IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ リヴ グループ インコーポレイテッドの特許一覧

特開2023-76685サプリメントの吸収向上のための組成物
<>
  • 特開-サプリメントの吸収向上のための組成物 図1
  • 特開-サプリメントの吸収向上のための組成物 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076685
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】サプリメントの吸収向上のための組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/08 20060101AFI20230525BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 31/198 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 36/84 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 36/185 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 31/4045 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 31/405 20060101ALI20230525BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20230525BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
A61K9/08
A61P25/20
A61K31/198
A61K36/84
A61K36/185
A61K47/02
A61K47/12
A61K47/26
A61K31/4045
A61K31/405
A23L33/10
A23L2/00 F
A23L2/52
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023062231
(22)【出願日】2023-04-06
(62)【分割の表示】P 2020513488の分割
【原出願日】2018-05-11
(31)【優先権主張番号】15/925,644
(32)【優先日】2018-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/607,844
(32)【優先日】2017-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/505,800
(32)【優先日】2017-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519402317
【氏名又は名称】ザ リヴ グループ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】THE LIV GROUP INC.
【住所又は居所原語表記】777 Aviation Blvd. Suite 105, El Segundo, CA 90245 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブランディン ベソア コーエン
(72)【発明者】
【氏名】ハイデン アンドリュー フルストーン
(57)【要約】
【課題】サプリメントの生物学的利用能を向上させる手段、および、それらの効果をより迅速に感じることを可能にするための手段の提供。
【解決手段】第1の吸収速度および第1の吸収量を有する少なくとも1種の標的サプリメントと、少なくとも1種の補水調合物とを含む組成物であって、少なくとも1種の標的サプリメントが組成物の一部として摂取される場合に、少なくとも1種の標的サプリメントは、第1の吸収速度よりも大きい第2の吸収速度、または第1の吸収量よりも大きい第2の吸収量の少なくとも一方を有する組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の吸収速度および第1の吸収量を有する少なくとも1種の標的サプリメントと、
少なくとも1種の補水調合物と
を含む組成物であって、前記少なくとも1種の標的サプリメントが前記組成物の一部として摂取される場合に、前記少なくとも1種の標的サプリメントは、第1の吸収速度よりも大きい第2の吸収速度、または第1の吸収量よりも大きい第2の吸収量の少なくとも一方を有する組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種の標的サプリメントが対象者の症状を標的とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記症状が、不眠症であり、前記少なくとも1種の標的サプリメントがメラトニン、L-テアニン、カノコソウの根、5-ヒドロキシトリプトファン、またはトケイソウの少なくとも1種を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
第2の吸収速度は、第1の吸収速度よりも2倍から6倍速い、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1種の補水調合物は、少なくとも、
1リットルの溶媒あたり約9.0gから約12.6gのグルコースと、
1リットルの溶媒あたり約12.9gから約14.8gのスクロースと、
1リットルの溶媒あたり約2.0gから約2.3gの塩化ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.98gから約1.5gのクエン酸ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約1.4gから約1.6gのクエン酸カリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.50gから約0.65gのリン酸二カリウムと
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1種の補水調合物は、少なくとも、
1リットルの溶媒あたり約9.0gから約10.8gのグルコースと、
1リットルの溶媒あたり約12.6gから約15.7gのスクロースと、
1リットルの溶媒あたり約2.2gから約2.5gの塩化ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.68gから約1.3gのクエン酸ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約1.4gから約1.6gのクエン酸カリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.50gから約0.65gのリン酸二カリウムと
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物中のナトリウムの浸透圧モル濃度は少なくとも50mmol/Lであり、グルコースの浸透圧モル濃度は少なくとも50mmol/Lである、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1種の補水調合物は、少なくとも、
1リットルの溶媒あたり約14.0gから約15.6gのデキストロースと、
1リットルの溶媒あたり約2.1gから約2.5gの塩化ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約2.30gから約2.76gのクエン酸ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約1.28gから約1.88gの塩化カリウムと
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物は、約200mmol/Lから約310mmol/Lの総浸透圧モル濃度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物は、約255mmol/Lから約275mmol/Lの総浸透圧モル濃度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
組成物を製造する方法であって、
前記方法は、少なくとも1種の補水調合物と少なくとも1種の標的サプリメントとを混合する工程を含み、
前記少なくとも1種の標的サプリメントは、第1の吸収速度および第1の吸収量を有し、
前記少なくとも1種の標的サプリメントが前記組成物の一部として摂取される場合に、前記少なくとも1種の標的サプリメントは、第1の吸収速度よりも大きい第2の吸収速度、または第1の吸収量よりも大きい第2の吸収量の少なくとも一方を有する
方法。
【請求項12】
