(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023076945
(43)【公開日】2023-06-05
(54)【発明の名称】間仕切り、および、突合縦框
(51)【国際特許分類】
E04B 2/74 20060101AFI20230529BHJP
【FI】
E04B2/74 501N
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189993
(22)【出願日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】地引 えりか
(57)【要約】
【課題】複数の間仕切戸同士が突き合い納まる間仕切りを提供できる。
【解決手段】複数の間仕切戸同士が突き合い納まる間仕切りであって、左先頭間仕切戸12が突き合わせる右先頭間仕切戸14において、左先頭間仕切戸12が突き合わされる突合縦框14aは、各々が異なる方向を向いた複数の突合面33~35を備え、複数の突合面33~35の中で左先頭間仕切戸12が突き合わされる第1突合面33は、左先頭間仕切戸12の戸先側縦框12aを覆う納まり部が構成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の間仕切戸が突き合い納まる優先側間仕切戸を備え、
前記優先側間仕切戸は、前記他の間仕切戸の戸先側縦框を収容可能な突合縦框を備え、
前記突合縦框は、少なくとも1つの面に、前記他の間仕切戸の前記戸先側縦框を覆う納まり部を構成している
間仕切り。
【請求項2】
前記納まり部は、前記戸先側縦框が突き合う面に、前記戸先側縦框を覆う覆い部材を取り付けて構成される
請求項1に記載の間仕切り。
【請求項3】
前記覆い部材は、前記戸先側縦框が突き合う面以外の面にも取り付けられている
請求項2に記載の間仕切り。
【請求項4】
前記覆い部材は、弾性部材である
請求項2または3に記載の間仕切り。
【請求項5】
他の間仕切戸の戸先側縦框を収容可能な優先側間仕切戸の突合縦框であって、
前記突合縦框は、少なくとも1つの面に、前記他の間仕切戸の前記戸先側縦框を覆う納まり部を構成している
突合縦框。
【請求項6】
前記戸先側縦框が突き合う面以外の面に、前記納まり部を構成するための部材が取付可能な取付部を備えている
請求項5に記載の突合縦框。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間仕切り、および、突合縦框に関する。
【背景技術】
【0002】
室内空間を区画する引戸などの間仕切りは、レールに沿って移動する間仕切戸を備えている。L型のコーナー部を備える間仕切りは、コーナー部で直角を形成する2つのレールを備えている。そして、一方のレールに沿って移動する第1間仕切戸と、他方のレールに沿って移動する第2間仕切戸とは、コーナー部で直角を形成する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
内外装を改装するリフォームでは、間取り変更のために、間仕切りを設置し直す必要が生じることがある。このような場合において、例えば、変更前は、第1間仕切戸の戸先側の第1縦框を、第2間仕切戸の第2框の特定の一面に突き合わせていたものを、他の面に突き合わせることが必要となることがある。また、変更後の間取りによっては、コーナー部を構成するのに、2つの間仕切戸を突き合わせるだけでなく、3つの間仕切戸を突き合わせたり、4つの間仕切戸を突き合わせることが必要となることもある。このように、間仕切りには、リフォームなどに対応して、特定の間仕切戸に対する他の間仕切戸の突き合わせ方向に自由度を持たせることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための間仕切戸は、他の間仕切戸が突き合い納まる優先側間仕切戸を備え、前記優先側間仕切戸は、前記他の間仕切戸の戸先側縦框を収容可能な突合縦框を備え、前記突合縦框は、少なくとも1つの面に、前記他の間仕切戸の戸先側縦框を覆う納まり部を構成している。
【0006】
上記間仕切りにおいて、前記納まり部は、前記戸先側縦框が突き合う面に、前記戸先側縦框を覆う覆い部材を取り付けて構成されるようにしてもよい。
