(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076747
(43)【公開日】2023-06-01
(54)【発明の名称】レチノイドの活性を高める方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/07 20060101AFI20230525BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20230525BHJP
A61K 8/67 20060101ALI20230525BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20230525BHJP
A61P 17/10 20060101ALI20230525BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20230525BHJP
A61P 17/16 20060101ALI20230525BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230525BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20230525BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20230525BHJP
A61K 31/203 20060101ALI20230525BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
A61K31/07
A61Q19/10
A61K8/67
A61P17/00
A61P17/10
A61P17/02
A61P17/16
A61Q19/00
A61Q19/08
A61K8/81
A61K31/203
A61K47/32
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023063300
(22)【出願日】2023-04-10
(62)【分割の表示】P 2018067295の分割
【原出願日】2018-03-30
(31)【優先権主張番号】15/475,516
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522236350
【氏名又は名称】ジョンソン アンド ジョンソン コンシューマー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジェームズ・フェボラ
(72)【発明者】
【氏名】シマーナ・カウア
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ディー・サウスオール
(72)【発明者】
【氏名】アリ・ファシフ
(57)【要約】
【課題】 レチノイドの活性を大きくするための洗浄組成物を提供する。
【解決手段】 当該洗浄組成物は、低分子量の疎水性に改質されたポリマーを含む。当該低分子量の疎水性に改質されたポリマーは、レチノイドの活性を用いて皮膚老化の兆候を治療する、座瘡の兆候を治療する、又は、酒さの兆候を治療する際において、レチノイドの活性を大きくする。レチノイドを用いて治療する必要がある皮膚とレチノイドとを接触させる前に、当該洗浄組成物で皮膚を洗浄する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レチノイドの活性を大きくする方法における使用のための低分子量の疎水性に改質されたポリマーを含む洗浄組成物であって、前記方法は、前記レチノイドを用いて治療する必要がある皮膚と前記レチノイドとを接触させる前に、前記皮膚を、前記洗浄組成物で洗浄することを含む、洗浄組成物。
【請求項2】
前記レチノイドの活性が、皮膚老化の兆候を治療するためのものである、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項3】
前記レチノイドの活性が、座瘡の兆候を治療するためのものである、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項4】
前記レチノイドの活性が、酒さの兆候を治療するためのものである、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項5】
前記低分子量の疎水性に改質されたポリマーが、架橋していない直鎖アクリルコポリマーである、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項6】
前記低分子量の疎水性に改質されたポリマーは、(メタ)アクリル酸からなる群から選択される少なくとも1つの第1のモノマー成分と、1つ以上のC1~C9アルキル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1つの第2のモノマー成分とに由来する、架橋していない直鎖アクリルコポリマーであり、前記低分子量の疎水性に改質されたポリマーは、数平均分子量が約100,000以下である、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項7】
前記低分子量の疎水性に改質されたポリマーが、アクリル酸カリウムコポリマーである、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項8】
皮膚老化、座瘡または酒さの兆候を治療する必要がある皮膚を治療するための方法における使用のための、レチノイドを含むリーブオン型組成物であって、前記方法は順番に、
(a)前記皮膚を、請求項1~7のいずれか一項に記載の洗浄組成物で洗浄することと、
(b)前記リーブオン型組成物を前記皮膚に局所的に適用することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記レチノイドが、レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチニルおよびパルミチン酸レチニルからなる群から選択される、請求項8に記載のリーブオン型組成物。
【請求項10】
前記レチノイドがレチノールである、請求項8に記載のリーブオン型組成物。
【請求項11】
キットであって、
(a)請求項1~7のいずれか一項に記載の洗浄組成物と、
(b)レチノイドを含むリーブオン型組成物と、を含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レチノイドを用いて治療する前に、レチノイドを用いて治療する必要がある皮膚を、低刺激ポリマー洗浄剤を含む洗浄組成物で洗浄することを含む、皮膚を治療する方法に関する。これらの方法は、レチノイドの活性を高め、優れた結果を実現することができる。
【背景技術】
【0002】
レチノイドは、皮膚老化、座瘡および酒さの兆候のような皮膚の状態を治療するための種々の医療用品および化粧用局所組成物に使用されてきた。
【0003】
例えば、トレチノインは、医療用座瘡製品および医療用しわ取り製品、例えば、Obagi Medical Products,Inc.から市販されるRENOVA(登録商標)に使用される。レチノールは、例えば、Johnson & Johnson Consumer Inc.から市販されるNEUTROGENA(登録商標)Rapid Wrinkle Repair(登録商標)といった化粧品に使用される。NEUTROGENA(登録商標)Rapid Wrinkle Repair(登録商標)を使用し、皮膚のしわの外観を消し、小じわをなめらかにし、皮膚の質感を高め、皮膚のトーンを明るくする。レチノールは、特に、非常に有効であり、費用対効果が高い化粧用成分であり、その活性および皮膚への送達を改善することは、常に望ましい。
