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▶ ボディコート エイチ.アイ.ピー.リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076470
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】コンポーネント
(51)【国際特許分類】
   B22F 3/15 20060101AFI20230525BHJP
   B22F 10/25 20210101ALI20230525BHJP
【FI】
B22F3/15 G
B22F10/25
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023035548
(22)【出願日】2023-03-08
(62)【分割の表示】P 2020514785の分割
【原出願日】2018-05-16
(31)【優先権主張番号】1708041.7
(32)【優先日】2017-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】519411227
【氏名又は名称】ボディコート エイチ.アイ.ピー.リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BODYCOTE H.I.P.LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】デイビス、スーザン
(57)【要約】
【課題】本開示は、HIP済みコンポーネントを製造する新規な方法を提供する。
【解決手段】HIP済みコンポーネントを製造する方法は、(i)空隙を有する積層造形(AM)要素を選択する工程;(ii)HIP済みコンポーネントの少なくとも一部を画定するように配置されるカプセルを構築する工程;及び(iii)カプセルをHIPに供する工程を含む。工程(ii)は、カプセル要素(A)を選択し、それをAM要素に溶接によって固定することを含み、工程(i)の後かつ工程(iii)の前に、カプセル内に粉末が導入され、工程(iii)の後、AM要素、AM要素内の空隙、及び固結されたHIP済みの粉末を含むHIP済みコンポーネントを残すように、AM要素からカプセルの部分が除去される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの空隙を有するコンポーネント(以降「HIP済みコンポーネント」)を製造する方法であって、
(i)前記空隙を有する積層造形(additive manufactured,AM)要素を選択する工程;
(ii)前記HIP済みコンポーネントの少なくとも一部を画定するように配置されるカプセルを構築する工程であって、前記カプセルの第1の領域は、少なくとも部分的に前記AM要素によって画定される工程;及び
(iii)前記カプセルをHIPに供する工程
を含み、
前記方法の工程(ii)は、カプセル要素(A)を選択し、それを前記AM要素に溶接によって固定することを含み、前記カプセル要素(A)はシート材料を含み、前記シート材料は、前記HIP済みコンポーネントのニアネットシェイプ領域を画定するように成形され、
工程(i)の後かつ工程(iii)の前に、前記カプセル内に粉末が導入され、
工程(iii)の後、前記AM要素、前記AM要素内の前記空隙、及び固結されたHIP済みの粉末を含むHIP済みコンポーネントを残すように、前記AM要素から前記カプセルの部分が除去される方法。
【請求項2】
前記カプセルの前記第1の領域は湾曲しており、好ましくは、少なくとも30°又は少なくとも180°又は360°の角度にわたって湾曲する表面を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カプセルの前記第1の領域は、前記カプセルの内壁を画定しているか、前記カプセルの前記第1の領域は、前記カプセルの外表面の一部である表面を含まないか、又はこれらの両方である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記カプセルの第2の領域が、少なくとも部分的に前記AM要素によって画定され、前記カプセルの前記第2の領域は湾曲しており、好ましくは、少なくとも30°又は少なくとも180°又は360°の角度にわたって湾曲する表面を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記カプセルの前記第2の領域は、前記カプセルの内壁を画定しているか、前記カプセルの前記第2の領域は、前記カプセルの外表面の一部である表面を含まないか、又はこれらの両方である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記カプセルの前記第2の領域は空隙を画定している、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記カプセルの前記第1の領域は、第1の方向に延びる長尺軸の周りに延び、かつ/又は、前記カプセルの前記第2の領域は、第2の方向に延びる長尺軸の周りに延び、前記第1及び第2の方向は、例えば、互いに少なくとも20°又は約90°の角度で、互いに交わるように延びる、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記AM要素は、前記AM要素の第1の位置から前記AM要素の第2の位置まで延びる開口部を含み、前記空隙が、前記第1及び第2の位置の間に画定され、前記AM要素は、第3及び第4の位置の間に別の空隙を含み、前記第3及び第4の位置は前記第1及び第2の位置から離間している、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記カプセルにおいて、前記AM要素は前記カプセルの外表面の一部である表面を含まない、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記AM要素は気密(例えばヘリウムに対する)シールを保持し、HIP中にそのような気密シールを保っていることが可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記AM要素は、前記AM要素によって画定されない前記カプセルの他の領域に溶接できる程度に十分に強い、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記AM要素は、前記HIP済みコンポーネントの総体積の10~60%、例えば10~40%又は20~40%に相当する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記方法の工程(ii)は、カプセル要素(B)を選択し、それを前記AM要素に溶接によって固定することを含み、カプセル要素(A)及びカプセル要素(B)は離間しており、前記カプセル要素(B)はシート材料を含み、前記シート材料は、前記HIP済みコンポーネントのニアネットシェイプ領域を画定するように成形される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記方法の工程(ii)は、カプセル要素(C)を選択し、それを前記AM要素に溶接によって固定することを含み、カプセル要素(C)はカプセル要素(A)及びカプセル要素(B)から離間しており、カプセル要素(C)はシート材料を含み、前記シート材料は、前記HIP済みコンポーネントのニアネットシェイプ領域を画定するように成形される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