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特開2023-76817直流リンクコンデンサ、電力コンバータ、及び電気自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076817
(43)【公開日】2023-06-02
(54)【発明の名称】直流リンクコンデンサ、電力コンバータ、及び電気自動車
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/32 20060101AFI20230526BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20230526BHJP
   H01G 2/10 20060101ALI20230526BHJP
   H01G 4/38 20060101ALI20230526BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20230526BHJP
【FI】
H01G4/32 540
H02M7/48 Z
H01G4/32 531
H01G2/10 600
H01G4/38 A
H01G2/02 101D
H01G2/02 101E
H01G4/32 305A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022186858
(22)【出願日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】21209949.3
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】522457531
【氏名又は名称】ヴァレオ、イーオートモーティブ、フランス、エスアーエス
【氏名又は名称原語表記】Valeo eAutomotive France SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ローター、セイフ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ、ロペス
(72)【発明者】
【氏名】オーレリアン、プイイ
【テーマコード(参考)】
5E082
5H770
【Fターム(参考)】
5E082CC06
5E082CC13
5E082EE07
5E082FF05
5E082FG06
5E082GG08
5E082HH03
5E082HH28
5H770AA24
5H770BA02
5H770CA06
5H770JA11W
5H770QA11
5H770QA22
5H770QA27
5H770QA33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より適応性のある直流リンクコンデンサ、電力コンバータ、インバータ電力変換器及び電気自動車を提供する。
【解決手段】直流リンクコンデンサにおいて、複数のコンデンサセル1は、区画Aを備えるコンデンサハウジング4と、それぞれが、巻回された金属化フィルムと、巻回された金属化プラスチックフィルムに接続された2つの接触端子3a、3bと、を有するフィルムコンデンサ素子2を備え、コンデンサハウジング4の中に配置され、封止材7によって封止される。接触端子3a、3bは、互いに電気的に絶縁され、封止材7の外に別々に突出し、バスバーにより接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサハウジング(4)と、
複数のコンデンサセル(1)であって、それぞれが、巻回された金属化フィルムと、前記巻回された金属化フィルムに接続された2つの接触端子(3a、3b)と、を有するフィルムコンデンサ素子(2)を備える、複数のコンデンサセル(1)と、
を備え、
前記複数のコンデンサセル(1)は、前記コンデンサハウジング(4)の中に配置され、その中に封止材(7)によって封止され、
前記接触端子(3a、3b)は、互いに電気的に絶縁され、バスバーにより接続されるために、前記封止材(7)の外に別々に突出している、
直流リンクコンデンサ(8)。
【請求項2】
前記接続端子(3a、3b)は、平坦かつ剛性である、及び/又は、前記巻回された金属化フィルムは、巻回された金属化プラスチックフィルムである、若しくは絶縁フィルムにより分離された金属箔を備える、請求項1に記載の直流リンクコンデンサ(8)。
【請求項3】
前記コンデンサハウジング(4)が区画(A)を備え、それぞれのコンデンサセル(1)が前記区画(A)のうちの1つに配置される、請求項1又は2に記載の直流リンクコンデンサ(8)。
【請求項4】
前記区画(A)が相互接続され、前記封止材(7)が前記区画(A)を接続するブリッジを形成する、請求項3に記載の直流リンクコンデンサ(8)。
