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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076775
(43)【公開日】2023-06-02
(54)【発明の名称】洗浄装置、及び洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/70 20160101AFI20230526BHJP
   B08B 3/04 20060101ALI20230526BHJP
   B08B 3/10 20060101ALI20230526BHJP
【FI】
A61B90/70
B08B3/04 A
B08B3/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189754
(22)【出願日】2021-11-23
(71)【出願人】
【識別番号】395013348
【氏名又は名称】株式会社アスカメディカル
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】林 延弘
(72)【発明者】
【氏名】木原 正人
【テーマコード(参考)】
3B201
【Fターム(参考)】
3B201AA46
3B201AB08
3B201AB37
3B201AB45
3B201BB02
3B201BB72
3B201BB77
3B201BB82
3B201BB87
3B201BB92
3B201CB01
3B201CD42
3B201CD43
(57)【要約】
【課題】洗浄対象である医療器具を洗浄槽にセットする場合の作業負担を軽減することが可能な洗浄装置、及び洗浄方法を提供する。
【解決手段】、洗浄装置10は、セット位置と洗浄位置との間でラック13を移動可能に支持する昇降機構30及びラック支持部80を備える。制御部100及び昇降制御部110は、上昇ボタン56及び下降ボタン57が操作されると、前記セット位置と前記洗浄位置との間でラック13を移動させるよう昇降機構30を制御する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具を洗浄可能な洗浄装置であって、
内部に洗浄水が貯留される洗浄槽と、
複数の医療器具が載置可能なラックと、
前記洗浄槽の外側に配置される第1位置と、前記洗浄槽の内部に収容される第2位置との間で前記ラックを移動可能に支持するラック移動機構と、
駆動源から駆動力を前記ラック移動機構に付与して、前記ラックを前記第1位置と前記第2位置との間で移動させるラック駆動制御部と、を備える洗浄装置。
【請求項2】
前記ラック駆動制御部は、
前記第1位置へ移動させる第1移動要求が入力された場合に前記ラックを前記第1位置に移動させ、前記第2位置へ移動させる第2移動要求が入力された場合に前記ラックを前記第2位置に移動させる、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記第2位置は、前記洗浄槽内に貯留された前記洗浄水に前記ラックが浸漬可能な位置であり、
前記ラック駆動制御部は、
前記医療器具の洗浄中に、前記第2位置と、前記第2位置から前記洗浄槽の開口部までの間に定められた所定の第3位置との間で前記ラックを往復移動させる、請求項1又は2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄槽に、流出口と、第1流入口と、第2流入口とが設けられており、
前記洗浄装置は、
前記第1流入口に至る第1流路に連結される第1出力ポートと、前記第2流入口に至る第2流路に連結される第2出力ポートとを有し、前記第1出力ポートまたは前記第2出力ポートのいずれかに切替可能な電動弁と、
吸入口が前記流出口に連結され、吐出口が前記電動弁の入口ポートに連結された循環ポンプと、
前記循環ポンプを駆動するとともに、前記電動弁を制御して前記第1出力ポートと前記第2出力ポートとを交互に切り替える流路制御部と、を更に備える請求項1から3のいずれか一つに記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記第1流入口は、前記洗浄槽の所定の側壁における一方側の端部に設けられており、
前記第2流入口は、前記所定の側壁において前記第1流入口とは反対側の端部に設けられている、請求項4に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記洗浄槽は、直方体形状に形成されており、
前記第1流入口は、前記洗浄槽の所定の側壁における一方側の端部に設けられており、
前記第2流入口は、前記所定の側壁に対向する他の側壁における一方側の端部に設けられている、請求項4に記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記洗浄槽は、直方体形状に形成されており、
前記第1流入口は、前記洗浄槽の所定の側壁における一方側の端部、及び前記所定の側壁に対向する他の側壁における他方側の端部それぞれに設けられており、
前記第2流入口は、前記所定の側壁における他方側の端部、及び前記他の側壁における一方側の端部それぞれに設けられている、請求項4に記載の洗浄装置。
【請求項8】
請求項1に記載の洗浄装置に適用される洗浄方法であって、
前記医療器具の洗浄中に、前記第2位置と、前記第2位置から前記洗浄槽の開口部までの間に定められた所前の第3位置との間で前記ラックを往復移動させて、往復方向に応じた水流を生じさせる工程を含む洗浄方法。
【請求項9】
前記洗浄槽は、流出口と、第1流入口と、第2流入口とを有し、
循環ポンプによって前記流出口から吸入した前記洗浄水の送出先を、前記第1流入口と前記第2流入口とに交互に切り替えて、前記洗浄槽内に前記第1流入口からの水流と、前記第2流入口からの水流とを交互に生じさせる工程を更に含む、請求項8に記載の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄対象である医療器具を洗浄可能な洗浄装置、及び洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗浄水が貯留された洗浄槽に被洗浄物を浸漬させて、被洗浄物を洗浄する洗浄消毒装置が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の洗浄消毒装置は、医療機器としての内視鏡を洗浄槽に浸漬させた状態で、給水ノズルから水流を噴出することにより、内視鏡を洗浄する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-189415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、医療施設で使用される医療器具としては、例えば、メスや鉗子、ピンセット、ハサミ、クリップ、クランプ、鉤、などの所謂鋼製小物と称される医療器具が知られている。これらの医療器具は、治療や手術などの医療行為に使用されることにより、当該医療器具に、患者の体液や血液、脂質、タンパク質などが付着する。歯科医療に用いられるマウスミラーやプロービングなどの歯科医療器具も同様である。
