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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077099
(43)【公開日】2023-06-05
(54)【発明の名称】駐車装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/06 20060101AFI20230529BHJP
【FI】
E04H6/06 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021190251
(22)【出願日】2021-11-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年11月4日に、日本発條株式会社 伊勢原工場にて、駐車装置を公開
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500521267
【氏名又は名称】株式会社ニッパツパーキングシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】北井 潤
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 弘幸
(57)【要約】
【課題】パレットのガイドがガイドレールから外れにくい駐車装置を提供すること。
【解決手段】駐車装置は、第1のパレット、第2のパレット、第1のパレットを横行可能な第1の横行台車と、第2のパレットを横行可能な第2の横行台車と、を含み、第1のパレットおよび第2のパレットの各々には、平面視において、前後にオフセットして配置された第1側ガイドおよび第2側ガイドが設置され、第1の横行台車および前記第2の横行台車の各々には、平面視において、前後にオフセットして配置された第1側横行台車固定ガイドレールおよび第2側横行台車固定ガイドレールが設置されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が車両を載置可能な第1のパレットおよび第2のパレットと、
前記第1のパレットを連結し、前記第1のパレットを横行可能な第1の横行台車と、
前記第2のパレットを連結し、前記第2のパレットを横行可能な第2の横行台車と、を含み、
前記第1のパレットおよび前記第2のパレットの各々には、平面視において、前後にオフセットして配置された第1側ガイドおよび第2側ガイドが設置され、
前記第1の横行台車および前記第2の横行台車の各々には、平面視において、前後にオフセットして配置された第1側横行台車固定ガイドレールおよび第2側横行台車固定ガイドレールが設置され、
前記第1のパレットを連結した前記第1の横行台車と前記第2のパレットを連結した前記第2の横行台車とが隣接するとき、前記第1のパレットの前記第2側ガイドと前記第2の横行台車の前記第1側横行台車固定ガイドレールとが係合し、かつ、前記第2のパレットの前記第1側ガイドと前記第1の横行台車の前記第2側横行台車固定ガイドレールとが係合する、駐車装置。
【請求項2】
前記第1の横行台車と前記第2の横行台車とが隣接するとき、平面視において、前記第1の横行台車の前記第1側横行台車固定ガイドレールと前記第2の横行台車の前記第2側横行台車固定ガイドレールとが、前後に配置される、請求項1に記載の駐車装置。
【請求項3】
さらに、前記第1の横行台車と前記第2の横行台車との間を昇降する第3のパレットを含み、
前記第3のパレットには、前後にオフセットして配置された前記第1側ガイドおよび前記第2側ガイドが設置され、
前記第3のパレットが前記第1の横行台車と前記第2の横行台車との間を昇降するとき、前記第3のパレットの前記第1側ガイドおよび前記第3のパレットの前記第2側ガイドは、それぞれ、前記第1の横行台車の前記第2側横行台車固定ガイドレールおよび前記第2の横行台車の前記第1側横行台車固定ガイドレールと係合する、請求項1または請求項2に記載の駐車装置。
【請求項4】
さらに、互いに隣接する第1の支柱および第2の支柱を含み、
前記第1の支柱および前記第2の支柱の各々には、平面視において、前後にオフセットして配置された第1側支柱固定ガイドレールおよび第2側支柱固定ガイドレールが設置され、
前記第1の支柱の前記第2側支柱固定ガイドレールと前記第1の横行台車の前記第2側横行台車固定ガイドレールとは、上下に配置され、
前記第2の支柱の前記第1側支柱固定ガイドレールと前記第2の横行台車の前記第1側横行台車固定ガイドレールとは、上下に配置され、
前記第3のパレットが前記第1の支柱と前記第2の支柱との間を昇降するとき、前記第3のパレットの前記第1側ガイドおよび前記第3のパレットの前記第2側ガイドは、それぞれ、前記第1の支柱の前記第2側支柱固定ガイドレールおよび前記第2の支柱の前記第1側支柱固定ガイドレールと係合する、請求項3に記載の駐車装置。
【請求項5】
前記第1の支柱の前記第2側支柱固定ガイドレールと前記第1の横行台車の前記第2側横行台車固定ガイドレールとの間隔および前記第2の支柱の前記第1側支柱固定ガイドレールと前記第2の横行台車の前記第1側横行台車固定ガイドレールとの間隔の各々は、50mm以下である、請求項4に記載の駐車装置。
【請求項6】
前記第1側横行台車固定ガイドレール、前記第2側横行台車固定ガイドレール、前記第1側支柱固定ガイドレール、および前記第2側支柱固定ガイドレールの各々は、平板状を有し、
前記第1側ガイドは、前記第2側横行台車固定ガイドレールおよび前記第2側支柱固定ガイドレールの各々によって前後方向の移動が制限され、
前記第2側ガイドは、前記第1側横行台車固定ガイドレールおよび前記第1側支柱固定ガイドレールの各々によって前後方向の移動が制限される、請求項4または請求項5に記載の駐車装置。
【請求項7】
前記第1側ガイドおよび前記第2側ガイドの各々は、断面コの字状を有する、請求項6に記載の駐車装置。
