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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076653
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】ウエハの永久接合方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20230525BHJP
【FI】
H01L21/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023061728
(22)【出願日】2023-04-05
(62)【分割の表示】P 2021191782の分割
【原出願日】2011-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】508333169
【氏名又は名称】エーファウ・グループ・エー・タルナー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トマス・プラハ
(72)【発明者】
【氏名】クルト・ヒンゲル
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ウィンプリンガー
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・フルートゲン
(57)【要約】
【課題】できる限り高い接合力を有する永久接合を慎重に提供する方法を考え出すこと。
【解決手段】前記第1の接触面(3)上の表面層(6)中に貯留部(5)を形成するステップと、前記貯留部(5)に第1の原料、または第1の原料群を少なくとも部分的に充填するステップと、仮接合連結を形成するために、前記第1の接触面(3)を前記第2の接触面(4)と接触させるステップと、前記第1の接触面(3)と前記第2の接触面(4)との間の永久接合を形成するステップであって、前記第1の原料と前記第2の基板(2)の反応層(7)中に含まれた第2の原料とを反応させることによって前記永久接合を少なくとも部分的に強化するステップと、を含む、第1の基板(1)の第1の接触面(3)を、第2の基板(2)の第2の接触面(4)に接合する方法。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板(1)の第1の接触面(3)を、第2の基板(2)の第2の接触面(4)に接合する方法であって、
前記第1の接触面(3)上の表面層(6)中に貯留部(5)を形成するステップと、
前記貯留部(5)に、第1の原料または第1の原料群を少なくとも部分的に充填するステップと、
仮接合連結を形成するために、前記第1の接触面(3)を前記第2の接触面(4)と接触させるステップと、
前記第1の接触面(3)と前記第2の接触面(4)との間の永久接合を形成するステップであって、前記第1の原料と前記第2の基板(2)の反応層(7)中に含まれた第2の原料とを反応させることによって前記永久接合を少なくとも部分的に強化するステップと、
を特に上記の順序で含む、方法。
【請求項2】
前記永久接合の形成若しくは強化、またはその両方が、前記第1の原料を前記反応層(7)に拡散させることによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記永久接合の形成が、室温から200℃の間の温度で、特に最大12日、より好ましくは最大1日、さらに好ましくは最大1時間、最も好ましくは最大15分間行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記永久接合が、1.5J/m2より大きい、特に2J/m2より大きい、好ましくは2.5J/m2より大きい接合強度を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記反応中に、前記第2の原料のモル体積よりも大きいモル体積を有する反応生成物(10)が前記反応層(7)中に形成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記貯留部(5)が、プラズマ活性化によって形成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記貯留部(5)の前記形成が、特に圧縮されたテトラエトキシシラン酸化物層を前記表面層(6)として用いて行われる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記表面層(6)が、主に、特に本質的に完全に、特にアモルファス材料、特に熱酸化によって生成された二酸化シリコンからなり、前記反応層(7)が、酸化可能材料、特に主に、好ましくは本質的に完全にSi、Ge、InP、GaP、またはGaNからなる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の接触面(4)と前記反応層(7)との間に、特に主に自然二酸化シリコンの成長層(8)がある、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
永久接合を形成する前に、前記成長層(8)が、1オングストロームから10nmの間の平均厚さAを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記貯留部が真空中で形成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記貯留部が、
