(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076692
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】ガイドワイヤー前送り要素を備えたカテーテルシステム
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20230525BHJP
A61M 39/06 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
A61M25/06 500
A61M25/06 512
A61M25/06 514
A61M39/06
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023062309
(22)【出願日】2023-04-06
(62)【分割の表示】P 2020538796の分割
【原出願日】2019-01-07
(31)【優先権主張番号】62/616,053
(32)【優先日】2018-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/239,101
(32)【優先日】2019-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ スパタロ
(57)【要約】
【課題】静脈内にカテーテルの先端を上手く配置できる静脈内カテーテルシステムの提供。
【解決手段】静脈内カテーテルシステムは、遠位端、近位端、サイドポートを有する一体化されたカテーテルアダプターと、カテーテルアダプターの近位端に接続され、遠位端、近位端及びスロットを有するハウジングと、近位端、遠位側先端、及び導入針の近位端と遠位側先端の間に伸びたニードル管腔を有し、導入針の近位端がハウジング内に固定されている導入針と、ニードル管腔内に配置されたガイドワイヤーと、スロットから伸び、スロットに沿って遠位方向に移動可能であり、手前の位置から前進した位置にガイドワイヤーを移動し、ハウジングの回りを少なくとも部分的に包むガイドワイヤー前送り要素と、グリップとを含み、ガイドワイヤーが前進した位置にあるとき、ガイドワイヤーが導入針の遠位側先端を越えて伸び、導入針がハウジングの管腔内に配置されたグリップの部分から遠位方向に伸びる、静脈内カテーテルシステム。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静脈内カテーテルシステムであって、
遠位端、近位端、サイドポートを有する一体化されたカテーテルアダプターと、
前記カテーテルアダプターの近位端に接続されたハウジングであって、遠位端、近位端及びスロットを有するハウジングと、
導入針であって、近位端、遠位側先端、及び前記導入針の前記近位端と前記遠位側先端の間に伸びたニードル管腔を有し、前記導入針の前記近位端が前記ハウジング内に固定されている導入針と、
前記ニードル管腔内に配置されたガイドワイヤーと、
前記スロットから伸び、前記スロットに沿って遠位方向に移動可能であり、手前の位置から前進した位置に前記ガイドワイヤーを移動し、前記ハウジングの回りを少なくとも部分的に包むガイドワイヤー前送り要素と、
グリップと
を含み、
前記ガイドワイヤーが前進した位置にあるとき、前記ガイドワイヤーが前記導入針の遠位側先端を越えて伸び、
前記導入針が前記ハウジングの管腔内に配置された前記グリップの部分から遠位方向に伸びる、静脈内カテーテルシステム。
【請求項2】
前記一体化されたカテーテルアダプターが隔壁を更に含み、前記静脈内カテーテルシステムの流体通路が隔壁を通って広がらず、前記ガイドワイヤー前送り要素が前記スロットに沿って遠位方向に移動可能であり、前記隔壁を通ってガイドワイヤーを進める、請求項1に記載の静脈内カテーテルシステム。
【請求項3】
前記一体化されたカテーテルアダプターが、前記一体化されたカテーテルアダプターの本体の右側から外側に伸びるウイングを含み、前記ガイドワイヤー前送り要素が前記一体化されたカテーテルアダプターの前記本体の左側に配置される、請求項1に記載の静脈内カテーテルシステム。
【請求項4】
前記ハウジングが親指タブを更に含む、請求項1に記載の静脈内カテーテルシステム。
【請求項5】
前記ガイドワイヤー前送り要素又は前記グリップを前記スロットに沿って近位方向に移動するのに応じて、前記ガイドワイヤー及び前記導入針を前記ハウジングの近位方向に向かって移動する、請求項1に記載の静脈内カテーテルシステム。
【請求項6】
前記ガイドワイヤー手前の位置にあり、前記導入針がハウジング内でシールドされるように、前記ガイドワイヤー前送り要素又は前記グリップを前記スロットに沿って近位方向に移動するのに応じて、前記ハウジングが前記一体化されたカテーテルアダプターから分離されるように構成される、請求項5に記載の静脈内カテーテルシステム。
【請求項7】
前記スロットは、前記ハウジングの底部に設置される、請求項1に記載の静脈内カテーテルシステム。
【請求項8】
前記ガイドワイヤー前送り要素は、前記ハウジングの底部にある前記スロットを通って延在し、前記ハウジングの回りを完全に包む、請求項7に記載の静脈内カテーテルシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
静脈内(IV)カテーテルは、一般に、種々の注入療法に使用される。例えば、IVカテーテルは、患者に生理食塩水、種々の医薬、又は完全静脈栄養を注入するのに使用されうる。IVカテーテルはまた、患者から血液を採取するのにも使用されうる。
【0002】
IVカテーテルの一般的なタイプは、オーバーニードル抹消IVカテーテル(over-the-needle peripheral IV catheter)である。その名が意味するとおり、オーバーニードル抹消IVカテーテルは、鋭利な遠位側先端を有する導入針をおおって取り付けられうる。鋭利な遠位側先端は、患者の皮膚と静脈を刺し通すのに使用されうる。導入針による静脈の貫きに続いて、オーバーニードル抹消IVカテーテルが静脈へ挿入される。導入針とオーバーニードル抹消IVカテーテルは、一般に、導入針の斜面が患者の皮膚に背を向けて患者の皮膚から静脈へ浅い角度で挿入される。
【0003】
静脈内での導入針及び/又はオーバーニードル抹消IVカテーテルの妥当な位置を確かめるために、臨床医は、カテーテルアセンブリのフラッシュバックチャンバー内に血液の「フラッシュバック」があることを一般に確認する。導入針の位置を確かめたら、臨床医は、静脈内での流れを一時的に防ぎ、導入針を引き抜き、将来の血液採取又は液体注入にとって適切な位置にカテーテルを残す。
【0004】
静脈へのアクセスが困難である及び/又は脆弱な静脈へアクセスしなければならない患者は、オーバーニードル抹消IVカテーテルなどのIVデバイスを静脈内に挿入し、固定する責任のある臨床医に重大な課題をもたらす。幾つかの例では、静脈関連の外傷を少なくするガイドワイヤーを使用して、患者の静脈内でのカテーテルの先端の配置を容易にする。静脈内にカテーテルの先端を上手く配置できたら、ガイドワイヤーを導入針と一緒に引き抜くことができる。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、一般に、静脈内(IV)カテーテルシステム並びに関連したデバイス及び方法に関する。本開示で使用する場合、用語「遠位」は、IVカテーテルシステム又はそのコンポーネントの、使用者からより遠い部分をいい、用語「近位」は、IVカテーテルシステム又はそのコンポーネントの使用者により近い部分をいう。本開示で使用する場合、用語「使用者」は、臨床医、医師、看護師、又は他の介護提供者をいい、支援要員を含みうる。
【0006】
幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステムは、静脈へのアクセスが困難である及び/又は脆弱な静脈へアクセスする必要のある患者内にカテーテルを配置するのを助けるガイドワイヤーを含みうる。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステムはまた、種々の臨床的な挿入技術に一体化及び/又は順応される。例えば、IVカテーテルシステムは、以下の臨床的な挿入技術の1以上に適合できる:ウイング付きグリップ、入れ子型(nested)ウイング付きグリップ、ポート型(ported)グリップ、及びセントラルグリップ。
【0007】
幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステムは、以下の1つ以上を含む:カテーテルアダプター、カテーテル、ハウジング、グリップ、導入針、ガイドワイヤー、及びガイドワイヤー前送り要素。幾つかの実施形態では、ハウジングは、カテーテルアダプターの近位にあり、及び/又はカテーテルアダプターの近位端に結合される。幾つかの実施形態では、ハウジングは近位端、遠位端及びスロットを含むことができる。
【0008】
幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素は、スロットを通って伸び、遠位方向にスロットに沿って移動可能であり、ガイドワイヤーを手前の位置から前進した位置へ移動することができる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤーは、ガイドワイヤーが前進した位置にあるとき、導入針の遠位側先端を超えて伸びることができる。
【0009】
幾つかの実施形態では、導入針は、遠位端、近位端、及び導入針の近位端と遠位側先端との間に伸びるニードル管腔を含みうる。幾つかの実施形態では、導入針の近位端は、ハウジング内に固定されうる。例えば、導入針の近位端は、ハウジング内に配置されうるニードルハブに結合されうる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤーはニードル管腔内に配置されうる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤーが手前の位置から前進した位置に移動したとき、ガイドワイヤーはニードル管腔内に移動しうる。
【0010】
幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステムは、一体化されたカテーテルアダプターを含みうる。更に詳細には、幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステムは、例えばBDNEXIVA(商標)Closed IV Catheter System、BD NEXIVA(商標)DIFFUSICS(商標)Closed Catheter System、又はベクトンディッキンソンPEGASUS(商標)Safety Closed IV Catheter Systemなどの、一体型延長チューブを有するカテーテルアダプターを含みうる。
【0011】
これらの及び他の実施形態では、カテーテルアダプターは第1のポート及び第2のポートを含みうる。幾つかの実施形態では、カテーテルアダプターの管腔は、第1の管腔、第2の管腔、及び共通の管腔を含みうる。幾つかの実施形態では、第1のポートは、第1の管腔を形成し得、及び/又は第2のポートは第2の管腔を形成しうる。幾つかの実施形態では、第1及び第2の管腔は共通の管腔に接合されうる。幾つかの実施形態では、第1の管腔は、一般に、共通の管腔に整列され、及び/又は第2のポートはサイドポートに相当しうる。
【0012】
幾つかの実施形態では、カテーテルアダプターは、隔壁を含むことができ、これは低抵抗隔壁であってよい。一体型のカテーテルアダプターでは、隔壁は、「ニードルチャネル」に対応しうる第1の管腔内に配置されうる。幾つかの実施形態では、隔壁は、カテーテルアダプターの周りの外部環境から第1の管腔を遮断しうる。従って、隔壁は、第1のポートを少なくとも実質的に密閉し、流体が第1のポートを通してカテーテルアダプターから出ていくのを防止する。幾つかの実施形態では、流体の注入及び/又は血液採取の間のカテーテルアセンブリの流体通路は、第1のポートではなく、第2のポートを通って伸びていてよい。幾つかの実施形態では、ほとんどの又は実質的に全ての流体及び/又は血液は、第1のポートではなく、第2のポートを通って流れうる。
【0013】
幾つかの実施形態では、第2のポートは、延長チューブに接続されうる。幾つかの実施形態では、カテーテルアダプターの第2の管腔は、カテーテルアダプターの第2のポートから伸びていてよい延長チューブを通して、血液採取又は注入の手段に結合されうる。
【0014】
幾つかの実施形態では、スロットはハウジングの任意の位置に配置されうる。幾つかの実施形態では、スロットはハウジングの左又は右側に配置されうる。幾つかの実施形態では、スロットはハウジングの上部(top)又は底部(bottom)に配置されうる。幾つかの実施形態では、スロットはIVカテーテルシステムの中央平面に配列されうる。幾つかの実施形態では、カテーテルアダプターは、カテーテルアダプターの本体の右側から外側に伸びるウイングを含みうる。これらの及び他の実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素は、IVカテーテルシステムの左側に配置され及び/又はIVカテーテルシステムの中央平面に整列され得、使用者がウイングもつかむ場合、使用者によるガイドワイヤー前送り要素へのアクセスを容易にすることができる。本開示で使用される場合、用語「左」及び「右」は、IVカテーテルシステム又はそのコンポーネントの部分であって、IVカテーテルシステムを患者の静脈に挿入するとき、ハウジングの近位端からIVカテーテルシステムの遠位端に向いた使用者の目から見て、それぞれ左側及び右側をいう。
【0015】
幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステムは、ハウジングの本体から外側に伸びるグリップを含むことができる。幾つかの実施形態では、グリップはハウジングのスロット又は別のスロットを通して伸びることができる。幾つかの実施形態では、グリップは、IVカテーテルシステムに対して、使用者によるグリップへのアクセスを容易にすることができる種々の位置に配置されうる。幾つかの実施形態では、グリップは、一般にウイングの形に相当する形を含みうる。幾つかの実施形態では、グリップは、ウイング及びグリップが患者の血管系にカテーテルを挿入する間に使用者の第1の手の親指と人差し指の間に挟まれるように、ウイングの下に直接に配置されうる。幾つかの実施形態では、使用者は、親指に対して近位方向に人差し指を単にスライドさせ、これによってグリップをウイングから近位方向に離れるようにスライドさせてカテーテルアダプターからハウジングを容易に引き抜くことができる。幾つかの実施形態では、グリップの上面の隆起が、ハウジングに対するカテーテルアダプターの近位方向への移動を防止しうる。幾つかの実施形態では、グリップはウイングの上又はウイングに隣接して配置されるように構成されうる。
【0016】
幾つかの実施形態では、スロットに沿って遠位方向にガイドワイヤー前送り要素を移動し、手前の位置から前進した位置にガイドワイヤーを移動するのに応じて、ガイドワイヤー前送り要素がグリップに接続しうる。幾つかの実施形態では、スロットに沿って遠位方向にガイドワイヤー前送り要素を移動し、手前の位置から前進した位置にガイドワイヤーを移動するのに応じて、ガイドワイヤー前送り要素はグリップに接続しなくてもよい。特に、幾つかの実施形態では、導入針が、ニードルハブを含んでいてもよいハウジング内に配置されたグリップの部分に接続されうる。
【0017】
幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素及び/又はグリップは、スロットに沿って近位方向及び/又は遠位方向に移動可能でありうる。ガイドワイヤー前送り要素がグリップに接続されることになる幾つかの実施形態では、スロットに沿って近位方向にガイドワイヤー前送り要素及び/又はグリップを移動するのに応じて、ガイドワイヤー及び挿入針がハウジング内で近位方向に移動しうる。幾つかの実施形態では、スロットに沿って近位方向にガイドワイヤー前送り要素及び/又はグリップを移動するのに応じて、導入針は、導入針の遠位側先端がハウジング内に収容されるようにハウジング内でシールドされうる。加えて又は代替的に、幾つかの実施形態では、スロットに沿って近位方向にガイドワイヤー前送り要素及び/又はグリップを移動するのに応じて、ガイドワイヤーは、ガイドワイヤーがハウジング内に収容されるようハウジンク内でシールドされうる。
【0018】
幾つかの実施形態では、ハウジングは、ハウジングの任意の位置に配置されうる他のスロットを含むことができる。幾つかの実施形態では、他のスロットは、ハウジングの上部又は底部に配置されうる。幾つかの実施形態では、他のスロットは、ハウジングの左側又は右側に配置されうる。幾つかの実施形態では、他のスロットは、IVカテーテルシステムの中央平面に整列されうる。
【0019】
