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特開2023-76700ホログラフィック画像ガイダンスのための非血管性経皮処置のシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076700
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】ホログラフィック画像ガイダンスのための非血管性経皮処置のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20230525BHJP
【FI】
A61B34/20
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023062416
(22)【出願日】2023-04-06
(62)【分割の表示】P 2019556987の分割
【原出願日】2018-04-20
(31)【優先権主張番号】62/487,519
(32)【優先日】2017-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504291867
【氏名又は名称】ザ クリーヴランド クリニック ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】THE CLEVELAND CLINIC FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】ウエスト,カール
(72)【発明者】
【氏名】ヤーノフ,ジェフリー エイチ.
(57)【要約】
【課題】ホログラフィック画像ガイダンスは、非血管性経皮処置で介入デバイスを追跡するために使用することができる。
【解決手段】頭部装着型デバイスは、追跡データ及び身体画像データを共通座標系に変換し、患者の体に対するホログラフィック表示を作成することで、ホログラフィック画像ガイダンスを供給し、非血管性経皮処置期間の介入デバイスを追跡する。ホログラフィックディスプレイは、物理的介入デバイスが患者の解剖構造を通る時にガイダンスを供給するために、グラフィックをさらに含むことができる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部装着型デバイスであって、
指令が記憶される非一時的なメモリと、
プロセッサとを含み、
前記プロセッサは、前記非一時的なメモリへアクセスして前記指令を実行することで、
非血管性経皮医療処置に使用される物理的介入デバイスに対する、追跡座標系における追跡データを受信することと、
前記物理的介入デバイスに対する追跡座標系における追跡データをヘッドセット座標系に変換することと、
結像座標系における物理的な手術部位を含む患者の解剖構造の術前画像からの画像データへアクセスすることと、
前記結像座標系における前記画像データを前記ヘッドセット座標系に変換することと、
前記物理的介入デバイスに対する前記ヘッドセット座標系における追跡データに基づく前記介入デバイスの3Dホログラフィック表現を、前記ヘッドセット座標系における前記結像データに基づく前記患者の解剖構造の3Dホログラフィック投影に位置合わせることと、
前記3D解剖ホログラフィック投影を前記患者の解剖構造に投影し、前記患者の解剖構造内の物理的な手術部位に関連する参照グラフィックによって前記患者の解剖構造のホログラフィック図の視覚化を供給することと、
前記介入デバイスの3Dホログラフィック表現を前記患者の解剖構造に投影し、前記物理的介入デバイスに関連するガイダンス制御グラフィックによって前記介入デバイスのホログラフィック図の視覚化を供給することと、
前記介入デバイスに対する、前記ヘッドセット座標系における追跡データに基づいて、前記3D解剖ホログラフィック投影において前記介入デバイスの3Dホログラフィック表現をナビゲーションすることとを実行させ、
前記参照グラフィックと前記ガイダンス制御グラフィックは、前記3D解剖ホログラフィック投影及び前記介入デバイスの3Dホログラフィック表現を使用して前記患者の解剖構造を通る前記物理的介入デバイスを追跡するためのガイダンスを供給することを特徴とする頭部装着型デバイス。
【請求項2】
前記視覚化を表示するための頭部装着型ディスプレイをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の頭部装着型デバイス。
【請求項3】
前記プロセッサは、さらに前記指令を実行することで、平行移動、回転及び縮小拡大のうちの少なくとも1つで前記視覚化を変換して、前記頭部装着型デバイスの物理移動によってトリガされるナビゲーションを強化することを特徴とする請求項2に記載の頭部装着型デバイス。
【請求項4】
前記変換は、
3つ以上の基準マーカーの位置であって、前記追跡座標系における非共線な位置を前記患者の皮膚に位置決めすることと、
前記3つ以上の基準マーカーの位置を前記画像座標系における前記画像データ内の3つ以上の位置にマッチングすることと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の頭部装着型デバイス。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連出願へのクロスリファレンス)
この出願は、2017年4月20日に提出された米国臨時出願番号が62/487,519、発明名称が「経皮処置の介入部位に強化された3Dホログラフィックガイダンス及びデバイスナビゲーション(3D HOLOGRAPHIC GUIDANCE AND DEVICE NAVIGATION AUGMENTED TO THE INTERVENTIONAL SITE FOR PERCUTANEOUS PROCEDURES)」の権利を要求する。この臨時出願の全ての内容は、すべての目的のためにここに援用されている。