上記間仕切りにおいて、前記覆い部材は、前記戸先側縦框が突き合う面以外の面にも取り付けられているようにしてもよい。
【0007】
上記間仕切りにおいて、前記覆い部材は、弾性部材で構成してもよい。
上記課題を解決するための突合縦框は、他の間仕切戸の戸先側縦框を収容可能な優先側間仕切戸の突合縦框であって、前記突合縦框は、少なくとも1つの面に、前記他の間仕切戸の戸先側縦框を覆う納まり部を構成している。
【0008】
上記突合縦框において、前記戸先側縦框が突き合う面以外の面に、前記納まり部を構成するための部材が取付可能な取付部を備えているようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の間仕切戸の戸先側縦框が納まる間仕切りを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】間仕切りの一実施形態における斜視図である。
【
図4】L字型コーナー部を構成したときの平面図である。
【
図5】T字型コーナー部を構成したときの平面図である。
【
図6】十字型コーナー部を構成したときの平面図である。
【
図7】I字型の突き合わせを構成したときの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、間仕切戸、および間仕切りの一実施形態について説明する。
間仕切りは、空間をL字に仕切る。間仕切りによって仕切られた空間は、寝室や会議室などのプライベート空間として利用される。
【0012】
〔間仕切りの構成〕
図1に示すように、間仕切りは、左勝手辺1と右勝手辺2とを備えている。左勝手辺1と右勝手辺2との各々には、2枚の間仕切戸3が配置されている。左勝手辺1に配置された2枚の間仕切戸3は、左勝手を構成する。右勝手辺2に配置された2枚の間仕切戸3は、右勝手を構成する。
【0013】
間仕切戸3は、上レール4を走行する上ランナーと、下レール5を走行する下ランナーとを備えている。左勝手を構成する間仕切戸3の移動は、左勝手辺1の延在方向に沿う往復であり、左勝手辺1の延在方向に延びる上レール4と下レール5とによって案内される。右勝手を構成する間仕切戸3の移動は、右勝手辺2の延在方向に沿う往復であり、右勝手辺2の延在方向に延びる上レール4と下レール5とによって案内される。左勝手を構成する間仕切戸3が延びる方向は、第1方向であって、右勝手を構成する間仕切戸3が延びる方向が第2方向である。
【0014】
左勝手を構成する先頭の間仕切戸3と、右勝手を構成する先頭の間仕切戸3とは、互いに突き合い、戸先側縦框が交わる。これによって、間仕切りのコーナー部6を構成する。なお、各間仕切戸3は、上レール4に支持される上吊り式であってもよいし、下レール5に支持される下荷重式であってもよい。
【0015】
左勝手を構成する2枚の間仕切戸3は、左壁側間仕切戸11と左先頭間仕切戸12とである。左先頭間仕切戸12は、第1間仕切戸の一例である。右勝手を構成する2枚の間仕切戸3は、右壁側間仕切戸13と右先頭間仕切戸14とである。右先頭間仕切戸14は、第2間仕切戸の一例である。
【0016】
〔左先頭間仕切戸の構成〕
左先頭間仕切戸12は、透明や半透明のパネル12eを囲む一対の縦框12a,12bと、一対の横框12c,12dとを備えている。一対の縦框12a,12bの内で、右側に位置する縦框が戸先側縦框12aであり、右先頭間仕切戸14の突合縦框14aに突き合わされる。また、横框12cが上框で、横框12dが下框である。一対の縦框12a,12bと一対の横框12c,12cで囲まれる領域は、横桟12fを備えている。一対の縦框12a,12b、一対の横框12c,12d、および、横桟12fは、透明や半透明のパネル12eに合わせた多彩なデザインが施されている。
【0017】
図2に示すように、戸先側縦框12aは、右先頭間仕切戸14の突合縦框14aに突き合わされる縦框である。戸先側縦框12aは、アルミなどの金属形材であり、中空部材である。戸先側縦框12aは、パネル12eと平行な第1側面21および第2側面22と、パネル12eと交差する方向に広がる突合面23とを備えている。さらに、突合面23の反対側の面には、パネル12eの取付面24を備えている。第1側面21および第2側面22は、凹字形状を有した段差部25を備えている。
