(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076471
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】キメラ抗原受容体及び他の受容体の発現に対するT細胞
(51)【国際特許分類】
C12N 5/0783 20100101AFI20230525BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230525BHJP
C07K 14/55 20060101ALN20230525BHJP
C07K 16/28 20060101ALN20230525BHJP
C12N 15/867 20060101ALN20230525BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20230525BHJP
【FI】
C12N5/0783
C12N5/10
C07K14/55
C07K16/28
C12N15/867 Z
C12N15/13
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023035590
(22)【出願日】2023-03-08
(62)【分割の表示】P 2021101244の分割
【原出願日】2016-07-21
(31)【優先権主張番号】62/195,254
(32)【優先日】2015-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】598004424
【氏名又は名称】シティ・オブ・ホープ
【氏名又は名称原語表記】City of Hope
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,クリスティーン イー.
(72)【発明者】
【氏名】フォーマン,スティーブン ジェイ.
(57)【要約】
【課題】
極めて長期にわたって活性があるT細胞集団が必要な様々な目的に有用なT細胞集団を調製する方法に関する。
【解決手段】
T細胞集団のうち、ナイーブT細胞(TN)、メモリー幹T細胞(TSCM)及びセントラルメモリーT細胞(TCM)が濃縮される。これらの細胞集団は:1)CD14発現骨髄細胞及びCD25発現細胞等の不要な細胞集団を枯渇させること;及び、2)CD62L発現メモリーT細胞及びナイーブT細胞を濃縮させること;により末梢血単核細胞(PBMC)から獲得することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セントラルメモリーT細胞;メモリー幹T細胞、及びナイーブT細胞を含むヒト細胞の集団を調製する方法であって、前記方法は、以下の:
(a)T細胞を含むヒト細胞の試料を提供する工程;
(b)前記T細胞を含むヒト細胞の試料を処理して、CD25を発現する細胞及びCD14を発現する細胞を枯渇させ、かつ、前記枯渇された細胞の集団を調製する工程;かつ、
(c)前記枯渇された細胞の集団を処理してCD62Lを発現する細胞を濃縮することにより、セントラルメモリーT細胞;メモリー幹T細胞、及びナイーブT細胞を含むヒト細胞の集団を調製する工程;
を含み、ここで、CD45RAを発現する細胞は枯渇されない、方法。
【請求項2】
さらに、前記T細胞を含むヒト細胞の集団を活性化し、前記活性化された細胞を導入又はトランスフェクションして、前記核酸分子を保有するT細胞を含むヒト細胞の集団を提供する工程、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記T細胞を含むヒト細胞の試料はPBMCを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記核酸分子はベクターである、請求項2記載の方法。
【請求項5】
さらに、前記核酸分子を保有するT細胞を含む前記ヒト細胞の集団を培養する工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記培養する工程は、外因性IL-2及び外因性IL-15の添加を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記T細胞を含むヒト細胞の集団を活性化する工程は、前記細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体にさらす工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
ベクターは、ウイルスベクターである、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
