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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077021
(43)【公開日】2023-06-05
(54)【発明の名称】営業支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/06 20120101AFI20230529BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20230529BHJP
【FI】
G06Q40/06
G06Q30/02 470
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021190106
(22)【出願日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】川崎 真理子
(72)【発明者】
【氏名】小林 泰之
(72)【発明者】
【氏名】大浦 清秀
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049AA02
5L055BB57
(57)【要約】
【課題】セミナーに関する情報を営業活動においてより効率的に利用する。
【解決手段】制御部は、最新のセミナー予約テーブルにおける予約顧客毎に、対応する全ての項目の情報を読み出す(S2)。次に、制御部は、この予約顧客が最新の顧客テーブルにおいて登録されているか否かを確認する(S3)。登録されていなかった場合(S3:No)には、制御部は、この予約顧客に関する情報を顧客テーブルに追加して、記憶させる(S4)。登録されていた場合(S3:Yes)には、記憶された顧客テーブルにおける内容と、この顧客に関してセミナー予約テーブルから認識される情報とを比較し(S5)、記載されていないと認識された新たな情報がある場合(S5:Yes)には、この新たな情報を顧客テーブルに追加して、記憶部125に記憶(登録)させる(S6)。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融商品の顧客への販売に際しての営業活動を支援する営業支援システムであって、
前記顧客に対して行われる複数のセミナーにおける、当該セミナーの識別情報となるセミナー識別情報と、当該セミナーが対象とする金融商品の内容又は特徴をキーワード化したセミナー特性情報を記憶したセミナー情報テーブルと、
前記セミナーに対して参加希望を予約登録した予約顧客に関して、当該予約顧客の識別情報となる予約顧客識別情報を当該セミナーと対応付けて登録して記憶したセミナー予約テーブルと、
登録された前記顧客の識別情報である顧客識別情報と、当該顧客の金融商品の購入の嗜好性又は適格性をキーワード化した顧客特性情報を記憶した顧客テーブルと、
を記憶する記憶部と、
前記セミナー予約テーブルにおける前記予約顧客と前記セミナーとの対応関係と、前記セミナー情報テーブルにおける当該セミナーの前記セミナー特性情報を認識し、認識された前記セミナー特性情報を反映させて前記顧客テーブルにおける当該顧客の前記顧客特性情報を更新する制御部と、
を具備することを特徴とする営業支援システム。
【請求項2】
前記セミナー予約テーブルには、予約登録の時点で前記顧客テーブルにおいて登録がされていない顧客が前記予約顧客として登録可能とされ、
前記制御部は、
前記予約顧客の前記予約顧客識別情報と、前記顧客テーブルにおいて登録された前記顧客の前記顧客識別情報を対比することによって、当該予約顧客が前記顧客として前記顧客テーブルにおいて登録されているか否かを判定し、
当該予約顧客が前記顧客テーブルにおいて登録されていない場合には、
当該予約顧客の前記予約顧客識別情報と、当該予約顧客が予約登録した前記セミナーの前記セミナー特性情報とに基づいて、前記顧客テーブルにおいて当該予約顧客の前記顧客識別情報、前記顧客特性情報をそれぞれ作成し、当該予約顧客を新たに前記顧客テーブルに前記顧客として追加して前記顧客テーブルを更新することを特徴とする請求項1に記載の営業支援システム。
【請求項3】
前記顧客テーブルにおける前記顧客識別情報、前記セミナー予約テーブルにおける前記予約顧客識別情報には、3つ以上の項目が対応してそれぞれに設定され、
前記制御部は、
前記顧客テーブルにおいて、前記顧客識別情報における前記項目のうち2つ以上が前記予約顧客識別情報と整合する前記顧客が存在した場合に、前記予約顧客は前記顧客テーブルにおいて前記顧客として登録されていると判定することを特徴とする請求項2に記載の営業支援システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記顧客テーブルにおいて、予め登録されていた前記顧客と、前記制御部により前記顧客として新たに登録された前記顧客とを識別するためのフラグを設定することを特徴とする請求項2又は3に記載の営業支援システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記顧客テーブルにおける、前記制御部により更新された内容を表示させることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の営業支援システム。
【請求項6】
前記セミナー情報テーブル及び前記セミナー予約テーブルは、前記営業支援システムとネットワークを介して接続されたセミナー予約システムによって作成され、
