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特開2023-77384特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077384
(43)【公開日】2023-06-05
(54)【発明の名称】特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/06 20120101AFI20230529BHJP
【FI】
G06Q40/06
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122870
(22)【出願日】2022-08-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0162886
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0169729
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0047393
(32)【優先日】2022-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和 3年 8月 1日に、RISSのウェブサイトに掲載されたTwo Essays on Intangible Capital= ■■ ■■■ ■■ ■■,学位論文‐ソウル大学大学院,■■■■ ■■■■ 2021.8,ソウル大学大学院にて公開(http://www.riss.or.kr/search/detail/DetailView.do?p_mat_type=be54d9b8bc7cdb09&control_no=cb7a58f4a86bf87affe0bdc3ef48d419&keyword=two%20essays%20on%20intangible%20capital%20%EB%AC%B4%ED%98%95%20%EC%9E%90%EB%B3%B8%EC%97%90%20%EA%B4%80%ED%95%9C%20%EC%97%B0%EA%B5%AC)
(71)【出願人】
【識別番号】513246872
【氏名又は名称】ソウル大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】SEOUL NATIONAL UNIVERSITY R&DB FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ホー,ボン チャン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ウソン
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB58
(57)【要約】      (修正有)
【課題】特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法を提供する。
【解決手段】方法は、登録された有効特許に係わる複数の特許品質指標夫々の数値値を算出し、数値値を対象にして第1次主成分分析を遂行して特許品質指標のうち、複数の主要品質指標を選定し、有効特許のうち、特定期間が満了していない分析対象特許を対象にして主要品質指標の数値値を算出し、当該数値値を対象にして第2次主成分分析を遂行して獲得した主成分指標に基づいて特許点数算出のための加重値を算出し、当該加重値と分析対象特許に係わる主要品質指標の数値に基づいて分析対象特許の特許点数を算出し、分析対象特許が属した技術分野の市場規模に基づいて特許指数算出のための加重値を算出し、特許点数に特許指数算出のための加重値を加重和して分析対象特許の権利者に該当する企業の特許指数を算出し、企業の時価総額及び特許指数を用いて企業の特許品質対比時価総額の比率を導出する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバによって遂行される特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法において、
a)登録された有効特許に係わる複数の特許品質指標それぞれの数値値を算出し、算出された数値値を対象にして第1次主成分分析を遂行し、前記特許品質指標のうち、複数の主要品質指標を選定する段階と、
b)前記有効特許のうち、特定期間に権利が満了していない分析対象特許を対象にして前記主要品質指標の数値値を算出し、算出された数値値を対象にして第2次主成分分析を遂行して獲得した主成分指標に基づいて特許点数算出のための加重値を算出し、そして、当該加重値と前記分析対象特許に係わる主要品質指標の数値に基づいて前記分析対象特許の特許点数を算出する段階と、
c)前記分析対象特許が属した技術分野の市場規模に基づいて特許指数算出のための加重値を算出し、前記特許点数に前記特許指数算出のための加重値を加重和して前記分析対象特許の権利者に該当する企業の特許指数を算出する段階と、
d)前記企業の時価総額と前記企業の特許指数を用いて前記企業の特許品質対比時価総額の比率を導出する段階と、を含む、特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法。
【請求項2】
前記a)段階は、
a-1)前記特許品質指標を対象にして前記第1次主成分分析を遂行して前記特許品質指標の線形結合によって生成される主成分の主成分係数を算出する段階と、
a-2)前記a-1)段階によって算出された主成分係数のうち、既定値以上の主成分係数を有する特許品質指標を前記主要品質指標として選定する段階と、を含む、請求項1に記載の特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法。
【請求項3】
前記b)段階は、
前記分析対象特許に係わる前記主要品質指標を対象にして前記第2次主成分分析を通じて当該主要品質指標と線形結合される主成分の主成分係数、分散比率及び累積分散比率を算出する段階と、
前記累積分散比率が既定値以下の主成分を主要主成分として選定する段階と、
前記主要主成分の分散比率及び累積分散比率に基づいて前記主要主成分の分散寄与度を算出する段階と、
前記主要主成分の主成分係数及び前記分散寄与度に基づいて前記特許点数算出のための加重値を導出する段階と、を含む、請求項1に記載の特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法。
