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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007653
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】エアパーティションシステム
(51)【国際特許分類】
   F24F 9/00 20060101AFI20230112BHJP
【FI】
F24F9/00 B
F24F9/00 C
F24F9/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021110642
(22)【出願日】2021-07-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】517363012
【氏名又は名称】株式会社アイフューチャー
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】弁理士法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 崇裕
(57)【要約】
【課題】大規模な工事を不要にして容易に導入することができ、また飛沫等を遮断する空気流のレイアウトを簡単に変更することができ、さらに飛沫の拡散を抑えることのできるエアパーティションシステムを提供することにある。
【解決手段】エアパーティションシステムは、平面視において直線的なレイアウト、く字形のレイアウト、逆く字形のレイアウト、又はそれら少なくとも2つのレイアウトを組み合わせたレイアウトに配置変更可能な縦型換気扇装置101と複数台の縦型エアパーティション装置201とを具備する。縦型換気扇装置101は、側面に排気口107と縦長矩形の吸気口105とを有する。縦型エアパーティション装置201は、側面に縦長矩形の吹出口213と、側面に吹出口よりも幅広の縦長矩形の吸込口214とを有し、吹出口213から吹き出される空気の吹出方向と吸込口214に吸い込まれる空気の吸引方向との角度が可変に構成される。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視において直線的なレイアウト、く字形のレイアウト、逆く字形のレイアウト、又はそれら少なくとも2つのレイアウトを組み合わせたレイアウトに配置変更可能な縦型換気扇装置と複数台の縦型エアパーティション装置とを具備し、
前記縦型換気扇装置は、
側面に排気口を有する中空箱形の第1台座と、
前記第1台座の内部に連通するように前記第1台座上に設置され、側面に縦長矩形の吸気口を有する有天筒形の第1筐体と、
前記第1筐体内に設置されるファンと、
前記第1台座内に設置される除菌フィルター部とを有し、
前記縦型エアパーティション装置各々は、
第2台座と、
前記第2台座上に載置され、縦長矩形の吸込口と、縦長矩形であって前記吸込口よりも幅広の吹出口とを側面に有する有天円筒形状の第2筐体と、
前記第2筐体の内部に設置されるクルスフローファンとを有し、
前記第2筐体は、前記吹出口を円周略中央に有する半割円筒体と、前記吸込口を円周略中央に有し、略90°の円周範囲が縦割りに切り欠かれる切欠円筒体とからなり、平面視において円筒中心線から前記吹出口の中心に至る吹出中心線と、前記吸込口の中心から前記円筒中心線に至る吸込中心線とのなす角度が180°±略45°の範囲で変化するように、前記半割円筒体と前記切欠円筒体とは相対的に回動自在に設けられる、エアパーティションシステム。
【請求項2】
前記切欠円筒体は前記第2台座上に固定され、前記半割円筒体は前記切欠円筒体の内側に回動自在に嵌め込まれる、請求項1に記載のエアパーティションシステム。
【請求項3】
前記半割円筒体は前記第2台座上に固定され、前記切欠円筒体は前記第2台座上に回動自在に支持される、請求項1に記載のエアパーティションシステム。
【請求項4】
前記縦型換気扇装置の天面には凸部が設けられ、前記縦型換気扇装置の底面には前記凸部に嵌合する凹部が設けられ、前記縦型換気扇装置に他の縦型換気扇装置を縦積み可能である、請求項1に記載のエアパーティションシステム。
【請求項5】
前記縦型エアパーティション装置各々の天面には凸部が設けられ、前記縦型エアパーティション装置各々の底面には前記凸部に嵌合する凹部が設けられ、他の縦型エアパーティション装置を縦積み可能である、請求項1に記載のエアパーティションシステム。
