(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076838
(43)【公開日】2023-06-05
(54)【発明の名称】卵整列装置および自動卵処理システム
(51)【国際特許分類】
B65G 47/31 20060101AFI20230529BHJP
【FI】
B65G47/31 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189792
(22)【出願日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000162238
【氏名又は名称】共和機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】門野 宇倫
【テーマコード(参考)】
3F081
【Fターム(参考)】
3F081AA13
3F081BC04
3F081BD09
3F081BD15
3F081CC08
3F081DA03
3F081DA08
3F081EA10
3F081FB02
(57)【要約】
【課題】従来技術よりも簡単な構成で、卵サイズに適合した整列、および/または搬送速度および卵の密集状態に対応した整列を可能とする、卵整列装置を提供する。
【解決手段】卵整列装置1は、卵を搬送する第一、第二無端コンベヤ11、12と、卵がランダムに搬送される領域である、ランダム搬送領域Aと、卵が整列されて搬送される領域である、整列搬送領域Bと、直線状態から無端コンベア内側に向かってくの字状に突出する形状に可変である、第一側壁部14と第二側壁部15と、第一側壁部14および第二側壁部15が直線状からくの字状になるのに対応して、軸支されている搬送下流部が回転し、搬送上流部が搬送コンベア内側に移動可能とする、各仕切部21、22、23、24、25と、第一側壁部14、第二側壁部15、各仕切部21、22、23、24、25で形成される各通路部31、32、33、34、35、36を備える。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵を搬送する少なくとも1つの無端コンベヤと、
前記少なくとも1つの無端コンベアにおいて、卵がランダムに搬送される領域である、ランダム搬送領域と、
前記少なくとも1つの無端コンベアにおいて、卵が整列されて搬送される領域である、整列搬送領域と、
前記少なくとも1つの無端コンベアの搬送方向に沿って側壁として配置され、直線状態から無端コンベア内側に向かってくの字状に突出する形状に可変である、第一側壁部と第二側壁部と、
前記整列搬送領域において、前記第一側壁部と第二側壁部との間に配置され、前記無端コンベヤの搬送方向に沿って配置され、前記第一側壁部および第二側壁部が直線状からくの字状になるのに対応して、軸支されている搬送下流部が回転し、搬送上流部が搬送コンベア内側に移動可能とする、少なくとも2つ以上の仕切部と、
前記第一側壁部、第二側壁部、少なくとも2つ以上の仕切部で形成される少なくとも3つ以上の通路部と、を備える、
卵整列装置。
【請求項2】
前記少なくとも2つ以上の仕切部の搬送下流部に、後段の装置へ卵を送るための渡り案内部が設けられる、請求項1に記載の卵整列装置。
【請求項3】
前記無端コンベヤにおいて、前記ランダム搬送領域の後段、前記整列搬送領域の入口、前記少なくとも2つ以上の仕切部の搬送上流部の先端あるいはその先端より搬送上流側、第一側壁部と第二側壁部のくの字状の突出先端位置よりも上流側の中から選択される1つ以上の位置で、無端コンベアの搬送方向と交差する方向で所定の高さ位置に卵があるか否かを検出する第一検出部と、および/または、
前記無端コンベヤにおいて、第一側壁部と第二側壁部のくの字状の突出先端位置よりも下流側、前記整列搬送領域(B)の出口、前記少なくとも2つ以上の仕切部の搬送下流部の先端あるいはその先端より搬送上流側、前記少なくとも2つ以上の仕切部の搬送上流部の先端あるいはその先端より搬送上流側の中から選択される1つ以上の位置で、無端コンベアの搬送方向と交差する方向で所定の高さ位置に卵があるか否かを検出する第二検出部と、
を備える、
請求項1または2に記載の卵整列装置。
【請求項4】
前記無端コンベヤで搬送される卵の重心(G1)が、前記後段の装置のローラコンベヤ上の卵の重心(G2)よりも低い位置となるように前記無端コンベヤの搬送面を位置させることで、前記後段の装置に卵が過剰に供給されることを抑制する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の卵整列装置。
【請求項5】
前記ローラコンベヤの搬送位置の高さが、前記無端コンベヤの搬送面の高さより高く、
前記無端コンベヤから前後のローラ間に卵を渡す高さ位置は、前記無端コンベヤの搬送面の高さより低い、
請求項4に記載の卵整列装置。
【請求項6】
搬送上流の卵整列装置から卵が整列されて供給搬送される自動卵処理システムであって、
卵を搬送するローラコンベヤを有し、
前記自動卵処理システムのローラコンベヤ上の卵の重心(G2)が、請求項1から4のいずれか1項に記載の卵整列装置の無端コンベヤで搬送される卵の重心(G1)よりも高い位置となるように前記ローラコンベヤの搬送位置を位置させることで、前記自動卵処理システムに卵が過剰に供給されることを抑制する、
自動卵処理システム。
【請求項7】
前記ローラコンベヤの搬送位置の高さが、前記無端コンベヤの搬送面の高さより高く、
前記無端コンベヤから前後のローラ間に卵を渡す高さ位置は、前記無端コンベヤの搬送面の高さより低い、
