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特開2023-76841情報処理装置、表示制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076841
(43)【公開日】2023-06-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、表示制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/02 20060101AFI20230529BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20230529BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20230529BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20230529BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20230529BHJP
【FI】
G09G5/02 B
G06F3/14 310A
G06F3/0481
G09G5/36 520M
G09G5/02 C
G09G5/00 530M
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189799
(22)【出願日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(72)【発明者】
【氏名】原田 幸昌
【テーマコード(参考)】
5B069
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
5B069AA02
5B069AA12
5B069CA02
5B069CA20
5B069HA16
5C182AB08
5C182AC12
5C182CA23
5C182CA32
5C182CB54
5C182DA53
5E555AA26
5E555AA76
5E555BA06
5E555BA23
5E555BB06
5E555BB23
5E555BC04
5E555BC08
5E555CA12
5E555CB12
5E555CB72
5E555DB02
5E555DB03
5E555DC09
5E555DC10
5E555DC14
5E555DC35
5E555DC75
5E555DD06
5E555EA07
5E555EA08
5E555EA12
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】より見やすいPUWの表示を実現する技術を提供する。
【解決手段】GUI画面を表示する表示部に、GUI画面をグレイアウトする半透明のシェード画像と、PUWとを重畳して出力する情報処理装置において、PUW内に表示するPU情報を取得し、GUI画面の背景色を示す色情報を取得し、取得した色情報に基いて、シェード画像の色を選択し、選択した色のシェード画像と、PU情報を含むPUWとをGUI画面に重畳して出力する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
GUI画面を表示する表示部に、前記GUI画面をグレイアウトする半透明のシェード画像と、ポップアップウィンドウとを前記GUI画面に重畳して出力する情報処理装置において、
前記ポップアップウィンドウ内に表示するポップアップ情報を取得するPU情報取得部と、
前記GUI画面の背景色を示す色情報を取得する色情報取得部と、
取得した前記色情報に基いて、前記シェード画像の色を選択する選択部と、
前記選択部が選択した色の前記シェード画像と、前記ポップアップ情報を含む前記ポップアップウィンドウとを前記GUI画面に重畳して出力する表示制御部とを備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記選択部は、取得した前記色情報が示す色と同系色を、前記シェード画像の色に選択する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
GUI画面を表示する表示部に、前記GUI画面をグレイアウトする半透明のシェード画像と、ポップアップウィンドウとを重畳して出力する表示制御方法において、
前記ポップアップウィンドウ内に表示するポップアップ情報を取得し、
前記GUI画面の背景色を示す色情報を取得し、
取得した前記色情報に基いて、前記シェード画像の色を選択し、
選択した色の前記シェード画像と、前記ポップアップ情報を含む前記ポップアップウィンドウとを前記GUI画面に重畳して出力する、
表示制御方法。
【請求項4】
GUI画面を表示する表示部に、前記GUI画面をグレイアウトする半透明のシェード画像と、ポップアップウィンドウとを重畳して出力させる表示制御処理をコンピューターに実行させるプログラムであって、
前記表示制御処理は、