【請求項6】
前記吸気口と前記吸込口にはそれぞれメッシュガードが取り付けられる、請求項1に記載のエアパーティションシステム。
【請求項7】
平面視において直線的なレイアウト、く字形のレイアウト、逆く字形のレイアウト、又はそれら少なくとも2つのレイアウトを組み合わせたレイアウトに配置変更可能な縦型換気扇装置と複数台の縦型エアパーティション装置とを具備し、
前記縦型換気扇装置は、側面に排気口と縦長矩形の吸気口とを有し、
前記縦型エアパーティション装置は、側面に縦長矩形の吹出口と、側面に前記吹出口よりも幅広の縦長矩形の吸込口とを有し、前記吹出口から吹き出される空気の吹出方向と前記吸込口に吸い込まれる空気の吸引方向との角度が可変に構成される、エアパーティションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気流により飛沫等を遮断するエアパーティションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のコロナ禍の状況においては例えばレストランでは飲食客の間をアクリル製のパーティションで仕切ることにより飛沫を遮断し、感染リスクを抑えることが一般化してきている。
【0003】
このアクリル製のパーティションには、会話がし難い、閉塞感があるなど様々なデメリットが指摘されている。また従業員はこのパーティションを例えば除菌剤を染み込ませた布で拭きとる等の殺菌作業を飲食客の入れ替わりごとに繰り返す必要があり、多大な負担を強いられている。
【0004】
従来から、エアカーテン装置が存在する。多くのエアカーテン装置は出入り口等の壁面に据え付けられ、外気の遮断に活用されている(特許文献1、2、3参照)。
【0005】
このようなエアカーテン装置をパーティションのように飲食客の飛沫遮断に活用することが考えられる。しかし、内装を含めて多大な設置工事が必要とされ、導入障壁は決して低いとはいえない。
【0006】
また飲食店舗では飲食客のグループの人数等に応じて食卓のレイアウトを変更することがある。食卓のレイアウトの変更に応じて空気流も変更する必要があるが、空気流を変更することは容易ではない。
【0007】
さらに空気流により店舗内に飛沫が拡散するおそれもあり、安易に導入することはできないのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2018-44737号公報
【特許文献2】特開2018-96545号公報
【特許文献3】特開2016-138709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
目的は、大規模な工事を不要にして容易に導入することができ、また飛沫等を遮断する空気流のレイアウトを簡単に変更することができ、さらに飛沫の拡散を抑えることのできるエアパーティションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態に係るエアパーティションは、平面視において直線的なレイアウト、く字形のレイアウト、逆く字形のレイアウト、又はそれら少なくとも2つのレイアウトを組み合わせたレイアウトに配置変更可能な縦型換気扇装置と複数台の縦型エアパーティション装置とを具備する。
【0011】
縦型換気扇装置は、側面に排気口を有する中空箱形の第1台座と、第1台座の内部に連通するように第1台座上に設置され、側面に縦長矩形の吸気口を有する有天筒形の第1筐体と、第1筐体内に設置されるファンと、第1台座内に設置される除菌フィルター部とを有する。
【0012】
縦型エアパーティション装置各々は、第2台座と、第2台座上に載置され、縦長矩形の吸込口と、縦長矩形であって吸込口よりも幅広の吹出口とを側面に有する有天円筒形状の第2筐体と、第2筐体の内部に設置されるクロスフローファンとを有する。
【0013】
第2筐体は、吹出口を円周略中央に有する半割円筒体と、吸込口を円周略中央に有し、略90°の円周範囲が縦割りに切り欠かれる切欠円筒体とからなり、平面視において円筒中心線から吹出口の中心に至る吹出中心線と、吸込口の中心から円筒中心線に至る吸込中心線とのなす角度が180°±略45°の範囲で変化するように、半割円筒体と切欠円筒体とは相対的に回動自在に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は本発明の実施形態に係るエアパーティションシステムにおける直線的なレイアウトを示す図である。
