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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076486
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】医療システム及びそれと関連した方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/10 20160101AFI20230525BHJP
【FI】
A61B34/10
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037947
(22)【出願日】2023-03-10
(62)【分割の表示】P 2019559777の分割
【原出願日】2018-05-03
(31)【優先権主張番号】62/501,466
(32)【優先日】2017-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123607
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 徹
(72)【発明者】
【氏名】ペレイラ ピーター ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー チャド
(72)【発明者】
【氏名】クラフト ブランドン ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】デグラーフ キンバリー
(72)【発明者】
【氏名】スランダ ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ゴダード ジェイムズ エム
(72)【発明者】
【氏名】ガウヴィン クリストファー ピー
(57)【要約】
【課題】患者から除去すべき物質を識別するためのシステムを提供する。
【解決手段】システムは、画像データを得るように構成された撮像デバイスと、画像を表示するように構成されたディスプレイと、内腔を含む送出シャフトを有する挿入デバイスと、制御ユニットを含む。制御ユニットは、第1の画像データセットを撮像デバイスから受信し、第1の画像データセットを、暗度、コントラスト、又は飽和度のうちの少なくとも1つに基づいて分析し、患者から除去すべき物質を識別する第1のコード化画像を生成し、第1のコード化画像をディスプレイに表示する。第1のコード化画像は、患者から除去すべき物質を、挿入デバイスの送出シャフトの内腔を貫通するように延びる回収デバイスを用いて患者から除去できるか否かを指示する。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者から除去すべき物質を識別するためのシステムであって、
画像データを得るように構成された撮像デバイスと、
画像を表示するように構成されたディスプレイと、
内腔を含む送出シャフトを有する挿入デバイスと、
制御ユニットと、を含み、
前記制御ユニットは、第1の画像データセットを前記撮像デバイスから受信し、前記第1の画像データセットを、暗度、コントラスト、又は飽和度のうちの少なくとも1つに基づいて分析し、患者から除去すべき物質を識別する第1のコード化画像を生成し、第1のコード化画像を前記ディスプレイに表示するように構成され、
前記制御ユニットによって生成された第1のコード化画像は、患者から除去すべき物質を、前記挿入デバイスの送出シャフトの内腔を貫通するように延びる回収デバイスを用いて患者から除去できるか否かを指示する、システム。
【請求項2】
更に、患者から除去すべき物質の少なくとも一部分を除去するために、前記送出シャフトの内腔の中を送出されるように構成された回収デバイスを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記挿入デバイスの送出シャフトは、撓み可能であり、前記送出シャフトの遠位端部は、光源を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記挿入デバイスは、前記送出シャフトの遠位端部に位置決めされた少なくとも1つのカメラを含み、
前記ディスプレイは、第1のスクリーンと、第2のスクリーンを含み、
前記少なくとも1つのカメラは、前記カメラからの画像を前記ディスプレイの第2のスクリーンに表示するように前記ディスプレイに接続され、前記第2のスクリーンは、前記第1のスクリーンに隣接する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記制御ユニットは、第2の画像データセットを前記撮像デバイスから受信し、前記第2の画像データセットを、暗度、コントラスト、又は飽和度のうちの少なくとも1つに基づいて分析し、患者から除去すべき物質を識別する第2のコード化画像を生成し、第2のコード化画像を前記ディスプレイに表示するように構成され、
第2のコード化画像は、患者から除去すべき物質を、前記挿入デバイスの送出シャフトの内腔を貫通するように延びる回収デバイスを用いて患者から除去できるか否かを指示する、請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記撮像デバイスは、回転可能なC字形アーム付きのX線機械であり、前記X線機械は、患者の両側に位置決めされるように構成されたX線管とX線検出器を含み、