【0018】
突合面23は、上下方向に延びる取付溝26を備えている。取付溝26には、ゴム材などで構成されたクッション27が取り付けられる。クッション27は、内部が中空の本体部27aと、本体部27aの一面から延出する一対の取付片27bとを備えている。クッション27は、取付溝26の開口端に突設された係止部26aに対して取付片27bを係止することによって取り付けられる。クッション27は、取付溝26に取り付けられたとき、本体部27aが突出する。本体部27aは、右先頭間仕切戸14の突合縦框14aに突き当てられるとき、弾性変形することで衝撃を緩和する。
【0019】
取付面24は、パネル12eの縦縁部を支持する支持溝28を備えている。支持溝28には、ゴム材などで構成された弾性スペーサ29が嵌め込まれている。弾性スペーサ29は、長尺部材であって、断面凹字形状を有し、その谷部にパネル12eの縦縁部が嵌め込まれる。弾性スペーサ29は、支持溝28の開口端に設けられた支持片28aに係止される。パネル12eの縦縁部は、弾性スペーサ29を介して支持溝28に支持される。
【0020】
〔右先頭間仕切戸の構成〕
図1に示すように、右先頭間仕切戸14は、透明や半透明のパネルを囲む一対の縦框14a,14bと、一対の横框14c,14dとを備えている。一対の縦框14a,14bの内で、戸先側、すなわち左側に位置する縦框が突合縦框14aであり、左先頭間仕切戸12の戸先側縦框12aが突き合わされる。また、一対の縦框14a,14bと一対の横框14c,14dで囲まれる領域に横桟14fを備えている。一対の縦框14a,14b、一対の横框14c,14dおよび横桟14fは、透明や半透明のパネル14eに合わせた多彩なデザインが施されている。
【0021】
図3に示すように、突合縦框14aは、右先頭間仕切戸14を構成する戸先を構成する縦框でである。突合縦框14aは、枠本体部31を備えている。枠本体部31は、アルミなどの金属形材であり、四角柱形状を有した中空部材である。4つの側面の内の1つの面は、パネル14eを取り付けるための取付面32であり、残りの3つの面が他の間仕切戸が突き当てられる第1突合面33、第2突合面34、および、第3突合面35である。第1突合面33は、取付面32に対して垂直な面である。第2突合面34は、取付面32との対向面である。第3突合面35は、第1突合面33と平行であって取付面32に対して垂直な面である。第1突合面33、第2突合面34、および、第3突合面35は、他の間仕切戸が突き当てられる面である。
【0022】
取付面32は、幅方向の両側に一対の取付壁32aが設けられている。一対の取付壁32aの間は、内枠32bの支持空間となる。具体的に、上述した縦框12aと同じ構成を有した内枠32bが挿入保持される。内枠32bは、縦框12aからクッション27を取り除いた構成である。一対の取付壁32aの相対する各内面は、一対の突起32cを備えている。一対の突起32cは、内枠32bの段差部25の両端に係止される。これにより、内枠32bは、がたつきが抑えられた状態で、一対の取付壁32aと一体となる。
【0023】
第1突合面33には、一対の長辺に沿うように第1取付溝33aが設けられている。第1取付溝33aは、開口端の幅を狭めるように構成されている。第1取付溝33aは、覆い部材36が取り付けられる取付部である。
【0024】
覆い部材36は、ゴムなどの弾性材料の一体成形品である。覆い部材36は、覆い部36aと、係止部36bとを備えている。覆い部36aは、平板形状を有した弾性部材であり、かつ、突き合わされる左先頭間仕切戸12の戸先側縦框12aの第1側面21および第2側面22の少なくとも一部を覆うことが可能な大きさを有している。なお、覆い部36aは、第1側面21および第2側面22の全体を覆うようにしてもよい。また、覆い部36aは、第1側面21および第2側面22の全体を覆わない構成としてよいし、第1側面21および第2側面22からパネル12eの根本部にはみ出す構成であってもよい。
【0025】