ウイルスベクターは、レンチウイルスベクターである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記核酸分子は、キメラ抗原受容体又はT細胞受容体をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項2及び4~9のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、T細胞を含む単離されたヒト細胞の集団に関し、特に、T細胞が、セントラルメモリーT細胞、メモリー幹T細胞(memory stem T cells)及びナイーブT細胞を含み、T細胞のうち40%を超えるT細胞がCD45RA+であり、さらに、T細胞のうち70%を超えるT細胞がCD62L+である、単離されたヒト細胞の集団に関する。
【背景技術】
【0002】
Ex vivoで増殖された自己由来のT細胞及び同種異系のT細胞を利用する養子T細胞療法(ACT)は、ウイルス感染、がん及び自己免疫疾患の治療の魅力的な治療のアプローチである。多数の治療用T細胞を迅速に生成しうる方法は、ACTの効能及び安全性に極めて重要である。規定されたT細胞サブセットの選択並びに増殖の方法を含む様々なT細胞濃縮方法がACTに用いられてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2016/044811
【特許文献2】WO2104/144622
【特許文献3】WO2002/077029
【特許文献4】WO/US2014/0288961
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Berger et al.,2008 Journal of Cellular Immunology 118:4817
【非特許文献2】Wang et al.,2011 Blood 117:1888
【非特許文献3】Wang X et al.J Immunotherapy 2012;35:689。
【非特許文献4】Graef et al.Immunity 41:116
【非特許文献5】Gattioni et al.2014 Immunity 41:7
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インビボでの活性が比較的高く、かつ、増殖能が比較的高いT細胞集団を用いるのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載されるのは、ACT用にキメラ抗原受容体(「CAR」)を発現するのに有用なT細胞集団を調製する方法である。T細胞集団は、活性が高くて寿命の長いT細胞集団が必要な様々な他の目的にも有用である。本明細書で記載される方法により調製されたT細胞集団は:ナイーブT細胞(TN)、メモリー幹T細胞(TSCM)及びセントラルメモリーT細胞(TCM)に対して濃縮される。従って、そのような細胞集団は、TCM/SCM/N細胞又はTCM/SCM/N細胞の集団として記載することができる。これらの細胞集団は:1)CD14発現骨髄細胞及びCD25発現細胞等の望ましくない細胞集団を枯渇させること;及び、2)CD62L発現メモリーT細胞及びナイーブT細胞を濃縮させること;の両方によって、末梢血単核細胞(PBMC)から得ることができる。従って、結果として得られる細胞の集団には、CD45RA及びCD62Lを発現するナイーブT細胞(TN)及びメモリー幹T細胞(TSCM)が含まれ、また、CD45RO及びCD62Lを発現するセントラルメモリーT細胞(TCM)の集団も含まれる。TCM/SCM/N細胞の集団は、その調製がCD45RA+T細胞の枯渇を伴わない点で、以前に記載されたTCM細胞の集団とは異なる。TCM/SCM/N細胞の集団は、調製時に、エフェクターメモリー細胞(TEM)及びエフェクター細胞(TE)を比較的含まない。当然ながら、TCM/SCM/N細胞の集団が増殖するに従い、分化が起こり、例えばTE細胞が生じる。
【0007】
患者特異的な自己由来のTCM/SCM/N細胞及び同種異系のTCM/SCM/N細胞(又は同種異系のTCM/SCM/N細胞)を操作して、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を発現させることができ、さらに、操作した細胞を増殖し、ACTで用いることができる。
【0008】