前記第1の接触面(3)を、特に酸素若しくは水、またはその両方の含有量が高い雰囲気にさらすステップ、
前記第1の接触面(3)を、特に主に、好ましくはほぼ完全に、特に脱イオン化H2O若しくはH22、またはその両方からなる流体にあてるステップ、
前記第1の接触面(3)をN2ガス、O2ガス、Arガス、およびフォーミングガス、特に95%のArと5%のH2とからなるフォーミングガスのうちの少なくとも1つに、特にイオンエネルギーが0から2000eVの範囲であてるステップ、
のうちの1つまたは複数のステップによって充填される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記貯留部(5)が、0.1nmから25nmの間、特に0.1nmから20nmの間の平均厚さ(R)で形成される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記永久接合を形成する直前の前記貯留部(5)と前記反応層(7)との間の平均距離(B)が、0.1nmから15nmの間、特に0.5nmから5nmの間、好ましくは0.5nmから3nmの間である、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記永久接合が、前記仮接合の強度の2倍、好ましくは4倍、より好ましくは10倍、最も好ましくは25倍の接合強度を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、態様1に記載の、第1の基板の第1の接触面を、第2の基板の第2の接触面に接合する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板の永久、または不可逆的な接合における目的は、基板の2つの接触面間のできる限り強固で、かつ特に不可逆的な相互連結、したがって高い接合力を生じさせることである。従来技術において、こうした接合のための様々な手法および製造方法がある。
【0003】
今日まで行われてきた既知の製造方法および手法では、再現が不可能であったり、または十分に再現することが不可能であったりすることが多く、特に条件が変わると、ほとんど応用することができない。特に、現在使用されている製造方法では、再現可能な結果を確保するために、特に400℃を超える高温が使用されることが多い。
【0004】
エネルギー消費量が高い、および基板上に存在する構造体が破壊する恐れがある、などの技術的問題は、今日まで高い接合力に必要とされてきている、部分的には300℃をはるかに超える高温の結果、生じるものである。下記の特許文献1には低温接合する方法が示されている。さらなる接合方法は、下記の特許文献1~8に示されている。
【0005】
他の要求には、以下のものがある
- ライン前工程(front-end-of-line)の相互適合性
これは、電気的に能動の構成要素の製造中の、工程の相互適合性として定義される。したがって、接合工程は、構造体ウエハ上に既に存在するトランジスタなどの能動構成要素が、処理中に悪影響を受けることなく、また損傷を被ることもないように設計しなければならない。相互適合性の判定基準には、(主にCMOS構造体では)主に化学元素の純度、および主に熱応力による機械的耐荷力が含まれる。
- 低汚染
- 加力なし
【0006】
接合力が低下すると、構造体ウエハをより慎重に取り扱う必要が生じ、したがって直接的な機械的荷重による破損確率が低減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第01/61743号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0089950号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2002/0048900号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2008/0006369号明細書
【特許文献5】米国特許第5451547号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第0584778号明細書
【特許文献7】米国特許第5427638号明細書
【特許文献8】特開平5‐166690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、できる限り高い接合力を有する永久接合を慎重に製造する方法を考え出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、態様1に記載の特徴によって達成される。本発明の有利な発展形態が、従属する態様に記載されている。本明細書、特許請求の範囲、および図面のうちの少なくとも1つに記載の特徴の少なくとも2つのあらゆる組合せもやはり、本発明の枠組みの範囲内に含まれる。所与の値範囲において、指示された限定範囲内にある値はまた、境界値として開示されるものであり、いかなる組合せでも特許請求されるものである。
【0010】
