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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077375
(43)【公開日】2023-06-05
(54)【発明の名称】両軸受リールのスプール制動装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/0155 20060101AFI20230529BHJP
【FI】
A01K89/0155
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072573
(22)【出願日】2022-04-26
(31)【優先権主張番号】P 2021190084
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】仲田 大地
(72)【発明者】
【氏名】大古瀬 広樹
(72)【発明者】
【氏名】武智 邦生
(72)【発明者】
【氏名】中村 幸平
(72)【発明者】
【氏名】北島 啓吾
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108HE15
(57)【要約】
【課題】スプールに対して制動力を好適に作用させることができる両軸受リールのスプール制動装置を、提供する。
【解決手段】
スプール制動装置13は、ブレーキドラム51と、回転構造53と、を備える。回転構造53は、軸方向においてスプール5及びブレーキドラム51の間に配置される。回転構造53は、支持部65と、ブレーキシュー67と、付勢部材69と、を有する。支持部65は、スプール軸11と連動して回転する。ブレーキシュー67は、ブレーキドラム51のテーパ面58に接触する。付勢部材69は、支持部65及びブレーキドラム51のいずれか一方を、支持部65及びブレーキドラム51のいずれか他方に向けて、付勢する。支持部65及びブレーキドラム51のいずれか一方は、支持部65及びブレーキドラム51のいずれか他方に対して、軸方向に移動可能に配置される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール本体に回転可能に支持されるスプール軸と一体的に回転するスプールを、遠心力により制動する両軸受リールのスプール制動装置であって、
前記リール本体に設けられ、前記スプール軸の回転軸心が延びる軸方向において前記スプールと並べて配置され、前記スプールに向けて縮径されるテーパ面を外周面に有するブレーキドラムと、
前記軸方向において前記スプール及び前記ブレーキドラムの間に配置される回転構造と、
を備え、
前記回転構造は、前記スプール軸と連動して回転する支持部と、前記支持部に揺動可能に支持され前記回転軸心から離れる径方向において重心が前記ブレーキドラムの外側に配置され前記ブレーキドラムの前記テーパ面に接触するブレーキシューと、前記支持部及び前記ブレーキドラムのいずれか一方を前記支持部及び前記ブレーキドラムのいずれか他方に向けて付勢する付勢部材と、を有し、
前記支持部及び前記ブレーキドラムの前記いずれか一方は、前記支持部及び前記ブレーキドラムの前記いずれか他方に対して、前記軸方向に移動可能に配置される、
両軸受リールのスプール制動装置。
【請求項2】
前記回転構造は、前記ブレーキドラムに対して前記軸方向に移動可能な前記支持部を、前記ブレーキドラムから離れる前記軸方向に案内するカム機構、をさらに有し、
前記支持部は、前記軸方向において前記カム機構及び前記付勢部材の間に配置される、
請求項1に記載の両軸受リールのスプール制動装置。
【請求項3】
前記カム機構は、
前記スプール軸と一体的に回転する第1本体部と、前記第1本体部から前記支持部に向けて突出する突出部と、を有するカム部と、
前記支持部と一体的に回転する第2本体部と、前記第2本体部に設けられ前記突出部に係合する凹部と、を有するカム受け部と、
を有し、
前記突出部は、前記回転軸心まわりの周方向に互いに対向する1対の傾斜面、を有し、
前記1対の傾斜面の周方向間隔は、前記スプールに向かう前記軸方向に向けて小さくなる、
請求項2に記載の両軸受リールのスプール制動装置。
【請求項4】
前記回転構造は、前記ブレーキドラムに対して前記軸方向に移動可能な前記支持部を初期位置に位置決めするための位置決め部材、をさらに有し、
前記支持部は、前記軸方向において前記位置決め部材及び前記付勢部材の間に配置される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の両軸受リールのスプール制動装置。
【請求項5】
前記カム機構は、
前記スプール軸と一体的に回転する第1本体部と、前記第1本体部から前記支持部に向けて突出する突出部と、を有するカム部と、
前記軸方向において前記第1本体部と対向して配置され前記支持部と一体的に回転する第2本体部と、前記第2本体部に設けられ前記突出部に係合する凹部と、を有するカム受け部と、を有する、
