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特開2023-77281管理システム、表示端末、管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077281
(43)【公開日】2023-06-05
(54)【発明の名称】管理システム、表示端末、管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/62 20130101AFI20230529BHJP
【FI】
G06F21/62 345
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021190535
(22)【出願日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】大原 洋二
(57)【要約】
【課題】オペレータが取り扱う個人情報の漏洩を未然に防ぐことができる管理システムを提供すること。
【解決手段】管理システム300は、個人情報を表示する表示端末10と、表示端末10を管理する管理端末20と、を備える。管理システム300の表示端末10は、計測部111と、表示制御部112と、を備える。計測部111は、表示端末10において個人情報が表示された場合には、表示された個人情報の表示回数又は表示時間を計測する。表示制御部112は、計測した表示回数又は表示時間を表示端末10に表示する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人情報を表示する表示端末と、前記表示端末を管理する管理端末と、を備える管理システムにおいて、
前記管理システムは、
前記表示端末において前記個人情報が表示された場合には、表示された前記個人情報の表示回数又は表示時間を計測し、
前記計測した表示回数又は表示時間を前記表示端末に表示する
ことを特徴とする管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の管理システムであって、
前記計測した表示回数又は表示時間が閾値を超えた場合には、前記管理端末へ報知する
ことを特徴とする管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の管理システムであって、
前記計測した表示回数又は表示時間が閾値を超えた場合には、前記表示端末へ報知する
ことを特徴とする管理システム。
【請求項4】
請求項1から3のうち何れかに記載の管理システムであって、
前記表示端末は、前記個人情報を表示しているオペレータを撮像する
ことを特徴とする管理システム。
【請求項5】
請求項1から4のうち何れかに記載の管理システムであって、
前記表示端末は、前記個人情報を表示している前記表示端末の表示画面を録画する
ことを特徴とする管理システム。
【請求項6】
個人情報を表示する表示端末において、
前記表示端末は、前記表示端末において表示された前記個人情報の表示回数又は表示時間を計測する計測部と、
前記計測した表示回数又は表示時間を前記表示端末に表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする表示端末。
【請求項7】
個人情報を表示する表示端末が実行する管理方法であって、
前記表示端末は、前記表示端末において表示された前記個人情報の表示回数又は表示時間を計測し、
前記計測した表示回数又は表示時間を前記表示端末に表示する
ことを特徴とする管理方法。
【請求項8】
個人情報を表示する表示端末が実行するプログラムであって、
前記表示端末は、前記表示端末において表示された前記個人情報の表示回数又は表示時間を計測し、
前記計測した表示回数又は表示時間を前記表示端末に表示する
処理を実行することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、表示端末、管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コールセンタのような監視センタにおいては、オペレータは、顧客の情報を管理するために、個人情報を画面に表示して確認を行う作業が発生する。個人情報は、機密事項であるため、漏洩しないようにオペレータが適切に扱っているかどうか管理者はオペレータの行動を監視する必要がある。したがって、従来は、個人情報の管理の観点から、目視で確認するために、監視センタのような場所に複数のオペレータを集めて監視を行う必要があった。
【0003】