図2図2は本発明の実施形態に係るエアパーティションシステムにおけるく字形のレイアウトを示す図である。
図3図3は本発明の実施形態に係るエアパーティションシステムにおける縦積みレイアウトを示す図である。
図4図4図1図2図3の縦型換気扇装置の斜視図である。
図5図5図4の縦型換気扇装置の分解図である。
図6図6図1図2図3の縦型エアパーティション装置の斜視図である。
図7図7図6の縦型エアパーティション装置の分解図である。
図8図8図6の縦型エアパーティション装置の横断面図である。
図9図9図6の縦型エアパーティション装置の空気の吸込方向に対する吹出方向の角度変更を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係るエアパーティションシステムを説明する。
図1図2図3に示すように、本実施形態に係るエアパーティションシステムは、縦型換気扇装置101と複数台の縦型エアパーティション装置201とを具備する。縦型換気扇装置101と複数台の縦型エアパーティション装置201はそれぞれ食卓上、又は床面上に配置可能であり、その配置を変えることにより、食卓等の配置変更に応じてそれらのレイアウトを簡単に変更することができる。例えば図1に示すように、平面視において、縦型換気扇装置101と複数台の縦型エアパーティション装置201とは直線的にレイアウトすることができる。また図2に示すように、縦型換気扇装置101と複数台の縦型エアパーティション装置201とは、それぞれの配置を変えることにより、逆く字形のレイアウトに簡単に変更することができる。さらに直線的なレイアウトと、逆く字形のレイアウトと、く字形のレイアウトとの2又は3種のレイアウトを組み合わせた複雑なレイアウトにも容易に変更することができる。そして、図3に示すように、縦型換気扇装置101と縦型エアパーティション装置201をそれぞれ縦積みして、通路を往復の方向別に分離する用途に用いることも可能である。
【0016】
図4図5に示すように、縦型換気扇装置101は、中空箱形の台座102を有する。台座102の一側面には排気口107が開けられる。台座102の他の側面には図示しないファンモータの電源オン/オフを操作するためのスイッチ又は一対のボタン110が配置される。排気口107には排気方向を制限するために排気ノズル108が設けられる。この排気ノズル108には排気ホース(図示せず)を接続するためのフランジ(図示しない)が設けられていて、既存の換気扇又は屋外に排気することができるようになっている。
【0017】
台座102上には、上部が円盤形の蓋部104で閉塞された有天円筒形の筐体103が立設される。排気口107と反対側の筐体103の側面には縦長矩形の吸気口105が開けられている。吸気口105は、外気を広角で吸引できるように円周方向に略180°の幅に構成される。吸気口105にはメッシュガード106が嵌め込まれる。
【0018】
筐体103の内部には円筒中心線C1と同軸に2機の吸気用のプロペラ式のファン113,114が配備され、台座102の排気口107の内側には排気用のプロペラ式のファン117が配備される。台座102の内部と筐体103の内部とは連通しており、ファン113,114、117の駆動により、吸気口105から吸引された空気は筐体103の内部から台座102の内部に送られ、排気口107から排気される。この空気の流路上、典型的には台座102の内部には空気を除菌するための除菌フィルター部116が装備されている。
【0019】
筐体103の上部を塞ぐ蓋部104の表面には円形の凸部111が設けられ、台座102の底面には凸部111に嵌合する円形の凹部(図示しない)が設けられる。凸部111の周面には爪部112が水平に張り出しており、爪部112を受容する窪み(図示しない)が台座102の底面の凹部に設けられている。爪部112を窪みに位置合わせしながら凸部111を凹部に嵌め込むことにより、吸気口105の向きを揃えながら複数台の縦型換気扇装置101を縦積みすることができる。
【0020】