【請求項5】
前記コンデンサハウジング(4)は、前記コンデンサハウジング(4)に対して前記コンデンサセル(1)を所定の位置に整列させる、特に前記コンデンサハウジング(4)に対して前記コンデンサセル(1)を所定の位置に固定する、ガイド(6)を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の直流リンクコンデンサ(8)。
【請求項6】
前記封止材(7)は、防湿性である、請求項1から5のいずれか一項に記載の直流リンクコンデンサ(8)。
【請求項7】
前記接続端子(3a、3b)はそれぞれ、前記封止材(7)から突出している領域の中にリセスを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の直流リンクコンデンサ(8)。
【請求項8】
前記コンデンサ容器(4)が、少なくとも1つの取付フランジ又は取付クリップを備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の直流リンクコンデンサ(8)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の直流リンクコンデンサ(8)及び前記直流リンクコンデンサ(8)に接続された複数の制御可能なスイッチからなる電力部(10)を備える電力コンバータ、特にインバータ。
【請求項10】
前記コンデンサハウジング(4)を形成するリセスを含む、金属製のコンバータハウジングを備える、請求項9に記載の電力変換器。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のインバータ(9)、前記直流リンクコンデンサ(8)に接続された直流電圧源(12)、及び前記電力部(10)を備える電気自動車(11)であって、
前記直流リンクコンデンサ(8)は、前記直流電圧源(12)から取得された直流電圧を平滑化するように構成され、
前記電力部(10)は、電気モータ(13)を駆動するため、直流リンクコンデンサ(8)によって平滑化された前記直流電圧から交流電圧を発生させるように構成され、
前記電気モータ(13)は、前記電気自動車(11)の車輪(14)と機械的に結合されている、
電気自動車(11)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流リンクコンデンサ、電力コンバータ、及び電気自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
電力コンバータ、特にインバータは、例えば、バッテリなどの直流電圧源により提供された直流電圧を平滑化するように意図される直流リンクコンデンサを備える。例えば、米国特許出願公開第2011/0110978号明細書に記載されているように、従来の直流リンクコンデンサは、複数のコンデンサセル、コンデンサセルを受容するコンデンサハウジング、及び、コンデンサセルを並列に接続するために、コンデンサセルの巻回された金属化プラスチックフィルムに直接接続されたバスバーを備える。
【0003】
米国特許出願公開第2015/334875号明細書は、車両のためのインバータを開示する。インバータは、第1コールドプレート部材及び第2コールドプレート部材を有するコールドプレートを備える。第1コールドプレート部は、直流リンクコンデンサをその中に受容するように構成されたポケットを備える。ポケットは、直流リンクコンデンサをコールドプレート部材に物理的に統合するように、直流リンクコンデンサがポケット内に受容されたとき、直流リンクコンデンサを取り囲むサイズとなっている。コールドプレートは金属から作られており、直流リンクコンデンサは複数のフィルムコンデンサを備える。直流リンクコンデンサは「むきだし」、すなわち封入されておらず、例えば、そのケーシング内にポッティングされ、第1コールドプレート部材のポケットは、フィルムコンデンサを実質的に取り囲むポッティング材で埋まっている。
【発明の開示】
【0004】
本発明の1つの目的は、より適応性のある直流リンクコンデンサを提供することである。特に、直流リンクコンデンサは比較的容易に製造され、及び/又は、直流リンクコンデンサのコンデンサセルの電気的接続の構成において適応性があり得る。
【0005】
本発明の目的は、コンデンサハウジングと、複数のコンデンサセルであって、それぞれが、巻回された金属化プラスチックフィルムと、巻回された金属化フィルムに接続された2つの接触端子と、を有するフィルムコンデンサ素子を有する、複数のコンデンサセルとを備え、複数のコンデンサセルは、コンデンサハウジングの中に配置され、その中に封止材によって封止され、接触端子は、互いに電気的に絶縁され、バスバーにより接続されるために、封止材の外に別々に突出している、直流リンクコンデンサにより解決される。特に、巻回された金属化フィルムは、巻回された金属化プラスチックフィルムであるか、若しくは絶縁フィルムにより分離された金属箔を備える。
