特開 2023-76880 アルミニウム再生塊の製造方法、アルミニウム製再生缶構成部材の製造方法及びアルミニウム製缶構成部材

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023076880

(43)【公開日】2023-06-05

(54)【発明の名称】アルミニウム再生塊の製造方法、アルミニウム製再生缶構成部材の製造方法及びアルミニウム製缶構成部材

(51)【国際特許分類】

   C22B 21/00 20060101AFI20230529BHJP

   B22D 21/04 20060101ALI20230529BHJP

   B21D 22/28 20060101ALI20230529BHJP

   B21D 51/18 20060101ALI20230529BHJP

   B21D 51/26 20060101ALI20230529BHJP

   B21D 51/38 20060101ALI20230529BHJP

   B21D 51/50 20060101ALI20230529BHJP

【ＦＩ】

C22B21/00

B22D21/04 A

B21D22/28 L

B21D51/18 A

B21D51/18 D

B21D51/26 L

B21D51/26 P

B21D51/38 E

B21D51/50

【審査請求】未請求

【請求項の数】12

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2021189880

(22)【出願日】2021-11-24

(71)【出願人】

【識別番号】305060154

【氏名又は名称】アルテミラ製缶株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100101465

【弁理士】

【氏名又は名称】青山 正和

(72)【発明者】

【氏名】湯田 晃典

【テーマコード（参考）】

4E137

4K001

【Ｆターム（参考）】

4E137AA17

4E137BA05

4E137BB01

4E137CA07

4E137CA09

4E137CA24

4E137EA01

4E137GA02

4E137GB17

4K001AA02

4K001BA22

4K001CA11

4K001FA00

(57)【要約】

【課題】アルミニウム製使用済み缶からアルミニウム製缶用構成部材への再成率を１００％に近づける、或は１００％にする。
【解決手段】ＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなる筒状缶の開口部にＪＩＳ５０００系アルミニウム合金からなる蓋が取り付けられた状態の使用済み蓋付き筒状缶、ＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなるボトル状缶のねじ部にＪＩＳ５０００系アルミニウム合金からなるキャップが取り付けられた状態の使用済みキャップ付きボトル状缶を含む混合回収物に、ＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなるキャップが取り付けられた状態の使用済みＪＩＳ３０００系キャップ付きボトル状缶からなる回収物を混ぜて溶解する溶解工程と、溶解されたアルミニウムの溶湯から再生塊を鋳造する鋳造工程とにより、ＪＩＳ３０００系のアルミニウム再生塊を製造する。
【選択図】 図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

ＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなる有底円筒状の筒状缶の開口部にＪＩＳ５０００系アルミニウム合金からなる蓋が取り付けられた状態の使用済み蓋付き筒状缶を含む混合回収物に、有底円筒状の一体成形品で胴部に比べて縮径された口部にねじ部を有するＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなるボトル状缶の前記ねじ部にＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなるキャップが取り付けられた状態の使用済みＪＩＳ３０００系キャップ付きボトル状缶からなるＪＩＳ３０００系回収物を混ぜて溶解する溶解工程と、溶解されたアルミニウムの溶湯から再生塊を鋳造する鋳造工程とにより、ＪＩＳ３０００系のアルミニウム再生塊を製造することを特徴とするアルミニウム再生塊の製造方法。

【請求項2】

前記溶解工程では、前記混合回収物に、ＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなるボトル状缶の前記ねじ部にＪＩＳ５０００系アルミニウム合金からなるキャップが取り付けられた状態の使用済みキャップ付きボトル状缶が含まれることを特徴とする請求項１に記載のアルミニウム再生塊の製造方法。

【請求項3】

前記溶解工程では、前記ＪＩＳ３０００系回収物に、有底円筒状の一体成形品で一端部が開口状態のＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなるカップの回収物を加えて溶解することを特徴とする請求項１又は２に記載のアルミニウム再生塊の製造方法。

【請求項4】

前記溶解工程では、前記混合回収物及びＪＩＳ３０００系回収物に加えて、ＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなる製缶屑または圧延屑を溶解することを特徴とする請求項１から３のいずれか一項に記載のアルミニウム再生塊の製造方法。

【請求項5】

請求項１から４のいずれか一項に記載のアルミニウム再生塊の製造方法によって製造された前記再生塊を圧延して得た再生アルミニウム合金板から、絞りしごき成形により有底円筒体を成形する円筒体成形工程と、該有底筒状体の底部より開口部の直径が大きいテーパ状筒体を成形する拡径工程と、該拡径工程後の開口端部を丸めてカール部を成形するカール部成形工程とを経て、再生カップを製造することを特徴とするアルミニウム製再生缶構成部材の製造方法。

【請求項6】

請求項１から４のいずれか一項に記載のアルミニウム再生塊の製造方法によって製造された前記再生塊を圧延して得た再生アルミニウム合金板から、絞りしごき成形により有底円筒体を成形する円筒体成形工程と、前記有底筒状体の開口端部を加工してフランジを形成する開口部成形工程とを経て、前記フランジに蓋を巻き締め可能な筒状缶用再生筒状胴体を製造することを特徴とするアルミニウム製再生缶構成部材の製造方法。