【請求項4】
前記c)段階は、
前記分析対象特許を対象にして技術分野別特許件数及び企業別特許件数を導出する段階と、
前記分析対象特許を保有した企業別売上高を導出する段階と、
前記企業別売上高及び前記企業別特許件数に基づいて技術分野別特許当たり平均売上高を導出する段階と、
前記技術分野別特許当たり平均売上高及び前記技術分野別特許件数に基づいて技術分野別市場規模を導出する段階と、
前記技術分野別市場規模に基づいて全体技術分野の市場規模対比特定技術分野別市場規模の比率である前記特許指数算出のための加重値を算出する段階と、
前記特許点数と前記特許指数算出のための加重値に基づいて企業別特許指数を算出する段階と、を含む、請求項1に記載の特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法。
【請求項5】
前記端末から前記特定期間及び特定企業情報を受信し、
前記特定期間及び前記特定企業情報と対応する前記有効特許情報、既保存の企業情報、前記主要品質指標の数値、前記企業別特許指数及び前記企業別特許品質対比時価総額の比率のうち、少なくとも1つ以上を含む企業投資情報を生成し、当該情報を前記端末に提供する段階をさらに含む、請求項4に記載の特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法。
【請求項6】
前記特許品質指標は、
被引用度、調整被引用度、外国出願人による被引用度、自己被引用度及び平均被引用にかかる期間を含む技術重要性指標と、
発明者平均出願特許数、発明者平均登録特許数、発明者平均登録率、発明者平均調整被引用度、発明者平均特許ファミリー数、発明者平均連続特許数、発明者平均登録期間、発明者平均総請求項数、発明者平均総特許残存期間を含む発明者専門性指標、出願基準特許ファミリー数、特許機関の特許ファミリー数及び特許協力条約出願数を含む市場性指標と、
先行特許引用度及び自己先行特許引用度を含む新規性指標と、
審査官による被引用度及び審査官による自己被引用度を含む特許範囲指標と、そして、
連続特許数、請求項数、追加された純請求項数、出願人数、発明家数、特許分類数及び残存期間を含む特許権利指標を含む、請求項1に記載の特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法。
【請求項7】
端末との通信連結を介して特許品質評価を通じた企業投資情報を提供するシステムにおいて、
端末との情報送受信を遂行する通信モジュールと、
企業投資情報提供プログラムを保存するメモリと、
前記メモリに保存されたプログラムを行うプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、前記企業投資情報提供プログラムを行い、
登録された有効特許に係わる複数の特許品質指標それぞれの数値値を算出し、前記数値値を対象にして第1次主成分分析を遂行して前記特許品質指標のうち、複数の主要品質指標を選定し、
前記有効特許のうち、特定期間が満了していない分析対象特許を対象にして前記主要品質指標の数値値を算出し、当該数値値を対象にして第2次主成分分析を遂行して獲得した主成分指標に基づいて特許点数算出のための加重値を算出し、当該加重値と前記分析対象特許に係わる主要品質指標の数値に基づいて前記分析対象特許の特許点数を算出し、
前記分析対象特許が属した技術分野の市場規模に基づいて特許指数算出のための加重値を算出し、前記特許点数に前記特許指数算出のための加重値を加重和して前記分析対象特許の権利者に該当する企業の特許指数を算出し、そして、
前記企業の時価総額と前記企業の特許指数を用いて前記企業の特許品質対比時価総額の比率を導出することを遂行するように構成される、特許品質評価を通じた企業投資情報提供システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記特許品質指標を対象にして前記第1次主成分分析を遂行して前記特許品質指標の線形結合によって生成される主成分の主成分係数を算出し、そして、
前記主成分係数のうち、既定値以上の主成分係数を有する特許品質指標を前記主要品質指標として選定する、請求項7に記載の特許品質評価を通じた企業投資情報提供システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記分析対象特許に係わる前記主要品質指標を対象にして前記第2次主成分分析を通じて当該主要品質指標と線形結合によって生成される主成分の主成分係数、分散比率及び累積分散比率を算出し、
前記累積分散比率が既定値以下の主成分を主要主成分として選定し、
前記主要主成分の分散比率及び累積分散比率に基づいて前記主要主成分の分散寄与度を算出し、そして、
前記主要主成分の主成分係数及び分散寄与度に基づいて特許点数算出のための加重値を導出する、請求項7に記載の特許品質評価を通じた企業投資情報提供システム。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記分析対象特許を対象にして技術分野別特許件数及び企業別特許件数を導出し、
前記分析対象特許を保有した企業別売上高を導出し、
前記企業別売上高及び前記企業別特許件数に基づいて特許当たり平均売上高を導出し、
前記技術分野別特許当たり平均売上高及び前記技術分野別特許件数に基づいて技術分野別市場規模を導出し、
前記技術分野別市場規模に基づいて全体技術分野の市場規模対比特定技術分野別市場規模の比率である前記特許指数算出のための加重値を算出し、そして、
前記特許点数と前記特許指数算出のための加重値に基づいて企業別特許指数を算出する、請求項7に記載の特許品質評価を通じた企業投資情報提供システム。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記端末から前記特定期間及び特定企業情報を受信し、
前記特定期間及び特定企業情報と対応する前記有効特許情報、前記既保存の企業情報、前記主要品質の数値、前記企業別特許指数及び前記企業別特許品質対比時価総額の比率のうち、少なくとも1つ以上を含む企業投資情報を生成し、当該情報を前記端末に提供することをさらに含む、請求項10に記載の特許品質評価を通じた企業投資情報提供システム。
【請求項12】
前記特許品質指標は、