前記ポップアップウィンドウ内に表示するポップアップ情報を取得するステップと、
前記GUI画面の背景色を示す色情報を取得するステップと、
取得した前記色情報に基いて、前記シェード画像の色を選択するステップと、
選択した色の前記シェード画像と、前記ポップアップ情報を含む前記ポップアップウィンドウとを前記GUI画面に重畳して出力するステップと、を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、表示制御方法及びプログラムに関し、特にGUI(Graphical User Interface)におけるポップアップ(「ダイアログ」ともいう)の表示制御に関する。
【背景技術】
【0002】
GUIは、画像や文字等の情報で構成されたGUI画面をディスプレイ等の表示部に表示し、ユーザからGUI画面に対する操作を受け付けるユーザインターフェースである。GUIは、スマートフォン等の携帯型情報端末、コンピューター、コピー機等の周辺機器、車両に搭載されている車載装置、製造装置の操縦装置等、様々な情報処理装置に用いられている。
【0003】
ポップアップは、GUI画面の所定の表示領域に、所定のタイミングで情報を出力する仕組みのことである。ポップアップは、一般的には、GUI画面に別のウィンドウを重畳(「オーバーレイ」ともいう)して出力し、ウィンドウ内にユーザへ通知すべき情報を表示する。以下、ポップアップのウィンドウを単に「PUW」といい、PUWに表示する情報を単に「PU情報」という。
【0004】
下記の特許文献1の図3及び図4には、エアコンをコントロールするための表示ユニットにGUI画面を表示し、ユーザに対して操作を促すために、操作対象のボタンを絞ったPUWをGUI画面に重畳して出力することを開示している。表示ユニットが出力したPUWの背面にあるGUI画面は、GUI画面への操作が不可であることを示すべく、半透明のシェード画像を被せて不鮮明にする表示処理を行っている。この不鮮明にする表示処理を、一般的には「グレイアウト」と呼んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-161166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、情報処理装置によっては、実行中のアプリケーションプログラム(以下、省略して「アプリ」という。)や時間帯によって、表示するGUI画面の背景色が異なることがある。例えば、スマートフォンの場合、ユーザは好みの壁紙をGUI画面の背景に設定することや、時間帯によってホーム画面の背景色を変化させる設定が可能である。また、実行中のアプリの背景色もアプリ毎に異なることが想定される。
【0007】
この場合、GUI画面をグレイアウトしてPUWを出力すると、GUI画面の背景色とポップアップウィンドウの背景色とが同系色になって、PUWとGUI画面との区別がつかず、PUWが視認し辛くなる、という問題が発生し得る。
【0008】
1つの側面として、本発明は、より見やすいPUWの表示を実現する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本開示の一態様である情報処理装置は、GUI画面を表示する表示部に、GUI画面をグレイアウトする半透明のシェード画像と、ポップアップウィンドウとをGUI画面に重畳して出力する情報処理装置である。情報処理装置は、PU情報取得部、色情報取得部、選択部、表示制御部を備える。PU情報取得部は、ポップアップウィンドウ内に表示するポップアップ情報を取得する。色情報取得部は、GUI画面の背景色を示す色情報を取得する。選択部は、取得した色情報に基いて、シェード画像の色を選択する。表示制御部は、選択部が選択した色のシェード画像と、ポップアップ情報を含むポップアップウィンドウとをGUI画面に重畳して出力する。
【0010】
(2)上記(1)の選択部は、取得した色情報が示す色と同系色を、シェード画像の色に選択してもよい。
【0011】
(3)本開示の一態様である表示制御方法は、GUI画面を表示する表示部に、GUI画面をグレイアウトする半透明のシェード画像と、ポップアップウィンドウとを重畳して出力する表示制御方法である。表示制御方法は、ポップアップウィンドウ内に表示するポップアップ情報を取得し、GUI画面の背景色を示す色情報を取得し、取得した色情報に基いて、シェード画像の色を選択し、選択した色のシェード画像と、ポップアップ情報を含むポップアップウィンドウとをGUI画面に重畳して出力する。
【0012】
(4)本開示の一態様であるプログラムは、GUI画面を表示する表示部に、GUI画面をグレイアウトする半透明のシェード画像と、ポップアップウィンドウとを重畳して出力させる表示制御処理をコンピューターに実行させるプログラムである。表示制御処理は、ポップアップウィンドウ内に表示するポップアップ情報を取得するステップと、GUI画面の背景色を示す色情報を取得するステップと、取得した色情報に基いて、シェード画像の色を選択するステップと、選択した色のシェード画像と、ポップアップ情報を含むポップアップウィンドウとをGUI画面に重畳して出力するステップとを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明を用いれば、より見やすいPUWの表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】情報処理装置1の構成の一例を示す図である。