【請求項7】

請求項１から４のいずれか一項に記載のアルミニウム再生塊の製造方法によって製造された前記再生塊を圧延して得た再生アルミニウム合金板から、絞りしごき成形により有底円筒体を成形する円筒体成形工程と、前記有底筒状体の開口端部を縮径加工して胴部の上に小径部を有するボトル状筒体を成形する縮径加工工程と、前記小径部の周囲にねじ部を形成するとともに、前記小径部の端部を丸めてカール部を形成する口部成形工程とを経て、前記ねじ部にキャップを取り付け可能なボトル状缶用再生ボトル状胴体を製造することを特徴とするアルミニウム製再生缶構成部材の製造方法。

【請求項8】

請求項１から４のいずれか一項に記載のアルミニウム再生塊の製造方法によって製造された前記再生塊を圧延して得た再生アルミニウム合金板から、絞り成形により天板部と筒状部とを一体成形したキャップ素体を形成する素体形成工程と、前記キャップ素体の筒状部を加工する周壁部加工工程とを経て、ボトル状缶のねじ部に取り付け可能な再生キャップ本体を製造することを特徴とするアルミニウム製再生缶構成部材の製造方法。

【請求項9】

再生アルミニウム合金から構成され、底部より開口部が大きい有底円筒状であって、底部から開口部に向けて漸次直径が大きくなるテーパ筒部を有し、前記開口部に、その端部を丸めてなるカール部が周方向に沿って形成されていることを特徴とするアルミニウム製再生カップ。

【請求項10】

再生アルミニウム合金から構成され、有底円筒状で開口部にフランジを有し、該フランジに蓋を取り付け可能であることを特徴とするアルミニウム製筒状缶用再生筒状胴体。

【請求項11】

再生アルミニウム合金から構成され、有底円筒状の一体成形品で胴部に比べて縮径された口部にねじ部を有することを特徴とするアルミニウム製ボトル状缶用再生ボトル状胴体。

【請求項12】

有底円筒状の一体成形品で胴部に比べて縮径された口部にねじ部を有するボトル状胴体の前記ねじ部に取り付け可能なアルミニウム製ボトル状缶用キャップ本体であって、再生アルミニウム合金から構成され、天板部と周壁部とが一体に形成され、前記周壁部に複数のスリットが周方向に沿って形成されていることを特徴とするアルミニウム製ボトル状缶用再生キャップ本体。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、使用後に回収されたボトル状缶やそのキャップ等のアルミニウム製缶構成部材を再生利用するためのアルミニウム再生塊の製造方法、その再生塊を用いたアルミニウム製再生缶構成部材の製造方法及びアルミニウム製缶構成部材に関する。

【背景技術】

【0002】

各種の炭酸飲料水やアルコール飲料等の容器として、軽量で加工性や耐腐食性に優れるため、アルミニウム製の構成部材により形成された缶（以下、アルミニウム製缶という）が大量に使用されている。このアルミニウム製缶には、円筒状の胴体（筒状胴体）とその開口部を閉鎖する蓋とからなる筒状缶と、ボトル形状をした胴体（ボトル状胴体）とその口部に結合されるキャップとからなるボトル状缶とが普及している。

【0003】

そして使用済みアルミニウム製缶（Ｕｓｅｄ ａｌｕｍｉｎｕｍ ｂｅｖｅｒａｇｅ ｃａｎｓ；略してＵＢＣという）は回収され溶解して、アルミニウム製缶の材料となるアルミニウム再生塊として再生される。このようなアルミニウム再生塊を製造するために要するエネルギーは、ボーキサイトから電解精錬によって新たに新塊を製造する場合に要するエネルギーの約３％であるといわれている。このため、近年における省エネルギーによる地球環境保護や資源の有効活用の要請の高まりから、使用済みアルミニウム製缶を回収し、これを再びアルミニウム製缶とするために再生利用することが行なわれている。

【0004】

従来、特許文献１に示されるように、アルミニウム製缶の回収再生方法は、主として使用済みアルミニウム製缶からなるプレスされた塊状の回収物を薫蒸処理する薫蒸工程と、上記回収物を解砕する解砕工程と、得られた上記回収物から非アルミニウム材を分離する選別工程と、選別されたアルミニウム製缶を焙焼処理するとともに焙焼された上記アルミニウム製缶を２００℃～５５０℃の温度範囲に保持したままで振動篩に供給して付着物を除去する焙焼工程と、この焙焼工程を経た上記アルミニウム製缶を溶解する溶解工程と、この溶解工程において得られたアルミニウムの溶湯からスラブまたは再生塊を得る鋳造工程とを、一貫して連続的に行なう技術が知られている。

