(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077341
(43)【公開日】2023-06-05
(54)【発明の名称】整理ケース
(51)【国際特許分類】
B65D 25/06 20060101AFI20230529BHJP
B65D 23/10 20060101ALI20230529BHJP
【FI】
B65D25/06
B65D23/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021190626
(22)【出願日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】500560129
【氏名又は名称】株式会社ニトリホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179947
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 晃太郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大輝
(72)【発明者】
【氏名】藤本 仁
(72)【発明者】
【氏名】植村 茂弘
(72)【発明者】
【氏名】矢内 靖昭
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 崇行
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA01
3E062AB07
3E062AC02
3E062BB01
3E062BB02
3E062BB09
3E062EA02
3E062EB02
3E062EB05
3E062EB08
3E062EC03
3E062HA10
3E062HB02
3E062HB07
3E062HC11
3E062HC15
3E062HC17
3E062HD05
3E062HD14
(57)【要約】
【課題】整理空間のレイアウトを容易に変更することが可能な、整理ケースを提供する。
【解決手段】整理ケース1は、仕切壁5を有する。整理ケース1は、当該整理ケース1に配置可能な仕切部材6を更に有している。仕切部材6は、整理ケース1内を仕切る仕切板61と、仕切壁5または当該仕切部材6と異なる他の仕切部材6の仕切板61の少なくともいずれか一方に引っ掛けることが可能な引っ掛け部62と、を有している。
【選択図】
図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切壁を有する整理ケースであって、
前記整理ケースは、当該整理ケース内に配置可能な仕切部材を更に有しており、
前記仕切部材は、前記整理ケース内を仕切る仕切板と、前記仕切壁または当該仕切部材と異なる他の前記仕切部材の前記仕切板の少なくともいずれか一方に引っ掛けることが可能な引っ掛け部と、を有している、整理ケース。
【請求項2】
前記仕切部材は、前記仕切板と異なる第2の仕切板を有しており、前記引っ掛け部は、前記第2の仕切板に設けられている、請求項1に記載された整理ケース。
【請求項3】
前記仕切部材の外面および内面の少なくともいずれか一方は、前記仕切部材の側縁に向かうにしたがって前記外面および前記内面の一方が当該外面および当該内面の他方に接近する傾斜面であり、さらに、
前記傾斜面の下端には、当該傾斜面の減少分を補うリブが設けられている、請求項1または2に記載された整理ケース。
【請求項4】
複数の前記仕切部材が前記仕切壁に取り付けられた状態であるとき、前記複数の前記仕切部材の上端が同一の面を形成する、請求項1~3のいずれか1項に記載された整理ケース。
【請求項5】
前記整理ケースは、前記仕切壁に対して引き出しおよび押し込み可能な持ち手をさらに有しており、
前記仕切部材が前記仕切壁に取り付けられた状態であり、かつ、前記持ち手が前記仕切壁に対して押し込まれた状態であるとき、前記持ち手の上端と前記仕切部材の上端とが同一の面を形成する、請求項1~4のいずれか1項に記載された整理ケース。
【請求項6】
仕切壁を有する整理ケースであって、
前記整理ケースは、前記仕切壁に収容可能な脚部を有するとともに前記仕切壁に対する引き出しおよび押し込みが可能な持ち手をさらに有しており、
前記仕切壁および前記脚部は、前記持ち手の引き出しを制限する持ち手抜け止め部と、前記持ち手を所定の引き出し位置に位置決めする持ち手位置決め部と、を有している、整理ケース。
【請求項7】
前記持ち手抜け止め部は、前記仕切壁の内側に設けられた仕切壁側突起と、前記脚部に設けられておりかつ前記持ち手を引き出したときに前記仕切壁側突起に接触可能な持ち手側突起とによって構成されており、
前記持ち手位置決め部は、前記仕切壁の内側に設けられた仕切壁側嵌合部と、前記脚部に設けられておりかつ前記持ち手を引き出したときに前記仕切壁側嵌合部と嵌合可能な持ち手側嵌合部とによって構成されており、さらに、
前記持ち手側嵌合部は、前記脚部に形成された切欠きによって形作られた弾性片に設けられており、前記持ち手側突起は、前記切欠きが当該持ち手側突起の変位しろとなる位置に配置されている、請求項6に記載された整理ケース。
【請求項8】
前記持ち手側突起は、前記脚部の側面に設けられており、
前記持ち手側嵌合部は、前記脚部の前面または後面に設けられている、請求項7に記載された整理ケース。
【請求項9】
前記脚部は、上側に向かうにしたがって互いに接近する、持ち手側前傾斜面および持ち手側後傾斜面を有しており、
前記仕切壁の内側には、下側に向かうにしたがって互いに遠ざかるように傾斜するように傾斜する、仕切壁側前傾斜面および仕切壁側後傾斜面が配置されており、前記持ち手の引き出しが制限される位置まで当該持ち手が引き出された状態で、前記持ち手側前傾斜面が前記仕切壁側前傾斜面に合わさるとともに前記持ち手側後傾斜面が前記仕切壁側後傾斜面に合わさる、請求項7に記載された整理ケース。
【請求項10】
仕切壁を有する整理ケースであって、
前記整理ケースは、前記仕切壁に収容可能な脚部を有しており前記仕切壁に対する引き出しおよび押し込みが可能な持ち手をさらに有しており、
一方の前記整理ケースの前記周壁の上端に他方の前記整理ケースの底壁を載せ置くことができる、整理ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整理ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の整理ケースには、周壁と底壁とによって形成された整理空間を複数の仕切壁によって複数の整理空間に仕切ることによって、当該複数の整理空間のそれぞれに、様々な物品を収納して整理できるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の整理ケースは、当該整理ケース内のレイアウトを変更できるものではなかった。
【0005】
本発明の目的は、整理ケース内のレイアウトを容易に変更することが可能な、整理ケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る、整理ケースは、仕切壁を有する整理ケースであって、前記整理ケースは、当該整理ケース内に配置可能な仕切部材を更に有しており、前記仕切部材は、当該整理ケース内を仕切る仕切板と、前記仕切壁または当該仕切部材と異なる他の前記仕切部材の前記仕切板の少なくともいずれか一方に引っ掛けることが可能な引っ掛け部と、を有している。本発明に係る、整理ケースによれば、整理ケース内のレイアウトを容易に変更することが可能になる。
【0007】
本発明に係る、整理ケースにおいて、前記仕切部材は、前記仕切板と異なる第2の仕切板を有しており、前記引っ掛け部は、前記第2の仕切板に設けられていることが好ましい。この場合、仕切部材を整理ケース内に安定的に配置することができる。
【0008】
本発明に係る、整理ケースにおいて、前記仕切部材の外面および内面の少なくともいずれか一方は、前記仕切部材の側縁に向かうにしたがって前記外面および前記内面の一方が当該外面および当該内面の他方に接近する傾斜面であり、さらに、前記傾斜面の下端には、当該傾斜面の減少分を補うリブが設けられていることが好ましい。この場合、整理ケース内に仕切部材をより安定的に配置することができる。
【0009】
本発明に係る、整理ケースにおいて、複数の前記仕切部材が前記仕切壁に取り付けられた状態であるとき、前記複数の前記仕切部材の上端が同一の面を形成することが好ましい。この場合、ケース本体の整理空間に視覚的に統一感のとれた仕切を形成することができる。
【0010】
