(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077207
(43)【公開日】2023-06-05
(54)【発明の名称】洗浄システム
(51)【国際特許分類】
A47L 15/42 20060101AFI20230529BHJP
A47L 15/24 20060101ALI20230529BHJP
A47L 15/46 20060101ALI20230529BHJP
【FI】
A47L15/42 B
A47L15/24
A47L15/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021190419
(22)【出願日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】木全 祐也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 園生
(72)【発明者】
【氏名】平野 裕司
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082AA01
3B082AA03
3B082AA04
3B082AA05
3B082AA08
3B082BB01
3B082BB02
3B082BB03
3B082BB05
3B082BB06
3B082DA00
3B082DB00
3B082DC00
3B082DC04
(57)【要約】
【課題】ドアを閉位置に容易に移動させることができる洗浄システムを提供する。
【解決手段】洗浄システム1は、洗浄室21に収容される食器Dを洗浄する予備洗浄機2Aであって、洗浄室21を開閉可能なドア23を有する予備洗浄機2Aと、予備洗浄機2Aのドア23を閉位置及び開位置に駆動させる駆動機構76と、予備洗浄機2Aのドア23を閉位置に位置させる操作を受け付ける第二閉ボタンB4と、を備え、第二閉ボタンB4が操作されると、駆動機構76が予備洗浄機2Aのドア23を閉位置に位置させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄室に収容される被洗浄物を洗浄する予備洗浄機であって、当該洗浄室を開閉可能なドアを有する該予備洗浄機と、
前記予備洗浄機の前記ドアを閉位置及び開位置に駆動させる第一駆動機構と、
前記予備洗浄機の前記ドアを前記閉位置に位置させる操作を受け付ける第一操作部と、を備え、
前記第一操作部が操作されると、前記第一駆動機構が前記予備洗浄機の前記ドアを前記閉位置に位置させる、洗浄システム。
【請求項2】
前記予備洗浄機によって洗浄された前記被洗浄物を前記洗浄室で洗浄する本洗浄機であって、当該洗浄室を開閉可能なドアを有する該本洗浄機と、
前記本洗浄機の前記ドアを閉位置及び開位置に駆動させる第二駆動機構と、
前記本洗浄機の前記ドアを前記閉位置に位置させる操作を受け付ける第二操作部と、を備え、
前記第二操作部が操作されると、前記第二駆動機構が前記本洗浄機の前記ドアを前記閉位置に位置させる、請求項1に記載の洗浄システム。
【請求項3】
前記予備洗浄機の動作を休止させる操作を受け付ける第三操作部を備え、
前記第三操作部が操作されると、前記第一駆動機構が前記予備洗浄機の前記ドアを前記閉位置に位置させる、請求項1又は2に記載の洗浄システム。
【請求項4】
前記本洗浄機の動作を休止させる操作を受け付ける第四操作部を備え、
前記第四操作部が操作されると、前記第二駆動機構が前記本洗浄機の前記ドアを前記閉位置に位置させる、請求項2に記載の洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄機に食器が収容された食器ラックを搬入する食器搬入装置と、食器を洗浄する洗浄機と、上下方向に配列されると共に食器ラックを収容可能な棚部を有するワゴンと、洗浄機によって洗浄された食器をワゴンにおける棚部に搬入するリフター装置と、を備えた洗浄システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような洗浄システムでは、洗浄機への食器の搬入からワゴンへの食器の搬入までの工程を自動で実行することができるので、食器洗浄作業において省人化を図ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
洗浄システムの洗浄機は、洗浄室を開閉可能なドアを有している。洗浄機のドアは、ドアを閉位置及び開位置に駆動させる駆動機構によって開閉される。ここで、洗浄機の動作を休止させる場合等には、洗浄水の温度が低下することを抑制するために、洗浄機のドアを閉める必要がある。この場合、作業者が手動でドアを閉めることになるが、ドアには駆動機構が接続されているため、ドアを手動で駆動させるためには力を要する。そのため、ドアを容易に閉位置に移動させることができない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、ドアを閉位置に容易に移動させることができる洗浄システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る洗浄システムは、洗浄室に収容される被洗浄物を洗浄する予備洗浄機であって、当該洗浄室を開閉可能なドアを有する該予備洗浄機と、予備洗浄機のドアを閉位置及び開位置に駆動させる第一駆動機構と、予備洗浄機のドアを閉位置に位置させる操作を受け付ける第一操作部と、を備え、第一操作部が操作されると、第一駆動機構が予備洗浄機のドアを閉位置に位置させる。
【0007】
本発明に係る洗浄システムでは、第一操作部が操作されると、第一駆動機構が予備洗浄機のドアを閉位置に位置させる。そのため、洗浄システムでは、作業者が第一操作部の操作(例えば、第一操作部の押下)を行うだけで、予備洗浄機のドアを閉位置に位置させることができる。したがって、洗浄システムでは、ドアを閉位置に容易に移動させることができる。
【0008】