【0004】
出願人らは、今回、レチノイドを局所適用する前に、特定の低刺激ポリマー洗浄剤(LIPCA)を含む洗浄組成物で洗浄することによって皮膚を前処理すると、レチノイドの活性が驚くほど高まることを発見した。
【0005】
多段階の皮膚ケア計画が、知られている。例えば、国際公開第2010/085753号は、治療計画を開示しており、この治療計画は、酒さを患う皮膚領域の少なくとも一部を洗浄剤で洗浄することと、その罹患した領域の少なくとも一部に、メトロニダゾールを含む組成物を適用することと、洗浄し、メトロニダゾールで処理した領域の少なくとも一部に赤み防止組成物を適用することとを含む。「穏やかな」皮膚洗浄剤であるCETAPHIL(登録商標)(Galderma Laboratories)およびNU-DERM(登録商標)(Obagi Medical Products,Inc.)を使用することが開示されている。これに加え、レチノイドおよび他の成分を含む組成物の局所適用が開示されている。
【0006】
NEUTROGENA(登録商標)Rapid Wrinkle Repair(登録商標)パッケージに書かれている説明には、この製品を洗浄した皮膚に適用すべきであることも述べられているが、特定の洗浄剤は示されていない。
【0007】
LIPCA、アクリル酸カリウムコポリマーを含む洗浄組成物が、Johnson & Johnson Consumer Inc.からNEUTROGENA(登録商標)Ultra Gentle Daily Cleanserとして市販されていることも注記しておくべきであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、皮膚を治療するための方法であって、順番に、
(a)皮膚老化、座瘡または酒さの兆候を治療する必要がある皮膚を、超親水性両親媒性コポリマー(SAC)を含む洗浄組成物で洗浄することと;(b)レチノイドを含むリーブオン型組成物を皮膚に局所的に適用することとを含む、方法を提供する。
【0009】
本発明は、(a)SACを含む洗浄組成物と、(b)レチノイドを含むリーブオン型組成物とを含むキットも提供する。
【0010】
本発明は、さらに、レチノイドの活性を大きくする方法であって、レチノイドを用いて治療する必要がある皮膚とレチノイドとを接触させる前に、皮膚を、SACを含む洗浄組成物で洗浄することを含む、方法を提供する。
【0011】
本発明は、皮膚を治療するための方法であって、順番に、
(a)皮膚老化、座瘡または酒さの兆候を治療する必要がある皮膚を、低分子量の疎水性に改質されたポリマー(HMP)を含む洗浄組成物で洗浄することと;(b)レチノイドを含むリーブオン型組成物を皮膚に局所的に適用することとを含む、方法も提供する。
【0012】
本発明は、(a)低分子HMPを含む洗浄組成物と、(b)レチノイドを含むリーブオン型組成物とを含むキットも提供する。
【0013】
本発明は、さらに、レチノイドの活性を大きくする方法であって、レチノイドを用いて治療する必要がある皮膚とレチノイドとを接触させる前に、皮膚を、低分子HMPを含む洗浄組成物で洗浄することを含む、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
特段の記載がない限り、本明細書で用いられる全ての科学技術用語は、本発明が属する技術分野における当業者が共通に解釈するのと同じ意味を有する。本明細書において言及する刊行物、特許出願、特許などの他の参考文献は全て、参照として組み込まれる。
【0015】
本明細書で使用するとき、「局所的に適用」とは、例えば、手、または拭き取り用品、ローラー若しくはスプレーなどのアプリケータを使用することによって、外皮、頭皮または毛髪に直接塗るかまたは広げることを意味する。
【0016】
本発明で使用する場合、「化粧用」とは、具体的には組織または皮膚の外観に関する場合、身体的に美しい外観を保つ、回復させる、与える、装う、若しくは高める、または美しさまたは若々しさが増すように見える美化物質、または製剤(調剤)を指す。
【0017】
本発明で使用する場合、「化粧用としての有効量」とは、皮膚老化の1つ以上の兆候を処置するのに十分であるが、重度の副作用を回避するのに十分に低度の、生理学的に活性な化合物または組成物の量を意味する。化合物または組成物の化粧用としての有効量は、処置する特定の状態、最終使用者の年齢および健康状態、処置/防止する状態の重症度、処置の期間、他の処置の性質、使用する特定の化合物または製品/組成物、利用する特定の化粧用として許容可能なキャリア、および同様の要因によって変化する。
【0018】
本発明で使用するとき、「化粧用として許容可能な」とは、この用語が説明する成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、刺激、アレルギー性反応などなく、組織(例えば、皮膚または毛髪)と接触して使用するのに好適であることを意味する。
【0019】
本発明で使用する場合、「化粧用として許容可能な活性剤」とは、皮膚または毛髪への、美容的または治療的な効果を有する化合物(合成または天然)である。
【0020】
本明細書で使用される場合、「治療する」は、ある状態または障害の存在または兆候を軽減し、減らし、防ぎ、改善し、またはなくすことを指す。
【0021】
本発明は、皮膚老化の兆候を治療するのに適している。本発明で使用する場合、「皮膚老化の兆候」とは、小じわおよびしわの存在、弾性の喪失、不均一な皮膚、シミを含む。特に好ましい実施形態では、老化の兆候は、小じわおよびしわの存在、および/または弾性の喪失である。
【0022】
本発明で使用する場合、「しわ」は、細かい小じわ、細かいしわ、または粗いしわを含む。しわの例としては、目の周囲の細かいしわ(例えば、「目尻のしわ」)、額および頬のしわ、眉間のしわ、口の周囲の豊齢線が挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
本発明で使用する場合、「弾性の喪失」とは、たるみ、弛緩、および緩んだ組織を含むが、これらに限定されない皮膚または組織の弾性、または構造的完全性の喪失を含む。弾性、または組織の構造的完全性の喪失は、疾患、老化、ホルモン変化、機械的外傷、環境損傷、または化粧料または医薬品などの製品の組織への適用の結果を含むが、これらに限定されない、多数の要因の結果であり得る。
【0024】
本発明で使用する場合、「不均一な皮膚」とは、炎症後色素沈着過度などの色素沈着過度に分類され得る、びまん性または斑点模様の色素沈着に関連する皮膚の状態を意味する。
【0025】
本発明で使用する場合、「シミ」とは、赤みまたは紅斑に関連する皮膚の状態を意味する。
【0026】
本発明は、座瘡の治療にも適している。本明細書で使用する場合、「座瘡」とは、皮脂腺および毛包でのホルモンおよび他の物質の作用から生じ、典型的には、詰まった毛穴および皮膚上の炎症性または非炎症性病変の形成をもたらす不調を指す。特に、これは、染み、病変、または吹き出物、発芽前吹き出物、ブラックヘッド、および/またはホワイトヘッドに関する。本明細書で使用する場合、「発芽前吹き出物」とは、裸眼で皮膚の表面に視覚的に明白ではない(例えば、病変として)炎症性小胞である。
【0027】
本発明はまた、酒さの治療にも適している。本明細書で使用する場合、「酒さ」とは、丘疹、膿疱、または小節を伴う、またはこれらを伴わない持続性紅斑を有する皮膚を意味する。
【0028】
特に指示がない限り、百分率または濃度は、重量百分率または重量濃度(即ち、%(W/W))を指す。特に明記しない限り、全ての範囲は、両端点を包含し、例えば、「4~9」は、両端点の4と9を含む。