被引用度、調整被引用度、外国出願人による被引用度、自己被引用度及び平均被引用にかかる期間を含む技術重要性指標と、
発明者平均出願特許数、発明者平均登録特許数、発明者平均登録率、発明者平均調整被引用度、発明者平均特許ファミリー数、発明者平均連続特許数、発明者平均登録期間、発明者平均総請求項数、発明者平均総特許残存期間を含む発明者専門性指標、出願基準特許ファミリー数、特許機関の特許ファミリー数及び特許協力条約出願数を含む市場性指標と、
先行特許引用度及び自己先行特許引用度を含む新規性指標と、
審査官による被引用度及び審査官による自己被引用度を含む特許範囲指標と、そして、
連続特許数、請求項数、追加された純請求項数、出願人数、発明家数、特許分類数及び残存期間を含む特許権利指標を含む、請求項7に記載の特許品質評価を通じた企業投資情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法及びシステムに係り、さらに詳細には、複数の特許情報に基づいて企業の特許品質指数を算出し、当該企業の特許品質指数と時価総額に基づいて特許品質対比時価総額の比率を算出することで、企業投資情報を提供する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業の類型資産に基づいて算出される投資指標を用いて企業の株価予測及び分析を進められてきた。最近には、多くの経済活動が労動者による有人生産基盤で知識勤労者によって稼動されるサービス基盤に変わることにより、企業の生産活動に重要な要素も変化されて特許のような無形の知的資産の重要性が増加している。
【0003】
これと関連し、特許引用度のようないくつかの特許指標を活用して企業価値または株価との関連性を分析する技術が開発されてきた。しかし、そのような従来の技術は、特許関連指標を断片的に活用するので、科学技術の発展と経時的に変化する特許の様々な情報を十分に反映していない実情である。
【0004】
したがって、従来技術で断片的に取り扱っていた特許情報を十分に活用するために、多様な特許品質指標を総合的に算出及び最適化して企業が保有した特許品質を適時に正確に評価し、その評価結果を活用して当該企業の株価を予測するのに役に立つ情報を生成することができる技術開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述した問題点を解決するためのものであって、様々な特許情報を用いて企業が保有した特許の品質指数を算出し、当該企業の特許品質指数と時価総額に基づいて特許品質対比時価総額の比率を算出する特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法及びシステムを提供することを一技術的課題とする。
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前記技術的課題に制限されず、以下の説明から本発明のさらに他の技術的課題が導出されうる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した技術的課題を解決するための技術的手段として、本発明の一側面によって端末と通信連結されたサーバのプロセッサによって遂行される特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法が提供される。本方法は、登録された有効特許に係わる複数の特許品質指標それぞれの数値値を算出し、算出された数値値を対象にして第1次主成分分析を遂行し、前記特許品質指標のうち、複数の主要品質指標を選定する段階、前記有効特許のうち、特定期間に権利が満了していない分析対象特許を対象にして前記主要品質指標の数値値を算出し、算出された数値値を対象にして第2次主成分分析を遂行して獲得した主成分指標に基づいて特許点数算出のための加重値を算出し、そして、当該加重値と前記分析対象特許に係わる主要品質指標の数値に基づいて前記分析対象特許の特許点数を算出する段階、前記分析対象特許が属した技術分野の市場規模に基づいて特許指数算出のための加重値を算出し、前記特許点数に前記特許指数算出のための加重値を加重和して前記分析対象特許の権利者に該当する企業の特許指数を算出する段階、そして、前記企業の時価総額と前記企業の特許指数を用いて前記企業の特許品質対比時価総額の比率を導出する段階を含む。
【0008】
また、上述した技術的課題を解決するための技術的手段として、本発明の他の側面によって、端末との通信連結を介して特許品質評価を通じた企業投資情報を提供するシステムが提供される。本システムは、端末との情報送受信を遂行する通信モジュール、企業投資情報提供プログラムを保存するメモリ及び前記メモリに保存されたプログラムを行うプロセッサを含み、前記プロセッサは、登録された有効特許に係わる複数の特許品質指標それぞれの数値値を算出し、前記数値値を対象にして第1次主成分分析を遂行し、前記特許品質指標のうち、複数の主要品質指標を選定し、前記有効特許のうち、特定期間に権利が満了していない分析対象特許を対象にして前記主要品質指標の数値値を算出し、当該数値値を対象にして第2次主成分分析を遂行して獲得した主成分指標に基づいて特許点数算出のための加重値を算出し、当該加重値と前記分析対象特許に係わる主要品質指標の数値に基づいて前記分析対象特許の特許点数を算出し、前記分析対象特許が属した技術分野の市場規模に基づいて特許指数算出のための加重値を算出し、前記特許点数に前記特許指数算出のための加重値を加重和して前記分析対象特許の権利者に該当する企業の特許指数を算出し、そして、前記企業の時価総額と前記企業の特許指数を用いて前記企業の特許品質対比時価総額の比率を導出することを遂行するように構成される。
【発明の効果】
【0009】
前述した本発明の課題解決手段によれば、従来技術で特許品質指標を断片的に取り扱っているが、一方、本発明は、特許品質指標を技術重要性指標、発明者専門性指標、市場性指標、新規性指標、特許範囲指標及び特許権利指標群に分類し、これらを総合的に最適化することで、特許品質の変化を示すのに適した主要特許品質指標に基づいて企業投資情報を生成することができる。
【0010】
また、本発明によれば、主要特許品質指標に主成分分析を通じる最適加重値を適用して特許点数に総合し、経時的に変化する特許品質を持続的に追跡することができる方法論を提示している。
【0011】