本発明の基礎となる着想は、少なくとも基板の一方の上に、第1の原料を保持するための貯留部を考え出すことであり、その第1の原料を、他方の基板中に存在する第2の原料を有する基板間で接触させた後に、または仮接合させた後に反応させ、それによって基板間で不可逆的な接合、または永久接合を形成することである。第1の接触面上の一表面層中に貯留部を形成する前、または後に、概して基板の洗浄が、特にフラッシングステップによって行われる。この洗浄は、概して、表面上に粒子が確実に存在しないようにするものでなければならず、こうした粒子が存在すると、接合されない箇所が生じることになる。貯留部、および貯留部内に含まれる原料によって、仮接合または可逆接合を形成した後に、接触面上で直接、永久接合を強化し、かつ接合速度を制御した形で増大させる反応が、特に接触面の少なくとも一方、好ましくは貯留部に対向した接触面を前記反応により変形させることによって、誘発されるという技術的可能性が得られる。
【0011】
基板間で仮接合または可逆接合を形成するための仮接合ステップとして、基板の接触面間で弱い相互作用を生じる目的で、様々な可能性がある。仮接合の強度は、永久接合の強度よりも低く、少なくとも1/2から1/3、特に1/5、好ましくは1/15、さらに好ましくは1/25の低さである。指針値として、純粋な非活性化親水性化シリコンの仮接合強度は約100mJ/m2、純粋なプラズマ活性化親水性化シリコンの仮接合強度は約200~300mJ/m2である。分子濡れ(molecule-wetted)基板間の仮接合は、基板の異なる側の分子間でのファンデルワールス相互作用により実現される。したがって、主に永久双極子モーメントを有する分子が、ウエハ間の仮接合を可能とするのに適している。以下の化学化合物を相互連結剤として例によって挙げるが、それだけに限られるものではない。
- 水
- チオール
- AP3000
- シラン、および/または
- シラノール
【0012】
本発明に係る適切な基板は、その材料が、原料として、別に供給された原料と反応して、より高いモル体積を有する生成物を形成することが可能であり、その結果基板上に成長層が形成される基板である。以下の組合せが特に有利であり、矢印の左側は原料が挙げられており、矢印の右側は生成物が挙げられているが、挙げた原料と反応する供給された原料、または副生成物は個別に挙げていない。
- Si→SiO2、Si34、SiNxy
- Ge→GeO2、Ge34
- α-Sn→SnO2
- B→B23、BN
- Se→SeO2
- Te→TeO2、TeO3
- Mg→MgO、Mg32
- Al→Al23、AlN
- Ti→TiO2、TiN
- V→V25
- Mn→MnO、MnO2、Mn23、Mn27、Mn34
- Fe→FeO、Fe23、Fe34
- Co→CoO、Co34
- Ni→NiO、Ni23
- Cu→CuO、Cu2O、Cu3
- Zn→ZnO
- Cr→CrN、Cr236、Cr3C、Cr73、Cr32
- Mo→Mo32
- Ti→TiC
- Nb→Nb43
- Ta→Ta43
- Zr→ZrC
- Hf→HfC
- V→V43、VC
- W→W2C、WC
- Fe→Fe3C、Fe73、Fe2
【0013】
基板として、以下の半導体の混合形式もやはり考えられる。
- III-V:GaP、GaAs、InP、InSb、InAs、GaSb、GaN、AlN、InN、AlxGa1-xAs、InxGa1-x
- IV-IV:SiC、SiGe
- III-IV:InAlP
- 非線形光学系:LiNbO3、LiTaO3、KDP(KH2PO4
- 太陽電池:CdS、CdSe、CdTe、CuInSe2、CuInGaSe2、CuInS2、CuInGaS2
- 導電酸化物:In2-xSnx3-y
【0014】
本発明で特許請求するように、ウエハの少なくとも一方の上、かつそれぞれの接触面上に直接、体積膨張反応のために供給される原料の少なくとも1つをある量で貯留することができる貯留部がある。したがって、原料は、例えばO2、O3、H2O、N2、NH3、H22などでよい。特に酸化物成長によって生じる膨張のため、系のエネルギーを低減させる反応パートナの傾向に基づいて、接触面間の考えられ得る間隙、孔、およびキャビティが最小化され、したがってこれらの領域における基板間の距離が狭くなることによって、接合力が増大する。考えられ得る最良のケースでは、既存の間隙、孔、およびキャビティは完全に閉じ、その結果、全体的な接合面積が増大し、それに応じて接合力が本発明で特許請求するように高まる。
【0015】
接触面は通常、二乗平均平方根粗さ(Rq)0.2nmの粗さを示す。これは、1nmの範囲の表面のピーク対ピーク値に対応する。これらの経験値は、原子間力顕微鏡法(AFM)を用いて求められた。
【0016】
本発明で特許請求する反応は、直径が200から300mmの、水の単分子層(ML)を1層有する従来の円形ウエハのウエハ表面で、成長層を0.1から0.3nmまでだけ成長させることを可能とするのに適している。
【0017】
したがって、本発明で特許請求するように、特に、少なくとも2ML、好ましくは少なくとも5ML、さらに好ましくは10MLの流体、特に水が、貯留部内に貯留される。
【0018】
プラズマ曝露によって貯留部を形成することが特に好ましく、その理由は、プラズマ曝露によって、相乗効果として、接触面の平滑化、および親水性化がさらに生じるからである。表面は、プラズマ活性化により、主に表面層の材料の粘性流動によって平滑化される。親水性の増大は、特にシリコン水酸基結合の増大、好ましくはSi-O-Siなどの表面上に存在するSi-O結合が、特に下記の化学式(1)に示す反応に従って分解することによって、生じる。
【0019】
【化1】
【0020】