【0029】
適用可能な場合、化学物質は、International Nomenclature of Cosmetic Ingredient(INCI)の名称によって明記される。供給業者および商標名を含め、さらなる情報は、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第16版のPersonal Care Products Council、ワシントンDCによって発行されているか、またはPersonal Care Products CouncilのOn-Line INFOBASE、http://online.personalcarecouncil.org/jsp/Home.jsp.によって発行されている適切なINCIモノグラフ中に見出すことができる。
【0030】
洗浄組成物
本発明によれば、皮膚をレチノイドを用いて治療する前に、皮膚を、低刺激ポリマー洗浄剤(LIPCA)を含む洗浄組成物で洗浄する。
【0031】
一実施形態において、LIPCAは、少なくとも1つの超親水性両親媒性コポリマー(SAC)を含む。
【0032】
適切なSACと、これを含有する本発明で使用するのに適した洗浄組成物は、例えば米国特許第8,258,250号に記載されており、その開示内容は、本明細書に参考として援用される。
【0033】
本発明のSACを得るための合成経路は、超親水性繰り返し単位を含む前駆体ポリマーのいくつかの繰り返し単位を両親媒性にするための重合後改質を経ることを含む。非限定的な例としては、複数のヒドロキシル官能基を含む繰り返し単位で構成される超親水性ポリマー、例えば、デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、イヌリン、プルラン、ポリ(グリセリルメタクリレート)、ポリ[トリス(ヒドロキシメチル)アクリルアミドメタン)]、またはポリ(スクロースメタクリレート)と、両親媒性繰り返し単位を生じ得る試薬との反応が挙げられる。適切な反応スキームの例としては、以下のものが挙げられる。
(i)アルケニルコハク酸無水物を用いたエステル化、
(ii)1,2-エポキシアルカンを用いたエーテル化、
(iii)3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルアルキルジメチルアンモニウムクロリドを用いたエーテル化、および
(iv)モノアルキルリン酸エステルを用いたエステル化。
【0034】
特定の好ましい実施形態によれば、本発明で使用するためのSACは、複数のヒドロキシル官能基を有するポリマーであり、重合後に改質され、繰り返し単位の一部が両親媒性の繰り返し単位に変換される。ある特に好ましい実施形態において、ポリマー、例えば、デンプン、例えば、デンプンデキストリンポリマーは、アルケニルコハク酸無水物を用いてエステル化され、超親水性無水グルコース単位の一部がARUに変換される。適切な得られたSACの構造の1つは、以下に表される、C-6ナトリウムデキストリンアルケニルスクシネートであってもよい。
【0035】
【0036】
例えば、SACは、R=C12H23の場合には、ナトリウムデキストリンドデセニルスクシネートであってもよい。当業者によって認識されるように、このような多糖のアルケニルコハク酸エステルは、例えば、本明細書に参考として援用される米国特許第2,661,349号に記載されるように合成されてもよい。反応条件、分子構造、糖繰り返し単位の種類、分岐点および分子量の性質に応じて、糖繰り返し単位(無水グルコース単位)の改質を、上に示すC-6位に加え、C-2位、C-3位またはC-4位で行ってもよい。
【0037】
出発物質の多糖と疎水性試薬との反応から誘導されるSACは、疎水性試薬と結合した多糖を含む。特定の好ましい実施形態において、SACは、1つ以上の疎水性試薬で改質されたデンプン系多糖である。
【0038】
適切なデンプンの例としては、トウモロコシ、コムギ、コメ、タピオカ、ジャガイモ、サゴなどの植物に由来するものが挙げられる。このようなデンプンは、在来品種であってもよく、または植物の育種または遺伝子操作によって開発されたものであってもよい。本発明の一実施形態において、デンプンとしては、このようなデンプンのワックス状態様(5%未満のアミロースを含有する)、高アミロースデンプン(40%を超えるアミロースを含有する)、鎖長が代えられたもの(例えば、その開示が本明細書に参考として援用される米国特許第5,954,883号に開示されているもの)、および/またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0039】
特定の好ましい実施形態において、出発物質のデンプンは、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプンである。特定の他の好ましい実施形態において、出発物質のデンプンは、ワックス状ジャガイモデンプンまたはワックス状タピオカデンプンである。特定の実施形態において、デンプン系多糖は、このような低分子量デンプンまたは「デキストリン」を水に溶解し、このようなデンプンと疎水性試薬とを反応させることによって改質される。デンプンは、望ましくは、当該技術分野で知られている技術によって、例えば、酸および熱の作用、酵素または熱処理によって、その分子量が小さくなるように処理される。
【0040】
ポリマー界面活性剤水溶液の粘度は、望ましくは、圧送または溶液の流れに対し、界面活性剤の固形物量が多いという有害な影響を最小限にするほど低い。この理由のために、本発明の一実施形態において、3番のスピンドルを用い、室温(約23℃)、200rpmで測定された本発明のポリマー界面活性剤のBrookfield粘度は、溶液の合計重量を基準として、固形分10%の水溶液で約1000cps未満であってもよい。別の実施形態において、3番のスピンドルを用い、室温(約23℃)、200rpmで測定された10%水溶液のBrookfield粘度は、約25cps未満であってもよい。さらに別の実施形態において、3番のスピンドルを用い、室温(約23℃)、200rpmで測定された10%水溶液のBrookfield粘度は、約10cps未満であろう。
【0041】
特定の好ましい実施形態において、デンプン系の多糖は、アルケニルコハク酸無水物で修飾されている。驚くべきことに、C12またはもっと長い側鎖を有する置換コハク酸無水物は、C12より短い側鎖を有する置換コハク酸無水物よりも泡の体積および泡の安定性が高いことがわかっている。特定の好ましい実施形態において、アルケニルコハク酸無水物は、ドデセニルコハク酸無水物(DDSA)である。DDSAの例示的な治療濃度は、低分子の乾燥重量を基準として、約3~約25%の範囲である。別の実施形態において、治療濃度は、低分子量の出発物質のデンプンの乾燥重量を基準として、約5~約15%のDDSAであってもよい。
【0042】
本発明の一実施形態において、SACは、出発物質の多糖とDDSAの反応から誘導され、澱粉系多糖に結合したDDSAは、乾燥デンプンの重量を基準として、約3~約15%であってもよい。別の実施形態において、結合したDDSAは、デンプンの乾燥重量を基準として、5~12%であろう。
【0043】
本発明の例示的な実施形態において、疎水性試薬は、プロペンの四量化から作られる、炭素12個の側鎖を含むDDSAの高度に分岐した態様である。次いで、テトラプロペンと無水マレイン酸とをエン型反応で反応させると、高度に分岐したテトラプロペニルコハク酸無水物(TPSA)が生成することがわかっている。この物質は、わずかにビスコース油であり、許容される水溶性(例えば、23℃の水に約2~5%)を有するため、この試薬は、低分子量多糖と容易に反応することができる。したがって、本発明の一実施形態において、低分子量デンプンを改質するために使用される疎水性試薬は、TPSAであってもよい。