【0005】
これらの医療器具を再利用するためには、医療器具を消毒処理する必要がある。従来、医療器具を消毒処理する前に、医療器具から付着物を除去する洗浄処理が行われる。このような洗浄処理は、予備洗浄とも称されている。
【0006】
しかしながら、従来の洗浄消毒装置を用いて、比較的サイズの小さい医療器具を洗浄するためには、籠状のラックに複数の医療器具を収めた状態で、ラックごと洗浄槽に浸漬させている。この場合、ユーザー(作業者)は、複数の医療器具を有する重量のあるラックを洗浄槽の上側まで持ち上げてから、洗浄槽の内部に収容する必要があり、作業負担が大きい。
【0007】
本発明の目的は、洗浄対象である医療器具を洗浄槽にセットする場合の作業負担を軽減することが可能な洗浄装置、及び洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る洗浄装置は、医療器具を洗浄可能な洗浄装置であって、内部に洗浄水が貯留される洗浄槽と、複数の医療器具が載置可能なラックと、前記洗浄槽の外側に配置される第1位置と、前記洗浄槽の内部に収容される第2位置との間で前記ラックを移動可能に支持するラック移動機構と、駆動源から駆動力を前記ラック移動機構に付与して、前記ラックを前記第1位置と前記第2位置との間で移動させるラック駆動制御部と、を備える。
【0009】
このように構成されているため、複数の医療器具を洗浄装置にセットする際に、ラックの位置を前記第1位置に移動させておくことで、複数の医療器具をラックに載置する場合の作業負担を軽減することができる。また、ラックが取り外し可能なものであれば、複数の医療器具を収めた状態のラックを洗浄槽にセットする場合の作業負担を権限することができる。
【0010】
前記ラック駆動制御部は、前記第1位置へ移動させる第1移動要求が入力された場合に前記ラックを前記第1位置に移動させ、前記第2位置へ移動させる第2移動要求が入力された場合に前記ラックを前記第2位置に移動させる。
【0011】
これにより、作業者が前記移動要求を入力したことに応じてラックを移動させることができる。
【0012】
前記第2位置は、前記洗浄槽内に貯留された前記洗浄水に前記ラックが浸漬可能な位置である。また、前記ラック駆動制御部は、前記医療器具の洗浄中に、前記第2位置と、前記第2位置から前記洗浄槽の開口部までの間に定められた所定の第3位置との間で前記ラックを往復移動させる。
【0013】
これにより、洗浄槽内に貯留された洗浄水において、ラックの往復移動に応じた水流が生じ、医療器具の付着物をより一層良好に除去することができる。
【0014】
前記洗浄槽に、流出口と、第1流入口と、第2流入口とが設けられている。この場合、前記洗浄装置は、前記第1流入口に至る第1流路に連結される第1出力ポートと、前記第2流入口に至る第2流路に連結される第2出力ポートとを有し、前記第1出力ポートまたは前記第2出力ポートのいずれかに切替可能な電動弁と、吸入口が前記流出口に連結され、吐出口が前記電動弁の入口ポートに連結された循環ポンプと、前記循環ポンプを駆動するとともに、前記電動弁を制御して前記第1出力ポートと前記第2出力ポートとを交互に切り替える流路制御部と、を更に備える。
【0015】
これにより、洗浄槽内において、洗浄水の渦流が生じる。また、この渦流は、流路制御部によって切り替えられる度に、回転方向の異なる渦流が生じる。そのため、医療器具の付着物をより効果的に除去することができる。
【0016】
ここで、前記第1流入口は、前記洗浄槽の所定の側壁における一方側の端部に設けられており、前記第2流入口は、前記所定の側壁において前記第1流入口とは反対側の端部に設けられていることが好ましい。
【0017】
また、前記洗浄槽が、直方体形状に形成されている場合は、前記第1流入口は、前記洗浄槽の所定の側壁における一方側の端部に設けられており、前記第2流入口は、前記所定の側壁に対向する他の側壁における一方側の端部に設けられていることが好ましい。
【0018】
また、前記洗浄槽が、直方体形状に形成されている場合は、前記第1流入口は、前記洗浄槽の所定の側壁における一方側の端部、及び前記所定の側壁に対向する他の側壁における他方側の端部それぞれに設けられており、前記第2流入口は、前記所定の側壁における他方側の端部、及び前記他の側壁における一方側の端部それぞれに設けられていることが好ましい。
【0019】
本発明の他の実施形態に係る洗浄方法は、上述した洗浄装置に適用される洗浄方法であって、前記医療器具の洗浄中に、前記第2位置と、前記第2位置から前記洗浄槽の開口部までの間に定められた所前の第3位置との間で前記ラックを往復移動させて、往復方向に応じた水流を生じさせる工程を含む。
【0020】
また、前記洗浄槽が、流出口と、第1流入口と、第2流入口とを有する場合は、前記洗浄方法は、循環ポンプによって前記流出口から吸入した前記洗浄水の送出先を、前記第1流入口と前記第2流入口とに交互に切り替えて、前記洗浄槽内に前記第1流入口からの水流と、前記第2流入口からの水流とを交互に生じさせる工程を更に含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、洗浄対象である医療器具を洗浄槽にセットする場合の作業負担を軽減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の実施形態に係る洗浄装置を示す正面図である。
図2図2は、洗浄装置を示す左側面図であり、ラックがセット位置に配置された状態を示す。
図3図3は、洗浄装置を示す左側面図であり、ラックが洗浄位置に配置された状態を示す。
図4図4は、洗浄装置を示す上面図である。
図5図5は、洗浄装置に用いられるラックを示す斜視図である。
図6図6は、洗浄装置の構成を示すブロック図である。
図7図7は、洗浄装置における洗浄水の流路を示す配管系統図である。
図8図8(A)及び(B)は、洗浄装置の操作表示部に表示される画面を示す画面図であり、(A)はメイン画面を示し、(B)は自動洗浄設定画面を示す。
図9図9は、給水動作時の水の流れを示すフロー図である。
図10図10は、第1流路を通る循環動作時の水の流れを示すフロー図である。
図11図11は、第2流路を通る循環動作時の水の流れを示すフロー図である。
図12図12は、洗浄装置の制御部によって実行される洗浄処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、洗浄装置の制御部によって実行される洗浄処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、洗浄装置の制御部によって実行される自動洗浄処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る洗浄装置10について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0024】