本明細書で記載されるのは、T細胞(すなわち、CD3又はCD3+細胞を発現する細胞)を含む単離されたヒト細胞の集団であり、T細胞は、セントラルメモリーT細胞;メモリー幹T細胞及びナイーブT細胞を含み、T細胞のうち40%を超える(45%、50%、55%、60%、65%又は70%を超える)T細胞がCD45RA+であり、さらに、T細胞のうち70%を超える(75%、80%、85%又は90%を超える)T細胞がCD62L+である。様々な実施形態では:T細胞のうち15%未満(12%、10%、8%又は6%未満)がCD14+であり、T細胞のうち5%未満(4%、3%又は2%未満)がCD25+であり;T細胞のうち10%を超える(15%、20%、25%、30%、35%又は40%を超える)T細胞が、組換え核酸分子(例えば、キメラ抗原受容体又はT細胞受容体をコードする組換え核酸分子;例えば、T細胞ベクター等のウイルスベクター)を宿し;T細胞のうち少なくとも40%の(45%、50%、55%、60%、65%又は70%を超える)T細胞がCD4+及びCD62L+、又は、CD8+及びCD62L+であり;T細胞のうち少なくとも10%の(15%、20%、25%、30%、35%又は40%を超える)T細胞がCD8+及びCD62L+であり;T細胞のうち60%未満(55%、50%、45%、40%、35%、30%、24%、20%又は15%未満)がCD45RO+であり;さらに、T細胞を含む単離された細胞集団における細胞のうち少なくとも80%の(85%、90%、95%又は98%を超える)細胞がT細胞である。
【0009】
また、本明細書で記載されるのは、ヒトT細胞(すなわち、CD3又はCD3+細胞を発現する細胞)を含む単離された細胞の集団であり、T細胞は、セントラルメモリーT細胞及びメモリー幹T細胞を含み、T細胞のうち40%を超える(45%、50%、55%、60%、65%又は70%を超える)T細胞がCD45RA+であり、T細胞のうち40%を超える(45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%又は90%を超える)T細胞がCD62L+であり、T細胞のうち70%を超える(75%、80%、85%又は90%を超える)T細胞がCD95+であり、T細胞のうち10%を超える(15%、20%、25%、30%、35%又は40%を超える)T細胞が、組換え核酸分子(例えばキメラ抗原受容体又はT細胞受容体をコードする組換え核酸分子(例えばウイルスベクター等))を備える。様々な実施形態では:T細胞のうち15%未満(12%、10%、8%、6%未満)がCD14+であり、T細胞のうち5%未満(4%、3%又は2%未満)のT細胞がCD25+であり;T細胞のうち少なくとも40%の(45%、50%、55%、60%、65%又は70%を超える)T細胞が、CD4+及びCD62L+、又は、CD8+及びCD62L+であり;T細胞のうち少なくとも10%の(15%、20%、25%、30%、35%又は40%を超える)がCD8+及びCD62L+であり;T細胞のうち60%未満(55%、50%、45%、40%、35%、30%、24%、20%又は15%未満)がCD45RO+であり;T細胞を含む単離された細胞の集団における細胞のうち少なくとも80%の(85%、90%、95%又は98%を超える)細胞がT細胞である。
【0010】
本明細書で記載されるのは、組換え核酸分子を備えるT細胞(すなわち、CD3又はCD3+細胞を発現する細胞)を含むヒト細胞の集団を調製する方法であり:(a)T細胞を含むヒト細胞の試料を提供する工程であって、T細胞は:セントラルメモリーT細胞;メモリー幹T細胞及びナイーブT細胞を含み、T細胞のうち40%を超える(45%、50%、55%、60%、65%又は70%を超える)T細胞がCD45RA+であり、さらに、T細胞のうち70%を超える(75%、80%、85%又は90%を超える)T細胞がCD62L+である、工程;(b)T細胞を含むヒト細胞の集団を活性化する工程;及び(c)T細胞を含むヒト細胞の集団における細胞に、組換え核酸分子を形質導入又は遺伝子導入して、組換え核酸分子を備えるT細胞を含むヒト細胞の集団を提供する工程を含み、当該方法は、CD45RAを発現する細胞を枯渇させる工程を含まない。様々な実施形態では:組換え核酸分子は、ウイルスベクター(例えば、レンチウイルスベクター、CARをコードするウイルスベクター、T細胞受容体をコードするウイルスベクター)であり;当該方法は、組換え核酸分子を備えるT細胞を含むヒト細胞の集団を培養する工程をさらに含み;培養する工程は、外因性IL-2及び外因性IL-15の添加を含み;さらに、活性化する工程は、細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体に曝露する工程を含み;さらに、T細胞を含む単離された細胞の集団における細胞の少なくとも80%の(85%、90%、95%又は98%を超える)細胞がT細胞である。
【0011】