【技術分野】
【0002】
本発明は、全体的に非血管性経皮処置に関し、より具体的に、非血管性経皮処置にホログラフィック画像ガイダンスを供給するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
画像ガイダンスによる手術(IGS)は、外科手術ナビゲーションとも呼ばれ、リアルタイムに(または「即時に」)術中の解剖構造を術前の画像と視覚的に関連付けさせる。通常、IGSは、全地球測位システム(GPS)に類似すると考えられる。当該技術は、個体がコンピュータで生成された地図にその相対位置を表示することを許容する。IGSでは、術前画像は、地図として使用可能であり、術中追跡システムは、GPSに用いられる衛星や装置に類似する。IGSを用いることで、外科手術手順をよりよく制御し、介入の効果のフィードバックをリアルタイムに取得し、手術ターゲットに接近する時に外傷/混乱を減少することができる。したがって、IGSは、通常、ニードルヘッドまたは他の介入器械を用いる生検と他の非血管性介入処置に利用される。
【0004】
術中の解剖構造と術前画像の視覚関連のため、IGSの理論的有用性は実際に制限されている。術中結像の使用が増加すると、重要な構造を回避してターゲットを位置決める自信が高まるが、リアルタイム蛍光透視法またはコンピューター断層撮影(CT)は、患者とインターベンショニストへの放射線量の負担が増加する。また、ターゲットと針または他の介入器具の画像は、現在、現場の平面2Dモニタに表示される。針または他の介入器具を制御するために、インターベンショニストは、2Dモニタで観察したターゲットに対する位置及び軌跡を、器具の経路を修正するために必要な物理的軌跡調整に変換する必要がある。現在の画像ガイダンス技術は、処置関連の合併症(例えば、肺結節生検の場合の気胸、または肝生検に伴う出血など)を引き起こす恐れがある。なお、CTガイダンスを経皮処置に使用すると、実行中の診断走査の数(スループットを減少する)が減少するため、施設の収益に影響を与える可能性がある。CTスキャナースイートでは、典型的なCTガイダンスの生検処置は、約1時間がかかる。これは、診断結像手順の実行での使用に支障をきたす。平均的に、1回の生検(約1時間)を完了するのにかかる時間で、4種類の診断CT手順を実行することが可能であり、収益の損失に直接つながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、全体的に非血管性経皮処置に関し、より具体的に、非血管性経皮処置にホログラフィック画像ガイダンスを供給するシステム及び方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、本発明は、非血管性経皮処置にホログラフィック画像ガイダンスの方法を提供することを含むことができる。当該方法は、物理的介入デバイスに対する、追跡座標系における追跡データを受信可能な、プロセッサを含む頭部装着型デバイスによって実行可能であり、物理的介入デバイスに対する追跡座標系における追跡データをヘッドセット座標系に変換し、結像座標系における物理的な手術部位を含む患者の解剖構造の術前画像からの画像データへアクセスし、結像座標系における画像データをヘッドセット座標系に変換し、物理的介入デバイスに対するヘッドセット座標系における追跡データに基づく介入デバイスの3Dホログラフィック表現を、ヘッドセット座標系における結像データに基づく患者の解剖構造の3Dホログラフィック投影に位置合わせ、3D解剖ホログラフィック投影を表示し、患者の解剖構造内の物理的な手術部位に関連する参照グラフィックにより、患者の解剖構造のホログラフィック図の視覚化を供給し、介入デバイスの3Dホログラフィック表現を表示し、物理的介入デバイスに関連するガイダンス制御グラフィックにより介入デバイスのホログラフィック図の視覚化を供給し、介入デバイスのヘッドセット座標系における追跡データに基づいて3D解剖ホログラフィック投影において介入デバイスの3Dホログラフィック表現をナビゲーションする。参照グラフィックとガイダンス制御グラフィックは、3D解剖ホログラフィック投影及び介入デバイスの3Dホログラフィック表現を使用して患者の解剖構造を通す物理的介入デバイスを追跡するためのガイダンスを供給する。
【0007】
他の態様では、本発明は、非血管性経皮処置のためのホログラフィック画像ガイダンスに用いられる頭部装着型デバイスを含むことができる。頭部装着型デバイスは、指令を実行して操作を行うためにプロセッサによってアクセスされる非一時的なメモリを含む。当該操作は、物理的介入デバイスに対する追跡座標系における追跡データを受信することと、物理的介入デバイスに対する追跡座標系における追跡データをヘッドセット座標系に変換することと、結像座標系における物理的な手術部位を含む患者の解剖構造の術前画像からの画像データへアクセスすることと、結像座標系における画像データをヘッドセット座標系に変換することと、物理的介入デバイスに対するヘッドセット座標系における追跡データに基づく介入デバイスの3Dホログラフィック表現を、ヘッドセット座標系における結像データに基づく患者の解剖構造の3Dホログラフィック投影に位置合わせることと、3D解剖ホログラフィック投影を表示することと、患者の解剖構造内の物理的な手術部位に関連する参照グラフィックにより、患者の解剖構造のホログラフィック図の視覚化を供給することと、介入デバイスの3Dホログラフィック表現を表示することと、物理的介入デバイスに関連するガイダンス制御グラフィックにより介入デバイスのホログラフィック図の視覚化を供給することと、介入デバイスのヘッドセット座標系における追跡データに基づいて3D解剖ホログラフィック投影において介入デバイスの3Dホログラフィック表現をナビゲーションすることとを含む。参照グラフィックとガイダンス制御グラフィックは、3D解剖ホログラフィック投影及び介入デバイスの3Dホログラフィック表現を使用して患者の解剖構造を通る物理的介入デバイスを追跡するためのガイダンスを供給する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図面を参照しながら以下の説明を閲読するとき、本開示の上記及び他の特徴は、本開示に関係する当業者にとって明らかになる。図面において、