図1乃至図7を参照して、本発明の洗浄装置の一実施形態に係る洗浄装置10の構成について説明する。ここで、図1は、洗浄装置10の構成を示す正面図である。図2及び図3は、洗浄装置10の構成を示す左側面図であり、図2はラック13が後述のセット位置に配置された状態を示し、図3はラック13が後述の洗浄位置に配置された状態を示す。図4は、洗浄装置10の構成を示す上面図である。図5は、洗浄装置10に用いられるラック13を示す斜視図である。図6は、洗浄装置10の構成を示すブロック図である。図7は、洗浄装置10における洗浄水の流路を示す配管系統図である。図1では、正面開口を覆う正面パネルや、配管、循環ポンプ40などの図示を省略している。図2及び図3では、側面開口を覆う側面パネルの図示を省略している。また、説明の便宜上、洗浄装置10が自立した状態で、上下方向D1、前後方向D2、左右方向D3を用いて本実施形態を説明する。
【0025】
洗浄装置10は、鋼製小物と称されるメスや鉗子などの複数の医療器具をまとめて洗浄する装置である。医師による治療や手術などの医療行為に使用されることによって、患者の体液や血液、脂質、タンパク質などの付着物が前記医療器具に付着する。本実施形態の洗浄装置10は、主に、医療行為によって前記医療器具に付着した付着物を前記医療器具から除去する。なお、前記医療器具は、メスや鉗子の他に、鋼鉄で形成されたピンセット、ハサミ、クリップ、クランプ、鉤などが挙げられる。また、歯科医療に用いられるマウスミラーやプロービングなどの歯科医療用の鋼製小物も前記医療器具の一例である。
【0026】
なお、洗浄装置10は、前記医療器具の洗浄に最適な装置であるが、例えば、医療行為に用いる小物道具ではなく、日常生活において使用される鋼鉄などの金属製又は樹脂製の小物道具(ハサミ、クリップ、バリカンの歯、ピンセット、爪切り等)をまとめて洗浄する場合にも適用可能である。
【0027】
図1に示すように、洗浄装置10は、外枠又は内部フレームなどの筐体を構成する装置本体11を有する。洗浄装置10を構成する各構成要素が装置本体11に取り付けられている。装置本体11は、例えば、L型のアングル鋼や板金などで構成されている。
【0028】
洗浄装置10は、装置本体11に取り付けられる複数の構成要素を備えており、具体的には、図1乃至図4に示すように、洗浄槽12と、ラック13(図2参照)と、水栓14と、昇降機構30と、ラック支持部80と、温度センサー41と、水位センサー42と、変位センサー43と、ヒーター39と、操作表示部45(図1参照)と、油圧ポンプ33(本発明の駆動源の一例)と、昇降制御部110(本発明のラック駆動制御部の一例)と、制御部100(図4参照、本発明の流路制御部の一例)と、を備える。なお、図2では、水栓14の図示が省略されている。
【0029】
また、洗浄装置10は、図6に示すように、給水電磁弁34と、第1電動三方弁35(本発明の電動弁の一例)と、第2電動三方弁36と、排水電磁弁37と、循環ポンプ40と、を備える。
【0030】
図1に示すように、装置本体11は、下部本体111と、上部本体112を有している。下部本体111は、左右方向D3に幅広な直方体形状に形成されている。上部本体112は、下部本体111の上面111Aの後端部に連結されており、上面111Aから上方へ延びる幅広な直方体形状に形成されている。上部本体112は、一般的な医療用流し台においてバックガードと称されている部分に相当する。
【0031】
上部本体112の正面112Aの右側に、操作表示部45が設けられている。操作表示部45は、液晶モニターを含むタッチパネル46を有する。タッチパネル46に表示されるユーザーインターフェース画面から、洗浄装置10に対する各種の入力や操作が可能となっている。また、操作表示部45は、作業者によって操作される電源スイッチ47などの操作スイッチを有する。電源スイッチ47が押し操作されることによって、洗浄装置10が起動する。
【0032】
洗浄装置10が起動すると、タッチパネル46にメイン画面50(図8(A)参照)が表示される。ここで、図8は、洗浄装置10の操作表示部45に表示される画面を示す画面図であり、図8(A)はメイン画面50を示し、図8(B)は自動洗浄設定画面60を示す。
【0033】
図8(A)に示すように、メイン画面50には、洗浄装置10の状態を示す状態表示枠51、洗浄槽12内の洗浄水の温度や設定温度などを表示する温度表示枠52、運転ボタン53、中止ボタン54、設定ボタン55、上昇ボタン56、下降ボタン57などが配置されている。
【0034】
メイン画面50の設定ボタン55がタッチ操作されると、タッチパネル46に各種の設定項目の内容を設定するための設定画面が表示される。前記設定項目としては、例えば、恒温制御中の洗浄水の設定温度、洗浄完了までの設定時間、洗浄完了通知の出力設定、給水時間の設定、排水時間の設定などのほかに、自動洗浄運転を設定するための各種設定項目がある。
【0035】
図8(B)は、自動洗浄運転の設定を行うための自動洗浄設定画面60である。自動洗浄設定画面60には、それよりも前の設定画面に画面を遷移させる戻りボタン61、次の設定画面に画面を遷移させる次ボタン62、自動昇降の設定を有効にするか無効にするかを設定するための設定枠63、洗浄中にラック13(図2参照)を上下に往復移動させるラック往復運転を有効にするか無効にするかを設定するための設定枠64などが設けられている。また、設定枠64においては、前記ラック往復運転の際のラック13の移動幅(移動量)を設定することができ、また、前記ラック往復運転の際にラック13が所定位置(洗浄位置、設定位置)で停止される待機時間を設定することができる。前記移動幅は、例えば、1~5mmの5つの段階から選択することができる。また、前記待機時間は、0~60秒の範囲内で設定することができる。
【0036】
洗浄槽12は、下部本体111に設けられている。下部本体111の上面111Aに洗浄槽12の開口12Aが形成されている。洗浄槽12は、上面111Aから下方へ所定の深さを有するステンレス製のシンクである。洗浄槽12の材質は特に限定されず、アルミやホーロー、コンクリート、合成樹脂などで形成されてもよい。
【0037】
洗浄槽12は、四方が鉛直面で囲まれた略直方体形状であり、左右方向D3に長い幅広に形成されている。また、洗浄槽12の底板12B(図2参照)は、底板12Bの前端辺及び後端辺それぞれから底板12Bにおける前後方向D2の中央へ向かって斜め下方へ緩やかに傾斜する形状に形成されている。
【0038】
底板12Bにおける前後方向D2の中央には、左右方向D3へ延びる矩形凹状の貯留部71が形成されている。貯留部71は、底板12Bから下方へ凹んだ凹陥形状に形成されている。貯留部71の底面の左側には、底板12Bを貫通する排出口72(本発明の流出口の一例)が設けられている。排出口72に所定の排水管93が連結されている。
【0039】
貯留部71の内部にヒーター39が設けられている。ヒーター39は、ハロゲンヒーターなどの電気ヒーターである。ヒーター39は、制御部100によって加熱制御される。本実施形態では、洗浄槽12内の洗浄水の温度が、予め定められた設定温度(例えば40.0℃)を維持するようにヒーター39が制御部100によって加熱制御される。
【0040】
図4に示すように、貯留部71の上部開口71Aは、二つの蓋部材74で覆われている。一方の蓋部材74は、貯留部71の上部開口71Aにおける左側の部分を覆っており、他方の蓋部材74は、貯留部71の上部開口71Aにおける右側の部分を覆っている。また、貯留部71の上部開口71Aにおける左右方向D3の中央に位置する中央開口部71Bは覆われていない。そのため、洗浄槽12に貯留された洗浄水が排出される場合、洗浄水は、洗浄槽12から中央開口部71Bを通じて貯留部71に進入し、貯留部71から排出口72を経て外部に排出される。本実施形態では、中央開口部71Bは、洗浄槽12の底板12Bにおける中央に位置している。