本発明に係る洗浄システムは、予備洗浄機によって洗浄された被洗浄物を洗浄室で洗浄する本洗浄機であって、当該洗浄室を開閉可能なドアを有する該本洗浄機と、本洗浄機のドアを閉位置及び開位置に駆動させる第二駆動機構と、本洗浄機のドアを閉位置に位置させる操作を受け付ける第二操作部と、を備え、第二操作部が操作されると、第二駆動機構が本洗浄機のドアを閉位置に位置させてもよい。この構成では、作業者が第二操作部の操作(例えば、第二操作部の押下)を行うだけで、本洗浄機のドアを閉位置に位置させることができる。したがって、洗浄システムでは、ドアを閉位置に容易に移動させることができる。
【0009】
本発明に係る洗浄システムは、予備洗浄機の動作を休止させる操作を受け付ける第三操作部を備え、第三操作部が操作されると、第一駆動機構が予備洗浄機のドアを閉位置に位置させてもよい。この構成では、作業者が第三操作部の操作(例えば、第三操作部の押下)を行うだけで、予備洗浄機のドアを閉位置に位置させることができる。そのため、予備洗浄機の動作を休止させる操作によって、休止モードにしつつドアを閉めることができる。
【0010】
本発明に係る洗浄システムは、本洗浄機の動作を休止させる操作を受け付ける第四操作部を備え、第四操作部が操作されると、第二駆動機構が本洗浄機のドアを閉位置に位置させてもよい。この構成では、作業者が第四操作部の操作(例えば、第四操作部の押下)を行うだけで、本洗浄機のドアを閉位置に位置させることができる。そのため、本洗浄機の動作を休止させる操作によって、休止モードにしつつドアを閉めることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ドアを閉位置に容易に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、洗浄システムの全体を示す斜視図である。
【
図2】
図2(A)は、キャリーテーブルの正面図であり、
図2(B)は、キャリーテーブルの平面図である。
【
図4】
図4は、予備洗浄機及び本洗浄機の概略構成を示す断面図である。
【
図5】
図5は、装置間搬送装置を示す斜視図である。
【
図6】
図6(A)は、リフト装置をワゴン側から見た側面図であり、
図6(B)は、リフト装置を本浄機側から見た側面図である。
【
図8】
図8(A)は、搬出装置を示す平面図であり、
図8(B)は、搬出装置を示す斜視図である。
【
図9】
図9(A)は、従来のハンドルの構成を示す図であり、
図9(B)は、ハンドルの構成を示す図である。
【
図12】
図12(A)は、予備洗浄機と操作パネルとが視覚的に対応付けられている形態を示す図であり、
図12(B)は、本洗浄機と操作パネルとが視覚的に対応付けられている形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
図1に示されるように、洗浄システム1は、キャリーテーブル3と、予備洗浄機2Aと、装置間搬送装置4と、本洗浄機2Bと、リフト装置5と、ワゴン6と、搬出装置90と、を備えている。洗浄システム1では、キャリーテーブル3及び予備洗浄機2Aが前後方向に並べて配置され、予備洗浄機2A、装置間搬送装置4、本洗浄機2B、リフト装置5及びワゴン6が、左右方向に並べて配置されている。洗浄システム1では、食器Dが収容される食器ラックRが前側から後側に向かって移動した後、右側から左側に向かって移動するように、平面視においてキャリーテーブル3、予備洗浄機2A、装置間搬送装置4、本洗浄機2B、リフト装置5、及びワゴン6がL字状に配置されている。
【0015】
キャリーテーブル3は、食器(被洗浄物)Dが収容される食器ラック(ラック)Rを予備洗浄機2Aに搬送する。
図1、
図2(A)、及び
図2(B)に示されるように、キャリーテーブル3は、基台10と、基台10を支持する四つの脚部19と、搬送機構11と、センサ14と、コントローラ12と、を有している。
【0016】
基台10は、食器ラックRが載置されるテーブルである。基台10は、食器ラックRが載置される載置面10aを有している。基台10には、載置面10aから突出すると共に食器ラックRの搬送方向に沿って延在する、食器ラックRを摺動させる摺動部16が設けられている。摺動部16は、載置面10aにねじ等によって固定された、例えば、ポリアセタール樹脂により形成されたプレート状の部材によって構成されている。
【0017】
搬送機構11は、食器ラックRを基台10上で移動させる。搬送機構11は、アーム部材11Aと、支持部11Bと、チェーン11Cと、スプロケット11D,11Dと、駆動部11Eと、を有している。搬送機構11は、ハウジング17に収容されている。ハウジング17は、キャリーテーブル3を正面から見たとき基台10の後方に配置されており、基台10の載置面10aよりも上方に突出して設けられている。
【0018】
アーム部材11Aは、食器ラックRを押し出す部材であって、載置面10a上を回動可能となるように、支持部11Bに支持されている。支持部11Bは、チェーン11Cに平行に配置されたガイドレール(図示せず)に沿って前後方向に移動可能に設けられると共に、チェーン11Cの一部に固定的に連結されている。チェーン11Cは、二つのスプロケット11D,11Dに巻回されている。駆動部11Eは、例えばギアモータである。駆動部11Eの回転軸には、一方のスプロケット11Dが軸支されている。
【0019】
アーム部材11Aは、アーム部材11Aの先端がキャリーテーブル3の右側に向く状態とキャリーテーブル3の前側に向く状態との間で回動可能となるように、ねじりバネ(図示せず)を介して支持部11Bに固定されている。ねじりバネは、平面視において半時計回り(左回り)に回動する方向にアーム部材11Aを付勢している。すなわち、ねじりバネは、ハウジング17から進出する方向にアーム部材11Aを付勢している。アーム部材11Aは、ねじりバネの作用によってシャッタ(図示せず)等の規制部材に接触しない限り、ハウジング17の外側である載置面10a上の進出領域に進出するようになっている。