また、本発明によれば、企業の特許ポートフォリオを評価することができる特許品質指数を算出し、当該特許品質指数を株価との比率で表示した相対価値評価指標である特許品質対比時価総額の比率(PPR: Price-to-Patent Index Ratio)を通じて株式受益率に対する予測力にすぐれた方法論を提示している。
【0012】
また、本発明によれば、当該特許品質指数及び特許品質対比時価総額の比率のような企業投資情報をユーザに提供して専門家ではない一般人も容易に株価予測に活用することができる企業投資情報を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例による端末と通信連結される特許品質評価を通じた企業投資情報提供システムを示す図面である。
図2図1に示された特許品質評価を通じた企業投資情報提供システムの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の他の実施例による特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法の順序を示すフローチャートである。
図4図3に示された特許品質評価を通じた企業投資情報提供システムの段階が含む細部段階を示すフローチャートである。
図5図3に示された特許品質評価を通じた企業投資情報提供システムの段階が含む細部段階を示すフローチャートである。
図6図3に示された特許品質評価を通じた企業投資情報提供システムの段階が含む細部段階を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面に基づいて本発明を詳細に説明する。但し、本発明は、様々な互いに異なる形態によって具現され、ここで説明する実施例に限定されるものではない。また、添付図面は、本明細書に開示された実施例を容易に理解させるためのものであって、添付図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されない。ここで使用される技術用語及び科学用語を含む全ての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が一般的に理解する意味と解釈されねばならない。事前に定義された用語は、関連技術文献と現在開示された内容に符合する意味を追加的に有するものと解釈されなければならず、取り立てて定義されない限り、非常に理想的であるか、制限的な意味と解釈されない。
【0015】
図面で本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は、省略し、図面に示された各構成要素の大きさ、形態、形状は、多様に変形されうる。明細書全体において同一/類似した部分に対しては、同一/類似した図面符号を付した。
【0016】
以下の説明で使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」及び「部」などは明細書作成の容易性のみを考慮して与えられるか、混用されるものであって、それ自体で互いに区別される意味または役割を有するものではない。また、本明細書に開示された実施例の説明において関連公知技術に係わる具体的な説明が本明細書に開示された実施例の要旨をぼやかす恐れがあると判断される場合、その詳細な説明を省略した。
【0017】
明細書全体で、ある部分が他の部分と「連結(接続、接触または結合)」されているとするとき、これは「直接連結(接続、接触または結合)」されている場合だけではなく、その中間に他の部材を介在して「間接連結(接続、接触または結合)」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む(具備するまたは設ける)」とするとき、これは、特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに「含む(具備または設ける)」ということを意味する。
【0018】
本明細書で使用される第1、第2のように序数を示す用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用され、構成要素の順序や関係を制限しない。例えば、本発明の第1構成要素は、第2構成要素と名付けられ、同様に第2構成要素も第1構成要素と名付けられる。本明細書で使用される単数表現の形態は、明白に反対の意味を示さない限り、複数表現の形態も含むと解釈されねばならない。
図1は、本発明の一実施例による特許品質評価を通じた企業投資情報提供システム(以下、「企業投資情報提供システム」と称する)とそれと通信連結される端末200を示す図面である。
【0019】
図1を参照すれば、企業投資情報提供システム100及び端末200は、有線または無線通信網を通じて相互連結されうる。企業投資情報提供システム100は、SaaS (Software as a Service), PaaS (Platform as a Service)またはIaaS (Infrastructure as a Service)のようなクラウドコンピュータサーバによって形成されうる。端末200は、例えば、ウェブブラウザ(WEB Browser)が搭載されたノート型パソコン、デスクトップ(desktop)、ラップトップ(laptop)、携帯性と移動性が保証される無線通信装置またはスマートホン、タッチパッドを含むタブレットPCのようなあらゆる種類のハンドヘルド(Handheld)基盤の無線通信装置を意味しうる。通信網は、近距離通信網(Local Area Network; LAN)、広域通信網(Wide Area Network;WAN)または付加価置通信網(Value Added Network;VAN)のような有線ネットワークや移動通信網(mobile radio communication network)または衛星通信網のようなあらゆる種類の無線ネットワークによっても具現される。
【0020】
端末200は、ユーザの端末でもある。端末200は、企業投資情報提供システム100に特定期間及び特定企業情報を送信し、企業投資情報提供システム100から企業投資情報を出力してディスプレー上に表示することができる。
【0021】
さらに詳細には、端末200は、通信モジュール、メモリ、入出力モジュール及びプロセッサを含む。
【0022】
通信モジュールは、企業投資情報提供システム100との情報送受信を遂行する。通信モジュールは、他のネットワーク装置と有無線連結を介して制御信号または、データ信号のような信号の送受信に必要なハードウェア及びソフトウェアを含む装置を含む。