前記制御ユニットは、前記挿入デバイスのハンドル内に一体的に組込まれる、請求項1~5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ディスプレイは、少なくとも2つのスクリーンを含み、
第1のスクリーンは、第1のコード化画像を表示し、第2のスクリーンは、前記カメラからの画像を表示する、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
得られた前記画像データは、グレースケール又はモノトーンであり、
第1のコード化画像は、患者から除去すべき物質を、除去すべき物質がない領域に対して、異なる色、パターン、又は形状で識別する、請求項1~7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
第1のコード化画像において患者から除去すべき物質を識別することは、更に、サイズ、密度、及び場所のうちの少なくとも1つに基づく、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
第1のコード化画像は、患者の臓器に対する患者から除去すべき物質の場所を指示する、請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の開示の様々な側面は、一般的には、医療手順を計画する及び/又は実施するのに有用なシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
患者へのトラウマ及びリスクを低減しながら医療処置の有効性を高めるための実質的な進歩が為されてきた。以前は切開手術を必要とした多くの手順は、今日では侵襲性の低い技術によって行われ、従って、患者に対してより少ない回復時間及び感染リスクを提供している。生検、電気刺激、組織切除、又は生来の物体又は異物の除去を必要とする或る手順は、低侵襲手術によって実施される。
【0003】
例えば、泌尿器科の分野では、腎石又は腎臓結石が尿路内で蓄積し、腎臓内に滞留する可能性がある。腎臓結石は、尿からの物質の沈着物であり、一般的に、ミネラル及び酸性塩である。小さめの結石は、身体から自然に排出される場合があるが、より大きい結石は、除去のために外科的処置を必要とする可能性がある。かつては切開手術が結石の除去のための標準的な処置であったが、尿管鏡検査及び経皮腎切石術/腎砕石術(PCNL)等の他の低侵襲技術が、より安全で有効な代替法として出現した。更に、撮像技術での進歩が、手順前及び手順の間、結石を識別してその場所を決定する医療専門家の能力を改善している。それにも関わらず、医療専門家は、結石の場所及び任意の結石が存在するか否かを決定するために画像を分析しなければならない。更に、多くの場合に、画像はグレースケール、ぼけ気味、及びその他評価することが困難なものであり、それによって任意の結石の存在を決定する医療専門家の作業が困難になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の開示のシステム、デバイス、及び方法は、上述した欠点の一部を是正し、及び/又は従来技術の他の側面に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の開示の例は、とりわけ、医療システム及び方法に関する。本明細書に開示する例の各々は、本発明の開示の他の例のうちのいずれかと関連して説明する特徴のうちの1又は2以上を含んでいてもよい。
【0006】
本発明の開示の一例は、患者から除去すべき物質を識別するためのシステムであって、システムは、画像データを得るように構成された撮像デバイスと、画像を表示するように構成されたディスプレイと、挿入デバイスと、制御ユニットとを含む。制御ユニットは、第1の画像データセットを撮像デバイスから受信し、第1の画像データセットを、暗度、コントラスト、又は飽和度のうちの少なくとも1つに基づいて分析し、患者から除去すべき物質を識別するコード化画像を生成し、コード化画像をディスプレイに表示するように構成される。
【0007】
システムは、以下の特徴のうちの1又は2以上を更に含んでいてもよい。挿入デバイスは、撓み可能な送出シャフトを含み、送出シャフトは、送出シャフトを貫いて延びる少なくとも1つの内腔を有し、送出シャフトの遠位端部に位置決めされた少なくともカメラ及び光源を含む。ディスプレイは、少なくとも2つのスクリーンを含み、第1のスクリーンは、コード化画像を表示し、第2のスクリーンは、カメラからの画像を表示する。システムは、更に、回収デバイス又はレーザ源のうちの少なくとも一方を含む。制御ユニットは、更に、撮像デバイス又はディスプレイを制御するように構成される。制御ユニットは、処理ユニットとメモリユニットを含む。制御ユニットは、第2の画像データセットを得るための信号を撮像デバイスに送信するように構成され、更に、第2の画像データセットを、第1の画像データセットに基づいて生成したコード化画像と比較するように構成される。制御ユニットは、更に、第2の画像データセットを、第1の画像データセットに基づいて生成したコード化画像と比較することに基づいて、物質除去手順中の進展を指示するように構成される。制御ユニットは、更に、第2の画像データセットを、第1の画像データセットに基づいて生成したコード化画像と比較することに基づいて、物質除去手順が完了したか否かを指示するように構成される。
【0008】