本明細書で記載されるのは、T細胞(すなわち、CD3又はCD3+細胞を発現する細胞)を含むヒト細胞の集団を調製する方法であり、T細胞は、セントラルメモリーT細胞;メモリー幹T細胞及びナイーブT細胞を含み、細胞のうち40%を超える(45%、50%、55%、60%、65%又は70%を超える)細胞がCD45RA+であり、さらに、70%を超える(75%、80%、85%又は90%を超える)細胞がCD62L+であり、当該方法は:(a)T細胞を含む単離されたヒト細胞の集団を提供する工程;(b)枯渇した細胞集団を調製するために、CD25を発現する細胞及びCD14を発現する細胞を枯渇させるようにT細胞を含む単離されたヒト細胞の集団を処理する工程;及び(c)CD62Lを発現する細胞を濃縮するように、枯渇した細胞集団を処理し、その結果、T細胞を含むヒト細胞の集団を調製する工程であって、T細胞はセントラルメモリーT細胞;メモリー幹T細胞及びナイーブT細胞を含み、細胞のうち40%を超える(45%、50%、55%、60%、65%又は70%を超える)細胞がCD45RA+であり、さらに、70%を超える細胞がCD62L+である、工程を含み、当該方法は、CD45RAを発現する細胞を枯渇させる工程を含まない。様々な実施形態では:当該方法は、T細胞を含むヒト細胞の集団を活性化する工程、及び、活性化された細胞に、組換え核酸分子を形質導入又は遺伝子導入して、組換え核酸分子を備えるT細胞を含むT細胞の集団を提供する工程をさらに含み;T細胞を含む単離されたヒト細胞の集団は、PBMCを含むT細胞を含み;さらに、T細胞を含む単離された細胞の集団における細胞のうち少なくとも80%の(85%、90%、95%又は98%を超える)細胞がT細胞である。
【0012】
また、本明細書で記載されるのは、T細胞(すなわち、CD3又はCD3+細胞を発現する細胞)を含むヒト細胞の集団であり、T細胞は、セントラルメモリーT細胞;メモリー幹T細胞及びナイーブT細胞を含み、細胞のうち40%を超える(45%、50%、55%、60%、65%又は70%を超える)細胞がCD45RA+であり、さらに、70%を超える(75%、80%、85%又は90%を超える)細胞がCD62L+であり、集団は:T細胞(例えば、ドナー由来のPBMC)を含む単離されたヒト細胞の集団を提供する工程;枯渇した細胞集団を調製するために、CD25を発現する細胞を枯渇させ、CD14を発現する細胞を枯渇させるように、T細胞を含む単離されたヒト細胞の集団を処理する工程;及び、CD62Lを発現する細胞を濃縮するように枯渇した細胞集団を処理し、その結果、T細胞を含むヒト細胞の集団を調製する工程であって、T細胞は、セントラルメモリーT細胞;メモリー幹T細胞及びナイーブT細胞を含み、細胞のうち40%を超える(45%、50%、55%、60%、65%又は70%を超える)細胞がCD45RA+であり、さらに、70%を超える(75%、80%、85%又は90%を超える)細胞がCD62L+である、工程を含む方法によって調製され、当該方法は、CD45RAを発現する細胞を枯渇させる工程を含まない。様々な実施形態では、ヒト細胞の集団におけるT細胞のうち15%未満(12%、10%、8%、6%未満)がCD14+であり、さらに、T細胞のうち5%未満(4%、3%又は2%未満)がCD25+であり;T細胞のうち少なくとも40%の(45%、50%、55%、60%、65%又は70%を超える)T細胞はCD4+及びCD62L+、又は、CD8+及びCD62L+であり;T細胞のうち少なくとも10%の(15%、20%、25%、30%、35%又は40%を超える)T細胞がCD8+及びCD62L+であり;T細胞のうち60%未満(55%、50%、45%、40%、35%、30%、24%、20%又は15%未満)がCD45RO+である。
【0013】
また、本明細書で記載されるのは、がん、自己免疫又は感染症の治療方法であり、当該方法は、その必要がある患者に、本明細書で記載されるヒト細胞集団を含む医薬組成物を投与する工程を含む。場合によっては、細胞は、治療患者に対して自己由来であり、場合によっては、治療患者に対して同種異系である。
【0014】
細胞集団は、特定のマーカー(例えば受容体等)を発現する細胞について、細胞の集団からそのマーカーを発現する細胞の一部、大部分又はほぼ全てを(例えば、選択的抗体及び細胞選別法を用いて)除去することで枯渇させうるため、そのマーカーを発現する集団における細胞の相対的比率が低下する。細胞集団は、特定のマーカー(例えば受容体等)を発現する細胞について、細胞の集団からそのマーカーを発現する細胞の一部、大部分又はほぼ全てを(例えば、選択的抗体及び細胞選別法を用いて)集め、さらに、そのマーカーを発現しない細胞を捨てることにより濃縮しうるため、そのマーカーを発現する集団における細胞の相対的比率が低下する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】様々なT細胞のサブセットに対する特定のマーカーの発現パターン、特に、T
NからT
SCMを区別する発現パターンを示す図である。
【
図2】様々なT細胞のサブセットに対する特定のマーカーの発現データを示す図である。
【
図3】CD62L及びCD45ROの発現に基づき、特定のT細胞のサブセット間の関係を示す図である。
【
図4】T
CM細胞又はT