図1】本発明の一態様にかかる非血管性経皮処置にホログラフィック画像ガイダンスを供給するシステムの例示を示すブロック図の図示である。
図2図1の頭部装着型デバイスにより達成される座標変換の例示を示すブロック図の図示である。
図3】模擬生検針を含む解剖学的マネキンのホログラフィック図に拡張された例示の図示である。
図4】ホログラフィック図の例示の図示である。ただし、ホログラフィック図は、ホログラフィック画像ガイダンスを使用して身体を通す物理的介入デバイスのナビゲーションを制御するために使用される参照グラフィックとガイダンス制御グラフィックを示す。
図5】本発明の他の態様にかかる非血管性経皮処置にホログラフィック画像ガイダンスを供給する例示的な方法のプロセスのフローチャートである。
図6】本発明の他の態様にかかる非血管性経皮処置にホログラフィック画像ガイダンスを供給する例示的な方法のプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
I. 定義
他に定義されない限り、本明細書に使用されている全ての技術用語は、当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。
【0010】
本開示の文脈において、単数形「1」、「1種」及び「前記」は、文脈上他に明白に示さない限り、複数形を含んでもよい。
【0011】
本明細書に記載のとおり、用語「含む」は、記載された特徴、ステップ、操作、素子及び/または部品の存在を特定することができるが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、操作、素子、部品及び/または組の存在または追加を排除しない。
【0012】
本明細書に記載のとおり、用語「及び/または」は、1つ又は複数の関連する列挙された項目の任意の及びすべての組み合わせを含み得る。
【0013】
また、本明細書では「第1」、「第2」などの用語を用いて様々な要素を説明することができるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語はある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。したがって、以下に説明する「第1」要素は、本開示の教示から逸脱することなく「第2」要素と呼ぶことも可能である。操作(又は動作/ステップ)の順番は、特に断りのない限り、請求項又は図に示された順序に限定されない。
【0014】
本明細書に記載のとおり、用語「経皮」とは、皮膚を通して製造され、達成され、または実現されるものを指す。
【0015】
本明細書に記載のとおり、用語「経皮医療処置」とは、内部器官または組織(通常用解剖刀)を露出させる打開の方法で行うことではなく、皮膚の針穿刺を介して内部器官または組織にアクセスすることを指す。
【0016】
本明細書に記載のとおり、「経皮医療処置」とともに使用されるときの用語「非血管性」とは、経皮的にアクセスされる脈管と異なる被検者の身体の任意の部位で実行される医療処置を指す。経皮医療処置の例示は、生検、組織アブレーション、凍結療法処置、近接照射療法処置、血管内処置、排液処置、骨科処置、疼痛処理処置、椎体成形術処置、椎弓根/スクリュー配置処置、ガイドワイヤ設置処置、SI-Joint固定処置、トレーニング処置などを含んでもよい。
【0017】
本明細書に記載のとおり、用語「介入デバイス」とは、非血管性経皮医療処置の間に使用される医療器具を指す。
【0018】
本明細書に記載のとおり、用語「追跡システム」とは、さらに処理されるものに用いるために、運動中の1つまたは複数の対象を観察し、タイムリーな順序付けられた追跡座標系における追跡データ(例えば、位置データ、方位データ等)を供給することである。例として、追跡システムは、電磁追跡システムであってもよく、当該電磁追跡システムは、介入デバイスが患者の体を移動して通るときに、センサコイルを備える介入デバイスを観察することができる。
【0019】
本明細書に記載のとおり、用語「追跡データ」とは、追跡システムに記録された運動中の1つまたは複数の対象の観察に関連する情報を指す。
【0020】
本明細書に記載のとおり、用語「追跡座標系」とは、1つまたは複数の数字を使用して特定の追跡システムに固有の点または他の幾何元素の位置を確定する3Dデカルト座標系を指す。例えば、追跡座標系は、標準3Dデカルト座標系から回転、拡大縮小等を行うことができる。
【0021】
本明細書に記載のとおり、用語「頭部装着型デバイス」または「ヘッドセット」とは、頭部に装着されるように配置され、1つまたは複数の目の前の1つまたは複数のディスプレイ光学装置(レンズを含む)を有するディスプレイデバイスを指す。場合によって、頭部装着型デバイスは、非一時的なメモリと処理手段を含むこともできる。頭部装着型デバイスの1つの例示は、Microsoft HoloLensである。
【0022】
本明細書に記載のとおり、用語「ヘッドセット座標系」とは、1つまたは複数の数字を用いて特定の頭部装着型デバイスシステムに固有の点または他の幾何元素の位置を確定する3Dデカルト座標系を指す。例えば、ヘッドセット座標系は、標準3Dデカルト座標系システムから回転、拡大縮小または類似する操作を行うことができる。
【0023】
本明細書に記載のとおり、用語「結像システム」とは、患者の体内を視覚的に表現可能なものを指す。例えば、結像システムは、コンピュータ断層撮影(CT)システム、磁気共鳴イメージング(MRI)システム、超音波(US)システム等であり得る。