【0020】
アーム部材11Aは、駆動部11Eによって駆動されるスプロケット11D及びチェーン11Cに連動することによって、キャリーテーブル3を正面から見たときの左右方向に回動する。アーム部材11Aは、食器ラックRを搬送するときに、ハウジング17内から載置面10a上に進出し、待機状態においてはハウジング17内に退避する。より詳細には、アーム部材11Aは、載置面10a上の食器ラックRがセンサ14によって検知されたタイミング、又は、操作部18においてスタートボタンB2が押下されたタイミングで載置面10a上に進出する。
【0021】
アーム部材11Aは、予備洗浄機2Aに向けて食器ラックRを押し出す。アーム部材11Aの先端、すなわち、食器ラックRに当接する部分には、ベアリング(図示せず)が設けられもよい。アーム部材11Aは、食器ラックRを予備洗浄機2Aにまで搬送すると、ハウジング17の内部の退避領域の一部である待機位置に戻る。
【0022】
コントローラ12は、キャリーテーブル3を含む、洗浄システム1の動作全般を制御する。コントローラ12は、外部との信号の入出力等を行う入出力インタフェイス、処理を行うためのプログラム及び情報等が記憶されたROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体、CPU(Central Processing Unit)、及び通信回路等を有する。コントローラ12は、CPUが出力する信号に基づいて、入力データをRAMに記憶し、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムを実行することで各種処理を実行する。コントローラ12は、例えば、キャリーテーブル3の動作、予備洗浄機2A及び本洗浄機2Bにおけるドア23の開閉動作(駆動機構7及び駆動機構76の駆動動作)、装置間搬送装置4における搬送動作、リフト装置5の動作、搬出装置90の動作等を制御する。コントローラ12は、例えば、ハウジング17内に収容されている。コントローラ12は、予備洗浄機2Aのコントローラ35と、通信可能に接続されている。
【0023】
操作部18は、ハウジング17を形成するパネルの一部に配置されている。操作部18は、ハウジング17において、左右方向の右側に配置されている。すなわち、操作部18は、キャリーテーブル3において、食器ラックRの搬送方向の上流側に配置されている。操作部18には、非常停止ボタンB1、スタートボタンB2、第一閉ボタン(第二操作部)B3、第二閉ボタン(第一操作部)B4、切替スイッチSW、停止ランプLP1、異常ランプLP2、運転ランプLP3、及び、残菜ランプLP4が配置されている。操作部18には、操作パネル(第三操作部)CP1及び操作パネル(第四操作部)CP2が配置されている。
【0024】
非常停止ボタンB1は、洗浄システム1の動作を停止させる。スタートボタンB2は、洗浄システム1の動作を開始させる。第一閉ボタンB3は、本洗浄機2Bのドア23を閉めさせる。第二閉ボタンB4は、予備洗浄機2Aのドア23を閉めさせる。切替スイッチSWは、予備洗浄機2Aによる食器Dの洗浄の有無を切り替える。切替スイッチSWにおいて、予備洗浄機2Aによる食器Dの洗浄が「有(ON)」に設定された場合には、予備洗浄機2Aにおいて洗浄動作が実行される。切替スイッチSWにおいて、予備洗浄機2Aによる食器Dの洗浄が「無(OFF)」に設定された場合には、予備洗浄機2Aにおいて洗浄動作が実行されない。この場合、キャリーテーブル3から搬出された食器ラックRは、搬出装置90によって装置間搬送装置4に搬出され、本洗浄機2Bに搬送される。
【0025】
操作パネルCP1は、本洗浄機2Bの動作を制御するパネルである。
図3に示されるように、操作パネルCP1には、洗浄水の温度等を設定するボタン、本洗浄機2Bの運転の入/切を操作するボタン、本洗浄機2Bを休止する休止ボタンB等が設けられている。操作パネルCP2は、予備洗浄機2Aの動作を制御するパネルである。操作パネルCP2には、予備洗浄機2Aの運転の入/切を操作するボタン、洗浄水の温度等を設定するボタン、本洗浄機2Bを休止する休止ボタンB等が設けられている。
【0026】
図1に示されるように、予備洗浄機2Aは、キャリーテーブル3の左側に、キャリーテーブル3に隣接して配置されている。予備洗浄機2Aは、本洗浄機2Bにおける食器Dの洗浄に先だち、食器Dの表面に付着した残菜等を洗い流すために設けられる洗浄機である。すなわち、予備洗浄機2Aは、予備浸漬タンク等において人の手を介して行われていた食器Dの予備洗浄を実施する洗浄機である。予備洗浄機2Aは、食器ラックRに収容されている食器を洗浄する。
図1及び
図4に示されるように、予備洗浄機2Aは、ステンレス製のパネルで覆われた洗浄機本体20を有している。洗浄機本体20は、洗浄室21が形成された上側部分20Aと、機械室22が形成された下側部分20Bとに仕切られている。
【0027】
洗浄機本体20の上側部分20Aには、洗浄室21の開閉を行うための箱型のドア23が設けられている。ドア23は、後段にて詳述する連結部材76C(
図5照)に連結されている。連結部材76Cは、コントローラ12によって制御される駆動モータ76Aによって駆動される。ドア23は、駆動モータ76Aによる駆動によって、上下方向において最下高さ位置に位置して、洗浄室21を閉じる閉位置(
図4に示す位置)と、上下方向において最上高さ位置に位置して、洗浄室21を開く開位置(
図1に示す位置)と、の間で移動する。
【0028】
洗浄室21内には、食器ラックRが載置されるラックレール25が着脱自在に配置されている。キャリーテーブル3から予備洗浄機2Aに搬出される食器ラックRは、ラックレール25上に押し出される。洗浄室21の上部には、放射状に延びる3本のアームからなる上側洗浄ノズル26Aと、2本のアームからなる上側すすぎノズル27Aとがそれぞれ回転自在に配置されている。同様に、洗浄室21の下部には、放射状に延びる3本のアームからなる下側洗浄ノズル26Bと、2本のアームからなる下側すすぎノズル27Bとがそれぞれ回転自在に配置されている。食器ラックRに並べられた食器は、上側洗浄ノズル26A及び下側洗浄ノズル26Bによって上下から洗浄水が噴射され、上側すすぎノズル27A及び下側すすぎノズル27Bによって上下からすすぎ水が噴射される。