【0041】
図1に示すように、洗浄槽12の前壁12Cにセンサーボックス76が設けられている。センサーボックス76内に、温度センサー41と、水位センサー42とが設けられている。センサーボックス76は、矩形箱形状に形成されており、洗浄槽12内の洗浄水を引き込んで貯留可能に構成されている。前壁12Cには、連通孔が形成されており、前記連通孔を通じて洗浄槽12とセンサーボックス76とが連通している。
【0042】
温度センサー41は、センサーボックス76内の洗浄水の温度を検出する。また、水位センサー42は、センサーボックス76内に定められた所定の高さ位置に洗浄水の液面が達したことを検知する。温度センサー41及び水位センサー42は、いずれも、制御部100と電気的に接続されており、温度センサー41及び水位センサー42の検出値(検出信号)は、制御部100に伝送される。
【0043】
昇降機構30は、本発明のラック移動機構を構成するものである。昇降機構30は、下部本体111の内部に設けられている。本実施形態では、昇降機構30は、往復動可能な油圧式のロッドシリンダである。昇降機構30は、内部に作動油が充填されたシリンダ本体31と、シリンダ本体31にスライド可能に支持されたピストンロッド32とを有する。本実施形態では、装置本体11に二つの昇降機構30が設けられている。具体的には、装置本体11において、左右方向D3へ所定間隔を隔てて各昇降機構30が設けられている。なお、昇降機構30は、前記ロッドシリンダに限られない。昇降機構30は、ピストンロッド32を上下方向D1へ移動させることが可能な構成であれば、油圧式のアクチュエータ、圧縮空気圧式のアクチュエータ、電動式のアクチュエータなどであってもよい。
【0044】
下部本体111には、左右方向D3へ延びる内部フレーム121,122が固定されている。内部フレーム121,122は、上下方向D1に所定間隔を隔てて設けられている。ピストンロッド32が鉛直上方へ突出するように、昇降機構30のシリンダ本体31は、その下端部が下側の内部フレーム121に固定され、その上端部が上側の内部フレーム122に固定されている。
【0045】
油圧ポンプ33は下部本体111に設けられている。シリンダ本体31と、油圧ポンプ33とは、油送用の配管(不図示)で連結されている。油圧ポンプ33は、前記油送用の配管を介してシリンダ本体31内のピストン作動室(上昇作動室及び下降作動室)に作動油を送ったり、前記ピストン作動室から作動油を抜き出したりする。
【0046】
油圧ポンプ33は、昇降制御部110によって駆動制御される。シリンダ本体31には、ロッド上昇時に作動油が注入される上昇作動室(キャップ側のピストン作動室)と、ロッド下降時に作動油が注入される下降作動室(ロッド側のピストン作動室)とが区画されている。油圧ポンプ33が正方向に駆動されて油圧ポンプ33から前記上昇作動室に前記作動油が圧送されると、上昇作動室の油圧が大きくなり、油量も増加する。これにより、作動油がピストンロッド32のピストン(不図示)を押圧し、ピストンロッド32が上方へ移動する。このとき、前記下降作動室から作動油が抜き出される。
【0047】
また、油圧ポンプ33が逆方向に駆動されて油圧ポンプ33から前記下降作動室に前記作動油が圧送されると、前記下降作動室の油圧が大きくなり、油量も増加する。これにより、作動油がピストンロッド32のピストン(不図示)を上昇時とは逆の方向へ押圧し、ピストンロッド32が下方へ移動する。このとき、前記上昇作動室から作動油が抜き出される。
【0048】
なお、前記ピストン作動室の油圧が保持されると、ピストンロッド32がその位置で維持される。
【0049】
図1に示すように、ピストンロッド32は、シリンダ本体31から上方へ突出しており、下部本体111の上面111Aを貫通し、更に上部本体112の上端部よりも上方へ延出している。上面111Aに形成された貫通孔(不図示)には、ピストンロッド32が上下方向D1へ円滑に摺動するように、摺動性の高いポリアセタールで形成された摺動支持部77が取り付けられている。また、上部本体112の上端部にも、ピストンロッド32を上下方向D1へ摺動可能に支持する摺動支持部78が設けられている。これにより、一対のピストンロッド32が、左右方向D3へ所定間隔を隔てて配置される。
【0050】
下部本体111には、ラック13を支持するためのラック支持部80が設けられている。ラック支持部80は、本発明のラック移動機構を構成するものであり、上述した昇降機構30とともに、本発明のラック移動機構を構成する。ラック支持部80は、支持バー81と、一対の支持アーム82と、を有する。支持バー81は、左右方向D3へ延出する長尺な四角柱状部材であり、各ピストンロッド32を左右方向D3へ渡すように、その両端部それぞれが各ピストンロッド32に固定されている。一対の支持アーム82は、支持バー81から前方に突出している。支持アーム82の基端部が支持バー81に固定されている。一対の支持アーム82は、左右方向D3へ所定間隔を隔てられている。
【0051】
図5に示すように、ラック13は、ステンレスワイヤーなどによって全体が網状に形成されたものであり、前方側が開放されている。本実施形態では、ラック13は、ラック支持部80に対して取り外し可能に構成されている。ラック13は、洗浄対象であるメスや鉗子などの複数の医療器具が載置される底面部13Aと、左右両側の側面部と、後方側の背面部とにより構成されている。背面部の上端に下向きフック状の係止部131が形成されており、両側面部の上端にも同様の係止部132が形成されている。支持バー81の上端部にラック13の係止部131が引っ掛けられるようにして支持され、一対の支持アーム82にラック13の係止部132が支持される。なお、ラック13は、ラック支持部80に着脱可能なものに限られず、ラック支持部80に固定されたものであってもよい。
【0052】
ピストンロッド32が上下方向D1へ移動すると、その移動に伴って、支持アーム82が上下方向D1へ移動する。これにより、ラック支持部80に支持されたラック13も同方向へ移動する。支持アーム82の移動範囲は、予め定められたセット位置(本発明の第1位置の一例)と、予め定められた洗浄位置(本発明の第2位置の一例)のと間で移動可能な範囲である。
【0053】
前記セット位置は、図2において二点鎖線で示される位置である。詳細には、前記セット位置は、ラック13がラック支持部80に支持された状態で、洗浄槽12の開口12Aよりも上側(外側)にラック13が配置される位置である。前記セット位置は、その位置において作業者がラック13をラック支持部80に支持させることが可能な位置であればよく、ラック13の少なくとも上部が開口12Aよりも上側(外側)に露出される位置であればよい。
【0054】
前記洗浄位置は、図3において二点鎖線で示される位置である。詳細には、前記洗浄位置は、ラック13がラック支持部80に支持された状態で、洗浄槽12の内部にラック13が収容される位置である。前記洗浄位置にラック13が配置された場合、洗浄槽12に洗浄水が規定水位まで貯留された状態で、ラック13に載置された前記医療器具が洗浄水に浸漬する。