記方法の工程(ii)はカプセル要素(D)の選択及び前記AM要素に対しそれを固定することを含み、カプセル要素(D)はカプセル要素(A)に溶接されることにより、2つの要素の間に気密(例えばヘリウムに対する)シールが画定され、任意選択で、カプセル要素(D)は前記カプセル要素(B)に溶接される、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記方法の工程(ii)は、前記カプセル要素(A)及び前記カプセル要素(B)を選択することに加えて、カプセル要素(D)の選択及び前記AM要素に対しそれを固定することを含み、カプセル要素(D)は前記AM要素の一領域の上に重なるように配置され、カプセル要素(D)は、カプセル要素(A)とカプセル要素(B)とを橋渡しし、かつ、カプセル要素(A)に溶接されることにより、カプセル要素(A)とカプセル要素(D)との間に気密(例えばヘリウムに対する)シールが画定される、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記カプセルは、離間したカプセル要素(A)及びカプセル要素(B)と、カプセル要素(A)及びカプセル要素(B)の間の隙間を埋めるカプセル要素(D)及びカプセル要素(E)とを含み、前記方法において、カプセル要素(D)及び(E)はカプセル要素(A)及びカプセル要素(B)の両方に溶接され、カプセル要素(C)及び(D)は互いに溶接される、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記方法の工程(ii)において、それぞれシート材料から形成された個々のカプセル要素(A)、(B)、(C)、(D)及び、任意選択でカプセル要素(E)が選択され、前記AM要素の周りに配置され、互いに対して固定される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
工程(ii)は、カプセル要素(B)を選択し、それを前記AM要素に固定することを含み、
カプセル要素(B)は前記AM要素の開口部、例えばチャネル部分又はパイプ部分の上に重なるように配置され、前記カプセル要素(B)及び前記AM要素は溶接によって共に固定される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記方法の工程(ii)は、カプセル要素(C)(適切には平面状であり得るエンドキャップ)の選択、及びそれを前記AM要素に固定することを含み、空隙が前記AM要素とカプセル要素(A)、(B)及び(C)との間に少なくとも部分的に画定される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記方法の工程(ii)において、前記AM要素を含むカプセルが、前記AM要素の少なくとも一部の周囲に画定された空隙を有して構築され、前記カプセルは、前記カプセルの外側から前記空隙内へのアクセスを提供する開口部を有して構築される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
工程(ii)は、シート金属から形成された少なくとも3つの個々の及び/又は別個の要素を選択し、前記AM要素の周りに前記3つの要素を配置して、前記AM要素の周りに画定される空隙を有するカプセルを画定することにより、前記カプセルを構築することを含み、前記AM要素が前記カプセルの他の要素の内部にあるように、十分な数の個々の及び/又は別個の要素が選択され、前記AM要素の周りに配置される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
工程(ii)後の前記カプセルの外表面の形状は、前記AM要素の形状と比較して対応しておらず、かつ/又は異なっている、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
工程(iii)は、前記カプセルをHIPシステム内に配置し、所定の時間、所定の圧力及び温度に前記カプセルをさらすことを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
HIPに供されたAM要素によって画定され、かつ空隙を画定している領域(A)と、HIPに供された金属粉末によって画定される領域(B)とを含み、領域(A)及び(B)は少なくとも部分的に連続しており、互いに適切に拡散接合されているHIP済みコンポーネント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンポーネントに関し、特に、他を排除するものではないが、金属コンポーネントの製造方法及びその方法によって製造されたコンポーネントに関する。好ましい実施形態は、熱間静水圧プレス(HIP)の使用を伴う。
【背景技術】
【0002】
とりわけオイル、ガス、化学、石油化学、核及び一般産業用途のポンプ、パイプ、バルブ、マニホルド、及び一般的なコンポーネントにおいて、選択された表面が(例えば、腐食、摩耗又は削摩に対する耐性を高めるために)強化された特性を備えた複雑な形状のコンポーネントを生産する要求が増加しているため、厳しい要件を満たすのに適した多金属コンポーネントを製造する必要性が高まっている。溶接肉盛、表面コーティング、機械的固定、その他のクラッディング技術を含む従来の製造方法はすべて、見通し線コーティングに限定されるか、あるいはクラッディング、溶接又は機械的オーバーレイ技術がアクセス可能な単純な内部ジオメトリにのみ適用される。これらのオーバーレイ技術を適用するためのアクセスに関連する問題は、溶接、コーティング又は機械的結合の不良の高いリスクを引き起こし、結果として、高費用の品質試験や、コーティング、クラッド又は機械的オーバーレイの再加工及び再実施を要し、製造コストを大きく増加させることである。
【0003】
粉末金属を封入した軟鋼シートカプセルを使用した比較的複雑な形状のコンポーネントを製造し、それをHIPに供することは確立された製造方法である。このような方法では、スチールカプセルのHIP後の除去が標準的な方法であり、単一の均質なコンポーネントがニアネットシェイプ構成でもたらされる。コンポーネントの材料特性は全体にわたって均一である。多くの用途では、コンポーネントの特定の領域に異なる特性の材料を含めて、それらの材料特性の利益を得ることが望ましい場合がある。ただし、製造の一貫性及び異なる材料の配置の制御の理由で、同じスチールカプセル内に異なる粉末材料を正確に収容することは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記の問題に対処することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、コンポーネント(本明細書では「HIP済みコンポーネント」)を製造する方法が提供され、この方法は以下を含む:
(i)積層造形(additive manufactured,AM)要素を選択する工程;
(ii)前記HIP済みコンポーネントの少なくとも一部を画定するように配置されるカプセルを構築する工程であって、前記カプセルの第1の領域は、少なくとも部分的に前記AM要素によって画定される工程;及び
(iii)カプセルをHIPに供する工程。
【0006】
前記カプセルの前記第1の領域は湾曲していても平面であってもよい。前記第1の領域は、好ましくは湾曲している。前記第1の領域は、少なくとも30°、少なくとも60°、少なくとも90°、少なくとも120°、少なくとも150°又は少なくとも180°の角度にわたって湾曲する表面を含むことが好ましい。前記第1の領域の前記表面は少なくとも270°の角度にわたって湾曲していてもよい。前記第1の領域の前記表面は、360°の角度にわたって湾曲していてもよい。この場合、前記第1の領域の前記表面は、断面が円形であってもよい。