【0044】
特定の他の好ましい実施形態において、デンプン系多糖は、3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの鎖を有する長鎖四級化合物で修飾されている。別の実施形態において、長鎖四級化合物は、6個以上、より好ましくは12個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの鎖を有し、例えば、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル-ジメチルドデシルアンモニウムクロリド(QUAB(登録商標)342としてQUAB Chemicalsによって市販される)またはこのような化合物のエポキシド形態、2,3エポキシプロピルジメチルドデシルアンモニウムクロリドである。
【0045】
本発明の好ましい実施形態において、SACは、ドデセニルコハク酸無水物で改質されたジャガイモまたはタピオカから誘導されるデンプン系多糖であり、SACは、両親媒性単位のモル%が、少なくとも5%、10%未満であり、重量平均分子量が約200,000未満である。
【0046】
デンプン系多糖に加え、他の多糖が、SACに使用するのに適している。このような多糖は、植物源に由来し、糖型の繰り返し単位に基づくものであってもよい。これらの多糖のいくつかの非限定的な例は、グアー、キサンタン、ペクチン、カラギーナン、ローカストビーンガムおよびセルロースであり、上述のものの物理的および化学的に改質された誘導体を含む。複数の実施形態において、所望の用途のために粘度を与えるために、分子量を所望の範囲まで下げるために、これらの物質の物理的、化学的および酵素的な分解が必要な場合がある。さらなる機能特性(例えば、カチオン性、アニオン性または非イオン性)を与えるために化学修飾、例えば、プロピレンオキシド(PO)、エチレンオキシド(EO)を用いた処理、塩化アルキルを用いた処理(アルキル化)、および例えば、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル-トリメチルアンモニウムクロリド、トリポリリン酸ナトリウム、クロロ酢酸、エピクロロヒドリン、オキシ塩化リンなどのエステル化を行うこともできる。
【0047】
別の実施形態において、LIPCAは、少なくとも1つの低分子量の疎水性に改質されたポリマー(HMP)を含む。
【0048】
適切な低分子量HMPと、それを含有する本発明で使用するのに適した洗浄組成物は、例えば、米国特許第8,025,902号に記載されており、その開示は、本明細書に参考として援用される。
【0049】
低分子量HMPの例としては、低分子量のアクリルポリマー、他のエチレン性不飽和のポリマー、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ無水物、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリイミド、ポリスルホン、ポリスルフィド、これら2つ以上の組み合わせなどが挙げられる。
【0050】
好適な低分子量アクリルポリマーの例には、疎水変性アクリル、多糖類、セルロース、デンプンポリマー、これらの2つまたは3つ以上の組み合わせ等が挙げられる。好適な低分子量アクリルポリマーには、疎水変性アクリルポリマーが挙げられ、同様に、溶液、懸濁剤、沈殿、分散、乳剤、逆エマルション、マイクロエマルション、ミセル重合法、およびこれらの2つまたは3つ以上の組み合わせから形成されてもよい任意のその他のアクリルポリマーが挙げられる。本発明において使用するためのアクリルポリマーは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、ビニルエーテル、エステル、およびアミド、アリルエーテル、エステル、アミン、およびアミド、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル、スチレン系、およびオレフィンからなる群から選択される任意の1つ以上のモノマーから誘導されてもよい。アクリルポリマーは、本質的に非イオン性の親水性、非イオン性の疎水性、アニオン性、カチオン性、双性イオン性、非会合型のマクロマー、会合型のマクロマーまたは多官能/架橋性であるモノマーで構成されていてもよい。
【0051】
本明細書で使用するとき、用語「低分子量」ポリマーとは、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)標準により較正されたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定された約100,000以下の数平均分子量(Mn)を有するポリマーを指す。(本明細書で使用される場合、特に明記されていない限り、全ての数平均分子量(Mn)は、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)標準により較正されたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定された分子量を指す。特定の好適な実施形態においては、低分子量ポリマーは約5,000~約80,000Mn、より好適には約10,000~約50,000Mn、より好適には約15,000~40,000Mnの範囲にわたる分子量を有するものである。
【0052】
特定のHMP、およびこのようなポリマーを製造する方法は、Marchantに対して登録された米国特許第6,433,061号に記載されており、その開示は、本明細書に参考として援用される。本発明で有用なポリマー材料は、好ましくは、皮膚および粘膜に非常に優しい、架橋していない直鎖アクリルコポリマーである。これらの架橋していない直鎖ポリマーは、好ましくは、Mnが100,000以下の低分子量のポリマーである。共重合化合物は、少なくとも2つのモノマー性成分から重合される。第1のモノマー性成分は少なくとも1つのカルボン酸基を含む1種または2種以上のα,β-エチレン性不飽和モノマーから選択される。これらの酸基は、一塩基酸または二塩基酸、ジカルボン酸の無水物、二塩基酸のモノエステル、およびそれらの塩から誘導することができる。第2のモノマー成分は、疎水性に改質されており(第1のモノマー成分に対して)、(メタ)アクリル酸の直鎖および分枝鎖のC1~C9アルキルエステル、直鎖および分枝鎖のC1~C10カルボン酸のビニルエステル、およびこれらの混合物を含め、1つ以上のC1~C9アルキル基を含むα,β-エチレン性不飽和の非酸モノマーから選択される。本発明の一態様では、第2のモノマー成分は、以下の式によって表される。
CH2=CRX
ここで、Rは、水素またはメチルであり;Xは、-C(O)OR1または-OC(O)R2であり;R1は、直鎖または分枝鎖のC1~C9アルキルであり;R2は、水素、または直鎖または分枝鎖のC1~C9アルキルである。本発明の他の態様では、R1およびR2は、直鎖または分岐鎖C1~C8アルキルであり、さらなる態様では、R1およびR2は、直鎖または分岐鎖C2~C5アルキルである。
【0053】
好ましくは、疎水性に改質されたポリマーは、(メタ)アクリル酸からなる群選択される少なくとも1つの第1のモノマー成分と、1つ以上のC1~C9アルキル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1つの第2のモノマー成分から誘導される低分子量の架橋していない直鎖アクリルコポリマーを含むか、これらから本質的になるか、またはこれらからなり、ここで、低分子量コポリマーは、数平均分子量が約100,000以下である。
【0054】
