(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077405
(43)【公開日】2023-06-05
(54)【発明の名称】内燃エンジン
(51)【国際特許分類】
F02M 61/14 20060101AFI20230529BHJP
F02M 21/02 20060101ALI20230529BHJP
F02B 25/04 20060101ALI20230529BHJP
【FI】
F02M61/14 310Z
F02M21/02 S
F02B25/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022183079
(22)【出願日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】21210085
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】515191442
【氏名又は名称】ヴィンタートゥール ガス アンド ディーゼル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フリドリン ウンフーク
【テーマコード(参考)】
3G066
【Fターム(参考)】
3G066AA08
3G066AB02
3G066AB05
3G066AB06
3G066AD08
3G066AD10
3G066BA16
3G066BA17
3G066CC31
(57)【要約】
【課題】少なくとも200mmの内径を有する少なくとも1つのシリンダ1を有する内燃エンジン100であって、燃料流体を提供するための少なくとも1つの流体進入弁29を有する低圧燃料流体エンジン又は二元燃料エンジン1である内燃エンジンおいて、エンジン効率を向上させること。
【解決手段】シリンダが、シリンダの第1の端部側6aを取り囲む掃気チャンバ4に流体連通する複数の掃気ポート10を有する。内燃エンジンが、掃気チャンバ内に配置される、混合容積部分12を提供する少なくとも1つの混合チャンバ11を有する。混合チャンバが、少なくとも1つの入口ポート13と、各入口ポート13内に配置された、混合チャンバ内に燃料流体を導入するための少なくとも1つの供給ノズル14と、少なくとも1つの出口15とを有し、各出口15が少なくとも1つの掃気ポート10に、好適には最大4つの隣接する掃気ポート10に面する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
好適には少なくとも200mmの内径を有する少なくとも1つのシリンダ(1)を有する内燃エンジン(100)、好適には大型2ストローク内燃エンジン、すなわち、燃料流体を提供するための少なくとも1つの流体進入弁(29)を有する低圧燃料流体エンジン又は二元燃料エンジン(1)であって、前記シリンダ(1)が、掃気チャンバ(4)に流体連通する複数の掃気ポート(10)を有し、前記掃気チャンバ(4)が、前記シリンダ(1)の第1の端部側(6a)を取り囲んでいる、内燃エンジン(100)において、
前記内燃エンジン(100)が、前記掃気チャンバ(4)内に配置される、混合容積部分(12)を提供する少なくとも1つの混合チャンバ(11)を有すること、及び
前記混合チャンバ(11)が、
掃気を導入するための少なくとも1つの入口ポート(13)と、
前記混合チャンバ内に燃料流体を導入するための少なくとも1つの供給ノズル(14)であって、好適には各入口ポート(13)内に配置される少なくとも1つの供給ノズル(14)と、
少なくとも1つの出口(15)であって、各出口(15)が少なくとも1つの掃気ポート(10)に面し、好適には最大4つの隣接する掃気ポート(10)に面する、少なくとも1つの出口(15)と
を有することを特徴とする、内燃エンジン(100)。
【請求項2】
前記混合チャンバ(11)が、前記シリンダ(1)の少なくとも一部分の周りに同軸に配置される、請求項1に記載の内燃エンジン(100)。
【請求項3】
1つの混合チャンバ(11)が前記シリンダ(1)の周りで環状に延在し、環状の混合容積部分(12)を提供する、請求項2に記載の内燃エンジン(100)。
【請求項4】
複数の混合チャンバ(11)が前記シリンダ(1)の周りに環状に配置される、請求項2に記載の内燃エンジン(100)。
【請求項5】
前記混合チャンバ(11)が、前記出口(15)に隣接するネック部(16)を有し、前記ネック部(16)が好適には前記シリンダ(1)の前記外壁(8)に接触する、請求項1から4までのいずれか一項に記載の内燃エンジン(100)。
【請求項6】
各入口ポート(13)が、前記シリンダ(1)の軸(9)に対して特に平行又は垂直である軸(18)を有する入口管(17)を有する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の内燃エンジン(100)。