前記少なくとも1種の標的サプリメントが対象者の症状を標的とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記症状が、不眠症であり、前記少なくとも1種の標的サプリメントがメラトニン、5-ヒドロキシトリプトファン、カノコソウの根、L-テアニン、またはトケイソウの少なくとも1種を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1種の補水調合物は、少なくとも、
1リットルの溶媒あたり約9.0gから約12.6gのグルコースと、
1リットルの溶媒あたり約12.9gから約14.8gのスクロースと、
1リットルの溶媒あたり約2.0gから約2.3gの塩化ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.98gから約1.5gのクエン酸ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約1.4gから約1.6gのクエン酸カリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.50gから約0.65gのリン酸二カリウムと
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1種の補水調合物は、少なくとも、
1リットルの溶媒あたり約9.0gから約10.8gのグルコースと、
1リットルの溶媒あたり約12.6gから約15.7gのスクロースと、
1リットルの溶媒あたり約2.2gから約2.5gの塩化ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.68gから約1.3gのクエン酸ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約1.4gから約1.6gのクエン酸カリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.50gから約0.65gのリン酸二カリウムと
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1種の補水調合物は、少なくとも、
1リットルの溶媒あたり約14.0gから約15.6gのデキストロースと、
1リットルの溶媒あたり約2.1gから約2.5gの塩化ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約2.30gから約2.76gのクエン酸ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約1.28gから約1.88gの塩化カリウムと
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
必要のある対象者に標的サプリメントを経口的に送達する方法であって、
前記方法は、前記対象者に対して組成物を投与する工程を含み、
前記組成物は、第1の吸収速度および第1の吸収量を有する少なくとも1種の標的サプリメントと、少なくとも1種の補水調合物とを含み、
前記少なくとも1種の標的サプリメントが前記組成物の一部として摂取される場合に、前記少なくとも1種の標的サプリメントは、第1の吸収速度よりも大きい第2の吸収速度、または第1の吸収量よりも大きい第2の吸収量の少なくとも一方を有する
方法。
【請求項18】
前記少なくとも1種の標的サプリメントが対象者の症状を標的とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記症状が、不眠症であり、前記少なくとも1種の標的サプリメントがメラトニン、5-ヒドロキシトリプトファン、カノコソウの根、L-テアニン、またはトケイソウの少なくとも1種を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1種の補水調合物は、少なくとも、
1リットルの溶媒あたり約9.0gから約12.6gのグルコースと、
1リットルの溶媒あたり約12.9gから約14.8gのスクロースと、
1リットルの溶媒あたり約2.0gから約2.3gの塩化ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.98gから約1.5gのクエン酸ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約1.4gから約1.6gのクエン酸カリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.50gから約0.65gのリン酸二カリウムと
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1種の補水調合物は、少なくとも、
1リットルの溶媒あたり約9.0gから約10.8gのグルコースと、
1リットルの溶媒あたり約12.6gから約15.7gのスクロースと、
1リットルの溶媒あたり約2.2gから約2.5gの塩化ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.68gから約1.3gのクエン酸ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約1.4gから約1.6gのクエン酸カリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.50gから約0.65gのリン酸二カリウムと
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1種の補水調合物は、少なくとも、
1リットルの溶媒あたり約14.0gから約15.6gのデキストロースと、
1リットルの溶媒あたり約2.1gから約2.5gの塩化ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約2.30gから約2.76gのクエン酸ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約1.28gから約1.88gの塩化カリウムと
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
第1の生物学的利用能の値を有する少なくとも1種の標的サプリメントと、
少なくとも1種の補水調合物と
を含む組成物であって、
前記標的サプリメントが前記組成物の一部として摂取される場合に、前記少なくとも1種の標的サプリメントは、第1の生物学的利用能の値よりも大きい第2の生物学的利用能の値を有する
組成物。
【請求項24】
前記第1の生物学的利用能の値および前記第2の生物学的利用能の値は、少なくとも前記標的サプリメントの吸収速度に基づくものであるか、または、前記第1の生物学的利用能の値および前記第2の生物学的利用能の値は、少なくとも前記標的サプリメントの吸収量に基づくものであるかの少なくとも一方である、請求項23に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本願は、2017年12月19日に出願した米国特許仮出願第62/607,844号および2017年5月12日に出願した米国特許仮出願第62/607,844号の優先権を主張する、2018年3月19日に出願した米国特許出願第15/925,644号の優先権を主張し、これら文献の全内容は参照により本明細書の一部をなすものとする。
【0002】
一般市販薬の形態において飲用または食用できる広範な種類のサプリメントが存在する。これらサプリメントは、様々な目的を達成する試みにおいて用いられる。たとえば、人間は、就寝、栄養補給の補助、活力の増大の提供などの試みにおいて、サプリメントを用いることができる。
【0003】
典型的には、それらサプリメントは経口的に摂取される。ビタミンおよびミネラルのようなサプリメントの吸収は消化管の任意の部位で起きる可能性があるが、小腸は、そのような吸収が発生する消化管の主要部位である。栄養素は、拡散プロセスを介して、小腸において血流中へと吸収される。
【0004】
よって、口から摂取したサプリメントは、消化管の主要部位まで移動しなければならず、次いで肉体によって吸収されなければならない。したがって、サプリメントの効果を感じるまでに長時間かかる可能性がある。この遅延は、欲求不満、サプリメントを摂取するための推奨事項への不服従、および/またはより迅速に効果を感じることを期待した推奨服用量以上の摂取などの難点を引き起こすおそれがある。
【0005】
したがって、サプリメントの生物学的利用能を向上させる手段、および、それらの効果をより迅速に感じることを可能にするための手段に関する要求が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本概要は、以下の詳細な説明にさらに記載される概念の選択を簡略化した形態で導入するために提供される。本概要は、特許請求主題の重要または本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求主題の範囲を決定するための補助として用いられることを意図するものでもない。