例示的な第1のモノマー成分としては(メタ)アクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、アコニット酸、およびそれらの混合物が挙げられる。例示的な第2のモノマー成分としては、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、1-メチル酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、2-エチルヘキサン酸ビニル、ピバル酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0055】
本明細書で使用される場合、「(メタ)アクリル」酸および「(メタ)アクリレート」との用語は、アクリル酸および対応するアクリル酸アルキルの対応するメチル誘導体を含むことを意味している。例えば、「(メタ)アクリル」酸は、アクリル酸および/またはメタクリル酸を指し、「(メタ)アクリレート」は、アクリル酸アルキルおよび/またはメタクリル酸アルキルを指す。
【0056】
より好ましくは、上記第1のモノマー成分は、(メタ)アクリル酸からなる群から選択され、上記第2のモノマー成分は、少なくとも1つのC1~C9アルキル(メタ)アクリル酸からなる群から選択される。
【0057】
架橋していない直鎖アクリルコポリマー化合物は、当該技術分野で知られている遊離ラジカル重合技術によって合成することができる。本発明の一態様では、第1のモノマー成分と第2のモノマー成分との重量比は、約20:80から約50:50の範囲で利用される。他の態様では、第1のモノマー成分と第2のモノマー成分との重量比は約35:65であり、さらなる態様では、第1のモノマー成分と第2のモノマー成分との重量比は約25:75である。
【0058】
本発明の組成物および方法に有用なポリマーを合成する方法は、米国特許第6,433,061号の中に見出すことができ、これは、本明細書に参考として援用される。
【0059】
本発明の方法および組成物において有用な直鎖コポリマー材料は、好ましくは、脱イオン水中、5重量%のポリマー固形物濃度、18重量%のNaOH溶液でpH7に中和されたものにおいて、500mPa・s以下(Brookfield RVT、20rpm、1番のスピンドル)の粘度を有する。粘度は、他の態様では約1~約500mPa・s、さらなる態様では約10~約250mPa・s、なおさらなる態様では約15~約150mPa・sの範囲にわたっていてもよい。
【0060】
一実施形態において、低分子量HMPは、数平均分子量が約15,000~約40,000であり、メタクリル酸とアクリル酸エチルから誘導される、架橋していない直鎖アクリルコポリマーである。
【0061】
別の実施形態において、低分子量HMPは、アクリル酸カリウムコポリマーである。
【0062】
LIPCA(すなわち、SACまたはHMP)に加え、洗浄組成物は、場合により、洗浄組成物に典型的に使用されるさらなる成分を含んでいてもよい。皮膚および毛髪に使用するための組成物に従来から使用される多種多様なさらなる成分が、当該技術分野で達成される濃度で含まれていてもよい。例えば、洗浄組成物は、他のポリマー界面活性剤またはモノマー界面活性剤を含んでいてもよい。アニオン性、非イオン性、両性、カチオン性の界面活性剤、または上述の混合物を当該技術分野で知られているように使用してもよい。他の任意成分としては、真珠光沢剤または乳白剤、増粘剤、皮膚軟化剤、二次コンディショナー、保湿剤、キレート化剤、スクラブ剤、および洗浄組成物の外観、感触または香りを向上させる添加剤、例えば、着色剤、香料、保存料、pH調整剤などが挙げられる。
【0063】
一実施形態において、洗浄組成物は、約0.1~約10重量%、好ましくは約0.25~約5重量%のSACを含む。別の実施形態において、洗浄組成物は、約0.5~約2.5重量%のSACを含む。さらなる実施形態において、洗浄組成物は、約1~約2.5重量%のSACを含む。
【0064】
一実施形態において、洗浄組成物は、約0.1~約5重量%、好ましくは約0.1~約2.5重量%のHMPを含む。別の実施形態において、洗浄組成物は、約0.5~約2.5重量%のHMPを含む。さらなる実施形態において、洗浄組成物は、約1~約2.5重量%のHMPを含む。
【0065】
別の実施形態において、洗浄組成物は、Johnson & Johnson Consumer Inc.から市販されているNEUTROGENA(登録商標)Ultra Gentle Daily Cleanserである。
【0066】
リーブオン型組成物は、少なくとも1種のレチノイドを含む。本明細書で使用される場合、「レチノイド」は、例えばこの構造によって特徴付けられるような、ビタミンAに構造的に類似した化合物を意味する。
【0067】
【化2】
ここで、Rは、CH
2OH(レチノール)、CHO(レチナール)、CO
2H(レチノイン酸)、CH
2OCOCH
3(酢酸レチニル)のような官能基を表す。レチノイドは、パルミチン酸レチニルのような他のエステル、アミン誘導体などを含む。一実施形態において、レチノイドは、レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチニルおよびパルミチン酸レチニルから選択される。好ましい実施形態において、レチノイドは、レチノールである。
【0068】
リーブオン型組成物は、場合により、リーブオン型組成物に典型的に使用されるさらなる成分を含有していてもよい。皮膚および毛髪に使用するために組成物に従来から使用される多種多様なさらなる油溶性物質および/または水溶性物質は、当該技術分野で達成される濃度で含まれていてもよい。例えば界面活性剤または乳化剤、真珠光沢剤または乳白剤、増粘剤、皮膚軟化剤、コンディショナー、保湿剤、キレート化剤、スクラブ剤、および洗浄組成物の外観、感触または香りを向上させる添加剤、例えば、着色剤、香料、保存料、pH調整剤などが含まれていてもよい。
【0069】
一実施形態において、リーブオン型組成物は、レチノイドに対する正味の相対極性指数が約0.5~2の少なくとも1つの極性皮膚軟化剤と、レチノイドに対する正味の相対極性指数が約7~約10の少なくとも1つの非極性皮膚軟化剤とを含み、当該極性皮膚軟化剤と、当該非極性皮膚軟化剤との重量比は、約95対5~約40対60である。例えば、非極性皮膚軟化剤は、芳香族または直鎖のエステル、ゲルベエステル、鉱物油、スクアラン、イソヘキサデカン、スクアレン、液体パラフィン、およびこれらの混合物、特に、イソヘキサデカンからなる群から選択されてもよい。極性皮膚軟化剤は、プロピレングリコールステアリルエーテル、プロピレングリコールイソステアレート、およびこれらの混合物、特に、プロピレングリコールステアリルエーテルからなる群から選択されてもよい。
【0070】
別の実施形態において、リーブオン型組成物は、水中油型エマルションを含み、水中油型エマルションは、(i)約0.05~約0.5重量%のレチノールと;(ii)プロピレングリコールステアリルエーテルと;(iii)イソヘキサデカンとを含み、プロピレングリコールステアリルエーテルとイソヘキサデカンとの重量比は、約75:25~約50:50であり、この組成物は、レチノール以外のさらなる活性薬剤を含有しない。
【0071】
一実施形態において、リーブオン型組成物は、約0.001~約5重量%のレチノイドを含む。一実施形態において、リーブオン型組成物は、約0.04~約2重量%のレチノイドを含む。一実施形態において、リーブオン型組成物は、約0.04~約0.15重量%のレチノイドを含む。
【0072】
別の実施形態において、リーブオン型組成物は、NEUTROGENA(登録商標)Rapid Wrinkle Repair(登録商標)であり、Johnson & Johnson Consumer Inc.から市販されている。
