(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077094
(43)【公開日】2023-06-05
(54)【発明の名称】センサ
(51)【国際特許分類】
G01N 27/409 20060101AFI20230529BHJP
【FI】
G01N27/409 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021190244
(22)【出願日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 英成
(72)【発明者】
【氏名】劉 孫超
【テーマコード(参考)】
2G004
【Fターム(参考)】
2G004BB04
2G004BC02
2G004BH01
2G004BH02
2G004BH06
2G004BH11
2G004BJ03
(57)【要約】
【課題】外部からのセパレータの大径部の外周面への衝撃によって大径部にクラックが発生する場合において、端子収容部にクラックが達するのを防止することができるセンサを提供する。
【解決手段】セパレータ50の大径部51は、端子収容部53f,53g,53j,53k,53mよりも径方向外側の位置に、外部からの大径部51の外周面51gへの衝撃IPによって相対的にクラックCRが生じ易い脆弱部55であって、前記衝撃IPによって大径部51にクラックCRが生じる場合に、当該脆弱部55にクラックCRを生じさせることによって前記衝撃IPを吸収して、クラックCRが端子収容部53f,53g,53j,53k,53mに達するのを防止する脆弱部55を有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向に延び、電極端子部を有するセンサ素子と、
前記軸線方向に延びる円筒状をなす外筒と、
前記軸線方向について前記センサ素子よりも後端側の位置から先端側に延び、前記センサ素子の前記電極端子部に接触して導通する端子接触部を有する端子金具と、
前記軸線方向に延びる円筒状をなし、前記外筒の内部に配置され、前記端子金具の少なくとも一部を収容する端子収容部を有するセラミック製のセパレータと、を備え、
前記セパレータは、
前記軸線方向に延びる小径部と、前記小径部に対して前記軸線方向に隣接する前記小径部よりも径大である大径部と、を有し、
前記大径部は、前記小径部よりも径方向外側に位置する鍔部を有し、
前記端子収容部は、前記鍔部よりも径方向内側に位置する
センサにおいて、
前記セパレータの前記大径部は、前記端子収容部よりも径方向外側の位置に、外部からの当該大径部の外周面への衝撃によって相対的にクラックが生じ易い脆弱部であって、前記衝撃によって前記大径部にクラックが生じる場合に、当該脆弱部にクラックを生じさせることによって前記衝撃を吸収して、クラックが前記端子収容部に達するのを防止する脆弱部を有する
センサ。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサであって、
前記セパレータは、複数の前記端子収容部を有し、
前記大径部のうち、前記セパレータと同軸で複数の前記端子収容部のいずれも内部に収容する最小径の仮想円筒よりも径方向外側に位置する部位を大径外側部とすると、
前記脆弱部は、前記端子収容部から離間して前記大径外側部に設けられている
センサ。
【請求項3】
請求項2に記載のセンサであって、
前記大径外側部のうち、前記大径部の外周面から径方向内側に離間し、且つ、前記端子収容部から離間した部位に、複数の前記端子収容部を囲むように形成された溝を有し、
前記大径外側部のうち前記溝に沿って延びる部位が、前記脆弱部である
センサ。
【請求項4】
請求項3に記載のセンサであって、
前記溝は、前記大径部の周方向に延びる円環状溝であり、
前記脆弱部は、前記円環状溝に沿って前記大径部の全周に形成されている
センサ。
【請求項5】
請求項2~請求項4のいずれか一項に記載のセンサであって、
前記大径外側部のうち、前記大径部の外周面から径方向内側に離間し、且つ、前記端子収容部から離間した部位に、前記軸線方向に延びる複数の穴を有し、
前記複数の穴は、前記大径部の周方向に間隔を空けて連なっており、
前記大径外側部のうち隣り合う2つの前記穴の間に位置する部位が、前記脆弱部である
センサ。
【請求項6】
請求項5に記載のセンサであって、
前記複数の穴は、前記大径部の周方向に間隔を空けて、前記大径部の全周にわたって連なっており、
前記脆弱部は、前記穴を介して前記大径部の全周にわたって形成されている
センサ。
【請求項7】
請求項2~請求項6のいずれか一項に記載のセンサであって、
前記大径部の外周面は、前記軸線方向に延びる複数の凹部が周方向に連なる凹凸面を有し、
前記大径外側部のうち、周方向に隣り合う2つの凹部の底部の間に位置する部位が、前記脆弱部である
センサ。
【請求項8】
請求項7に記載のセンサであって、
前記複数の凹部は、前記大径部の全周にわたって連なっており、
前記脆弱部は、前記大径部の全周にわたって形成されている
センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の排気管等に取り付けられて使用され、測定対象ガス(排気ガス)中の特定ガス成分(例えば、酸素やNOxなど)を検出するセンサが知られている。このようなセンサとして、特許文献1には、軸線方向に延び、電極端子部を有するセンサ素子と、軸線方向に延びる円筒状をなす外筒と、軸線方向についてセンサ素子よりも後端側の位置から先端側に延び、センサ素子の電極端子部に接触して導通する端子接触部を有する端子金具と、を備えるセンサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
さらに、上述のセンサは、軸線方向に延びる円筒状をなし、外筒の内部に配置され、端子金具の少なくとも一部を収容する端子収容部を有するセラミック製のセパレータを備える。このセパレータは、軸線方向に延びる小径部と、小径部に対して軸線方向に隣接する小径部よりも径大である大径部とを有する。このうち、大径部は、小径部よりも径方向外側に位置する鍔部を有する。また、端子収容部は、鍔部よりも径方向内側に位置している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のセンサでは、外部からのセパレータの大径部の外周面への衝撃によって大径部にクラックが発生し、このクラックが端子収容部に達することがあった。具体的には、例えば、外部から飛んできた石による衝撃で外筒が径方向内側に凹み、この凹んだ外筒がセパレータの大径部の外周面に衝突して、大径部にクラックが発生し、このクラックが端子収容部に達することがあった。そして、端子収容部においてクラックが発生することによって端子収容部が変形し、この変形によって端子収容部に収容されている端子金具が動くことにより、端子金具の端子接触部とセンサ素子の電極端子部との間の接触不良が生じることがあった。
【0006】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、外部からのセパレータの大径部の外周面への衝撃によって大径部にクラックが発生する場合において、端子収容部にクラックが達するのを防止することができるセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、軸線方向に延び、電極端子部を有するセンサ素子と、前記軸線方向に延びる円筒状をなす外筒と、前記軸線方向について前記センサ素子よりも後端側の位置から先端側に延び、前記センサ素子の前記電極端子部に接触して導通する端子接触部を有する端子金具と、前記軸線方向に延びる円筒状をなし、前記外筒の内部に配置され、前記端子金具の少なくとも一部を収容する端子収容部を有するセラミック製のセパレータと、を備え、前記セパレータは、前記軸線方向に延びる小径部と、前記小径部に対して前記軸線方向に隣接する前記小径部よりも径大である大径部と、を有し、前記大径部は、前記小径部よりも径方向外側に位置する鍔部を有し、前記端子収容部は、前記鍔部よりも径方向内側に位置するセンサにおいて、前記セパレータの前記大径部は、前記端子収容部よりも径方向外側の位置に、外部からの当該大径部の外周面への衝撃によって相対的にクラックが生じ易い脆弱部であって、前記衝撃によって前記大径部にクラックが生じる場合に、当該脆弱部にクラックを生じさせることによって前記衝撃を吸収して、クラックが前記端子収容部に達するのを防止する脆弱部を有するセンサである。
【0008】
上述のセンサでは、セパレータの大径部が、端子収容部よりも径方向外側の位置に、外部からの当該大径部の外周面への衝撃によって相対的にクラックが発生し易い脆弱部を有する。この脆弱部は、外部からの大径部の外周面への衝撃によって大径部にクラックが発生する場合に、当該脆弱部にクラックを発生させることによって衝撃を吸収することで、端子収容部にクラックが達するのを防止する。このため、上述のセンサでは、外部からの衝撃で外筒が径方向内側に凹み、この凹んだ外筒がセパレータの大径部の外周面に衝突して、大径部にクラックが発生する場合でも、端子収容部よりも径方向外側に位置する脆弱部においてクラックを発生させつつ衝撃を吸収し(減衰させ)、端子収容部にクラックが達するのを防止することができる。これにより、「端子収容部においてクラックが発生することによって端子収容部が変形し、この変形によって端子収容部に収容されている端子金具が動くことにより、端子金具の端子接触部とセンサ素子の電極端子部との間の接触不良が生じる」ことを防止できる。
【0009】
さらに、前記のセンサであって、前記セパレータは、複数の前記端子収容部を有し、前記大径部のうち、前記セパレータと同軸で複数の前記端子収容部のいずれも内部に収容する最小径の仮想円筒よりも径方向外側に位置する部位を大径外側部とすると、前記脆弱部は、前記端子収容部から離間して前記大径外側部に設けられているセンサとすると良い。
【0010】
上述のセンサでは、脆弱部が、端子収容部から離間する態様で大径外側部に設けられている。これにより、前述のように衝撃によって大径部にクラックが発生する場合でも、大径外側部に位置する脆弱部においてクラックを発生させつつ衝撃を吸収する(減衰させる)ことができるので、クラックが大径外側部よりも径方向内側の部位に進行するのを防止することができる。従って、大径外側部よりも径方向内側に位置する端子収容部にクラックが達するのを防止することができる。