前記制御部は、予め定められた時間帯において前記セミナー情報テーブル及び前記セミナー予約テーブルを前記セミナー予約システムから入手して前記記憶部に記憶させた後に、前記セミナー情報テーブル及び前記セミナー予約テーブルに基づいて前記顧客テーブルを更新することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の営業支援システム。
【請求項7】
前記制御部は、
前記セミナーに関する連絡を前記顧客に対して行った旨を登録する日報テーブルを作成させて前記記憶部に記憶させ、
前記セミナー情報テーブルに登録された前記セミナーの前記セミナー特性情報と、前記顧客テーブルに登録された前記顧客の前記顧客特性情報を比較して、当該セミナーが当該顧客に推奨できるか否かを判定し、
当該セミナーが当該顧客に推奨できると判定した場合には、当該セミナーの当該顧客に対する連絡が前記日報テーブルに登録されていない場合に、当該セミナーに関する案内の電子メールを当該顧客に対して発信させることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の営業支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、証券会社等の営業活動に使用される営業支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを用いて商品の管理や商品の販売を行うための営業支援システムが広く用いられている。特に金融機関、証券会社等において商品となる各種の金融商品(証券等)は、他の商品とはその性質が大きく異なり、その売買に際しては多くの複雑な手続きや制約が課されるため、営業活動に関わる全ての情報をコンピュータで管理するシステムが用いられている。これによって、営業活動を効率的に行うことが可能となると共に、営業活動の遵法性の確保も容易となる。
【0003】
特許文献1には、このようなシステムの機能、構成が記載されている。このシステムにおいては、顧客情報(氏名等の属性情報、コンタクト履歴等)を管理するCRM(営業支援)システム、このシステムを使用する会社が開催したセミナーに関わる情報(予約テーブル、開催情報等)を管理するセミナー・来客予約システム等が用いられる。これらはネットワークを介して接続されるため、例えばCRMシステムがセミナーに関わる情報も管理することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-204179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術においては、顧客情報は、営業活動において直接的に利用される不可欠な情報である。これに対して、セミナーに関する情報は、顧客情報とは異なり、営業活動において間接的に利用されるため、これらの情報の関連性は薄く、互いに紐づけられていなかった。あるいは、セミナーに関する情報が営業活動においては、十分に利用されていなかった。
【0006】
このため、セミナーに関する情報を営業活動においてより効率的に利用する営業支援システムが望まれた。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みなされたもので、上記課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、金融商品の顧客への販売に際しての営業活動を支援する営業支援システムであって、前記顧客に対して行われる複数のセミナーにおける、当該セミナーの識別情報となるセミナー識別情報と、当該セミナーが対象とする金融商品の内容又は特徴をキーワード化したセミナー特性情報を記憶したセミナー情報テーブルと、前記セミナーに対して参加希望を予約登録した予約顧客に関して、当該予約顧客の識別情報となる予約顧客識別情報を当該セミナーと対応付けて登録して記憶したセミナー予約テーブルと、登録された前記顧客の識別情報である顧客識別情報と、当該顧客の金融商品の購入の嗜好性又は適格性をキーワード化した顧客特性情報を記憶した顧客テーブルと、を記憶する記憶部と、前記セミナー予約テーブルにおける前記予約顧客と前記セミナーとの対応関係と、前記セミナー情報テーブルにおける当該セミナーの前記セミナー特性情報を認識し、認識された前記セミナー特性情報を反映させて前記顧客テーブルにおける当該顧客の前記顧客特性情報を更新する制御部と、を具備する。
また、前記セミナー予約テーブルには、予約登録の時点で前記顧客テーブルにおいて登録がされていない顧客が前記予約顧客として登録可能とされ、前記制御部は、前記予約顧客の前記予約顧客識別情報と、前記顧客テーブルにおいて登録された前記顧客の前記顧客識別情報を対比することによって、当該予約顧客が前記顧客として前記顧客テーブルにおいて登録されているか否かを判定し、当該予約顧客が前記顧客テーブルにおいて登録されていない場合には、当該予約顧客の前記予約顧客識別情報と、当該予約顧客が予約登録した前記セミナーの前記セミナー特性情報とに基づいて、前記顧客テーブルにおいて当該予約顧客の前記顧客識別情報、前記顧客特性情報をそれぞれ作成し、当該予約顧客を新たに前記顧客テーブルに前記顧客として追加して前記顧客テーブルを更新してもよい。
また、前記顧客テーブルにおける前記顧客識別情報、前記セミナー予約テーブルにおける前記予約顧客識別情報には、3つ以上の項目が対応してそれぞれに設定され、前記制御部は、前記顧客テーブルにおいて、前記顧客識別情報における前記項目のうち2つ以上が前記予約顧客識別情報と整合する前記顧客が存在した場合に、前記予約顧客は前記顧客テーブルにおいて前記顧客として登録されていると判定してもよい。
また、前記制御部は、前記顧客テーブルにおいて、予め登録されていた前記顧客と、前記制御部により前記顧客として新たに登録された前記顧客とを識別するためのフラグを設定してもよい。