【0023】
メモリは、投資分析プログラムを保存する。投資分析プログラムの名称は、説明の便宜のために設定されたものであって、名称そのものでプログラムの機能を制限するものではない。メモリは、通信モジュールに入力される情報及びデータ、プロセッサによって遂行される機能に必要な情報及びデータ、プロセッサの実行によって生成されたデータのうち、少なくともいずれか1つ以上を保存することができる。メモリは、電源が供給されずとも、保存された情報を保持し続ける不揮発性保存装置及び保存された情報を保持するために、電力を必要とする揮発性保存装置を通称するものと解釈されねばならない。また、メモリは、プロセッサが処理するデータを一時的または永久的に保存する機能を遂行する。メモリは、保存された情報を保持するのに電力を必要とする揮発性保存装置以外に磁気記録媒体(magnetic storage media)またはフラッシュ記録媒体(flash storage media)を含むが、本発明の範囲がそれに限定されるものではない。
【0024】
入出力モジュールは、外部から端末200に伝送される情報、データなどを入力されるか、端末200が保有した情報、データなどを外部に出力することができる。例えば、入出力モジュールは、ディスプレイ、タッチパッド、スピーカ及びマイクなどを含む。
【0025】
プロセッサは、データを制御及び処理する多様な種類の装置を含む。プロセッサは、プログラム内に含まれたコードまたは命令で表現された機能を遂行するために、物理的に構造化された回路を有するハードウェアに内蔵されたデータ処理装置を意味する。一例において、プロセッサは、マイクロプロセッサ(microprocessor)、中央処理装置(central processing unit: CPU)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(application-specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)などの形態によっても具現されるが、本発明の範囲がそれに限定されるものではない。プロセッサは、メモリに保存された企業別投資分析プログラムを行って次のような機能及び手続きを遂行するように構成される。
【0026】
プロセッサは、入出力モジュールに検索情報入力インターフェースを生成し、当該インターフェースに検索しようとする特定期間及び特定企業情報を入力して企業投資情報提供システム100に送信する。
【0027】
プロセッサは、企業投資情報提供システム100から特定期間及び特定企業情報と対応する企業投資情報を受信することができる。
【0028】
図2は、特許品質評価を通じた企業投資情報提供システム100の構成を示すブロック図である。
【0029】
図1及び図2を共に参照すれば、企業投資情報提供システム100は、通信モジュール110、メモリ120、及びプロセッサ140を含み、データベース130をさらに含んでもよい。
【0030】
通信モジュール110は、端末200との情報送受信を遂行する。通信モジュール110は、他のネットワーク装置と有無線連結を介して制御信号またはデータ信号のような信号の送受信に必要なハードウェア及びソフトウェアを含む装置を含んでもよい。
【0031】
メモリ120は、企業投資情報提供プログラムを保存する。企業投資情報提供プログラムの名称は、説明の便宜のために設定されたものであって、名称そのものでプログラムの機能を制限するものではない。メモリ120は、通信モジュール110に入力されるデータ、プロセッサ140によって遂行される機能に必要なデータ及びプロセッサ140の実行によって生成されたデータのうち、少なくともいずれか1つを保存するように構成される。メモリ120は、電源が供給されずとも、保存された情報を保持し続ける不揮発性保存装置及び保存された情報を保持するために、電力を必要とする揮発性保存装置を通称するものと解釈されねばならない。メモリ120は、プロセッサ140が処理するデータを一時的または永久的に保存する機能を遂行することができる。メモリ120は、保存された情報を保持するのに電力を必要とする揮発性保存装置以外に磁気記録媒体(magnetic storage media)またはフラッシュ記録媒体(flash storage media)を含んでもよいが、本発明の範囲がそれに限定されるものではない。
【0032】
データベース130は、企業投資情報生成に必要なデータが保存される所である。データベース130は、メモリ120の一部領域に構築されるか、別途のハードウェアによっても具現される。
【0033】
プロセッサ140は、メモリ120に保存された企業投資情報提供プログラムを行うように構成される。プロセッサ140は、データを制御及び処理する多様な種類の装置を含む。プロセッサ140は、プログラム内に含まれたコードまたは命令で表現された機能を遂行するために物理的に構造化された回路を有する、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置を意味する。一例において、プロセッサ140は、マイクロプロセッサ(microprocessor)、中央処理装置(central processing unit: CPU)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(application-specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)などの形態によっても具現されるが、本発明の範囲がそれに限定されるものではない。
【0034】
プロセッサ140は、企業投資情報提供プログラムを行い、次のような機能及び手続きを遂行するように構成される。
【0035】
プロセッサ140は、登録された有効特許に係わる複数の特許品質指標それぞれの数値値を算出する。さらに詳細には、プロセッサ140は、有効特許で特許品質指標を算出するための特許評価要素を抽出し、当該特許評価要素に基づいて特許品質指標それぞれの数値値を算出することができる。有効特許は、特許庁及び特許検索データベースから受信して保存された情報でもある。特許品質指標は、技術重要性指標、発明者専門性指標、市場性指標、新規性指標、特許範囲指標及び特許権利指標を含む。プロセッサ140は、前記複数の特許品質指標それぞれの数値値を対象にして第1次主成分分析を遂行して特許品質指標のうち、複数の主要品質指標を選定する。さらに詳細には、プロセッサ140は、複数の特許品質指標それぞれの数値値を対象にして第1次主成分分析を遂行して特許品質指標の線形結合によって生成される主成分の主成分係数(loadings)を算出する。プロセッサ140は、主成分係数のうち、既定値以上の主成分係数を有する特許品質指標を主要品質指標として選定する。