請求項2に記載の両軸受リールのスプール制動装置。
【請求項6】
前記カム機構は、
前記スプール軸と一体的に回転する筒状部及び前記筒状部から径方向外側に延びる鍔部を含む第1本体部と、前記鍔部から前記支持部に向けて突出する突出部と、を有するカム部と、
前記鍔部及び前記支持部の軸方向間において前記筒状部の外周面に配置され前記支持部と一体的に回転する第2本体部と、前記第2本体部に設けられ前記突出部に係合する凹部と、を有するカム受け部と、を有する、
請求項2に記載の両軸受リールのスプール制動装置。
【請求項7】
前記カム機構は、
前記スプール軸と一体的に回転する第1本体部と、前記第1本体部から前記支持部に向けて突出する突出部と、を有するカム部と、
前記支持部と一体的に回転する第2本体部と、前記第2本体部に設けられ前記突出部に係合する凹部と、前記第2本体部から突出するボス部と、を有するカム受け部と、
を有し、
前記第1本体部は、前記スプール軸の外周面と相対回転不能に係合する非円形孔と、前記非円形孔と連通するように設けられる円形孔と、を有し、
前記ボス部は、前記径方向において前記スプール軸及び前記円形孔の間に配置される、
請求項2に記載の両軸受リールのスプール制動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両軸受リールのスプール制動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
両軸受リールは、遠心力を利用してスプールの回転を制動するスプール制動装置を有するものがある(特許文献1を参照)。スプール制動装置では、スプール及び回転部材がスプール軸に装着される。ブレーキシューは回転部材に揺動可能に装着される。ブレーキシューは、回転部材を介して、スプールの回転に連動してブレーキドラムと摺動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-202123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のスプール制動装置では、スプール及び回転部材がスプール軸とともに回転すると、回転部材の回転速度の2乗に比例する遠心力がブレーキシューに作用し、ブレーキシュー及びブレーキドラムの間に摩擦力が発生する。すなわち、スプール及び回転部材の回転速度が大きくなればなるほど、スプールの制動力が急に大きくなる。
【0005】
このため、スプール及び回転部材の回転速度が高速である時にスプールの制動力が急に大きくなりすぎると、飛距離が低下するおそれがある。また、スプール及び回転部材の回転速度が高速である状態から、スプール及び回転部材の回転速度が低下した場合には、上記の摩擦力が急に小さくなり、スプールの制動力が小さくなりすぎる。この場合、バックラッシュが発生するおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、スプールに対して制動力を好適に作用させることができる両軸受リールのスプール制動装置を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る両軸受リールのスプール制動装置は、リール本体に回転可能に支持されるスプール軸と一体的に回転するスプールを、遠心力により制動する。
【0008】
スプール制動装置は、ブレーキドラムと、回転構造と、を備える。ブレーキドラムは、リール本体に設けられる。ブレーキドラムは、スプール軸の回転軸心が延びる軸方向において、スプールと並べて配置される。ブレーキドラムは、スプールに向けて縮径されるテーパ面を外周面に有する。
【0009】
回転構造は、軸方向においてスプール及びブレーキドラムの間に配置される。回転構造は、支持部と、ブレーキシューと、付勢部材と、を有する。支持部は、スプール軸と連動して回転する。ブレーキシューは、支持部に揺動可能に支持される。ブレーキシューの重心は、回転軸心から離れる径方向において、ブレーキドラムの外側に配置される。ブレーキシューは、ブレーキドラムのテーパ面に接触する。
【0010】
付勢部材は、支持部及びブレーキドラムのいずれか一方を、支持部及びブレーキドラムのいずれか他方に向けて、付勢する。支持部及びブレーキドラムのいずれか一方は、支持部及びブレーキドラムのいずれか他方に対して、軸方向に移動可能に配置される。
【0011】
本スプール制動装置では、ブレーキシューがブレーキドラムのテーパ面に接触した状態で、スプール及び支持部の回転速度が高速になると、ブレーキシューがブレーキドラムのテーパ面を押圧する力が大きくなり、支持部及びブレーキドラムは互いに離れる。これにより、ブレーキシューがテーパ面の小径側に接触するので、スプールの制動力を低下させることができる。すなわち、本スプール制動装置では、スプールの制動力の増加によって飛距離が低下するという従来技術の課題を、解決することができる。
【0012】