また、前記制御部は、前記顧客テーブルにおける、前記制御部により更新された内容を表示させてもよい。
また、前記セミナー情報テーブル及び前記セミナー予約テーブルは、前記営業支援システムとネットワークを介して接続されたセミナー予約システムによって作成され、前記制御部は、予め定められた時間帯において前記セミナー情報テーブル及び前記セミナー予約テーブルを前記セミナー予約システムから入手して前記記憶部に記憶させた後に、前記セミナー情報テーブル及び前記セミナー予約テーブルに基づいて前記顧客テーブルを更新してもよい。
また、前記制御部は、前記セミナーに関する連絡を前記顧客に対して行った旨を登録する日報テーブルを作成させて前記記憶部に記憶させ、前記セミナー情報テーブルに登録された前記セミナーの前記セミナー特性情報と、前記顧客テーブルに登録された前記顧客の前記顧客特性情報を比較して、当該セミナーが当該顧客に推奨できるか否かを判定し、当該セミナーが当該顧客に推奨できると判定した場合には、当該セミナーの当該顧客に対する連絡が前記日報テーブルに登録されていない場合に、当該セミナーに関する案内の電子メールを当該顧客に対して発信させてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、セミナーに関する情報を営業活動においてより効率的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態に係る営業支援システムが使用される際の構成を示す図である。
図2】本発明の実施の形態に係る営業支援システムにおいて用いられるデータベースサーバの構成を示す図である。
図3】本発明の実施の形態に係る営業支援システムにおいて用いられる顧客テーブル(a)、日報テーブル(b)の例である。
図4】本発明の実施の形態に係る営業支援システムにおいて用いられるセミナー情報テーブル(a)、セミナー予約テーブル(b)の例である。
図5】本発明の実施の形態に係る営業支援システムにおける、顧客テーブルを更新する動作を示すフローチャートである。
図6】更新後の顧客テーブルの例である。
図7】本発明の実施の形態に係る営業支援システムにおける、顧客テーブルとセミナー情報テーブルに基づいた電子メールの発信を行わせる動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態を図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る営業支援システム1が使用される際の構成を示す図である。ここでは、この営業支援システム1、セミナー予約システム2、営業員端末3がネットワークNを介して接続されている。
【0012】
営業支援システム1は、Webサーバ(コンピュータ)11と、データベースサーバ12で構成される。Webサーバ11は、主に他のシステムとデータのやりとりをするために用いられ、データベースサーバ12は、主にデータの記憶、管理のために用いられる。
【0013】
データベースサーバ12には、この営業支援システム1を使用する会社(金融商品の販売を行う会社)に関わる顧客の識別情報や各種の情報が顧客テーブルとして記憶されている。また、データベースサーバ12には、この会社の社員(営業員)が顧客テーブルで登録された顧客とコンタクトをとった際の日時やその際の話の内容の概要がキーワード化されて、日報テーブルとして記憶されている。顧客テーブル、日報テーブルの具体的な内容については後述する。
【0014】
セミナー予約システム2も、Webサーバ21、データベースサーバ22で構成される。また、このセミナー予約システムの機能は、特許文献1に記載のセミナー・来客予約システムと同様である。このため、ここでは、この営業支援システム1を使用する会社が関連する各種のセミナーが管理され、データベースサーバ22には、現在を含む一定の期間内におけるセミナーの識別情報や各種の情報が、セミナー毎に、セミナー情報テーブルとして記憶されている。また、データベースサーバ22には、セミナー毎の、予約登録者あるいは参加者に関する情報が、セミナー予約テーブルとして記憶されている。セミナー情報テーブル、セミナー予約テーブルの具体的な内容については後述する。
【0015】
上記のようにデータベースサーバ12に記憶される顧客に関連するデータは、営業員が操作する営業員端末3から登録することができる。この際、営業員Sには、自身が所属する営業所(支店あるいは部店)が対応付けられている。
【0016】
図2は、営業支援システム1におけるデータベースサーバ12の構成を示す。ここでは、データベースサーバ12全体を制御するCPUを具備する制御部121が設けられる。制御部121がこの動作を行うにあたり、ユーザの操作を受け付けるキーボードやタッチパネルである操作部122、各種の情報を表示させるディスプレイである表示部123が設けられる。また、制御部121の動作に際して用いられる作業用メモリ124も設けられる。
【0017】
また、後述するように顧客やセミナーに関連する各種の情報を記憶する大容量のハードディスクや不揮発性メモリで構成された記憶部125が設けられる。また、Webサーバ11とイントラネット等を介した接続によって上記の情報を含む各種のデータをやりとりするためのインターフェース部126も設けられる。なお、セミナー予約システム2におけるデータベースサーバ22も、個別の機能及び記憶される情報は一部異なるが、上記と同様の構成を具備する。これらの構成は、通常のコンピュータと同様である。
【0018】
図3は、データベースサーバ12(記憶部125)で記憶される前記の顧客テーブル(a)、日報テーブル(b)の具体的内容の例示である。これらは、初期においては営業員端末3を介して営業員Sによって入力されるが、後述するように、制御部121が適宜更新することもある。