この縦型換気扇装置101と複数台の縦型エアパーティション装置201とを、図1に示す直線的なレイアウト、図2に示すく字形のレイアウト又はそれらを任意に組み合わせたレイアウトに簡易に変更することを可能とするために、吸込口214に吸い込まれる空気の吸引方向と、吹出口213から吹き出される空気の吹出方向との角度を変化させることができるように縦型エアパーティション装置201が構成されている。
【0021】
図6図7図8に示すように、縦型エアパーティション装置201は、短円柱形の台座202に、円筒形状の筐体203が垂直に載置される。筐体203の上部は円板形の蓋部205で閉塞される。
【0022】
筐体203の周壁には、吹出口213と吸込口214とが円筒中心線C2と平行に開口される。吸込口214にはメッシュガード216が嵌め込まれている。
【0023】
吹出口213は、狭角で空気を吹出して、略平板状の空気流を形成するために、円筒中心線C2周り約5°の幅に構成される。吸込口214は、空気を広角で吸い込むことができるように、吹出口213よりも幅広の円筒中心線C2周り約90°の幅に構成される。
【0024】
筐体203の内部には、クロスフローファン220が同軸で収容される。台座202には、クロスフローファン220を回転駆動するためのファンモータ(図示しない)が内蔵される。ファンモータの駆動軸219は台座202から上方に突出し、クロスフローファン220の中心軸に接続される。なお、台座202の周面にはファンモータの電源オン/オフを操作するためのスイッチ又は一対のボタン204が装備される。クロスフローファン220の回転による空気の流れ(紙面反時計回り)における下流側の吹出口213の縁223には、円筒半径と平行な向きにガイド板215が取り付けられる。クロスフローファン220の回転に伴って吸込口214から吸い込まれた空気は、クロスフローファン220と筐体203との間隙を流通し、ガイド板215に誘導されて吹出口213から吹き出される。
【0025】
有天円筒形の筐体203は、半割円筒体211と、切欠円筒体212とからなる。半割円筒体211は、円筒体を縦方向に略2分割して、その一方からなる円筒中心線C2周り略180°分の周壁で構成される部分的な円筒体である。吹出口213は半割円筒体211の周方向中心に設けられる。切欠円筒体212は、円筒中心線C2周り略90°だけずれた2箇所で縦割りされ、その略90°の範囲が切り欠かれ、円筒中心線C2周り略270°分の周壁で構成される部分的な円筒体である。吸込口214は切り欠きの反対側であって、切欠円筒体212の周方向中心に設けられる。
【0026】
切欠円筒体212が台座202上に立設される。半割円筒体211は、その外径が切欠円筒体212の内径に対して実質的に等価に構成される。半割円筒体211は、切欠円筒体212の内側に同軸で回動自在に嵌め込まれる。半割円筒体211は、切欠円筒体212に対して摺動しながら回動することができる。なお、半割円筒体211が台座202上に立設され、半割円筒体211の外側に切欠円筒体212が回動自在に嵌め込まれる構成であってもよい。
【0027】
半割円筒体211の吹出口213は、切欠円筒体212の切り欠きの範囲内に位置する。半割円筒体211の吹出口213の上流側(図8の紙面時計周り)の縁221が切欠円筒体212の切り欠きの上流側の縁224に半径方向で揃う位置(図9(a)、(b)参照)と、半割円筒体211の吹出口213の下流側の縁223が切欠円筒体212の切り欠きの下流側の縁226に半径方向で揃う位置(図9(e)、(g)参照)との間の略90°の範囲で、半割円筒体211が切欠円筒体212に対して回動すること、換言すると平面視において円筒中心線C2から吹出口213の中心に至る吹出中心線BLと、吸込口214の中心から円筒中心線C2に至る吸込中心線ILとのなす角度が180°±略45°の範囲で変化することができ、好ましくはそのような範囲に半割円筒体211の回動を制限するために切欠円筒体212の内面には図示しないストッパが設けられている。
【0028】
蓋部205の表面には円形の凸部217が設けられ、台座202の底面には図示しないが凸部217に嵌め合う円形の凹部が設けられる。凸部217の周面には爪部218が水平に張り出しており、爪部218を受容する窪みが台座202の底面の凹部に設けられている。爪部218を窪みに位置合わせしながら凸部217を凹部に嵌め込むことにより、吸込口14の向きを揃えながら複数台の縦型エアパーティション装置201を縦積みすることができる。
【0029】