得られた画像データは、グレースケール又はモノトーンであり、コード化画像は、患者から除去すべき物質を、除去すべき物質がない領域に対して、異なる色、パターン、又は形状で識別する。コード化画像において患者から除去すべき物質を識別することは、更に、サイズ、密度、及び場所のうちの少なくとも1つに基づく。コード化画像は、患者の臓器に対する患者から除去すべき物質の場所を指示する。コード化画像は、物質のサイズを指示し、回収デバイスを用いて物質を患者から除去するか否かを指示する。撮像デバイスは、回転可能なC字形アーム付きのX線機械であり、X線機械は、患者の両側に位置決めされるように構成されたX線管とX線検出器を含む。制御ユニットは、挿入デバイスのハンドル内に一体的に組込まれる。
【0009】
別の例は、撮像デバイスと、ディスプレイと、制御ユニットと、挿入デバイスを用いて、患者から除去すべき物質を識別する方法であって、方法は、第1の画像データセットを撮像デバイスから得ることと、第1の画像データセットを撮像デバイスから制御ユニットに送信することと、第1の画像データセットを、暗度、コントラスト、又は飽和度のうちの1つに基づいて分析することと、患者から除去すべき物質を識別し且つディスプレイに表示されるコード化画像を生成することと、コード化画像をディスプレイの第1のスクリーンに表示することと、挿入デバイスで除去すべき物質を、表示されたコード化画像に基づいて指示することを含む。
【0010】
本方法は、以下の特徴のうちの1又は2以上を更に含んでいてもよい。本方法は、更に、患者から物質の少なくとも一部分を挿入デバイスで除去することを含み、患者から物質の少なくとも一部分を除去することは、挿入デバイスの送出シャフトを偏位させることと、患者の体内の臓器を、送出シャフトの遠位端部に位置決めされた少なくともカメラ及びライトで見ることと、カメラから得られた画像をディスプレイの第2のスクリーンに表示することを含む。本方法は、更に、撮像デバイスから第2の画像データセットを得ることと、第2の画像データセットと、第1の画像データセットに基づいて生成したコード化画像を比較することを含む。本方法は、第2の画像データセットを、生成したコード化画像及び第1の画像データセットと比較することに基づいて、物質除去手順の進展を指示することを含む。得られた画像データは、グレースケール又はモノトーンであり、本方法は、更に、患者から除去すべき物質を、除去すべき物質がない領域に対して、異なる色、パターン、又は形状で識別することを含む。
【0011】
本方法は、更に、患者の臓器に対する物質の場所を指示することと、患者から除去すべき物質を密度に基づいて識別することと、物質のサイズを指示し、回収デバイスを用いて物質を患者から除去するか否かを指示することを含む。撮像デバイスから第1の画像データセットを得ることは、回転可能なC字形アーム付きのX線機械を使用することを含み、かかるX線機械は、患者の両側に位置決めされるように構成されたX線管とX線検出器を含み、制御ユニットは、挿入デバイスのハンドル内に一体的に組込まれる。
【0012】
別の例は、患者から除去すべき物質を識別するためのシステムであって、システムは、画像データを得るように構成された撮像デバイスと、画像を表示するように構成されたディスプレイと、挿入デバイスと、制御ユニットを含む。制御ユニットは、第1の画像データセットを撮像デバイスから受信し、第1の画像データセットを、暗度、コントラスト、又は飽和度のうちの少なくとも1つに基づいて分析し、患者から除去すべき物質を識別するコード化画像を生成し、コード化画像をディスプレイに表示するように構成される。
【0013】
システムは、以下の特徴のうちの1又は2以上を更に含んでいてもよい。挿入デバイスは、撓み可能な送出シャフトを含み、送出シャフトは、送出シャフトを貫いて延びる少なくとも1つの内腔を有する。送出シャフトは、その遠位端部に位置決めされた少なくともカメラ及び光源を含む。ディスプレイは、少なくとも2つのスクリーンを含み、第1のスクリーンは、コード化画像を表示し、第2のスクリーンは、カメラからの画像を表示する。制御ユニットは、処理ユニットとメモリユニットを含む。制御ユニットは、第2の画像データセットを得るための信号を撮像デバイスに送信するように構成され、更に、第2の画像データセットを、第1の画像データセットに基づいて生成したコード化画像と比較するように構成される。制御ユニットは、更に、第2の画像データセットを、第1の画像データセットに基づいて生成したコード化画像と比較することに基づいて、物質除去手順中の進展を指示するように構成される。
【0014】
得られた画像データは、グレースケール又はモノトーンであり、コード化画像は、患者から除去すべき物質を、除去すべき物質がない領域に対して、異なる色、パターン、又は形状で識別する。コード化画像は、患者の臓器に対する物質の場所を指示し、患者から除去すべき物質を密度に基づいて識別し、物質のサイズを指示し、及び回収デバイスを用いて物質を患者から除去するか否かを指示する。撮像デバイスは、回転可能なC字形アーム付きのX線機械であり、X線機械は、患者の両側に位置決めされるように構成されたX線管とX線検出器を含み、制御ユニットは、挿入デバイスのハンドル内に一体的に組込まれる。
【0015】