幾つかの実施形態では、グリップは、スロット又は他のスロットに沿って遠位方向及び/又は近位方向に移動可能であってよい。幾つかの実施形態では、他のスロットに沿って近位方向にグリップを移動するのに応じて、ガイドワイヤー、ガイドワイヤー前送り要素及び導入針は、ハウジング内で近位方向に移動しうる。
【0020】
幾つかの実施形態では、グリップは、ガイドワイヤー前送り要素と接続されないが、スロット又は他のスロットに沿って近位方向にグリップを移動するのに応じて、グリップはガイドワイヤー前送り要素を近位方向に移動することができる。例えば、スロット又は他のスロットに沿って近位方向にグリップを移動するのに応じて、グリップはガイドワイヤー前送り要素の遠位端に接触し、ガイドワイヤー前送り要素を近位方向に移動するのを促進する。
【0021】
幾つかの実施形態では、他のスロットに沿って近位方向にグリップを移動するのに応じて、導入針は、導入針の遠位側先端がハウジング内に収容される及び/又はグリップの部分がハウジング内でシールドされうるようにハウジング内でシールドされる。加えて又は代替的に、幾つかの実施形態では、他のスロットに沿って近位方向にグリップを移動するのに応じて、ガイドワイヤーは、ガイドワイヤーの遠位端がハウジング内に収容されるようにハウジング内でシールドされうる。
【0022】
幾つかの実施形態では、ハウジング内の導入針の遠位側先端のシールド及び/又はハウジング内のガイドワイヤーの遠位端のシールドに応じて、ハウジングはカテーテルアダプターから離脱及び/又は分離するように構成されうる。更に詳細には、幾つかの実施形態では、導入針の遠位側先端のシールド及び/又はハウジング内のガイドワイヤーの遠位端のシールドに応じて、カテーテルアダプターとハウジングの間の接続機構が、自動的に及び/又は使用者によってリリースされうる。例えば、接続機構は、ラッチ機構、又は任意の他の適切なタイプの接続機構を含みうる。幾つかの実施形態では、使用者は、ハウジングの外側スリーブを、ハウジングの内側スリーブ又はカテーテルアダプターに対してひねるか又は回転することができ、更に詳細に説明するようにハウジングからカテーテルアダプターを分離することができる。
【0023】
幾つかの実施形態では、カテーテルアダプター及び/又はハウジングは、親指タブを含むことができる。幾つかの実施形態では、親指タブは、例えば、グリップのウイング部分などの使用者によってつかむことができるグリップの部分から横方向にずれていてよく、例えば、使用者がポート型のグリップでIVカテーテルシステムをつかむとき、使用者によるガイドワイヤー前送り要素へのアクセスを容易にしうる。幾つかの実施形態では、親指タブはIVカテーテルシステムの中央平面と整列されてもよく、及び/又はカテーテルアダプター及び/又はハウジングの上部に配置されてもよい。
【0024】
幾つかの実施形態では、患者の血管系へのIVカテーテルの挿入方法は、使用者の第1の手で、カテーテルアダプターのウイング及び/又はハウジングのグリップをつかむことを含みうる。幾つかの実施形態では、この方法は、使用者の第2の手で、ガイドワイヤー前送り要素をつかむことを含みうる。幾つかの実施形態では、この方法は、以下、即ちカテーテルアダプターのウイング、ハウジングのグリップ、及びガイドワイヤー前送り要素の1つ以上がつかまれているときに、導入針とカテーテルを静脈に挿入することを含みうる。幾つかの実施形態では、導入針及びカテーテルが静脈に挿入された後、この方法は、遠位方向にガイドワイヤー前送り要素を移動して、第2の手で前進した位置にガイドワイヤーを移動することを含みうる。幾つかの実施形態では、第1の手は、使用者の右手に相当し、第2の手は使用者の左手に相当しうる。
【0025】
幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素が前進した位置に遠位方向に移動された後、カテーテルは、グリップを動かないように保持しながらカテーテルアダプターを遠位方向に動かすことによって静脈内に更に進められる。
【0026】
幾つかの実施形態では、使用者の第1の手によるウイングのグリッピングが、そして使用者の第2の手によるガイドワイヤー前送り要素のグリッピングが同じときに(at a same time)又は同時に(simultaneously)起こってもよい。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素は、ガイドワイヤー前送り要素がつかまれたときに前に進みうる。幾つかの実施形態では、カテーテルアダプターのウイングは、ガイドワイヤー前送り要素から横方向にずれており、IVカテーテルシステムに対して使用者の両手の使用を容易にする。例えば、ウイングとスロットはIVカテーテルシステムの対向する側に配置されうる。
【0027】
幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステムは、導入針を患者の血管系に挿入するのを容易にし得、及び/又はガイドワイヤーに沿ってカテーテルを前進するのを容易にしうる。例えば、カテーテルアダプターのウイングをつかむことには、使用者の第1の手の親指と人差し指の間でウイングとグリップを挟むことが含まれる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素が第2の手で遠位方向に進められ及び/又は近位方向に移動されるのと同時に、ウイングとグリップは使用者の第1の手の親指と人差し指の間に挟まれうる。
【0028】
幾つかの実施形態では、ウイングは第1のウイングであってよく、カテーテルアダプターは第1のウイングの反対側に第2のウイングを含んでいてもよい。従って、幾つかの実施形態では、カテーテルアダプターは、例えばカテーテルアダプターの本体の右側から外側に伸びたウイングと、カテーテルアダプターの本体の左側から外側に伸びた別のウイングなどの複数のウイングを含むことができる。
【0029】
幾つかの実施形態では、第1のウイングのグリッピングは、第1のウイングの上面に第1の手の中指を置くことを含みうる。幾つかの実施形態では、カテーテルアダプターの第1のウイングが第1の手でつかまれ、ガイドワイヤー前送り要素が第2の手でつかまれるのと同時に、使用者は、第2のウイングの上面に第1の手の人差し指をおき、親指タブ上に第1の手の親指を置くことによって、第2のウイングと親指タブをつかむことができる。
【0030】
幾つかの実施形態では、この方法は、ガイドワイヤー前送り要素及び/又はグリップをスロットに沿って近位方向に移動することを含みうる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素及び/又はグリップをスロットに沿って近位方向に移動するのに応じて、ガイドワイヤー、グリップ、及び導入針がハウジングの近位端に向けて移動しうる。幾つかの実施形態では、この方法は、別のスロットに沿って近位方向にグリップを移動することを含むことができ、及び他のスロットに沿ってグリップを移動するのに応じて、ガイドワイヤー、ガイドワイヤー前送り要素、及び導入針がハウジングの近位端に向けて移動しうる。
【0031】
上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方とも例示であり、説明のためのものであり、特許請求されたとおりの発明を制限するものではないことを理解すべきである。
【0032】
例としての実施形態が、添付の図面を使用して、追加の特性と詳細と共に記載され、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1A】
図1Aは、例として示すIVカテーテルシステムの上面図であり、幾つかの実施形態に従った、手前の位置に例としてのガイドワイヤーを示した図である。
【
図1B】
図1Bは、
図1AのIVカテーテルシステムの上面図であり、幾つかの実施形態に従った、前進した位置にガイドワイヤーを示した図である。
【
図1C】
図1Cは、
図1AのIVカテーテルシステムの上面図であり、幾つかの実施形態に従った、例としてのカテーテルアダプターから除かれた、例としてのハウジングを示した図である。
【
図1D】
図1Dは、幾つかの実施形態に従った、
図1AのIVカテーテルシステムで使用されうる例としてのニードルシールド機構の遠位端側から見た図である。
【
図1E】
図1Eは、幾つかの実施形態に従った、
図1Dのニードルシールド機構の上側斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、
図1Aの例としてのIVカテーテルシステムの断面図であり、幾つかの実施形態に従った、手前の位置にガイドワイヤーを示した図である。
【
図2B】
図2Bは、