図9(a)、(b)には、半割円筒体211の吹出口213が切欠円筒体212の切り欠きの最も上流側に位置する姿勢(く字形姿勢)を示し、図9(c)、(d)には、半割円筒体211の吹出口213が切欠円筒体212の切り欠きの円周中央に位置する姿勢(直線的姿勢)を示し、図9(e)、(f)には、半割円筒体211の吹出口213が切欠円筒体212の切り欠きの最も下流側に位置する姿勢(逆く字形姿勢)を示している。
【0030】
例えば図1に示すように、2台の縦型エアパーティション装置201を直線的姿勢に設け、縦型換気扇装置101の吸気口105に一方の縦型エアパーティション装置201の吹出口213を向かい合わせ、一方の縦型エアパーティション装置201の吸込口214に他方の縦型エアパーティション装置201の吹出口213を向かい合わせて、縦型換気扇装置101と2台の縦型エアパーティション装置201とを直線的なレイアウトに配置する。
【0031】
他方の縦型エアパーティション装置201の吸込口214から吸い込まれた空気はその吹出口213から細く絞られて吹き出され、一方の縦型エアパーティション装置201の吸込口214から吸い込まれる。同様に、一方の縦型エアパーティション装置201の吸込口214から吸い込まれた空気はその吹出口213から細く絞られて吹き出され、縦型換気扇装置101の吸気口105に吸い込まれる。2台の縦型エアパーティション装置201の間、および一方の縦型エアパーティション装置201と縦型換気扇装置101との間には、空気流が略板状に形成される。これら略板状の空気流を挟んで飲食客が対峙することにより、空気流により飲食客が仕切られ、相互の飛沫感染が抑えられ得る。縦型換気扇装置101に吸い込まれた飛沫等を含んだ空気は除菌フィルター部116で除菌された上で排気されるので、飛沫の拡散が抑えられ得る。
【0032】
また図2に示すように、縦型換気扇装置101と2台の縦型エアパーティション装置201との配置を平面視において、逆く字形のレイアウトに変更することができる。その際、逆く字形姿勢にセットした一方の縦型エアパーティション装置201を縦型換気扇装置101に対して、縦型エアパーティション装置201の吹出口213が縦型換気扇装置101の吸気口105に向かい合うように配置し、任意の姿勢にセットした他方の縦型エアパーティション装置201を、その吹出口213が一方の縦型エアパーティション装置201の吸込口214に向かい合うように配置する。
【0033】
また縦型換気扇装置101と2台の縦型エアパーティション装置201との配置を平面視において、く字形のレイアウトにも容易に変更することができる。その際、一方の縦型エアパーティション装置201は、く字形姿勢にセットされる。
【0034】
さらに、縦型換気扇装置101と3台以上の縦型エアパーティション装置201との配置を平面視において、直線的なレイアウトと、逆く字形のレイアウトと、く字形のレイアウトとの2又は3種のレイアウトを組み合わせた複雑なレイアウトにも容易に変更することができる。その際、各縦型エアパーティション装置201の姿勢は、その配置に従って、直線的姿勢、く字形姿勢、又は逆く字形姿勢にそれぞれセットされる。
【0035】
このように食卓のレイアウトに応じて、縦型換気扇装置101と縦型エアパーティション装置201を、直線的なレイアウト、く字形のレイアウト、逆く字形のレイアウト、又はそれら少なくとも2つのレイアウトを組み合わせたレイアウトに配置変更することが可能であり、それにより飛沫等を遮断する空気流のレイアウトを簡単に変更することができる。このレイアウトの変更は、縦型換気扇装置101と縦型エアパーティション装置201各々を食卓又は床面上に設置する位置を変更するとともに、配置に応じて縦型エアパーティション装置201の吸込口214に対する吹出口213の角度を変更するだけであるので、大規模な工事は不要である。また縦型換気扇装置101には、除菌フィルター部116を備えているので、縦型換気扇装置101の排気が店舗内で還流したとしても、飛沫の拡散による感染拡大を防止することができる。
【0036】
また、図3に示すように、縦型換気扇装置101と縦型エアパーティション装置201をそれぞれ縦積みして、通路を往復の方向別に分離する用途に用いることもできる。例えば3台の縦型換気扇装置101を吸気口105を同じ向きに揃えて縦に積み、また全ての縦型エアパーティション装置201を直線的姿勢にセットし、例えば3台ずつ縦に積み、その上で、通路中心線に沿って直線的に配置する。鉛直方向に長い略板状の空気流により、双方向の通行人をその足下から頭部まで仕切り、相互の飛沫感染を抑えることができる。