本発明に係る、整理ケースにおいて、前記整理ケースは、前記仕切壁に対して引き出しおよび押し込み可能な持ち手をさらに有しており、前記仕切部材が前記仕切壁に取り付けられた状態であり、かつ、前記持ち手が前記仕切壁に対して押し込まれた状態であるとき、前記持ち手の上端と前記仕切部材の上端とが同一の面を形成する。この場合、持ち手を押し込んだ状態において、ケース本体の整理空間に視覚的に統一感のとれた仕切を形成することができる。
【0011】
本発明に係る、整理ケースは、仕切壁を有する整理ケースであって、前記整理ケースは、前記仕切壁に収容可能な脚部を有するとともに前記仕切壁に対する引き出しおよび押し込みが可能な持ち手をさらに有しており、前記仕切壁および前記脚部は、前記持ち手の引き出しを制限する持ち手抜け止め部と、前記持ち手を所定の引き出し位置に位置決めする持ち手位置決め部と、を有している。本発明に係る、整理ケースによれば、持ち運びが可能であり、かつ、当該持ち運びをしないときにはコンパクトにすることが可能になる。
【0012】
本発明に係る、整理ケースにおいて、前記持ち手抜け止め部は、前記仕切壁の内側に設けられた仕切壁側突起と、前記脚部に設けられておりかつ前記持ち手を引き出したときに前記仕切壁側突起に接触可能な持ち手側突起とによって構成されており、前記持ち手位置決め部は、前記仕切壁の内側に設けられた仕切壁側嵌合部と、前記脚部に設けられておりかつ前記持ち手を引き出したときに前記仕切壁側嵌合部と嵌合可能な持ち手側嵌合部とによって構成されており、さらに、前記持ち手側嵌合部は、前記脚部に形成された切欠きによって形作られた弾性片に設けられており、前記持ち手側突起は、前記切欠きが当該持ち手側突起の変位しろとなる位置に配置されていることが好ましい。この場合、持ち手の位置決めに要する操作と当該位置決めの解除に要する操作が容易となるとともに、持ち手を仕切壁に対して容易に組み付けることができる。
【0013】
本発明に係る、整理ケースにおいて、前記持ち手側突起は、前記脚部の側面に設けられており、前記持ち手側嵌合部は、前記脚部の前面または後面に設けられていることが好ましい。この場合、持ち手の厚さを抑えつつ、当該持ち手に、持ち手抜け止め部と持ち手位置決め部とを設けることができる。
【0014】
本発明に係る、整理ケースにおいて、前記脚部は、上側に向かうにしたがって互いに接近する、持ち手側前傾斜面および持ち手側後傾斜面を有しており、前記仕切壁の内側には、下側に向かうにしたがって互いに遠ざかるように傾斜するように傾斜する、仕切壁側前傾斜面および仕切壁側後傾斜面が配置されており、前記持ち手の引き出しが制限される位置まで当該持ち手が引き出された状態で、前記持ち手側前傾斜面が前記仕切壁側前傾斜面に合わさるとともに前記持ち手側後傾斜面が前記仕切壁側後傾斜面に合わさることが好ましい。この場合、持ち手が引き出されたときに生じ得る前後方向の揺れを抑制することができる。
【0015】
本発明に係る、整理ケースは、仕切壁を有する整理ケースであって、前記整理ケースは、前記仕切壁に収容可能な脚部を有しており前記仕切壁に対する引き出しおよび押し込みが可能な持ち手をさらに有しており、一方の前記整理ケースの前記周壁の上端に他方の前記整理ケースの底壁を載せ置くことができる。本発明に係る、整理ケースによれば、持ち運びが可能であり、かつ、当該持ち運びをしないときにはコンパクトにすることが可能になり、さらに、複数の整理ケースをコンパクトに収納することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、整理ケース内のレイアウトを容易に変更することが可能な、整理ケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の、一実施形態に係る、整理ケースを、当該整理ケースから持ち手を引き出した状態で示す正面図である。
【
図5】
図3の整理ケースに係る、ケース本体を持ち手とともに上方から示す斜視図である。
【
図6】
図5のケース本体に1つの仕切部材を配置した、本発明の、他の実施形態に係る、整理ケースを上方から示す斜視図である。
【
図7】
図3の整理ケースをA-A断面で示す断面図である。
【
図8】
図6の整理ケースに係る、仕切部材を上方から示す斜視図である。
【
図9】
図8の仕切部材を紙面前後に裏返すとともに紙面上下逆にして上方から示す斜視図である。
【
図10】
図8の仕切部材の第1の仕切板を、当該第1の仕切板の内面側から示す側面図である。
【
図12】
図10の仕切部材を紙面上下逆にして、当該第1の仕切板の外面側から示す側面図である。
【
図14】
図5のケース本体に1つの仕切部材を配置した、本発明の、他の実施形態に係る、整理ケースを上方から示す斜視図である。
【
図15】
図14の整理ケースに、さらに1つの仕切部材を追加した、本発明の、他の実施形態に係る、整理ケースを上方から示す斜視図である。
【
図16】
図15の整理ケースに係る、2つの仕切部材の組付け状態を上方から示す斜視図である。
【
図17】
図5のケース本体に1つの仕切部材を配置した、本発明の、他の実施形態に係る、整理ケースを上方から示す斜視図である。
【
図18】
図17の整理ケースに、さらに1つの仕切部材を追加した、本発明の、他の実施形態に係る、整理ケースを上方から示す斜視図である。
【
図19】
図18の整理ケースに係る、2つの仕切部材の組付け状態を上方から示す斜視図である。
【
図20】
図3の整理ケースの前側を上方から示す斜視図である。
【
図21】
図20の整理ケースの前側を持ち手が押し込まれた状態で上方から示す斜視図である。
【
図22】
図3の整理ケースをB-B断面で示す断面図である。
【
図24】
図3の整理ケースをD-D断面で示す断面図である。
【
図26】
図1の整理ケースに係る、持ち手を示す正面図である。
【
図29】
図3の整理ケースをC-C断面で示す断面図である。
【
図32】
図26の持ち手の脚部下部を矢印Dから示す拡大図である。
【
図33】持ち手が引き出された整理ケースを下方から示す斜視図である。
【
図34】持ち手が押し込まれた整理ケースを下方から示す斜視図である。
【
図35】
図1の整理ケースを、当該整理ケースから持ち手を押し込んだ状態で示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る、整理ケース1について説明をする。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る、整理ケース1の前面を示す正面図である。
図2は、整理ケース1の右面を示す側面図である。また、
図3には、整理ケース1を上方から示す平面図である。
図3は、整理ケース1を上方から示す平面図である。
【0020】
図3を参照すれば、整理ケース1は、仕切壁5を有する整理ケースである。本実施形態において、整理ケース1は、ケース本体2を有する。ケース本体2は、整理空間Sを形成する周壁3および底壁4と、整理空間Sを仕切る仕切壁5とを有する。さらに、整理ケース1は、当該整理ケース1内に配置可能な仕切部材6を有している。本実施形態において、仕切部材6は、整理空間Sに配置可能な仕切部材である。仕切部材6は、整理ケース1内を仕切る仕切板61と、仕切壁5または当該仕切部材6と異なる他の仕切部材6の仕切板61の少なくともいずれか一方に引っ掛けることが可能な引っ掛け部62と、を有している。本実施形態において、仕切板61は、整理空間Sを仕切る仕切板である。引っ掛け部62は、仕切壁5の上端または当該仕切部材6と異なる他の仕切部材6の仕切板61の上端の少なくともいずれか一方に引っ掛けることが可能な引っ掛け部である。
【0021】
図5には、ケース本体2が持ち手7とともに示されている。本実施形態において、ケース本体2は、樹脂によって形成されている。本実施形態において、ケース本体2は、前記樹脂を成形型の内部で一体的に成形した射出成形品である。前記樹脂としては、例えば、ポリプロピレンが挙げられる。
【0022】
周壁3の上端3eの内側には、開口部が形成されている。前記開口部の外形形状は、周壁3の上端3eの内縁によって形成されている。本実施形態において、周壁3は、前側壁3a、後側壁3b、右側壁3cおよび左側壁3dの4つの側壁を含んでいる。前側壁3aは、平らなパネル(プレート)である。本実施形態において、ケース本体2の正面形状は、
図1に示すように、左右方向幅が上下方向幅よりも長い矩形形状である。次いで、
図1を参照すれば、後側壁3bもまた、平らなパネル(プレート)である。本実施形態において、ケース本体2の背面形状は、
図1のように、当該ケース本体2の正面形状と等しい形状を有している。一方、
図5を参照すれば、本実施形態において、右側壁3cもまた、平らなパネル(プレート)である。本実施形態において、ケース本体2の右側面形状は、