CM/SCM/N細胞に対するCliniMACS(商標)による濃縮後の細胞の表面表現型分析の結果を示す図である。示された生成物からの細胞を、T細胞マーカーCD3及びCD8、セントラルメモリーT細胞マーカーCD62L及びナイーブT細胞マーカーCD45RAだけでなく、単核球マーカーCD14及び制御性T細胞マーカーCD24に特異的な蛍光色素結合抗体を用いて染色した。アイソタイプ対照染色(黒線)を越える免疫反応性細胞の割合(陰影がつけられたヒストグラム)が、各ヒストグラムにおいて示される。
【
図5】T
CM細胞集団及びT
CM/SCM/N細胞集団の増殖における研究の結果を示す図である。レンチウイルス形質導入の日の開始時の生細胞数が、5人のドナーのうち4人から製造された細胞生成物について描かれており、T
CM由来の生成物は黒い丸で表され、さらに、T
CM/SCM/N由来の生成物は、白い四角で表される。培養液中の細胞の倍加時間をよりよく示すため、Log2スケールをY軸に対して用いた。
【
図6】T
CM細胞集団及びT
CM/SCM/N細胞集団の表面表現型分析の結果を示す図である。T
CMが濃縮された細胞又はT
CM/SCM/Nが濃縮された細胞をビーズで刺激し、CD19R(EQ)28Z-T2A-EGFRt_epHIV7又はIL13(EQ)BBZ-T2A-CD19t_epHIV7で形質導入し、さらに、ex vivoで増殖させた。次に、細胞を、EGFRt又はCD19t形質導入マーカーに特異的な、又は、T細胞マーカーCD3、CD4及びCD8、セントラルメモリーT細胞マーカーCD27、CD28及びCD62L、及び、ナイーブT細胞マーカーCD45RAに特異的な蛍光色素結合試薬で染色した後、フローサイトメトリーによって分析した(灰色のヒストグラム)。対照の染色(オープンヒストグラム)を超える免疫反応性細胞の割合が、代表的なT
CM/T
CM/SCM/Nの対の各ヒストグラムにおいて示される(A)か、又は、(B)において各細胞株に対するデータポイントとして示され、白い記号は、T
CM由来の生成物に対し、灰色の記号は、T
CM/SCM/N由来の生成物に対する。赤棒は各群に対する平均値を描き、さらに、T
CM由来の細胞生成物対T
CM/SCM/N由来の細胞生成物の対応スチューデントt検定比較に対するp値が、各表面のマーカーに対して示される。*,P値は、少な過ぎる値のため、CD27に対して計算しなかった。重複のため、(B)においてCD3染色に対しては、細胞株特異的記号ではなく陰影のみが示されることに留意されたい。
【
図7A】Sup-B15腫瘍細胞を投与した場合のCD19R T
CM又はCD19R T
CM/SCM/N前処置の治療効果を評価する研究の結果を示す図である。NSGマウスに照射を行った1日後に、マウスを群に分け(n=4)、未処置のままにしたか、又は、2.5x10
6偽(mock)形質導入PBMC(CARなし)、CD19R T
CM又はCD19R T
CM/SCM/N(約0.5x10
6CAR+細胞)のいずれかを用いて静脈内処置した。2日目に、マウスに、ffLuc+Sup-B15腫瘍細胞0.7~1.0×10
6M,millionを静脈内投与した。
【
図7B】Xenogen Living Imageを用いて、各郡からの代表的なマウスが、相対的な腫瘍の負荷量を示す。
【
図7C】Xenogenイメージングによってモニターされた時間の経過に伴うマウスの各郡における平均的なSup-B15腫瘍増殖及びffLux flux(光子/秒)の定量化が示される。
【
図8A】CD19R T
CM又はCD19R T
CM/SCM/Nを用いた静脈内前処置の41日後の血液中のヒトT細胞の存在を調べる研究の結果を示す図である。NSGマウスに照射を行った1日後に、マウスを群に分け(n=4)、未処置のままにしたか、又は、2.5x10
6偽形質導入PBMC(CARなし)、CD19R T
CM又はCD19R T
CM/SCM/N(約0.5x10
6CAR+細胞)のいずれかを用いて静脈内処置した。2日目に、マウスに、腫瘍GFP+Sup-B15腫瘍細胞0.7~1.0×10
6を静脈内投与した。41日目に、各マウスの血液を、フローサイトメトリーによってヒトCD45+CD3+細胞(すなわちヒトT細胞)の存在について評価した。各マウスの代表的なフローサイトメトリーの分析が示される(マウス1及びマウス2)。ここでhuCD45依存性細胞を、CD3T細胞マーカー及びEGFRt形質導入マーカーの発現についてさらに分析した(右上象限(upper right quadrant)に基づく%CAR+)。金のボックスは、GFP+SupB15集団を強調するために用いられる。
【
図8B】CD19R T
CM又はCD19R T
CM/SCM/Nを用いた静脈内前処置の41日後の血液中のヒトT細胞の存在を調べる研究の結果を示す図である。NSGマウスに照射を行った1日後に、マウスを群に分け(n=4)、未処置のままにしたか、又は、2.5x10
6偽形質導入PBMC(CARなし)、CD19R T
CM又はCD19R T
CM/SCM/N(約0.5x10
6CAR+細胞)のいずれかを用いて静脈内処置した。2日目に、マウスに、腫瘍GFP+Sup-B15腫瘍細胞0.7~1.0×10