図1Aの例としてのIVカテーテルシステムの断面図であり、幾つかの実施形態に従った、前進した位置にガイドワイヤーを示した図である。
【
図3A】
図3Aは、
図1Aの例としてのIVカテーテルシステムの上面図であり、幾つかの実施形態に従った、例としての入れ子型のウインググリップにより使用者がIVカテーテルシステムをつかむのを示した図である。
【
図3B】
図3Bは、
図1Aの例としてのIVカテーテルシステムの上面図であり、幾つかの実施形態に従った、例としてのポート型のグリップにより使用者がIVカテーテルシステムをつかむのを示した図である。
【
図3C】
図3Cは、
図1Aの例としてのIVカテーテルシステムの上面図であり、幾つかの実施形態に従った、例としてのセントラルグリップによりIVカテーテルシステムを使用者がつかむのを示した図である。
【
図3D】
図3Dは、別の例としてのIVカテーテルシステムの上面図であり、幾つかの実施形態に従った、例としてのウイング型グリップにより使用者がIVカテーテルシステムをつかむのを示した図である。
【
図4】
図4は、幾つかの実施形態に従った、別の例のIVカテーテルシステムの上面図である。
【
図5A】
図5Aは、別の例としてのIVカテーテルシステムの上側斜視図であり、幾つかの実施形態に従った、挿入位置のIVカテーテルシステムを示す図である。
【
図5B】
図5Bは、
図5AのIVカテーテルシステムの断面図であり、幾つかの実施形態に従った、挿入位置のIVカテーテルシステムを示す図である。
【
図6A】
図6Aは、
図5AのIVカテーテルシステムの上側斜視図であり、幾つかの実施形態に従った、前進した位置の例としてのガイドワイヤーを示す図である。
【
図6B】
図6Bは、
図5AのIVカテーテルシステムの上側斜視図であり、幾つかの実施形態に従った、前進した位置のガイドワイヤーを示す図である。
【
図7A】
図7Aは、
図5AのIVカテーテルシステムの上側斜視図であり、幾つかの実施形態に従った、部分的に手前の位置の例としてのグリップとガイドワイヤーを示す図である。
【
図7B】
図7Bは、
図5AのIVカテーテルシステムの上側斜視図であり、幾つかの実施形態に従った、部分的に手前の位置のグリップとガイドワイヤーを示す図である。
【
図8A】
図8Aは、
図5AのIVカテーテルシステムの上側斜視図であり、幾つかの実施形態に従った、手前の位置のグリップとガイドワイヤーを示す図である。
【
図8B】
図8Bは、
図5AのIVカテーテルシステムの上側斜視図であり、幾つかの実施形態に従った、手前の位置のグリップとガイドワイヤーを示す図である。
【
図9】
図9は、幾つかの実施形態に従った、カテーテルアダプターにハウジングを接続しうる、例としての接続機構を示す図である。
【
図10】
図10は、幾つかの実施形態に従った、患者の血管系にIVカテーテルを挿入する例としての方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の詳細な説明
本開示は、一般に、静脈内(IV)カテーテルシステム、並びに関連したデバイス及び方法に関する。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステムは、静脈へのアクセスが困難である、及び/又は脆弱な静脈へアクセスしなければならない患者にカテーテルを配置するのを容易にするガイドワイヤーを含むことができる。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステムは、種々の臨床的な挿入技術と一体化される、及び/又は適応させることもできる。例えば、IVカテーテルシステムは、以下の臨床的な挿入技術、即ちウイング型(winged)のグリップ、入れ子型のウイング型グリップ、ポート型グリップ、及びセントラルグリップの1つ以上に適応しうる。
【0035】
図1A~2Bを新たに参照すると、幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム10は、以下のもの:即ち、カテーテルアダプター12、カテーテル14、ハウジング16、導入針18、ガイドワイヤー20、及びガイドワイヤー前送り要素22の1つ以上を含むことができる。幾つかの実施形態では、ハウジング16は、カテーテルアダプター12の近位端に隣接及び/又は接続されうる。幾つかの実施形態では、ハウジング16は、近位端、遠位端、及びスロット24を含むことができる。
【0036】
幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素22はスロット24から広がることができ、例えば
図1Aに示された手前の位置から
図1Bに示された前進した位置までスロット24に沿って遠位方向に移動可能であり、ガイドワイヤー20を動かすことができる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー20は、ガイドワイヤー20が前進した位置にあるとき、導入針18の遠位側先端を越えて伸びることができる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー20は、コイル状の先端、丸い先端、柔らかい先端、円形の先端、又はカテーテル14の配置の間に、ニードル18及び/又はガイドワイヤー20の前進による静脈の損傷及び合併症を低減することができる他の形状を含むことができる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー20は、1以上の材料で構成されうる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー20は、局所的な剛直性及び/又はガイドワイヤー20の他の特性を容易にしうる1以上の形状を含むことができる。
【0037】
幾つかの実施形態では、挿入針18は、近位端、遠位側先端26、及び導入針18の近位端と遠位側先端26との間に伸びたニードル管腔28を含むことができる。幾つかの実施形態では、導入針18の近位端は、ハウジング16内に固定されうる。例えば、導入針18の近位端は、ハウジング16内に配置されうるニードルハブ30に接続される。幾つかの実施形態では、ニードルハブ30は、ハウジング16の一部であってよく及び/又はハウジング16と一体に形成されてもよい。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー20は、ニードル管腔28内に配置されうる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー20は、ガイドワイヤー20が手前の位置から前進した位置に移動したとき、ニードル管腔28内に移動してもよい。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー20の遠位端32は、ガイドワイヤー20が手前の位置にあるときにニードル管腔に配置されてもよい。
【0038】
幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム10は、一体化されたカテーテルアダプター12を含むことができる。更に詳細には、幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム10は、一体化された延長チューブ34を有するカテーテルアダプター12、例えば、BD NEXIVA(商標) Closed IV Catheter System、BD NEXIVA(商標) DIFFUSICS(商標) Closed IV Catheter System、又はベクトンディッキンソンPEGASUS(商標)Safety Closed IV Catheter Systemなどを含みうる。
【0039】
これらの及び他の実施形態では、カテーテルアダプター12は、第1のポート36及び第2のポート38を含むことができる。
図2A~2Bを新たに参照すると、カテーテルアダプターの管腔40は、第1の位置の管腔40a、第2の管腔40b、及び共通の管腔40cを含むことができる。幾つかの実施形態では、第1のポート36は第1の管腔40aを形成し、及び/又は第2のポート38は第2の管腔40bを形成しうる。幾つかの実施形態では、第1の管腔40a及び第2の管腔40bは、共通の管腔40cで連結されうる。幾つかの実施形態では、第1の管腔40aは、一般に、共通の管腔40cと整列され、及び/又は第2のポート38はサイドポートに相当しうる。
【0040】