また、本スプール制動装置では、スプール及び支持部の回転速度が高速である状態から、スプール及び支持部の回転速度が低下した場合、付勢部材によって支持部及びブレーキドラムは互いに接近する。これにより、ブレーキシューはブレーキドラムの大径側に接触するので、スプールの制動力を復帰させることができる。すなわち、本スプール制動装置では、スプールの制動力の減少によってバックラッシュが発生するという従来技術の課題を、解決することができる。
【0013】
本発明の他の側面に係る両軸受リールのスプール制動装置では、回転構造がカム機構をさらに有することが好ましい。この場合、カム機構は、ブレーキドラムに対して軸方向に移動可能な支持部を、ブレーキドラムから離れる軸方向に案内する。支持部は、軸方向においてカム機構及び付勢部材の間に配置される。この構成によって、支持部及びブレーキドラムのいずれか一方を、支持部及びブレーキドラムのいずれか他方に対して、軸方向に好適に移動させることができる。
【0014】
本発明の他の側面に係る両軸受リールのスプール制動装置では、カム機構は、カム部と、カム受け部と、を有することが好ましい。この場合、カム部は、スプール軸と一体的に回転する第1本体部と、第1本体部から支持部に向けて突出する突出部と、を有する。カム受け部は、支持部と一体的に回転する第2本体部と、第2本体部に設けられ突出部に係合する凹部と、を有する。ここで、突出部は、回転軸心まわりの周方向に互いに対向する1対の傾斜面、を有する。1対の傾斜面の周方向間隔は、スプールに向かう軸方向に向けて小さくなる。
【0015】
本発明の他の側面に係る両軸受リールのスプール制動装置では、回転構造が位置決め部材をさらに有することが好ましい。位置決め部材は、支持部を初期位置に位置決めするためのものである。支持部は、ブレーキドラムに対して軸方向に移動可能である。支持部は、軸方向において位置決め部材及び付勢部材の間に配置される。この構成によって、支持部を初期位置に好適に位置決めすることができる。
【0016】
本発明の他の側面に係る両軸受リールのスプール制動装置では、カム機構は、カム部と、カム受け部と、を有する。カム部は、スプール軸と一体的に回転する第1本体部と、第1本体部から支持部に向けて突出する突出部と、を有する。カム受け部は、軸方向において第1本体部と対向して配置され支持部と一体的に回転する第2本体部と、第2本体部に設けられ突出部に係合する凹部と、を有する。この構成によって、カム機構を好適に作動させることができる。
【0017】
本発明の他の側面に係る両軸受リールのスプール制動装置では、カム機構は、カム部と、カム受け部と、を有する。カム部は、スプール軸と一体的に回転する筒状部及び筒状部から径方向外側に延びる鍔部を含む第1本体部と、鍔部から支持部に向けて突出する突出部と、を有する。カム受け部は、鍔部及び支持部の軸方向間において筒状部の外周面に配置され支持部と一体的に回転する第2本体部と、第2本体部に設けられ突出部に係合する凹部と、を有する。
【0018】
この構成では、カム受け部の第2本体部が、第2鍔部及び支持部の軸方向間において、筒状部の外周面に配置される。この状態において、カム受け部は、筒状部の外周面上で、カム部に接近したりカム部から離れたりする。これにより、カム受け部を安定的に軸方向に移動させることができる。
【0019】
本発明の他の側面に係る両軸受リールのスプール制動装置では、カム機構は、カム部と、カム受け部と、を有する。カム部は、スプール軸と一体的に回転する第1本体部と、第1本体部から支持部に向けて突出する突出部と、を有する。カム受け部は、支持部と一体的に回転する第2本体部と、第2本体部に設けられ突出部に係合する凹部と、第2本体部から突出するボス部と、を有する。第1本体部は、スプール軸の外周面と相対回転不能に係合する非円形孔と、非円形孔と連通するように設けられる円形孔と、を有する。ボス部は、径方向においてスプール軸及び円形孔の間に配置される。
【0020】
この構成では、ボス部の先端部がカム部の円形孔に配置された状態で、カム受け部は、スプール軸上で、カム部に接近したりカム部から離れたりする。この構成によって、カム受け部を安定的に軸方向に移動させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、両軸受リールのスプール制動装置において、スプールに対して制動力を好適に作用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態による両軸受リールの外観斜視図。
図2】両軸受リールの断面図。
図3】フレーム、スプール、スプール軸、及び回転構造の斜視図。
図4】回転構造の近傍を拡大した断面図。
図5】カム機構の斜視図。
図6】変形例1における回転構造の近傍を拡大した断面図。
図7】変形例2における回転構造の近傍を拡大した断面図。
図8】変形例3におけるカム機構の斜視図。
