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2023-76683経カテーテル植え込み可能装置のためのロックおよび解放機構
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076683
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】経カテーテル植え込み可能装置のためのロックおよび解放機構
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/966 20130101AFI20230525BHJP
【FI】
A61F2/966
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023062174
(22)【出願日】2023-04-06
(62)【分割の表示】P 2019572226の分割
【原出願日】2018-06-29
(31)【優先権主張番号】62/527,577
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ジェイ・デロシアーズ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ジェームズ・マレー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジー・バルデス
(72)【発明者】
【氏名】リロン・タイブ
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・マイモン
(72)【発明者】
【氏名】エイタン・アティアス
(72)【発明者】
【氏名】アディ・カルミ
(57)【要約】
【課題】新規な経カテーテル植え込み可能装置のためのロックおよび解放機構を提供すること。
【解決手段】植え込み可能装置のためのロックおよび解放コネクタを含む送達システムおよびカテーテル、ならびに、医療装置を保持し、位置付け、かつ配備するための方法が開示される。ロックおよび解放コネクタは、本体、および本体と係合された少なくとも1つのドアを含み得、ドアは、第1の位置から第2の位置まで移動可能である。ロックおよび解放コネクタは、ドアの少なくとも1つの端部を本体に接続する少なくとも1つのファスナをさらに含み得る。ドアは、本体と一体であるか、または接続され得、形状記憶材料および/または他の材料を含み得る。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
本体、および前記本体と係合された少なくとも1つのドアを含むロックおよび解放コネクタであって、前記ドアは、第1の位置から第2の位置まで移動可能である、ロックおよび解放コネクタと、
遠位開口部を有する外側チューブと、
前記外側チューブ内に配された植え込み可能な医療装置であって、前記医療装置は延長部を有する、植え込み可能医療装置と、を含み、
前記延長部は、前記本体と前記ドアとの間に置かれる、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2017年6月30日出願の米国仮特許出願第62/527,577号の優先権を主張し、2016年2月5日出願の米国仮特許出願第62/292,142号の優先権を主張する2017年2月1日出願の米国特許出願第15/422,354号に関しており、これらの開示全体は、参照により、全体として本明細書に詳述されたかのように、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、植え込み可能装置のための送達システムに関し、これは、心臓および脈管構造を含む解剖学的構造の導管、脈管、管腔、通路、または腔で使用される経カテーテル送達システムと共に使用され得る植え込み可能医療装置のためのロックおよび解放機構を含む。経カテーテル植え込み可能装置は、ドッキングステーション、心臓弁インプラント、例えば置換弁、および経カテーテル心臓弁(「THV」)、ステント、人工弁輪、他の弁輪形成インプラントなどを含む。
【背景技術】
【0003】
植え込み可能医療装置は、整形外科、ペースメーカー、心血管ステント、除細動器、または神経義肢を含む、さまざまな適用のために身体の多くの異なる部分で使用され得る。経カテーテル技術は、開胸手術または他の従来の手術より低侵襲性となるように、可撓性カテーテルを用いて人工心臓弁または他の医療装置を導入し植え込むのに使用され得る。この技術では、医療装置は、可撓性カテーテルの端部分上にクリンプ状態で装着され、その装置が植え込み部位に到達するまで血管、導管、または他の身体通路を通じて前進され得る。次に、装置のカテーテル先端部は、装置が装着されているバルーンを膨張させることなどによって、意図した植え込み部位においてその機能的サイズまで拡張され得る。オプションとして、装置は、カテーテルの遠位端部において送達シースから前進されると装置をその機能的サイズまで拡張させる、弾性のある、自己拡張型ステントまたはフレームを有し得る。植え込み可能医療装置は、患者内で配備および拡張されるまで、カテーテル内に維持される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本概要は、実施例を提供することを目的としており、決して本発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、本概要の実施例に含まれる任意の特徴は、特許請求の範囲が明白にその特徴を列挙していない限り、特許請求の範囲に必須ではない。説明では、経カテーテル植え込み可能装置のためのロックおよび解放コネクタ、ならびに医療装置の植え込みのためのカテーテルの例示的な実施形態を開示している。ロックおよび解放コネクタ、ならびにカテーテルは、さまざまな方法で構築され得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例示的な一実施形態では、経カテーテル植え込み可能装置のためのロックおよび解放コネクタは、本体、および本体と係合される少なくとも1つのドアを含み得、ドアは、第1の位置から第2の位置まで移動可能である。オプションとして、ドアは本体と一体であってよい。いくつかの例示的な実施形態では、ドアは、本体に接続され得る。オプションとして、ドアは、本体にヒンジで接続され得る。ドアは、さまざまな方法で構築され得、また、さまざまな異なる材料を含み得、例えば、ドアは、ニッケルチタン合金を含み得る。ロックおよび解放コネクタは、ドアの少なくとも1つの部分または端部を本体に接続する、1つのファスナまたは複数のファスナをさらに含み得る。
【0006】
例示的な一実施形態では、システムおよび/またはカテーテルは、遠位開口部を有する外側チューブを含む。内側チューブが、外側チューブ内に配され得る。植え込み可能医療装置が、外側チューブ内に配され、医療装置は延長部を有する。ロックおよび解放コネクタは、本体、および本体と係合されたドアを有する。ドアは、第1の位置から第2の位置まで移動可能である。内側チューブが使用される場合、ロックおよび解放コネクタは内側チューブに接続され得る。延長部は、本体とドアとの間に置かれ得る。オプションとして、植え込み可能医療装置は、少なくとも第2の延長部をさらに含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、ロックおよび解放コネクタは、第2のドアをさらに含む。オプションとして、植え込み可能医療装置はドッキングステーションであってよい。本体は、ドアにヒンジで接続され得る。
【0007】
例示的な一実施形態では、医療装置を位置付ける方法は、ロックおよび解放コネクタをカテーテルの内側チューブに接続するステップを含む。この方法は、内側チューブをカテーテルの外側チューブの内側に設置するステップをさらに含み得る。さらに、延長部が、医療装置の近位端部において、内側チューブに接続されたロックおよび解放コネクタの本体とドアとの間に置かれ得る。この方法は、医療装置をカテーテルの外側チューブ内に位置付けるステップと、カテーテルの遠位端部を送達部位に位置付けるステップと、をさらに含み得る。さらに、外側チューブは、医療装置の遠位端部が外側チューブの外側に位置付けられるまで、内側チューブならびにロックおよび解放コネクタに対して、またはこれらに相対的に転置され得る。この方法は、ドアが開き、延長部を本体とドアとの間から解放するまで、内側チューブならびにロックおよび解放コネクタに対して、またはこれらに相対的に外側チューブを転置させ続けるステップをさらに含み得る。さらに、医療装置の近位端部、および延長部は、送達部位まで配備され得る。いくつかの例示的な実施形態では、この方法は、ロックおよび解放コネクタを、外側チューブの内側の位置まで戻すステップをさらに含む。
【0008】
本開示中の他の部分に記載されるようなさまざまな特徴は、ここで概括される実施例に含まれ得、それらの実施例および特徴を使用するためのさまざまな方法およびステップが使用され得、それには、本開示中の他の部分に記載されるようなものが、さまざまな組合せで含まれる。
【0009】
開示される発明の性質および利点のさらなる理解は、特に同様の部分が同様の参照符号を有する添付図面と併せて考慮した場合、以下の説明および特許請求の範囲から得ることができる。
【0010】
本開示の実施形態のさまざまな態様をさらに明確にするため、添付図面のさまざまな態様を参照することによって、特定の実施形態のさらに具体的な説明がなされる。これらの図面は、本開示の典型的な実施形態のみを描いており、したがって、開示の範囲を限定するものとみなされない。さらに、図面は、いくつかの実施形態では一定の尺度で描かれている場合があるが、必ずしもすべての実施形態で一定の尺度で描かれているわけではない。本開示の実施形態は、添付図面の使用を通じて、さらに特異的かつ詳細に記載され説明される。