特に上述の作用の結果として得られる別の副次的作用は、仮接合強度が特に2から3倍だけ向上することにある。
【0021】
第1の基板の第1の接触面上の表面層中の貯留部は、例えば熱酸化物でコーティングされた第1の基板のプラズマ活性化によって形成される。プラズマ活性化は、プラズマに必要となる条件を調節することができるように、真空チャンバ内で実行される。本発明で特許請求するように、プラズマ放電として、N2ガス、O2ガス、またはアルゴンガスが、イオンエネルギーが0から2000eVの範囲で使用され、その結果、貯留部が、処理表面、この場合は第1の接触面の深さ20nmまで、好ましくは15nmまで、より好ましくは10nmまで、最も好ましくは5nmまでに形成される。本発明で特許請求するように、貯留部を形成するのに適したそれぞれの粒子タイプ、原子、および分子のうちの少なくとも1つを使用することができる。好ましくは、貯留部が必要な特性を備えるように形成することができる原子若しくは分子、またはその両方が使用される。関連する特性には、主に孔径、孔分布、および孔密度がある。あるいは、本発明で特許請求するように、例えば空気、または95%のArと5%のH2とからなるフォーミングガス等のような混合ガスを使用することができる。使用されるガスに依存して、プラズマ処理中の貯留部内にはとりわけN+、N2 +、O+、O2 +、Ar+のイオンが存在する。第1の原料は、占有されていないフリースペースに収容することができる。
【0022】
貯留部は、以下の考慮事項に基づいて形成される。孔径は、10nm未満、好ましくは5nm未満、より好ましくは1nm未満、さらに好ましくは0.5nm未満、最も好ましくは0.2nm未満である。
【0023】
孔密度は、好ましくは衝突作用によって孔を生じる粒子の密度に正比例し、最も好ましくは、衝突種の部分圧力によって、また、処理時間、および特に使用されるプラズマシステムのパラメータに依存して変動させることもできる。
【0024】
孔分布は、好ましくは表面下で最も高い孔密度の少なくとも一領域を有し、いくつかのかかる領域のパラメータを変動させることによって、かかる領域は重なり合って、好ましくは平坦な形の領域になる(図7参照)。孔分布は、厚さが増すにつれてゼロへと低減していく。衝撃中の表面付近の領域は、表面付近の孔密度とほぼ同一の孔密度を有する。プラズマ処理の完了後、表面上の孔密度は、応力緩和機構の結果、低減し得る。厚さ方向の孔分布は、表面に対しては急勾配の側面を有し、バルクに対してはむしろより平坦であるが、連続的に低減している側面を有する(図7参照)。
【0025】
孔径、孔分布、および孔密度に関しては、プラズマを用いて実施されないあらゆる方法にも同様の考慮事項があてはまる。
【0026】
貯留部は、工程パラメータを制御して使用し、かつ組み合わせることによって設計することができる。図7は、プラズマによって注入された窒素原子の濃度を、酸化シリコン層中への浸透深さの関数として表示している。物理的パラメータを変動させることによって、2つのプロファイルを得ることが可能であった。第1のプロファイル11は、より高速に加速した原子が酸化シリコン内により深く入り込んだことによって形成され、これに対してプロファイル12は、工程パラメータをより低い密度に変更した後に形成されたものである。2つのプロファイルを重ね合わせると、曲線の和13が得られ、この曲線が貯留部の特性となる。注入された原子種若しくは分子種、またはその両方の濃度間の関係は、明白である。より高い濃度は、より欠陥の多い構造体の領域を示し、したがって後続の原料を収容する空間がより多くある。プラズマ活性化中、工程パラメータを専用の形で制御することによって、連続して変更することで、加えたイオンが深さにわたってできる限り一様に分布した貯留部を実現することが可能となる。
【0027】
貯留部として、あるいはプラズマによって形成される貯留部の代わりに、基板の少なくとも一方、少なくとも第1の基板上に、TEOS(テトラエチルオルソシリケート)酸化物層を使用することが考えられる。この酸化物は一般に熱酸化物ほど密ではなく、この理由で、本発明で特許請求するように圧縮するのに有利である。圧縮は、貯留部の規定された多孔率に調節する目的で、熱処理によって行われる。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、貯留部の充填は、特に有利には、第1の基板に対するコーティングとして貯留部を塗布することによって、貯留部の形成と同時に行うことができ、そのコーティングには第1の原料が既に含まれている。
【0029】
貯留部は、ナノメートル範囲の多孔率を有する多孔性層として、または10nm未満、より好ましくは5nm未満、さらに好ましくは2nm未満、最も好ましくは1nm未満、全ての中で最も好ましくは0.5nm未満のチャネル幅のチャネルを有する層として考えられる。
【0030】
貯留部に第1の原料、または第1の原料群を充填するステップに関して、本発明で特許請求するように、以下の実施形態、またその組合せが考えられる。
- 貯留部を周囲雰囲気にさらすステップ
- 特に脱イオン化水でフラッシングするステップ
- 原料、特にH2O、H22、NH4OHを含有する流体、またはそれらの原料からなる流体でフラッシングするステップ
- 貯留部を任意のガス雰囲気、特に原子ガス、分子ガス、混合ガスにさらすステップ
- 貯留部を水蒸気、または過酸化水素蒸気を含有する雰囲気にさらすステップ、および
- 原料が既に充填された貯留部を、表面層として第1の基板上に堆積するステップ