【0011】
さらに、前記のセンサであって、前記大径外側部のうち、前記大径部の外周面から径方向内側に離間し、且つ、前記端子収容部から離間した部位に、複数の前記端子収容部を囲むように形成された溝を有し、前記大径外側部のうち前記溝に沿って延びる部位が、前記脆弱部であるセンサとすると良い。
【0012】
上述のセンサでは、前述のように衝撃によって大径部にクラックが発生する場合、大径部の外周面から内側に向かって進行したクラックが脆弱部に達した後、脆弱部においてクラックが発生する。このとき、脆弱部に発生するクラックは、大径外側部のうち端子収容部から離間した部位の内部において、複数の端子収容部を囲むように形成された溝に沿って進行する。これにより、大径外側部に位置する脆弱部において衝撃を吸収する(減衰させる)ことができるので、大径外側部よりも径方向内側に位置する端子収容部にクラックが達するのを防止することができる。
【0013】
なお、上述のセンサは、1本の溝によって複数の端子収容部が囲まれるようにしても良いし、大径外側部の全周にわたって間隔を空けて設けられた複数本の溝によって、複数の端子収容部が囲まれるようにしても良い。
【0014】
さらに、前記のセンサであって、前記溝は、前記大径部の周方向に延びる円環状溝であり、前記脆弱部は、前記円環状溝に沿って前記大径部の全周に形成されているセンサとすると良い。
【0015】
上述のセンサでは、大径外側部において、脆弱部が円環状溝に沿って大径部の全周に形成されているので、前述のように衝撃によって大径部にクラックが発生する場合に、より確実に脆弱部においてクラックを発生させて衝撃を吸収することができるので、端子収容部にクラックが達するのをより確実に防止することができる。
【0016】
さらに、前記いずれかのセンサであって、前記大径外側部のうち、前記大径部の外周面から径方向内側に離間し、且つ、前記端子収容部から離間した部位に、前記軸線方向に延びる複数の穴を有し、前記複数の穴は、前記大径部の周方向に間隔を空けて連なっており、前記大径外側部のうち隣り合う2つの前記穴の間に位置する部位が、前記脆弱部であるセンサとすると良い。
【0017】
上述のセンサでは、前述のように衝撃によって大径部にクラックが発生する場合、大径部の外周面から内側に向かって進行したクラックが、大径部の周方向に間隔を空けて連なる複数の穴のうちのいずれかの穴に向かって進行し、その後、大径外側部のうち端子収容部から離間した部位の内部において、当該穴の隣りに位置する穴に向かってクラックが進行する。このとき、隣り合う2つの穴の間に位置する脆弱部においてクラックが発生する。このようにして、大径外側部のうち端子収容部から離間した部位の内部において、穴から穴に向かってクラックが進行する。これにより、大径外側部に位置する脆弱部において衝撃を吸収する(減衰させる)ことができるので、大径外側部よりも径方向内側に位置する端子収容部にクラックが達するのを防止することができる。
【0018】
さらに、前記のセンサであって、前記複数の穴は、前記大径部の周方向に間隔を空けて、前記大径部の全周にわたって連なっており、前記脆弱部は、前記穴を介して前記大径部の全周にわたって形成されているセンサとすると良い。
【0019】
上述のセンサでは、大径部の全周にわたって連なる複数の穴を介して、大径外側部において脆弱部が大径部の全周にわたって形成されているので、前述のように衝撃によって大径部にクラックが発生する場合に、より確実に脆弱部においてクラックを発生させて衝撃を吸収することができるので、端子収容部にクラックが達するのをより確実に防止することができる。
【0020】
さらに、前記いずれかのセンサであって、前記大径部の外周面は、前記軸線方向に延びる複数の凹部が周方向に連なる凹凸面を有し、前記大径外側部のうち、周方向に隣り合う2つの凹部の底部の間に位置する部位が、前記脆弱部であるセンサとすると良い。
【0021】
上述のセンサでは、大径外側部のうち、大径部の外周面において周方向に隣り合う2つの凹部の底部の間に位置する部位が脆弱部となっている。このため、外部からの衝撃で外筒が径方向内側に凹み、この凹んだ外筒がセパレータの大径部の外周面に衝突して、大径部にクラックが発生する場合、外周面において周方向に隣り合う2つの凹部の底部の間に位置する脆弱部において、クラックが発生して衝撃を吸収する(減衰させる)ことができる。これにより、端子収容部にクラックが達するのを防止することができる。
【0022】
さらに、前記のセンサであって、前記複数の凹部は、前記大径部の全周にわたって連なっており、前記脆弱部は、前記大径部の全周にわたって形成されているセンサとすると良い。
【0023】
上述のセンサでは、複数の凹部が大径部の全周にわたって連なっていることで、脆弱部が大径部の全周にわたって形成されている。このため、前述のように衝撃によって大径部にクラックが発生する場合に、より確実に脆弱部においてクラックを発生させて衝撃を吸収することができるので、端子収容部にクラックが達するのをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図4】実施形態にかかるセパレータの平面図(上面図)である。