[付記項1]
システムであって、
本体、および前記本体と係合された少なくとも1つのドアを含むロックおよび解放コネクタであって、前記ドアは、第1の位置から第2の位置まで移動可能である、ロックおよび解放コネクタと、
遠位開口部を有する外側チューブと、
前記外側チューブ内に配された植え込み可能な医療装置であって、前記医療装置は延長部を有する、植え込み可能医療装置と、を含み、
前記延長部は、前記本体と前記ドアとの間に置かれる、システム。
[付記項2]
前記ドアは、前記本体と一体である、付記項1に記載のシステム。
[付記項3]
前記ドアは、前記本体に接続されている、付記項1または2に記載のシステム。
[付記項4]
前記ドアは、前記本体にヒンジで接続されている、付記項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
[付記項5]
前記ドアは、形状記憶材料を含む、付記項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
[付記項6]
前記ドアの少なくとも1つの端部を前記本体に接続する少なくとも1つのファスナをさらに含む、付記項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
[付記項7]
前記ドアは、第1の位置から第2の位置まで移動するように能動的に制御される、付記項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
[付記項8]
前記本体と前記ドアとを接続するワイヤ、ねじ、別個のヒンジ、またはピンをさらに含む、付記項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
[付記項9]
前記ドアに力を及ぼす少なくとも1つのばねをさらに含む、付記項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
[付記項10]
第1の位置から第2の位置まで移動可能な第2のドアをさらに含み、
第1および第2のドアは、それぞれの前記第1の位置からそれぞれの前記第2の位置まで連続して移動可能である、付記項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
[付記項11]
カテーテル組立体であって、
本体、および前記本体と係合された少なくとも1つのドアを含むロックおよび解放コネクタであって、前記ドアは、第1の位置から第2の位置まで移動可能である、ロックおよび解放コネクタと、
遠位開口部を有する外側チューブと、
前記外側チューブ内に配された内側チューブと、
前記外側チューブ内に配された植え込み可能な医療装置であって、前記医療装置は延長部を有する、植え込み可能な医療装置と、を含み、
前記ロックおよび解放コネクタは、前記内側チューブに接続され、
前記延長部は、前記本体と前記ドアとの間に置かれる、カテーテル組立体。
[付記項12]
前記植え込み可能な医療装置は、少なくとも第2の延長部をさらに含む、付記項11に記載のカテーテル組立体。
[付記項13]
前記第2の延長部は、第1の延長部より長い、付記項12に記載のカテーテル組立体。
[付記項14]
前記ロックおよび解放コネクタは、前記第2の延長部を解放する前に前記第1の延長部を解放するように構成され、それによって、前記植え込み可能な医療装置は、前記第1の延長部が解放された後、かつ前記第2の延長部が解放される前に、十分に拡張可能である、付記項13に記載のカテーテル組立体。
[付記項15]
前記ロックおよび解放コネクタは、第2のドアをさらに含む、付記項11から14のいずれか一項に記載のカテーテル組立体。
[付記項16]
前記延長部は、前記少なくとも1つのドアを前記第1の位置から前記第2の位置まで移動させる、付記項11から15のいずれか一項に記載のカテーテル組立体。
[付記項17]
前記延長部は、ばね様である、付記項11から16のいずれか一項に記載のカテーテル組立体。
[付記項18]
医療装置を位置付ける方法であって、
ロックおよび解放コネクタをカテーテルの内側チューブに接続するステップであって、前記ロックおよび解放コネクタは、本体、および前記本体と係合された少なくとも1つのドアを含み、前記ドアは、第1の位置から第2の位置まで移動可能である、ステップと、
前記内側チューブを前記カテーテルの外側チューブの内側に設置するステップと、
前記医療装置の近位端部における延長部を、前記ロックおよび解放コネクタの前記本体と前記ドアとの間に置くステップと、
前記医療装置を前記カテーテルの外側チューブ内に配するステップと、
前記カテーテルの遠位端部を送達部位に位置付けるステップと、
前記医療装置の遠位端部が前記外側チューブの外側に位置付けられるまで、前記外側チューブを、前記内側チューブならびに前記ロックおよび解放コネクタに対して変位させるステップと、
前記ドアが開いて前記延長部を前記本体と前記ドアとの間から解放するまで、前記外側チューブを、前記内側チューブならびに前記ロックおよび解放コネクタに対して変位させ続けるステップと、
前記医療装置の前記近位端部および前記延長部を前記送達部位に配備するステップと、を含む、方法。
[付記項19]
前記ロックおよび解放コネクタを前記外側チューブの内側の位置まで戻すステップをさらに含む、付記項18に記載の方法。
[付記項20]
前記医療装置の近位端部における第2の延長部を前記ロックおよび解放コネクタの前記本体と第2のドアとの間に維持することによって、第1のドアが開き、第1の延長部を前記本体と前記第1のドアとの間から解放した後で、前記医療装置の位置を維持するステップをさらに含む、付記項18または19に記載の方法。
[付記項21]
経カテーテル植え込み可能装置のためのロックおよび解放コネクタであって、
本体と、
前記本体と係合された少なくとも1つのドアであって、前記ドアは、第1の位置から第2の位置まで移動可能である、少なくとも1つのドアと、を含む、ロックおよび解放コネクタ。
[付記項22]
前記ドアは、前記本体と一体である、付記項21に記載のロックおよび解放コネクタ。
[付記項23]
前記ドアは、前記本体に接続されている、付記項21または22に記載のロックおよび解放コネクタ。
[付記項24]
前記ドアは、前記本体にヒンジで接続されている、付記項21から23のいずれか一項に記載のロックおよび解放コネクタ。
[付記項25]
前記ドアは、形状記憶材料を含む、付記項21から24のいずれか一項に記載のロックおよび解放コネクタ。
[付記項26]
前記ドアは、ニッケルチタン合金を含む、付記項21から25のいずれか一項に記載のロックおよび解放コネクタ。
[付記項27]
前記ドアの少なくとも1つの端部を前記本体に接続する少なくとも1つのファスナをさらに含む、付記項21から26のいずれか一項に記載のロックおよび解放コネクタ。
[付記項28]
前記ドアは、第1の位置から第2の位置まで移動するように能動的に制御される、付記項21から27のいずれか一項に記載のロックおよび解放コネクタ。
[付記項29]
前記本体と前記ドアとを接続するワイヤ、ねじ、別個のヒンジ、またはピンをさらに含む、付記項21から28のいずれか一項に記載のロックおよび解放コネクタ。
[付記項30]
前記ドアに力を及ぼす少なくとも1つのばねをさらに含む、付記項21から29のいずれか一項に記載のロックおよび解放コネクタ。
[付記項31]
第1の位置から第2の位置まで移動可能な第2のドアをさらに含み、
第1のドアおよび第2のドアは、それぞれの前記第1の位置からそれぞれの前記第2の位置まで連続して移動可能である、付記項21から30のいずれか一項に記載のロックおよび解放コネクタ。
[付記項32]
植え込み可能な医療装置の第1の延長部が前記第1のドアから解放可能であり、第2の延長部が前記第2のドアの下に保持され続けるように、前記第1のドアを前記第2の位置まで移動させるようにさらに構成されている、付記項31に記載のロックおよび解放コネクタ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】拡張期にあるヒトの心臓の断面図である。
図1B】収縮期にあるヒトの心臓の断面図である。
図2A】循環器系内に位置付けられている圧迫された医療装置の概略図である。
図2B】循環器系内で医療装置の位置を固定するために拡張された図2Aの医療装置の概略図である。
図3】医療装置が肺動脈内に配備された、収縮期にあるヒトの心臓の断面図である。
図4】植え込み可能医療装置のフレームの例示的な実施形態の側面図である。
図5図4によって示されるフレームの側面プロファイルを示す。
図6】圧迫状態にある図4のフレームを示す。
図7図4のフレームの斜視図である。
図8図4のフレームの斜視図である。
図9】複数の被覆セルおよび複数の開放セルを有する植え込み可能医療装置の被覆フレームの例示的な実施形態の斜視図である。
図9A】複数の被覆セルおよび複数の開放セルを有する植え込み可能医療装置の被覆フレームの例示的な実施形態の斜視図である。
図9B】複数の被覆セルおよび複数の開放セルを有する植え込み可能医療装置の被覆フレームの例示的な実施形態の斜視図である。
図10】循環器系の脈管内に装着された場合の、図9によって示す被覆フレームの斜視図を示す。
図11A】カテーテルの例示的な実施形態の断面図である。
図11B】例示的な植え込み可能医療装置がカテーテル内でクリンプされ装填された、カテーテルの例示的な実施形態の断面図である。
図12A】カテーテルからの例示的な植え込み可能医療装置の例示的な配備を示す。
図12B】カテーテルからの例示的な植え込み可能医療装置の例示的な配備を示す。