【0007】
本開示は、組成物、組成物を製造する方法、および組成物を使用する方法を記載する。1つの実施形態において、組成物は、少なくとも1種の補水調合物と、対象者の症状を標的とする少なくとも1種の標的サプリメントとを含むが、それに限定されるものではなく、当該組成物とは別個に標的サプリメントが摂取された場合よりも、当該組成物の一部としてその必要性のある対象者に摂取された場合に、標的サプリメントが向上した生物学的利用能を有する。
【0008】
以下の詳細な説明は、添付の図面に示される非限定的かつ非網羅的な実施形態を参照しつつ記載される。図面において、参照符号の最左側の数字は、当該参照符号が最初に出現する図面を特定する。別個の図面の同一の参照符号は、同様または同一の事項を指示する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本明細書に記載される、組成物を製造する例示的方法の流れ図である。
図2】本明細書に記載される、組成物を使用する例示的方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(概説)
以下の記載は、添付の特許請求の範囲に記載される構成要素を包含する標的サプリメントの吸収を増大させる組成物、および当該組成物を製造および使用する関連方法の具体的実施形態を記載する。法定要件を満たすために、実施形態は、具体性を持って記載される。しかしながら、記載そのものは、本特許の範囲を限定することを意図するものではない。むしろ、本発明者らは、別の現存または将来の技術と連携して、特許請求発明が別の方法で実施されてもよいこと、異なる構成要素を含むこと、または本文書に記載されるものと同様の構成要素の組み合わせを含むことを意図する。
【0011】
前述のように、本開示は、組成物、組成物を製造する方法、および組成物を使用する方法を記載する。組成物は、一般的に、少なくとも1種の補水調合物と、対象者の症状を標的とする少なくとも1種の標的サプリメントとを含み、当該組成物とは別個に標的サプリメントが摂取された場合よりも、当該組成物の一部としてその必要性のある対象者に摂取された場合に、標的サプリメントが向上した生物学的利用能を有する。本明細書で用いる際に、「対象者」とは、任意の哺乳類、たとえばヒト哺乳類または非ヒト哺乳類(たとえば、霊長類)を意味する。本明細書で用いる際に、「標的サプリメント」とは、対象者の症状を標的とすることを意図する少なくとも1つの成分を含有し、対象者に経口的に摂取される製品である。
【0012】
任意選択的に、組成物は、香料、甘味料、保存料、凝結防止剤、ゲル化剤、抗菌剤、クエン酸または賦形剤を含むが、それらに限定されるものではない、追加成分を含有してもよい。
【0013】
以下において、少なくとも1つの補水調合物、少なくとも1種の標的サプリメント、および任意選択的追加成分のそれぞれを議論する。
【0014】
組成物の補水調合物部分は、少なくとも5つの構成要素、ナトリウム、塩化物イオン、グルコース含有サッカリド、カリウム、およびクエン酸イオンを含有してもよい。
【0015】
ナトリウムイオンは、本明細書に記載される補水調合物の1つの構成要素である。一般的に、補水調合物は、少なくとも、そうでなければ大量の水で血液を希釈することに起因する低ナトリウム血症を防止するために、ナトリウムを含有する。さらに、ナトリウムは、嘔吐または下痢の間に失われるおそれがある。ナトリウムは、塩のカチオンの形態で補水調合物中に含まれてもよい。塩は、塩化ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム(クエン酸三ナトリウムを含む)、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、乳酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸四ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、または水酸化ナトリウムを含むが、それらに限定されるものではない。
【0016】
本明細書に記載される補水調合物の一例において、ナトリウムは、塩化ナトリウムおよびクエン酸ナトリウムの形態にある。
【0017】
1つの例において、塩化ナトリウムは、約35mmol/Lから約40mmol/L、または約37mmol/Lから約43mmol/L、または約40mmol/Lから約42mmol/Lの浸透圧モル濃度、あるいは、塩化ナトリウムは、約2.0g/Lから約2.3g/L、または約2.2g/Lから約2.5g/L、または約2.3g/Lから約2.5g/Lの重量を有する。本明細書で用いられる際に、「浸透圧モル濃度」は、1リットル当たりの溶質粒子の総数で表される溶液の濃度である。浸透圧モル濃度は、ミリ等量毎リットル(meq/L)の単位で表されてもよく、1meqは、溶液中の溶質1mmolに等しい。対照的に、浸透圧重量モル濃度は、1キログラム当たりの溶質粒子の総数として表される溶液の濃度である。
【0018】
1つの例において、本明細書に記載される補水調合物中のクエン酸ナトリウムは、約10mmol/Lから約15mmol/L、または約7.0mmol/Lから約13mmol/L、または約8.0mmol/Lから約10mmol/Lの浸透圧モル濃度、あるいは、約0.98g/Lから約1.5g/L、または約0.69g/Lから約1.3g/L、または約0.78g/Lから約0.98g/L、または約2.0g/Lから約3.0g/Lの重量を有する。
【0019】
少なくとも1種の補水調合物の別の構成要素は、グルコース含有サッカリドである。本明細書で用いる際に、「グルコース含有サッカリド」は、グルコース、または加水分解されてグルコースを含有する組成物を形成することができる糖のいずれか(たとえば、グルコース、スクロース、デキストロース、ラクトース、マルトース、アミラーゼ、グリコーゲン、マルトデキストリンなど)を意味する。たとえば、胃の酸性は、消化中にスクロースをグルコースおよびフルクトースに変換する。単一の名称による任意のサッカリドへの参照は、室温における水性混合物中で指名された具体的なサッカリドと平衡にあってもよいサッカリドの全ての形態も含む。
【0020】
50mmol/Lの浸透圧のグルコースは、ヒト対象者の小腸における水およびナトリウムの水吸収を、空腸(小腸の中央部分)において4~6倍、および回腸(小腸の遠位部)において2~3倍に増大させる可能性がある。1つの例におけるグルコースは、約50mmol/Lから約60mmol/L、または約50mmol/Lから約70mmol/L、または約45mmol/Lから約80mmol/Lの浸透圧モル濃度を有する。
【0021】
1つの例において、補水調合物に含まれるグルコース含有サッカリドは、少なくともグルコースおよびスクロースを含む。1つの例において、グルコースは、約8.1g/Lから約14.4g/L、約9.0g/Lから約12.6g/L、または約9.0g/Lから約10.8g/Lの重量で添加され、スクロースは、約12.6g/Lから約15.7g/L、約12.9g/Lから約14.8g/L、または約13.2g/Lから約13.8g/Lの重量で添加される。
【0022】
別の例において、補水調合物中に、グルコース含有サッカリドとして、デキストロースおよびスクロースが含まれる。デキストロースは、グルコースの一形態である。
【0023】
別の例において、グルコースが、補水調合物中に含まれるグルコース含有サッカリドである。1つの例において、グルコースは、約14.5g/Lから約15.0g/L、約14.0g/Lから約15.6g/L、または約12.8g/Lから約16.8g/Lの重量で添加される。
【0024】
さらに別の実施形態において、デキストロースが、補水調合物中に含まれるグルコース含有サッカリドである。1つの例において、デキストロースは、約14.5g/Lから約15.0g/L、約14.0g/Lから約15.6g/L、または約12.8g/Lから約16.8g/Lの重量で添加される。
【0025】
1つの実施形態において、本明細書に記載される少なくとも1種の補水調合物は、約1:1のグルコース対ナトリウムのモル比を有する。(浸透圧モル濃度における)ほぼ等量のナトリウムおよびグルコースの両方は、グルコース-ナトリウム活性輸送機構を最適化する。
【0026】
1つの例において、塩化物イオンおよびクエン酸イオンが、補水調合物の2つの別の構成要素である。
【0027】
塩化物イオンおよびクエン酸イオンは、電解質の不均衡を防止するのに役立つ可能性がある。塩化物イオンは、塩のアニオンの形態で補水調合物中に含まれてもよい。塩化物イオン含有成分は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【0028】
1つの例において、塩化物イオンは、塩化ナトリウムの形態で、ナトリウム含有の目的で前に列挙した量で存在する。別の例において、塩化物イオンは、塩化カリウムの形態で、約1.50g/Lから約1.66g/L、約1.28g/Lから約1.88g/L、または約1.0g/Lから約2.0g/Lの重量で存在する。