請求項6に記載の自動卵処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卵整列装置および自動卵処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、卵等の実質上円形または楕円形物品の自動分配装置であって、案内部材(2,3,4,5,6)に沿って徐々に上方に押されることを可能にする90°より大きい角度(α)を備えることを開示している。
特許文献2の鶏卵整列装置は、鶏卵を搬送部の幅方向へ分散しながら停留させる停留部と、停留部の下流側に隣接し、搬送部の幅方向に均等な間隔となるように鶏卵を案内する案内部と、案内部が案内する間隔と同じ間隔で鶏卵を整列させる整列仕切部とを備えていることを開示している。
特許文献3の分配整列装置は、第1コンベア、第2コンベア、第3コンベアを備え、第1コンベアの搬送能力Q1および第3コンベアの搬送能力Q3のそれぞれは第2コンベアの搬送能力Q2よりも高く、第2コンベアの搬送能力Q2は処理装置の搬送処理能力Q4と等しく設定され、第2コンベアの搬送能力Q2が農畜産物の分配整列装置の搬送能力を律速する構成であることを開示している。また、第2コンベアでは、第2コンベア本体が農畜産物の動きを制限する力が、第1コンベアにおける第1コンベア本体が農畜産物の動きを制限する力よりも高く設定されている構成となっている。また、第3コンベアに備えられた搬送密度検出手段にて検出された第3コンベア上における農産物の搬送密度情報に基づいて、搬送能力Q2と搬送処理能力Q4とが等しいという条件を解除し、第2コンベア2の駆動速度を制御する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3853033号
【特許文献2】特開2012-116624号公報
【特許文献3】特開2008-19026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記各特許文献では、案内部材(整列仕切部ともいう)に搬送されてくる卵の密集状態(卵が盛り上がる状態など)を回避すべく、各種解決方法が提案されている。
【0005】
本発明の第一目的は、従来技術よりも簡単な構成で、卵サイズに適合した整列、および/または搬送速度および卵の密集状態に対応した整列を可能とする、卵整列装置を提供する。
第二の目的は、卵整列装置からその後段の装置(例えば、自動卵処理システム)へ送られる卵の過剰供給を抑制(供給制御)できる、卵整列装置および後段の装置(例えば、自動卵処理システム)を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
卵整列装置は、上流よりランダムに供給搬送される卵を後段の装置(例えば、自動卵処理システム、搬送コンベアなど)へ整列し供給する装置である。
卵整列装置(1)は、
卵を搬送する少なくとも1つの無端コンベヤ(11、12)と、
前記少なくとも1つの無端コンベア(11、12)において、卵がランダムに搬送される領域である、ランダム搬送領域(A)と、
前記少なくとも1つの無端コンベア(11、12)において、卵が整列されて搬送される領域である、整列搬送領域(B)と、
前記少なくとも1つの無端コンベア(11、12)の搬送方向に沿って側壁として配置され、直線状態から無端コンベア内側に向かってくの字状に突出する形状に可変である、第一側壁部(14)と第二側壁部(15)と、
前記整列搬送領域(B)において、前記第一側壁部(14)と第二側壁部(15)との間に配置され、前記無端コンベヤ(11、12)の搬送方向に沿って配置され、前記第一側壁部(14)および第二側壁部(15)が直線状からくの字状になるのに対応して、軸支されている搬送下流部が回転し、搬送上流部が搬送コンベア内側に移動可能とする(各先端部同士の間隔を一定距離で狭めるように移動可能とする)、少なくとも2つ以上の仕切部(21、22、23、24、25)と、
前記第一側壁部(14)、第二側壁部(15)、少なくとも2つ以上の仕切部(21、22、23、24、25)で形成される少なくとも3つ以上の通路部(31、32、33、34、35、36)と、
を備える。
くの字状で形成される角度θは、例えば、150度から180度未満であってもよい。
前記少なくとも2つ以上の仕切部(21、22、23、24、25)が、奇数個である場合は、真ん中に配置される仕切部(23)は、移動しない構成であってもよい。
【0007】
前記少なくとも2つ以上の仕切部(21、22、23、24、25)は、(軸支される)搬送下流部(212、222、232、242、252)から搬送上流部(211、221、231、241、251)までの中心仮想線(x1、x2、x3、x4、x5)が互いに平行な状態から、無端コンベア上流側に向かう中心仮想線(x1、x2、x3、x4、x5)の延長が互いに交差(x11、x12)する構成であってもよい。交差する位置は複数であってもよい。交差しない中央仮想線があってもよい。
隣り合う搬送下流部(212、222、232、242、252)の回転可能に軸支されている位置の間隔(d1)は同じであってもよい。
平行状態にある、隣り合う中心搬送上流部(211、221、231、241、251)の先端における中央仮想線(x1、x2、x3、x4、x5)の間隔(d21、d22、d23、d24)は同じであってもよい。