【0029】
洗浄水タンク28には、洗浄水吸込口を介して洗浄ポンプ29が接続されている。洗浄ポンプ29の吐出口には、洗浄水吐出管30が接続されている。洗浄水吐出管30は、第1洗浄水吐出管30Aと第2洗浄水吐出管30Bとに分岐して、第1洗浄水吐出管30Aは上側洗浄ノズル26Aに接続され、第2洗浄水吐出管30Bは下側洗浄ノズル26Bに接続されている。
【0030】
機械室22内には、外部から給水管(図示せず)を介してすすぎ水が供給されるすすぎ水タンク31が配置されている。すすぎ水タンク31には、すすぎ水吸込管32を介してすすぎポンプ33が接続されている。すすぎポンプ33の吐出口には、すすぎ水吐出管34が接続されている。すすぎ水吐出管34は、第1すすぎ水吐出管34Aと第2すすぎ水吐出管34Bとに分岐して、第1すすぎ水吐出管34Aは上側すすぎノズル27Aに接続され、第2すすぎ水吐出管34Bは下側すすぎノズル27Bに接続されている。第1すすぎ水吐出管34Aは、第1洗浄水吐出管30A内に配置されている。すなわち、第1洗浄水吐出管30A及び第1すすぎ水吐出管34Aは、二重管構造を成している。
【0031】
機械室22内には、予備洗浄機2Aの動作全般を制御するコントローラ35が内蔵された電装ボックス(図示せず)等が収容されている。コントローラ35は、洗浄(予備洗浄)が終了したことを示す洗浄終了信号を、キャリーテーブル3のコントローラ12に出力する。
【0032】
予備洗浄機2Aは、熱交換ユニット36を備えている。熱交換ユニット36は、洗浄機本体20の洗浄室21から排出された水蒸気を凝縮して、水蒸気の包含量が減少した空気を外部に排出する。予備洗浄機2Aは、洗浄機本体20を支持する四つの脚部37を備えている。
【0033】
図1に示されるように、装置間搬送装置4は、予備洗浄機2Aから搬出された食器ラックRを本洗浄機2Bに搬入する。装置間搬送装置4は、予備洗浄機2Aの左側に隣接して配置されている。装置間搬送装置4は、左右方向において予備洗浄機2Aと本洗浄機2Bとの間に配置されている。
【0034】
図5に示されるように、装置間搬送装置4は、本体70と、ドア71と、搬送アーム72と、アーム駆動部73と、搬送ベルト74と、ベルト駆動部75と、駆動機構(第一駆動機構)76と、脚部79と、を備えている。
【0035】
本体70は、装置間搬送装置4の外形を形成すると共に搬送アーム72、アーム駆動部73、搬送ベルト74、ベルト駆動部75、及び駆動機構76のそれぞれの一部又は全部を収容する。
【0036】
ドア71は、本体70の前側の開口を開閉可能に設けられている。ドア71は、本体70において、搬送ベルト74等が配置されている空間を開放させる。
【0037】
搬送ベルト74は、予備洗浄機2Aから搬出される食器ラックRを本洗浄機2B方向に搬送する。搬送ベルト74は、予備洗浄機2Aから食器ラックRが搬出されて食器ラックRの一部が搬送ベルト74上に位置したことが図示しないセンサで検知されることにより作動して、本洗浄機2B方向に移動させる。搬送ベルト74は、ベルト駆動部75によって駆動される。ベルト駆動部75は、例えばモータである。
【0038】
搬送アーム72は、一方向に延在する回動軸を回動中心に回動することで食器ラックRを押し出す。搬送アーム72は、アーム駆動部73によって駆動されることにより回動し、所定位置に位置する食器ラックRを本洗浄機2Bの洗浄室21に押し出す。アーム駆動部73は、例えば、モータである。装置間搬送装置4は、本体70を支持する四つの脚部79を備えている。
【0039】
駆動機構76は、予備洗浄機2Aのドア23を閉位置及び開位置に駆動させる。駆動機構76は、駆動モータ76Aと、一対のスプロケット(図示せず)と、チェーン(図示せず)と、スライダ76Bと、連結部材76Cと、ガイドレール76Dと、を有している。
【0040】
駆動モータ76Aは、例えば、ギアモータである。駆動モータ76Aは、例えば、装置間搬送装置4の上部に配置されている。駆動モータ76Aの動作は、キャリーテーブル3のコントローラ12によって制御される。スプロケットには、駆動モータ76Aの出力軸が接続されている。スプロケットは、スプロケットの回転に応じて、チェーンを介して従動して回転する。チェーンは、一対のスプロケットに掛け渡されている。
【0041】
スライダ76Bは、チェーンに接続されている。スライダ76Bは、チェーンの移動に応じて上下方向に移動する。スライダ76Bは、上下方向に沿って延在しているガイドレール76Dに接続されており、ガイドレール76Dに沿って移動する。連結部材76Cは、スライダ76Bと予備洗浄機2Aのドア23とを連結している。連結部材76Cは、前後方向に沿って延在している。連結部材76Cの一端部は、スライダ76Bに固定されており、連結部材76Cの他端部は、軸ピン(図示せず)を介して予備洗浄機2Aのドア23に連結されている。連結部材76Cには、支持部材(図示せず)が設けられている。支持部材は、連結部材76Cと予備洗浄機2Aのドア23の下端部とに接続されており、予備洗浄機2Aのドア23が上昇するときに上記ドア23を下方から支持する。
【0042】
図1に示されるように、本洗浄機2Bは、装置間搬送装置4の左側に隣接して配置されている。本洗浄機2Bは、食器ラックRに収容されている食器を洗浄する。本洗浄機2Bは、予備洗浄機2Aによって予備洗浄された食器を洗浄する。本洗浄機2Bの構成は、上述した予備洗浄機2Aと下記の構成を除き同じであるので、ここでは異なる点のみ詳述する。すなわち、本洗浄機2Bのドア23は、後段にて詳述する連結部材64(
図6(A)及び