6を静脈内投与した。41日目に、各マウスの血液を、フローサイトメトリーによってヒトCD45+CD3+細胞(すなわちヒトT細胞)の存在について評価した。各マウスの代表的なフローサイトメトリーの分析が示される(マウス3及びマウス4)。ここでhuCD45依存性細胞を、CD3T細胞マーカー及びEGFRt形質導入マーカーの発現についてさらに分析した(右上象限(upper right quadrant)に基づく%CAR+)。金のボックスは、GFP+SupB15集団を強調するために用いられる。
【
図9】エフェクターとしてCD19R(EQ)28ZEGFRt_epH1V7、及び、標的としてCD19陰性K562細胞(白いバー)又はCD19+SupB15細胞(黒いバー)で形質導入又は偽形質導入が行われたT
CM細胞又はT
CM/SCM/N細胞を用いて行われた長期死滅アッセイの結果を示す図である。100%に正規化された、偽エフェクター共培養と比較した場合の72時間後に残存する生存可能な標的細胞(CD45陰性、FSC高)の割合が示される。
【
図10】エフェクターとしてCD19R(EQ)28ZEGFRt_epH1V7、及び、刺激物質としてCD19陰性K562細胞(白いバー)又はCD19+SupB15細胞(黒いバー)で形質導入又は偽形質導入が行われたT
CM細胞又はT
CM/SCM/N細胞を用いて行われた5時間の脱顆粒アッセイの結果を示す図である。CD107aに対して免疫反応性であったCD45/CD8/EGFRt依存性細胞の割合が示される。
【
図11】CD19R(EQ)28ZEGFRt_epH1V7で形質導入又は偽形質導入が行われたT
CM細胞又はT
CM/SCM/N細胞によるIFNγ生成の分析の結果を示す図である。エフェクターとしてCD19R(EQ)28ZEGFRt_epH1V7、及び、刺激物質としてCD19陰性K562細胞(白いバー)又はCD19+SupB15細胞(黒いバー)で形質導入又は偽形質導入が行われたT
CM由来又はT
CM/SCM/N由来の細胞生成物を用いて5時間の共培養を行った。IFNγに対して免疫反応性であったCD45/CD8/EGFRt依存性細胞の割合が示される。
【
図12】様々なT細胞集団によって発現されるIL13 CARの有効性の研究の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
T細胞のコンパートメントは、異なる分化段階にあるT細胞のサブセットを含む。これらのサブセットは、CD45RA+、CD62L+、CD28+及びCD95-であるナイーブT細胞(TN)の分化から生じる。幹細胞様サブセットの中には、CD45RA+、CD62L+、CD28+及びCD95+であるメモリー幹T細胞(TSCM)がある。これらの細胞は、CD45RO+、CD62L+、CD28+及びCD95+であるセントラルメモリー細胞(TCM)に分化する。TCMは、CD45RO+、CD62L-、CD28+/-及びCD95+であるエフェクターメモリー細胞(TEM)に分化する。TEMは、CD45RO+、CD62L+、CD28+及びCD95+であるエフェクターT細胞(TE)に分化する。
【0017】
メモリー幹T細胞(T
SCM)は、T細胞のコンパートメント内に低レベルで存在するが、有意な自己再生及び増殖の潜在能力を有しているように思われる。メモリー幹T細胞(T
SCM)は、CD45RA+及びCD62L+を発現する点でナイーブT細胞(T
N)に似ているけれども、そのCD95の発現によってT
Nから区別され得る(
図1)。T
SCMは、IL-7及びIL-15の存在下でCD3/CD28ビーズを用いた刺激によってT
Nから生成され得る。T
SCMはまた、Wnt/β-カテニン経路活性化の存在下で増殖され得る。
【0018】
T
SCMよりもPBMCにおいてより豊富であるセントラルメモリーT細胞(T
CM)は、自己再生及び増殖の潜在能力が高い、詳細に明らかにされたメモリーT細胞のサブセットである。T
CMはエフェクターT細胞(T
E)よりも次の養子移入の間も持続するという証拠がある(非特許文献1;非特許文献2)。T
CMは、そのCD45RA-CD45RO+CD62L+の表現型に基づくT細胞治療薬製造のためにPBMCから濃縮しうる(
図2)(非特許文献3)。T
CMは成体幹細胞様の態様をとるという証拠がいくつかある。T
CMが、完全な免疫再構築を提供しうる、T
CMが増殖してさらなるTCMを生成する、及び、T
CMが、T
EM/T
Eに分化するということを三世代に渡るT
CMの単細胞伝達が実証された、ことがマウスにおける研究にて実証された(非特許文献4;非特許文献5)。
【0019】
以下に記載されるT
CM/SCM/N細胞集団は、CAR-T治療における有効性を立証したT
CM、及び、T
CMよりも幹細胞様であるT
NだけでなくT
SCMも含む。
図3は、様々な細胞集団とPBMCとの関係を描く発現データを示す。
【0020】