【0006】
本発明の他の態様は、本発明の直流リンクコンデンサ、及び、直流リンクコンデンサに接続された複数の制御可能なスイッチからなる電力部を備える電力コンバータに関する。電力部は、好ましくはバスバーにより直流リンクコンデンサに接続される。
【0007】
電力コンバータは、インバータであってもよく、その電力部は、直流リンクコンデンサに存在する直流電圧を交流電圧に変換するように構成されている。交流電圧は、例えば三相電圧等の多相電圧であってよく、特に電気モータに電力を供給することを意図される。
【0008】
本発明の他の態様は、インバータと、例えばバッテリなどの、直流リンクコンデンサに接続された直流電圧源と、電力部に接続された電力モータと、を備える電気自動車であって、直流リンクコンデンサは、直流電圧源から取得された直流電圧を平滑化するように構成され、電力部は、電気モータを駆動するため、直流リンクコンデンサによって平滑化された直流電圧から交流電圧を発生させるように構成され、電気モータは、電気自動車の車輪と機械的に結合されている、電気自動車に関する。
【0009】
したがって、本発明の直流リンクコンデンサは、個別のコンデンサセルを全て受容するコンデンサハウジングを備える。コンデンサハウジングは、コンデンサハウジングにコンデンサセル固定させる、例えばポッティングやレジンなどの封止材で充填されている。
【0010】
それぞれのコンデンサセルは接触端子を備え、接触端子は、封止材の外に別々に突出していて、互いに電気的に絶縁されている、つまり、電気的に直接接続されていない。特に、巻回された金属化フィルムは封止材により完全に覆われている。
【0011】
コンデンサセルの接触端子は、それぞれのコンデンサセルを並列に接続するために、バスバーにより接続されることを意図されている。
【0012】
したがって、本発明の1つの態様は、それぞれのコンデンサセルを並列に接続するために、直流リンクコンデンサ及び個別のコンデンサセルに接続されたバスバーを備える、直流リンクコンデンサ構成に関する。
【0013】
特に、個別のコンデンサセルは本質的に同一なため、直流リンクコンデンサのコストを減らすことができる可能性がある。
【0014】
有利には、フィルムコンデンサ素子は一般的な円筒の形を有してよい。特に、コンデンサ素子は、表面が楕円形である底部基部及び上部基部、並びに円筒型表面を有し得る。この形は、比較的高い密度係数の直流リンクコンデンサを可能とするため、つまり、直流リンクコンデンサの全体積に対するコンデンサセルの体積の割合が比較的高いため、好ましい。また他の形も考慮され得る。
【0015】
有利には、コンデンサセルの2つの接触端子は平坦かつ剛性であってよい。このようにすると、コンデンサセルはバスバーに比較的容易く接続されることができ、さらに、コンデンサセルからの放熱が補助され得る。
【0016】
コンデンサハウジングは、区画を備えていてもよく、それぞれのコンデンサセルが区画のうちの1つに配置されている。それぞれのコンデンサセルがコンデンサハウジングの区画に配置されるため、個別のコンデンサセルは、接触端子が所定の方式で位置付けられ、方向付けられるように、コンデンサハウジングに対して整列され得る。これは、バスバーと接触端子との向上された接続をもたらすことができる。
【0017】
区画は、封止材が区画を連結するブリッジを形成するように相互接続されてもよく、これは封止材により個別のコンデンサセルの向上された封止をもたらすことができる可能性がある。区画は、コンデンサハウジングの外壁より低くてもよい分離壁を、コンデンサハウジング内に備えてよい。
【0018】
コンデンサハウジングは、コンデンサハウジングに対してコンデンサセルを所定の位置に整列させる、特にコンデンサハウジングに対してコンデンサセルを所定の位置、特に方向で固定するガイドを備えてよい。これは、バスバーと接触端子との向上された接続をもたらすことができる。
【0019】
少なくとも1つのガイドは、コンデンサセルの接触端子と相互作用することができる。
【0020】
封止材は、防湿性であってよい。このようにすると、コンデンサセルは好ましくない環境条件に対して保護され得る。
【0021】
封止材は、弾性であってよい。このようにすると、コンデンサセルは、用いられる部品の異なる膨張係数によるひび割れと剥離に対して保護され得る。
【0022】
接続端子はそれぞれ、封止材から突出している領域にリセス、例えば円形の孔を備えてもよい。このようにすると、コンデンサセルは、封止される際に、共通のハウジング内で整列され得る。封止材を塗る際に、リセスを通じて適切なツールを挿入してよく、そのツールは封止材が固まった後に外される。そして、コンデンサセルは、このような手段により、共通のハウジング内に区画及び/又はガイドを必要とせず、コンデンサハウジングに対して整列され得る。