【請求項8】
前記第1側ガイドおよび前記第2側ガイドの各々は、平板状を有し、
前記第1側横行台車固定ガイドレールおよび前記第1側支柱固定ガイドレールの各々は、前記第2側ガイドの前後方向の移動を制限し、
前記第2側横行台車固定ガイドレールおよび前記第2側支柱固定ガイドレールの各々は、前記第1側ガイドの前後方向の移動を制限する、請求項4または請求項5に記載の駐車装置。
【請求項9】
前記第1側横行台車固定ガイドレール、前記第2側横行台車固定ガイドレール、前記第1側支柱固定ガイドレール、および前記第2側支柱固定ガイドレールの各々は、断面コの字状を有する、請求項8に記載の駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、自動車などの車両を駐車するための駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の駐車装置として、パレット上に車両を載置して立体的に積み重ねて駐車させる、いわゆる多段式駐車装置が知られている。多段式駐車装置では、パレットを上下方向に昇降させ、または左右方向に横行させることにより、入出庫口に移動したパレットに車両を入出庫させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-209644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多段式駐車装置におけるパレットの昇降動作は、主に、パレットに設置された吊チェーンの巻き上げ、または巻き下げによって行われる。しかしながら、吊チェーンのみによるパレットの昇降動作では、吊チェーンの振動または風などによってパレットが揺れてしまい、パレットの昇降動作が安定しない。そのため、パレットにはガイドが設けられ、ガイドがガイドレールに沿って昇降することにより、パレットの昇降動作を安定させることができる。
【0005】
ガイドレールは、例えば、支柱に設置される。但し、パレットが横行する場合、横行するパレットのガイドと支柱のガイドレールとが衝突することを避けるため、支柱のガイドレールには途切れた部分が存在する。すなわち、支柱には、ガイドレールが存在しない部分が存在する。ガイドレールが存在しない部分の間隔が大きいと、強風などによる外力が加わったときにパレットが横揺れし、ガイドレールが存在しない部分においてガイドが正常軌道から外れる場合がある。この場合、ガイドは、ガイドレールの端部に乗っかり、またはガイドレールの端部を突き上げることになり、その結果、パレットが傾くなどの不良が発生する。
【0006】
パレットを横行させる横行台車にガイドレールを設置することにより、支柱のガイドレールの途切れた部分を横行台車のガイドレールで補間することができる。しかしながら、その場合であっても、支柱のガイドレールと横行台車のガイドレールとの間隔は大きく、上述したような不良が発生していた。
【0007】
したがって、駐車装置の安全性を向上させるためにも、ガイドレールが存在しない部分の間隔を小さくし、パレットのガイドが、支柱または横行台車のガイドレールから外れない構造が望まれていた。
【0008】
本発明の一実施形態は、上記問題に鑑み、パレットのガイドがガイドレールから外れにくい駐車装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る駐車装置は、各々が車両を載置可能な第1のパレットおよび第2のパレットと、第1のパレットを連結し、第1のパレットを横行可能な第1の横行台車と、第2のパレットを連結し、第2のパレットを横行可能な第2の横行台車と、を含み、第1のパレットおよび第2のパレットの各々には、平面視において、前後にオフセットして配置された第1側ガイドおよび第2側ガイドが設置され、第1の横行台車および前記第2の横行台車の各々には、平面視において、前後にオフセットして配置された第1側横行台車固定ガイドレールおよび第2側横行台車固定ガイドレールが設置され、第1のパレットを連結した第1の横行台車と第2のパレットを連結した第2の横行台車とが隣接するとき、第1のパレットの第2側ガイドと第2の横行台車の第1側横行台車固定ガイドレールとが係合し、かつ、第2のパレットの第1側ガイドと第1の横行台車の第2側横行台車固定ガイドレールとが係合する。
【0010】
第1の横行台車と第2の横行台車とが隣接するとき、平面視において、第1の横行台車の第1側横行台車固定ガイドレールと第2の横行台車の第2側横行台車固定ガイドレールとが、前後に配置されてもよい。
【0011】
駐車装置は、さらに、第1の横行台車と第2の横行台車との間を昇降する第3のパレットを含み、第3のパレットには、前後にオフセットして配置された第1側ガイドおよび第2側ガイドが設置され、第3のパレットが第1の横行台車と第2の横行台車との間を昇降するとき、第3のパレットの第1側ガイドおよび第3のパレットの第2側ガイドは、それぞれ、第1の横行台車の第2側横行台車固定ガイドレールおよび第2の横行台車の第1側横行台車固定ガイドレールと係合してもよい。
【0012】
駐車装置は、さらに、互いに隣接する第1の支柱および第2の支柱を含み、第1の支柱および第2の支柱の各々には、平面視において、前後にオフセットして配置された第1側支柱固定ガイドレールおよび第2側支柱固定ガイドレールが設置され、第1の支柱の第2側支柱固定ガイドレールと第1の横行台車の第2側横行台車固定ガイドレールとは、上下に配置され、第2の支柱の第1側支柱固定ガイドレールと第2の横行台車の第1側横行台車固定ガイドレールとは、上下に配置され、第3のパレットが第1の支柱と第2の支柱との間を昇降するとき、第3のパレットの第1側ガイドおよび第3のパレットの第2側ガイドは、それぞれ、第1の支柱の第2側支柱固定ガイドレールおよび第2の支柱の第1側支柱固定ガイドレールと係合してもよい。
【0013】