【0007】
前記カプセルの前記第1の領域は、好ましくは、前記カプセルの内壁を画定する。前記カプセルの前記第1の領域は、好ましくは、カプセルの外表面の一部である表面、すなわち、外部に露出しているカプセルの表面を含まない。前記第1の領域は、好適には前記AM要素によって画定されないカプセルの他の領域の内部にあることが好ましく、カプセルの上記他の領域によって完全に封入されていることがより好ましい。
【0008】
前記カプセルの前記第1の領域は、第1の方向に延びていてもよい。前記カプセルの前記第1の領域は、前記第1の方向に延びる長尺軸の周りに延びていてもよい。
前記カプセルの前記第1の領域は、前記第1の方向に延在する(例えば、第1の領域の内側の)長尺の空隙であってもよい空隙の周囲に延在し、かつ/又はその空隙を画定し得る。
【0009】
好ましくは、前記カプセルの第2の領域は、少なくとも部分的に、前記AM要素によって画定される。
前記カプセルの前記第2の領域は湾曲していても平面であってもよい。前記第2の領域は、好ましくは湾曲している。前記第2の領域は、少なくとも30°、少なくとも60°、少なくとも90°、少なくとも120°、少なくとも150°又は少なくとも180°の角度にわたって湾曲する表面を含むことが好ましい。前記第2の領域の前記表面は少なくとも270°の角度にわたって湾曲していてもよい。前記第2の領域の前記表面は、360°の角度にわたって湾曲していてもよい。この場合、前記第2の領域の前記表面は、断面が円形であってもよい。
【0010】
前記カプセルの前記第2の領域は、前記カプセルの内壁を画定していてもよい。前記カプセルの前記第2の領域は、好ましくは、カプセルの外表面の一部である表面、すなわち、外部に露出しているカプセルの表面を含まない。前記第2の領域は、好適には前記AM要素によって画定されないカプセルの他の領域の内部にあることが好ましく、カプセルの上記他の領域によって完全に封入されていることがより好ましい。
【0011】
前記カプセルの前記第2の領域は、第2の方向に延びていてもよい。前記カプセルの前記第2の領域は、前記第2の方向に延びる長尺軸の周りに延びていてもよい。
前記カプセルの前記第2の領域は、(例えば、第2の領域の内側の)空隙の周囲に延在しかつ/又はその空隙を画定し得る。前記空隙は長尺の空隙であってもよい。前記空隙は前記第2の方向に延在してもよい。
【0012】
前記第1及び第2の方向は、例えば、互いに少なくとも20°、少なくとも60°、又は少なくとも85°の角度で、互いに交わるように延びていてもよい。一実施形態では、前記第1及び第2の方向は、互いに約90°の角度で延びる。
【0013】
前記カプセルの他の1つ以上の領域は、前記AM要素によって画定されてもよい。
前記AM要素は、前記カプセルの1つ以上の領域、例えば参照した前記第1及び第2の領域、及び任意で他の領域を画定してもよい。AM要素は、比較的複雑な形状及び/又は構成を画定することができる。それは、好ましくは、開口部、例えば貫通路を含み、これは、AM要素の第1の位置から要素の第2の位置まで適切に延びる。空隙が、好適にはAM要素内で、第1の位置と第2の位置との間に適切に画定される。AM要素は、複数の貫通路を画定してもよい。それは、少なくとも部分的に互いに交わって延びる貫通路を含み得る。それは、複数の空隙を含むことができ、例えば、前記第1及び第2の位置の間に空隙を設けることに加えて、第3及び第4の位置の間に空隙を含むことができ、適切には、前記第3及び第4の位置は前記第1及び第2の位置から離間している。
【0014】
前記カプセルにおいて、前記AM要素は、好ましくは、カプセルの外表面の一部である表面、すなわち、外部に露出しているカプセルの表面を含まない。前記AM要素は、好適には前記AM要素のいかなる部分によっても画定されないカプセルの他の領域の内部にあることが好ましい。前記AM要素は、好適には前記AM要素のいかなる部分によっても画定されない前記カプセルの上記他の領域によって完全に封入されていることが好ましい。
【0015】
前記AM要素は、好ましくは実質的に均質である。これは好ましくは単一の種類の材料から作られ、及び/又は単一の種類の材料からなる。前記AM要素は、合金であってもよい金属を含むことが好ましい。前記AM要素は、好ましくは酸によるエッチングに耐える。
【0016】
前記AM要素は、低合金鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、ニッケル基合金、Co-Cr、チタン合金、二相及び超二相ステンレス鋼から選択される材料を含むことができ、好ましくは本質的にそれらからなる。
【0017】
前記AM要素は、好ましくは、上述のように前記カプセルの一部を画定することができるように十分に強くなるように設計及び構築される。これは、気密(例えばヘリウムに対する)シールを保持し、高温及び高圧でのHIP中にこの気密膜を保っていられることが好ましい。前記AM要素は、好ましくは溶接可能な材料から作られ、及び/又は、前記AM要素によって画定されない前記カプセルの他の領域に溶接できる程度に十分に強い。
【0018】
任意選択で、前記AM要素自体が、溶接肉盛、表面コーティング、機械的固定、ならびに強度及び/又は特性を改善するための他の技術を通じてクラッド要素を含んでもよい。一実施形態では、AM製品は、AM製造技術の直接製品であってもよく、ここで、本方法で使用する前の前記AM要素の後処理は最小限であるか、又は実質的に後処理を必要としない。
【0019】
工程(i)で選択された前記AM要素は、剛性で自立していることが好ましい。選択された前記AM要素は、AM要素が本方法でHIP処理され、したがって適切に高密度化され、収縮、例えば等軸収縮を受けることを除いて、HIP済みのコンポーネントの形態と同一であることが好ましい。AM要素の形状は、HIPを受けることを除いて、工程(i)での選択後に実質的に変化しないことが好ましい。
【0020】
本方法は、工程(i)において、例えば、レーザー又は電子ビーム溶接(EBW)、粉末床及びワイヤ給電造形(wire fed build)技術を使用してAM要素を製造することを含み得る。
【0021】
工程(i)で選択されたAM要素自体は、工程(i)の前に例えば溶接によって互いに固定された第1のAM部品及び第2のAM部品から形成されてもよい。あるいは、第1のAM部品及び第2のAM部品は、工程(ii)で選択されて、AM要素を含まない以下に説明するような他のカプセル要素と共にカプセルに形成されてもよい。
【0022】
AM要素は、上記造形技術に基づき、ならびに、工程(i)の一部として複数のAM部品を一緒に溶接することで、造形技術から直接得られるものよりも大きいAM要素を構築する可能性に基づき、さまざまなサイズで設計及び構築することができる。AM要素の最大サイズは、好適にはHIP処理できるカプセル全体の最大サイズに制限される。
【0023】
AM要素は、例えばバルブ部品の場合、通常、HIP済みコンポーネントの総体積の最大40%に相当するが、バルブ部品やその他の部品に対して、より多い又は少ない場合もある。好ましい実施形態では、AM要素は、HIP済みコンポーネントの総体積の10~60%、例えば10~40%又は20~40%に相当し得る。
【0024】
好ましくは、AM要素は比較的強力であり、高い耐腐食性及び耐薬品性、ならびに削摩又は摩耗に対する耐性を有する。