【0073】
任意成分、さらなる組成物および製品の形態
洗浄組成物およびリーブオン型組成物のいずれか、または両方は、他の化粧用として許容可能な賦形剤および/または活性薬剤を含んでいてもよい。
【0074】
さらに、本発明の方法、計画およびキットは、場合により、1つ以上のさらなる組成物、例えば、保湿剤、サンスクリーンなどと共に、洗浄組成物およびリーブオン型組成物を用いて実施されてもよい。
【0075】
洗浄組成物、リーブオン型組成物またはさらなる組成物に使用するための他の化粧用として許容可能な活性薬剤としては、例えば、抗座瘡剤、光沢制御剤、抗菌剤、抗炎症剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤、外用鎮痛薬、サンスクリーン、日焼け止め、酸化防止剤、角質溶解剤、界面活性剤、保湿剤、栄養分、ビタミン、エネルギー向上剤、制汗剤、収斂剤、防臭剤、固定化剤、タコ防止剤、毛髪および/または皮膚のコンディショニング剤、および他のグリコサミノグリカン、例えば、ヒアルロン酸が挙げられる。
【0076】
化粧用の活性薬剤の量は、組成物の約0.001重量%~約20重量%、例えば、組成物の約0.005重量%~約10重量%、例えば、約0.01重量%~約5重量%の範囲であってもよい。
【0077】
化粧用として許容可能な活性薬剤は、例えば、ヒドロキシ酸、過酸化ベンゾイル、D-パンテノールカロテノイド、セラミド、多価不飽和脂肪酸、必須脂肪酸、酵素、例えば、ラッカーゼ、酵素阻害剤、鉱物、ホルモン、例えば、エストロゲン、ステロイド、例えば、ヒドロコルチゾン、2-ジメチルアミノエタノール、銅塩、例えば、塩化銅、ペプチド、例えばアルジレリン、シンエイク、銅を含有するもの、コエンザイムQ10、アミノ酸、例えば、プロリン、ビタミン、ラクトビオン酸、アセチルコエンザイムA、ナイアシン、リボフラビン、チアミン、リボース、電子移動剤、例えば、NADHおよびFADH2、天然抽出物、例えば、アロエベラ、ナツシロギク、オートミール、ディル、ブラックベリー、キリ、ピキアアノマラおよびチコリからの抽出物、レゾルシノール、例えば、4-ヘキシルレゾルシノール、クルクミノイド、糖アミン、例えば、N-アセチルグルコサミン、およびこれらの誘導体および混合物から選択されてもよい。
【0078】
ビタミンの例としては、限定されないが、ビタミンA、ビタミンB群、例えば、ビタミンB3、ビタミンB5およびビタミンB12、ビタミンC、ビタミンK、およびビタミンEの異なる形態、例えば、α、β、γまたはδトコフェロ-ル、またはこれらの混合物および誘導体が挙げられる。
【0079】
ヒドロキシ酸の例には、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、サリチル酸、クエン酸および酒石酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
酸化防止剤の例としては、限定されないが、水溶性酸化防止剤、例えば、スルフヒドリル化合物およびその誘導体(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウムおよびN-アセチル-システイン)、リポ酸およびジヒドロリポ酸、レスベラトロール、ラクトフェリン、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビルおよびアスコルビルポリペプチド)が挙げられる。本発明の組成物に使用するのに好適な油溶性酸化防止剤としては、ブチル化ヒドロキシトルエン、レチノイド(例えば、レチノールおよびパルミチン酸レチニル)、トコフェロール(例えば、酢酸トコフェノール)、トコトリエノール、およびユビキノンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物に使用するのに適した酸化防止剤を含有する天然抽出物としては、限定されないが、フラボノイドおよびイソフラボノイドを含有する抽出物、およびその誘導体(例えば、ゲニステインおよびダイゼイン)、レスベラトロールを含有する抽出物が挙げられる。このような天然抽出物の例には、ブドウ種、緑茶、松の樹皮およびプロポリスが挙げられる。
【0081】
組成物は、化粧用として許容可能な局所用キャリアをさらに含んでいてもよい。本キャリアは、組成物の約50重量%~約99.99重量%(例えば、組成物の約80重量%~約99重量%)であってよい。本発明の好ましい実施形態では、化粧用として許容可能な局所用キャリアには水が含まれる。
【0082】
組成物は、限定されないが、ローション、クリーム、ゲル、スティック、スプレー、軟膏、洗浄用の洗液、固体棒状物、シャンプーおよび毛髪コンディショナー、毛髪固定剤、ペースト、フォーム、粉末、ムース、シェービングクリーム、ワイプ、パッチ、ヒドロゲル、膜を生成する製品、フェイシャルマスクおよび皮膚マスク、フィルムおよびメイキャップ、例えば、ファンデーションおよびマスカラを含む、多種多様な種類の製品にされてもよい。これらの種類の製品は、限定されないが、溶液、懸濁物、エマルション(マイクロエマルションおよびナノエマルションを含む)、ゲル、固形物およびリポソームを含め、種々の化粧用として許容可能な局所用キャリアを含有していてもよい。以下は、このようなキャリアの非限定例である。当業者は、他のキャリアを配合することができる。
【0083】
組成物は、溶液として配合されてもよい。溶液は、典型的には、水性または有機溶媒(例えば、約50%~約99.99%または約90%~約99%の化粧用として許容可能な水性または有機溶媒)を含む。好適な有機溶媒の例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、1,2,4-ブタントリオール、ソルビトールエステル、1,2,6-ヘキサントリオール、エタノール、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0084】
組成物は、皮膚軟化剤を含む溶液として配合されてもよい。このような組成物は、好ましくは、約2%~約50%の皮膚軟化剤を含有する。本発明で使用する場合、「皮膚軟化剤」とは、皮膚からの経皮水分喪失を防止することなどにより、乾燥状態の防止または緩和のために使用する材料を指す。皮膚軟化剤の例としては、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、Pepe、Wenninger、McEwen編、pp.2930~36(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Assoc,Washington,D.C.,9th Edition,2002)(以後、「ICI Handbook」)に記載されるものなどが挙げられるが、これに限定されない。特に好適な皮膚軟化剤の例としては、植物油、鉱油、脂肪エステルなどが挙げられる。
【0085】
ローションはそのような溶液から作製され得る。ローションは、典型的には、約1%~約20%(例えば、約5%~約10%)の皮膚軟化剤と、約50%~約90%(例えば、約60%~約80%)の水とを含有する。
【0086】
溶液から配合できる別の種類の製品はクリームである。クリームは、典型的には、約5%~約50%(例えば、約10%~約20%)の皮膚軟化剤と、約45%~約85%(例えば、約50%~約75%)の水とを含有する。
【0087】
または、組成物は、無水物であってもよく、水を含まないが、有機溶媒および/またはシリコーン溶媒、油、脂質およびワックスを含む軟膏であってもよい。軟膏は、動物または植物油の単一塩基または半固体の炭化水素を含有してもよい。軟膏は、約2%~約10%の皮膚軟化剤と、約0.1%~約2%の増粘剤とを含有し得る。増粘剤の例としては、ICI Handbookのpp.2979~84に記載されるものが挙げられるが、これに限定されない。