第1の支柱の第2側支柱固定ガイドレールと第1の横行台車の第2側横行台車固定ガイドレールとの間隔および第2の支柱の第1側支柱固定ガイドレールと第2の横行台車の第1側横行台車固定ガイドレールとの間隔の各々は、50mm以下であってもよい。
【0014】
第1側横行台車固定ガイドレール、第2側横行台車固定ガイドレール、第1側支柱固定ガイドレール、および第2側支柱固定ガイドレールの各々は、平板状を有し、第1側ガイドは、第2側横行台車固定ガイドレールおよび第2側支柱固定ガイドレールの各々の前後方向の移動を制限し、第2側ガイドは、第1側横行台車固定ガイドレールおよび第1側支柱固定ガイドレールの各々の前後方向の移動を制限してもよい。
【0015】
第1側ガイドおよび第2側ガイドの各々は、断面コの字状を有してもよい。
【0016】
第1側ガイドおよび第2側ガイドの各々は、平板状を有し、第1側横行台車固定ガイドレールおよび第1側支柱固定ガイドレールの各々は、第2側ガイドの前後方向の移動を制限し、第2側横行台車固定ガイドレールおよび第2側支柱固定ガイドレールの各々は、第1側ガイドの前後方向の移動を制限してもよい。
【0017】
第1側横行台車固定ガイドレール、第2側横行台車固定ガイドレール、第1側支柱固定ガイドレール、および第2側支柱固定ガイドレールの各々は、断面コの字状を有してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一実施形態に係る駐車装置によれば、パレットと係合するガイドレールの途切れる部分(ガイドレールの存在しない部分)の間隔が小さいため、パレットのガイドがガイドレールから外れることを防止することができる。そのため、本発明の一実施形態に係る駐車装置は、パレットが傾く不良を抑制することができる。したがって、本発明の一実施形態に係る駐車装置は、安定した昇降動作が可能であり、駐車装置の安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る駐車装置の構成を示す模式的な正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る駐車装置の構成を示す模式的な側面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る駐車装置のパレットに設置される第1側ガイドおよび第2側ガイドの構成を示す模式的な斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る駐車装置のパレットに設置される第1側ガイドおよび第2側ガイドの構成を示す分解斜視図である。
図5】一変形例に係る第1側ガイドおよび第2側ガイドの構成を示す分解斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る駐車装置の横行台車に設置される第1側横行台車固定ガイドレールおよび第2側横行台車固定ガイドレールの構成を示す模式的な斜視図である。
図7】一変形例に係る第1側横行台車固定ガイドレールおよび第2側横行台車固定ガイドレールの構成を示す模式的な斜視図である。
図8】本発明の一実施形態に係る駐車装置の支柱に設置される第1側支柱固定ガイドレールおよび第2側支柱固定ガイドレールの構成を示す模式的な斜視図である。
図9】本発明の一実施形態に係る駐車装置のパレットの横行動作を説明する模式図である。
図10】本発明の一実施形態に係る駐車装置のパレットの横行動作を説明する模式図である。
図11】本発明の一実施形態に係る駐車装置のパレットの横行動作を説明する模式図である。
図12】本発明の一実施形態に係る駐車装置のパレットの横行動作を説明する模式図である。
図13】本発明の一実施形態に係る駐車装置において、2つの横行台車が隣接した状態における第1側横行台車固定ガイドレール、第2側横行台車固定ガイドレール、第1側支柱固定ガイドレール、および第2側支柱固定ガイドレールを示す模式的な斜視図である。
図14】本発明の一実施形態に係る駐車装置のパレットの昇降動作を説明する模式図である。
図15】本発明の一実施形態に係る駐車装置のパレットの昇降動作を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0021】
実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付す。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。
【0022】
[1.駐車装置100の構成の概要]
図1および図2は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る駐車装置100の構成を示す模式的な正面図および側面図である。なお、本明細書では、駐車装置100の入出庫口がある面を正面とし、その反対側を背面として説明する。また、駐車装置100の正面から背面に向かう方向、または駐車装置100の背面から正面に向かう方向(すなわち、車両500が駐車装置100に入出庫する方向)を前後方向として説明する。
【0023】
駐車装置100は、支柱102および支柱102間に架設される梁104を含む骨格構造を有し、1台分の車両500が収容可能な区画化された複数の領域(以下、駐車領域という。)を有する。具体的には、駐車装置100は、車両500が積み重なる上下方向(昇降方向)に4段、車両500が並置される左右方向(横行方向)に4連の駐車領域を有する。但し、駐車装置100では、車両500を昇降し、または横行するための予備的空間を必要とし、予備的空間を除くと、駐車装置100は、最大13台の車両500を駐車し、収容することができる。すなわち、駐車装置100は、P1~P13で示す13個の駐車領域を有する。また、駐車領域の各々には、車両500が載置されるパレット200が設置されている。
【0024】