工程(ii)において、前記方法は、好適には前記AM要素の周囲にカプセルの領域を構築することを含み、好適には、前記カプセルの前記第1の領域は、前記AM要素によって画定され、かつ任意に、しかし好ましくは、前記カプセルの前記第2の領域(提供される場合)は前記AM要素によって画定される。前記方法は、AM要素を完全に内部に封入することを含み得る。好ましくは、前記AM要素は、前記カプセルの内壁を画定する。
【0025】
本方法の工程(ii)は、カプセル要素(A)を選択し、それをAM要素に(好ましくは直接)固定することを含み得る。前記カプセル要素(A)は、前記AM要素の少なくとも一部の上に重なるように配置されてもよい。AM要素の端に重なるように配置されてもよい。前記AM要素の開口部、例えばチャネル部分又はパイプ部分の上に重なるように配置されてもよい。AM要素の第1の領域(提供される場合)の少なくとも一部の上に配置されてもよい。前記カプセル要素(A)及びAM要素は、溶接、例えばタングステン不活性ガス(TIG)溶接、金属不活性ガス(MIG)溶接又は電子ビーム溶接により互いに固定することができる。前記カプセル要素(A)及びAM要素は、好ましくは固定され、例えば溶接され、その結果、2つの要素の間に気密(例えばヘリウムに対する)シールが画定される。
【0026】
前記カプセル要素(A)は、前記AM要素の材料と比較して、同じ材料又は異なる材料から作られてもよい。好ましくは、カプセル要素(A)は、前記AM要素の材料と比較して異なる材料から作られる。
【0027】
前記カプセル要素(A)は、好ましくは金属を含み、より好ましくは本質的に金属からなる。前記カプセル要素(A)は、AM要素とカプセル要素(A)とを組み合わせた後に接触させる液体製剤に可溶性であってもよく、その結果、カプセル要素(A)は溶解により除去される。カプセル要素(A)は、本方法で犠牲になるように配置することも、除去されずに適所に残るようにすることもできる。しかしながら、好ましくは、カプセル要素(A)は、本方法で犠牲になるように配置される。すなわち、本方法で除去され、HIP済みコンポーネントには残らない。前記カプセル要素(A)は、好ましくは、例えば、軟鋼、ステンレス鋼、チタン及びアルミニウムから選択される金属を含み、より好ましくは本質的にそれからなる。
【0028】
前記カプセル要素(A)は、AM要素に固定されるシート材料を含むことが好ましい。シート材料は、好ましくは、HIP済みコンポーネントのニアネットシェイプ領域を画定するように成形される。前記カプセル要素(A)、例えば前記シート材料は、好ましくは典型的には2~5mmの範囲の厚さを有し、形状及び方向の高密度化を制御するためにより厚い部分を有し得る。
【0029】
本方法の工程(ii)は、(好適にはカプセル要素(A)を選択することに加えて)カプセル要素(B)を選択し、好ましくはそれをAM要素に(好ましくは直接)固定することを含み得る。前記カプセル要素(B)は、AM要素の端に重なるように配置されてもよい。前記AM要素の開口部、例えばチャネル部分又はパイプ部分の上に重なるように配置されてもよい。AM要素の第2の領域(提供される場合)の少なくとも一部の上に配置されてもよい。前記カプセル要素(B)及びAM要素は、好ましくは固定され、例えば溶接され、その結果、2つの要素の間に気密(例えばヘリウムに対する)シールが画定される。
【0030】
カプセル要素(A)及びカプセル要素(B)は、好ましくは離間している。それらは連続していないことが好ましい。
前記カプセル要素(B)は、前記AM要素のものと比較して、同じ材料又は異なる材料から作られていてもよい。
【0031】
前記カプセル要素(B)は、好ましくは金属を含み、より好ましくは本質的に金属からなる。前記カプセル要素(B)は、AM要素とカプセル要素(B)とを組み合わせた後に接触させる液体製剤に可溶性であってもよく、その結果、カプセル要素(B)は溶解により除去される。しかしながら、好ましくは、カプセル要素(B)は、本方法で犠牲になるように配置される。すなわち、本方法で除去され、HIP済みコンポーネントには残らない。カプセル要素(B)は、本方法で犠牲になるように配置することも、除去されずに適所に残るようにすることもできる。
【0032】
前記カプセル要素(B)は、好ましくは、例えば、軟鋼、ステンレス鋼、チタン及びアルミニウムから選択される金属を含み、より好ましくは本質的にそれからなる。
前記カプセル要素(B)は、AM要素に固定されるシート材料を含むことが好ましい。シート材料は、好ましくは、HIP済みコンポーネントのニアネットシェイプ領域を画定するように成形される。前記カプセル要素(B)、例えば前記シート材料は、好ましくは典型的には2~5mmの範囲の厚さを有し、形状及び方向の高密度化を制御するためにより厚い部分を有し得る。
【0033】
本方法の工程(ii)は、(好適にはカプセル要素(A)及びカプセル要素(B)を選択することに加えて)カプセル要素(C)を選択し、好ましくはそれをAM要素に(好ましくは直接)固定することを含み得る。前記カプセル要素(C)は、AM要素の端に重なるように配置されてもよい。前記AM要素の開口部、例えばチャネル部分又はパイプ部分の上に重なるように配置されてもよい。AM要素の第3の領域の少なくとも一部の上に配置されてもよい。前記カプセル要素(C)及びAM要素は、溶接によって共に固定されてもよい。前記カプセル要素(C)及びAM要素は好ましくは固定され、例えば溶接され、その結果、2つの要素の間に気密(例えばヘリウムに対する)シールが画定される。
【0034】
カプセル要素(C)は、カプセル要素(A)及びカプセル要素(B)の両方から好ましくは離間している。
前記カプセル要素(C)は、前記AM要素のものと比較して、同じ材料又は異なる材料から作られていてもよい。好ましくは、カプセル要素(C)は、前記AM要素の材料と比較して異なる材料から作られている。
【0035】
前記カプセル要素(C)は、好ましくは金属を含み、より好ましくは本質的に金属からなる。前記カプセル要素(C)は、AM要素とカプセル要素(C)とを組み合わせた後に接触させる液体製剤に可溶性であってもよく、その結果、カプセル要素(C)は溶解により除去される。カプセル要素(C)は、本方法で犠牲になるように配置することも、除去されずに適所に残るようにすることもできる。しかしながら、好ましくは、カプセル要素(C)は、本方法で犠牲になるように配置される。すなわち、本方法で除去され、HIP済みコンポーネントには残らない。
【0036】
前記カプセル要素(C)は、好ましくは、例えば、軟鋼、ステンレス鋼、チタン及びアルミニウムから選択される金属を含み、より好ましくは本質的にそれからなる。
前記カプセル要素(C)は、AM要素に固定されるシート材料を含むことが好ましい。シート材料は、好ましくは、HIP済みコンポーネントのニアネットシェイプ領域を画定するように成形される。前記カプセル要素(C)、例えば前記シート材料は、好ましくは典型的には2~5mmの範囲の厚さを有し、形状及び方向の高密度化を制御するためにより厚い部分を有し得る。
【0037】
本方法の工程(ii)は、(好適にはカプセル要素(A)、任意選択でカプセル要素(B)及び、任意選択でカプセル要素(C)を選択することに加えて)カプセル要素(D)を選択し、好ましくはそれをAM要素に(ただし直接的でなくてもよく)固定することを含み得る。前記カプセル要素(D)は、前記AM要素の一領域の上に重なるように配置されてもよい。前記カプセル要素(D)は、溶接によってカプセルを画定するように配置された他の領域に固定されてもよい。前記カプセル要素(D)は、好ましくは固定され、例えば溶接され、その結果、カプセル要素(D)と、それが固定されるカプセルを画定するように配置された他の領域との間に気密(例えばヘリウムに対する)シールが画定される。