図12C】カテーテルからの例示的な植え込み可能医療装置の例示的な配備を示す。
図12D】カテーテルからの例示的な植え込み可能医療装置の例示的な配備を示す。
図13】植え込み可能医療装置をカテーテル内に保持するためのホルダーの斜視図である。
図14A】植え込み可能医療装置をカテーテル内に保持するためのホルダーの斜視図である。
図14B】ホルダー内に配された植え込み可能医療装置の例示的な延長部の側面図を示す。
図14C】ホルダー内に配された植え込み可能医療装置の例示的な延長部の側面図を示す。
図15A】閉鎖位置にあるロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の斜視図である。
図15B】開放位置にある図15Aの例示的なロックおよび解放コネクタの斜視図である。
図16】ロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の分解組立図である。
図17A】カテーテルに対してある位置にあるロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の部分図である。
図17B】カテーテルに対してある位置にあるロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の部分図である。
図18A】カテーテルに対してある位置にあるロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の部分図である。
図18B】カテーテルに対してある位置にあるロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の部分図である。
図19A】カテーテルに対してある位置にあるロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の部分図である。
図19B】カテーテルに対してある位置にあるロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の部分図である。
図20A】カテーテルに対してある位置にあるロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の部分図である。
図20B】カテーテルに対してある位置にあるロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の部分図である。
図21A】カテーテルに対してある位置にあるロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の部分図である。
図21B】カテーテルに対してある位置にあるロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の部分図である。
図22】ロックおよび解放コネクタならびにカテーテルの例示的な実施形態の断面部分図である。
図23】ロックおよび解放コネクタならびにカテーテルの例示的な実施形態の断面部分図である。
図24A】延長部を配備している、ロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の部分図である。
図24B】延長部を配備している、ロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の部分図である。
図25A】カテーテル内に後退されている、ロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の部分図である。
図25B】カテーテル内に後退されている、ロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の部分図である。
図26A】ロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の斜視図である。
図26B】ロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の斜視図である。
図27】ロックおよび解放コネクタの例示的な実施形態の斜視図である。
図28A】例えば図9図9A、または図9Bのフレームの延長部であってよい、延長部の第1の例示的な実施形態の側面図である。
図28B】例えば図9図9A、または図9Bのフレームの延長部であってよい、延長部の第2の例示的な実施形態の側面図である。
図29A図9Bのフレームと共に使用可能なコネクタ本体の例示的な実施形態の左側面図である。
図29B図29Aのコネクタ本体の正面図である。
図29C図29Aのコネクタ本体の右側面図である。
図29D図29A図29Cのコネクタ本体と共に使用されるドアの例示的な実施形態の斜視図である。
図29E図29A図29Cのコネクタ本体のドアの例示的な実施形態の斜視図である。
図30A図9Aのフレームと共に使用可能なコネクタ本体の例示的な実施形態の左側面図である。
図30B図30Aのコネクタの正面図である。
図30C図30Aのコネクタの右側面図である。
図30D図30A図30Cのコネクタの第1のドアの例示的な実施形態の斜視図である。
図30E図30A図30Cのコネクタのドアの例示的な実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明では添付図面を参照し、図面は、本発明の特定の実施形態を示す。異なる構造および動作を有する他の実施形態は、本発明の範囲から逸脱するものではない。本開示の例示的な実施形態は、植え込み可能医療装置10のための(例えば、経カテーテル植え込み可能装置のための)ロックおよび解放コネクタ(例えば、図15Aおよび図15Bのロックおよび解放コネクタ7000を参照)、ならびに医療装置植え込みのためのカテーテル、システム、および組立体を対象とする。いくつかの例示的な実施形態では、医療装置10は、ドッキングステーション、例えば肺動脈内部で使用されるTHVのためのドッキングステーションとして示されている。しかしながら、本明細書に記載され示されるロックおよび解放コネクタは、さまざまな医療装置のために、解剖学的構造の他のエリアで使用され得、これには、整形外科、ペースメーカー、心血管ステント、グラフト、コイル、除細動器、神経義肢のためのもの、また、心臓および脈管構造内のものを含む、解剖学的構造の多くの他の導管、管腔、脈管、通路、または腔での使用のためのものが含まれる。本明細書に開示されるロックおよび解放コネクタならびに発明の概念の使用は、設計者の創造性によってのみ限定される。
【0013】
図1A図12Dは、ヒトの心臓を示し、ロックおよび解放機構7000が共に使用され得る医療装置の実施例を示しており、これらの図については、本開示中、さらに詳細に後述する。図2A図12Dに示す植え込み可能医療装置は、ロックおよび解放コネクタ7000が共に利用され得る多くのタイプの医療装置の実施例に過ぎない。図1A図12Dは、全体が参照により本明細書に組み込まれる、係属中の米国特許出願第15/422,354号から得られたものである。図1A図14Cは、ロックおよび解放機構ならびに関連する概念の適用の例を提供するために、以下でさらに詳細に説明する。
【0014】
ロックおよび解放コネクタ(例えば、図15Aおよび図15Bのロックおよび解放コネクタ7000を参照)、医療装置、ならびに医療装置上のアンカー/延長部のさまざまな実施形態が本明細書に開示されており、本明細書に記載されるかまたは示されるさまざまな特徴およびオプションの任意の組合せが、特に排除されない限り行われ得ることに注目されたい。例えば、特定の組合せが明確に記載されていないとしても、開示されるロックおよび解放コネクタのうちの任意のものが、任意のタイプの医療装置、弁、および/または任意の送達システムと共に使用され得る。同様に、ロックおよび解放コネクタならびに医療装置の種々の構成が、明確に開示されていないとしても、任意のロックおよび解放コネクタのタイプ/特徴、医療装置のタイプ/特徴などを組み合わせることなどにより、混合され、適合され得る。手短に言えば、開示されるシステムの個々の構成要素は、相互排他的でない限り、または別様に物理的に不可能でない限り、組み合わせられ得る。
【0015】
整合性のため、これらの図および本明細書中の他のものにおいて、ドッキングステーションなどの医療装置は、肺の分岐端部(pulmonary bifurcation end)が上にあり、心室の端部が下になるように描かれている。これらの方向は、遠方、上、および/または肺の分岐端部の同意語として「遠位」、ならびに、近く、下、および/または心室の端部の同意語として「近位」とも呼ばれ得、これらは、医師の観点に相対的な用語である。
【0016】
図11A図11B、および図12A図12Dは、植え込み可能医療装置10を送達し配備するためのカテーテル3600の例示的な実施形態の遠位部分を示す。例示的な実施形態では、医療装置10は、本明細書ではドッキングステーションであるとして記載され論じられるが、フレーム/被覆フレームもまた、ステント、ステントフレーム、ステント-グラフト、(例えば、経カテーテル心臓弁THVを表す)弁を含むフレーム、および他の医療装置を表す。カテーテル3600は、広範な異なる形態をとり得る。示された実施例では、カテーテル3600は、外側チューブ/スリーブ4910と、内側チューブ/スリーブ4912と、内側チューブ4912に接続されたコネクタ4914と、接続チューブ4916によってコネクタ4914に接続された細長いノーズコーン28と、を含む。いくつかの実施形態では、コネクタ4914は、ロックおよび解放コネクタ7000である(例えば、図15Aおよび図15Bを参照)。植え込み可能医療装置10はドッキングステーションとして記載され/論じられるが、任意の医療装置が使用され得る。内側チューブ4912は、外側チューブ4910内に配され得る。