なお、駐車装置100は、4段4連の構造に限られない。駐車装置100が設置される場所により、上下方向に4段未満または5段以上の構造を有していてもよく、左右方向に4連未満または5連以上の構造を有していてもよい。
【0025】
駐車装置100の1段(地上段)は、車両500の駐車領域P1、P5、およびP9を有する。また、駐車装置100の2段および3段(中間段)は、車両500の駐車領域P2、P3、P6、P7、P10、およびP11を有する。1段の駐車領域には、左右方向に横行させることができるパレット200が設置されている。2段および3段の駐車領域には、パレット200および横行台車300が設置されている。横行台車300は、パレット200と連結し、パレット200を左右方向に横行させることができる。なお、2段および3段の駐車領域に設置されたパレット200は、上下方向に昇降することができる。
【0026】
また、駐車装置100の1段は、車両500の入出庫口を有する。すなわち、駐車装置100の1段には、ゲート106が設置され、車両500は、ゲート106が開閉されて、入庫し、または出庫することができる。ゲート106の開閉は、駐車装置100の外側に設置された操作盤108によって操作される。操作盤108は、ゲート106の開閉だけでなく、所定のパレットを移動させることができる。例えば、所定の駐車領域のパレット200を1段に移動させることができる。なお、操作盤108は、支柱102に設置されてもよい。
【0027】
駐車装置100の4段(最上段)は、車両500の駐車領域P4、P8、P12、およびP13を有する。4段の駐車領域には、パレット200が設置されているが、横行台車300は設置されていない。そのため、4段の駐車領域に設置されたパレット200は、上下方向に昇降することができるが、左右方向に横行することはできない。
【0028】
左右方向で隣接する2つのパレット200は、車両500同士が干渉しない間隔を有して配置されている。2段の駐車領域のパレット200は、下方に位置する1段の駐車領域のパレット200を横行させた後、2段と1段との間を昇降し、車両500を入出庫させることができる。3段の駐車領域のパレット200は、下方に位置する1段および2段の駐車領域のパレット200を横行させた後、3段と1段との間を昇降し、車両500を入出庫させることができる。4段の駐車領域のパレット200は、下方に位置する1段~3段の駐車領域のパレットを横行させた後、4段と1段との間を昇降し、車両500を入出庫させることができる。
【0029】
駐車装置100は、複数の車両500が駐車可能である立体駐車装置である。立体駐車装置では、2段~4段に駐車された車両500が入出庫する際には、2段~4段のパレット200を1段に移動させる必要がある。図1に示す駐車装置100は、1段のパレット200を横行させ、2段~4段のパレット200を昇降させる方式であるが、駐車装置100は、このような方式に限られない。例えば、1段のパレット200を地下ピットに沈みこませて、2段~4段のパレット200を1段に降下させる方式、1段~3段のパレット200を前後方向にスライドさせて、2段~4段のパレット200を1段に降下させる方式、またはこれらを組み合わせた方式など、本実施形態に係る駐車装置100は、様々な方式を適用することができる。
【0030】
2段~4段のパレット200には、前後左右の4箇所に4本の吊チェーン202が設置されている。パレット200の昇降は、吊チェーン202を用いて行われる。しかしながら、吊チェーン202のみによるパレット200の昇降動作では、吊チェーン202の振動または風などによってパレット200が揺れ、パレット200の昇降動作が安定しない。そのため、駐車装置100では、パレット200にガイドが設置されている。パレット200のガイドは、支柱102および横行台車300に設置されたガイドレールと係合することができる。パレット200は、ガイドが係合したガイドレールに沿って移動することにより、昇降動作を安定させることができる。
【0031】
そこで、以下では、2段~3段の駐車領域のパレット200に設置されるガイド、ならびに横行台車300および支柱102に設置されるガイドレールの構成について詳細に説明する。すなわち、以下では、特段の記載がない場合、パレット200は、2段~3段の駐車領域のパレット200を表すものとする。
【0032】
[2.第1側ガイド400および第2側ガイド402の構成]
図3は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100のパレット200に設置される第1側ガイド400および第2側ガイド402の構成を示す模式的な斜視図である。具体的には、図3は、パレット200の背面から眺めたときの斜視図である。また、図4は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100のパレット200に設置される第1側ガイド400および第2側ガイド402の構成を示す分解斜視図である。
【0033】
図3に示すように、背面視において、パレット200の左側(第1側)および右側(第2側)のそれぞれに、第1側ガイド400および第2側ガイド402が設置されている。第1側ガイド400は、パレット200の背面において、第1の支持部404を介して、パレット200の左側端部に固定されている。また、第2側ガイド402は、パレット200の背面において、第2の支持部406を介して、パレット200の右側端部に固定されている。但し、第1側ガイド400および第2側ガイド402の固定方法は、これに限られない。第1側ガイド400および第2側ガイド402は、パレット200に直接固定されていてもよい。
【0034】