図2に示すように、右側面視において、前後方向幅が上下方向幅よりも長い矩形形状である。本実施形態において、ケース本体2の右側面形状は、当該右側面形状の前後方向幅が上側に向かうにしたがって広くなるような形状を有している。次いで、本実施形態において、左側壁3dもまた、平らなパネル(プレート)である。本実施形態において、ケース本体2の左側面形状もまた、
図2のように、ケース本体2の右側面形状と等しい形状を有している。したがって、本実施形態に係る整理ケース1は、前後方向および左右方向のそれぞれで対称な形状を有している。本実施形態において、ケース本体2の周壁3は、複数のプレートによって形成されている。したがって、本実施形態において、周壁3の上端3eは、プレートの端縁によって構成されており、上向きに指向している。このため、本実施形態において、周壁3の上端3eは、フランジを構成しない、上端として構成されている。したがって、本実施形態において、周壁3は、例えば、
図5に示すように、角筒形状の薄板となっている。ただし、本発明によれば、周壁3の上端3eは、フランジを構成するものとすることもできる。
【0023】
また、
図5に示すように、底壁4は、周壁3の下側開口部を閉じている。
図4を参照すれば、本実施形態において、底壁4は、左右方向幅が前後方向幅よりも長い矩形のパネル(プレート)である。本実施形態において、底壁4の面積は、周壁3の内周面に形成される当該周壁3の開口部A3(
図5参照。)の面積よりも大きい。これによって、本実施形態において、ケース本体2は、例えば、2つのケース本体2のうちの一方のケース本体2の周壁3の上端3eに、他方のケース本体2の底壁4を載せ置くことができる。さらに、
図4を参照すれば、本実施形態において、底壁4は、底面視(平面視)において、底壁4の輪郭形状に沿って環状に延びる凸部4aを有している。凸部4aは、一方のケース本体2に他方のケース本体2を載せ置いたとき、周壁3の開口部A3の内側に配置される。これによって、ケース本体2は、一方のケース本体2の周壁3の上端3eに他方のケース本体2の底壁4を載せ置くとき、互いにずれることなく、積み上げることができる。
【0024】
また、本実施形態において、整理空間Sは、
図5に示すように、周壁3の内周面と底壁4の内面とによって形成されている。
図5を参照すれば、本実施形態において、仕切壁5は、整理空間Sをさらに、複数の整理空間(S1,S2)に仕切っている。整理空間(S1,S2)の下側は、底壁4によって閉じられており、開口部A3は、当該整理空間(S1,S2)の上側を外界に通じさせている。即ち、開口部A3は、物品を出し入れするための開口部として機能し、底壁4は、前記物品を支持する底壁として機能する。
【0025】
仕切壁5は、周壁3の内周面に連なっているとともに底壁4の内面に連なっている。本実施形態において、仕切壁5は、整理空間Sを前後方向に仕切る前後仕切壁である。本実施形態において、仕切壁5は、左右方向に延びている。これによって、仕切壁5は、整理空間Sを前側収容空間S1と後側収容空間S2とに仕切っている。本実施形態において、整理空間Sには、例えば、左右方向に、30cm物差し(定規)を収容することができる。これによって、前側収容空間S1と後側収容空間S2とのいずれか一方には、仕切部材6を配置しない状態において、30cm物差しを整理収容することができる。本実施形態において、仕切壁5は、
図3に示すように、整理空間Sの前後方向の中央に位置する。また、
図5を参照すれば、本実施形態において、仕切壁5は、持ち手7が配置された持ち手支持部51を有している。持ち手支持部51は、後述するように、持ち手7を仕切壁5に対して引き出しおよび押し込み可能に支持する。持ち手支持部51は、底壁4に連なっている。さらに、本実施形態において、仕切壁5は、2つの仕切板部52を有している。2つの仕切板部52はそれぞれ、持ち手支持部51に連なっているとともに底壁4に連なっている。仕切板部52は、平らなパネル(プレート)である。仕切板部52は、持ち手支持部51と右側壁3c(または左側壁3d)との間に配置されており、持ち手支持部51と右側壁3c(または左側壁3d)とのそれぞれに連なっている。
【0026】
図6には、ケース本体2に1つの仕切部材6を配置した整理ケース1が示されている。仕切部材6は、ケース本体2とは別の部材として構成されている。本実施形態において、仕切部材6は、前記樹脂を成形型の内部で一体的に成形した射出成形品である。前記樹脂としては、例えば、ポリプロピレンが挙げられる。仕切部材6は、ケース本体2に設けられた仕切壁5の上端に、引っ掛け部62を引っ掛けることによって、ケース本体2に組み付けられている。具体的には、
図6に示すように、仕切部材6は、仕切壁5の一方の仕切板部52の前面側から、当該仕切板部52の上端52eに、仕切部材6の引掛け部62を引っ掛けることによって、ケース本体2に取り付けられている。
図7を参照すれば、本実施形態において、仕切板部52の仕切板61は、仕切部材6を整理空間Sに配置したとき、ケース本体2の周壁3および底壁4と接触する。これにより、仕切部材6は、ケース本体2の整理空間S内に安定的に配置することができる。
【0027】
また、
図7を参照すれば、本実施形態において、引っ掛け部62は、フック形状を有している。具体的には、引っ掛け部62は、仕切部材6を仕切壁5の仕切板部52に取り付けたとき、当該仕切板部52の上端に載せ置くことができる基部62aと、基部62aに連なるとともに当該基部62aから下方に延びる先端部62bとを有している。本実施形態において、引っ掛け部62は、板状に構成された引っ掛け部である。具体的には、本実施形態において、引っ掛け部62は、先端部62bが基部62aに対して折り曲げられたように形成された板状の引掛け部である。
【0028】
図8は、仕切部材6を単独で上方から示す斜視図である。仕切部材6は、仕切板61に加えて、当該仕切板61と異なる第2の仕切板63を有している。本実施形態において、引っ掛け部62は、第2の仕切板63に設けられている、具体的には、第2の仕切板63は、引っ掛け部62の基部62aから下側に延びている。本実施形態において、仕切部材6の下端6eLは、第1の仕切板61の下端61eLと、第2の仕切板63の下端63eLとによって構成されている。本実施形態において、第2の仕切板63の下端63eLは、第1の仕切板61の下端61eLと一致し、同一の平らな平面を形成している。即ち、本実施形態において、仕切部材6の下端6eLは、平らな平面によって構成されている。
【0029】
引っ掛け部62は、
図7に示すように、当該引っ掛け部62と第2の仕切板63との間に、ケース本体2の仕切壁5の仕切板部52を挟持するように、当該仕切板部52に対して引っ掛かる。これにより、仕切部材6を整理ケース1内に安定的に配置することができる。具体的には、仕切部材6をケース本体2の整理空間S内により安定的に配置することができる。さらに、仕切部材6の第2の仕切板63は、
図7に示すように、仕切部材6を整理空間Sに配置したとき、当該仕切部材6の仕切板61(以下、「第1の仕切板61」ともいう。)とともにケース本体2の底壁4に接触する。これにより、仕切部材6をケース本体2の整理空間S内により安定的に配置することができる。
【0030】
図3を参照すれば、本実施形態に係る。仕切部材6において、第2の仕切板63は、第1の仕切板61に対して、平面視において、L字形となるように連結されている。L字形の形状は、使いやすさを考慮したものである。例えば、第2の仕切板63が平面視において、第1の仕切板61に対してT字形となるように連結されている場合、第2の仕切板63は、第1の仕切板61を基点に2方向に延在することになる。この場合、例えば、仕切部材6をケース本体2の整理空間Sの端(周壁3の内周面に隣接する位置)に寄せたときに、第2の仕切板63の片側は、整理空間Sの端との間にデッドスペースを形成してしまうことがある。これに対し、本実施形態のように、仕切部材6がL字形である場合、第2の仕切板63は、第1の仕切板61を基点に1方向のみに延在することになるため、仕切部材6をケース本体2の整理空間Sの端に寄せたときでも、上記デッドスペースの形成を小さく抑えることができる。したがって、本実施形態のように、仕切部材6がL字形となる場合、ケース本体2の整理空間Sを効率的に仕切ることができる。ただし、本発明によれば、仕切部材6は、T字形の形状にすることもできる。また、本実施形態において、第2の仕切板63は、例えば、
図3に示すように、平面視において、第1の仕切板61に対して直角に連結させている。ただし、本発明によれば、第2の仕切板63は、例えば、
図3の平面視において、第1の仕切板61に対して傾斜するように連結させることもできる。