【
図7】外部からの衝撃によって同セパレータの大径部に発生するクラックの一例を示す図である。
【
図8】変形形態1にかかるセパレータの平面図(上面図)である。
【
図11】外部からの衝撃によって同セパレータの大径部に発生するクラックの一例を示す図である。
【
図12】変形形態2にかかるセパレータの平面図(上面図)である。
【
図15】外部からの衝撃によって同セパレータの大径部に発生するクラックの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<実施形態>
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、実施形態のセンサ1の縦断面図であり、センサ1の軸線AXを通る位置で軸線方向DXにセンサ1を切断した(但し、センサ素子5、第5端子金具45、及び第5リード線35は切断していない)断面図である。なお、
図1において、下側がセンサ1の先端側であり、上側がセンサ1の後端側である。また、
図2は、
図1のB部拡大図である。
【0026】
センサ1は、ガスセンサであり、先端側の部位が図示しない自動車等の排気管内に挿入される態様で排気管に取り付けられ、先端側を下方に向けた状態で使用される。具体的には、センサ1は、排気ガス(測定対象ガス)中の特定ガス成分(例えば、酸素やNOxなど)を検出する。このセンサ1は、
図1に示すように、センサ素子5と主体金具3とプロテクタ9と外筒11とを備える。
【0027】
このうち、センサ素子5は、軸線方向DX(センサ1の軸線AXに沿う方向、
図1において上下方向)に延びる棒状をなし、測定対象ガス(排気ガス)に晒される先端側に、保護層(図示省略)に覆われた検出部5bを有する。この検出部5bは、排気ガス(測定対象ガス)中の特定ガス成分(例えば、酸素やNOxなど)を検出する。さらに、センサ素子5は、その後端側に、5つの電極端子部(第1電極端子部5f、第2電極端子部5g、第3電極端子部5j、第4電極端子部5k、第5電極端子部5m)を有する(
図3参照)。このセンサ素子5は、主体金具3の貫通孔3f内に挿入されている。詳細には、このセンサ素子5は、先端側に位置する検出部5bが、主体金具3の先端面3dから先端側に突出すると共に、後端側に位置する5つの電極端子部(第1電極端子部5f~第5電極端子部5m)が、主体金具3の後端から後端側に突出した状態で、主体金具3の貫通孔3f内に固定されている。
【0028】
主体金具3は、センサ素子5の周囲を取り囲みつつ、センサ素子5を保持(他部材を介して保持)している。この主体金具3は、軸線方向DXに延びる筒状をなし、先端側から後端側に延びる貫通孔3fを有すると共に、その外表面に自身を排気管に固定するためのネジ部3mを備える(
図1参照)。なお、貫通孔3fには、径方向内側に突出する棚部3kが形成されている。さらに、主体金具3は、先端面3dを含む円筒状の先端側壁部3cを有する。この主体金具3は、金属材料(例えば、ステンレスなど)によって形成されている。
【0029】
主体金具3の貫通孔3fの内部には、絶縁性材料(例えばアルミナなど)からなる環状のホルダ61と、滑石粉末充填層63、65と、絶縁性材料(例えばアルミナなど)からなる環状のスリーブ67とが、センサ素子5の径方向周囲を取り囲む状態で配置されている(
図1参照)。スリーブ67と主体金具3の後端部との間には、加締パッキン69が配置されている。また、ホルダ61と主体金具3の棚部3kとの間には、滑石粉末充填層63やホルダ61を保持するための筒状の金属ホルダ71が配置されている。なお、主体金具3の後端部は、加締パッキン69を介してスリーブ67を先端側に押し付けるようにして、加締められている(
図1参照)。
【0030】
また、プロテクタ9は、筒状をなし、主体金具3の先端側の部位に固定されている。具体的には、プロテクタ9は、センサ素子5の先端側の部位(主体金具3の先端面3dから先端側に突出する部位)を包囲する態様で、主体金具3の先端側壁部3cの外周面に溶接等(図示せず)によって固定されている。このプロテクタ9は、耐熱性材料(例えばNCF601など)によって形成されている。プロテクタ9は、センサ素子5の検出部5bが配置される測定室Sを構成する筒状の第1プロテクタ9b(内側プロテクタ)と、第1プロテクタ9bの外周を取り囲む筒状の第2プロテクタ9d(外側プロテクタ)とを備える二重筒構造を有している。第1プロテクタ9bには、測定対象ガスの通過が可能な複数の通気孔9cが形成されている。第2プロテクタ9dには、測定対象ガスの通過が可能な複数の通気孔9fが形成されている(
図1参照)。
【0031】
また、外筒11は、金属製であり、軸線方向DXに延びる円筒状をなしている。この外筒11は、主体金具3の後端側の部位に取り付けられて(溶接されて)、センサ素子5の後端側の部位を包囲している(
図1参照)。
【0032】
さらに、センサ1は、5つの端子金具(第1端子金具41、第2端子金具42、第3端子金具43、第4端子金具44、第5端子金具45)と、セパレータ50と、5本のリード線(第1リード線31、第2リード線32、第3リード線33、第4リード線34、第5リード線35)と、ゴムキャップ15とを備える(
