(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077237
(43)【公開日】2023-06-05
(54)【発明の名称】波生成装置、物体検知システム及び波生成方法
(51)【国際特許分類】
G01S 15/32 20060101AFI20230529BHJP
G01S 15/08 20060101ALI20230529BHJP
G01S 7/526 20060101ALI20230529BHJP
【FI】
G01S15/32
G01S15/08
G01S7/526 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021190460
(22)【出願日】2021-11-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和 2年11月25日に第41回超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウムにて公開 令和 2年11月25日に第41回超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウムのウェブサイトにて公開 令和 3年6月2日にJapanese Journal of Applied Physics,Volume 60のウェブサイトにて公開
(71)【出願人】
【識別番号】305027401
【氏名又は名称】東京都公立大学法人
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【弁理士】
【氏名又は名称】春田 洋孝
(72)【発明者】
【氏名】大久保 寛
【テーマコード(参考)】
5J083
【Fターム(参考)】
5J083AA02
5J083AB12
5J083AC40
5J083AD04
5J083BA10
5J083BA16
5J083BE08
5J083CA09
5J083CA10
5J083CB30
5J083EB00
(57)【要約】
【課題】1度放射することで信号により振幅変調した搬送波と超音波との両方を放射することと同じ効果が得られる波を生成する。
【解決手段】所定の周期で値が変化する第1の符号により符号化された情報信号によって、第2の符号により符号化された前記情報信号よりも波長の長い搬送波を振幅変調する振幅変調部と、を備える波生成装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周期で値が変化する第1の符号により符号化された情報信号によって、第2の符号により符号化された前記情報信号よりも波長の長い搬送波を振幅変調する振幅変調部と、
を備える波生成装置。
【請求項2】
前記第1の符号及び前記第2の符号は所定の周期により2値をとる符号である、
請求項1に記載の波生成装置。
【請求項3】
前記第1の符号の周期と前記第2の符号の周期との比は整数比である、
請求項1又は2に記載の波生成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の波生成装置と、
前記振幅変調部により振幅変調された信号を放射するスピーカーと、
前記情報信号の周波数と同じ周波数の信号及び前記搬送波の周波数と同じ周波数の信号を受信するマイクロフォンと、
波解析装置を備える物体検知システムであって、
前記波解析装置は、
前記マイクロフォンにより受信された信号の前記情報信号の周波数成分から、前記符号化された情報信号と類似する波形を検出する情報信号検出部と、
前記マイクロフォンにより受信された信号の前記搬送波の周波数成分から、前記符号化された搬送波と類似する波形を検出する搬送波検出部と、
を備える、物体検知システム。
【請求項5】
前記情報信号検出部及び搬送波検出部による検出結果を出力する出力部をさらに備える
請求項4に記載の物体検知システム。
【請求項6】
前記情報信号検出部は、前記マイクロフォンにより受信された信号の前記情報信号の周波数成分と前記情報信号との間の相関を算出し、
前記搬送波検出部は、前記マイクロフォンにより受信された信号の前記搬送波の周波数成分と前記搬送波との間の相関を算出する、
請求項4又は5に記載の物体検知システム。
【請求項7】
所定の周期で値が変化する第1の符号により符号化された情報信号によって、第2の符号により符号化された前記情報信号よりも波長の長い搬送波を振幅変調する振幅変調ステップと、
を有する波生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波生成装置、物体検知システム及び波生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
音波を空気中に放射し、物体からの反射波に基づいて物体までの距離を計測する技術がある。この技術において、波長が長い音波を放射することで音波を回折させ、可視光では検知することのできない不可視領域も検知することができる。波長が長い音波を放射して不可視領域を検知することは例えば特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1の技術において、パラメトリックスピーカーを用いて信号により振幅変調した搬送波を空間に放射することで、信号の指向性を向上させる。また、信号を符号化し、受信した反射波をパルス圧縮することで距離分解能やSN比を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法において、可視領域にある物体と不可視領域にある物体を区別するためには、信号により振幅変調した搬送波と超音波を別々に放射する必要がある。