前記第一側壁部(14)と最近接位置の仕切部との間隔と、第二側壁部(15)と最近接位置の仕切部との間隔は、前記間隔(d1)または前記間隔(d21、d22、d23、d24)と同じであってもよく、それらよりも小さくとも大きくともよい(各通路部の長手方向の幅が実質的に同じである)。
くの字状に変形した際の、隣り合う中心搬送上流部(211、221、231、241、251)の先端における中央仮想線(x1、x2、x3、x4、x5)の間隔(d31、d32、d33、d34)は同じであってもよく、中心側程小さくなっていてもよい。
間隔(d1)より、間隔(d21、d22、d23、d24)が大きくてもよい。
【0008】
前記少なくとも2つ以上の仕切部(21、22、23、24、25)の搬送上流部(211、221、231、241、251)の先端は、前記第一側壁部(14)と第二側壁部(15)のくの字状(第一連結部143、第二連結部153)の折れ位置(仮想線a1)と同じ(実質的に同じ)あるいは下流側に位置してもよい。
【0009】
直列に設置される上流側の第一無端コンベア(11)と、下流側の第二無端コンベア(12)との隙間(P)を覆い各通路部の一部を形成するように、渡り板状部(61、62、63、64、65、66)が設けられていてもよい。各渡り板状部は各通路部に対応して設置されていてもよい。
渡り板状部(61、62、63、64、65、66)は、搬送方向と直交する方向に、上記隙間(P)を可動する構成であってもよい。隣合う渡り板状部(61、62、63、64、65、66)の間に、仕切部(21、22、23、24、25)が配置されていてもよい。
【0010】
前記少なくとも2つ以上の仕切部(21、22、23、24、25)の搬送下流部に、後段の装置へ卵を送るための渡り案内部(21a、22a、23a、24a、25a)が設けられていてもよい。渡り案内部は、無端コンベアと後段の装置との高さの違いに対応し、仕切部の高さよりも高い位置で卵を案内するように延設されていてもよい。
【0011】
前記無端コンベヤ(11、12)において、前記ランダム搬送領域(A)の後段、前記整列搬送領域(B)の入口、前記少なくとも2つ以上の仕切部(21、22、23、24、25)の搬送上流部の先端あるいはその先端より搬送上流側、第一側壁部と第二側壁部のくの字状の突出先端位置よりも上流側(第一、第二連結部より搬送上流側)の中から選択される1つ以上の位置で、無端コンベアの搬送方向と交差(例えば、直交)する方向で所定の高さ位置に卵があるか否かを検出する第一検出部(41a、41b)を備えていてもよい。
【0012】
前記無端コンベヤ(11、12)において、第一側壁部と第二側壁部のくの字状の突出先端位置よりも下流側(第一、第二連結部より搬送下流側)、前記整列搬送領域(B)の出口、前記少なくとも2つ以上の仕切部(21、22、23、24、25)の搬送下流部の先端あるいはその先端より搬送上流側、前記少なくとも2つ以上の仕切部(21、22、23、24、25)の搬送上流部の先端あるいはその先端より搬送上流側の中から選択される1つ以上の位置で、無端コンベアの搬送方向と交差(例えば、直交)する方向で所定の高さ位置に卵があるか否かを検出する第二検出部(42a、42b)を備えていてもよい。
【0013】
前記卵整列装置は、前記少なくとも1つの無端コンベア(11、12)を駆動する少なくとも1つの駆動部(111、121)と、
前記少なくとも1つの駆動部(111、121)を制御する制御部(50)と、を備えていてもよい。
前記制御部(50)は、前記第一検出部(41a、41b)および/または第二検出部(42a、42b)の検出結果(所定高さ位置に卵を検出)に応じて、無端コンベア(11、12)の搬送速度(回転速度)を制御してもよい。
【0014】
前記第一側壁部(14)は、第一上流側壁部(141)と、第一下流側壁部(142)と、第一上流側壁部(141)と第一下流側壁部(142)とを連結する第一連結部(143)を有し、第一下流側壁部(142)の軸支(142a)および第一連結部(143)(の軸支(143a)を基準)でくの字状に折れる構造であってもよい。
前記第二側壁部(15)は、第二上流側壁部(151)と、第二下流側壁部(152)と、第二上流側壁部(151)と第二下流側壁部(152)とを連結する第二連結部(153)とを有し、第二下流側壁部(152)の軸支(152a)および第二連結部(153)(の軸支(153a)を基準)でくの字状に折れる構造であってもよい。
くの字状になった際に、第一連結部(143)が第一上流側壁部(141)および/または第一下流側壁部(142)に連続し側壁面(143b)(段差があってもよい)を形成していてもよい。
くの字状になった際に、第二連結部(153)が第二上流側壁部(151)および/または第二下流側壁部(152)に連続し側壁面(153b)(段差があってもよい)を形成していてもよい。
第一上流側壁部(141)の長手方向長さと、第二上流側壁部(151)のそれが同じであり、第一下流側壁部(142)の長手方向長さと、第二下流側壁部(152)のそれが同じであってもよい。
第一上流側壁部(141)の長手方向長さ(L1)より、第一下流側壁部(142)の長手方向長さ(L2)が同じでもよく、短くてもよく、長くてもよい。
第二上流側壁部(151)の長手方向長さより、第二下流側壁部(152)のそれが同じでもよく、短くてもよく、長くてもよい。
第一下流側壁部(142)の長手方向長さ(L1)より、仕切部(21、22、23、24、25)のそれが同じでもよく、短くてもよい。
各仕切部は、長手方向長さがすべて同じでもよく、異なっていてもよい。中央側の仕切部の長手方向長さのほうが両側のそれよりも先端側が上流側に長くなっていてもよい。