【請求項7】
前記入口管(17)が、前記入口管(17)の中間部分(21)の壁(20)内に同軸に配置された複数の供給ノズル(14)を備えるベンチュリ・ミキサ(19)として形成され、前記中間部分(21)が、前記入口管(17)の上流部分(22)及び下流部分(23)より小さい直径(24)を有する、請求項6に記載の内燃エンジン(100)。
【請求項8】
前記入口管(17)が、前記入口管(17)の上流部分(22’)及び下流部分(23’)と比較して拡大された直径(25)を有する中間部分(21’)を有し、少なくとも1つの供給ノズル(14)が前記中間部分(21’)内に配置される、請求項6に記載の内燃エンジン(100)。
【請求項9】
絞り弁(26)が、供給ノズル(14)の下流で前記入口管(17)内に配置される、請求項6から8までのいずれか一項に記載の内燃エンジン(100)。
【請求項10】
静的ミキサ(27)が、供給ノズル(14)の下流で前記入口管(17)内に配置される、請求項6から8までのいずれか一項に記載の内燃エンジン(100)。
【請求項11】
前記内燃エンジン(100)は、前記掃気ポート(10)が開き始めた後で前記混合チャンバ(11)内に燃料を噴射するように前記供給ノズル(14)を開くのを可能にするため、及び前記掃気ポート(10)が閉じられる前に噴射を停止するための制御デバイスを有する、請求項1から10までのいずれか一項に記載の内燃エンジン(100)。
【請求項12】
好適には少なくとも200mmの内径を有する少なくとも1つのシリンダ(1)を有する、特に請求項1から11までのいずれか一項に記載の内燃エンジン(100)、好適には大型の長手方向掃気式2ストローク内燃エンジン、すなわち、燃料流体を提供するための少なくとも1つの流体進入弁(29)を有する低圧燃料流体エンジン又は二元燃料エンジン(1)であって、
前記内燃エンジン(100)が、前記少なくとも1つの流体進入弁(29)の下流であって、シリンダ容積部分(31)の上流に配置された少なくとも1つの燃料供給チャンバ(28)、好適には複数の供給ノズル(14;14’)の上流に配置され且つ前記複数の供給ノズル(14;14’)に流体的に接続された少なくとも1つの燃料供給チャンバ(28)を有することを特徴とする、内燃エンジン(100)。
【請求項13】
前記燃料供給チャンバ(28)が前記シリンダ(1)の少なくとも一部分の周りに同軸に配置され、好適には、1つの供給チャンバ(28)が前記シリンダ(1)の周りで環状に延在し且つすべての供給ノズル(14;14’)に流体的に接続される、請求項12に記載の内燃エンジン(100)。
【請求項14】
好適には少なくとも200mmの内径を有する少なくとも1つのシリンダ(1)を有する、特に請求項1から13までのいずれか一項に記載の内燃エンジン(100)、好適には大型の長手方向掃気式2ストローク内燃エンジン、すなわち、燃料流体を提供するための少なくとも1つの流体進入弁(29)を有する低圧燃料流体エンジン又は二元燃料エンジン(1)であって、
逆止弁(30)が、前記少なくとも1つの流体進入弁(29)とシリンダ容積部分(31)との間の流路内に配置され、好適には供給ノズル(14’)内に配置されることを特徴とする、内燃エンジン(100)。
【請求項15】
請求項1から11までのいずれか一項に記載の内燃エンジンを動作させる方法であって、
前記掃気ポートが開けられた後で前記混合チャンバ内に燃料を噴射するように前記供給ノズルを開くステップと、
前記掃気ポートが閉じられる前に噴射を停止するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の前提部分による内燃エンジン、及び内燃エンジンを動作させるための方法に関する。
【0002】
本発明は、好適には、そのシリンダが少なくとも200mmの内径を有するような、大型マリーン・エンジン又は船舶用エンジン或いは定置エンジンのような内燃エンジンに関する。エンジンは、好適には、2ストローク・エンジン又は2ストローク・クロスヘッド・エンジンである。エンジンは、ガス・エンジン、二元燃料エンジン又は多元燃料(マルチ・フューエル)エンジンであってよい。このようなエンジン内で液体燃料又は気体燃料を燃焼させることが可能であり、さらには、自己点火又は強制点火も可能である。
【0003】
内燃エンジンは、長手方向掃気式2ストローク・エンジンであってもよい。
【背景技術】
【0004】
内燃エンジンという用語は、燃料の自己点火を特徴とするディーゼル・モードのみではなく、燃料又は2つの燃料の混合物の火花点火を特徴とするオットー・モードでも動作させられ得る大型エンジンも意味する。さらに、内燃エンジンという用語は、特に、別の燃料の火花点火のために燃料の自己点火が使用されるような、二元燃料エンジン及び大型エンジンも含む。
【0005】