【0038】
カプセル要素(D)は、カプセル要素(A)とカプセル要素(B)、及び任意選択でカプセル要素(C)を橋渡ししてもよい。カプセル要素(D)は、好ましくは、カプセル要素(A)に適切に固定、例えば溶接され、その結果、2つの要素の間に気密(例えば、ヘリウムに対する)シールが画定される。カプセル要素(D)は、好ましくは、カプセル要素(B)に適切に固定、例えば溶接され、その結果、2つの要素の間に気密(例えば、ヘリウムに対する)シールが画定される。
【0039】
前記カプセル要素(D)は、前記AM要素の材料と比較して同じ材料又は異なる材料から作られてもよい。好ましくは、カプセル要素(D)は、前記AM要素の材料と比較して異なる材料から作られる。
【0040】
前記カプセル要素(D)は、好ましくは金属を含み、より好ましくは本質的に金属からなる。前記カプセル要素(D)は、AM要素とカプセル要素(D)とを組み合わせた後に接触させる液体製剤に可溶性であってもよく、その結果、カプセル要素(D)は溶解により除去される。カプセル要素(D)は、本方法で犠牲になるように配置することも、除去されずに適所に残るようにすることもできる。しかしながら、好ましくは、カプセル要素(D)は、本方法で犠牲になるように配置される。すなわち、本方法で除去され、HIP済みコンポーネントには残らない。
【0041】
前記カプセル要素(D)は、好ましくは、例えば、軟鋼、ステンレス鋼、チタン及びアルミニウムから選択される金属を含み、より好ましくは本質的にそれからなる。
前記カプセル要素(D)は、AM要素に固定されるシート材料を含むことが好ましい。シート材料は、好ましくは、HIP済みコンポーネントのニアネットシェイプ領域を画定するように成形される。前記カプセル要素(D)、例えば前記シート材料は、好ましくは典型的には2~5mmの範囲の厚さを有し、形状及び方向の高密度化を制御するためにより厚い部分を有し得る。
【0042】
本方法の工程(ii)は、(好適にはカプセル要素(A)、任意選択でカプセル要素(B)及び、カプセル要素(D)(少なくとも)を選択することに加えて、カプセル要素(E)を選択し、好ましくはそれをAM要素に固定することを含み得る。要素(E)は、前記AM要素の一領域の上に重なるように配置されてもよい。前記カプセル要素(E)及びAM要素は、溶接によってカプセルを画定するように配置された他の領域に固定されてもよい。前記カプセル要素(E)は、好ましくは固定され、例えば溶接され、その結果、カプセル要素(A)とカプセル要素(D)との間、ならびにカプセル要素(B)とカプセル要素(D)との間に気密(例えばヘリウムに対する)シールが画定される。
【0043】
カプセル要素(E)は、カプセル要素(A)とカプセル要素(B)、及び任意選択でカプセル要素(C)を橋渡ししてもよい。カプセル要素(E)は、好ましくは、カプセル要素(A)に適切に固定、例えば溶接され、その結果、2つの要素の間に気密(例えば、ヘリウムに対する)シールが画定される。カプセル要素(E)は、好ましくは、カプセル要素(B)に適切に固定、例えば溶接され、その結果、2つの要素の間に気密(例えば、ヘリウムに対する)シールが画定される。
【0044】
前記カプセル要素(E)は、前記AM要素の材料と比較して同じ材料又は異なる材料から作られてもよい。好ましくは、カプセル要素(E)は、前記AM要素の材料と比較して異なる材料から作られる。
【0045】
前記カプセル要素(E)は、好ましくは金属を含み、より好ましくは本質的に金属からなる。前記カプセル要素(E)は、AM要素とカプセル要素(E)とを組み合わせた後に接触させる液体製剤に可溶性であってもよく、その結果、カプセル要素(E)は溶解により除去される。カプセル要素(E)は、本方法で犠牲になるように配置することも、除去されずに適所に残るようにすることもできる。しかしながら、好ましくは、カプセル要素(E)は、本方法で犠牲になるように配置される。すなわち、本方法で除去され、HIP済みコンポーネントには残らない。
【0046】
前記カプセル要素(E)は、好ましくは、例えば、軟鋼、ステンレス鋼、チタン及びアルミニウムから選択される金属を含み、より好ましくは本質的にそれからなる。
前記カプセル要素(E)は、AM要素に固定されるシート材料を含むことが好ましい。シート材料は、好ましくは、HIP済みコンポーネントのニアネットシェイプ領域を画定するように成形される。前記カプセル要素(E)、例えば前記シート材料は、好ましくは典型的には2~5mmの範囲の厚さを有し、形状及び方向の高密度化を制御するためにより厚い部分を有し得る。
【0047】
好ましい実施形態では、前記カプセルは、離間したカプセル要素(A)及びカプセル要素(B)と、カプセル要素(A)及びカプセル要素(B)の間の隙間を埋めるカプセル要素(D)及びカプセル要素(E)とを含み、本方法では、カプセル要素(D)及び(E)はカプセル要素(A)及びカプセル要素(B)の両方に溶接され、カプセル要素(C)及び(D)は互いに溶接される。
【0048】
したがって、好ましくは方法の工程(ii)において、個々の(及び好ましくは別個の)カプセル要素(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)(及び任意選択で、カプセル要素(A)について説明したようにシート材料から適切に作られた追加のカプセル要素)を選択し、前記AM要素の周りに配置し、続いて記載されたように互いに固定、例えば溶接する。
【0049】
好ましくは、本方法では、カプセル要素(A)、(B)、(C)、(D)及び/又は(E)(及び任意選択で、カプセル要素(A)について説明したようにシート材料から適切に作られた追加のカプセル要素)は、AM要素を実質的に完全に取り囲み及び/又は封入する。好ましくは、カプセル要素(A)、(B)、(C)、(D)及び/又は(E)(及び、任意で上記の追加のカプセル要素)は、HIP済みコンポーネントのニアネットシェイプの外表面を画定するように構成される。前記AM要素は、好ましくは、HIP済みコンポーネントのニアネットシェイプの内表面の少なくとも一部を画定するように構成される。
【0050】
本方法の工程(ii)では、前記AM要素を含むカプセルが、AM要素の少なくとも一部(好ましくは実質的に全体)の周囲に適切に画定された空隙を有して適切に構築される。前記カプセルがカプセル要素(A)を含む場合、カプセル要素(A)と前記AM要素との間に空隙を画定することができる。空隙は、提供される場合、前記AM要素とカプセル要素(A)、(B)及び(D)との間に少なくとも部分的に画定されてもよい。前記空隙は、前記AM要素とカプセル要素(A)、(B)、(C)、(D)及び/又は(E)との間に画定されてもよい。
【0051】
具体例が図1~6を参照して説明される実施形態(A)は、上記の特徴のすべてを含み得る。具体例が図7~11を参照して説明される実施形態(B)では、含まれる前記特徴がより少なくてもよい。
【0052】
前記実施形態(B)において、前記方法は、前記第1の態様に記載された通りであり得る。この場合、前記カプセルの前記第1の領域は湾曲していてもよく、好ましくは360°の角度にわたって湾曲している。前記第1の領域は、上記の第1の領域の任意の特徴を適切に有する。
【0053】
実施形態(B)は、上記のようなカプセルの第2の領域を含まなくてもよい。
実施形態(B)の前記AM要素は、比較的複雑な形状及び/又は構成を画定してもよい。それは、好ましくは、AM要素の軸の周りに延びることができる複数の開口部、例えば通路を含む。
【0054】