【0023】
コンデンサハウジングは、少なくとも1つの取付フランジ又は取付クリップを備えてよい。このようにすると、直流リンクコンデンサが電力コンバータに取り付けられ得る。取付フランジは、直流リンクコンデンサを電力コンバータにねじ止めするための孔を有してよい。
【0024】
特に、電力コンバータは、コンバータハウジングを備えていてもよく、直流リンクコンデンサは、コンバータハウジングに直接付けられ、直流リンクコンデンサの冷却を改善させることができる可能性がある。特に、コンバータハウジングは金属から作られる。
【0025】
本発明の電力コンバータの一実施形態によると、金属により作られたコンバータハウジングは、例えば隙間又はポケット等のリセスを備え、リセスは、コンデンサハウジングを形成する。結果的に、コンデンサ素子がコンバータハウジングのリセスの中に直接配置されることができ、封止材によりリセスの中に封止され、コンデンサ素子の冷却を改善させることができる可能性がある。接触端子は互いに電気的に絶縁され、バスバーにより接続されるために、封止材の外に別々に突出している。
【0026】
なお、提案される直流リンクコンデンサと提案される電力コンバータのために提示された様々な実施形態及び結果として生じる利点は、場合によって交換され得る。つまり、提案された直流リンクコンデンサのために提示された実施形態又は利点は、同じく電力コンバータなどに適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
以下、特定の実施形態を参照して本発明がより詳細に説明されるが、本発明はこれに限定されない。
図1】直流リンクコンデンサのコンデンサセル及びコンデンサハウジングの分解図を示す。
図2】複数のコンデンサセルが挿入された、図1のコンデンサハウジングを示す。
図3】コンデンサハウジングの中にコンデンサセルが封止された直流リンクコンデンサを示す。
図4】上から見た電力コンバータの例を示す。
図5】電気自動車の概略図を示す。
【発明の詳細な説明】
【0028】
一般的に、同一又は類似の要素は、同一/類似の名前及び参照符号で示される。説明において開示された特徴は、同一/類似の参照符号を持つ要素に適用される。方向及び相対位置の表示は対応する図面に関し、方向及び/又は相対位置の表示は、場合によって、他の図面では修正されるべきである。
【0029】
図1から3は、直流リンクコンデンサ8の製造工程におけるステップを示す。
【0030】
詳しくは、図1は、巻回された金属化フィルムと、巻回された金属化プラスチックフィルムに接続された2つの接触端子3a,3bと、を有するフィルムコンデンサ素子2を備える、コンデンサセル1を示す。コンデンサセル1は、分解図において、直流リンクコンデンサ8のコンデンサハウジング4に挿入される準備が済んでいる。特に、巻回された金属化フィルムは巻回された金属化プラスチックフィルムであるか、若しくは絶縁フィルムにより分離された金属箔を備える。
【0031】
接触端子3a,3bは、ティンシューピング領域(tin shooping areas)によって、コンデンサセル1の静電容量を形成する金属化フィルムに接続されている。シューピング領域(shooping area)は、基本的に金属化であり、接触端子3a,3bを金属化プラスチックフィルムにはんだ付けすることを可能とする。
【0032】
この例において、接触端子3a,3bは平坦且つ剛性である。このようにすると、コンデンサセル1は、図示されていないバスバーによって比較的簡単に接続され得る。
【0033】
この例において、コンデンサセル1のフィルムコンデンサ素子2は、円筒の形、より詳しくは、一般的な円筒の形を有する。具体的には、コンデンサ素子2は楕円形の底面と楕円形の上面を有する。この形は、比較的高い密度係数の直流リンクコンデンサ8を可能とするため、つまり、直流リンクコンデンサ8の全体積に対するコンデンサセル1の体積の割合が比較的高いため、好ましい。図1に示された実施形態において、楕円型の底面及び上面は垂直に方向付けられている。
【0034】
コンデンサハウジング4は、図1に示されたように、コンデンサセル1をコンデンサハウジング4に挿入することを補助し、コンデンサハウジング4内にコンデンサセル1を整列することを補助するように、外壁5を備えており、ガイド6を備えてもよい。この例において、ガイド6は、コンデンサセル1の接触端子3a,3bと相互作用する。しかしながら、コンデンサセル1を整列させるために、ガイド6はまた、(完全な)コンデンサセル1よりわずかに大きく作られても良い。基本的に、図1のガイド6は、相互接続された区画Aを形成する。このようにすると、封止材7、例えばポッティング材またはレジンが区画Aから区画Aに流れることができるため、封止が容易になる。ただし、区画Aはコンデンサハウジング4内の(連続する)分離壁によって形成されてもよい。分離壁は、封止材7が1つの区画Aから他の区画Aに流れることを可能とするように、コンデンサハウジング4の外壁5より低く作られてもよい。