別の例は、患者から除去すべき物質を識別するための非一時的コンピュータ可読媒体であって、非一時的コンピュータ可読媒体は、それに記憶された命令を含み、かかる命令は、プロセッサ上で実行されたとき、以下のことを行い、即ち、第1の画像データセットを受信することと、第1の画像データセットを暗度、コントラスト、又は飽和度のうちの1つに基づいて分析することと、患者から除去すべき物質を識別し且つディスプレイに表示可能であるコード化画像を生成することと、コード化画像をディスプレイに送信することを行う。
【0016】
非一時的コンピュータ可読媒体は、更に、以下の特徴のうちの1又は2以上を含んでいてもよい。非一時的コンピュータ可読媒体は、更なる命令を含み、かかる命令は、プロセッサ上で実行されたとき、以下のことを更に行い、即ち、カメラから得られた画像を第2のディスプレイに表示する。非一時的コンピュータ可読媒体は、更なる命令を含み、かかる命令は、プロセッサ上で実行されたとき、以下のことを更に行い、即ち、第2の画像データセットを、第1の画像データセットに基づいて生成したコード化画像と比較する。非一時的コンピュータ可読媒体は、更なる命令を含み、かかる命令は、プロセッサ上で実行されたとき、以下のことを更に行い、即ち、第2の画像データセットを、生成しコード化画像及び第1の画像データセットと比較すること基づいて、物質除去手順の進展を示す。患者から除去すべき物質を識別するコード化画像を生成することは、患者の臓器に対する物質の場所を指示することと、患者から除去すべき物質を、除去すべき物質がない領域に対して、異なる色、パターン、又は形状で識別することと、物質のサイズ及び/又は密度を識別し、物質を回収デバイスで患者から除去するか否かを指示することを含む。第1の画像データセットを受信することは、患者の両側に位置決めされるように構成されたX線管とX線検出器を含む回転可能なC字形アーム付きのX線機械から画像データを受信することを含み、第1の画像データセットを分析することは、挿入デバイスのハンドルに一体的に組込まれた処理ユニットによって実施される。
【0017】
上述した概要及び以下の詳細な説明は両方とも、例示であり、説明に過ぎず、クレームされる特徴を限定するものではない。用語「comprise」、「comprising」(含む)等は、本明細書で使用するとき、限定していない包含内容をカバーすることを意図し、構成要素のリストを含む処理、方法、物品、又は装置は、かかる構成要素だけを含むのではなく、明示的にリストに含まれない他の構成要素又はそのような処理、方法、物品、又は装置に固有の他の構成要素を含むことがある。加えて、本明細書において、用語「exemplary」(例示の)は、「ideal」の意味ではなく、「example」の意味で使用される。本明細書で使用されるとき、用語「about」(約)、「substantially」(実質的に)、及び「approximately」(約)は、言及された値の±5%以内の値の範囲を指示する。
【0018】
本願に組込まれ且つその一部を構成する添付図面は、様々な例示の実施形態を示し、その説明と共に本発明の開示の原理を解説するのに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の開示の側面による医療システムを示す図である。
図2】本発明の開示の側面により物質を撮像して患者の臓器から除去する例示の方法の流れ図である。
図3】本発明の開示の側面により患者の臓器及び臓器の内容物の画像を受信し、処理し、且つ表示する例示の方法の流れ図である。
図4A】本発明の開示の側面による腎臓結石除去の1つの段階における患者の腎臓の画像を示す図である。
図4B】本発明の開示の側面による腎臓結石除去の1つの段階における患者の腎臓の画像を示す図である。
図4C】本発明の開示の側面による腎臓結石除去の1つの段階における患者の腎臓の画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の開示の例は、低侵襲手術を容易にし、その有効性及び安全性を改善するためのシステム及び方法を含む。例えば、本発明の開示の側面は、腎臓結石又はその他の物質を患者の腎臓又はその他の臓器からより容易に識別して除去する能力をユーザ(例えば、医師、医療技師、又はその他の医療サービス提供者)に提供する。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の開示は、レーザ砕石術を使用するかしないにかかわらず、可撓性尿管鏡手順を計画し及び/又は実施するのに使用される。
【0021】
ここで、上述し且つ添付図面に示された本発明の開示の例を詳細に言及する。図面を通して可能な限り、同じ参照番号を、同じ又は類似の部分を参照するのに使用する。
【0022】
用語「近位」及び「遠位」は、本明細書では、例示の医療デバイス又は挿入デバイスの構成要素の相対位置を参照するのに使用される。本明細書で使用されるとき、「近位」は、身体の外部に比較的近い位置、又は、医療デバイス又は挿入デバイスを使用するオペレータに比較的近い位置を参照する。それとは対照的に、「遠位」は、医療デバイス又は挿入デバイスを使用するオペレータから比較的遠い位置、又は、身体の内部に比較的近い位置を参照する。
【0023】
図1は、医療システム10を示し、医療システム10は、医療デバイス12と、撮像デバイス14と、ディスプレイ16と、患者20のための患者支持体18を含む。医療デバイス14は、制御ユニット22に、ワイヤ接続されてもよいし(図示のように)、無線接続されてもよいし、その他の仕方で結合されてもよい。撮像デバイス14及び/又はディスプレイ16も、制御ユニット22に、ワイヤ接続されてもよいし、無線接続されてもよいし、その他の仕方で結合されてもよい。画像及びその他の患者情報は、ディスプレイ16に表示され、及び/又は、制御ユニット22に結合されたモニタ24に表示されるのがよい。