【0024】
本明細書に記載のとおり、用語「画像データ」とは、患者の体内の観察に関連する結像システムによって3Dで記録された情報を指す。例えば、画像データは、医学におけるデジタルイメージング及び通信(Digital Imaging and Communications in Medicine、DICOM)標準に従ってフォーマット化されたデータ(本明細書では、DICOMデータと呼ばれる)によって示される断層画像を含むことができる。
【0025】
本明細書に記載のとおり、用語「結像座標系」とは、1つまたは複数の数字を用いて特定の結像システムに固有の点または他の幾何元素の位置を確定する3Dデカルト座標系を指す。例えば、結像座標系は、標準3Dデカルト座標系システムから回転、拡大縮小することができる。
【0026】
本明細書に記載のとおり、用語「ホログラフィック図」、「ホログラフィック投影」または「ホログラフィック表現」とは、ヘッドセットのレンズに投影されるコンピュータが生成した画像を指す。通常、ホログラフィック図は、合成的に生成することができ(拡張現実(AR)で)、物理的な現実とは関係がない。
【0027】
本明細書に記載のとおり、用語「物理的」とは、現実的なものを指す。物理的なものはホログラフィックではない(または、コンピュータが生成したものではない)。
【0028】
本明細書に記載のとおり、用語「二次元」または「2D」とは、2つの物理的次元で示されるものを指す。
【0029】
本明細書に記載のとおり、用語「三次元」または「3D」とは、3つの物理的次元で示されるものを指す。三次元または3Dの定義には、「4D」要素が含まれる(例えば、3Dに時間及び/または動きの次元を加えたもの)。
【0030】
本明細書に記載のとおり、用語「参照グラフィック」とは、介入デバイスのガイダンスを支援するための患者の解剖構造内の物理的な手術部位に関連するホログラフィック画像を指す。
【0031】
本明細書に記載のとおり、用語「ガイダンス制御グラフィック」とは、介入デバイスのガイダンスを支援するための介入デバイスに関連するホログラフィック画像を指す。
【0032】
本明細書に記載のとおり、用語「集積」とは、リンクまたは調整されている2つの事柄を指す。例えば、コイルセンサは、介入デバイスと集積することができる。
【0033】
本明細書に記載のとおり、用語「自由度」とは、独立に可変する要素の数を指す。例えば、追跡システムは、6つの自由度―3D点及び3つの回転角度を有することができる。
【0034】
本明細書に記載のとおり、用語「リアルタイム」とは、プロセスまたはイベントが発生する実際の時間を指す。換言すると、リアルタイムイベントはリアルタイムに行われる(ミリ秒単位で、結果がフィードバックとして即時に利用可能である)。例えば、リアルタイムイベントは、イベント発生後の100ミリ秒内に表すことができる。
【0035】
本明細書に記載のとおり、用語「被検者」と「患者」は互換的に使用でき、任意の脊椎動物を指す。
【0036】
II.概要
本発明は、全体的に非血管性経皮処置に関し、より具体的に、非血管性経皮処置にホログラフィック画像ガイダンスを供給するシステム及び方法に関する。ホログラフィック画像ガイダンスは、物理的介入デバイスが患者の体を通って介入ターゲットに到達することをリアルタイムに追跡することができる。物理的介入デバイスが患者の体を通すことを追跡するために、追跡システムを用いて物理的介入デバイスに対する追跡データ(位置と配向)を把握することができる。3Dホログラフィック介入デバイスは、追跡データに基づいて物理的介入デバイスの経路をたどり、術前画像に基づいて生成された3Dホログラフィック解剖画像に3D投影することができる。追跡データであるため、3Dホログラフィック解剖画像内で3Dホログラフィック介入デバイスを表示でき、画像データは、それぞれ3Dホログラフィック画像を表示するヘッドセットの座標系に変換される。
【0037】
このようなホログラフィック画像ガイダンスは、2Dモニタにソース画像を表示する代わりに、拡張現実(AR)を用いることで、物理的な患者と位置合わせた介入部位に3Dホログラフィック投影を表示して実現される。本発明のシステム及び方法は、CTおよび蛍光透視法を使用する従来の画像ガイダンスの処置の制限を克服することに役立つ。ホログラフィック画像ガイダンスの使用は、処置時間を短縮するとともに、インターベンショニストと患者への照射線量を減少し、手術中に重要な構造に接触することによる手術合併症を減少することができる。なお、ホログラフィック画像ガイダンスは、手術現場の無菌性に有利であるために、ハンズフリーガイダンスおよびナビゲーションを可能にする。ホログラフィック画像ガイダンスの使用は、ハイテク3D CTスイートの外部で経皮処置を実行することを許容し、より安価な(例えば2Dなどのローテク)ガイダンス結像を使用して(例えば、超音波とモバイルC型アーム蛍光透視法検査にホログラフィック画像ガイダンスに合わせる)、収益を増加させることができる。
【0038】
III.システム
本発明の一態様は、システム10(図1)を含むことができ、当該システム10は、非血管性経皮処置にホログラフィック画像ガイダンスを供給する。非血管性経皮処置とは、経皮的にアクセスされる脈管システムと異なる被検者の身体の任意の部位で実行される任意の医療処置を指すことができる。非血管性経皮医療処置の例示は、生検、組織アブレーション、凍結療法処置、近接照射療法処置、血管内処置、排液処置、骨科処置、疼痛処理処置、椎体成形術処置、椎弓根/スクリュー配置処置、ガイドワイヤ設置処置、SI-Joint固定処置、トレーニング処置などを含みえる。
【0039】