【0055】
なお、下降時に前記上昇作動室から作動油を抜き易くして、ピストンロッド32が下方へ移動し易くするために、下方への荷重を増すためのウエイトが支持バー81に取り付けられていてもよい。
【0056】
本実施形態の洗浄装置10では、作業者は手動操作によって、ラック13を上下方向D1へ移動させることができる。具体的には、作業者がメイン画面50の上昇ボタン56を押し操作すると、支持アーム82を上昇させる上昇信号(第1移動要求)が制御部100に入力される。これにより、支持アーム82にラック13が取り付けられている場合は、ラック13が前記セット位置に到達するまで上昇する。一方、作業者がメイン画面50の下降ボタン57を押し操作すると、支持アーム82を下降させる下降信号(第2移動要求)が制御部100に入力される。これにより、ラック13が前記洗浄位置に到達するまで、ラック13が下降する。なお、中止ボタン54が押し操作されると、ラック13の上昇又は下降が停止する。
【0057】
このように、メイン画面50に対する作業者の操作によって、ラック13を上下方向D1へ任意の位置に移動させることができるため、従来のように、複数の医療器具が収容された重いラック13を洗浄槽12の開口12Aまで持ち上げる必要がなく、また、ラック13を持ち上げつつ、洗浄槽12の内部にラック13を収容する必要がなくなる。これにより、医療器具が収容されたラック13を洗浄槽12にセットする場合の作業負担を軽減することができる。
【0058】
昇降機構30に変位センサー43が設けられている。変位センサー43は、ピストンロッド32の移動量を検出する。変位センサー43は、制御部100と電気的に接続されており、変位センサー43の検出値(検出信号)は、制御部100に伝送される。
【0059】
図6に示すように、制御部100は、CPU101、ROM102、RAM103、EEPROM104等を有する演算処理部であり、洗浄装置10を統括的に制御する。ROM102に制御プログラムが記憶されており、CPU101が前記制御プログラムを読み出して実行することによって、後述の洗浄処理(図12図14参照)が実行される。なお、前記洗浄処理及び洗浄装置10の動作については後述する。
【0060】
制御部100に、昇降制御部110、給水電磁弁34、第1電動三方弁35、第2電動三方弁36、排水電磁弁37、ヒーター39、循環ポンプ40、操作表示部45、温度センサー41、水位センサー42、変位センサー43などの制御機器が接続されている。制御部100は、上述した各制御機器との間で、信号やデータの通信が可能に構成されている。
【0061】
また、昇降制御部110は、油圧ポンプ33に接続されている。昇降制御部110は、制御部100から制御信号を受けると、当該制御信号に基づいて油圧ポンプ33を駆動させ、昇降機構30を動作させる。
【0062】
温度センサー41は、検出対象である洗浄槽12内の洗浄水の温度を検出するものであり、例えば、測温抵抗体、熱電対、或いはサーミスタなどで構成されている。温度センサー41は、洗浄水の温度に応じた電気信号(温度情報)を制御部100に送る。つまり、温度センサー41は、洗浄槽12内の洗浄水の温度を検出し、その検出値を電気信号(温度情報)に変換して、制御部100に送る。
【0063】
制御部100は、温度センサー41から送られてきた前記電気信号が示す温度情報をメイン画面50の温度表示枠52に表示する。また、制御部100は、洗浄水の温度を示す前記電気信号に基づいてヒーター39を制御して、洗浄水の温度を調節する。本実施形態では、制御部100は、洗浄槽12内の洗浄水の温度が、予め定められた設定温度(例えば40.0℃)を維持するようにヒーター39を加熱制御する。なお、前記設定温度は、EEPROM104に記憶されている。
【0064】
水位センサー42は、洗浄槽12に貯留される洗浄水の水位を判定するためのものである。水位センサー42は、例えばフロートスイッチである。本実施形態では、水位センサー42は、センサーボックス76内に定められた所定の設定高さ位置に洗浄水の液面が達したことを検知する。水位センサー42は、前記設定高さ位置に応じた電気信号(位置情報)を制御部100に送る。つまり、水位センサー42は、洗浄槽12内の洗浄水の水位が前記設定高さ位置に達したことを検出し、その検出値を電気信号(位置情報)に変換して、制御部100に送る。
【0065】
制御部100は、洗浄槽12への給水が開始された後に、水位センサー42から送られてきた前記電気信号を受け取ると、前記電気信号の受信後から予め定められた設定時間が経過したか否かを判定し、前記設定時間が経過した場合に、給水電磁弁34を閉じて、給水を停止する。前記設定時間は、洗浄水が洗浄装置10における洗浄処理に必要な貯留量となるまでに要する時間である。なお、前記設定時間は、EEPROM104に記憶されている。
【0066】
なお、本実施形態では、センサーボックス76内に水位センサー42を設ける例について説明するが、例えば、水位センサー42は、洗浄槽12内に設置されていてもよい。この場合、水位センサー42は、洗浄槽12内に貯留される洗浄水の貯留量を検出可能なセンサーであり、例えば、電波式水位計、超音波水位計、フロート式水位計、ガイドパルス式水位計、静電容量式水位計などを適用することができる。この場合、制御部100は、水位センサー42から送られてきた前記電気信号に基づいて洗浄水の貯留量を把握し、その貯留量が予め定められた設定貯留量に達したかどうかを判定する。なお、前記設定貯留量は、EEPROM104に記憶されている。
【0067】
変位センサー43は、ピストンロッド32の移動位置を検出するものであり、例えば、ピストンロッド32に設けられたターゲット(不図示)と、シリンダ本体31に設けられたパルスセンサー(不図示)とからなる測距センサーである。前記パルスセンサーから発せられて前記ターゲットで反射して戻ってきたパルス波をパルスセンサーが受信することにより、ピストンロッド32の移動位置を検出することができる。変位センサー43は、ピストンロッド32の移動位置に応じた電気信号(移動位置情報)を制御部100に送る。つまり、変位センサー43は、ピストンロッド32の移動位置を検出し、その検出値を電気信号(移動位置情報)に変換して、制御部100に送る。
【0068】
制御部100は、変位センサー43から送られてきた前記電気信号が示す移動位置に基づいてピストンロッド32の上下方向D1の動作を制御する。具体的には、制御部100は、ピストンロッド32を上昇させるための上昇信号や、ピストンロッド32を停止させてその位置を保持させるための停止信号、ピストンロッド32を下降させるための下降信号などの制御信号を昇降制御部110に送る。
【0069】
昇降制御部110は、制御部100から送られたきた各種信号に基づいて、油圧ポンプ33を駆動又は停止させて、ピストンロッド32の上下方向D1の動作を制御する。
【0070】
