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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076874
(43)【公開日】2023-06-05
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20230529BHJP
【FI】
A63F5/04 651
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189870
(22)【出願日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴之
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518AC12
2C518CA03
2C518EA03
2C518EB07
2C518EB11
(57)【要約】
【課題】遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供する。
【解決手段】リール20a~20cと、内部抽選を行う内部抽選手段42と、遊技開始操作に基づいてリール20a~20cを回転させ、停止操作に基づいて内部抽選の結果に応じた態様でリール20a~20cを停止させる制御を行うリール制御手段43と、演出を制御する演出制御手段100と、を備え、演出には、特典の付与に関する演出として、特定演出と、低期待度演出と、が含まれ、特定演出は、低期待度演出に比べ、特典の付与に関する所定の期待度が高く、演出制御手段100は、遊技開始操作を契機として低期待度演出を開始させることと、遊技開始操作を契機として特定演出を開始させることと、遊技開始操作を契機として低期待度演出を開始させた後に、低期待度演出から特定演出に切り替えることと、が可能である。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
遊技開始操作に基づいて前記リールを回転させ、停止操作に基づいて前記内部抽選の結果に応じた態様で前記リールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出には、特典の付与に関する演出として、特定演出と、低期待度演出と、が含まれ、
前記特定演出は、前記低期待度演出に比べ、特典の付与に関する所定の期待度が高く、
前記演出制御手段は、
前記遊技開始操作を契機として前記低期待度演出を開始させることと、
前記遊技開始操作を契機として前記特定演出を開始させることと、
前記遊技開始操作を契機として前記低期待度演出を開始させた後に、前記低期待度演出から前記特定演出に切り替えることと、が可能であることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から遊技機として、外周面に複数の図柄が配列されたリールを複数備えたスロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技開始に伴ってリールが回転を開始するとともに、抽選テーブルを用いた内部抽選が行われる。また、リールが停止したときに内部抽選に当選した当選役に対応する図柄組合せが複数のリールによって表示されて、この当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、例えば、メダル(遊技価値)を払い出すメダル払出処理やメダルを新たに消費することなく再度の遊技を可能とする再遊技処理等が行われる。
【0003】
また、スロットマシンとして、特定役の入賞を補助する指示機能を有するものが知られている。この種の遊技機では、いわゆるAT演出状態(アシストタイム演出状態:指示演出状態)等において指示機能が作動し、特定役を入賞させるための打順等が報知されることにより、遊技者が当該特定役を入賞させることが容易となる。
【0004】
また、この種の遊技機では、所定契機でAT演出状態の継続期間の延長に係る特典等の所定の特典が付与される場合がある(例えば、特許文献1)。そして、特典が付与される場合には、特典の付与に関する演出が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-139626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、遊技機では、遊技の興趣を向上させることが求められている。
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の遊技機は、
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
遊技開始操作に基づいて前記リールを回転させ、停止操作に基づいて前記内部抽選の結果に応じた態様で前記リールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出には、特典の付与に関する演出として、特定演出と、低期待度演出と、が含まれ、
前記特定演出は、前記低期待度演出に比べ、特典の付与に関する所定の期待度が高く、
前記演出制御手段は、
前記遊技開始操作を契機として前記低期待度演出を開始させることと、
前記遊技開始操作を契機として前記特定演出を開始させることと、
前記遊技開始操作を契機として前記低期待度演出を開始させた後に、前記低期待度演出から前記特定演出に切り替えることと、が可能であることを特徴とする。
【0009】
特典の付与に関する演出として、特典の付与に関する所定の期待度が低い演出が用意されている場合、当該演出がされた時点で特典の付与に対する期待が持てなくなり、遊技者の意欲が削がれてしまうおそれがある。本発明によれば、低期待度演出が開始された後に特典の付与に関する期待度の高い特定演出に切り替わる可能性があるので、低期待度演出によって遊技者の意欲が削がれてしまうことが防止でき、遊技の興趣を向上させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の遊技機によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
図2】同、リールの図柄配列を示す図である。
図3】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
図4】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
図5】同、各当選エリアの当選時における停止操作の態様と入賞役との関係を説明するための図である。
図6】同、入賞役と図柄組合せとの関係を説明するための図である。
図7】同、入賞役と図柄組合せとの関係を説明するための図である。
図8】同、遊技状態の状態遷移図である。
図9】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
図10】同、上乗せに係る各演出の開始契機を説明するための図である。
図11】同、狙え演出における各種表示の表示タイミングを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機やメダルレス遊技機等の他の遊技機に適用されてもよい。
図1に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダル(遊技価値)の払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
【0013】
上扉12aには、液晶ディスプレイ(表示手段)13、スピーカ(音出力手段)14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイ13やスピーカ14の他にランプ(LED)などの電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けてもよい。
【0014】
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cは、外周面が一定の間隔で20コマ(20の領域)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配置されている。換言すると、各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されている。また、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態では、第1リール20aの下段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの上段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施形態では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定数)が、3枚に設定されており、規定数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
【0015】
各リール20a~20cの外周面には、図2に示すように、白7図柄「白7」、紫7図柄A「紫7A」、紫7図柄B「紫7B」、紫7図柄C「紫7C」、紫7図柄D「紫7D」、黄7図柄「黄7」、赤7図柄「赤7」、黒BAR図柄「黒BAR」、赤BAR図柄「赤BAR」およびブランク図柄「BK」、の各図柄が配列されている。また、各リール20a~20cの各図柄には、図柄番号0~19が対応付けられている。
【0016】
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0017】
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17および有利区間表示器18が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、有利区間表示器18はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっている。
【0018】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(図3参照)が設けられている。
【0019】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
【0020】
また、下扉12bには、演出ボタン(演出操作手段)25が設けられている。演出ボタン25は、遊技者によって押下操作されるものであり、押下されることで液晶ディスプレイ13に表示される演出画像の態様を変化させ、遊技者に対して遊技への参加意識を高めるとともに、興趣を高めるようにしたものである。なお、演出ボタン(演出操作手段)25は、ボタン状でなくてもよく、遊技者の操作を検知可能なものであればよい。
【0021】
図3に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御装置)31と、サブ制御基板(副制御装置)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号や演出ボタン25等の入力手段からの入力信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