第1側ガイド400は、上下方向に延在する溝を有する。すなわち、断面視において、第1側ガイド400は、断面コの字状を有する。第1側ガイド400の断面コの字状の開口は、左側を向いている。第1側ガイド400は、1つの部材が断面コの字状を有するように形成されてもよく、複数の部材を用いて断面コの字状を有するように形成されてもよい。第2側ガイド402の構成も、第1側ガイド400の構成と同様であるが、断面コの字状の開口の向きが逆であり、右側である。また、第1側ガイド400と第2側ガイド402とは、前後方向における位置が異なる。換言すると、第1側ガイド400と第2側ガイド402とは、前後にオフセットして配置されている。具体的には、断面コの字状の開口の中心線の位置が、第1側ガイド400と第2側ガイド402とで前後にずれている。図3では、第1側ガイド400が、第2側ガイド402よりも前に位置している。
【0035】
なお、図4に示すように、前後方向にオフセットして配置された第1側ガイド400および第2側ガイド402は、共通の複数の部材を用いて形成することができる。例えば、共通の部材として板状部材400aおよびZ状部材400bを用い、板状部材400aとZ状部材400bとを異なる向きに組み合わせることにより、固定される基準面に対して、断面コの字状の開口の中心線の位置をずらすことができる。なお、第1の支持部404および第2の支持部406のそれぞれの前後方向の長さを変えることによっても、断面コの字状の開口の中心線の位置をずらすことができる。
【0036】
第1側ガイド400および第2側ガイド402の各々の上下方向における突出した端部は、溝の出入口が広がるように屈曲または湾曲されていてもよい。第1側ガイド400および第2側ガイド402がこのような構成を有することにより、パレット200の昇降時において、後述するガイドレールが溝に侵入し、または係合しやすくなる。
【0037】
図5は、第1側ガイド400および第2側ガイド402の一変形例である第1側ガイド400Aおよび第2側ガイド402Aの構成を示す分解斜視図である。図5に示すように、第1側ガイド400Aおよび第2側ガイド402Aの各々の上下方向に突出した端部が面取りされている。すなわち、突出した端部は、開口側の一部(具体的には、端部の角)が切り取られた形状を有する。第1側ガイド400Aおよび第2側ガイド402Aがこのような構成を有することにより、パレット200の昇降時において、ガイドレールが、さらに溝に侵入し、または係合しやすくなる。なお、突出した端部は、角を切り取る面取り加工だけでなく、角を丸くするR加工が施されていてもよい。
【0038】
なお、第1側ガイド400および第2側ガイド402の各々が後述するガイドレールと係合する部分は、断面コの字状の部分であるため、以下では、断面コの字状の部分のみを第1側ガイド400または第2側ガイド402という場合がある。
【0039】
[3.第1側横行台車固定ガイドレール408および第2側横行台車固定ガイドレール410の構成]
図6は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100の横行台車300に設置される第1側横行台車固定ガイドレール408および第2側横行台車固定ガイドレール410の構成を示す模式的な斜視図である。具体的には、図6は、横行台車300の背面から眺めたときの斜視図である。
【0040】
図6に示すように、背面視において、横行台車300の左側(第1側)および右側(第2側)のそれぞれに、第1側横行台車固定ガイドレール408および第2側横行台車固定ガイドレール410が設置されている。第1側横行台車固定ガイドレール408は、横行台車300の背面において、左側端部に固定されている。また、第2側横行台車固定ガイドレール410は、横行台車300の背面において、右側端部に固定されている。但し、第1側横行台車固定ガイドレール408および第2側横行台車固定ガイドレール410の固定方法は、これに限られない。第1側横行台車固定ガイドレール408および第2側横行台車固定ガイドレール410は、支持部を介して横行台車300に固定されていてもよい。
【0041】
第1側横行台車固定ガイドレール408は、左右方向に平行で、かつ、上下方向に延在する第1の板状部408aと、前後方向に平行で、かつ、上下方向に延在する第2の板状部408bとを含む。すなわち、断面視において、第1側横行台車固定ガイドレール408は、断面L字状を有する。第1側横行台車固定ガイドレール408は、1つの部材が断面L字状を有するように形成されてもよく、複数の部材を用いて断面L字状を有するように形成されてもよい。また、第1側横行台車固定ガイドレール408の下端には、第1の切欠部412が形成されている。第2側横行台車固定ガイドレール410も第1側横行台車固定ガイドレール408と同様に、第1の板状部410aおよび第2の板状部410bを含み、第2側横行台車固定ガイドレール410の下端に第2の切欠部414が形成されている。但し、第1側横行台車固定ガイドレール408の第1の板状部408aと第2側横行台車固定ガイドレール410の第1の板状部410aとは、側端部の向きが左右方向で逆である。また、第1側横行台車固定ガイドレール408と第2側横行台車固定ガイドレール410とは、前後方向における位置が異なる。換言すると、第1側横行台車固定ガイドレール408と第2側横行台車固定ガイドレール410とは、前後にオフセットして配置されている。具体的には、第1側横行台車固定ガイドレール408の第1の板状部408aの位置と第2側横行台車固定ガイドレール410の第1の板状部410aの位置とが、前後にずれている。図6では、第1側横行台車固定ガイドレール408の第1の板状部408aが、第2側横行台車固定ガイドレール410の第1の板状部410aよりも後に位置している。なお、第1側横行台車固定ガイドレール408の第1の板状部408aが、第2側横行台車固定ガイドレール410の第1の板状部410aよりも前に位置していてもよい。この場合、第1側ガイド400および第2側ガイド402の前後の位置関係は上述のものと逆となる。
【0042】