ホログラフィック画像ガイダンスは、3D拡張現実を使用して従来の2D画像ガイダンスを置き換えることができる。システム10は、頭部装着型デバイス11を含むことができ、当該頭部装着型デバイス11は、3D拡張現実ホログラフィック表示を促進するように配置されることができる。頭部装着型デバイス11は、ホログラフィックディスプレイの表示を支援可能な非一時的なメモリ13と処理手段12(1つまたは複数のハードウェアプロセッサを含むことができる)を含むことができる。頭部装着型デバイスは、1つまたは複数の画像を記録するカメラ、ホログラフィック図の視覚化を生成/表示する1つまたは複数の画像生成コンポーネント、及び/または他の視覚化及び/または記録要素も含むことができる。
【0040】
頭部装着型デバイス11は、追跡データを受信するように、追跡システム14と通信することができる。追跡システム14は、物理的介入デバイスの位置と配向を検出できる電磁(EM)追跡システムであってもよい。物理的介入デバイスは、1つまたは複数のセンサコイルと集積することができ、また、追跡システム14は、物理的介入デバイスの位置と配向に関連付けられる当該1つまたは複数のセンサコイルの位置和配向を確定することができる。非剛性デバイスの場合、物理的介入デバイスの先端に1つまたは複数のセンサコイルを配置することができる。ただし、剛性デバイスの場合、1つまたは複数のセンサコイルは、物理的介入デバイスに沿って任意の位置に配置されてもよく、物理的介入デバイス上に位置する必要がない(例えば、患者の体外に配置することができる)。物理的介入デバイスが患者の体を横断する時、追跡システム14は、当該1つまたは複数のセンサコイルを検出し、当該検出に応じて追跡データ(例えば、6つの自由度を有する)を供給することができる。例えば、追跡データには、リアルタイムの3D位置データとリアルタイムの3D配向データを含むことができる。追跡システムは、物理的介入デバイス上に位置しない(例えば、基準マーカーまたは他の結像標的に配置されている)コイルセンサを検出することもできる。追跡データは、追跡システム14の座標系に記録され、頭部装着型デバイス11に送信(無線及び/または有線接続を介して)されることができる。
【0041】
頭部装着型デバイス11は、関連する解剖構造の少なくとも一部の術前結像研究に関連するデータを受信するように、算出機器15と通信することができる。術前結像研究は、患者の解剖構造の当該部分の3D画像(例えば断層画像)を記録することができる。当該3D画像は、結像データ(DICOMデータであってもよい)で表示されることができ、当該結像データは、結像データを記録することに用いられ、頭部装着型デバイス11に送信された特定の結像モードの結像座標系に従ってフォーマット化されることができる。
【0042】
図2に示すように、追跡座標系16と結像座標系18は、それぞれ(例えば、平行移動および回転)ヘッドセット座標系17に変換することができる。当該変換は、例えば剛体アフィン変換に基づくことができる。従って、追跡座標系16における追跡データは、ヘッドセット座標系17に変換(例えば平行移動及び回転)することができる。同様に、結像座標系18における結像データは、ヘッドセット座標系17に変換(例えば平行移動及び回転)することができる。追跡データと結像データがそれぞれヘッドセット座標系に変換される場合のみ、患者の体内の物理的介入デバイスのナビゲーションを示す3Dホログラフィックビューを示す視覚化を生成することができる。
【0043】
図3図4は、それぞれホログラフィック画像ガイダンスの視覚化を示す画像である。図3は、模擬生検針32を含む解剖学的マネキンに強化されたホログラフィック図を示す。図4は、ターゲット組織内に配置されているトロカールのホログラフィック図を示す。ホログラフィック図には、ガイダンスグラフィックと追跡情報を示す注釈が含まれている。ただし、当該ガイダンスは、物理的介入デバイスの位置と配向に関連する視覚及び/または聴覚フィードバックであってもよい。図4は、位置合わせに使用される3つの非共線の基準マーカー42も示す。基準マーカー42は、追跡座標系及びヘッドセット座標系で基準マーカー42の位置を検出できるように、組み合わせマーカーとすることができる。また、基準マーカー42の位置(例えば、物理的な患者の皮膚上のセンサコイル)を特定することができる。基準マーカーの位置は、画像座標系における3つ以上の位置にマッチングすることができる。
【0044】
頭部装着型デバイス11は、ホログラフィック画像ガイダンスの視覚化をさらに変換することができる。例えば、平行移動、回転及び/または拡大縮小で変換することができる。ただし、変換後の視覚化は、患者の体と正確に一致しなくなる。
【0045】
IV.方法
本発明の他の態様は、非血管性経皮処置にホログラフィック画像ガイダンスを供給する方法50、60(図5及び6)を含むことができる。方法50、60は、ハードウェアにより実行することができ、例えば、図1に示す上述した頭部装着型デバイス11により実行することができる。
【0046】
方法50及び60は、フローチャートで示すプロセスフローチャートを有するように図示される。簡単にするために、示されて記載される方法50及び60は、順次に実行されるものである。ただし、本発明が示される順番に制限されないと理解されるべきであり、いくつかのステップは、異なる順番及び/またはここで示されて記載される他のステップと同時に発生することが可能であるからである。なお、方法50および60を実現するために、示される全ての態様必要とされるわけではない。また、方法50および60を実現する1つまたは複数の素子、例えば、図1に示す頭部装着型デバイス11は、、非一時的なメモリ13およびホログラフィック画像ガイダンスを促進できる1つまたは複数のプロセッサ(処理手段12)を含むことができる。
【0047】
図5を参照すると、ホログラフィック画像ガイダンスを供給及び使用する方法50が示されている。ホログラフィック画像ガイダンスは、術中結像及び/または術中結像の使用補助を必要とせず、患者の体内の標的に介入デバイスをガイダンスすることができる。方法50のステップは、図1の頭部装着型デバイス11によって実行することができる。