図6(B)参照)に連結されている。連結部材64は、コントローラ12によって制御される駆動モータ60によって駆動される。ドア23は、駆動モータ60による駆動によって、上下方向において最下高さ位置に位置して、洗浄室21を閉じる閉位置(
図3に示す位置)と、上下方向において最上高さ位置に位置して、洗浄室21を開く開位置(
図1に示す位置)と、の間で移動する。
【0043】
リフト装置5は、本洗浄機2Bの左隣りに、本洗浄機2Bに隣接して配置されている。リフト装置5は、本洗浄機2Bから搬出された食器ラックRを、ワゴン6の所定位置に移載する。
図6(A)及び
図6(B)に示されるように、リフト装置5は、本体40と、リフト41と、駆動機構(第二駆動機構)7と、を備えている。本体40は、フレーム40Aと、前後方向において互いに対向して配置されている一対の側部42A,42Bを有している。一対の側部42A,42Bは、パネル状の部材である。本体40は、一対の側部42A,42Bの対向方向に直交する水平方向の両側が開口している。本体40には、本洗浄機2B側の開口の上側の一部を覆う側部42Cが設けられている。リフト装置5は、本体40を支持する四つの脚部47を備えている。
【0044】
リフト41は、図示しない駆動機構によって、上下方向に移動する。駆動機構は、例えば、駆動モータ、スプロケット、チェーン等を含んで構成されている。リフト41は、食器ラックRをワゴン6に搬出するベルト43A,43Bを有している。リフト41は、本洗浄機2Bによる洗浄が完了した際、本洗浄機2Bのラックレール25(
図4参照)と同じ高さ位置で待機している。リフト41は、本洗浄機2Bから食器ラックRが搬出されて、食器ラックRの一部がリフト41上に位置したことがセンサ44で検知されると、ベルト43A,43Bを作動させて食器ラックRを取り入れる。
【0045】
リフト41は、食器ラックRを取り入れると、ワゴン6において食器ラックRが収容されていない棚部(段)に食器ラックRを移載する。リフト41は、ベルト43A,43Bを作動させて、食器ラックRをワゴン6に送り出す。ワゴン6の各棚部における空き状況は、リフト装置5の、例えば、天板及び底板に設けられたセンサ(図示せず)又はリフト41に設けられたセンサ(図示せず)によって検知される。
【0046】
駆動機構7は、本洗浄機2Bのドア23を閉位置及び開位置に駆動させる。駆動機構7は、駆動モータ60と、一対のスプロケット(図示せず)と、チェーン(図示せず)と、スライダ63と、連結部材64と、を有している。駆動機構7は、リフト装置5の背面側に設けられている。駆動モータ60は、例えば、ギアモータである。駆動モータ60は、例えば、リフト装置5の上部に配置されている。駆動モータ60の動作は、キャリーテーブル3のコントローラ12によって制御される。スプロケットには、駆動モータ60の出力軸が接続されている。スプロケットは、スプロケットの回転に応じて、チェーンを介して従動して回転する。チェーンは、一対のスプロケットに掛け渡されている。
【0047】
スライダ63は、チェーンに接続されている。スライダ63は、チェーンの移動に応じて上下方向に移動する。スライダ63は、上下方向に沿って延在しているガイドレール65に接続されており、ガイドレール65に沿って移動する。連結部材64は、スライダ63と本洗浄機2Bのドア23とを連結している。連結部材64は、前後方向に沿って延在している。連結部材64の一端部は、スライダ63に固定されており、連結部材64の他端部は、軸ピン(図示せず)を介して本洗浄機2Bのドア23に連結されている。連結部材64には、支持部材(図示せず)が設けられている。支持部材は、連結部材64と本洗浄機2Bのドア23の下端部とに接続されており、本洗浄機2Bのドア23が上昇するときに上記ドア23を下方から支持する。
【0048】
図1に示されるように、ワゴン6は、リフト装置5の左隣りに、リフト装置5に隣接して配置されている。ワゴン6は、複数(本実施形態では4個)の食器ラックRを収納可能である。ワゴン6は、リフト装置5によって食器ラックRが収容される。ワゴン6は、リフト装置5に着脱可能に設けられている。
【0049】
図7に示されるように、ワゴン6は、互いに対向して配置されている一対の側部50A,50Bと、一対の側部50A,50Bの上端部に設けられている上部51と、一対の側部50A,50Bの下端部に設けられている底部52と、を有している。一対の側部50A,50Bは、パネル状の部材により形成されている。ワゴン6は、一対の側部50A,50B、上部51及び底部52によって、食器ラックRを収容する収容空間が形成されている。ワゴン6は、一対の側部50A,50Bの対向方向に直交する水平方向の両側が開口している。
【0050】
一対の側部50A,50Bのそれぞれの内面には、互いに対向する位置に、一対の支持レール53A,53Bが設けられている。一対の支持レール53A,53Bは、食器ラックRを支持する。一対の支持レール53A,53Bは、ワゴン6において食器ラックRを収容する棚部を構成している。支持レール53A,53Bは、上下方向において所定の間隔をあけて複数配置されている。一方の側部50Aの外面には、作業者によって把持可能な操作ハンドル54A,54Bが設けられている。底部52には、ワゴン6がリフト装置5から取り外されたときにワゴン6を移動自在とする4個のローラ55A,55B,55C,55Dと、ワゴン6がリフト装置5に取り付けられたときにワゴン6を設置(固定)する設置機構56A,56Bと、が設けられている。
【0051】
搬出装置90は、予備洗浄機2Aに搬入された食器ラックRを押し出して装置間搬送装置4に搬出する。
図8(A)に示されるように、搬出装置90は、予備洗浄機2Aの右側側面の前方に設けられている。
図8(B)に示されるように、搬出装置90は、アーム91と、モータ93と、規制部96と、を有している。モータ93は、キャリーテーブル3に設けられているコントローラ12(
図2(A)参照)によって制御される。
【0052】