【0015】
搬送方向に対し、第一上流側壁部(141)の側壁面(141b)の角度θ1と、搬送方向に対し、第一下流側壁部(142)の側壁面(142b)の角度θ2と、前記角度θとを加えて、180度となる。
搬送方向に対し、第二上流側壁部(151)の側壁面(151b)の角度θ1と、搬送方向に対し、第二下流側壁部(152)の側壁面(152b)の角度θ2と、前記角度θとを加えて、180度となる。
θ1とθ2は同じでもよく、いずれかが大きくてもよい。
【0016】
(可変アクチュエータ)
前記卵整列装置(1)は、
第一側壁部(14)と第二側壁部(15)を、直線状態から無端コンベア内側に向かってくの字状に突出する形状に可変にする第一、第二可変アクチュエータ(71、72)を有していてもよい。第一、第二可変アクチュエータ(71、72)は、スコットラッセル機構などのリンク機構を有して構成されていてもよい。
第一可変アクチュエータ(71)は、その第一端部(711a)が第一フレーム(140)の長手方向(搬送方向)に対し所定距離分スライド可能に設けられ、第二端部(711b)が第一下流側壁部(142)に固定(垂直軸に対し回転可能に固定)される第一主支持部材(711)と、その第一端部(712a)が前記第一フレーム(140)に固定され、その第二端部(712b)が前記第一主支持部材(71b)の中間部(略中間部)に固定される第一副支持部材(712)とを備えていてもよい。
第二可変アクチュエータ(72)は、その第一端部(721a)が第二フレーム(150)の長手方向(搬送方向)に対し所定距離分スライド可能に設けられ、その第二端部(721b)が第二下流側壁部(152)に固定(垂直軸に対し回転可能に固定)される第二主支持部材(721)と、その第一端部(722a)が前記第二フレーム(150)に固定され、その第二端部(722b)が前記第二主支持部材(721)の中間部(略中間部)に固定される第二副支持部材(722)とを備えていてもよい。
第一、二副支持部材(712、722)の各第一端部(712a、722a)が固定されており、第一、二主支持部材(711、712)の各第一端部(711a、712a)が第一無端コンベアの方に所定距離スライドすると、各第一端部(712a、722a)および各第二端部(712b、722b)が移動制約部材となり、第一、二主支持部材(711、712)の各第二端部(711b、721b)がコンベア内側に移動する。結果として第一側壁部(14)と第二側壁部(15)が直線状態から無端コンベア内側に向かってくの字状に突出する形状になる。
【0017】
前記卵整列装置(1)は、
各仕切部を、前記第一側壁部(14)および第二側壁部(15)が直線状からくの字状になるのに対応して、軸支されている搬送下流部を回転し、搬送上流部を搬送コンベア内側に向かって移動可能とする、第三可変アクチュエータ(80)とを備えていてもよい。第三可変アクチュエータ(80)は、第一、第二可変アクチュエータ(71、72)に連動する構成であってもよく、分離した別構成であってもよい。
前記第三可変アクチュエータ(80)は、
仕切部(21、22、23、24、25)(の上流側先端(211、221、231、241、251))のそれぞれと連結される仕切部用ピッチブロック(s1、s2、s3、s4、s5)と、
渡り板状部(61、62、63、64、65、66)のそれぞれと連結される渡り板状部用ピッチブロック(81、82、83、84、85、86)と、
前記仕切部用ピッチブロック(s1、s2、s3、s4、s5)の貫通孔と両端以外の前記渡り板状部用ピッチブロック(82、83、84、85)の貫通孔を通過し、かつ両端の前記渡り板状部用ピッチブロック(81、86)のネジ穴(一方が右ネジ加工(89a)、他方が左ネジ加工(89b))に螺合されるピッチアジャスタ(89)と、
各仕切部用ピッチブロック(s1、s2、s3、s4、s5)および各渡り板状部用ピッチブロック(81、82、83、84、85、86)の前記ピッチアジャスタ(89)に沿ったスライド移動が同ピッチとなるように連結する連結部(パンタグラフ88)と、を備えていてもよい。
仕切部用ピッチブロック数(つまり仕切部数)が奇数である場合に、中央の仕切部用ピッチブロック(s3)は前記ピッチアジャスタ(89)に対してスライド移動しないように固定されていてもよい。
【0018】
前記第一、第二、第三可変アクチュエータは、他の機構、例えば、リニアスライドガイド機構、ラックアンドピニオン機構、ボールねじ、直動シリンダアクチュエータ(油圧、エア圧)のうち1以上を有して構成されていてもよい。
前記可変アクチュエータを有せず、各部材の固定する位置を変更することで第一側壁部(14)と第二側壁部(15)を、直線状態から無端コンベア内側に向かってくの字状に突出する形状に可変し、および/または、
前記仕切部を、軸支されている搬送下流部を回転し、搬送上流部を搬送コンベア内側に移動可能としてもよい。
【0019】
仕切部は、長手方向と直交する断面形状が三角形であってもよい。搬送上流部の断面三角形状よりも、搬送下流部の断面三角形状のほうが大きくてもよい。搬送上流部の先端部から搬送上流部の下流側までの断面三角形状のサイズが斬増(比例斬増、階段的に大きく)してもよい。
搬送上流部の先端部は、R処理され、弾性部材で構成あるいは被覆処理されていてもよい。
【0020】
卵整列装置(1)は、
上流よりランダムに供給搬送される卵を後段の装置(例えば、自動卵処理システム、搬送コンベア)へ整列し供給する卵整列装置であって、
卵を搬送する少なくとも一つの無端コンベヤと、