図1及び
図2参照)。このうち、5つの端子金具(第1端子金具41~第5端子金具45)は、それぞれ、弾性を有する耐熱性金属(例えばステンレス鋼など)からなり、軸線方向DXについてセンサ素子5よりも後端側の位置から先端側に延びる形態をなしている。
【0033】
第1端子金具41は、センサ素子5の第1電極端子部5fに接触して導通する第1端子接触部41bと、第1リード線31(詳細には、第1リード線31中の金属芯線31b)が接続される第1後端側接続部41cとを有する(
図1及び
図2参照)。第2端子金具42は、センサ素子5の第2電極端子部5gに接触して導通する第2端子接触部42bと、第2リード線32(詳細には、第2リード線32中の金属芯線32b)が接続される第2後端側接続部42cとを有する。第3端子金具43は、センサ素子5の第3電極端子部5jに接触して導通する第3端子接触部43bと、第3リード線33(詳細には、第3リード線33中の金属芯線33b)が接続される第3後端側接続部43cとを有する。第4端子金具44は、センサ素子5の第4電極端子部5kに接触して導通する第4端子接触部44bと、第4リード線34(詳細には、第4リード線34中の金属芯線34b)が接続される第4後端側接続部44cとを有する。第5端子金具45は、センサ素子5の第5電極端子部5mに接触して導通する第5端子接触部45bと、第5リード線35(詳細には、第5リード線35中の金属芯線35b)が接続される第5後端側接続部45cとを有する。
【0034】
セパレータ50は、セラミック(例えば、アルミナ、ステアタイトなど)からなり、軸線方向DXに延びる円筒状をなしている(
図4~
図6参照)。このセパレータ50は、外筒11の内部に配置されている(
図1及び
図2参照)。セパレータ50は、軸線方向DXに延びる円筒状の小径部52と、小径部52に対して軸線方向DXに隣接する小径部52よりも径大である円筒状の大径部51とを有する(
図4~
図6参照)。大径部51は、小径部52よりも径方向外側に位置する円環状の鍔部54を有する。
【0035】
さらに、セパレータ50は、自身を軸線方向DXに貫通する貫通孔53を有する。この貫通孔53には、第1端子金具41の少なくとも一部を収容する第1端子収容部53fと、第2端子金具42の少なくとも一部を収容する第2端子収容部53gと、第3端子金具43の少なくとも一部を収容する第3端子収容部53jと、第4端子金具44の少なくとも一部を収容する第4端子収容部53kと、第5端子金具45の少なくとも一部を収容する第5端子収容部53mとが含まれている(
図2、
図4、
図6参照)。すなわち、セパレータ50は、5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)を有している。これら5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)は、いずれも、鍔部54よりも径方向内側(中心軸側)に位置している。また、この貫通孔53の先端側部分の中央部には、センサ素子5のうち5つの電極端子部(第1電極端子部5f~第5電極端子部5m)を有する後端部5cが収容されている(
図1及び
図2参照)。
【0036】
なお、
図2に示すように、第5端子金具45は、第5端子収容部53mを構成するセパレータ50の壁面のうち大径部51の外周面51gに最も近い壁面部53m1に接触する態様で、第5端子収容部53m内にその一部が収容されている。より具体的には、第5端子金具45の第5端子接触部45bが壁面部53m1側に弾性変形した状態でセンサ素子5の第5電極端子部5mに接触しており、第5端子接触部45bの弾性復元力によって第5端子金具45のうち軸線方向DXに延びる部位が壁面部53m1に押しつけられるように接触している。これと同様な態様で、第1端子金具41は、第1端子収容部53fを構成する壁面の一部である壁面部53f1に接触し、第2端子金具42は、第2端子収容部53gを構成する壁面の一部である壁面部53g1に接触し、第3端子金具43は、第3端子収容部53jを構成する壁面の一部である壁面部53j1に接触し、第4端子金具44は、第4端子収容部53kを構成する壁面の一部である壁面部53k1に接触している。
【0037】
また、ゴムキャップ15は、耐熱性ゴムからなり、軸線方向DXに延びる筒状(柱状)をなしている。このゴムキャップ15は、外筒11の後端側開口部11cを閉塞する態様で、外筒11に固定されている(
図1参照)。具体的には、ゴムキャップ15は、外筒11の後端部を径方向内側に加締めることによって、外筒11に固定されている。ゴムキャップ15は、当該ゴムキャップ15を軸線方向DXに貫通する5つの貫通孔15bを有する。各々の貫通孔15bには、5本のリード線(第1リード線31~第5リード線35)のいずれかが挿通している。
【0038】
さらに、センサ1は、セパレータ50を保持する保持金具20を備える(
図1及び