【0037】
なお、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない区域で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0038】
101…縦型換気扇装置、102…台座、103…有天円筒形の筐体、104…蓋部、105…吸気口、106…メッシュガード、107…排気口、108…排気ノズル、113,114…プロペラ式のファン、116…除菌フィルター部、201…縦型エアパーティション装置、202…台座、203…筐体、205…蓋部、211…半割円筒体、212…切欠円筒体、213…吹出口、214…吸込口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視において直線的なレイアウト、く字形のレイアウト、逆く字形のレイアウト、又はそれら少なくとも2つのレイアウトを組み合わせたレイアウトに配置変更可能な縦型換気扇装置と複数台の縦型エアパーティション装置とを具備し、
前記縦型換気扇装置は、
側面に排気口を有する中空箱形の第1台座と、
前記第1台座の内部に連通するように前記第1台座上に設置され、側面に縦長矩形の吸気口を有する有天筒形の第1筐体と、
前記第1筐体内に設置されるファンと、
前記第1台座内に設置される除菌フィルター部とを有し、
前記縦型エアパーティション装置各々は、
第2台座と、
前記第2台座上に載置され、縦長矩形の吸込口と、縦長矩形であって前記吸込口よりも幅広の吹出口とを側面に有する有天円筒形状の第2筐体と、
前記第2筐体の内部に設置されるクロスフローファンとを有し、
前記第2筐体は、前記吹出口を円周略中央に有する半割円筒体と、前記吸込口を円周略中央に有し、略90°の円周範囲が縦割りに切り欠かれる切欠円筒体とからなり、平面視において円筒中心線から前記吹出口の中心に至る吹出中心線と、前記吸込口の中心から前記円筒中心線に至る吸込中心線とのなす角度が180°±略45°の範囲で変化するように、前記半割円筒体と前記切欠円筒体とは相対的に回動自在に設けられる、エアパーティションシステム。
【請求項2】
前記切欠円筒体は前記第2台座上に固定され、前記半割円筒体は前記切欠円筒体の内側に回動自在に嵌め込まれる、請求項1に記載のエアパーティションシステム。
【請求項3】
前記半割円筒体は前記第2台座上に固定され、前記切欠円筒体は前記第2台座上に回動自在に支持される、請求項1に記載のエアパーティションシステム。
【請求項4】
前記縦型換気扇装置の天面には凸部が設けられ、前記縦型換気扇装置の底面には前記凸部に嵌合する凹部が設けられ、前記縦型換気扇装置に他の縦型換気扇装置を縦積み可能である、請求項1に記載のエアパーティションシステム。
【請求項5】
前記縦型エアパーティション装置各々の天面には凸部が設けられ、前記縦型エアパーティション装置各々の底面には前記凸部に嵌合する凹部が設けられ、他の縦型エアパーティション装置を縦積み可能である、請求項1に記載のエアパーティションシステム。
【請求項6】
前記吸気口と前記吸込口にはそれぞれメッシュガードが取り付けられる、請求項1に記載のエアパーティションシステム。
【請求項7】
平面視において直線的なレイアウト、く字形のレイアウト、逆く字形のレイアウト、又はそれら少なくとも2つのレイアウトを組み合わせたレイアウトに配置変更可能な縦型換気扇装置と複数台の縦型エアパーティション装置とを具備し、
前記縦型換気扇装置は、側面に排気口と縦長矩形の吸気口とを有し、
前記縦型エアパーティション装置各々は、
台座と、
前記台座上に載置され、縦長矩形の吸込口と、縦長矩形の吹出口とを側面に有する有天円筒形状の筐体と、
前記筐体の内部に設置されるクロスフローファンとを有し、
前記筐体は、前記吹出口を有する第1の部分的な円筒体と、前記吸込口を有する第2の部分的な円筒体とからなり、平面視において円筒中心線から前記吹出口の中心に至る吹出中心線と、前記吸込口の中心から前記円筒中心線に至る吸込中心線とのなす角度が変化するように前記第1の部分的な円筒体と前記第2の部分的な円筒体との一方は他方に対して同軸で回動自在に嵌め込まれる、エアパーティションシステム。