前記無端コンベヤの搬送方向と平行に配置される複数の仕切部で形成された複数の卵通路を有し、当該卵通路に卵を通過させて整列搬送する整列部を有する。
前記無端コンベヤで搬送される卵の重心(G1)が、前記後段の装置のローラコンベヤ(90)上の卵の重心(G2)よりも低い位置となるように前記無端コンベヤの搬送面を位置させることで、前記後段の装置に卵が過剰に供給されることを抑制する。
前記無端コンベヤの搬送面(101)の高さ(H1)より、ローラコンベヤ(90)の搬送位置(901)の高さ(H3)のほうが高くともよい。前記無端コンベヤの搬送面の高さ(H1)より、前記無端コンベヤから前後のローラ間に卵を渡す高さ位置(H2)が同じまたは低くともよい。(低い場合、無端コンベヤの搬送面上の卵の下端から卵の重心(G1)までの鉛直距離よりも小さい値であってもよい。)
【0021】
自動卵処理システム(9)は、
搬送上流の卵整列装置から卵が整列されて供給搬送される自動卵処理システムであって、
卵を搬送するローラコンベヤ(90)を有する。
前記自動卵処理システムのローラコンベヤ(90)上の卵の重心(G2)が、前記卵整列装置(1)の無端コンベヤ(11、12)で搬送される卵の重心(G1)よりも高い位置となるように前記自動卵処理システムのローラコンベヤ(90)の搬送位置(901)を位置させることで、前記自動卵処理システムに卵が過剰に供給されることを抑制する。
前記ローラコンベヤ(90)の搬送位置の高さ(H3)が、無端コンベヤの搬送面(10)の高さ(H1)より高くともよい。前記無端コンベヤ(11、12)から前後のローラ間に卵を渡す高さ位置(H2)は、前記無端コンベヤの搬送面(101)の高さ(H1)と同じまたは低くともよい。
【0022】
前記無端コンベヤ(11、12)は、
前記回転体(無端ベルト)と、
前記回転体を張設する少なくとも2つのロール(例えば、ベルトプーリ)と、
前記ロールの少なくとも1つが駆動ロールで構成され(残りは自由回転する受動ロールで構成され)、駆動ロールを回転させる駆動部(111、121)(例えば、モータなど)と、を備えていてもよい。
前記駆動部(例えば、位置決めモータ)は、例えば、卵のサイズおよび/または卵の密集状態に応じて、搬送速度(回転速度)が制御されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】卵整列装置の平面図(第一、第二側壁部、各仕切部の平行状態)の一例を示す。
【
図1B】卵整列装置の平面図(第一、第二側壁部、各仕切部の移動状態)の一例を示す。
【
図1C】第一、第二側壁部、各仕切部の平行状態を説明する図である。
【
図1D】第一、第二側壁部、各仕切部の移動状態を説明する図である。
【
図1E】可変アクチュエータの構造の一例を説明する図である。
【
図2】卵整列装置および自動卵処理システムの側面図の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(卵整列装置)
図1Aに卵整列装置の平面図(第一、第二側壁部、各仕切部の平行状態)を示す。
図1Bは、卵整列装置の平面図(第一、第二側壁部、各仕切部の移動状態)を示す。
図1Cは、第一、第二側壁部、各仕切部の平行状態を示す。
図1Dは、第一、第二側壁部、各仕切部の移動状態を示す。
図1Eは、可変アクチュエータの構造の一例を示す。
【0025】
6列の卵整列装置1は、卵を搬送する第一無端コンベヤ11、第二無端コンベア12と、、第一側壁部14と第二側壁部15と、第一、第二、第三、第四、第五仕切部21、22、23、24、25と、を備える。
第一無端コンベア11において、卵がランダムに搬送される領域である、ランダム搬送領域Aと、第二無端コンベア12において、卵が整列されて搬送される領域である、整列搬送領域Bと、が形成される。
第一側壁部14と第二側壁部15は、第一、第二無端コンベア11、12の搬送方向に沿って側壁として配置される。これらは、直線状態から無端コンベア内側に向かってくの字状に突出する形状に可変である。
第一、第二、第三、第四、第五仕切部21、22、23、24、25は、整列搬送領域Bにおいて、第一側壁部14と第二側壁部15との間で、第二無端コンベヤ12の搬送方向に沿って配置される。各仕切部は、第一側壁部14および第二側壁部15が直線状からくの字状になるのに対応して、第一、第二、第三、第四、第五仕切部21、22、23、24、25のそれぞれの第一、第二、第三、第四、第五搬送下流部212、222、232、242、252の各軸支を基準に回転し、第一、第二、第三、第四、第五仕切部21、22、23、24、25のそれぞれの第一、第二、第三、第四、第五搬送上流部211、221、231、241、251が搬送コンベア内側に移動する。各搬送上流部の先端部同士の間隔を一定距離で狭めるように移動可能になっている。本実施形態では、真ん中に配置される第三仕切部23は、移動しない構成である。
そして、記第一側壁部14、第二側壁部15、第一、第二、第三、第四、第五仕切部21、22、23、24、25で形成される第一、第二、第三、第四、第五、第六通路部31、32、33、34、35、36が形成される。
図1Bで示される、くの字状で形成される角度θは、例えば、150度から180度未満であってもよい。
【0026】
くの字状の変形について説明する。
第一側壁部14は、第一上流側壁部141と、第一下流側壁部142と、第一上流側壁部141と第一下流側壁部142とを連結する第一連結部143を有する。第一下流側壁部142の軸支142aおよび第一連結部143の軸支143aを基準でくの字状に折れる構造である。