図2参照)。この保持金具20は、軸線方向DXに延びる円筒状をなし、セパレータ50の周囲(外周)を取り囲む態様で外筒11の内部に配置されてセパレータ50を保持(支持)する。この保持金具20は、セパレータ50に接触(圧接)してセパレータ50を保持する保持部21と、外筒11の内周面11bに接触(圧接)する外筒接触部23とを有する。保持部21は、周方向に等間隔で4つ設けられている。各々の保持部21の後端部21bは、セパレータ50の鍔部54の先端側面54hに接触(当接)している(
図2参照)。従って、4つの保持部21は、セパレータ50の鍔部13bを先端側(下方)から支持する態様で、セパレータ50を保持している。
【0039】
ところで、従来のセンサでは、外部からのセパレータの大径部の外周面への衝撃によって大径部にクラックが発生し、このクラックが端子収容部に達することがあった。具体的には、例えば、外部から飛んできた石による衝撃で外筒が径方向内側に凹み、この凹んだ外筒がセパレータの大径部の外周面に衝突して、大径部にクラックが発生し、このクラックが端子収容部に達することがあった。そして、端子収容部においてクラックが発生することによって端子収容部が変形し、この変形によって端子収容部に収容されている端子金具が動くことにより、端子金具の端子接触部とセンサ素子の電極端子部との間の接触不良が生じることがあった。
【0040】
これに対し、本実施形態のセンサ1では、セパレータ50の大径部51が、5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)よりも径方向外側の位置に、外部からの大径部51の外周面51gへの衝撃IPによって相対的にクラックCRが発生し易い脆弱部55を有する(
図4、
図6参照)。この脆弱部55は、外部からの大径部51の外周面51gへの衝撃IPによって大径部51にクラックCRが発生する場合に、当該脆弱部55にクラックCRを発生させることによって衝撃IPを吸収することで、5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)にクラックCRが達するのを防止する(
図7参照)。
【0041】
このため、本実施形態のセンサ1では、外部からの衝撃IPで外筒11が径方向内側に凹み、この凹んだ外筒11がセパレータ50の大径部51の外周面51gに衝突して、大径部51にクラックCRが発生する場合でも、5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)よりも径方向外側に位置する脆弱部55においてクラックCRを発生させつつ衝撃IPを吸収し(減衰させ)、5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)にクラックCRが達するのを防止することができる(
図7参照)。
【0042】
ここで、セパレータ50と同軸で5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)のいずれも内部に収容する最小径の仮想円筒を、仮想円筒VCとする(
図4、
図6参照)。さらに、大径部51のうち仮想円筒VCよりも径方向外側に位置する部位を、大径外側部51bとすると、脆弱部55は、5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)から離間して大径外側部51bに設けられている。
【0043】
従って、前述のような外部からの衝撃IPによって大径部51にクラックCRが発生する場合でも、大径外側部51bに位置する脆弱部55においてクラックCRを発生させつつ衝撃IPを吸収する(減衰させる)ことができるので、クラックCRが大径外側部51bよりも径方向内側の部位に進行するのを防止することができる。従って、大径外側部51bよりも径方向内側に位置する5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)にクラックCRが達するのを防止することができる(
図7参照)。
【0044】
具体的には、セパレータ50は、大径外側部51bのうち、大径部51の外周面51gから径方向内側に離間し、且つ、5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)から離間した部位に、5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)を囲むように形成された第1溝56と第2溝57を有している。第1溝56は、大径部51の周方向に延びる円環状溝であり、大径外側部51bの後端面51c(上面)に開口するように、大径外側部51b形成されている(
図4、
図6参照)。第2溝57は、大径部51の周方向に延びる円環状溝であり、鍔部54(大径外側部51bの一部である)の先端側面54hに開口するように、大径外側部51bに形成されている。
【0045】
従って、本実施形態のセパレータ50では、大径外側部51bのうち、第1溝56と第2溝57との間に位置して第1溝56及び第2溝57に沿って延びる円環状の部位が、脆弱部55となっている(
図4、
図6参照)。この脆弱部55は、円環状溝である第1溝56及び第2溝57に沿って、大径部51の全周に形成されている。
【0046】
従って、