そこで、例えば、オペレータの監視のために、機密ファイルを開いている場合に、それを判定する情報管理システムが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-266146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、たとえ業務中であっても、個人情報を特に制限もなく画面に表示することで、オペレータが大切な情報を扱っているという意識が乏しくなる。その結果、個人情報の扱いを疎かにして個人情報の漏洩につながる可能性もある。また、オペレータの個人情報の取り扱いについては、管理者が目視での確認となるため、管理者個人の視点、基準での判断となり、客観的な尺度による管理が難しくなる。
【0006】
また、管理者による目視での確認が必要となるため、管理者とオペレータとが目視で確認できる距離内の同一の場所にいなければならず、場所の制約が多くなる。その結果、監視センタにオペレータを集めて監視を行う必要があるため、テレワーク環境での運用を行うことが難しい。
【0007】
本願発明は、上記課題に鑑み、オペレータが取り扱う個人情報の漏洩を未然に防ぐことができる管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、個人情報を表示する表示端末において、前記表示端末は、前記表示端末において表示された前記個人情報の表示回数又は表示時間を計測する計測部と、前記計測した表示回数又は表示時間を前記表示端末に表示する表示制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、個人情報を表示する表示端末が実行する管理方法であって、前記表示端末は、前記表示端末において表示された前記個人情報の表示回数又は表示時間を計測し、前記計測した表示回数又は表示時間を前記表示端末に表示することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、個人情報を表示する表示端末が実行するプログラムであって、前記表示端末は、前記表示端末において表示された前記個人情報の表示回数又は表示時間を計測し、前記計測した表示回数又は表示時間を前記表示端末に表示する処理を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、オペレータが取り扱う個人情報の漏洩を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態の表示端末を含む管理システムの構成例を示すブロック図である。
図2】表示端末の構成例を示すブロック図である。
図3】表示部に表示された個人情報の画面の一例を示す図である。
図4】表示端末が実行する管理処理の管理方法の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に従って本発明の実施形態を説明する。以下では、本実施形態の表示端末を含む管理システム300について説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の表示端末10を含む管理システム300の構成例を示すブロック図である。管理システム300は、表示端末10、及び管理端末20を含む。管理システム300は、図1に示していない他の装置を含んでいてもよい。表示端末10は、ネットワークNを介して、管理端末20などと通信可能に接続される。
【0015】
表示端末10は、オペレータの操作を受け付け、オペレータに対し操作内容に応じて適宜個人情報の表示を行う。表示端末10は、コールセンタなどの監視センタの業務において使用される。図1においては、表示端末10は3台表示されているがこの限りではなく、少なくとも1台以上設置されていればよい。
【0016】
表示端末10は、監視センタ、オペレータの自宅、分室などに設置され、オペレータの操作に基づいて文字や選択操作の入力、及び、個人情報の表示を行う。個人情報には、氏名、名称、電話番号、住所、家族構成、個人を特定できる画像等、少なくとも1つ以上の情報が含まれる。
【0017】
管理端末20は、管理者の操作を受け付け、管理者に対し操作内容に応じて各表示端末10の挙動を管理する。管理端末20は、表示端末10の挙動を管理者が管理(監視)するための装置である。
【0018】
図2は、表示端末10の構成例を示すブロック図である。表示端末10は、主制御部110、記憶部120、表示部130、報知部140、通信部150、撮像部160、及び録画部170により構成される。
【0019】
主制御部110は、表示端末10全体を制御する。主制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成される。主制御部110は、記憶部120から制御プログラムを読み込み、読込んだ制御プログラムに従って、各種制御処理を実行する。記憶部120は、制御プログラム、各種データやテーブルを記憶する。記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only memory)、ハードディスクなどにより構成される。記憶部120は、各種データを一時的に記憶するワークエリアとしても機能する。
【0020】