図2】情報処理装置1の動作フローの一例を示す図である。
図3】背景が黒色のGUI画面の一例を示す図である。
図4】黒色のシェード画像及びPUWの一例を示す図である。
図5】背景が黒色のGUI画面に黒色のシェード画像及びPUWを重畳した画面の一例を示す図である。
図6】背景が白色のGUI画面の一例を示す図である。
図7】背景が白色のGUI画面に黒色のシェード画像及びPUWを重畳した画面の一例を示す図である。
図8】白色のシェード画像及びPUWの一例を示す図である。
図9】背景が白色のGUI画面に白色のシェード画像及びPUWを重畳した画面の一例を示す図である。
図10】背景が白系色のGUI画面(地図)の一例を示す図である。
図11】白色のシェード画像及びPUWの一例を示す図である。
図12】背景が白系色のGUI画面(地図)に白色のシェード画像及びPUWを重畳した画面の一例を示す図である。
図13】背景が黒色のGUI画面(地図)の一例を示す図である。
図14】黒色のシェード画像及びPUWの一例を示す図である。
図15】背景が黒色のGUI画面に黒色のシェード画像及びPUWを重畳した画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0016】
[第1実施形態]
本発明に係る第1実施形態は、スマートフォン等の情報処理装置1に本発明を適用した実施形態である。
【0017】
[構成]
第1実施形態に係る情報処理装置1の構成は、図1に示すように、通信部2、アプリ部3、記憶部4、PUセンター5、表示制御部9、タッチパネルディスプレイ10を備える。PUセンター5は、PU情報取得部6、色情報取得部7、選択部8を含む。タッチパネルディスプレイ10は、表示部11、入力部12、色情報格納部13を含む。
【0018】
情報処理装置1は、図示していないが、ハードウェアとして、CPU(Centoral Processing Unit)を備えたコンピューターである。記憶部4には、アプリや後述する表示制御処理をCPUに実行させるための各種プログラムが記憶されている。CPUは、記憶部4に記憶されている各種プログラムを実行することにより、図1に示すアプリ部3、PUセンター5、表示制御部9として動作する。
【0019】
通信部2は、インターネットに接続して、外部サーバからPU情報の元となる情報を受信する機能を有する。外部サーバから受信する元情報としては、例えば、情報処理装置1のOS又はアプリのアップデート情報、メールまたはメッセージ情報、緊急情報等である。
【0020】
アプリ部3は、記憶部4に記憶されているOS(Operating System)とアプリをCPUが実行することで様々な機能を実現する。アプリ部3は、例えば、ウェブサイトを閲覧するためのブラウザアプリ、メールの送受信、メール作成、及びメール内容の表示機能を備えたメールアプリ、ゲームアプリ、ナビゲーションアプリ、音楽再生アプリ、動画再生アプリ、表示画面の輝度設定、背景画像の設定等をユーザから受け付ける設定アプリをOS上で実行する。
【0021】
アプリ部3は、OS上で複数のアプリを実行して複数の機能を同時に実現することができる。例えば、音楽再生アプリを実行して、音楽を再生しながら、設定アプリを実行して、画面の輝度設定をすることができる。
【0022】
アプリ部3はアプリを実行すると、GUI画面及びPU情報を生成する。例えば、アプリ部3がメールアプリを実行する場合、メールを閲覧するためのGUI画面を生成し、メールを受信するとメールを受信した旨のPU情報を生成する。例えば、アプリのアップデートの通知を外部サーバから受信した場合、アプリのアップデートを開始する旨のPU情報を生成する。
【0023】
アプリ部3は、表示部11に表示しているGUI画面の背景色を示す色情報を色情報格納部13に登録する。例えば、実行中のアプリをユーザが停止する操作を行うことで、ホーム画面が表示された場合、ホーム画面の背景色を示す色情報が色情報格納部13に登録される。
【0024】
PUセンター5は、アプリ部3からPU情報を取得して、PU情報を含むPUWを生成する機能を有する。PU情報取得部6は、アプリ部3が生成したPU情報を取得する。色情報取得部7は、色情報格納部13から色情報を取得する。色情報は、RGBカラーで表現された3バイトの情報である。選択部8は、色情報取得部7が取得した色情報に基いて、表示中のGUI画面をグレイアウトする半透明のシェード画像の色を選択する機能を有する。
【0025】
表示制御部9は、PUセンター5が生成したPUWを、アプリ部3が生成するGUI画面に重畳して表示部11に出力する機能を有する。
【0026】