実施形態(B)の前記カプセルにおいて、前記AM要素は、実施形態(A)について上述したとおりであり得る(及び上述したように製造され得る)。
実施形態(B)の工程(ii)において、前記方法は、適切には、前記カプセルの前記第1の領域が前記AM要素によって画定されるように、前記AM要素の周りにカプセルの領域を構築することを適切に含む。本方法の工程(ii)は、カプセル要素(A)(円筒形であってもよい)を選択し、それをAM要素に(好ましくは直接)固定することを含み得る。前記カプセル要素(A)は、前記AM要素の少なくとも一部の上に重なるように配置されてもよい。AM要素の第1の領域の少なくとも一部の上に重なるように配置されてもよい。前記カプセル要素(A)及びAM要素は、溶接によって共に固定されてもよい。前記カプセル要素(A)は、AM要素に固定されたシート材料を含むことが好ましい。シート材料は、好ましくは、HIP済みコンポーネントのニアネットシェイプ領域を画定するように成形される。
【0055】
本方法の実施形態(B)の工程(ii)は、(適切にはカプセル要素(A)を選択することに加えて)カプセル要素(B)(適切には平面状であり得るエンドキャップ)を選択すること、及び好ましくはそれをAM要素に(好ましくは直接)固定することを含み得る。カプセル要素(B)は、AM要素の端に重なるように配置されてもよい。それは、開口部、例えば、前記AM要素のチャネル部分又はパイプ部分の上に重なるように配置されてもよい。前記カプセル要素(B)及びAM要素は、溶接によって共に固定されてもよい。
【0056】
前記カプセル要素(B)は、好ましくは、AM要素に固定されたシート材料を含む。
本方法の実施形態(B)の工程(ii)は、(適切にはカプセル要素(A)及びカプセル要素(B)を選択することに加えて)カプセル要素(C)(適切には平面状であり得るエンドキャップ)を選択すること、及び好ましくはそれをAM要素に(好ましくは直接)固定することを含み得る。カプセル要素(C)は、AM要素の端に重なるように配置されてもよい。それは、開口部、例えば、前記AM要素のチャネル部分又はパイプ部分の上に重なるように配置されてもよい。前記カプセル要素(C)及びAM要素は、溶接によって共に固定されてもよい。
【0057】
実施形態(B)の工程(ii)では、前記AM要素を含むカプセルが、AM要素の少なくとも一部の周囲に適切に画定された空隙を有して適切に構築される。前記カプセルがカプセル要素(A)を含む場合、カプセル要素(A)と前記AM要素との間に空隙を画定することができる。空隙は、提供される場合、前記AM要素とカプセル要素(A)、(B)及び(C)との間に少なくとも部分的に画定されてもよい。
【0058】
本方法の工程(ii)(実施形態(A)又は実施形態(B)に適用可能)において、前記カプセルは、カプセルの外側からカプセル内への、例えばAM要素の周囲に適切に画定されたカプセルの空隙へのアクセスを提供する開口部を備えて構成されることが好ましい。固体及び/又は流体を空隙に送達するため、及び/又は空隙から流体を除去するため、例えば空隙の空気を排出するために、前記開口部はパイプを伴ってもよい。
【0059】
好ましい実施形態において、工程(ii)は、少なくとも3つの個々の及び/又は別個の要素(例えば、実施形態(A)について説明したカプセル要素(A)~(E)から選択されるカプセル要素又は実施形態(B)の要素(A)、(B)及び(C))であって、適切にはシート材料、例えばシート金属から形成された要素を選択し、AM要素の周りに前記3つの要素を配置して、AM要素の周りに画定される空隙を有するカプセルを画定することにより、前記カプセルを構築することを含む。好ましくは、AM要素がカプセルの他の要素の内部にあるように、十分な数の個々の及び/又は別個の要素が選択され、AM要素の周りに配置される。
【0060】
工程(ii)の後、工程(iii)の前に、好適にはそれが気密であることを確認するために、前記カプセルを試験してもよい。これは、例えばヘリウムなどのガスをカプセル内に画定された空隙に導入し(例えば、カプセルへのアクセスを提供するように配置された前記開口部を介して)、カプセルからガスが漏れるかどうかを評価することを含み得る。
【0061】
適切には工程(i)の後かつ工程(iii)の前である工程(iii)において、カプセル内に、例えばカプセル内に画定された前記空隙内に、好ましくは粉末が導入される。粉末は、好ましくは金属を含み、より好ましくは本質的に金属からなる。金属は、オーステナイト、フェライト、及びマルテンサイト系を含むステンレス鋼、二相及び超二相ステンレス鋼、Ni、Ti、及びCoCr合金、ならびに金属マトリックス/複合合金から選択され得る。金属粉末は、直径が500ミクロン未満であることが好ましい。金属粉末は、カプセルの空隙の100%まで充填され得る。金属粉末は、カプセルの空隙に充填され、好ましくは、既知の粉末充填重量及び最適な粉末充填密度を達成するために振動させることができる。
【0062】
導入される粉末は、AM要素を構成する材料と比較して、同じであっても、異なる特性を有していてもよく、例えば、化学的に異なっていてもよい。好ましくは、異なる特性を有する。粉末は、(例えば、主要な量として)第1の金属を含むことができ、前記AM要素は第2の金属を含むことができ、適切には、前記第1及び第2の金属は異なる。
【0063】
工程(ii)後のカプセルの外表面の形状は、AM要素の形状に対応しない場合があり、及び/又は異なる場合がある。したがって、外表面の形状は、工程(iii)後の前記粉末に由来する層が実質的に一定の厚さでAM要素をクラッドするように単純に構成されなくてもよい。カプセルは、工程(iii)の後に前記粉末に由来する異なる厚さの複数の層がAM要素上に画定されるように、工程(ii)において適切に構築されてもよい。例えば、前記AM要素上の1つの領域は厚さxの層を含むことができ、第2の領域は少なくとも1.2xの厚さの層を含むことができ、第3の領域は少なくとも2xの厚さの層を含むことができる。任意選択で、第4の領域は、厚さ3x又は少なくとも5xの層を含み得る。
【0064】
工程(iii)に続いて、本方法は、カプセルを、例えばカプセル内に画定された空隙を空にすることを含むことが好ましい。例えば、カプセルへのアクセスを提供するように配置された前記開口部に真空装置を取り付けることにより、カプセル内を真空にすることができる。カプセルを空にした後、本方法は、好ましくは、カプセルを密封すること、例えば、カプセルへのアクセスを提供するように配置された前記開口部を閉じることを含む。
【0065】
工程(iii)は、好ましくは、カプセルをHIPシステム内に配置し、例えばコンポーネントの材料肉厚及び全体重量に基づいて、所定の時間、所定の圧力(例えば、100~200MPaの範囲)及び温度(例えば、500~1250℃の範囲)にカプセルをさらすことを含む。
【0066】
工程(iii)は、カプセルに導入されるAM要素及び粉末の100%密度を達成するために行われることが好ましい。
したがって、HIP済みコンポーネントは、好ましくは完全に緻密化している。
【0067】
工程(iii)において、適切に導入された粉末は、AM要素の金属に拡散接合する。接合された金属粉末及びAM要素は、コーティング又は溶接クラッドされた鍛造や鋳造による物体を用いて製造されたコンポーネントとは異なる微細構造を有する。金属粉末要素は、最小の偏析を伴う微細で均質な粒子サイズであり、AM要素は、従来の方法で得られるものよりも微細で偏析の少ない構造で構成される。AM要素は拡散接合プロセスにより接合されるため、好適には、金属粉末要素とAM要素との間に熱影響部は存在しないであろう。
【0068】