【0029】
同時に、クエン酸イオンを補水調合物中に含んでもよい。1つの例において、クエン酸イオンは、ナトリウムおよび/またはカリウムのクエン酸塩(たとえば、クエン酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム(脱水物)、クエン酸カリウム)の形態にある。クエン酸イオンは、クエン酸として、あるいは、クエン酸またはクエン酸イオンへと加水分解することができるクエン酸エステル(たとえば、クエン酸トリエチル)として存在してもよい。
【0030】
1つの例において、クエン酸イオンは、クエン酸ナトリウムの形態で、ナトリウム含有の目的で前に列挙した量で存在する。また、クエン酸イオンは、クエン酸カリウムの形態で、約1.3g/Lから約1.7g/L、または約1.4g/Lから約1.6g/Lの重量で存在する。
【0031】
別の例において、クエン酸イオンは、クエン酸ナトリウムの形態で、約0.98g/Lから約1.5g/L、または約0.69g/Lから約1.3g/L、または約0.78g/Lから約0.98g/L、または約2.0g/Lから約3.0g/Lの重量で存在する。1つの例において、本明細書に記載される補水調合物の別の構成要素は、カリウムである。ナトリウムと同様に、補う必要があるカリウムの著しい損失が嘔吐および下痢によってもたらされる恐れがあるため、カリウムを補水調合物中に含んでもよい。また、ナトリウムと同様に、カリウムは、塩のカチオンとして存在してもよい。カリウム塩は、塩化カリウム、リン酸カリウム、クエン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムおよび水酸化カリウムを含むが、それらに限定されるものではない。
【0032】
1つの例において、カリウムは、補水調合物中のクエン酸イオン含有の目的のために前に列挙した重量のクエン酸カリウムの形態で存在する。また、カリウムは、リン酸二カリウムの形態で、約0.3g/Lから約0.9g/L、または約0.5g/Lから約0.7g/Lの重量で存在する。
【0033】
別の例において、カリウムは、塩化カリウムの形態で、約1.50g/Lから約1.66g/L、または約1.28g/Lから約1.88g/L、または約1.0g/Lから約2.0g/Lの重量で存在する。
【0034】
加えて、本明細書に記載される補水調合物(一度前述の適切な濃度まで希釈され、かつ任意選択的追加成分(後述)が添加されるとき)は、WHOおよびUNICEFが推奨する標準または「低減浸透圧モル濃度ORS」範囲の少なくとも一方の範囲内である総浸透圧を有する。http://apps.who.int/medicinedocs/en d/Js4950e/2.4.htmlにおいて入手可能なWHO Drug Information Vol. 16, No. 2, 2002, 「New formula oral rehydration salts」を参照されたい。また、https://www.rehydrate.org/ors/who-unicef-statement.html (May 10, 2002) において入手可能な「Oral Rehydration Salts (ORS) A New Reduced Osmolarity Formulation」を参照されたい。
【0035】
本明細書に記載される補水調合物は、グルコース-ナトリウム活性輸送機構を利用して、水および標的サプリメントの血流中への吸収を向上させると信じられる。小腸において、ナトリウムは、SGLT1タンパクによるグルコースとの共役輸送により腸上皮細胞中へと通過する。2つのナトリウムイオンと1分子のグルコースが一緒になって、SGLT1タンパクにより、上皮細胞膜を横断して血流中へと輸送される。小腸からのグルコースおよびナトリウムの吸収は、浸透力を生じさせる。各輸送サイクルにおいて、水分子が上皮細胞へと移動して、浸透平衡を維持する。排出されるのではなく小腸の内腔から吸収される水は、細胞水分補給のための血流による全身的分配に利用できる。よって、水を単独で飲用するよりも、補水調合物により水分補給を迅速かつ大量に血流に送達することができる。本開示にしたがう補水調合物の1つの実施形態において、補水調合物中の構成要素の相対量は、本明細書に記載される量であってもよい。
【0036】
前述のように、1つの実施形態において、本明細書に記載される組成物は、前述の少なくとも1種の補水調合物と、対象者の症状を標的とする少なくとも1種の標的サプリメントを含む。その必要のある対象者に摂取された際に、補水調合物を含む組成物の一部であるときの標的サプリメントの吸収速度(「第2の吸収速度」)は、組成物とは別に摂取された際の標的サプリメントの吸収速度(「第1の吸収速度」)よりも速い。1つの実施形態において、第2の吸収速度は、本明細書に記載された組成物以外の手段によって標的サプリメントが吸収される場合よりも、約10%から約600%速い可能性がある。たとえば、第2の吸収速度は、第1の吸収速度の約1.1倍から約6倍、第1の吸収速度の約2倍から約6倍、または第1の吸収速度の約2倍から約3倍速い可能性がある。さらに、組成物の一部である場合、組成物と別個に摂取された場合よりも大量の標的サプリメントが吸収される。
【0037】
少なくともこれらの理由のため、標的サプリメントの生物学的利用能は、組成物の一部として摂取された場合に向上する。さらに、本明細書に記載される組成物は、水単独よりも、迅速かつ効率的に対象者を補水する。
【0038】
1つの実施形態において、標的とされる症状に依存して、2種以上の標的サプリメントを組成物中に含んでもよい。
【0039】
一般的に、標的サプリメントにより標的とされる対象者の例示的症状は、不眠症、眠気、脱力感、運動後の疲労、予測される運動後の疲労、電解質欠乏、低活力、タンパク欠乏、ビタミン欠乏、免疫不全、関節痛、肥満、筋肉の喪失または衰弱、炎症、情緒不安定、うつ、集中力低下、記憶力低下、疼痛、時差ぼけなどを含むが、それらに限定されるものではない。
【0040】
一般的に、本明細書に記載される例示的組成物に含むことができる標的サプリメントの種類の例は、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、アミノ酸類似体、カフェイン、タンパク、植物性(herbal/botanical/plant)サプリメント、機能性食品、プロバイオティクス、プレバイオティクス、可溶性繊維、不溶性繊維、抗酸化剤、グルコサミン、グリコサミノグリカン、ホルモンなどを含むが、それらに限定されるものではない。それぞれの標的サプリメントは、水に溶解するのに適当である。
【0041】
本明細書に記載の組成物中に含むことができるビタミンの例は、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸(ビタミンB9)、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、ビオチン(ビタミンB7)、ビタミンC、ビタミンD3、ビタミンE、ビタミンA、およびビタミンKを含むが、それらに限定されるものではない。
【0042】
本明細書に記載の組成物中に含むことができるミネラルの例は、亜鉛、銅、マンガン、ニッケル、スズ、ケイ素、マグネシウム、モリブデン、セレン、クロム、バナジウム、ホウ素、カルシウム、鉄、ヨウ素、およびリンを含むが、それらに限定されるものではない。
【0043】
本明細書に記載の組成物中に含むことができるアミノ酸の例は、分岐鎖アミノ酸(「BCAA類」)γ-アミノ酪酸(「GABA」)、L-アルギニン、L-カルニチン、アセチルL-カルニチン、グルタミン、L-リジン、L-チロシン、タウリン、L-システイン、L-トリプトファン、L-テアニン、L-カルノシン、L-ロイシン、L-イソロイシン、L-バリン、β-アラニン、および5-ヒドロキシトリプトファン(「5-HTP」)を含むが、それらに限定されるものではない。
【0044】
本明細書に記載の組成物中に含むことができる抗酸化剤の例は、カロテン、オイゲノール、ルテイン、およびリコピンを含むが、それらに限定されるものではない。
【0045】
本明細書に記載の組成物中に含むことができる植物性(herbal/botanical/plant)サプリメントの例は、カノコソウ、カモミール、トケイソウ、マテチャ、ショウガ、ニンジン、またはムラサキバレンギクを含むが、それらに限定されるものではない。
【0046】
本明細書に記載の組成物中に含むことができるホルモンの例は、メラトニンを含むが、それらに限定されるものではない。
【0047】
本明細書に記載の組成物中に含むことができるプロバイオティクスの例は、Lactobacillus reuteri、アシドフィルス菌(Lactobacillus acidophilus)、およびビフィズス菌(Bifidobacterium bifidum)を含むが、それらに限定されるものではない。
【0048】