表示部130は、個人情報を表示する機能を備える。表示部130は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、又はタッチパネルディスプレイ等により構成される。報知部140は、アラームをオペレータ又は管理者に対し報知する機能を備える。報知部140は、スピーカ、ブザー、電光表示板等により構成される。
【0021】
通信部150は、管理端末20や図示しないサーバとの通信を行う機能を備える。通信部150は、例えば、入出力インタフェースやネットワークアダプタ等により構成される。
【0022】
撮像部160は、個人情報を表示しているオペレータを撮像する機能を備える。撮像部160は、例えば、ビデオカメラにより構成される。録画部170は、個人情報を表示している表示端末10の表示部130に表示している表示画面を録画する機能を備える。録画部170は、例えば、ハードディスクレコーダ、DVDレコーダ等により構成される。
【0023】
主制御部110は、計測部111、表示制御部112、撮像制御部113、録画制御部114、報知制御部115を備える。主制御部110は、図2に図示していない他の構成要素を含んでいてもよい。
【0024】
計測部111は、表示端末10の表示部130において表示された個人情報の表示回数又は表示時間を計測する。計測部111は、表示部130の画面に個人情報が表示されたか否かを判定する。個人情報が表示されたか否かの情報は、記憶部120に備えた個人情報テーブル等により関連付けられている。例えば、個人情報テーブルには、氏名、名称、電話番号、住所、家族構成、個人を特定できる画像等の情報が個人情報を示す情報として対応付けられている。計測部111は、記憶部120に記憶された個人情報テーブルを参照して、個人情報が表示部130の画面に表示されたか否かを判定する。
【0025】
個人情報が表示部130の画面に表示された場合には、計測部111は、記憶部120に格納されている表示回数カウンタを1加算して、表示部130の画面に表示された個人情報の表示回数を計測する。また、個人情報が表示部130の画面に表示された場合には、計測部111は、表示時間の計測を開始する。
【0026】
表示制御部112は、計測部111により計測された個人情報の表示回数を表示部130に表示する。また、表示制御部112は、計測部111により計測された個人情報の表示時間を表示部130に表示する。これにより、個人情報に該当する情報を画面に表示したとき、オペレータ自身にも表示回数や表示時間が分かるように表示することで、オペレータに大事な情報を扱っているという意識を持たせることができ、情報漏洩などの不正をけん制することができる。その結果、オペレータが取り扱う個人情報の漏洩を未然に防ぐことができる。
【0027】
図3は、表示部130に表示された個人情報の画面の一例を示す図である。表示部130に表示された画面200には、氏名401、住所402、電話番号403、回数表示欄501、時間表示欄502が表示されている。氏名401、住所402、電話番号403は、個人情報の一例である。
【0028】
表示部130の画面200に個人情報が表示された場合には、表示制御部112は、画面200の回数表示欄501に表示回数カウンタで計測した表示回数を表示する。図3の実施形態では、表示回数カウンタに「13」が計測されている例について説明する。この場合、表示制御部112は、回数表示欄501に個人情報の表示回数として「13回」と表示する。
【0029】
また、表示部130の画面200に個人情報が表示された場合には、表示制御部112は、画面200の時間表示欄502に計測した表示時間を表示する。図3の実施形態では、表示時間として「10分12秒」が計測されている例について説明する。この場合、表示制御部112は、時間表示欄502に個人情報の表示時間として「10分12秒」と表示する。
【0030】
オペレータ自身が、画面200の回数表示欄501に表示された表示回数や、時間表示欄502に表示された表示時間を認識することができる。これにより、オペレータに大事な情報を扱っているという意識を持たせることができ、情報漏洩などの不正をけん制することができる。その結果、オペレータが取り扱う個人情報の漏洩を未然に防ぐことができる。
【0031】
撮像制御部113は、個人情報が表示部130の画面に表示された場合には、撮像部160を制御して個人情報を表示しているオペレータを撮像する。これにより、オペレータが個人情報を表示している間、そのオペレータをカメラなどの撮像部160で撮影しておくことで、個人情報の漏洩が発生したときに、オペレータが不正な動作をしていなかったか等不正の事実の確認を追跡することができる。
【0032】
録画制御部114は、個人情報が表示部130の画面に表示された場合には、録画部170を制御して個人情報を表示している表示端末10の表示画面を録画する。これにより、オペレータが個人情報を表示している間、そのオペレータが見ていた画像を録画しておくことで、個人情報の漏洩が発生したときに、オペレータが不正な動作をしていなかったか等不正の事実確認を後から追跡することができる。