【0022】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0023】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
【0024】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段70へ指示を出す。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
【0025】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0026】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0027】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0028】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態では、後述するように、遊技状態として、一般中状態、RBB内部中状態およびRBB作動中状態が設定可能とされ、設定値として、設定1~設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞(作動)することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0029】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、図4に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
【0030】
図4に示すように、本実施形態では、小役として、小役1~小役33が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」、「1枚ALL」、「4択黄7A」~「4択黄7H」、「4択3枚A」~「4択3枚D」、「目押し打順A」~「目押し打順D」、「共通3枚A」、「共通3枚B」、「チャンス目A」、「チャンス目B」、「右上がり黄7」、「中段黄7」、「黒BAR揃い」および「共通1枚」が用意されている。また、小役1~小役3は入賞すると15枚のメダルが払い出される15枚役となっている。また、小役4~小役8は入賞すると8枚のメダルが払い出される8枚役となっている。また、小役9~小役14は入賞すると3枚のメダルが払い出される3枚役となっている。また、小役15~小役33は入賞すると1枚のメダルが払い出される1枚役となっている。
なお、以下では、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」をまとめて「4択黄7」と呼ぶことがある。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」をまとめて「4択3枚役」と呼ぶことがある。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」をまとめて「目押し打順役」と呼ぶことがある。なお、本実施形態においては、基本的に打順ベルとは4択黄7の当選エリアのことを指すが、打順ベルは4択3枚役の当選エリア等を指すものであってもよい。
【0031】
当選エリア「小役ALL」は、全ての小役(小役1~小役33)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「8枚ALL」は、小役4~小役33が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「3枚ALL」は、小役9~小役33が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚ALL」は、小役15~小役33が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」は、1種類の8枚役と複数種類の1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、1種類の3枚役と複数種類の1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、15枚役と複数種類の1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通3枚A」は、複数種類の3枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通3枚B」は、複数種類の3枚役と1種類の1枚役(小役25)とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目A」は、3枚役(小役11)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目B」は、複数種類の3枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「右上がり黄7」は、8枚役(小役6)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「中段黄7」は、8枚役(小役4)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「黒BAR揃い」は、複数種類の8枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通1枚」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。
【0032】
また、本実施形態では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ6が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして「リプレイA」、「リプレイB」、「打順7揃いリプ」、「中段リプレイ」、「赤7フェイクリプ」、「赤7揃い」および「BAR揃い」が用意されている。
【0033】
当選エリア「リプレイA」、「リプレイB」、「打順7揃いリプ」、「赤7揃い」および「BAR揃い」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「中段リプレイ」および「赤7フェイクリプレイ」は、1種類のリプレイが単独で当選する当選エリアとなっている。
【0034】
また、本実施形態では、ボーナスとして、ビッグボーナス(RBB:特別役)が用意されている。また、ボーナスが対応付けられた当選エリアとして、ビッグボーナスが単独で当選する当選エリア「RBB」が用意されていると共に、当選エリア「赤7揃い」、「BAR揃い」、「黒BAR揃い」および「共通1枚」はビッグボーナスが重複して当選するように設定されている。また、当選エリア「赤7揃い」、「BAR揃い」、「黒BAR揃い」および「共通1枚」は、遊技状態が一般中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選する一方、遊技状態がRBB内部中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選しないようにとなっている。
なお、本実施形態では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、これ以外のボーナスを用いてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。
【0035】
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
【0036】
各当選エリアは、遊技状態に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。さらに換言すると、各遊技状態においては、各遊技状態において当選し得る当選エリアが抽選対象に含まれる内部抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
図4では、各遊技状態において各当選エリアが当選し得るか否かを「〇」印によって示している。すなわち、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」および「1枚ALL」は、遊技状態がRBB作動中状態の場合に当選し、一般中状態またはRBB内部中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「リプレイA」、「リプレイB」、「打順7揃いリプ」、「中段リプレイ」、「赤7フェイクリプ」、「4択黄7A」~「4択黄7H」、「4択3枚A」~「4択3枚D」、「目押し打順A」~「目押し打順D」、「共通3枚A」、「共通3枚B」、「チャンス目A」、「チャンス目B」、「右上がり黄7」、「中段黄7」、「赤7揃い」、「BAR揃い」、「黒BAR揃い」および「共通1枚」は、遊技状態が一般中状態またはRBB内部中状態の場合に当選し、RBB作動中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「RBB」は、遊技状態が一般中状態の場合に当選し、RBB内部中状態またはRBB作動中状態では当選しないようになっている。
【0037】
また、本実施形態では、一般中状態とRBB内部中状態とで小役の当選確率が同一となっている。また、RBB作動中状態ではリプレイに当選しないようになっている。換言すると、一般中状態およびRBB内部中状態では、RBB作動中状態よりもリプレイの当選確率が高くなっている。
【0038】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0039】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナスがある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0040】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0041】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっており、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0042】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
【0043】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が一般中状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が非有利区間演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段72のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
【0044】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0045】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0046】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0047】