【0019】
顧客テーブル(図3(a))においては、顧客毎に複数の項目が記憶される。ここでは、まず、この項目として、この顧客を担当した営業員の所属する部店の部店コード(番号)、顧客毎に割り振られた顧客コード(番号)、顧客名(漢字による日本語名)、顧客名(カナ)、住所、電話番号、電子メールアドレス、口座情報(口座番号)が記憶される。これらは、顧客を識別するための顧客識別情報となる。なお、図3(a)において、「***」は、ここでは例示されないが、適宜設定されることを意味し、以降においても同様である。「見込客フラグ」については後述するが、ここで予め顧客テーブルにおいて、部店コードと、顧客に関する最低限の識別情報である顧客名、口座情報が紐づけられ、顧客コードが付与されている顧客(図3(a)における3人の顧客)に対しては、この顧客に対する識別情報が十分に入力されていると認識され、この場合には「0」が設定される。「DM可否」は、この顧客がこの会社からの営業のダイレクトメール(電子メール)の受信を希望するか否かであり、〇の場合には希望すること、×の場合には希望しないことを意味する。
【0020】
「投資方針」、「資金性格」、「投資経験」、「関心」、「金融資産」の項目は、この顧客の金融商品の購入に際しての嗜好性又は適格性を示す情報(顧客特性情報)であり、いずれもキーワード化されている。
【0021】
「投資方針」は、この顧客の基本的な投資方針を示し、ここでは、「積極志向」(高リスク、高リターンを希望する場合)、「安定志向」(低リスクで安定収入を希望)、「バランス志向」(「積極志向」と「安定志向」の中間)等がキーワードとして設定される。「投資経験」は、過去におけるこの顧客の投資(金融商品の購入)の形態を示し、ここでは、「株式現物」(株式現物取引)、「株式信用」(株式信用取引)、「債券」(債券購入)、「投資信託」等がキーワードとして設定される。また、「関心」の項目は、「投資経験」とは異なり過去に投資をした内容ではないが、顧客が関心をもっている内容が指定され、キーワードは「投資経験」と同様である。「投資経験」の項目は、この顧客の登録時にはブランク(NULL)である場合もある。「関心」についても、顧客が「投資経験」で設定された形態以外を希望しない場合にはブランク(NULL)である場合もある。
【0022】
「金融資産」は、この顧客の金融商品の購入に際して用いられる資金の範囲を示す。「資金性格」は、この資金の性格を示し、ここでは、「余裕資金」(この資金の範囲では十分に余裕がある場合)、「使徒確定金」、「借入金」、「相続財産」等、がキーワードとして設定される。また、「資金性格」、「金融資産」や、住所、電話番号等、他の項目についても、これらが現時点で不明である場合にはブランク(NULL)とされる。
【0023】
日報テーブル(図3(b))も営業員Sによって作成され、例えば営業員端末3から入力され、各顧客との営業に関するコンタクト(情報のやりとり)があった毎の記録が残される。ここでは、このコンタクト毎に付与された日報ID(番号)、コンタクト対象となった顧客コード(顧客テーブル(図3(a))におけるものに対応)と、接触日時が記録される。また、このコンタクトに関わる内容に対応した重要なキーワードとなる、対象とする商品の区分(「商品区分」)が、ここでは記録される。ここでは、このキーワードとしては、「内株(やや専門的な国内株式投資)」、「外株(やや専門的な外国株式投資)」、「投信(初心者向けの投資信託)」等がある。この「商品区分」は、後述するセミナー情報テーブルにおける「商品区分」と対応する。
【0024】
また、このコンタクトの形態も、ここで「形態」として記録され、ここでは、具体的に「電話」、「対面」、「電子メール」が例示されている。また、「内容」は、このコンタクトの具体的内容であり、ここではその中で「セミナー案内」となっているもののみが具体的に記載されている。この場合には、特にそのセミナーの「セミナーコード」(後述)が記載されている。このため、どの顧客に対してどのセミナーについての案内が行われたかがこの日報テーブルで特定される。
【0025】
一方、セミナー予約システム2におけるデータサーバ22に記憶されるセミナーに関するデータは、営業員端末3を介して、あるいはセミナーの管理者によって直接データベースサーバ22に対して登録される。セミナー予約テーブルについては、セミナーの予約をネットワークNを介して顧客から直接受け付ける場合には、自動的にデータベースサーバ22を作成することができる。
【0026】
図4は、ここで用いられるセミナー情報テーブル(a)、セミナー予約テーブル(b)の具体的内容の例示である。セミナー情報テーブル(図4(a))においては、セミナー毎に、セミナーコード(番号)が付与された4つのセミナーについての情報が登録されている。ここでは、「セミナーコード」、セミナー毎の開始日時、終了日時、「タイトル」が記憶される。これらの情報はセミナーを識別するための情報(セミナー識別情報)として記憶される。セミナー情報テーブル、セミナー予約テーブルは、営業活動に用いられるため、セミナーの終了後においても記憶させておくことが好ましい。
【0027】
一方、セミナー情報テーブル(図4(a))において、「商品区分」、「難易度」、「内容」は、このセミナーの内容又は特徴をキーワード化した情報(セミナー特性情報)として記憶される。「商品区分」のキーワードは、日報テーブル(図3(b))における「商品区分」と同一である。このような商品の購入に際して顧客に要求される一般的な習熟度に基づいた顧客の区分が「難易度」の項目における「中級者」、「初心者」等として設定されている。また、例えばセミナーで説明される商品の購入目的として主に想定される事項や、セミナーで特に特徴的な事項として「内容」の項目で設定されており、ここでは、「ハイテク」、「資産形成」、「配当インカム」、「相続対策」等がキーワードとして設定される。