図9】変形例4におけるカム機構の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施形態が採用された両軸受リール1は、図1に示すように、リール本体3と、スプール5と、ハンドル7と、を備える。図2に示すように、両軸受リール1は、スプール軸11と、スプール制動装置13と、をさらに備える。
【0024】
なお、軸方向とは、スプール軸11の回転軸心X1が延びる方向である。径方向とは、スプール軸11の回転軸心X1から垂直に離れる方向である。周方向とは、スプール軸11の回転軸心X1まわりの方向である。
【0025】
図2に示すように、リール本体3は、フレーム31と、第1側カバー33と、第2側カバー35と、を有する。フレーム31は、第1側板31aと、第2側板31bと、複数の連結部31cと、を有する。
【0026】
第1側板31a及び第2側板31bは、軸方向に互いに間隔を隔てて配置される。第1側板31a及び第2側板31bは、複数の連結部31cを介して互いに連結される。第1側板31a、第2側板31b、及び複数の連結部31cは、一体的に形成される。
【0027】
第1側カバー33は、フレーム31に装着される。第1側カバー33は、第1側板31aを覆う。例えば、第1側カバー33は、ハンドル7とは反対側で第1側板31aを覆う。第1側カバー33は、筒状の軸支持部34を有する。
【0028】
軸支持部34は、径方向においてスプール軸11の外側に配置される。軸支持部34は、軸受37を介して、スプール軸11を回転可能に支持する。第1側カバー33及び第1側板31aの間には、スプール制動装置13のブレーキドラム51(後述する)を軸方向に移動させるために操作部材61(後述する)が、配置される。
【0029】
第2側カバー35は、フレーム31に装着される。第2側カバー35は、第2側板31bを覆う。例えば、第2側カバー35は、ハンドル7(図1を参照)及び第2側板31bの間において、第2側板31bを覆う。第2側カバー35及び第2側板31bの間には、ハンドル7の回転をスプール5に伝達するための回転伝達機構10が配置される。
【0030】
スプール5は、リール本体3に回転可能に支持される。例えば、スプール5は、スプール軸11を介してリール本体3に回転可能に支持される。スプール5は、糸巻き胴部5aと、ボス部5bと、環状壁部5cと、を有する。糸巻き胴部5aには釣り糸が巻き付けられる。ボス部5bは、スプール軸11と一体的に回転するようにスプール軸11に装着される。環状壁部5cは、糸巻き胴部5a及びボス部5bを連結する。例えば、環状壁部5cは、糸巻き胴部5a及びボス部5bと一体に形成される。
【0031】
図1に示すように、ハンドル7は、リール本体3に回転可能に装着される。例えば、ハンドル7は、図2に示す駆動軸10aを介して、リール本体3に回転可能に支持される。
【0032】
図2に示す回転伝達機構10は、ハンドル7の回転をスプール軸11に伝達する機構である。回転伝達機構10は、第2側カバー35及び第2側板31bの間に配置される。回転伝達機構10は、ハンドル7と一体的に回転する駆動軸10aと、駆動軸10aと一体的に回転する駆動ギア10bと、駆動ギア10bと噛み合うピニオンギア10cと、を有する。
【0033】
ハンドル7が回転すると、駆動軸10a、駆動ギア10b、及びピニオンギア10cが回転する。ピニオンギア10cの内周部には、スプール軸11が挿通される。ピニオンギア10cからスプール軸11への回転は、図示しないクラッチ機構を介して、伝達される。
【0034】
図2に示すように、スプール軸11は、リール本体3に回転可能に支持される。例えば、スプール軸11は、軸受37,39を介して、第1側カバー33の軸支持部34及び第2側板31bに回転可能に支持される。スプール軸11には、スプール5が装着される。
【0035】
スプール制動装置13は、スプール軸11と一体的に回転するスプール5を、遠心力により制動する。図2に示すように、スプール制動装置13は、ブレーキドラム51と、回転構造53と、を備える。
【0036】
ブレーキドラム51は、軸方向においてスプール5と並べて配置される。ブレーキドラム51は、径方向において第1側カバー33の軸支持部34の外側に配置される。ブレーキドラム51は、ブレーキシュー67(後述する)の径方向内側に配置される。ブレーキドラム51は、リール本体3に設けられる。例えば、ブレーキドラム51は、移動機構55を介して、第1側カバー33の軸支持部34に装着される。
【0037】
図3及び図4に示すように、ブレーキドラム51は、ドラム本体57と、テーパ面58と、を有する。ドラム本体57は筒状に形成される。ドラム本体57は、軸支持部34の外周面に配置される。テーパ面58は、ドラム本体57の一端部に設けられる。例えば、テーパ面58は、ドラム本体57の一端部の外周面に設けられる。テーパ面58は、スプール5に向けて縮径される。すなわち、テーパ面58の外径は、スプール5に近づくにつれて小さくなる。
【0038】
図4に示すように、ブレーキドラム51は、移動機構55によって軸方向に移動可能に構成される。移動機構55は、第1側カバー33に装着される。移動機構55は、第1側カバー33及び第1側板31aの間に配置される。移動機構55は、操作部材61と、ドラムカム63と、を有する。