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。また、「打順1」と「打順2」とをまとめて「左押し」と呼び、「打順3」と「打順4」とをまとめて「中押し」と呼び、「打順5」と「打順6」とをまとめて「右押し」と呼ぶ。また、「中押し」と「右押し」とをまとめて「変則押し」と呼ぶことがある。
【0048】
また、本実施形態では、第1リール20a~第3リール20cについて、ストップボタン26a~26cが操作された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。また、各ストップボタン26a~26cの操作時点から各リール20a~20cが停止するまでに最大で4コマ分(4図柄分)リールが回転可能となっている。そして、リール制御手段43は、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cの外周面上において、当選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が、停止操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ~4コマの範囲(所定の引き込み範囲)内に位置する場合に、当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上に表示されるように、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cを停止させる制御を行う。換言すると、リール制御手段43は、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cを、停止操作が行われた時点で有効ライン上に位置している図柄から4個隣にある図柄までのいずれかの図柄が有効ライン上に表示されるように停止させる。
【0049】
また、ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0050】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める方法(個数優先制御)と、メダルの払出数に応じて優先順位を求める方法(枚数優先制御)とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める個数優先制御を実行する場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置(図柄)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める枚数優先制御を実行する場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。なお、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0051】
図5は、RBB内部中状態において各当選エリアが当選した場合の、停止操作の態様と入賞する役との関係を示したものである。
図5に示すように、4択黄7には、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。4択黄7の各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると8枚役(正解役)が入賞するようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役(不正解役)が入賞し得るようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの4択黄7が当選した場合に、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役4~小役7を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役15、小役17~小役28、小役31を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0052】
各4択黄7の正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7D」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されており、当選エリア「4択黄7E」~「4択黄7H」は互いに異なる打順が正解打順に設定されている。また、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7D」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は、不正解打順に設定されている。また、当選エリア「4択黄7E」~「4択黄7H」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は、不正解打順に設定されている。
【0053】
なお、図5における括弧書きの内容は、その打順で停止操作が行われた場合における、1枚役の入賞率を示している。例えば、「1枚(1/2)」という表記は、1/2の確率で1枚役が入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。また、「1枚(1/4)」という表記は、1/4の確率で1枚役が入賞し、3/4の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。
【0054】
当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」は、正解打順で操作がされると、8枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」は、不正解打順で操作がされると、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0055】
また、4択黄7の各当選エリアは、一般中状態において当選したときには、RBB内部中状態であれば8枚役が入賞する打順(正解打順)で停止操作がされても8枚役は入賞せず、1枚役が1/2の確率で入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ようになっている。
【0056】
図5に示すように、4択3枚役には、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。4択3枚役の各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると3枚役(正解役)が入賞するようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役(不正解役)が入賞するようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの4択3枚役が当選した場合に、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役9~小役10を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役15~小役28、小役31を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0057】
各4択3枚役の正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されている。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は不正解打順に設定されている。
【0058】
当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、正解打順で操作がされると、3枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、不正解打順で操作がされると、1枚役が入賞するようになっている。
【0059】
また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、一般中状態において当選したときには、正解打順で操作がされると3枚役が入賞し、不正解打順で操作がされると1枚役が入賞するようになっている。一般中状態における当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」の正解打順は2通りに定められており、他の4通りの打順は不正解打順とされている。また、一般中状態における当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、打順3から打順6のうちのいずれか2通りが正解打順に設定されており、打順1および打順2は不正解打順に設定されている。具体的には、一般中状態における当選エリア「4択3枚A」および「4択3枚B」は、打順3および打順4が正解打順に設定され、打順1、打順2、打順5および打順6が不正解打順に設定されている。また、一般中状態における当選エリア「4択3枚C」および「4択3枚D」は、打順5および打順6が正解打順に設定され、打順1~打順4が不正解打順に設定されている。すなわち、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、一般中状態の方がRBB内部中状態に比べ正解打順の数が多く設定されており、当選した場合に3枚役を入賞させることができる確率(メダルの獲得に対する期待値)が高くされている。
【0060】
図5に示すように、目押し打順役には、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。目押し打順役の各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると15枚役(正解役)が入賞し得るようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役(不正解役)が入賞するようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの目押し打順役が当選した場合に、正解停止操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、小役1~3を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解停止操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、小役15~小役20、小役22、小役31~小役33を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0061】
各目押し打順役の正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されている。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は、不正解打順に設定されている。