【0028】
なお、データベースサーバ22は、AI技術等を用いて、セミナーのタイトルや概要から「商品区分」、「難易度」、「内容」を抽出してセミナー情報テーブルを作成することもできる。また、削除フラグは、対応するセミナーが一旦登録されたがその後にキャンセルとなった場合が「1」であり、実行される予定である(あるいは実行された)場合に「0」とされる。これにより、このセミナー情報テーブルにおいては、キャンセルとなったセミナーについての情報も記憶される。
【0029】
セミナー予約テーブル(図4(b))においては、セミナー情報テーブルに登録されたセミナーに対する顧客の参加の予約があった場合に、この予約受付毎についての情報が登録される。ここで、「管理ID」は、ある時点からの顧客の予約の受付の順序に応じて付与される番号である。この際、予約をした顧客(予約顧客)の「顧客コード」、この予約を受け付けた部店の「部店コード」、「顧客名」が登録される。「顧客コード」は、この予約顧客が顧客テーブル(図3(a))に登録されている場合には、その中におけるものと同一であり、「顧客名」についても同様である。セミナー予約テーブルで選択される部店(部店コード)は、この予約を受け付けた部店であり、顧客テーブル中においてこの顧客に対応した部店(部店コード)と同一とは限らない。また、顧客テーブルと同様に、「電話番号」、「電子メールアドレス」、「口座情報」も登録される。セミナー予約テーブル(図4(b))における「顧客コード」、「部店コード」、「顧客名」、「電話番号」、「電子メールアドレス」、「口座情報」は、セミナーを予約した顧客(予約顧客)を識別するための予約顧客識別情報となる。
【0030】
次に、この予約が行われた日時(予約日時)、予約対象とするセミナーの「セミナーコード」が登録される。「セミナーコード」はセミナー情報テーブル(図4(a))におけるものに対応し、これによってセミナーが識別される。また、予約後にその予約がキャンセルになった場合における情報を残すために、ここでも、セミナー情報テーブルの場合と同様の「削除フラグ」(予約された場合に「0」、その後に予約がキャンセルされた場合に「1」)が設定されている。
【0031】
なお、前記のようにセミナー予約テーブルはセミナーの終了後にも記憶させておくことが好ましいが、この際、このセミナーが事前予約なしでも参加可能であった場合には、事前予約なしで参加した顧客を予約顧客として登録することが好ましい。
【0032】
ここで、図4(b)における管理IDがY000004の予約顧客(顧客名:D KKK)は、顧客テーブルには登録されていないため、顧客コードが存在しない(NULL)。また、予約は個人所有のPCから行われ部店を介していないため、部店コードも存在しない(NULL)。前記のように予約顧客識別情報には複数の項目があるが、セミナー予約テーブルにおいては、このように、このうちの全ての項目が入力されている必要はなく、この場合でもセミナーの予約が可能とされている。
【0033】
営業支援システム1とセミナー予約システム2はネットワークNを介して接続されているため、データベースサーバ12(営業支援システム1)は、セミナー予約システム2で作成されたセミナー情報テーブル、セミナー予約テーブルを入手して記憶することができる。ただし、セミナー情報テーブル、セミナー予約テーブルは、セミナー予約システム2において、セミナーが企画される度に、あるいはセミナーに対する参加予約がある度に、不定期で更新される。営業支援システム1側におけるセミナー情報テーブル、セミナー予約テーブルの更新は、セミナー予約システム2における更新の頻度よりも少なく、例えば1日1回、例えば営業員による直接の営業活動が行われていない夜間等の、予め定められた時間帯において更新することができる。
【0034】
この際、営業支援システム1においては、入手した最新のセミナー予約テーブル、セミナー情報テーブルを用いて、顧客テーブルを更新することができる。その後、更新された顧客テーブルを用いて営業活動を効率的に進めることができる。この動作について以下に説明する。
【0035】
図5は、このように顧客テーブルを更新する動作を示すフローチャートである。この動作は、データベースサーバ12が前記のように最新のセミナー情報テーブル、セミナー予約テーブルを読み込んで更新する(S1)度に行われる。その後、データベースサーバ12における制御部121は、記憶部125に記憶された最新のセミナー予約テーブルにおける予約顧客(図4(b)においてはY000001~Y000004)毎に、対応する全ての項目の情報を読み出す(S2)。
【0036】
次に、制御部121は、この予約顧客が最新の顧客テーブルにおいて登録されているか否かを確認する(S3)。この判断は、セミナー予約テーブル(図4(b))における予約顧客識別情報と、顧客テーブル(図3(a))の顧客識別情報を比較することによって行われる。前記のように、セミナー予約テーブルにおける予約顧客識別情報においては、NULLの項目が許容されているため、登録されていると認識するためには、予約顧客識別情報における全ての項目が、顧客識別情報における対応する項目と一致している必要はない。例えば、「顧客コード」と「顧客名」がそれぞれ一致している場合や、「部店コード」と「口座情報」がそれぞれ一致している場合を、この予約顧客が顧客テーブルに登録されている(S3:Yes)とすることができる。すなわち、セミナー予約テーブルにおける予約顧客識別情報と、顧客テーブルにおける顧客識別情報において、対応する項目が3つ以上設定された場合において、このうち2つ以上の項目が一致した場合において、この予約顧客が顧客テーブルに登録されている(S3:Yes)とすることができる。