【0031】
本実施形態において、仕切部材6の外面および内面の少なくともいずれか一方は、仕切部材6の側縁に向かうにしたがって当該外面および当該内面の一方が当該外面および当該内面の他方に接近する傾斜面とする場合がある。この場合、前記傾斜面となる、前記外面および前記内面の少なくともいずれか一方の下端には、当該外面および当該内面の少なくともいずれか一方の傾斜に伴う減少分を補うリブ64を設けることが好ましい。
【0032】
仕切部材6を成形する場合、成形型からの抜きを考慮して仕切部材6の外面および内面の少なくともいずれか一方の面をテーパ面(傾斜面)とすることがある。この場合、仕切部材6の厚さがテーパ面の傾斜に起因して薄くなる。そこで、本発明では、仕切部材6の厚さが等しくなるように、当該傾斜面となる、前記外面および前記内面の少なくともいずれか一の下端に、当該外面および当該内面の少なくともいずれか一方の傾斜に伴う減少分を補うリブ64を設ける。この場合、整理ケース1内に仕切部材6をより安定的に配置することができる。具体的には、仕切部材6は、ケース本体2の底壁4に対して、より広い面積の、当該仕切部材6の下端によって支持される。したがって、この場合、ケース本体2の整理空間S内に仕切部材6をより安定的に配置することができる。
【0033】
ここで、
図9は、
図8の仕切部材6を紙面前後に裏返すとともに紙面上下逆にして上方から示す斜視図である。
図9を参照すれば、本実施形態において、第2の仕切板63の外面F63aは、第2の仕切板63の側縁63esに向かうにしたがって第2の仕切板63の外面F63aが第2の仕切板63の内面F63b(
図8参照。)に接近するように傾斜する傾斜面としている。即ち、本実施形態において、第2の仕切板63の外面F63aは、成形型からの抜きを考慮した傾斜面である。ここで、第2の仕切板63の側縁63esは、第1の仕切板61と第2の仕切板63との連結部(仕切部材6の角部)とは反対側に位置する第2の仕切板63の側縁である。また、本実施形態において、リブ64は、第2の仕切板63の外面F63aから突出した突出部分である。本実施形態において、リブ64は、
図9に示すように、第2の仕切板63の外面F63aから突出し、第2の仕切板63の下端63eLに沿って第2の仕切板63の短手方向に延びている。これによって、リブ64は、第2の仕切板63の下端63eLの一部を構成し、当該第2の仕切板63の下端63eLとともに平らな平面を形成する。
【0034】
本実施形態において、仕切部材6を成形する場合、成形型からの抜きを考慮して第2の仕切板63の外面F63aをテーパ面(傾斜面)としている。この場合、第2の仕切板63の厚さがテーパ面の傾斜に起因して薄くなる。そこで、本実施形態では、第2の仕切板63の厚さが等しくなるように、当該外面F63aの下端に、当該外面F63aの傾斜に伴う減少分を補うリブ64が設けられている。この場合、仕切部材6は、ケース本体2の底壁4に対して、より広い面積の第2の仕切板63の下端63eLによって支持される。したがって、この場合、ケース本体2の整理空間S内に仕切部材6をより安定的に配置することができる。
【0035】
また、
図10は、
図8の仕切部材6の第1の仕切板61を、当該第1の仕切板61の内面F61bから示す側面図である。また、
図11は、
図10の領域R1を示す拡大図である。
図11には、第2の仕切板63の外面F63aに設けられたリブ64が示されている。
図11を参照すれば、リブ64は、第2の仕切板63の下端63eLの一部を構成し、当該第2の仕切板63の下端63eLとともに平らな平面を形成することがわかる。なお、本発明によれば、第2の仕切板63の内面F63bが傾斜面である場合、リブ64は、第2の仕切板63の内面F63bに設けることができる。また、本発明によれば、第1の仕切板61の外面F61aおよび内面F61bの少なくともいずれか一方が傾斜面である場合、当該傾斜面となる、第1の仕切板61の外面F61aおよび内面F61bの少なくともいずれか一方に設けることができる。
【0036】
図12は、
図9の仕切部材の第1の仕切板61を、当該第1の仕切板61の外面F61aから示す側面図である。また、
図13は、
図12の領域R2を示す側面図である。本実施形態において、引っ掛け部62は、第1の仕切板61よりも上側(紙面上では下側)に突出している。具体的には、
図13を参照すれば、引っ掛け部62の上端62eUは、第1の仕切板61の上端61eUよりも上側(紙面上では下側)にΔhだけ突出している。加えて、本実施形態において、引っ掛け部62の基部62aの下端を引っ掛け部62の内側上端62e1としたとき、引っ掛け部62の内側上端62e1の高さ(位置レベル)は、
図13に示すように、第1の仕切板61の上端61eUの高さ(位置レベル)と等しくなっている。具体的には、仕切部材6の下端6eLを基準としたとき、仕切部材6の下端6eLからの引っ掛け部62の内側上端62e1までの高さ(位置レベル)は、仕切部材6の下端6eLからの第1の仕切板61の上端61eUまでの高さ(位置レベル)と同じである。これによって、仕切部材6をケース本体2の仕切壁5または他の仕切部材6に引っ掛けたとき、第1の仕切板61の上端61eUは、ケース本体2の仕切壁5の仕切板部52の上端52eUまたは他の仕切部材6の第1の仕切板61の上端61eUと同一の高さ(位置レベル)になる。なお、
図13に示すように、本実施形態において、引っ掛け部62には、当該引っ掛け部62の突出部分の外面および内面にそれぞれ、リブ64が設けられている。
【0037】
図14には、ケース本体2に1つの仕切部材6を配置した整理ケースの他の例が示されている。本実施形態によれば、仕切部材6は、
図14に示すように、ケース本体2の仕切壁5の2つの仕切板部52のうちの一方に代えて他方に取り付けることができる。具体的には、
図14に示すように、仕切部材6は、仕切壁5の他方の仕切板部52の後面側から、当該仕切板部52の上端52eUに、前記仕切部材6の引掛け部62を引っ掛けることによって、ケース本体2に取り付けられている。
【0038】
次いで、
図15には、
図14の整理ケース1に、さらに1つの仕切部材6を追加した整理ケース1の他の例が示されている。以下の説明において、追加の仕切部材6(6B)は、さらに追加された1つの仕切部材6である。また、他方の仕切部材6(6A)は、
図14の仕切部材6である。本実施形態において、追加の仕切部材6(6B)は、他方の仕切部材6(6A)と同一形状である。
【0039】
図15を参照すれば、追加の仕切部材6(6B)は、他方の仕切部材6(6A)の上端に引っ掛け部62を引っ掛けることによって、ケース本体2に取り付けられている。具体的には、
図16に示すように、追加の仕切部材6(6B)は、他方の仕切部材6(6A)の第1の仕切板61の外面F61aの側から、当該第1の仕切板61の上端61eUに、当該追加の仕切部材6(6B)の引掛け部62を引っ掛けることによって、他方の仕切部材6(6A)に取り付けられている。本実施形態において、仕切部材6の引っ掛け部62の内側上端62e1の高さは、上述のとおり、当該仕切部材6の第1の仕切板61の上端61eUと同一の高さになっている。このため、本実施形態において、追加の仕切部材6(6B)を他方の仕切部材6(6A)に取り付けたとき、追加の仕切部材6(6B)の第1の仕切板61の上端61eUと、他方の仕切部材6(6A)の第1の仕切板61の上端61eUとは、同一の高さ(になる。また、本実施形態において、追加の仕切部材6(6A)は他方の仕切部材6(6B)と同一の部材であることから、追加の仕切部材6(6B)を他方の仕切部材6(6A)に取り付けたとき、当該追加の仕切部材6(6B)の下端6eLもまた、他方の仕切部材6(6A)の下端6eLと同様、ケース本体2の底壁4上に接触する。これにより、
図16に示すように、2つの仕切部材6を1組の仕切部材として組み合わせてケース本体2の整理空間S内に配置したときも、2つの仕切部材6を安定的に配置することができる。
【0040】
図17には、ケース本体2に1つの仕切部材6を配置した整理ケースの他の例が示されている。本実施形態では、
図17に示すように、仕切部材6は、ケース本体2の仕切壁5の2つの仕切板部52の他方の仕切板部52の前面側から、当該仕切板部52の上端52eUに、仕切部材6の引掛け部62を引っ掛けることによって、ケース本体2に取り付けられている。次いで、
図18には、
図17の整理ケース1に、さらに1つの仕切部材6を追加した整理ケース1の他の例が示されている。具体的には、
図19に示すように、追加の仕切部材6(6B)は、他方の仕切部材6(6A)の第1の仕切板61の内面F61bの側から、当該第1の仕切板61の上端61eUに、当該追加の仕切部材6(6B)の引掛け部62を引っ掛けることによって、ケース本体2に取り付けられている。