エンジン回転数は、特に4ストローク・エンジンでは、好適には800RPM未満であり、より好適には、特には2ストローク・エンジンでは、200RPM未満であり、これは、低速エンジンの指定を示している。
【0006】
燃料は、ディーゼル・オイル又は船舶用ディーゼル・オイル、重油、エマルジョン、スラリ、メタノール、或いはエタノール、さらには、液化天然ガス(LNG:liquid natural gas)及び液化石油ガス(LPG:liquid petrol gas)などのようなガスであってよい。
【0007】
要求に応じて追加され得るような別の可能性のある燃料は:液化バイオガス(LBG:Liquefied Biogas)、生物燃料(例えば、原藻又は海草から作られるオイル)、アンモニア、水素、CO2からの合成燃料(例えば、パワートゥガス又はパワートゥリキッドによって作られる)である。
【0008】
特に貨物を運搬するための船舶である大型船は、通常、特に、多くは2ストローク・クロス・ヘッド・エンジンである、ディーゼル・エンジン及び/又はガス・エンジンである、内燃エンジンによって動力供給される。
【0009】
高加圧燃料又は低加圧燃料を圧力シリンダの中に直接に噴射することが知られている。そのタイミングは、空気と燃料との混合物が通過して噴出するのを低減するか又は回避するのを可能にするように選択され得る。燃料流体とアクティブ流体との混合が不十分となる可能性があり、燃料流体の濃度が局部的に高くなる可能性があり、それにより早期点火又は未燃焼流体の放出などの問題を引き起こす可能性がある。
【0010】
シリンダ・ライナ内に配置された進入穴(admission hole)が、ピストンのリング・パッケージ内の圧力を乱す可能性がある。
【0011】
WO2018135191A1が2ストローク・エンジンを開示しており、ここでは、燃料がノズルを介して掃気ポートの前方の空間の中へ運ばれる。燃料噴射が、掃気ポートがピストンから解放された後で開始され、掃気ポートが再び閉じられる前に終了する。
【0012】
EP3296557B1が2ストローク・エンジンを示しており、ここでは、燃料が、シリンダを囲む掃気チャンバ(scavenging air chamber)の中まで送られる。燃料が、主供給源から弁を通してリング・ラインの中まで送られる。リング・ラインから燃料ラインが分岐しており、燃料ラインが穴を有し、燃料がこれらの穴を通って掃気チャンバに入ることができ、掃気チャンバで燃料が掃気と混合される。シリンダ内での混合と同様に、混合が不十分となる可能性があり、燃料ガスの濃度が一様に分布しない可能性があり、それによりさらに、過早点火又はノッキングなどのミスファイヤリング事象が発生し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2018/135191(A1)号パンフレット
【特許文献2】欧州特許大3296557(B1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、従来技術の欠点を回避すること、また特に、エンジン効率を向上させることを可能にする内燃エンジン及び内燃エンジンを動作させる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、独立請求項による内燃エンジン、及び内燃エンジンを稼働するための方法によって達成される。
【0016】
内燃エンジンが、少なくとも200mmの内径を好適には有する、少なくとも1つのシリンダを有する。
【0017】
内燃エンジンが低圧燃料ガス・エンジン(low pressure fuel gas engine)又は二元燃料エンジンであり、好適には、大型2ストローク内燃エンジンである。
【0018】
内燃エンジンが、燃料流体を提供するための少なくとも1つの流体進入弁を有する。本出願では、燃料流体が燃料ガス又は燃料液であってよい。
【0019】
シリンダが、掃気チャンバに流体連通された複数の掃気ポートを有する。掃気チャンバがピストンのストローク方向におけるシリンダの第1の端部側の少なくとも一部分を囲み、掃気が掃気チャンバの中に導入され得る。
【0020】
掃気が、酸素又はオゾンなど或いはその混合物(例えば、空気)などの酸化剤を含む、圧縮され、冷却され、脱水された、活性ガスの例であってよい。掃気が、さらに、再循環する排気ガス又は異なる種類の不活性ガスを含む可能性がある。
【0021】
掃気ポートが、シリンダの第1の端部側上のシリンダ・ライナの内側円周面である内側円周面からその外側円周面まで通過する穴であってよく、複数の掃気ポートがシリンダの全体の周りに設けられ得る。
【0022】
掃気ポートが、シリンダ内でのピストン移動によって開閉され得る。
【0023】
内燃エンジンが、掃気チャンバ内に配置される、混合容積部分(mixing volume)を提供する少なくとも1つの混合チャンバを有する。