タッチパネルディスプレイ10は、アプリ部3が生成したGUI画面を表示し、ユーザの指がGUI画面をタッチすることで、そのタッチした位置を検出してユーザの指示を受け付ける機能を有する。タッチパネルディスプレイ10は、表示部11と入力部12で構成される。表示部11は表示制御部9の制御に基いて情報を画面に出力する。入力部11は、表示部10が出力した画面に対して、ユーザがタッチ操作を行った場合、検出して位置に対応する情報への指示入力として受け付ける。
【0027】
[情報処理装置1の動作]
図2に示す表示制御処理フローを説明する。なお、図2に示す記号「S」はステップを意味する。
【0028】
PU情報取得部6は、アプリ部3がPU情報を生成すると、アプリ部3からPU情報を取得し(S1:Yes)、色情報取得部7は、表示部11に表示中のGUI画面の背景色を示す色情報を色情報格納部13から取得する(S2)。
【0029】
選択部8は、取得した色情報に基いてシェード画像の色を選択する(S3)。
【0030】
表示制御部9は、取得したPU情報を含むPUWとシェード画像をGUI画面に重畳して表示部11に出力する(S4)。S4の処理の後、S1の処理に戻る。
【0031】
[第1PUWの具体例]
図3図9を用いて、第1実施形態の表示制御処理において出力されるPUW(以下、「第1PUW」という)の具体例を説明する。図3に示すように、第1GUI画面50が表示部11に出力されている。
【0032】
第1GUI画面50は、ホーム画面である。第1GUI画面50には、ユーザがインストールした地図アプリアイコン51、設定アプリアイコン52、電話アプリアイコン53、カレンダーアプリアイコン54、音楽再生アプリアイコン55、天気予報アプリアイコン56、動画再生アプリアイコン57、メールアプリアイコン58が含まれる。ホーム画面の背景色は黒色である。
【0033】
ここで、通信部2が外部サーバから地図アプリのアップデートの通知を受信した場合、アプリ部3は、地図アプリのアップデートの通知に関するPU情報を生成する。生成したPU情報をPU情報取得部6が取得すると、色情報取得部7は、表示中の第1GUI画面50の色情報を色情報格納部13から取得する。
【0034】
第1GUI画面50の背景色は黒色なので、色情報取得部7が取得した色情報は、RGBカラーで黒を示す(0:0:0)である。選択部8は、取得した色情報に基いてシェード画像の色を選択する。この場合、色は黒であることから、シェード画像の色として黒を選択する。図4は、黒色の半透明の第1シェード画像60に第1PUW70を重ねて表示した一例である。
【0035】
図5は、図3に示す第1GUI画面50に図4に示す第1シェード画像60と第1PUW70を重畳して表示部11に出力した一例を示す。背景となる第1GUI画面50の色合いは、第1シェード画像60により、黒色の度合いが深まることで、各アイコンの表示は不鮮明になる。一方、第1PUW70は、第1GUI画面50の黒色の度合いが増すことで、コントラストがはっきりした見易い表示となる。
【0036】
次に、図6に示すように、背景色が白色のホーム画面である第2GUI画面80に、第1PUW70を重畳して出力する場合について説明する。背景色が白色の第2GUI画面80に、図4に示す黒色の第1シェード画像60と第1PUW70を重畳すると、図7に示す第2GUI画面80の色合いの表示になる。
【0037】
図7に示す第2GUI画面80の色合いは、背景色の白と第1シェード画像60の半透明の黒色が混ざることで灰色の色合いとなる。これにより、第1PUW70の背景色の灰色と、第2GUI画面80の背景色が近い色になるため、第1PUW70が際立たず、見辛い表示となる。
【0038】
そこで、図8に示すように、図6の第2GUI画面80の背景色と同じ白色の第2シェード画像90を用いて第2GUI画面80に重畳すると、図9に示す第2GUI画面80の色合いの表示になる。図7に示す第1PUW70よりも図9に示す第1PUW70の方が、背景色とのコントラストがはっきりするため、より見やすい第1PUW70の表示を実現することができる。
【0039】
[第2実施形態]
本発明に係る第2実施形態は、車両に搭載された車載装置に本発明を適用した実施形態である。車載装置の構成は、第1実施形態で説明した情報処理装置1と同様の構成であり、表示制御処理フローも同様であるため、説明を省略する。
【0040】
従来から車載装置である情報処理装置1は、車両の位置を示す地図をGUI画面として出力し、昼間は白系色で地図を表示し、夜間やトンネルに車両が入った場合は黒系色で地図を表示している。そして、地図を表示中に、情報処理装置1は、走行中の道路の渋滞情報や地震、津波等の緊急情報を受信するとPUWをGUI画面(地図)に重畳して出力し、ユーザにこれらの情報を通知することがある。以下、第2実施形態のPUW(以下、「第2PUW」という)の具体例について説明する。
【0041】
[第2PUWの具体例]
図10図15を用いて、第2実施形態の表示制御処理において出力される第2PUW120の具体例を説明する。図10に示すように、第3GUI画面100が表示部11に出力されている。
【0042】
第3GUI画面100には、現在地周辺の地図と、地図の拡大縮小、渋滞情報の通知等を選択する選択ボタンアイコン131が表示されている。地図の色は白系色である。