【0005】

例えば回収されたアルミニウム製筒状缶及びアルミニウム製ボトル状缶は、缶重量の８０％以上が、通常、Ａｌ－Ｍｎ系合金であるＡ３００４材またはＡ３１０４材（いずれもＪＩＳ規格の呼称）等のＪＩＳ３０００系アルミニウム合金によって成形されたボディ材（筒状缶及びボトル状缶の胴体の材料）によって占められているものの、当該アルミニウム製缶を構成する筒状缶の蓋材またはボトル状缶のキャップ材としてはＡｌ－Ｍｇ系合金であるＡ５０５２材、Ａ５１５１材、Ａ５０８２材またはＡ５１８２材等が多く使用されており、また筒状缶の蓋に取り付けられているタブとしては、Ａ５１８２材等が用いられている。

【0006】

これらの各種材料が混合した使用済みアルミニウム製缶（筒状缶及びボトル状缶）を溶解して得た溶湯をそのままスラブとして使用すると、Ｍｇ（マグネシウム）が多すぎるため、ボディ材として適切なＪＩＳ合金番号で３０００系合金の再生塊とすることができない。そこで使用済みアルミニウム製缶を再生して、新規のアルミニウム製缶におけるボディ材の再生塊を製造するためには、保持炉の中に新塊を投入して、Ｍｇ量を１．３％以下となるように合金成分を調整する必要がある。
これら成分調整用の新塊の投入を極力減らして、ＵＢＣから再生されるアルミニウム製缶の重量割合を１００％に近づけたいという課題がある。

【0007】

一方、近年プラスチックの海洋汚染等の環境破壊があり、脱プラスチックが社会問題となっている。そこでプラスチック製のカップに代わり、特許文献２に開示のようなアルミニウム製カップが海外で登場してきた。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0008】

【特許文献1】特許第４４６５７９８号公報

【特許文献2】特表２０２０－５０８８７４号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0009】

本発明は、ボトル状缶やそのキャップ等の使用済みアルミニウム製缶構成部材からアルミニウム製缶構成部材を再生する際に、前述した成分調整用の新塊（純アルミニウム、例えば、純度９９．０～９９．９質量％のアルミニウム地金）の投入量を最小限にする、或はゼロにした再生塊を製造し、その再生塊から製造された１００％またはそれに近いリサイクルアルミニウム材料でアルミニウム製缶構成部材を製造することが課題である。

【課題を解決するための手段】

【0010】

本発明のアルミニウム再生塊の製造方法は、ＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなる有底円筒状の筒状缶の開口部にＪＩＳ５０００系アルミニウム合金からなる蓋が取り付けられた状態の使用済み蓋付き筒状缶を含む混合回収物に、有底円筒状の一体成形品で胴部に比べて縮径された口部にねじ部を有するＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなるボトル状缶の前記ねじ部にＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなるキャップが取り付けられた状態の使用済みＪＩＳ３０００系キャップ付きボトル状缶からなるＪＩＳ３０００系回収物を混ぜて溶解する溶解工程と、溶解されたアルミニウムの溶湯から再生塊を鋳造する鋳造工程とにより、ＪＩＳ３０００系のアルミニウム再生塊を製造する。

【0011】

ボトル状缶及びキャップともＪＩＳ３０００系のアルミニウム合金からなるＪＩＳ３０００系回収物を混ぜて溶解しているので、このＪＩＳ３０００系回収物と混合回収物との配合を調整することにより、再生塊をＪＩＳ３０００系アルミニウム合金とすることが可能になり、新塊を用いることなくＪＩＳ３０００系のアルミニウム再生塊を製造することができる。

【0012】

本発明のアルミニウム再生塊の製造方法において、前記溶解工程では、前記混合回収物に、ＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなるボトル状缶の前記ねじ部にＪＩＳ５０００系アルミニウム合金からなるキャップが取り付けられた状態の使用済みキャップ付きボトル状缶が含まれてもよい。

【0013】

本発明のアルミニウム再生塊の製造方法において、前記溶解工程では、前記ＪＩＳ３０００系回収物に、有底円筒状の一体成形品で一端部が開口状態のＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなるカップの回収物を加えて溶解する。

【0014】

カップは、ＪＩＳ３０００系のアルミニウム合金からなるので、このカップを溶解工程で投入することにより、新塊を用いることなくＪＩＳ３０００系のアルミニウム再生塊の製造をより容易にすることができる。

【0015】

このアルミニウム再生塊の製造方法において、前記溶解工程では、前記混合回収物及びＪＩＳ３０００系回収物に加えて、ＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなる製缶屑または圧延屑を溶解することができる。

【0016】

蓋を有しないアルミニウム製筒状缶等もＪＩＳ３０００系アルミニウム合金により形成されているので、その筒状缶等の製缶屑や圧延屑を加えて溶解することにより、ＪＩＳ３０００系のアルミニウム再生塊を効率的に製造することができる。