本実施形態では、昇降制御部110は、前記上昇信号を受信すると、前記セット位置に対応する第1設定位置にピストンロッド32が到達するまで油圧ポンプ33を正方向に駆動してシリンダ本体31の前記上昇作動室(ピストン作動室)に作動油を送り込み、前記下降作動室(ピストン作動室)から作動油を抜き出す。そして、ピストンロッド32が前記第1設定位置に到達した場合に制御部100から前記停止信号が発せられると、昇降制御部110は、油圧ポンプ33を停止して、シリンダ本体31の前記ピストン作動室内の油圧を維持する。なお、前記第1設定位置は、EEPROM104に記憶されている。
【0071】
また、昇降制御部110は、前記下降信号を受信すると、前記洗浄位置に対応する第2設定位置にピストンロッド32が到達するまで油圧ポンプ33を逆方向に駆動して前記ピストン作動室(前記下降作動室)に作動油を送り込み、前記上昇作動室(ピストン作動室)から作動油を抜き出す。そして、ピストンロッド32が前記第2設定位置に到達した場合に制御部100から前記停止信号が発せられると、昇降制御部110は、油圧ポンプ33を停止して、シリンダ本体31の前記ピストン作動室内の油圧を維持する。なお、前記第2設定位置は、EEPROM104に記憶されている。
【0072】
図4に示すように、洗浄槽12には、四つの流入口85(851~854)が設けられている。各流入口85は、洗浄槽12の内壁の下部に設けられている。四つの流入口85は、その用途に分けて、流入口851及び流入口852、並びに、流入口853及び流入口854に区別できる。なお、流入口851及び流入口852は、本発明の第1流入口の一例であり、流入口853及び流入口854は、本発明の第2流入口の一例である。
【0073】
流入口851は、洗浄槽12の長手方向(左右方向D3)の一方側(右側)の側壁12Dに設けられている。より詳細には、流入口851は、側壁12Dにおいて前側の端部近傍に設けられている。流入口854は、側壁12Dに設けられている。より詳細には、流入口854は、側壁12Dにおいて後側(流入口851の位置とは反対側)の端部近傍に設けられている。この場合、流入口851が本発明の第1流入口に相当し、流入口854が本発明の第2流入口に相当する。
【0074】
また、流入口853は、洗浄槽12の長手方向(左右方向D3)の他方側(左側)の側壁12Eに設けられている。側壁12Eは、側壁12Dに対向している。より詳細には、流入口853は、側壁12Eにおいて前側の端部近傍に設けられている。この場合、流入口851が本発明の第1流入口に相当し、流入口853が本発明の第2流入口に相当する。
【0075】
また、流入口852は、側壁12Eに設けられている。より詳細には、流入口852は、側壁12Eにおいて後側の端部近傍に設けられている。この場合、流入口852が本発明の第1流入口に相当し、流入口853及び流入口854が本発明の第2流入口に相当する。
【0076】
本実施形態では、流入口851,852から洗浄水が給水されている場合、他の流入口853,854からの給水が停止される。また、流入口853,854から洗浄水が給水されている場合、他の流入口851,852からの給水が停止される。
【0077】
図7に示すように、四つの流入口85それぞれに配管90が連結されている。流入口851に連結された配管90A、及び流入口852に連結された配管90Bは、それぞれ、三方継手87の各ポートに連結されている。三方継手87の他方のポートは、第1電動三方弁35のノーマルオープンポート(NOポート)に連結されており、第1電動三方弁35の共通ポート(COMポート)は循環ポンプ40の吐出口に連結されている。
【0078】
第1電動三方弁35は、非通電時に循環ポンプ40の吐出口から三方継手87に至る流路(第1流路FL1)を通水可能なように開放し、循環ポンプ40の吐出口から三方継手89に至る流路(第2流路FL2)を遮断する。そして、制御部100によって第1電動三方弁35が通電されると、第1電動三方弁35は、前記第1流路FL1を遮断し、前記第2流路FL2を通水可能に開放する。
【0079】
循環ポンプ40は、吸入口から液体を吸い込んで吐出口から送出する液体用のポンプである。給水口又は給湯口から供給される水は、温度調節弁86を通って、給水管91に供給され、第2電動三方弁36、及び配管92を経て、循環ポンプ40の吸入口に入る。なお、給水管91の二次側の管端部は、第2電動三方弁36のノーマルオープンポート(NOポート)に連結されている。また、配管92は、第2電動三方弁36の共通ポート(COMポート)と循環ポンプ40の吸入口とを連結している。
【0080】
第2電動三方弁36は、非通電時に給水管91から配管92に至る給水流路を通水可能に開放し、配管94と配管92との間を遮断する。そして、制御部100によって第2電動三方弁36が通電されると、第2電動三方弁36は、前記給水流路を遮断し、配管94から配管92に至る循環流路を通水可能に開放する。
【0081】
給水管91には、給水電磁弁34が設けられている。給水電磁弁34は、非通電時に給水管91を閉塞するノーマルクローズタイプの電磁弁であり、通電されることにより給水管91を通水可能なように開放する。
【0082】
また、排出口72に排水管93が連結されている。排水管93の他方の管端部は、三方継手88を介して、排水口に至っている。排水管93において、三方継手88と排水口との間に、排水電磁弁37が設けられている。排水電磁弁37は、非通電時に排水管93を通水可能なように開放するノーマルオープンタイプの電磁弁であり、通電されることにより、排水管93を閉塞する。
【0083】
三方継手88の残りのポートに配管94が連結されている。配管94の他方側の管端部は、第2電動三方弁36のノーマルクローズポート(NCポート)に連結されている。
【0084】
洗浄槽12への給水動作時において、給水電磁弁34によって給水管91が開放された状態で、循環ポンプ40が駆動すると、給水管91及び配管92を通って供給される水は、第1電動三方弁35、三方継手87、配管90A,90Bを通って流入口851,852に至る第1流路FL1(図7の破線矢印で示す流路)を通って、流入口851,852それぞれから洗浄槽12に入る。
【0085】
流入口853に連結された配管90C、及び流入口854に連結された配管90Dは、それぞれ、三方継手89の各ポートに連結されている。三方継手89の他方のポートは、第1電動三方弁35のノーマルクローズポート(NCポート)に連結されている。
【0086】
したがって、洗浄槽12への給水動作時において、循環ポンプ40が駆動しても、第1電動三方弁35によって流路が遮断されるので、第1電動三方弁35、三方継手89、配管90C,90Dを通って流入口853,854に至る第2流路FL2(図7の一点鎖線矢印で示す流路)を通って、流入口853,854それぞれから洗浄槽12に水が供給されることはない。
【0087】
一方、洗浄槽12に貯留された洗浄水を循環させる循環動作時は、給水電磁弁34が閉塞し、第2電動三方弁36が通電される。このとき、排出口72、三方継手88、第2電動三方弁36、配管92に至る循環流路が通水可能なように開放される。この状態で、循環ポンプ40が駆動すると、洗浄槽12、排出口72、排水管93、配管94、第2電動三方弁36、配管92を通って洗浄槽12内の洗浄水が循環ポンプ40に送水され、更に、第1流路FL1、又は第2流路FL2のいずれかの流路を通って洗浄槽12に戻される。
【0088】