標的サプリメントは、組成物の一部であってもよく、かつ、組成物の一部として摂取されてもよい。前述のように、それ自身として摂取される補水調合物は、グルコース-ナトリウム輸送系の作用により、水およびナトリウムが小腸壁を横断して血流中へとより迅速かつより大量に引き込まれることをもたらす。組成物の一部として摂取される場合、標的サプリメントは、組成物とは別個に摂取される際よりも迅速かつ大量に吸収される。1つの実施形態において、組成物の一部である場合、標的サプリメントの吸収速度は、本明細書に記載の組成物以外の手段によって標的サプリメントが吸収される場合よりも概ね速い。たとえば、約1.1倍から約6倍、または約2倍から約6倍、または約2倍から約3倍速い。少なくともこれらの理由により、組成物の一部である場合、標的サプリメントは、組成物内にある限り、組成物と別個に摂取される場合と比較して向上した生物学的利用能を有する。
【0049】
特定の実施形態において、標的サプリメント自身は、組成物の未加工の成分であってもよい。別の実施形態において、標的サプリメントは、別の成分の一部であってもよい。たとえば、ビタミンCは、その未加工形態において直接添加されてもよいし、ほうれん草粉末の一部として含有されてもよい。別の例として、タンパクは、タンパク粉末として、あるいは大豆または乳清として、標的サプリメントとして含まれてもよい。本明細書においては、未加工または「バルク」物質のいずれも、「標的サプリメント」と呼称する。
【0050】
前述のように、少なくとも1種の標的サプリメントが、組成物中に含まれる。少なくとも1種の標的サプリメントの選択は、対象者において標的とされる症状によって決定してもよい。
【0051】
1つの例において、標的とされる症状が不眠症であってもよく、かつ、以下の標的サプリメントの少なくとも1種が組成物中に含まれてもよい:メラトニン、5-HTP、カノコソウの根(吉草根)、L-テアニン、カモミール、L-トリプトファン、ビタミンC、藻類、トケイソウ、亜鉛、カルシウム、またはマグネシウム。
【0052】
別の例において、標的とされる症状が電解質欠乏(たとえば、運動中に発生する可能性がある)であってもよく、かつ、以下の標的サプリメントの少なくとも1種が組成物中に含まれてもよい:ナトリウム、カリウム、リン、マグネシウム、セレン、カルシウム、マンガン、または亜鉛。
【0053】
さらに別の例において、症状は、低活力であってもよい。1つの実施形態において、組成物は、以下の標的サプリメントの少なくとも1種を含んでもよい:マテチャ、ビタミン類(たとえば、ビタミンB2、ビタミンB12、ナイアシン、B-複合ビタミン、またはビタミンD)、カフェイン、コーヒー豆、グリーンコーヒー抽出物、抹茶緑茶、紅茶、白茶、キノコ類(たとえば、霊芝または冬虫夏草)、チョウセンニンジン、アシュワガンダ、またはテオブロミン。
【0054】
さらに別の例において、症状は免疫低下であってもよく、かつ、組成物は、以下の標的サプリメントの少なくとも1種を含んでもよい:ビタミンC、亜鉛、ムラサキバレンギク、ニンジン、またはショウガ。
【0055】
さらなる例において、症状はタンパク欠乏であってもよく、かつ、組成物は、以下の標的サプリメントの少なくとも1種を含んでもよい:小麦または大豆。
【0056】
さらなる例において、症状は運動に関連する関節痛または炎症であってもよく、かつ、組成物は、以下の標的サプリメントの少なくとも1種を含んでもよい:グルコサミン。
【0057】
さらなる例において、症状は運動前準備または予測される運動後の疲労であってもよく、かつ、組成物は、以下の標的サプリメントの少なくとも1種を含んでもよい:カフェイン、BCAA類、β-アラニン、L-アルギニン、L-シトルリン、またはビートの根。
【0058】
別の例において、症状は運動後の疲労であってもよく、かつ、組成物は、以下の標的サプリメントの少なくとも1種を含んでもよい:乳清タンパク。大豆タンパク、BCAA類、グルタミン、β-アラニン、またはクレアチン。
【0059】
さらに別の例において、症状はビタミン欠乏であってもよく、かつ、組成物は、以下の標的サプリメントの少なくとも1種を含んでもよい:独立的または組み合わせ形態のいずれかにおける、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸(ビタミンB9)、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、ビオチン(ビタミンB7)、ビタミンC、ビタミンD3、ビタミンE、ビタミンA、およびビタミンK。たとえば、症状はビタミン欠乏であってもよく、かつ、組成物は、ビタミンC、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、およびビタミンB12の少なくとも1種を含んでもよい。
【0060】
本明細書に記載の組成物により、他の症状を標的としてもよく、列挙した症状および別の症状を処置するために別の標的サプリメントを使用してもよい。
【0061】
少なくとも1種の補水調合物および少なくとも1種の標的サプリメントに加えて、1つの実施形態において、組成物は任意選択的追加成分を含有してもよい。任意選択的追加成分は、天然香料、人工香料、甘味料(たとえば、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、アセスルファム-K、塩素化スクロース、エリトリトール、および/またはレバウジオシド)、着色剤、保存料(たとえば、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム)、賦形剤(たとえば、シリカ、セルロース、セルロースエステル、ポリエチレングリコール、およびレシチン)、凝結防止剤、ゲル化剤、抗菌剤(たとえば、ゲルマクレン類)、クエン酸、またはそれらの組み合わせの少なくとも1種を含んでもよい。
【0062】
第1表は、1リットルの水に溶解させる場合に、本明細書に記載の組成物の1つの実施形態における成分の量を、重量および浸透圧モル濃度の両方で示す。本願の目的において、1リットルの水は、1.0kgの重量を有すると仮定する。
【0063】
【表1】
【0064】
第2表は、補水調合物の個々の成分の浸透圧モル濃度を、第1表に列挙した組成物のための全ての成分の総浸透圧モル濃度とともに示す。
【0065】
【表2】
【0066】
第3表は、標的とする症状が不眠症である、本明細書に記載の組成物の別の実施形態における成分の量を示す。成分の量を、8オンス(236.58g)の水に溶解させる際の重量および浸透圧モル濃度で列挙する。成分は、(1)補水調合物の構成要素、(2)少なくとも1種の標的サプリメント、および(3)任意選択的追加成分を含む。本願の目的において、1リットルの水は、1.0kgの重量を有すると仮定する。
【0067】
【表3】
【0068】
第4表は、補水調合物の個々の成分の浸透圧モル濃度を、第3表に列挙した組成物のための全ての成分の総浸透圧モル濃度とともに示す。
【0069】
【表4】
【0070】
図1および図2を参照して、種々の組成物、ならびに、組成物を製造および使用する方法をさらに記載する。
【0071】
(例示的製造方法)
図1は、組成物の製造方法100の1つの実施形態の流れ図である。
【0072】
前述のように、本明細書に記載の組成物は、少なくとも1種の補水調合物および少なくとも1種の標的サプリメントを含み、任意選択的追加成分を含有してもよい。
【0073】
工程102において、補水調合物の構成要素が組み合わせられる。
【0074】
1つの実施形態において、補水調合物は、少なくとも、1リットルの溶媒あたり約9.0gから約12.6gのグルコースと、1リットルの溶媒あたり約12.9gから約14.8gのスクロースと、1リットルの溶媒あたり約2.0gから約2.3gの塩化ナトリウムと、1リットルの溶媒あたり約0.98gから約1.5gのクエン酸ナトリウムと、1リットルの溶媒あたり約1.4gから約1.6gのクエン酸カリウムと、1リットルの溶媒あたり約0.50gから約0.65gのリン酸二カリウムとを含むが、それらに限定されるものではない。
【0075】
別の実施形態において、補水調合物は、少なくとも、1リットルの溶媒あたり約9.0gから約10.8gのグルコースと、1リットルの溶媒あたり約12.6gから約15.7gのスクロースと、1リットルの溶媒あたり約2.2gから約2.5gの塩化ナトリウムと、1リットルの溶媒あたり約0.68gから約1.3gのクエン酸ナトリウムと、1リットルの溶媒あたり約1.4gから約1.6gのクエン酸カリウムと、1リットルの溶媒あたり約0.50gから約0.65gのリン酸二カリウムとを含むが、それらに限定されるものではない。
【0076】
さらに別の実施形態において、補水調合物は、少なくとも、1リットルの溶媒あたり約14.0gから約15.6gのデキストロースと、1リットルの溶媒あたり約2.1gから約2.5gの塩化ナトリウムと、1リットルの溶媒あたり約2.30gから約2.76gのクエン酸ナトリウムと、1リットルの溶媒あたり約1.28gから約1.88gの塩化カリウムとを含むが、それらに限定されるものではない。
【0077】