【0041】
次いで、
図3は、ケース本体2の整理空間Sを8つの仕切部材6を用いて仕切った整理ケース1の一例である。
図20は、
図3の整理ケース1の前側を上方から示す斜視図である。
【0042】
図20を参照すれば、本実施形態において、複数の仕切部材6が仕切壁5に取り付けられた状態であるとき、前記複数の仕切部材6の上端が同一の面を形成する。具体的には、複数の仕切部材6がケース本体2の仕切壁5に取り付けられた状態であるとき、前記複数の仕切部材6の上端が同一の面を形成する。この場合、
図20に示すように、ケース本体2の整理空間Sに視覚的に統一感のとれた仕切を形成することができる。特に、本実施形態において、引っ掛け部62の上端62eUは、平面を構成している。このため、
図20に示すように、ケース本体2の整理空間Sに視覚的により統一感のとれた仕切を形成することができる。
【0043】
具体的には、
図20に示すように、本実施形態において、ケース本体2の仕切壁5の一方の仕切板部52に4つの仕切部材6を互いに隣り合うように取り付けたとき、4つの仕切部材6の引っ掛け部62の上端62eUは同一の面を形成している。これによって、持ち手7を挟んだ仕切壁5の一方側に、ケース本体2の整理空間Sに視覚的に統一感のとれた仕切を形成することができる。また、
図20に示すように、本実施形態において、ケース本体2の仕切壁5の他方の仕切板部52に2つの仕切部材6を互いに隣り合うように取り付けたとき、2つの仕切部材6の引っ掛け部62の上端62eUは同一の面を形成している。これによって、持ち手7を挟んだ仕切壁5の他方側に、ケース本体2の整理空間Sに視覚的に統一感のとれた仕切を形成することができる。特に、本実施形態では、持ち手7を挟んだ仕切壁5の両側において、これらの仕切部材6の引っ掛け部62の上端62eUは同一の面を形成している。これによって、本実施形態によれば、ケース本体2の整理空間Sに視覚的により統一感のとれた仕切を形成することができる。なお、
図13で説明のとおり、本実施形態において、引っ掛け部62の内側上端62e1の高さ(位置レベル)は、第1の仕切板61の上端61eUの高さ(位置レベル)と等しくなっている。また、本実施形態において、仕切部材6の下端6eLを基準としたときの、当該仕切部材6の下端6eLから引っ掛け部62の内側上端62e1の高さ(位置レベル)と、ケース本体2の底壁4を基準したときの、当該ケース本体2の底壁4の内面から仕切板部52の上端52eUまでの高さ(位置レベル)とは、等しくなっている。さらに、本実施形態において、各仕切部材6は、それぞれ、第1の仕切板61の上端61eU、引っ掛け部62の内側上端62e1および引っ掛け部62の上端62eUの高さ(位置レベル)が等しくなっている。
【0044】
また、
図20および
図21に示すように、本実施形態において、整理ケース1は、仕切壁5に対して引き出しおよび押し込み可能な持ち手7をさらに有している。具体的には、ケース本体2は、仕切壁5に対して引き出しおよび押し込み可能な持ち手7をさらに有している。
図21を参照すれば、本実施形態において、仕切部材6が仕切壁5に取り付けられた状態であり、かつ、持ち手7が仕切壁5に対して押し込まれた状態であるとき、持ち手7の上端7eUと、仕切部材6の上端(具体的には、引っ掛け部62の上端62eU)とが同一の面を形成する。この場合、
図21に示すように、持ち手7を押し込んだ状態において、ケース本体2の整理空間Sに視覚的に統一感のとれた仕切を形成することができる。
【0045】
図21は、
図3の整理ケース1から持ち手7を押し込んだ状態で当該整理ケース1の前側を上方から示す斜視図である。本実施形態では、
図21に示すとおり、持ち手7は、当該持ち手7の上端7eUと仕切部材6の引っ掛け部62の上端62eUとが同一の面を形成するように、仕切壁5に対して押し込むことができる。これによって、
図21に示すように、持ち手7を押し込んだ状態において、ケース本体2の整理空間Sに視覚的に統一感のとれた仕切を形成することができる。特に、本実施形態において、持ち手7の上端7eUと仕切部材6の引っ掛け部62の上端62eUはいずれも、平面を構成している。これによって、
図21に示すように、ケース本体2の整理空間Sに視覚的により統一感のとれた仕切を形成することができる。さらに、本実施形態において、持ち手7の上端7eUの幅と仕切部材6の引っ掛け部62の上端62eUとの幅も同一の幅寸法W(例えば、W=8mm)である。これによって、
図21に示すように、ケース本体2の整理空間Sに視覚的により統一感のとれた仕切を形成することができる。
【0046】
上述のとおり、例えば、
図5-6、
図14-15、
図17-18および
図20を参照すれば、整理ケース1は、ケース本体2と異なる部材として、仕切部材6を更に有し、当該仕切部材6は、整理ケース1内を仕切る仕切板61と、ケース本体2の仕切壁5の仕切板部52または当該仕切部材6と異なる他の仕切部材6の仕切板61の少なくともいずれか一方に引っ掛けることが可能な引っ掛け部62と、を有している。整理ケース1によれば、仕切部材6を引っ掛けることによって、整理ケース1内を所望の整理空間に区画することができる。また、仕切部材6は、仕切壁5または当該仕切部材6と異なる他の仕切部材6の仕切板61に対して引っ掛ける構成のため、当該仕切部材6を取り外すことによっても、整理ケース1内を所望の整理空間に区画することができる。即ち、整理ケース1によれば、少なくとも1つ以上の仕切部材6を選択的にて取り付けることにより、または、当該仕切部材6を選択的に取り外すことにより、ケース本体2に形成された整理空間Sのレイアウトを自由に変更することができる。しかも、仕切部材6の取り付けおよび取外しは、仕切部材6を引っ掛けるという、容易かつ簡単な作業によって行うことができる。したがって、整理ケース1によれば、整理空間Sのレイアウトを容易に変更することが可能になる。
【0047】
ところで、上記従来の整理ケース(特許文献1参照。)は、持ち運びをしないときにはコンパクトにすることができなかった。さらに、本発明の目的は、持ち運びが可能であり、かつ、当該持ち運びをしないときにはコンパクトにすることが可能な、整理ケースを提供することである。
【0048】
【0049】
整理ケース1は、仕切壁5に収容可能な脚部71を有するとともに仕切壁5に対する引き出しおよび押し込みが可能な持ち手71をさらに有している。具体的には、整理ケース1は、ケース本体2の仕切壁5に収容可能な脚部71を有するとともに仕切壁5に対する引き出しおよび押し込みが可能な持ち手7を、さらに有している。ケース本体2の仕切壁5および持ち手7の脚部71は、
図22に示すように、持ち手7の引き出しを制限する持ち手抜け止め部8を有している。また、ケース本体2の仕切壁5および持ち手7の脚部71は、
図24に示すように、持ち手7を所定の引き出し位置に位置決めする持ち手位置決め部9を有している。
【0050】
整理ケース1によれば、当該整理ケース1を持ち運ぶときには、
図20に示すように、持ち手7をケース本体2の仕切壁5から引き出す。このとき、持ち手の引き出し量は、持ち手抜け止め部8によって、予め設定された引き出し量に制限される。また、持ち手7が予め設定された引き出し量だけ引き出されると、当該持ち手7の位置は、持ち手位置決め部9によって、予め設定された引き出し量の位置に位置決めされる。これによって、整理ケース1は、持ち手7を使用することによって持ち運ぶことができる。また、整理ケース1によれば、当該整理ケース1を持ち運ばないときには、持ち手7をケース本体2の仕切壁5に押し込む。このとき、持ち手位置決め部9は、仕切壁5に対する持ち手7の位置決めを解除する。これによって、整理ケース1は、当該整理ケース1を持ち運ばないときには、持ち手7を仕切壁5に押し込んで収容することにより、当該整理ケース1をコンパクトにすることができる。したがって、整理ケース1によれば、持ち運びが可能であり、かつ、当該持ち運びをしないときにはコンパクトにすることが可能になる。
【0051】
図22を参照すれば、本実施形態において、持ち手抜け止め部8は、ケース本体2の仕切壁5の内側に設けられた仕切壁側突起85と、持ち手7の脚部71に設けられておりかつ当該持ち手7を引き出したときに仕切壁側突起85に係止可能な持ち手側突起87とによって構成されている。
【0052】
図26は、整理ケース1に係る、持ち手7を示す正面図である。本実施形態において、持ち手7は、樹脂によって形成されている。本実施形態において、持ち手7は、前記樹脂を成形型の内部で一体的に成形した射出成形品である。前記樹脂としては、例えば、ポリプロピレンが挙げられる。