第二側壁部15は、第二上流側壁部151と、第二下流側壁部152と、第二上流側壁部151と第二下流側壁部152とを連結する第二連結部153とを有する。第二下流側壁部152の軸支152aおよび第二連結部153の軸支153aを基準でくの字状に折れる構造である。
くの字状になった際に、第一連結部143が第一上流側壁部141および/または第一下流側壁部142に連続し側壁面143bを形成する。くの字状になった際に、第二連結部153が第二上流側壁部151および/または第二下流側壁部152に連続し側壁面153bを形成する。
本実施形態では、第一上流側壁部141の長手方向長さL1より、第一下流側壁部142の長手方向長さL2が長くなっているが、これに制限されない。
搬送方向に対し、第一上流側壁部141の側壁面141bの角度θ1と、搬送方向に対し、第一下流側壁部142の側壁面142bの角度θ2と、角度θとを加えて180度となる。
搬送方向に対し、第二上流側壁部151の側壁面151bの角度θ1と、搬送方向に対し、第二下流側壁部152の側壁面152bの角度θ2と、前記角度θとを加えて、180度となる。
【0027】
図1C、1Dを参照し、各仕切部の仮想線について説明する。
各仕切部21、22、23、24、25は、各搬送下流部212、222、232、242、252から各搬送上流部211、221、231、241、251までの各中心仮想線x1、x2、x3、x4、x5が互いに平行な状態から、くの字状に変形した際に、無端コンベア上流側に向かう各中心仮想線x1、x2、x3、x4、x5の延長が互いに交差x11、x12する。交差x11は、中心仮想線x2、x3、x4が交差し、交差x12は、中心仮想線x1、x3、x5が交差する。
隣り合う搬送下流部212、222、232、242、252の回転可能に軸支されている位置の間隔d1は同じである。平行状態にある、隣り合う中心搬送上流部211、221、231、241、251の先端における中心仮想線x1、x2、x3、x4、x5の各間隔d21、d22、d23、d24は同じである。第一側壁部14と最近接位置の第一仕切部21との間隔と、第二側壁部15と最近接位置の第五仕切部25との間隔は、前記間隔d1または前記間隔d21、d22、d23、d24と略同じであり、各通路部31、32、33、34、35、36の長手方向の幅は、卵1つ分を直列に搬送できる幅として実質的に同じである。
くの字状に変形した際の、隣り合う中心搬送上流部211、221、231、241、251の先端における中心仮想線x1、x2、x3、x4、x5の各間隔d31、d32、d33、d34は卵1つ分を直列に搬送できる間隔として実質的に同じである。
【0028】
本実施形態では、各仕切部21、22、23、24、25の各搬送上流部211、221、231、241、251の先端は、第一側壁部14と第二側壁部15のくの字状(第一連結部143、第二連結部153)の折れ位置より下流側に位置しているが、これに制限されず、同じ(実質的に同じ)位置まで延設されていてもよい。
【0029】
直列に設置される上流側の第一無端コンベア11と、下流側の第二無端コンベア12との隙間P(
図2参照)を覆い各通路部の一部を形成するように、第一、第二、第三、第四、第五、第六渡り板状部61、62、63、64、65、66が設けられている。各渡り板状部は各通路部に対応して設置される。各渡り板状部61、62、63、64、65、66は、搬送方向と直交する方向に、隙間Pを可動する構成である。隣合う渡り板状部61、62、63、64、65、66の間に、各仕切部21、22、23、24、25が配置される。
【0030】
図1A、1B、
図2で示すように、各仕切部21、22、23、24、25の各搬送下流部(212、222、232、242、252)に、後段の装置へ卵を送るための渡り案内部21a、22a、23a、24a、25aが設けられている。各渡り案内部は、無端コンベアと後段の装置との高さの違いに対応し、各仕切部の高さよりも高い位置で卵を案内するように延設される。
【0031】
第一検出部41a、41bは、第一無端コンベヤ11において、ランダム搬送領域Aの後段あるいは第一、第二連結部143、153よりもやや上流側(例えば0.1cmから10cm)の位置で、無端コンベアの搬送方向と直交する方向で所定の高さ位置(例えば、搬送状態の卵1個分の高さを1とすれば1.1倍以上の高さ位置)に卵があるか否かを検出する。
第二検出部42a、42bは、第二無端コンベヤ12において、ランダム搬送領域Aの後段あるいは第一、第二連結部143、153よりもやや下流側(例えば0.1cmから10cm)で、無端コンベアの搬送方向と直交する方向で所定の高さ位置(例えば、搬送状態の卵1個分の高さを1とすれば1.1倍以上の高さ位置)に卵があるか否かを検出する。
本実施形態では、第一、第二検出部41a、41b、42a、42bは、反射式センサ、光電センサ、高さレベルを測定できるラインセンサ、撮像部およびその画像を処理する手段で構成されていてもよい。
【0032】
卵整列装置1は、第一、第二無端コンベア11、12を駆動する第一、第二駆動部111、121と、各駆動部111、121を制御する制御部50を備える。
制御部50は、第一検出部41a、41bおよび/または第二検出部42a、42bの検出結果(所定高さ位置に卵を検出)に応じて、第一、第二無端コンベア11、12の搬送速度(回転速度)を制御する。
制御部50は、専用回路、ファームウエア、命令コードを保存するメモリとプロセッサーの組み合わせ、などで構成されていてもよく、卵整列装置1と連動する上流および下流の装置とを統合して制御する制御装置が兼用していてもよい。