本発明の目的は、1度放射することで搬送波で振幅変調した信号と超音波との両方を放射することと同じ効果が得られる波を生成する波生成装置、物体検知システム及び波生成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、所定の周期で値が変化する第1の符号により符号化された情報信号によって、第2の符号により符号化された前記情報信号よりも波長の長い搬送波を振幅変調する振幅変調部と、を備える波生成装置である。
【0007】
本発明の一態様は、所定の周期で値が変化する第1の符号により符号化された情報信号によって、第2の符号により符号化された前記情報信号よりも波長の長い搬送波を振幅変調する振幅変調ステップと、を有する波生成方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、1度放射することで信号により振幅変調した搬送波と超音波との両方を放射することと同じ効果が得られる波を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図6】受信信号f(t)、送信信号g(t)及び相関信号(f*g)(t)の関係を示す図である。
【
図7】物体検知システムの実施の一例を示す図である。
【
図8】情報信号パルス圧縮部により算出される相関信号を示すグラフの一例である。
【
図9】搬送波パルス圧縮部により算出される相関信号を示すグラフの一例である。
【
図10】情報信号パルス圧縮部及び搬送波パルス圧縮部による算出結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
〈物体検知システム〉
図1は、物体検知システム1の構成を示す図である。物体検知システム1は、波生成装置11、送波器12、受波器21、波解析装置22を含む。
【0011】
波生成装置11は波を生成する。送波器12は波生成装置11が生成した波を放射する。送波器12は、例えばスピーカーである。受波器21は波を受信する。波解析装置22は受波器21が受信した波を解析する。
物体検知システム1においては、波生成装置11により生成された波は送波器12により放射される。放射された波が物体に当たることにより生じた反射波は受波器21により受信される。受波器21により受信された波は波解析装置22により解析され、物体に関する情報が特定される。
【0012】
〈波生成装置〉
図2は、波生成装置11の構成を示す図である。
波生成装置11は、情報信号生成部111、情報信号符号化部112、搬送波生成部113、搬送波符号化部114、振幅変調部115を備える。
【0013】
情報信号生成部111は、情報信号を生成する。情報信号は、例えば周波数が低い音波である。情報信号の周波数は例えば1kHzから10kHzの範囲に含まれる周波数である。周波数が小さいことで波は回折し、物体の背後に回り込む。周波数が1kHzを下回ると、物体識別の解像度が粗くなり、周波数が10kHzを超えると、波の直進性が高く回り込みが生じない。一方で、多重変調は周波数によらず実現できるため、目的によっては、1kHz未満の波や10kHzを超える波を用いてもよい。
【0014】
情報信号符号化部112は、情報信号を符号化し、符号化情報信号を生成する。情報信号の符号化に使用される第1の符号は、所定の周期により2値をとる符号である。第1の符号は、例えばGolay符号やM系列符号である。
図3は、符号化情報信号の一例である。
図3において、情報信号はGolay符号により符号化される。Golay符号は所定の周期により1又は-1となる符号である。符号化情報信号は、情報信号とGolay信号の積であって、Golay信号が-1である期間の情報信号の正負が逆になった信号である。情報信号の正負が逆になることは、信号の位相を反転させること、180度進めることと等価である。
【0015】
搬送波生成部113は、搬送波を生成する。搬送波は、例えば情報信号より周波数が高い超音波である。パラメトリックスピーカーによって音波を発生させる場合、搬送波の周波数は例えば40kHzから50kHzの範囲に含まれる周波数(例えば、44.1kHz)が好ましい。なお、パラメトリックスピーカーでない送波器を用いる場合などには、搬送波の周波数は、上記範囲に限らなくてもよい。
【0016】
搬送波符号化部114は、搬送波を符号化し、符号化搬送波を生成する。搬送波符号化部114による搬送波の符号化に使用される第2の符号は、所定の周期により2値をとる符号である。第1の符号の周期と第2の符号の周期との比は、整数比であることが望ましい。つまり、第1の符号と第2の符号とは値が変化するタイミングが一致するのが望ましい。第1の符号の周期と第2の符号の周期との比が整数比であることは、第1の符号の周期と第2の符号の周期とが同じことを含む。搬送波符号化部114は例えば、Golay符号により搬送波を符号化する。
【0017】