【0024】
混合チャンバが、掃気を導入するための少なくとも1つの入口ポートと、燃料流体を混合チャンバの中に導入するための少なくとも1つの供給ノズルと、少なくとも1つの出口と、を有する。
【0025】
少なくとも1つの混合チャンバが掃気チャンバ内に配置され得、その結果、掃気が混合チャンバのみを介してシリンダの中に入ることができる。したがって、掃気が入口ポートを介して混合チャンバに入る必要があり、混合容積部分を通過する必要があり、出口を介して混合チャンバから離れて掃気ポートに到達する必要がある。混合チャンバに加えて、掃気チャンバと掃気ポートとの間に直接の流体接続部が存在しなくてよい。掃気が、シリンダの中に吸引されるのに混合チャンバを迂回しなくてよい。こうすることで、燃料流体が供給される量に関係なく、燃料流体が掃気と最適に混合され得る。
【0026】
混合容積部分内で少なくとも1つのラムダ値(空気燃料比)に到達し得る。排気ガス再循環を用いないエンジンの場合、少なくとも2つのラムダ値が達成され得る。
【0027】
好適には、少なくとも1つの供給ノズルが入口ポート内に配置され、より好適には各入口ポート内に配置される。燃料流体が掃気と共に混合容積部分に入ることができる。燃料流体が、一様に分布する混合物が形成されるように、掃気に供給され得る。
【0028】
各出口が少なくとも1つの掃気ポートの方を向く(すなわち面している)。
【0029】
混合チャンバが、1つの掃気ポートごとに1つの出口を有することができるか、又は、最大8つの隣接する掃気ポートに対して、好適には最大4つの隣接する掃気ポートに対して、1つの出口を有することができる。
【0030】
流体進入弁が、加圧燃料ガス又は加圧燃料液を供給することができる。混合チャンバ内で、燃料ガス又は燃料液が膨張し、掃気とよく混ぜ合わされ、その結果、燃料/空気の混合物が提供される。
【0031】
燃料及び空気を予混合することにより、燃料がシリンダに入って掃気とよく混ぜ合わされ、したがって、シリンダ内で一様に分布することができる。燃焼チャンバ内での非常に燃料比率の低い混合物領域及び非常に燃料比率の高い混合物領域が低減される。加えて、ガス進入の開始及びガス進入の終了を最適化して天然ガスが混合チャンバに入るのを許容することにより、燃料が例えばピストンとライナとの間の燃焼チャンバの隙間に入ることが防止され、掃気プロセス中にシリンダから出る直接の燃料損失が低減される。
【0032】
具体的にはメタンなどの未燃焼燃料のパーセンテージが低減され、所望の点火タイミングの前に点火が起こる傾向及びノッキング燃焼が起こる傾向が低減され、したがって、エンジン効率が向上し、二元燃料ガス・モードにおけるエンジン動作サイクルが改善される。
【0033】
燃料流体がシリンダの外側で掃気と予混合されて、十分に調製された(well prepared)燃料/空気の混合物がシリンダに入ることを理由として、必要となる燃料圧が低減され得る。
【0034】
さらに、混合チャンバが、燃料ガスに対して、さらには燃料液に対して、適切なものとなる。
【0035】
内燃エンジンが、船のエンジンとして使用され得る単流掃気式2ストローク・エンジンであってよい。掃気チャンバがシリンダの第1の端部側に配置されるのに対して、排気ポートが、シリンダ内のピストンのストローク方向における第2の端部側に設けられ得る。
【0036】
排気ポートが、第2の端部側において、例えばシリンダ・ヘッド内に、設けられ、ピストンの上死点の上方に位置する、開口部であってよく、燃焼後にシリンダ内に発生する排気ガスを排出するために開けられて閉じられる。排気ポートが開けられると、排気ガスがシリンダから排気ポートを通して排出される。
【0037】
少なくとも1つの混合チャンバが、具体的には、シリンダ壁内に同軸に配置された掃気ポートに対応する、シリンダの少なくとも一部分の周りに同軸に配置され得る。混合チャンバが掃気ポートと同じ軸レベルに配置され得、つまり、上死点と下死点との間において掃気ポートと同じレベルに配置され得る。したがって、燃料/空気の混合物のシリンダ容積部分までの経路が短くなる。
【0038】
少なくとも1つの混合チャンバのうちの1つの混合チャンバが、燃料と掃気との混合物を1つの掃気ポートに供給することができ、さらには複数の隣接する掃気ポートに対して又はさらにはすべての掃気ポートに対して供給することができる。
【0039】
内燃エンジンが正確に1つの混合チャンバを有することができ、混合チャンバがシリンダ全体の周りを環状に延在していてよく、環状の混合容積部分を提供することができる。
【0040】
環状混合チャンバが、環状入口ポート及び/又は環状出口を有することができる。環状出口がすべての掃気ポートのために機能することができる。別法として、環状混合チャンバが、複数の入口ポート及び/又は複数の出口を有することができる。
【0041】