本明細書で記載される細胞集団は、例えば、CAR又はT細胞受容体を発現するように遺伝子操作することができる。CARは、細胞外認識ドメイン、膜貫通領域及び1つ又は複数の細胞内シグナル伝達ドメインを含有する組換え生体分子である。従って、用語「抗原」は、抗体に結合する分子に限定されないが、いかなる受容体にも特異的に結合することができるいかなる分子に限定される。従って、「抗原」は、CARの認識ドメインを意味する。細胞外認識ドメイン(細胞外ドメインともいうか、又は、単に含有する認識要素によって言及される)は、標的細胞の細胞表面上に存在する分子に特異的に結合する認識要素を含む。膜貫通領域は、膜内にCARを固定する。細胞内シグナル伝達ドメインは、ヒトCD3複合体のゼータ鎖由来のシグナル伝達ドメインを含み、場合によっては、1つ又は複数の共刺激シグナル伝達ドメインを含む。CARは、MHC制限とは無関係に、抗原に結合することも、T細胞活性化を伝達することもできる。従って、CARは、そのHLA遺伝子型に無関係に、抗原陽性腫瘍を有する患者の集団を治療しうる「普遍的な」免疫受容体である。腫瘍特異的CARを発現するTリンパ球を用いた養子免疫療法は、がんの治療のための強力な治療戦略であり得る。
【0021】
CARは、当技術分野において既知のいかなる手段によっても生成しうるが、好ましくは、組換えDNA技術を用いて生成される。有利には、当技術分野において既知の標準的な分子クローニングの技術(ゲノムライブラリースクリーニング、オーバーラップPCR、プライマー支援のライゲーション、部位特異的変異誘発等)によって、キメラ受容体のいくつかの領域をコードする核酸を調製することができ、さらに、完全なコード配列を構築することができる。結果として生じるコード領域は、好ましくは、発現ベクターに挿入され、適した発現宿主細胞株、好ましくはTリンパ球細胞株、最も好ましくは自己Tリンパ球細胞株を形質転換するために用いられる。
【0022】
TCM/SCM/N細胞による発現に適した様々なCARとして、例えば、特許文献1~4に記載されたものが含まれる。
【実施例0023】
TCM/SCM/N細胞の調製
様々な方法を用いて、ヒトTCM/SCM/N細胞の集団を生成することができる。例えば、TCM/SCM/N細胞の集団を、混合Tリンパ球集団から調製することができる。Tリンパ球の集団は、細胞を用いて最終的に処置された対象に対して同種異系又は自己由来であり得、さらに、白血球フェレーシス又は採血によって対象から得ることができる。
【0024】
以下の方法は、白血球フェレーシス又は他の手段によって得られたTリンパ球からTCM/SCM/N細胞の集団を得るために用いることができる方法の一例である。末梢血は、白血球フェレーシス又は末梢血の採血によって採取される。通常、製造サイクルの1日目は、フィコール手順が行われる日である。対象の白血球フェレーシスの生成物がEDTA/PBSで希釈され、さらに、その生成物は、最大のブレーキ(maximum brake)をかけて室温で10分間、1200RPMで遠心分離される。遠心分離後、多血小板の上澄みが除去され、さらに、細胞ペレットが穏やかにボルテックスされる。EDTA/PBSは、各コニカルチューブにおいてボルテックスされた細胞ペレットを再懸濁するために用いられる。次に、各チューブの下にフィコールが敷かれ、室温にてブレーキをかけずに20分間、2000RPMで遠心分離される。遠心分離後、各チューブからのPBMC層が別のコニカルチューブに移される。細胞は、4℃で最大のブレーキをかけて15分間、1800RPMで遠心分離される。
【0025】
遠心分離後、細胞のない上澄みが捨てられ、さらに、細胞ペレットが穏やかにボルテックスされる。細胞は、毎回EDTA/PBSを用いて2回、PBSを用いて3回洗浄される。細胞は、4℃にて最大ブレーキをかけて10分間、1200RPMで毎回遠心分離される。最後のPBS洗浄の後、ボルテックスされた細胞ペレットは、完全なX-Vivol5の培地(10%FBSを有するX-Vivol5(商標)の培地)において再懸濁され、トランスファーバッグに移される。洗浄されたPBMCを有するバッグは、翌日の免疫磁気選択のためにベンチトップ上において室温にて回転子上で一晩放置される。
【0026】
次に、選択手順が、特定のマーカーを発現する細胞の細胞集団を枯渇させるためにも、特定の他のマーカーを発現する細胞に対する細胞集団を濃縮するためにも用いられる。これらの選択工程は、好ましくは、製造サイクルの2日目に生じる。細胞集団は、CD25及びCD14を発現する細胞について実質的に枯渇している。重要なことに、細胞集団は、CD45RAを発現する細胞について実質的に枯渇していない。簡潔には、細胞は、ラベルバッファ(LB;0.5%HSAを有するEDTA/PBS)において再懸濁され、かつ、CliniMACS(登録商標)による枯渇に対して抗CD14及び抗CD25 Miltenyi抗体と共にインキュベートされ、さらに、組成物は穏やかに混合され、次に、ベンチトップの上において室温にて回転子上で30分間インキュベートされる。