覆い部36aは、第1側面21および第2側面22の全体を覆わない場合において、第1側面21および第2側面22や横桟14fと色、柄などのデザインを同じようにしてもよい。これにより、突合時の一体感を高めることができる。係止部36bは、覆い部36aの基端に設けられており、T字形状を有している。覆い部材36は、係止部36bが第1取付溝33aに係止されることで、抜け止めされた状態で取り付けられる。一対の覆い部材36と突当面とで構成される凹字形状の空間は、納まり部であって、戸先側縦框12aの第1側面21、第2側面22、および、突合面23を覆う形状を有した形状、一例として凹部によって構成される。すなわち、この凹部は、突き合わされる間仕切戸の戸先側縦框12aの少なくとも一部を納める納まり部である。覆い部36aの先端は、突起部36cを備え、突起部36cは、段差部25に係合する。
【0026】
取付溝は、第1突合面33だけでなく、第2突合面34および第3突合面35にも設けられている。すなわち、第2突合面34には、第2取付溝34aが設けられ、第3突合面35には、第3取付溝35aが設けられている。そして、覆い部材36は、第1突合面33だけでなく、第2突合面34および第3突合面35にも取り付け可能である。
【0027】
〔
図1に示すL字状のコーナー部〕
間仕切りがL字形状のコーナー部6を形成するとき、右先頭間仕切戸14が優先側間仕切戸であって、右先頭間仕切戸14の突合縦框14aがコーナー部6に配置される。次いで、突合縦框14aの一対の覆い部材36の間に構成される納まり部に、左先頭間仕切戸12の戸先側縦框12aが収容可能なように、左先頭間仕切戸12と右先頭間仕切戸14とが突き合わされる。一対の覆い部材36は、縦框12aの第1側面21および第2側面22のほぼ全体を覆う。また、クッション27は、第1突合面33に縦框12aが突き当てられたときの衝撃を緩和する。
【0028】
なお、L字形状のコーナー部6を形成する場合、右先頭間仕切戸14の突合縦框14aの第3突合面35に一対の覆い部材36を取り付けて、一対の覆い部材36の間に構成される納まり部に、他の間仕切戸の戸先側縦框を突き合わせるようにしてもよい。
【0029】
〔T字状のコーナー部〕
図5に示すように、T字形状のコーナー部6は、3枚の間仕切戸で構成される。本実施形態では、上述の左先頭間仕切戸12を第1先頭間仕切戸12といい、右先頭間仕切戸14を第2先頭間仕切戸14という。さらに、もう1枚の間仕切戸を第3先頭間仕切戸41という。第3先頭間仕切戸41は、第1先頭間仕切戸12と同様な構成を有しており、戸先側の縦框41aが第2突合面34に突き合わされるように往復動可能に配置されている。
【0030】
第2先頭間仕切戸14が優先側間仕切戸である。第2先頭間仕切戸14の突合縦框14aにおいて、枠本体部31は、第1突合面33および第2突合面34の各々に一対の覆い部材36が取り付けられている。
【0031】
T字形状のコーナー部6を形成するとき、第2先頭間仕切戸14の突合縦框14aがコーナー部6に配置される。
次いで、第1突合面33の一対の覆い部材36の間に構成される納まり部に、第1先頭間仕切戸12の戸先側縦框12aが入り込むように、第1先頭間仕切戸12と第2先頭間仕切戸14とが突き合わされる。
【0032】
さらに、第2突合面34の一対の覆い部材36の間に構成される納まり部に、第3先頭間仕切戸41の戸先側縦框41aが入り込むように、第1先頭間仕切戸12と第3先頭間仕切戸41とが突き合わされる。
【0033】
なお、T字形状のコーナー部6を形成する場合、第2突合面34の代わりに第3突合面35に一対の覆い部材36を取り付けて、一対の覆い部材36の間に構成される納まり部に、他の間仕切戸の戸先側縦框を突き合わせるようにしてもよい。
【0034】
〔十字状のコーナー部〕
図6に示すように、十字状のコーナー部6は、4枚の間仕切戸で構成される。本実施形態では、上述の左先頭間仕切戸12を第1先頭間仕切戸12といい、右先頭間仕切戸14を第2先頭間仕切戸14という。さらに、2枚の間仕切戸を第3先頭間仕切戸41および第4先頭間仕切戸42という。第3先頭間仕切戸41は、第1先頭間仕切戸12と同様な構成を有しており、戸先側縦框41aが第2突合面34に突き合わされるように往復動可能に配置されている。第4先頭間仕切戸42は、第1先頭間仕切戸12と同様な構成を有しており、戸先側縦框42aが第3突合面35に突き合わされるように往復動可能に配置されている。