1つの環状混合チャンバの代わりに、少なくとも2つの混合チャンバが、シリンダの周りの同軸リング上に配置されてもよい。複数の混合チャンバがシリンダの周りに環状に配置され得る。各混合チャンバが、最大8個の、好適には4個の、隣接する掃気ポートのために機能することができる。
【0042】
複数の混合チャンバの各々が、1つの入口ポート及び1つの供給ノズルを有することができる。別法として、複数の混合チャンバの各々が、複数の入口ポート及び/又は複数の出口を有することができる。
【0043】
混合チャンバが、出口に隣接する及び/又は出口を囲むネック部を有することができ、ネック部が好適にはシリンダの外壁に接触する。ネック部が、出口により1つ又は複数の隣接する掃気ポートをカバーすることになるように及び出口により燃料/空気の混合物の流れを誘導することになるように、配置され得、その結果、燃料/空気の混合物がシリンダに単に入るだけになり、掃気チャンバに戻らないようになる。
【0044】
ネック部が、掃気の形態(scavenging air form)が混合チャンバを通過することなく掃気ポートに入るのを防止することができる。
【0045】
各入口ポートが入口管を有することができる。入口管の少なくとも一部分が、好適にはシリンダの軸に対して平行又は垂直である、軸を有することができる。したがって、掃気が、軸方向又は径方向において混合チャンバに供給され得る。
【0046】
少なくとも1つの供給ノズルが入口管内に配置され得、好適には、主として管軸の方向において燃料液を供給することになるように、配置され得る。燃料流体と掃気とを混合することが入口管で開始され得る。
【0047】
入口管が、管の中間部分の壁内に、管の軸に対して同軸に配置された供給ノズルを備えるベンチュリ・ミキサとして形成され得る。管の中間部分が、管の上流部分及び下流部分より小さい直径を有する。
【0048】
中間部分では、燃料流体がその速度を増大させなければならず、対して、その圧力が低減される。流体が中間部分から離れるとき、その圧力が増大して管レベルに戻る。さらに、中間部分における圧力変化が、所要の割合で主空気流に合流して混合されるように、供給される燃料の流れに変化をもたらす。燃料流体が、ポンプを用いずに、又は、少なくともポンプ動力を低減して、供給され得る。
【0049】
入口管が、別法として、入口管の上流部分及び下流部分と比較して拡大した直径を有する中間部分を有することができる。少なくとも1つの供給ノズルが中間部分内に配置され得る。燃料流体及び掃気が、乱流条件下で、混ぜ合わされる。
【0050】
静的ミキサが、供給ノズルの下流で入口管内に配置され得る。静的ミキサが、混ぜ合わされた燃料流体及び掃気の混合を改善することができる。したがって、混合のための混合チャンバ内の流路が低減され得る。
【0051】
絞り弁が、供給ノズルの下流で入口管内に配置され得る。
【0052】
絞り弁を設定することにより、混合チャンバへの掃気の進入が制御され得る。したがって、特には複数のシリンダを備える燃焼エンジンの場合、掃気の進入が他の混合チャンバと均等化され得る。さらに、負荷が小さい場合、掃気の供給が低減され得る。絞りが、さらに、燃料ガス及び掃気の混合を改善するのに使用され得る。
【0053】
内燃エンジンが、絞り弁を設定するための制御デバイスを有することができる。
【0054】
内燃エンジンが、掃気ポートが開き始めた後で燃料を混合チャンバの中に噴射するために供給ノズルを開けるのを可能にするための、及び、掃気ポートが閉じられる前に噴射を停止するための、制御デバイスを有することができる。
【0055】
したがって、排気出口を通る未燃焼燃料を噴出させるリスクが低減される。
【0056】
別の態様によると、内燃エンジンが、燃料流体を提供するための少なくとも1つのガス進入弁を有し、さらに、少なくとも1つのガス進入弁の下流に及びシリンダの容積の上流に配置された少なくとも1つの燃料供給チャンバを有する。好適には、燃料供給チャンバが、複数の供給ノズルの上流に配置され、複数の供給ノズルに流体的に接続される。好適には、内燃エンジンが、多様な軸レベルに配置され得る1個から3個の燃料供給チャンバを有する。各燃料供給チャンバが、1個から5個の流体進入弁の下流に配置され得る。
【0057】
好適には、燃料供給チャンバが掃気を導入するための入口ポートを有さず、掃気が燃料供給チャンバに入ることが許されない。燃料供給チャンバが、燃料流体をシリンダの周りに分配するのを実現することができる。
【0058】
燃焼エンジンが、少なくとも1つのシリンダを有し、好適には少なくとも200mmの内径を有する、低圧燃料ガス・エンジン又は二元燃料エンジンであり、好適には、大型の長手方向掃気式2ストローク内燃エンジンである。燃焼エンジンが、具体的には、上述した燃焼エンジンである。
【0059】