【0039】
操作部材61は、ブレーキドラム51を軸方向に移動させる際に操作される。操作部材61は、リール本体3例えば第1側カバー33の軸支持部34に対して、回転可能に装着される。操作部材61は環状に形成される。操作部材61は、径方向においてブレーキドラム51の外側に配置される。操作部材61は、第1側カバー33に装着される蓋部材62によって、軸方向に位置決めされる。操作部材61は、ブレーキドラム51及びドラムカム63に係合する。
【0040】
例えば、図3及び図4に示すように、ブレーキドラム51の外周面には、軸方向に延びる溝部51aが形成される。操作部材61の内周面には、径方向内側に突出する第1凸部61aが、形成される。第1凸部61aは、ブレーキドラム51の溝部51aに係合する。これにより、操作部材61及びブレーキドラム51は一体的に回転し、ブレーキドラム51は操作部材61に対して軸方向に移動する。
【0041】
図4に示すように、ドラムカム63は、ブレーキドラム51を軸方向に移動させる。ドラムカム63は、軸支持部34の外周面に配置される。例えば、ドラムカム63は、径方向において軸支持部34及びブレーキドラム51の間に配置される。ドラムカム63は、ブレーキドラム51に係合し、ブレーキドラム51を軸方向に移動させる。
【0042】
例えば、図3に示すように、ブレーキドラム51の内周面には、径方向内側に突出する第2凸部51bが、形成される。図4に示すように、ドラムカム63の外周面には、周方向及び軸方向に延びる螺旋溝63aが、形成される。第2凸部51bは、螺旋溝63aに係合する。この状態において、操作部材61及びブレーキドラム51が一体的に回転すると、第2凸部51bが螺旋溝63aに沿って移動する。これにより、ブレーキドラム51は、周方向に回転しながら軸方向に移動する。
【0043】
図2に示すように、回転構造53は、軸方向においてスプール5及びブレーキドラム51の間に配置される。回転構造53は、スプール軸11と連動して回転する。図3に示すように、回転構造53は、シュー支持部65と、複数(例えば4個)のブレーキシュー67と、コイルスプリング69(付勢部材の一例)と、を有する。回転構造53は、止め輪71(位置決め部材の一例)をさらに有する。回転構造53は、カム機構73をさらに有する。
【0044】
シュー支持部65は、ブレーキシュー67を揺動可能に支持する。シュー支持部65は、スプール軸11と連動して回転する。例えば、シュー支持部65は、カム機構73を介してスプール軸11と回転する。シュー支持部65は、円板状に形成される。例えば、シュー支持部65は椀状に形成される。
【0045】
図4に示すように、シュー支持部65は、軸方向において止め輪71及びコイルスプリング69の間に配置される。例えば、シュー支持部65は、軸方向においてカム機構73及びコイルスプリング69の間に配置される。詳細には、シュー支持部65は、軸方向においてカム受け部77の第1鍔部77a2(後述する)及びコイルスプリング69の間に配置される。
【0046】
シュー支持部65は、径方向においてスプール軸11の外側に配置される。シュー支持部65は、ブレーキドラム51に対して軸方向に移動可能に構成される。例えば、シュー支持部65は、カム受け部77とともにブレーキドラム51に対して軸方向に移動する。シュー支持部65は、カム受け部77と一体的に回転するようにカム受け部77の第1筒状部77a1(後述する)に装着される。シュー支持部65及びカム受け部77は、カム機構73のカム部75(後述する)を介して、スプール軸11と回転する。
【0047】
図4に示すように、複数のブレーキシュー67は、ブレーキドラム51に接触可能に構成される。複数のブレーキシュー67は、シュー支持部65に揺動可能に支持される。例えば、各ブレーキシュー67は、各ブレーキシュー67は、揺動軸68を介して、シュー支持部65の外周部に揺動可能に支持される。各ブレーキシュー67は、周方向において互いに間隔を隔てて配置される。
【0048】
各ブレーキシュー67の重心Gは、径方向においてブレーキドラム51の外側に配置される。例えば、シュー支持部65が回転すると、各ブレーキシュー67の重心Gに遠心力が作用し、各ブレーキシュー67が揺動軸68まわりに揺動する。これにより、各ブレーキシュー67は、ブレーキドラム51のテーパ面58に接触する。
【0049】
図4に示すように、コイルスプリング69は、シュー支持部65をブレーキドラム51に向けて付勢する。コイルスプリング69は、圧縮状態でスプール5及びシュー支持部65の軸方向間に配置される。例えば、コイルスプリング69の一端部は、径方向においてスプール5のボス部5bの外側に配置され、スプール5の環状壁部5cに当接する。コイルスプリング69の他端部は、シュー支持部65に当接する。
【0050】