【0031】
化合物O2、O3、N2、NH3、H2O、H22、およびNH4OHのうちの少なくとも1つが、原料として考えられ得る。
【0032】
上記で述べた過酸化水素蒸気の使用は、水の使用に加えた好ましいバージョンとみなされる。過酸化水素は、より高い酸素対水素比率を有するという利点をさらに有する。さらに、過酸化水素は、ある温度を上回り、かつ/またはMHz範囲の高周波電磁界を使用すると、水素と酸素に解離する。
【0033】
本発明の有利な一実施形態によれば、成長層の形成、および不可逆的な接合の強化は、第1の原料が反応層に拡散することによって行われる。
【0034】
本発明の別の有利な実施形態によれば、不可逆的な接合の形成は、典型的には300℃未満、有利には200℃未満、より好ましくは150℃未満、さらに好ましくは100℃未満、最も好ましくは室温で、特に最大12日、より好ましくは最大1日、さらに好ましくは最大1時間、最も好ましくは最大15分間行われることが意図されている。
【0035】
本明細書では、不可逆的な接合が1.5J/m2超、特に2J/m2超、好ましくは2.5J/m2超の接合強度を有すると特に有利である。
【0036】
接合強度は、反応中に、本発明で特許請求するように、第2の原料のモル体積よりも大きいモル体積を有する生成物が、反応層中に形成されることによって、特に有利には増大させることができる。このようにして、第2の基板上で成長が引き起こされ、その結果、接触表面間の間隙を、本発明で特許請求するような化学反応によって閉じることができる。その結果、接触面間の距離、したがって平均距離が低減し、デッドスペースが最小限に抑えられる。
【0037】
貯留部の形成が、プラズマ活性化によって、特に10から600kHzの間の活性化周波数、かつ/または0.075から0.2ワット/cm2の間の出力密度、かつ/または0.1から0.6mbarの間の圧力による加圧で行われる限り、接触面の平滑化、さらには接触面の親水性の明らかな増大などの追加の効果が得られる。
【0038】
あるいはその代わりに、本発明で特許請求する貯留部の形成は、特にある多孔率まで制御された形で圧縮された、テトラエトキシシラン酸化物層を表面層として用いることによって行うこともできる。
【0039】
本発明の別の有利な実施形態によれば、表面層は、主に、特に本質的に完全に、特にアモルファス、特に熱酸化によって生成された二酸化シリコンからなり、反応層は、酸化可能材料、特に主に、好ましくは本質的に完全に、Si、Ge、InP、GaP、またはGaNからなることが意図されている。特に効果的に既存の間隙を閉じる特に安定した反応は、酸化によって可能となる。
【0040】
本明細書では、本発明で特許請求するように、第2の接触面と反応層との間に、特に主に自然二酸化シリコンの成長層があると、特に有利である。この成長層は、本発明で特許請求する反応によって生じる成長を受ける。この成長は、遷移Si-SiO2(7)から、アモルファスSiO2の再形成によって進行し、それによって成長層の、特に反応層との境界面上で、かつ特に第1の接触面と第2の接触面との間の間隙領域での変形、特に膨れが生じる。このため、2つの接触面間の距離が低減し、またはデッドスペースが低減し、その結果、2つの基板間の接合強度が増大する。200から400℃の間の温度、好ましくは約200℃から150℃、より好ましくは150℃から100℃の間の温度、最も好ましくは100℃から室温の間の温度が特に有利である。
【0041】
本明細書では、不可逆的な接合を形成する前に、成長層が0.1nmから5nmの間の平均厚さAを有すると特に有利である。成長層が薄いほど、成長層を介した第1の原料と第2の原料との間の反応が、特に第1の原料が成長層を介して反応層に拡散することによって、より迅速かつ容易に行われる。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、貯留部の形成は、真空中で実行されると有利である。したがって、望ましくない材料または化合物によって貯留部が汚染されるのを回避することができる。
【0043】
本発明の別の実施形態では、貯留部の充填は、
- 雰囲気中の湿気若しくは空気中に含まれる酸素、またはその両方を貯留部に充填するために、第1の接触面を雰囲気にさらすステップ、
- 第1の接触面を、特に主に、好ましくはほぼ完全に、特に脱イオン化H2O若しくはH22、またはその両方からなる流体にあてるステップ、
- 第1の接触面を、N2ガス、O2ガス、Arガス、およびフォーミングガス、特に95%のArと5%のH2とからなるフォーミングガスのうちの少なくとも1つに、特にイオンエネルギーが0から2000eVの範囲であてるステップ、
- 貯留部を充填するために、先に名前を挙げたいずれかの原料を蒸発させるステップ
のうちの1つまたは複数のステップによって行われる。
【0044】
貯留部は、好ましくは0.1nmから25nmの間、より好ましくは0.1nmから15nmの間、さらには好ましくは0.1nmから10nmの間、最も好ましくは0.1nmから5nm間の厚さRで形成すると、特に工程順序のために有効である。さらに、本発明の一実施形態によれば、不可逆的な接合を形成する直前の貯留部と反応層との間の平均距離Bが、0.1nmから15nmの間、特に0.5nmから5nmの間、好ましくは0.5nmから3nmの間であると、有利である。
【0045】