【0036】
プロセッサ140は、有効特許のうち、特定期間に権利が満了していない分析対象特許を対象にして主要品質指標の数値値を算出する。プロセッサ140は、当該数値値を対象にして第2次主成分分析を遂行して獲得した主成分指標に基づいて特許点数算出のための加重値を算出する。プロセッサ140は、特許点数算出のための加重値と分析対象特許に係わる主要品質指標の数値に基づいて分析対象特許の特許点数を算出する。さらに詳細には、プロセッサ140は、分析対象特許に係わる主要品質指標を対象にして第2次主成分分析を通じて当該主要品質指標と線形結合によって生成される主成分の主成分係数(loadings)、分散比率及び累積分散比率を算出する。プロセッサ140は、累積分散比率が既定値以下の主成分を主成分として選定し、主成分の分散比率及び累積分散比率に基づいて主成分の分散寄与度を算出する。既設定の値は、90%以下でもある。プロセッサ140は、主成分の主成分係数及び分散寄与度に基づいて特許点数算出のための加重値を導出する。プロセッサ140は、当該加重値と分析対象特許に係わる主要品質指標の数値に基づいて分析対象特許の特許点数を算出する。
【0037】
プロセッサ140は、特許点数を当該特許が属した技術分野の市場規模に基づいて特許保有企業別に加重和し、集計して企業の特許品質指数(以下、「特許指数」と称する)を算出する。技術分野別市場規模を算出するために、プロセッサ140は、分析対象特許が属した技術分野別特許件数及び企業別特許件数と分析対象特許を保有した企業別売上高を導出する。プロセッサ140は、企業別特許件数と企業別売上高に基づいて技術分野別特許当たり平均売上高を導出する。プロセッサ140は、技術分野別特許当たり平均売上高及び技術分野別特許件数に基づいて技術分野別市場規模を導出する。プロセッサ140は、技術分野別市場規模に基づいて全体技術分野の市場規模対比特定技術分野別市場規模の比率である特許指数算出のための加重値を算出し、そし、特許点数と当該加重値に基づいて企業別特許指数を算出する。プロセッサ140は、特許情報に含まれている出願人及び権利者情報に基づいて企業別に特許件数及び特許指数などの情報を取り集めることができる。
【0038】
プロセッサ140は、企業別特許指数と企業別時価総額を用いて企業別特許品質対比時価総額の比率を導出する。
【0039】
プロセッサ140は、端末200から特定期間及び特定企業情報を受信し、特定期間及び特定企業情報と対応する有効特許情報、既保存の企業情報、主要品質指標の数値、企業別特許指数及び企業別特許品質対比時価総額の比率のうち、少なくとも1つ以上を含む企業投資情報を生成し、当該情報を端末200に提供することをさらに含んでもよい。
【0040】
図3は、本発明の他の実施例による特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法を説明する動作フローチャートであり、図4ないし図6は、特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法の一部段階に係わる詳細過程を示す図面である。以下、図3ないし図6を参照して、特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法を説明する。以下で説明される特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法の各段階は、図1及び図2を参照して説明した特許品質評価を通じた企業投資情報提供システム100によって遂行されうる。したがって、図1及び図2を参照して説明した本発明の実施例に係わる内容は、以下で説明される実施例にも同様に適用され、以下で上述した説明と重複する内容は省略する。以下で説明される段階は、必ずしも順次に行わねばならないものではなく、段階の順序は、多様に設定され、段階は、ほぼ同時に遂行されてもよい。
【0041】
図3を参照すれば、特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法は、特許の主要品質指標選定段階(S1100)、特許点数算出段階(S1200)、企業別特許指数算出段階(S1300)、企業別特許品質対比時価総額の比率導出段階(S1400)、及び企業投資情報提供段階(S1500)を含む。
【0042】
特許の主要品質指標選定段階(S1100)は、登録された有効特許に係わる複数の特許品質指標それぞれの数値値を算出し、当該数値値を対象にして第1次主成分分析を遂行し、特許品質指標のうち、複数の主要品質指標を選定する段階である。さらに詳細には、特許の主要品質指標選定段階(S1100)は、有効特許において特許品質指標を算出するための特許評価要素を抽出し、当該特許評価要素に基づいて特許品質指標を算出することができる。有効特許は、特許庁及び特許検索データベースから受信して保存された情報でもある。特許品質指標は、技術重要性指標、発明者専門性指標、市場性指標、新規性指標、特許範囲指標及び特許権利指標を含む。技術重要性指標は、被引用度、調整被引用度、外国出願人による被引用度、自己被引用度及び平均被引用にかかる期間のような指標を含む。発明者専門性指標は、発明者平均の出願特許数、登録特許数、登録率、調整被引用度、特許ファミリー数、連続特許数、平均登録期間、総請求項数及び総特許残存期間のような指標を含む。市場性指標は、出願基準特許ファミリー数、特許機関の特許ファミリー数及び特許協力条約出願数のような指標を含む。新規性指標は、先行特許引用度及び自己先行特許引用度のような指標を含む。特許範囲指標は、審査官による被引用度、自己被引用度、被引用のうち、5個以上の特許が属した国内特許ファミリーによる被引用度、被引用のうち、3個以上の特許が属した国外特許ファミリーによる被引用度、被引用のうち、同一技術分野の登録特許上位10%に該当する出願人の登録特許による被引用度、被引用のうち、同一技術分野の当該登録特許上位10%に該当する出願人の登録特許による被引用度、被引用のうち、同一技術分野の過去2年間の登録特許上位10%に該当する出願人の登録特許による被引用度、被引用のうち、500個以上の出願特許を保有した出願人の登録特許による被引用度、引用度及び自己引用度のような指標を含む。特許権利指標は、連続特許数、請求項数、追加された純請求項数、出願人数、発明家数、特許分類数及び残存期間のような指標を含む。特許品質指標の細部指標は、下記表1を通じて示す。