【0048】
ステップ52では、患者の解剖構造の3D解剖ホログラフィック投影を表示することができる。ホログラフィック投影には、患者の解剖構造を有する物理的な手術部位に関連する参照グラフィックを含むことができる。ステップ54では、物理的介入デバイスのホログラフィック表現を表示することができる。ホログラフィック表現は、物理的介入デバイスに関連するガイダンス制御グラフィックを含んでもよい。ステップ56では、介入デバイスの3Dホログラフィック表現は、3D解剖ホログラフィック投影を通してナビゲーションすることができる。参照グラフィックとガイダンス制御グラフィックは、ホログラフィックガイダンス(3D解剖ホログラフィック投影と介入デバイスの3Dホログラフィック表現を使用)を使用して物理的介入デバイスが患者の解剖構造を通ることを追跡するために、ガイダンス(例えば、視覚ガイダンス(ピクチャの、タイプ、注釈など)及び/または聴覚ガイダンス)を供給することができる。例えば、参照グラフィックに関連する線と、ガイダンス制御グラフィックに関連する線とが交差する時、物理的介入デバイスは、解剖ターゲット組織に交差する軌跡と位置合わせることができる。これには、ターゲット位置または配向からの距離及び/または角度偏差を報告するホログラフィック注釈が付随することができる。
【0049】
参照グラフィックとガイダンス制御グラフィックは、イベント駆動のガイダンスを供給するために用いることができる。例えば、トロカールが患者の体内にある時、参照グラフィックとガイダンス制御グラフィックは、トロカールの移動時に、聴覚及び/または視覚ガイダンスを供給することができる。トロカールが移動して患者の体を通っている時、ビープ音を使用してターゲットへの近接を示すことができる。同様に、グラフィックは、トロカールの位置と角度のリアルタイムの注釈を供給し、及び/またはターゲットと交差することを表示することができる。
【0050】
介入デバイスの3D解剖ホログラフィック投影と3Dホログラフィック表現は、共通座標系(3Dヘッドセット座標系)で示すことができる。最初に結像座標系にある画像データに基づいて3D解剖ホログラフィック投影を作成する。同様に、最初に追跡座標系にある追跡データに基づいて、3D解剖ホログラフィック投影を通して介入デバイスの3Dホログラフィック表現を追跡する。図6は、追跡システム及び結像システムからの座標を共通座標系(頭部装着型デバイスは、ホログラフィック図の座標系を生成するために用いられる)に位置合わせるための方法60を示す。位置合わせのための3つの非共線の基準マーカー42をさらに含む(例えば、追跡システムとヘッドセットデバイスで検出できるセンサコイル)。
【0051】
物理的介入デバイスは、1つまたは複数のセンサコイルと集積することができる。非剛性デバイスの場合、物理的介入デバイスの先端に1つまたは複数のセンサコイルを配置することができる。ただし、剛性デバイスの場合、センサコイルは、物理的介入デバイスに沿った任意の位置(ひいては、患者の体外)に位置することができる。物理的介入デバイスが患者の体を横断する時、追跡システム(例えば電磁追跡システム)は、当該1つまたは複数のセンサコイルをサンプリングし、検出に応じて追跡データ(例えば、6自由度を有する)を供給することができる。例えば、追跡データには、リアルタイムの3D位置データとリアルタイムの3D配向データを含むことができる。追跡座標系における追跡データは、頭部装着型デバイスに送信することができる。ステップ62では、追跡座標における物理的介入デバイスに対する追跡データをヘッドセット座標系に変換することができる(頭部装着型デバイスを介する)。
【0052】
患者は、術前結像研究を受けることができ、当該結像研究は、関連する解剖構造の少なくとも一部を結像する。術前結像研究は、患者の解剖構造の当該部分の3D画像(例えば断層画像)を記録することができる。結像データ(DICOMデータであってもよい)により3D画像を表すことができ、結像データを記録するために使用され、結像データを頭部装着型デバイスに送信された特定の結像モードの結像座標系に従って、当該結像データをフォーマット化することができる。ステップ64では、結像座標における画像データをヘッドセット座標系に変換することができる(頭部装着型デバイスにより)。画像データに基づいて生成された3D解剖階層投影は、1つまたは複数の表面メッシュモデル、多平面再フォーマット化の画像などに基づくことができる。
【0053】
ステップ66では、ヘッドセット座標における追跡データとヘッドセット座標における結像データを使用して視覚化をレンダリングすることができる(頭部装着型デバイスにより)。ホログラフィック図は、ヘッドセット座標に変換された結像データに基づく3D解剖ホログラフィック投影と、追跡座標に基づく介入デバイスの3Dホログラフィック表現を含むことができる。前述のように、参照グラフィックとガイダンス制御グラフィックを含むグラフィックは、ホログラフィックガイダンスを使用して(3D解剖ホログラフィック投影と介入デバイスの3Dホログラフィック表現を使用)物理的介入デバイスが患者の解剖構造を通ることを追跡するために、ガイダンスを供給することができる。平行移動、回転及び/または縮小拡大でナビゲーションを強化して視覚化を変換することができる。頭部装着型デバイスの物理的な移動によって当該変換をトリガすることができる(例えば、特定の方式で頭部を傾ける)。
【0054】
V. 位置合わせる技術の例
以下の説明は、位置合わせる技術の例を説明し、当該位置合わせる技術は、追跡データ(追跡座標系において)と結像データ(結像座標系において)をホログラフィック図を提供する頭部装着型デバイスによって利用される共通のホログラフィック座標系に位置合わせるために、使用することができる。これは単なる一例の説明であり、本開示のの範囲内で他の位置合わせる技術を使用できると留意されたい。