次に、図12乃至図14のフローチャートを参照して、制御部100によって実行される洗浄処理の手順の一例について説明するとともに、本発明の洗浄方法について説明する。ここで、図12及び図13は、前記洗浄処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図14は、自動洗浄処理の手順の一例を示すフローチャートである。図中のS11、S12、・・・は処理手順(ステップ)の番号である。各ステップにおける処理は、制御部100によって、より詳細にはCPU101がROM102内の制御プログラムを実行することによって行われる。
【0089】
洗浄装置10は、前記医療器具が載置されたラック13を洗浄槽12に貯留された洗浄水に浸漬させ、その状態で洗浄水に水流を生じさせることにより、前記医療器具から付着物を除去する洗浄動作を行う。前記洗浄処理は、前記洗浄動作を実施するために制御部100によって実行される処理である。
【0090】
なお、以下の説明では、ラック13がラック支持部80に取り付けられた状態、ラック13が前記洗浄位置に配置された状態、及び洗浄槽12が空の状態で行われる洗浄処理を例示して説明する。また、洗浄装置10が起動していない状態では、給水電磁弁34、第1電動三方弁35、第2電動三方弁36、排水電磁弁は、非通電状態であるものとする。
【0091】
図12に示すように、電源スイッチ47(図1参照)が押し操作されて、洗浄装置10に対して起動指示が入力されると(S11のYES側)、制御部100は、電源を投入し、洗浄装置10を起動する。この状態で、給水電磁弁34、及び排水電磁弁は閉塞している。
【0092】
ステップS12において、制御部100は、排水電磁弁37を制御して、排水電磁弁37を閉状態にする(図9参照)。これにより、洗浄槽12に洗浄水を貯留することが可能となる。
【0093】
その後、制御部100は、操作表示部45のタッチパネル46にメイン画面50(図8(A)参照)を表示させる(S13)。メイン画面50が表示されることにより、作業者は、タッチパネル46を通じて洗浄装置10に対して操作支持を与えることができる。
【0094】
ステップS14では、制御部100は、運転開始指示が入力されたかどうかを判定する。メイン画面50の運転ボタン53がタッチ操作された場合に、制御部100は、前記運転開始指示が入力されたと判定する。前記運転開始指示が入力されると、制御部100は、給水電磁弁34を制御して、給水電磁弁34を開状態にする(S15)。
【0095】
これにより、洗浄装置10において給水動作が行われる。つまり、図9に示すように、給水口及び給湯口から供給される洗浄水が、給水管91、第2電動三方弁36、配管92を通って循環ポンプ40の吸い込み口に到達し、更に循環ポンプ40によって、第1電動三方弁35、三方継手87、配管90A,90Bを経て流入口851,852に至る前記第1流路FL1(図7の破線矢印で示す流路)を通って洗浄槽12に給水される。このとき、第2電動三方弁36は、前記給水流路を開放しており、前記循環流路は閉塞しているため、洗浄槽12に洗浄水が貯留される。
【0096】
次のステップS16では、制御部100は、水位センサー42の検出信号に基づいて、洗浄槽12に規定水位の洗浄水が貯留されたかどうかを判定する。例えば、制御部100は、水位センサー42からの検出信号を受信した後に、所定の設定時間が経過した時点で、洗浄槽12に前記規定水位の洗浄水が貯留されたと判定する。前記規定数位が洗浄槽12に貯留されると、制御部100は、給水電磁弁34を制御して、給水電磁弁34を閉状態にする(S17)。
【0097】
その後、制御部100は、洗浄水の循環動作を行うために、第2電動三方弁36を制御して、第2電動三方弁36を、前記給水流路側から前記循環流路側に切り替えて(S18)、更に、循環ポンプ40を駆動する(S19)。また、制御部100は、ヒーター39を制御して、洗浄水を所定の設定温度に維持するよう定温度制御を行う(S20)。
【0098】
これにより、図10に示すように、循環ポンプ40によって、前記設定温度に維持された洗浄水が、前記第1流路FL1を通って洗浄槽12に供給され、洗浄槽12から排出口72、配管94、第2電動三方弁36、配管92を経て循環ポンプ40に至る循環流路を通って洗浄水が循環する。この場合、流入口851,852から洗浄水が流入するため、洗浄槽12において、時計回転方向の洗浄水の渦流が生じる。この渦流によって、ラック13内の医療器具の付着物が良好に除去される。
【0099】
その後、制御部100は、第1電動三方弁35を定期的に切り替える切替制御を行う(S21)。具体的には、制御部100は、第1電動三方弁35を設定時間ごとに切り替えて、洗浄水の循環経路を、第1流路FL1を通る流路と、第2流路FL2を通る流路とに切り替える。
【0100】
図11は、第1電動三方弁35が第1流路FL1側から第2流路FL2側に切り替えられた状態を示す。この状態では、循環ポンプ40によって、前記設定温度に維持された洗浄水が、前記第2流路FL2を通って洗浄槽12に供給される。この場合、洗浄水が、前記第2流路FL2を通って洗浄槽12に供給され、洗浄槽12から排出口72、配管94、第2電動三方弁36、配管92を経て循環ポンプ40に至る循環流路を通って洗浄水が循環する。この場合、流入口853,854から洗浄水が流入するため、洗浄槽12において、反時計回転方向の洗浄水の渦流が生じる。つまり、本実施形態では、第1電動三方弁35が定期的に切り替えられることにより洗浄槽12内に渦流が発生し、第1電動三方弁35が定期的に切り替えられる度に、前記渦流の回転方向が逆方向に変更される。このように、回転方向の異なる渦流が定期的に洗浄槽12に生じることにより、ラック13内の医療器具の付着物がより一層良好に除去される。
【0101】
図13に示すように、ステップS22では、制御部100は、自動洗浄運転が有効になっているかどうかを判定する。前記自動洗浄運転が有効になっている場合は、次のステップS23において、制御部100は、自動洗浄モードにしたがった自動洗浄処理を行う。一方、自動洗浄運転が無効になっている場合は、操作表示部45のタッチパネル46に自動洗浄設定画面60(図8(B))を表示させる(S24)。
【0102】
自動洗浄設定画面60が表示されることにより、作業者は、タッチパネル46を通じて洗浄装置10に対して自動洗浄運転の設定を入力することができる。例えば、自動洗浄設定画面60の自動昇降の設定枠63において、自動昇降の設定が「有り」に変更され、また、前記ラック往復運転の設定枠64において、前記ラック往復運転の設定が「有り」に変更されて、更に移動幅及び待機時間が入力されると、制御部100は、自動洗浄指示が入力されたと判定する(S25)。この場合、次のステップS23において、制御部100は、自動洗浄モードにしたがった自動洗浄処理を行う。
【0103】
なお、ステップS25において自動洗浄指示が入力されずにタイムアウトした場合は、制御部100は、自動洗浄運転を行わずに、マニュアル洗浄モードで洗浄動作を継続する。つまり、制御部100は、操作表示部45に入力された操作にしたがって、洗浄動作を行う。
【0104】