幾つかの実施形態では、カテーテルアダプターは隔壁42を含むことができる。幾つかの実施形態では、隔壁42は低抵抗隔壁でありうる。隔壁42は、1以上の部分(pieces)を含むことができる。一体化されたカテーテルアダプターでは、隔壁42は、「ニードルチャネル」に相当する第1の管腔内に配置されうる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素22はスロット24に沿って遠位方向に移動可能であり、隔壁42を通してガイドワイヤー20を前進させる。これらの及び他の実施形態では、ガイドワイヤー20は導入針18内に配置されうる。
【0041】
幾つかの実施形態では、隔壁42は、カテーテルアダプター12の周りの外部環境から第1の管腔40aを遮断することができる。従って、幾つかの実施形態では、隔壁42は第1のポート40aを少なくとも実質的に密封し、第1のポート36を通してカテーテルアダプター12へ流体が出て行くのを防止する。幾つかの実施形態では、流体注入及び/又は血液採取の間のIVカテーテルシステム10の流体通路は、第1のポート36でなく第2のポート38通って伸びることができる。幾つかの実施形態では、流体及び/又は血液の大部分又は実質的にすべてが、第1のポートではなく、第2のポートを通って流れうる。
【0042】
幾つかの実施形態では、第2のポート38は延長チューブ34に接続されうる。幾つかの実施形態では、カテーテルアダプター12の第2の管腔40bは、カテーテルアダプター12の第2ポート28から延びうる延長チューブ34を介して、採血手段又は注入手段44に接続可能であってよい。
【0043】
幾つかの実施形態では、スロット24は、ハウジングの任意の部分に配置されうる。幾つかの実施形態では、スロット24は、ハウジングの左側又は右側に配置されうる。幾つかの実施形態では、スロット24は、ハウジングの上面又は底面に配置されうる。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム10の左側及び右側は、中央平面45によって割けられる。幾つかの実施形態では、スロット24は、IVカテーテルシステム10の中央平面45に整列されうる。
【0044】
幾つかの実施形態では、カテーテルアダプター12は、カテーテルアダプター12の本体の右側から外側に伸びるウイング46を含むことができる。これらの及び他の実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素22は、IVカテーテルシステム10の左側に配置され及び/又は中央平面45と整列され、使用者がウイング46もつかんだとき、使用者によるガイドワイヤー前送り要素22へのアクセスを容易にしうる。
【0045】
幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム10は、ハウジング16の本体から外側に伸びるグリップ48を含むことができる。幾つかの実施形態では、グリップ48は、ハウジング16のスロット24又は別のスロットを通して伸びることができる。幾つかの実施形態では、グリップ48は、IVカテーテルシステム10に対して種々の位置に配置することができ、使用者によるグリップ48へのアクセスを容易にしうる。幾つかの実施形態では、グリップ48は、一般的に、ウイング46の形状に対応した形状を含むことができる。幾つかの実施形態では、グリップ48の上面上の隆起が、ハウジング16に対するカテーテルアダプター12の近位方向への移動を防止しうる。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム10は、ウイング46を含まなくてもよい。幾つかの実施形態では、グリップ48は、IVカテーテルシステム10の右側に配置されうる。これらの及び他の実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素22は、IVカテーテルシステム10の左側に配置され、及び/又は中央平面45と整列され、使用者がグリップ48もつかんだとき、使用者によるガイドワイヤー前送り要素22へのアクセスを容易にすることができる。
【0046】
幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム10は、ニードル安全機構を含むことができ、これらの例を、
図1C~1E、3D、4及び5A~9に関連して考察する。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム10は、ニードル安全機構又はニードルシールド機構を含まなくてもよい。
図1Cに示されるように、幾つかの実施形態では、ハウジング16は、ガイドワイヤー20が前進した位置にあるとき及び/又は導入針18が前に進んだ位置又は挿入位置にあるとき、カテーテルアダプター12から分離又は除去されてもよい。
【0047】
図1C~1Eを新たに参照すると、幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム10は、ニードル安全機構47を含んでいてもよい、幾つかの実施形態ではニードル安全機構47は、スプリングクリップを含み、これは弾力のある第1のアーム49a及び弾力のある第2のアーム49bを含むことができる。幾つかの実施形態では、ニードル安全機構47は任意の適切なクリップ又はニードル安全機構を含むことができる。幾つかの実施形態では、第1のアーム49a及び第2のアーム49bの近位端は、近位の壁で連結され得、この近位の壁は、導入針18が遠位方向に進められるように、導入針18の近位端をスライド可能に受け入れるための大きさを有し、そのように構成された開口を含みうる。幾つかの実施形態では、針の機構(needle feature)又はバンプ(示されていない)は、針の機構又はバンプの直径を開口の直径よりも大きくできるので、開口を通して導入針18の遠位側先端26が近位側に引き抜かれるのを防止できる。
【0048】
幾つかの実施形態では、第1のアーム49aの遠位端及び第2のアーム49bの遠位端は湾曲されていてよく、及び/又はリップを含むことができる。幾つかの実施形態では、導入針18が挿入位置にあり、患者に挿入する準備ができているとき、導入針18は、第1のアーム及び第2のアーム49a、bを外側に偏向させるように、第1のアーム49aの遠位端と第2のアーム49bの遠位端の間に配置されてよい。幾つかの実施形態では、第1及び第2のアーム49a、bが外側に偏向される場合、これらはカテーテルアダプター12の内側壁とかみ合わされ、カテーテルアダプター12内にニードル安全機構47を固定する。患者から導入針18を引き抜き、第1及び第2のアーム49a、49bの遠位端に隣接するように遠位側先端26を移動するのに応じて、第1及び第2のアーム49a、49bの遠位端は互いに近接する及び/又はオーバラップするように移動し、ニードル安全機構47をカテーテルアダプター12からリリースし、例えば
図1Eに示されるように、導入針18がニードル安全機構47を超えて遠位方向に移動するのを防止する。
【0049】
第1のアーム49aの遠位端及び/又は第2のアーム49bの遠位端は、ガイドワイヤー20を受容するサイズを有し、そのように構成された孔を含むことができる。幾つかの実施形態では、孔の直径は、導入針18の直径未満であり、導入針18がシールドされた位置に孔を通して遠位方向に移動するのを防止することができる。
【0050】
図3A~3Cを新たに参照すると、幾つかの実施形態では、ハウジング16は親指タブ54を含むことができる。加えて又は代替的に、幾つかの実施形態では、カテーテルアダプター12は、フィンガープッシュ又はグリップタブ56を含むことができる。幾つかの実施形態では、親指タブ54及び/又はフィンガープッシュ又はグリップタブ56は、使用者によってつかまれうるグリップ48の部分、例えばグリップ48のウイング状部分などから横方向にずれていてよく、使用者によるガイドワイヤー前送り要素22へのアクセスを容易にすることができる。幾つかの実施形態では、親指タブ54及び/又はフィンガープッシュ又はグリップタブ56は、例えば、
図3A~3Cに例示されるように、IVカテーテルシステムの中央平面45と配列され、及び/又はカテーテルアダプター12及び/又はハウジング16の上部に配置される。
【0051】
図3Aに例示されるように、幾つかの実施形態では、グリップ48は、カテーテル14を手前のウイング状のグリップを通して患者の血管系に挿入する間に、ウイング46及びグリップ48が使用者の第1の手の親指50と第1の手の人差し指52の間に挟まれるようにウイング46の下に直接に配置される。これらの実施形態では、使用者は、親指50に対して近位方向に人差し指52を単にスライドし、これによって、ウイング46から近位方向に離れるようにグリップ48をスライドさせることによりカテーテルアダプター12からハウジング16を容易に引き抜くことができる。幾つかの実施形態では、グリップ48はウイング46の上に又は隣接して配置されるように構成されうる。