【0055】
位置合わせる技術は、追跡データ及び結像データをヘッドセット座標系に変換する。そのために、頭部装着型デバイスは、EMからHLへ(または追跡システムから頭部装着型デバイスへ)及びUからHLへ(または結像システムから頭部装着型デバイスへ)という2つのアフィン変換を実行することができる。この例では、変換は、異なる座標系における画像ターゲット(例えば、患者の皮膚及び/または解剖ターゲットに配置された基準マーカー)の共通位置に依存する。3つ以上の非共線の画像ターゲットを使用することができる。例えば、少なくとも一部の画像ターゲットは、追跡システム(各画像ターゲットにおいて1つのセンサコイルが必要)と頭部装着型デバイスに関連するカメラから見える必要がある。場合によっては、同じまたは他の画像ターゲットは、術前結像システムと頭部装着型デバイスとに関連するカメラから見える必要がある。
【0056】
EMからHLへの変換のために、対応する(位置合わせされた)ポイントペアからなる2つの3DポイントセットPEMとPが使用され、(1)画像ターゲットが頭部装着型デバイスによって位置決めされたHL座標で示すP(xhl, yhl, zhl)、と(2)4つの対応するポイントのEMセンサ(画像ターゲットに物理的に関連付けられている)によって位置決めされたEM座標で示すP(xEM, yEM, zEM)である。3Dポイントセット(PEM, PH, 画像ターゲット)は、最小二乗法(LSM)を用いて頭部装着型デバイスに関連する処理手段上のEMからHLへの変換([EMHL] = LSM{PEM, PH, 画像ターゲット})を特定するために使用される。その後、画像ターゲット(ランドマークセンサと呼ばれる)及び介入デバイス上のセンサコイルからの位置及び配向データ(PEM,lm,i(t) [EMHL,cal] = PHL,lm,i (t))は、 [EMHL]を使用することで、HL座標に変換される。なお、LSM方法は、使用できる排他的な方法ではないことを留意されたい。
【0057】
HL座標で追跡されたランドマークセンサおよび介入デバイス上のセンサコイルの位置により、マーカーおよび機器センサの結像(U)座標で示される、対応する3DポイントセットをHL座標に変換することができる。そこで、LSMは、結像座標とHL座標([HL] = LSM{PU, lm&d,i,, PHL,lm,i})間の変換[HL(t)]の特定にも使用される。その後、[HL(t)]を使用して結像座標をHL座標に変換する。これは、頭部装着型デバイスがホログラフィック図を患者の体に投射することを許容する(例えば、外科手術現場で)。
【0058】
上記の説明から、当業者であれば、改良、変更おや修正が理解できる。そのような改良、変更や修正は、当業者の技術の範囲内であり、添付の特許請求の範囲によってカバーされることが意図される。本明細書に引用された全ての特許、特許出願、本明細書に引用された開示は、それら全体が参照により援用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-05-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
プロセッサを含む頭部装着型デバイスによって、非血管性経皮医療処置に使用される物理的介入デバイスに対する、追跡座標系における追跡データを受信することと、
前記頭部装着型デバイスによって、前記物理的介入デバイスに対する追跡座標系における追跡データをヘッドセット座標系に変換することと、
前記頭部装着型デバイスによって、結像座標系における物理的な手術部位を含む患者の解剖構造の術前画像からの画像データであって、1つまたは複数の3D術前断層画像データセットからの患者の特定の画像データで表される画像データへアクセスすることと、
前記頭部装着型デバイスによって、前記結像座標系における前記画像データを前記ヘッドセット座標系に変換することと、
前記頭部装着型デバイスによって、前記物理的介入デバイスに対する前記ヘッドセット座標系における追跡データに基づく前記介入デバイスの3Dホログラフィック表現を、前記ヘッドセット座標系における結像データに基づく前記患者の解剖構造の3Dホログラフィック投影に位置合わせることと、
前記頭部装着型デバイスによって、前記3D解剖ホログラフィック投影を表示し、前記患者の解剖構造内の物理的な手術部位に関連する参照グラフィックによって前記患者の解剖構造のホログラフィック図の視覚化を供給することと、
前記頭部装着型デバイスによって、前記介入デバイスの3Dホログラフィック表現を表示し、前記物理的介入デバイスに関連するガイダンス制御グラフィックによって前記介入デバイスのホログラフィック図の視覚化を供給することと、
前記頭部装着型デバイスによって、前記介入デバイスに対する、前記ヘッドセット座標系における追跡データに基づいて、前記3D解剖ホログラフィック投影において前記介入デバイスの3Dホログラフィック表現をナビゲーションすることと、
前記ナビゲーションを強化するために、前記頭部装着型デバイスによって、平行移動、回転及び縮小拡大のうちの少なくとも1つにより、前記視覚化を変換し、当該変換が前記頭部装着型デバイスの物理的な移動によってトリガされることと、を含み、