【0017】

以上のようにして得られるアルミニウム再生塊は、アルミニウム製カップ、アルミニウム製ボトル状缶のボトル状胴体、該ボトル状胴体に取り付け可能なアルミニウム製キャップ本体、アルミニウム製筒状缶の筒状胴体のうちの少なくともいずれかを製造するための再生塊とすることができ、これらの缶構成部材を以下のようにして製造することができる。

【0018】

すなわち、アルミニウム再生塊の製造方法によって製造された前記再生塊を圧延して得た再生アルミニウム合金板から、絞りしごき成形により有底円筒体を成形する円筒体成形工程と、該有底筒状体の底部より開口部の直径が大きいテーパ状筒体を成形する拡径工程と、該拡径工程後の開口端部を丸めてカール部を成形するカール部成形工程とを経て、再生カップを製造する。

【0019】

また、アルミニウム再生塊の製造方法によって製造された前記再生塊を圧延して得た再生アルミニウム合金板から、絞りしごき成形により有底円筒体を成形する円筒体成形工程と、前記有底筒状体の開口端部を加工してフランジを形成する開口部成形工程とを経て、前記フランジに蓋を巻き締め可能な筒状缶用再生筒状胴体を製造する。

【0020】

さらに、アルミニウム再生塊の製造方法によって製造された前記再生塊を圧延して得た再生アルミニウム合金板から、絞りしごき成形により有底円筒体を成形する円筒体成形工程と、前記有底筒状体の開口端部を縮径加工して胴部の上に小径部を有するボトル状筒体を成形する縮径加工工程と、前記小径部の周囲にねじ部を形成するとともに、前記小径部の端部を丸めてカール部を形成する口部成形工程とを経て、前記ねじ部にキャップを取り付け可能なボトル状缶用再生ボトル状胴体を製造する。

【0021】

また、前記アルミニウム再生塊の製造方法によって製造された前記再生塊を圧延して得た再生アルミニウム合金板から、絞り成形により天板部と周壁部とを一体成形したキャップ素体を形成するキャップ素体形成工程と、前記キャップ素体の前記周壁部を加工する周壁部加工工程とを経て、ボトル状缶のねじ部に取り付け可能な再生キャップ本体を製造する。

【0022】

本発明のアルミニウム製再生カップは、再生アルミニウム合金から構成され、底部より開口部が大きい有底円筒状であって、底部から開口部に向けて漸次直径が大きくなるテーパ筒部を有し、前記開口部に、その端部を丸めてなるカール部が周方向に沿って形成されている。

【0023】

本発明のアルミニウム製筒状缶用再生筒状胴体は、再生アルミニウム合金から構成され、有底円筒状で開口部にフランジを有し、該フランジに蓋を取り付け可能である。

【0024】

本発明のアルミニウム製ボトル状缶用再生ボトル状胴体は、再生アルミニウム合金から構成され、有底円筒状の一体成形品で胴部に比べて縮径された口部にねじ部を有し、該ねじ部にキャップを取り付け可能である。

【0025】

本発明のアルミニウム製ボトル状缶用再生キャップ本体は、有底円筒状の一体成形品で胴部に比べて縮径された口部にねじ部を有するボトル状胴体の前記ねじ部に取り付け可能なアルミニウム製ボトル状缶用キャップ本体であって、再生アルミニウム合金から構成され、天板部と周壁部とが一体に形成され、前記周壁部に複数のスリットが周方向に沿って形成されている。

【発明の効果】

【0026】

本発明によれば、ボトル状缶及びキャップともＪＩＳ３０００系のアルミニウム合金からなるＪＩＳ３０００系回収物を混ぜて溶解しているので、このＪＩＳ３０００系回収物と混合回収物との配合を調整することにより、再生塊をＪＩＳ３０００系アルミニウム合金とすることが可能になり、新塊を用いることなくＪＩＳ３０００系のアルミニウム再生塊を製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【0027】

【図1】アルミニウム再生塊の製造方法の一実施形態を示す概略工程図である。

【図2】アルミニウム製筒状缶用筒状胴体、ボトル状缶用ボトル状胴体、カップの製造方法の一実施形態を示す概略工程図である。

【図3】アルミニウム製ボトル状缶用キャップ本体の製造方法の一実施形態を示す概略工程図である。

【図4】本発明の製造方法により製造されるアルミニウム製缶の製造途中に形成される有底円筒体の一実施形態を示す中心軸を中心に半分を縦断面とした正面図であり、ボトル状缶の製造時に形成されるボトル状筒体を二点鎖線で示した。

【図5】本発明の製造方法により製造されるアルミニウム製筒状缶の一実施形態を示す中心軸を中心に半分を縦断面とした正面図であり、（ａ）が全体図、（ｂ）が蓋を巻き締める前の状態の開口部付近を示す。

【図6】本発明の製造方法により製造されるアルミニウム製ボトル状缶の一実施形態を示す中心軸を中心に半分を縦断面とした正面図であり、（ａ）が全体図、（ｂ）はキャップを固定する前の状態の口部付近を示す。