止め輪71は、シュー支持部65を初期位置に位置決めするために用いられる。止め輪71は、C字形状に形成される。止め輪71は、スプール軸11に装着される。例えば、止め輪71は、スプール軸11の環状溝11a(図3を参照)に装着される。
【0051】
図3及び図4に示すカム機構73は、シュー支持部65をブレーキドラム51から離れる軸方向に案内する。カム機構73は、カム部75と、カム受け部77と、を有する。図4に示すように、カム部75は、軸方向において止め輪71及びカム受け部77の間に配置される。カム部75は止め輪71に当接する。カム部75は、カム受け部77に係合する。
【0052】
図5に示すように、カム部75は、第1本体部75aと、複数(例えば2個)の突出部75bと、を有する。第1本体部75aは、スプール軸11と一体的に回転するように、スプール軸11に装着される。例えば、第1本体部75aは円板状に形成される。第1本体部75aは、非円形係合によってスプール軸11の外面に装着される。
【0053】
これにより、第1本体部75aは、スプール軸11と一体的に回転する。第1本体部75aは、スプール軸11の段差壁11b(図3を参照)及び止め輪71の間に配置される。これにより、第1本体部75aは、スプール軸11に対する軸方向の移動が規制される。
【0054】
複数の突出部75bは、第1本体部75aと一体に形成される。複数の突出部75bは、第1本体部75aからシュー支持部65に向けて突出する。複数の突出部75bは、周方向に互いに間隔を隔てて配置される。各突出部75bは、周方向に互いに対向する1対の傾斜面75b1、を有する。1対の傾斜面75b1の周方向間隔は、スプール5に向かうについて小さくなる。
【0055】
図5に示すように、カム受け部77は、第2本体部77aと、複数(例えば2個)の凹部77bと、を有する。第2本体部77aは、シュー支持部65と一体的に回転するように、スプール軸11に装着される。第2本体部77aは、軸方向において第1本体部75aと対向して配置される。
【0056】
例えば、第2本体部77aは、第1筒状部77a1と、第1鍔部77a2と、を有する。第1筒状部77a1は、スプール軸11の外周面に配置される。第1筒状部77a1は、スプール軸11に対して軸方向に移動する。第1筒状部77a1の外周面にはシュー支持部65が固定され、第1筒状部77a1はシュー支持部65と一体的に回転する。
【0057】
第1鍔部77a2は、第1筒状部77a1から径方向外側に延び、環状に形成される。図4に示すように、第1鍔部77a2は、軸方向においてシュー支持部65及びカム部75(第1本体部75a)の間に配置される。
【0058】
図5に示すように、複数の凹部77bは、第2本体部77aに設けられる。例えば、複数の凹部77bは、第1鍔部77a2に設けられる。複数の凹部77bは、周方向に互いに間隔を隔てて配置される。
【0059】
複数の凹部77bは、カム部75の複数の突出部75bと各別に対向して配置される。複数の凹部77bは、カム部75の複数の突出部75bと各別に係合する。各凹部77bの壁部は、各突出部75bの傾斜面75b1に沿うように形成される。各凹部77bの壁部は、突出部75bの傾斜面75b1と摺動可能である。
【0060】
上記の構成を有するスプール制動装置13では、カム受け部77の複数の凹部77bがカム部75の複数の突出部75bに係合した状態で、スプール5及びスプール軸11が回転する。この状態では、スプール軸11の回転が、カム部75からカム受け部77に伝達され、カム受け部77からシュー支持部65に伝達される。
【0061】
これにより、スプール軸11、カム機構73(カム部75及びカム受け部77)、及びシュー支持部65が回転する。この状態において、ブレーキシュー67はブレーキドラム51のテーパ面58に接触し、ブレーキシュー67がブレーキドラム51のテーパ面58と摺動する。
【0062】
ここで、スプール5の回転速度(シュー支持部65の回転速度)が高速になり、ブレーキシュー67がブレーキドラム51のテーパ面58を押圧する力が大きくなった場合、ブレーキドラム51のテーパ面58からブレーキシュー67に作用する反力によって、シュー支持部65がブレーキドラム51から軸方向に離れる。
【0063】
これにより、ブレーキシュー67はテーパ面58の小径側に接触するので、スプール5の制動力を低下させることができる。すなわち、スプール制動装置13では、スプール5の回転速度が高速になったとしても、飛距離を低下させないように、スプール5に対して制動力を好適に作用させることができる。
【0064】
また、スプール5の回転速度(シュー支持部65の回転速度)が高速である状態から、スプール5の回転速度が低下した場合、ブレーキドラム51のテーパ面58からブレーキシュー67に作用する反力が小さくなるので、シュー支持部65は、コイルスプリング69によって押圧され、ブレーキドラム51に接近する。
【0065】