【0052】
幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素22は、ハウジング16の中央に配置され得、IVカテーテルシステム10の中央平面45に整列される。これらの及び他の実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素22は、親指タブ54及び/又はフィンガープッシュ又はグリップタブ56と整列されてもよい。幾つかの実施形態では、親指タブ54及び/又はフィンガープッシュ又はグリップタブ56は、ガイドワイヤー前送り要素22から横方向にずれていてよく、使用者がポート型グリップにおいてIVカテーテルシステム10をつかむとき、使用者によるガイドワイヤー前送り要素22へのアクセスを容易にすることができる。例として、例えば
図3Bに示されるように、親指タブ54及び/又はフィンガープッシュ又はグリップタブ56は、中央平面45と整列され得、ガイドワイヤー前送り要素22は、ハウジング16の片側に配置されうる。
【0053】
幾つかの実施形態では、例えば
図3Bに示されるように、第1の手の別の特定の指58が別のウイング60をつかみ、第1の手の親指50が親指タブ54をつかむのと同時に、使用者の第1の手の特定の指58は、ウイング46をつかむことができる。幾つかの実施形態では、特定の指58は、使用者の第1の手の中指又は使用者の第1の手の別の指を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、別の特定の指58は、使用者の第1指の人差し指52、使用者の第1の手の中指、又は使用者の第1の手の別の指を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム10は、ウイング46を含まなくてもよく、特定の指58はグリップ58の上面と接触し、グリップ58をつかんでもよい。幾つかの実施形態では、使用者は、例えば使用者の右手などの第1の手でポート型グリップ又は別のグリップにおいてカテーテルシステムをつかんでもよく、例えば左手などの第2の手53でガイドワイヤー前送り要素22をつかみ及び/又は移動してもよい。
【0054】
図3Cは、幾つかの実施形態によれば、中央のグリップでIVカテーテルシステム10をつかむ特定の指58、例えば第1の手の中指、及び第1の手の親指50を示し、第1の手の別の特定の指58、例えば人差し指52が、フィンガープッシュ又はグリップタブ56に遠位方向の圧力をかけ、導入針に対して遠位方向にカテーテルアダプターを進めることを可能にする。幾つかの実施形態では、ハウジング16は、1つ以上のガード機構(guard features)61をさらに含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、ガード機構61は、使用者の向かい合った指とカテーテルアダプターの間の物理的なバリアを提供しうる。幾つかの実施形態では、ガード機構61のそれぞれは、外側に向かった指数曲線63を含みうる。幾つかの実施形態では、指数曲線63の先端65は、ガード機構61の最も外側の面でありうる。幾つかの実施形態では、ガード機構61は、任意の物理的バリアを含み、使用者のグリップがハウジング16を超えて伸び、カテーテルアダプター12と接触するのを防止する。幾つかの実施形態では、ガード機構40、グリップ48に隣接して配置されうる。
【0055】
図3Dは、幾つかの実施形態に従った、他の例示的なIVカテーテルシステム62を示す。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム62は、グリップ48を含まなくてもよい。
図3Dは、使用者がウイング型のグリップに従ってIVカテーテルシステム62をつかみ、ウイング46が、使用者の第1の手の親指50と第1の手の人差し指52の間でつままれているものを示す。
【0056】
図3Dはまた、例示的な安全機構を示す。更に詳細には、幾つかの実施形態では、プッシュボタン64がスプリングをリリースし、導入針18及び/又はガイドワイヤー20をハウジング16内に引き込むことを可能にする。使用者は、プッシュボタン64を作動するときを決定することができる。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム62は
図1~3CのIVカテーテルシステム10を含んでいてもよく、又はこれに相当していてもよい。更に詳細には、幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム10は、IVカテーテルシステム62の1つ以上の特徴を含んでいてもよく、及び/又はIVカテーテルシステム62は、IVカテーテルシステム10の1つ以上の特徴を含んでいてもよい。例えば,IVカテーテルシステム10はプッシュボタン64及び関連する安全機構を含んでいてもよい。
【0057】
図4は、幾つかの実施形態に従った、手前の位置にガイドワイヤー20を有する他のIVカテーテルシルテム66を示す。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム66は一体化されていなくてもよい。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム66は、
図1~3CのIVカテーテルシステム10及び/又は
図3DのIVカテーテルシステム62を含んでいてもよく、これらに相当していてもよい。更に詳細には、幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム10及び/又はIVカテーテルシステム62は、IVカテーテルシステム66の1つ以上の特徴を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム66は、IVカテーテルシステム10及び/又はIVカテーテルシステム62の1つ以上の特徴を含んでいてもよい。
【0058】
図5A~9を新たに参照すると、幾つかの実施形態による別のIVカテーテルシステム68が例示される。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素22をスロット24に沿って遠位方向に移動し、手前の位置から前進した位置にガイドワイヤー20を移動するのに応じて、ガイドワイヤー前送り要素22は、グリップ48に接続されうる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤーを前送り要素22は、しばりばめ又は任意の別の適切な接続機構を介して、グリップ48に接続されうる。
【0059】
幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素22をスロット24に沿って遠位方向に移動し、手前の位置から前進した位置へガイドワイヤー20を移動するのに応じて、ガイドワイヤー前送り要素22はグリップ48に接続されなくてもよい。
【0060】
幾つかの実施形態では、導入針18はグリップ48に接続されてもよく、及び/又はグリップ48から伸びていてもよい。特に、幾つかの実施形態では、導入針は、ニードルハブ30を含むか、又はこれに対応しうるハウジング16内に配置されたグリップ48の部分に接続されてもよい。
【0061】
幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素22及び/又はグリップ48は、スロット24に沿って遠位方向に及び/又は近位方向に移動可能でありうる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素22及び/又はグリップ48をスロット24に沿って近位方向に移動するのに応じて、ガイドワイヤー20及び導入針18は、ハウジング16の近位端に向かって移動しうる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素22及び/又はグリップ48をスロット24に沿って近位方向に移動するのに応じて、導入針18の遠位側先端26がハウジング16内に収容されるように、導入針18がハウジング16内でシールドされうる。加えて、又は代替的に、幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素22及び/又はグリップ48をスロット24に沿って近位方向に移動するのに応じて、ガイドワイヤー20の遠位端32がハウジング16内に収容されるようにガイドワイヤー20が、ハウジング内16でシールドされうる。