【0033】
(可変アクチュエータ)
卵整列装置1は、第一側壁部14と第二側壁部15を、直線状態から無端コンベア内側に向かってくの字状に突出する形状に可変にする第一、第二可変アクチュエータ71、72を有する。
図1Bに示す本実施形態において、第一可変アクチュエータ71は、その第一端部711aが第一フレーム140の長手方向(搬送方向)に対し所定距離分スライド可能に設けられ、第二端部711bが第一下流側壁部142に固定(垂直軸に対し回転可能に固定)される第一主支持部材711と、その第一端部712aが前記第一フレーム140に固定され、その第二端部712bが第一主支持部材71bの中間部(略中間部)に固定される第一副支持部材712とを備える。
第二可変アクチュエータ72は、その第一端部721aが第二フレーム150の長手方向(搬送方向)に対し所定距離分スライド可能に設けられ、その第二端部721bが第二下流側壁部152に固定(垂直軸に対し回転可能に固定)される第二主支持部材721と、その第一端部722aが前記第二フレーム150に固定され、その第二端部722bが第二主支持部材721の中間部(略中間部)に固定される第二副支持部材722とを備える。
第一副支持部材712の第一端部712aが固定されており、第一主支持部材711の第一端部711aが第一無端コンベア11の方に所定距離スライドすると、第一端部712aおよび第二端部712bが移動制約部材となり、第一主支持部材711の第二端部711bがコンベア内側に移動する。結果として第一側壁部14が直線状態から無端コンベア内側に向かってくの字状に突出する形状になる。
同様に、第二副支持部材722の第一端部722aが固定されており、第二主支持部材721の第一端部721aが第一無端コンベア11の方に所定距離スライドすると、第一端部722aおよび第二端部722bが移動制約部材となり、第二主支持部材721の第二端部721bがコンベア内側に移動する。結果として第二側壁部15が直線状態から無端コンベア内側に向かってくの字状に突出する形状になる。
【0034】
卵整列装置1は、各仕切部を、第一側壁部14および第二側壁部15が直線状からくの字状になるのに対応して、軸支されている搬送下流部を回転し、搬送上流部を搬送コンベア内側に向かって移動可能とする、第三可変アクチュエータ80を備える。
図1E(a)は、直線状のときの渡り板状部および仕切部の状態を規定する可変アクチュエータを示し、
図1E(b)は、くの字状にしたときの渡り板状部および仕切部の状態を規定する可変アクチュエータを示す。
第三可変アクチュエータ80は、仕切部21、22、23、24、25の上流側先端211、221、231、241、251のそれぞれと連結される仕切部用ピッチブロックs1、s2、s3、s4、s5と、渡り板状部61、62、63、64、65、66のそれぞれと連結される渡り板状部用ピッチブロック81、82、83、84、85、86と、仕切部用ピッチブロックs1、s2、s3、s4、s5の貫通孔と両端以外の渡り板状部用ピッチブロック82、83、84、85の貫通孔を通過し、かつ両端の渡り板状部用ピッチブロック81、86のネジ穴に螺合されるピッチアジャスタ89と、各仕切部用ピッチブロックs1、s2、s3、s4、s5および各渡り板状部用ピッチブロック81、82、83、84、85、86のピッチアジャスタ89に沿ったスライド移動が同ピッチとなるように連結するパンタグラフ88と、を備える。
ピッチアジャスタ89は、一方端部が右ネジ加工89aされ、他方端部が左ネジ加工89bされており、それぞれに対応するように、渡り板状部用ピッチブロック81は、右ネジ穴加工され、渡り板状部用ピッチブロック86は、左ネジ穴加工されている。
本実施形態では、仕切部用ピッチブロック数(つまり仕切部数)が奇数であり、中央の仕切部用ピッチブロックs3はピッチアジャスタ89に沿ってスライド移動しないように固定されている。また、仕切部用ピッチブロックs1、s2、s3、s4、s5は、中間部材s11、s21、s31、s41、s51を介して仕切部21、22、23、24、25と連結されている。渡り板状部用ピッチブロック81、82、83、84、85、86は、中間部材811、821、831、841、851、861を介して渡り板状部61、62、63、64、65、66と連結されている。
渡り板状部用ピッチブロックおよび仕切部用ピッチブロックのそれぞれのピッチアジャスタ89と平行となる幅がすべて同じであり、パンタグラフ88の機構と、ピッチアジャスタ89の両端部の逆ネジ構造であることで、各ピッチブロックが互いに同じピッチ(間隔)で拡大縮小する構造となっている。
【0035】
ピッチアジャスタ89を回転させる手動ハンドル(不図示)またはモータ(不図示)を回転させることで、渡り板状部用ピッチブロック81がスライド移動し、渡り板状部用ピッチブロック86がそれと逆方向にスライド移動し、これらスライドに連動してパンタグラフ88が展開し、他のピッチブロックもスライド移動する。制御部50または別コントローラによってモータを駆動制御することができる。
【0036】
(別実施形態)
第一、第二可変アクチュエータ71、72は、第一上流側壁部141および/または第一下流側壁部142を内側に押し出すプッシャー(例えば、エアシリンダー)を有する。
第一側壁部14は、プッシャーで押し出されて、直線状態から無端コンベア内側に向かってくの字状に突出する形状に可変する。プッシャーを原位置に戻すことで、第一側壁部14をくの字状から直線状態にする。