1つ又は複数の流体進入弁が燃料供給チャンバ上に設置され得る。流体進入弁が、加圧流体が燃料供給チャンバに入るのを可能にするために作動され得る。好適には、4個から16個の流体進入弁がシリンダの周りに設置される。
【0060】
供給ノズルが、燃料流体を混合チャンバに供給するか又はシリンダに直接に供給するように配置され得る。シリンダが供給ノズルを画定するシリンダ壁内にノズル開口部を有することができ、例えば40個~50個のノズル開口部を有することができる。ノズル開口部が、径方向に方向付けられ得るか又は径方向に対して一定の角度を有することができる軸を有することができる。ノズル開口部の軸がシリンダ軸に対して垂直であってよいか、又は、シリンダ軸に対して垂直である水平面に対して一定の角度を有することができる。
【0061】
1つ又は複数のこのような燃料供給チャンバが、燃料と新しい投入分との混合(fuel fresh charge mixing)を最適化するような軸方向距離を有するように1つのシリンダ上に装着され得る。
【0062】
燃料供給チャンバが、シリンダの少なくとも一部分の周りに同軸に配置され得る。好適には1つの供給チャンバがシリンダの周りを環状に延在していてよく、すべての供給ノズルに流体的に接続され得る。
【0063】
このような燃料供給チャンバのロケーションはピストン・ストロークの下半分の中にあることが好適である。掃気ポートを通ってシリンダの中へ流れる新しい投入分により、高い乱流レベルの領域の中に燃料を入れるのを可能にするようなロケーションが有利である。
【0064】
燃料供給チャンバが混合チャンバと同じ軸レベルに配置され得るか、混合チャンバの軸レベルの上方に配置され得るか、又は混合チャンバの軸レベルの下方に配置され得る。
【0065】
別の態様によると、内燃エンジンが、燃料流体を提供するための少なくとも1つの流体進入弁を有する。逆止弁が、少なくとも1つの流体進入弁とシリンダ容積部分との間の流路内に配置され、好適には供給ノズル内に配置される。
【0066】
燃焼エンジンが、少なくとも1つのシリンダを有し、好適には少なくとも200mmの内径を有する、低圧燃料ガス・エンジン又は二元燃料エンジンであり、好適には、大型の長手方向掃気式2ストローク内燃エンジンである。燃焼エンジンが、具体的には、上述した燃焼エンジンである。
【0067】
逆止弁が死容積を低減するのを実現する。死容積は、流体進入弁が閉じられた後でそこから燃料がシリンダに入ることができるところである容積である。逆止弁がさらに、システム内の燃料の力学(fuel dynamics)を改善することができる。逆止弁が死容積を小さくするのを実現することを理由として、変更要求に対しての反応がより迅速に行われ得るようになる。容積が小さいことでシステムの慣性も小さくなる。
【0068】
好適には、逆止弁が、逆止弁を有さない構成と比較して死容積を少なくとも70%から80%低減するように、配置される。
【0069】
別の態様によると、掃気ポートを備えるシリンダと、混合チャンバと、供給ノズルと、を有する上述した内燃エンジンを動作させるための方法が提供される。本方法が、掃気ポートが開けられた後で燃料を混合チャンバの中に噴射するために供給ノズルを開けるステップと、掃気ポートが閉じられる前に噴射を停止するステップと、を含む。
【0070】
本文脈では、掃気ポートが開けられるとすぐに、掃気ガスと燃料流体との混合物がシリンダに入ることができる。同様に、ガスがシリンダに入ることができない場合につまりピストンが掃気ポートの上方にある場合に、掃気ポートが閉じられる。
【0071】
シリンダに掃気を施すために、第1の純粋な掃気がシリンダの中へ誘導され得る。その後、供給ノズルが、掃気ガスと燃料流体との混合の混合物がシリンダに入るのを可能にするために、開けられる。
【0072】
好適には、内燃エンジンが、弁を設定するための、また具体的には、供給ノズルを開けるのを可能にするための及び噴射を停止するための、制御デバイスを有する。
【0073】
以下で、図を用いて本発明を実施例でさらに説明する。同じ参照符号は、機能的に一致する構造部を示す。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【
図2】シリンダの第1の端部側の第1の実例を示す概略側面図である。
【
図4】シリンダの第1の端部側の第2の実例を示す概略側面図である。
【
図5】シリンダの第1の端部側の第2の実例を用いてシリンダを示す概略側面図である。
【
図10】クランク位置/時間に応じた弁設定を示す概略のグラフである。
【
図11a】内燃エンジンの別の実例を示す概略の側面断面図である。
【
図11b】内燃エンジンの別の実例を示す概略の上面断面図である。
【
図12】内燃エンジンの別の実例のシリンダ・ライナを示す概略の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