【0062】
当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、正解打順で操作がされ、かつ、所定のタイミング(第1所定タイミング)で所定の停止操作がされた場合、15枚役が入賞するようになっている。第1所定タイミングで所定の停止操作がされた場合とは、例えば、最初に停止されるリール20a~20cにおける特定図柄(例えば赤BAR図柄「赤BAR」)が含まれる所定範囲内の図柄が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合、としてもよい。換言すると、正解打順で操作をし、かつ、特定図柄を狙って第1停止操作を行うことで、15枚役を入賞させることが可能となっている。
また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、不正解打順で操作がされた場合、および、正解打順で操作がされ、かつ所定のタイミング(第2所定タイミング)で所定の停止操作がされた場合、1枚役が入賞するようになっている。第2所定タイミングで所定の停止操作がされた場合とは、例えば、最初に停止されるリール20a~20cにおける前記特定図柄が含まれない所定範囲内の図柄が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合、としてもよい。
【0063】
4択黄7は、当選した場合に正解打順で操作がされると8枚役が入賞する当選エリアとなっており、目押し打順役は、当選した場合に正解打順で操作がされ、かつ、所定のタイミング(第1所定タイミング)で所定の停止操作がされると15枚役が入賞する当選エリアとなっている。本実施形態では、当選した場合に払い出され得るメダル枚数が4択黄7よりも多い当選エリアとして目押し打順役が設けられている。
【0064】
また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、一般中状態において当選したときには、正解打順で操作がされ、かつ、所定のタイミング(第1所定タイミング)で所定の停止操作がされた場合、15枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、一般中状態において当選したときには、不正解打順で操作がされた場合、および、正解打順で操作がされ、かつ所定のタイミング(第2所定タイミング)で所定の停止操作がされた場合、1枚役が入賞するようになっている。一般中状態における当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」の正解打順は2通りに定められており、他の4通りの打順は不正解打順とされている。一般中状態における当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、打順3から打順6のうちのいずれか2通りが正解打順に設定されており、打順1および打順2は不正解打順に設定されている。具体的には、当選エリア「目押し打順A」および「目押し打順順B」は、打順3および打順4が正解打順に設定され、打順1、打順2、打順5および打順6が不正解打順に設定されている。当選エリア「目押し打順C」および「目押し打順D」は、打順5および打順6が正解打順に設定され、打順1~打順4が不正解打順に設定されている。すなわち、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、一般中状態の方がRBB内部中状態に比べ正解打順の数が多く設定されており、当選した場合に15枚役を入賞させることができる確率(メダルの獲得に対する期待値)が高くされている。
【0065】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。本実施形態における有効ライン上に表示される図柄組合せと入賞となる役との対応関係を図6図7に示す。図6図7に示すように、例えば、第1リール20aの下段に黒BAR図柄「黒BAR」が停止し、第2リール20bの中段に赤7図柄「赤7」または白7図柄「白7」が停止し、第3リール20cの上段に黄7図柄「黄7」が停止した場合には、小役1が入賞となる。
【0066】
メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞(作動)した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞(作動)した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0067】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
【0068】
本実施形態では、小役1~小役3に入賞すると15枚のメダルが払い出され、小役4~小役8に入賞すると8枚のメダルが払い出され、小役9~小役14に入賞すると3枚のメダルが払い出され、小役15~小役33に入賞すると1枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0069】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0070】
遊技状態制御手段49は、図8に示すように、一般中状態、RBB内部中状態(ボーナス成立状態)およびRBB作動中状態(ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0071】
また上述のように、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、一般中状態では、ビッグボーナスが抽選対象に設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB作動中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。
【0072】
遊技状態は、初期状態においては、一般中状態となっている。一般中状態においては、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」および「1枚ALL」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、一般中状態からはRBB内部中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、一般中状態においてビッグボーナスが当選した場合に、遊技状態をRBB内部中状態へ移行させる。
【0073】
RBB内部中状態は、内部抽選でビッグボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。RBB内部中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」、「1枚ALL」および「RBB」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB内部中状態からRBB作動中状態へ移行させる。
【0074】
RBB作動中状態は、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RBB作動中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」および「1枚ALL」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB作動中状態では、RBB作動中状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB作動中状態を終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、RBB作動中状態の終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、RBB作動中状態での遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。またRBB作動中状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
【0075】
図3に示すように、指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82と、を備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において特定の役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、例えば4択黄7が当選した場合に、正解打順を報知して8枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。指示機能制御手段51が打順ナビ演出を行うと決定すると、演出制御手段100が、打順ナビ演出を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させるようになっている。なお、打順ナビ演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器にも正解打順を示す情報が表示される。
【0076】
遊技区間制御手段80は、図9に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典付与手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。また、有利区間は、遊技を行うことが可能な回数に上限値(ここでは、1500回とする)が設けられた遊技区間となっている。また、遊技区間が非有利区間に設定されている状態では指示演出を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限り指示演出を行うことができるようになっている。遊技区間制御手段80は、有利区間において遊技を行った回数が上限値である1500回に達すると有利区間を終了させ、遊技区間を非有利区間へ移行させる。
【0077】
特典付与手段82は、非有利区間においては、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、内部抽選の結果(所定の役(当選エリア)の当選)に基づいて、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
【0078】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に1回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「1500」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が1500回に設定されており、有利区間において1500回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