【0017】
植え込み可能医療装置10は、外側チューブ4910内に配され得る(図11Bを参照)。延長部5000が、本明細書に記載されるロックおよび解放コネクタ7000、または本明細書に記載される発明の概念を組み込んだコネクタであってよい、コネクタ4914に、医療装置10を接続し得る。延長部5000は、保持部分であってよく、これらは保持部分414の残部より長い(図12C図12Dを参照)。カテーテル3600は、ガイドワイヤ管腔6390を含み、ガイドワイヤ5002の上を送られて、医療装置10を送達部位に位置付けることができる。
【0018】
図12A図12Dを参照すると、医療装置10がドッキングステーションであるか、または拡張可能なフレームを含む場合、外側チューブ4910は、医療装置10、内側チューブ4912、(本明細書に記載されるロックおよび解放コネクタ7000または本明細書中の発明の概念を組み込んだコネクタのいずれかであってよい)コネクタ4914、ならびに細長いノーズコーン28に対して次第に後退されて、医療装置10を配備することができる。外側チューブを(図12A図12Dに描くように)医療装置、内側チューブ、ノーズコーン、コネクタなどに相対的に後退させることが好ましいが(すなわち、これらは静止したままであり、例えば近位ハンドルに相対的に静止したままであるが)、医療装置、内側チューブ、ノーズコーン、および/またはコネクタを外側シースに相対的に前進させることも可能である。図12Aでは、医療装置10は、外側チューブ4910から拡張し始める。図12Bでは、医療装置10の遠位端部14は外側チューブ4910から拡張する。図12Cでは、医療装置10は、延長部5000がコネクタ4914、例えば外側チューブ4910内のロックおよび解放コネクタ7000によって保持されたままであることを除き、外側チューブ4910から拡張される。図12Dでは、コネクタ4914、例えばロックおよび解放コネクタ7000が、外側チューブ4910から延びて延長部5000を解放し、それによって、フレームを拡張させ、医療装置を完全に配備する。医療装置を循環器系内に配備する間、同様のステップを使用することができ、医療装置は同様に配備され得る。
【0019】
図13図14A図14B、および図14Cは、医療装置10がコネクタ4914、特にロックおよび解放コネクタ7000に連結され得る方法の非限定的な一実施例を示す。図12A図12Dによって示されるように、医療装置10が外側チューブ4910から押し出されると、医療装置は、例示的な一実施形態では自己拡張する。医療装置10の拡張を制御する1つのアプローチは、ステントの少なくとも1つの端部、例えば近位端部12をコネクタ4914、例えばロックおよび解放コネクタ7000に留めることである。このアプローチにより、近位端部を拡張させずに、ステントの遠位端部14をまず拡張させる(図12Bを参照)。次に、外側チューブ/シース4910が後方に移動されるか、または装置10に相対的に後退されると(もしくはステントが外側チューブ4910に相対的に前方に移動されると)、近位端部12は、コネクタ4914、例えばロックおよび解放コネクタ7000から係合解除され、医療装置の近位端部12は拡張することができる(図12Dを参照)。
【0020】
これは、装置10の少なくとも近位端部上に1つまたは複数のアンカーまたは延長部5000を含むことによって、容易となり得る。示された実施例では、1つまたは2つの延長部が含まれている。しかしながら、1つ、2つ、3つ、4つ、5つなどといった、任意の数の延長部5000が含まれ得る。延長部5000および/または延長部のヘッド5636は、広範な異なる形態、形状、サイズなどを採用することができる。延長部5000は、外側チューブ4910内部で、コネクタ4914、例えばロックおよび解放コネクタ7000と係合し得る。延長部5000は、面5600を含み得、30°~60°などの角度β(図14Bを参照)で直線部分5638から離れて延びる側面5640を備えたヘッド5636を含み得る。このようなヘッド5636は、一般的に、示されるように三角形であるか、または別の形状(例えば、丸い、球状、矩形、角錐など)であってよく、例えば、角度をつけて延びる側面5640は、別の形状、例えば丸みを帯びた形状、矩形の形状、角錐形状、または別の形状により、互いに接続され得る。すなわち、ヘッド5636は、三角形でなくても、示された三角形のヘッドと同じように機能し得る。
【0021】
図14Aおよび図14Bを参照すると、角度βで互いから離れて延びる側面5640を有するヘッド5636、例えば三角形のヘッド。図13図14A図14B、および図14Cを参照すると、ヘッド5636は、遠位端部が本体内部で自己拡張する間、ホルダーのT字型凹部5710内に嵌まって医療装置の近位端部12を保持する。コネクタ4914、または、具体的にはロックおよび解放コネクタ7000は、(例えば、外側チューブ/スリーブ4910を後退させることによって、もしくはコネクタ4914を前進させることによって:図12Dを参照)カテーテルから相対的に移動されるまで、送達カテーテル内に留まる。図13を参照すると、カテーテル3600の外側チューブ/スリーブ4910は、コネクタ4914の上に近接して配され得、それによって、ヘッド5636は、外側チューブ/スリーブ4910とコネクタ4914の本体との間で凹部5710内に(または、凹部5710とロックおよび解放組立体のドア7020との間に:図22を参照)捕捉される。この凹部5710内での捕捉により、医療装置が拡張する際に医療装置10の端部が保持される。このように、医療装置10の送達が制御され、少なくとも部分的に配備された装置の再捕捉が可能となる(例えば、図12Aおよび図12Bは、再捕捉され得る、部分的に配備された装置の実施例を示す)。
【0022】
再び図12Dを参照すると、医療装置10の拡張の終わりに、医療装置の遠位端部が既に拡張している場合、コネクタ4914またはロックおよび解放コネクタ7000は、外側スリーブから相対的に移動する。ヘッド5636は次に、自由に半径方向外側に移動し、それぞれの凹部5710(図13を参照)または凹部5710およびドア7020(図24Bを参照)と係合解除される。ヘッド5636は、ドア7020を開かせることができ、かつ/または、ドアは、以下に記載するような他の方法で開かれ得る。本明細書では「ドア」と呼んでいるが、特徴部7020は、ラッチ、ロック、アーム、ヒンジ部分、または他の記述語で呼ばれ得る。
【0023】
一実施形態では、延長部5000はすべて同じ長さである。コネクタが外側チューブ/スリーブ4910から相対的に移動されると、凹部5710は、同時に外側スリーブ4910から相対的に移動される。延長部5000はすべて同じ長さであるので、凹部5710は、ヘッド5636と共にすべて、同時に送達外側スリーブ4910から現れる。したがって、ドッキングステーションのヘッド5636および/またはドア7020は、半径方向外側に移動し、一斉に解放される。
【0024】
図15Aは、経カテーテル植え込み可能装置10のためのロックおよび解放コネクタ7000の一実施形態の斜視図である。ロックおよび解放コネクタ7000は、図12A図12Dに示すような医療装置10を配備するのに使用され得る。例示的な一実施形態では、経カテーテル植え込み可能装置10のためのロックおよび解放コネクタ7000は、本体7010、および本体7010と係合された少なくとも1つのドア7020を含み、ドア7020は、第1の位置から第2の位置に移動可能である。いくつかの例示的な実施形態では、第1の位置は閉鎖位置であってよく、部分閉鎖位置を含むがこれに限定されるものではない。他の例示的な実施形態では、第2の位置は開放位置であってよく、部分開放位置を含むがこれに限定されるものではない。いくつかの例示的な実施形態では、ドア7020は、本体7010と一体であってよい(図示せず)。いくつかの例示的な実施形態では、ドア7020は、本体7010に接続され得る。ロックおよび解放コネクタ7000は、本体7010、および本体7010にヒンジで接続された少なくとも1つのドア7020を含み得る。示された実施形態では、ロックおよび解放コネクタは2つのドア7020を有する。しかしながら、ロックおよび解放コネクタ7000は、任意の数のドアを有し得、1つ、2つ、1つ~2つ、2つ~5つ、3つ~4つ、1つ~6つのドア、または任意の他の数のドアを含むがこれに限定されるものではない。各ドアは、単一の延長部5000を把持/ロック/保持するように構成され得、または1つもしくは複数のドア(例えば、1つもしくは複数のドア7020)は、複数の延長部を把持/ロック/維持するように構成され得る。図15Aは、ドア7020が閉鎖したかつ/または第1の位置にある、ロックおよび解放コネクタ7000の例示的な実施形態を示す。図15Bは、ドア7020が開放したかつ/または第2の位置にある、ロックおよび解放コネクタ7000の斜視図を示す。図16は、ロックおよび解放コネクタ7000の分解組立図である。いくつかの実施形態では、ロックおよび解放コネクタ7000は、ドア7020の少なくとも1つの端部を本体7010に接続する少なくとも1つのファスナ7040をさらに含み得る。本体7010およびドア7020は、ファスナ7040によってヒンジで接続され得る。いくつかの実施形態では、ファスナ7040は、ヒンジピンであってよい。ファスナ7040は、ワイヤ、ねじ、ヒンジ、縫合糸、ひも、ラッチ、ピンなどであってよい。本体7010およびドア7020は、当技術分野で既知の任意のファスナによってヒンジで接続され得る。
【0025】