【0024】
図1に示すように、医療デバイス12は、挿入デバイスであるのがよく、例えば、尿管鏡(例えば、ボストン サイエンティフィック コーポレーションのLithovue(登録商標)単一使用デジタル可撓性尿管鏡)である。医療デバイス12は、ハンドル26を含み、ハンドル26は、少なくとも1つのポート28と、偏位レバー30を有する。ポート28は、ネジ山を有するのがよく、また、図1に示すようなT字形コネクタ、Y字形コネクタ、又は別の適切なコネクタを含むのがよい。医療デバイス12はまた、送出シャフト32を含み、送出シャフト32の遠位側は、遠位開口部34で終端する。送出シャフト32は、複数の内腔を含むのがよく、少なくとも1つのポート28は、送出シャフト32の近位端にハンドル26内の内腔(図示せず)を介して接続されるのがよい。
【0025】
様々な器具又はデバイスを、ポート28から挿入し、送出シャフト32の遠位開口部34に配送し及び/又はその外に出してもよく、かかる器具又はデバイスは、例えば、腎砕石術のためのレーザデバイス等のエネルギデバイス、及び/又は、回収バスケットである。送出シャフト32の遠位端部は、偏位レバー30上のアクションによって操作されるのがよい。ハンドル26も、通信及び/又は電力用ダクト36を介してディスプレイ16及び/又は制御ユニット22に接続されるのがよい。例えば、図示していないけれども、医療デバイス12は、通信及び電力用ダクト36の中を通して制御ユニット22のディスプレイ16及び/又はモニタ24に接続された一体式カメラ及び/又はライトを、送出シャフト32の遠位端部のところに含む。ユーザは、医療デバイス12を患者20の体内、例えば、患者の尿道を通して患者の腎臓に位置決めして、回収デバイス(図示せず)を、ポート28及び送出シャフト32の中を通して挿入したら、組込みカメラ及び/又はライトと偏位レバー30を用いて、送出シャフト32の遠位端部を操作して、回収デバイスを延長させ、レーザ腎砕石術を用いて又は用いないで、腎臓結石等の物質を回収して除去する。
【0026】
撮像デバイス14は、患者データを収集するのに使用される任意の医療撮像デバイスである。例えば、撮像デバイス14は、X線、磁気共鳴撮像、コンピュータ断層撮影走査、回転血管造影検査、超音波又は別の適切な体内撮像デバイスを含む。幾つかの撮像手順のために、画像内において解剖学的特徴を識別するのを助ける造影剤が使用される。例えば、腎臓及び泌尿器系の可視化を支援するために、撮像の前、造影剤が患者に導入される(例えば、ヨウ素、バリウム、又は別の適切な造影剤が患者の尿管を通る尿路を通して導入される)。
【0027】
一例では、撮像デバイス14は、可動C字形アーム付きのデバイスであり、可動C字形アーム付きのデバイスは、本発明の開示のいくつかの側面により、尿管鏡手順の準備中及び/又は尿管鏡手順の間、患者20のX線画像を収集するのに有用である。図示のように、撮像デバイス14のC字形アーム38は、X線管40と、それと整列し且つ患者20の反対側に位置決めされた検出器42を含む。C字形アーム38は、異なる向きの画像の収集を可能にするために、患者20を移動させることなしに1又は2以上の平面内で患者20に対して(例えば、患者20と平行な軸線の周りに及び/又は患者20と垂直な軸線の周りに)回転可能である。画像は、モニタ又はディスプレイ、例えば、モニタ24及び/又はディスプレイ16にリアルタイムで表示され、分析される。画像はまた、それを後で見て分析するために、その場所で又は遠隔で記憶される。例えば、後でより詳細に説明するように、C字形アーム付きのデバイス38は、尿管鏡手順の前に患者画像を収集するのに使用され、除去すべき任意の結石又は物質を探して識別する。ユーザは、手順中に尿管鏡及び他の器具の適正な挿入及び位置決めのガイダンスのための画像を参考にする。C字形アーム付きのデバイス38は、尿管鏡手順中、例えば、患者の腎臓内において、挿入された尿管鏡に対する結石又は物質の画像を収集するのに使用される。同様に、C字形アーム付きのデバイス38は、尿管鏡手順の後、全ての結石又は物質が除去されたか否かを決定するのに使用される。
【0028】
可動C字形アーム付きのデバイス38は、患者の特定のターゲット又は領域、例えば意図した切開部位又は挿入部位を識別するために、光源を含むのがよい。例えば、C字形アーム38は、X線管40に結合され又は組込まれた光源を含み、光源は、予め決められた撮像場所に光を差し向けるのに使用される。図1は、患者20の中央部上にフォーカスされた光44を、意図した撮像場所を指示する「X」又は十字線の形態で示す。光源により発生させた光の方向、向き、強度、及び/又は形状は、ユーザ入力を介して制御ユニット22のところで制御され、及び/又は、任意適当なユーザインタフェースデバイスからの無線接続を介して受信した命令によって制御される。
【0029】
ディスプレイ16は、少なくとも2スクリーンディスプレイであるのがよい。一例では、スクリーンの一方は、撮像デバイス14によって現在得られている又は以前に得られた1又は複数の画像を表示するのがよい。他方のスクリーンは、送出シャフト32の遠位端部のところのカメラによって得られた画像又はビデオを表示するのがよい。変形例として、ディスプレイ16の一方のスクリーンは、撮像デバイス14から以前に得られた画像を表示し、ディスプレイ16の他方のスクリーンは、撮像デバイス14から比較的最近に得られた画像を表示してもよい。更に、ディスプレイ16の一方のスクリーンは、追加の撮像デバイスによって得られた1又は複数の画像を表示してもよいし、その他の電子医療記録情報を表示してもよく、ディスプレイ16の他方のスクリーンは、撮像デバイス14によって得られた1又は複数の画像を表示し及び/又は送出シャフト32の遠位端部のところのカメラによって得られた1又は複数の画像を表示してもよい。