図26を参照すれば、持ち手7は、2つの脚部71と、2つの脚部71の上端を連結する把持部72とを有している。本実施形態において、脚部71および把持部72は、直線状に構成されている。また、本実施形態において、2つの脚部71は、互いに平行に配置されている。また、本実施形態において、把持部72は、脚部71に対して直角に連結されている、ただし、本発明によれば、把持部72は、曲線状に構成することもできる、
【0053】
本実施形態において、持ち手7は、コの字形の平らなプレート部材75を有している。本実施形態において、プレート部材75には、
図26に示すように、2つの補強フランジ76が設けられている。2つの補強フランジ76はそれぞれ、当該プレート部材75の内縁および外縁のそれぞれに連なっており、かつ、当該プレート部材75の延在方向に延びている。また、2つの補強フランジ76はそれぞれ、プレート部材75の前面および後面から突出している。したがって、本実施形態において、持ち手7は、当該持ち手7の延在方向に対して直交する平面でみたときの、当該持ち手7の断面形状は、H形を有している。
【0054】
図5を参照すれば、持ち手7の脚部71は、ケース本体2の仕切壁5に形成された開口部A5に挿入することによって、当該ケース本体2の仕切壁5に収容される。開口部A5は、仕切壁5の持ち手支持部51に形成されている。また、本実施形態において、持ち手支持部51には、持ち手7を押し込んだ状態で、指を挿入させることが可能な凹部C51が形成されている。
【0055】
図22を参照すれば、本実施形態において、仕切壁側突起85は、凹部C51を形成する持ち手支持部51の側壁53の外面に設けられている。さらに、
図23を参照すれば、仕切壁側突起85は、下側に向かうにしたがって側壁53の外面から遠ざかるように傾斜する傾斜面F85を有している。これによって、持ち手7の脚部71が開口部A5から下向きに挿入されたとき、仕切壁側突起85の傾斜面F85は、持ち手7の脚部71に設けられた持ち手側突起87を案内する。また、
図23を参照すれば、持ち手側突起87は、脚部71の側面に設けられている。本実施形態において、持ち手側突起87は、脚部71の内側面に設けられている。持ち手側突起87は、下側に向かうにしたがって脚部71の内側面に接近するように傾斜する傾斜面F87を有している。これによって、持ち手7の脚部71が開口部A5から下向きに挿入されるとき、持ち手側突起87は、当該持ち手側突起87の傾斜面F87が仕切壁側突起85の傾斜面F85に沿って移動することによって案内される。
【0056】
図23に示すように、持ち手抜け止め部8は、持ち手7を引き出したとき、持ち手側突起87の接触面87aが仕切壁側突起85の接触面85aと接触する。持ち手側突起87の接触面87aと、仕切壁側突起85の接触面85aとの、接触しろΔXは、持ち手7を引き出したとき、持ち手側突起87の接触面87aが仕切壁側突起85の接触面85aに引っ掛かったまま、当該仕切壁側突起85の接触面85aから抜けない寸法(例えば、1.0mm)とする。これによって、持ち手7の脚部71が開口部A5から抜け出すことを防止する。したがって、持ち手抜け止め部8によれば、持ち手7がケース本体2から抜け出して分離してしまうことを防止するができる。
【0057】
また、
図24を参照すれば、本実施形態において、持ち手位置決め部9は、ケース本体2の仕切壁5の内側に設けられた仕切壁側嵌合部95と、持ち手7の脚部71に設けられておりかつ当該持ち手7を引き出したときに仕切壁側嵌合部95と嵌合可能な持ち手側嵌合部97とによって構成されている。
【0058】
仕切壁側嵌合部95は、持ち手支持部51の前面または後面に設けることができる。
図25を参照すれば、本実施形態において、仕切壁側嵌合部95は、持ち手支持部51の前側壁54に設けられている。本実施形態において、仕切壁側嵌合部95は、前側壁54の後面に連なる第1突起部95aと、当該第1突起部95aから後側に突出する第2突起95bとによって構成されている。また、持ち手側嵌合部97は、脚部71の前面または後面に設けることができる。
図25を参照すれば、本実施形態において、持ち手側嵌合部97は、脚部71の前面に設けられている。本実施形態において、持ち手側嵌合部97は、2つの嵌合突起によって構成されている。本実施形態において、前記2つの係合突起の一方は、下側に配置された第1嵌合突起97aであり、前記2つの係合突起の他方は、上側に配置された第2嵌合突起97bである。本実施形態において、第1嵌合突起97aおよび第2嵌合突起97bは、上下方向に間隔を置いて配置されている。さらに、本実施形態において、第1嵌合突起97aは、第2嵌合突起97bよりも前側に突出している。
【0059】
本実施形態において、第1嵌合突起97aは、持ち手7を下側に押し込んだとき、仕切壁側嵌合部95の第2突起95bを乗り越えることができる。しかしながら、本実施形態において、第1嵌合突起97aは、仕切壁側嵌合部95と接触可能な接触面F97aを有している。第1嵌合突起97aは、仕切壁側嵌合部95を乗り越えたのちに持ち手7を上側に引き出したときには、当該第1嵌合突起97aの接触面F97aが仕切壁側嵌合部95と接触することによって、当該仕切壁側嵌合部95を乗り越えることができない。即ち、第1嵌合突起97aは、持ち手7の押し込みにより仕切壁側嵌合部95を乗り越えたのちに持ち手7を引き出したときには、当該第1嵌合突起97aの接触面F97aが仕切壁側嵌合部95に係止される。
【0060】
これに対し、本実施形態において、第2嵌合突起97bは、持ち手7を仕切壁5の開口部A5を通して下側に押し込んだとき、仕切壁側嵌合部95の第2突起95bを乗り越えることができる。同時に、第2嵌合突起97bは、持ち手7の押込みにより仕切壁側嵌合部95を乗り越えたのちに持ち手7を上側に引き出したときにも、当該仕切壁側嵌合部95を乗り越えることができる。
【0061】
即ち、ケース本体2に取り付けられた持ち手7を仕切壁5から引き出すとき、持ち手側嵌合部9の第2嵌合突起97bが、
図25に示すように、仕切壁側嵌合部95を乗り越えたのち、第1嵌合突起97aが仕切壁側嵌合部95に接触することによって、仕切壁側嵌合部95に係止される。これによって、
図25に示すように、持ち手位置決め部9は、持ち手7を仕切壁5から引き出したとき、持ち手側嵌合部97の第1嵌合突起97aおよび第2嵌合突起97bの間に仕切壁側嵌合部95を嵌合させる。したがって、持ち手位置決め部9は、
図24に示すように、持ち手7を仕切壁5から引き出したとき、持ち手7の脚部71が予め設定された引き出し量だけ引き出された位置に持ち手7を位置決めする。
【0062】
なお、
図25を参照すれば、本実施形態において、持ち手側嵌合部97の第2嵌合突起97bは、当該第2嵌合突起97bの上側に、下側に向かうにしたがって脚部71の前面から遠ざかるように傾斜する傾斜面F97b2を有している。これによって、持ち手7を上側に引き出すとき、持ち手側嵌合部97の第1嵌合突起97aは、仕切壁側嵌合部95を比較的容易に乗り越えることができる。したがって、この場合、持ち手7を引き出すとき、当該持ち手7の押し込みが容易になる。
【0063】
また、本実施形態において、持ち手側嵌合部97の第2嵌合突起97bは、当該第2嵌合突起97bの下側に、下側に向かうにしたがって脚部71の前面に接近するように傾斜する傾斜面F97b1を有している。これによって、持ち手7を押し込むとき、持ち手側嵌合部97の第2嵌合突起97bは、仕切壁側嵌合部95を比較的容易に乗り越えることができる。また、本実施形態において、仕切壁側嵌合部95は、当該仕切壁側嵌合部95の上側に、下側に向かうにしたがって持ち手支持部51の前側壁54から遠ざかるように傾斜する傾斜面F95を有している。これによって、持ち手7を押し込むとき、持ち手側嵌合部97の第2嵌合突起97bは、仕切壁側嵌合部95を比較的容易に乗り越えることができる。これによって、持ち手7を押し込むとき、当該持ち手7の押し込みが容易になる。
【0064】
さらに、
図25を参照すれば、本実施形態において、持ち手側嵌合部97の第1嵌合突起97aは、当該第1嵌合突起97aの下側に、下側に向かうにしたがって脚部71の前面に接近するように傾斜する傾斜面F97cを有している。これによって、持ち手7を押し込むとき、持ち手側嵌合部97の第1嵌合突起97aは、仕切壁側嵌合部95を比較的容易に乗り越えることができる。また、
図25を参照すれば、本実施形態において、持ち手支持部51の後壁55には、案内突起56が設けられている。案内突起56は、持ち手7を仕切壁5の開口部A5に挿入したとき、持ち手7に設けられた2つの補強フランジ76の間に配置される。これによって、持ち手7は、ケース本体2の仕切壁5に設けられた案内突起56によって補強フランジ76に沿って上下方向の移動を案内される。