振幅変調部115は、符号化情報信号により符号化搬送波を振幅変調し、多重変調信号を生成する。
図4は、多重変調信号の一例である。
【0018】
第1通信部116は、波解析装置22と通信する。第1通信部116は、例えば符号化情報信号及び符号化搬送波を波解析装置22に送信する。
【0019】
〈送波器〉
送波器12は、波生成装置11により生成された多重変調信号を放射する。送波器12は例えばパラメトリックスピーカーであって、指向性の鋭い波を放射する。
【0020】
多重変調信号は、空気中を伝播すると符号化情報信号と符号化搬送波との間の非線形相互作用により符号化情報信号が自己復調され伝搬される。つまり、多重変調信号を放射することで、符号化情報信号と符号化搬送波とを放射することと同じ効果を得ることができる。
【0021】
〈受波器〉
受波器21は、情報信号と同じ周波数の信号と搬送波と同じ周波数の信号の両方を受信する。受波器21は、例えば空気を伝搬する信号を受信する場合はマイクロフォンであって、水中を伝搬する信号を受信する場合はハイドロフォンである。受波器21は、送波器12との距離が近いところに設置される。例えば受波器21は、送波器12のほぼ真上又はほぼ真下に設置される。
【0022】
〈波解析装置〉
図5は、波解析装置22の構成を示す図である。波解析装置22は、第2通信部220、情報信号検出部221、搬送波検出部222、出力部223を備える。
【0023】
第2通信部220は、波生成装置11と通信する。第2通信部220は、例えば波生成装置11から符号化情報信号及び符号化搬送波を受信する。
【0024】
情報信号検出部221は、受波器21が受信する信号の情報信号の周波数成分から、符号化情報信号と類似する波形を検出する。情報信号検出部221は、例えば受波器21が受信する信号の情報信号の周波数成分を符号化情報信号に基づきパルス圧縮することで類似する波形を検出する。より具体的には、情報信号検出部221は、情報信号符号化部112により生成され、第2通信部220が受信する符号化情報信号(送信信号)と受波器21により受信される信号の情報信号の周波数成分(受信信号)との間の相関を算出する。
【0025】
送信信号と受信信号の間の相関は、式(1)により算出される。
【0026】
【0027】
式(1)において、f(t)は受信信号の時刻に対する大きさ、g(t)は送信信号の時刻に対する大きさを示す。相関(f*g)(t)において、大きい値となる時刻は、送信した信号が物体に反射し、反射した信号を受信するまでの時間である。
図6は、受信信号f(t)、送信信号g(t)及び相関信号(f*g)(t)の関係を示す図である。
【0028】
搬送波検出部222は、受波器21が受信する信号の搬送波の周波数成分から、符号化搬送波と類似する波形を検出する。搬送波検出部222は、例えば受波器21が受信する信号の搬送波の周波数成分を符号化搬送波に基づきパルス圧縮することで類似する波形を検出する。より具体的には、搬送波検出部222は、搬送波符号化部114により生成される符号化搬送波と受波器21により受信される信号の搬送波の周波数成分との間の相関を算出する。相関の算出方法は、情報信号検出部221と同様、式(1)による。
【0029】
出力部223は、情報信号検出部221及び搬送波検出部222それぞれによる検出結果を出力する。出力部223は、例えば情報信号検出部221及び搬送波検出部222それぞれにより算出される相関を出力する。出力される相関は、例えば縦軸に相関の値、横軸に時刻をとったグラフとしてディスプレイ上に表示される。また、信号が伝達する速さを考慮することで、縦軸に相関の値、横軸に距離をとったグラフを作成することができる。情報信号検出部221と搬送波検出部222とによりそれぞれ算出される相関は、容易に比較ができるためにグラフとして重ねて表示されてもよい。
【0030】
〈実施例〉
図7は物体検知システム1の実施の一例を示す図である。送波器12の対向には第1ターゲット31及び第2ターゲット32が設置されている。第1ターゲット31及び第2ターゲット32は、例えば木板や人間などであり、1kHzから50kHzまでの音波を反射する物体である。これに限らず第1ターゲット31及び第2ターゲット32は、数百Hzから数十kHzの範囲にある音波を反射する物体であってよい。第1ターゲット31は送波器12からr
1[m]離れた位置に設置し、第2ターゲット32は送波器12からr
2[m]離れた位置に設置した。本実施例において、情報信号及び搬送波の符号化に使用される第1の符号及び第2の符号は、同じ周期を有するGolay符号である。
【0031】
図7に示す実施例において、送波器12から第1ターゲット31を見たとき、第2ターゲット32は第1ターゲット31の背後に隠れ視認することができない。つまり、第1ターゲット31は可視領域にある物体であり、第2ターゲット32は不可視領域にある物体である。
図7に示す実施例において、情報信号と同じ周波数の波は回折し、第1ターゲット31の背後に到達し、第2ターゲット32に反射するが、搬送波と同じ周波数の波は回折せず、第1ターゲット31の背後に到達せず、第2ターゲット32に反射しない。
【0032】
図8は、情報信号検出部221により算出される相関を示すグラフの一例である。
図8に示すグラフは、縦軸は信号の強度を示し、横軸に当該信号の放射した地点と反射した地点との間の距離を示す。つまり、