【0030】
患者支持体18は、手術ストレッチャーであってもよいし、病院ベッドであってもよいし、手術台であってもよい。患者支持体18は、泌尿器科手術台であってもよい。患者支持体18により、撮像デバイス14が患者20の内部画像を撮ることを可能にし、画像を撮る撮像デバイス14の性能を妨げない。患者支持体18はまた、画像を得ながら及び/又は手順を実施しながら患者20をより良好に位置決めするために、調節可能であり且つ移動可能であるのがよい。
【0031】
制御ユニット22は、医療デバイス12、撮像デバイス14、及び/又はディスプレイ16に、ワイヤ接続されてもよいし、無線接続されてもよい。ユーザは、制御ユニット22及びモニタ24を用いて、撮像及び/又は分析を開始し、撮像デバイス14及びディスプレイ16をその他の仕方で制御する。制御ユニット22は、1又は2以上のメモリ及び/又は処理ユニットを含む。メモリ及び/又は処理ユニットは、インストールされたソフトウエア又はアプリケーションを含み、かかるソフトウエア又はアプリケーションは、それを制御ユニット22及び/又は医療デバイス12に記憶するために、事前にプログラミングされてもよいし、ダウンロードされてもよい。加えて又は変形例として、医療デバイス12は、メモリ及び/又は処理ユニットを含み、医療デバイス12及び制御ユニット22は、患者データの記憶、処理及び得られた画像データに関して、ワイヤで通信してもよいし、無線で通信してもよい。後でより詳細に説明するように、ソフトウエア又はアプリケーションは、撮像デバイス14から受信した画像を操作し、処理し、解釈して、腎臓結石又はその他の物質の存在、場所、及び特性を識別するのがよい。更に、制御ユニット22又は医療デバイス12は、受信した画像と、以前に受信して分析した画像とを比較するのがよい。例えば、ユーザは、撮像デバイス14からの画像を処理する制御ユニット22又は医療デバイス12を採用して、結石の存在を識別し、腎臓及びその周囲の解剖学的構造に対する結石の寸法、密度、組成、場所、向き、及び/又は位置を決定する。
【0032】
図2は、本発明の開示の側面により撮像し及び患者の腎臓から物質を除去する例示の方法200を示す。特に、図2に示す方法200は、ユーザが腎臓結石又はその他の物質の全てを患者20から除去することを確保するのを助ける。
【0033】
図示のように、ステップ202において、ユーザは、最初に、撮像デバイス14を用いて、腎臓等の患者の臓器の画像又は走査像を撮り、除去すべき結石又は物質のサイズ、場所、及び/又は負荷を決定する。ステップ202は、画像又は走査像の明瞭度を改善する及び/又は高めるために、患者内に造影剤を導入することを含んでもよい。ステップ204において、画像又は走査像に基づいて、ユーザは、制御ユニット22、モニタ24、及びディスプレイ16を用いて、除去すべき結石又は物質のサイズ、場所、及び/又は負荷を決定する。例えば、制御ユニット22は、複数の結石又は物質のサイズを組合せ、患者の腎臓内の空間を占有する結石又は物質の面積又は体積を決定する。次いで、ステップ206において、ユーザは、物質除去手順を実施する。上述したように、ステップ206は、医療デバイス12を、例えば、患者の尿道を通して、患者20内の腎臓に挿入することと、エネルギ源及び/又は回収デバイスを用いて、腎臓結石又はその他の物質を破壊し及び/又は除去することを含む。
【0034】
次いで、ステップ208は、患者の臓器の別の画像又は走査像を撮ることを含む。ステップ210において、かかる別の画像又は走査像に基づいて、ユーザは、制御ユニット22、モニタ24、及びディスプレイ16を再び用いて、除去すべき任意の腎臓結石又はその他の物質が残っているか否かを決定する。除去すべき腎臓結石又はその他の物質が患者の臓器内に残っていれば、ステップ212において、ユーザは物質除去手順を再び実施する。次いで、ユーザは、ステップ208及びステップ210を必要な回数だけ繰返して、臓器の画像又は走査像を撮り、物質が除去されたか否かを決定する。しかしながら、除去すべき腎臓結石又はその他の物質が患者の臓器内に残っていなければ、ステップ214において、ユーザは、物質除去手順を終了する。物質除去手順を終了することは、医療デバイス12を患者20から取出すことを含むのがよい。
【0035】
図3は、本発明の開示の側面により患者の臓器及びその内容物、例えば、腎臓及び腎臓結石の画像を受信し、処理し、表示する例示の方法300を示す。特に、図3に示す方法300は、ユーザが結石負荷又はその他の物質の全てを適正に識別して除去することを確保するのを助ける。
【0036】