【0088】
組成物は、エマルションとして配合されてもよい。局所用キャリアがエマルションである場合、約1%~約10%(例えば、約2%~約5%)の局所用キャリアが乳化剤を含有する。乳化剤は、非イオン性、アニオン性、またはカチオン性であってよい。乳化剤の例としては、ICI Handbookのpp.2962~71に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
ローションおよびクリームを、エマルションとして配合することができる。典型的には、このようなローションは、0.5%~約5%の乳化剤を含有する。このようなクリームは、典型的には、約1%~約20%(例えば、約5%~約10%)の皮膚軟化剤、約20%~約80%(例えば、約30%~約70%)の水と、約1%~約10%(例えば、約2%~約5%)の乳化剤とを含有する。
【0090】
水中油型および油中水型の、ローションおよびクリームのような単相エマルションのスキンケア製剤は、化粧品技術分野で周知であり、本発明に有用である。水中油中水型または油中水中油型などの多相エマルション組成物もまた、本発明に有用である。一般に、そのような単相または多相のエマルションは、必須成分として水、皮膚軟化剤および乳化剤を含有する。
【0091】
組成物は、ゲル(例えば、適切なゲル化剤を用いた、水性、アルコール性、アルコール/水性または油性のゲル)として配合されてもよい。水性および/またはアルコール性ゲル用の好適なゲル化剤には、天然ゴム、アクリル酸およびアクリレートのポリマーおよびコポリマー、およびセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース)が含まれるが、これらに限定されない。油(鉱油など)用の好適なゲル化剤としては、水素添加ブチレン/エチレン/スチレンコポリマーおよび水素添加エチレン/プロピレン/スチレンコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。このようなゲルは、典型的には、約0.1重量%~5重量%のこのようなゲル化剤を含有する。
【0092】
組成物は、固体配合物(例えば、ワックス系スティック、棒状物または粉末)に配合されてもよい。組成物は、基材(例えば、織地または不織材料、ワイプ、パッチ、マスク、衣料物品など)に乗せられてもよい。
【0093】
レチノイド活性
本発明によれば、皮膚を、LIPCAを含む洗浄組成物を用いて前処理すると、後で局所的に適用されるレチノイドの活性が増加する。
【0094】
一実施形態において、レチノイドはレチノールであり、このような前処理によって、細胞内レチノイン酸結合タンパク質II(CRABPII)遺伝子発現の変化によって測定されるレチノールの生体活性が、レチノール単独での治療に対し、少なくとも約150%、好ましくは少なくとも約180%増加する。細胞内レチノイン酸結合タンパク質II(CRABPII)遺伝子発現の変化は、実施例1に記載するCRABPII EXPRESSSION TESTを用いて測定する。
【0095】
以下の実施例は、請求される発明をさらに説明する。
【実施例0096】
(実施例1)
種々の穏和な洗浄剤を用いる方法と組み合わせたときのリーブオン型レチノール製品(NEUTROGENA(登録商標)Rapid Wrinkle Repair(登録商標)(「RWR」))の活性を試験した。細胞内レチノイン酸結合タンパク質II(「CRABPII」)の発現のためのCRABPII EXPRESSSION TESTを以下のように用い、レチノール活性を評価した。
【0097】
直径が1cmのex vivo皮膚外植片を皮膚の腹部生検から調製した。水飽和雰囲気下、48時間の試験期間のために、皮膚外植片を、アムホテリシンB(0.125μg/ml)を追加したKGM金(商標)培地中、37℃で維持した。この外植片を従来の試験プレートに入れ、サンプルがほぼ浸かるが、完全には浸からない程度の十分な培地中(すなわち、表皮表面が培地の上側表面から突出する)、表皮表面を上に向ける。試験する穏和な洗浄剤を、培地から突出する表皮表面に4時間適用し、その後、リン酸緩衝整理食塩水(PBS)で洗浄し、RWRを適用した。48時間後、当業者に知られている従来の技術を用い、外植片を取り出し、この外植片から表皮mRNAを抽出し、CRABPII遺伝子の発現を、適切なオリゴヌクレオチド配列を用い、定量リアルタイムPCR(QRT-PCR)によって測定した。
【0098】
試験した穏和な洗浄剤は、以下の表1および表2に記載している。結果を、未処理コントロールから何倍変化しているかで示している。
【0099】
【表1】
1Johnson & Johnson Consumer Inc.から市販されているNEUTROGENA(登録商標)Ultra Gentle Daily Cleanser、水、グリセリン、コカミドプロピルベタイン、ラウリルグルコシドアクリル酸カリウムコポリマー、PEG-120メチルジオレエート、ジナトリウムラウロアンホジアセテート、ナトリウムココイルサルコシネート、エチルヘキシルグリセリン、カプリリル、ソルビン酸カリウム、香料を含有する。
2OLAY(登録商標)Sensitive Foaming Face Wash、Procter & Gambleから市販されており、水/Eau、グリセリン、ナトリウムミリストイルサルコシネート、PEG-120メチルグルコースジオレエート、ナトリウムラウロアンホアセテート、Aloe Barbadensis Leafジュース、ポリクアテルニウム-10、PEG-150ペンタエリスリチルテトラステアレート、グリコールジステアレート、ナトリウムラウレスサルフェート、コカミドMEA、ラウレス-10、ジナトリウムラウロアンホジアセテート、ナトリウムトリデセスサルフェート、クエン酸、二ナトリウムEDTA、フェノキシエタノール、DMDMヒダントインを含有する。
【0100】
【表2】
1Johnson & Johnson Consumer Inc.から市販されているNEUTROGENA(登録商標)Ultra Gentle Daily Cleanser、水、グリセリン、コカミドプロピルベタイン、ラウリルグルコシドアクリル酸カリウムコポリマー、PEG-120メチルジオレエート、ジナトリウムラウロアンホジアセテート、ナトリウムココイルサルコシネート、エチルヘキシルグリセリン、カプリリル、ソルビン酸カリウム、香料を含有する。
2CETAPHIL Gentle Skin Cleanser、Galdermaから市販され、水、セチルアルコール、プロピレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンを含有する。
3CETAPHIL Daily Foaming Cleanser、Galdermaから市販され、水(精製したもの)、ナトリウムラウロイルサルコシネート、アクリレート/ステアレス20メタクリレートクロスポリマー、グリセリン、PEG200水素化グリセリルパルミテート、ナトリウムラウレスサルフェート、ブチレングリコール、PEG7グリセリルココエート、フェノキシエタノール、マスキング香料(Parfum)、パンテノール、PEG60水素化ヒマシ油、二ナトリウムEDTA、メチルパラベンを含有する。
【0101】
これらの結果は、レチノール製品を適用する前に、本発明のLIPCAを含む洗浄組成物を用いて組織を前処理すると、レチノール製品単独と比較して、また、LIPCAを含まない洗浄組成物を用いた前処理と比較して、下流のレチノール生体活性が増加した。
【0102】
(実施例2)