いくつかの例示的な実施形態では、ドア7020は、閉鎖位置から開放位置まで受動的に移動される。すなわち、いくつかの実施形態では、ロックおよび解放コネクタ7000は、ドア7020を閉鎖位置から開放位置に、または開放位置から閉鎖位置に移動させる、いかなる機構も含まない。例えば、ドア7020は、装置がカテーテルから配備/解放されると、外力、例えば、ステント、ドッキングステーション、または他の医療装置10の拡張の力によって開かれ得る。
【0026】
別の例示的な実施形態では、ロックおよび解放コネクタ7000のドア7020は、ドア7020を、閉鎖状態から開放状態まで、また開放状態から閉鎖状態まで、を含め、第1の位置から第2の位置まで並進運動させる機構を、オプションとして利用し得る。いくつかの例示的な実施形態では、ドアは、第1の位置から第2の位置まで移動するように能動的に制御され得る。例えば、ロックおよび解放コネクタ7000は、ドアを付勢して開くためにドア7020に力を及ぼす、少なくとも1つのばね7050(または類似の機構)をさらに含み得る。他の実施例では、ドア7020は、制御ワイヤによって制御されて、ドア7020を、閉鎖状態から開放状態まで、また開放状態から閉鎖状態まで、を含め、第1の位置から第2の位置まで並進運動させることができる。いくつかの例示的な実施形態では、ドア7020は、形状記憶合金などの形状記憶または疑似弾性材料から作られてよく、これには、銅-アルミニウム-ニッケル合金、およびニッケル-チタン合金が含まれるがこれらに限定されず、その一例としてはニチノールが含まれる。これらの形状記憶材料により、ドア7020は、本体7010に係合するように、部分閉鎖位置を含むがこれに限定されない閉鎖状態へと圧迫され、次に、圧迫力が解除されると(例えば、カテーテルから配備されると)、ドア7020は自己拡張して、その圧迫前の開放状態に戻る。この実施形態では、示されたファスナ7040は省略され得る。例えば、本体7010およびドア7020は、一体的に形成されるか、または互いに固定され得、ドア7020は、閉鎖位置から開放位置まで、を含め、第1の位置から第2の位置まで屈曲し得る。
【0027】
図17A図17Bは、遠位開口部7060を有する外側チューブ4910を有するカテーテル3600の部分図を示す。示された実施形態では、コネクタ4914は、具体的には、本体7010、および本体7010に接続されたドア7020を有する、ロックおよび解放コネクタ7000である。ロックおよび解放コネクタ7000は、植え込み可能医療装置10を、医療装置が(例えば、外側チューブ/スリーブ/シース4910を後退させることによって、もしくはロックおよび解放コネクタ7000を前進させることによって)カテーテル3600または外側チューブ/スリーブ/シース4910から相対的に移動されるまで、送達カテーテル3600内に保持するために使用され得る。
【0028】
いくつかの例示的な実施形態では、ロックおよび解放コネクタ7000は、コネクタ4914(図11Bを参照)に対するのと同じように、内側チューブ4912に接続される。図18A図21Bは、植え込み可能医療装置10の1つまたは複数の延長部5000がロックおよび解放コネクタ7000の本体7010とドア7020との間に設置される、一方法を示す。図18Aを参照すると、外側チューブ4910は、ロックおよび解放コネクタ7000に対して次第に後退され、これにより、ドア7020は開放位置に到達する。あるいは、ロックおよび解放コネクタ7000は、外側チューブ4910に対して次第に前進され、ドア7020を開放したかつ/または第2の位置に到達させることができる。
【0029】
ドア7020は、受動的であり、医療装置の延長部5000によって開かれるか、または、さまざまな能動的機構を用いて、開放したかつ/または第2の位置に到達することができる。受動的な実施形態では、ドアは、外側チューブ4910が後退されるときに、植え込み可能装置または「ステント」自体に蓄積された位置エネルギーの解放により、開かれるか、または第2の位置まで並進運動される。
【0030】
いくつかの実施形態では、ドア7020の静止状態は、開放したかつ/または第2の位置にあり、それによって、ドア7020は、外側チューブ4910が後退されると、受動的に位置を変化させる。いくつかの実施形態では、ドア7020は、(図27に概略的に示された)ドア7020と本体7010との間に設置されたばね7050に蓄積された位置エネルギーを解放することによって、開くか、または第2の位置まで並進運動する。いくつかの実施形態では、ドア7020は、制御ワイヤまたはガイドワイヤ5002によって制御されて、ドア7020を、閉鎖状態から開放状態まで、また開放状態から閉鎖状態まで、を含め、第1の位置から第2の位置まで並進運動させることができる。いくつかの実施形態では、ドア7020は、ニチノールのようなニッケルチタン合金などの形状記憶材料から構成される。これらの形状記憶材料により、ドア7020は、外側チューブ4910の内側に閉じ込められると閉鎖状態に圧迫され、その後、圧迫力が解放されると、ドア7020は自己拡張して、その圧迫前の開放状態に戻る。この実施形態では、ドア7020と本体7010との間の、示された移動可能な接続は、省略され得る。ドアは、本体に固定して取り付けられ、閉鎖位置から開放位置まで屈曲し得る。
【0031】
図18B図20Bに示すように、植え込み可能医療装置10(例えば図9および図11Bを参照)をロックおよび解放コネクタ7000に接続するため、延長部5000は、ロックおよび解放コネクタ7000の本体7010とドア7020との間に置かれる。図18Bに示すように、延長部5000は、ロックおよび解放機構7000と近接させられる。図19Aでは、延長部5000は、互いに向かって圧迫されている。図19Bでは、延長部5000は、ドア7020と本体7010との間の空間内へ移動されている。図20Aは、本体7010内の切り抜き部または凹部5710に設置されている延長部5000を示す。図20Bは、植え込み可能医療装置をロックおよび解放コネクタに接続するように閉鎖されているドア7020を示す。ドア7020は、ドアが、ドアに接続され、かつカテーテル3600を通ってカテーテルの近位端部まで延びる、制御ワイヤ(図示せず)によって制御されると、図20によって示すように閉じられ得る。しかしながら、ドア7020は、単に外側チューブ/スリーブ/シース4910をロックおよび解放コネクタ7000の上で前進させることによって、または、ロックおよび解放装置7000をカテーテルの外側チューブ4910内に後退させることによって、閉じられ得る。すなわち、外側チューブ4910の遠位開口部7060または外側表面は、ロックおよび解放装置がチューブ4910によって覆われるとドアを閉じるようにドア7020に係合する。
【0032】
図21A図21Bに示すように、一旦延長部が設置されると、各延長部5000を切り抜き部または凹部5710内へと所定の場所にロックするように各ドア7020が閉じるまで、外側チューブ4910が前進されて(または、ロックおよび解放装置7000が後退されて)ロックおよび解放コネクタ7000を覆う。図22図23は、ドア7020が延長部を所定の場所にロックさせた閉鎖したかつ/または第1の位置にある、外側チューブ4910の内側のロックおよび解放コネクタ7000を示す切り欠き図である。各延長部5000のヘッド5636は、ロックおよび解放装置7000内のT字型凹部5710の中に嵌まり、医療装置10の近位端部12を保持する。カテーテル3600の外側チューブ/スリーブ4910がロックおよび解放コネクタ7000上に近接して配されると、ヘッド5636は、凹部5710内で、本体7010とドア7020との間に捕捉される。この凹部5710内での捕捉により、医療装置が拡張する際に医療装置10の端部が保持される。このように、医療装置10の送達が制御される。装置10が部分的に配備されると、装置10はまた、外側チューブ/シースを装置10の上で再び前進させるか、または、装置10を外側チューブ/シース内に後退させることによって、再捕捉され得る。
【0033】
図24A図25Bは、ロックおよび解放コネクタ7000の本体7010とドア7020との間からの、植え込み可能医療装置10の延長部5000の解放の例示的な実施形態を示す。図24A図24Bを参照すると、外側チューブ4910は、ロックおよび解放コネクタ7000に対して次第に後退され、これにより、ドア7020は開放したかつ/または第2の位置に到達する。オプションとして、ロックおよび解放コネクタ7000は、外側チューブ4910に対して次第に前進され、ドア7020を開放したかつ/もしくは第2の位置に到達させることができ、または、ロックおよび解放コネクタ7000は、外側チューブ/シースの後退と同時に前進され得る。一旦ドア7020が開くと、延長部5000が解放される。例えば、延長部5000に蓄積された位置エネルギーにより、ドア7020を開き、延長部をドアから外側に拡張させることができる。図25A図25Bを参照すると、外側チューブ4910がロックおよび解放コネクタ7000の上を前進すると、ドア7020は、外側チューブ4910によって、閉鎖したかつ/または第1の位置まで押される。
【0034】
図26A図26Bは、ドア7020が簡略化され、極小化されている、ロックおよび解放コネクタ7000の別の実施形態を示す。この実施例では、ドア7020は、小さく単純な矩形の形状を有する。しかしながら、ドア7020は、t字型、三角形、八角形、正方形、円筒形、または延長部5000をロックおよび解放コネクタ7000内に保持するように適合された任意の他の形状を含むがこれらに限定されない、任意の形状を有し得る。
【0035】