前記参照グラフィックと前記ガイダンス制御グラフィックは、前記3D解剖ホログラフィック投影及び前記介入デバイスの3Dホログラフィック表現を使用して前記患者の解剖構造を通る前記物理的介入デバイスを追跡するためのガイダンスを供給することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記物理的介入デバイスは、集積されるセンサコイルを含み、前記集積されるセンサコイルは、前記追跡座標系において前記追跡データを供給するように、追跡システムによって検出可能であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記追跡データは、6自由度を有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記追跡データは、リアルタイムの3D位置データ及びリアルタイムの3D配向データを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記センサコイルは、前記物理的介入デバイスの先端に位置することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記3D解剖ホログラフィック投影は、1つまたは複数の表面メッシュモデル、または前記画像データから作成された多平面再フォーマット化の画像に基づくことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ナビゲーションを強化するために、前記頭部装着型デバイスによって、平行移動、回転及び縮小拡大のうちの少なくとも1つにより、前記視覚化を変換することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記変換は、
前記追跡座標系における3つ以上の基準マーカーの位置を物理的な患者の解剖構造に位置決めすることと、
前記3つ以上の基準マーカーの位置を前記画像座標系における前記画像データ内の3つ以上の位置にマッチングすることとをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記3つ以上の基準マーカーの位置は、非共線であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記3つ以上の基準マーカーは、前記患者の皮膚に配置されるセンサコイルであることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記非血管性経皮医療処置は、生検、組織アブレーション、凍結療法処置、近接照射療法処置、排液処置、骨科処置、疼痛処理処置、椎体成形術処置、椎弓根/スクリュー配置処置、ガイドワイヤ設置処置、SI-Joint固定処置またはトレーニング処置を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ガイダンスは、前記物理的介入デバイスの位置及び配向に関連する視覚フィードバックまたは聴覚フィードバックを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記物理的介入デバイスが解剖ターゲット組織と交差する軌跡に位置合わせることを示す前記ガイダンス制御グラフィックに対応する線がいつ前記参照グラフィックに対応する線と交差するかをモニタするために、前記視覚フィードバックを供給することをさらに含むこと特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記視覚フィードバックは、ホログラフィック注釈を含み、前記ホログラフィック注釈は、ターゲット位置または配向からの距離または角度偏差を報告することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
頭部装着型デバイスであって、
指令が記憶される非一時的なメモリと、
プロセッサとを含み、
前記プロセッサは、前記非一時的なメモリへアクセスして前記指令を実行することで、
非血管性経皮医療処置に使用される物理的介入デバイスに対する、追跡座標系における追跡データを受信することと、
前記物理的介入デバイスに対する追跡座標系における追跡データをヘッドセット座標系に変換することと、
結像座標系における物理的な手術部位を含む患者の解剖構造の術前画像からの画像データへアクセスすることと、
前記結像座標系における前記画像データを前記ヘッドセット座標系に変換することと、
前記追跡座標系における3つ以上の基準マーカーの非共線の位置を物理的な患者の皮膚に位置決めすることと、
前記3つ以上の基準マーカーの位置を前記画像座標系における前記画像データ内の3つ以上の位置にマッチングすることと、
前記物理的介入デバイスに対する前記ヘッドセット座標系における追跡データに基づく前記介入デバイスの3Dホログラフィック表現を、前記ヘッドセット座標系における前記結像データに基づく前記患者の解剖構造の3Dホログラフィック投影に位置合わせることと、
前記3D解剖ホログラフィック投影を前記患者の解剖構造に投影し、前記患者の解剖構造内の物理的な手術部位に関連する参照グラフィックによって前記患者の解剖構造のホログラフィック図の視覚化を供給することと、
前記介入デバイスの3Dホログラフィック表現を前記患者の解剖構造に投影し、前記物理的介入デバイスに関連するガイダンス制御グラフィックによって前記介入デバイスのホログラフィック図の視覚化を供給することと、
前記介入デバイスに対する、前記ヘッドセット座標系における追跡データに基づいて、前記3D解剖ホログラフィック投影において前記介入デバイスの3Dホログラフィック表現をナビゲーションすることとを実行させ、
前記参照グラフィックと前記ガイダンス制御グラフィックは、前記3D解剖ホログラフィック投影及び前記介入デバイスの3Dホログラフィック表現を使用して前記患者の解剖構造を通る前記物理的介入デバイスを追跡するためのガイダンスを供給し、
前記プロセッサは、さらに前記指令を実行することで、平行移動、回転及び縮小拡大のうちの少なくとも1つで前記視覚化を変換して、前記頭部装着型デバイスの物理移動によってトリガされるナビゲーションを強化することを特徴とする頭部装着型デバイス。
【請求項16】
前記視覚化を表示するための頭部装着型ディスプレイをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の頭部装着型デバイス。