異なる治療のin vitroでの穏和さ(IL-1α濃度)を以下のように試験した。
【0103】
表皮等価物(EPI 200 HCF)(正常なヒト表皮ケラチノサイトからなる多層の分化した表皮)は、MatTek(アッシュランド、MA)から得た。受領時に、表皮等価物を、ヒドロコルチゾンを含まない維持培地中、37℃で24時間インキュベートした。等価物を表3に示す製品で局所的に1時間かけて処理し(容積6μL)、次いで、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)で2回洗浄した。次いで、等価物を、維持培地を用い、37℃で24時間インキュベートし、次いで、上澄みを、市販のキット(Millipore Corp.、ビレリカ、MA)を用い、IL-1αサイトカイン放出について分析した。
【0104】
【表3】
1Johnson & Johnson Consumer Inc.から市販されているNEUTROGENA(登録商標)Ultra Gentle Daily Cleanser、水、グリセリン、コカミドプロピルベタイン、ラウリルグルコシドアクリル酸カリウムコポリマー、PEG-120メチルジオレエート、ジナトリウムラウロアンホジアセテート、ナトリウムココイルサルコシネート、エチルヘキシルグリセリン、カプリリル、ソルビン酸カリウム、香料を含有する。
2OLAY(登録商標)Sensitive Foaming Face Wash、Procter & Gambleから市販され、水/Eau、グリセリン、ナトリウムミリストイルサルコシネート、PEG-120メチルグルコースジオレエート、ナトリウムラウロアンホアセテート、Aloe Barbadensis Leafジュース、ポリクアテルニウム-10、PEG-150ペンタエリスリチルテトラステアレート、グリコールジステアレート、ナトリウムラウレスサルフェート、コカミドMEA、ラウレス-10、ジナトリウムラウロアンホジアセテート、ナトリウムトリデセスサルフェート、クエン酸、二ナトリウムEDTA、フェノキシエタノール、DMDMヒダントインを含有する。
3CETAPHIL Daily Foaming Cleanser、Galdermaから市販され、水(精製したもの)、ナトリウムラウロイルサルコシネート、アクリレート/ステアレス20メタクリレートクロスポリマー、グリセリン、PEG200水素化グリセリルパルミテート、ナトリウムラウレスサルフェート、ブチレングリコール、PEG7グリセリルココエート、フェノキシエタノール、マスキング香料(Parfum)、パンテノール、PEG60水素化ヒマシ油、二ナトリウムEDTA、メチルパラベンを含有する。
4CETAPHIL Gentle Skin Cleanser、Galdermaから市販され、水、セチルアルコール、プロピレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンを含有する。
【0105】
これらの結果は、洗浄組成物AおよびC、比較洗浄組成物Dが、両方とも低いIL-1α放出濃度を与え、これは、穏和さを示している。しかし、実施例1に示されるように、本発明のLIPCAを含有する洗浄組成物Aのみが、穏和さと、レチノール活性の増加の両方を与える。
【0106】
〔実施の態様〕
(1) 皮膚を治療するための方法であって、順番に、
(a)皮膚老化、座瘡または酒さの兆候を治療する必要がある皮膚を、超親水性両親媒性コポリマーを含む洗浄組成物で洗浄することと、
(b)レチノイドを含むリーブオン型組成物を前記皮膚に局所的に適用することと、を含む、方法。
(2) 前記超親水性両親媒性コポリマーが、ジャガイモまたはタピオカに由来するデンプン系多糖である、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記超親水性両親媒性コポリマーが、ナトリウムジャガイモデキストリンドデセニルスクシネート(sodium potato dextrin dodecenylsuccinate)である、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記レチノイドが、レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチニルおよびパルミチン酸レチニルからなる群から選択される、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記レチノイドがレチノールである、実施態様1に記載の方法。
【0107】
(6) キットであって、
(a)超親水性両親媒性コポリマーを含む洗浄組成物と、
(b)レチノイドを含むリーブオン型組成物と、を含む、キット。
(7) レチノイドの活性を大きくする方法であって、該レチノイドを用いて治療する必要がある皮膚と該レチノイドとを接触させる前に、前記皮膚を、超親水性両親媒性コポリマーを含む洗浄組成物で洗浄することを含む、方法。
(8) 前記レチノイドの活性が、皮膚老化の兆候を治療するためのものである、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記レチノイドの活性が、座瘡の兆候を治療するためのものである、実施態様7に記載の方法。
(10) 前記レチノイドの活性が、酒さの兆候を治療するためのものである、実施態様7に記載の方法。
【0108】
(11) 皮膚を治療するための方法であって、順番に、
(a)皮膚老化、座瘡または酒さの兆候を治療する必要がある皮膚を、低分子量の疎水性に改質されたポリマーを含む洗浄組成物で洗浄することと、
(b)レチノイドを含むリーブオン型組成物を前記皮膚に局所的に適用することと、を含む、方法。
(12) 前記低分子量の疎水性に改質されたポリマーが、架橋していない直鎖アクリルコポリマーである、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記低分子量の疎水性に改質されたポリマーは、(メタ)アクリル酸からなる群から選択される少なくとも1つの第1のモノマー成分と、1つ以上のC1~C9アルキル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1つの第2のモノマー成分とに由来する、架橋していない直鎖アクリルコポリマーであり、前記低分子量の疎水性に改質されたポリマーは、数平均分子量が約100,000以下である、実施態様11に記載の方法。
(14) 前記低分子量の疎水性に改質されたポリマーが、アクリル酸カリウムコポリマーである、実施態様11に記載の方法。
(15) 前記レチノイドが、レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチニルおよびパルミチン酸レチニルからなる群から選択される、実施態様11に記載の方法。
【0109】
(16) 前記レチノイドがレチノールである、実施態様11に記載の方法。
(17) キットであって、
(a)低分子量の疎水性に改質されたポリマーを含む洗浄組成物と、
(b)レチノイドを含むリーブオン型組成物と、を含む、キット。
(18) レチノイドの活性を大きくする方法であって、該レチノイドを用いて治療する必要がある皮膚と該レチノイドとを接触させる前に、前記皮膚を、低分子量の疎水性に改質されたポリマーを含む洗浄組成物で洗浄することを含む、方法。
(19) 前記レチノイドの活性が、皮膚老化の兆候を治療するためのものである、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記レチノイドの活性が、座瘡の兆候を治療するためのものである、実施態様18に記載の方法。
【0110】
(21) 前記レチノイドの活性が、酒さの兆候を治療するためのものである、実施態様18に記載の方法。