図7に示すように、外部からの衝撃IPで外筒11が径方向内側に凹み、この凹んだ外筒11がセパレータ50の大径部51の外周面51gに衝突して、大径部51にクラックCRが発生する場合、大径部51の外周面51gから内側に向かって進行したクラックCRが脆弱部55に達した後、脆弱部55においてクラックCRが発生する。このとき、脆弱部55に発生するクラックCRは、大径外側部51bのうち5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)から離間した部位の内部において、5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)を囲むように形成された第1溝56及び第2溝57溝に沿って進行する。なお、
図7は、センサ1を軸線方向DXに直交する方向に切断した部分断面概略図であり、第4端子収容部53kに収容されている第4端子金具44、及び、第5端子収容部53mに収容されている第5端子金具45の図示は省略している。
【0047】
これにより、大径外側部51bに位置する脆弱部55において衝撃IPを吸収する(減衰させる)ことができるので、大径外側部51bよりも径方向内側に位置する5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)にクラックCRが達するのを防止することができる。特に、脆弱部55は、大径外側部51bにおいて、円環状溝である第1溝56及び第2溝57溝に沿って大径部51の全周に形成されているので、大径部51の外周面51gのいずれの周方向位置において、凹んだ外筒11が衝突したとしても、確実に脆弱部55においてクラックCRを発生させて衝撃IPを吸収することができる。従って、5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)にクラックCRが達するのをより確実に防止することができる。
【0048】
従って、本実施形態のセンサ1では、「5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)の少なくともいずれかにおいてクラックCRが発生することによって、当該端子収容部が変形し、この変形によって当該端子収容部に収容されている端子金具(5つの端子金具である第1端子金具41~第5端子金具45の少なくともいずれか)が動くことにより、当該端子金具の端子接触部(5つの端子接触部である第1端子接触部41b~第5端子接触部45bの少なくともいずれか)とセンサ素子5の電極端子部(5つの電極端子部である第1電極端子部5f~第5電極端子部5mの少なくともいずれか)との間の接触不良が生じる」ことを防止できる。
【0049】
<変形形態1>
次に、本発明の変形形態1について説明する。本変形形態1のセンサ101は、実施形態のセンサ1と比較して、セパレータのみが異なり、その他は同等である。本変形形態1のセパレータ150は、実施形態のセパレータ50と比較して、第1溝56及び第2溝57を有することなく、
図8~
図10に示すように、大径外側部151bのうち、大径部151の外周面151gから径方向内側に離間し、且つ、5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)から離間した部位に、軸線方向DXに延びる複数の円筒状の穴156を有している点が異なる。
【0050】
複数の穴156は、大径部151の周方向に間隔を空けて連なって(並んで)おり、大径外側部151bのうち隣り合う2つの穴156の間に位置する部位が、脆弱部155となっている。詳細には、複数の穴156は、大径部151の周方向に間隔を空けて、大径部151の全周にわたって連なって(並んで)おり、脆弱部155は、穴156を介して大径部151の全周にわたって形成されている。なお、複数の穴156は、いずれも、鍔部154(大径外側部151bの一部である)を軸線方向DXに貫通する貫通穴であり、周方向に等間隔で鍔部154に形成されている。また、各々の穴156から隣りに位置する穴156までの距離は、各々の穴156から5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)のうち最も近くに位置する端子収容部までの距離よりも短くなっている。
【0051】
このようなセンサ101では、
図11に示すように、外部からの衝撃IPで外筒11が径方向内側に凹み、この凹んだ外筒11がセパレータ150の大径部151の外周面151gに衝突して、大径部151にクラックCRが発生する場合、大径部151の外周面151gから内側に向かって進行したクラックCRが、大径部151の周方向に間隔を空けて連なる複数の穴156のうちのいずれかの穴156に向かって進行する。その後、大径外側部151bのうち5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)から離間した部位の内部において、当該穴156の隣り(周方向の隣り)に位置する穴156に向かってクラックCRが進行する。
【0052】
このとき、周方向に隣り合う2つの穴156の間に位置する脆弱部155においてクラックCRが発生する。このようにして、大径外側部151bのうち5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)から離間した部位の内部において、穴156から穴156に向かってクラックCRが進行する。なお、