【図7】本発明の製造方法により製造されるアルミニウム製カップの一実施形態を示す中心軸を中心に半分を縦断面とした正面図である。

【発明を実施するための形態】

【0028】

以下、本発明に係るアルミニウム再生塊（単に再生塊という場合がある）の製造方法、及びその再生塊を用いたアルミニウム製缶構成部材の製造方法の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、対象となるアルミニウム製缶について説明する。アルミニウム製缶は、図５に示すアルミニウム製筒状缶１０、図６に示すアルミニウム製ボトル状缶２０、図７に示すアルミニウム製カップ４０、の三種類が存在する。

【0029】

アルミニウム製筒状缶（以下、単に筒状缶という場合がある）１０は、図５に示すように、有底円筒状の筒状胴体（筒状缶用筒状胴体）１１と、その筒状胴体１１の開口部に巻き締められた蓋１２とを有している。筒状胴体１１は、有底円筒状の一体成形品であり、底部１３と胴部１４とが一体成形されている。底部１３は、中心軸Ｃ上に凹状に湾曲したドーム部１５を有しており、その外周縁に連続し、テーブル等に置いたときに接地部となるリム部１６が形成され、リム部１６の外周端が胴部１４の最下端に連続している。
胴部１４はほぼストレートの円筒状に形成され、その上端の開口端部に蓋１２が巻き締められている。蓋１２は、蓋本体１７の中心部に、開口のためのタブ１８が取り付けられている。この蓋１２は、筒状胴体１１の開口部に形成されたフランジ１９に巻き締められることにより、筒状胴体１１に固定される。

【0030】

この筒状缶１０の筒状胴体１１は、アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条についてのＪＩＳ（ＪＩＳ Ｈ４０００：２０１４）に規定されている合金番号でＡ３００４またはＡ３１０４等のＡｌ－Ｍｎ系アルミニウム合金により形成され、蓋１２は、蓋本体１７がＡ５０５２、Ａ５０８２またはＡ５１８２等のＡｌ－Ｍｇ系アルミニウム合金、タブ１８がＡ５１８２等のＡｌ－Ｍｇ系アルミニウム合金により形成されている。

【0031】

アルミニウム製ボトル状缶（以下、単にボトル状缶という場合がある）２０は、図６に示すように、ボトル形状を有するボトル状胴体（ボトル状缶用ボトル状胴体）２１と、そのボトル状胴体２１の上部で縮径した口部２２に取り付けられるキャップ２３とを有している。ボトル状胴体２１は、有底円筒状の一体成形品であり、その底部１３は、前述したアルミニウム製筒状缶１０における筒状胴体１１の底部１３とほぼ同じ形状であるので、同一符号を付して説明を省略する。

【0032】

このボトル状胴体２１は、底部１３を有する有底筒状の胴部２５と、胴部２５の上端から上方に向けて漸次縮径するテーパ状の肩部２６と、この肩部２６の上端から上方に延びる小径（例えば３８ｍｍ口径）の口部２２とを有するボトル状に形成されている。口部２２の外周部には、ねじ部２７が形成され、そのねじ部２７の上の開口端部に、そのエッジを含む端部を外側に折り返すように丸めてなるカール部２８が形成されている。
なお、キャップ２３は、キャップ本体２９とシール材３０とから構成され、ボトル状胴体２１の口部２２に被せられた後に、口部２２のねじ部２７等に沿って成形されることにより、口部２２に取り付けられる。キャップ本体２９は、天板部３１と周壁部３２とが一体形成されており、周壁部３２には、ナール部３３、スリット部３４等が形成される。

【0033】

このボトル状缶２０のボトル状胴体２１は、前述のＪＩＳの合金番号でＡ３００４またはＡ３１０４等のアルミニウム合金により形成され、キャップ２３は、Ａ３００４、Ａ３１０４、Ａ５０５２、Ａ５０８２、Ａ５１５１、Ａ５１８２等のアルミニウム合金により形成されている。

【0034】

アルミニウム製カップ（以下、単にカップという場合がある）４０は、図７に示すように、全体としては有底円筒状であるが、その直径は、底部１３より開口部４２の方が大きく形成され、開口部４２にその端部を丸めたカール部４３が周方向に沿って形成されている。底部１３は、前述したアルミニウム製筒状缶１０及びアルミニウム製ボトル状缶２０の各胴体１１，２１の底部とほぼ同じ形状であり、同一符号を付しておく。

【0035】

また、図示例では、底部１３付近と開口部４２付近との側面に中心軸Ｃに沿うストレート状の円筒部４４，４５が形成されており、底部４１から連続する下部円筒部４４の上端と、カール部４３に連続する上部円筒部４５の下端との間が、下方から上方に向けて漸次直径が大きくなるテーパ筒部４６に形成されている。

【0036】

カール部４３は、上部円筒部４４の上端からエッジを有する端部を半径方向外方に折り返すように丸めて形成されている。前述のアルミニウム製ボトル状缶２０のカール部２８より若干大きい形状に形成される。
このアルミニウム製カップ４０は、ＪＩＳ合金番号でＡ３００４またはＡ３１０４等のアルミニウム合金により形成されている。