【0037】
登録されていなかった場合(S3:No)には、制御部121は、この予約顧客に関する情報を顧客テーブルに追加して、記憶部125に記憶(登録)させる(S4)。登録されていた場合(S3:Yes)には、制御部121は、記憶部125に記憶された顧客テーブルにおける内容と、この顧客に関してセミナー予約テーブルから認識される情報とを比較し(S5)、記載されていないと認識された新たな情報がある場合(S5:Yes)には、この新たな情報を顧客テーブルに追加して、記憶部125に記憶(登録)させる(S6)。これらの具体的な動作の例については後述する。
【0038】
このように顧客テーブルが更新された(S4、S6)後には、制御部121は、表示部123を用いて、この顧客に関する最新の登録内容を表示させる(S7)。これによって、その内容を管理者が確認することができる。この表示を、図1における営業員端末3でも行い、営業員Sに確認させてもよい。
【0039】
上記の動作は、セミナー予約テーブルにおける全ての予約顧客に関する情報が読み込まれるまで(S8:Yes)、順次行われる。これによって、最新のセミナー予約テーブルに基づいて、記憶部125に記憶される顧客テーブルが更新される。
【0040】
顧客が登録されていなかった場合(S3:No)の動作(S4)、顧客が登録されており(S3:Yes)、かつ記載されていないと認識された新たな情報がある場合(S5:Yes)における動作(S6)について、具体的に説明する。図6は、元の顧客テーブルが図3(a)であり、セミナー予約テーブルが図4(b)である場合において、このような動作によって更新された顧客テーブルの内容を示す。
【0041】
現在の顧客テーブルが図3(a)であり、セミナー予約テーブルが図4(b)である場合には、前記の判断基準においては、セミナー予約テーブル(図4(b))の予約顧客識別情報において「顧客コード」、「部店コード」、「口座情報」がNULLであるため、管理IDがY000004の予約顧客が、顧客として登録されていなかった場合(S3:No)に相当する。この場合には、制御部121は、この場合のセミナーコード(900904)を読み出し、セミナー予約テーブルと同時に入手した(S1)セミナー情報テーブル(図4(a))における、このセミナーのセミナー特性情報を読み出す。これによって、このセミナーに関しては、「タイトル」が「人生100年時代に向けたライフプラン」であり、「商品区分」は「その他」、「難易度」は「初心者」、「内容」は「資産形成」であることが認識される。
【0042】
この場合において、制御部121が顧客テーブルに追加する、この顧客(予約顧客)に関する情報の例が、図6における顧客コードがA00104の行に記載されている。ここでは、顧客識別情報として、この顧客に対して新たな顧客コードとしてA00104が付与される。また、セミナー予約テーブルにおいて記憶された顧客名、電話番号、電子メールアドレスも登録される。また、既に登録されている顧客に対しては「0」に設定された前記の見込客フラグは、このように新たに登録された顧客に対しては「1」に設定される。「DM可否」は、デフォールトとしては×が設定される。
【0043】
次に、顧客特性情報としては、この顧客が前記のセミナーを予約(受講希望)したことから、顧客テーブルにおける「投資方針」以降の内容(顧客特性情報)が推察されて設定される。ここでは、セミナー情報テーブル中のセミナー特性情報において、このセミナーの「難易度」が「初心者」、「内容」が「資産形成」であることから、この顧客に対しては、顧客テーブルにおける「投資方針」は「安定志向」であり、「関心」は「投資信託」であると推定(推奨)することができる。このため、この顧客に対してはこれらが設定された顧客テーブルが作成される。なお、このようなセミナー特性情報におけるキーワードと顧客特性情報におけるキーワードとの関係は、内容に応じて適宜定めることができる。ここで、「資金性格」、「投資経験」、「金融資産」については、この時点では不明であるため、これらはブランク(NULL)とされる。
【0044】
すなわち、このように、顧客が登録されていなかった場合(S3:No)において、制御部121は、最新のセミナー予約テーブル及びセミナー情報テーブルに基づいてこの顧客に関する顧客識別情報、顧客特性情報を顧客テーブルにおいて追記して、記憶部125に記憶させる(S4)。
【0045】
次に、現在の顧客テーブルが図3(a)であり、セミナー予約テーブルが図4(b)である場合の、顧客が登録されているが(S3:Yes)、記載されていないと認識された新たな情報がある場合(S5:Yes)における動作(S6)について説明する。図4(b)における管理IDがY000003の予約顧客(顧客コード:100103)については、「顧客コード」、「顧客名」が同一の顧客が顧客テーブルに存在する(S3:Yes)。この場合、制御部121は、セミナー予約テーブルからこの場合のセミナーコード(900903)を読み出し、セミナー予約テーブルと同時に入手した(S1)セミナー情報テーブルにおける、このセミナーのセミナー特性情報を読み出す。これによって、このセミナーに関しては、「タイトル」が「外国株の銘柄選択方法」であり、「商品区分」は「外株」、「難易度」は「中級者」、「内容」は「配当インカム」であることが認識される。
【0046】