【0043】
【表1】
【0044】
特許点数算出段階(S1200)は、有効特許のうち、特定期間に権利が満了していない分析対象特許に係わる主要品質指標の数値値を対象にして第2次主成分分析を遂行して各特許点数算出のための加重値を算出し、当該加重値と主要品質指標の数値に基づいて分析対象特許の特許点数を算出する段階である。分析対象特許に係わる主要品質指標に特許点数算出のための加重値(wit)を付して算出される特許点(PSpt)は、下記数式1で表現しうる。
【0045】
【数1】
【0046】
数式1において、pは、特定分析対象特許を意味し、iは、特許pのi番目主要品質指標を意味し、tは、特定年度を意味する。xpitは、特許pに対するi番目主要品質指標の値をログ変換した値である。
【0047】
企業別特許指数算出段階(S1300)は、分析対象特許が属した技術分野の市場規模を算出し、それを加重値として分析対象特許の特許点数を保有企業別加重和と集計して企業別特許指数を算出する段階である。
【0048】
企業別特許品質対比時価総額の比率導出段階(S1400)は、企業別時価総額と企業別特許指数を用いて企業別特許品質対比時価総額の比率(PPR, Price-to-Patent Index Ratio)を導出する段階である。企業別特許品質対比時価総額の比率は、特許品質単位当たり株価の比率であって、当該比率値が他の企業より高ければ、株価が高評価されていることを意味する。したがって、企業別特許品質対比時価総額の比率は、企業投資情報に活用されうる。企業別時価総額は、年度別企業の時価総額を含む既保存の企業情報から導出されうる。
【0049】
企業投資情報提供段階(S1500)は、端末から特定期間及び特定企業情報を受信し、特定期間及び特定企業情報と対応する有効特許情報、既保存の企業情報、主要品質指標の数値、企業別特許指数及び企業別特許品質対比時価総額の比率のうち、少なくとも1つ以上を含む企業投資情報を生成し、当該情報を端末に提供する段階である。特許指数は、特定企業が保有している全ての特許のポートフォリオの価値判断の一助となれる。
【0050】
図4を参照すれば、特許の主要品質指標選定段階(S1100)は、第1次主成分分析による主成分係数算出段階(S1110)及び特許の主要品質指標選定段階(S1120)を含む。
【0051】
第1次主成分分析による主成分係数算出段階(S1110)は、特許品質指標を対象にして第1次主成分分析を遂行して特許品質指標の線形結合によって生成される主成分の主成分係数を算出する段階である。特許品質指標それぞれは、互いに類似した特性を有しつつ、高い相関関係を有する指標が含まれているので、特許品質指標をいずれも使用することは、指標間の重複によって非効率的である。したがって、第1次主成分分析による主成分係数算出段階(s1110)は、特許品質の変化を十分に説明する適正な個数の指標群を選び出すために主成分分析(Principal Component Analysis)という統計的技法を使用する。主成分分析は、変数間に強い相関性がある場合、変数の変動を最初のいくつかの主成分に集中させ、その後の主成分は、ノイズに支配されて無視可能なように次元縮小とデータ縮小によく使用される分析方法である。その過程で、主成分は、本来の変数の線形結合によって新たに作られ、互いに相関関係のない直交関係を満足する。第1次主成分分析による主成分係数算出段階(S1110)において特許品質指標を対象にして第1次主成分分析を進めれば、全体特許品質指標の変動を示すための主成分が導出され、全体特許品質指標と当該主成分は、線形結合式で表現される。特許品質指標に係わる主成分の係数は、下記数式2によって算出されうる。
【0052】
【数2】
【0053】
数式2において、mは、m番目主成分を意味し(m=1,・・・, k)、iは、i番目特許品質指標を意味する。Aimは、m番目主成分に対するi番目特許品質指標の主成分係を意味し、xiは、全特許品質指標のうち、i番目指標値をログ変換した値である。
【0054】
特許の主要品質指標選定段階(S1120)は、第1次主成分分析による主成分係数算出段階(S1110)で算出された主成分係数(Aim)のうち、既定値以上の主成分係数と線形結合される特許品質指標を主要品質指標として選定する段階である。例えば、1980年末から2017年末まで出願され、登録された有効特許に対する36個の細部指標を含む特許品質指標を対象にして第1次主成分分析を進める場合、特許品質指標に対する主成分係数は、下記表2のように示される。特許の主要品質指標選定段階(S1120)は、表2において主成分係数は、概して-0.14~0.36範囲を有するので、既定値を0.27以上に設定して19個の主要品質指標を選定することができる。既定値の範囲は、最も高い主成分係数を有する上位19個係数でもある。
【0055】
【表2】
【0056】
図5を参照すれば、特許点数算出段階(S1200)は、第2次主成分分析による主成分指標算出段階(S1210)、主成分選定段階(S1220)、分散寄与度算出段階(S1230)及び特許点数算出のための加重値導出段階(S1240)を含む。
【0057】
第2次主成分分析による主成分指標算出段階(S1210)は、分析対象特許に係わる主要品質指標を対象にして第2次主成分分析を通じて当該主要品質指標と線形結合される主成分の主成分係数、分散の比率及び累積分散比率を算出する段階である。主成分選定段階(S1220)は、累積分散の比率が90%以下の主成分を主成分として選定する段階である。分散寄与度算出段階(S1230)は、主成分の分散比率及び累積分散比率に基づいて当該主成分の分散寄与度を算出する段階である。特許点数算出のための加重値導出段階(S1240)は、主成分の主成分係数及び分散寄与度に基づいて特許点数算出のための加重値を導出する段階である。ここで、導出される特許点数算出のための加重値(wit)は、下記数式3で表現する。
【0058】
【数3】
【0059】
【表3】
【0060】