本発明で特許請求する本方法を実施するための装置は、貯留部を形成するためのチャンバ、貯留部を充填するために特に別途設けられたチャンバ、および仮接合を形成するために特に別途設けられたチャンバで形成され、これらのチャンバは全て、真空システムを介して互いに直接連結されている。
【0046】
別の実施形態では、貯留部の充填はまた、雰囲気によって直接行うこともでき、したがって雰囲気に開放することができるチャンバ内で行うことも、または外被を有しないが、半自動的、かつ/または完全に自動的にウエハを扱うことができる構造体上で簡単に行うこともできる。
【0047】
本発明の他の利点、特徴、および詳細は、例示的な好ましい実施形態の以下の説明、および図面を用いることによって明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】第1の基板を第2の基板と接触させた直後の、本発明で特許請求する方法の第1のステップを示す図である。
図2a】より高い接合強度を形成するための、本発明で特許請求する方法の他のステップを示す図である。
図2b】より高い接合強度を形成するための、本発明で特許請求する方法の他のステップを示す図である。
図3図1図2aおよび図2bに記載のステップに続く、基板の接触面が接触している、本発明で特許請求する方法の別のステップを示す図である。
図4】基板間で不可逆的な接合/永久接合を形成するための、本発明で特許請求するステップを示す図である。
図5図3および図4に記載のステップ中に、2つの接触面上で進行している化学/物理的工程の拡大図である。
図6図3および図4に記載のステップ中に、2つの接触面の間の境界面上で進行している化学/物理的工程の別の拡大図である。
図7】本発明で特許請求する貯留部の製造を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図中、同じ構成要素/機構、および同じ作用を有する構成要素/機構は、同じ参照番号で識別する。
【0050】
図1に示す状況では、仮接合ステップ中、またはその直後に、第1の基板1の第1の接触面3と、第2の基板2の第2の接触面4との間で進行する化学反応の一部のみを示す。この表面は、終端が極性OH基であり、したがって親水性である。第1の基板1と、第2の基板2とは、表面上に存在するOH基と、H2O分子との間の水素結合による引力、およびH2O分子単独間での水素結合による引力によって保持されている。少なくとも第1の接触面3の親水性は、先行するステップにおける第1の接触面3のプラズマ処理によって増大している。
【0051】
熱二酸化シリコンからなる表面層6中の貯留部5が、本発明で特許請求するようにプラズマ処理によって形成されている。O2イオンを用い、イオンエネルギーが0から2000eVの間の範囲でプラズマ処理することによって、貯留部5の平均厚さRが約15nmとなり、イオンによって、表面層6中にチャネルまたは孔が形成される。
【0052】
同様に、図1に示すステップの前、かつプラズマ処理の後に、貯留部5に、H2Oが第1の原料として充填される。プラズマ工程中に存在するイオンの還元種、特にO2、N2、H2、Arはまた、貯留部内にも位置することができる。
【0053】
したがって、接触面3、4はなおも、比較的広い間隙を有し、この間隙は特に接触面3と4との間に存在する水によって占められている。したがって、既存の接合強度は比較的小さく、約100mJ/cm2から300mJ/cm2の間、特に200mJ/cm2超である。この点について、事前のプラズマ活性化は、特にプラズマ活性化によって第1の接触面3の親水性が増大し、プラズマ活性化によって平滑化効果が得られるため、決定的な役割を果たしている。
【0054】
図1に示す、仮接合と呼ばれる工程は、好ましくは周囲温度で、または最大50℃で進行させることができる。図2aおよび図2bは、親水性結合を示し、ここでは-OH終端表面による水の脱離の結果、Si-O-Si架橋が生じている。図2aおよび図2bの工程は、室温で約300時間持続する。50℃では約60時間持続する。図2bの状態は、指示された温度では、貯留部を製造することなく生じる。
【0055】
接触面3と4との間でH2O分子が形成され、フリースペースがなおも存在する限り、貯留部5をさらに充填するようにH2O分子の少なくとも一部が供給される。他のH2O分子は、除去される。図1に記載のステップでは、約3から5層の個々のOH基層またはH2O層が存在し、図1に記載のステップから図2aに記載のステップでは、1から3層のH2O単分子層が除去されるか、または貯留部5内に収容される。
【0056】
図2aに示すステップでは、水素架橋結合がシロキサン基間で直接形成されており、その結果より高い接合力が生じている。この接合力によって、接触面3、4は互いにより強く引きつけられ、接触面3と4との間の距離が低減している。したがって、接触面3と4との間には、個々のOH基層が1から2層しか存在しない。
【0057】
図2bに示すステップでは、下記の化学式(2)に示す反応に従ったH2O分子の分離によって、接触面3と4との間でシラノール基の形の共有結合が形成され、それによってはるかに強固な接合力が生じ、かつ必要となる空間がより少なくなり、したがって接触面3と4との間の距離がさらに低減し、最終的には図3に示す、接触面3と4とが互いに接する最小距離にまで達する。
【0058】
【化2】
【0059】
ステップ3までは、特に貯留部5が形成されているため、温度を過度に増大させる必要はなく、むしろ室温で進行させることが可能である。このようにすると、図1から図3に記載の工程ステップを特に慎重に進行させることが可能である。