【0065】
図27は、
図26の領域R5を示す拡大図である。
図27を参照すれば、本実施形態において、持ち手側嵌合部97は、持ち手7の脚部71に形成された切欠き73によって形作られた弾性片74に設けられている。切欠き73は、プレート部材75を貫通する切欠きである。本実施形態では、切欠き73は、
図27に示すように、正面視において、下側に向かって凸のU形状の切欠きである。即ち、弾性片74は、上側を基点とした片持ち支持の部分として構成される。これによって、弾性片74は、上側を基点に前後方向に弾性的に変形させることができる。したがって、持ち手7を仕切壁5から引き出したとき、持ち手位置決め部9の仕切壁側嵌合部95と持ち手側嵌合部97との嵌合にクリック感を持たせつつ、仕切壁側嵌合部95と持ち手側嵌合部97との嵌合および当該嵌合の解除を容易に行うことができる。
【0066】
また、本実施形態において、持ち手側突起87は、切欠き73が当該持ち手側突起87の変位しろとなる位置に配置されている。
図27を参照すれば、本実施形態において、持ち手側突起87は、切欠き73と左右方向に隣り合う位置にあり、かつ、切欠き73は、上下方向において、持ち手側突起87と重複する位置に形成されている。この場合、持ち手側突起87は、上下方向の2か所の位置で支持された梁部分(
図27では、切欠き73と持ち手側突起87との間の、脚部71の部分)に設けられていることになる。したがって、本実施形態において、持ち手側突起87が設けられた脚部71の部分は、切欠き73の空間側に弾性的に変形させることができる。この場合、持ち手7を仕切壁5に形成された開口部A5に挿入することにより、持ち手側突起87が仕切壁側突起85を乗り越えるとき、当該持ち手側突起87は、切欠き73の空間分だけ、仕切壁側突起85から逃げるように変位させることができる。これによって、持ち手7を仕切壁5に形成された開口部A5に挿入したとき、持ち手側突起87は、仕切壁側突起85を比較的容易に乗り越えることができる。したがって、本実施形態のように、切欠き73が当該持ち手側突起87の変位しろとなる位置に持ち手側突起87を配置すれば、持ち手7をケース本体2の仕切壁5に対して容易に取り付けることができる。なお、
図28は、
図26の領域R6を示す拡大図である。
図28に示すように、本実施形態では、持ち手7の他方の脚部71に設けられた持ち手側突起87もまた、切欠き73が当該持ち手側突起87の変位しろとなる位置に配置されている。
【0067】
図25を参照すれば、本実施形態にように、持ち手側嵌合部97が弾性片74に設けられている場合、当該持ち手側嵌合部97の第2嵌合突起97bが仕切壁側嵌合部95を乗り越えるとき、その乗り越え感を、例えば、クリック感として体感することができる。したがって、この場合、持ち手7の位置決めと当該位置決めの解除を容易に認識することができる。また、この場合、当該持ち手側嵌合部97と仕切壁側嵌合部95との嵌合および当該嵌合の解除が容易になる。具体的には、ケース本体2の仕切壁5からの所定の位置に持ち手7を引き出して当該持ち手7を位置決めするとき、持ち手側嵌合部97の第2嵌合突起97bが仕切壁側嵌合部95を乗り越え易くなる分、当該持ち手7の位置決めに要する力を軽減させることができる。ケース本体2の仕切壁5からの前記所定の位置から持ち手7を押し込むときもまた、持ち手側嵌合部97の第2嵌合突起97bが仕切壁側嵌合部95を乗り越え易くなる分、当該持ち手7の押し込みに要する力を軽減させることができる。したがって、本実施形態によれば、持ち手7の位置決めに要する操作と当該位置決めの解除に要する操作が容易となる。加えて、弾性片74を形作る切欠き73が持ち手側突起87の変位しろとなるため、当該持ち手側突起87を仕切壁側突起85に対して押し込むとき、当該持ち手側突起87は仕切壁側突起85を乗り越え易くなる。このため、持ち手側突起87が仕切壁側突起85から抜け難くなるように、当該持ち手側突起87の出っ張り量(
図23の接触しろΔX)を大きく確保するときで場合にも、持ち手7をケース本体2の仕切壁5に対して容易に組み付けることができる。
【0068】
本実施形態において、持ち手側突起87は、脚部71の側面に設けられており、持ち手側嵌合部97は、
図25に示すように、脚部71の前面または後面に設けられている。この場合、持ち手側突起87および持ち手側嵌合部97が同一平面に配置されない分、持ち手7の厚さを抑えつつ、当該持ち手7に、持ち手抜け止め部8と持ち手位置決め部9とを設けることができる。
【0069】
本実施形態において、
図28の脚部71の紙面裏側には、持ち手側嵌合部97が配置されている。また、本実施形態において、
図27の脚部71の紙面裏側には、
図28と同様の構成が配置されている。即ち、本実施形態において、2つの持ち手位置決め部9は、左右方向に間隔を置いて配置された2つの脚部71のそれぞれに存在し、互いに前後逆向きに、仕切壁側嵌合部95と持ち手側嵌合部97とを嵌合させるように構成されている。
図26を参照すれば、本実施形態において、持ち手側位置決め部9の持ち手側嵌合部97は、正面視(または背面視)において、2つの脚部71の一方のみに設けられている。具体的には、2つの持ち手側嵌合部97の一方は、持ち手7の一方の脚部71の前面に設けられている一方、当該2つの持ち手側嵌合部97の他方は、持ち手7の他方の脚部71の後面に設けられている。言い換えれば、本実施形態において、2つの持ち手位置決め部9は、平面視(底面視)において、持ち手7の中心を通る上下方向軸線を挟んで対称な位置にあって、互いに前後逆向きに、仕切壁側嵌合部95と持ち手側嵌合部97とを嵌合させるように構成されている。これによって、本実施形態において、持ち手7を引き出して位置決めしたときも、上下方向軸線周りに生じ得る持ち手7の、上下方向軸線周りのガタつきを抑制することができる。ただし、本発明によれば、2つの持ち手位置決め部9は、左右方向に間隔を置いた位置にあって、互いに前後逆同じ向きに、仕切壁側嵌合部95と持ち手側嵌合部97とを嵌合させるように構成されていてよい。また、本発明によれば、持ち手位置決め部9は、少なくとも1つ設ければよい。
【0070】
図29は、
図3の整理ケース1をD-D断面で示す断面図である。また、
図30は、
図29の領域R7を示す拡大図である。
【0071】
図30を参照すれば、本実施形態において、持ち手7の脚部71は、上側に向かうにしたがって互いに接近するように傾斜する、持ち手側前傾斜面F7aおよび持ち手側後傾斜面F7bを有している。また、仕切壁5の内側には、下側に向かうにしたがって互いに遠ざかるように傾斜する、仕切壁側前傾斜面F5aおよび仕切壁側後傾斜面F5bが配置されている。持ち手7の引き出しが制限される位置まで当該持ち手7が引き出された状態では、持ち手側前傾斜面F7aが仕切壁側前傾斜面F5aに合わさるとともに持ち手側後傾斜面F7bが仕切壁側後傾斜面F5bに合わさる。本実施形態において、持ち手側前傾斜面F7aおよび仕切壁側前傾斜面F5aは、上下軸線に対して所定の角度α(例えば、0.5度)としている。また、本実施形態において、持ち手側後傾斜面F7bおよび仕切壁側後傾斜面F5bは、上下軸線に対して所定の角度β(例えば、0.5度)としている。本発明によれば、角度αと角度βとは等しい角度であることが好ましい。
【0072】
図31は、持ち手7を示す側面図である。
図31を参照すれば、本実施形態において、持ち手側前傾斜面F7aおよび持ち手側後傾斜面F7bのそれぞれは、持ち手7の脚部71の下部に配置されている。具体的には、持ち手側前傾斜面F7aは、補強フランジ76の前面に設けられている。また、持ち手側後傾斜面F7bは、補強フランジ76の後面に設けられている。
図32は、
図26の持ち手7の脚部71の下部を矢印Dの方向2の方向から示す拡大図である。より具体的には、
図32に示すように、持ち手側前傾斜面F7aおよび持ち手側後傾斜面F7bのそれぞれは、持ち手7の下端7eLから上側に延びている。さらに、本実施形態において、持ち手側前傾斜面F7aおよび持ち手側後傾斜面F7bのそれぞれは、持ち手抜け止め部8の持ち手側突起87に対して前後方向の位置において、当該持ち手抜け止め部8の持ち手側突起87と重複する高さ(位置レベル)よりも上側に延びている。即ち、本実施形態において、持ち手側前傾斜面F7aおよび持ち手側後傾斜面F7bのそれぞれは、持ち手7の下端7eLから持ち手側突起87よりも上側に延びている。
【0073】