アーム91は、一方向に延在する回動軸91Aを回動中心に回動することで食器ラックRを押し出す。アーム91によって押し出された食器ラックRはラックレール25を摺動し、予備洗浄機2Aから装置間搬送装置4に搬出される。アーム91は、回動軸91Aを中心に回転可能に設けられると共に、食器ラックRに接触可能に設けられた第一ベアリング92A及び第二ベアリング92Bを有している。モータ93は、出力軸である回動軸91Aを中心にアーム91を回動させる。規制部96は、アーム91が食器ラックRを押し出す方向とは逆方向に原点位置を超えて回動することを規制する。
【0053】
搬出装置90は、アーム91が取り付けられたモータ93及び規制部96が、取付板97に固定された状態のユニットとして構成されている。取付板97は、予備洗浄機2Aに取り付けられる第一取付部97Aと、キャリーテーブル3に取り付けられる第二取付部97Bと、を有している。
【0054】
洗浄システム1では、キャリーテーブル3の操作部18において第一閉ボタンB3が押下されると、コントローラ12は、駆動機構7の駆動モータ60を制御する。具体的には、コントローラ12は、本洗浄機2Bのドア23が閉まるように、駆動モータ60を制御する。これにより、本洗浄機2Bのドア23が閉位置に移動する。
【0055】
洗浄システム1では、キャリーテーブル3の操作部18において第二閉ボタンB4が押下されると、コントローラ12は、駆動機構76の駆動モータ76Aを制御する。具体的には、コントローラ12は、予備洗浄機2Aのドア23が閉まるように、駆動モータ76Aを制御する。これにより、予備洗浄機2Aのドア23が閉位置に移動する。
【0056】
洗浄システム1では、キャリーテーブル3の操作部18において操作パネルCP1の休止ボタンBが押下されると、コントローラ12は、駆動機構7の駆動モータ60を制御する。具体的には、コントローラ12は、本洗浄機2Bのドア23が閉まるように、駆動モータ60を制御する。これにより、本洗浄機2Bのドア23が閉位置に移動する。ドア23が閉位置に移動すると、本洗浄機2Bは、休止モードになる。
【0057】
洗浄システム1では、キャリーテーブル3の操作部18において操作パネルCP2の休止ボタンBが押下されると、コントローラ12は、駆動機構76の駆動モータ76Aを制御する。具体的には、コントローラ12は、予備洗浄機2Aのドア23が閉まるように、駆動モータ76Aを制御する。これにより、予備洗浄機2Aのドア23が閉位置に移動する。ドア23が閉位置に移動すると、予備洗浄機2Aは、休止モードになる。
【0058】
洗浄システム1では、第一閉ボタンB3が押下されて本洗浄機2Bのドア23が閉められた後に、操作パネルCP1の休止ボタンBが押下された場合には、コントローラ12は、駆動モータ60を制御することなく、本洗浄機2Bを休止モードにする。
【0059】
洗浄システム1では、第二閉ボタンB4が押下されて予備洗浄機2Aのドア23が閉められた後に、操作パネルCP2の休止ボタンBが押下された場合には、コントローラ12は、駆動モータ76Aを制御することなく、予備洗浄機2Aを休止モードにする。
【0060】
続いて、洗浄システム1の動作について説明する。作業者は、食器ラックRに使用済みの食器Dを収容し、食器ラックRを載置面10aに載置する。そして、センサ14によって食器ラックRが検知されたとき、又は、作業者によって操作部18のスタートボタンB2が押下されたときに、予備洗浄機2A及び本洗浄機2Bの洗浄室21が開放された状態となっている場合、アーム部材11Aによる食器ラックRの搬送が開始される。コントローラ12は、アーム部材11Aが予備洗浄機2Aへ食器ラックRを押し出したことが検知されると、所定時間経過後に、装置間搬送装置4における駆動機構76の駆動モータ76Aを作動させる。これにより、予備洗浄機2Aのドア23が閉められる。
【0061】
センサ14によって食器ラックRが検知されたこと、又は、作業者によって操作部18のスタートボタンB2が押下されたとしても、予備洗浄機2A及び本洗浄機2Bの少なくとも一方のドア23が閉まっている場合(洗浄動作中の場合)、アーム部材11Aによる食器ラックRの搬送は開始されず、予備洗浄機2A及び本洗浄機2Bの両方の洗浄動作が終了するまでそのまま待機する。コントローラ12は、予備洗浄機2Aの洗浄動作が終了すると、装置間搬送装置4の駆動機構76を制御して、予備洗浄機2Aの洗浄室21を開放し、本洗浄機2Bの洗浄動作が終了すると、リフト装置5の駆動機構7を制御して、本洗浄機2Bの洗浄室21を開放する。
【0062】
コントローラ12は、予備洗浄機2A及び本洗浄機2Bの両方の洗浄室21を開放させた後、アーム部材11Aによる食器ラックRの搬送を開始させる。コントローラ12は、アーム部材11Aが予備洗浄機2Aへ食器ラックRを押し出したことを検知すると、所定時間経過後に、装置間搬送装置4における駆動機構76の駆動モータ76Aを作動させる。これにより、予備洗浄機2Aのドア23が閉められる。予備洗浄機2Aは、ドア23が閉められると、洗浄動作を開始する。予備洗浄機2Aは、洗浄動作が終了すると、終了信号をコントローラ12に出力する。コントローラ12は、終了信号を受け取ると、駆動機構76の駆動モータ76Aを作動させる、これにより、予備洗浄機2Aのドア23が開けられる。
【0063】
予備洗浄機2Aのドア23が開けられると、キャリーテーブル3によって新たな食器ラックRが予備洗浄機2Aにおける洗浄室21の所定位置に搬入される。これにより、洗浄後の食器ラックRは、新たな食器ラックRによって装置間搬送装置4に押し出されて、装置間搬送装置4の搬送ベルト74に搬出される。予備洗浄機2Aは、新たな食器ラックRが予備洗浄機2Aにおける洗浄室21の所定位置に搬入された後、所定時間経過後にドア23が閉められ、新たに搬入された食器ラックRに収容された食器Dの洗浄を開始する。
【0064】