ステップS27において、洗浄終了指示が入力されると、制御部100は、循環ポンプ40及びヒーター39を停止する。その後、洗浄槽12の洗浄水を排出するために、排水電磁弁37を制御して、排水流路を開放する。これにより、洗浄水が排出される。
【0105】
以下、図14を参照して、自動洗浄処理について説明する。
【0106】
図14に示すように、ステップS41において、制御部100は、昇降制御部110に前記上昇信号を出力して、支持アーム82を上昇させる。その後、制御部100は、支持アーム82がラック13をセット可能な前記セット位置に到達したかどうかを判定し(S42)、前記セット位置に到達した場合に、支持アーム82の上昇を停止し、支持アーム82を前記セット位置に保持させる。その後、制御部100は、ラック13を支持アーム82に取り付け準備が完了したことを示す準備完了通知を出力する(S43)。前記準備完了通知は、操作表示部45に表示される表示灯や、スピーカーなどから出力される通知音などが考えられる。
【0107】
この状態で、作業者は、医療器具が収容されたラック13を支持アーム82に取り付けることができる。
【0108】
ラック13の取付が完了すると、作業者は、メイン画面50の運転ボタン53をタッチ操作する。制御部100は、運転ボタン53がタッチ操作された場合に、洗浄開始指示が入力されたと判定する(S44)。その後、制御部100は、昇降制御部110に前記下降信号を出力して、支持アーム82を下降させる(S45)。
【0109】
その後、制御部100は、ラック13が前記洗浄位置に到達したかどうかを判定し(S46)、前記洗浄位置に到達した場合に、支持アーム82の下降を停止し、支持アーム82を前記洗浄位置に保持させる。そして、予め定められた洗浄時間のカウントを開始する(S47)。
【0110】
次のステップS48では、制御部100は、ラック13を一定時間ごとに上下に移動させる処理を行う。具体的には、制御部100は、医療器具の洗浄中に、前記ラック13を、前記洗浄位置と、前記洗浄位置から開口12Aまでの間に定められた設定位置(本発明の第3位置の一例)との間で、往復移動させる。例えば、図8(B)に示すように、上下方向D1の移動幅が30mmに設定されている場合は、前記設定位置は、前記洗浄位置から上方へ30mm隔てた位置である。
【0111】
洗浄水が循環供給されている間に、ラック13が上下方向D1へ往復移動することにより、洗浄槽12内には、方向の異なる渦流のほかに、ラック13の往復方向に応じた水流も生じることになる。つまり、ラック13が前記設定位置へ向けて上昇している場合は、ラック13の底面部13Aの上側及び下側には、上方へ向かう上昇流が生じ、ラック13の側方側には、下方へ向かう水流が生じる。また、ラック13が前記洗浄位置へ向けて下降している場合は、ラック13の底面部13Aの上側及び下側には、下方へ向かう下降流が生じ、ラック13の側方側には、上方へ向かう水流が生じる。
【0112】
このように、回転方向の異なる渦流のみならず、ラック13の往復方向に応じた水流も生じるので、ラック13内の医療器具の付着物にあらゆる方向から水流がぶつかることになり、その結果、前記付着物がより効果的に除去される。すなわち、従来の洗浄装置であれば、ラック13において複数の医療器具が重ね合わされた状態である場合、一方向の水流だけでは、他の医療器具の陰になっている医療器具の付着物が十分に除去されないおそれがあった。しかし、本実施形態の洗浄装置10であれば、複数の水流が交互に生じるため、前記付着物を複数の医療器具から効率よく剥がし落とすことができる。
【0113】
なお、図8(B)に示すように、移動後の待機時間が10秒に設定されている場合は、制御部100は、前記設定位置に到達した後に、10秒間その位置にラック13を保持し、その後、ラック13を下降させる。また、制御部100は、前記設定位置から前記洗浄位置にラック13が到達した後に、10秒間その位置にラック13を保持し、その後、ラック13を前記設定位置へ向けて上昇させる。
【0114】
次のステップS49では、制御部100は、設定された前記洗浄時間が経過したかどうかを判定する。前記洗浄時間が経過したと判定されると、制御部100は、昇降制御部110に前記上昇信号を出力して、支持アーム82を前記セット位置まで上昇させる(S50、S51)。その後、制御部100は、洗浄が完了したことを示す洗浄完了通知を出力する(S53)。
【0115】
なお、ラック13が取り外されて、再びラック13が支持アーム82に取り付けられて、運転開始指示が入力されると、ステップS45以降の処理が繰り返される。
【0116】
以上説明したように、本実施形態では、洗浄装置10において、前記セット位置と前記洗浄位置との間でラック13を移動可能に支持する昇降機構30及びラック支持部80が設けられている。また、制御部100及び昇降制御部110は、上昇ボタン56及び下降ボタン57が操作されると、前記セット位置と前記洗浄位置との間でラック13を移動させるよう昇降機構30を制御する。このため、洗浄対象である医療器具を洗浄槽12にラック13ごとセットする場合の作業負担を軽減することが可能である。
【0117】
また、洗浄装置10において、前記第1流路FL1を通って洗浄槽12に洗浄水が供給される流路と、前記第2流路FL2を通って洗浄槽12に洗浄水が供給される流路とが交互に切り替えられて洗浄水が供給されるので、洗浄槽12において、回転方向の異なる渦流が交互に生じる。これにより、ラック13内の医療器具の付着物がより一層良好に除去される。
【0118】
また、洗浄中にラック13が前記洗浄位置と前記設定位置との間で往復移動されるので、上下方向D1への往復移動に応じた洗浄水の水流が洗浄槽12に生じる。これにより、複数方向の水流がラック13内の医療器具にぶつかるため、より効果的に医療器具の付着物を除去することができる。
【0119】
なお、上述の実施形態では、洗浄槽12に4つの流入口85(851~854)が形成された構成について説明したが、本発明はこの構成に限られない。例えば、側壁12Dだけに流入口851と流入口854が形成された構成であってもよい。或いは、側壁12Eだけに流入口852と流入口853が形成された構成であってもよい。或いは、側壁12Dに1つの流入口851が形成されており、側壁12Eに一つの流入口853が形成された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0120】
10 :洗浄装置
11 :装置本体
111 :下部本体
112 :上部本体
12 :洗浄槽
12A :開口
13 :ラック
30 :昇降機構
31 :シリンダ本体
32 :ピストンロッド
33 :油圧ポンプ
34 :給水電磁弁
35 :第1電動三方弁
36 :第2電動三方弁
37 :排水電磁弁
39 :ヒーター
40 :循環ポンプ
41 :温度センサー
42 :水位センサー
43 :変位センサー
45 :操作表示部
46 :タッチパネル
50 :メイン画面
60 :自動洗浄設定画面
71 :貯留部
72 :排出口
76 :センサーボックス
80 :ラック支持部
85 :流入口
851 :流入口
852 :流入口
853 :流入口
854 :流入口
86 :温度調節弁
100 :制御部
110 :昇降制御部
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