【0079】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ64の記憶値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、8枚のメダルの払い出しがあった場合には「8」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0080】
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。
なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0081】
演出状態制御手段81は、図9に示すように、非有利区間演出状態、非AT演出状態、およびAT演出状態(指示演出状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。また、AT演出状態には、通常AT演出状態および特別AT演出状態が含まれる。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0082】
非有利区間演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態(非有利区間)においては、上述のように特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を非AT演出状態に移行させる。
【0083】
非AT演出状態は、有利区間が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、有利区間の開始時については、非AT演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。また、非AT演出状態は、AT演出状態に比べ、打順ナビ演出が実行される頻度が低く、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。
【0084】
また、非AT演出状態においては、特典付与手段82は、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(AT抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、例えば、非AT演出状態において(非AT演出状態における所定期間において)、内部抽選の結果(例えば所定の役(当選エリア)の当選)に応じて、AT抽選を行う。そして、AT抽選に基づいてAT演出状態への移行が決定されると演出状態制御手段81は演出状態をAT演出状態(例えば特別AT演出状態)へ移行させる。
【0085】
AT演出状態においては、指示機能制御手段51は、打順ベルが当選すると、正解打順を報知する打順ナビ演出の実行を決定する。また、打順ナビ演出の実行が決定されると演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13に正解打順を表示させる。なお、本実施形態では、通常AT演出状態および特別AT演出状態のいずれの演出状態においても、打順ベルが当選した際に、打順ナビ演出が実行されるようになっているが、特別AT演出状態における打順ナビ演出の発生頻度を、通常AT演出状態よりも低くしてもよく高くしてもよい。なお、ここで、頻度が低いとは打順ナビ演出が全く行われない場合を含む。
【0086】
AT演出状態の継続は、記憶手段60のRAMに設けられたAT終了判定カウンタ67の記憶値に基づいて管理されている。指示機能制御手段51は、AT演出状態の開始時に移行する特別AT演出状態において、AT終了判定カウンタ67に設定する値を決定する。換言すると、特典付与手段82は、特別AT演出状態において、AT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させる上乗せを実行する。さらに換言すると、特別AT演出状態は、AT演出状態の継続に係る値(AT終了判定カウンタ67の記憶値)の初期値を決定する演出状態となっている。特別AT演出状態が終了すると、演出状態制御手段81は演出状態を通常AT演出状態へ移行させる。なお、AT演出状態の開始時に特別AT演出状態を経由しない場合があってもよい。なお、特典付与手段82は、特別AT演出状態以外の演出状態において、AT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させる上乗せを実行しても良い。
【0087】
また、演出状態制御手段81は、通常AT演出状態において、1回の遊技が実行される毎に1回分の遊技に相当する値「1」をAT終了判定カウンタ67の記憶値から減算する更新処理を行う。そして、演出状態制御手段81は、通常AT演出状態においてAT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値「0」に達すると、AT演出状態の終了条件(終了条件のうちの1つ)が成立したとして、演出状態を通常AT演出状態から非有利区間演出状態へ移行させる。また、このとき、遊技区間制御手段80は、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、本実施形態では、AT演出状態(通常AT演出状態)において実行された遊技の回数が所定回数(特別AT演出状態で設定された回数)に達したことに基づいて、AT演出状態が終了するようになっている。
なお、通常AT演出状態においてAT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値「0」に達した際に、特別AT演出状態への移行の権利を有している場合には、演出状態制御手段81は、演出状態を特別AT演出状態へ移行させる。なお、特別AT演出状態への移行の権利は、例えば、AT演出状態において行われる所定の抽選等に基づいて特典付与手段82が付与することとしてもよい。
【0088】
なお、本実施形態では、AT演出状態の継続を、AT演出状態における遊技回数に基づいて管理しているが、例えば、AT演出状態において獲得したメダルの枚数(差枚数等)や打順ナビ演出の回数等に基づいて管理してもよい。すなわち、AT終了判定カウンタ67の記憶値が、AT演出状態において実行可能な遊技の回数(AT遊技回数)を表すものとしてもよく、AT演出状態において獲得可能なメダルの枚数や、AT演出状態において実行可能な打順ナビ演出の回数(打順ナビ回数)等を表すものとしてもよい。換言すると、特別AT演出状態において、AT終了判定カウンタ67に獲得可能なメダルの枚数や実行可能な打順ナビ回数等に相当する値を設定するとともに、通常AT演出状態において、メダルの払出に応じてあるいは打順ナビ演出が行われる毎にAT終了判定カウンタ67の記憶値を更新し、AT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値に達したことに基づいて、AT演出状態を終了させることとしてもよい。
【0089】
なお、非有利区間演出状態からAT演出状態へ直接移行することがあるようにしてもよい。例えば、有利区間移行抽選において、単に有利区間(非AT演出状態)への移行の可否を決定するのではなく、演出状態をAT演出状態に移行させるか、非AT演出状態に移行させるか、それとも非有利区間演出状態のまま移行させないか抽選することとしてもよい。換言すると、AT抽選を非有利区間演出状態において行ってもよい。
【0090】
また、AT演出状態は、ボーナスの当選あるいは入賞に基づいて移行する遊技状態に応じて設定されるものであってもよい。例えば、遊技状態がRBB内部中状態である場合にAT演出状態への移行を可能とし、一般中状態やRBB作動中状態においてはAT演出状態への移行を不可能としてもよい。換言すると、一般中状態やRBB作動中状態においては、例えば、AT抽選に当選したとしてもAT演出状態に移行させないこととしてもよく、また、AT抽選を行わないようにしてもよい。
【0091】
また、演出状態がAT演出状態であって遊技状態がRBB内部中状態であるときにボーナスに入賞した場合、このボーナスの入賞により移行するRBB作動中状態の終了後に一般中状態を経由して再びRBB内部中状態に移行するまでの間、AT演出状態を中断することとしてもよい。すなわち、ボーナスに入賞すると打順ナビ演出を止め、再びRBB内部中状態に移行すると打順ナビ演出を再開させるようにしてもよい。
【0092】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が非有利区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、差枚数カウンタ64の記憶値、指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)およびAT終了判定カウンタ67の記憶値等を初期化する。すなわち、指示機能に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示した指示演出に係る情報も初期化されるようになっている。
【0093】
演出制御手段100は、演出状態がAT演出状態である場合に、打順ベルが当選すると、正解打順を報知して8枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。打順ベルが当選し、指示演出で報知された正解打順に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると8枚役が入賞して8枚のメダルを獲得することができるようになっている。
【0094】
また、AT演出状態において、AT終了判定カウンタ67の記憶値が増加する(AT演出状態の継続期間を延長させる)上乗せが実行される場合には、演出制御手段100は、上乗せに係る演出を実行する。本実施形態では、上乗せに係る演出には、低期待度演出と、中期待度演出と、高期待度演出と、特定上乗せ演出と、が含まれる。
なお、これらの上乗せに係る演出は、それぞれ上乗せの実行に伴い実行されるものであればよい。換言すると、例えば、上乗せすることが決定され、上乗せ量(付与される特典の量)(AT終了判定カウンタ67の記憶値の増加量)が決定されてから、上乗せに係るいずれの演出を行うかを抽選等によって決定することとしてもよい。また、上乗せに係るいずれの演出を行うかが抽選等によって決定されてから、決定された演出に応じて、上乗せをするか否かや、上乗せ量を抽選等によって決定することとしてもよい。なお、AT終了判定カウンタ67の記憶値が増加する遊技と上乗せに係る演出が実行される遊技とが必ずしも同じ遊技である必要はない。換言すると、上乗せに係る演出のそれぞれは、AT終了判定カウンタ67の記憶値が増加する遊技において行われてもよく、増加した遊技以降の遊技において行われてもよく、増加する前に開始されてもよい。
【0095】
なお、本実施形態では、特定演出状態としての特別AT演出状態において、低期待度演出、中期待度演出、高期待度演出および特定上乗せ演出が実行され得るようになっている。また、特別AT演出状態においては、毎遊技必ず上乗せがされるようになっており、毎遊技必ず上乗せに係る演出(低期待度演出、中期待度演出、高期待度演出および特定上乗せ演出以外の演出を含んでいてもよい)のいずれかが実行されるようになっている。なお、特別AT演出状態以外の演出状態(例えば通常AT演出状態)においても、低期待度演出、中期待度演出、高期待度演出または特定上乗せ演出が実行され得るようになっていてもよい。また、特別AT演出状態において、毎遊技必ず上乗せがされるようになっていなくてもよく、毎遊技必ず上乗せに係る演出のいずれかが実行されるようになっていなくてもよい。