装置間搬送装置4は、上述したように新たな食器ラックRによる押し出しによって食器ラックRが搬出されてくると、搬送ベルト74を駆動して、食器ラックRを本洗浄機2Bの方向に引き込み、搬送ベルト74の左側端部まで搬送する。装置間搬送装置4は、食器ラックRが搬送ベルト74の左側端部まで搬送されると、搬送アーム72を駆動して、食器ラックRを本洗浄機2Bの洗浄室21の所定位置にまで押し込む。コントローラ12は、搬送アーム72が本洗浄機2Bへ食器ラックRを押したことを検知すると、所定時間経過後に、リフト装置5における駆動機構7の駆動モータ60を作動させる。これにより、本洗浄機2Bのドア23が閉められる。本洗浄機2Bは、ドア23が閉められると、洗浄動作を開始する。
【0065】
本洗浄機2Bは、洗浄動作が終了すると、終了信号をコントローラ12に出力する。コントローラ12は、終了信号を受け取ると、駆動機構7の駆動モータ60を作動させる。これにより、本洗浄機2Bのドア23が開けられる。本洗浄機2Bのドア23及び予備洗浄機2Aのドア23が開けられると、キャリーテーブル3によって更なる新たな食器ラックRが予備洗浄機2Aに搬入される。これにより、予備洗浄機2Aにおける洗浄後の食器ラックRは、更なる新たな食器ラックRによって予備洗浄機2A内にある食器ラックRが装置間搬送装置4に押し出され、本洗浄機2B内にある食器ラックRは、装置間搬送装置4から搬入された食器ラックRによってリフト装置5に押し出されて、リフト装置5のリフト41に搬出される。リフト41は、本洗浄機2Bから搬入された食器ラックRをワゴン6において空いている棚部に移載する。
【0066】
上記実施形態の洗浄システム1における作用効果について説明する。本実施形態に係る洗浄システム1では、キャリーテーブル3の操作部18において第二閉ボタンB4が操作されると、駆動機構76が予備洗浄機2Aのドア23を閉位置に位置させる。そのため、洗浄システム1では、作業者が第二閉ボタンB4の操作(押下)を行うだけで、予備洗浄機2Aのドア23を閉位置に位置させることができる。したがって、洗浄システム1では、予備洗浄機2Aのドア23を手動で閉める必要がない。このように、洗浄システム1では、予備洗浄機2Aのドア23を閉位置に容易に移動させることができる。
【0067】
本実施形態に係る洗浄システム1では、キャリーテーブル3の操作部18は、本洗浄機2Bのドア23を閉位置に位置させる操作を受け付ける第一閉ボタンB3を有している。洗浄システム1では、第一閉ボタンB3が操作されると、駆動機構7が本洗浄機2Bのドア23を閉位置に位置させる。この構成では、作業者が第一閉ボタンB3の操作を行うだけで、本洗浄機2Bのドア23を閉位置に位置させることができる。したがって、洗浄システム1では、本洗浄機2Bのド23を手動で閉める必要がない。このように、洗浄システム1では、本洗浄機2Bのドア23を閉位置に容易に移動させることができる。
【0068】
本実施形態に係る洗浄システム1では、キャリーテーブル3の操作部18は、予備洗浄機2Aの動作を休止させる操作を受け付ける操作パネルCP2を有している。洗浄システム1では、操作パネルCP2の休止ボタンBが操作されると、駆動機構76が予備洗浄機2Aのドア23を閉位置に位置させる。この構成では、作業者が操作パネルCP2の休止ボタンBの操作を行うだけで、予備洗浄機2Aのドア23を閉位置に位置させることができる。そのため、洗浄システム1では、予備洗浄機2Aの動作を休止させる操作によって、休止モードにしつつドア23を閉めることができる。
【0069】
本実施形態に係る洗浄システム1では、キャリーテーブル3の操作部18は、本洗浄機2Bの動作を休止させる操作を受け付ける操作パネルCP1を有している。洗浄システム1では、操作パネルCP1の休止ボタンBが操作されると、駆動機構7が本洗浄機2Bのドア23を閉位置に位置させる。この構成では、作業者が操作パネルCP1の休止ボタンBの操作を行うだけで、本洗浄機2Bのドア23を閉位置に位置させることができる。そのため、洗浄システム1では、本洗浄機2Bの動作を休止させる操作によって、休止モードにしつつドア23を閉めることができる。
【0070】
上記実施形態に係る洗浄システム1では、キャリーテーブル3の操作部18は、食器ラックRの搬送方向の上流側に配置されている。例えば、キャリーテーブル3にセットされた食器ラックRに収容される食器Dを浸漬する浸漬タンク等を有するシンクが設置される場合、シンクは、キャリーテーブル3に対して左右方向に並んで配置される。この場合、作業者は、キャリーテーブル3における食器ラックRの搬送方向の上流側において、シンクから食器Dを食器ラックRに収容する作業を行う。この構成の場合、操作部18がキャリーテーブル3において、食器ラックRの搬送方向の下流側に配置されていると、作業者が操作部18を操作する場合、シンクを迂回して移動する必要がある。そこで、洗浄システム1では、操作部18は、キャリーテーブル3において食器ラックRの搬送方向の上流側に配置されている。そのため、作業者は、シンクから食器Dを食器ラックRに収容する作業位置において、操作部18を操作することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0072】
上記実施形態において、予備洗浄機2Aは、
図9(B)に示されるように、手動でドア23を開閉するためのハンドル24A,24Bが設けられていてもよい。
図9(B)は、予備洗浄機2Aを上から見た図である。
図9(B)に示されるように、ハンドル24Aは、ドア23の側面23A(右側)に沿って配置されている。ハンドル24Bは、ドア23の側面23B(左側)に沿って配置されている。ハンドル24Aは、ハンドル24Bよりも短い。
【0073】
図9(A)に示されるように、ドア23の前面23C側にハンドル24Cが配置されている従来の構成の場合、ドア23が閉まったときに、ハンドル24Cがキャリーテーブル3(ハウジング17)に接触したり、食器ラックRに接触したりする可能性がある。