【0043】
ここで、通信部2が外部サーバから緊急情報の通知を受信した場合、アプリ部3は、緊急情報の通知に関するPU情報を生成する。生成したPU情報をPU情報取得部6が取得すると、色情報取得部7は、表示中の第3GUI画面100の色情報を色情報格納部13から取得する。
【0044】
第3GUI画面100の背景色は白系色なので、色情報取得部7が取得した色情報は、RGBカラーで白を示す(255:255:255)である。選択部8は、取得した色情報に基いてシェード画像の色を選択する。この場合、色は白であることから、シェード画像の色として白を選択する。図11は、白色の半透明の第3シェード画像110に第2PUW120を重ねて表示した一例である。
【0045】
図12は、図10に示す第3GUI画面100に図11に示す第3シェード画像110と第2PUW120を重畳して表示部11に出力した一例を示す。背景となる第3GUI画面100の色合いは、第3シェード画像110により、白色の度合いが深まることで、各アイコンの表示は不鮮明になる。
【0046】
一方、第2PUW120は、第3GUI画面100の白色の度合いが増すことで、コントラストがはっきりして見易い表示となる。
【0047】
続いて、図13に示すように、車両がトンネルに入ることで地図の色が反転して黒系色に変化した場合、色情報取得部7は、表示中の第4GUI画面130の色情報を色情報格納部13から取得する。
【0048】
第4GUI画面130の背景色は黒色なので、色情報取得部7が取得した色情報は、RGBカラーで黒を示す(0:0:0)である。選択部8は、取得した色情報に基いてシェード画像の色を選択する。この場合、色は黒であることから、シェード画像の色として黒を選択する。図14は、黒色の半透明の第4シェード画像140に第2PUW120を重ねて表示した一例である。
【0049】
図15は、図13に示す第4GUI画面130に図14に示す第4シェード画像140と第2PUW120を重畳して表示部11に出力した一例を示す。背景となる第4GUI画面130の色合いは、第4シェード画像140により、黒色の度合いが深まることで、各アイコンの表示は不鮮明になる。一方、第2PUW120は、第4GUI画面130の黒色の度合いが増すことで、コントラストがはっきりした見易い表示となる。
【0050】
このように、本発明を適用すれば、背景となるGUI画面の背景色が変化する場合であっても、その背景色に対応した色のシェード画像を選択することで、より見やすい第2PUW120の表示を実現することができる。
【0051】
以上、各実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、上記の実施形態の各種変形形態および代替形態を包含するものとして理解されるべきである。例えば、本発明の趣旨および範囲を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化したものや、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせた実施形態や、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除して、または実施形態に示される構成要素にいくつかの構成要素を追加した実施形態も含まれる。
【0052】
上記の各実施形態では、GUI画面の背景色が、黒色、白色の場合について説明したが、青色、赤色等、様々な色であっても本発明を適用することでPUWを見易くすることができる。シェード画像の色は、背景となるGUI画面の背景色に基いて選択するが、同系色よりもPUWが見易くなる色を選択することも可能である。
【0053】
色情報には輝度を含んでいてもよく、背景となるGUI画面の背景色の輝度が高い場合、シェード画像の透明度を低くして輝度を落とすようにしてもよい。背景色が、パターン画像、グラデーション画像、写真画像である場合、その画像に含まれる色のうち、最も多い割合の色を背景色と判断する手段を備えていても良い。
【0054】
本発明は、例えば、施設等の管理システム、エレベーター、遠隔操作システム(例えば、ドローンの遠隔操作システム等)等、装置またはシステム内に設けられた表示部の表示制御に適用することもできる。
【0055】
本発明は、情報処理装置1として実現する他、ポップアップ情報の表示制御方法であってもよく、コンピューターにポップアップ情報の表示制御処理を実行させるプログラム、係るプログラムを記憶した記憶媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 情報処理装置
2 通信部
3 アプリ部
4 記憶部
5 PUセンター
6 PU情報取得部
7 色情報取得部
8 選択部
9 表示制御部
10 タッチパネルディスプレイ
11 表示部
12 入力部
50 第1GUI画面
60 第1シェード画像
70 第1PUW
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15