【0037】

図２は、筒状胴体１１、ボトル状胴体２１、カップ４０を製造するフローチャートである。図２では、いずれの缶においても円筒体成形工程までは同じであるので、共通して表示している。
筒状胴体１１を製造するには、アルミニウム合金板を絞り成形して比較的浅いカップを形成し、そのカップにさらに絞りしごき加工を施して図４に示す有底円筒体５０を成形する（円筒体成形工程）。この有底円筒体５０は、底部１３とストレートの円筒状の胴部５１とが一体成形されており、その底部１３は、前述したアルミニウム製缶の製品とほぼ同じ形状に形成されているので、図５～図７と同一符号を付している。
次いで、この有底円筒体５０の外面に印刷、塗装を施した後に、内面への塗装が施された後、開口部にフランジ１９を形成し筒状胴体１１が製造される。（開口部成形工程）。蓋１２は筒状胴体１１とは別に製造され、筒状胴体１１に飲料が充填された後に、フランジ１９に蓋１２が巻き締められる。

【0038】

ボトル状胴体２１を製造するには、筒状胴体１０の場合と同じ円筒体成形工程により有底円筒体５０を形成した後、印刷、塗装等を施すとともに、有底円筒体５０の開口端部を縮径加工して、胴部２５の上に肩部２６、その肩部２６の上に小径部５２を有するボトル状筒体５３（いずれも図４に二点鎖線で示した）を成形し（縮径加工工程）、その小径部５２の周囲にねじ部２７を形成するとともに、小径部５２の端部を丸めてカール部２８を形成することにより口部２２を形成して（口部成形工程）、ボトル状胴体２１が製造される。キャップ２３は後述するようにボトル状胴体２１とは別に製造され、ボトル状胴体２１に飲料が充填された後に、口部２２にキャップ２３が被せられて固定される。

【0039】

アルミニウム製カップ４０を製造するには、筒状胴体１１の場合と同じ円筒体成形工程により有底円筒体５０を形成した後、必要に応じて印刷、塗装等を施すとともに、有底円筒体５０の底部１３より開口部の直径が大きいテーパ状筒体を成形する拡径工程、拡径工程後の開口端部を丸めてカール部４３を成形するカール部成形工程とを経て製造される。

【0040】

ボトル状缶２０に用いられるキャップ本体２９は、図３に示すように、アルミニウム合金板を絞り成形して天板部３１と円筒状の周壁部３２とを一体形成した比較的浅いカップ状のキャップ素体を形成し（キャップ素体形成工程）、その周壁部３２にナール部３３及びスリット部３４を周方向に間隔をおいて複数形成する（周壁部加工工程）などにより、図６（ｂ）に示すように製造される。

【0041】

次に、これらのアルミニウム製缶１０，２０，４０をリサイクルして再生缶を製造する方法、及びそのなかで製造されるアルミニウム再生塊の製造方法について説明する。

【0042】

まず、アルミニウム再生塊の製造方法について説明する。
このアルミニウム再生塊の製造方法は、図１のフローチャートに示したように、使用済みアルミニウム製缶からなる塊状の回収物を水蒸気により薫蒸処理する薫蒸工程と、その回収物を解砕する解砕工程と、解砕された回収物から非アルミニウム材を分離してアルミニウム材を取得する選別工程と、選別されたアルミニウム材を焙焼処理するとともに焙焼されたアルミニウム材を２００℃～５５０℃の温度範囲に保持したままで振動篩に供給して付着物を除去する焙焼工程と、この焙焼工程を経たアルミニウム材を溶解する溶解工程と、この溶解工程において得られたアルミニウムの溶湯からスラブまたは再生塊を得る鋳造工程と、を有している。このリサイクル方法の実施に必要な回収再生設備として、燻蒸装置、解砕機等の機器類は、特定の敷地内に順次連続して設置される。

【0043】

回収設備には、大部分が回収業者によって一定の大きさのブロックにプレス成形された使用済みアルミニウム製缶からなる塊状の回収物が、トラック等の搬送手段によって搬入される。一部プレス成形されない回収されたままの使用済みアルミニウム製缶や、アルミニウム製缶の製造過程の切断加工やプレス加工において生じた余剰材等の廃材が搬入されてくる。

【0044】

（燻蒸工程）
搬入後に、先ず少なくとも塊状の回収物を水蒸気により薫蒸処理し、これにより、回収物に含まれる異臭の原因となる微生物を死滅させるとともに、内部に含まれるおそれのある虫やその卵を死滅させる。

【0045】

（解砕工程及び選別工程）
次いで、燻蒸処理がなされた塊状の回収物を、順次解砕した後に、ベルトコンベアー等によって搬送しながら選別する。選別手段としては、磁気によって鉄類を吸着除去する磁選機、回収物に空気を噴射することにより、アルミニウム材より軽量のプラスチック類や屑類、アルミニウム材より重量が大きい銅、ステンレス等の非着磁性の金属やコンクリート片等の夾雑物を分離除去する風力選別機が用いられる。