ステップ302において、処理ユニット、例えば、制御ユニット22内の処理ユニットは、撮像デバイス14によって得られた患者の臓器の画像又は走査像のデータを受信する。次いで、ステップ304において、処理ユニットは、画像又は走査像の暗度、コントラスト、及び/又は飽和度に基づいて、画像又は走査像のデータを分析する。処理ユニットは、受信した画像又は走査像のデータの各ピクセルを分析し、各ピクセルと、スケール(例えば、グレースケール)とを比較する。スケール上の値の一部分は、結石強度、組織強度、及び/又はその他の既知の強度に一致し、また、上述したステップ202において造影剤が使用されたか否かに応じて、スケールをシフトさせ又は修正する。処理ユニットはまた、特定のスケールにピクセルが一致するときの撮像デバイス14からのエネルギの強度を組入れのがよい。次いで、処理ユニットは、ピクセルの明度及び特定のスケールへのピクセルの一致に基づいて、検出された様々な要素の密度、従って、サイズ、場所、及び/又は負荷を決定する。処理ユニット又はメモリユニットが、患者の臓器又はそれと類似した及び/又は理想的な臓器の以前に得られた又は記憶された任意の画像データ又は走査像データを含んでいれば、ステップ306において、処理ユニットは、得られた画像データ又は走査像データと、以前に得られた又は記憶された画像データ又は走査像データとを比較し、後者の画像データ又は走査像データは、上述したように、処理ユニットによって以前に分析されているのがよい。
【0037】
上述した分析に基づいて、ステップ308において、処理ユニットは、ディスプレイ16に表示される臓器のヒートマップ及び/又はコード化画像を生成し又は発生させる。ヒートマップ及び/又はコード化画像は、色コード化されるのがよく、例えば、除去すべき物質を赤色で指示し、物質がない領域を緑色で指示する。加えて、ヒートマップ及び/又はコード化画像は、除去すべき物質を含む輪郭付き領域を含むのがよく、輪郭付き領域も、色コード化されるのがよい。例えば、輪郭付き領域は、ピクセルの明度又は暗度の変化に基づき、及び/又は、決定された密度又は組織組成の変化に基づく。一側面では、患者の腎臓を走査して分析したら、任意の結石負荷を赤色で指示し、結石がない領域を緑色で指示する。変形例として、コード化画像は、除去すべき物質を指示するために、他の色、異なるパターン、又はしるしを含んでいてもよく、かかるしるしは、例えば、円、正方形、三角形、又はその他の形状である。一側面では、例えば、異なるサイズ及び/又は密度を有する物質を、異なる色、パターンで指示してもよいし、異なる形状で包囲してもよい。例えば、コード化画像は、特定の回収デバイスを用いて結石を除去するか否かを指示してもよいし、結石が大き過ぎて腎砕石術を必要とするか否かを指示してもよい。同様に、コード化画像は、結石を含む可能性が非常に高い領域、例えば腎杯を指示してもよいし、結石を含む可能性がある程度高い領域を指示してもよいし、結石がない可能性がある領域を指示してもよいし、結石が確実にない領域を指示してもよい。生成したコード化画像は、様々な詳細を識別するキー(色調や凡例)、及び/又は、サイズ及び距離の情報をユーザに提供するためのスケール(目盛り)を含んでいてもよい。
【0038】
その結果、ユーザは、除去すべき物質を患者の臓器から識別するヒートマップ又はコード化画像を参照することができる。例えば、臓器が患者の腎臓であれば、ユーザは、腎臓結石のサイズ、密度、形状、及び場所を比較的容易に決定することができる。次いで、ユーザは、腎臓結石を最も有効にかつ効率的に除去するために、医療デバイス12の送出シャフト32を用いていずれの腎杯又はいずれの複数の腎杯にアクセスすべきかを計画する。ユーザはまた、回収デバイスを用いて腎臓結石を除去するために、大きい腎臓結石を破壊するエネルギを付与しなければならないか否か、例えば、レーザ腎砕石術を適用するか否かを決定してもよい。加えて、ユーザは、付与するエネルギのパラメータを決定してもよい。
【0039】
更に、上述した画像又は走査像の分析方法300は、医療手順中、図2に示すように繰返されてもよい。特に、図3に示す分析方法300は、除去すべき任意の物質を識別するために、及び、除去すべき物質が完全に除去されたことを確保するために、図2のステップ204、210で(必要回数だけ)行われるのがよい。
【0040】
図4A図4Cは、ユーザの物質除去の進展を示すために物質除去手順の異なる段階においてディスプレイ16を介してユーザに表示された例示の画像又は走査像を示す。図4Aは、物質除去手順、例えば、患者の腎臓50からの尿管鏡腎臓結石除去を開始するユーザを示いている。ディスプレイ16の第1のスクリーン52は、撮像デバイス14から得られた画像又は走査像から処理ユニットによって生成したコード化画像を表示するのがよく、コード化画像は、結石負荷54を1つのパターンで示し、結石がない領域56を別のパターンで示す。結石負荷54は、カラーで、例えば上述したように赤色で示され、結石がない領域56は、緑色で示されることに注意すべきである。結石負荷54又はその一部分は、異なる密度、サイズ、物質等を指示するために、異なる色及び/又はパターンで示されてもよい。ディスプレイ16の第2のスクリーン58は、医療デバイス12の送出シャフト32の遠位端部に配置されたカメラによって受像した画像を表示するのがよく、それにより、ユーザが個々の腎臓結石60を含む腎臓50の内部を見ることを可能にする。上述したように、ユーザは、手順の前及び間、第1のスクリーン52に表示された画像を参照して、腎臓50内の送出シャフト32の遠位端部を位置決めするのがよい。ユーザは、送出シャフト32の内腔のうちの1つを介してエネルギを1又は2以上の腎臓結石に付与してもよいし、回収デバイスを用いて腎臓結石を捕捉し及び/又は除去してもよい。
【0041】