【0060】
図4に示す方法ステップでは、第1の接触面と第2の接触面との間で不可逆的な接合または永久接合を形成するために、好ましくは最大500℃、より好ましくは最大300℃、さらに好ましくは最大200℃、最も好ましくは最大100℃、全ての中で最も好ましくは室温を超えない温度まで温度を上昇させる。これらの温度は、従来技術とは異なり比較的低く、貯留部5が、図5および図6に示す、下記の化学式(3)に示す反応のための第1の原料を収容している場合のみ可能である。
【0061】
【化3】
【0062】
上述の僅かな温度上昇によって、H2O分子が、第1の原料として貯留部5から反応層7へと拡散する。この拡散は、酸化物層として形成された表面層6と成長層との直接接触によって、または酸化物層間に存在する間隙9を介して、または間隙9から行うことができる。そこでは、二酸化シリコン、すなわち純粋なシリコンよりも大きいモル体積を有する化学化合物が、反応層7から、上述の反応による反応生成物10として形成される。この二酸化シリコンは、反応層7と成長層8との境界面で成長し、したがって自然酸化物として形成された成長層8の層を、間隙9の方向に変形させる。ここでもやはり、貯留部からのH2O分子が必要となる。
【0063】
ナノメートル範囲の間隙が存在するため、自然酸化物層8が膨らむ可能性があり、その結果、接触面3、4に対する応力を低減させることができる。このようにすると、接触面3と4との間の距離が低減し、その結果有効な接触面、したがって接合強度がさらに増大する。このようにして行われる溶接連結では、部分的に溶接されない従来技術の製品とは異なり、全ての孔が閉じ、ウエハ全体にわたって溶接連結が形成され、したがって基本的に接合力の増大に寄与する。互いに溶接される2つのアモルファス酸化シリコン表面間の接合のタイプは、共有結合部とイオン結合部の混合形である。
【0064】
第1の原料(H2O)と第2の原料(Si)との反応層7中での上述の反応は、第1の接触面3と反応層7との間の平均距離Bができる限り小さくなると、特に迅速に、またはできる限り低い温度で行われる。
【0065】
したがって、第1の基板1の前処理、並びにシリコンの反応層7、および成長層8としてのできる限り薄い自然酸化物層からなる第2の基板2の選択が決め手となる。本発明で特許請求する、できる限り薄い自然酸化物層は、以下の2つの理由で設けられている。成長層8は非常に薄いため、反応層7上で新たに形成される反応生成物10によって、成長層8が対向する基板1の酸化物層として形成されている表面層6の方に、しかも主にナノ間隙9の領域内で、膨らむことができる。さらに、所望の効果をできる限り迅速に、かつできる限り低い温度で達成するために、できる限り短い拡散経路が望ましい。第1の基板1も同様に、シリコン層と、その上に表面層6として形成された酸化物層とからなり、この表面層6中に貯留部5が少なくとも部分的に、または完全に形成される。
【0066】
したがって、本発明で特許請求する貯留部5は、少なくともナノ間隙9を閉じるのに必要な量の第1の原料が充填され、したがって成長層8を、できる限り短時間で、かつ/またはできる限り低い温度でナノ間隙9を閉じるように最適に成長させることができる。
【0067】
本発明の実施態様を、以下に記す。
・態様1
第1の基板(1)の第1の接触面(3)を、第2の基板(2)の第2の接触面(4)に接合する方法であって、
前記第1の接触面(3)上の表面層(6)中に貯留部(5)を形成するステップと、
前記貯留部(5)に第1の原料、または第1の原料群を少なくとも部分的に充填するステップと、
仮接合連結を形成するために、前記第1の接触面(3)を前記第2の接触面(4)と接触させるステップと、
前記第1の接触面(3)と前記第2の接触面(4)との間の永久接合を形成するステップであって、前記第1の原料と、前記第2の基板(2)の反応層(7)中に含まれた第2の原料とを反応させることによって前記永久接合を少なくとも部分的に強化するステップと、
を特に上記の順序で含む、方法。
・態様2
前記永久接合の形成若しくは強化、またはその両方が、前記第1の原料が前記反応層(7)に拡散することによって行われる、前記態様1に記載の方法。
・態様3
前記永久接合の形成が、室温から200℃の間の温度で、特に最大12日、より好ましくは最大1日、さらに好ましくは最大1時間、最も好ましくは最大15分間行われる、前記態様1または2に記載の方法。
・態様4
不可逆的な前記接合が、1.5J/m2より大きい、特に2J/m2より大きい、好ましくは2.5J/m2より大きい接合強度を有する、前記態様1から3のいずれかに記載の方法。
・態様5
前記反応中に、前記第2の原料のモル体積よりも大きいモル体積を有する反応生成物(10)が前記反応層(7)中に形成される、前記態様1から4のいずれかに記載の方法。
・態様6
前記貯留部(5)が、プラズマ活性化によって形成される、前記態様1から5のいずれかに記載の方法。
・態様7
前記貯留部(5)の前記形成が、特に圧縮されたテトラエトキシシラン酸化物層を前記表面層(6)として用いて行われる、前記態様1から6のいずれかに記載の方法。
・態様8
前記表面層(6)が、主に、特に本質的に完全に、特にアモルファス材料、特に熱酸化によって生成された二酸化シリコンからなり、前記反応層(7)が、酸化可能材料、特に主に、好ましくは本質的に完全にSi、Ge、InP、GaP、またはGaNからなる、前記態様1から7のいずれかに記載の方法。
・態様9