図7は、第1側横行台車固定ガイドレール408および第2側横行台車固定ガイドレール410の一変形である第1側横行台車固定ガイドレール408Aおよび第2側横行台車固定ガイドレール410Aの構成を示す模式的な斜視図である。図7に示す第1側横行台車固定ガイドレール408Aと第2側横行台車固定ガイドレール410Aとのオフセット幅は、図6に示す第1側横行台車固定ガイドレール408と第2側横行台車固定ガイドレール410とのオフセット幅よりも大きい。オフセット幅が大きい場合、第1側横行台車固定ガイドレール408Aの第2の板状部408bおよび第2側横行台車固定ガイドレール410Aの第2の板状部410bの下端には、切欠部が形成されていなくてもよい。
【0043】
詳細は後述するが、第1側横行台車固定ガイドレール408および第2側横行台車固定ガイドレール410の各々がパレット200のガイドと係合する部分は、平板状である第1の板状部408aおよび410aである。第2の板状部408bおよび410bは、横行台車300への固定部にすぎない。そのため、以下では、第1の板状部408aおよび410aのみを第1側横行台車固定ガイドレール408および第2側横行台車固定ガイドレール410という場合がある。
【0044】
[4.第1側支柱固定ガイドレール416および第2側支柱固定ガイドレール418の構成]
図8は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100の支柱102に設置される第1側支柱固定ガイドレール416および第2側支柱固定ガイドレール418の構成を示す模式的な斜視図である。具体的には、図8は、支柱102の背面から眺めたときの斜視図である。
【0045】
図8に示すように、背面視において、支柱102の左側(第1側)および右側(第2側)のそれぞれに、第1側支柱固定ガイドレール416および第2側支柱固定ガイドレール418が設置されている。第1側支柱固定ガイドレール416および第2側支柱固定ガイドレール418は、支持部420を介して、支柱102に固定されている。第1側支柱固定ガイドレール416および第2側支柱固定ガイドレール418は、複数の支持部420によって支柱102に固定されていることが好ましい。但し、第1側支柱固定ガイドレール416および第2側支柱固定ガイドレール418の固定方法は、これに限られない。第1側支柱固定ガイドレール416および第2側支柱固定ガイドレール418は、支柱102に直接固定されていてもよい。
【0046】
第1側支柱固定ガイドレール416は、左右方向に平行で、かつ、上下方向に延在する第1の板状部416aと、前後方向に平行で、かつ、上下方向に延在する第2の板状部416bとを含む。すなわち、断面視において、第1側支柱固定ガイドレール416は、断面L字状を有する。第1側支柱固定ガイドレール416は、1つの部材が断面L字状を有するように形成されていてもよく、複数の部材を用いて断面L字状を有するように形成されていてもよい。第2側支柱固定ガイドレール418も第1側支柱固定ガイドレール416と同様に、第1の板状部418aおよび第2の板状部418bを含む。但し、第1側支柱固定ガイドレール416の第1の板状部416aと第2側支柱固定ガイドレール418の第1の板状部418aとは、側端部の向きが左右方向で逆である。また、第1側支柱固定ガイドレール416と第2側支柱固定ガイドレール418とは、前後方向における位置が異なる。換言すると、第1側支柱固定ガイドレール416と第2側支柱固定ガイドレール418とは、前後にオフセットして配置されている。具体的には、第1側支柱固定ガイドレール416の第1の板状部416aの位置と第2側支柱固定ガイドレール418の第1の板状部418aの位置とが、前後にずれている。図8では、第1側支柱固定ガイドレール416の第1の板状部416aが、第2側支柱固定ガイドレール418の第1の板状部418aよりも後に位置している。
【0047】
詳細は後述するが、第1側支柱固定ガイドレール416および第2側支柱固定ガイドレール418の各々がパレット200のガイドと係合する部分は、平板状である第1の板状部416aおよび418aである。第2の板状部416bおよび418bは、支柱102への固定部にすぎない。そのため、以下では、第1の板状部416aおよび418aのみを第1側支柱固定ガイドレール416および第2側支柱固定ガイドレール418という場合がある。
【0048】
[5.パレット200の横行動作]
図9図12を参照して、パレット200の横行動作の一例として、2つの離間したパレット200が隣接する横行動作について説明する。例えば、図1に示す駐車領域P11のパレット200が駐車領域P13の下方に位置するときに、駐車領域P11に戻るためにパレット200の横行動作が行われる。なお、パレット200の横行動作は、横行台車300と連結して行われるため、横行台車300の横行動作と言い換えることができる。
【0049】
図9図12は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100のパレット200の横行動作を説明する模式図である。具体的には、図9および図10は、2つのパレット200(第1のパレット200-1および第2のパレット200-2)が離間している状態を示す背面図および平面図であり、図11および図12は、2つのパレット200が隣接している状態を示す背面図および平面図である。
【0050】
上述したように、第1のパレット200-1および第2のパレット200-2の各々は、第1側ガイド400および第2側ガイド402を含むが、図9図12では、便宜上、第1のパレット200-1の第2側ガイド402および第2のパレット200-2の第1側ガイド400のみが示されている。第2側ガイド402は、第2の支持部406を介して、第1のパレット200-1に固定されている。また、第1側ガイド400は、第1の支持部404を介して、第2のパレット200-2に固定されている。同様に、図9図10では、便宜上、第1の横行台車300-1の第2側横行台車固定ガイドレール410および第2の横行台車300-2の第1側横行台車固定ガイドレール408のみが示されている。