工程(iii)に続いて、本方法は、好ましくは、溶体化熱処理のために従来の熱処理炉にカプセルを配置し、その後、最終コンポーネントに最適な材料特性を達成するために時効処理又は析出硬化を行うことを含む。
【0069】
工程(iii)に続いて、カプセルの一部をAM要素から除去し、前記AM要素と、記載したように工程(iii)で適切に導入された固化及びHIP済み粉末とを含むHIP済みコンポーネントを適切に残すことができる。あるいは、カプセルは、最終コンポーネントの一部を形成するために適所に残されてもよい。
【0070】
前述のカプセルの除去は、機械加工によるものであってもよい。有利には、除去は、例えば酸エッチングを使用した溶解によるものであり得る。工程(iii)では、カプセル要素(A)が除去されることが好ましい。工程(iii)では、実施形態(A)のカプセル要素(A)、(B)、(C)、(D)及び/又は(E)、あるいは実施形態(B)の要素(A)、(B)及び(C)(及び、任意選択でシート材料から作られた追加の要素)は除去されることが好ましい。工程(iii)では、好ましくは、例えばカプセル要素(A)について説明したようなシート材料から作られたカプセルの各要素が除去される。
【0071】
前記HIP済みコンポーネントは、好ましくは、前記AM要素及びHIP済み粉末を含み、好ましくは、シート材料、例えば鋼板によって画定される領域を含まない。
適切には、工程(iii)の後、HIP済みコンポーネントを最小限の機械加工に供してもよい。これは、カプセルがニアネットシェイプを生成するように配置されているために可能である。好ましくは、工程(iii)の後、HIP済みコンポーネントは機械加工を受けない。好ましくは、工程(iii)の後、HIP済みコンポーネントは、その形状を変化させるように構成されたプロセスに供されない。好ましくは、工程(iii)の後、HIP済みコンポーネントは、HIP済みコンポーネントの他の部分に優先してHIP済みコンポーネントの任意の部分を優先的に除去するプロセスに供されない。
【0072】
工程(iii)の後、外側部分(例えば、固結粉末によって画定される)は、外側部分の領域を除去するために処理、例えば機械加工されてもよい。例えば、除去される領域は、工程(iii)の前にカプセルへのアクセスを提供するように配置された開口部に関連していてもよい。適切には、HIP済みコンポーネントの外表面積の50%未満、好ましくは25%未満、より好ましくは10%未満が、工程(iii)後に処理され、例えば機械加工される。
【0073】
工程(iii)の後、HIP済みコンポーネントを、HIP済みコンポーネントの少なくとも外側のアクセス可能な表面の実質的に全体を同じ態様で処理するプロセスに供してもよい。例えば、プロセスは、研磨及び/又は洗浄プロセスを含んでもよい。
【0074】
HIP済みコンポーネントを1つのAM要素を含むものとして説明したが、本方法を使用して複数のAM要素を含むHIP済みコンポーネントを作成することができる。例えば、2つ以上のAM要素をカプセルに組み込むことができ、ここで、前記2つ以上のAM要素のそれぞれは、カプセルの少なくとも一部を画定する。
【0075】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様の方法自体によって製造されたHIP済みコンポーネントが提供される。
第3の態様によれば、HIPに供されたAM要素によって画定される領域(A)(好ましくは前記領域は空隙を画定する)と、HIPに供された金属粉末によって画定される領域(B)とを含むHIP済みコンポーネントが提供され、ここで、領域(A)及び(B)は少なくとも部分的に連続しており、互いに適切に拡散接合されている。
【0076】
第3の態様のコンポーネントは、第1の態様のHIP済みコンポーネントの任意の特徴を、必要な変更を加えて有することができる。
本発明の第4の態様によれば、第1の態様の方法自体によって製造されたカプセルが提供される。カプセルは、AM要素を備えてもよく、前記カプセルの第1の領域は、前記AM要素によって画定される。
【0077】
前記カプセル、前記AM要素、及び前記第1の領域は、第1の態様で説明した前述のコンポーネントの任意の特徴を有することができる。第4の態様の前記カプセルは、第1の態様で言及したカプセルの任意の特徴を有し得る。例えば、説明したような第2の領域、説明したようなAM要素の少なくとも一部の周りに画定された空隙;カプセルの外側からカプセル内へのアクセスを提供する開口部;第1の実施形態(A)の要素(A)~(E)又は実施形態(B)の要素(A)、(B)、及び(C)から選択され得る少なくとも3つの個々の及び/又は別個の要素を含むことができる。カプセルは、例えば、カプセル内に画定された空隙に提供される粉末を組み込むことができ、粉末は、第1の態様に従って説明されたようなものであり得る。カプセルの外表面の形状は、第1の態様で説明したAM要素の形状と比較して対応していなくてもよく、及び/又は異なっていてもよい。カプセルは、第1の態様に記載されているように空にされてもよい。
【0078】
次に、本発明の特定の実施形態について説明する。例示のため、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図1】カプセルの一部を形成するAM要素を含むHIP用のアセンブリの断面図である。
図2図1のアセンブリのAM要素の斜視図である。
図3】AM要素を含むカプセルの部品の形成段階を斜視図で示す。
図4】AM要素を含むカプセルの部品の形成段階を斜視図で示す。
図5】AM要素を含むカプセルの部品の形成段階を斜視図で示す。
図6図1図5のアセンブリを使用して作成されたコンポーネントの断面図である。
図7a】高圧シリンダー用のAM要素の上面図である(下面図も同一)。
図7b】AM要素の冷却空洞を示すための、AM要素の部分断面側面図である。
図7c図7aの線VII-VIIに沿った断面図である。
図8a】カプセルの上部エンドキャップの上面図である(カプセルの下部エンドキャップも同一)。
図8b図8aのエンドキャップの側面図である。
図8c】カプセルの円筒状外壁の側面図である。
図9図7のAM要素とカプセルの部品、すなわち図8cの円筒状外壁と図8a/8bの下部エンドキャップとを含むアセンブリの断面図である(明確性のため、上部エンドキャップは図では省略されている)。
図10a図9のカプセルの上面図であるが、AM要素に溶接された上部エンドキャップを示している。
図10b図9のカプセルの下面図であり、適所に溶接された下部エンドキャップを示している。
図11図7~10のAM要素及びカプセルを含むアセンブリを示す一部切欠き斜視図であり、粉末で満たされた空隙を備え、HIPに供される準備が整ったアセンブリである。
【発明を実施するための形態】
【0080】
図面において、同じ又は類似の部分には同じ参照番号を付す。
図1及び2を参照すると、アセンブリ2は、両端部8、10において開口している長尺セクション6、及び、長尺セクション6と交わるように延び、かつ端部13で開口しているセクション12を有するT字形パイプの形態である剛性の自立型AMコンポーネント4を含む。コンポーネント4は、HIPに供されるカプセルの内壁を形成する。カプセルの外壁は、板金セクション(図1において符号14が付されており、図3~5を参照して詳細に説明する)によって画定され、HIPによって作成される最終コンポーネントの少なくとも一部の外形を画定するように配置される。その内壁と外壁との間には、粉末金属16が導入される空隙が画定されている。結果として、カプセルは粉末金属16を収容する。アセンブリ2は、外部からカプセルの内壁と外壁との間の領域へのアクセスを提供するパイプ18を含む。使用時には、以下に説明するように、アセンブリをHIPに供する。その後、図6に示すように、カプセルの板金セクションを取り外すと、AMコンポーネント4及びHIP済み粉末16の両方を含む最終コンポーネントが画定される。
