
【0025】
ここで、図2図3を参照すると、クロージャーアッセンブリ12は、第1の材料から形成されているキャップ本体部20と、第1の材料とは異なる第2の材料から形成されているストッパー30と、第1の材料および第2の材料とは異なる第3の材料から形成されているバリア層40を含む。
【0026】
図2図3を引き続き参照すると、キャップ本体部は、第1のレッグ部分20aと第2のレッグ部分20bを含み、第1のレッグ部分20aは、容器10の側壁部18の外側表面18aと協働するように構成されており、第2のレッグ部分20bは、クロージャーアッセンブリ12が容器10の上に位置決めされているときに、容器10の開口した上部部分16の上方に延在している。キャップ本体部20の第1のレッグ部分20aおよび第2のレッグ部分20bは、それを通って延在するキャビティーを画定しており、キャビティーは、全体的に、24として示されている。キャップ本体部20の第2のレッグ部分20bは、開口部28を画定している。キャビティー24は、開口部28に連通している。クロージャーアッセンブリ12は、ストッパー30をさらに含み、ストッパー30は、第2の材料から形成され、キャビティー24の中に配設されている。ストッパー30は、容器10をシールするように、および、検体の収集の間にニードル(図示せず)によって穿刺した後に再シールするように構成されている。また、クロージャーアッセンブリ12は、第3の材料から形成されたバリア層40を含み、バリア層40は、キャップ本体部20および/またはストッパー30のうちの少なくとも1つに関連付けられている。バリア層40は、ストッパー30と協働し、容器10をシールするように構成されている。キャップ本体部20、ストッパー30、およびバリア層40は、一緒に組み立てられ、ワンピースのクロージャーアッセンブリ12を形成することが可能である。
【0027】
バリア層40は、キャビティー24の少なくとも一部分を横切って配設され得、ストッパー30の一部分からキャップ本体部20の一部分を隔離することが可能であり、または、ストッパー30の第1の部分または上部部分32を、ストッパー30の第2の部分または本体部35から隔離することが可能である。
【0028】
1つの設計によれば、キャップ本体部20、ストッパー30、およびバリア層40は、マルチショット成形プロセスで形成され得る。このマルチショット成形プロセスは、ストッパー30の一部分の中にバリア層を適用するために中断され得る。別の設計によれば、キャップ本体部20およびストッパー30は、2ショット成形プロセスで形成され得、バリア層40は、成形後プロセスで適用され得る。キャップ本体部20、ストッパー30、およびバリア層40は、任意の周知のプロセスにしたがって成形されおよび/または組み立てられ、ワンピースのクロージャーアッセンブリ12を形成することが可能であるということが認識され得る。
【0029】
収集容器10は、当技術分野で知られているような異なる材料の単一の層または複数の層から形成され、容器の水バリア特性および蒸気バリア特性を最適化することが可能である。ガラス容器は、それらが容器の真空引きを維持するので、最も長い保存期間を提供するが、経済的な問題および安全上の問題に起因して、使用されることは滅多にない。容器を形成するために使用され得るプラスチック材料の例は、それに限定されないが、ポリカーボネート、ポリプロピレン、およびポリエチレンテレフタレート(PET)などのような実質的に透明な熱可塑性の材料を含む。
【0030】
キャップ本体部20に関して適切な材料は、それに限定されないが、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、およびポリエチレンなどを含む。1つの実施形態によれば、キャップ本体部20は、高密度ポリエチレン(HDPE)または低密度ポリエチレン(LDPE)から形成され得る。
【0031】
ストッパー30は、任意の公知の熱可塑性のエラストマーから形成され得る。ストッパー30に関して使用され得る熱可塑性のエラストマーの例は、それに限定されないが、シリコーンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレン-プロピレンディマーモノマー(EPDM)、およびポリクロロプレンなどを含む。1つの実施形態によれば、ストッパーの第2の材料は、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP)のない熱可塑性のエラストマー材料から形成され得る。
【0032】
図3図5図6、および図7に示されている設計によれば、バリア層40は、キャップ本体部20の上部部分もしくは第2のレッグ20b、および/または、ストッパー30の上部部分32によって画定されている開口部28の少なくとも一部分をカバーするように適用され得る。
【0033】
図3図4および図6図8を引き続き参照すると、キャップ本体部20は、キャビティー24の中へ延在する内向きリム60を含むことが可能である。図3図6、および図7に示されているように、バリア層40は、内向きリム60の一部分およびストッパー30の一部分に接触して設置され得る。1つの実施形態によれば、バリア層40は、内向きリム60、ストッパー30、またはその両方にヒートシールされるか、溶接されるか、または接着剤によって固定され得る。バリア層40は、他の周知の技法によって、内向きリム60および/またはストッパーに固定され得るということが認識され得る。
【0034】