溶媒(たとえば、水)は、組成物の一部として含まれてもよいし、組成物を含む溶液の調製時に後に添加してもよい。組成物は、粉末、ゲル、乳化物、または液体の1つまたは複数として製造されてもよい。
【0078】
工程104において、前述のような少なくとも1種の補水調合物に対して、少なくとも1種の標的サプリメントを添加してもよい。
【0079】
工程106において、任意選択的追加成分を添加してもよい。任意選択的追加成分は、香料、保存料、甘味料、着色剤、凝結防止剤、ゲル化剤、抗菌剤、クエン酸、および/または賦形剤を含んでもよい。
【0080】
標的サプリメントおよび他の成分を、種々の量で添加してもよい。しかしながら、溶液である場合、組成物中のグルコースの浸透圧モル濃度およびナトリウムの浸透圧モル濃度は、それぞれ少なくとも約50mmol/Lであり、互いの間の概略の比率は1:1に維持される。1つの例において、組成物中のグルコースおよびナトリウムは、約50mmol毎リットルから約80mmol毎リットル、または約60mmol/Lから約70mmol/L、または約75mmol/Lから約125mmol/Lの浸透圧モル濃度を有する。加えて、溶液である場合、組成物の総浸透圧モル濃度は、約210mmol/Lから約260mmol/Lである。
【0081】
別の実施例において、組成物中のデキストロース(グルコース)は、約70mmol毎リットルから約90mmol毎リットル、または約78mmol/Lから約84mmol/L、または約80mmol/Lから約82mmol/Lの浸透圧モル濃度を有し、組成物中のナトリウムは、約67.3mmol毎リットルから約69.3mmol毎リットル、または約60mmol/Lから約76mmol/L、または約55mmol/Lから約81mmol/Lの浸透圧モル濃度を有する。加えて、溶液である場合、組成物の総浸透圧モル濃度は、約210mmol/Lから約310mmol/L、または約255mmol/Lから約270mmol/Lである。
【0082】
工程108において、既に所望される状態にない場合、組成物を所望される状態へと変換する。たとえば、粉末の形態にある組成物を水で希釈して、組成物の消費の準備をさせてもよい。
【0083】
(例示的使用方法)
図2は、前述および図1に示される組成物の使用方法200の1つの実施形態の流れ図である。具体的には、図2は、使用方法が、その必要のある対象者に対して組成物中の標的サプリメントを経口的に投与することを含む実施形態を例示する。
【0084】
工程202において、標的サプリメントを必要とする対象者を特定する。
【0085】
工程204において、本明細書に記載の少なくとも1種の補水調合物および本明細書に記載の少なくとも1種の標的サプリメントを含有する組成物を調製する。任意選択的追加成分を添加してもよい。
【0086】
工程206において、既に溶液ではない場合、組成物を水で希釈する。たとえば、組成物が粉末、ゲルまたは乳化物の形態にある場合、本方法は、少なくとも溶液を提供するのに十分である量の水に組成物を溶解させることを含み、当該水の量は、少なくとも1種の補水調合物および1種の標的サプリメントが実質的に溶解して、飲用による消費に適当とし、かつ、ナトリウムおよびグルコースのモル濃度がそれぞれ少なくとも50mmol/Lであることを保証する。
【0087】
工程208において、溶液は、その必要のある対象者に経口的に摂取される。
【実施例0088】
(実施例1:標的サプリメント:メラトニンおよびL-テアニンの血漿中濃度)
試験組成物および参照比較対照のそれぞれの摂取後の時間におけるメラトニンおよびL-テアニンの血漿中濃度を得ることにより、参照比較対照製品との比較における試験組成物のメラトニンおよびL-テアニンの吸収を測定するために、薬物動態試験を実施した。
【0089】
本試験の目標は、試験組成物の薬物動態プロファイルを、ラベルが同等の参照比較対照と比較することである。
【0090】
試験は、3名の男性および3名の女性を含む6名の健康な成人対象者を登録した。
【0091】
(試験組成物および参照比較対照の調製および投与)
【0092】
試験対象者は、研究製品の摂取およびそれぞれの試験期間の開始に先立つ少なくとも4時間にわたって絶食することを指示された。
【0093】
対象者は、第1の日に試験組成物の一回服用量を摂取し、最低約5日の洗浄期間後である第2の日に参照比較対照の一回服用量を摂取した。
【0094】
試験組成物および参照比較対照の両方は、3mgのメラトニンおよび50mgのL-テアニンを含んだ。用いられた参照比較対照製品は、Schiffにより製造および販売されている市販のメラトニンベースのサプリメントである。Schiff Knockout(登録商標)タブレットである。参照比較対照は、メラトニンおよびL-テアニン投与量に関して試験組成物と同等であるラベルを有した。参照比較対照の内容は、参照比較対照のサプリメント情報パネルに基づいた。
【0095】
第3表に列挙した成分から、粉末混合物を形成した。混合物を8液体オンス(236.58g)の水と組み合わせて、試験組成物を形成した。成分の得られた浸透圧モル濃度を、第3表に列挙する。試験組成物中のデキストロース、ナトリウム、塩化物イオン、カリウム、およびクエン酸イオンの得られた浸透圧モル濃度を、第4表に列挙する。
【0096】
最初に、対象者は、試験組成物を摂取した。試験組成物の試験の完了後、試験対象者が参照比較対照を摂取する前に、最低5日間の洗浄期間を必要とした。
【0097】
対象者のそれぞれにおける標的サプリメントであるメラトニンおよびL-テアニンの血漿中濃度を、試験組成物/参照比較対照の摂取後15分、30分、60分、90分および120分の時点で測定した。
【0098】
(摂取後15分の血漿中濃度)
それぞれの対象者の血液試料を、投与物の摂取前1時間以内、および投与物の摂取後15分、30分、60分、90分および120分の時点で収集した。
【0099】
第5表(下記)は、6名の対象者1~6のそれぞれの摂取後15分の時点で測定したメラトニンの血漿中濃度(ピコグラム毎ミリリットル)およびL-テアニンの血漿中濃度(ナノグラム毎ミリリットル)を列挙する。
【0100】
【表5】
【0101】
第5表は、6名の対象者全てに関して、試験組成物摂取15分後のL-テアニン血漿中濃度が、参照比較対照摂取15分後のL-テアニン血漿中濃度よりも大きいことを例示する。
【0102】
さらに、第5表は、6名の対象者中5名に関して、試験組成物摂取15分後のメラトニン血漿中濃度が、参照比較対照摂取15分後のメラトニン血漿中濃度よりも大きいことを例示する。
【0103】
【表6】
【0104】
第6表は、第5表(前述)のデータに基づき、第1の日の試験組成物の摂取後15分の時点および第2の日の参照比較対照の摂取後15分の時点における、6名の対象者のメラトニン(pg/ml単位)およびL-テアニン(ng/ml単位)のそれぞれについて血漿中濃度の基準からの平均変化(6名の対象者に関する)を列挙する。
【0105】
第6表に示すように、試験組成物の摂取後15分の時点のL-テアニン血漿中濃度の基準からの平均変化(851ng/ml)は、参照比較対照の摂取後15分の時点のL-テアニン血漿中濃度の基準からの平均変化(277ng/ml)よりも約3.1倍大きかった。
【0106】
加えて、第6表に示すように、試験組成物の摂取後15分の時点のメラトニン血漿中濃度の基準からの平均変化(3384pg/ml)は、参照比較対照の摂取後15分の時点のメラトニン血漿中濃度の基準からの平均変化(993pg/ml)よりも約3.4倍大きかった。
【0107】
第5表および第6表は、標的サプリメントであるメラトニンおよびL-テアニンが、参照比較対照の一部として摂取された場合よりも、本明細書に記載された組成物(すなわち、少なくとも1種の標的サプリメントおよび補水調合物を含む試験組成物)の一部として摂取された際に、より迅速およびより大量(摂取後15分の時点で測定される)に人体に吸収されることを例示する。
【0108】
(摂取後15分、30分、60分、90分および120分における血漿中濃度)
第7表は、試験組成物および参照比較対照製品の摂取後15分、30分、60分、90分および120分の時点のそれぞれにおける、血漿中濃度の平均変化(6名の対象者に関する、基準から)を示す。
【0109】
【表7】
【0110】
第7表は、参照比較対照の一部として含まれる場合よりも、試験組成物の一部として含まれる場合に、平均L-テアニン血漿中濃度が速やかにピークに達することを例示する。すなわち、試験組成物に含まれる場合のL-テアニンの最高平均血漿中濃度は、摂取後30分(2242ng/ml)であり、一方、参照比較対照に含まれる場合のL-テアニンの最高平均血漿中濃度は、摂取後60分(2942ng/ml)であった。また、第7表は、摂取後15分の時点でピークに達するメラトニンの吸収スピードに関する、試験組成物と参照比較対照との間の相違(それぞれ、3384pg/mlおよび993pg/ml)も例示する。
【0111】
(実施例1の総括)