【0062】
幾つかの実施形態では、ハウジング16は他のスロット(示されていない)を含んでいてもよく、これはハウジング16の任意の位置に配置されうる。幾つかの実施形態では、他のスロットは、ハウジング16の上部又は底部に配置されてよい。幾つかの実施形態では、他のスロットは、ハウジング16の左側又は右側に配置されてよい。幾つかの実施形態では、他のスロットは、IVカテーテルシステム68の中央平面45に整列されうる。
【0063】
幾つかの実施形態では、グリップ48は、スロット24及び/又は他のスロット24に沿って遠位方向及び/又は近位方向に移動可能でありうる。幾つかの実施形態では、グリップ48を他のスロット24に沿って近位方向に移動するに応じて、ガイドワイヤー20、ガイドワイヤー前送り要素22、及び導入針18がハウジング16内で近位方向に移動しうる。
【0064】
幾つかの実施形態では、グリップ48はガイドワイヤー前送り要素22に接続されなくてもよいが、グリップ48をスロット24又は他のスロットに沿って近位方向に移動するのに応じて、グリップ48が、ガイドワイヤー前送り要素22を近位方向に移動しうる。例えば、グリップ48をスロット24又は他のスロットに沿って近位方向に移動するのに応じて、グリップ48がガイドワイヤー前送り要素22の遠位端に接触し、ガイドワイヤー前送り要素22を近位方向に押しやることができる。
【0065】
幾つかの実施形態では、グリップ48を他のスロットに沿って近位方向に移動するのに応じて、導入針18の遠位側先端26がハウジング16内に収容され、及び/又はグリップ48がハウジング16内でシールドされるように、導入針18がハウジング16内でシールドされる。加えて,又は代替的に、幾つかの実施形態では、グリップ48を他のスロットに沿って近位方向に移動するのに応じて、ガイドワイヤー20の遠位端32がハウジング内に収容されるように、ガイドワイヤー20がハウジング16内でシールドされうる。
【0066】
幾つかの実施形態では、ハウジング16内に導入針18の遠位側先端26がシールドされる及び/又はハウジング16内にガイドワイヤー20の遠位端32がシールドされるのに応じて、ハウジング16が、カテーテルアダプター12から離脱及び/又は分離されるように構成されうる。更に詳細には、幾つかの実施形態では、導入針18の遠位側先端26がシールドされる、及び/又はガイドワイヤー20の遠位端32がハウジング16内でシールドされるのに応じて、カテーテルアダプター12とハウジング16との間の接続機構が、自動的に及び/又は使用者によってリリースされる。例えば、接続機構は、ラッチ機構又は他の適切なタイプの接続機構を含むことができる。幾つかの実施形態では、使用者は、ハウジング16及びカテーテルアダプター12の内側スリーブに対してハウジング16の外側スリーブをひねるか又は回転することができ、ハウジング16からカテーテルアダプター12を分離することができる。
【0067】
幾つかの実施形態では、ハウジング16の外側スリーブが、ハウジング16の内側スリーブ及びカテーテルアダプター12に対して回転される場合、カテーテル前送り要素22及び/又はグリップ38は内側スリーブ内のギャップ72を通って回転する。幾つかの実施形態では、ギャップ72はハウジング16のスロット24の一部でありうる。幾つかの実施形態では、ギャップ72は、ハウジング16の内側スリーブに対するハウジング16の外側スリーブの回転を可能にしうる。幾つかの実施形態では、内側ハウジング及びカテーテルアダプター12に対してハウジング16の外側スリーブを回転すると、例えば
図9に示されるカテーテルアダプターのスロット74から外側ハウジングの突出機構を外し、カテーテルアダプター12からハウジング26を遊離することができる。これらの及び他の実施形態では、ハウジング16は、カテーテルアダプター12から除去される及び/又は処分される。
【0068】
幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素22は種々の形及び大きさを有しうる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素22は、例えば
図5A~9に示されるように、ハウジング16の回りを少なくとも部分的に包むことができる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素22は、ユーザーがガイドワイヤー前送り要素22を近位方向又は遠位方向に移動するのを助けることができる1つ以上の突起又は隆起を含むことができる。
【0069】
幾つかの実施形態では、グリップ48は、ハウジング16内のスロット24を通して伸び、グリップ48はスロット24に沿って近位方向及び/又は遠位方向に移動することができる。幾つかの実施形態では、グリップ48は種々の形及び大きさを有しうる。幾つかの実施形態では、グリップ48は隆起を含んでいてもよく、この隆起は、例えば
図5Aに示されるように、ウイングがグリップ48の上部に配置され及び/又は導入針18が挿入位置にある場合、イング46の外側エッジと一般に整列されうる。幾つかの実施形態では、隆起は、ウイング46がグリップ48の近位に移動するのを防止しうる。
【0070】
図5A~5Bは、幾つかの実施形態に従った挿入位置のカテーテルシステム68を示す。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー20の遠位端32は、IVカテーテルシステム68が挿入位置にあるとき、導入針18の遠位側先端26の近く又は隣接して配置されうる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送りタブ22は、IVカテーテルシステム68が挿入位置にあるとき、グリップ48から離れていてよい。
【0071】
図6A~6Bは、幾つかの実施形態に従った、前進した位置のカテーテルシステム68を示す。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム68が前進した位置にあるとき、ガイドワイヤー20は導入針18の遠位側先端26対して遠位方向に伸び、導入針18はカテーテル14の遠位端に対して遠位方向に伸びうる。幾つかの実施形態では、使用者は、IVカテーテルシステム68が患者の血管系に挿入された後、IVカテーテルシステム68を前進した位置に移動することができる。
【0072】
図7A~7Bは、幾つかの実施形態に従った、部分的に引っ込んだ位置のIVカテーテルシステム68を示す。幾つかの実施形態では、使用者は、IVカテーテルシステム68が患者の血管系内の前進した位置に配置された後に、IVカテーテルシステム68を部分的に引っ込んだ位置に移動することができる。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム68が部分的に引っ込んだ位置にあるとき、ガイドワイヤー20の遠位端32はカテーテルアダプター12内に配置され得、及び/又は導入針18の遠位側先端26はカテーテルアダプター12内に配置されうるが、遠位端32及び/又は遠位側先端26は他の位置に配置されてもよい。
【0073】
図8A~8Bは、幾つかの実施形態に従った、手前の位置のIVカテーテルシステム68を示す。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム68が手前の位置にあるとき、IVカテーテルシステム68は、カテーテルアダプター12から、導入針26を収容し、シールドしうるハウジング16の除去を可能にするように構成されうる。幾つかの実施形態では、ハウジング16がカテーテルアダプター12から除かれる場合、カテーテル14は患者の血管系に残りうる。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム68が手前の位置にあるとき、遠位側先端26及び/又はガイドワイヤー20の遠位端32はハウジング16の遠位端に隣接して配置されうる。幾つかの実施形態では、ハウジング16は、IVカテーテルシステム68が手前の位置にあるとき、導入針18及び/又はガイドワイヤー20を包むことができる。
【0074】
幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム68は、以下、即ち
図1~3CのIVカテーテルシステム10、
図3DのIVカテーテルシステム62、及び