【0027】
枯渇工程は、枯渇チューブセットを用いてCliniMACS(登録商標)装置上で行われる。枯渇工程後の回収された細胞は、チューブに移され、さらに、4℃にて最大ブレーキをかけて15分間1400 RPMで遠心分離される。
【0028】
細胞のない上澄みが除去され、細胞ペレットが穏やかにボルテックスされ、さらに、再懸濁される。CD62Lを発現する細胞を濃縮するために、細胞懸濁液は、抗CD62L-ビオチン(City of Hope Center for Biomedicine and Geneticsにて作製)で処理され、穏やかに混合され、さらに、ベンチトップ上において室温にて回転子上で30分間インキュベートされる。
【0029】
インキュベーション期間の後、LBがチューブに添加され、さらに、細胞は、4℃にて最大ブレーキをかけて15分間、1400RPMで遠心分離される。細胞のない上澄みが除去され、さらに、細胞ペレットが穏やかにボルテックスされる。LBが、チューブ内の細胞ペレットを再懸濁するために添加され、さらに、再懸濁された細胞は、新しいトランスファーバッグに移される。抗ビオチン(Miltenyi Biotec)試薬が添加され、混合物が穏やかに混合され、さらに、ベンチトップ上において室温にて回転子上で30分間インキュベートされる。
【0030】
CD62L濃縮工程が、チューブセットを用いてCliniMACS(登録商標)装置上で行われる。この濃縮の生成物は、貯蔵用に凍結させることができ、その後、解凍し、活性化させうる。
【0031】
製造における中間の保持工程を提供するために、選択プロセスに続いて細胞を凍結させるオプションが存在する。細胞は、4℃にて最大ブレーキをかけて15分間1400RPMで遠心分離することによってペレット状にされる。細胞は、Cryostor(登録商標)において再懸濁され、クライオバイアルに等分される。バイアルは、約1℃/分で冷却することができる制御された冷却装置(例えば、Nalgene(登録商標)Mr.Frosty;Sigma-Aldrich)に移されることになり、冷却装置は直ちに-80℃の冷凍庫に移される。-80℃の冷凍庫で3日後、細胞は、貯蔵のためにGMP LN2フリーザーに移される。
【0032】
本発明者等は、凍結保存された細胞は良好な回復及び生存率を示し、凍結保存後8.5ヶ月まで解凍させられると適切な細胞表面表現型を維持し、解凍後にインビトロで首尾よく形質導入及び増殖することができるということがわかった。
【0033】
或いは、新たに濃縮されたTcm/scm/n細胞は、以下の実施例3に記載されているように、活性化、形質導入又は増殖させうる。
<濃縮プロセスの概要>:血液製剤をフィコール処理し、結果として得られたPBMCにPBS/EDTAにおける一連の洗浄を受けさせた。次に、PBMCを完全なX-Vivol5の培地において再懸濁させ、場合によっては、300ccのトランスファーバッグに移し、次に、3-D回転子上に一晩放置した。次に、CD14-/CD25-/CD45RA-/CD62L+TCM又はCD14-/CD25-/CD62L+TCM/SCM/Nの集団のいずれかを濃縮するために、PBMCに、CliniMACS/AutoMACS(商標)による枯渇及び選択の連続するラウンドを受けさせた。最初の工程は、CD14+単球、CD25+制御性T細胞、及び、TCMのためにCD45RA+ナイーブT細胞を除去するために(CliniMACS(商標)又はAutoMACS(商標)を介した)磁気による枯渇を含んだ。次に、残りの細胞に、抗CD62L-ビオチン(Dreg 56)試薬を用いてCD62L+集団に対して(AutoMACS(商標)を介した)正の選択を受けさせた。濃縮の両方のラウンドの後の最終的な細胞数を記録した。最終的な選択された細胞集団の試料を、次に、フローサイトメトリーによって分析した。
<フローサイトメトリーアッセイ及び分析の概要>:細胞集団のフローサイトメトリー分析を以下のように行った。試料を、テーブルトップ遠心分離機を用いてFACS染色液(FSS)において洗浄し、FSSにおいて再懸濁し、さらに、1つの試料あたり100μLを、予め標識した12×75mm FACSチューブ(1つの条件あたり1つのチューブ)に等分した。必要量の抗体をそれぞれのFACSチューブに添加し、次に、チューブを4℃の暗所で30分間インキュベートした。インキュベーションの終わりに、各チューブをFSSにおいて2回洗浄し、さらに、250μlのFSS又は生死判別色素としてDAPIを含有するFSSのいずれかにおいて再懸濁させた。次に、試料を、FACS Calibur(Becton Dickenson)又はMACSQuant(Miltenyi)機器に流して分析した。生存可能な免疫反応性細胞の割合を、FCS Expressソフトウェア(De Novo Software,Los Angeles,CA)を介して計算した。