ヒートシールに加えて、および/または、代替的な設計では、図3に示されているように、バリア層40は、底部表面41を含むことが可能であり、底部表面41は、内向きリム60の上部部分61に隣接して位置決めされており、および追加的なストッパー材料、または、ストッパー材料の第1の部分33が、バリア層40の上部表面42に隣接して設けられており、バリア層40の一部分44をこの追加的なストッパー材料33と内向きリム60との間に挟み、クロージャー12の中でバリア層40をそれらの間に機械的にロックすることが可能である。
【0035】
別の設計によれば、図4に示されているように、バリア層40は、容器10の開口した上部部分16に隣接してストッパー30の一部分に適用され得る。バリア層40は、上記に議論されているように、任意の周知の技法によって適用され得る。
【0036】
図7を引き続き参照すると、シールリング50が、キャップ本体部20の上部部分または第2のレッグ20bによって画定されている開口部の中に、バリア層40の上部表面に隣接して位置決めされ、内向きリム60および/またはストッパー30の上部部分32にバリア層40を固定することが可能である。この実施形態では、内向きリム60は、ストッパー30の一部分を受け入れるための第1の部分62と、バリア層40に接触するための第2の部分64とを有する段付きの部材であることが可能であり、バリア層40がシールリング50と第2の部分64との間に挟まれるようになっている。
【0037】
図5および図8に示されているようなさらなる別の設計によれば、バリア層40は、ストッパー30の本体部35の中に位置決めされ得る。図5に示されている設計では、ストッパー30を形成するマルチショット成形プロセスが、たとえばインモールド転写ステップまたはコイニングプロセスなどを介して中断され、一部分の中に、または、ストッパー30の本体部35の中に、バリア層40を適用することが可能である。次いで、バリア層40は、ストッパー30の一体コンポーネントになる。
【0038】
図5に示されている設計では、第2のレッグ20bは、第3のレッグ20cを含むことが可能であり、第3のレッグ20cは、キャップ本体部20によって生成されたキャビティー24および開口部28の中へ、および/または、それらに向けて延在している。この第3のレッグ20cは、ストッパー30の上部32と協働し、ストッパー30をキャップ本体部20の中に固定することが可能である。ストッパー30は、溶接、成形、溶融、および接着剤塗布などを含む任意の周知の技法によって、第3のレッグ20cに固定され得るということが認識され得る。
【0039】
図8に示されている設計では、ストッパー30は、第1の部分または上部部分33および第2の部分または底部部分34から形成され得る。1つの実施形態によれば、バリア層の上部表面42がキャップ本体部20の内向きリム60の底部表面に隣接して位置付けされるように、ストッパー30の第2の部分34、およびバリア層40が位置決めされている。ストッパー30の第1の部分33は、内向きリム60に隣接して、および、内向きリム60によってカバーされていないバリア層40の一部分に隣接して、追加的なストッパー材料33として適用され得る。1つの実施形態によれば、第1の部分33および第2の部分34は、2ショット成形プロセスで形成され得る。バリア層40は、ストッパー30の本体部35の中にヒートシールされ、溶接され、および/または機械的に固定され得る。追加的に、内向きリム60は、それとバリア層40の上部表面42とを通って延在するアパーチャー70を含むことが可能である。内向きリム60および/またはストッパー材料33の表面の上に塑性流動を引き起こすために十分に高い応力をアッセンブリに印加することによって、バリア層40は、内向きリム60の底部表面66に、または、ストッパー材料33にコイニングされ得る。コイニングプロセスは、バリア層40がストッパー30の内部部分または本体部35の中に位置決めされていることを可能にすることとなる。バリア層40は、HDPE、LDPP、またはPETなどのようなプラスチック材料であることが可能である。1つの実施形態によれば、バリア層40は、キャップ本体部20と同じ材料から形成され得る。バリア層40は、第1のショットのストッパー材料によってプラスチックバリア層40を注入することによって、ストッパー30の中に適用され得、また、この第1のショットのストッパー材料にコイニングされ、ストッパー30の一部分の上にオーバーモールドされ、成形ステップと同時にコイニングされ、または、2ショット成形プロセスにおいて、第2のショットのストッパー材料に適用され得る。さらなる別の実施形態によれば、ストッパー30の第1の部分33および第2の部分34のそれぞれが成形され得、バリア層40はストッパーコンポーネント同士の間に別々に組み立てられ、第1の部分33および第2の部分34のうちの一方または両方にコイニングされ得る。1つの実施形態によれば、バリア層40は、おおよそ.02mmの初期厚さを有することが可能であり、次いで、それは、おおよそ0.003mmの厚さまでプレスまたはコイニングされる。バリア層40は、ストッパー30にバリア特性を提供するのに十分に厚くなければならないが、それがニードルによって穿孔され得るように十分に薄くなければならないということが認識され得る。
【0040】