【0033】
報知制御部115は、計測部111により計測された個人情報の表示回数又は表示時間が閾値を超えた場合には、報知部140を制御して、表示端末へ報知する。例えば、報知制御部115は、計測部111により計測された個人情報の表示回数が第1の閾値を超えた場合には、報知部140を制御して、第1のアラームで報知する。また、例えば、報知制御部115は、計測部111により計測された個人情報の表示時間が第2の閾値を超えた場合には、報知部140を制御して、第2のアラームで報知する。
【0034】
これにより、個人情報の表示回数又は表示時間があらかじめ設定された回数や時間を超えた場合には、オペレータに大事な情報を扱っているという意識を持たせることができ、情報漏洩などの不正をけん制することができる。また、管理者に対し特定のオペレータが個人情報を見すぎているため、情報漏洩などの不正を行う恐れがあるということを事前に知らせることができ、情報漏洩を未然に防ぐことができる。第1のアラームと第2のアラームは同じ音であってもよい。
【0035】
次に、表示端末10が実行する管理処理の管理方法を具体的に説明する。図4は、表示端末10が実行する管理処理の管理方法の手順の一例を示すフローチャートである。管理方法が実行する管理処理は、表示端末10の主制御部110によって実行される。
【0036】
主制御部110は、オペレータの操作に従って表示部130に画面を表示する(ステップS101)。主制御部110は、表示部130の画面に個人情報が表示されたか否かを判定する(ステップS102)。個人情報が表示されていない場合(ステップS102:NO)には、処理はステップS113に進む。
【0037】
個人情報が表示された場合(ステップS102:YES)には、主制御部110は、記憶部120に記憶されている表示回数カウンタを1加算して表示回数を計測する(ステップS103)。主制御部110は、表示回数カウンタで計測した表示回数を表示部130の回数表示欄501に表示する(ステップS104)。
【0038】
また、個人情報が表示された場合には、主制御部110は、個人情報の表示時間の計測を開始する(ステップS105)。そして、主制御部110は、計測した表示時間を表示部130の時間表示欄502に表示する(ステップS106)。
【0039】
主制御部110は、撮像部160を制御して表示端末10を操作しているオペレータの撮像を開始する(ステップS107)。主制御部110は、撮像画像を適宜記憶部120に記憶する。
【0040】
主制御部110は、録画部170を制御して表示端末10に表示されている画面の録画を開始する(ステップS108)。主制御部110は、録画画像を適宜記憶部120に記憶する。
【0041】
主制御部110は、個人情報の表示回数は第1の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS109)。表示回数が第1の閾値未満である場合(ステップS109:NO)には、処理はステップS111に進む。表示回数が第1の閾値以上である場合(ステップS109:YES)には、主制御部110は、報知部140を制御して第1のアラームを報知する(ステップS110)。
【0042】
主制御部110は、個人情報の表示時間は第2の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS111)。個人情報の表示時間は第2の閾値未満である場合(ステップS111:NO)には、処理はステップS113に進む。個人情報の表示時間は第2の閾値以上である場合(ステップS111:YES)には、主制御部110は、報知部140を制御して第2のアラームを報知する(ステップS112)。
【0043】
主制御部110は、業務が終了したか否かを判定する(ステップS113)。業務が終了していない場合(ステップS113:NO)には、処理はステップS101に戻り、業務が終了するまでの間ステップS101~ステップS113の処理が繰り返し実行される。そして、業務が終了した場合(ステップS113:YES)には、表示端末10が実行する管理処理の管理方法は終了となる。
【0044】
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用ができることはもちろんである。
【0045】
管理処理の管理方法は、表示端末10が実行しているがこの限りではなく、管理端末20が実行してもよい。
【符号の説明】
【0046】
10 :表示端末
20 :管理端末
110 :主制御部
111 :計測部
112 :表示制御部
113 :撮像制御部
114 :録画制御部
115 :報知制御部
120 :記憶部
130 :表示部
140 :報知部
150 :通信部
160 :撮像部
170 :録画部
300 :管理システム
N :ネットワーク
図1
図2
図3
図4