実施例1は、組成物に含まれない場合よりも、本明細書に記載の組成物に含まれる際のメラトニンおよびL-テアニン(摂取後15分で測定される)の向上した吸収(より大量かつ迅速)が存在することの証拠に基づいた根拠を与える。また、実施例1は、参照比較対照の一部である場合よりも、試験組成物の一部である場合に、L-テアニン血漿中濃度が速やかにピークに達することを例示する。
【0112】
(例示条項)
1.第1の吸収速度および第1の吸収量を有する少なくとも1種の標的サプリメントと、
少なくとも1種の補水調合物と
を含む組成物であって、前記少なくとも1種の標的サプリメントが前記組成物の一部として摂取される場合に、前記少なくとも1種の標的サプリメントは、第1の吸収速度よりも大きい第2の吸収速度、または第1の吸収量よりも大きい第2の吸収量の少なくとも一方を有する組成物。
2.前記組成物が粉末、ゲル、乳化物または液体である、条項1に記載の組成物。
3.前記少なくとも1種の標的サプリメントが対象者の症状を標的とする、条項1に記載の組成物。
4.前記症状が、ビタミン欠乏であり、前記少なくとも1種の標的サプリメントがビタミンC、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6またはビタミンB12の少なくとも1種を含む、条項3に記載の組成物。
5.前記症状が、不眠症であり、前記少なくとも1種の標的サプリメントがメラトニン、L-テアニン、カノコソウの根、5-ヒドロキシトリプトファン、またはトケイソウの少なくとも1種を含む、条項3に記載の組成物。
6.前記症状が、運動後の疲労であり、前記少なくとも1種の標的サプリメントが乳清タンパク。大豆タンパク、分岐鎖アミノ酸、グルタミン、β-アラニン、またはクレアチンの少なくとも1種を含む、条項3に記載の組成物。
7.前記症状が、予測される運動後の疲労であり、前記少なくとも1種の標的サプリメントが少なくともカフェイン、分岐鎖アミノ酸、およびβ-アラニンを含む、条項3に記載の組成物。
8.第2の吸収速度は、第1の吸収速度よりも2倍から6倍速い、条項1に記載の組成物。
9.第1の吸収速度および第2の吸収速度は、回腸における吸収速度を含み、第2の吸収速度は、第1の吸収速度よりも2倍から3倍速い、条項1に記載の組成物。
10.第1の吸収速度および第2の吸収速度は、空腸における吸収速度を含み、第2の吸収速度は、第1の吸収速度よりも4倍から6倍速い、条項1に記載の組成物。
11.前記少なくとも1種の補水調合物は、少なくとも、
1リットルの溶媒あたり約9.0gから約12.6gのグルコースと、
1リットルの溶媒あたり約12.9gから約14.8gのスクロースと、
1リットルの溶媒あたり約2.0gから約2.3gの塩化ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.98gから約1.5gのクエン酸ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約1.4gから約1.6gのクエン酸カリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.50gから約0.65gのリン酸二カリウムと
を含む、条項1に記載の組成物。
12.前記少なくとも1種の補水調合物は、少なくとも、
1リットルの溶媒あたり約9.0gから約10.8gのグルコースと、
1リットルの溶媒あたり約12.6gから約15.7gのスクロースと、
1リットルの溶媒あたり約2.2gから約2.5gの塩化ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.68gから約1.3gのクエン酸ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約1.4gから約1.6gのクエン酸カリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.50gから約0.65gのリン酸二カリウムと
を含む、条項1に記載の組成物。
13.前記組成物は、約210mmol/Lから約260mmol/Lの総浸透圧モル濃度を有する、条項1に記載の組成物。
14.前記組成物中のナトリウムの浸透圧モル濃度は少なくとも50mmol/Lであり、グルコースの浸透圧モル濃度は少なくとも50mmol/Lである、条項1に記載の組成物。
【0113】
15.少なくとも1種の補水調合物と少なくとも1種の標的サプリメントとを混合する工程を含む、組成物を製造する方法であって、
前記少なくとも1種の標的サプリメントは、第1の吸収速度および第1の吸収量を有し、
前記少なくとも1種の標的サプリメントが前記組成物の一部として摂取される場合に、前記少なくとも1種の標的サプリメントは、第1の吸収速度よりも大きい第2の吸収速度、または第1の吸収量よりも大きい第2の吸収量の少なくとも一方を有する方法。
16.前記組成物が粉末、ゲル、乳化物または液体である、条項15に記載の方法。
17.前記組成物が粉末であり、前記方法は、前記少なくとも1種の補水調合物および前記1種の標的サプリメントが実質的に溶解して、飲用による消費に適当にする溶液を提供するのに少なくとも十分である量の水に前記組成物を溶解させる工程をさらに含む、条項16に記載の方法。
18.前記少なくとも1種の標的サプリメントが対象者の症状を標的とする、条項15に記載の方法。
19.前記症状が、不眠症であり、前記少なくとも1種の標的サプリメントがメラトニン、5-ヒドロキシトリプトファン、カノコソウの根、L-テアニン、またはトケイソウの少なくとも1種を含む、条項18に記載の方法。
20.前記症状が、予測される運動後の疲労であり、前記少なくとも1種の標的サプリメントが少なくともカフェイン、分岐鎖アミノ酸、およびβ-アラニンを含む、条項18に記載の方法。
21.前記症状が、運動後の疲労であり、前記少なくとも1種の標的サプリメントが少なくとも乳清タンパク。大豆タンパク、分岐鎖アミノ酸、グルタミン、β-アラニン、およびクレアチンを含む、条項18に記載の方法。
22.前記少なくとも1種の補水調合物は、少なくとも、
1リットルの溶媒あたり約9.0gから約12.6gのグルコースと、
1リットルの溶媒あたり約12.9gから約14.8gのスクロースと、
1リットルの溶媒あたり約2.0gから約2.3gの塩化ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.98gから約1.5gのクエン酸ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約1.4gから約1.6gのクエン酸カリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.50gから約0.65gのリン酸二カリウムと
を含む、条項15に記載の方法。
23.前記少なくとも1種の補水調合物は、少なくとも、
1リットルの溶媒あたり約9.0gから約10.8gのグルコースと、
1リットルの溶媒あたり約12.6gから約15.7gのスクロースと、
1リットルの溶媒あたり約2.2gから約2.5gの塩化ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.68gから約1.3gのクエン酸ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約1.4gから約1.6gのクエン酸カリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.50gから約0.65gのリン酸二カリウムと
を含む、条項15に記載の方法。
24.前記組成物は、約210mmol/Lから約260mmol/Lの総浸透圧モル濃度を有する、条項15に記載の方法。
【0114】
25.必要のある対象者に標的サプリメントを経口的に送達する方法であって、前記方法は、前記対象者に対して組成物を投与する工程を含み、前記組成物は、
第1の吸収速度および第1の吸収量を有する少なくとも1種の標的サプリメントと、
少なくとも1種の補水調合物と
を含み、前記少なくとも1種の標的サプリメントが前記組成物の一部として摂取される場合に、前記少なくとも1種の標的サプリメントは、第1の吸収速度よりも大きい第2の吸収速度、または第1の吸収量よりも大きい第2の吸収量の少なくとも一方を有する方法。
26.前記組成物が粉末、ゲル、乳化物または液体である、条項25に記載の方法。
27.前記組成物が粉末であり、前記方法は、前記少なくとも1種の補水調合物および前記1種の標的サプリメントが実質的に溶解して、飲用による消費に適当にする溶液を提供するのに少なくとも十分である量の水に前記組成物を溶解させる工程をさらに含む、条項26に記載の方法。
28.前記少なくとも1種の標的サプリメントが対象者の症状を標的とする、条項25に記載の方法。
29.前記症状が、不眠症であり、前記少なくとも1種の標的サプリメントがメラトニン、5-ヒドロキシトリプトファン、カノコソウの根、L-テアニン、またはトケイソウの少なくとも1種を含む、条項28に記載の方法。