【0035】
図2は、複数のコンデンサセル1が挿入された、図1のコンデンサハウジング4を示す。コンデンサセル1は、それぞれコンデンサハウジング4の区画A内に配置され、それぞれガイド6により所定の位置に保持される。図2で見られるように、全てのコンデンサセル1の接触端子3a,3bは互いに電気的に絶縁され、個別のコンデンサセル1は実質的に同一である。
【0036】
最後に、図3は、コンデンサハウジング4に封止されたコンデンサセル1を有する直流リンクコンデンサ8を示す。図3で見られるように、接触端子3a,3bは封止材7の外に別々に突出している。封止材7は、特にレジンであり、この例において区画Aを接続するブリッジを形成する。
【0037】
なお、封止材7が区画Aから区画Aに流れることができるとしたが、封止材7は1つの区画Aに充填されるとは限らないことに留意されたい。代わりに、封止材7は、一部又は全ての区画Aに充填されてもよく、これにより最終的な不均等が平坦化される。
【0038】
封止材7は、特に、コンデンサセル1(特にその金属化フィルム及びティンシューピング領域)を好ましくない環境条件に対して保護するように防湿性であってもよく、及び/又は、用いられる部品の異なる熱膨張係数によるひび割れと剥離に対して保護するように、弾性であってもよい。
【0039】
上記の例において、コンデンサセル1の整列は区画A及び/又はガイド6によってなされ得る。これは有利だが、唯一の解法ではない。代わりに又は加えて、接触端子3a,3bはそれぞれ、封止材7から突出している領域にリセス、例えば円形の孔を備えてよい。ポッティングの間にコンデンサセル1を整列させるため、リセスを通じて適切なツール(ここでは、レーキのようなツール)が挿入されて、封止材7が固まった後に外される。このようにすると、コンデンサセル1は、コンデンサハウジング4内に区画A及び/又はガイド6を必要とせずに整列され得る。
【0040】
なお、提案される直流リンクコンデンサ8は、図1から図3に示されたコンデンサセル1とコンデンサハウジング4の特定な形に関連しないことに留意されたい。代わりに、当業者なら他の実施形態が類似する方法で直流リンクコンデンサ8を形成できることを理解するであろう。
【0041】
図4は、電力コンバータ、特にインバータ9の例を示す。インバータ9は、直流リンクコンデンサ8と、電力部10、例えば直流リンクコンデンサ8に接続された電力モジュールと、を備える。直流リンクコンデンサ8は、直流電圧源、例えばバッテリから取得された直流電圧を平滑化するように構成され、電力部10は、直流リンクコンデンサ8によって平滑化された直流電圧から交流電圧を発生させるように構成される。電力部10は、複数の制御可能なスイッチを備え、制御可能なスイッチは、例えば、MOSFETやIGBTなどの半導体スイッチとして具現化され得る。加えて、図4のインバータ9は、図視されていないインバータハウジングを備えてよい。直流リンクコンデンサ8は、インバータハウジングに直接取り付けられてよい。
【0042】
図4において、コンデンサセル1の電気的接続は詳細に視認できない。一般的に、個別のコンデンサセル1の電気的接続はバスバーにより、例えば、コンデンサセル1を並列に接続させるためにバスバーを接触端子3a,3bに溶接又ははんだ付けすることにより、接触端子3a,3bを直接接続させることによってなされ得る。
【0043】
一実施形態において、コンデンサハウジング4は、例えば直流リンクコンデンサ8をその位置にねじ止めする孔を備える少なくとも1つの取付フランジ、又は少なくとも1つの取付クリップを備えてよい。このように、直流リンクコンデンサ8はフレーム又はインバータハウジングに取り付けられることができる。
【0044】
最後に、図5は、電気自動車11を示し、電気自動車11は、上述したようなインバータ9と、例えば、直流リンクコンデンサ8に接続されたバッテリ又は燃料電池等の直流電圧源12と、インバータ9の電力部10に接続された電気モータ13と、を備える。電気モータ13は、車軸15により電気自動車11の車輪14に機械的に結合されている。一般的に、直流リンクコンデンサ8は、直流電圧源12から取得された直流電圧を平滑化するように構成され、電力部10は、直流リンクコンデンサ8から直流リンクコンデンサ8によって平滑化された直流電圧から交流電圧を発生させて電気モータ13を駆動するように構成される。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】