【0081】
アセンブリ2及びその製造について以下で詳細に説明する。
AMコンポーネント4は、レーザー粉末床3Dプリント法を使用して単一のレーザーヘッドで製造される。造形に使用される粉末は、ステンレス鋼又はニッケル基合金である。AMコンポーネントは、AMビルドのプログラミング用にCADモデルを作成できるように、STEP形式で設計及び設計提供される。AMコンポーネントは、細孔及び欠陥のない高密度の壁を実現するために、最適化された造形速度を使用して層ごとに造形される。造形後、AMコンポーネントの応力除去を行い、その後ビルドプレートから取り外し、支持構造があればそれも取り除く。
【0082】
AMコンポーネントは、TIG、MIG、及び/又はEBW溶接可能でなければならず、また、カプセルの外壁などの他の部品への溶接による接合にも適合している必要がある。
【0083】
製造後、AMコンポーネントは鋼板に取り囲まれる。これは段階的に行われ、AMコンポーネントの周囲に鋼板の筐体を徐々に構築していく。まず、図3を参照すると、鋼板キャップ20a、20b及び20cをコンポーネント4のそれぞれの端部8、10及び13に溶接する。キャップ20aは、コンポーネント4の端部8と向かい合わせに接触し、溶接線23aによって表されるようにそこに溶接される平面円形ディスク22aを含む。キャップ20aは、ディスクの縁部から垂直に延び、溶接線25aによって表されるようにそこに溶接される、短い無端スカート部を含む。キャップ20b及び20cは、キャップ20cが完全に組み立てられたときにカプセルへのアクセスを提供するためにパイプ18(図1)と協働するように配置された開口部26を含むことを除いて、凡そキャップ20aについて説明したように配置される。
【0084】
次に、図4を参照すると、溶接鋼セクションから作られた所望の形状の本体セクション28が、キャップ20a、20b及び20cの間に配置される。図5に示されるように、セクション28は、フランジ(図5はフランジ32a及び32bを示すが、キャップ20cに関連する対応するフランジは示されていない)を含むそれぞれの閉鎖プレート30a、30b及び30c(図5では30bのみが明確に示されている)によってキャップ20a、20b及び20cに溶接される。最後に、パイプ18が溶接により開口部26内に固定される。
【0085】
AMコンポーネントを収容するために使用される鋼板は、軟鋼、ステンレス鋼、チタン、及びアルミニウムから選択される。
図5のカプセルの構築後、真空ラインをパイプ18に接続することによりカプセルを排気し、その後、ヘリウム漏れ試験に供して、気密であることを確認する。次に、パイプ18を介して粉末金属を充填する。粉末金属は、オーステナイト、フェライト、マルテンサイト系を含むステンレス鋼、二相及び超二相ステンレス鋼、Ni、Ti及びCoCr合金、ならびに金属マトリックス/複合合金から選択される。金属粉末は、カプセルの空隙の100%まで充填することができる。粉末充填重量は、カプセル設計及び金属粉末の粒度分布に基づいて計算される。金属粉末は、カプセルの空隙に充填され、好ましくは振動させて、既知の粉末充填重量及び最適な粉末充填密度を達成することができる。
【0086】
カプセルの充填後、真空ラインをパイプ18に接続して真空にすることにより、閉じ込められた空気をアセンブリ2から排出する。次に、パイプ18を圧着してアセンブリを密閉する。
【0087】
次に、アセンブリをHIPシステム内に配置し、所定の温度及び圧力に所定の時間さらすことにより、アセンブリをHIPに供する。HIP温度は、AMコンポーネントを構成している金属粉末及び材料の両方に適している必要があり、通常、最も低い固相線温度の材料(例えば合金)によって決定される。
【0088】
HIP後、カプセルは、最終コンポーネントの最適な材料特性を実現するために、所定の温度で所定の時間、熱処理炉に入れられる。
HIPの後、最終コンポーネントに含まれないカプセルの部分を除去することができる。これは、コンポーネントを取り囲む鋼板を溶解するのに適した時間及び段階で、様々な酸にHIP後のアセンブリを浸漬することにより行うことができる。
【0089】
HIPの後、最終コンポーネントに機械加工を施して、最終コンポーネントの形状を実現してもよい。
図6に示す完成コンポーネント40が製造される。これは、HIP処理されているために完全に緻密化したAMコンポーネント4と、HIP処理されているためにこちらも完全に緻密化した固結粉末金属16とを含む。AMコンポーネント及び固結された粉末金属は、HIPプロセスによって互いに拡散接合されている。製造された金属の又はバイメタルのコンポーネントには、細孔や欠陥はない。固結された粉末金属部品は微細で均質な粒子サイズを有し、AMコンポーネントは、HIPサイクル中のAM要素の溶体化処理により、造形された状態よりも均質化され偏析が少ない非常に微細な粒子構造で構成される。AMコンポーネントの粉末コンポーネントへの接合は、溶融又は液相を伴うことなく粉末粒子表面のAMコンポーネントへの拡散接合により行われ、これは、粉末とAMコンポーネントと間の熱影響部の存在を排除し、代わりに薄い10~50ミクロンの拡散部に置き換えられる。
【0090】
図7a~7cを参照して、AMコンポーネント40は、上記で参照したAMコンポーネント4について概して説明したように製造される。コンポーネント40は、適切な耐摩耗性材料で作られたコンポーネント40の質量内に画定された螺旋状に配置された冷却空洞42を含む。
【0091】
製造後、AMコンポーネント40は鋼板に取り囲まれる。この目的のために、図9及び図10に示すように、外側の鋼製円筒壁44及び一対のエンドキャップ46、48がAMコンポーネント40に溶接される。より詳細には、下部環状エンドキャップ46は、位置50でAMコンポーネント40の外壁にTIG溶接される。エンドキャップ46の外周は、円筒壁44の下端52にTIG溶接される。図には示されていないが(図10aを除く)、上部環状エンドキャップ48は、位置54でAMコンポーネントの外壁の上端に溶接される。エンドキャップ46、48及び壁44が所定の位置に溶接されると、エンドキャップ及び壁は、AMコンポーネントの外壁58とともに、粉末で充填可能な空隙62を画定する。
【0092】
エンドキャップ48は、粉末が空隙62に導入されるように配置された穴56を含む。穴56の数は様々であってよく、そのような穴56は充填管64(図11)と係合して、エンドキャップ46、48、円筒壁44及びAMコンポーネントの外壁を含むカプセルによって画定される空隙への粉末の導入を促進することができる。
【0093】
空隙を粉末で充填した後、図1~6の実施形態について説明したように、アセンブリをHIP及び/又は他のプロセスに供することができる。
HIP及び鋼板の除去後、油圧又はガス圧縮機で使用するための、冷却液を運ぶために冷却空洞が配置された高圧シリンダーが適切に画定される。
【0094】
本発明は、前述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む)に開示された特徴の新規なもの、又は新規な組合せ、又は開示された方法又はプロセスの工程の新規なもの、又は新規な組合せに及ぶ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図8c
図9
図10a
図10b
図11
【外国語明細書】