ロックおよび解放コネクタ7000は、部分的な配備後、例えば、外側チューブ4910が医療装置の一部を露出させるが依然としてロックおよび解放コネクタ7000が延長部5000を解放するのを防ぐのに十分に前進されると、医療装置をカテーテル組立体内に回収するか、または後退させるように構成され得る。例えば、植え込み可能医療装置10の長さの30%~90%(または、20%~80%、30%~60%、40%~90%、60%~40%、50%~80%などを含むがこれらに限定されない、30%~90%の任意の範囲)は、ドア7020が依然として植え込み可能医療装置10を保持して植え込み可能医療装置10をチューブ4910内に引き戻すことを可能にする間に、外側チューブ4910から露出され得る。ロックおよび解放コネクタ7000が延長部5000を解放することができない場合、植え込み可能医療装置10は、医療装置の再配備前にカテーテルを再び位置付けるように後退されてカテーテル内に戻り、よって、部分的な配備後に医療装置を回収し、再び位置付けることができる。
【0036】
前述したように、ロックおよび解放コネクタ7000は、広範な異なる医療装置を、広範な異なる適用において制御可能に配備するのに使用され得る。ヒトの心臓Hは、ロックおよび解放コネクタ7000が使用され得る多くの場所のうちの1つである。ロックおよび解放コネクタ7000は、広範な異なる装置を心臓内に配備するのに使用され得る。ヒトの心臓、および着地ゾーン(landing zone)を提供するためのドッキングステーションのいくつかの詳細は、コネクタ7000が使用され得る多くの適用のうちの1つの実施例を提供するよう、以下で説明する。
【0037】
再び図1Aおよび図1Bを参照すると、ヒトの心臓Hは、拡張期および収縮期それぞれにおいて示されている。右心室RVおよび左心室LVは、三尖弁TVおよび僧帽弁MV、すなわち房室弁によって、右心房RAおよび左心房LAからそれぞれ分離されている。さらに、大動脈弁AVは、左心室LVを(識別されていない)上行大動脈から分離し、肺動脈弁PVは、右心室を肺動脈PAから分離する。これらの弁はそれぞれ、一方向の流体閉塞表面を形成するためにフローストリーム(flowstream)が集合するかまたは「接合する」それぞれの孔にわたって内側に延びる、可撓性の弁尖を有する。
【0038】
右心房RAは、脱酸素化血液を、静脈系から上大静脈SVCおよび下大静脈IVCを通じて受け取り、上大静脈SVCは上から右心房に入り、下大静脈IVCは下から右心房に入る。冠静脈洞CSは、心臓の筋肉(心筋)から脱酸素化血液を集めて右心房RAに送達する大きな脈管を形成するように合流する、一群の静脈である。図1Aで見られる拡張期、または心拡張期中、右心房RAに集まる静脈血は、右心室RVが拡張すると三尖弁TVを通過する。図1Bに見られる収縮期、または心収縮期では、右心室RVが収縮して、静脈血を肺動脈弁PVおよび肺動脈に通して肺に入れる。心収縮期中、三尖弁TVの弁尖は閉じて、静脈血が右心房RA内に逆流するのを防ぐ。
【0039】
前述したように、ロックおよび解放コネクタは、広範な異なる植え込み可能医療装置を保持し解放するのに使用され得る。図2A図2Bを参照すると、例示的な一実施形態では、植え込み可能医療装置10は、1つまたは複数のシール部分410、弁座18、および1つまたは複数の保持部分414を含む、拡張可能なドッキングステーションとして描かれている。シール部分410は、医療装置10と循環器系の内部表面416との間にシールを提供する。弁座18は支持表面を提供し、これは、装置10に弁を装着するか、または装置/ドッキングステーションが循環器系に植え込まれた後で(ドッキングステーションとして構成された)装置10に弁(例えば、THV)を植え込むか、もしくは配備するために使用され得る。保持部分414は、医療装置10(例えば、ドッキングステーション)および弁を、循環器系内の植え込み位置または配備部位に保持するのを助けることができる。本明細書中のさまざまな実施形態において説明または図示されるような、拡張可能なドッキングステーションはまた、さまざまなドッキングステーション、弁、および/または既知であるか、もしくは開発され得る他の医療装置10を代表する。
【0040】
図2A図2Bは、医療装置10の例示的な配備を概略的に示す。いくつかの例示的な実施形態では、医療装置は、圧迫された形態/構成にあり、循環器系内の配備部位に導入される。例えば、医療装置10は、カテーテル(例えば、図12A図12Dに示すようなカテーテル3600)によって肺動脈内の配備部位に位置付けられ得る。図2Bを参照すると、医療装置10は、シール部分410および保持部分414が循環器系の一部の内側表面416に係合するように、循環器系内で拡張される。
【0041】
医療装置は、高可撓性金属、金属合金、またはポリマーから作られ得る。使用され得る金属および金属合金の例としては、ニチノール、エルジロイ、およびステンレス鋼が含まれるがこれらに限定されず、他の金属および高度に弾性のまたは柔軟な非金属材料が使用され得る。例えば、医療装置10は、これらの材料で、例えばニチノールなどの形状記憶材料から作られたフレームまたはフレームの一部(例えば、自己拡張型フレーム、保持部分、シール部分、弁座など)を有し得る。これらの材料により、フレームは小さなサイズに圧迫され、その後、圧迫力が解除されると、フレームは自己拡張して、その圧迫前の直径に戻る。
【0042】
図3を参照すると、医療装置10が図示されており、例えば、保持部分414のうちの1つまたは複数を肺動脈PAの領域内へと半径方向外側に拡張させることによって、肺動脈PAに保持されている。例えば、保持部分414は、肺の分岐部210および/または右心室への肺動脈の開口部212内へと半径方向外側に延びるように構成され得る。
【0043】
図4図8は、植え込み可能医療装置10(例えば、ドッキングステーション、ステント、ステント-グラフト、THVなど)のフレーム1500または本体の例示的な実施形態を示す。フレーム1500または本体は、広範な異なる形態をとることができ、図4図5図6図7、および図8は、多くの可能な構成のうちただ1つを示している。装置10は、比較的幅広い近位流入端部12および遠位流出端部14、ならびに端部12、14間に(例えば、弁を内部に装着する/取り付けるか、またはドッキングするのに使用され得る)座部18を形成する比較的狭い部分16を有する。図4図5図7、および図8によって示す実施例では、装置10のフレーム1500は、セル1504を形成する複数の金属ストラット1502で構成されるステントとして描かれている。図4図5、および図7図10の実施例では、フレーム1500は、弁座18を形成し、かつ外被/材料21によって覆われる、狭い部分16を、近位端部12と遠位端部14との間に有する、概ね砂時計の形状を有する。
【0044】
図4図5図7、および図8は、拘束されていない、拡張した状態/構成にある、フレーム1500を示す。この例示的な実施形態では、保持部分414は、近位端部12および遠位端部14に金属ストラット1502の端部1510を含む。シール部分410は、保持部分414とくびれ部16との間に示されている。拘束されていない状態では、保持部分414は、概して半径方向外側に延び、シール部分410の半径方向外側にある。図6は、カテーテルによる送達および拡張のために圧迫状態にあるフレーム1500を示す。装置10は、解剖学的構造の大きな変動に適応するように非常に弾性であるかまたは柔軟な材料から作られ得る。例えば、ドッキングステーションは、高可撓性金属、金属合金、および/またはポリマーから作られ得る。高弾性金属の例はニチノールであるが、他の金属および高度に弾性のまたは柔軟な非金属材料が使用され得る。装置10は、自己拡張可能、手動で拡張可能(例えば、バルーンを用いて拡張可能)、機械的に拡張可能、またはこれらの組合せであってよい。
【0045】
図9図9A、および図9Bは、フレーム1500に取り付けられた外被/材料21(例えば、不透過性または半透過性材料)を備えたフレーム1500を示す。バンド20が、くびれ部もしくは狭い部分16の周りに延び得るか、または、拡張不可能なもしくは実質的に拡張不可能な弁座18を形成するようにくびれ部と一体であってよい。バンド20は、くびれ部を硬化させ得、ドッキングステーションが配備および拡張されるにつれて一旦配備されると、配備された構成においてくびれ部/弁座を拡張不可能または相対的に拡張不可能にすることができる。
【0046】
図10は、コネクタ4914、例えばロックおよび解放コネクタ7000を用いて循環器系(例えば、肺動脈、IVC、SVC、大動脈など)に植え込まれた後の、図9の植え込み可能装置10を示す。シール部分410は、装置10と循環器系内の内部表面416との間にシールを提供する。シール部分410は、外被/材料21、およびフレーム1500の下方の、丸みを帯びた、半径方向外側に延びる部分2000を含み得、不透過性または実質的に不透過性の部分1404を形成し得る。一実施形態では、これにより、血流を弁座18(および弁座に一旦設置または配備された弁)に向ける。一実施形態では、血液は、シール部分410に到達するまで、装置10と表面416との間を流れる、すなわち領域2100に出入りして流れることができる。オプションの透過性部分1400により、血液は、矢印2132で示すように領域2130を出入りして流れることができる。
【0047】
図9図9A、および図9Bを参照すると、フレーム1500は、さまざまな延長部5000のうちの1つまたは複数を含み得る。説明したように、フレーム1500は、1つまたは複数の延長部5000を含み得、これは、保持部分414の残りの部分より長くてよく、また、コネクタ4914によって保持され得、例えば、これは、外側チューブ4910内のロックおよび解放コネクタ7000であってよい。延長部5000は、少なくとも1つの延長部5000(例えば、延長部全体または延長部の一部、例えばヘッド5636)がコネクタ4914によって保持され得るように、設計される。一実施形態では、延長部(例えば、延長部全体またはその一部)は、T字型凹部5710とロックおよび解放コネクタ7000のドア7020との間に解放可能に保持される。延長部5000により、フレーム1500の位置は、フレーム1500のすべてもしくは実質的にすべて(例えば、90%以上)が外側チューブ4910の遠位開口部7060を越えて遠位に移動された後、および/またはフレーム1500が実質的にもしくは完全に半径方向外側に拡張した後で、維持されるか、または別様に制御される。