前記第2の接触面(4)と前記反応層(7)との間に、特に主に自然二酸化シリコンの成長層(8)がある、前記態様1から8のいずれかに記載の方法。
・態様10
永久接合を形成する前に、前記成長層(8)が、1オングストロームから10nmの間の平均厚さAを有する、前記態様9に記載の方法。
・態様11
前記貯留部が真空中で形成される、前記態様1から10のいずれかに記載の方法。
・態様12
前記貯留部が、
前記第1の接触面(3)を、特に酸素若しくは水、またはその両方の含有量が高い雰囲気にさらすステップ、
前記第1の接触面(3)を、特に主に、好ましくはほぼ完全に、特に脱イオン化H2O若しくはH22、またはその両方からなる流体にあてるステップ、
前記第1の接触面(3)をN2ガス、O2ガス、Arガス、およびフォーミングガス、特に95%のArと5%のH2とからなるフォーミングガスのうちの少なくとも1つに、特にイオンエネルギーが0から2000eVの範囲であてるステップ、
のうちの1つまたは複数のステップによって充填される、前記態様1から11のいずれかに記載の方法。
・態様13
前記貯留部(5)が、0.1nmから25nmの間、特に0.1nmから20nmの間の平均厚さ(R)で形成される、前記態様1から12のいずれかに記載の方法。
・態様14
前記永久接合を形成する直前の前記貯留部(5)と前記反応層(7)との間の平均距離(B)が、0.1nmから15nmの間、特に0.5nmから5nmの間、好ましくは0.5nmから3nmの間である、前記態様1から13のいずれかに記載の方法。
・態様15
前記不可逆的な接合が、前記仮接合の強度の2倍、好ましくは4倍、より好ましくは10倍、最も好ましくは25倍の接合強度を有する、前記態様1から14のいずれかに記載の方法。
【符号の説明】
【0068】
1 第1の基板
2 第2の基板
3 第1の接触面
4 第2の接触面
5 貯留部
6 表面層
7 反応層
8 成長層
9 ナノ間隙
10 反応生成物
11 第1のプロファイル
12 第2のプロファイル
13 曲線の和
A 平均厚さ
B 平均距離
R 平均厚さ
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板の第1の接触面を、第2の基板の第2の接触面に接合する方法であって、
前記第1の接触面上の表面層中に貯留部を形成するステップであって、前記貯留部が、0.1nmから25nmの間の平均厚さ(R)で形成されるステップと、
前記貯留部に、第1の原料または第1の原料群を少なくとも部分的に充填するステップと、
仮接合連結を形成するために、前記第1の接触面を前記第2の接触面と接触させるステップと、
前記第1の接触面と前記第2の接触面との間の永久接合を形成するステップであって、前記第1の原料と前記第2の基板の反応層中に含まれた第2の原料とを反応させることによって前記永久接合を少なくとも部分的に強化するステップと、
を含み、前記永久接合の形成が、室温から200℃の間の温度で、最大1時間行われる、方法。
【請求項2】
前記永久接合の形成若しくは強化、またはその両方が、前記第1の原料を前記反応層に拡散させることによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記永久接合が、1.5J/m2より大きい接合強度を有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記反応中に、前記第2の原料のモル体積よりも大きいモル体積を有する反応生成物が前記反応層中に形成される、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記貯留部が、プラズマ活性化によって形成され、プラズマ工程中に存在するイオンの還元種が貯留部内に位置する、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記還元種が、O 2 イオン、N 2 イオン、H 2 イオン、Arイオンである、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記表面層が、アモルファス材料からなり、前記反応層が、酸化可能材料からなる、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の接触面と前記反応層との間に、自然二酸化シリコンの成長層がある、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
永久接合を形成する前に、前記成長層が、1オングストロームから10nmの間の平均厚さAを有する、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記貯留部が真空中で形成される、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記貯留部が、0.1nmから20nmの間の平均厚さ(R)で形成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記永久接合を形成する直前の前記貯留部と前記反応層との間の平均距離(B)が、0.1nmから15nmの間である、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記永久接合が、前記仮接合の強度の2倍の接合強度を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【外国語明細書】