これにより、ブレーキシュー67はブレーキドラム51の大径側に接触するので、スプール5の制動力を復帰させることができる。すなわち、スプール制動装置13では、スプール制動装置13では、スプール5の回転速度が高速から低下したとしても、バックラッシュを発生させないように、スプール5に対して制動力を好適に作用させることができる。
【0066】
(変形例)
前記実施形態は、以下の変形例1のように変更可能である。
【0067】
・変形例1
前記実施形態では、シュー支持部65がブレーキドラム51に対して軸方向に移動する場合の例が、示された。この構成に代えて、図6に示すように、ブレーキドラム51がシュー支持部65に対して軸方向に移動するように構成してもよい。
【0068】
この場合、シュー支持部65は、スプール軸11に圧入され、スプール軸11の環状凸部11cに当接する。これにより、シュー支持部65は、スプール軸11に対して軸方向に移動不能且つ回転不能に装着される。コイルスプリング169(付勢部材の一例)は、軸方向においてブレーキドラム51及び第1側カバー33の間に配置される。
【0069】
例えば、ブレーキドラム51のドラム本体57の他端側には、段差部57aが形成される。コイルスプリング169の一端部は、段差部57aの外周面に配置される。コイルスプリング169の一端部は、段差部57aの壁部に当接する。コイルスプリング169の他端部は、径方向において、第1側カバー33の軸支持部34の外側例えば押圧カム163の外側に、配置される。コイルスプリング169の他端部は、押圧部材165に当接する。第1側カバー33の軸支持部34の先端部には、第1側カバー33の軸支持部34からのブレーキドラム51の抜け出しを規制するためのOリング170が、配置される。
【0070】
この場合、操作部材61を操作することによって、押圧カム163によって押圧部材165が軸方向に移動する。これにより、押圧部材165がコイルスプリング169を押圧する押圧力の強弱が、変更される。なお、押圧部材165の移動形態は、前記実施形態の移動機構55のドラムカム63の移動形態と同じである。
【0071】
このように構成した場合、スプール5の回転速度(シュー支持部65の回転速度)が高速になると、ブレーキドラム51がシュー支持部65から離れるので、ブレーキシュー67をテーパ面58の小径側で接触させることができる。これにより、スプール5の回転速度が高速になったとしても、飛距離を低下させないように、スプール5に対して制動力を好適に作用させることができる。
【0072】
また、スプール5の回転速度(シュー支持部65の回転速度)が高速である状態から、スプール5の回転速度が低下すると、ブレーキドラム51がコイルスプリング169によって押圧されシュー支持部65に接近するので、ブレーキシュー67をブレーキドラム51の大径側で接触させることができる。これにより、スプール5の回転速度が高速から低下したとしても、バックラッシュを発生させないように、スプール5に対して制動力を好適に作用させることができる。
【0073】
・変形例2
前記実施形態のカム機構73は、以下のように構成されてもよい。図7に示すように、カム機構173は、カム部175と、カム受け部177と、を有する。カム部175は、筒状の第1本体部175aと、筒状の第1本体部175aの外周部に設けられた複数(例えば2個)の突出部75b(図5を参照)と、を有する。第1本体部175aは、第2筒状部175a1(筒状部の一例)と、第2鍔部175a2(鍔部の一例)と、を有する。
【0074】
第2筒状部175a1は筒状に形成される。第2筒状部175a1の内面は、非円形係合によってスプール軸11の外面に係合する。これにより、第2筒状部175a1は、スプール軸11と一体的に回転する。第2筒状部175a1は、スプール軸11の段差壁111b及び止め輪71の間に配置される。これにより、第2筒状部175a1は、スプール軸11に対する軸方向の移動が規制される。
【0075】
第2鍔部175a2は、第2筒状部175a1から径方向外側に延びる。第2鍔部175a2は、第2筒状部175a1と一体に形成される。第2鍔部175a2は環状に形成される。第2鍔部175a2には、複数の突出部75b(図5を参照)が設けられる。複数の突出部75bは、第2鍔部175a2から軸方向に突出する。
【0076】
カム受け部177は、第2本体部177aと、複数(例えば2個)の凹部77b(図5を参照)と、を有する。第2本体部177aは、シュー支持部65と一体的に回転するように、シュー支持部65に装着される。第2本体部177aは、シュー支持部65と一体に形成されてもよい。
【0077】
第2本体部177aは、筒状に形成される。第2本体部177aは、第2鍔部175a2及びシュー支持部65の軸方向間において、第2筒状部175a1の外周面に配置される。第2本体部177aは、第2筒状部175a1に対して相対的に回転する。第2本体部177aには、複数の凹部77b(図5を参照)が設けられる。複数の凹部77bは、複数の突出部75bに各別に係合する。
【0078】