【0096】
低期待度演出、中期待度演出および高期待度演出では、演出制御手段100は、演出の種類に応じて所定の演出を演出装置に実行させた後に、上乗せが確定したことを報知する演出や、上乗せ量(付与される特典の量(AT終了判定カウンタ67の記憶値の増加量))を報知する演出を演出装置に実行させる(図10(a)参照)。具体的には、演出制御手段100は、低期待度演出を実行する場合には低期待度演出に係る表示を液晶ディスプレイ13に表示させ、中期待度演出を実行する場合には中期待度演出に係る表示を液晶ディスプレイ13に表示させ、高期待度演出を実行する場合には高期待度演出に係る表示を液晶ディスプレイ13に表示させる。なお、低期待度演出に係る表示と中期待度演出に係る表示と高期待度演出に係る表示とは、それぞれ異なる表示であり、表示によって各演出のいずれが行われているかが判別可能となっている。例えば、低期待度演出に係る表示と中期待度演出に係る表示と高期待度演出に係る表示とは、登場するキャラクタや、キャラクタの表情または服装や、シチュエーションや、演出の強弱を示す色等が異なっていてもよい。また、演出制御手段100は、低期待度演出に係る表示、中期待度演出に係る表示または高期待度演出に係る表示を液晶ディスプレイ13に表示させた後に、上乗せ量を報知する表示を液晶ディスプレイ13に表示させる。ここで、上乗せ量を報知する表示も、演出の種類毎に異なっていてもよい。換言すると、低期待度演出に係る表示、中期待度演出に係る表示および高期待度演出に係る表示には、上乗せ量を報知する表示が含まれていてもよい。
なお、低期待度演出、中期待度演出および高期待度演出においては、後述する図柄ナビ表示(特定図柄としての赤7図柄「赤7」を狙わせる表示)は行われないようになっている。
【0097】
特定上乗せ演出では、図10(b)に示すように、演出制御手段100は、特定の停止操作態様で停止操作を行うことを指示する演出を、液晶ディスプレイ13等の演出装置に実行させる。具体的には、特定上乗せ演出では、特定図柄が所定の表示位置(表示窓16を介して視認可能な位置としての上段、中段、下段のうちの所定の表示位置)に表示されるように所定のタイミングで停止操作を行うことを指示する表示(停止図柄指示表示:図柄ナビ表示)が液晶ディスプレイ13に表示される。本実施形態では、図柄ナビ表示として、狙うべき特定図柄としての赤7図柄「赤7」の画像と、「狙え」の文字とが液晶ディスプレイ13に表示される。また、特定上乗せ演出では、特定の打順(例えば右押し)で停止操作を行うことを指示する表示(停止順指示表示:打順ナビ表示)が液晶ディスプレイ13に表示される。本実施形態では、打順ナビ表示として、ストップボタン26の押下順序を示す数字が液晶ディスプレイ13に表示されるようになっているが、例えば矢印の表示や表示される背景の色等によって停止操作の順序を指示するようになっていてもよい。
なお、以下では、図柄ナビ表示と打順ナビ表示とを合わせてナビ表示と呼ぶことがある。なお、ナビ表示は、図柄ナビ表示と打順ナビ表示との少なくとも一方を含むものであればよい。
【0098】
そして、特定上乗せ演出(図柄ナビ表示および打順ナビ表示)で指示された通りに特定の停止操作態様で停止操作を行うことで、特定の停止態様でリール20a~20cが停止するようになっている。本実施形態では、当該特定の停止態様は、3つのリール20a~20cについて、表示窓16を介して視認可能な位置としての上段、中段、下段のうちの所定の表示位置に赤7図柄「赤7」が表示され、3つの赤7図柄「赤7」が一列に揃う停止態様となっている。なお、当該特定の停止態様は、例えば、1つのリール20a~20cについて、表示窓16を介して視認可能な位置としての上段、中段、下段のうちの所定の表示位置に特定図柄が表示される停止態様等であってもよい。換言すると、当該特定の停止態様は、少なくとも1つのリールについて、特定図柄が所定の表示位置に表示されるものであればよい。さらに換言すると、特定の停止操作態様とは、少なくとも1つのリールについて、特定図柄を所定の表示位置に表示させることを狙って(すなわち目押しをして)停止操作を行うものであればよい。すなわち、特定上乗せ演出は、特定図柄を所定の表示位置に表示させることを狙わせる(狙うべきことを報知する)演出(狙え演出)ともいえる。
なお、本実施形態では、当選エリア「リプレイA」、「リプレイB」または「打順7揃いリプ」に当選した場合であって、右押しで停止操作がされた場合に3つの赤7図柄「赤7」が一列に揃うようになっている。換言すると、リプレイに係る所定の当選エリアに当選し、特定の停止操作態様で停止操作が行われた場合に、特定の停止態様でリール20a~20cが停止するようになっている。また、当該リプレイに係る所定の当選エリアに当選した場合に、特定上乗せ演出が実行され得るようになっているが、他の当選エリア(特定の停止操作態様で停止操作が実行された場合であっても、特定の停止態様でリール20a~20cが停止しない所定の当選エリア)に当選した場合にも、特定上乗せ演出が実行され得る。
【0099】
特定上乗せ演出がされた遊技において、特定の停止操作態様で停止操作が実行され、特定の停止態様でリール20a~20cが停止すると、上乗せが実行される。換言すると、特定上乗せ演出がされる遊技においては、液晶ディスプレイ13において、特定の停止操作態様で停止操作を行うことを指示するナビ表示がされた後、特定の停止態様でリール20a~20cが停止すると、上乗せが確定したことを報知する表示や、上乗せ量(付与される特典の量(AT終了判定カウンタ67の記憶値の増加量)を報知する表示がされるようになっている。
【0100】
また、本実施形態では、特定上乗せ演出がされた遊技において、特定の停止操作態様で停止操作が実行された場合であっても、特定の停止態様でリール20a~20cが停止しない場合が存在する。すなわち、本実施形態では、特定上乗せ演出がされた遊技において、特定の停止操作態様で停止操作を行うことで、特定の停止態様でリール20a~20cを停止させることが可能となっているが、これは、特定上乗せ演出がされた遊技において、特定の停止操作態様で停止操作を行えば必ず特定の停止態様でリール20a~20cが停止することのみを意味するものではなく、特定上乗せ演出がされた遊技において、特定の停止操作態様で停止操作を行ったとしても、特定の停止態様でリール20a~20cが停止しないこと(停止させることが不可能な場合)があってもよい。
【0101】
なお、特定上乗せ演出がされた遊技において、特定の停止操作態様で停止操作が実行されなかった場合、特定の停止態様でリール20a~20cが停止しないようになっている。このように、特定上乗せ演出がされた遊技において、特定の停止操作態様で停止操作が実行されず、特定の停止態様でリール20a~20cが停止しなかった場合であっても、当該遊技が、特定の停止操作態様で停止操作が実行された場合には特定の停止態様でリール20a~20cが停止するものであった場合には、上乗せ(および上乗せが確定したことを報知する表示や上乗せ量を報知する表示)が実行されることとしてもよい。換言すると、特定上乗せ演出がされた遊技であって、特定の停止操作態様で停止操作を行うと特定の停止態様でリール20a~20cが停止する遊技においては、停止操作の態様に関わらず必ず上乗せ(特定の停止態様でリール20a~20cが停止した場合と同等の上乗せ)がされ、上乗せが確定したことを報知する表示や上乗せ量を報知する表示がされることとしてもよい。
【0102】
なお、特定上乗せ演出がされた遊技において、上乗せが実行されない場合があってもよい。例えば、特定上乗せ演出がされた遊技において、特定の停止操作態様で停止操作を行ったにも拘らず、特定の停止態様でリール20a~20cが停止しなかった場合に、上乗せ(および上乗せが確定したことを報知する表示や上乗せ量を報知する表示)が実行されないこととしてもよい。換言すると、特定上乗せ演出がされた遊技であって、特定の停止操作態様で停止操作を行ったとしても特定の停止態様でリール20a~20cが停止しない遊技においては、上乗せが実行されないこととしてもよい。また、特定上乗せ演出がされた遊技であって、特定の停止操作態様で停止操作を行ったとしても特定の停止態様でリール20a~20cが停止しない遊技においても上乗せが実行されることとし、特定の停止操作態様で停止操作を行ったとしても特定の停止態様でリール20a~20cが停止しない遊技は、特定の停止操作態様で停止操作を行うと特定の停止態様でリール20a~20cが停止する遊技に比べ、付与(報知)される上乗せ量の期待値が低いものとしてもよい。
【0103】
高期待度演出は、中期待度演出よりも上乗せ(特典の付与)に関する所定の期待度が高くなっている。また、中期待度演出は、低期待度演出よりも上乗せ(特典の付与)に関する所定の期待度が高くなっている。具体的には、低期待度演出、中期待度演出および高期待度演出は、上乗せに関する所定の期待度が高い演出ほど、その演出が実行された場合における付与(報知)される上乗せ量の期待値が大きくなっている。なお、低期待度演出、中期待度演出および高期待度演出は、上乗せに関する所定の期待度が高い演出ほど、その演出が実行された場合における上乗せ(上乗せの報知)がされる確率が高くなっていてもよい。また、低期待度演出、中期待度演出および高期待度演出は、それぞれ実行された場合に(少なくとも所定の演出状態において実行された場合に)、必ず上乗せ(特典の付与)がされるものであっていてもよい。
なお、「上乗せ(特典の付与)に関する所定の期待度が高い」とは、例えば、各演出がされた場合(各演出が実行され、上乗せがされる場合)における遊技者に付与(報知)される上乗せ量(特典の量)の期待値が大きいものであってもよく、付与(報知)され得る上乗せ量の最大値が大きいものであってもよく、上乗せがされる確率(上乗せが確定したことを報知する表示や上乗せ量を報知する表示がされる確率)が高いものであってもよく、複数種類の特典のうち遊技者にとっての有利度合いが高い特典が付与(報知)される確率が高いもの等であってもよい。
【0104】
また、特定上乗せ演出は、低期待度演出よりも上乗せ(特典の付与)に関する所定の期待度が高くなっている。具体的には、特定上乗せ演出は、低期待度演出に比べ、上乗せがされる場合における、付与(報知)される上乗せ量の期待値が大きくなっている。より具体的には、特定上乗せ演出が実行され、特定の停止操作態様で停止操作が実行されることにより特定の停止態様でリール20a~20cが停止する場合における上乗せ量の期待値は、低期待度演出がされ上乗せがされる場合における上乗せ量の期待値よりも大きくなっている。換言すると、特定上乗せ演出および低期待度演出は、それぞれ実行された場合において、必ず上乗せがされるようになっていてもよく、上乗せがされない場合があるようになっていてもよいが、少なくとも両演出の上乗せがされる場合同士(低期待度演出がされた場合と、特定上乗せ演出がされ、特定の停止態様でリール20a~20cが停止した場合と)を比較したときには、特定上乗せ演出の方が付与(報知)される上乗せ量の期待値が大きくなっている。なお、上乗せがされない場合(特定の停止態様でリール20a~20cが停止しない場合)を含めた場合であっても、特定上乗せ演出の方が、低期待度演出に比べ、付与(報知)される上乗せ量の期待値が大きくなっていてもよい。
【0105】
次に、上乗せに係る演出の開始契機(開始タイミング)について説明する。