【0046】

（焙焼工程）
このようにして、解砕され、分離された回収物には、塗料や樹脂層などの有機物が付着しているので、一定量ごとにロータリーキルン（図示略）に投入して、アルミニウムの融点よりも低い温度で焙焼処理することにより表面に付着していた上記有機物を直接気化させて燃焼させ、残部を炭化物や酸化物とした後に、さらに焙焼された回収物を２００℃～５５０℃の温度範囲に保持したままで、振動篩（図示略）に供給し、上記炭化物および酸化物並びに選別工程において除去されなかった砂等の付着物を分離する。

【0047】

（溶解工程）
次いで、焙焼した回収物を溶解炉（図示略）に投入して溶解する。なお、アルミニウム製缶の製造過程の切断加工やプレス加工において生じた余剰材等の廃材については、溶解炉に投入して溶解してもよい。
溶解して得たアルミニウム合金の溶湯を保持炉（図示略）に送り、必要に応じて、合金の成分を調整する。
保持炉を経た溶湯中に含まれる水素等のガス分を除去するとともに、溶湯を濾過して非金属介在物等を除去した後に、鋳造機に送ってスラブ（再生塊）に鋳造する。

【0048】

このようにして得られるスラブ（再生塊）は、溶解工程において、使用済みアルミニウム製筒状缶１０、アルミニウム製ボトル状缶２０、アルミニウム製キャップ本体２９、アルミニウム製カップ４０の混合比率等を適切に制御することにより、溶解工程で新塊（純アルミニウム、例えば、純度９９．０～９９．９質量％のアルミニウム地金）の投入をしないで、ＪＩＳ合金番号の３０００系合金に相当する成分とすることができる。

【0049】

すなわち、前述したように、キャップ本体２９の材料にＪＩＳ合金番号で３０００系アルミニウム合金を用いたキャップ２３を装着したボトル状缶２０は、ボトル状胴体２１及びキャップ本体２９ともＪＩＳ合金番号で３０００系アルミニウム合金であるので、このＪＩＳ合金番号で３０００系アルミニウム製キャップ本体２９、もしくはこのＪＩＳ合金番号で３０００系アルミニウム製キャップ本体２９を有するアルミニウム製ボトル状缶２０の回収物を、成分調整のために添加される新塊の代替として用いることが可能である。ただ、塗料等が付着しているので、溶解工程ではなく、焙焼工程でロータリーキルンに投入して、予め塗料等を消失させておくとよい。
そして、ＪＩＳ５０００系アルミニウム合金からなる蓋１２を有する筒状缶１０や、ＪＩＳ５０００系アルミニウム合金からなるキャップ本体２９を有するボトル状缶２０の混合回収物の溶湯に、ボトル状胴体２１及びキャップ本体２９ともＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなる回収物を投入することにより、ＪＩＳの３０００系アルミニウム合金に相当する再生塊を得ることができる。

【0050】

また、アルミニウム製カップ４０もＪＩＳ３０００系アルミニウム合金であるので、このアルミニウム製カップ４０をＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなるボトル状胴体２１及びキャップ本体２９とともに、混合回収物の溶湯に投入してもよい。このアルミニウム製カップ４０は、各種イベント会場、野球やサッカー等の競技場等、限定された空間でのみ使用される。このため、その回収物は、アルミニウム製カップ４０のみによって構成される。また、アルミニウム製カップ４０は、他のアルミニウム製筒状缶１０やアルミニウム製ボトル状缶２０とは異なり、蓋１２やキャップ２３のような、胴体１１，２１とは異なる材質のアルミニウムを含んでいない。したがって、ＪＩＳ３０００系のアルミニウム合金からなる回収物となり、この回収物を用いることにより、ＪＩＳの３０００系アルミニウム合金に相当する再生塊を効率よく製造することができる。

【0051】

そして、このようにして製造された再生塊を圧延して、アルミニウム製缶の構成部材（アルミニウム製筒状缶用筒状胴体１１、アルミニウム製ボトル状缶用ボトル状胴体２１、アルミニウム製ボトル状缶用キャップ本体２９、アルミニウム製カップ４０）のＪＩＳの３０００系材料として用いることができる。この再生されたアルミニウム合金（再生アルミニウム合金）のスラブから得たアルミニウム合金板を用いてアルミニウム製缶（再生アルミニウム製缶）を製造するには、図２のように、前述した方法によってそれぞれ筒状缶用筒状胴体（再生筒状胴体）１１、ボトル状缶用ボトル状胴体（再生ボトル状胴体）２１、アルミニウム製カップ（再生アルミニウム製カップ）４０を製造することができ、図３のように、前述した方法によりアルミニウム製ボトル状缶用キャップ本体（再生キャップ本体）２９を製造することができる。