この構成では、カム受け部177(第2本体部177a)が、カム部175の第2鍔部175a2及びシュー支持部65の軸方向間において、第2筒状部175a1の外周面に配置される。この状態において、カム受け部177は、第2筒状部175a1の外周面上で、カム部175に接近したりカム部175から離れたりする。これにより、カム受け部177を安定的に軸方向に移動させることができる。
【0079】
・変形例3
前記実施形態のカム機構73は、以下のように構成されてもよい。図8に示すように、カム機構273は、カム部275と、カム受け部277と、を有する。カム部275は、筒状の第1本体部275aと、筒状の第1本体部275aの外周部に設けられた複数(例えば2個)の突出部75bと、を有する。第1本体部275aは、スプール軸11と一体的に回転し、且つ、スプール軸11に対する軸方向の移動が規制される。
【0080】
第1本体部275aは、非円形孔275a1と、円形孔275a2と、を有する。非円形孔275a1は、スプール軸11の外周面と相対回転不能に係合する。これにより、第1本体部275aは、スプール軸11と一体的に回転する。すなわち、カム部275は、スプール軸11と一体的に回転する。
【0081】
円形孔275a2は、非円形孔275a1と連通するように設けられる。円形孔275a2には、カム受け部277のボス部77c(後述する)が配置される。第1本体部275aには、複数の突出部75bが設けられる。複数の突出部75bは、第1本体部275aから軸方向に突出する。
【0082】
カム受け部277は、第2本体部77aと、複数(例えば2個)の凹部77bと、ボス部77cと、を有する。第2本体部77aの構成及び複数の凹部77bの構成は、前記実施形態の構成と同じである。前記実施形態の構成と同じ構成については、前記実施形態の説明に準ずる。
【0083】
ボス部77cは、第2本体部77aから突出する。例えば、ボス部77cは、第1筒状部77a1から軸方向に延びる。ボス部77c及び第1筒状部77a1は、スプール軸11の外周面に配置される。ボス部77c及び第1筒状部77a1は、スプール軸11に対して相対的に回転し、且つ、スプール軸11に対して軸方向に移動する。
【0084】
ボス部77cは、カム部275の円形孔275a2に配置される。例えば、ボス部77cの先端部が円形孔275a2に配置された状態で、ボス部77cの先端部は径方向において円形孔275a2の内周面及びスプール軸11の外周面の間に配置される。
【0085】
この構成では、カム受け部277のボス部77cの先端部がカム部275の円形孔275a2に配置された状態で、カム受け部277は、スプール軸11上で、カム部275に接近したりカム部275から離れたりする。この構成によって、カム受け部277を安定的に軸方向に移動させることができる。
【0086】
・変形例4
前記実施形態のカム機構73は、以下のように構成されてもよい。図9に示すように、カム機構373は、カム部275と、カム受け部377と、を有する。カム部275の構成は、変形例3の構成と同じである。変形例3の構成と同じ構成については、変形例3の説明に準ずる。
【0087】
カム受け部377は、第2本体部377aと、複数(例えば2個)の凹部77bと、ボス部77cと、を有する。第2本体部377aは、筒状に形成される。第2本体部377aは、スプール軸11の外周面に配置される。第2本体部377aの外周面には、図3及び図4に示すシュー支持部65が装着される。シュー支持部65は、第2本体部377aと一体的に回転する。
【0088】
複数の凹部77bは、第2本体部377aの外周部に設けられる。ボス部77cは、第2本体部377aから突出する。ボス部77cは、スプール軸11の外周面に配置される。第2本体部377a及びボス部77cは、スプール軸11に対して相対的に回転し、且つ、スプール軸11に対して軸方向に移動する。
【0089】
この構成では、変形例3と同様に、カム受け部377のボス部77cの先端部がカム部275の円形孔275a2に配置された状態で、カム受け部377は、スプール軸11上で、カム部275に接近したりカム部275から離れたりする。この構成によって、カム受け部377を安定的に軸方向に移動させることができる。
【符号の説明】
【0090】
1 両軸受リール
3 リール本体
5 スプール
11 スプール軸
13 スプール制動装置
51 ブレーキドラム
53 回転構造
57 ドラム本体
58 テーパ面
65 シュー支持部
67 ブレーキシュー
69,169 コイルスプリング
71 止め輪
73 カム機構
75,175,275 カム部
75a,175a,275a 第1本体部
75b 突出部
75b1 傾斜面
77,177,277,377 カム受け部
77a,177a,277a,377a 第2本体部
77b 凹部
77c ボス部
79 位置決め部材
79b 係止部
175a1 第2筒状部
175a2 第2鍔部
275a1 非円形孔
275a2 円形孔
G ブレーキシューの重心
X1 回転軸心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9