図1図2を戻って参照すると、キャップ本体部12を形成するための第1の材料は、硬質の材料であることが可能であり、キャップ本体部12は、クロージャーを容器から除去するために、人の手またはマシンなどのような外側供給源とインターフェース接続するように構成されている外側表面を含むことが可能である。この外側表面は、クロージャーを把持することを支援するための表面凹凸13を含むことが可能である。1つの実施形態によれば、キャップ本体部12を形成する第1の材料は、高密度ポリエチレン(HDPE)または低密度ポリエチレン(LDPE)であることが可能であり、ストッパー30を形成する第2の材料は、ニードルカニューレによって穿孔した後に再シールすることができる熱可塑性のエラストマーなどのような、熱可塑性のエラストマーであることが可能であり、バリア層40を形成する第3の材料は、フィルムまたはフォイル層であることが可能である。バリア層40は、ポリマーベースのおよび/または金属ベースのフィルムまたはフォイル構造体であってもよい。バリア層40は、おおよそ0.005mmの厚さを有することが可能であり、また、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはエチレンビニールアルコール(EVOH)から形成され得る。1つの実施形態によれば、第3の材料は、ポリエチレン層の対の間に挟まれた、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはエチレンビニールアルコール(EVOH)から形成された中央層を有する、多層積層体を含むことが可能である。第1の材料、第2の材料、および第3の材料は、それらの意図した機能を果たすために適当な物理的な性質を有する他の周知の材料から形成され得るということが認識され得る。
【0041】
検体サンプル容器10は、真空容器であることが可能であり、バリア層40を形成する第3の材料は、真空容器10の酸素バリア特性を強化する材料から形成され得る。バリア層40は、それを通る酸素の移行を実質的に低減させることが可能であり、したがって、実質的に酸素不浸透性であることが可能である。バリア層40の使用は、ストッパー30を形成するために使用される熱可塑性のエラストマー材料または第2の材料の量の低減を結果として生じさせることが可能であり、材料コストの低減を結果として生じさせる。バリア層40は、弱いスポット、クロスカット、およびスリット48(図3図7)のうちの1または複数を含み、検体サンプルの収集の間に、それを通ってニードルカニューレが進入することを促進させることが可能である。
【0042】
本発明の別の実施形態によれば、容器10を閉じ、シールするためのクロージャー12を形成するための方法は、第1の材料から形成されたキャップ本体部20を提供するステップであって、キャップ本体部20は、それを通るキャビティー24を画定しており、また、開口部28を画定する上部部分または第2のレッグ20bを有しており、キャビティー24は、開口部28に連通している、ステップを含む。方法は、ストッパー30を提供するステップであって、ストッパー30は、第2の材料から形成されており、また、キャビティー24の中に配設されている、ステップをさらに含む。ストッパー30は、容器10をシールするように、および、ニードルによって穿刺した後に再シールするように構成されている。また、方法は、バリア層40を提供するステップであって、バリア層40は、第3の材料から形成されており、また、キャップ本体部20およびストッパー30のうちの少なくとも1つに関連付けられる、ステップを含む。バリア層40は、ストッパー30と協働し、容器10をシールするように構成されている。方法は、キャップ本体部20、ストッパー30、およびバリア層40を一緒に組み立て、ワンピースのクロージャー12を形成するステップをさらに含む。
【0043】
本発明の別の実施形態によれば、図1図2が参照され、図1図2は、全体的に100として示されている容器アッセンブリを示しており、容器アッセンブリは、閉じた底部14、開口した上部部分16、および、それらの間に延在する側壁部18を有する収集容器10を含む。容器10は、検体サンプルをその中に受け入れるように適合されている。容器アッセンブリ100は、収集容器10の開口した上部部分16を閉じ、シールするためのクロージャーアッセンブリ12を含む。クロージャーアッセンブリ12は、第1の材料から形成されたキャップ本体部20を含み、キャップ本体部は、それらを通るキャビティー24を画定している。キャップ本体部20は、第1のレッグ20aを含み、第1のレッグ20aは、容器10の側壁部18と協働し、キャップ本体部20をそれに固定するように構成されている。また、キャップ本体部20は、開口部28を画定する上部部分または第2のレッグ20bを有しており、キャビティー24は開口部28に連通している。クロージャーアッセンブリ12は、ストッパー30をさらに含み、ストッパー30は、第2の材料から形成されており、また、キャビティー24の中に配設されている。ストッパー30は、容器10をシールするように、および、ニードルによって穿刺した後に再シールするために構成されている。クロージャーアッセンブリ12は、バリア層40をさらに含み、バリア層40は、第3の材料から形成されており、また、キャップ本体部20およびストッパー30のうちの少なくとも1つに関連付けられており、バリア層40は、ストッパーと協働し、容器10をシールするように構成されている。
【0044】
上記に開示されている実施形態のそれぞれは、真空容器の中の所定の真空引きの閉じ込めを支援するために、増加した酸素バリア特性を有するクロージャーアッセンブリを結果として生じさせるということが認識され得る。また、上記に開示されている実施形態のそれぞれは、製造コストおよび組み立てコストを低減させるワンピースのアッセンブリとして形成され得るということが認識され得る。本発明の特定の実施形態が詳細に説明されてきたが、それらの詳細に対するさまざまな修正例および代替例が、本開示の全体的な教示を踏まえて開発され得るということが当業者によって認識されることとなる。したがって、開示されている特定の配置は、単に例示目的のためのものであり、発明の範囲に関して限定するものではないということを意味している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8