図1が、内燃エンジン100の概略図を示す。内燃エンジンが、少なくとも200mmの内径7を有する、少なくともシリンダ1を有する大型2ストローク内燃エンジンである。往復ピストン2が図に示されないクロスヘッドに接続される。
【0076】
シリンダ1が、例えば32個の掃気ポートである、複数の掃気ポート10を有し、複数の掃気ポート10が掃気チャンバ4に流体連通される。掃気チャンバ4がシリンダ1の第1の端部側6aを囲む。排気ポート3がシリンダ2の第2の端部側6b上に配置される。
【0077】
内燃エンジン100が、掃気チャンバ4内に配置された少なくとも1つの混合チャンバ11を有する。混合チャンバ11内で、燃料流体及び掃気が、掃気ポート10を通ってシリンダに入る前に、混合される。
【0078】
図2が、シリンダ1の第1の端部側6aの第1の実例の概略図を側面図で示す。第1の端部側6aにおいて、複数の混合チャンバ11がシリンダ1の周りに配置される。
【0079】
各混合チャンバ11が、掃気を混合チャンバ11の中に導入するための入口ポート13を有する。燃料流体を混合チャンバの中に導入するための供給ノズル14が各々の入口ポート13内に配置される。
【0080】
各混合チャンバ11が、少なくとも1つの掃気ポート10の方を向く出口15を有する。
【0081】
各混合チャンバ11が混合容積部分12を提供し、混合容積部分12で、掃気及び燃料流体が、シリンダ1に入る前に可能な限り一様に混合物を形成する。
【0082】
図3が、第1の実例の概略図を上方からの断面図で示す。混合チャンバ11がシリンダ1の周りにある円として配置される。燃料流体が燃料供給チャンバ28を介して供給ノズル14に供給される。各燃料供給チャンバが流体進入弁29に流体的に接続される。したがって、各流体進入弁29が、それぞれの燃料供給チャンバ28に接続されたすべての供給ノズル14に燃料流体を供給することができる。
【0083】
供給ノズル14より少ない燃料進入弁29と共に燃料供給チャンバ28を使用することの代わりに、燃料進入弁29が供給ノズル14に一体化され得、それにより、燃料進入弁29及び供給ノズル14が同数となる。
【0084】
図4が、シリンダの第1の端部側6aの第2の実例の概略図を側面図で示し、
図5が、第2の実例の概略図を側面図で示す。
【0085】
この実例では、1つの混合チャンバ11がシリンダ1の周りに環状に配置される。混合チャンバ11が複数の入口ポート3(
図5を参照)を有することができるか、又は環状入口ポートを有することができる。混合チャンバ11が複数の供給ノズル14を有する。供給ノズル14が単一の共通の燃料供給チャンバ28を介して供給を受け、燃料供給チャンバ28への供給が4つの流体進入弁29によって行われる。
【0086】
さらに、1つの環状混合チャンバ11の事例では、流体進入弁29が供給ノズル14に一体化され得、その結果、同数の燃料進入弁29及び供給ノズル14が装着されることになる。
【0087】
図5で見ることができるように、入口ポート13が、シリンダ1の軸9と平行である軸18を有する個別の入口管17として形成され得るか、又は、入口ポート13が、単一の環状開口部を有する環状カラーとして形成され得る。
【0088】
混合チャンバ11が出口15に隣接するネック部16を有し、ネック部16がシリンダ1の外壁8に接触する。したがって、燃料流体と掃気との混合物が高い信頼性でシリンダの中に誘導される。
【0089】
図6が、入口管17の第1の実例の概略図を示す。入口管17が、入口管17の上流部分22’及び下流部分23’と比較して拡大した直径25を有する中間部分21’を有する。供給ノズル14が中間部分21’内に配置される。
【0090】
上流部分22’のところで入口管17に入る掃気が中間部分21’内に乱流を形成し、それにより、入ってくる燃料流体との一様な混合を促進する。
【0091】
図7が、軸18に沿って(上側)、及び、軸18に対して垂直に(下側)、入口管17の第2の実例の概略図を示す。
【0092】
この実例では、入口管17が、入口管17の中間部分21の壁20内に同軸に配置された供給ノズル14を備えるベンチュリ・ミキサ19として形成される。この事例では、中間部分21が、入口管17の上流部分22及び下流部分23より小さい直径24を有する。
【0093】
中間部分21内の掃気の流れが加速されることにより、燃料流体が入口管17の中に吸引される。
【0094】
図8が、入口管17の第3の実例の概略図を示す。供給ノズル14が入口管17内に配置され、供給ノズル14の下流に静的ミキサ27が存在する。流路が静的ミキサ27によって決定されることにより、乱流が発生し、それにより掃気と燃料流体との混合を実現する。
【0095】
図9が入口管17の第4の実例の概略図を示す。絞り弁26が、供給ノズル14の下流で入口管17内に配置される。
【0096】