【0052】

なお、本発明では、使用済み缶を使用済み筒状缶、使用済みボトル状缶、使用済みカップとする。また、使用済み筒状缶を使用済み蓋付き筒状缶、使用済みボトル状缶のうち、キャップを有しないものを使用済みボトル状胴体、キャップが取り付けられた状態のものを使用済みキャップ付きボトル状缶という場合がある。さらに、再生塊で製造されたアルミニウム製缶については、再生缶、再生筒状胴体、再生ボトル状胴体、再生キャップ本体、再生カップと称している。

【0053】

因みに、ＪＩＳ３０００系アルミニウム合金のうち、Ａ３００４、Ａ３１０４の各合金組成は表１の通りである。表中に記載の各数値の単位は質量％であり、範囲で特定されていないものは上限を示す。また、「その他」の欄で「個々」は個々の成分、「合計」は「その他」に含まれる成分の合計をいう。

【0054】

【表1】

【0055】

以下は、アルミニウム製缶をリサイクルして得られるアルミニウム合金のＭｇ含有量をシミュレーションした結果である。表２が筒状缶とＪＩＳ５０００系アルミニウム合金からなるキャップ本体を有するボトル状缶の二種類の使用済み缶でリサイクルした場合、表３が表２と同じ二種類の使用済み缶に新塊を所定量追加してリサイクルした場合を示している。
一方、表４は、筒状缶と、ＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなるキャップ本体を有するボトル状缶の二種類の使用済み缶でリサイクルした場合を示している。

【0056】

いずれの表も、再生品においては、「投入量」「Ｍｇ含有量」の欄は、筒状缶やボトル状缶等の投入の合計による総重量であり、最下欄に、これらの合計量から算出されるＭｇ含有率（質量％）を記載した。ただし、再生品のＭｇの含有量は、１０％程度は溶解時にドロスとして浮いてきて排出されるので、９０％として計算した。

【0057】

【表2】

【0058】

【表3】

【0059】

【表4】

【0060】

ＪＩＳのＡ３００４、Ａ３１０４のアルミニウム合金でＭｇの含有率は表１に示すように０．８～１．３質量％であり、表２の新塊を用いない場合の再生品では、Ｍｇ含有率が１．３３６６質量％とＪＩＳ規格より多くなっているが、表３の新塊を加えたものは、１．３０００質量％とＪＩＳの規格内のアルミニウム合金が得られている。
これに対して、表４の場合は、新塊を用いることなく、Ｍｇ含有率が１．２９９９質量％のＪＩＳ３０００系相当のアルミニウム合金からなる再生塊が得られている。
これらの表から、ＪＩＳ５０００系アルミニウム製キャップが取り付けられたボトル状缶を用いた従来のリサイクル方法では、溶解時に純アルミニウムからなる新塊を相当量加えなければ、ＪＩＳ３０００系のアルミニウム合金として再生することはできないが、ＪＩＳ３０００系アルミニウム製キャップが取り付けられたボトル状缶の使用済み品を用いることにより、新塊を加えなくても、ＪＩＳ３０００系のアルミニウム合金として再生できることがわかる。

【0061】

次いで、表４に示す場合と同様に、筒状缶と、ＪＩＳ３０００系アルミニウム製キャップが取り付けられたボトル状缶との使用済み品をリサイクルする際に、溶解工程でアルミニウム製カップの使用済み品を加えた場合についてシミュレーションした。

【0062】

【表5】

【0063】

表５から、ＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなるキャップが取り付けられたボトル状缶を利用することで、純アルミニウム新塊を用いなくても、ＪＩＳ３０００系のアルミニウム再生塊を製造することができることがわかったが、アルミニウム製カップを用いることにより、さらにＭｇ含有率を低下させることができた。
したがって、ＪＩＳ３０００系アルミニウム合金からなるキャップが取り付けられたボトル状缶とアルミニウム製カップとを適宜投入することで、所望のＪＩＳ３０００系アルミニウム再生塊を製造することができる。

【符号の説明】

【0064】

１０ アルミニウム製筒状缶
１１ 筒状胴体（筒状缶用筒状胴体）
１２ 蓋
１３ 底部
１４ 胴部
１５ ドーム部
１６ リム部
１７ 蓋本体
１８ タブ
１９ フランジ
２０ アルミニウム製ボトル状缶
２１ ボトル状胴体（ボトル状缶用ボトル状胴体）
２２ 口部
２３ キャップ（ボトル状缶用キャップ）
２５ 胴部
２６ 肩部
２７ ねじ部
２８ カール部
２９ キャップ本体（ボトル状缶用キャップ本体）
３０ シール材
３１ 天板部
３２ 周壁部
３３ ナール部
３４ スリット部
４０ アルミニウム製カップ
４２ 開口部
４３ カール部
４４，４５ 円筒部
４６ テーパ筒部
５０ 有底円筒体
５１ 胴部
５２ 小径部
５３ ボトル状筒体

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】