図8に示すグラフは受波器21からr
1[m]及びr
2[m]離れた地点で情報信号が反射したことを示し、第1ターゲット31及び第2ターゲット32がそれぞれの地点にあることを示す。
【0033】
図9は、搬送波検出部222により算出される相関を示すグラフの一例である。
図9に示すグラフは、縦軸に信号の強度、横軸に当該信号の放射した地点と反射した地点との間の距離を示す。つまり、
図9に示すグラフは受波器21からr
1[m]離れた地点で搬送波が反射したことを示し、第1ターゲット31がその地点にあることを示す。
【0034】
図8及び
図9に示すグラフを比較することで、可視領域にある第1ターゲット31の位置と、不可視領域にある第2ターゲット32の位置を推定することができる。
【0035】
物体検知システム1は、搬送路を符号化し、符号化した情報信号と符号化した搬送路とを振幅変調し、変調信号を放射することで、1度の信号放射により情報信号から得られる情報と搬送波から得られる情報をどちらも取得することができる。これにより、より効率的に物体を検知することができる。
【0036】
〈実験結果〉
以下、行った実験の詳細について説明する。第1ターゲット31を送波器12から5mの距離に設置し、第2ターゲット32を送波器12から7mの距離に設置した。第1ターゲット31は高さ90cm、幅50cmの木板であり、第2ターゲット32は高さ90cm、幅30cmの木板である。情報信号の周波数は1470Hzであり、搬送波の周波数は44.1kHzである。
【0037】
図10は、情報信号検出部221及び搬送波検出部222による算出結果を示すグラフである。縦軸は信号強度、横軸は距離であり、実線は情報信号の信号強度と距離の関係を示し、破線は搬送波の信号強度と距離の関係を示す。情報信号はおよそ5mとおよそ7mの地点で強度のピークが見られる。しかしながら、搬送波はおよそ5mの地点でのみ強度のピークが見られる。これにより、送波器12から5m離れた地点に可視領域にある物体があり、7m離れた地点に不可視領域にある物体があることが分かる。
【0038】
〈他の実施形態〉
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0039】
物体検知システム1の実施例としては不可視領域の物体の検知に限られない。例えば、物体検知システム1は異なる間隔を有する凹凸模様に対して多重変調信号を照射することで、模様に関して2つの異なる情報を取得することで模様を推定してもよい。
【0040】
情報信号及び搬送波を符号化する符号は、所定の周期により2値をとる符号に限られない。例えば擬似雑音又は擬似ランダム雑音により情報信号及び搬送波を符号化してもよい。
【0041】
情報信号及び搬送波を符号化する方法は、位相変調に限られない。例えば、情報信号及び搬送波は、周波数変調又は振幅変調により符号化されてもよい。
【0042】
波生成装置11と波解析装置22とは同じ装置により実現されてもよい。このとき、波生成装置11は第1通信部116を備えなくてもよく、波解析装置22は、第2通信部220を備えなくてもよい。
【0043】
波生成装置11は、上述した実施形態では1つの多重変調信号を生成して放射するが、符号化方式が互いに異なる複数の多重変調信号を放射してもよい。つまり、情報信号符号化部112は、第1符号により情報信号を符号化し第1符号化情報信号を生成し、第1符号と値が変化する周期が異なる第2符号により情報信号を符号化し第2符号化情報信号を生成してもよい。搬送波符号化部114は、第1符号により搬送波を符号化し第1符号化搬送波を生成し、第2符号により搬送波を符号化し第2符号化搬送波を生成してもよい。振幅変調部115は、第1符号化情報信号により第1符号化搬送波を変調し、第1多重変調信号を生成し、第2符号化情報信号により第2符号化搬送波を変調し、第2多重変調信号を生成してもよい。送波器12は第1多重変調信号及び第2多重変調信号を放射してもよい。
【0044】
波解析装置22は、異なる多重変調信号から得られるパルス圧縮の結果を足し合わせてもよい。より具体的には、波解析装置22は、情報信号検出部221により異なる多重変調信号に基づいて算出される異なる相関を足し合わせてもよい。異なる相関を足し合わせた値は、任意の距離に対し当該距離に対する信号強度を足し合わせた値である。これにより、ピークとなる信号強度の値が大きくなり、また、ピークの幅が小さくなることから、ピークを検知又は確認することが容易になる。
【0045】
上述した実施形態における波生成装置11及び波解析装置22の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記録装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものを含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 物体検知システム、11 波生成装置、12 送波器、21 受波器、22 波解析装置、111 情報信号生成部、112 情報信号符号化部、113 搬送波生成部、114 搬送波符号化部、115 振幅変調部、116 第1通信部、220 第2通信部、221 情報信号検出部、222 搬送波検出部、223 出力部