図6を参照すれば、企業別特許指数算出段階(S1300)は、技術分野別及び企業別特許件数導出段階(S1310)、企業別売上高導出段階(S1320)、特許当たり平均売上高算出段階(S1330)、特許技術分野別市場規模導出段階(S1340)、特許指数算出のための加重値導出段階(S1350)、及び企業別特許指数導出段階(S1360)を含む。
【0061】
技術分野別及び企業別特許件数導出段階(S1310)は、分析対象特許を対象にして技術分野別特許件数及び企業別特許件数を導出する段階である。技術分野は、特許のCPC(先進特許分類、Cooperative Patent Classification)コード及びIPC(国際特許分類、International Patent Classification)コードのうち、いずれか1つでもある。
【0062】
企業別売上高導出段階(S1320)は、企業別売上高を導出する段階である。さらに詳細には、企業別売上高導出段階(S1320)は、分析対象特許を保有した企業別売上高を導出する段階である。
【0063】
特許当たり平均売上高算出段階(S1330)は、企業別売上高及び企業別特許件数に基づいて特許当たり平均売上高を導出する段階である。さらに詳細には、特許当たり平均売上高算出段階(S1330)は、企業別売上高を企業別特許件数で割って企業別特許当たり売上高を算出し、技術分野別に当該分野に特許を保有している企業の特許当たり売上高をいずれも合算した値を、その企業の数で割って技術分野別特許当たり平均売上高を算出する段階である。ここで、企業別特許は、技術分野に関係なく、同様の売上寄与をすると仮定し、売上高が算出できない非上場企業は除外する。
【0064】
特許技術分野別市場規模導出段階(S1340)は、特許技術分野別特許当たり平均売上高及び技術分野別特許件数に基づいて技術分野別市場規模を導出する段階である。さらに詳細には、特許技術分野別市場規模導出段階(S1340)は、特許技術分野別特許当たり平均売上高と技術分野別特許件数とを乗算して技術分野別市場規模を導出することができる。
【0065】
特許指数算出のための加重値導出段階(S1350)は、特許技術分野別市場規模に基づいて全体特許技術分野の市場規模対比特定特許技術分野別市場規模の比率である加重値を算出する段階である。前記加重値(W )は、下記数式4で表現する。
【0066】
【数4】
【0067】
数式4において、tは、特定年度を意味し、sは、特定特許技術分野を意味し、REV は、特定年度tの特定特許技術分野sの市場規模を意味する。
【0068】
特許指数算出のための加重値に係わる例として、分析対象特許の技術分野であるCPCコードがA01Dに該当する特許がt年度に3個であり、上場企業であるA、Bと非上場企業であるCが当該技術分野に特許を1個ずつ所有していると仮定する。この際、A企業の売上高が100億であり、保有特許数が100個であれば、A企業の特許当たり売上高は、1億/patである。B企業の売上高が10億であり、保有特許数が2個であれば、B企業の特許当たり売上高は、5億/patである。ここで、A、Bが所有している特許は、技術分野に関係なく、同様の売上寄与をすると仮定する。C企業は、非上場企業なので、売上高が公示されておらず、特許当たり売上高を算出することができず、除外する。したがって、特許当たり平均売上高は、1億/patと5億/patの平均である3億/patとなり、当該特許当たり平均売上高に技術分野であるA01Dに属した特許数3を乗算すれば、技術分野A01Dの市場規模(9億)が導出される。
【0069】
企業別特許指数導出段階(S1360)は、特許点数と前記加重値に基づいて特許指数を算出する段階である。特許点数(PSpt )に前記加重値(W )を適用して算出される特許指数(PIjt)は、下記数式5で表現する。
【0070】
【数5】
【0071】
数式5において、pは、企業jが保有する特定分析対象特許を意味し、tは、特定年度を意味し、sは、当該特許の技術分野を意味し、jは、これら特許を保有する企業を意味する。
【0072】
前述した本発明の実施例による特許品質評価を通じた企業投資情報提供方法は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態にも具現される。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセスされる任意の可用媒体であり、揮発性及び不揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。また、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記録媒体を含む。コンピュータ記録媒体は、コンピュータ判読可能命令語、データ構造、プログラムモジュールまたはその他データのような情報の保存のための任意の方法または技術によって具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。
【0073】
本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、上述した説明に基づいて本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せずとも、他の具体的な形態に容易に変形可能であるということを理解できるであろう。したがって、以上で記述した実施例は、あらゆる面で例示的なものであり、限定的ではないと理解されねばならない。本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そして、その均等概念から導出される全ての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されねばならない。本願の範囲は、前記詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そして、その均等概念から導出される全ての変更または変形された形態が本願の範囲に含まれると解釈されねばならない。
【符号の説明】
【0074】
100 特許品質評価を通じた企業投資情報提供システム
110 通信モジュール
120 メモリ
130 データベース
140 プロセッサ
200 端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6