この場合において、制御部121は、顧客テーブルにおけるこの顧客の顧客特性情報を上記のようにセミナー情報テーブルから認識された情報と比較する(S5)。例えば、ここでは、セミナー情報テーブルから認識された「商品区分」が、現在の顧客テーブルにおける「投資経験」、「関心」(この場合にはNULL)と合致しているかが判定される。この場合、セミナー情報テーブルから認識された「商品区分」である「外株」は、「投資経験」(「債券」)とは異なるため、登録されていない情報(「外株」)があると認識される(S5:Yes)。すなわち、管理IDがY000003(顧客コードが100103)の予約顧客が、顧客が登録されており(S3:Yes)、かつ記載されていないと認識された新たな情報がある場合(S5:Yes)に該当する。
【0047】
この場合において、制御部121が顧客テーブルを書き換えた結果が図6におけるこの顧客の行に反映されている。ここでは、図3(a)の場合と比べて、顧客コードが100103の顧客における「関心」に「外株」が追記されている。以降は、この顧客テーブルが用いられる。
【0048】
このように顧客テーブルが作成、更新されることによって、営業支援システム1は、顧客テーブルに登録された顧客に対する営業活動を効率的に行うことができる。例えば、データベースサーバ12は、新たなセミナーが規格され、これがセミナー情報テーブルに登録され、このセミナーが顧客テーブルにおいて「投資経験」、「関心」で設定された内容と合致する「商品区分」をもつ場合には、その案内を、顧客テーブルに登録された電子メールアドレス宛に電子メールとして送付することができる。この場合、このように電子メールを送付した旨を日報テーブルに登録すれば、同一の顧客に対して同一内容の連絡を複数回することを抑制することができる。
【0049】
図7は、この場合におけるデータベースサーバ12(制御部121)の動作を示すフローチャートである。この動作は、例えば図5の動作によって顧客テーブルが更新された後や、セミナー情報テーブルが更新された(新たなセミナーが登録された)後に行わせることができる。
【0050】
ここで、制御部121は、記憶部125に記憶された最新のセミナー情報テーブルにおける一つのセミナーに関する情報を読み出す(S11)。これにより、セミナー特性情報として、このセミナーにおける「商品区分」、「難易度」、「内容」(図4(a))が認識される。次に、制御部121は、最新の顧客テーブルにおける一人の顧客についての情報を読み出す(S12)。これにより、この顧客における「DM可否」と、顧客特性情報として「投資方針」、「投資経験」、「関心」(図3(a)、図6)が認識される。
【0051】
次に、制御部121は、このセミナーにおけるセミナー特性情報である「商品区分」、「難易度」、「内容」と、この顧客における顧客特性情報である「投資方針」、「投資経験」、「関心」とを対比して、このセミナーを受講することがこの顧客に対して推奨できるか否かを判定する(S13)。
【0052】
この際、例えば、このセミナーにおける「商品区分」、「内容」がこの顧客における「投資経験」、「関心」と整合している場合に、好ましいとすることができる。この際、これらが整合していても、例えば、図4(a)における900903のセミナーの「難易度」は「中級者」となっているが、この場合には、顧客における「投資経験」がNULLである場合には、好ましくないと判定することもできる。あるいは、更に、「投資経験」がNULL以外の限定された内容である場合においてのみ、好ましいとすることもできる。
【0053】
また、例えば顧客テーブルにおける「投資方針」が「安定志向」である顧客には、セミナー情報テーブルにおける「商品区分」が「投信(投資信託)」であるセミナーが推奨できる。あるいは、例えば顧客テーブルにおける「資金性格」が「相続財産」である場合において、セミナー情報テーブルにおける「内容」が「相続対策」であるセミナーが推奨できる。すなわち、制御部121は、認識されたセミナー特性情報と、認識された顧客特性情報を対比して、このセミナーのこの顧客に対する適応性(推奨できるか否か)を推定することができる。この適応性の判断基準に用いられるセミナー特性情報におけるキーワードと顧客特性情報におけるキーワードとの間の対応関係は、内容に応じて適宜設定される。
【0054】
このセミナーがこの顧客に推奨できると判断された場合(S13:Yes)には、制御部121は、記憶部125に記憶された最新のセミナー予約テーブルを参照し、このセミナーに対するこの顧客の予約が既に行われているか否かを判定する(S14)。この判断は、最新のセミナー予約テーブルにおいてこのセミナーを予約した予約顧客の顧客コードの中に、この顧客と一致するものがあるか否かによって行われる。あるいは、この判断を、図5における予約顧客が顧客テーブルに登録されているか否かの判断(S3)と同様に行ってもよい。
【0055】
この顧客による予約がみつからなかった場合(S14:No)には、制御部121は、記憶部125に記憶された最新の日報テーブルを参照し、このセミナーについての連絡がこの顧客に対して既に行われているか否かを判定する(S15)。この判断は、最新の日報テーブルにおいて、この顧客コードをもつ顧客の「セミナーコード」に、このセミナーの「セミナーコード」と等しいものがあるか否かによって行われる。
【0056】
この連絡がまだ行われていない場合(S15:No)には、制御部121は、記憶部125に記憶された最新の顧客テーブルにおける「DM可否」を参照し、「DM可否」が「〇」の場合においてのみ、この案内のダイレクトメールが可であると認識し、「×」の場合は不可であると認識する(S16)。
【0057】