絞り弁を設定することにより、燃料流体とよく混ぜ合わされた掃気の流入が均等化され得、これが、例えば掃気リザーバ5(
図1を参照)と入口管17との間の距離及び/又は流体進入弁29(
図3及び4を参照)と供給ノズル14との間の距離が各々の入口管17において異なる場合などで、すべての入口管17が同じ圧力の掃気及び/又は燃料流体を供給されるわけではない場合に、必要となる可能性がある。
【0097】
図10が、クランク角に応じた弁の設定の概略のグラフを示す。破線が排気ポート3(
図1を参照)の設定を概略的に示し、点線が流体進入弁29(
図3及び4を参照)の設定を示し、実線が掃気ポート10(
図1を参照)の状態を示す。
【0098】
燃料が、一方で掃気プロセス中に燃料の一部がシリンダから外に出るのを回避することを目的として他方で最良の混合結果を得ることを目的として、特定のクランク角間隔で中に入れられるのを許容される必要がある。
【0099】
ピストン2(
図1を参照)が動力ストローク中に下方に移動するとき、排気ポート3(
図1を参照)が開き、次いでピストンが掃気ポート10を開ける。
【0100】
混合チャンバ11の中への燃料進入の開始が、新しい投入分によりシリンダに掃気が施されるようするが、しかし、掃気プロセス中に排気ポート3を介してシリンダ1から外に出る燃料を可能な限り少なくするか又はなくすような、タイミングで開始されるべきである。直接のメタン・スリップが防止されることになる。燃料と新しい投入分との混合を最適化するために、進入継続時間及び新しい掃気に入る燃料流体のタイミングが最適化される必要がある。圧縮ストローク中、ピストン2が掃気ポート10を閉じる前に燃料流体の進入が停止する必要がある。
【0101】
通常、掃気ポート10は、ピストンが下死点に到達する前に、約40°のCA(crank angle(クランク角))で開くか、又は、ピストンが上死点を通過した後で、140°のCAで開く。
【0102】
通常、掃気ポート10は、ピストンが下死点を通過した後で、約40°のCAで閉じるか、又は、ピストンが上死点を通過した後で、220°のCAで閉じる。
【0103】
排気ポートが240°のCAから280°のCAで閉じ、ここでは、実際の排出弁の閉鎖がエンジン負荷によって決定される。
【0104】
ガス進入は、通常、掃気ポートが開いた後で、20°のCAで開始されるか、又は、ピストンが上死点を通過した後で、160°のCAで開始される。ガス進入は、通常、掃気ポート10が閉じられる前に、約5°のCAで終了するか、又は、ピストンが上死点を通過した後で、215°のCAで終了する。
【0105】
図11aが、内燃エンジン100の別の実例の概略図を側方からの断面図で示し、
図11bが、同じ実例の概略図を上方からの断面図で示す。
【0106】
軸方向において離間された2つの燃料供給チャンバ28がシリンダ1の周りに配置される。各燃料供給チャンバ28が、4つの流体進入弁29の下流及びシリンダ1の容積31の上流に配置される。別法として、各燃料供給チャンバに対して、1個から10個の流体進入弁29が装着され得る。
【0107】
この事例では、燃料流体ノズル14’がシリンダ1の壁20内に配置され、方向付けられた流体ストリーム32を提供し、方向付けられた流体ストリーム32が、シリンダ軸9に対して垂直である水平面33に対して、-45°から45°の間の、好適には-25°から25°の間の、第1の角度γと、水平面33内の径方向34に対して、-70°から70°の間の、好適には-45°から45°の間の、第2の角度βと、を有する。
【0108】
流体ノズル14’が同じ軸レベルに配置され、均等に離間される。
【0109】
各燃料供給チャンバ29上に、一般に、1つ又は複数の流体進入弁29が設置され得る。燃料進入弁29が、加圧燃料が燃料供給チャンバ29に入るのを可能にするように作動され得る。一般に、1つ又は複数のこのような燃料供給チャンバ29が、燃料と新しい投入分との混合を最適化するために1つのシリンダ上に装着され得る。
【0110】
図12が、内燃エンジンのための別の実例のシリンダ壁20の概略図を側方からの断面図で示す。
【0111】
この実例では、燃料進入弁29(図には示されない)が、シリンダ1の壁20の外側に設置される。流体進入弁29のノズル容積35が供給ノズル14’に直接に接続され、それにより、流体進入弁29とシリンダ容積部分31との間の流路を形成する。
【0112】
逆止弁30が各供給ノズル14’内に配置される。流体進入弁29からの圧力なしで、逆止弁30が閉じた状態を維持する。流体進入弁29を閉じた後でそこから燃料流体がシリンダ容積部分の中に入ることができるところである、流体進入弁29の下流の死容積が、低減される。
【0113】
一般に、逆止弁30は、ガス進入弁29とシリンダ容積部分31との間の流路内の任意の場所に配置され得、好適にはシリンダ容積部分31に近接するように配置され得る。
【外国語明細書】