【0051】
図10に示すように、平面視において、第2側ガイド402と第2側横行台車固定ガイドレール410とが重畳し、第1側ガイド400と第1側横行台車固定ガイドレール408とが重畳している。しかしながら、図9に示すように、第2側横行台車固定ガイドレール410および第1側横行台車固定ガイドレール408には、それぞれ、第2の切欠部414および第1の切欠部412が形成されている。そのため、第2の切欠部414および第1の切欠部412のそれぞれに、第2側ガイド402および第1側ガイド400を収容することができる。したがって、第2側ガイド402および第1側ガイド400は、それぞれ、第2側横行台車固定ガイドレール410および第1側横行台車固定ガイドレール408と干渉しない。なお、図7に示したように、オフセット幅が大きい場合には、第2側ガイド402と第2側横行台車固定ガイドレール410Aとの間、および第1側ガイド400と第1側横行台車固定ガイドレール408Aとの間に十分な間隔を有することができる。そのため、第2側横行台車固定ガイドレール410Aおよび第1側横行台車固定ガイドレール408Aの各々が切欠部を有しなくても干渉しない。
【0052】
図11および図12に示すように、第2のパレット200-2の横行動作が行われ、第2のパレット200-2が第1のパレット200-1と隣接すると、第1のパレット200-1の第2側ガイド402の溝に、第2の横行台車300-2の第1側横行台車固定ガイドレール408の側端部が挿入される。すなわち、第1のパレット200-1と第2のパレット200-2が隣接すると、第1のパレット200-1の第2側ガイド402と第2の横行台車300-2の第1側横行台車固定ガイドレール408とが係合される。同様に、第2のパレット200-2の第1側ガイド400の溝に、第1の横行台車300-1の第2側横行台車固定ガイドレール410の側端部が挿入され、第2のパレット200-2の第1側ガイド400と第1の横行台車300-1の第2側横行台車固定ガイドレール410とが係合される。
【0053】
また、第1の横行台車300-1と第2の横行台車300-2とが隣接した状態では、第1の横行台車300-1の第2側横行台車固定ガイドレール410と第2の横行台車300-2の第1側横行台車固定ガイドレール408とは、背面視(または正面視)において重畳している(図11参照)。しかしながら、第1側横行台車固定ガイドレール408と第2側横行台車固定ガイドレール410とは、前後にオフセットして配置されているため、第1の横行台車300-1と第2の横行台車300-2とが隣接しても、第1の横行台車300-1の第2側横行台車固定ガイドレール410と第2の横行台車300-2の第1側横行台車固定ガイドレール408とは干渉しない。
【0054】
図13は、本発明の一実施形態に係る駐車装置において、2つの横行台車300が隣接した状態における第1側横行台車固定ガイドレール408、第2側横行台車固定ガイドレール410、第1側支柱固定ガイドレール416、および第2側支柱固定ガイドレール418を示す模式的な斜視図である。
【0055】
図13に示すように、第1側横行台車固定ガイドレール408は、第1側支柱固定ガイドレール416の上方に位置し、平面視において、第1側横行台車固定ガイドレール408と第1側支柱固定ガイドレール416とが重畳している。一方、第2側横行台車固定ガイドレール410は、第2側支柱固定ガイドレール418の上方に位置し、平面視において、第2側横行台車固定ガイドレール410と第2側支柱固定ガイドレール418とが重畳している。詳細は後述するが、パレット200の昇降動作においては、第2側ガイド402が、第1側横行台車固定ガイドレール408または第1側支柱固定ガイドレール416と係合し、第1側ガイド400が、第2側横行台車固定ガイドレール410または第2側支柱固定ガイドレール418と係合する。
【0056】
また、背面視において、第1側横行台車固定ガイドレール408は、第1側支柱固定ガイドレール416と、間隔dを有して隣接している。同様に、第2側横行台車固定ガイドレール410も、第2側支柱固定ガイドレール418と、間隔dを有して隣接している。そのため、駐車装置100では、間隔dのガイドレールが存在しない部分が存在する。しかしながら、駐車装置100では、第1側ガイド400と第2側ガイド402とが前後方向にオフセットして配置されているため、第1側横行台車固定ガイドレール408および第2側横行台車固定ガイドレール410のそれぞれが、第1側支柱固定ガイドレール416および第2側支柱固定ガイドレール418のそれぞれの近傍まで延在することができる。そのため、間隔dは、第1側ガイド400および第2側ガイド402の各々の上下方向の長さよりも小さい。したがって、駐車装置100では、ガイドレールが存在しない部分の間隔dが小さいため、パレット200の第1側ガイド400および第2側ガイド402がガイドレールから外れることを防止することができる。なお、間隔dは、例えば、50(mm)以下であり、好ましくは25(mm)以下であり、さらに好ましくは15(mm)以下である。
【0057】
図13では、便宜上、第1側横行台車固定ガイドレール408および第2側横行台車固定ガイドレール410のそれぞれの下方に位置する第1側支柱固定ガイドレール416および第2側支柱固定ガイドレール418のみを示したが、第1側横行台車固定ガイドレール408および第2側横行台車固定ガイドレール410のそれぞれの上方にも、第1側支柱固定ガイドレール416および第2側支柱固定ガイドレール418が存在する。この場合においても、上方に位置する第1側支柱固定ガイドレール416と第1側横行台車固定ガイドレール408との間隔および上方に位置する第2側支柱固定ガイドレール418と第2側横行台車固定ガイドレール410との間隔は、それぞれ、第2側ガイド402の上下方向の長さおよび第1側ガイド400の上下方向の長さよりも小さい。