低期待度演出、中期待度演出および高期待度演出は、所定の遊技におけるスタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として開始される。具体的には、図10(a)に示すように、低期待度演出、中期待度演出および高期待度演出においては、演出制御手段100は、遊技開始操作を契機として、低期待度演出に係る表示、中期待度演出に係る表示または高期待度演出に係る表示を液晶ディスプレイ13に開始させる。また、演出制御手段100は、第3停止操作を契機として、上乗せ量を液晶ディスプレイ13に表示させ、上乗せが確定したことおよび上乗せ量を報知する。なお、図10(a)は、10回分の遊技に相当する上乗せがされた場合の液晶ディスプレイ13の表示を示している。
なお、ここで「第3停止操作を契機として」とは、第3停止操作に係るストップボタン26を押下したタイミング(押下操作が検出されたタイミング)で演出が実行されるものであってもよく、第3停止操作に係るストップボタン26の押下を終了したタイミング(押下操作の解除が検出されたタイミング)で演出が実行されるものであってもよい。
【0106】
また、特定上乗せ演出は、所定の遊技におけるスタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として開始される。具体的には、図10(b)に示すように、特定上乗せ演出においては、演出制御手段100は、遊技開始操作を契機として、特定の停止操作態様で停止操作を行うことを指示する表示を液晶ディスプレイ13に表示させる。より具体的には、演出制御手段100は、遊技開始操作に基づいて、ナビ表示(図柄ナビ表示および打順ナビ表示)を液晶ディスプレイ13に表示させる。また、演出制御手段100は、第3停止操作を契機として、上乗せ量を液晶ディスプレイ13に表示させ、上乗せが確定したことおよび上乗せ量を報知する。具体的には、例えば、第3停止操作がされ、特定の停止態様でリール20a~20cが停止する場合に、上乗せ量を液晶ディスプレイ13に表示させ、上乗せが確定したことおよび上乗せ量を報知する。なお、図10(b)は、50回分の遊技に相当する上乗せがされた場合の液晶ディスプレイ13の表示を示している。
【0107】
また、本実施形態では、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として低期待度演出が開始された後、上乗せに係る演出が低期待度演出から特定上乗せ演出に切り替えられる場合がある。この場合、具体的には、図10(c)に示すように、演出制御手段100は、遊技開始操作を契機として、低期待度演出に係る表示を液晶ディスプレイ13に開始させる。次いで、演出制御手段100は、当該遊技開始操作に基づくリール20a~20cの回転開始を契機として、特定上乗せ演出に係る表示としてのナビ表示(図柄ナビ表示および打順ナビ表示)を液晶ディスプレイ13に開始させることにより、低期待度演出から特定上乗せ演出に切り替える。このとき、液晶ディスプレイ13は、低期待度演出に係る表示をやめるとともに、特定上乗せ演出に係る表示を行う。すなわち、所定の遊技において、低期待度演出から特定上乗せ演出に切り替える場合には、液晶ディスプレイ13は、まず低期待度演出に係る表示を行い、その後、低期待度演出に係る表示をやめて特定上乗せ演出に係る表示を行うようになっている。なお、低期待度演出から特定上乗せ演出に切り替える場合において、低期待度演出に係る表示の少なくとも一部を残したまま(例えば、低期待度演出に係る表示を背景画像として残したまま)、特定上乗せ演出に係る表示としてのナビ表示を行うこととしてもよい。
【0108】
所定の遊技において、上乗せに係る演出が低期待度演出から特定上乗せ演出に切り替えられる場合、特定上乗せ演出が開始されるまでは、ナビ表示としての図柄ナビ表示および打順ナビ表示は、液晶ディスプレイ13に表示されない。また、当該場合において、図柄ナビ表示および打順ナビ表示は、低期待度演出に係る表示がされた後、ストップボタン26a~26cに対する停止操作が有効化されるまでの間(換言すると、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるまでの間)に表示されるようになっている。そして、上乗せに係る演出が低期待度演出から特定上乗せ演出に切り替えられる場合、最初から特定上乗せ演出がされる場合に比べて、遊技開始操作がされてから図柄ナビ表示や打順ナビ表示が表示されるまでの期間が長くなっている。
なお、ここで、ナビ表示としての図柄ナビ表示および打順ナビ表示について、「~までの間に表示される」とは、~までの間に指示の内容が把握可能な程度に表示されるものであればよい。
【0109】
なお、低期待度演出から特定上乗せ演出に切り替わるまでの期間は、遊技開始操作からリール20a~20cの回転が開始されるまでの期間に応じて変動するようになっている。すなわち、スロットマシンにおいては、一般に、スタートレバー24に対する遊技開始操作が行われた際には、前回の遊技におけるリールの回転開始から所定期間(例えば4.1秒)経過していることを条件としてリールの回転が開始される。換言すると、前回の遊技におけるリールの回転開始から所定期間経過していない場合には、ウェイト処理が行われ、リールの回転開始が保留される。このため、前回の遊技におけるリールの回転開始から今回の遊技における遊技開始操作がされるまでの期間に応じて、今回の遊技において遊技開始操作がされてからリールの回転が開始されるまでの期間が変動することとなる。本実施形態では、遊技開始操作がされてからリールの回転が開始されるまでの期間に応じて、低期待度演出から特定上乗せ演出に切り替わるタイミングが変化することで、適切なタイミングでの表示や音出力が行われるようになっている。ただし、低期待度演出から特定上乗せ演出に切り替わるまでの期間は、遊技開始操作からリール20a~20cの回転が開始されるまでの期間等に関わらず一定となっていてもよく、抽選等によって決定されるようになっていてもよい。
【0110】
低期待度演出から特定上乗せ演出に切り替わった場合、ナビ表示に従って特定の停止操作態様で停止操作を行うことで、必ず特定の停止態様でリール20a~20cを停止させることができるようになっている。換言すると、低期待度演出がされ、特定上乗せ演出に切り替わる場合(図10(b)に示す場合)の方が、特定上乗せ演出に切り替わらない場合(図10(a)に示す場合)に比べ、上乗せに関する所定の期待度が高くなっている。また、最初から特定上乗せ演出がされる場合(図10(b)に示す場合)に比べ、低期待度演出から特定上乗せ演出がされる場合(図10(c)に示す場合)の方が、上乗せに関する所定の期待度が高くなっている。ただし、最初から特定上乗せ演出がされる場合と、低期待度演出から特定上乗せ演出がされる場合とでは、特定の停止態様でリール20a~20cが停止する場合の上乗せ量の期待値が同等(同一)となっていてもよい。
【0111】
なお、低期待度演出から特定上乗せ演出に切り替わる場合以外にも、特定上乗せ演出が、所定の遊技におけるスタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として開始されず、所定の遊技におけるリール20a~20cの回転開始を契機として開始される場合(遊技開始操作がされてから特定上乗せ演出が開始されるまでの期間が所定期間以上の場合)があってもよい。換言すると、リール20a~20cの回転開始を契機としてナビ表示がされる場合があってもよい。また、特定上乗せ演出(ナビ表示)が、リール20a~20cの回転開始を契機として開始される場合(遊技開始操作がされてから所定期間以上経過してから開始される場合)には、ナビ表示に従って特定の停止操作態様で停止操作を行うことで、必ず特定の停止態様でリール20a~20cを停止させることができるようになっていてもよい。
【0112】
なお、特定上乗せ演出では、特定の打順(例えば右押し)で停止操作を行うことを指示する表示(打順ナビ表示)が液晶ディスプレイ13に表示されるが、遊技情報表示部17の7セグメント表示器には、当該特定の打順を示す情報が表示されないようになっている。すなわち、打順ベルが当選し打順ナビ演出(打順ナビ表示)がされる場合には、メイン制御基板31によって表示が制御される遊技情報表示部17にも、打順に係る情報(例えば、正解打順に対応する番号(正解打順を示唆する記号))が表示されるのに対し、当選エリア「リプレイA」、「リプレイB」または「打順7揃いリプ」が当選し、打順ナビ演出(打順ナビ表示)がされる場合には、遊技情報表示部17には、打順に係る情報が表示されないようになっている。換言すると、遊技開始操作に基づいて、特定上乗せ演出の発生契機役となる当選エリア「リプレイA」、「リプレイB」または「打順7揃いリプ」が当選した場合には、打順ベルが当選した場合とは異なり、当該遊技開始操作に基づく遊技情報表示部17への打順に係る情報の表示が行われないようになっている。
【0113】
次に、特定図柄を所定の表示位置に表示させることを狙わせる(狙うべきことを報知する)狙え演出における各種表示の表示タイミングおよび各種音の出力タイミングについて、図11を参照しながら説明する。なお、本実施形態においては、特定上乗せ演出が狙え演出となっているが、特定上乗せ演出以外の演出が狙え演出となっていてもよい。なお、狙え演出においては、図柄ナビ表示と打順ナビ表示とが実行される。
【0114】
狙え演出においては、まず、打順ナビ表示が開始される。具体的には、図11(a)に示すように、打順を示す数字の出現に係るアニメーションとしての第1アニメーションが開始される。第1アニメーションは、例えば、数字が徐々に現れる表示であってもよく、数字が徐々に大きくなる表示であってもよく、数字が液晶ディスプレイ13の表示領域上を移動する表示であってもよく、数字が回転する表示であってもよく、当該表示領域における数字が現れる部分等が所定の色で発光する表示であってもよく、これらのうちの複数が複合した表示等であってもよい。換言すると、第1アニメーションは、打順を示す数字の出現に伴うエフェクトの表示ともいえる。なお、第1アニメーションがされている期間の少なくとも一部(例えばアニメーションが開始されてからの所定期間)は、打順を示す数字が遊技者に把握可能な程度に見えなくてもよい。本実施形態においては、第1アニメーションは、数字が回転しながら徐々に現れる表示となっている。
【0115】
第1アニメーションが開始されてから所定期間が経過すると、打順を示す数字が遊技者に把握可能な状態で表示される。換言すると、第1アニメーションが開始されてから所定期間が経過すると、少なくとも最初に操作すべきストップボタン26a~26cが把握可能な状態となる。
【0116】
第1アニメーションが開始されると、次に、図柄ナビ表示が開始される。具体的には、第1アニメーションが開始された後には、図11(b)に示すように、狙うべき特定図柄(赤7図柄「赤7」)の画像の出現に係るアニメーションとしての第2アニメーションが開始される。第2アニメーションは、例えば、特定図柄の画像が徐々に現れる表示であってもよく、特定図柄の画像が徐々に大きくなる表示であってもよく、特定図柄の画像が液晶ディスプレイ13の表示領域上を移動する表示であってもよく、特定図柄の画像が回転する表示であってもよく、当該表示領域における特定図柄の画像が現れる部分等が所定の色で発光する表示であってもよく、これらのうちの複数が複合した表示等であってもよい。換言すると、第2アニメーションは、特定図柄の画像の出現に伴うエフェクトの表示ともいえる。なお、第2アニメーションがされている期間の少なくとも一部(例えばアニメーションが開始されてからの所定期間)は、特定図柄の画像が遊技者に把握可能な程度に見えなくてもよい。