【0035】
十字形状のコーナー部6を形成するとき、第2先頭間仕切戸14の突合縦框14aがコーナー部6に配置される。
次いで、第1突合面33の一対の覆い部材36の間に構成される納まり部に、第1先頭間仕切戸12の戸先側縦框12aが入り込むように、第1先頭間仕切戸12と第2先頭間仕切戸14とが突き合わされる。
【0036】
さらに、第2突合面34の一対の覆い部材36の間に構成される納まり部に、第3先頭間仕切戸41の戸先側縦框41aが入り込むように、第1先頭間仕切戸12と第3先頭間仕切戸41とが突き合わされる。
【0037】
さらに、第3突合面35の一対の覆い部材36の間に構成される納まり部に、第4先頭間仕切戸42の戸先側縦框42aが入り込むように、第1先頭間仕切戸12と第4先頭間仕切戸42とが突き合わされる。
【0038】
〔I字状の突き合わせ〕
図7に示すように、I字状の突き合わせは、2枚の間仕切戸で構成される。本実施形態では、上述の左先頭間仕切戸12を第1先頭間仕切戸12という。そして、第1先頭間仕切戸12に突き合わされる間仕切戸は、上述の第3先頭間仕切戸41である。第3先頭間仕切戸41は、第1先頭間仕切戸12と同様な構成を有しており、戸先側縦框41aが第2突合面34に突き合わされるように往復動可能に配置されている。
【0039】
I字状の突き合わせを形成するとき、第2先頭間仕切戸14の縦框14aがコーナー部6に配置される。
次いで、第3突合面35の一対の覆い部材36の間に構成される納まり部に、第4先頭間仕切戸42の戸先側縦框42aが入り込むように、第1先頭間仕切戸12と第4先頭間仕切戸42とが突き合わされる。
【0040】
〔実施形態の効果〕
以上、上述した実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)突合縦框14aは、第1突合面33~第3突合面35の各面に、戸先側縦框12a,41a,42aが突き合わされる納まり部が構成可能である。これにより、突合縦框14aと戸先側縦框12a,41a,42aとの間に隙間が存在することが視認され難くなる。したがって、コーナー部6を構成する複数の間仕切戸の一体感を高められる。結果として、コーナー部6を構成する間仕切りにおいて意匠性を高めることが可能となる。
【0041】
(2)突合縦框14aは、第1突合面33~第3突合面35を備えている。一例として、リフォーム前に、優先側間仕切戸の突合縦框14aの第1突合面33に、左先頭間仕切戸12を突き合わせてL字状のコーナー部6を構成していたとする。リフォーム時には、第1突合面33に左先頭間仕切戸12を突き合わせることを止めて、第3突合面35に第4先頭間仕切戸42を突き合わせてL字状のコーナー部6を構成することができる。また、第1突合面33と第2突合面34と第3突合面35の全てに突き当てられる間仕切戸12,14,41,42を配置することで、十字状のコーナー部6を構成することができる。さらに、第1突合面33と第2突合面34の各面に間仕切戸12,41が突き当てられるように配置することで、T字状のコーナー部6を構成することができる。すなわち、間仕切りは、突合縦框14aに突き当てられる他の間仕切戸の配置の自由度を高めることができる。
【0042】
(3)床面が不陸であっても、突合縦框14aに納まり部が構成されるので、突合縦框14aと戸先側縦框12a,41a,42aとの間に形成される隙間を視認されにくくできる。
【0043】
(3)第1突合面33~第3突合面35の各面に構成可能な納まり部は、第1突合面33~第3突合面35の各面に一対の覆い部材36を取り付けるだけで容易に構成可能である。
【0044】
(4)第1突合面33~第3突合面35の各面に覆い部材36を取り付ける取付溝33a,34a,35aが設けられているので、選択的に第1突合面33~第3突合面35に対して一対の覆い部材36を取り付けることができる。
【0045】
(5)覆い部材36は、弾性部材で構成されている。したがって、利用者の手に対する当たりを緩和することができる。例えば、間仕切戸が突き合わされることのない突合面にも覆い部材36を取り付けることができる。これにより、何れの突合面であっても利用者の手に対する当たりを緩和することができる。