図30を参照すれば、本実施形態において、仕切壁側前傾斜面F5aは、持ち手支持部51の前側壁54の後面に設けられている。また、本実施形態において、仕切壁側後傾斜面F5bは、持ち手支持部51の後側壁55の前面に設けられている。本実施形態において、仕切壁側前傾斜面F5aおよび仕切壁側後傾斜面F5bのそれぞれは、持ち手支持部51の上端51eUから下側に所定の寸法ΔLだけ離れた位置から下側に向かって傾斜している。
【0074】
本実施形態では、
図24に示すように、持ち手7が持ち手位置決め部9によって位置決めされる位置まで引き出されるとき、
図30に示すように、持ち手側前傾斜面F7aが仕切壁側前傾斜面F5aに合わさるとともに持ち手側後傾斜面F7bが仕切壁側後傾斜面F5bに合わさる。これによって、持ち手7は、ケース本体2の仕切壁5から位置決めされる位置まで引き出されると、持ち手7の下端前側は、ケース本体2の仕切壁5の持ち手支持部51の前側壁54によって後側に押さえつけられるように保持されると同時に、持ち手7の下端後側は、ケース本体2の仕切壁5の持ち手支持部51の後側壁55によって前側に押えつけられるように保持される。したがって、本実施形態によれば、持ち手7が引き出されたときに生じ得る前後方向の揺れを抑制することができる。
【0075】
さらに、本実施形態に係る、整理ケース1は、複数の整理ケース1を収納するとき、一方の整理ケース1の周壁3の上端3eUに他方の整理ケース1の底壁4を載せ置くことができる。
【0076】
例えば、
図29を参照すれば、本実施形態において、ケース本体2の仕切壁5には、持ち手7の脚部71を収容する収容空間S7が形成されている。本実施形態において、収容空間S7は、仕切壁5の上端に開口している。具体的には、仕切壁5は、当該仕切壁5の持ち手支持部51に形成された開口部A5を通して、当該持ち手支持部51の上端51eUに開口している。さらに、本実施形態において、収容空間S7は、仕切壁5、具体的には、当該仕切壁5の持ち手支持部51を上下方向に貫通してケース本体2の底壁4に形成された開口部A4を通して開口している。
【0077】
図33には、持ち手7を引き出した整理ケース1を、ケース本体2の底壁4から示す。
図33を示すように、本実施形態に係る、整理ケース1によれば、持ち手7を引き出した状態では、持ち手7の脚部71は、底壁4に形成された開口部A4から突出していない。また、
図34には、持ち手7を押し込んだ整理ケース1を、ケース本体2の底壁4から示す。
図34に示すように、本実施形態に係る、整理ケース1によれば、持ち手7を引き出した状態では、持ち手7の脚部71は、底壁4に形成された開口部A4から突出していない。
【0078】
図35は、持ち手7を押し込んだ整理ケース1の正面図である。また、
図36は、持ち手7を押し込んだ整理ケース1の側面図である。
図35および36に示すように、本実施形態に係る、整理ケース1によれば、持ち手7を押し込んだ状態では、持ち手7は、ケース本体2の周壁3の上端3eUから突出していない。このため、本実施形態では、複数の整理ケース1を収納するとき、持ち手7を押し込むことにより当該持ち手7をケース本体2の内部(整理空間S)に収容した状態で、一方の整理ケース1の周壁3の上端3eUに他方の整理ケース1の底壁4を載せ置くことができる。したがって、本実施形態に係る、整理ケース1によれば、持ち運びが可能であり、かつ、当該持ち運びをしないときにはコンパクトになりながらも物品の出し入れが可能になり、さらに、複数の整理ケースをコンパクトに収納することができる。
【0079】
なお、本実施形態において、持ち手7の押し込みは、例えば、
図21に示すように、当該持ち手7の把持部72がケース本体2に形成された仕切壁5の持ち手支持部51の上端51eUに接触することによって制限される。また、本実施形態において、ケース本体2における、持ち手7の収容空間S7の上下方向の長さは、持ち手7の脚部71の上下方向の長さよりも長く設定している。これによって、本実施形態において、持ち手7をいっぱいまで押し込んだときでも、持ち手7の脚部71は、ケース本体2の底壁4から突出することがない。したがって、
図35および
図36に示すように、本実施形態によれば、持ち手7を押し込んだ状態の整理ケース1は、ケース本体2の周壁3の上端3eUが平らな状態となっている。さらに、
図22に示すように、本実施形態において、仕切壁5における持ち手支持部51の上端51eUは、当該仕切壁5における仕切板部52の上端52eUよりも下側に位置している。このため、本実施形態によれば、持ち手7の把持部72の上下方向幅と、持ち手支持部51の上端51eUと仕切板部52の上端52eUとの高さ(位置レベル)の差との、少なくともいずれか一方を調整することにより、持ち手7を押し込んだ状態でも、持ち手7の把持部72の上端、即ち、持ち手7の上端7eUが周壁3の上端3eUよりも上側に突出することがない。したがって、
図35および
図36に示すように、本実施形態によれば、持ち手7を押し込んだ状態の整理ケース1は、ケース本体2の底壁4が平らな状態となっている。
【0080】
本実施形態に係る、整理ケース1は、持ち手7をケース本体2の仕切壁5に押し込むことで、持ち手7の上端7eUが周壁3の上端3eUと同一またはそれよりも下側になる位置になるため、複数の整理ケース1を積み重ねたときに、最もコンパクトに積み重ねることができる。ただし、本発明によれば、持ち手7の上端7eUが周壁3の上端3eUよりも上側になるときでも、一方の整理ケース1の周壁3の上端3eUに他方の整理ケース1の底壁4を載せ置くことができる。具体例としては、例えば、一方の整理ケース1の持ち手7を他方の整理ケース1の底壁4に形成された開口部A4に収容することができる。これによって、一方の整理ケース1の周壁3の上端3eUに他方の整理ケース1の底壁4を載せ置くことができる。
【0081】
整理ケース1は、例えば、以下の寸法を有することができる。
ケース本体2
左右方向幅145~146mm、前後方向幅321~322mm、上下方向幅82mm
仕切壁5
左右方向幅○○~〇〇mm、前後方向幅318m、上下方向幅(上下方向高さ)74mm
持ち手7
左右方向幅8mm、前後方向幅120mm、上下方向幅(上下方向高さ)124mm
仕切部材6
前後方向幅68mm、上下方向幅(上下方向高さ)73mm
【0082】
上述したところは、本発明の例示的な実施形態を説明したものであり、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で様々な変更を行うことができる。さらに、上述した各実施形態に採用された様々な構成は、適宜、相互に置き換えることができ、又は、組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0083】
1:整理ケース, 2:ケース本体, 3:周壁, 3a:前側壁, 3b:後側壁,3c:右側壁, 3d:左側壁, 3eU:周壁の上端, 4:周壁, 4a:凸部, 5:仕切壁, 51:持ち手支持部, 51eU:持ち手支持部の上端, 52:仕切板部, 52eU:仕切板部の上端, 53:持ち手支持部の側壁, 54:持ち手支持部の前側壁, 55:持ち手支持部の後側壁, 56:持ち手支持部の後側壁に設けられた案内突起, 6:仕切部材, 6eL:仕切部材の下端, 61:仕切板(第1の仕切板), 61eU:第1の仕切板の上端, 61eL:第1の仕切板の下端, 62:引っ掛け部, 62a:引っ掛け部の基部, 62b:引っ掛け部の先端部, 62e1:引っ掛け部62の内側上端, 62eU:引っ掛け部62の上端面, 63:第2の仕切板, 63es:第2の仕切板の側縁, 63eL:第2の仕切板の下縁, 64:リブ, 7:持ち手, 7eU:持ち手の上端, 7eL:持ち手の下端, 71:脚部, 72:把持部, 73:切欠き, 74:弾性片, 75:プレート部材, 76:補強フランジ, 8:持ち手抜け止め部, 85:仕切壁側突起, 87:持ち手側突起, 9:持ち手位置決め部, 95:仕切壁側嵌合部, 97:持ち手側嵌合部, 97a:持ち手側嵌合部の第1嵌合突起, 97b:持ち手側嵌合部の第2嵌合突起, A3:周壁の開口部, A5:仕切壁の開口部, C51:持ち手支持部に形成された凹部, F5a:仕切壁側前傾斜面, F5b:仕切壁側後傾斜面, F61a:第1の仕切板の外面, F61b:第1の仕切板の内面, F63a:第2の仕切板の外面, F63b:第2の仕切板の内面, F7a:持ち手側前傾斜面, F7b:持ち手側後傾斜面, F97a:持ち手側嵌合部の第2嵌合突起に形成された接触面, F85:仕切壁側突起の傾斜面, F87:持ち手側突起の傾斜面, S:ケース本体の整理空間, S1,S2:仕切壁によって仕切られたケース本体の整理空間, S7:持ち手を収容するための収容空間