【0117】
第2アニメーションが開始されてから所定期間が経過すると、特定図柄の画像が遊技者に把握可能な状態で表示される。換言すると、第2段階では、第2アニメーションが開始されてから所定期間が経過すると、狙うべき図柄(特定図柄を狙うべきこと)が把握可能な状態となる。本実施形態においては、第2アニメーションは、赤7図柄「赤7」の画像が左から右に移動する表示となっている。また、移動中の赤7図柄「赤7」の画像は白く発光しており、何の図柄を示しているのかが遊技者に把握不可能(把握困難)な状態となっている。
【0118】
また、本実施形態では、図11(d)に示すように、第2アニメーションが開始されてから所定期間が経過すると、特定の図柄を狙うべきことを示す文字としての「狙え」(あるいは「狙って」等)の文字が表示されるようになっている。換言すると、第2アニメーションが開始されてから、「狙え」の文字の全体が表示されるまでには、所定の期間が存在する。なお、第2アニメーションの開始よりも後のタイミングで「狙え」の文字が表示されるとともに、特定図柄の画像が遊技者に把握可能な状態で表示されるよりも前に「狙え」の文字の全体が遊技者に把握可能な状態で表示されるようになっていてもよい。
【0119】
なお、第2アニメーションは、第1アニメーションが終了してから開始されてもよく、第1アニメーションが終了する前に開始されてもよい。また、第2アニメーションが終了してから「狙え」の文字が表示されてもよく、第2アニメーションが終了する前に「狙え」の文字が表示されてもよい。本実施形態では、第2アニメーションは、打順を示す数字が遊技者に把握可能な状態となった後、第1アニメーションが終了する前のタイミングで開始されるようになっている。
なお、「第1アニメーションが終了」とは、打順を示す数字の表示が定常状態に達した場合を意味する。すなわち、打順を示す数字は、数字が遊技者に把握可能な状態となった後も、停止操作がされるまで上下左右に揺動したりする場合があるが、所定の停止操作がされるまで所定の動きを繰り返す状態となっている場合には、第1アニメーションが終了しているといえる。また、「第1アニメーションが終了」とは、打順を示す数字の出現に伴うエフェクトの表示の終了と言い換えてもよい。また、「第2アニメーションが終了」とは、特定図柄の画像の表示が定常状態に達した場合を意味する。すなわち、特定図柄の画像は、狙うべき図柄が遊技者に把握可能な状態となった後も、停止操作がされるまで上下左右に揺動したりする場合があるが、停止操作がされるまで所定の動きを繰り返す状態となっている場合には、第2アニメーションが終了しているといえる。また、「第2アニメーションが終了」とは、特定図柄の画像の出現に伴うエフェクトの表示の終了と言い換えてもよい。
【0120】
そして、本実施形態の狙え演出は、(1)第1アニメーションが開始されているが第2アニメーションが開始されていない状態→(2)打順を示す数字の少なくとも一部が表示されているが、特定図柄の画像が一部すら表示されていない状態→(3)打順を示す数字が遊技者に把握可能な程度に表示されているが、特定図柄の画像が遊技者に把握可能な程度に表示されていない(一部すら表示されていない場合を含む)状態→(4)打順を示す数字が遊技者に把握可能な程度に表示されており、第2アニメーションが開始されているが、「狙え」の文字が遊技者に把握可能な程度に表示されていない(一部すら表示されていない場合を含む)状態→(5)打順を示す数字、特定図柄の画像および「狙え」の文字が、遊技者に把握可能な状態で表示されている状態、の順で進行するようになっている。なお、(4)の状態について、特定図柄の画像の少なくとも一部が表示されている状況が含まれてもよく、特定図柄の画像が遊技者に把握可能な程度に表示されている状況が含まれてもよく、前者の状況の後に後者の状況に進行してもよい。また、(1)~(5)の状態のうちの一部の状態を介さずに狙え演出が進行してもよい。
【0121】
また、本実施形態では、演出制御手段100は、狙え演出に係る音として、停止操作の順序を示す音と、特定の図柄を狙うべきこと(目押しをすべきこと:所定のタイミングで所定の停止操作をすべきこと)を示す音とをスピーカ14に出力させる。具体的には、演出制御手段100は、まず、停止操作の順序を示す音として、最初に操作すべきストップボタン26a~26cを知らせる「右」という音声をスピーカ14に出力させる。次いで、演出制御手段100は、特定の図柄を狙うべきことを示す音として、「狙え」という音声をスピーカ14に出力させる。
【0122】
最初に操作すべきストップボタン26a~26cを知らせる音(「右」という音声)は、打順を示す数字の表示が遊技者に把握可能な状態となってから出力されるようになっている。具体的には、当該音は、例えば上記(3)または(4)の状態で出力されるようになっていてもよい。また、当該音は、第1アニメーションが終了する前の、打順を示す数字の出現に伴うエフェクトが表示されている期間において出力されるようになっている(例えば、図11(b)に示す状態)。換言すると、打順を示す数字の表示が定常状態に達する前に、当該音が出力されるようになっている。ただし、第1アニメーションが終了してから(打順を示す数字の表示が定常状態に達してから)当該音が出力されるようになっていてもよい。
【0123】
また、本実施形態では、特定の図柄を狙うべきことを示す音(「狙え」という音声)は、第2アニメーションが開始された後に出力されるようになっている。具体的には、当該音は、第2アニメーションが開始されているが「狙え」の文字が表示されていない状態(一部すら表示されていない状態)においては出力されず、「狙え」の文字の少なくとも一部が表示されている状態において出力されるようになっている。また、当該音は、狙うべき図柄の画像の表示が遊技者に把握可能な状態となってから出力されるようになっている。また、当該音は、第2アニメーションが終了する前の、特定図柄の画像の出現に伴うエフェクトが表示されている期間において出力されるようになっている。換言すると、特定図柄の画像の表示が定常状態に達する前に、当該音が出力されるようになっている。ただし、第2アニメーションが終了してから(特定図柄の画像の表示が定常状態に達してから)当該音が出力されるようになっていてもよい。
【0124】
すなわち、本実施形態では、特定の図柄を狙うべきことを示す音は、「狙え」の文字の少なくとも一部が表示されるとともに、特定図柄の画像の少なくとも一部が表示されている状態において出力されるようになっている。より具体的には、当該音は、特定図柄の画像または「狙え」の文字の少なくとも一方がぼやけた状態(遊技者に把握可能な程度に表示されていない状態)においては出力されず、両方が遊技者に把握可能な程度に表示されてから出力されるようになっている。ただし、当該音は、特定図柄の画像または「狙え」の文字の少なくとも一方あるいは両方がぼやけた状態(遊技者に把握可能な程度に表示されていない状態)において出力されるようになっていてもよい。
なお、打順を示す数字、特定の図柄の画像および「狙え」の文字について、「遊技者に把握可能」とは、遊技者(例えば狙え演出を初めて見る遊技者)が見た場合に、何の数字が表示されているのか認識可能であること、図柄の種類を認識可能であること、または、「狙え」という文字が表示されていることを認識可能であること(文字列の全体が読めること)、を意味する。
【0125】
なお、打順ナビ表示(および「右」という音声出力)の開始契機を、スタートレバー24に対する遊技開始操作とし、図柄ナビ表示(および「狙え」という音声出力)の開始契機をリール20a~20cの回転開始としてもよい。換言すると、遊技開始操作からリール20a~20cの回転が開始されるまでの期間に応じて、打順ナビ表示がされてから図柄ナビ表示がされるまでの期間(第1アニメーションが開始されてから第2アニメーションが開始されるまでの期間)(打順を示す数字が遊技者に把握可能な程度に表示されてから、特定図柄の画像(あるいは「狙えの文字」)が遊技者に把握可能な程度に表示されるまでの期間)が変動するようになっていてもよい。また、遊技開始操作からリール20a~20cの回転が開始されるまでの期間に応じて、停止操作の順序を示す音(「右」という音声)が出力されてから、特定の図柄を狙うべきことを示す音(「狙え」という音声)が出力されるまでの期間が変動するようになっていてもよい。遊技開始操作がされてからリールの回転が開始されるまでの期間に応じて、狙え演出に係る各種表示の表示タイミングや各種音の出力タイミングが変化することで、適切なタイミングでの表示や音出力を行うことが可能となる。
【0126】
以上のように、本実施形態の遊技機は、複数種類の図柄が配列された複数のリール20a~20cと、役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段42と、遊技開始操作に基づいて前記リール20a~20cを回転させ、停止操作に基づいて前記内部抽選の結果に応じた態様で前記リール20a~20cを停止させる制御を行うリール制御手段43と、演出を制御する演出制御手段100と、を備え、前記演出には、特典の付与に関する演出として、特定演出(特定上乗せ演出)と、低期待度演出と、が含まれ、前記特定演出は、前記低期待度演出に比べ、特典の付与に関する所定の期待度が高く、前記演出制御手段100は、前記遊技開始操作を契機として前記低期待度演出を開始させることと、前記遊技開始操作を契機として前記特定演出を開始させることと、前記遊技開始操作を契機として前記低期待度演出を開始させた後に、前記低期待度演出から前記特定演出に切り替えることと、が可能である。
特典の付与に関する演出として、特典の付与に関する所定の期待度が低い演出が用意されている場合、当該演出がされた時点で特典の付与に対する期待が持てなくなり、遊技者の意欲が削がれてしまうおそれがある。本構成によれば、低期待度演出が開始された後に特典の付与に関する期待度の高い特定演出に切り替わる可能性があるので、低期待度演出によって遊技者の意欲が削がれてしまうことが防止でき、遊技の興趣を向上させることができる。
【0127】
なお、前述した実施の形態では、遊技価値としてのメダルを用いて遊技を行うようにしたが、遊技価値は電気的な情報であってもよい(いわゆるメダルレスであってもよい)。この場合、当選役が入賞したときに、当選役に対応する価値量を電気的な情報で遊技者に付与すればよい。
【0128】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンに限らず、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
【0129】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各構成要素の自由な組み合わせ、あるいは任意の構成要素の変形や省略が可能である。
【符号の説明】
【0130】
20a,20b,20c リール
42 内部抽選手段
43 リール制御手段
100 演出制御手段
図1
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