30.前記症状が、予測される運動後の疲労であり、前記少なくとも1種の標的サプリメントが少なくともカフェイン、分岐鎖アミノ酸、およびβ-アラニンを含む、条項28に記載の方法。
31.前記症状が、運動後の疲労であり、前記少なくとも1種の標的サプリメントが少なくとも乳清タンパク。大豆タンパク、分岐鎖アミノ酸、グルタミン、β-アラニン、およびクレアチンを含む、条項20に記載の方法。
32.前記少なくとも1種の補水調合物は、少なくとも、
1リットルの溶媒あたり約9.0gから約12.6gのグルコースと、
1リットルの溶媒あたり約12.9gから約14.8gのスクロースと、
1リットルの溶媒あたり約2.0gから約2.3gの塩化ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.98gから約1.5gのクエン酸ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約1.4gから約1.6gのクエン酸カリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.50gから約0.65gのリン酸二カリウムと
を含む、条項25に記載の方法。
33.前記少なくとも1種の補水調合物は、少なくとも、
1リットルの溶媒あたり約9.0gから約10.8gのグルコースと、
1リットルの溶媒あたり約12.6gから約15.7gのスクロースと、
1リットルの溶媒あたり約2.2gから約2.5gの塩化ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.68gから約1.3gのクエン酸ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約1.4gから約1.6gのクエン酸カリウムと、
1リットルの溶媒あたり約0.50gから約0.65gのリン酸二カリウムと
を含む、条項25に記載の方法。
34.前記組成物は、約210mmol/Lから約260mmol/Lの総浸透圧モル濃度を有する、条項25に記載の方法。
【0115】
35.第1の生物学的利用能の値を有する少なくとも1種の標的サプリメントと、
少なくとも1種の補水調合物と
を含む組成物であって、前記標的サプリメントが前記組成物の一部として摂取される場合に、前記少なくとも1種の標的サプリメントは、第1の生物学的利用能の値よりも大きい第2の生物学的利用能の値を有する組成物。
36.前記組成物は、香料、甘味料、着色剤、保存料、賦形剤、凝結防止剤、ゲル化剤、クエン酸、または抗菌剤の少なくとも1種を更に含む、条項35に記載の組成物。
37.前記第1の生物学的利用能の値および前記第2の生物学的利用能の値は、少なくとも前記標的サプリメントの吸収速度に基づくものであるか、または、前記第1の生物学的利用能の値および前記第2の生物学的利用能の値は、少なくとも前記標的サプリメントの吸収量に基づくものであるかの少なくとも一方である、条項35に記載の組成物。
38.前記少なくとも1種の補水調合物は、少なくとも、
1リットルの溶媒あたり約14.0gから約15.6gのデキストロースと、
1リットルの溶媒あたり約2.1gから約2.5gの塩化ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約2.30gから約2.76gのクエン酸ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約1.28gから約1.88gの塩化カリウムと
を含む、条項1に記載の組成物。
39.前記組成物は、約200mmol/Lから約310mmol/Lの総浸透圧モル濃度を有する、条項1に記載の組成物。
40.前記組成物は、約255mmol/Lから約275mmol/Lの総浸透圧モル濃度を有する、条項1に記載の組成物。
【0116】
41.前記少なくとも1種の補水調合物は、少なくとも、
1リットルの溶媒あたり約14.0gから約15.6gのデキストロースと、
1リットルの溶媒あたり約2.1gから約2.5gの塩化ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約2.30gから約2.76gのクエン酸ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約1.28gから約1.88gの塩化カリウムと
を含む、条項15に記載の方法。
42.前記組成物は、約200mmol/Lから約310mmol/Lの総浸透圧モル濃度を有する、条項15に記載の方法。
43.前記組成物は、約255mmol/Lから約275mmol/Lの総浸透圧モル濃度を有する、条項15に記載の方法。
【0117】
44.前記少なくとも1種の補水調合物は、少なくとも、
1リットルの溶媒あたり約14.0gから約15.6gのデキストロースと、
1リットルの溶媒あたり約2.1gから約2.5gの塩化ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約2.30gから約2.76gのクエン酸ナトリウムと、
1リットルの溶媒あたり約1.28gから約1.88gの塩化カリウムと
を含む、条項25に記載の方法。
45.前記組成物は、約200mmol/Lから約310mmol/Lの総浸透圧モル濃度を有する、条項25に記載の方法。
46.前記組成物は、約255mmol/Lから約275mmol/Lの総浸透圧モル濃度を有する、条項25に記載の方法。
47.前記症状は低活力であり、前記少なくとも1種の標的サプリメントは、マテチャ、ビタミン、カフェイン、コーヒー豆、グリーンコーヒー抽出物、抹茶緑茶、紅茶、白茶、チョウセンニンジン、アシュワガンダ、またはテオブロミンの少なくとも1種を含む、条項3に記載の組成物。
【0118】
(結論)
構造的特徴および/または方法論的行動に具体的な用語で内容を記載してきたが、添付の特許請求の範囲で規定される主題は、記載された具体的特徴または行動に必ずしも制限されないこと理解すべきである。むしろ、具体的特徴および行動は、特許請求の範囲を実施するための例示的形態として記載されている。
【0119】
当業者は、上記の記載に対して事実上無制限の数の変形が可能であること、および添付の図面が1つまたは複数の実施形態または実施の例を例示するためのものに過ぎないことを理解するであろう。
【0120】
当業者であれば、特許請求主題から解離することなしに、種々の他の修正を行うことができ、かつ等価物を置換できることを理解するであろう。加えて、本明細書に記載された中枢となる概念から解離することなしに、特許請求主題の教示に対して、多くの修正を施して具体的な状況に適応できる。したがって、特許請求主題を開示された具体的実施形態に限定しないことを意図し、特許請求主題は、添付の特許請求の範囲の領域およびその等価物に該当する全ての実施形態を含むことを意図する。
【0121】
前述の詳細な説明において、多数の具体的な詳細を記載し、特許請求主題の完全な理解を提供する。しかしながら、当業者であれば、特許請求主題をこれらの具体的な詳細を用いることなしに実施できることを理解するであろう。当業者に既知であろう別の実例、方法、装置またはシステムは、特許請求主題を不明瞭にしないように、詳細には記載しなかった。
【0122】
本明細書全体を通して、「1つの実施形態」または「実施形態」の言及は、具体的な実施形態と連携して記載された具体的特徴、構造、または特徴が、特許請求主題の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味することができる。よって、本明細書全体を通して種々の箇所の「1つの実施形態」または「実施形態」の記載は、必ずしも、同一の実施形態、または記載された1つの具体的実施形態を意味することを意図しない。さらに、記載された具体的特徴、構造または特徴を、種々の方法で1つまたは複数の実施形態と組み合わせることができると理解すべきである。もちろん、一般的に、これらまたは他の点は、具体的な使用の文脈によって変化する。したがって、記載の具体的文脈またはこれらの用語の使用は、それら文脈に関する含意についての有用な手引きを提供することができる。
【0123】
中でも、「できる(can)」、「できる(could)」、「してもよい(might)」、「してもよい(may)」のような条件法の記載は、特段の具体的記載のない限り、特定の例または実施形態が含むが、別の例または実施形態が含まない、特定の特徴、構成要素および/または工程を提供する文脈であると理解される。よって、それら条件法の記載は、必ずしも、特定の特徴、構成要素および/または工程が1つまたは複数の例に何らかとして必要とされること、あるいは、1つまたは複数の例または実施形態が、特定の特徴、構成要素および/または工程が含まれること、またはそれらの具体的な例または実施形態で実施すべきことを(使用者の入力または後見を伴う、あるいは伴わずに)決定する論理を含むことを意図するものではない。「X、YまたはZの少なくとも1種」の記載のような接続的記載は、特段の記載がない限り、1つの事項、記載などが、X、Y、Zまたはそれらの組み合わせであってもよいことを表すと理解すべきである。
図1
図2
【外国語明細書】