【0058】
[5.パレット200の昇降動作]
図14および図15を参照して、2つの隣接した支柱102間におけるパレット200の昇降動作について説明する。例えば、図1に示す駐車領域P9~P11のパレット200が駐車領域P13の下方に位置するときに、駐車領域P12のパレット200の昇降動作が行われる。
【0059】
図14および図15は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100のパレット200の昇降動作を説明する模式図である。具体的には、図14は、パレット200のガイド(第1側ガイド400および第2側ガイド402)が、支柱102のガイドレール(第1側支柱固定ガイドレール416および第2側支柱固定ガイドレール418)に沿って昇降する状態を示す平面図であり、図15は、パレットのガイドが、横行台車300のガイドレール(第1側横行台車固定ガイドレール408および第2側横行台車固定ガイドレール410)に沿って昇降する状態を示す平面図である。
【0060】
図14に示すように、パレット200の第1側ガイド400および第2側ガイド402は、それぞれ、第1の支柱102-1の第2側支柱固定ガイドレール418および第2の支柱102-2の第1側支柱固定ガイドレール416と係合する。このとき、第1側ガイド400および第2側ガイド402は、それぞれ、第2側支柱固定ガイドレール418および第1側支柱固定ガイドレール416によって前後方向または左右方向の移動が制限される。したがって、パレット200は、第1の支柱102-1の第2側支柱固定ガイドレール418および第2の支柱102-2の第1側支柱固定ガイドレールに沿って昇降することができる。
【0061】
また、図15に示すように、パレット200の第1側ガイド400および第2側ガイド402は、それぞれ、第1の横行台車300-1の第2側横行台車固定ガイドレール410および第2の横行台車300-2の第1側横行台車固定ガイドレール408と係合する。このとき、第1側ガイド400および第2側ガイド402は、それぞれ、第2側横行台車固定ガイドレール410および第1側横行台車固定ガイドレール408によって前後方向または左右方向の移動が制限される。したがって、パレット200は、第1の横行台車300-1の第2側横行台車固定ガイドレール410および第2の横行台車300-2の第1側横行台車固定ガイドレール408に沿って下降することができる。
【0062】
支柱102のガイドレールと横行台車300のガイドレールとは、間隔dを有して隣接する。しかしながら、上述したように、駐車装置100では、ガイドレールが存在しない部分の間隔dが小さく、パレット200のガイドが、ガイドレールから外れることを防止することができる。したがって、駐車装置100は、安定した昇降動作が可能であり、駐車装置の安全性が向上する。
【0063】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本実施形態の駐車装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、上述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
【0064】
例えば、上述では、パレット200の第1側ガイド400および第2側ガイド402の各々が断面コの字状を有し、横行台車300の第1側横行台車固定ガイドレール408および第2側横行台車固定ガイドレール410ならびに支柱102の第1側支柱固定ガイドレール416および第2側支柱固定ガイドレール418の各々が平板状を有する構成を説明したが、パレット200の第1側ガイド400および第2側ガイド402の各々が平板状を有し、横行台車300の第1側横行台車固定ガイドレール408および第2側横行台車固定ガイドレール410ならびに支柱102の第1側支柱固定ガイドレール416および第2側支柱固定ガイドレール418の各々が断面コの字状を有する構成であってもよい。この場合、第1側横行台車固定ガイドレール408および第1側支柱固定ガイドレール416の各々は、第2側ガイド402の前後方向の移動を制限し、第2側横行台車固定ガイドレール410および第2側支柱固定ガイドレール418の各々は、第1側ガイド400の前後方向の移動を制限する。したがって、この場合も、パレット200は、支柱102のガイドレールおよび横行台車のガイドレールに沿って昇降することができる。
【0065】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0066】
100:駐車装置、 102:支柱、 102-1:第1の支柱、 102-2:第2の支柱、 104:梁、 106:ゲート、 108:操作盤、 200:パレット、 200-1:第1のパレット、 200-2:第2のパレット、 202:吊チェーン、 300:横行台車、 300-1:第1の横行台車、 300-2:第2の横行台車、 400、400A:第1側ガイド、 400a:板状部材、 400b:Z状部材、 402、402A:第2側ガイド、 404:第1の支持部、 406:第2の支持部、 408、408A:第1側横行台車固定ガイドレール、 408a:第1の板状部、 408b:第2の板状部、 410、410A:第2側横行台車固定ガイドレール、 410a:第1の板状部、 410b:第2の板状部、 412:第1の切欠部、 414:第2の切欠部、 416:第1側支柱固定ガイドレール、 416a:第1の板状部、 416b:第2の板状部、 418:第2側支柱固定ガイドレール、 418a:第1の板状部、 418b:第2の板状部、 420:支持部、 500:車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15