図4Bは、物質除去手順の中間段階を示している。例えば、ユーザは、いくつかの腎臓結石を腎臓50から除去したところである。しかしながら、その時点で、ユーザは、腎臓結石負荷54の全てが除去されたか否かについて不確かである。従って、ユーザは、図2のステップ208及び210を実施するのがよく、処理ユニットは、図3の方法300を再び実施して、撮像デバイス14から得られた画像又は走査像から新しいコード化画像を生成する。撮像ステップ中、医療デバイス12が患者20内に位置決めされていることに注意すべきである。方法300の実施中、処理ユニットは、得られたデータと、手順が始まる前に得られたデータとを比較し、特に、以前に決定した結石負荷54の場所、サイズ、及び密度と、新しい画像又は走査像における潜在的な結石負荷とを比較する。次いで、新しいコード化画像を第1のスクリーン52に表示する。図示のように、この例では、結石負荷54が残っている2つの領域が腎臓50内にあり、結石がない領域56は、図4Aよりも大きい。この場合、ユーザは、次いで、新しいコード化画像、並びに、第2のスクリーン58に表示された送出シャフト32の遠位端部のところのカメラからの結石60の画像を用いて、結石除去手順を続ける。
【0042】
図4Cは、結石除去手順の最終段階を示し、患者の腎臓50に結石負荷54はない。再び、ユーザは、全ての結石負荷54を腎臓50から除去したと考えるかもしれない。ユーザは、図2のステップ208及び210を実施するのがよく、処理ユニットは、図3の方法300を再び実施して、撮像デバイス14から得られた画像又は走査像から新しいコード化画像を生成する。この場合、ユーザが全ての結石負荷54を実際に除去していれば、第1のスクリーン52に表示される新しいコード化画像は、腎臓50全体を結石がない領域56として指示する。加えて、第2のスクリーン58に示されるように、送出シャフト32の遠位端部のところのカメラから得られた画像においても、いずれの結石60もない。
【0043】
制御ユニット22の要素及び機能は、医療デバイス12内に組込まれてもよいことに注意すべきである。医療デバイス12は、撮像デバイス14及びディスプレイ16に結合されてもよい。医療デバイス12は、上述したメモリと、制御ユニット22と関連した機能を実施する処理ユニットを、例えば医療デバイス12のハンドル26内に含んでいてもよい。従って、医療デバイス12は、撮像デバイス14及びディスプレイ16と相互接続してこれらを制御するコントローラを含んでいてもよい。加えて、医療デバイス12は、得られた画像又は走査像を分析し、除去すべき物質を識別するコード化画像を生成するソフトウエア又はアプリケーションを含んでいてもよい。医療デバイス12は、患者の医療履歴を見る及び/又は追加するために、電子医療記録データベースに接続されるのがよい。
【0044】
開示された医療システム10及び方法200、300は、効率的かつ有効な手順により、物質を破壊し及び/又はそれを患者の臓器から除去することを可能にするのを支援する。特に、ユーザは、生成したヒートマップ及び/又はコード化画像を容易に見ることができ、かかるヒートマップ及び/又はコード化画像は、除去すべき物質、例えば、患者の腎臓内の腎臓結石の詳細を識別してそれをユーザに提供する。従って、腎臓結石の例では、ユーザは、送出シャフト32の遠位端部を用いて腎臓50を診察する無駄時間なしに、腎臓結石60を患者の腎臓50内の特定の場所から比較的効率的に除去することができる。同様に、手順中、ユーザは、患者の腎臓に結石がないか否かを決定するために、推測したり更なる診察を行ったりする必要はない。その代わり、ユーザは、別のヒートマップ又はコード化画像を得ることができ、ユーザが依然として除去しなければならない腎臓結石60があれば、それをかかるヒートマップ又はコード化画像により識別する。加えて、手順の前と間の両方において、ユーザは、腎臓結石を見落とす結果を招く可能性がある患者の臓器の不十分な解像度の画像、多くの場合、グレースケール又はモノトーンの画像を推測したり読み取ったりする努力をする必要はない。代わりに、本発明の開示のシステム及び方法は、不確実性及び主観性を排除するのに役立ち、一方で同じく患者の臓器から除去すべき物質を明確に識別する高品質の画像をユーザに提供する。
【0045】
更に、本発明の開示の殆どの部分は、腎砕石術を使用しても使用しなくてもよい尿管鏡腎臓結石除去に向けられているが、本明細書で説明したシステム及び手順は、他の物質除去手順に同様に適用可能であると更に考えられる。例えば、上述したシステム及び方法は、経皮腎切石術/腎砕石術(PCNL)中の手順に関する計画を策定するのに、かつ手順中、任意の見落とした腎臓結石の場所を決定するのに使用することができる。上述したシステム及び方法は、尿管結石、胆石、胆管結石などを除去するための手順に関する計画を策定するか又はこの手順を実施するのに使用されてもよい。上述した方法及びシステムは、更に、モノトーン撮像に依存する任意の手順に関する計画を策定するのに及び/又はこれらの手順を実施するのに使用されてもよい。
【0046】
本明細書では本発明の開示の原理を特定の用途に関する実施形態を参照して説明したが、本発明の開示はこれらの例に限定されないことを理解すべきである。本明細書に提供した教示を利用する当業者は、本明細書に説明した特徴の範囲内にある追加の修正、用途、実施形態、及び均等物の置換を認識するであろう。従って、クレームされた特徴は、以上の説明によって限定されるとは考えない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C