【0046】
(6)覆い部材36が取り付けられた突合面は、一対の覆い部材36が立設することで、納まり部を構成する凹部の底面を見えにくくできる。
以上、上述した実施形態は以下のように変更して実施することができる。
【0047】
・
図8が示すように、間仕切りは、下レール5が省略された構成であってもよい。この構成においても、上記(1)から(6)に準じた効果を得ることは可能である。
・戸先側縦框12a,41a,42aが突き合わされる突合面において、覆い部材36は、一対ではなく、何れか一方だけを取り付けるようにしてもよい。また、突合面に一対の覆い部材36を取り付ける場合であっても、覆い部36aの基端から先端への長さが異なるものを取り付けるようにしてもよい。
【0048】
・突合縦框14aは、3つの第1突合面33~第3突合面35を有しているところ、他の間仕切戸の突合に使用しない突合面にも一対または1つの覆い部材36を取り付けるようにしてもよい。例えば、
図4例では、第1突合面33に間仕切戸が突合されている。この際に、第2突合面34や第3突合面35における取付溝34a,35aに一対の覆い部材36を取り付けるようにしてもよい。または、各突合面において、一方の取付溝にだけに覆い部材36を取り付けるようにしてもよい。さらに、覆い部36aの基端から先端までの長さの異なるものを各取付溝に取り付けるようにしてもよい。これにより、第2突合面34や第3突合面35に対して利用者の手などを触れにくくできる。
【0049】
そして、使用しない突合面に利用者の手などを触れにくくする場合、覆い部材36は、覆い部36aを省略した構成であってもよい。このような構成によれば、取付溝34a,35aだけを塞ぐことができ、取付溝34a,35aに異物を引っかかりにくくできる。そして、突合面から覆い部36aが突出しなくなり、形状を簡素化できる。また、突合面全体を覆う覆い面を設け、覆い面の裏面に一対の係止部36bを設ける構成としてもよい。このような覆い部材36は、一対の係止部36bを一対の取付溝に係合させることで取り付けることができる。これにより、突合面を覆い保護することができる。
【0050】
・覆い部材36は、戸先側縦框の側面を覆う構成であれば、弾性部材以外の剛性を有す樹脂成形品などであってもよい。
・突合縦框14aを構成する枠本体部31は、パネルが取り付けられる取付面以外の全ての面が納まり部として構成可能でなくてもよい。すなわち、第1突合面33、第2突合面34、および、第3突合面35の中で、少なくとも1つが納まり部として機能できるように取付溝が設けられていてればよい。例えば、第1突合面33および第2突合面34を納まり部として構成可能として、第3突合面35は、取付溝を設けず、納まり部として機能し得ない構成としてもよい。
【0051】
・突合縦框14aを構成する枠本体部31は、四角柱形状を有した中空部材ではなく、三角柱形状を有した中空部材としてもよい。この場合、3つの面のうち1つの面は、パネルが取り付けられる取付面となり、他の2つの面が突合面となる。枠本体部31は、五角形以上の多角形形状として、その中の一面と取付面32とし、残りの面を突合面としてもよい。
【0052】
・左勝手辺1に配置される間仕切戸の枚数、および、右勝手辺2に配置される間仕切戸の枚数は、特に限定されるものではない。例えば、左勝手辺1および右勝手辺2の各々を構成する間仕切戸の枚数を同数としてもよいし、異なる枚数としてもよい。一例として、各勝手辺に配置される間仕切戸の枚数が1枚ずつでもよいし、3枚以上であってもよい。また、一方の勝手辺に配置される間仕切戸が1枚で、他方の勝手辺に配置される間仕切戸が2枚または3枚などであってもよい。
【符号の説明】
【0053】
6…コーナー部
12…左先頭間仕切戸(第1先頭間仕切戸)
12a…戸先側縦框
14…右先頭間仕切戸(第2先頭間仕切戸)
14a…突合縦框
21…第1側面
22…第2側面
23…突合面
24…取付面
25…段差部
31…枠本体部
32…取付面
33…第1突合面
34…第2突合面
35…第3突合面
36…覆い部材
41…第3先頭間仕切戸
41a…戸先側縦框
42…第4先頭間仕切戸
42a…戸先側縦框