図11は、センサ101を軸線方向DXに直交する方向に切断した部分断面概略図であり、第4端子収容部53kに収容されている第4端子金具44、及び、第5端子収容部53mに収容されている第5端子金具45の図示は省略している。
【0053】
これにより、大径外側部151bに位置する脆弱部155において衝撃IPを吸収する(減衰させる)ことができるので、大径外側部151bよりも径方向内側に位置する5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)にクラックCRが達するのを防止することができる。特に、脆弱部155は、大径部151の全周にわたって連なる複数の穴156を介して、大径部151の全周にわたって形成されているので、大径部151の外周面151gのいずれの周方向位置に、凹んだ外筒11が衝突したとしても、確実に脆弱部155においてクラックCRを発生させて衝撃IPを吸収することができる。従って、5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)にクラックCRが達するのをより確実に防止することができる。
【0054】
<変形形態2>
次に、本発明の変形形態2について説明する。本変形形態2のセンサ201は、実施形態のセンサ1と比較して、セパレータのみが異なり、その他は同等である。本変形形態2のセパレータ250は、実施形態のセパレータ50と比較して、第1溝56及び第2溝57を有することなく、
図12~
図14に示すように、大径部251の外周面251gが、断面V字形状で軸線方向DXに延びる複数の凹部256が間隔を空けて周方向に連なる(並ぶ)凹凸面251fを有している点が異なる。なお、複数の凹部256は、いずれも、鍔部254(大径外側部251bの一部である)のみに形成されている。
【0055】
このセパレータ250では、大径外側部251bのうち、周方向に隣り合う2つの凹部256の底部256bの間に位置する部位が、脆弱部255となっている。詳細には、複数の凹部256は、大径部251の全周にわたって等しい間隔を空けて連なって(等しい間隔を空けて並んで)おり、脆弱部255は、大径部251の全周にわたって形成されている。なお、各々の凹部256の底部256bから隣りに位置する凹部256の底部256bまでの距離は、各々の凹部256の底部256bから5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)のうち最も近くに位置する端子収容部までの距離よりも短くなっている。
【0056】
このようなセンサ201では、
図15に示すように、外部からの衝撃IPで外筒11が径方向内側に凹み、この凹んだ外筒11がセパレータ250の大径部251の外周面251gに衝突して、大径部251にクラックCRが発生する場合、外周面251gにおいて周方向に隣り合う2つの凹部256の底部256bの間に位置する脆弱部255において、クラックCRが発生して衝撃IPを吸収する(減衰させる)ことができる。これにより、5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)にクラックCRが達するのを防止することができる。なお、
図15は、センサ201を軸線方向DXに直交する方向に切断した部分断面概略図であり、第4端子収容部53kに収容されている第4端子金具44、及び、第5端子収容部53mに収容されている第5端子金具45の図示は省略している。
【0057】
特に、複数の凹部256が大径部251の全周にわたって連なっていることで、脆弱部255が大径部251の全周にわたって形成されている。このため、大径部251の外周面251gのいずれの周方向位置に、凹んだ外筒11が衝突したとしても、確実に脆弱部255においてクラックCRを発生させて衝撃IPを吸収することができる。従って、5つの端子収容部(第1端子収容部53f~第5端子収容部53m)にクラックCRが達するのをより確実に防止することができる。
【0058】
以上において、本発明を実施形態及び変形形態1,2に即して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。例えば、実施形態のセパレータ50では、第1溝56と第2溝57を設けたが、いずれか一方の溝のみを設けるようにしても良い。また、変形形態1のセパレータ150では、複数の穴156を貫通穴としたが、有底穴としても良い。
【符号の説明】
【0059】
1,101,201 センサ
5 センサ素子
5f,5g,5j,5k,5m 電極端子部
11 外筒
31,32,33,34,35 リード線
41,42,43,44,45 端子金具
41b,42b,43b,44b,45b 端子接触部
50,150,250 セパレータ
51,151,251 大径部
51b,151b,251b 大径外側部
52 小径部
53f,53g,53j,53k,53m 端子収容部
54,154,254 鍔部
55,155,255 脆弱部
56,57 溝(円環状溝)
156 穴
256 凹部
256b 底部
CR クラック
DX 軸線方向
VC 仮想円筒