【0048】
図9に示すように、フレーム1500は、フレーム1500の一端部、例えば近位端部12から延びる2つの延長部5000を含み得る。延長部5000は、実質的に同じ長さであってよく、それによって、各延長部5000のヘッド5636は、フレーム1500の残りの部分から実質的に同じ距離である。このような構成では、延長部5000は、以下で説明するように、実質的に同時に、コネクタ4914、例えばロックおよび解放コネクタ7000から解放され得る。延長部5000は、任意の構成においてフレーム1500の近位端部12の周囲で半径方向に離間され得る。示された実施形態では、延長部5000は、実質的にフレーム1500の両側に配される。しかしながら、延長部5000は、他の構成で配され得る。例えば、任意の数の等しく離間した延長部、任意の数の不均等に離間した延長部があってよく、かつ/または、延長部5000は、隣接するストラット1502から延びることができる。
【0049】
図9Aに示すように、フレーム1500は、フレーム1500の一端部、例えば近位端部12から延びる、1つまたは複数の第1の延長部5000aおよび1つまたは複数の第2の延長部5000bを含み得る。第1の延長部5000aおよび第2の延長部5000bは、オプションの追加の保持部分414の残りの部分より長く、コネクタ4914、例えば外側チューブ4910内のロックおよび解放コネクタ7000によって保持され得る。第1の延長部5000aおよび第2の延長部5000bは、実質的に図9の延長部5000と同様であってよく、しかしながら、第1の延長部5000aおよび第2の延長部5000bの長さは、互いに異なっていてもよい。例えば、第2の延長部5000bは、第1の延長部5000aより長くてよい。第1の延長部5000aは、図9の延長部5000と同じ長さであってよい。しかしながら、第1の延長部5000aは、図9の延長部5000より短いか、または長くてよい。このような構成では、第1の延長部5000aは、コネクタ4914、例えばロックおよび解放コネクタ7000から解放され得、一方、第2の延長部5000bは、以下で詳細に説明するように、依然としてコネクタ4914によって保持されている。第1の延長部5000aおよび第2の延長部5000bは、任意の構成において、フレーム1500の近位端部12の周囲で遠位に離間され得る。示された実施形態では、第1の延長部5000aおよび第2の延長部5000bは、実質的にフレーム1500の両側に配される。しかしながら、第1の延長部5000aおよび第2の延長部5000bは、他の構成で配され得る。例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または任意の数の第1の延長部5000aと、1つの第2の延長部5000bと、があってよい。例えば、任意の数の等しく離間した延長部5000a、任意の数の不均等に離間した延長部5000bがあってよく、かつ/または、延長部5000aおよび/もしくは5000bは、隣接するストラット1502から延び得る。さまざまな延長部は、さまざまな構成においてフレームの周辺で半径方向に離間され得る。
【0050】
図9Bに示すように、フレーム1500は、フレーム1500の一端部、例えば近位端部12から延びる、単一の延長部5000を含み得る。延長部5000は任意のサイズであってよく、延長部5000は、フレーム1500の残りの部分を越えて近位に延びることができ、延長部5000は、コネクタ4914、例えば外側チューブ4910内のロックおよび解放コネクタ7000によって保持され得る。延長部5000は、図9の延長部5000と実質的に同様であってよい。
【0051】
フレーム1500は1つまたは2つの延長部5000を有するものとして説明されているが、任意の数の延長部5000が含まれ得る。例えば、フレーム1500は、1つ、2つ、1つ~2つ、2つ~5つ、3つ~4つ、1つ~6つの延長部、または任意の他の数の延長部を含み得るが、これらに限定されない。
【0052】
図28Aおよび図28Bは、使用され得る延長部のいくつかの実施例を示す。1つもしくは複数の延長部5000、または1つもしくは複数の第1の延長部5000aもしくは第2の延長部5000bは、さまざまな形態をとり得る。例えば、図28Aに示すように、延長部5000は、ばね様であってよい(他のばね様構成も可能であり、例えば、コイル状である)。ばね様の第2の延長部5000を含むことにより、フレーム1500が外側チューブ4910の遠位開口部7060から遠位に移動するときに半径方向に拡張すると、フレーム1500が外側チューブ4910から滑らかに延びることができる。図28Bに示すように、第2の延長部5000は、ロッド様であり、図28Aの延長部より硬くてよい。ロッド様の延長部5000を含むことにより、フレーム1500が外側チューブ4910から遠位に移動するときに半径方向に拡張すると、フレーム1500が位置付けられるか、または別様に移動され得る。しかしながら、1つまたは複数の第2の延長部5000は、他の形態をとることもできる。例えば、延長部5000は、湾曲しているか、ねじれているか、曲がっているか、コイル状であるか、または、外側チューブ4910からのフレーム1500の所望の配備および/または制御に従って別様に成形されてもよい。
【0053】
次に図14A図16および図29A図30Eを見ると、コネクタ本体4914、例えばロックおよび解放コネクタ7000のコネクタ本体は、さまざまな形態をとることができる。形態の多少の多様性は、フレーム1500の近位端部12に基づいてよい。例えば、コネクタ本体4914は、1つの凹部5710(例えば、T字型凹部)(図29A図29C)を有して1つの延長部5000を保持することができ、または、複数の凹部を含んで複数の延長部を保持することができる(例えば、フレーム1500の遠位端部が拡張する間に2つの延長部5000を保持する2つのT字型凹部5710)。各凹部5710は、前述したように、コネクタ本体4914に接続された(例えば、ヒンジで接続された、柔軟に接続された、などの)ドア7020を含み、対応する延長部5000のヘッド5636を受容することができる。凹部5710およびドア7020は、フレーム1500の延長部5000の数、形状、間隔、およびサイズに対応し得る。オプションとして、1つまたは複数のファスナ7040(図16を参照)が、ドア7020をコネクタ本体4914に接続するのに使用され得る。いくつかの実施形態では、ファスナ7040はヒンジピンであってよい。ファスナは、ワイヤ、ねじ、ヒンジ、縫合糸、ひも、ピンなどであってよい。本体7010およびドア7020は、当技術分野で既知の任意のファスナによってヒンジで接続されるか、または柔軟に取り付けられ得る。
【0054】
コネクタ4914、例えばロックおよび解放コネクタ7000は、ドア7020に力を及ぼしてドアを付勢して開くことができる機構(例えば、1つもしくは複数のばね7050または同様の機構)をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、ドア7020は、1つまたは複数の制御ワイヤによって制御されて、ドア7020を、閉鎖状態から開放状態まで、また開放状態から閉鎖状態まで、を含め、第1の位置から第2の位置まで並進運動させることができる。いくつかの実施形態では、ドア7020は、形状記憶または疑似弾性材料、例えば形状記憶合金から作られ得、それには、銅-アルミニウム-ニッケル合金、およびニッケル-チタン合金が含まれるがこれらに限定されず、その一例としてはニチノールが含まれる。形状記憶材料または超弾性材料により、ドア7020は、部分閉鎖位置を含むがこれに限定されない、閉鎖状態へと圧迫されて、本体7010に係合することができ、その後、圧迫力が解除されると(例えば、カテーテルから配備されると)、ドア7020は、自己拡張して、その圧迫前の開放状態に戻る。この実施形態では、ファスナ7040が省略され得る。例えば、本体7010およびドア7020は、一体的に形成されるか、または互いに固定され得、ドア7020は、閉鎖位置から開放位置までを含め、第1の位置から第2の位置に屈曲し得る。
【0055】
図29A図29Eを見ると、コネクタ4914は、凹部5710(例えば、1つのT字型凹部、または別のタイプの形状の凹部)を含んで、細長い延長部5000のヘッド5636、例えば図9Bの単一の細長い延長部5000を受容し得る。凹部5710の長さは、細長い延長部5000の長さに対応することができ、図14A図16の凹部5710より長くてよい。凹部5710の十字部分は、コネクタ4914の遠位端部から離れていてよく、それによって、ドア7020は、コネクタ本体4914がカテーテルからさらに移動されるまで、開放したかつ/または第2の位置まで移動しない。凹部5710(例えば、T字型凹部)がコネクタ本体4914上でさらに後方へ遠位に配されるので、コネクタ組立体7000は、外側チューブ/シース4910が後方に移動されるか、または装置10に相対的に後退される際に(もしくは、ステントが外側チューブ4910に相対的に前方に移動されると)、図14A図16のコネクタより長くフレーム1500の延長部5000を保持することができる。
【0056】