図4のIVカテーテルシステム66の1つ以上を含むか、又はこれらに対応することができる。更に詳細には、幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム10、IVカテーテルシステム62、及びIVカテーテルシステム66の1以上が、カテーテルシステム68の1つ以上の特徴を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム68は、以下の、即ちIVカテーテルシステム10、IVカテーテルシステム62、及びIVカテーテルシステム66の1以上の特徴の1つ以上を含んでいてもよい。
【0075】
図10を新たに参照すると、幾つかの実施形態では、IVカテーテルを患者の血管系に挿入する方法600は、ブロック602で開始される。ブロック602では、IVカテーテルシステムの、カテーテルアダプターのウイング及び/又はハウジングのグリップを使用者の第1の手でつかむことが含まれる。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステムは、以下の、即ちIVカテーテルシステム10、IVカテーテルシステム62、IVカテーテルシステム66、及びIVカテーテルシステム68の1つ以上を含むか又はこれらの1つ以上に相当していてよい。
【0076】
ブロック602には、ブロック604が続きうる。ブロック604では、幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステムのガイドワイヤー前送り要素を使用者の第2の手でつかむことができる。ブロック604には、ブロック606が続きうる。ブロック606では、ガイドワイヤー前送り要素を、第2の手で、遠位方向に移動し、IVカテーテルシステムのガイドワイヤーを前進した位置に移動することができる。
【0077】
別々のブロックとして示されているが、種々のブロックが、所望の器具に依存して、追加のブロックに分けられ、少ないブロックに組み合わされ、又は削除されうる。更に、ブロックの順序は変更されてもよい。また、追加のブロックが加えられてもよい。例えば、本方法600は、以下の、即ちカテーテルアダプターのウイング、ハウジングのグリップ、及びガイドワイヤー前送り要素の1つ以上をつかんでいるときに、導入針及びカテーテルを静脈に挿入することを含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、導入針及びカテーテルを静脈に挿入した後、本方法は、ガイドワイヤー前送り要素を遠位方向に移動し、第2の手で前進した位置にガイドワイヤーを移動することを含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素を遠位方向に前進した位置へ移動した後、グリップを動かないように保持しながらカテーテルアダプターを遠位方向に移動することによって、カテーテルを静脈内に更に進めることができる。
【0078】
幾つかの実施形態では、第1の手は使用者の右手に対応し得、第2の手は使用者の左手に対応しうる。幾つかの実施形態では、ウイングを使用者の第1の手でつかむこと、及びガイドワイヤー前送り要素を使用者の第2の手でつかむことは、同じときに又は同時に行われてよい。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素をつかむ場合、ガイドワイヤー前送り要素を遠位方向に移動することができる。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステムのカテーテルアダプターのウイングはガイドワイヤー前送り要素から横方向にずれていてよく、IVカテーテルシステムに関して使用者の両手の使用を容易にすることができる。例えば、ウイングとガイドワイヤー前送り要素はIVカテーテルシステムの反対側に配置されうる。
【0079】
幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステムは、グリップの数に応じて、使用者によってつかまれるように構成され、該グリップは、患者の血管系に導入針を挿入するのを容易にし、及び/又はIVカテーテルシステムのカテーテルをガイドワイヤーに沿って前進させるのを容易にしうる。例えば、入れ子状のウイング型グリップを介してカテーテルアダプターのウイングをつかむことには、使用者の第1の手の親指と人差し指の間にウイングとグリップを挟むことが含まれうる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素が第2の手で遠位方向に進められる、及び/又は近位方向に移動されるのと同時に、ウイング及びグリップが使用者の第1の手の親指と人差し指の間に挟まれうる。
【0080】
幾つかの実施形態では、ウイングは第1のウイングであってよく、カテーテルアダプターは第1のウイングの反対側の第2のウイングを含んでいてもよい。従って、幾つかの実施形態では、カテーテルアダプターは、例えばカテーテルアダプターの本体の右側から外側に伸びたウイング、及びカテーテルアダプターの本体の左側から外側に伸びた別のウイングなどの複数のウイングを含むことができる。
【0081】
幾つかの実施形態では、第1のウイングをつかむことは、第1のウイングの上面に第1の手の中指を置くことを含みうる。幾つかの実施形態では、カテーテルアダプターの第1のウイングを第1の手でつかみ、ガイドワイヤー前送り要素を第2の手でつかむのと同時に、使用者は、第2のウイングの上面に第1の手の人差し指を置き、ポート型グリップと呼ばれる親指タブ上に第1の手の親指を置くことにより、第2のウイングと親指タブをつかむことができる。
【0082】
幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステムは、第1のウイングを含まなくてもよい。これらの及び他の実施形態では、使用者の第1の手は,第1のウイングをつかむことなくグリップをつかむことができる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素が第2の手でつかまれるのと同時に、グリップが第1の手でつかまれうる。幾つかの実施形態では、グリップをつかむことには、使用者の第1の手の人差し指と使用者の第1の手の親指との間でグリップを強く握ることが含まれうる。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステムは第2のウイングを含まなくてもよい。
【0083】
幾つかの実施形態では、本方法600は、ガイドワイヤー前送り要素及び/又はグリップを、スロットに沿って近位方向に移動することを含みうる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤー前送り要素及び/又はグリップをスロットに沿って近位方向に移動するのに応じて、ガイドワイヤー、グリップ、及び導入針がハウジングの近位端に向けて移動しうる。
【0084】
幾つかの実施形態では、本方法600は、グリップを別のスロットに沿って近位方向に移動することを含み、ガイドワイヤー、ガイドワイヤー前送り要素、及び導入針は、他のスロットに沿ってグリップを移動するのに応じて、ハウジングの近位端に向かって移動しうる。
【0085】
本発明は、本明細書で広く記載し、これ以降に特許請求されるとおりの構造、方法、又は他の本質的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で具体化されうる。記載された実施形態及び例は、全ての点で例示としてのみ考慮され、制限を意味するものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、従って、上述の記載によってよりもむしろ添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味する範囲内及び特許請求の範囲と同等の範囲内にある全ての変更は、本発明の範囲内に包含されるべきである。
【0086】
本明細書で詳述した全ての例及び条件付きの用語は、教育的な目的を意図しており、本当分野を促進するために発明者により提案された発明及び概念を理解する際に読者を助けるものであり、このような具体的に詳述した例及び条件に限定されるものでないと解釈されるべきである。本発明の実施は、詳細に記載されているが、種々の変更、置換及び改変は本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行うことができることが理解されるべきである。