ダイレクトメールが可であった場合(S16:Yes)には、制御部121は、この顧客(S12)に対して、このセミナー(S11)の具体的内容、開催日時等を記載した電子メールを作成させ、この顧客の「電子メールアドレス」で特定された電子メールアドレスに送信させる(S17)。この指示は、顧客テーブルにおけるこの顧客の部店コードで特定された部店宛、あるいはその部店における営業員端末3宛に行うことが好ましい。
【0058】
この電子メールが送信された後には、担当の営業員等によって、営業員端末3から、このような内容の電子メールをこの顧客に対して送信した旨が、日報テーブル(図3(b))に追記され、記憶部135に記憶される(S18)。
【0059】
セミナーが推奨できない場合(S13:No)、既にこの顧客がこのセミナーを予約していた場合(S14:Yes)、既にこの顧客に対してこのセミナーに関する連絡が行われていた場合(S15:Yes)、DM可でない場合(S16:No)には、電子メールの送信(S17)、日報テーブルの更新(S18)は行われない。
【0060】
上記の動作(S13~S18)は、記憶部135に記憶された最新の顧客テーブルにおける全ての顧客に対して(S19)、及び記憶部135に記憶された最新のセミナー情報テーブルにおける全てのセミナーに対して(S20)、行われる。なお、データサーバ12自身が電子メールの送信(S17)及び日報テーブルの更新(S18)を行ってもよい。この場合、この電子メールを送信する前に、その旨を営業員端末3に送信し、営業員Sに確認させてもよい。
【0061】
なお、図5の動作によって新たに顧客テーブルに登録された顧客(S4)については、登録された情報の本人による確認がまだ行われていないために、情報が適正でない可能性もあり、この場合には電子メールの送信(S17)が望ましくない場合もある。この顧客に対しては、前記のように見込客フラグが「1」に設定されているため、この場合、上記のような電子メールの送信を行うか否かのために用いられる判定(S13、S14、S15、S16)に加えて、更に、見込客フラグが「0」である場合にのみ電子メールを送信(S17)する設定とすればよい。このように、図5の動作で新たに顧客テーブルに登録された顧客(S4)、元から登録されていた顧客、のそれぞれに対して異なる見込客フラグを設定することによって、こうした動作を容易に行わせることができる。
【0062】
上記の動作によって、このセミナーに関する連絡を、更新された顧客テーブルに基づいて、効率的に行うことができる。この際、顧客テーブルが前記のように最新のセミナー予約テーブルを用いて更新されるため、特にこのような営業活動を効率的に行わせることができる。
【0063】
なお、セミナー情報テーブル(図4(a))における削除フラグが「1」であるセミナー(このセミナーが一旦登録されたがその後にキャンセルとなった場合)については、電子メールを送信するための図7の動作においては除外される。一方、このセミナーに関する情報は、顧客テーブルの更新(図5の動作)においては用いてもよい。すなわち、この場合には、顧客テーブルの更新(図5の動作)は、セミナー情報テーブルにおける削除フラグの値によらずに、登録された全てのセミナーについて行われる。
【0064】
なお、セミナー予約テーブル(図4(b))における削除フラグが「1」である場合(この顧客が一旦予約登録を行ったがその後にキャンセルとなった場合)にも、この顧客に対するこのセミナーに関する電子メールの送信(図7の動作)は除外される。一方、この顧客におけるこのセミナーに関する情報は、顧客テーブルの更新(図5の動作)においては用いてもよい。すなわち、この場合にも、顧客テーブルの更新(図5の動作)は、セミナー予約テーブルにおける削除フラグの値によらずに、登録された全ての顧客について行われる。
【0065】
なお、図7においては、顧客テーブルに登録された顧客に対するセミナーの案内の電子メールを送信する動作が示されたが、制御部121は、新たに顧客テーブルに登録された顧客(S4)や、登録された情報に追加があった顧客(S6)に対して、他の内容の電子メールを作成して送信させる指示を行うこともできる。例えば、セミナー予約テーブルに基づいて新たに登録された顧客(図6)については、「顧客住所」、「投資経験」等、NULLの項目が多いため、この顧客に対して、これらの内容を問い合わせる(あるいは入力させる)、あるいはこれ以外の内容を確認させる旨の電子メールを作成して送信させてもよい。この際、「DM可否」についても、この顧客に再設定させてもよい。この顧客に対しては図6に示されたように見込客フラグが「1」に設定されていたが、このような確認・修正作業が行われた後には見込客フラグを「0」とし、以降は、この顧客に対して、予め登録されていた他の顧客と同等の扱いをすることができる。
【0066】
また、上記の例では、図1に示されたように各種テーブルが作成、管理され、図5図7に示された動作がデータベースサーバ12によって行われるものとした。しかしながら、例えば図1における営業支援システム1とセミナー予約システム2が一体化された装置(サーバ)を用いてもよい。また、これらの動作を図1におけるセミナー予約システム2側で行い、セミナー予約システム2を実質的に営業支援システムとして用いてもよい。すなわち、上記の動作がシステム全体の中で行われていればよい。
【0067】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0068】
1 営業支援システム
2 セミナー予約システム
3 営業員端末
11、21 Webサーバ
12、22 データベースサーバ
121 制御部
122 操作部
123 表示部
124 作業用メモリ
125 記憶部
126 インターフェース部
N ネットワーク
S 営業員
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7