ドア7020は、さまざまな異なるサイズおよび形状を有し得る。ドア7020は、ドア7020の端部がコネクタ本体4914(図29D)の端部に到達しないように、より短くすることができ、または、ドア7020は、ドア7020の端部がコネクタ本体4914(図29E)の端部と整列するか、もしくはこれを越えて延びるように、より長くすることができる。図29Dに示すように、より短いドア7020は、細長い延長部5000のヘッド5636を保持することができ、延長部5000の残りの部分は自由である。より短いドア7020により、細長い延長部5000は、ドア7020を開き、フレーム1500を解放する前に、屈曲するか、または別様にさらに調節することができる。これにより、フレーム1500は、フレーム1500が外側チューブ4910の遠位開口部7060を越えて遠位に移動されるときに、さらにスムーズに半径方向に拡張することができる。図29Eに示すように、細長いドア7020は、コネクタ本体の端部と整列され、ヘッド5636、および細長い延長部5000のかなりの部分を保持することができる。細長いドア7020は、ドア7020を開き、フレーム1500を解放する前に、延長部5000の位置に対するさらなる制御を可能にする。これにより、フレーム1500の位置は、フレーム1500が外側チューブ4910の遠位開口部7060を越えて遠位に移動されるときに、より容易に維持されるか、または別様に制御される。これらの構成のいずれにおいても、フレーム1500の細長い延長部5000は、フレーム1500が外側チューブ4910から実質的に配備され、実質的にまたは完全に半径方向外側に拡張された後で、ドア7020によって保持され得る。
【0057】
図30A図30Eを見ると、コネクタ本体4914は、第1の凹部5710a(例えば、第1のT字型凹部または他の形状)、および第2の凹部5710b(例えば、第2のT字型凹部または他の形状)を含んで、2つの異なる長さの延長部5000a、5000bのヘッド5636(例えば、図9Bの2つのヘッド)を受容し得る。第1の凹部5710aおよび第2の凹部5710bは、フレーム1500の延長部5000a、5000bに対応して任意の様式でコネクタ本体4914上に配され得る。示された実施形態では、第1の凹部5710aおよび第2の凹部5710bは、コネクタ本体4914の実質的に両側に配される。しかしながら、第1の凹部5710aおよび第2の凹部5710bは、他の配列で配されてもよい。例えば、第1の凹部5710aおよび第2の凹部5710bは、フレーム1500の隣接するストラット1502上に配された延長部1500に対応するように隣接して配され得る。第1の凹部5710aは、対応する第1のドア7020aによって覆われ得、第2の凹部5710bは、前述した任意の様式で、コネクタ本体4914、例えばロックおよび解放コネクタ7000にヒンジで接続された、対応する第2のドア7020bによって覆われ得る。
【0058】
第1の凹部5710aは、細長い延長部5000、例えば図9Aの細長い第2の延長部5000bの、ヘッド5636を受容するように細長くてよい。図29A図29Cの凹部5710と同じように、図示のT字型の実施形態では、第1の凹部5710aの十字部分は、コネクタ本体4914の遠位端部から離れて近位に配され得、それによって、第1のドア7020aのピボット接続部は、コネクタ本体4914上でさらに後方に配される。第1のドア7020aのピボット接続部がコネクタ本体4914上でさらに後方に配されるので、第1のドア7020aは、外側チューブ/シース4910が後方に移動されるか、または装置10に相対的に後退される際に(もしくは、ステントが外側チューブ4910に相対的に前方に移動されると)図14A図16のコネクタより長くフレーム1500の延長部5000を保持することができる。図29Dおよび図29Eのドア7020と同じように、第1のドア7020aは、細長いか、または短くされてよい。
【0059】
第2の凹部5710bは、図14A図16の凹部5710と同じようなサイズにされて、図9Aの、より短い延長部5000aのヘッド5636を受容し得る。図示のT字型の実施形態では、第2の凹部5710bの十字部分、およびドアのピボット接続部は、第1の凹部5710aおよび第1のドアのピボット接続部よりもコネクタ本体4914の遠位端部に近位に近接して配される。第2のドア7020bのピボット接続部がコネクタ本体4914の遠位端部に近接して配されるので、第2のドア7020bは、外側チューブ/シース4910が後方に移動されるか、または装置10に相対的に後退される際に(もしくは、ステントが外側チューブ4910に相対的に前方に移動されると)第1のドア7020aより早くフレーム1500の延長部5000aを解放し得る。
【0060】
使用中、フレーム1500の1つの細長い延長部5000bは、第1のドア7020aによって第1の凹部5710a内に保持され得、フレーム1500の1つのより短い延長部5000aは、第2のドア7020bによって第2の凹部5710b内に保持され得る。外側チューブ/シース4910が後方に移動されるか、または装置10に相対的に後退される際に(もしくは、ステントが外側チューブ4910に相対的に前方に移動されると)、第2のドア7020bは、外側チューブ4910の遠位開口部7060を通って移動し、保持された延長部5000aを解放し、細長い延長部5000bは、第1のドア7020aによって第1の凹部5710a内に保持される。細長い延長部5000bが第1の凹部5710a内に保持されている間、フレーム1500の位置は、維持されるか、または別様に制御され得る。一旦フレーム1500が所望の位置で半径方向に拡張されると、外側チューブ/シース4910は、後方に移動されるか、または装置10に相対的に後退され得(もしくは、ステントが外側チューブ4910に相対的に前方に移動され得)、それによって、第1のドア7020aは、外側チューブ4910の遠位開口部7060を越えて遠位に移動され、それによって、細長い延長部5000bを解放する。延長部5000a、5000bを連続して解放することにより、フレーム1500は、フレーム1500が外側チューブ4910の遠位開口部7060を越えて遠位に移動されると、よりスムーズに半径方向に拡張することができ、また、フレーム1500の位置は、フレーム1500が外側チューブ4910の遠位開口部7060を越えて遠位に移動されると、さらに容易に維持されるか、または別様に制御されることが可能となる。
【0061】
自己拡張可能なフレーム上にただ1つの延長部またはただ1つの細長い延長部を有することは、フレームがカテーテルの遠位端部から飛び出し、配置を混乱させるのを防ぐのに役立つように作用する。フレームの近位端部が送達カテーテルの遠位開口部に近づくと、力が、フレームの近位端部とカテーテルの遠位開口部との間で高まり得、この力は、フレームをカテーテルから前方に飛び出させることができる。複数の延長部をフレームの最近位端部に有することにより、延長部が互いに対して作用し、カテーテルの遠位端部に対する相反する力を作り出し得るので、飛び出しの可能性をより高め得る。仮にフレームがただ1つの細長い延長部(例えば、追加のより短い延長部の有無にかかわらず)またはただ1つの延長部を有する場合、フレームは、ただ1つの延長部によって保持される間に十分に拡張することができ、次に、この1つの残っている延長部は、飛び出しを引き起こさずにフレームを解放し得る。
【0062】
開示される発明の原理が適用され得る、多くの可能な実施形態に鑑みると、示される実施形態は単に本発明の好適な実施例であり本発明の範囲を限定するものとして理解すべきではないことを、認識されたい。前述した例示的な実施形態の特徴のすべての組合せおよび部分的組合せが、本出願によって企図される。同様に、前述した実施例のステップ/方法のすべての組合せおよび部分的組合せも企図され、記載されるステップは、さまざまな方法および順序で組み合わせられ得る。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定められる。したがって、これらの特許請求の範囲の趣旨および範囲に含まれるものをすべて本発明として主張する。
【符号の説明】
【0063】
10 植え込み可能医療装置
12 近位流入端部
14 遠位流出端部
16 狭い部分
18 弁座
21 外被/材料
28 ノーズコーン
212 開口部
410 シール部分
414 保持部分
416 内部表面
1400 透過性部分
1404 不透過性の部分
1500 フレーム
1502 金属ストラット
1504 セル
1510 端部
2000 半径方向外側に延びる部分
2100 領域
2130 領域
3600 カテーテル
4910 外側チューブ
4912 内側チューブ
4914 コネクタ
4916 接続チューブ
5000 延長部
5000a 第1の延長部
5000b 第2の延長部
6390 ガイドワイヤ管腔
5002 ガイドワイヤ
5600 面
5636 ヘッド
5638 直線部分
5640 側面
5710 T字型凹部
5710a 第1の凹部
5710b 第2の凹部
7000 ロックおよび解放コネクタ
7010 本体
7020 ドア
7020a 第1のドア
7020b 第2のドア
7040 ファスナ
7050 ばね
7060 遠位開口部
H 心臓
RV 右心室
LV 左心室
TV 三尖弁
MV 僧帽弁
RA 右心房
LA 左心房
AV 大動脈弁
PV 肺動脈弁
PA 肺動脈
SVC 上大静脈
IVC 下大静脈
CS 冠静脈洞
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図16
図17A
図17B
図18A
図18B
図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B
図22
図23
図24A
図24B
図25A
図25B
図26A
図26B
図27
図28A
図28B
図29A
図29B
図29C
図29D
図29E
図30A
図30B
図30C
図30D
図30E
【外国語明細書】