図9(B)に示されるように、ハンドル24A及びハンドル24Bは、ドア23の前面23C側に配置されない。そのため、ドア23が閉まったときに、ハンドル24Aがキャリーテーブル3に接触したり、ハンドル24Bが食器ラックRに接触したりすることを回避できる。作業者がドア23を手動で開閉する場合には、ハンドル24A又はハンドル24Bを上下方向に操作する。
【0074】
図10(A)に示されるように、ハンドル24Aとハンドル24Bとは、連結部24Dによって連結されていてもよい。
図10(B)に示されるように、連結部24Dは、ドア23の側面23A,23B及び上面23Dに沿って配置されている。駆動機構76の連結部材76Cは、ハンドル24Bに接続される。この構成において、連結部24Dが設けられていないと、駆動機構76が駆動したときにドア23が傾く可能性がある。そこで、ハンドル24Aとハンドル24Bとを連結部24Dによって連結する。これにより、駆動機構76が駆動したときに、連結部材76Cに接続されたハンドル24Bと共に、連結部24Dによって連結されたハンドル24Aも移動する。そのため、駆動機構76が駆動したときにドア23が傾くことを抑制できる。また、連結部24Dは、ドア23の上面23D側に配置されているため、連結部24Dがキャリーテーブル3に接触したり、食器ラックRに接触したりすることを回避できる。
【0075】
図11(A)に示されるように、ハンドル24A(24B)にはドア23の側面23A(23B)に沿って配置されたリンク部24Eの一端が連結ピン24Fによって回動自在に連結され、リンク部24Eの他端は軸ピンを介してドア23に連結されており、ハンドル24A(24B)の回動運動に対してドア23が上下運動可能となっている。ハンドル24Aには、複数の連結孔24Gが設けられていてもよい。リンク部24Eには、複数の連結孔24Hが設けられていてもよい。この構成では、連結ピン24Fが挿入される連結孔24G及び連結孔24Hを変更することによって、ドア23の開位置を変更することができる。
【0076】
図11(B)に示されるように、リンク部24Eは、二つのリンク部材24Ea及びリンク部材24Ebによって構成されていてもよい。リンク部材24Eaは、軸ピンを介してドア23に連結されている。リンク部材24Ebは、連結ピン24Fによってハンドル24Aに連結されている。リンク部材24Eaとリンク部材24Ebとは、接続ピン24Iによって接続されている。リンク部材24Ea及びリンク部材24Ebのそれぞれには、複数の接続孔24Jが設けられている。この構成では、接続ピン24Iが挿入される接続孔24Jを変更することによって、ドア23の開位置を変更することができる。
【0077】
上記実施形態に加えて、予備洗浄機2Aと操作パネルCP2、及び、本洗浄機2Bと操作パネルCP1とが視覚的に対応付けられていてもよい。
図12(A)に示されるように、予備洗浄機2Aのドア23に白色のラベルLB1を貼付し、操作パネルCP2に白色のラインが設けられている。
図12(B)に示されるように、本洗浄機2Bのドア23に黒色のラベルを貼付し、操作パネルCP1に黒色のラインが設けられている。これにより、予備洗浄機2Aの操作を操作パネルCP2によって行い、本洗浄機2Bの操作を操作パネルCP1によって行うことが視覚的に認識できる。したがって、操作ミスを抑制することができる。なお、予備洗浄機2Aと操作パネルCP2、及び、本洗浄機2Bと操作パネルCP1とを視覚的に対応付ける方法としては、色の他に、模様、形状等であってもよい。また、ドア23以外の部分にラベル等が設けられてもよい。
【0078】
上記実施形態に加えて、キャリーテーブル3の操作部18は、上下方向に延在する軸を中心に回動可能に設けられていてもよい。具体的には、操作部18が配置されているハウジング17の一部が回動する。例えば、キャリーテーブル3にセットされた食器ラックRに収容される食器Dを浸漬する浸漬タンク等を有するシンクが設置される場合、シンクは、キャリーテーブル3に対して左右方向に並んで配置される。この場合、作業者は、キャリーテーブル3における食器ラックRの搬送方向の上流側において、シンクから食器Dを食器ラックRに収容する作業を行う。この構成の場合において、操作部18が回動可能に設けられているため、作業者がシンクから食器Dを食器ラックRに収容する作業位置において、操作部18を作業者側に向かせることができる。したがって、操作性の向上を図ることができる。
【0079】
上記実施形態では、第一閉ボタンB3、第二閉ボタンB4、操作パネルCP1及び操作パネルCP2がキャリーテーブル3に設けられている形態を一例に説明した。しかし、第一閉ボタンB3、第二閉ボタンB4、操作パネルCP1及び操作パネルCP2は、他の機器等に設けられていてもよい。
【0080】
上記実施形態では、装置間搬送装置4は、搬送ベルト74を駆動することによって、装置間搬送装置4に搬出された食器ラックRを本洗浄機2B側に搬送する例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、搬送ベルト74及びベルト駆動部75に代えて、ローラコンベヤを有する構成の装置間搬送装置であってもよい。
【0081】
上記実施形態では、ワゴン6を含んで構成される貯留部を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、リフト装置5から搬出される食器ラックRを貯留するラック貯留部としては、棚であってもよい。
【0082】
本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態、上記変形例及びその他の変形例として記載の内容を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1…洗浄システム、2A…予備洗浄機、2B…本洗浄機、7…駆動機構(第二駆動機構)、21…洗浄室、23…ドア、76…駆動機構(第一駆動機構)、B3…第一閉ボタン(第二操作部)、B4…第二閉ボタン(第三操作部)、CP1…操作パネル(第三操作部)、CP2…操作パネル(第四操作部)、D…食器(被洗浄物)。