第一、第二可変アクチュエータ71、72は、第二上流側壁部151および/または第二下流側壁部152を内側に押し出すプッシャー(例えば、エアシリンダー)を有する。第二側壁部15は、プッシャーで押し出されて、直線状態から無端コンベア内側に向かってくの字状に突出する形状に可変する。プッシャーを原位置に戻すことで、第二側壁部15をくの字状から直線状態にする。
【0037】
第三可変アクチュエータ80は、ガイドレールと、ガイドレール上を移動可能に設けられ、第一下流側壁部142、第二下流側壁部152、各仕切部21、22、23、24、25の搬送上流部の任意の位置、各渡り板状部61、62、63、64、65、66と連結される、スライダーと、各スライダーの原位置および停止位置に設けられるストッパとを備える。
ガイドレール、スライダーおよびストッパは、第一、第二無端コンベア11、12の隙間Pの下方に設けられる。ガイドレールに沿ってスライダーと連絡される第一下流側壁部142、第二下流側壁部152、各仕切部21、22、23、24、25の搬送上流部の任意の位置、各渡り板状部61、62、63、64、65、66が無端コンベアの内側に移動しストッパによって所定位置で停止する。ただし、第一側壁部14と第二側壁部15との間の真ん中に配置される第三仕切部23は移動しないように固定されている。
【0038】
さらに別の第三可変アクチュエータ80は、ハンドル部またはモータと、前記ハンドル部またはモータと連結されるネジ軸であって、前記ハンドル部またはモータの回転で回転するネジ軸と、前記ネジ軸の回転に対して直進運動する複数のナットと、を有していてもよい。
複数のナットは、第一下流側壁部142、第二下流側壁部152、各仕切部21、22、23、24、25の搬送上流部の任意の位置、各渡り板状部61、62、63、64、65、66と連結される、各下流側壁部用ナット、各仕切部用ナット、各渡り板状部用ナットと、を有する。ネジ軸およびナットは、第一、第二無端コンベアの隙間の下方に設けられる。
ネジ軸は、中心位置を境に、右巻き、左巻きのネジ溝が設けられていてもよい。
ネジ軸が2つ設けられていてもよい。例えば、搬送方向と直交する幅方向において、第一側壁部14側に位置する仕切部21、22と第一下流側壁部142用のナットが設けられる第一ネジ軸と、搬送方向と直交する幅方向において、第二側壁部15側に位置する仕切部24、25と第二下流側壁部152用のナットが設けられる第二ネジ軸と、を有していてもよい。
ハンドル部を手動で回転し、またはモータを回転させることで、ねじ軸が回転し各ナットが直動し、各ナットが所定の停止位置で停止する(ストッパで停止させてもよい)。第一側壁部14と第二側壁部15は、直線状態から無端コンベア内側に向かってくの字状になる。また、仕切部用ナットと固定されている各仕切部21、22、23、24、25は、軸支されている搬送下流部212、222、232、242、252が回転し、搬送上流部211、221、231、241、251が搬送コンベア内側に移動する。ただし、第一側壁部14と第二側壁部15との間の真ん中に配置される第三仕切部23は固定されている。
【0039】
(自動卵処理システムと卵整列装置の連動)
図2に、卵整列装置1と自動卵処理システム9の側面図を示す。
卵整列装置1は、上流よりランダムに供給搬送される卵を後段の装置(例えば、自動卵処理システム、搬送コンベア)へ整列し供給する卵整列装置である。
卵整列装置1は、卵を搬送する第一、第二無端コンベヤ11、12と、
前記無端コンベヤの搬送方向と平行に配置される複数の仕切部で形成された複数の卵通路を有し、当該卵通路に卵を通過させて整列搬送する整列部(整列搬送領域B)を有する。
無端コンベヤで搬送される卵の重心G1が、後段の装置のローラコンベヤ90上の卵の重心G2よりも低い位置となるように無端コンベヤの搬送面101を位置させることで、後段の装置に卵が過剰に供給されることを抑制する。
無端コンベヤの搬送面101の高さH1より、ローラコンベヤ90の搬送位置901の高さH3のほうが高い。無端コンベヤの搬送面の高さH1より、無端コンベヤから前後のローラ間に卵を渡す高さ位置H2が低い。
自動卵処理装置9は、搬送上流の卵整列装置1から卵が整列されて供給搬送される自動卵処理システムである。
自動卵処理システム9は、卵を搬送するローラコンベヤ90を有する。ローラコンベア90は前後のローラ間で、卵が置かれる凹部(不図示)が形成される。
自動卵処理システム9のローラコンベヤ90上の卵の重心G2が、卵整列装置1の第一、第二無端コンベヤ11、12で搬送される卵の重心G1よりも高い位置となるように自動卵処理システムのローラコンベヤ90の搬送位置901を位置させることで、自動卵処理システム9に卵が過剰に供給されることを抑制する。
ローラコンベヤ90の搬送位置の高さH3が、第二無端コンベヤ12の搬送面10の高さH1より高くともよい。第二無端コンベヤ12から前後のローラ間に卵を渡す高さ位置H2は、無端コンベヤの搬送面101の高さH1より低い。
【符号の説明】
【0040】
1 卵整列装置
11 第一無端コンベア
12 第二無端コンベア
14 第一側壁部
15 第二側壁部
21、22、23、24、25 仕切部
21a、22a、23a、24a、25a 渡り案内部
31、32、33、34、35、36 通路部
41a、41b 第一検出部
42a、42b 第二検出部
61、62、63、64、65、66 渡り板状部
50 制御部
71 第一可変アクチュエータ
72 第二可変アクチュエータ
80 第三可変アクチュエータ